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房州軌道物語

27サマンサ:2004/01/11(日) 13:40
チャットで「俺はこーゆー房州を考えているんだけどさ、
なんか>>1に反する思想みたいでお蔵入りにしたのよ」と
言ったときのネタです。「こんなの房州じゃない」と
思ったらスルー推奨。しかもプロットだけだし。

 1953年、房州軌道の列車が国鉄線に直通し、千葉まで走ることになった。
大里から千葉まで国鉄線を房州の乗務員が運転するということで、国鉄に
研修へ出向いた二人の乗務員。
 国鉄の様式美とも言える規律や規則に感銘を受け、房州軌道もシステマ
チックにならなければと決意をする。
 千葉駅の乗務員詰所では、国鉄の乗務員と話が弾む。態度は尊大だが、
そこには鉄道員としての誇りを垣間見ることが出来た。
 房州軌道はこれから十年、国鉄という異文化を貪欲に吸収して近代的に
発展していく。

<続く>

28サマンサ:2004/01/11(日) 13:45
1971年、国鉄房州本線電化。
 房州軌道は気動車なので、あいかわらずディーゼル2連で乗り入れる。
 連続上り勾配を冷却水沸騰ギリギリのところで踏ん張って、あえぐように
走る房州車も、電車の速度の前に邪魔者扱いとなってきた。
 千葉駅の雰囲気も、どんどん変わっていった。
 組合、派閥の抗争が激しくなり、情報・指令の伝達がままならなくなる。
助役は中立の房州乗務員に愚痴をこぼし、国鉄乗務員は房州乗務員と距離を
置くようになる。
 あれほど素晴らしかった保線や車輌整備も日に日に悪くなり、房州乗務員は
事故を起こさぬよう、そして事故に巻き込まれぬよう他山の石としてより一層の
安全運行を誓う。
 しかし1978年、電車ダイヤの間に気動車をはさむことがままならなくなり、
そして千葉の整備担当が房州車の受け入れを労働争議の種にして拒否。
 乗入れは打ち切られた。
<続く>

29サマンサ:2004/01/11(日) 13:57
2003年 JR東日本房州線
 E217系が大里駅から房州鉄道に入る。
 房州鉄道は1985年に電化。JRから電気を購入しており、
自前の変電所は持っていない。
 現在は房州線内を2連の電車が走るほか、夏季を中心に海水浴列車が
東京から乗り入れてくる。

 JRの乗務員は、貧弱な軌道の房州線内に入り、そろりそろりとノッチ制限
を行ないながら道を歩んでいく。
 小さな私鉄だが、係員の動作はキビキビしており、そして信号・通信の情報も
的確かつ論理的に行なわれている。
 電車は松原に到着した。ここで列車交換が行われる予定だが、対向列車は
まだ来ない。

 「交換相手の対向車が乗降遅延で遅れています。次の片貝まで走って下さい。
片貝は無通告着線変更がききますので、場内2番に入ってください」
 松原駅長はE217系の運転士にそう指示した。

 ダイヤの乱れを最小限に抑えるべく、次々に指令が飛ぶ。
 一致協力して遅れを戻そうと、必死になっている様子が無線の声からもわかる。

 終点の貝塚で、JR運転手は年老いた助役に話しかけた。
 「房州さんはすごいですね」
 助役は笑って答えた。
 「みんな国鉄さんから、教えてもらったんですよ」

 帰り道、E217系は満員の海水浴客を乗せて、平坦な房州線を
引き返していく。
 足どりは軽かった。

30サマンサ:2004/01/11(日) 14:07
 で、このプロットから、昭和30年代のディーゼルカー運転術や、
保線の基礎知識、信号方式とそれにまつわる乗務員の苦悩みたいな
はなしをまとめようと思ったんだけど、ほとんど国鉄房州線の話に
なって、房州軌道はほとんどでないんだよね(w
 ダメじゃん、と。

ていうかそれ以前に「軽便鉄道」じゃないってところで終わっているんだが……。

31雄山鉄道:2004/01/11(日) 14:25
>>30
サブロク規格だけれど、軽便鉄道法準拠で作られた鉄道なら無問題よとあえて流れを無視して言ってみる。
自分も三フィーターのSLRTとか、5分ヘッドで運行するニブロク路面電車とか妄想してみたりとかなんか軌道からだいぶとっぱずれたこと考えてみたりしている。

32CHAZ:2004/01/11(日) 22:25
>>27-29
いや〜、ええ話じゃござんせんか。ホロっときちまいます。
>>30
カブるけど
軽便=特殊狭軌ってわけでもなし。
改軌されてからの話にしたってよし。
>いじっていじっていじりたおしてください。
だから問題ないじゃないですか。

33兎の集会@虚妄の宴:2004/03/28(日) 00:12
「男はきついよ・寅次郎夢の中だけ(197×松竹)」より

―房州線気動車の車中。博と喜美雄は向かい合って座っている。

博「君の生まれた家は、何の仕事をしていたんだい」
喜美雄「…ボクの家は…漁師です」
博「ほぉう、じゃぁ小さい頃から手伝わされたりしてたの」
喜美雄「…いえ、オヤジは余りボクを仕事に関わらせたくないって」
博「何故なんだろうね。折角の勉強の機会なのに」

―喜美雄黙る。窓の外は広大な海。手前には菜の花畑。

―乗換駅。国鉄のホームの端から小さな気動車に乗りかえる二人。

―車内。窮屈そうに身を翻して車窓を眺める博。

―「とらや」店内。

竜造「そう言えば社長、博さん出掛けてるんだって」
梅太郎「そうなんだよ。今朝立ってさ、都賀の貝塚って所まで足を延ばしてるんだよ。」
竜造「何だい、都賀ったらすぐそこじゃねぇか」
さくら「どうもそうでもないらしいのよ、都賀駅で国電から乗り換えて、急行で二時間行って、また乗り換えて行くんだって。着いたら電話するって言ってたけど、博さん」

34兎の集会@虚妄の宴:2004/03/28(日) 00:13
つね「博さん、都賀まで何しに行ってるんだい」
梅太郎「ほらね、こないだっからウチで預かってる喜美雄君って子、知らないかい」
つね「あぁ、あの子だろ、何だか陰の薄い」
梅太郎「そうなんだよ。真面目だけどロクに口を聞かない子でさ」
竜造「で、その喜美雄君がどうしたんだって」
梅太郎「こないだお袋さんが亡くなったんだって電報が来てね、帰りたいのは山々だけど、あの子オヤジさんに勘当されて出てきたそうなんだよ」
つね「その子がそう言ったのかい」
梅太郎「そうじゃぁないんだよ、喜美雄君のお姉さんって人がいてさ、一度ウチに挨拶に見えたんだけどね、これがまた奮い付きたくなる美人でさ」
竜造思わず身を乗り出す。
梅太郎「その姉さんから一通りの事は耳にしたんだよ。随分複雑な事情があるらしくてね」

―客が店を出る。

さくら「ありがとうございました」
つね「そんで博さんが付き添いで行ってるってのかい。社長が行ってやれば良いじゃないか」
竜造「そうだよ。現にこうやって油売ってんだから」
つね「まぁ社長より博さんが一緒に行ってやった方が心強いかもね」
梅太郎「そりゃないよ。何たて今日は手形の〆切日だから、涙を呑んで博さんに行ってもらったって訳じゃないか」
竜造「…で、社長、その姉さんってのは」
梅太郎「そうそう、この界隈じゃちょっと見ないような美人でさ、竜造さんなんかまともに拝んだら罰があたる」
竜造「そうかぁ、俺ぁ罰が当ってもいいから拝んで見たいな」
梅太郎「竜造さんで罰が当たるんだったら、寅さんなんぞは地獄行きだ」
竜造「オイ、止しとくれよ、縁起でもねぇ」
つね「何馬鹿な事言ってんだよ。仕事しとくれ仕事」

―貝塚の駅前。駅舎の前には二本の棕櫚の木。埃っぽい広場。白っぽい小さな駅舎から出て来る博と喜美雄。

博「で、ここから君の家まではどうやって…」
喜美雄「…あの、車が迎えに来ます。あの、姉ちゃんからの手紙には…そう書いてありましたけど…」
博「そう、じゃぁ待ってみようか」

―間も無く二人の前に黒塗りの高級乗用車が止まる。ギョッとする博。

35兎の集会@虚妄の宴:2004/03/28(日) 00:13
―「とらや」店内。

梅太郎「もしかしたら博さん、喜美雄君の実家で寅さんに会ってるかも知れないな」
竜造「オイオイ、止めてくれよ。心臓に悪い」
梅太郎「旅の途中でふと目にした美女。仔細構わずその家に厄介にでもなっていたら」

―電話鳴る。

さくら「うん、おばちゃん、いい、私取る。ハイ『とらや』でござ…お兄ちゃん? お兄ちゃんなの? 今何処にいるのよ。え? 博さんがそこにいるの? ちょっとどう言う事なのよ?」

―梅太郎、ギョッとなって立ち上がり、裏から出て行く。

梅太郎「あぁあぁ、いけねぇ、もうこんな時間だ。銀行に行かなくちゃぁ。はぁあぁ、忙しい忙しい…」

―志水家玄関。広い式台の脇に紫檀の電話台があり、その前に寅があぐらを掻いて話している。博、横から受話器をもぎ取ろうとするが、その度に寅に追い払われる。
寅「…だからよ、俺がな、仔細あってこの家にご厄介になっているとだよ、な、当家の主から、客人を駅まで迎えに行ってやってくれってさ、俺ぁ頼まれちまったんだよ。…うるせぇな。…そしたらその客人てぇのが誰あろうお前の亭主じゃねぇか。え? え? 
何だよ。お前ね冷たいよ。久方振りで兄弟がよ、例え電話線を通してであってもだな、この世にたった二人の兄弟が…おう、博うるせぇよ、だまっ…え? 替われってのか。しょうがねぇなぁ。ほら博、お前の可愛い恋女房がお前の声が聴きてぇとよ」

―博、受話器をむしり取る。

博「もしもし、さくら? 僕だ…」

―「とらや」店内。

さくら「博さん、一体どうなってるの? 何でお兄ちゃんがそこにいるの? え? え? 判らないわよ。じゃぁ二人とも無事に着いたのね。うん、判った。判った。うん、おばちゃんには伝えておくから。うん。じゃぁ頑張ってね」

―さくら、受話器を置く。幾分肩を落として、

さくら「お兄ちゃん、やっぱり喜美雄君の実家にご厄介になってるんだって」

―竜造、つね、呆然とする。

竜造「あぁあぁ、厄介な事になっちまったなぁ。もう。あぁ寒気がして来た。オイまくら、さくら出してくれ、あぁ、そうじゃねぇ、あぁもう」

36兎の集会@虚妄の宴:2004/03/28(日) 00:21
配役
久留米寅次郎:屋美清
さくら:賠償智恵子
仁美(喜美雄の姉):三津屋詩子
喜美雄:宍道晴久
竜造:下城正巳
つね:岬千枝子
梅太郎:太宰房夫
博:前田銀
喜美雄の父:西村洸
貝塚駅長:圭六輔
御前様:劉智衆

37兎の集会@虚妄の宴:2004/03/28(日) 00:25
考えて見たら、ヒロインが「三ツ矢歌子」じゃぁ行きすぎているかなと暫し反省の弁。
本人としては「壇ふみ」あたりを推したい所だが、もう出てるしなぁ。

38雄山鉄道:2004/03/28(日) 21:12
波良世津子なんていったらもっと行き過ぎているか。

39兎の集会@虚妄の宴:2004/03/28(日) 23:52
>>38
あ、それは「トコリの橋(古!)」。
あとは岡田良子とかも行きすぎかもですね(ワ。

山本瑶子(藤子じゃなくて)あたりかなぁ、でも出ていそうだなぁ。


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