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大河×竜児ラブラブ妄想スレ 新避難所

1まとめ人 ◆SRBwYxZ8yY:2009/06/16(火) 03:01:04
ここは とらドラ! の主人公、逢坂大河と高須竜児のカップリングについて様々な妄想をするスレの避難所です。
アクセス規制で本スレに書けない、とかスレに書けないような18禁のエロエロ話を投下したい時とかに
お使いください。

177高須家の名無しさん:2009/06/25(木) 01:03:55 ID:???
>>176
いろいろ作品読んでみることをおすすめする

178まとめ忍 ◆SRBwYxZ8yY:2009/06/25(木) 02:18:30 ID:???
感想スレを作ってみました。


そしてオムライスのサイトを見ていたらこんな時間に…
時間泥棒か。

179◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/25(木) 09:07:36 ID:???
>>177
ありがとう……でも小説読むの苦手なんだ、実は私……
ぜんぶ読んでるのはグレッグ・イーガンくらい。

>>178
お疲れさまでーす。さすがまとめ忍さま。
やっぱりここは私めがスレを立てないとだめなのかと思っておりましたが、
下忍の私にはとうてい及ばぬことでございます。

そしてさっそく感想スレに書き込もうと、パーティードレスを着て
まとめサイトを見ていたら、こんなTシャツにスウェット姿に。

おしゃれ泥棒か。

180高須家の名無しさん:2009/06/25(木) 09:48:03 ID:uroKtE4k
>>178
どうもどうも

>>179
読むのは苦手だが書くのは得意ってのはある意味うらやましい

だが読み手の気持ちになるのも大切だ
まあ小説と言っても短編か長編までいろいろあるし
興味あるジャンルから読んでその世界観に浸れたらいいさ

181高須家の名無しさん:2009/06/25(木) 12:11:32 ID:???
>>179
とらドラも原作は読んでないの?

182◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/25(木) 13:21:24 ID:???
>>180
私が小説読むときに一番心理的にコストになるのってキャラを覚える、
というか自分の中でキャラの存在を立ち上げることだったり。

それがどうも面倒くさいらしく。小説はとりわけ最初の数ページがつらい。
スティーブン・キングとかだと100ページとかになってていよいよつらいw
「呪われた町」とか好きです。

まあ、小説読むのが苦手といっても多少は生きてきたので、ちらほら
読んではいます。でないとさすがに書けません……と言いたいところだけど、
小説って読んで無くても書けば書けるっぽいよね……


>>181
もちろんとらドラ!は原作読んでます。でないとゆゆぽ文体の模倣なんか
できないし、あり得ないw 今は2週目の9巻。大竜派にはキッツイっすね。

入り口はアニメだったんですけど。

というわけで私の大河と竜児は原作直系?なのでご安心を。
もちろん声は鈴宮&間島コンビでw

183高須家の名無しさん:2009/06/25(木) 15:23:02 ID:???
声誰www

184◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/25(木) 15:32:05 ID:???
>>183
いえーい、まちがえすぎw 道理でなんで一発変換されないんだろうと。

釘宮ですくぎゅううううううううううううううううううううううう……っっっ!

185高須家の名無しさん:2009/06/26(金) 09:28:12 ID:u3o545j2
ギシギシアンアン


「もう一度…」


ギシギシアンアン


「もう一度…」


ギシギシアンアン

……


「……もうだめ…」

「すまん、もう一度だけ…」

ギシギシアンアン

…………


「………竜児のえっち…」

「おぅ…」


終われ

186◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/26(金) 10:39:31 ID:???
>>185
意外な新鮮さw

しかしついに私以外のSSが避難所に(感無量

187◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/26(金) 20:37:29 ID:???
◆eaLbsriOasです。「竜虎並び寝る」14章をお贈りいたします。
お待たせいたしました。クライマックス、前半です。終章じゃねえのかよ!?

本スレへの告知誘導のみ、よろしくお願いいたします。

--テンプレ--
◆eaLbsriOas氏のSS「竜虎並び寝る」14章、投稿されました。
ドエロコメですので、読みたい方だけ
まとめサイトの新避難所のリンクから、どうぞ。
-----------

188◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/26(金) 20:38:12 ID:???
 14

 泣きながら、震えて。ぎこちなく、歯も閉じて。
 初めての時よりも、よっぽど初めてするような、竜児のキス。
 その唇に、大河もまた蕾と閉じた薔薇の唇を捧げる。逢わせる。
 潤いも無く荒れた竜児の唇が、途方もなく愛おしい。
 きっと私のために、格別に、喘いで、干からびて、割れた、竜児の唇。
 愛しています。
 愛しています。と。
 大河は自分の唇に想いを込めて、震えるその唇に届けようとする。
 やがて離れれば、微笑み。
 竜児のこわい、優しい目。こわくて、穏やかな目が、大河の魂を撫でる。
 愛を口にすべきだろうかと、大河は迷いながら薔薇色の唇を、そっと開く。
 その唇を竜児に吸われて、おねだりと思われたのだと気づく。
 今度はやらしいキスをしようねと、竜児の舌が誘うから。
 大河も桜色の舌を出して、捧げようとして。


 キスが魔法を解くと、物語は言う。


 その舌が、お砂糖になる。
 唇が、頬が、鼻が。
 目まで届いたとでもいうかのように、大河は瞳を大きく見開く。星を振るわせる。キスの、最中なのに。
 はたして。竜児も細い目をこれでもかとばかりに見開いていたのだ。
 竜児も、なの?
 お砂糖へと変わっていく波は止まらない。変化の震源は、もうひとつ。
 竜児の熱くて硬い肉をきつく包む大河の肉が、お砂糖へと変わる。途端に甘く甘くとろける。
「あっ!」
 大河はとうとう声を漏らす。瞳が甘い涙の雫をこぼす。
 腰が、のどが、ももが、胸が、すねが、腕が、足が、手が、お砂糖になっていく。
 気づけば、指の先、髪の毛の先までもが甘くなっていた。
 お腹の底、へその下に、とろけた砂糖が流れ込み、ふたたび流れ散る、濃くて甘い疼きの溜まりが現れる。
 ずきずきとそこが激しく疼く。
「あっ! あっ! あっ!」
 止められない声は、溶けて吐息となった砂糖の欠片だったのだ。
 竜児。
「り、りゅうじ……っ」
 私をお砂糖に変える、特別なひと。
 竜児だけにとろける、お砂糖の私。
「たっ、大河……おまえの中、熱くて、キツくて……とけそうだ……っ! へ、平気なわけが……っ!」
 無かったのだ、平気なわけが。
 平気なわけなど。
 大河の唇にまで振り落ちてくる、竜児の汗。
 桜色の舌を出して舐めてみれば、やはりしょっぱいのだ。でも、これは、きっと。
 お砂糖になった、竜児の雫。
 竜児も、なのだ。
 きっと大河だけにとける、お砂糖の竜児。
 竜児をお砂糖に変える、特別な私。
 嬉しい。
 嬉しい。
 私たち、こんなにくっついて。
 とうとう、つながっていて。
 平気なわけなど、無かったのだ。
 キスが魔法を解くと、物語は言う。
 キスが魔法を解いたのか、それともキスが魔法をかけたのか。大河にはわからない。竜児にも、きっとわからない。
 けれど、きっと、何が解けたのかはわかる。
 痛めないようにと思う竜児の気持ちが、痛がらないようにと思う大河の気持ちが、解けたのだ。
 心から身体が取り戻されたのだ。
 今や大河は、身体じゅうが甘かった。指の先まで甘いのだった。性器とそうでないところの区別など無かった。それは甘やかさの濃淡のようなもので、竜児に触れたところだけが格別に甘い。つながるところをひとが性器と呼ぶのだとしたら、竜児が触れたところは、そこがどこであろうと、大河の性器なのだった。だから。
 キスが途方も無く気持ちいいのだ。
 撫でられればそこが甘くなるのだ。
 乳を吸われるだけで絶頂しだのだ。
 つながるところは、身体ですらなくても、言葉でさえも、性器なのかもしれない。だから。
 可愛いと言われて震えたのだ。
 命令されて絶頂したのだ。
 ただ竜児だけが、大河のすべてを性器に変えることができる。
 ただ竜児だけに、大河はおのれを変えることを許したのだ。
 それを、好き、という。
 竜児、好き。
 竜児のことが、好き。
 私は竜児のことが好きなの。
 がまんできない。

189◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/26(金) 20:38:55 ID:???
「りゅ、竜児……っ!」
「た、大河……?」
 ふたりは動いてなどいなかった。しかもふたりは動いていた。
 ただ、つながったままでよかった。動く必要なんてなかった。
 それだけで、つながったところから、激しい快感がふたりの身体を貫く。貫く。貫く。
 大河の腰はひたすらに跳ねて、竜児のものを締めつける。竜児の尾骨から脳天へと快感が走る。
 ふたりは喘ぎ、震え、涙と汗を散らす。
「もう……がまんならないわ……」
「た、た、た、たい、が……?」
 狂おしい快感の嵐の中で、竜児はさらに驚かずにはいられない。
 さっきまで快感に苛まれて眉をひそめ、切なそうに目蓋を震わせ、桜色の舌を薔薇色の唇からのぞかせて甘く可愛く喘いでいた大河が。
 なんてちいさく、華奢で、熱く、濡れて、震えて、白く、淡色で、桃色で、甘やかに香り、可愛く、可愛く、可愛いのだと、竜児の脳髄を痺れさせていた大河が。
 その、大河が、大きな瞳にほとんど殺意の光すら溜めて、虎も虎、猛獣もいいとこの、ものっっっすごおおおおっっっい目つきで、やおら竜児をガン睨みしてきたのだ。
 わけがわからなすぎた。
 謎多き今宵においても、最高の謎の出現であった。
 大河は声音も低く、低く、低く。獣のように唸って。
 吼えた。
「この……犬っ!」
「ひっ!?」
「駄犬!」
「ひっ!?」
「グズ犬! エロ犬! 馬鹿犬! ドジ犬! ブス犬!」
「ひっ!? ひっ!? ひっ!? ひっ!? ひっ!?」
 なに犬、かに犬、あれ犬、これ犬、それ犬……と、ひたすら大河は竜児を罵り、睨む凄まじさもあいまって。
 ひっ、ひっ、ひっ、ひっ、ひっ……と、ひたすら竜児は大河の罵りにのどを引きつらせて合いの手を入れるばかり。
 なんとここに来て深夜の罵倒のスーパーメドレー、悪口の天才・大河オンステージの開幕であった。
 やがてさすがに犬メドレーが終わったかと思いきや、
「グズ犬野郎! エロス野郎! スク水野郎! ドグズ野郎! ドブス野郎! ドエロ野郎!」
「ひっ!? ひっ!? ひっ!? ひっ!? ひっ!? ひっ!?」
 意味がかぶろうがおかまいなし、野郎メドレーのスタートなのだった。
 しかもその間、大河が叫ぶのにあわせるようにして、大河の熱くて狭い穴は竜児の勃起をぎゅうぎゅうと甘くきつく締めつけてくるのだ。ひとたびキスで解けてしまった魔法は、大河の罵倒の嵐の中でも絶賛解消中なのである。
 目と耳からは大河の罵倒、鼻と肌からは大河の愛撫、それもこれもと竜巻のごとく入り混じり、怒涛のごとく竜児の身体に流れ込む。地上にあって人の身体にこれ以上の混乱があるものかと。
 罵倒にあわせてひっひと律儀にのどを鳴らしながら、竜児の凶眼すらただひたすらに白黒と明滅、過剰する意味、絶対の無意味の狭間で狂気の淵に立たされる。右を向いても大河、左を向いても大河、上も下も前も後ろも大河大河大河大河。心も大河によって完全包囲、針すら立たぬ零次元に風前の灯火となったわずかな意識で竜児は思う。
 地獄の罵倒に天上の快楽、いったい大河は俺の身体に何を刻み込もうというのか。もしこの罵倒の渦の中でおのれが絶頂を迎えてしまったら、いったい俺の身体にどんな不滅の刻印が焼きつけられるというのか。もしこれでなくては――大河の天才的な罵倒に晒されながら、大河のめくるめく甘美な身体に包まれながらという、もし、コレでなくてはイケないカラダになったとしたら。どう考えても、どう考えても、どう考えても、それは。
 ド変態。
 弩のつく変態、ド変態。
 超々々弩級ドドドド変態。間違いない。
 もちろんそれも大河とのこと。愛だとは思う。愛があるとは思う。愛である。ただし。
 愛だとしても歪んだ愛。愛があっても歪んだ愛。歪んだ愛である。間違いない。
 永遠に続く罵倒、無限の濃度の愛撫にさらされながら、しかし竜児は思い始める。
 それでもいいのかもしれない、と。
 それでもいいのだろう、と。
 それでいいはずだ、と。
 それでいいのだ、と。
 それがいい、と。
 ド変態、歪んだ愛、なんであろうと。
 大河がそれを望むのであれば、それがいい、と。
 大河とともに在れるのなら、それでいい、と。
 心の中心、面積無し、線分無しの零次元の頂から、宇宙のすべてとなった大河という名の真っ暗闇の底なしの淵へ。
 落ちよう。堕ちよう。堕ちてしまおうと。
 あふれる愛を抱いたまま、竜児が一歩を踏み外そうとした。その時。

190◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/26(金) 20:40:59 ID:???
「竜児っ!!」
 最後にして最強の罵倒と見まがう大音声で、大河が竜児を竜児の名において呼び止める。
 一切の段階もなく、一挙に宇宙が晴れ上がる。
 晴れわたる透明な宇宙にひとつ、ちいさなちいさな光。あれこそは。
 あれこそはと、竜児は眼をかっと見開く。
 あれこそはと、竜児は落ちるのもかまわず足を踏み出す。狂おしく走る。
 あれこそはと、竜児は肩もはずれよと腕を伸ばす。指よちぎれよと空を掻く。
 あの光。あれは光の光。星の星。
 ただあれだけが欲しいのだ。
 俺はただ、あれだけがあればいいんだよ、と。
 命をさしだし、無限の距離を走りぬけ、絶対の距離を握りつぶし。
 竜児はついに、光をつかまえる。
「つかまえた!」
 光の名を叫ぶ。
「大河!」
 竜児がその手をひたすのは、淡色の髪の海。
 胸をあわせるのは、ミルク色の息づき。
 目をあわせるのは、星振る大きな瞳。
 自分の罵倒は棚に上げ、いきなりつかまえたと宣言され、大声でその名を呼ばれて驚く、ちいさくて華奢で、可憐な少女。
「りゅう、じ……?」
 驚きのあまり、大河は毒気と一緒に肝まで抜かれたように、そう、切れぎれに呼んだのも、つかの間。
 えいやと気合を入れなおすかのように睨み目、眉根もしかめて竜児を見返し、ふたたび気合一閃。
「竜児っ!」
「おうっ!」
 途端に大河は涙をぽろぽろこぼしだす。謎の極致である。
「やっと……返事、してくれた……」
 気合はどこへ行ったのやら、大河の声は安心のあまりに可愛く震えるのだ。
「大河……」
「ど、どうして返事してくれなかったのよお……っ! 呼んだのに……いっぱいいっぱいいっぱいいっぱい呼んだのにっ! あんたってば、ひっひっひっひっひ〜っ、なんて、キモい笑い声で笑ってばかりで、ちっとも返事してくれないんだもんっ!」
 それはおまえの呼び方が悪かったからじゃねえのかと、竜児は唖然として思う。だいいち、あれはひきつったのどがあげた悲鳴で、そんな珍妙なキモい笑い声じゃねえぞ、と。ひょっとしたら、ショックのあまりの狂気の淵で、大河の言うとおり本当に笑っていたのかもしれないが。
 しかしすると、言われてみれば。
 あの、凄まじい罵倒の嵐は、たしかにすべて、俺を呼んでいたのだと竜児は気づく。竜児のどこかを貶すだけの罵倒はひとつもなく、罵りとともに必ず竜児そのものを呼ぶ声であったと気づく。犬の、野郎のと、それはまあひどい呼び方ばかりで、それを耐えて受けとめてやれるのはたしかに竜児くらいのものだろうが。でも、たしかに。
 それはすべて、ひどかろうとなんだろうと、大河が竜児を呼ぶ声なのだった。
 大河の言葉が過去すら変える。
 宇宙の晴れ上がりが過去にまでも伸びてゆく。
 言葉の暴力の荒れ狂う不透明な闇に包まれていたとばかり思っていたのに、すでにそこは透明な宇宙で、竜児の傍にはずっと、ずうっと、あの光が。光の光、星の星が、またたいていたのだ。
 大河は、竜児を呼んでいたのだ。
「おまえは、俺を呼んでくれていたんだな……」
「そうよっ!」
 だけど、きっと、竜児はもう、愛に狂っていたのだろう。
 宇宙の晴れ上がりは先の罵倒の嵐を抜けて、今夜にひろがり、今日にひろがり。
 昨日へと、おとといへと、ひと月前へと、去年へと、秋へと、夏へとひろがり、ついには春へとたどりつく。
 大河が初めて竜児を犬と呼んだ、あの日のあの時へと。
 きっと、すでに恋に落ちていたのだと、大河が言ったあの時へと。
 忌々しくも苦々しくも感じたはずの、過去のすべての罵倒がひっくり返される。
 すべてが大河の甘く切ない呼び声であったと勘違いして、それが真実になる。
「おまえは、俺を呼んでくれていたんだな……」
「そうよっ! なんで二回言うのよっ!?」
 竜児は返事をかえす。大河の甘く切ない呼び声をひっくり返していたすべての罵倒にむけて、甘く優しく返事しかえす。
「おう」
「な、なんで今度は呼ぶ前に返事するのよっ! あっ! ……やだ、どうして……っ!?」
 応えるように大河の身体はふるふると震えるのだ。可愛いと言われて悦ぶ時のように、へその下が甘く疼いて、大河は驚いてしまう。
「う、うそ……私、やばい……どうしよ……りゅ、竜児の、返事、だけで……なんて……そ、そんな」
 あわあわと、大河は慌てだす。

191◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/26(金) 20:41:49 ID:???
 それでも見失うまじ、と竜児をふたたび睨みつける。
「竜児!」
「おう」
「あっ、あうう……っ」
 やっぱりもう、駄目なのだった。ただの竜児の返事だけで、大河のへその下はずきんと甘く疼くようになってしまった。そんな馬鹿なことって、あるわけない。でも、あるのだ。大河の身体は、本当にそうなってしまった。
 身体の奥まで、竜児のものになってしまうなんて。
 嬉しくて、くやしくて。
 でも大河は負けるわけにはいかないのだ。
「竜児っ!」
「おう!」
「竜児っ!」
「おう!」
「竜児っ! 竜児っ! 竜児っ! 竜児っ! 竜児っ!」
「おう! おう! おう! おう! おう!」
 ずきずきずきずきずきずきずきずきっ!
「へ、返事、も……だめ……っ」
 竜児の返事におへその下をぐっちょんぐっちょんにかき混ぜられ、とろけたお砂糖は一挙に脈打ちながら全身に散る。指の先ざきまでもが、へその下と同じ濃度で甘く甘く疼いて、もし今、竜児に触られたら、指先だけでもイってしまいそう。
 薔薇色の唇を開けたまま、大河はもう喘ぐことすらできなかった。気絶しないのがやっとだった。
 でも大河は負けるわけにはいかないのだ。
 愛してる、って言うの。
 愛してる、って言わなきゃ。名前を呼んで。
 竜児、愛してるって。
 そのために、一生懸命、全力で。
 私の竜児を呼ぶすべての呼び方で、この鈍くさいこと極まる最愛の男を呼びつけたのだ。
 快感に震える奥歯も噛み殺して、私は猛獣。
 睨みつける、愛しいひとを。
「竜児っ、い、いい? いいい一度しか、いいい言わないからね!」
「おう」
「へ、返事はいいから……」
 ずきずき。
 すごくキマらない、猛獣の私。
「りゅ、竜児っ!」
「おうっ!」
「……い、いいい一度しか言わないからね!」
「おう……でもそれさっき聞いたぞ……?」
「う、うるっさいっ! 黙ってろ!」
 ずきずき。
「りゅ、竜児っ!」
「……」
「返事っ!」
「お、おう……返事はいいのか?」
 ずきずき。
「へ、返事は、だめ……いい」
「ど、どっちなんだ……?」
「……いい、許す」
「おう、わかった」
「はう……」
 ずきずき。
 駄目なの。駄目すぎ。
 いかんともしがたく駄目であった。
 このままじゃ埒があかない。
 ひょっとしたら竜児は、との思いが大河にきざす。
 ひょっとしたら竜児のやつは、ぜんぶわかってやっているんじゃないの……? と大河は疑い出す。
 こいつは、この愛しの男は、もろもろ込みで、ドエロセックステクニックの限りを尽くし、私に、愛してると、言わせないつもりなんじゃないの……? と。
 それは許せない。
 そいつは許せないわねえ。
 そいつは許しちゃあおけませんわねえ。いくらこのアイラブドエロまんじゅうでも。
 ふつふつと、怒りが湧き起こってくる。
 なんだか、イケそうな気がしてくる。
 イケそうな気がする。エロでない意味で。
 駄犬が。この駄犬ふぜいが。犬めが。馬鹿犬めが。
 怒りよ。
 怒りよ怒り、出ておいで。
 出て来い。
 オルァ出て来んかい。
 来い、来い、来い、来い、来い――――――――来ぉいっ!
 来た、来たっ、来た来た来た来た来た来た来た来たっ――――――っ来たあああああぁぁぁぁっっっ!!

192◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/26(金) 20:42:32 ID:???
「――っよおっっっ! しゃあっ! 来たあっ! この野郎言ったらあっ! やいっ! やいやいやいやいやいっこの竜児っ!?」
「おうっ!」


 怒りよ。このひとにたどりつくまで、
 私を支え続けてくれた力。


「っ!? く、一度だけよ! 一度しか言わないからその犬耳かっぽじってよおおおおおっっっく、聞くことねえ!?」


 怒りよ。もう要らない力。


 涙を吹き飛ばして。お願い。
 怒りよ、私に、あんたの最後の力を、頂戴……!


「わっ、私はっ! 竜児っ! あんたのっ! ことが……っ!? ことを……っ!? ことがっ!? をっ!? がっ!? をっ……!?」


 怒りよ。お願い。


 愛に変わって。


「す、き」


 ――私の、ドジ。


「大河……」
「……好き」
「た、大河? 一度じゃ」
「好き……好き、好き好き好き好き好き好き好き好きいっ! あんたのことが好きっ! 私、あんたのことが好きっ! 好きなの! ずっと好きだったの! ずっとずうっと好きだったのっ! 大好きなの! 大好きでたまらないの! 許さない! なんでここにいるのっ!? 嬉しくて死んじゃうわこのっ、だっ、だっ、だだだ大好きなひとっ! 大好きっ! 竜児っ! だあい好きいっ! わ、私っ! 私っ、わた、し、は、ね? りゅうじ、あんたのこと、だいすき、なの……しゅ、しゅき…………」
 燃料切れ、であった。
 泣く力すら残ってなかった。
 ただ、ゆるゆると、大河は竜児の首に力なく腕を巻きつけ。
 口づけする力すらなく。
 ただ熱くなった目蓋を閉じて、竜児の頬にくっつける。
 鼻息で竜児の胸をくすぐる。


 大河は滅茶苦茶だった。
 愛してると言うんじゃなかったのかと。
 一度しか言わないんじゃなかったのかと。
 しかもいらんことも言ったんじゃないのかと。
 でもなんか、それなりに大満足なのだった。
 いいかげんな、女なのだった。
 はぁ、幸せ。
 はー、しゃーわせぇ、と。
 気だるい幸福感に包まれて。
 なんか疲れたし。
 竜児は最高の抱き枕だし。
 このまま寝ちゃおうかな、なんて。
 思ったり、思わなかったり。
「大河」
 なんか、ちょっと呼ばれたね。
 かなり気に入ってるの、この声。かなり、っていうか。
 最高だよね。誰にもやんない。独り占め。
「俺も、おまえのことが、す」
「ちょおおおっっっっと待ってくださいよおおおおっっっ!?」
 大河、再起動。
 体力が尽きたのじゃなかったのかと。
 きっと、たぶん、別体力。
 ご飯を2合食べて満腹しても、デザートはどんとこい。これが別腹。
 竜児に告白して体力が切れても、竜児の告白はどんとこい。これが別体力。
 竜児の頬から目蓋をひっぺがし。
 竜児の首に巻きつけた腕も解いて。
 睫毛よ整えと念じながら手の甲で涙をぬぐい。
 どさくさにまぎれよと鼻水も手で押さえてすすり。
 額や頬にはりついた髪だけでもせめて梳き。
 油断して竜児と目があって照れ笑いし。
 ああつまり鏡が欲しい。
「可愛いよ、大河」
「あう……っ」
 ずきずきと、震えて。
 今はこのひとが私の鏡。
 こわくて優しい目を星揺れる瞳で見つめて。
「じゅ、準備オッケーです」
「おう、そうか」
「は……っ」
 ずきずき。
 返事だけでこうなるなんて。慣れなかったらどうしようと、大河は将来がちょっと心配になる。
 慣れなければ、私はきっと、ずっとこのひとの奴隷。
 そんな思いまで嬉しいなんて。

193◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/26(金) 20:43:41 ID:???
「好きだよ、大河」
 準備なんて、出来ていなかった。
 準備しても、何度でも不意打ちなのだった。
 涙が出る。顔がくしゃくしゃになる。
 こんなことが私に起きて良いのかと思う。
 狂おしいほどに想えるひとが、私を想ってくれるなんて。
 私よりも大事に想えるひとが、私を自分より大事に想ってくれるなんて。
 竜児が、私を、好きだなんて。
 おかしくなりそう。
 また変なことしそう。だから。
 このひとに、頼るしか。
「た、助けて、竜児……」
「た、助ける?」
 告白したら救助を求められるとは、誰も思うまい。竜児だって思ってもみなかったのだ。さすがに慌てるほかない。
「な、なんだ? どうした? どっかヤバイのか? どうすればいいんだ? 大河?」
「ど、どうしよ、竜児、どうしよ……う、嬉しくて、わ、わ、私、おかしくなりそう……っ。ま、また、変なこと、しちゃいそう、なの……っ」
 だから助けて、助けて、竜児、と。
 あわあわと、開いた薔薇の唇も曖昧に蠢かせ。
 大河は可愛く懇願してくる。
 竜児の胸に途方もなくあたたかいものがこみ上げてくる。満ちる。
 この地上でただ俺にだけこの幸せが許されているのだと噛み締める。
 なんだってしてやろうと竜児は思う。
 なんだってしてやれると力を錯覚する。
 大河には。
 俺の大河。
「して、いいぞ、大河」
「え、えっ……?」
「していいんだよ、大河」
「りゅ、竜児……?」
「おかしくなっていい。変なことしていいんだよ、大河。俺がぜんぶ受け止めてやる。どんと来いだ」
 言って、竜児は優しく、いっそ朗らかな笑みを見せてくれるのだ。
 バカね、竜児って……そう大河は思う。
 本当に、どん、なんてしてやろうかしら、なんて。
 そうしたらびっくりして、なにすんだ、とか言うくせに。
 そう思って、そんなことが思えることが、すでに穏やかな心なのだと大河は気づく。
 やっぱりこのひとが、一番上手に私を助けてくれる。
 私の竜児。
 そう、思ったのに。
「大好きだよ、大河」
「はう……っ」
 好きだよと、大好きだよと、一体なにが違うという。
 竜児の言葉は今度は大河のへその下を直撃する。きついほどに甘い疼きが跳ねて、大河は思わず吐息してしまう。そして。
 前言撤回。
 竜児のバカ。
 助けて、って、言ったのに。
 嬉しくておかしくなるって、言ったのに。
 追い打ちかけてくるなんて。
 嬉しい。
 嬉しい。
 大好きだって、言ってくれた。私のこと。
 大好きな竜児が、私のこと。だから。
 お返し、しないと。 
「わ、私も、ね? 竜児のこと……」
「愛してるよ、大河」
 低く、甘く、落とそうとしてくる竜児の声音。
 今夜まで、こんな声を出すひとだなんて、大河は思わなかった。知らなかった。
 女の子なら、誰であってもきっと耐えられない。
 私は、もう駄目。
 竜児のバカ。
 お返しもさせてくれないなんて。
「わっ、わっ」
 ずきずきして、身体が勝手に上げる声を聞いてしまう。
 竜児のバカ。
 竜児ってば、ずるい。
 もう、二回も、ううん、三回も。愛してるなんて、言うんだもの。
 一度目は慌てて、二度目は涙して。
 そして三度目ときたら、優しくかき口説くようにして。なんて余裕。
 憎らしいったら。
 だから。
 ずるい、と大河は言おうとしたのだ。
 ずるい、竜児、と。ほんとうに。おねだりではなかったのに。
 薔薇色の唇を、そっと開いて。
 そこにすっと唇を寄せられて、大河は竜児に吸われてしまう。


 キスが魔法を解くと――


 ずきずきっ!

194◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/26(金) 20:45:04 ID:???
「あう……っ!」
 舌を竜児に嬲られる、その唇の合わせ目から、大河はひどく甘い声をあげた。
 お砂糖の涙を流す。
 がくがくと震えて、お砂糖の汗を散らす。
 竜児の腕の中で、ちいさな地震のようになる。
 へその下の甘い疼きが大河の全身を支配する。
 竜児を感じよ、と。
「大河……?」
 竜児の吐息のような呼び声を、顎をひいた大河が額で受け止める。
 子犬のように桜色の舌を出して、甘く嗚咽する。
「あっ! あっ! あっ!」


 おまえの肉に挿し込まれ、おまえの肉で締め上げる竜児を感じよ!


「りゅ、りゅうじ、だめ、お、おっきくしないで……っ!」
「すまん……っ! で、でも、駄目なんだ、おまえ、可愛くて……可愛いと……大河っ!」
「あーっ! お、おっき……おっきいの! ひ、ひどいっ、ひど……あーっ! す、すごっ!」
 ふたたび魔法が、解けたのだった。
 最後の怒りが大河にかけてくれたかりそめの魔法が。
 大河が竜児に愛を告白するために、身体から心を取り戻させてくれていた、怒りの魔法が。
 大河の尻が竜児を求めて跳ねる。


 これ以降は身体がおまえを支配するだろう。


「だ、だめっ、わ、わっ、私っ、ま、まだ……っ!」


 舌の根まで甘く震え、おまえはひとつの確かなことも言えない。


「ま、まだ、りゅ、りゅう、じ、に、い、言って……いって、いっ、て……っ!」


 おまえの甘い喘ぎは、愛する者の心からもまた、身体を取り戻させるだろう。


「たっ、大河っ、す、すごいよ、おまえの……穴……す、すごい……っ!」
「そ、そんなっ、そんな、えっちなこと、言っちゃ、だめっ! りゅ、りゅうじ……っ!」


 おまえの愛する者もまた、ひとたまりもなく身体に支配されるだろう。


「大河っ! だ、だめだ、よ……そんなに、腰を、おまえの、腰、動かしちゃ……っ!」
 感じる大河が腰を跳ねさせていた意味を、快感にとろけた脳で竜児は知る。
 つながりを深くするために。
 何度も何度もつながりを深くするために、勝手に。
 竜児とのために、ふたりのためにそうするように大河の身体は出来ていたのだ。
「だ、だめっ! りゅ、竜児っ! こ、腰、動かしちゃ、あーっ! さ、挿しちゃ、だめっ!」
「ご、ごめん、大河……で、でも、だめなんだ……っ。お、俺、ハメたい……大河に、ね、根もとまで、挿したい……!」
「あっ! あっ! あーっ! ひ、ひどっ! りゅ、りゅうじ、の、えっち! い、痛くしない、なんて、嘘つき! お、奥っ! あっ!」
「い、痛いのか? 痛いのか? た、大河……っ?」
「ひ、ひどいっ! ひどいっ! 痛く、ないのっ! き、きつくて、お、おっき……こ、こんなのっ!」
 指だけで、竜児の指を挿されただけで、大河は何度も激しく絶頂したのだった。
 竜児に優しく慎重に指を増やされながら絶頂させられて拡げられ、ふたりで痛みに耐えながらようやくつながり、そしてつながったまま愛しく言葉を交わして竜児の太さに馴染ませられた、大河の穴。
 竜児に変えられてしまった大河の穴
 竜児の勃起を熱く、硬く、きつく感じて。
 限界であった。
「い、イキそう、なんだな? 大河……」
 大河はコクコクとうなずいて、潤んで星の揺れる瞳で竜児を見上げる。
 薔薇色の唇を震わせて言う。
「い、言わないで、ね? 命令、しないで、ね? め、命令しちゃ、だめ。わ、私、命令、竜児に、命令されたら、イク娘に、なっちゃった、ん、だから……」
 可愛くてたまらなくなる。
「うん、うん……命令しないよ、大河。可愛いよ、大河、すごく……」
「わ、わた、私、りゅうじ、に、ちゃ、ちゃんと、言いたいこと、あるの」
 可愛くて、可愛くて、竜児は心を取り戻す。優しくなる。返事をかえしてやる。
「うん、うん……」
「あ、あの、ね、わた、し、りゅ、りゅうじ、の、こと、あ……」
 その時、大河の身体を襲う甘美な地震がにわかに激しさを増す。
「あ、あ……」
 甘い涙が眦から吹きこぼれる。
 大河は高まってしまう。
「あっ、あっ……!」
 その言葉は竜児の命令に似ているとでもいうのか。
 大河は高まる。


 高まる。
「大河……」
 高まる。


 私。
 駄目。
 無、理。


「あ、あっ! あ、あい、し、て……イ、ク……っっっ!!」


 なんだ、それ――


 大河は絶頂した。
 絶頂して、何度も何度も締めつけて。
 大河の穴は竜児の形になっていく。

(14章おわり、15章につづく)

195◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/26(金) 20:53:46 ID:???
というわけでもうちょっと続きます。次で終わりかな……?

196高須家の名無しさん:2009/06/26(金) 21:46:57 ID:???
感情表現がうますぎる!
エロと言うより愛を感じるなぁ。
ラストも楽しみに待ってます!

197高須家の名無しさん:2009/06/26(金) 23:33:46 ID:???
大河カワユスww

198まとめ忍 ◆SRBwYxZ8yY:2009/06/27(土) 01:57:15 ID:???
 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、
  | |  (・)。(・)|  
  | |@_,.--、_,>  
  ヽヽ___ノ  今週は忙しくてまとめサイトが更新できそうにないでござる
                             の巻

199◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/27(土) 02:38:49 ID:???
まとめ忍さま、今回ちょっと改行つかって書式で表現するところあったので、
まとめサイトに収録の折には、レス末尾と次レス一行目をそのまま離さないで
つなげてやって頂けると助かります。てか愛してます。ちょっとだけ……

>>196
ありがとう!
感情表現と言われて、むしろなるほどと。
今回、あらかじめ決めてあったことは、すべての罵倒の果てに告白、という
ミッションだけで、あとは大河と竜児が例によって勝手にやってます。
かなりカオスになりました……

ていうか、ほんとうにありがとうございます。褒められると伸びる子です。
あと貶されてもわりと書く子です(目標

>>197
ありがとう!
大河可愛いよね……まったく構想してなかったことをけっこうやってくれました。
告白のとことか、もっとなんか、まっすぐロマンティックにキメなくていいのかと。

自分で書記しといて吹き出しながら、これでいいのかと問えば、
大河は、いい、と言うので、まあそのまんまに……

200◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/27(土) 02:44:49 ID:???
>>198
お疲れさまです。どうかお気をつかわず。

……本当に、寝るんだよ。
私も寝るから。……おやすみなさい。

201◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/27(土) 14:50:12 ID:???
◆eaLbsriOas@避難所です。代理投稿歓迎。感想いつも拝見していまーす。ありがと!
暑いから、ぬるめのSSS3本。
***

・フラグ立て3

「大河ぁ、今日は何食べたい?」
「なんでもいい」
「まあ、そう言わずにさ。あるだろ? 肉ーっ、とか、魚ーっ、とか」
「べつにない。なんでもいい」
「それかほら、ごはん系がいいー、とか、麺がいいー、とかさ」
「うっさい。なんでもいいって言ってるでしょ!? あーなんかもうあったま来た! 言ったらあっ!
 あんた作るものぜんぶ美味しいから、なんだっていいの!」
「おう……っ。そりゃ……う、嬉しいけど、よ……」
「喜ぶな。キモい。前髪いじんな。ハゲんぞ。ニヤつくな。誰か死ぬ。あと転べ。ケガしろ」


・温度差

「あ〜つ〜い〜ね〜え〜……っと」
「ぎゃあ! おまっ、暑いのになんで触ってくんだよ!」
「竜児は触られて熱いんでしょ?」
「あちいよ! おまえ体温高けえんだよ、小鳥か!」
「てことは、私は冷たく感じるわけよ」
「おう……そうか、じゃあ仕方……なくねえよ!? おまえにだけ都合いいんじゃねえか!」
「あら、そんなことないわよ?」
「じゃあ、俺の得はなんだよ」
「竜児のふともも、冷たいかわりに汗でべとってして気持ち悪いし」
「それもおまえに都合悪いだけじゃねえか!? じゃあ触んなよ!」
「……」
「無視すんな!」
「……ちっ、あったまっちゃった。次こっち」
「冷えてるとこ潰してまわるな! あつぁっ!」


・夏のカップめん

 ずるずる……っ
「……やっぱ暑いね、カップめん」
「だろ? だから俺が冷麦茹でるって言ったじゃねえか。それをおまえが買ってきて、これじゃなきゃやだって」
「私も暑いんだから、いいじゃない」
「……?」
「夏に台所で火使うの暑いって、こないだあんた言ってたじゃない。汗だくで」
「大河……おまえまさか」
「……」
「俺が……台所で、火に張りついてなくていいように」
「カップめん食べたかったの。冷麦あきたの」
「おう……そうだよな」
「うん、そう……それだけ……はー、暑っ」
「そうだな……暑いな……」

***

202◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/27(土) 14:54:02 ID:???
そうそう、どなたが存じませんが「並び寝る」14章の本スレでの告知、
ありがとうございました! ポゥ!(マイケル追悼

203高須家の名無しさん:2009/06/27(土) 22:46:45 ID:???
名無しの世界でどなたか存じませんがって言葉自体あり得ないよ

204高須家の名無しさん:2009/06/27(土) 22:47:59 ID:???
>>201
     )、._人_人__,.イ.、._人_人_人_人_人
   <´ツンデレじゃ、ツンデレがここにおる! >
    ⌒ v'⌒ヽr -、_  ,r v'⌒ヽr ' ⌒'⌒ヽr ' ⌒'
// // ///:: <   _,ノ`' 、ヽ、_ ノ  ;;;ヽ  //
///// /::::   (y○')`ヽ) ( ´(y○')    ;;|  /
// //,|:::     ( ( /    ヽ) )+     ;| /
/ // |:::     +  ) )|~ ̄ ̄~.|( (       ;;;|// ////
/// :|::       ( (||||! i: |||! !| |) )      ;;;|// ///
////|::::    +   U | |||| !! !!||| :U   ;;; ;;;| ///
////|:::::       | |!!||l ll|| !! !!| |    ;;;;;;| ////
// / ヽ:::::       | ! || | ||!!|    ;;;;;;/// //
// // ゝ:::::::: :   | `ー----−' |__////

205◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/27(土) 22:48:46 ID:???
>>203
おお……確かにそうだ。またひとつ学ばせてもらいました。

206高須家の名無しさん:2009/06/27(土) 23:05:06 ID:???
でも感謝の心は必要です
いつも楽しい作品をありがたう

207◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/28(日) 11:41:32 ID:???
◆eaLbsriOas@避難所です。代理投稿歓迎。感想いつも拝見しています。ありがとう!
今回はゲーム買いに行かせてみた。
***

・ゲーム欲しいの、あとなんかも

「りゅうじぃ〜、ねぇ〜、つまんない男ぉ〜?」
「『つまんない〜』だけでいいだろだからそこ!? なんだよ、大河」
「ね、ゲーム買いにいこうよ!」
「おまえまたかよ。つい二週間前に買ったばかりじゃねえか。あれどした、あれやれよ」
「あきた」
「はあ? 俺おまえがやってるとこ見たことねえぞ?」
「だってあれ謎解き推理ゲーでしょ? わかったの私、あのゲームが駄目だって。
 なんかこう、やってたらキーっ!ってなって、画面に虹が出るの」
「『私が駄目だってわかったの』だろそれ言うなら!? 虹が出るのはゲームの仕様じゃねえぞ!?
 おまえ馬鹿力で液晶ひねっただろ! こないだから俺のやつの画面おかしいの、
 私知らないよーとか言ってたくせに、やっぱおまえか犯人は!?」
「よかったじゃないの」
「なにがだよ!?」
「謎解けて。犯人わかって」
「そんなリアルクソゲーやりたかねえよ!?」
「そんなどうでもいいことよりさあ、ねぇ、竜児ぃ、ゲーム買いなさいよぉ?」
「俺が買うことなる話の流れじゃねえだろ!? 逆だ、ぎゃく! だいいち俺には
 今月はもうそんな金ねえよ」
「ちっ、この甲斐性無し。その分だとあんた一生、いや1億年後もひとり身のままだね。
 配偶者さえ死に至らしめる猛毒持った独犬よ、悪魔のモンスター毒独犬!」
「進化のオーダーで貶すのやめろよマジで……ひょっとしたらなっちまいそうで嫌だ」
「ま、よかったわねえ、今は私がいて。あんた幸せもんだわ」
「えっ……大河……?」
「なによその顔キモい。魔女かと思いきや実は神の道を示すためにつかわされた聖女に導かれて
 神の愛を感じながらついでにその聖女にも猛烈な劣情を催したサイテー般若みたいな顔して
 ひとのこと見るのやめてくれる? ……ははあ、あんた勘違いしたね。この恥知らず。
 小遣いぜんぶエロ本につぎこんでド貧乏のあんたにかわってゲームを買うお金に満ち
 あふれたこの私が今ここにいてよかったね、あんた幸せだね、っていう意味よ! 
 この身のほど知らずの進化知らずの地獄行き般若が!」
「え、エロ本なんざ買っちゃいねえぞ!? ……ていうか、そ、そうだよな。そういう意味だよ、な。
 はは、すまん、なんだろ……おまえのひでえ文句には慣れてるはずなんだが……なんでだ?
 なんか俺、心が折れそうだ……」
「……」
「な、なんだよ大河!? いきなりてて手なんか握ってきて……痛てていででででいどぅあっっ!?
 な、なにしやがんだおまえっっっ!?」」
「心の前にあんたの腕を折ってやろうって私の聖女の心よ」
「なんでそれが聖女の心だよ!? くっそ、いくらおまえでも今日という今日は許さねえぞ!」
「元気でたんじゃん」
「はあ? 元気だあ!? なんだくっそ、笑い……やがって、ご、ごまかされねえぞ、俺は……」
「まだ足りないってわけ? ふうん……」
「足りないって、なにがだよ? 罵倒と暴力は転売したいほど足りてるわ!」
「ん、ごめんね?」
「ごめんねとかおまえもういいかげんに……おう……えぇ!? おまえ今、あ、謝った、よな?
 聞き間違いじゃねえよな?」
「うん。ごめんね、竜児。私ちょっと言い過ぎたよ」
「おうっ、明確なお詫び文言、しかも的確な謝罪点……」
「あんたとじゃれてる楽しくって、つい……ごめんね?」
「しかも心理的慰謝まで……」
「じゃあ、お詫びのしるしに、今日買うゲーム代、私が持つね?」
「しかも経済的補償まで……」
「だからお願い、許してね? 竜児……」
「ぐはっ、しかも破壊力抜群の寂しげな泣き笑いフェイス……だめだ、負けた。許すよ、大河……」

208◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/28(日) 11:43:14 ID:???
「許してくれるの? 嬉しい! ありがと! さ、ゲーム買いにいこ! 竜児!」
「おう! 俺もおまえの人間的成長を知って嬉しいぞ!」
「ささ、そうと決まれば急げよ! 行った行ったレッツゴー! ……ぷくくっ、なんて操縦しやすい男……」
「おう! 行こう行こう! ……は? おまえ今、後ろでなんか言ったか?」
「じぇーんじぇん?」
「おう、そうか……よし、忘れ物ないか? 財布と会員証持ったか?」
「おっけー! そこのブサ鳥っ! 限りなく死に近い眠りを貪りつつ私たちの帰り待つがいい!
 よーししゅっぱぁーつっ!」
「インコちゃ〜ん、ちょっとお出かけ行ってきまちゅよ〜?……あ、そこで待ってくれ大河」
「えー、また?」
「……よし鍵しめた、と。よしじゃあ降りよう。俺、先な」
 タン、タン、タン……
「……またそうやって。私が転んだ時のため、とか言うんでしょ。あんた過保護すぎ」
 タン、トタン、トタン、トタン……
「そういうのはな、ここで転んだことのない人間が言うことだ。あの時こそたまたま月面宙返り
 決められたからおまえ、無事だったようなものの。俺はもうあんな肝冷やしたくないんだよ」
「おあいにくさま。次はたまたまじゃないね。もう月面宙返りマスターしたもん。転んだって
 ぴゃっとおわっ!っぴゃああぁっっっ!?」
「おうっ……!」
 トサッ!
「っ!?」
「……ほれみろ。最後の段とかがあぶないんだよおまえは」
「っ……と、とっとと離せこのっ!」
「はいはい……」
「……っ」
「なんだ、どした大河。ほれ、早く行こうぜ」
「……う、うん」
 テクテク、トコトコ……
「はー……夜はまだ涼しくていいよな……」
「う、うん……あ、あのね? 竜児……っ」
「おう、なんだ」
「ありがと……って、要らないの?」
「なんだそれ。要るかって訊かれたら、そりゃまあ要るだろうよ。……でも、まあ、いいよ。
 やっぱり俺が下でよかったって、そう思うだけだ」
「っ!……」
「……なんだ。どした。歩こうぜ」
「あ、あのね竜児っ……あ、ありがと……その、受け止めてくれて……」
「おう……どういたしまして」
「……あんたの笑顔キモい」
「また憎まれ口叩きやがって……ほら、行こうぜ。店、閉まっちまうぞ」
「う、うんっ!」
 テクテク、トコトコ……
「……で、今度は何買うんだ?」
「っそう! それよそれ! えっとね……えっと……なんとか……なんかね、すっごく売れてる
 ゲームみたいなの! 初出荷分はすぐに売り切れちゃって、再出荷分もすぐ売り切れちゃって、
 今お店にあるの再々出荷分なんだって! だからその……えっと、ア、アマゾンとかでも評価
 高いみたいよ? ええっと……アニメが元でね! あれ、小説だったかな……とかが元なの!
 だから、んと……」
「まあつまり、タイトルは忘れたわけだ」
「あう……」
「ジャンルは?」
「っそうそう! 恋愛シュミレーション……? 恋愛アドベンチャー? ……そんな!」
「そこも曖昧なのかよ……てか、恋愛シュミレーションねぇ……恋愛、おまえが」
「な、なによ。キモいニヤけヅラこっち向けんな。ほら、街路樹が青葉のままバタバタ朽ちてくよ!」
「そんなわけあるか。……まあ、でも、なんだ。そういうとこはちゃんと女の子なのな、おまえ」
「はあ!? あんたのその目は害虫駆除専用の節穴? でなければ手持ちの変態洗剤で目洗ってでも
 ちゃんとこの私を見ることねえ。あーあ仕方ない、今夜は特別に視姦を許可してやるしかないみたい。
 なんて幸福なエロ犬だこと! ほら、ほら! どこからどうみても心の清い女の子でしょ、私は!」
「くるくる回って頂けてまことにありがたいが心はどうやっても見えねえだろ。あと視姦もしねえ。
 でも、まあ、そうやってりゃ、確かにおまえは可愛い女の子だよ」
「えっ、なに? かわ……うひっ!? あんたっ! こ、この視姦っ!!」
「この痴漢、みたいに言うな。あとおまえ胸と股間を手で隠すな! 服の上からでも恥ずかしいわ!?」
「こ、こっち見んな!」
「はいはい。見ねえ見ねえ。ほら行くぞ」
「……ふう、油断もなにもあったもんじゃない……可愛い、なんて……」
「ほーら、置いてくぞ? てかおまえが買うんだから、キリキリ歩け」
「はぁい……なによ、偉そうに」
 トコトコトコトコ……
「おう、来たか……で、おまえはその恋愛なんたらゲーを買う気まんまんなわけだ」
「っそ、そうよ。なんか文句ある?」
「文句はねえよ。ただな……そうそう、そうだよ、そう。恋愛シミュレーションも結構だけど、
 おまえそんな金遣い荒かったら、旦那になる奴ぁさぞ大変だろうなあ、とね」
「はあ?……えっ、なに……な、ななななんですってえ!?」

209◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/28(日) 11:44:08 ID:???
「いい旦那さんが捕まえられるかねえ、おまえに」
「ほおお……こぉんのクソおかま犬があっっ! そのキモい笑顔すら二度と出来ないように……
 っはぁ! はっはーん……あんた、さっきの仕返ししようってんでしょ。あんたは一兆年独身だって
 私に言われた仕返しのつもりね! モロバレもいいとこ、お見通しよ。見たかこの大河さまの推理力!」
「ケタひとつ上げんなら宇宙の心配しろよ、ったく……まあ、ご明察だよ。あたり。仕返しだ」
「はん! 私の心配は要りまっすぇ〜ん。結構ですぅ〜。ちゃあんと素敵なひと捕まえてみせるもん!
 ぷくくっ! あんた、素敵ってどんなだーとか、どんなひとだーとか、聞きたいでしょ?」
「ほうほう、そうすかそうすか。んじゃま終わりで」
「ちょっとあんたねえ!? 失礼にもほどがあるでしょ!? ちゃんと絡みなさいよ! 責任とれっ!」
「はいはい。で、なんだ、あー、どんな素敵な男を捕まえるって?」
「えっとねえ、まず貧乏でもいいの! ウチお金だけはあるみたいだし、いざとなったらお婿さんに
 ウチに入ってもらう!」
「おうそりゃ、またなんと怖ろしい話で……で、だ。それでおまえの金遣いの荒さはクリアって
 言いたいんだろ? それで、じゃあそいつは貧乏だとして、どう素敵なんだ? 外見か?
 イケメンてやつか?」
「外見も……べつに。私が気に入ればそれでいい」
「そこで俺見ても基準にはならねえだろ。おうでも、そりゃまあ、外見は気に入ればいいってのは
 うってかわってまっとうなご見識だが。しかし逆にわかんなくなってきたぞ。そいつどこが素敵なんだ?」
「あのねえ、お料理が出来るの! すっごく美味しいもの、毎日まいにちいっぱいいっぱい
 作ってくれるの!」
「ははあ、おまえ確かに料理できねえもんな。食いしん坊のおまえにはさぞやありがたいだろう。
 ようやくちょっとは素敵か、それで?」
「あとねえ、お掃除が上手なの! いっつもおうちはピッカピカ! ちょー快適!」
「おう、いいねえ! そいつは俺も好きになれそうな男だ。男でそれは素敵だぞ。それで?」
「あとねえ、お洗濯とか、洋服の整理とかも上手なの! 柔軟剤とか使いこなしてぇ、
 私のこれとかみたいにすっごくいい匂いでぇ、お洋服いっつもふっわふわ! お日様の香り!
 それでね? しわにもならないように、ちゃあんと収納とかもしてくれるの!」
「おう、いいねいいね! そいつは素敵な奴だ! 友達になりてえよ! 俺もなんかノッてきたわ!
 たしかにおまえそこらへんも苦手だしな、ベストなチョイスだよ! それで、ほかには?」
「あとねえ、すっごく優しいの! 私がドジしてもね、たとえばお洋服に食べ物こぼしたりしたら、
 すぐに染み抜きに走ってくれたりしてね。あとなんか、転んで怪我しそうになっても、
 どんな時でも身を挺してかばってくれたりするの!
 ……なに? なんか変? どしたのあんた」
「……ああ、いや、なんでもねえ。まあ、そりゃ……素敵、素敵だわな、いい奴だ」
「ううん、そのひとの良さなんてね、こんなもんじゃないの。もっともっと優しいひと!
 気の短い私がかーっとなって、どんなひどいこと言ったり、つっかかったりしても、
 ぜんぶ、ぜーんぶ受け止めてくれるの! 私の機嫌が悪くてもね、面白くつっこみ返したり
 してくれてね? 私を笑わせたりして、機嫌もなおっちゃうの……」
「ははあ、それすげえ大変だぞ……いや、じゃなくて。なんてかそれは、かなり、めったにいない奴、
 の、ような……」
「そう。そうなの。それでね、泣き虫の私がね、泣いたりすると、ぜったい放っておかないの。
 一生懸命、慰めてくれたり、いっぱいいっぱい頑張って、決して私のことあきらめないで、
 必ず涙を止めてくれるの。……たとえ喧嘩になってもね? 次の日にはけろっとして、
 挨拶してくれて、話しかけてくれて、それで、美味しい朝ごはん、作ってくれて……」
「……」
「ずっと、ずっと一緒に、いてくれるの。ずっと一緒にいるよ、って、言ってくれるの。
 だからそのひとといると、ね。寂しくないの。辛いことも、苦しいことも、ふたりで一緒に
 必ずきっと乗り越えてみせるの! だから毎日まいにち、楽しくって……私、幸せなの……」
「……あ、わかった! 『ただしあんた以外のひとね!』って言うんだろおまえ? それがオチだろ!?」
「……うん、そう。あんた以外のひと……い、いなかったら、どうしよ……」


***おしまい***

210◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/28(日) 12:13:58 ID:???
あ、「と」が抜けた……なんて不覚_ノ乙(、ン、)_

1レス目下から6行目、訂正文

「あんたとじゃれてると楽しくって、つい……ごめんね?」

です……ひきつづきしばらくしおれてみる_ノ乙(、ン、)_

>>204
ありがとう!
むしろツンギレてますが。そこが大河のいいところ。

>>206
ありがとう!
いつも生暖かく見守ってくれて。

211◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/28(日) 23:07:34 ID:???
「ゲーム……」の代理投稿ありがとうございました!

212高須家の名無しさん:2009/06/29(月) 00:45:04 ID:???
気が向いたらでいいので能登くんと麻耶ちゃんの物語も希望

213◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/29(月) 02:55:18 ID:???
>>212

まとめサイト作るんだ……とか死亡フラグ立ててたので、実はもうJaneSt.に
能登×木原スレはお気にしてあったり。

麻耶はもともとわりと好きです。ギャル系おしゃれで根は真面目いちず、いいよね。

能登のデータがシミュ走らすにはやや少ない感じなのが難しそう。
音楽ライターという人生の目標があって、そこそこおしゃれには興味がある、とか?
クリスマスぼけーっとしたかっこしてきてるのが惜しい……あそこで服装にポリシーが
あれば違うんだけど……。

語尾は「でしょ」「〜の」「〜よ」「〜ね」ちょいフェミニンな感じ。

「何やってんの」
「何だってひどくない?」
「……んなわけないでしょ、バカだよ木原は」
「何弱気になってんの」
「そんなのって全然木原らしくないよ」

「木原はさ、真面目で一途なのがいい……ところでしょ? おしゃれしてさ、
 華やかでさ、明るくてさ……一生懸命、自分磨いてんでしょ?
 素敵な女の子になれるように、って、真面目にさ。そういうの、
 俺にはすごくいい……ところ、だと思うよ。それにさ、それに……
 こ、恋にもさ、一途だよね、木原は……それもいい……ところ、だと思うよ。
 ちょ、長所っていうかさ。長所って変だよね、み、魅力、かな? うん。そう。
 だからさ……だから、木原はもっと自信持ってればいいのよ。
 真面目におしゃれして、一途に恋して……そうしてなよ。
 いつもの木原らしくしてなよ。それでじゅうぶん、木原は魅力的で……
 だからそうしてれば、いつか……きっと、
 あの北村鈍感大先生だってさ、いつか……必ず……かならず、
 おまえの魅力に、気づいて、くれる、よ……」

 しまいには目に宿ったかもしれない辛い何かを麻耶に悟られないよう、
 眼鏡よ隠せと、能登は顔を伏せずにはいられなかった。 
 意地でも頬に血を上らせず、能登はすべてを言い切れたはずだった。
 その場に居合わせたたんなるクラスメイトとして、麻耶を元気づけるという役を、
 能登なりに完璧にこなせたはずだった。けれど。
 おまえ、と。
 そう、最後に麻耶を呼んでしまったことには、能登は気づかないまま。


とかですか。よくわかりません。

214高須家の名無しさん:2009/06/29(月) 12:24:27 ID:???
いいよーいいよー

これ能登麻耶に転載しても良いかね?

215高須家の名無しさん:2009/06/29(月) 13:22:55 ID:13HYSPoM
能登の特徴の一つとして、「xxよyyxxよ」という台詞の多さもある
「座ろうよみんな座ろうよ」(7巻、ファミレス勉強会)
「心配だよ高須心配だよ」(8巻、引きこもり高須の見舞い)
「おかしいよタイガーおかしいよ」(9巻、おしべめしべ)
バリエーションもある
「先生大変だよ先生」(10巻、集団エスケープ)

216◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/29(月) 15:29:49 ID:???
>>214
こんなんでよければどーぞ!

>>215
あるよ能登にはそれあるよ。

ていうか巻数対照調べたのが偉いよ名無しさん偉いよ!

217高須家の名無しさん:2009/06/29(月) 17:34:56 ID:???
>>216
じゃあお言葉に甘えまして

218高須家の名無しさん:2009/06/30(火) 00:26:22 ID:???
>>215
「能登かわいいよ能登」が元ネタかw

219高須家の名無しさん:2009/06/30(火) 10:38:35 ID:GoqlVXTg
麻美子はかわいいが久光はかわいくないからな

220◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/30(火) 16:12:23 ID:???
>>217
あいあい。でもあそこだけ切り取るとさすがにイミフだったようで……

>>218
あー、なるほど。鋭いっ! 言われれば、なんで気づかなかったのか……

>>219
ねー。だから(かわいくない)連呼されるんだね。なるほど……

さて、こないだのSSは本スレに代理投稿していただいた後、
直後に事実誤認のケチつけられて(神とか毎回言われてねーよ!)
大事な大事な直後のコメ付くかもな流れをぶっつぶされて、
実は大激怒&消沈してましたが、めげない私。

「本当はこわいの」の続編、うpします。

221◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/30(火) 16:13:13 ID:???
◆eaLbsriOas@避難所です。代理投稿歓迎。感想、少しだったとしても嬉しいです。ありがとう!
新避難所>>86本スレ>>77「本当はこわいの」の続編です。ちょと長いの。
***


・本当はこわいの その2なの

「いや〜見た見た! やっぱ暑くなったら心霊DVDだよな。お手軽クーラー、風物詩!
 でもこのシリーズもさすがにちょっとクオリティ落ちてきたよな。10本ほとんどモロ合成、
 素人の俺たちにもつっこみどころ満載で、笑うとこのが多かったくらいだし。
 今回唯一、怖かったのはやっぱあれか、線路の……いや! あれもたいしたことなかったな!
 ぜんぜんだ! あれもどうせよく出来た合成……いやイマイチな合成に決まってるし!
 いや〜笑った笑った、なあ大河!」
「……」
「……たい、が?」
「……うん、笑った」
「……そっ、そうだよな? なんかおまえ今、顔固まってフランス能面みたいになってるけど。
 おまえも、わ、笑ってたもんな?」
「……うん、そうだね。笑ったね……」
「そ……よ、よおし、じゃあ、今夜はこれで解散にしようぜ。目疲れたし! 眠くなったし!
 ……ね、眠くなったよな、大河?」
「……」
「ぉぅ……」
「……うん。たぶん」
「おう、そ、そうか! そうだよな! あくびとかも出ちゃうもんな? ふあぁ〜ふ……」
「……」
「あ、あくびってつられたりするよな? 不思議だよな? 移ったり、な?」
「……」
「ほらほら大河、あくびあくび。ほら、あ〜ふ……」
「……」
「……ま、まあ移んないこともあるか。あるよな。……まあでもだ! じゃあ夜遅くもなったし!
 ふたりとも眠くなったし! 今夜はこれでかいさ」
「やだ」
「……や、だ……?」
「うん、いや」
「い……やっぱり?」
「うん、まだ解散しない」
「まだって、おまえ、なんだかんだで、もう夜の1時まわってんだぞ?」
「いいじゃないべつに。充分まだじゃない。私、3時だか4時だかまでいたことあるでしょ?」
「たしかにそんなことも何度かあったけどよ。そりゃおまえあれだろ? たとえばついこないだとか、
 テレビで新作ルパン映画見出したらものの10分でおまえが沈没、俺も頑張ったけどまさかの
 クライマックスど真ん中ラスト10分で耐え切れず轟沈。そのまま二人でド爆睡決め込んで、
 俺がうはぁと飛び起きたら4時10分前だった、とか、そういう場合だろ?」
「そうだっけ? あんま覚えてない」
「そりゃそうだろうよ。記憶もねえだろうよ。大変なんだってそういう時のおまえ。
 まあ起こしても全然起きやしねえ。涎もたらして人事不省、機嫌も悪くならねえくらいボケーっとして、
 偶然なんだかなんなんだか、振り回す拳は俺のレバーやテンプルやチンとか的確に急所突いてくるし」
「えっ? 嘘!? 私あんたのチンP―!とか殴ったわけ!? なんてことさせんのよこのドマゾ変態野郎!」
「いやもうほんと勘弁してくれ。それは拾えねえわさすがの俺も。チンだよチン、ここ、顎!」
「いやあっ! ばっちいっ! 腐るっ! あんたちょっと消毒っ! おっ、オキチドール!」
「オキシドールだろそれ!? 狂った和人形みたいになってんぞ!? ってかだから顎だって!
 ひとの話聞けよ!?」
「それそれ! いいから早くあんたのその、お、オチチドール! よこしなさいよ!?」
「もっとヤバイ人形になってんじゃねえかしかも俺所有!? てかだから顎! おまえ殴ったのはここ!
 顎だっ!こおおおっっっ!? ……痛ぇっっ! な、なんでいきなり殴るんだよっ!?」
「えっ? だってあんた、消毒より先に俺の顎を殴ってウサを晴らせって言うから。
 私が寝惚けてるのいいことに、ほれほれうひひってあんたのチンP―!を触らせたお詫びだからって」
「俺が言ったことが残って無さすぎで竜児くん的にももうどうにもならねえよ……
 寝惚けたおまえに触らすとかもう単なる犯罪じゃねえか。まあ、いいから落ち着いて聞いてくれ、大河。
 おまえはたしかに寝惚けてはいたが」
「ふぁ〜あ……騒いだらなんだか眠くなっちゃった。私、帰って寝るわ。じゃね竜児」
「お、おおおおおぉぉぉぉ……ぅ。な、なんて……なんて雑な女なんだ、おまえって奴は……
 眠けりゃ話は聞かねえわ、誤解したままなのに消毒もしねえで寝るだとか、ど、どんだけ」
「あ、忘れてた。消毒も明日の朝する。あんたもろもろ覚えときなさいよ、この駄エロ犬!
 ふあぁ……っふ。んにゅ。じゃあおやすみなさーい……」
 バタン。カンカンカン……

222◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/30(火) 16:18:35 ID:???
「はああ……ま、まあ、帰ってくれたから良しとするか……? あー、顎いてぇ……」
 ……ガンガンガンガン!
「おう階段!? なんだなんだひでえ!?」
 バッターン!!
「りゅうじぃぃぃっっっ!!」
「バカおまえ大声出すなっ! 大家がってうげぇっ!? ボロ泣き!? なんだおまえどうした大河!」
「やっばまだがいざんじないのおっっっ!」
「……やっぱまだ解散しないの、か? って、えっ、おまえ、なんだ、こっち、近寄って……?」
「だっご!」
 ぎゅむ〜っ!
「うへあっ!? ……だっこ、か? じゃねえよおまえ! なななんだ、どっ、どうした、大河……?」
「……」
「た、たい、が……?」
 んぱっ!
「ふー、落ち着いた! あらやだ鼻水のアーチが綺麗……あんた何その手?」
「へっ? あ、いや。お、俺も抱きしめかえした方が、おまえ慰めてやれるのかな……? とか」
「げ! やめてよ気持ち悪い。私を慰み者にするとかどんだけエロいの!? 欲情すんな!
 あんたってばほんとにオールシーズン不眠不休で発情してるから参っちゃう。どうせなら
 24時間エロってないでテロと闘え、ジャックみたいにさ」
「……怒っていいんじゃねえかな俺怒っていいんじゃねえかな俺怒っていいんじゃねえかな俺……」
「っ? どうしたの竜児、足元睨んじゃって。ぶつぶつ何言ってんの? 大家が死ぬよ? 呪いが床貫いて」
「ねえよ!ってわあバカおまえ顔近ぇよ! ったく罪の無い子どもみてえな表情しやがって……!
 おまえ……ほら、涙。拭いてやるよ……で、どうした? あんなに慌てて、おまえ、なにがあったんだ?」
「……えっ? な、なにもないよ?」
「嘘こけ。あんなに泣いて取り乱してるおまえなんか久しぶりに見たぞ。3日ぶりくらいじゃねえか?」
「短か……」
「……なあ、大河。言ってみろよ。いや、言ってくれよ、何があったのか。どんなことでも隠すな。
 いいか? 俺はおまえの味方だ。たとえ何があってもだ。俺に出来ることならなんだってやってやる。
 俺は誓った。おまえは虎、俺は竜、永遠に並び立つと。なあ、大河。言ってくれよ、お願いだ……」
「……」
「……それとも、そんな俺だから……俺だから……言えねえこと、なのか……?」
「……」
「ああくっそ!! やっぱりそうか!? くそおおおぉぉうっ!! そいつぶっ殺してやりてえ!!
 おまえ怪我は無いのか!? なんてこったちくしょおおうっ!! おまえを送ってやれなくて、
 本当に………………………………………………………すっ…………すまなかったと思う……っ!」
「長っ……へっ、なに、怪我? 怪我なんてないよ……?」
「そうか、ならよく……ねえよ!! くそっ! そいつどんな奴だった!? 覚えてるか!?」
「へっ!? そいつ……?」
「そうだよ、だからそいつどんな……っ! そうか……思い出したくはねえよな、襲われたんだもんな……」
「へっ!? 襲われ……私、襲われてなんかないよ!?」
「いいんだ、大河……今は何も思い出さなくていい……ただ、起きたこと、そのことだけは俺には
 隠さなくていいんだ……隠さないでくれよ、なあ、大河……」
「もーっ! だから襲われてなんかないってば!! ってか、そうね、強いて襲われたって言えば……」
「っ!? なんだ、思い出したのか!? 言えるのか! わかった指さすんだな!? そっちの方向か!?
 ……って俺ぇええええっっっ!? 俺を指さしてるのか!? この家にいた俺なわけねえだろ!?」
「ううん、さっきじゃなくて。チンP―!触らせたのと、あと抱きつかれそうになったこと」
「だから触らせてねえよ!? あと抱きついてきたのおまえだろ!? 冗談じゃねえぞ、ったく……
 なんだ? 冗談……てことは、ほんとに、おまえ、ほんとに、外で誰にも襲われてないのか……?」
「うん!」
「危ない目にあっても、いないんだな?」
「うん! ……うぎゃっ!」
 ぎゅうううううっ!
「よ、よかった……よかったああああ……おまえ、無事だったんだああああぁぁぁ……っ」
「ちょっ!? やだ! やめてよ離して! へ、変態っ! 痴漢! 現行犯! 襲われるっ!
 今危ない目っ! この……っ! う、嘘……っ。な、泣いてるの? 竜児……」

223◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/30(火) 16:19:29 ID:???
「っぐ、泣いて、なんか……あれ俺泣いてるわ……心配すんな、大河、これ、安心して、
 おまえ、無事で……泣いてるだけだ……心配、いらねえ……」
「っ! 竜児……っ」
「わ、わかった。離すよ。悪かった、抱きついたりして……すまねえ、本当に………………すまねえ」
「え、もう……い、いいけど、べつに……あ、謝んなくたって」
「はー、ちょっと待ってくれ。はあ……はあ……っはーっ……よし、もう大丈夫! 落ち着いた!
 すまなかったな、大河。……たい、が?」
「ほら、涙……拭いたげる……」
「あ……お、おう、ありがとよ。……なんだよ、笑うなよ」
「竜児だって、笑ってるじゃない……ほんと、つられてすぐ笑うんだから……」
「いいじゃねえかべつに……ふーっ! さて……そうだ、なんだ? なんかあったぞ? あれ……
 そうそう! 襲われても危ない目にもあってねえんなら、なんでおまえ泣いて帰ってきたんだ?
 あ、いや、戻ってきたんだ?」
「……はあ、仕方ない。言うしかないね」
「おう、そうだよ、言えよ」
「……あのさ、竜児。聞いても……怒んない?」
「おう、そりゃもちろん。おこらねえおこらねえ」
「聞いても、すぐ帰れとか、言わない?」
「おう、言わねえ言わねえ」
「……じゃあ言う。あ、あのね? 竜児……ほんとは、私……ちょと、こわいの……」
「……」
「あのね? ここにいるとね? 平気だけど。外、出て、ひとりになったら、だめみたい……」
「……」
「りゅ、竜児……?」
「んあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!! やっぱそーれなーのねーっ!? 早く言えよ!?
 おまえトイレ一人で行けねえとかで、終わったら顔がフランス能面とかで、こわがってるのなんて
 こちとら最初からわかってんだよ! バレてんだよ! ったく早く言えよこのバカ!」
「うーっ! 怒んないって言った!」
「ああまあいいよ! 怒って悪かった悪かった。さ、じゃあおまえ帰れ。俺、送ってくからさ」
「うーっ! すぐ帰れって言った!」
「だっておまえ、しょうがねえだろ。もうすぐ2時だぞ?」
「うーっ! この……竜児の嘘つきっっっ!」
「いや、だっておまえ……」
「嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つきいいいいいぃぃぃ――――――――っっっ!!」
「わあおまえ睨みながら泣くな泣くな! ウサギみたいに床だんだんするな! 大声もやめろ!
 な、頼むから、な! 後生だ大河! お願いだ! な? 大河。大河、大河、大河……な?」
「うぐ……わ、私、帰んないもん! 今夜はここで寝る!」
「わあやっぱり……! なあ、でも大河、いやそれやばいって。一応ほら、決まりだろ?
 泰子も、だめだよ〜☆って、言ってたろ? な?」
「……『俺はおまえの味方だ。たとえ何があってもだ』」
「あおう……」
「……『俺に出来ることならなんだってやってやる』」
「うおう……」
「……『俺は誓った。おまえは虎、俺は竜、永遠に並び立つと』」
「おおう……け、けっこう記憶力いいのな、おまえ……」
「……嘘つき」
「ぐおう……」
「……う、そ、つ、き!」
「んおぅ……わ、わかった大河。まいった。俺の負けだ。悪かった……ほら、とりあえず、涙拭けよ」
「すんっ……拭いて」
「おう……はい、拭き拭き……これでよし、と」
「……ふんっ。で、なにしてくれるわけ。竜のあんたは虎の私に」
「はああ、誓うんじゃなかった……」
「なんですってえええええぇぇぇぇっっっ!?」
「わあ嘘ごめんすまんごめんっ! だから睨み泣きうさぎストンピングはやめてええええぇぇぇっっ!?」
「ふん! あんたがどれほど後悔しようとあの誓いは一生守ってもらうよ! 一生死ぬまで……いや!
 私は天国行くから地獄行きのあんたはなにがなんでも這い上がって天国の私の傍に来ることね!
 いいこと!? わかった!?」
「わあほんとに永遠だ……わ、わかったよ」

224◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/30(火) 16:20:34 ID:???
「で? わが忠実なる地獄の犬よ! いま、あんたはなにしてくれるわけ?」
「いいよ。とりあえずここで寝ろよ、おまえ」
「えっ……やたっ!」
「おまえ嬉しそうな……でもな、大河。寝ても、泊まりはナシだ」
「えぇっ!? どういうこと……?」
「おまえは今ここで眠ってもいいけど、それは泰子が帰ってくるまでだ。それまでには起こす。
 そして帰ってもらう。おまえも熟睡中で辛いだろうが、俺もおまえにぶん殴られようが耐えて、
 必ず起こす。その途中か、起きれなくて泰子が帰ってきたら、その時は事情を説明して、
 あるいは泊まりが許可されるかもしれねえけど……まあそれは例外だ。期待するな。
 まあ、これが条件……ていうか、俺に出来る限りのこと、ってやつだ、今のところの。
 いいか? それで、大河」
「……うん、わかった。それでいい」
「よし! じゃあ、ふとん敷いてやるよ。泰子の部屋でいいか?」
「あっ、えーと、それはちょっと……酔っ払ったやっちゃん、別な意味でちょっとこわいの……
 申し訳ないけど。万が一起きるの失敗したらの話だけど」
「ああ、いや、言いてえことはわかる。俺も小さい頃、泥酔して帰ってきた泰子に懐かれて
 妙に怖かったなんてことがあった。だから気にすんな。よしじゃあ、ここかなあ……
 居間もけっこう、そうなった場合、泰子に踏まれるなんて可能性もなくはないんだよな……」
「ね、竜児。私、ベッドがいい」
「……え? ベッドって……俺のか!?」
「うん」
「おまえずうずうしいにもほどが……てか、俺のだぞ!? 俺がふだん寝てるんだぞ!?
 いいのかおまえ、それで」
「うん。臭そうだけど我慢する」
「わあもうおまえってほんとにえんりょのないひどいやつだなあ……臭そうとか。清潔だぞ? 一応。
 まあ、いかんともしがたい染みついた匂いとか、もう俺が慣れててわかんねえとかあるだろうが、
 でもまあ、それでもおまえがいいってんなら……いいよ、俺のベッドで寝ろ。俺はふとんで寝るから」
「やたっ!」
「なんだかほんと嬉しそうな、おまえ」
「そ、そう? ふとんが慣れないだけ。だからベッドのが嬉しいだけ」
「わかってるよ、言われなくても。……じゃあほら、俺の部屋、来い」
 すーっ……パタン。
「わ、男くさっ」
「おまえね、部屋入っただけでそうなら、ベッドとか無理じゃねえかやっぱ?」
「大丈夫。鋼の意志で耐えてみせよう!」
「なんだろ、竜児くんちょと傷つく感じ……ほら、じゃあ、ベッド入れ」
「わあ……!」
「歓声みたいな悲鳴とか……おまえほんとに大丈夫か?」
「だっ、大丈夫だってば」
「あ、あー、そんな。顔半分までタオルケット持ってったら、きつくないか、に、匂い?」
「ほんと臭あいっ……やだやだっ……鉄と血で私は耐えてみせよう!」
「ビスマルクに俺のベッド使われるのは勘弁だよ……まあ、おまえならいい……じゃなくて、
 おまえがいいんなら、いいや。じゃあ、そうだな、1時間半くらいで起こすぞ」
「うんっ!」
「よし。じゃあ、おやすみ、大河」
「お、おやすみ、竜児……って、えっ? 出てっちゃうの……?」
「そりゃそうだよ。おまえだってその方がいいだろ? 俺は居間にふとん敷いて仮眠するよ」
「えっ、あっ、そ、そう……うん……そうだね……」
「……電気、どうする? おまえんとこと違って段階ねえんだ。これがふたつ、でひとつ、でまめ球」
「い、いいよ。これで、まめ球で」
「そうか? おまえ……まあ、明るいと寝にくいしな、じゃあとりあえずこれで。おやすみー」
「お、おやすみ、竜児」
 すー……パタン。

225◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/30(火) 16:22:55 ID:???
「はあ……っふあ〜ぁ……さ、て、と、だ……泰子んとこの押入れからふとん出すのめんどくせえな……
 ま、座布団並べてでいいか。俺が爆睡してもまずいし、寝にくいくらいでちょうど」
「りゅ、竜児……っ!」
「おう……!」
 すっ!
「ど、どうした大河?」
「竜児っ、竜児っ」
「どうしたおまえ、両手出して……っ! わかった、だっこだな? いいな? だっこするぞ?」
「うんっ、うんっ、して、して……っ」
 ぎゅ……っ
「ほら……なんだ、どうした大河……。こんなに震えて……こわかったのか?」
「う、うん。お、お外じゃないのに、竜児のうちなのに、こ、こわいみたい……」
「そうか、おまえほんとに……大丈夫だよ、ほら、もう、大丈夫……な?」
「う、うん。大丈夫……お、落ち着いたみたい……ありがと、竜児……」
「よし、じゃあ……離すぞ、だっこは終わりだ。いいな?」
「う、うん……」
「ほら、もう泣くな。拭いてやるから……目、腫れちまうぞ。おまえ、せっかく綺麗なんだからさ……」
「竜児……っ」
「あれ? なんだ、なんでまた涙出てくるんだ……ほら、こわくないって。な?」
「うんっ、うんっ」
「よし……じゃあ、大河。なにして欲しい?」
「えっ……?」
「言ってくれよ、大河。な?……いつもみたいにさ、命令しろよ、この地獄の犬に」
「っ! 竜児……っ」
「なーんで涙出てくるかなこれ。ほら、こわいの止めてやるから。どうして欲しいんだ、俺に」
「……ここにいて、欲しいの、竜児……」
「おう、わかった。ここにいるよ。ずっと」
「あ、ありがと、竜児……っ」
「……なーんてな。おまえがすやすや寝付いたら、俺はむこうで寝ちまうよーだ」
「えぇっ!? なによそれ!? 嘘つき! ひどいっ! 喜んで損した! あんたってば……
 なんで、笑ってるのよ……?」
「……いや、涙、止まったろ? 元気でたみたいだし、おまえ」
「っ!」
「そんな驚くな、こわい思いはさせねえから。大丈夫、ここにいてやるよ。それは嘘じゃねえ」
「……ほんとう?」
「ああ。おまえが寝付いたら、俺もここの床にふとん敷いて仮眠するよ。もし……怖い夢見たら、
 とにかく俺を呼べ。起きちまってても、まだ夢の中でも、どっちでもいい。怖かったら俺を呼べ。
 すぐ起きてやる。夢の中にも出張ってやる」
「……そんなこと、できるの?」
「俺を信じろ。おまえが信じてくれたら、きっと出来る。やってみせる。夢の中だろうと……
 そうか……泰子が出来たんだ、だから……泰子ゆずりの力で俺にも出来る。夢だろうと必ず行く。
 そして怖いのがなんだろうと睨みつける。だから安心しろよ、な。さ、眠れよ。大河……」
「……睨む、だけ……?」
「うん、睨むだけ」
「ぷっ、あはは……っ」
「よし、ようやく笑ったな。いい感じだ。もう大丈夫……さ、目をつぶって……そう……
 おやすみ、大河……」
「……うん。おやすみなさい、竜児……」
「……」
「……」
(ふう……かわいそうに、あんなにこわがっちまって。こいつこわいの、そんな苦手なやつじゃ
 なかったはずだよな……? それにしても……なんだろな、心配すると、妙な気分も吹き飛ぶものかね……
 ふー……っ。心臓うるせえよ。ばくばく言いやがって、おまえだけだよ、盛り上がってんの……)
「……クスクスっ……ふふ……」
「? た……っ」
 すう……すう……
(っぶねえあぶねえ。起こすところだ。なんだ、寝ながら笑ってやがる……ったく、いつもどおりの
 幸せそうなツラしやがって……よかったな、ちゃんと寝付けたな、大河……)
 すー……すー……
(寝てりゃ可愛いもんなんだが……寝顔は好きだとか、言ってやらねえけど。ド変態扱いされるし。
 ……なんだよ、心臓うるせえって。勝手に盛り上がんな。俺は妙な気分になんかなっちゃいねえ。
 妙な気分に、なん、か……だめだ、大河見てるとやばいみたいだ。いればいいんだろ、ここに。
 目をそらせ……ほら、目を……目ぇそれろよこの野郎! 心臓といい、言うこときけよ身体どもが!?)
「んうっ……ううん……クスクス……」
(……寝てりゃ声まで可愛いとか、勘弁してくれよおい……耳もふさがなきゃなんねえのか……?)
「ふふ……おもしろ……覚えちゃった……」
(……寝言か。なにを覚えたんだか)

226◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/30(火) 16:23:56 ID:???
「……『櫛枝実乃梨さま』……」
「はぁ?……っぶね……」
 ……すぅ……すぅ……
(やっべ……思わず声出ちまった。なんだ、なんでその名前が……しかもフルネームに様つきで……?
 大河なのに、みのりん、じゃなく……?)
「……汝、愛を込めし視線、投げよこせば。俺様、ボウゼン。……」
(うげえええええぇぇぇっっっ!? それっ!? これっ!? 俺の禁じられた恋愛妄想箱のっ!?
 櫛枝あての禁じられたラブレターっっっ!?)
「……俺様、汝の愛に応えるべく。報復の愛の視線、ダブルフラッシュ。おお櫛枝、アイラブユー。
 ホールミータイ、ホールミータイ。……」
(ぜんぶ諳んじてるうっ!?」
「……ぷくく……いきなり最初に出せないラブレター書いて……愛かぶりすぎ……」
(しかも的確な批評ぅっ!? ……ほんとにこいつ寝てんのか? 大河のやつまさか……)
「ぉぃ……ぉぃっ……」
 ……すぅ……すぅ……
(寝てるわ。ガン寝だ。やっぱ寝言か……驚きの寝言師だなこいつ……)
「……『実乃梨の季節』……」
(わあ二発目来たあ!?)
「……冬に耐えて。春の到来に喜び。夏の暑さにも負けず。そして季節は今、実乃梨の秋。
 でも櫛枝、君の季節はやっぱり夏。……」
(わーこれ最低のやつだ……がくっ)
「……ぷくく……まんますぎ……しかも意味わかんない……」
(まったくおっしゃる通りでございます……死ねる……)
 ……すぅ……すぅ……
(ったく、なんだこいつの記憶力。一回見ただけでこんな……ひょっとしてまさか、俺の目を盗んで
 ちょくちょく読んでやがったのか!? だとしたら許せねえ……問い詰めねえと……
 あとで起こして……いやいっそ、今、起こしてやろうか? ……かわいそうだが、
 これ以上は、今度は俺がもちそうにねえ……!)
「……『恋は素晴らしい』……」
(おう、三発目……っ!)
「……恋は素晴らしい、たとえ実らなくても……


  恋は素晴らしい
  たとえ実らなくても
  このおのれの本当の大切さは
  ただ恋だけが教えてくれるのだから
  ひたすらに焦がれて、切なく
  想いは届かずに、悲しく
  実ることもなく、哀れに
  そうして

  誰もこのおのれを知るものはないと
  ただおのれだけが知っているのだと
  おのれでおのれの身をかき抱き
  切なく、悲しく、哀れよと
  ひりひりと、燃えるよう
  ぎりぎりの、ところまで
  おのれへのおのれの愛を
  この上もなく強くする

  ただ恋だけが、そうして
  この世にふたつとて、並ぶもののない
  おのれの本当の大切さを教えてくれる

  だから、君よ、にもかかわらず
  僕が君を愛するときは、その
  この上もなく恋によって高められた
  おのれへの愛を、越えて
  この上もなく大切だと恋が知らせた
  おのれへの愛を、越えて
  それよりもなお君が大切なのだと
  おのれよりもなお君が大切なのだと
  それほどに想いたいのだ

  ただ君だけを、僕は
  それほどに想うのだ
  恋は素晴らしい
  たとえ実らなくても
  だから僕は
  君に逢いたい


 ……君に逢いたい……」
(……っ)
「……ちょっと、好きかな……これは……」
(……ちょっと、かよ……ったく、すげえぞ。寝言の魔女め……)
「……竜児……」
(おう!?)

227◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/30(火) 16:24:27 ID:???
「……竜児……こんな……恥ずかしいこと……よくも……」
(う、うるせえよ!?)
「……よくも……こんな……恥ずかしいこと……大切なこと……大切な……自分のこと……見せてくれて……
 私を……慰めてくれて……」
(おう……春のことか? あの、おまえが木刀持って夜襲に来て、北村へのラブレターを知られて、
 恥で死にそうに落ち込んでいた……あの、春の……夜の……?)
「……竜児……優しいひと……」
(大河……べつに優しかねえよ、俺は……)
「……わあ……っ!」
(っ!)
「……逢いに、来てくれたんだね……ほんとうに……私のとこに……竜児……」
(な……なんだ、よ。寝言……夢の話か……わかってねえのか……でも、そうか……よかった、
 俺、おまえの夢に行けたか、大河……ったく、こわくもねえのに呼ぶなよ……)
「……なんでここにいるのよ……この駄犬……」
(ぶっ! っくはは……笑えるわ……こ、こいつ、夢の中でも俺を罵るのか……?)
「……ありがと……来てくれて……」
(……おう)
「……あのね……竜児……ほんとは……ほんとはね……私……竜児……ほんとは……」
(おう……ほ、ほんとはなんだよ大河……なんだようるせえぞ心臓! き、聞こえねえだろが……)
「……ほんとは、ね……竜児……」
(お、おう……)
「……ほんとは……こわいの……大好きなの……竜児……」
(……)
 ……すぅ……すぅ……
(え? ええええええぇぇぇぇ……? 大河おまえ、その、大好き……どっちにかかってんだよ!?
 前か? 後ろか? どっちも大問題だぞ!? こわいのが大好きなのか? それとも……それとも、
 あー……だめだ、どうにもならねえ。寝言だ。知りようがねえ……はあ……どっと疲れた……
 いいや、もう、このまま畳で仮眠しよ……)
 ……すぅ……すぅ……
(おやすみ、大河……)
 ……すぅ……すぅ……
(……)
「……竜児、だよ……」
(……)
 ……すぅ……すぅ……
(……バカ野郎この野郎寝れるかっっっ!! どっちなんだよだから!? その竜児だよはなんなんだよ!?
 ちくしょうっ! 大河っ! 俺は……俺だって! 最初から……おまえ……ほんとは……おまえ……
 ほんとは、おまえより、眠かったはずなんだあああああああぁぁぁぁぁぁ―――――――――っっっ!!」
「……やだ……クスクス……」


***おしまい***

228高須家の名無しさん:2009/06/30(火) 18:52:10 ID:???
もう恐山ってレベルじゃねえwww

229高須家の名無しさん:2009/06/30(火) 19:16:29 ID:???
>>220
なんつーか、2ch初心者なのか目くじら立てるやついるんだよなぁ
でも嫉妬に狂ってスレ潰すために言い掛かりつけてくる気ちがいに目をつけていないだけまだマシ
それに2ch長くて言い争いが常な方々もあのスレでは自重してるからな
まあ面白い作品を投下し続ければそんな連中もねじ伏せられます

230高須家の名無しさん:2009/06/30(火) 23:20:10 ID:???
>>220
あんたはいい人だな

231◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/01(水) 00:23:33 ID:???
>>228
ありがとう!
大河の竜児(よめ)いびり……は、とらドラ!ではわりと基本か……

>>229
なんてか、その時正直思ったことは、
「うおいっ、ここにも代理投稿直後の雰囲気潰されてがっくり来てる「ピュア」な書き手
 とやらがいるんだけど!? 「ピュア」な書き手(除く私)かあ!?」
とかでしたw 

ほとぼり冷めるまで荒れる種なんかまいてはいけないと、レスの草稿をいくつかつぶし、
最後にたどりついたのが、代理投稿してくれたひとも悲しんでるはずだとの思い。

そんでまあ、この一言だけ感謝して>>211
さめざめと枕を濡らしたのでございます……嘘です、激怒に心臓バクバクさせながら
エスニック料理食ってましたw 落ち着くよね……タンドリーチキン(ねえよ

>>230
またまた……このおだて上手。なんも出ないよ? まさかまさかの腹黒ですぜ私は。
……ありがとう。

いい人はたくさんいますね……ただ、あんまり奥ゆかしい切ない世界なので、
かすかな好意に異様に敏感になってちょっとしたヤンデレ気分?を満喫中。

232高須家の名無しさん:2009/07/01(水) 08:53:33 ID:???
>>231
別に悲しくはないし普段いる板がキチガイだらけの場所だし
もう2chに8年近くいるから別に気にもしていないよ

233◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/01(水) 21:55:51 ID:???
虎の恩返しってのを考えてたんだよね……。

大河が奥で機を織ると、虎柄グッズを持って出てくるの。

「おまえこれ、機で織れねえんじゃねえか?」
「うるさいわね。あんた細かいのよいちいち。いいからとっとと市で売ってきな、
 この柴刈犬!」

とか。肉を食いたがって、無いとわかると軽くウサギを狩ってきます。


>>232
なんて優しいひと……(ヤンデレ

234228:2009/07/02(木) 00:04:38 ID:???
>>231
イタコ並みに色んなものが降臨してるって意味ですわw

235◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/02(木) 00:24:57 ID:???
>>234
大河のモーレツな寝言がイタコみたいってことですよね?

236高須家の名無しさん:2009/07/02(木) 22:14:15 ID:???
むしろ二人が書き手に降臨してる気がw
あぁー、ギシアン書きてぇ。

237◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/03(金) 11:10:01 ID:???
◆eaLbsriOas@避難所です。代理投稿歓迎。感想ありがとう! 嬉しいんだぜ。
今回は実乃梨と亜美を降ろすテスト。スレチにはならないはず。
***

・あみのり

「おお汝、自販機の狭間にて凍える少女よ、何を思う。ただモノだけが私をかき抱き、
 暖めてくれるとでも? だが、おまえを温めるものはモノばかりではないはず……!」
「っ!……ちっ」
「ねえねえ、あーみん!」
「……」
「はあ……まだ怒ってんのか。まあいいや、そのまま聞いてよ」
「……」
「あーみんってさ、高須くんのこと好きでしょ?」
「っぶべらぶううううううぅぅぅぅ――――――――――――――――――――――っっっ!!」
「おおレインボー……お茶でも虹が出るもんなんだねえ。綺麗に魅せるテクニック。
 さすがモデルさんだこりゃあ、うんうん」
「ッブホッ! ゲホッ! ゴホッ! あ、あんたねえ!? ……っ話しかけないでくれる?
 みの……櫛枝さん」
「……じゃあ、ひとりごと言うよ。……あーみんはさあ、高須くんのこと大好きなんだぜぇ。
 ウヒョー、バーレバレー。恋の香り薫る紅茶ホット……」
「……」
「おお、あーみんが白く固まって……レインボーと来て……わかった! ヨガの眠りだね!?
 あーみんはレインボーウーマン! さあ目覚めるのだ、タケシよ……インドの山奥でっ♪」
「ってコラ! つっつかないでよキモい! つかタケシって誰だよ!? ちょっともう、なに!?
 マジウザイ! あんたの言ってることトリプルくらいでわけわかんないんだけど!? 消えてよ!」
「まあつまり、高須くんのことが好きってのは図星なんだね……」
「ちょっ、なんで決めつけるかなあ!? それもトリプルに入ってるっての!」
「じゃあ、あーみん高須くんのこと、嫌いなの?」
「っそ、そんなの、嫌いに決まってるじゃん! あ、あんな、あんなバカ……嫌いだっての!」
「ピコピコピコピコピコ……ジージジージジジジージー……ピーガガガガッピーイーイーイー……」
「……ほんとキッツいわー。どーしたらいいんだろ、こいつ……」
「ケイサン ノ ケッカ ガ デマシタ。ケッカ ヲ キキマスカ?(PUSH ANY KEY)」
「……亜美ちゃん頭痛い……」
「アーミン ハ タカスクン ノ コトガ カナリ スキデス」
「結果聞きたいなんて言ってねーだろ!?」
「ノンノンノンだよあーみんくん。PUSH ANY KEYはね、何か言ったら結果聞かせるっていう意味なんだよ」
「きったね。もういい。あんたが消えないんなら、亜美ちゃんが消えたげる。じゃね」
「高須くんってさ、バカじゃないよ」
「はあ!? バカじゃんあいつ。バカバカ! ……あんたも。だから嫌い」
「バカじゃない子をさ、バカだから嫌いって女の子が言うのはさ、好き、ってことだよ」
「……」
「あーみんはさ、吹いて虹なんて作んないよ。白く固まったりも、しないよ。他の子だったらさ」
「……」
「そんな顔しないでよ。私さ……あーみんと話したかっただけなんだから。高須くんのこと。
 だって……私もさ、高須くんのこと、好きだからさ……」
「っ! 実乃梨ちゃん……」
「てかさ! シケた話じゃないんだよこれ! ぱーっといきたいんだけど!?」
「ぱーっと……?」
「いかに高須くんがヤバイかって話がしたかったんだよ、あーみんと!」
「あいつが……ヤバイ?」
「うん、そう! あいつ、いいね! 私もあいつで行く! ねえあーみん、あいつってさ、ヤバイよね……?」
「……うん、ヤバイね」
「あのさ、あいつと、ふたりっきり、とかになると、マジヤバくない?」
「っそう! マジヤバイ! ふたりっきりがやっばいんだよねぇ!?」
「おお来たね来たね! ……ふたりっきりになるとさあ、あいつ……ボソっと言うでしょ?」
「それ! 言う言う! ボソっと! やっばいの!」
「ふたりっきりになるとさ、こわい目してんのに、照れて赤くなったりしてさ、そんで、
 ボソっと言うじゃない……なんての、こう……胸を打つようなこと」
「っキャー! それそれ! 赤くなって、こわい目しかもそらすっしょあいつ! それで、
 『えっ、なに? こいつ、どうしてそんなこと私に言うの……? 私に、こんな、素敵なこと……』
 なんてな! キャー! ざけんな! 乙女るっちゅうねん!」

238◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/03(金) 11:10:56 ID:???
「あー、やっぱあーみんもそれなんだねぇ。やられたんだねぇ、うんうん」
「てことは実乃梨ちゃんも!?」
「トーゼンですよ! いやーおっかね! 高須竜児……おそろしい子……ですよ!」
「えっ、なに? それもなんかなの? 亜美ちゃんわかんねーけど、まあいいや! いやーおっかね!」
「てことはさ……ふっ……てことはさ……ふふっ……てことは……ふふふふっ……」
「えっ、なになに? 言ってよ、実乃梨ちゃん! もー亜美ちゃんもったいぶっちゃやーだ!」
「大河やばいよ」
「ヒューキターっっ!! そーれ! タイガーやばいよ!」
「ねえ? だって……ふたりっきりなんて、私、数えるくらいしかないよ?」
「うんうん、私だってそうだよ!」
「それが、大河……毎日だよ? 毎日あの、た、か、す、りゅ、う、じ、と」
「ギャー! ま、い、に、ち。た、か、す、づ、け! やーばっ! タイガーとける! とけちゃう!
 バターになる!」
「おお、ちび黒サンボ、やるねあーみん。……でさ、そうなの。毎日だよ? しかも高須くんの
 美味しいご飯とか食べちゃって、だよ? 夕飯後とか夜遅くまでふたりっきり、とか」
「ウッホウッ! 気ぃ狂うね! それは落ちるって! あんだけ祐作のこと好きなタイガーでも!」
「落ちるよねー。私ら、つぶやき高須喰らったの何発かでしょ? 何発かでこれだもんよ」
「うんうん!」
「大河なんて何発喰らった?」
「えぇ? 一日一発としたって……余裕で二百発は越えてね? おっほ……死ねる」
「しかもほら、ときたま特大のあるじゃん。たとえばほら、文化祭の……」
「福男! あっ、れ、は、やばい! あれはタイガーマジウラだって! 女の子なら!」
「まったくですよあーみんさん。いやあ……走ってもらいたいよねえ、男には。あんな風に」
「もらいたいもらいたい! 私のために、あいつ、あんなに……っ! ズッキューン来るってのこれ!
 一撃だね!」
「てかさーなんかもーさー、春あたりで一撃っぽかったんだよねー、大河」
「あっ、なにそれ、私まだいなかったころっしょ!? 知らない知らない! 亜美ちゃんちょー聞きたい!」
「聞きたあい?」
「聞きたぁいン! お願ぁい、実乃梨ちゃあんっ!」
「もう、しょうがないなあ。ほかならぬ可愛いあーみんのためだ。知らざぁ言って聞かせやしょう!」
「よっ! 待ってました! 櫛枝!」
「あっれ、いつだったかなあ、正確な日付はわかんない。でも4月の上旬? 中ごろ? そんくらい」
「うんうん!」
「まあ、ある日の朝よ。いきなり大河と高須くんがツーショット。登校中」
「ほっほーう、いきなり……ツーショット?」
「やだなあ、あーみんったら。ほら、アベックってことよ。カポー」
「ア、アベック? カポー?」
「もう。だから、ふたりづれ、ってこと」
「いや、それはわかってんだけどさ……ま、いいや。それで?」
「まあその、登校中に見かけた時には、大河たち、『いや、家が近所だったみたいでたまたま』とかって、
 ごまかしてたんだけどさ」
「ふんふん!」
「まーその日から大河がすごいわけよ。めちゃ明るくなってさ、元気になってさ、よく笑うようになってさ!」
「へえ……前は違ったわけ?」
「あっ、そうか。あーみんは高須革命以前の大河、知らないもんね。あーみん知ってる大河は高須革命以降」
「おお、高須革命……コワスギ」
「その前はね、1年の時とかはね、まあなんだろ、ずっと苦虫噛み潰したみたいな顔してたの、大河。
 ずっと苦虫噛んでておまえ、苦虫汁でも売る気かぁ!? マズい、もう一杯! みたいな?」
「うぷ……そっち行かないで実乃梨ちゃん。亜美ちゃんちょっと苦手……」
「あーごめんごめん! そうね、もうちょっとロマンティックに言うと……戦場から帰ってきたら、
 暖かく迎えてくれると思っていた愛する家族などおらず、友人にも街の人たちにも皆に冷たくあしらわれ、
 これ以上傷つくことをおそれるあまり、だれも俺を受け入れてはくれないだろうと
 あらかじめあきらめることでしか自分を守れなくなって、毎日昼から見知らぬ場末の酒場に入り浸り、
 苦い酒とタバコを噛みながら、こうしてこのまま俺は駄目になるのだ、朽ちてゆくのだと、
 汚れたガラスの向こうに降りてくる夜の闇をただ睨むベトナム帰還兵みたいだったの、大河は!」
「……ごめん、亜美ちゃん苦虫でいいや。なんとなく、わかったし」

239◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/03(金) 11:13:15 ID:???
「そう? ちょっと意外……まあ、とにかくそんなだったのよ、大河は! ……まあそれでもね、
 そんな1年のころに私は大河と友達になって……わりと私には、けっこう……きっと、ちょっとは、
 大河は心を開いてくれたけれど。でも、それは私にだけで」
「へえ……それが、高須革命で」
「そう! 今の大河になったの! 基本的にはおとなしいままだけど、明るくて元気で可愛くて、
 ちょっとおてんばなところも魅力の、あーみんと並ぶクラスのアイドルに!」
「……それもちょっと、なんてか、ほかのみんなの印象とは微妙に違うんじゃね的な……?」
「やだなあ、そりゃもちろん、あーみんは超高校級の美女! マジアイドルだよ! だけどさ、まあ、
 そうして大河はいつも楽しそうに、幸せそうに笑う子になったんだよ……うん……そう……
 高須くんの、傍でさ……」
「高須くんの……うん……」
「ふっふっふー」
「な、なによ実乃梨ちゃん、ニヤニヤしちゃって」
「いやあ……あーみんも、高須革命の洗礼受けちゃったクチなんじゃねーの? って」
「えっ? なに? わ、私!? ちっ、ちげーよ! そ、そんなわけ……」
「まあまあ……あーみんもさあ、転校してきてちょっとたってから、ほら、急に可愛くなったじゃん」
「えっ?……かわ……やだちょっと実乃梨ちゃん!」
「ほうほう、両手でおさえて、そんなにほっぺたが熱いのかい? おじさんクラクラ来ちゃうよ……」
「もう! 実乃梨ちゃんってば!」
「ふふ……まあ、いつだろうあれは。夏の旅行……よりはぜんぜん前だね。そう、ストーカー騒ぎ……
 あ、だ、大丈夫かな?」
「へっ? あ、なに? ストーカー? ああ! もち、大丈夫よ! ちょー過去!」
「……うん、よかった。あのストーカー騒ぎあたりからかなあ。……あれ? って思ってさ。
 あーみん可愛くね? って。もちろんもともと美人だったけどさ。なんてか、こう、
 あーみんの本当が見えてきて、ああ、本当に素敵な子なんだなあ、可愛い子なんだなあ、って。
 ……だから、うん、そう。友達に……私は、櫛枝実乃梨は、川嶋亜美と、友達になりたいなあ、
 って……」
「み、実乃梨ちゃん……っ」
「またそんな。若く美しすぎる君が簡単に頬を染めてはいけないよ……あまりこの年寄りを
 惑わさないでくれたまえ……」
「み、実乃梨ちゃん……年寄りじゃねーし」
「おおっとまっすぐなつっこみ。だが、筋は悪くない。ふっふ、鍛え甲斐がありそうじゃて……」
「もうっ! 私、帰るよ?」
「まあつまり、やっぱり、なにかあったんだね。その頃、あーみんも、高須くんと」
「っ!」
「ああっと誤解しないで下さいよ? この櫛枝め、もちろんそのことに興味が無いと言ったら
 嘘になりましょうが、それはまたいずれ、おいおいお聞かせ頂くだけでもありがたき幸せ……。
 もちろんその時には……もし、あーみんが、私に話してもいいと思ってくれた、その時には……
 私も、話せる限りのこと、話すつもりだよ……」
「実乃梨ちゃん……」

240◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/03(金) 11:14:07 ID:???
「またそんな。若く美しすぎる君が簡単に頬を染めてはいけないよ……あまりこの年寄りを
 惑わさないでくれたまえ……」
「み、実乃梨ちゃん……年寄りじゃねーし」
「おおっとまっすぐなつっこみ。だが、筋は悪くない。ふっふ、鍛え甲斐がありそうじゃて……」
「もうっ! 私、帰るよ?」
「まあつまり、やっぱり、なにかあったんだね。その頃、あーみんも、高須くんと」
「っ!」
「ああっと誤解しないで下さいよ? この櫛枝め、もちろんそのことに興味が無いと言ったら
 嘘になりましょうが、それはまたいずれ、おいおいお聞かせ頂くだけでもありがたき幸せ……。
 もちろんその時には……もし、あーみんが、私に話してもいいと思ってくれた、その時には……
 私も、話せる限りのこと、話すつもりだよ……」
「実乃梨ちゃん……」
「それよりさ! まず大河なんだよ! 俺たちのネタは!」
「っそうそう! そうだった! タイガー!」
「あいつらが晴れてカポーとなった暁には……しゃぶるぜ〜? ちょーしゃぶるぜ〜?」
「うっは! 実乃梨ちゃんやば!」
「そう、俺たちも負けちゃいられねえのさ。あいつらと同じくらい、やばくなってやるのさ……」
「うんうん!」
「まずはだから、春の一撃からだよねえ。ツーショット登校前日、大河たちに何があったのか」
「ヒョー! やっばい亜美ちゃんちょー楽しくなってきた!」
「なんかさあ、私ひとりじゃ探るの大変だけど、あーみんとふたりがかりだったら、けっこうあっさり
 イケそうな気がするんだよね……」
「うん、いいね! 実乃梨ちゃんとふたりががりで! きっとイケるよ!」
「おう! あーみんもそう思うかい?」
「うんうん!」
「じゃあさ、これからスドバあたりにしけこんで、ラテりながら作戦会議なんか立てようじゃないの!」
「キャハ! いいねいいね! 行こう行こう! 私、思い切ってメープルシナモンラテ! クリームつけて!」
「おう、甘いのを……奢るねえ、意気込みだねえ。じゃあダイエット戦士の同志である私めも……っと、
 あっ! あひゃあっ! ごーめんっ! あーみん、私バイトだ! もうこんな時間!」
「えーっ!? 実乃梨ちゃんたらひどーいっ! こんなに私たきつけといて!」
「ごめん! ほんとごめん! ぎゃー! あーみんとスドバちょー行きてーっ! でも、私、行かなきゃ!」
「あっ、じゃあ、私も行くよ。帰るし」
「でも私走るから! あーみん、明日! 必ず! 続き話そ!」
「あっ、待って…………明日ね! 必ずだよ! ……もう、実乃梨ちゃんったら……私、走ってもいいのに……」
「…………ごめんね!! あーみん大好きだよ!! 明日ね!!……」
「っ! ……なんて大声。聞かれちゃうじゃない……もう、実乃梨ちゃんの、バカ……っ」


***おしまい***

241◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/03(金) 11:16:38 ID:???
>>236
名無しさん……(←フラグ立った

ギシアン書きなはれはれ。

242高須家の名無しさん:2009/07/03(金) 12:52:06 ID:???
おつんつん

243◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/03(金) 13:05:04 ID:???
>>242
おつんつーん!

代理投稿ありがとうございました! しかし私のペーストミス発覚!!

--
◆eaLbsriOas@避難所です。
ごめんなさい。「あみのり」最後の4レス目冒頭12行、3レス末尾とかぶってました_ノ乙(、ン、)_
私の方のミスです。うまく3レスにおさまんなくて、あせったっぽい。ほんとごめんなさい……ちねる。
--

よかったら代理投稿に付け足してやってください……。

244高須家の名無しさん:2009/07/03(金) 18:23:41 ID:???
>>243
なんかおかしいなと投稿してから気付いた
これからはちゃんと読んでから投稿すっぺ

245◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/04(土) 05:12:23 ID:???
「あみのり」本スレでリクエストがあったので、
重複部分の4レス目上から12行までをカットした修正版を、
みのりんスレに代理投稿お願いします(´;ω;`)ウゥ

--
◆eaLbsriOas@大竜スレ避難所です。リクエストがあったので
みのチワSSを出張投下。代理投稿して頂きました。
--

【とらドラ!】櫛枝実乃梨SSスレ【まったり妄想】
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1244966136/


>>244
これからも気をつけます……てか、基本ドジなので今までのコピペで一度も
ミスがなかったのがむしろささやかな奇跡。

246高須家の名無しさん:2009/07/04(土) 13:56:34 ID:???
>>245
これで性別が女で身長が145cm未満だったら完璧だったのに

247◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/04(土) 14:20:06 ID:???
>>246
またこれ。あとほら、美形で栗色ふわふわロングで腕も立たねーと……
大河道、けわしす。精進……また、次の世界で!(光の渦へ

248高須家の名無しさん:2009/07/04(土) 14:45:22 ID:???
>>247
そこまで贅沢は言わぬ

249高須家の名無しさん:2009/07/05(日) 11:06:18 ID:???
ヤンデレはちょっとやだなあ
まあ書くのは自由だからね
それを止める権利も無いし強制排除する手段も無い
独り言独り言

>>241
朝からお疲れんす

250◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/05(日) 17:38:44 ID:???
>>248
いい心がけだぜ……そうかあ?

>>249
ヤンデレ大河なんて、書きませんよ。原作とアニメからDLした大河が私の標準だし。
てか、そもそもヤンデレがキャラとして誰が模範かとか、よくわかってないし。ねーし。

でも今、並行して2,3本書いているSSの中には、イヴのその後というシチュで
死ぬほど切ない大河を書いているのがあったりはするけれど。

もちろん最後はスーパーアクロバットでハッピーエンドw

251高須家の名無しさん:2009/07/05(日) 18:13:23 ID:???
>>250
ヤンデレうんぬんは独り言だから別にコメントいらんです
でもコメント書く書かないは自由です
新作も楽しみです

関係無いけど俺の作品には誰もコメント書かない件
逆にそれはそれで面白い!

252◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/06(月) 01:37:42 ID:???
ウインブルドン見てたり。大河テニス出来るんだよね……

>>251
むしろ本スレでのヤンデレリクとかがきっかけだったのかしら頭。


そーかここもたくさん作家さん覗いてはくれてるのね……
でもアク禁でもないから本スレやエロパロ板に投稿してしまうのね……
つくづくヘンテコな境遇のタワシ

253高須家の名無しさん:2009/07/06(月) 08:50:12 ID:???
>>252
そりゃあんたの作品読みたいから板登録してんもん

254◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/06(月) 12:28:38 ID:???
>>253
またまた。そんなこと言うと、倉庫から駄作をひっぱりだして来ちゃうよ?
ありがと。

255高須家の名無しさん:2009/07/06(月) 22:30:26 ID:???
本スレでヤンデレ大河リクした者だけど盛大に叩かれててクソワロタw

ヤンデレに縛ったのは謝る。純愛が好きな人のが大多数だしね。
…でもさ、嫉妬タイガーって可愛くないかい?そんだけ竜児を愛してるという一種の愛情表現とも取れる。
まとめでヤンデレタイガーを読んで心臓をマシンガンで撃ち抜かれたような
錯覚に捕らわれたんだ。きもいでしょ?
嫉妬タイガー可愛いよ嫉妬タイガー

256◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/06(月) 22:51:54 ID:???
>>255
ヤンデレのキャライメージがつかめない私。リアルヤンデレは知人にいますが……
包丁あぶないよ?……くわばらくわばら。

たしかに嫉妬タイガーは可愛いですね。木刀ぶん回して半狂乱……包丁よりはマシ、
なのか? まあどっちも逝けますが。

まとめにヤンデレタイガーいましたっけか。後で探してみよ。

257◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/07(火) 10:20:24 ID:???
◆eaLbsriOas@避難所です。代理投稿歓迎。いつも暖かい感想ありがとう!
今回はとうとうアフター、新居にお住まいの新婚さんを召喚。
***

・奥さまは虎女

 奥さまの名前は大河。そして、だんな様の名前は竜児。
 すごく微妙なふたりは、しごく異常な恋をし、ごく普通の結婚をしました。
 でも、ただひとつ違っていたのは、奥さまは虎女だったのです……なんて読むんだよ!?


「ただいまー。大河……大河ぁ?」
「わぁ……っ! おかえりなさぁい、竜児っ!」
 だだだだっどん!ごん!
「痛ぇ……っ! お、おまえさあ、抱きついてくれるのは嬉しいんだけど、突進してくんのやめねえか?
 後頭部の形、変わっちまうよ……」
「っ!? も、もう、愛は冷めたのね……?」
「いやだから、抱きつかれるのは嬉しいって言ってんだろ? 加減でものをだなおまえ……」
「いやっ! 離婚しても私離れないから! ずっと一緒に暮らすんだから!」
「ひとの話聞けよ!? だいいち離婚の意味ねえだろそれ!?」
「うぐ……っ」
「わあ泣くな泣くなおまえ! 愛してるよ、大河!」
「っ! ほ、ほんとう?」
「ほ、ほんとだほんと。ちょー愛してる。冷めてねえ。激アツだ。特に後頭部のあたりが」
「ん……じゃあ、ただいまのちゅう、して?」
「おう……ただいまのちゅう……」
「そ。いつもみたいに、して?」
「……」
「……なに? なにあんた、きょろきょろしてるわけ」
「あ、いや、なんか今すごく、どこかから見られているような感じが……」
「はあ? なに言ってんの。やだもう竜児ったら、ネット中継でこれを見ているおまえの脳を
 逆にハックして北村くんの全裸画像まみれにすることも可能なんだぞスキャナーのこの俺には
 みたいな目してきょろきょろするんじゃないの! だいいち私は誰に見られたって平気よ!
 だって……竜児と、だもん……」
「おう……だが俺は嫌だぞ? そうしてるおまえすげえ可愛いから、誰にも見せたくはねえ」
「は、はう……」
「おうなんだ、まだおまえ震えるのか。慣れねえもんだな……」
「りゅ、竜児が悪いんでしょ! か、可愛いとか、言うから……」
「……ただいま、大河」
 ちゅ。
「っ! お、おかえりなさい、竜児……っ。えと……こ、これだけ……?」
「これだけ? ってなんだよ」
「ちゅ、ちゅう……これだけ?」
「っ! そ、そうだよ、今はこんだけ。これ以上はだめだ」
「ど、どうして……?」
「どうしてもこうしてもねえよ。が、我慢できなくなるだろ?」
「わ、私はべつに……いいけど。こ、ここでも……」
「うえぇっ!? た、大河……?」
「っち、違うの! べつにあのっ、いつもそのっ、帰ってきた竜児にいきなり玄関でとかっ、
 か、かかか考えたこともないから! そ、想像したりあああ憧れたりなんてしてないから!」
「……あ、いや、そこはつっこまねえ。あぶねえ。と、とにかくだ、大河。ここはだめだ。
 ここではすっごいまずいって俺のゴーストがささやいてる。な、大河、とにかく……そうだ!
 メシにしよう! な?」

258◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/07(火) 10:22:06 ID:???
「っあ、う、うん! そうね! ご飯ね! 腹が減っては夜の戦もなんだかだって、言うし!」
「そっから離れねえかな……まあいいや。さ、ご飯にしよう、大河」
「うん! で、どこ食べに行くの?」
「へ? どこに?」
「そう、どこ行くの? だってウチ、ご飯ないよ? お昼にあんた、夕飯の用意はいらないぜ大河
 竜にゃん愛でお腹がいっぱいだからはぁと、なんてメールくれたから」
「竜にゃん以降の記憶はねえが……まあそれでいいんだよ。ほら」
「あっ、エコバッグ! ……でも竜児、エコは食べ物じゃないよ? あと袋も」
「俺おまえのそういうとこほんっとに大好きだけど、概念も布も食わせる気はねえ。
 食材買ってきたんだよ。今夜は俺が作る」
「えぇ!? わーいっ! 竜児のごっはんーごっはんーっ♪ ……あ、でも、すっごく嬉しいけど……
 お仕事で、疲れてるでしょ……? 朝食だって、いつも竜児だし……」
「朝飯作るのはその方が目ぇ覚めるからだ。それに、たしか料理はそれ自体がストレス解消になる、
 って話も聞いたことがある。あと、あらかじめ言っとくが、俺はおまえが毎日4時間くらいかけて
 作ってくれてる夕飯が大好きだ。死ぬほど嬉しくて腹が下る時もあるが毎日楽しみにしてる。
 今夜もおまえの手料理を食べられないこと自体はまあ、残念なんだが、俺が作りたいんだから
 仕方がない。というわけだ、今夜は俺が作る」
「う、うん! えっと、あれ? きょ、今日、何の日だっけ……?」
「は? 何の日?」
「ご、ごめん竜児! 私、忘れちゃって……な、何の記念日だっけ?」
「おう……い、いやだな、大河。おまえと一緒にいれば、ま、毎日が記念日だよ」
「それは嘘!」
「早っ!」
「みえすいたご機嫌とりなんていいからさ。ね、竜児、何の日だっけ?」
「ご機嫌とりじゃねえんだけどな……今日はべつに、何の日でもねえぞ、大河」
「そ、そうなの? なんだ、よかった……」
「そうなの。よかったの。記念日でもねえけど、とにかく俺が作りたくなっただけなの。
 てか、大河。そろそろ抱きつくのやめねえか? いいかげん上がらせてくれよ、俺を」
「あらやだ。そうね。さ、どうぞどうぞ、お上がりになって? いやねえもう遠慮なんかしないで……」
「遠慮しねえよ俺たちの家なんだから……てか抱っこしたまま移動なのかよ!?」
「竜児ったら、エコバッグも私も抱えて大変ねえ?」
「わかってんじゃねえか……何の二人四脚だこれ……ドアあけるぞほら……おう、ナイス誘導だ大河、
 だいぶコツがつかめて……そっちベッドだろこの野郎!? ちっ、じゃねえよ、ちっ、じゃ……
 ソファでもいいとかじゃねえ!? キッチン行くのキッチン! この変態とか言うなおまえが!?
 料理しかしねえよ!?」
「ちっ」
「ち、じゃねえよだから……はー、ようやく着いた。すげえ疲れた」
「……」
「ん、どした?」
「……疲れた、だけ?」
「……そんなわけあるか。楽しいよ、大河……」
「竜児……」
「って、うちゅー、じゃねえよタコちゃんが。それは後。ぶーぶーじゃねえ。さ、メシ作るから。
 上だけ脱ぐわとりあえず……だからさ、大河……わかるだろ、な?……いいかげん腕ほどけって!?」
「やーだ」
「こらぁ、大河……いい子にしろよお願いだから」
「やーだ。私悪い子だもん」
「ったく……ほら、いい子にしてくれたらさ、後でたっくさん、可愛がってやるから」
「は……っ」
「よしふるふる来た。力抜けた。ほーら、抱っこおしまい」
「ひ、卑怯者……っ」
「おう、なんとでも言え。さ、エプロンとってくれ大河」

259◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/07(火) 10:23:23 ID:???
「もぅ……はい、竜児、エプロン」
「おう、サンキュ。……おー、落ち着くわ。で、一応聞こうか、大河。何が食べたい?」
「っ決まってるでしょうが! チャーハン!」
「おまえね……インプリンティングもたいがいにしろよ? チャーハン俺のベストメニューじゃねえんだぞ。
 おまえって奴は俺の潜在能力の1%も使わせちゃあくれねえ」
「だってしょうがないでしょ!? あ、あんたが私をチャーハン漬けにして手込めにしたんだから……」
「チャーハンやばい薬みたいに言うな!?」
「あんた薬混ぜてたの!? 最低!……でも、もう私、それでもいいの……」
「混ぜてねえよ!? あとなんか堕ちたけど幸せオチみたいな言い方やめろよ!? ……てかさ、
 どっちにしろ、買ってきた食材で制限されるんだよ、作れるものも」
「えーっ!? チャーハン作れないの?……なによ、ニヤニヤしちゃって。キモいよ、大好きだけど。
 他のひとに向けちゃだめ。特に女の子には、感じちゃうから」
「俺はバンコランか」
「ううん、性犯罪の気配を」
「やっぱそっち系か……作れるよ、作るよ、チャーハン」
「えっ!? 作れるの? 作ってくれるの? やたっ! ……てか、それならそうと最初から言いなさいよね、
 竜児の意地悪……」
「おまえの拗ねた顔が見たい程度にはな」
「っ!……」
「……よし、満足した。でもチャーハンだけで満腹はさせねえ。あと二三、作らせてもらう。
 ホイコーロー、卵とトマト炒め、ピータン豆腐サラダ、ワカメの中華風スープ、そんな感じでどうだ?」
「えっ!? そんなの作れるの?」
「作れるよ。3秒だよ。3秒は嘘か、まあ、10分でいける」
「わあ、竜児ってすごーいっ!」
「そうだよ。わりとすごいんだよ。だからたまに作らせろよ、な? 冷凍のご飯はあるよな。
 解凍頼むわ」
「はーい!」
「さて、キャベツとレタスから行くか……」
 ジャー、バタン、ガラガラ……、ジャッ、ジャッ!
「おお……ねぇ竜児、あと手伝うことある?」
「おう、解凍終わったら、レンジに豚バラかけてもらう。強で2分。また後で言う。それまでは、
 まあ、俺の後ろにいてくれ」
「うん、わかった!」
 トントントントン……
「……初めてだね、こうして竜児に夕食作ってもらうの」
「だろ?」
「うん……引っ越してきて、一緒に暮らすようになって、初めて」
「だろう? やっぱいいよな」
「うん……」
「これがやりたかったんだよ……ようやくここまで来たって感じ、するわ……」
「うん……」
「やっぱいいよ……俺が夕飯作ってて、おまえが後ろにいてくれて」
「うん……」
「俺たち、告白もしねえで、いきなり家族になったようなもんだったよな……」
「うん……」
「……ようやく、ここに、戻って、これ、た……」
「竜児……っ」

260◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/07(火) 10:24:22 ID:???
 トン、トン……カチャ
「ごめん、大河。10分も嘘だわ……おまえを、抱きしめさせてくれ……」
「竜児っ……竜児っ!」
 ぎゅう……っ
「大河……ああ、大河……長かったなあ……」
「うん……でも、あっという間だったよ……」
「そうだな……でも、めんどくさかったなあ……」
「うん……でも、簡単だったよ……」
「結婚なんて、くそくらえだよ。なあ、大河……」
「うん、うん……」
「結婚なんてしなくてもひとは幸せになれるって、俺たちは知ってる……」
「うん、うん……」
「結婚してても、ひとは幸せになれないことがあるのを、俺たちは知ってる……」
「うん、うん……」
「結婚なんざ、方便だ……俺たちのまわりに関係があるだけだ……ほんとはどうでもいい。
 俺はただ、おまえと一緒にいたいだけなんだ……大河、おまえさっき、いいこと言ってたよ。
 結婚なんざ、しようがしまいが、俺はずっとおまえの傍にいたい。一緒に暮らしたい。
 一緒に生きて行きたいんだよ……大河」
「竜児……っ」
「ただな、大河……そんな俺が結婚するとしたら、おまえしかありえねえ。ありえなかったよ」
「竜児っ、私も……っ」
 ピーッ!
「と、あらやだ、ご飯解凍できた……竜児、豚肉……ほら、うちゅーとか、してないでさ」
「え? えぇ……? キスくらい、いいじゃねえかよ……?」
「だめだめ。キスだけで済む流れじゃないでしょ? キッチンがエロくなるよ、油断大敵!」
「……敵はおまえだけどな、この場合……ま、いいや、豚肉な? 切るわ……なんだ?
 なんだよおまえ、エプロン引っ張るなよ。肩ひも伸び」
 ちゅ。
「っ!」
「……こんだけで、我慢してね?」
「お……おう……」
「あんまニヤつくんじゃないの。ほら、レンジ壊れるよ?」
「ねえよ……てか、おまえが笑ってるからつられたんだろうが……」
「っそうだ! ね、やっちゃん呼ぼうよ!」
「お、おう! そうだな、帰ってきてるかな。メシまだかな。おまえちょっと連絡して……
 てか、いいのか、大河?」
「もちろん! ……だって、あのころにようやく戻ったっていうなら、やっちゃんもいないと」
「おう……あ、いや、そりゃあそうなんだが。そうじゃなくて、つまりその、メシ食ったら、
 なんてかその、すぐに……ってわけには、いかなくなるぞ?」
「あらやだ。竜児ったらすっかり発情期。この新婚エロス犬!」
「どっちがだよ!? 理不尽きわまるわ……」
「……私は、いいよ。今夜はやっちゃんにいて欲しい。大事なことだもの……それも」
「大河……」
「あとね、竜児。私はね、べつにいいの……やっちゃんの目の前で、しても……」
「俺がよくねえよ!?」


***おしまい***

261高須家の名無しさん:2009/07/07(火) 13:48:33 ID:???
はっきり言う。たまらん。
結ばれたあとのデレデレタイガーをもっと書いてくれええええ!

てか並び寝るマダー?

262◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/07(火) 13:49:07 ID:???
代理投稿ありがとうございました!

でもなんか、ヘッダ?の転載をお忘れになられてしまったよーで(´;ω;`)
1レス目冒頭のコレ

--
◆eaLbsriOas@避難所です。代理投稿歓迎。いつも暖かい感想ありがとう!
今回はとうとうアフター、新居にお住まいの新婚さんを召喚。
--

もう、まあ、いいのかな……

263◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/07(火) 15:34:33 ID:???
>>261
ありがとう!
書くひとによってふたりの結婚観や役割分担も違うだろうけど、私の場合はこれ。
一応シリーズにしてときどき書く予定。

冒頭は往年の海外ドラマ「奥さまは魔女」のOPを脳内再生しつつお楽しみ下さい。


で、「並び寝る」の15章は難産中。難産といっても書けないのではなく、
3分岐した形でゆうに1章分は越えて書いていて、ライト&パズルの最中。結局難産だけど。

***

――はい、そこでストップ。集合。君たち集まって。
「はい!」
「へーい……」
――君たち、いろいろやりたいのはわかるけど、収拾つかないし、
あんまり長くなられるのも先生、困るのだけど。
「そう……ですよね」
「えーっ。でも、私は竜児に、いろんな体位で責められてみたいけど……高須大サーカス」
「た、大河……」
「竜児……」
――いやあなたたちね、あんまり感動するような話してないから。
まあ、できる限り君たちの要望には応えるつもりだけど……
「せ、先生……」
「先生……」
――ちょっと。変な感動の環に巻き込まないでくれる!? あと、あなたたちがまた
勝手に漫才してくれるのはほんと嬉しいし、今までもそこからすごく大事なことや
展開が開けたりもしてるのだけど……今回、大ミッションのための細かいミッションが
多い上にそれだから、断腸の思いで切らないと厳しいの。
とくに、逢坂さんの「えっちの王子さま」発言は、活かせないかも……
「ブッフォ!」
「えぇっ!? あれ面白いのに!? はっ、わかった! あんたまた、かわりに私に
 どーでもいいえっちなことばかり言わせる気ね!? このドエロ職人! エロ事師!」
――どっちでもえっちなこと言ってるでしょうよ!? あと先生はエロ小説なんて書いたの
これが初めてなんですから!
「そうだぞ大河! 失礼だぞ、あんなに真面目に書いてくれてるのに。
 先生は俺が泣けば一緒に泣いてくれるし、大河が感じれば一緒に」
――わあわあちょっとタンマ! 高須くんななななに言ってるのかなあ!? デマはナシ!
「だって本当のことじゃないですか!」
「キーボード打ちながら涙と鼻水まみれになって悶えてるなんて、最低よね……」
――うるせえよ!? てか嘘! 嘘ばっかつきやがってこんの……あんたたち解散!
散れ! とっとと持ち場に戻れ!
「は、はあ……」
「けーっ! さ、竜児いこ」
「おう……っておい大河、そっちふとんじゃねえか。アパートの方がよくねえか?
 さすがにまっ昼間からはまずいだろ……」
「いいのよ。どうせ恥かくのこの先生野郎なんだからさ……ね、竜児……」
「お……おう、そうか……そうかあ?」

***

まあ、そんな……というわけで「並び寝る」次章もうしばらくお待ち下さい……

264高須家の名無しさん:2009/07/07(火) 15:37:06 ID:???
すごく…良かったです

265高須家の名無しさん:2009/07/07(火) 15:38:32 ID:???
>>262
そういうの書くのはかえって自己主張強すぎてうざがられるよ
だから省かれたんじゃないの

266◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/07(火) 15:54:25 ID:???
>>264
ありがとう!

>>265
なるほど、そうかも……

一応、本スレのトリップ付き書き手の例は越えないように、
ならってるつもりではあったのだけど、次からはちょっと考えてみます。
最低でも偽トリップと代理投稿のマークだけあればいいのだし。

267高須家の名無しさん:2009/07/07(火) 21:40:55 ID:???
>>263
気長にお待ちします
そういえば今夜は七夕

268高須家の名無しさん:2009/07/07(火) 21:53:49 ID:???
>>266
まあ文句も出てないし今まで通りでいいんじゃないの

269◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/08(水) 03:19:58 ID:???
>>267
ありがとうございまーす。

七夕、◆fDszcniTtkさんのがよく計算できてて切ない版としては完成度高かったですね。

ただ原作補完のラインだと、七夕の時点では、大河が竜児の分の願いことを書くときは
「竜児とみのりんが上手くいきますように」的なのを、なによりまず先に念頭に浮かんで
書いてしまうと思ったり。

もちろんそれは、竜児のことが大好きだから、竜児の幸せを願って。だからそう書いたのに、
なぜかわれ知らずポロリと涙したり。もちろんそれも、竜児のことが大好きだから。


あれでもこれでもないヤツが出来るものかなと、ちょっと七夕で走らせてみたら、
えらいバカスな感じのが出来そうに。私ってお笑い系……? もし出来上がったら投下します。


>>268
SSSは地の文がないから、ものによってはシチュを外から指定しないといけないのとかも
ありますしね……アフターは特にそうかも。まあ感想ありがとうんぬんとかが我ながら、
先にお礼言ってる形になってしまってどうしたもんだと毎回思ってたので、そこらへん難。

270◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/09(木) 09:34:24 ID:???
◆eaLbsriOas@避難所です。代理投稿歓迎。感想いつも拝見しています。ありがとう!
暑くて寂しい夜に書いてみた。
***

・初夏のベランダ


 ガラガラ……
「ふう……さすがに夜になると外は涼しいな……てかマシか……おう、大河」
 カラカラ……
「なに? まだ起きてたの、あんた」
「そりゃこっちのセリフだよ。もう2時だぞ、大河。早く寝ろ」
「だって、あんま眠くないんだもん……」
「あれ? おまえ眠いからって帰ったんだろうが。12時前だっただろ、たしか」
「うん……だけど、シャワー浴びたら、目が覚めちゃって……竜児こそ、どうしたの?
 あんたもあくびしてたじゃん」
「いや、それがさ。俺もシャワー浴びたら……なんて、おまえみたいに優雅な理由じゃなくてさ。
 おまえいなくなったし、まだ早いだろってエアコン切ったんだよ。省エネ。でさ、駄目だ。
 どうにも暑くて、寝苦しくてさ。窓開けててもほら、ウチ換気悪いんだよ。キッチンの方の網戸、
 ねえし。だめだな片面だと。ちっとも空気抜けていかねえ」
「じゃあ、エアコンつければ?」
「いやあ、もうちょっと我慢するわ。どうしようもなくなるのはまだ先だ」
「……ウチ、涼しいよ?」
「おう、またおまえ、エアコンがんがんつけてんだろ」
「がんがんじゃないよ、寒いもん。28度くらい」
「おう、おまえにしちゃあ、そりゃまた適正な……そうか。まあ、いいんじゃないか? 
 おまえんとこのエアコンにまで文句はつけねえよ。てかさ、でもさ、そんな風に窓開けてたら、
 冷気逃げるぞ。閉めねえとさすがにMOTTAINAI」
「大丈夫だよ。冷気、逃げてないもん」
「逃げてんだよ。閉めたほうがいいって」
「いや。閉めない。逃げてないもん」
「おまえも強情だなあ……よっ、おっ」
「っ! ……なにしてんのあんた。手なんか、こっちに伸ばしちゃって」
「おまえの窓の下から逃げてるはずなんだよ、冷気が……おう、ほら、ほら! 涼しいぞ!
 やっぱ逃げてんだよ、冷気……っ!?」
 ぎゅ。
「た、大河……なんで、握手だ……?」
「な、なんか、つかんだだけ……手、あるから」
「おう……そうか。おまえ、あんま身ぃ乗り出すなよ。気をつけろ。あぶねえぞ」
「う、うん。大丈夫……あのっ! りゅ、竜児も、気をつけてね……?」
「お、おう。ありがとよ」
「……竜児の手、熱いね……」
「そうだろ? 俺はおまえの手、冷たくて気持ちいいもん」
「っ!」
「おまえ熱くて嫌じゃないか? 手、離そうか? そろそろ」
「い、いいの。嫌じゃ、ないもん……あんた、気持ちいいんでしょ? え、遠慮せず私の冷気を
 奪うがいい……」
「おう……ありがてえ、のかな。なんだそれ……。おまえ、顔赤いぞ? 結構、落ちねえように
 ふんばってないか?」
「だ、大丈夫。ふんばってないから……あ、じゃなくて、その、ふ、ふんばってるから……」
「どっちなんだよ……結局なんだ、ふんばってるんだろ? じゃあもう、握手おしまいにするぞ」
「やだ」
「なんでだよ。だっておまえ」
「い、や、だ」
「おう……でもさ、やっぱあぶねえよ。おまえちっこいから、落ちそうに見え」
「シャワーで目、覚めたんじゃないもん!」
「……え?」

271◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/09(木) 09:35:39 ID:???
「っ……あの、あのね、竜児。わ、笑わないでよ? 笑っちゃいや、なんだから……」
「お、おう。笑わねえよ。なんだ、どうした? 大河」
「あ、あのね……なんか、その……さ、寂しかったの……」
「大河……」
「……ひどい。あんた笑った」
「笑ってねえ。これは微笑んでんの。笑ったうちに入んねえの」
「……じゃあ、なんで微笑んでるわけ」
「それはさ、俺も寂しかったからだよ」
「っ! ほ、ほんとう……?」
「おう、ほんとほんと。……俺さ、ほら、泰子は夜の仕事だろ? だからさ、夜はずっとひとり
 だったんだよ、物心ついてからは」
「うん……うん、わかるよ」
「おう、そうか、おまえも……そうか。でさ、まあ、正直ガキのころはさ、寂しかったけどさ。
 小学の終わりころになったら、さすがにいいかげん慣れて。逆にひとりで過ごす楽しみとかも、
 わかるようになってさ」
「うん、うん……」
「わかるのか。なんか嬉しいもんだな……微笑んでんだぞ? 笑っちゃいねえぞ? まあ、というわけでさ、
 それからはずっと、ひとりの夜に慣れてたんだ。寂しいからって、もう泣いたりなんかしねえ……
 しまった。そう、ガキのころは泣いてたんだよ、ときどき。いや、笑っちまうな、さすがに……」
「ううん……うん……」
「でさ、まあ、慣れたんだよ。ひとりの夜に、慣れた、はず、だった……あれ? ちくしょう、
 見るな……」
「竜児っ……な、泣かないで……っ」
 ぎゅう……っ
「っはあ。あぁれぇ〜っ? ……っ大丈夫。心配すんな。おまえは泣くなよ……」
「うんっ、うんっ。な、泣かないよ?」
「ほんとか……? うわ、やべ、涙目……いや! 泣いてねえ! おまえは泣いちゃあいねえ!
 大丈夫! 泣き虫は俺!」
「……ふふ……っ」
「よし、笑ったな。大丈夫だ。えっと、どこまで話した……ああ、だからつまり……駄目だわ俺!
 ぜんぜん慣れてねえ! ガキのまま! だから……寂しくなっちまったんだよ、お、おまえが
 帰っちまってから……」
「っ! ほ、ほんと……?」
「ああ、ほんとだよ……ああ、いや、だから、違うぞ? おまえのせいとか、言ってるんじゃねえんだ。
 おまえが帰っちまったせいで寂しくなったとか、そういうんじゃ……ねえ。……あれ? ちょっと、
 わかんねえけど、なんだ? どういうこった、何が言いたかった、俺……?」
「竜児っ!」
「たい、が……?」
「私はっ! ……私は、ね? 帰ってきたら、寂しくなったの……あんたの家から帰ってきたら、
 寂しかったの……」
「おう……そりゃあまあ、そうだよな。おまえの家、だだっぴろいし、ひとりだもんな……
 あ、いや、なんだ、その、悪ぃ……」
「謝んなくていいよ……それに、違うの。私も慣れてるの。この家にひとりは、慣れてる……
 だから、そうじゃなくて……寂しくなったのは、そうじゃなくて……あ、あんた、が……」
「おう、そうだ! それだよ! 俺が言いたいのは!」
「竜児……?」

272◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/09(木) 09:36:18 ID:???
「おまえがいてくれて、よかったよ、大河」
「りゅ、竜児……っ!」
「おまえのせいで寂しさがぶり返したとか、俺は言いたいんじゃねえ。……逆だ。
 おまえがいるから、俺は寂しくなくなったんだ……本当に。おまえがウチに来てくれるから、
 もう俺は、寂しくなんかねえぞって、カラ元気出さなくて済むようになった。本当に、
 寂しくなくなったんだ、俺は、おまえがいるから……だから、おまえがいてくれて、よかった……
 いてくれて、ありがとうな、大河……」
「竜児っ、竜児……っ! わ、私も、なの! 竜児、いてくれて、よかった……」
「おう……そうか。……馬鹿だなあ、泣くなよ、おまえ」
「うぐ。う、うるさい。先に泣いたのはあんたでしょ。馬鹿とか言うんじゃないよ、馬鹿犬……」
「そうだった。馬鹿は俺だ。すまんすまん……なあ、大河」
「な、なによっ」
「……ベランダに出たの、俺、ちょっと期待してたんだよ。おまえの部屋、電気ついてたからさ。
 おまえ、起きてるんじゃないかって」
「っ! ほ、ほんとう……?」
「ああ、本当だ。だから……嬉しかったよ。おまえ、起きててくれて。窓に出てくれて」
「竜児……っ」
「まあ、というわけだ。なあ、大河……俺たち、寂しくなんかねえぞ、な?」
「うん、うん……っ」
「おまえが帰っても、おまえと俺はすぐ傍にいる。ほら、こうやって、手だって伸ばせば届く」
「うん、うん……っ」
「な? 大河」
「うん、竜児……」
「っふあ〜ぁ……さて、寝るか……おう、あくび、移ったな。ちゃんと手あてろよ、おまえ」
「……っあ、あててるでしょ!? ちゃんと!」
「ちょっと遅かったぞおまえ……はいはい、俺うるさいうるさい。さて、じゃあ、寝ようか、大河」
「うん!」
「よし、いい返事だ。さて……じゃあ、手、離すぞ」
「う、うん……ね、竜児……?」
「ん、なんだ?」
「もうちょっとだけ、手、つないでて……」
「……おう。わかったよ。いいよ、大河……微笑んでんだぞ? 笑ってんじゃねえぞ?」
「うん、わかってる。ありがと、竜児……」
「おう……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……なあ、もうそろそろ、よくねえか?」
「やだ」


***おしまい***

273◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/09(木) 09:56:28 ID:???
迷って結局、ヘッダ1行目を最初期のままいじらないことにしてみた。

代理投稿して下さって、かつ、うぜーと思われた場合は、
「◆eaLbsriOas@避難所、代理投稿」だけでもマークしてやって下さい……
まとめ人さんや、保存庫で奇特にも私の書いたのをおっかける方がいた時の
便宜のために。

274高須家の名無しさん:2009/07/09(木) 10:05:43 ID:???
後に一緒に寝るようになったときはずっと手を握るようになったそうです
でめたしでめたし

275高須家の名無しさん:2009/07/09(木) 13:14:46 ID:YEYAcKpw
後に一緒に寝るようになったときは竜児.Jrも握るようになったそうです
でめたしでめたし…?

276◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/07/09(木) 20:25:40 ID:???
エロパロスレのリレーSS、面白いね……
長編書く力のあるひとが粒よりでいるからかな。

>>274
いいネタ出しありがとう!

>>275
安心棒……いいネタ出しありがとう?


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