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フレイ様人生劇場SSスレpart5〜黎明〜

1迷子のフレイたま:2004/03/02(火) 22:57
愛しのフレイ・アルスター先生のSSが読めるのはこのスレだけ!
|**** センセイ、          ・創作、予想等多種多様なジャンルをカバー。
|台@) シメキリガ・・・       ・本スレでは長すぎるSSもここではOK。
| 編 )    ヘヘ         ・エロ、グロ、801等の「他人を不快にするSS」は発禁処分。
|_)__)   /〃⌒⌒ヽオリャー     ライトH位なら許してあげる。
|       .〈〈.ノノ^ リ))    ・フレイ先生に信(中国では手紙をこう書く)を書こう。
        |ヽ|| `∀´||.      ・ここで950を踏んだ人は次スレ立てお願いね。
     _φ___⊂)__
   /旦/三/ /|     前スレ:フレイ様人生劇場SSスレpart4〜雪花〜
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|. |    http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/anime/154/1070633117/
   |オーブみかん|/    
              既刊作品は書庫にあるわ。
             ○フレイスレSS保存庫 ttp://oita.cool.ne.jp/fllay/ss.html

              こっちも新しい書庫よ。
             ○フレイたんSS置き場 ttp://fllaystory.s41.xrea.com/top.html

249ザフト・赤毛の虜囚 作者:2004/04/09(金) 06:33
これで、現在の章は終わりです。次はミリィSSの方に戻ります。今回出てきたレストランの写真は、
例によってミリィSS次章とリンクしてます。

>>流離う翼たち
キースとアズの罵り合い、外野には結構面白い。ええと前のを見直すと、ブルコスでは
アズ(急進派)、キース(穏健派:シーゲルと似た思想)、サザ(中立)でしたっけ。
もっとやって欲しいけど、聞いてるキラには、それどころじゃ無いのですな。しかし、
悟りキラで無いキラは、サザーランドとかハルバートンとか威厳のある人には弱いですね。
潜水艦の船室に関しての情報サンクス。既にプロット的には間に合わないかもしれないけど、なにかの参考にします。

250過去の傷・102:2004/04/09(金) 12:47
食堂でただ一人フレイは呆然としていた。
キラ・・・あの可愛い顔は、あのぬくもりは私だけの物、そう思っていたのに、有頂天になってた私、調子に乗ってた、勝手にキラの恋人気取りしてた、でも違った・・・どうすれば、どうすれば好きになってもらえるのかしら?どうすれば・・・ミリアリア・・・あの子も可愛いけど、私の方が美人よ、それなのになんで・・・?なんでそんなこと言うの・・・?
寂しそうにサイに顔を向けた、サイは私と目が合うと気づくと俺には関係ないとばかりに目を逸らした、そのあとは私の方を見ようともしない、それどころかあの子と微笑みあっている、ジュリとかいうピンクのメガネをかけた女の子。
ただ一人カガリは私を見てる、心配そうに私を見てる。
「サイ・・・あの」
フレイは思い切ってサイの声をかけた。
「その子とどういう関係なの・・・?」
「・・・・・・」
「ねえったら!」
「ああもう!うるさいな君は!」
サイは私を睨んだ。
「関係ないだろ君には!」
「・・・関係ないって・・・そんな」
「いいかげんにしろよ!」
そんな中アサギとマユラは。
((キラさんがフリ−に・・・?これはチャンス!))

その一時間後。
キラの部屋の前に来ていたフレイは。
(あんなこと言われて部屋に馴れ馴れしく入れないわよね・・・)
そしてフレイは小さな声で話し始めた。
「キラ・・・こんな時間にごめんね」
部屋の中からはなにも言ってこない、無視されているのかしら・・・?
「さっきのことなんだけど、その・・・ちゃんと話し合いたいの、だからちょっと起きてきてくれない・・・?キラ」
そのフレイの様子を部屋の隙間からカガリが隠れて見ているのには気づかなかった。

「ミリィ大丈夫?」
「ええ、気分もよくなってきたわ、ちょっと寝たからかな、あとキラがついていてくれていたあかげよ」
「そう言ってもらえると嬉しいよ」
ミリアリアの額に手を触れる。
「うん、もう熱もないよ」
「ええ、今日は一日寝ていたから」
よかった、私が倒れたりしたらどうするのよ、キラ・・・ありがとう・・・私はあの女とは違う・・・違う。
「キラ」
「?」
「入ってきて」
「ミリィ・・・今日は泊まっていいかな?」
泊まる、キラが泊まる・・・今日もキラと寝よう・・・。
「ええ、いいわよ・・・」
キラが泊まる、これで・・・やっと私の目的の一つは達成された、次は・・・。

251リヴァオタと八アスのためでなく:2004/04/09(金) 17:48
そのころ、ギレンの妹のキシリアの仕事部屋の事務所では新入りの若い部下
が、突然入ってきた。
「大変です!」
「なんナリか?」
「ギレン閣下が・・・」
「コロ助口調でしゃべるナリ」
「ギレン閣下が買ったブルーコスモスの200万株が大暴落したナリ」
「なにそれはほんとナリか!?」
「はいナリ」
キシリアはギレンのいる家に電話をかけた
「兄上ちょっとお尋ねしたいことがあるのだが」
「なんだキシリアお尋ねしたいこととは」
「兄上はブルーコスモスの株を買ったそうだな」
「ああ」
「そのことできてほしい」
キシリアは電話を切った。

252流離う翼たち・451:2004/04/10(土) 00:40
 些かの怯みを見せながらも、キラは自分の抱いた疑問をサザーランドにぶつけた。

「キースさんは、前にコーディネイターを白兵戦で倒したと言っていました。ナチュラルに出来る筈が無い事を、どうしてキースさんは出来たんです?」
「それは・・・・・・」

 答えるのを渋るサザーランド。余程深い理由があるのだろうとキラは察したが、サザーランドが答えるよりも早く第3者がそれに答えてしまった。

「ああ、それは簡単ですよ。キーエンスはコーディネイターを殺す為の力を人工的に付与された強化人間だからです」
「は?」
「強化人間?」
「なんです、それ?」

 キラとトールとフレイがアズラエルの方を見る。逆に語るのを躊躇っていたサザーランドは顔を引き攣らせ、キースの顔色が一気に青褪めた。アズラエルはキースとサザーランドの慌てぶりを楽しむかのように薄く笑うと子供達の疑問に答えだした。

「君達も会っただろうけど、オルガ・サブナックが現在の技術で作られたブーステッドマン。彼は脳内インプラントと薬物強化で身体強度と反応速度をコーディネイター以上に引き上げた戦闘用の人間なの」
「なんで、そんな酷い事を・・・・・・」

 人間を強化したと聞かされ、フレイが悲痛な声を漏らした。他の者も信じられないという目でアズラエルを見ているが、アズラエルは詫びれずにそれに答えた。

「元々彼は死刑囚だったんだよ。それを研究に手を貸すことで生きる道をあげたんだ。感謝されこそすれ、文句を言われる筋合いは無いでしょう?」
「でも、そんな非人道的な事をするなんて。人の身体を弄んでどうしようって言うんですかっ?」
「決まってますよ。コーディネイターどもを地球から叩き出すんです。元々はキーエンスだってコーディネイターに対する抑止力として当時の遺伝子研究者達が生み出したんですからね」
「抑止力?」
「そう、抑止力。遺伝子研究者たちは際限なく人類の究極を求め続け、次々に強力なコーディネイターを生み出していきました。ですが、その際限ない強化に畏怖した研究者達はコーディネイターがいずれ自分達に牙を剥く日を予見し、コーディネイターに対する抑止力としてブーステッドマンの研究を始めたのです」
「それが、その・・・・・・」
「そう、彼。キーエンスはその時に体の一部を人工物に置き換えられた実験体の1人なのです。彼は神経系や筋組織、肺など運動に関わる部分を人工物に置き換えることでコーディネイターでも到達しえない身体能力を持ったわけです。彼がコーディネイターでも不可能とされるGに平然と耐え切ってMAを使いこなし、「エメラルドの死神」と呼ばれるようになったのはその人間の限界を超えた身体のおかげなんですよ」

 アズラエルの言葉にサザーランドを除く全員がキースを見た。キースは怒りに身体を小刻みに震わせていたが、否定しない所を見るとそれが真実だということなのだろう。ナタルがキースに気遣うような視線を向けているが彼が気付く様子は無い。

253流離う翼たち・作者:2004/04/10(土) 00:48
>> ザフト・赤毛の虜囚
昔の写真見て懐かしむフレイ様は可愛いかもw
しかしカズィ、君は中々に芸達者な男なのですな
アズとキースとサザの関係はそうですよ。でも、全員コーディは嫌い、という点では一致してます

>> 過去の傷
サイ君暴走中。何気にフレイ様を追いかけるカガリの真意はw?
実は結構逞しいマユラとアサギw

>> リヴァオタと八アスのためでなく
コロ助口調って、一体何者?
しかし、早くも大暴落ですか。まあ予想できた運命・・・・・・

254ミリアリア・あの子許せない 84:2004/04/10(土) 05:05
第2部 7.ミナシロのこと覚えてる? 1/12
[ミナシロでのこと]

オノゴロからオーブ本土に向かう連絡機。窓から見えるオノゴロが、どんどん小さくなっていく。
これから、私はオーブの首都に向かう。

私は、アークエンジェルを降りた。残酷な冷たい戦士のキラ。それに命令されるままに。
私は幸福だ。キラの命令に従っている。それだけで、私は幸福だ。人の少ないキャビンの中、
私は小さく感嘆の声まで上げて、身を揺すっている。

でも、かすかに抵抗する心の声がする。
(いいの? 本当にいいの?)
(忘れられるのキラを?)
(キラの遺品を持ってきたのは、なぜ?)

登り行く朝日の光を受けて、首都から山を隔てた向こうにある都市の建物が光るのが見えた。
ミナシロ市。キラの実家がある都市。私の故郷の隣町。

カレッジの二週間の長期休暇。ヘリオポリスからオーブへ帰った時。その時にキラ達と
ミナシロに行った記憶。ミナシロでのこと。それが私の中に蘇った。

まだ、あの子がカレッジに入学もしていなかったころ。まだ、トールが彼氏じゃ無かったころ。
私とキラ、トール。みんな。仲良く過ごした日々の記憶を……

255ミリアリア・あの子許せない 85:2004/04/10(土) 05:11
第2部 7.ミナシロのこと覚えてる? 2/12
[やられた……]

ヘリオポリス工業カレッジの二週間の長期休暇。あれこれ忙しい授業や研究から解放され、私達は、
それぞれの故郷に戻った。私、キラ、トール、サイは地球のオーブへ。カズイはヘリオポリスの実家へ。
早朝の便で、オーブ近海の宇宙港へ着いた私達は、連絡機で首都まで行き、電車で、それぞれの故郷へ
戻って行った。山を挟んで隣町どうしの私とキラは、最後まで電車に一緒に乗りあわせていた。

「キラの家、ミナシロの郊外でしょ。私、隣の市なのに、ミナシロには、あまり行ったことないの。
 休みの間に、ミナシロの中心街案内してよ」
「ああ、いいよミリィ」

「じゃ、電話するわ。またねキラ」
「それじゃ、また、ミリィ」

私達は、乗り継ぎの列車で別れた。一人電車に乗りながら、私は想いをめぐらす。

(キラにいつ電話しよう。今晩、いきなりじゃ急かな…… 電話する勇気あるかな……)
(やっぱ、トールに言ってもらった方が…… でも、キラと二人きりでミナシロの港の夜景見たいな……)

登り始めた太陽が照りつけ、蝉の声の響く中、私は実家のマンションに足を進める。
カレッジに入学して、久しぶりに、お父さん、お母さんの顔を見る。どうしているかな。
私はドアのベルを鳴らした。何の反応も無い…… 何度ベルを鳴らしてもダメ。

「やられた……」

私はうっかりしていた。うちの両親ってこうなのだ。共働きで、いつも家を空けがち。
ものごころついた時には、私は一人、家に取り残されることが多かった。
今日だって、ちゃんと着く時間連絡していたはずなのに、これだ。
ドアの電子ロックのコードも変えられている。何で、連絡した時に教えてくれなかったのよ。
携帯電話を出して、両親に電話する。例によって、海外まで出る仕事をしている両親には、
電話も繋がらない。

私は、だんだん腹が立ってきた。私はマンションを出ると、近くの喫茶店に駆け込んだ。
ほとんどの喫茶店や駅、公共施設でパソコンをワイヤレスでネットワークに接続できる。
私は、カバンに入れてきたノートパソコンを喫茶店のテーブルに置き、ネットワークに接続すると、
ドアの電子ロックをネットワークからハッキングして解除しようとした。目を血走らせてパソコンに
取りつく私に、喫茶店の他の客は恐そうに見つめている。

電子ロックの解除は、うまくいかない。私は、パソコンをいじりながら、携帯電話を首にはさみ電話をかけた。
キラの携帯へ。もう、ほとんど無意識だった。

「はい、キラ・ヤマトです。ミリィ、どうしたんだい。さっき別れたとこなのに」
「キラ、パソコン持ってるわよね。そっちからネット入って、これから言う住所の電子ロックを
 解除してくれない?」

「ちょっと、ミリィ、いきなり何言ってんだよ」
「聞いてよ、キラ。うちの親酷いのよ。私を締め出しにして仕事出てるのよ!」

「だからって、電子ロックの解除はまずいよ」
「キラ、よくカレッジで研究室のドアロック解除したりしてたでしょ。お願い」

「いくらなんでも、ここからじゃ、防犯システムにひっかかるよ。人を犯罪者にするつもりかい」
「ダメ?」

私は話しながら、さっき、いつ電話しようか迷っていたキラに今、電話していることに気がついた。
ゼミの研究で分からないことがあると、すぐキラに電話していた癖で、そのままかけてしまっていた。
でも、これってチャンス!

「ねえキラ、今日、暇?」
「とりあえず、家でゆっくりする予定だけど」

「ミナシロの案内、今からじゃダメかな?」
「うん、別にいいけど。両親への連絡は大丈夫かい」

「いいのよ、あんな無責任な親なんか。行こうキラ」
「それなら…… じゃ、ミナシロ・センター街駅の北口、噴水の前で待ち合わせでいいかい」

「分かった。それじゃね、キラ」

さっきの目を血走らせた表情から打って変わって、ニコニコとパソコンを閉まって店を出て行く私に、
他の客は、目を丸くしていた。

256ミリアリア・あの子許せない 作者:2004/04/10(土) 05:23
ミリィSS新章です。アークエンジェルを降りてトールの遺品を両親に返しに行くところでしたが、
ちょっと、その前に回想シーンに入ります。ここでは、私のSSではあまり無かった明るいミリィが登場します。
ミナシロ市は、私の創作です。オーブ北海岸に面した都市だと思ってください。

>>過去の傷
ミリィ次はって! アァタ……
フレイ様、留守のキラの部屋の前で小声でって、これインターホンですよね。
さすが、外からの小さな声が聞こえるくらいだと、まずいし。

>>リヴァオタ
お久です。コロ助口調で喋るのはキシリア閣下? 次は、〜ザンス、 〜でゴンス、フンガ、フンガーでも……

>>流離う翼たち
ふうむ、アズ君、そんなに簡単に、みんなの前でキースのこと、バラさなくてもいいじゃありませんか。
実はキースは誰がために戦う戦士だったという訳ですね。しかし、そういう人がブルコスの幹部候補とは……
まるで、黒い幽霊団かショッカーみたいじゃありませんか。
それはそうと、皆さん。とある事情でアズ語を研究しようとしているのですが、こんな喋り方で
良かったんでしょうかね。どうです、お若い艦長さん?

257リヴァオタと八アスのためでなく:2004/04/10(土) 08:46
40分後、ギレンがキシリアの事務所にやってきた。
「なんだ、キシリア、私は忙しいのだよ、話なら早く 終わらせて
 ほしいものだな」
「兄上落ち着くナリ、簡単に問いただすナリ、兄上はブルーコスモスの株
 200万株を買って大暴落させたナリね、こうなってしなったらばザビ家は
 破産してしまうナリ」
ギレンはニヤッと笑った
「いうことはそれだけか」
ギレンの席を立った
「私はこれで帰らせてもうよ」
「待つナリ」
キシリアはギレンの頭に拳銃を向けた
「ほうなんのまねだ?」
「まだ帰るなという合図ナリよ」
「そんじゃ俺帰るわ」
ドキューン!
キシリアはギレンの頭に弾を撃ち込んだ
「うわっ」
びっくりするキシリアの部下
「落ち着くナリ!、ギレン閣下は名誉の自殺をしただけナリよ!」
キシリアの声は響き渡った。

258過去の傷・103:2004/04/10(土) 16:19
「ねえ、キラってフレイのことずっと気になっていたでしょ?」
「え?突然なにを・・・」
「だってそうだったじゃない、見てれば誰だって分かるわよ、フレイは学園のアイドルだったもんね」
「・・・・・・」
「なら今はどう?」
「今?」
「ええ、今」
まずはキラをフレイから奪うことには成功したわね、あとは結婚するだけ。
キラは下を向くと言った。
「分からない」
「分からない?」
キラはうなずいた。
「はっきり言うとフレイは僕にとっては遠い存在だった、話もしたことなかったから、遠くから見ているだけだったから・・・でもいまは違う・・・」
そう、いまは違う、フレイはもう遠い存在ではないのだ、付き合っている。
「そうよね、いまは一番キラの近くにいるもんね、で?どうなの?」
「・・・・・・」
「・・・飽きたとか?」
「飽きた?」
「ええ、この頃はずっと一緒にいるでしょ?ずっと・・・もういやになるくらい一緒に・・・それで飽きたとか?そうなんでしょ?」
「分からないよ・・・」
「・・・まあいいわ・・・この話はもうやめ、それより・・・ねえ・・・結婚しない?来週にでも、両親も貴方とのこと話したらいいって言ってくれたわ、キラ君ならいいってね・・・」
「・・・え!?」
「形だけでもいいじゃない、もうこのことはずっと決まっていたのかもしれないわね」
そう、どんな手を使ってでも私と結婚してもらうわ、私と・・・絶対に・・・じゃないと私なにするか・・・。

「キラ・・・」
無視されたの?それとももう寝たのかしら。
キラを呼び続けていたフレイだが応答はなかった。
なら今日はどこで寝ればいいんだろう。
フレイは歩いた、そして通路でサイと会う。
しかしサイは彼女を一目見たが無視して通り過ぎようとしている。
「・・・・・・」
「あ、あのサイ!」
仕方なさそうにサイが立ち止まる。
「俺に・・・何?」
「いや・・・あの・・・キラの部屋には入れなくてどうしようかなって・・・」
「・・・俺には関係ない・・・君達の問題だろ、自分の問題くらい自分で片付けなよ、俺は知らない」
「そんな・・・だって私達だって・・・」
「俺達の仲を勝手に解消してきたのは君だろ!それをなんだよいまさら!俺には新しい彼女も出来たんだ、もういいだろ」
そう言うとサイは部屋に入って行った。
・・・私ってサイに完全に嫌われたのね・・・でも裏切ったのは私・・・。
サイ・・・今日私はどうすれば・・・前の私の部屋に戻る?それとも・・・カガリ・・・カガリ!
「あの・・・カガリ」
カガリの部屋を訪ねたフレイは・・・。
「フレイ」
「泊まっていいかな?一日だけ」
カガリは優しく微笑むとうなずいた。

259 ヘリオポリス・1.24〜:2004/04/10(土) 23:36
2.16
[砂漠・三日目]
キラを殴った子、あの子カガリって言うらしい。
なんか凄く偉そうで、気に入らない。

アークエンジェルはレジスタンスと一時協力をすると聞いた。
土臭い、田舎くさいレジスタンスなんか、役に立つんだろうか?
カガリって子も、そう。荒っぽくて、女じゃないみたい。

まだモニターでしか見たことがないけど、
あの子は、嫌いだ。

同日:
サイは、優しい。とてもいい人。
パパがそう言うように、私もそう思っていた。
お兄ちゃんみたいな感じ。でも、今はすこし鬱陶しい。
なんで放って置いてくれないのだろう。私を好きだから?
私もサイを好きだった。それは当たり前のことで。

キラは、サイとはぜんぜん違う。
ひどい、自己中心的で、心が弱くて、卑屈で。
サイに暴力をした。私のすぐ傍で。すごく怖かった。
でも、それがちょうどいいと思う。
キラがひどいコーディネイターのほうが、私は助かる。

キラは、私のために戦うの。
キラはいつも、怯えた顔をしている。いい気味だ。
もっと、苦しめばいい。私がこんなに、苦しいんだから。


2.17
[苦しい、もうイヤ]
するのは嫌い。すごく痛い。
もうイヤ。

キラの部屋に荷物を全部持ってきた。
これからキラと、毎日するのだろうか。
そんなのイヤだ。嫌、嫌、嫌!!
気持ち悪い!!

してる最中、私はキスする時のように、演技できないけど、
キラはもっとめちゃくちゃで、私のことすら見ていないんじゃないか。
なのに、私の名前を呼ぶのをやめてほしい。
うるさいし、イライラする。


2.18
[キラがいない]
起きたら、キラがいない。
探しに行かないと。

どうしたんだろう?
わたし、さっき何かまずいこと、言った?


2.19
[困った]
キラはMSのコックピットに篭ったまま、寝泊りしているみたい。
どうしてそんな所で寝るの、私が嫌なの?と聞いた。
そうしたらキラは、沢山調整しないといけないことがあって、それは
自分しかできないから、かかり切りになってしまうと言った。
そのうちに眠くなるから、仮眠をとって作業を続けてるだけだと。

部屋に私がいるのは、構わないと言う。
私が部屋にいると、嫌なのかとキラに拗ねて見せると、キラはすごく
慌てていた。それから嬉しいよ、とか言っていた。
顔を真っ赤にして。ほんとうに馬鹿な子。

キラを操るのは簡単なようなのに、どこか、うまくいかない。
どうすればいいんだろう?もっと考えなきゃ。うまくやらなきゃ。


2.20
[つまらない]
キラが買い物に行ったきり、帰ってこない。
あのカガリって子と一緒に行くって言った。(しかも私に謝らない!)
どういう神経してるんだろう。なぜわざわざカガリって子と行く必要があるの?
現地のことがわかる、ということだけど、それなら他の大人のほうがいい。
(だって、カガリって子は人種が違うように思う。肌もそんな焼けていないし)

もしかして…艦長さんが私とキラのこと快く思ってないって感じるけど。
そういうこと、なのかな?だったら余計なお世話なのに!!
キラは、私の言うとおりに私を守れば、あの人たちにとってもありがたいはず。
キラを普通の少年のようにさせようなんて、馬鹿みたいだ。


今日はもう仕事は終わり。(掃除だけだけど)
暇だ。キラに頼んだエリザリオの化粧品、あればいいけど。
どうせ、無いに決まってる。どうせあてつけだから、構わないけど。
あの子がどう謝るのか、みものだわ。

260ヘリオポリス・1.24〜:2004/04/10(土) 23:39
>>ミリアリア
ミリィ、ふつうの可愛い女の子だなぁ。
キラはトールの気持ちに気付いてないのか、深読みするタイプじゃないのか…?

>>流離う
アズ、暴露っちゃいましたか。しかし、この話の笹島大佐はわりと好きですね。

261流離う翼たち・452:2004/04/10(土) 23:53
 そして、アズラエルは決定的な事を口にし始めた。

「まあ、普通のコーディネイターに対するならそこまでの力は必要なかったんですがね。彼のような無茶をしたブーステッドマンは、当時は調整体と呼ばれていましたが、メンデルという研究所で研究されていた、最高のコーディネイターに対する抑止力だったんです。まあ結果としてはこれだけ無茶をしても一対一ではその最高のコーディネイターの想定ポテンシャルを超えられなかったんですがね」
「なんで、そんな下らない物を求めたんでしょうか。その科学者達は?」
「その理由は、全ての始まり、諸悪の元とも言える理論、随分昔に出てきたSEEDと呼ばれる理論です。人の進化の可能性、更なる高みへの階梯、言葉を介さず、状況を超えて理解しあえる人間。それがSEEDを持つ者たちと呼ばれています。元々コーディネイターとはこのSEEDを持つ者をナチュラルに受け入れさせる為の橋渡し的な役目を負わされていたのですが、何処をどう間違ったのかコーディネイターたちは自分を進化した人類だと言い出しました」

 そこでアズラエルは一度言葉を切り、ジロリとキラを睨み付けた。その視線に含まれた悪意にキラは息苦しさを感じてしまう。

「君もそうでしょう。ナチュラルは自分より劣った存在だと、これまで考えたことが無いとは言わせませんよ。そのナチュラルを見下した視線が許せないから僕たちはコーディネイターを認められないんですから」
「でも、だからって何も殺さなくても。核まで使って・・・・・・」
「核を使ってまで自分達を殺したいのか、ですか。どうしてそこまで憎悪されることになったのか、その理由を考えたことはありますか?」

 アズラエルの問いにキラは言葉に詰まり、そして力なく首を横に振った。これまで両親に伴われて月からヘリオポリスと移り住んでいたが、何処でもなるべくコーディネイターである事を隠し続けて生きてきた。もしばれれば周りの自分を見る目が変ることは明白だったし、何よりブルーコスモスに見つかるのが怖かったのだ。
 どうして自分達を狙うのか、何で自分達がこんな目に会わなくてはいけないのか、これまでずっと考えては苦しみ、そしてナチュラルへの憎しみを常に心のどこかに抱え続けてきた。だが、自分たちが何故憎まれているのかを考えたことは無かった。いや、そんな事を考える人間はまずいない。いるとすれば、それは何かが壊れている人間だろう。
 そしてアズラエルは、今度はフレイを見た。

「言ったでしょう、フレイ・アルスター。コーディネイターなどに近付いては、お父様が悲しみますよ。あの方もブルーコスモスだったのですから」
「・・・・・・そんな、嘘よ」
「嘘じゃありません。ジョージ・アルスターはブルーコスモスとして大西洋連邦内における我々の勢力拡大に随分役立ってくれました」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「そのジョージ・アルスターのお嬢さんがコーディネイターの少年と仲良くなるのは、色々と問題があるんじゃないですか。お互いの為にも距離をとっておいた方が良いですよ。まして、彼の同胞は貴女のお父さんの敵なのですよ」

262流離う翼たち・453:2004/04/10(土) 23:55
 アズラエルの言葉に、フレイは足元が崩れていくような衝撃を受けた。忘れたかった過去、目を背けていた現実、知りたく無かった父の素性、その全てが自分に再びこれまで犯してきた罪を蘇らせてしまう。

『コーディネイターの癖に、馴れ馴れしくしないで!』

「嫌・・・・・・・・・」

『あんた、コーディネイターだからって、本気で戦ってなかったんでしょう!?』

「やめて・・・・・・・・・・・」

『キラは、戦って戦って死ぬの、そうじゃなきゃ許さない』

「私・・・・・・私は・・・・・・・・・・・・」

『私はあなたを、道具にする為に近付いたのよ』

 両腕を抱えてカタカタを震えだしたフレイを心配そうに見るキラ。何をそんなに怯えているのかと思い、その肩に手を置こうとしたが、手を近づけた途端、フレイはビクリと震えて避けた。

「フレイ?」

 避けられたことに少しショックを受けながらも問いかけたが、フレイは混乱したように右手で髪を掻きあげ、何か聞き取れない声で呟いている。そして、いきなり表情が恐怖に歪んだかと思うと、泣き出しそうな声を紡ぎ出した。

「ご・・・ごめ・・・・・・ごめんなさい。わ、わたし・・・・・・」

 堪らなくなった様にフレイは立ち上がるとそのまま駆け出して店を飛び出してしまった。

「フレイ!?」

 残されたキラは呆然とその場に立ち尽くし、フラガやノイマン、サザーランドは事態に付いていけず戸惑っている。フレイとキラの余りに複雑すぎる関係を知っているキースやトール、マリュー、ナタルはフレイの変化の理由を察しており、アズラエルに憎悪の篭もった視線を向けていた。
 だが、誰もアズラエルを咎める言葉を口に出来ないでいる。何故なら、アズラエルの言った事は決して間違っているとは言えないからだ。

 誰もがフレイの後を追えないでいる。いつしか外には雨が降り出し、彼女の姿を闇の中に完全に隠してしまう。フレイは、マドラスを包む闇の中に消えてしまった。

263流離う翼たち・作者:2004/04/11(日) 00:07
>> ミリアリア・あの子許せない
ミリィさんの過去ですか。しかし、ミリィは家に1人型でしたか
キラにハッキングを頼む辺り、キラの普段の生活って一体・・・・・・
実はキースは若干ショッカーw
実際はサイバーテクノロジーとバイオテクノロジーが生み出したキメラみたいな物で、赤子の段階で改造されてます
で、身体的に拒否反応を起こさずに安定した固体がキースです。拒否反応が起きた奴は全員死亡
キース以外にも幾人か生き残りが居て、ずっと前にカガリがキースの実家で見たファイルに少し内容が載ってました

アズ語ですか、私はそれで良いと思いますが

>>  リヴァオタと八アスのためでなく
ギレンは何がしたかったんでしょう? キシリアは実権が欲しかったのかな?

>> 過去の傷
いかん、フレイ様とカガリが傷を舐めあう関係になってしまうw
しかし、サイはなんだか冷たい。いつからこんな酷い奴に

>> ヘリオポリス・1.24〜
丁度砂漠の頃ですな。キラがストライクで寝泊りしだした頃ですか
懐かしいですが、今思い出すと整備班には凄く迷惑でしょうね

264ミリアリア・あの子許せない 86:2004/04/11(日) 05:10
第2部 7.ミナシロのこと覚えてる? 3/12
[キラ、待った?]

私の住む市から、トンネルで山を隔てた隣の市、ミナシロ。シティレジャーとショッピングの街。
中心街は、奇麗に整備されていて、緑とビルが美しく融和されている。大きなショッピング街や、
いくつもの遊戯施設もあり、港は、赤道連合などの近隣国への交易船でにぎわっている。沖には、
漁場や海洋都市などの研究を目的とした海洋プラントがあり、海岸には、そことのやりとりをする
研究施設とドックが立ち並ぶ。またそれだけでなく、海洋遊園や、美しいホテルも一杯あり、
レジャーについても抜かりが無い。夜を美しく彩る夜景は情報誌によると、アベックには
絶品なのだそうだ。

キラと二人っきりで、港の夜景を眺める…… 私は期待に胸を膨らませた。そして、反面、
緊張で胸がドキドキした。だんだん、落ち着かなくなってくる。

ミナシロ・センター街駅。帰省荷物をコインロッカーに入れると、待ち合わせの北口の噴水前に行った。
キラは、すでに来ていた。肩にはトリィを乗せている。もう、子供っぽいから置いてきて欲しかったのに。

「キラ、待った?」
「いや、今来たとこだよ」

キラの笑顔に、私のドキドキは最高潮に達し、声まで上ずって来る。キラとの二人きりで
夜の港のデート、期待しすぎで胸はパンクしそう。

「あはは…… それじゃ、どこから行こうか? 夜まで時間つぶして…… 二人っきりで……
 あ、そうじゃ無くて……、今は……」

みえみえの下心が口に出そうになって私は慌てて口を閉ざす。
ダメだこりゃ。まともに会話できない。それだけならまだいいけど、口が滑って、
私の知られちゃいけないアレやコレや、みんなバラしてしまいそう。
ああ、どうしよう。どうしよう……

「その前に、もうちょっと待ってくれる。待ち合わせに、まだ来てないから」

キラの言葉に、私はポカンとあっけにとられる。

「キラ、誰のこと? まさか……」
「あ、来た来た。トール、こっちだよ」

アレ?……

「やあ、ミリィ、大丈夫か。締め出しくらったって」
「私、トールは呼んでないわよ」

「ちょっと、そりゃずいぶんだなミリィ」
「ミリィの電話の後、トールからも電話があったんだよ。ミナシロのこと話したらトールも来るって」

キラ、余計なことを…… せっかく、キラと二人きりのはずだったのに…… 港の夜景が……

でも、そう思う一方で、トールが来てくれたおかげで、私は内心ホッとしているのは確か。
ドキドキがおさまって、声も落ち着いてきた。私はトールに笑顔を向けた。

「そうね、トールも一緒に行こう。案内して、キラ」

その声にトールとキラは顔を見合わせ、そして、トールが腕を振り上げて言った。
「よし、それじゃ行こう」

「どこへ行くのよ」 私は、その二人のやりとりに不安を感じる。

「決まってんだろ」とトール。

私は、さらに不安を感じた。トールが、こういう言い方をする時は、多分、おそらく、大方、きっと……

そんな、私の不安をよそに、トールとキラは笑いながら足を進めていた。

265ミリアリア・あの子許せない 作者:2004/04/11(日) 05:13
>>過去の傷
キラは相変わらず、はっきりしない。なんとかせいや。ところで、ミリィはエターナルから
いつの間にオーブの両親に連絡を…… それとも、計略のでまかせ?

>>ヘリオポリス・1.24〜
フレイ様から見ると、黒キラは自己中で、卑屈で、嫌なやつで、手がかかる。確かにそうですね。

>>流離う翼たち
フレイ様、辛いですね。せっかく自分の気持ちを切り替えてきたのに、それが、周りから
認められないと思ってしまうと気持ちも落ち込みます。ところで、アズの話、途中から、
個人的感情に走って説得力失ってるような気がするのは気のせい?まあ、それを突っ込んでも、
どちらから先に戦争始めたかの水掛け論で誤魔化されるだけでしょうけど。

アズ語評価どうも。これをベースにもう少し語彙増やして、さらに年齢シフトします。

266過去の傷・104:2004/04/11(日) 10:39
「ラクスさんってバジル−ル中尉に似てきた」
と、ミリィは呟いた.
「ナタルさんに?想像出来ないな・・・」
「なんかね、話し方はあたりまえだけど違うわよ」
「そりゃあね・・・」
ラクスさんがナタルさんの話し方するのは想像出来ない、というより怖い。

「なにが君は俺が守るだよ、アスラン・ザラの嘘つきめ!」
「ほんとに勝手な男ねそいつ」
「だろ!そう思うだろ!?さすが我が同志であり親友だ」
フレイとカガリは慰め合っていた。
「あの・・・カガリ酔ってない?」
「ああ、さっき飲んだ、やけ酒だ」
そしてカガリはフレイの首のきけてあるペンダントを取り出した。
「カ、カガリちょっと・・・」
「私はこれを大切な人に上げるを決めてあるんだ」
「え・・・?」
カガリは頬を少し赤く染めると言った。
「そう、フレイ・・・以前はいろいろあったが私にとってお前は大切な存在だ・・・だから渡した・・・死んでほしくない・・・」
「カガリ・・・」

「ト−ルのことが頭をよぎるんだ」
「キラ・・・」
「ごめん、でも!」
「まだ気にしてるの・・・?あの時のことを」
キラはうなずいた。
「でも・・・アスランは僕の親友だ、彼に対してはそんな感情はない、だからミリィもさ・・・」
「分かってるわ、その人だってキラを殺そうとしたんでしょ?なら仕方ないわよ、それが戦争なんだから」
戦争・・・その言葉にキラはいろんなことが頭をよぎる。
(お前がなんで地球軍にいる?)
(あんた自分のコ−ディネイタ−だからって・・・本気で戦ってないんでしょ!?)
(逃げ出した腰抜け兵士が!!!)
(君とてその一つだろうが!)
突然キラが苦しみだす。
「キラ!?」
「うう・・・うああああ!」
そして泣いた、ミリィの目の前で泣いた、また女の子にすがりつき泣いた。
これはキラの感情値を上げるチャンス。
それにキラは私の前で泣いている、これは・・・。
キラを慰めれる、そう・・・この子は私の物になったのよ、こんなとき私は・・・。
「キラ・・・もういいの、もういいから、もういいのよ・・・」
私こういうふうに泣きつかれるのは苦手、ほんとは逆の立場ばっかりだったから、フレイやラクスさんはこういうの得意だろうけど・・・でもここで・・・頑張らないと。
「うう・・・」
私はキラを抱きしめるとキスした。
目を開け泣きついているキラもミリアリアからのキスに酔ったのか、目を閉じた。
その数分後。
キラを優しく離したミリアリアは・・・軍服を脱ぎ始めた。
「キラ・・・入ってきて」
ベッドにキラを誘った。

次の日。
また寝た、キラと寝た・・・でもいいの・・・来週結婚するんだから・・・。

267リヴァオタと八アスのためでなく:2004/04/11(日) 14:27
ロラン・セアックはドズルが校長を務める高校の食堂で雑誌を読んだ
雑誌の記事はこうだ、「10代が選ぶ藤子漫画ベスト10」
第10位 チンプイ
第9位 21えもん
第8位 忍者ハットリくん
第7位 キテレツ大百科
第6位 パーマン
第5位 オバケのQ太郎
第4位 笑ゥせぇるすまん
第3位 エスパー魔美
第2位 ドラえもん
ロランはラーメンを食べながらつぶやいた
「一位はやっぱりこれだよな・・・」
第1位は「魔太郎が来る」だった。ロランの感は早かった。
「やっぱり、魔太郎は最高だよ」
めんを食べ終わったロランはラーメンの汁をすすう。
隣に同級生のニコルが座った。
「やぁロラン」
「あっニコルいまからお昼ごはん?」
「ええ」
「ニコル、藤子漫画で第一位はなにかしってる?」
「ドラえもん?」
「違う違う」
「パーマン」
「違うって、魔太郎だよ」
「ええ!あの復讐漫画が第一位なんて」
「あれが今はやりなんですよ」
「しんじられないなぁ・・・」
「信じなくってもいいけどね」
ドズルが割り込んできた
「声優さんが一人二役でやっている朴路美のキャラはお前等か」
「そうだけど」
「僕は違うよ」
ニコルは言った。ドズルは
「いや、お前の声優さんは朴路美に変わった」
「えっ!」
ニコルは唖然とした。

268リヴァオタと八アスのためでなく:2004/04/11(日) 15:31
キラとフレイが家まで歩いているとまた変なのがいた。
今度はシャア・アズナブルのコスプレをしたケツアゴ大佐だった。
ケツアゴ大佐について知りたいのならば、プレステの実写版ガンダムを
見よう。
「フッフッお嬢さん俺のオチンチンをなめてくれないか?」
ケツアゴ大佐はズボンを下ろした。しかもパンツまで脱いだ
「キラ行こう」
ケツアゴ大佐は道を通さないようにガードした
「フッフッここはとうさん!」
「フレイここは任せて」
キラは道の下にペーパーナイフを見つけた。ナイフを手に取り
すばやく切った。
「うっ!」
ケツアゴ大佐は自分の下半身を見た。なんとアレが切られていた。
ケツアゴ大佐は一目散に逃げた。
「助かったわキラ」
「ああ」
とにかく一安心だ。

269The Last War・Inside2/2:2004/04/11(日) 16:09
キラ・〜Sympathy〜

 「アスラン、もう止めてくれ!!」

 ―――怖い。その光景を前に、僕はそう思っていた。アスランがあんな戦い方をするなんて、尋常じゃない。それにさっきからずっと呼び掛けているのに、僕の声に反応する様子すら無い。通信回線が切られている訳でもないのに。まるで、僕の声が届いてないみたいだ。
 ・・・それだけじゃない。あれは、本当にアスランなのか?僕の知っているアスランは、何処か遠くへ行ってしまったんじゃないのか?もう戦うしかない。彼はそう言っていた。・・・本当にそうなのか?僕らはもう、引き返すことが出来ない所にまで来てしまっているんだろうか?

「・・・許せないのだよ。人ならざるものでありながら、人間面をしようとする貴様等がなぁ!!」

 フレイ、そして『彼』と出会ったあの日から、僕はその言葉の意味をずっと考えていた。あの時彼は自分のことを、『最高のコーディネイター』のプロトタイプと名乗った。それがもし本当なら、彼もまた僕の実父、ユーレン・ヒビキによって生み出された『子供達』の内の一人。そういう意味では、僕達は『兄弟』ということになるんだろうか?でもあの時彼が僕とフレイに向けた視線は、僕らだけでなく、この世界そのものを憎んでいるみたいだった。
 彼がこれまでどんな生涯を、どんな気持ちで歩んできたかは、僕には想像も出来ないだろう。僕自身、自分が何者かなんて知る訳も無かったし、それに何より、父さんや母さん、アスランやサイ達は、僕に何の隔たりも無く接してくれたから。でも・・・、彼はそうすることが出来なかった。何も知らないまま自分が望みもしなかった力を人から与えられ、それと共に背負わされた過酷な運命を、只受け入れるしかなかったんだ。
 そう考えた時、僕はあることに気が付いた。

 ―――彼は、誰にも出会うことが出来なかった、もう一人の『僕』であることを―――。

 だから、僕は彼に手を差し伸べてあげたかった。自分が決して一人じゃないことを、世界はそこまで残酷じゃないことを教えてあげたかった。あの時、フレイが僕に心を開いてくれたように、彼を救ってあげたかったんだ。
 だけど、今僕の目の前にいる彼は『僕』ではなく、『あの人』そのものになってしまっていた。・・・どうして?

 ・・・ラウ・ル・クルーゼ、貴方は何故そうまでして世界を憎むんだ?どうしてそこまで、人を信じることが出来ないんだ?貴方にとって他者は、只利用するだけの存在でしかないのか?一体何が、貴方をそうまで追い詰めたんだ?
 貴方は僕が殺した。だからもう、貴方はこの世界にはいない。貴方の真意を知ることはもう出来ない。それでも、貴方がまだ滅亡を望むというのなら、僕はもう一度・・・、いや、何度でも貴方を止めて見せる。貴方が彼の心を縛り付けているというなら、僕がその呪縛から彼を解き放って見せる。そうすることで、僕は初めて貴方に『勝つ』ことが出来る筈だから・・・。

 ―――!!右腕が、動く・・・?なら止めなきゃ、あの二人の戦いを。今それが出来るのは、僕しかいない。もう二度と、あの時と同じ結末を迎えるのは嫌だ。もう、迷わない。僕は今度こそ・・・、僕らの戦いを終わらせる―――。

「憎しみで戦っちゃ駄目だ、アスラン!!」

270The Last War・作者:2004/04/11(日) 16:31
 2回に渡って番外編をお送りしましたが、少し表現が強引なところもあって反省しています。

》過去の傷
 遅くなってしまいましたが、100回達成おめでとうございます。最近の展開に目が離せなくなっています。このままキラはミリィの企み通り結婚してしまうのか?そしてフレイ様はカガリと?何はともあれこれからも応援させて頂きます。

》流離う翼たち
 アズラエル、余計なこと言わなくても・・・。かつての傷に触れられたフレイ様、そしてキースさんはこれからどうするんでしょう?特にキースさんはもしかしてキラとは天敵同士ということでは・・・?
 それからオルガの時みたいにアズラエルとAA組との対面は凄く斬新でした。

》ミリアリア
 思い出の中のミリィは凄く女の子らしくて可愛いですね。戦争に巻きこまれる前はこんな風に3人一緒に遊んでたと思うと微笑ましいです。

》ヘリオポリス
 あの頃のフレイ様、よっぽどキラが嫌いだったみたいですね。自分もあの頃の彼には抵抗があります。でも時間が経つに連れ次第にその気持ちが変化してきているところが良く出来ていますね。

》リヴァオタ
 お久しぶりです。ロランまで登場し、相変わらず独特な世界ですね。主人公キャラは大方揃ったのでは?ところでニコルの声優さんって、変わったんですか?

271ミリアリア・あの子許せない 87:2004/04/12(月) 04:31
第2部 7.ミナシロのこと覚えてる? 4/12
[ここで見て買わずに帰れるか]

私とキラ、トールは、人ごみの中にいた。まわりにいるのは、男連れか、化粧ッ毛のない
アベックや若夫婦、そんなのばっかり。

「キラ、やはりオーブだな。こんなの、もう出てるよ。しかも、安い」
「トール、ちょっと買い過ぎだよ。お金足りるの?」

「ここで見て買わずに帰れるか。キラ、貸してくれ」
「僕も、そんなに余裕無いのに。ミリィはある?」

「私はパス……」私は、そっけなく答える。

ここは、ミナシロの電気街。パソコンとアニメとマンガの街。そりゃ、首都ほどじゃ無いけど、
ここも、結構、物は揃っている。でも、せっかく、ミナシロまで来て、こんなとこに……

トールは、なおも、お金を借りようとねだるけど、帰省のシャトル代で、私の財布は、すっからかん。
ここで散財するとヘリオポリスに戻れなくなる。

「ほら、ミリィの欲しいって言ってた新型のPDAだよ」キラの言葉。
「あ、これ欲しかったんだ。手持ち無くて買えないけど」私の声のトーンが変わる。

「ちょっと、いじってみたら」
「うん、いいな。いいな」

キラと肩を並べて、狭い画面を覗きながら操作する。まあ、私も、ここ楽しんでるけどね……

やがて、大量に買い込んで満足したトールは昼の食事にと場所を移動しようとした。

「何食べる?」
「牛丼」とトール。
「カレーライス」とキラ。

「せっかく、ミナシロなんだから、もっと、いいもの食べようよ。ショッピングモールとか行ってさ」
私は提案する。

「それじゃ、僕の知ってる店に行こうか。モールの中にあるやつ」キラが言った。
「行こう、行こう」 私はキラの提案に乗って足を進める。

「高かったら、キラの、おごりな」
「大丈夫だよ、トール」

後ろで、まだ話をしているトールとキラに先立って歩いていた私の目に、近くの店の
ショーウインドウに飾れられているものが目に入った。私は通り過ぎながらも足を緩め、
そして、財布の中身を思い出して逡巡する。

電気街から少し遠ざかったころ、私は決断を下した。既に追い付いていたキラとトールに声をかける。

「私、ちょっと見たいとこ思い出しちゃった。二人、先に行っといて」
「すぐなら、一緒に行くよ。ミリィ」

「いや、いいの。先に行っといて」
「じゃ、ショッピングモールで。分からなくなったら携帯で連絡して」

私は、一人電気街へ戻った。そして、さっきの店に駆け込んだ。
ここで見つけたのは、ヘリオポリスでは、即売会はおろか、ネットオークションでも、
どうしても手に入らなかった伝説の801同人誌。それはそれは、エロエロな逸品。
過去販売された分も含めて、5冊のセット。プレミア付いてて、正直手持ちギリギリだけど、
ここで見て買わずに帰れる訳無い!!

私が、ネットで、いやらしいサイトに出入りしたり、エロな同人誌を大量に買い込んで、
寮の部屋中積み上げていることは、みんなには内緒。特に、キラには秘密中の秘密。

数分後、私は、すっかり軽くなった財布の代わりに同人誌の入った紙袋を下げて、
嬉々とした気分で、ショッピングモールへ足を進めていた。

272ミリアリア・あの子許せない 作者:2004/04/12(月) 04:34
>>過去の傷
カガリがアスランから取り返したハウメアの護り石はフレイ様のもとに。それよりカガリ未成年だろ。
酒飲んでいいのか? ミリィは来週結婚って、そんな馬鹿な……

>>リヴァオタ
一番は魔太郎ですか。私はA作品だと黒ベエかな。怪物くんは別格。F作品だと「みきおとミキオ」も。

>>The Last War・Inside
このキラの言う『フレイ』は、本物のフレイなのでしょうか、それともネメシスのことなのでしょうか。
まあ、キラにとっては同じなのかもしれませんけど。アレクセイとの戦いを最初避けようとした気持ち、
よく分かりました。キラの右手が、元に戻って良かったです。さあ、アスランと共に戦いを終わらせるんだ。

273過去の傷・105:2004/04/12(月) 17:59
「形だけの結婚よ、オ−ブで正式には式を挙げるの」
キラはよもや冗談だと思っていたのだが、ミリアリアは本気で来週結婚したいのだそうだ、しかし二人ともまだ年齢は18歳にすらなっていないのだ、さすがに無理すぎると思うのだが・・・。
「そんなにミリィは僕と結婚したいわけ?」
「ええ、今すぐにでも」
そうよ、絶対に私と結婚して一緒になってもらうわよ、プラントに逃げようが追いかけていくからね私・・・。
「・・・そうだね」
「キラ・・・いい家庭作ろうね」
「うん・・・」
そうか、このゆくもりだ、ミリィは優しい、この子と結婚するんだ僕は、この子はこんな僕を必要としてくれてるんだ、僕はそれに答えよう。

その夜のことである。
「キラ探してたんだから」
キラは通路でばったりフレイと会ってしまったのだ。
その数分後。
キラはどこに行ってのかしら?私はもう・・・。
ラクスさんに見つからないようにしなきゃ。
「あら、ミリアリアさん」
「え・・・?ラクスさん・・・?」
「はい」
ラクスは微笑んだ。
そんな時だった。
「キラそんなんじゃ分かんないわよ、ちゃんと話を!」
「話なら十分しただろ!」
喧嘩した若い男女の声が聞こえた。

274リヴァオタと八アスのためでなく:2004/04/12(月) 19:41
ある雑誌にはこう書かれている
『今、子供たちの間にドラえもん人気がある。その人気につられて過去の
 藤子作品がリリースしている。ドラえもん以外の藤子作品に興味を
 もった、小学生たちがそれを読んでいる、子供たちは「ドラえもん」を
 はじめ 「パーマン」「プロゴルファー猿」「怪物くん」「オバQ」
 「バケルくん」「ハットリくん」「みきおとミキオ」「キテレツ」
 「チンプイ」「21えもん」「エスパー魔美」「ポコニャン」「ビリ犬」
 などがある、小学生たちはそれらの単行本を買い、コロコロでは藤子漫画の
 再録などがある。藤子フェアは子供たちの間に大ブーム、そのなかに今、
 小学生を熱狂させている漫画が登場したそれは「魔太郎が来る」である。
 最初にコロコロに掲載されたとき、子供から大反響を呼び、単行本が販売される
 やいな、各書店の本屋から品切れが続発した、こうして小学生の間で「魔太郎」が
 はやり始めた、アンケートで10人のうち9人が「魔太郎」の単行本を持っていると
 いうのだ』
「なっニコル、本当面白いんだよ」
「そうかなぁ、僕はドラえもん好きだけど」
「一度読んだら面白いよ」
ロランは二コッとニコルに笑った。

275流離う翼たち・454:2004/04/12(月) 23:56
 雨の中に飛び出したフレイを探す為に飛び出していったキラたち。店に残ったキースは仲間が居なくなった事を確認すると、いきなりアズラエルの胸倉を掴み挙げた。

「貴様、どういうつもりだ。ここで俺に殺されたいのか?」
「殺すねえ。本当に殺せるの?」

 挑発するようなアズラエルの言葉に、キースは仕方なくその手を放した。ここでこの男を殺すのは簡単だが、もしそうなればアークエンジェルクルー全員に罪が及ぶ可能性さえある。悔しいが、目の前の男は連合にとってそれ程に重要な位置に居る。
 だが、怒りに顔を赤くするキースに変わって、サザーランドがアズラエルをたしなめた。

「アズラエル様、キースの事は周囲に言いふらして良い類ではありませんぞ。些か軽率すぎます」
「サザーランドは真面目だねえ。でも、キースも悪いよ。何でコーディネイターなんかを放って置くのさ?」
「俺は別にお前と違ってコーディネイターに生理的嫌悪感を感じてるわけじゃないんでな。戦友をどうこうする気は無い」
「相変わらず、優等生だね」

 やれやれとアズラエルは肩を竦める。そう、アズラエルはコーディネイターに生理的嫌悪感を感じるタイプなのだ。確かに仕事が絡めばそんな物押さえ込むし、必要とあれば幾らでも心にも無い台詞を吐く事が出来る。だが、今回は違った。アズラエルはコーディネイターのキラがその場に居る事に耐えられなかったのだ。だから理性的な言葉に感情を交えてぶつけてしまった。
 だが、フレイにあそこまで言う気はなかったのだ。それに関してはアズラエルも少し反省していた。

「悪かった。確かにあのお嬢さんを追い込んだのやり過ぎだった」
「今更言っても遅い。これからどうする気だ?」
「そうだねえ。まあ、こちらにも些かの非はあったし、何かアークエンジェルに有利になるような手を打たせてもらおう。それでどうだい?」
「フレイへのフォローはこっちに押し付けか?」
「そういうのは専門外でね」

 完全に他人事の口調で言うアズラエルに、「こいついつか殺る」と幾度目かの決意をするキースであった。
 
 一方、外に飛び出したフレイを探し回ったキラたちは、地理不案内もあってフレイの足取りを全く追うことが出来なかった。アジア特有の猛烈な雨もフレイの姿を隠してしまっている。結局その日はもう無理だと判断し、フラガの号令の元に彼らはそれぞれの宿舎へと引き上げたのである。




 軍務を終えて基地から官舎へと戻ろうとしていたアルフレットは、途中の路地で人影を見つけ、首を捻ってしまった。こんな雨の中、傘も差さずにあいつは何をしているんだ? しかもその人影は赤い女性兵用見習服を着ている。
 さすがに不信に思ったが放っておくこともできず、アルフレットはその兵士に声をかけた。

「おい、こんな雨の中で何してるんだ。風邪ひくぞ」

 自分の声が聞こえたのだろう。その少女兵はゆっくりと振り返った。その顔に見覚えのあったアルフレットはまた驚いてしまった。

「お前、アークエンジェルのフレイ・アルスター少尉じゃねえか。こんな所で何してるんだ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 答えないフレイ。その瞳には光が無く、その顔色は冷え切って血の気が無い。仕方なくアルフレットはフレイを傘に入れた。

「たくっ、しょうがない奴だな。とりあえずキースにでも迎えにきてもらって、アークエンジェルに帰れ」
「っ!」

 帰れと言った途端、フレイの肩が震えた。初めて目の焦点があい、アルフレットを見上げてくる。

「・・・・・・嫌・・・・・・」
「あん?」
「戻れない・・・・・・私、キラに会えない・・・・・・」
「はぁ、何言ってるんだ、お前は?」

 アルフレットは訳が分からず聞き返したが、フレイは帰りたくないの一点張りで要領を得ない。ただ、その目が余りにも弱々しい事、どうにも情緒不安定なことが気にかかった。たんなる喧嘩というわけでもないらしいと悟り、仕方なく妥協案を出した。

「分かった分かった。とにかく、こんな所に居たら風邪をひくぞ。帰りたくないなら、今日は俺の家に泊まれ」

 アルフレットの提案に、フレイは少し悩んだ後、こくりと頷いた。それを見てアルフレットは傘にフレイを入れたまま歩き出したが、内心ではなんでこんな事になったのやらと思っていた。

276流離う翼たち・作者:2004/04/13(火) 00:09
ミスりました。フレイ様は赤い見習い服じゃなく、白い士官制服を着てます。

>> ミリアリア・あの子許せない
ミリィ・・・・・・君って奴は、まさかそういう方面の人だったとは
でもキラとトールも結構マニアな人みたいですし、お似合いか?
何気にトールに対するミリィの反応が酷いです

>> 過去の傷
どんどん妖しい関係が進んでいく。マリューさんがここに居たら今度こそ胃潰瘍で倒れるかも
フレイ様がサイと化してますが、さてどうなるやら

>> リヴァオタと八アスのためでなく
すいません、ネタが分らなかったです。あの方の作品には詳しくないので

>> The Last War・Inside2/2
キラは過去の清算ですな。アレクセイを倒せるのか、それとももう一度話すのか
何気にアスランは壊れキラに似てますな。でもアレクセイも種割れるし
キースはキラの天敵です。実はキースは初期の頃からキラを知ってる素振りを見せてましたが、こういう理由があったんです。ちなみにキースがブルコスに入ったのも、この頃に最高のコーディを殺す為の教育を受けたからで、コーディ嫌いになったんです
キースを生み出した技術者を知ったら、キラは今度こそ再起不能かもしれません

277過去の傷・106:2004/04/13(火) 17:31
言い争う若い男女の声がして、ミリアリアはそちらに目を向ける、ラクスは物陰に隠れて見ている。
姿を見せたのはキラと彼女に追いすがるフレイだった、キラはミリアリアの姿をみとめ、助けを求めるように駆け寄った。
「ミリィ!」
キラはミリアリアの腕に両手でしがみつき、その背後に隠れた、女の子に追われて別の女の子に助けを求める・・・軍人でパイロットであるキラとしてはあまり人に見られたくないほど情けない光景でもある・・・。
「キラ!」
フレイはいらだたしげにキラを叱りつけるように呼ぶ。それに答えたのはミリアリアだった。
「どうしたの?」
冷たい目で私はフレイを見つめる・・・その私を見てフレイは戸惑ったような表情になるのが分かった。
「キラに話があるの、ミリアリアには関係ないわ」
「関係なくなんかないよ!」
ミリアリアの背後からキラが叫ぶ。
「だって僕、昨夜からはミリアリアの部屋にずっといたんだから!」
物陰に隠れていたラクスは顔が赤くなりそのまま退散した、そして事実上その場には三人だけが残った。
フレイはしばらく事態がのみ込めないない様子で、ぽかんと立ち尽くしていた・・・信じられないといった様子だ。
「ど・・・・・・どういうことなの・・・・・・キラ、貴方・・・」
震える声でフレイが言いかけると、キラはその言葉を断ち切るように叫んだ。
「どうだっていいだろ、フレイには関係ないよ!」
ミリアリアの手に回していた両手に、ぎゅっと力がこもる。
そうよ、キラはもうフレイの物ではないの・・・私の物になったのよ、これで私も一人寂しい思いをしなくてすむわ。
「関係ないですって?関係ないってどういうことなのよキラ!」
声を荒げてきたフレイに私は強気に言った。
「もうその辺でいいじゃない、フレイ」
「・・・ミリアリア?」
まさか私が口をはさむとはフレイも思わなかったのか、驚いくようにフレイは私を見た。
「どう見てもあんたが、嫌がるキラを追っかけてるようにしか見えないんだけど」
「・・・なんですって・・・?なによそれ・・・」
フレイの目が言っている、あんたも私を裏切るの?・・・と。
私は思わず目を伏せた。
「もう・・・みっともない真似やめなさいよね、場違いよ」
私はこれ以上フレイと話をするのは耐えられなくなった、フレイに背を向けると私は部屋に向かって歩きはじめた、キラが私に寄り添ってくるのが分かった。
「・・・ちょっと待ちなさいよ・・・」
小さくフレイが呟く、しかしその言葉にはあきらかに怒りがこもっていた。
「ミリアリア・・・この!」
フレイが背後からつかみかかってきた。
「きゃああ!」
そして地面に突き放された。
「・・・うう・・・」
「ミリィ!」
キラがミリアリアを気遣う、しかし彼女はそれを拒否するとフレイにつっこんでいった。
フレイにタックルをかませる。
「きゃああ!」
おもむろに倒れるフレイ。
「・・・はあ・・・はあ」
「やったわね・・・」
たまらずキラはミリアリアを守るように前で出て叫ぶ。
「やめなよ二人共!」
フレイとミリアリアは立ち上がった。
「もういいかげんにしてくれフレイ・・・」
「キラ!?」
フレイが目を大きく開く。
「ミリィは優しかったんで、もういいんだって、もういいのって・・・ト−ルを守れなかった僕を許してくれた、心から・・・」
フレイは驚いたままだ、なにも言い返すことが出来ないのか・・・。
「フレイ・・・君は僕の手を拒絶した・・・嫌がった、僕もやっと素直に君を好きになろうとしていたのに・・・それなのに・・・君は僕になにもしてくれなかったじゃないか!!!僕が君にどれだけ傷つけられたか・・・うう・・・」
もう声が出ないのか・・・そして泣いた。
そのキラにミリィが優しくフレイに見せ付けるように肩を抱く。
「大丈夫よ・・・私ずっと貴方の側にいるから」
そして私はフレイを睨みつけた、そう・・・もうキラはあんたの物じゃないのよ・・・やっと開放された、ト−ルがいない寂しさから・・・やっと新しいぬくもりが出来つつあるの、それなのにこの女はそんなかすかなぬくもりを奪おうというの・・・?
キラは見る、やっぱりキラは可愛い、そしてこのぬくもりも・・・もうこの子なしでは生きていけないわ。
「なによ・・・あんただってキラを利用しようとしてるんじゃないの!そうじゃないの!?ト−ルをこの子が守れなかったから、違うの!?」
フレイは私を睨みつけると叫ぶように言ってきた。
「違う・・・あんたなんかと一緒にしないで!私はあんたとは違うわ!私、キラが好きなの、利用するためにキラと寝たんじゃないわ!」
しまった・・・。
フレイの表情が消えた。
「・・・え・・・?ミリアリア・・・あんた・・・いまなんて言ったの・・・?」

278過去の傷・作者:2004/04/13(火) 17:51
彼女に追いすがるではなく彼に追いすがるの間違いでした、すいません・・・。

>>ミリアリア・あの子許せない
ミリィ、君そんな趣味が・・・怖いです・・・。
っていうかト−ルは彼氏でしょ、もっとなれなれしく接すしたほうがいいかと・・・。
それにしてもKのミリィある意味可愛いですねw
>>The Last War
これはキラの・・・やはりフレイ様は出てきましたがネメシスかどちらなのか気になるところですが、さあアスランを救いだしてあげてください。
>>翼たち
フレイ様迷い込んだか、しかしアルフレットさんのところにいるとは。
しかし誤解されないように・・・大変ですねいろんな意味で。
フレイ様がキラに会えないというのは手を振り払ったことに対してなのでしょうか・・・?

279リヴァオタと八アスのためでなく:2004/04/13(火) 22:14
>ガロード、他人を巻き込むのはどうかと・・・
ジェリドやっつけたんだからいいだろ
>爆破ですか!また過激な・・・(笑)
日本に住んでいていいけど、イラクはこういうことは日常茶飯事なの
>のん気に美術館に行ったりして、相変わらずヘンな人達ですな。
あんな小説はノストラダムスの予言と同じもん、当たりっこないって
>ジェリドが爆死・・・。ちょっとスカッとしたというのは酷いでしょうか?
大藪の小説は悪党がもっとひどい死にかたしている、こういうやっつけかた
好きなのよ。
>三人ドラえもんコスプレ笑えました。何者?
魔太郎ファンのドラえもんのコスプレをした不良
>一番は魔太郎ですか。
質は僕自身も魔太郎好きなんですよ。知らない人はキテレツのような漫画
だと思ってください。トンガリとブタゴリラのようなキャラがいないので
注意。みよちゃんのようなキャラはいますよ。
>ニコルの声優さんって、変わったんですか?
ニコルが死んだあと、摩味さんがアメリカ行って、総集編では朴路美に変わり
ました。
>ギレンは何がしたかったんでしょう?
ギレンはブルコスの株を買い占めてブルコスを乗っ取るつもりでした。
>お久です。コロ助口調で喋るのはキシリア閣下?
小山さんはキテレツでコロ助やったナリ
>ダシ取りに生肉は不味いと思います
都市伝説で手首の入ったラーメンがあって、汁の味がうまかったという。
>MS族って、騎士ガンダム?
「機動戦士SDガンダム」みろ、MSが日本語しゃべっているぞ
>でもガロードが教師って・・・。やっぱり声優ネタですか?
そーですー!
>これは小説のタイトルだったんですねえ。でも、まるで預言書何故にこれが
>売れたのかが謎ですが
売れた売れた売れまくったベストセラーだ
>あのかっこいいシュタイナーが墓荒らしですか。
あのねぇ、シュタイナーはソーセージを作る肉のコストを削るために墓荒らし
して死体の肉使ってんの。
>エリシャはVに出てきた女の子
エリカ・シモンズと同じ声です
>エリス・クロードって、Gジェネのオリキャラの人ですか?
そうです。声はカテジナのナベクミ
>ガロードが教師・・・・・・世も末だな。
鬼塚はどうなんだよ

280私の想いが名無しを守るわ:2004/04/13(火) 22:38
過去の傷>>
一時期はやっといい方向に話が展開してたのですが、ここ最近また
泥沼展開ですねえ。やっとフレイ様が良い感じになったのに今度は
ミリィが・・・。いつまでこの状態が続くのでしょうか?フレイ様は
勿論、ミリィもキラも好きキャラなので少し辛いです。

流離う翼>>
キースはキラを倒すために教育されたのはショックでした。
彼はキラ個人を知ってもキラを嫌いなのでしょうか?

281流離う翼たち・455:2004/04/13(火) 22:54
 官舎に戻ったアルフレットは、フレイに着替えとバスタオルを放ると、バスルームを指差した。

「とりあえずシャワーでも浴びて服を着替えろ。まったく、いい年して何考えてるんだか」
「すいません」
「謝るならさっさと暖まってこい。風邪でもひかれたらかなわんからな」

 叱られたフレイは小さく頷くと、着替えとバスタオルをもってシャワーを浴びに行った。それを見送ったアルフレットは小さくため息を吐くと、上着を脱いでエプロンを手に取った。

「とりあえず、メシでも作るか。しかしまあ、何があったんだかねえ」

 夫婦喧嘩は犬も食わないが、子供の痴話喧嘩は虫も手を付けないに違いない。だが、雨の中で1人歩いていたフレイを思い出すと、単なる痴話喧嘩とも思えない何かを感じてしまう。我ながら自分の御節介ぶりに呆れてしまうが、そういう星の元に生まれたのだと諦めるしかないのだろう。

 シャワー室から出てきたフレイはアルフレットの物らしい大きなワイシャツを着て現れた。体格が違いすぎるのでワイシャツ一枚で体がすっぽり覆われてしまっている。
 でてきたフレイは顔を赤くしながらアルフレットの居るキッチンに来て、思わず目を丸くしてしまった。筋骨隆々の大男がエプロン付けて料理しているのだから、似合わないことこの上ない。ほとんどギャグの世界だ。
 フレイに気付いたアルフレットは首だけ向けた。

「おお、お嬢ちゃんか。もうすぐ出来るから、座っててくれ」
「は、はい・・・・・・・」
「少しシャツが大き過ぎたようだな。下着はさすがに無いから我慢してくれ。俺が女物の下着を持ってたらただの変態だからな」

 椅子に腰掛けたフレイは、大男が料理を腕を振るっているという奇妙な光景にしばし圧倒されていた。そして出来た料理を皿に盛り付け、並べていく。出来上がったのは見事なグラタンであった。

「まあ、遠慮せずに食べてくれ」
「は、はい」

 フォークを手に取り、パイ生地を破ってみる。中からはクリームと一緒に鰯の香りが漂ってくる。どうやら鰯グラタンらしい。意を決して食べてみると意外においしく、空腹感もあってフレイは嬉しそに口に運びつづけた。

「どうだ、悪くないだろ?」
「ええ、とってもおいしいです」
「単身赴任が長いからな。料理の腕も上がっちまった」
「単身赴任って、奥さんが居るんですか?」
「ああ、オーブにな」

 アルフレットはフレイより早く食べ終わるとフォークを置き、少し真面目な顔になった。

「それで、何であんな所で傘も差さずに突っ立ってたんだ?」
「・・・・・・・・・・・・」
「心配するな。事情が何であれ、今日は泊めてやるよ。その様子じゃ追い出すのも気が引けるしな」
「・・・・・・ありがとう、ございます」

282流離う翼たち・作者:2004/04/13(火) 23:00
>> 過去の傷
ああ、ミリィ口を滑らしましたね。
これでフレイ様は完全に二人から離れるかな。
フレイ様が会えないと言ってるのは、過去の自分と親父さんがブルコスだったからです

>>280
キースはキラを気に入ってます。幾度かキースはキラを気に入ってると言ってますから
ただ、キースはキラを殺す為に作られ、教育されたせいでブルコスに入ったんです
ちなみに、キースを引き取って育てたバゥアー父母はメンデルの研究員で、研究対象だったキースをメンデル襲撃時に連れて逃げ出した人です
コーディ憎しだったキースが丸くなったのはこの両親のおかげです。

283ミリアリア・あの子許せない 88:2004/04/14(水) 04:45
7.ミナシロのこと覚えてる? 5/12
[こら、ちょっとくらい謝りなさいよ]

ショッピングモールに着いた私は、その人ごみの多さにびっくりするとともに、キラと
トールの居場所を見つけるのは無理と判断し、キラの携帯に電話して、目の前の喫茶店の
名を言って、待ち合わせすると告げた。キラの方も店が混んでいて、席が空くのを待っていた。

「こっちも店に席とれたら迎えに行くよ」
「うん、了解」

私は喫茶店に入り、水を持ってきたウエイトレスに言った。
「待ち合わせで、すぐ出るので、水だけでいいですか」
「そう言う訳には参りません。何か注文してください」

「一番安いのなんですか」
「ブレンドです」

「じゃ、それください」

注文を取ってウエイトレスが下がった時、私の後ろの席で囁く声がした。

「なんか、見てて、いやらしいわね。ああいう言い方」
「ビンボなんだから、悪いわよ。そういうの」
「そもそも、こんなとこに来るのが悪いんじゃない」

「まあ、そこまで言うことは無いけど。ちょっと、あまり好ましくないわね」

三人組の女性が、明らかに私をネタに話している。私は無視した。そういう言い方されることも、
一度じゃない。もう慣れっこだ。どんな人なのか気にも留めようとしなかった。

私は、キラの迎えを待ちながら、手元の紙袋の同人誌の内容に思いを馳せる。早く見たい
気持ちを落ち着かせようとする。いつの間にか、ブレンドコーヒーが運ばれてテーブルの端に
置いてあるのさえ、気づかずにいた。

「それじゃ、デートがんばってね」
「後で、ホテルの得点聞かせてね」
「ちょっと、そんなんじゃ無いって言ったでしょ。パパの仕事のパーティなんだから」

「分かった、分かった。じゃね」

やがて、後ろの三人組の二人が出て行った。残った一人も、しばらくして席を立つ。両手に
一杯の紙袋をかかえて私のテーブルの横を通り抜ける。その時、紙袋がコーヒーカップに触れた。
カップが跳ねる。隣の水の入ったコップが倒れる。

「や、何よ!」その女性が、大声で叫んだ。
「冷たい!」私は、それどころじゃ無い。コップの水がスカートにかかって水びたし。
慌てて大切な同人誌の入った紙袋をどかして、ハンカチでスカートとストッキングを拭く。

「ちょっと、上着にコーヒーの雫付いちゃったじゃない。どうしてくれんのよ」
その女性は叫んでいる。頭には唾の広い帽子を目深にかぶり、大きなサングラスをかけている。
そして、夏用の白い上着を羽織っている。その子も、紙袋を床に降ろしてハンカチでコーヒーの
雫を拭いている。

「冗談じゃ無いわよ。こっちこそ、水かけられて、いい迷惑だわ」
「これ高いのよ。染みになったら、どうすんのよ。ああ時間だ。まったく、何て災難かしら」
その女性は慌てて紙袋を拾うと清算して店を出て行った。

「こら、ちょっとくらい謝りなさいよ。ちょっと!!」

まったく、何考えてんのよ、あの子。
私は、腹を立てながら、同人誌の入った紙袋に目をやったけど、あるはずの場所には、
何も無い。まさか、あの子が間違えて持って行った? あの、貴重なものを……

「ちょっと、待ちなさい。アンタ」
私は店を走り出ようとした。ウエイトレスに止められる。

「お願い、大事なもの間違えて持ってかれちゃったのよ。行かせて」
「清算が済むまでダメです」

そんな、いざこざの中、キラが喫茶店に現れた。
「ミリィ、お待たせ。店の座席、トールが取ってるから。行こう」
「キラ、いいところに。ここの支払い、お願い。私、急ぐから!」

「どうしたのミリィ?」
同人誌と言おうとして、私は慌てて言葉を飲み込んだ。
「大切な買い物の紙袋を、さっき、間違えて持ってかれちゃったの。私追いかけるから」
「ちょっと、ミリィ?」

私は、キラを置いて、喫茶店から飛び出した。人ごみの中、既に、あの子の姿は無い。
私は、キョロキョロと見回しながら、アチコチを走り回る。やがて、支払いを済ませたらしい
キラが追い付いてきた。
「ミリィ、どう見つかった?」
「ダメ、見つからない」

「安いものなら、僕がもうひとつ買うよ」
「ダメ、安くもないし、もう、アレだけなの。絶対に見つけなきゃ」

「そこまで大事なものって何なの?」
「何でもいいから。キラ、トールも呼んで、一緒に探して」

「食事は?」
「そんなもの、後でもいいから」

「分かったよ。トールを呼んで来る」

走っていくキラの背中に私は声をかける。
「あ、キラ。ついでにハンバーガーも買ってきて。ポテトとジュースも」

とりあえず、さっきの喫茶店代と、お昼は、私の財布は傷まずに済んだようだ。

284ミリアリア・あの子許せない 作者:2004/04/14(水) 04:50
一応、現在の章の1話で書いときましたが、この時点ではトールとミリィは彼氏・彼女になっていない設定です。
フレイとも、まだ知り合っていません。別に見返す必要も無いけど、うちのSSでのミリィの趣味については、
ミリィSS第一部でも「オーブ・フレイの心」にも書いてました。

>>過去の傷
ついに修羅場やってしまいましたな。ラクスは退散?聞いていたらミリィただじゃ済まなかったろうけど。

>>リヴァオタ
他は大抵読んでるけど、魔太郎だけは読んでない。そうだったんですか。ロランって情報通ですな(笑)

>>流離う翼たち
アルフレットさん、やっとここでフレイ様に関ってきましたな。なんか理想的で頼りになる大人の軍人像が
溢れ出てます。もう、TV本編のとは大違い。キースの両親の話、もったいない。ちゃんと小説で読みたかったよ。
本編のキャラとの絡んだ話で…… もう出てましたっけ。

285過去の傷・107:2004/04/14(水) 12:45
つい夢中で言ってしまった、キラと寝たことを白状してしまった。
「寝た・・・?キラとミリアリアが・・・?どういうことなの?キラ?ミリアリア?」
少し戸惑っていたミリアリアだが、強気に。
「そういうことよ、フレイには関係ないでしょ、つまり私達はそこまでの関係になってるってことよ」
「そうだよ、フレイには関係ない、僕がミリィと寝ようが勝手だろ!」
フレイはまだ現実がのみ込めない様子だ。
「キラなに馬鹿なこと言ってるの?」
「もういいでしょ」
いままでキラとの仲を見せつけていた女を見下すように見つめるとキラの手に優しく触れた。
「キラ・・・私は優しくしてあげるから・・・包んであげるからね」
「ミリィ・・・うん」
ミリアリアは部屋に向かって歩き出す。
「ミリィ!」
キラもミリアリアの後を追う。
「あ、キラ!」
フレイがキラを行かせまいと肩を手でつかむ、しかし瞬時にキラは振り返りフレイを睨みつけ、手を振り払うと急ぐようにミリアリアの後に続いた。

ミリアリア・・・あの子よくも・・・キラの前であの子は私に恥をかかせた、私のプライドは完全に引き裂かれた、一昨日なんで・・・無意識とはいえなんでキラの手を拒絶したりしたのかな、私は後悔した、キラが私に逆らった・・・私に・・・。
フレイはその場に崩れる。
「まったく手間がかかるな、お前は」
「え・・・?カガリ・・・」
側に来たカガリが手を差し出す。
「ありがとう」
フレイは微笑んだ。

カガリを部屋に戻したあとフレイは一人休憩室で休んでいた。
「・・・・・・」
信じていたプライドがずたずたにミリアリアに引き裂かれた、なんで・・・?なんで・・・?
「あらあら?フレイさん?」
「ラクス・・・」
ラクスが休憩室に入ってきた。
私はいまイライラしていた。

勝った、私はフレイに勝った。
「キラ、これでフレイはもうあきらめるはずよ」
「だといいけど・・・」
「じゃあ来週楽しみね、私達の結婚」
「・・・・・・」
キラ・・・貴方はト−ルの代わりでしかないのよ、でも・・・まあ愛してあげる、キラ離さないからね、それに貴方のことも好きよ、好きだから結婚してあげるの、貴方の意思に関係なく・・・。

286流離う翼たち・456:2004/04/14(水) 23:16
 落ち込みながらも礼を言い、フレイはぽつぽつと語りだした。自分がどうしてあんなところに居たのかを。

「私、前はヘリオポリスに住んでたんです」
「ヘリオポリス、あのザフトの攻撃で破壊されたっていうオーブの工業コロニーか」
「はい。そこからアークエンジェルに拾われて地球を目指したんですが、アークエンジェルを出迎えてくれた艦隊に、パパが乗ってたんです」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「でも、私の目の前で、パパの乗った戦艦は沈められました。その時、ストライクに乗ってたのが、キラというコーディネイターだったんです」
「あの坊主か」
「私はパパを守れなかったキラを憎みました。パパを殺したコーディネイターを憎みました。だから、キラも戦って一人でも多くのコーディネイターを殺して、そして死ねばいいと考えたんです。その為にキラが軍に残るように仕向けて、戦わせて、喜んでたんです」
「・・・・・・・復讐か」

 その気持ちは分からないでもなかった。戦争が始まって以来、そういう奴は多い。だが、フレイのそれは少し事情が違うようだった。

「でも、キラは優しくて、弱くて、だんだん憎めなくなって、気が付いたらキラの事好きになってて・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「一度は別れたんですけど、もう一度やり直そうって事になって。最初はぎこちなかったんですけど、何時の間にか普通に話せるようになって、あの頃のことを忘れてて・・・・・・・・・」

 このまま全てを忘れてやり直せると思っていたのだ。回りがどうであれ、自分たちには関係がないと。だが、父親がブルーコスモスだと知ったとき、全ては壊れてしまったのだ。ブルーコスモスの娘がコーディネイターと恋仲になるなど、余りにも異常だとしか言いようが無い。結局自分たちは最後まで間違っていたのだ。
 だがフレイの話を聞いていたアルフレットはマグカップに淹れたコーヒーを音を立てて啜ると、不味そうに顔をしかめてそれをテーブルに置いた。

「ちっ、官給品は相変わらず不味いなあ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「それで、お嬢ちゃんはそのコーディネイター、確かキラ・ヤマトだったか、ときっぱり縁を切りたいと、つまりそういうことか?」
「・・・・・・・・・はい」
「親父さんがブルコスだったから、キラには相応しくないと?」
「はい」

 アルフレットの問いに頷くフレイ。アルフレットはそれを聞いて小さく鼻を鳴らし、また不味いというコーヒーを口にした。

「へっ、くだらねえ悩みだな」
「・・・・・・どういう事です?」
「親がブルコスだからコーディとは付き合えねえ、か。その程度の覚悟しかねえなら、さっさと別れて正解だって事だ」

 アルフレットの答えにフレイは怒りを覚えたが、すぐにその怒りが萎えてしまった。この人の言う通りだと分かってしまったから。目に見えて落ち込むフレイの様子など気にもとめず、アルフレットは話を続ける。

「さっさと気付いて良かったじゃねえか。まだ若いんだし、これから幾らでも出会いなんてあるぞ。そんなコーディネイターとはさっさと別れてもっと良い男を捜しな」
「・・・・・・でも、キラは何も悪くないのに」
「何言ってやがる。お嬢ちゃんの言い分なら、そいつがコーディネイターだって事がすでに悪い事なんだろうが」
「それは、その・・・・・・」
「まあ別に珍しい話じゃねえよ。交際相手がコーディネイターと気付いた途端、相手を嫌って別れるなんてのは良くある話さ」

 突き放すようなアルフレットの言葉。だが、それは何よりもフレイの心に深く突き刺さった。そう、それが、今の世界の常識なのだ。

287流離う翼たち・作者:2004/04/14(水) 23:26
>> ミリアリア・あの子許せない
何と言うか、恐ろしい出会いですな。最初の接点が喧嘩で次が同人誌・・・・・・
何となくミリィがフレイ様嫌う理由が分かったような気がw
キースの両親は出てきてません。キースの背景キャラですから、フレイ様には全く絡まないので出してないのです。設定等は出来てるので書くことは出来ますがね。
ちなみに、キースを強化した研究者はオフィシャルキャラでキラの関係者ですよ。

>> 過去の傷
ミリィさん、そんな怖い事考えちゃいけませんってば
平和なのはカガリだけになってしまったようですな。
そういえば、虎とダコスタ君は何処に行ったんでしょう?

288ミリアリア・あの子許せない 89:2004/04/15(木) 03:11
第2部 7.ミナシロのこと覚えてる? 6/12
[昨日別れたばっかなのに]

「鍔の広い帽子にサングラス。白い上着で、その下は?」とトール。
「なんかパーティドレスみたいなの」私は答える。

「顔は覚えていないんだよね」キラは言う。
「うん」

「これだけで、捜せっていわれてもな」

ショッピングモールとデパートやビジネス街は、いくつもの橋や通路で繋がれている。
私達は、そこで、眼下の車や人の流れる様を眺めながら、キラの買ってきたハンバーガを
頬張りつつ話をしている。

「あの人は?」
「違う」

「あの子なんかどうだ」
「違うわ」

キラとトールは、通路をアチコチを見回って、通りを歩く、それらしい人影を捜すけど、
中々、本人を見つけることはできない。

「なんか、手がかりあればな」私は欄干に肘を付き、手を頬に当て、頬を膨らまして呟く。

「ふうん、俺の写真の中には、そういう子いたかもな」
「へえ、どれ、あ、この子よ」
私はデジカメのモニタを見て叫んだ。
「ふうん、こんなのか」とトール。
「なんか、ファンッションモデルみたいだね」とキラ

「ありがとうカズイ、恩に着るわ」
そう言ってから私は気づいた。カメラバッグとデジカメを抱えたカズイが、いつの間にか、ここにいる。

「カズイ、なんでここにいるの?」
「いや、せっかくの休みだからオーブに撮影旅行にと」

「両親とは、いいのかい」とキラ。
「俺、自宅通学だよ」

「なんで、俺達と一緒に、来なかったんだよ」とトール。
「ファーストクラスにいたから」

そう言えば、カズイはパソコンでもデジカメでも、結構、こづかいで揃えているのだった。
裕福な家庭が羨ましい。

「しかし、昨日別れたばっかなのに、もうゼミのメンバーが四人まで揃うとはな」
「これで、サイがいれば、勢揃いだね」
「サイは、首都の高級住宅街だし、いくらなんでも、それは無いでしょ」

話し合う三人を尻目に、カズイは言った。
「でも、あそこに見えるオープンカフェに座ってるのは誰だろう?」

私達三人は口を揃えて言った。
「サイ!」

なんと、橋からすぐ近くのビルのテラスにあるオープンカフェにサイが座っている。しかも、
ジャッケットにネクタイ姿と、やけに着飾っている。

「デートだ。これは、相手を聞き出さないと」トールは駆け出して行った。

「トール、やめときなよ」キラは追いかける。
「ちょっと、待ちなさい。トール、キラ」私も後を追う。

「じゃ、俺はこれで」
「ダメよ。一緒に来なさいカズイ」
逃げようとするカズイを、引っ張りながらオープンカフェのあるテラスに辿りついた時には、
トールのサイへの質問攻めが始まっていた。

「ちょっとぉ! トールとキラだけでなく、ミリアリアにカズイまで! 君たちぃ、何やってんだ」
サイは、あまりの気まずさに、声を裏返らせたようにトーンが変わっている。

「何やってんだは、こっちだぜサイ。デートだろ。相手はどんな人」
「トールやめなって」
「いいかげんにしなさいトール」

「何言ってんだよ。キラやミリィも興味あるだろ」
「どんな娘か知りたいけど。って、トール、だからサイに悪いって」
「興味無いことも無いけど。って、トール、それどころじゃ無いでしょ。さっさと来なさい」

キラと私の返答に、サイは、もはや可哀想なくらい顔を引きつらせている。

「ミリアリア、それどころじゃ無いって?」
でも、表情をこわばらせたままの苦し紛れの質問がサイの福音となった。

「ミリィが、さっき買ったもの、間違って持ってった人捜してるんだ」とキラ。
「何を?」
「何でもいいから、つまんないものよサイ」私はキラを押しのけるようにして誤魔化す。
「そうそう、ミリィは、親に締め……」話しかけたトールの口を塞いで引き戻す。

801同人誌のことは誰にも知られてはいけないし、両親からの締め出しも、この二人以外に、
口外するのは恥ずかしい。

「サイ、ごめんね。この二人、私がなんとかするから」
「はあ」

サイは救われた。私は、トールの耳をつまみ、キラの腕を掴んで、オープンカフェを後にする。
「痛い、痛いよミリィ」
「ちょっと、ミリィ、何で僕まで」

「どうしたんだ? ミリアリアは」
「なんか、ファッションモデル風の女を捜しているらしいよ」

やっと、落ち着いたようにサイはカズイと話をしている。

「カズイ、あなたも早く来るのよ。さあ!」
私の声に、カズイは怖々と付いてきた。

サイは、いきなり来て、嵐のように去って行った私達をポカンとした顔で見つめたままだった。

289ミリアリア・あの子許せない 作者:2004/04/15(木) 03:21
>>過去の傷
もう、一種爽快なくらい、各女性キャラが泥沼に。アスランは、しばらく出ませんが、出なくて正解かな。

>>流離う翼たち
ちょっと前ですが、454 のアズの話。生理的嫌悪感ということですが、病気でも無いのに遺伝子を
いじったことに対する、潔癖さゆえの嫌悪という初期のフレイ様と同じことが理由なのかな?
そうすると、キースにも半端じゃない嫌悪感を感じているのでしょうね。だから仲が悪い?

なんか、本気でフレイ様、アークエンジェルを降りてしまいそう。
アルフレットの弁だと、親がブルコスなのも悪い原因になってしまいますな。
こういうことにこだわると、次の男選びに一生付いて回って、結局、手近なブルコス関係者を
安易に選んでしまいがち。フレイ様、こちらについても早く心の整理をつけた方が……

キースの両親の件、残念ですが無理は言えませんね。これだけの群像劇だし、コーディネータという
異分子への心の見方の変化が、SSを創る上では、フレイ様のテーマのひとつでもありますから、
対比的な意味で絡ませられないことは無いと思いますけど、作者さんのストーリー展開の構想もありますから。

290私の想いが名無しを守るわ:2004/04/15(木) 04:27
>>ミリアリア
オーブ本国の描写は、なんか良いですね。帰省先でドタバタが
発生するというネタは何故か郷愁を誘います。チャームポイン
トの赤毛が捜索の手がかりにならないのも面白いです。
>>流離う翼たち
フレイ様はパパはパパ、自分は自分と分けて考えられなさそう
なので厄介ですね。前回の和解が、なんとなく棚上げ状態だった
ような気がするので、ここに来てこの展開は楽しみです。
>>過去の傷
結婚願望や独占欲は強いのに熱しやすく冷めやすいこのSSの
キャラに最近興味が沸いております。ウイルスのように
フレイ様→ラクス→㍉と伝染してますね。
>>リヴァオタ
ショタでも婦女子でもありませんが、ニコルとロランの組合わせ
は好きですね。ニコルがコンサバな趣味でちょっとホッとしてます。
ドズルに言われれば衝撃も二倍という感じですね。
>>The Last Wa
ラウも、ここまで書いてもらえれば、浮かばれます。キラが
ラウに対して、屈折した共感というか同情をしているのが面
白いです。もはや三大怪獣決戦という感じで、大変なことになりそうですね。
>>ヘリオポリス
フレイ様がイライラしているのが、よく伝わってきますね。
キラのことを下に見ようと頑張っているのが、かわいらしい
というか痛々しいというか。エリザリオの話もそれっぽいですね。

291過去の傷・108:2004/04/15(木) 12:56
フレイは少し考えると話した。
「ねえラクス」
「なんでしょう?」
「私、あんたと仲良くなれるかな?」
ラクスは少し驚いた表情をすると、苦笑いを浮かべた。
「私はコ−ディネイタ−ですよ?よろしいのですか?」
フレイは下を向いたが・・・。
「差別はいけないと思うわ、人は平等よ」
「はい・・・?」
「コ−ディネイタ−もナチュラルも平等よ、差別はいけないわ」
「はい、私もそう思います、でもまさかフレイさんがそんなこと言うなんて思いませんでした、去年のこともありますし・・・」
去年のこと・・・あれだ・・・。
(冗談じゃないわ・・・なんで私があんたなんかと握手しなきゃなんないのよ・・・コ−ディネイタ−のくせになれなれしくしないで!)
という発言をア−クエンジェルの艦内で丁度一年前ラクスに言ったことがあるのだ・・・。
「・・・私も・・・キラと親しくなっていくうちに・・・少しは考え始めたの、でも・・・いまでもキラ以外のコ−ディネイタ−はまだ好きにはなれないわね・・・あんたも」
「・・・・・・」
「でもあんたとは仲良くしたいわけよラクスちゃん」
「え・・・?」(ラクス・・・ちゃん?)
フレイは身を乗り出すと・・・。
「というわけで今日は泊めて!お願いラクスちゃん♪」
「・・・その呼び方をやめていただけるのなら、よろしいですよ」
「ほんと!?ラクス大好き!」
「あ・・・あの・・・フレイさん」
フレイはラクスに抱きついたのだった。
その光景をカガリが遠くで寂しそうに見つめていた。
(ラクスさん・・・よくも私のフレイを・・・貴女様にはアスランがいるはずだろ・・・)

「ねえ、キラもう明日結婚しましょ♪」
ミリアリアは甘えるような声で言いキラに抱きつく。
「いやさすがにそれはちょっと・・・」
「いいじゃない」
「せめてこの艦を降りてからとか」
「いや!絶対明日結婚するわよ!フレイに見せつけてやればいいのよ、私達の関係・・・」
いまのミリィはト−ルに接する感じで僕に接してきている・・・これは僕を認めた証拠か?
「だいたい年齢的にもまだ無理だよ」
「そんなのどうにでもなるわよ」
「いやならんし・・・」
私はこの子なしでは生きていけないわ。
「もうフレイのことはカガリに任せてあるんだ、実戦もさ、でももうフリ−ダムには乗せないよ」
「フレイの話は・・・他の女の話はしないで・・・」
「あ、ごめん・・・」
やっぱり無理かしら・・・でも私は決めたの・・・でもあの女にはならない・・・フレイのようにはならない。
「ミリィ・・・そのさ」
「・・・・・・」
黙って私はキラの肩に両手をかけキスをした。
長いキスだった、私はキラとキスするとき実感した、キラは私のものだと、やっぱりこの子なしでは生きていけないわ。

292過去の傷・作者:2004/04/15(木) 13:05
>>翼たち
よかったですね、フレイ様暖かい物が食べられて。
でも心の傷は深いかも・・・。
ダコスタ君はいますよ、少し前出したはずですが・・・虎はプラントです。
>>ミリアリア・あの子許せない
サイが可哀相に、ミリィはリ−ダ−みたいですね、女は強しだな、サイはミリィに感謝しないと。

293リヴァオタと八アスのためでなく:2004/04/15(木) 21:37
キラとフレイは交差点に行くと、前からドラえもんのコスプレした男が現れた
今日は、なんてコスプレをした人が多い日だ。
「ねぇキラまた変な人が」
「横向いとけ」
「なんで」
「ああいうのは目を合わせないのがいいよ」
「そう・・・」
そのドラえもんの男は写真で言えばこうである
http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Guitar/1658/d-119.jpg

キラとフレイはその男からとおりすぎようとしたとき
「おぅおぅ姉ちゃん、おめぇ俺の子分をイオナズンで吹っ飛ばしただって?」
「なんのことかしら・・・」
「とぼけんじゃねぇよ、俺たちは「魔太郎ファンクラブ」の会員さまなんだぜ!」
「それがなんなのよ」
「おめぇ魔太郎、軽蔑しているな、そうかお前はキテレツが好きだな!ショタが!」
「魔太郎とキテレツ関係ないじゃない!」
フレイはタンカを切った。

294私の想いが名無しを守るわ:2004/04/15(木) 23:25
リヴァオタ作者さんへ>>
作中とはいえ、直リンは良くないと思います。
あとメール欄は何か意味あるのでしょうか?

295流離う翼たち・457:2004/04/15(木) 23:49
 アルフレットに突き放されたフレイは心ここにあらず、という感じでぼんやりとしており、それ以上話しても無駄だと感じたアルフレットは仕方なく食器を片付け、フレイに今日はもう寝ろと言った。

「奥の部屋にベッドがあるから、お前が使え」
「でも、私のが部外者なのに」
「いいから使え。どう見てもお前は床やソファーで寝るタイプじゃないだろうが」

 アルフレットに言い切られたフレイはそれに反論することが出来ず、ペコリと頭を下げて寝室へと向かった。アルフレットは暫くキッチンで安物のスコッチを傾けていたのだが、フレイが寝静まった頃を見計らってアークエンジェルに電話を入れた。暫くして出た軍の係員にフラガ少佐に繋ぐように伝え、そのまま待つ事1分。ようやくフラガが出た。

「はい、フラガですが」
「おうフラガ、休暇は楽しいか?」
「隊長ですか。いきなり何です?」
「実はな、俺の所にお前の所のアルスター少尉が転がり込んでてな」



 何だか寝られなかったフレイはそっとベッドから起きだし、トイレに行こうと廊下を歩いていた。やはりベッドが変わるとなかなか寝付けない。だが、キッチンの前を通りかかった所でアルフレットの声が聞こえてきた。


「・・・・・・・・・・・・アルスター少尉が転がり込んできてな」
『私の事、アークエンジェルに引き取りに来て貰うつもり?」

 咄嗟にアルフレットがアークエンジェルに連絡を入れているのだと察し、フレイは身体を強張らせた。扉に近付き、そっとその会話を盗み聞きする。
 アルフレットはヴィジフォンで相手と話しているようだ。声からして相手はフラガ少佐らしい。

「おう、夜中に雨の中でとぼとぼ歩いててな。ほっといたら死んでたぞ」
「そいつは、助かります。すぐに迎えに行きますから」

 その言葉にフレイはビクッと反応したが、それに対するアルフレットの返事は意外なものであった。

「いや、そいつは少し待ってくれ」
「へ、何でですか?」
「まあ、お嬢ちゃんも色々と悩みがあるみたいだからよ。少し考える時間が必要だってことだ。どうせ艦が直るまでは休暇なんだし、構わねえだろ」
「そりゃまあ、構わないと言えばそうですがね。こっちにも体面って奴が・・・・・・」
「艦長には、俺が基地の方で野暮用を頼んだと言っておいてくれや。心配しなくても出航までには艦に戻すからよ」
「ですが・・・・・・」
「責任は全部俺が取る。お前は俺に命令されて逆らえなかったとでも言ってくれりゃ良いんだ」

 アルフレットの頼みに暫し黙るフラガ。そして、本当に渋々という感じでフラガがそれを了承した。

「分りました。こっちは俺が上手く言っておきます」
「すまねえな、色々と迷惑かけてよ」
「いや、迷惑をかけてるのはこっちのようですし。隊長の所に居るなら、下手に俺達が面倒見るより今のフレイには良いかもしれません」

 フラガの返事に、アルフレットはもう一度礼を言って通信を切った。これでフレイは出航の日まではアークエンジェルに戻らずに済むことが決定したらしい。フレイは扉の前でぺたりと座り込み、その頬には安堵の涙が一筋の流れを作っている。
 この時、フレイはアークエンジェルに乗って以来、初めてとも言える安心感を得ている。きーすが頼れるお兄さんなら、ナタルはカッコいいお姉さんだ。だが、アルフレットのそれはまさに父親だった。キースが尊敬する偉大な男が持つ力強さをフレイも感じていたのだ。

296私の想いが名無しを守るわ:2004/04/15(木) 23:50
>>293
漏れは思わず吹き出してしまったw

297流離う翼たち・作者:2004/04/16(金) 00:00
>> ミリアリア・あの子許せない
カズィ、君は一体何者なんだ? サイはフレイ様と逢引ですか
ミリィは必死ですねえ。まあ見つかったら色々と不味いでしょうからw
アズラエルはコーディは生理的に嫌ってますが、キースはたんにブルコス時代の方針で対立していただけです
むしろキースのほうがアズラエルを嫌ってますね。
キースの両親、出るとしたらカガリが昔に手に入れた資料の事をキースに聞く時でしょうかね。その時ならキースの昔話が出来ますから、2人も少し出れます

>>290
2人の和解以降の関係を棚上げにしてたのは、わざとです。特にキラはまだ怖がってますし
フレイ様がここで壁にぶつかるのも初期からの構想だったんです。

>> 過去の傷
カ、カガリさん、まさか、マジで百合!?

298ミリアリア・あの子許せない 90:2004/04/16(金) 07:58
第2部 7.ミナシロのこと覚えてる? 7/12
[こういう時こそ、トリィの出番だよ]

「ミリィ、何怒ってるの?」
「せっかく、面白いとこなのに、無理矢理引っ張って、横暴だぞ」
キラとトールは、私が連れ出したことに文句を言っている。

「アンタ達、遊び半分でやらないで。ちゃんと捜してよ!」私は二人に一喝する。

「カズイ、とにかくさっきの写真プリントして来て。それで、皆で聞いて回りましょう」
「あの、俺、撮影旅行の予定が……」

「困ってるんだから、協力して。ねえ、お願いカズイ」
「はあ……」

断りきれず、フォトラボ・スタンドに向かうカズイの背中に、私は声をかけた。
「ついでに、クレープもあったら買ってきて。特大の甘いやつ。後、ジュースもね」

甘いものに目がないキラとトールは、一応、それで機嫌を直したようだ。
今回も、私のサイフは傷まなかった。

* * *

東アジア風の料理店が軒を連ね、店頭で売っている点心や麺の器を持ったアベックで、ごったがえすストリート。
ブティックをはじめ、さまざまな店が並び、高い天井からの飾り物や垂れ幕が華やかさを彩るアーケード街。
しばらく、四人で手分けしてアチコチの人に聞き回ったけど、私の大事な同人誌を持って行った、
あの子の手がかりは掴めなかった。

「こんなことなら、サイを隠れて見張っておけば良かったな」
大きな時計塔のある広場のベンチに座り込んだトールは、飽きてきて、またサイのことを話し始めている。

「トール、人のこと、あまり構うのはやめなよ」キラは言う。

「あの子は?」トールが、広場の上にかかったアーチ陸橋の上を指差す
「あの子? でも、帽子もサングラスも無いよ。上着も着てないし」 キラは言う。

「いや、キラの好みだと思って、オーイ! あ、こちらに気づいた。手を振ったぞ」
「赤毛の、かわいい子……」

キラが見つめる。距離があって、ここからは顔までは分からないけど、キラは目がいいから……

「キラ〜! あんな関係ない人ほっといて。トールも! ナンパなんかしてないで、真面目に捜してよ!」
私は、面白くない。

キラは、不機嫌な私を見て目の色を変え、まるで誤魔化すかのように話しだした。

「こういう時こそ、トリィの出番だよ。空を飛べるし、対人認識能力も抜群だから」

<トリィ? トリィ?>
キラは肩で首を振っているトリィを指に移らせた。

「だったら、なんで最初から使わなかったんだよ」トールが突っ込む。
「いや、多分だよ、多分……」

「多分……?」
キラの歯切れの悪さに、私は不機嫌な顔のまま呟き、疑いの目を向ける。

「とにかく、カズイ、ちょっとデジカメ貸して。パターンを登録してと」
「ほんとに大丈夫?」

キラの言葉にカズイも半信半疑だけど、とにかく、デジカメを貸して、キラはそのデジカメの
撮影データを、PDAで加工してトリィにパターン登録した。

キラはトリィを、晴れ渡った大空に放つ。空中を一回りしたトリィは、すぐに目標を見つけたように、
一目散に、ある人目がけて降りてきた。陸橋の上の、さっきの赤毛の女の子に……
トリィは、さかんに、その女の子にじゃれついている。そこから、他へ飛ぼうとしない。
私は、キラをジロリと見つめる。

「キ〜ラ! トリィのプログラムしたのって誰だっけ?」
「いや、あれ作ったのは僕じゃなくて…… でも、プログラムは僕かも……」

「ということは、キラが、ああいうスケベなプログラムしたのよね」
「違うって、ミリィ……」

「キラ、あなたの好み見せてもらったわ」
「ミリィ、あの、僕…… トリィ、回収してきます」

キラは走っていった。

「さっさと行ってらっしゃい、キラ! それと、ついでにフランクフルトのチリソースも買ってきて!」
私はキラの後ろからまくしたてる。

「キラも、俺と同じ目に」
「いや、実はキラは二度目なんだ。俺、ミリィのそばを離れない方がいいかもな」

小声で話すカズイとトールを、私は横目で睨みつけた。それに気づいて二人とも恐そうに黙り込んだ。

299ミリアリア・あの子許せない 作者:2004/04/16(金) 08:00
ここで、トリィに入れた対人データが、その後、トリィがフレイになつく要因になってたりするのは、
SS内で語られない裏設定 (=後づけの思つき) だったりします。

>>過去の傷
フレイ様がラクスに? また、少し壊れ気味な感じも…… ミリィは、どんどんキラにはまってますが、
このままでは済まないのでしょうな。

>>流離う翼たち
アルフレットさん父親の位置づけでしたか。フレイ様にとって、父親とは我が侭を聞いて可愛がって
くれるジョージ・パパですから、それとは、また違った見方を感じとることになるのでしょうね。
でも、とりあえず出港まではアークエンジェルにある現実から逃避するとして、それでは解決しない
でしょうから、もう一波乱あるのかな。それにしても、VisiPhone は通話相手の話まで盗み聞きできて便利?
キースの両親の話、無理にとは申しませんが、少しだけ期待しておきます。
アズの件了解です。そう言えばコーディネータは嫌いでも、ブーステッドマンは使ってますね。あいつらは道具扱いですけども。

300過去の傷・109:2004/04/16(金) 08:30
「じゃあ上がるわね」
「どうぞ、お上がりください」
フレイはラクスの部屋に入った。
そして唖然とする、このハロの多さに。
「あのさ、この丸いの達なんとかならない・・・?」
「分かりました」
「ラクス、失礼します」
そう言うとフレイの見知らぬ少年が入ってきた。
「あら、アスラン!」
「・・・・・・」(誰・・・?)
「・・・・・・」(フレイ・アルスタ−・・・か)

数分後のキラの部屋では。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
私、彼氏いたこともあってこういうの得意だわ。
ミリアリアは暖かくキラの手を握る、キラといえばミリアリアの膝に寝ている、キラにとっては幸せの絶頂だろう・・・。
「通信はいいの?」
「ええ、私がいないときはダコスタさんが代わりにやってくれてるの、それに・・・私はこうしてキラの側にいたいし・・・」
「ありがとう」
どうかしら?演技完璧?さあこれからもト−ルの代わりとして私の寂しさ忘れさせてねキラ・ヤマト、でも半分は演技じゃないのよ、ありがたく思いなさいよね、そのためにフレイから奪ったんだから、それに結婚したら少しは変わるかも?なんてね・・・。

「フレイ・アルスタ−か?」
「あ、はい・・・」
フレイはかしこまってしまう、どうもこの少年、キラとは雰囲気が違うのだ、軍人としての風格が感じられるのだ、こういう子にフレイは弱い、年齢的にもキラと同じくらいだと思うのだが。
「そうか、アスラン・ザラだ」
なんだか怖いこの人・・・。

301The Last War・作者・予告:2004/04/16(金) 16:20
 『The Last War』はまだ続いていますが、ハードな展開の息抜きとして近々フレイ様メインのギャグものを投下させて頂きます。内容は前作と今作の間の時間軸に位置するフレイ様とカガリが織り成すドタバタものです。

》流離う翼たち
 アルフレットさんは単身赴任されてたんですね。奥さんとの仲はどうなんでしょう?0083のバニング大尉の例もあるので少し心配です。
 それにオルガやフレイ様といった若者への接し方が手馴れてるみたいですが、ひょっとしてお子さんもおられるんでしょうか?

》ミリアリア
 サイやカズィも加わり、まるで『踊る大○査線』みたいな雰囲気に・・・。ミリィが仕切ってるのが面白いです。それとトリィがフレイ様になついてた理由が妙に納得出来ました。

》過去の傷
 フレイ様、いよいよアスランと対面しましたね。原作ではあり得なかった組み合わせだけにどんな会話をするのか楽しみです。
 それにしてもキラは本当にミリィと結婚しそうな流れになってますね。

302流離う翼たち・458:2004/04/17(土) 00:01
 フレイをアルフレットが暫く預かることになったという話は、フラガからマリューとナタル、キースへと伝えられた。アルフレットをよく知らないマリューとナタルは困惑していたのだが、キースはそれを聞いてうれしそうに頷いていた。

「そうですか。なら、とりあえずフレイの方は安心ですね」
「まあな。ただ、1つだけ不安なことがある」
「何です?」
「いや、あの隊長に関わると、どいつもこいつも何でか妙に強くなったり、図太くなるだろ。特にフレイは今が成長期だし・・・・・・」
「つまり、帰ってきたフレイはまた一段と逞しくなってるかもしれないと?」
「ああ、あれでフレイの奴、既に戦闘感覚を覚醒させてるし、何だかんだ言って実戦経験も多いからな。キラのせいで目立ってないが、多分同じ条件でやったら俺でも5回やって2回は負けるかもしれん」
「だけど、フレイは精神的には些か脆い」
「ああ、その弱さを隊長に鍛えられて克服されたりしたら、ひょっとして俺たちの立場は無くなるんじゃないかと思うんだよ」
「・・・・・・まあ、既に俺はフレイに勝てる自信は無いですけどね。前にシミュレーターで模擬戦やったら負けましたし」

 いきなり自分達の存在意義を語りだすエース2人。これが連合諸国全体を見回しても屈指の実力を持つ超エースなのかと思うと些か悲しくなるが、志願して5ヶ月程度のパイロットに追い抜かれたとあっては流石に心中穏やかではいられないようだ。いや、これはキラやフレイが異常と見るべきか。
 だが、目の前でアホな事を真剣に語り合っているエース2人に、マリューはこめかみに青筋浮かべて声をかけた。

「お2人とも、何時まで馬鹿げた事を言ってるつもりですか?」
「いや、これはパイロットとして重要な問題だぞ」
「そうですよ。これは俺たちのプライドの問題です」
「そんな物、燃えないゴミにでも出してください」

 パイロットのプライドを燃えないゴミ扱いされて、フラガとキースは目に見えて落ち込んでしまった。そんなフラガの襟首掴んでマリューが子供達に口裏合わせて説明する為に引き摺っていく。このことは子供達には直接伝えない方が良いと思ったのだ。
 そして残されたキースに、ナタルは少し躊躇いながらも声をかけた。

「あの、大丈夫ですか、キース大尉?」
「・・・・・・ふっ、別に気にしちゃいないさ。どうせ俺はアークエンジェルの墜落王だからな。一番沢山撃ち落されてるし」
「まあ、それはそうですけど」
「少しは否定して欲しかったな・・・・・・」

 物凄く悲しそうにナタルに訴えるキースだったが、ナタルはそんな戯言に付き合う気などは無かった。いや、彼女には聞きたい事があったのだ。それを聞くまでは引く気は無いという覚悟を持っていた。

「大尉、お聞きしたいことがあります」
「・・・・・・改まって、何かな?」
「調整体とは、何なんですか。貴方は一体何者なんです。貴方がメンデルという研究所に関わっていることは調べられましたが、そこから先はすべて闇の中だった」

 ナタルの視線は誤魔化すことを許さない強さがある。その視線を受け止めたキースは仕方なさそうに頭を掻いた。

303流離う翼たち・作者:2004/04/17(土) 00:14
>> ミリアリア・あの子許せない
むう、ミリィさん逞しいです。キラもカズィもパシリですか
トリィよ、お前さんに入ってるプログラムは一体・・・・・・・

>> 過去の傷
アスラン、なんだか1人だけ真面目君やってたんですね
すっかり周囲の流れの中で自己を確立してるなあ。ある意味勝者かな

>> The Last War
ほう、それは楽しみです
アルフレットさんの家族関係はもう少し後で出ます。でも、アルフレットさんはキースやナタル以上にフレイ様にとって重要キャラかもしれません

304過去の傷・110:2004/04/17(土) 08:20
「ア、アスラン・ザラって!」
「聞いたことがあるのか?キラか?」
「あ・・・はい・・・」
フレイは初めて見た、この少年を・・・だがそれよりも気になったのは。
「その軍服って・・・」
それは見たことあった、ザフトであの怖い頬に傷のある少年と同じ服を着ていたからだ。
「俺は元ザフトだ、だがいまはもう違う、分かるな?」
フレイは下を向いて黙ってうなずく。
「俺とキラは幼なじみであり親友だ」
その言葉にフレイは顔を上げる。
「君とキラの間になにがあったかは聞いた」
黙ってフレイは聞く。
「だがもう終わったことだ、それとも君はいまでもキラを利用するつもりか?」
フレイは黙って首を横に振る。
「違う・・・違う・・・いまはキラが好き」
「そうか・・・だが君よりは俺の方がキラのことはよく理解しているつもりだ」
「私だってキラのことよく知ってる・・・」
アスランはそれには答えず出て行く。
「フレイ・アルスタ−、話せてよかった、ではラクス失礼します」
「はい、また」
「フレイ!」
カガリが飛び込むように部屋に入ってきた。
「カガリ・・・?」
アスランの方のは目もくれず真っ直ぐにフレイを見つめる。
「どういうつもりだ?今日も私の部屋で過ごすんじゃないのか?」
「カガリさん・・・」
「ラ、ラクス様・・・フレイは私だけの・・・もう私はアスランのことなど・・・」
「カガリ、全て演技だ」
「演技・・・?」
アスランは目を閉じると告げた。
「俺はお前を好きになったことはない、一度もな」
その言葉にラクスは微笑む。
フレイだけ一人わけが分からない様子だ。
「そんな・・・じゃあ・・・」
ラクスを見る。
「カガリさん、私はアスラン一筋ですわ、婚約も解消はずっとしておりません」
「なら私も白状する、フレイ・・・」
カガリに突然声をかけられて驚いたフレイ。
「え・・・?」
「フレイ、私は初めて見たときからお前のことが・・・」
「カガリ・・・?初めて見たときから・・・?」(それって・・・ア−クエンジェルに所属していてキラを利用していたときだわ・・・どういうこと・・・?)
カガリはうなずく。
「ああ、お前可愛くて」
「・・・カガリだって可愛いわよ」
「そうか!?」
「ええ」

カガリが出て行くと。
「じゃラクス、今日は一緒に寝るわよ」
「はい」
(キラ・・・カガリ・・・私は)

305私の想いが名無しを守るわ:2004/04/18(日) 09:56
書き込みテスト

306私の想いが名無しを守るわ:2004/04/18(日) 09:56
もいっちょテスト

307ミリアリア・あの子許せない 作者:2004/04/18(日) 18:52
現在、今まで可能だったはずの長い文章が書き込めません。とりあえず、感想のみ上げさせていただきます。

>>過去の傷
そう言えば、ミリィ、いつ仕事しているのかと思ったら、代わりにダコスタ君が…… いいのか? CICの席なくなるぞ。
フレイ様、アスランと対面、とりあえずは挨拶まで。しかし、カガリは、本当に百合?

>>The Last War
ネメシス・フレイ様とカガリのドタバタですか、これは楽しみです。『The Last War』も期待してます。

>>流離う翼たち
アルフレットさんって、なにか言いにくいのでアルフさんでもいいですか。
アルフさんの、スポーツの有名監督みたいな人を育てる実績で、外野は盛り上がっているようですが、
ここまで、約束されていると、ちょっと天の邪鬼に感じてしまいます。フレイ様、成長するにしても、
型にはまらずアルフさんを振り回すくらいして欲しいな。
ナタルさんとキース、こちらはどうなるのでしょう。キースのこと、かなりショックだったでしょうし。

308流離う翼たち・459:2004/04/18(日) 22:39
「どうしても、聞きたい?」
「はい」

 淀みなく返してくるナタルに、キースはどうしたものかと視線を落とした。

「・・・・・・もう少し待ってくれないかな」
「何故です。私には聞かせられないことなのですか?」
「いや、いつかは話そうと思ってた。ただ、俺の素性を話してしまうと、色々と困る奴も居るんだ。こうなった以上、他にも話しておかないといけない奴が居る」
「それは誰なんです?」
「・・・・・・・・・カガリと、キラだよ」

 それだけ言うと、キースはナタルの脇を抜けて部屋を出て行こうとした。その背中にナタルが声をかける。

「何時まで待てば宜しいので?」
「そうだな、多分キラもアズラエルの話で俺に疑問を感じてるだろうし、早い方が良いだろう。明日にでも俺の家で話そう」
「そうですか、分りました」

 キースはナタルに背を向け、部屋から出て行った。それを見送ったナタルは小さく嘆息すると、なんだか不安そうに両手で体を抱きしめ、壁に寄りかかる。こんなに不安な気持ちになったのは初めてだ。

「キース、貴方は、本当に何者なんです。私は貴方を信じて良いんですか?」

 これまでずっと信じてきたし、実際キースは自分達を裏切ったりしなかった。だが、今のキースは得体が知れない。これまでずっとちょっと変わった、凄腕のパイロットとしか思っていなかった。ブルーコスモスだといっても、それは過去の事だと割切っていた。実はマリューに一度相談したこともあるのだが、その時は笑って考えすぎだと言われてしまった。

「馬鹿ね、知り合う前の事なんか気にしてたら、何でもかんでも疑う事になるわよ」
「ですが、その、不安なんです」
「何が?」

 マリューの問いに、ナタルは答え難そうに顔を俯かせている。だが、その顔色が真っ赤だったり、もじもじと膝をすり合わせていては口にしなくてもマリューにはハッキリと伝わっていたりする。
 マリューはまさか戦艦の中で、それもナタルから恋愛相談を受けることになるとは夢にも思っていなかったのだが、それがこんなハイスクールかそれ以下のレベルの相談事とは更に思っていなかった。
 だからマリューは、表面平然と、内心では大爆笑していたりするのだ。

「ナタル〜、1つ聞きたいんだけどさあ」
「な、何ですか、艦長?」
「もしキース大尉に、別れた女性が10人いたとか言ったら、どうするの?」
「な、ば、馬鹿な、フラガ少佐ではあるまいし、そんな事はありません!」
「あらあら、どうかしらね〜。キース大尉だって男なんだし、女性関係の10やそこらはあるかもよ。なにしろフラガ少佐と長い事一緒にいたんだし」
「まさか、そんな事は・・・・・・・・・・」
「ナタル〜、お姫様チックな夢も良いけど、そろそろ現実を見ましょうね」

 まあ、こんな感じでからかわれたのだが、それでもマリューは色々と教えてくれはした。だが、どれだけ教えてもらおうがいざとなると不安が拭えない。それも、女性関係どころか、相手が人間かどうかという問題なのである。まさか、自分がフレイのような問題に直面する日が来るとは思ってもいなかった。

309流離う翼たち・作者:2004/04/18(日) 22:44
>> 過去の傷
アスラン、流石に演技というのはどうかと。
まあ去年まで付き合ってたカップルが久しぶりに会ったら別れてたってのは良くあるけど
でも、やっぱり同性愛は不毛ですよ、カガリさん

>>307
別に略称は構いませんよ。奥さんはアルと呼んでますし
アルフレットさんはキースとは接し方がまるで違いますよ。フレイ様がそこで何を見つけるかは、もう少し後で。

310ミリアリア・あの子許せない 91:2004/04/19(月) 03:44
第2部 7.ミナシロのこと覚えてる? 8/12
[真っ先に、ここへ連れて来ようと思っていたんだよ]

結局、夕方になっても、捜している、あの子は見つからなかった。私達四人は力なくミナシロの
市街地を歩いていた。

「ごめんね、キラ、トール、カズイ。いろいろ引っ張り回しちゃって。私、もうあきらめる」
私はみんなに謝った。あきらめるには惜しい買い物だったけど、仕方ない。縁が無かったことに
するしかない。

「ミリィ、いいのかい?」
「いいの、もう帰ろう、家へ」

残念そうなキラの言葉に、私はしょんぼりと頷いた。
「本当は、港の夜景も見たかったけど、もういい」

せっかく、ミナシロにキラと来たのに、私は、何してたんだろう。後悔の念がもたげて来る。
元は港の夜景をキラと二人で見たかった。でも、どんどん話が変な方向に行ってしまった。

「そうだな、おなかも減ったし。金も無いし」
「俺も、撮影旅行の予定組み直さなくちゃな」
「そうね、ごめんトール、カズイ」

あきらめて、三人、駅の方に歩きだそうとした時キラは言った。

「ミリィ、みんな。もう一つだけ寄って行こうよ」
「え、どこ?」

「ここだよ」キラは、すぐ隣の建物を指差した。
「ミナシロPARKS、できたばかりのアミューズメント施設。いろんな公園が階層上に
 積み重なっている。港だって、ここから見えるよ」

そこは見上げると、都会のビルの上に、緑の木々が幾重にも、生い茂っているような不思議な建物だった。
今にも沈みそうな夕日を受けて、それらは赤く色づいてる。

キラは建物の入り口の幅の広い階段に向かって行った。そして、階段の端にあるエスカレーターで
登って行く。私達も後に続く。上がってみると、そこは建物の上なのに、緑に囲まれた公園が広がっていた。
ベンチに座ったアベックや親子連れが、次第に落ちて行く夕日を眺めている。私達も、それに見とれた。

上の階へ上がるたびに、趣の異なった公園があり、やがて日が落ちて夕闇に色を変えて行く空と、
次々にライトアップされていく公園の噴水などの施設が幻想的に溶け合って、まるで異世界に
入り込んだような感じを私達に与えていた。トールは関心したように辺りを見回している。
カズイは三脚を出してデジカメで夕日とライトアップが、刻々と、その色合いを変えて行く様を
写真に記録している。

「いいね、ここ知らなかった」私はキラに呟く。
「本当はね、今朝、ミリィにミナシロのこと案内してと言われた時、真っ先に、ここへ
 連れて来ようと思っていたんだよ」

私は、そんなキラの瞳に吸い込まれそうになった。いつもは、子供っぽくて、好ましく思わない
キラの肩にとまったトリィさえ、夕日に染まるキラの顔に映えて、私は心臓の鼓動が高まった。

「ミリィ、あそこにサイがいるぞ」
トールの呼ぶ声に、私はハッとしたように振り向いた。サイが公園の片隅にあるベンチに
一人で座っている。顔は、なにか虚ろだ。私達はサイのところまで駆け寄った。

「サイ、どうしたの?」 私が話しかける。
「デートは、どうなったの?」 とキラ。
「彼女はどうした」 とトール。
「サイ、大丈夫?」 カズイは、サイを気づかうように言葉を掛ける。

サイは、呟くように答えた。サイの左頬は叩かれたような後が少し残っていた。

「やあ、君たちぃ。俺って、悪かったのかな。俺は、俺はさ。相手を理解しようと勤めているんだ。
 例え、どんなことでも、それはそれで彼女の一部なんだから。だから、俺は悪く無いだろ。
 別に隠さなくても構わないよって言ったんだ。それなのに。それなのに、違うって言い張って、
 意地でも否定して…… 俺は悪くない。悪くないぞ」

言っていることが、さっぱり分からない。

「だからって…… だからって、勝手に怒って…… なんでだよ。
 いいんだよ…… 別にいいんだよ。別に特殊でも、趣味は趣味なんだから。
 そんなこと言ったら、俺の趣味なんか、どうなるんだよ」

サイの趣味って一体何? 恥ずかしくて隠すような趣味あったっけ? それは、それで興味あるけど
ともかく、サイはどうしたんだろう? なんか壊れてる……

311ミリアリア・あの子許せない 作者:2004/04/19(月) 03:54
ようやく投稿できました。書き込みフォームが、なにかシステム変更になって、制限がかかっていたのを、
サポートが設定変更して緩和してくれたそうです。一応、これで今まで通りの分量が送信できます。
したらば様、ありがとうございました。

>>流離う翼たち
キース君、わざわざキラとカガリを指定するということは、螺旋の回廊をやる気ですかな。
しかし、マリューさん、ナタルにアドバイスする(これ事体が信じられないが)のはいいけど、
主題が違ってますよ。フラガ少佐との味勝負で頭の中が恋愛モードに染まっているのか。

アルフさん、オフィシャルの愛称は「アル」ですか。うちでは、大物の「アル」がいるので、
済みませんけどアルフさんにさせてください。

312過去の傷・111:2004/04/19(月) 08:31
「ラクスってなんだか暖かい」
「そうでしょうか?」
「ええ、ほんとに」
ここはシ−ツの中である・・・フレイとラクスは同じシ−ツで寝ていた。
(サイ・・・サイはもう私のことを嫌いはじめている・・・でも悪いのは全て私、私の行いがサイをあんなふうにさせた)
サイをあそこまで追い詰めたのは私・・・。
「サイ、ごめんなさい・・・ごめんなさい!!!」
「・・・・・・泣きたいですか?」
そのフレイの様子をラクスが覗き込む。
「泣きなさい、泣きたいときは泣けばいいのですよ」
ラクスはフレイに微笑む。
「ラクス・・・うう・・・サイ、ごめんなさい!ごめんなさい!」
フレイはラクスに抱きついて泣いた、思う存分泣いた。
その二人をカガリがドアの外から聞き入ると、嫉妬の眼差しで見つめていた。

その数時間後。
「じゃあ、エタ−ナルでラクスさんにも手伝ってもらって式挙げようね、キラ?」
「・・・・・・」
「私達こんなに愛し合ってるんだもの、大丈夫よ」
そう私だって少しはキラのこと好きよ、決めた、キラのことト−ルって思うことにするわ。
さあてあとでシャワ−でも浴びようかしら。

シャワ−室に入ったミリアリアは・・・。
(ふう、気持ちいいわ・・・)
そしていい偶然でもあった、赤い髪の少女も入ってきたのである・・・。
「・・・・・・」(フレイ・・・)
「・・・・・・」(キラを取ろうとしている悪女ミリアリア・・・)

313過去の傷・112:2004/04/19(月) 12:07
「・・・・・・」
「・・・・・・」
無言でシャワ−を浴びている二人。
フレイはパックまでしている。
ミリアリアは思った・・・なんなのこの感じは?罪悪感?この子に対して?この子からキラを奪い取ッたことに対しての?
ミリアリアは首を振った。
違う!私は悪くない、私に取られたフレイが悪いのよ、だいたい私に取られるってことはそれだけフレイのキラに対する気持ちはその程度のものだったのよ。
そんな女がキラと付き合う資格はないわ。
私は着替えると黙ってシャワ−室を出た、フレイとは一言も話さなかった、いえ話したくもなかった、フレイだって同じ気持ちだろう。

一時間後、ラクスの部屋に戻ったフレイは。
「軍人はお続けになられるおつもりなのですか?」
「え?」
「貴女が軍に志願した理由はをキラ様を利用してキラ様自身と私を含めたコ−ディネイタ−全てに復讐するためなのでしょう?」
「それは・・・」
そういえばそうなのだ、キラに復讐するため、キラが死ねばいいと思った、キラの死を望んでいた、その為にキラを戦わせた、キラを道具として・・・紛らわすために女として接近した、キラと寝た、キラとキスもした。
ならいまの私は?いま軍人である私は一体なんなのだろうか?なぜいまだにこういうア−クエンジェルの軍服を着ているのだろうか?それは・・・キラが好きだから?キラの側にいたいから?軍人ならキラの近くにいられるから?キラのことは好き、それば事実、だけど・・・。
フレイはもう自分自身が分からなくなってきた。
そしていまさらだが後悔した、なんで私あんなことしたの?キラを酷く傷つけて、サイを傷つけて・・・なんで・・・。
私はなんて身勝手な女なんだろう、いつも自分のことばっかり考えて。
キラごめんね、酷く傷つけて、なにも見ようとしないで・・・ごめんね。
「フレイさん・・・」
ラクスが覗き込んでいた。
「ラクス・・・」
この女、悔しいけど可愛いわね・・・。
(俺には関係ない)
(関係を勝手に解消してきたのは君だろ!)
(君には関係ないだろ!)
サイの言葉を思い出す。
あんなに私に優しくしてくれたサイが・・・。
でも私は言い返すことが出来なかった。
そして私が気づかないうちにラクスを押し倒し覆いかぶさっていた。

314『明日』と『終わり』の間に・1日目:2004/04/19(月) 23:26
「よっ、フレイ!」
「あら、カガリ。今日はいつもより少し早いわね?」
「ああ、今日は大した仕事じゃなかったからな。どうだ?リハビリとか順調か?」

 ―――キラがオーブを経って大体1ヶ月。私はアイツに頼まれて、仕事の合間を縫っては入院中のフレイの見舞いに来ている。アークエンジェルにいた頃は、別に仲が良かった訳でもなかったから最初は渋々だったけど、こいつと話してるうちにだんだん仲良くなってきて、今じゃ自分から通うようになっている。ただキラの奴、下手に刺激するような真似はするなってやたら釘刺してたけど、あいつ何か私に隠してないか?まぁ、それは別に良いんだが。でも最近、こいつとの関係でちょっとした悩みを抱えてる。それは・・・。

「ねぇカガリ。またお願いがあるんだけど・・・」
「えっ!?」
「・・・何、その反応・・・?」

 そう、悩みとは他でもない。こいつの「お願い」のことだ。例を挙げていけば切りが無いけど、中でも一番酷かったのは茶色のかつらを被って一人称を「僕」に変えて欲しいってやつだった。私も最初は断ったんだが、結局その日は1日中その格好で過ごした。これから毎日その格好で来て欲しいと言われた時は流石に勘弁してもらったけど。
 それに、つい最近じゃトリィを伝書バト代わりにしてキラの元に手紙を届けようともしてたな。それを聞いてすぐにいなくなったトリィを探して大騒ぎになった(騒ぎ立てたのは私だけど)。ちなみにトリィはこの病院から500メートルぐらい離れた所にある木の上で迷子になってるところを無事保護された。
 つまり、こいつの「お願い」を聞いて私がろくな目に会わなかった試しが無い。・・・でも、だからといって断るのも可哀想な気もするし、しかもこんな病室に篭りっきりじゃ気分も滅入るだろうし、仕方ないか・・・。

「い、いや、何でも無い。で、頼みって何だ?」
「あのね・・・」


「は!?料理がしたい?・・・何だ、そんなことかぁ〜」
「・・・だからどーしてそんなに安心してるの?」
「悪い悪い。・・・でも、急にどうして料理なんだ?」
「ほら、私も自分一人で着替えとか色々出来るようになったじゃない?だからもっと色んなことをしてみたいって思うようになったの」
「ふ〜ん。・・・とか何とか言って、ホントはキラにでも食べさせてやるつもりなんだろ?」
「・・・カガリって、エスパー?」
「・・・お前、そう言う前に普段の自分の言動を振り返ってみろよ」

 冗談半分で言ったのに、図星だったのか。・・・まぁ、それだけ私もこいつのことが分かってきたっていう証拠か。

「・・・キラが私に会いに来てくれた時、私、お仕事が終わったらすぐに会いに来てって一方的に約束しちゃったの。それじゃキラに悪いから、せめてその時に私の手料理をご馳走したいなぁ・・・なんて」
「・・・そっか」

 ・・・今思えば、こいつの言う我侭は皆キラに会いたいっていう気持ちから来てるんだろうな。そういう意味じゃ、私も同じだな。はぁ〜・・・、アスラン、元気にしてるかなぁ?

「よし分かった、私に任せとけ!お前、私の家に来いよ。そこで私が料理教えてやるから」
「えっ、良いの?」
「ああ、病院の方には私から言っておくから。何、1日ぐらいなら何とかなるだろ」
「有難うカガリ♪私、頑張るわ!」

 ふふふ、あんなにはしゃいで・・・。キラ、私達やこいつの為にも必ず生きて帰って来いよ?

「ところでキラの好きな物、何だか分かる?」
「そうだな・・・。確かカレーが好きって言ってたな。まぁカレーならそんなに難しくも無いし、お前には丁度良いかな?」
「カレーね?分かったわ!・・・ところでカレーって、どんな料理?」

 ・・・まずそこから始めなきゃいけないのか?

315流離う翼たち・460:2004/04/19(月) 23:46
 翌朝、目を覚ましたフレイはベッドから起き、着替えをどうしようかと悩んだ。幾らなんでもここには女物の服は無いだろうし、もっていたらそれはそれで怖い。かといって昨日着てた制服はびしょ濡れで今日は着れないだろうし、本当にどうにもならない。仕方なく昨日借りたシャツを着て部屋の外に出る。すると、何だかベーコンの焼ける匂いが漂ってきた。

「あれ、食事?」

 どうやらまたアルフレットが料理をしているらしい。あれはちとダメージが大きいのだが、泊めて貰っている以上文句も言えない。とぼとぼと食堂に入り、椅子に腰掛ける。

「よう、起きたのか」
「はい、昨日はありがとうございました」
「ハムハムハム」
「なあに、気にすんな。ガキの1人くらい何でもねえよ」
「でも、迷惑かけました」
「モグモグモグ」
「まあ、さっさと食ってくれ。食ったら出かけるぞ」
「え、何処にですか?」
「むむむ、目玉焼きが見事な出来栄え」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 ようやくフレイは隣を見た。いや、さっきからいるのは分かっていたのだが、あえて無視していたのだ。そこには、連合兵士の制服を着た20過ぎくらいの女性兵が座って何故か朝食を食べていた。何というか、顔立ちの整った美人だ。

「あの、この人は?」
「おお、俺の部下で、セランだ。整備班の奴だよ」
「はあ、そのセランさんがどうしてここに?」
「ああ、お前の着替えを持って来てもらった。昨日の夜にちょっと走り回って貰ったんでな、こうして労を労ってる訳だ」

 アルフレットもテーブルに付いて自分のトーストを齧る。隣に座るセランという兵士は自分の方を見ると、右手で略式の敬礼をしてきた。

「セラン・オルセン軍曹です。少尉の着替えを手に入れてくるように少佐に命令されました。少尉の制服と下着は洗濯と乾燥をしてそこに置いてあります」
「あ、ありがとう」
「いえ、構いません。あ、自分のことはセラン軍曹と呼んでください」

 どうやらアルフレットが自分の生活を考えて手を回していてくれたようだ。だが、アルフレットは自分を何処に連れて行くつもりなのだろう。

 朝食を終えた3人はセランの運転する車で何故かマドラス基地へと向かった。フレイにしてみればアークエンジェルから離れられるならそれで良いのだが、基地に行くというのもなんだか気が引ける。アークエンジェルの中では顔見知りばかりだったから余り表に出ていなかったが、実はフレイは結構人見知りが激しい。味方と分かってはいても、知らない人と一緒に居るのはどうにも落ち着かないのだ。

316流離う翼たち・作者:2004/04/19(月) 23:58
>> ミリアリア・あの子許せない
サイが完全に壊れている。一体何があったんでしょうw
でも、これって諸悪の根源はミリィのような気が・・・・・・キラとトールも危ないか

>> 過去の傷
フレイ様の趣味って一体。何故に今度はラクスに・・・・・・

>> 『明日』と『終わり』の間に
が、頑張れカガリ、未来はきっと明るい、と思う
でも、何となく同情してしまう。でもトリィを伝書鳩代わりって、無茶だよフレイ様

317ミリアリア・あの子許せない 92:2004/04/20(火) 06:09
第2部 7.ミナシロのこと覚えてる? 9/12
[あった。私の捜し物]

虚ろな目で、ブツブツと呟き続けるサイに、トールとキラは頷き合う。
「とにかく振られたらしいな」
「そうみたいだね」

「君たちぃ!、俺は振られてなんていないぞ」
サイは、キラとトールに絡みだしている。カズイも、ヘリオポリスでは、あまり見たことが無い
サイの取り乱しようにビックリしている。

一歩引いて見ていた私の目に、サイから少し離れたところにあるゴミ箱に、見覚えのある紙袋が
入っているのが見えた。私は駆け寄ってみる。確かにそれは、間違って持って行かれた私の紙袋だった。
キラ達に隠れて紙袋を調べると、包みが破かれて中身を見た後があるものの、同人誌は、ちゃんと、
そこに有った。なぜ、ここにあるのかは分からないけど。

ひょっとしたら、あの持って行った子が、これに気づいて中身を見て、あまりの過激な内容に
ビックリしてゴミ箱に放り込んだのかもしれない。これ、その筋の人でないと正視できないような
シーン一杯あるもの。普通の人に、これ持ってるの知られたら品性疑われること必須。
もし、デートの最中だったら、破局の可能性大。私も気をつけないと。

とにかく、やっと私は捜しているものを見つけることができた。私の顔に笑みが戻った。

「どうしたのミリィ?」キラが呼んだ。

私は、同人誌を紙袋に戻して、みんなのところに戻るとキラに答えた。
「あった。私の捜し物」

「ミリィ、良かったね」キラが優しい目で言った。
「うん、キラが、ここに来ようって言ったおかげよ」

「え!見つかったって。良かったなミリィ。一体何だっ……」
トールの声は、絡んできたサイに打ち消された。

「悪くないぞ、俺はぁ、悪くないぞ! お月様のバッキャロー」
既に日は落ちて、輝きだした月に向かってサイは吠えだしていた。
私とキラは、そんな見慣れないサイの姿を見て、二人でキョトンとした顔を見合わせた。

やがて、キラが真面目な表情に戻って言った。

「ミリィ、屋上行こう。夕食おごるよ」
「そんな、悪いわよキラ」

「いいよ、捜し物見つかったお祝いだ」

「キラ、俺達もおごりか?」トールが目を輝かせながら聞く。
「ああ」キラは答える。
「やりぃ!」
「やった!」
トールもカズイも歓声を上げた。

「サイも行こうぜ」トールはサイに声をかける。
「サイ、奮発するから、美味しいもの食べて元気出して」キラが笑いかける。
「サイっ」カズイも優しい目で問いかける。
「サイ、行きましょう」
みんなの声に、やっとサイも立ち上がった。

屋上の公園。ガーデン・レストラン。本来は予約しないと席が無いところ。キラは一応、
予約は入れていたのだけど、三人の予定が五人に増えていた。だけど、幸運にも、大口の
キャンセルがあったらしく、私達は一番高いところにある特別席に座ることができた。
その眺めは格別だった。すっかり、日が落ちて闇が広がったミナシロの街のライトアップ、
私の市を挟む山の住宅やアンテナなどの灯、街を取り巻くように光が流れ、やがて四方八方に
散って行く環状ハイウェイ。そして、なにより、私が望んでいた港の波止場やホテルが
明滅する、期待を裏切らない幻想的な美しい光が一望に見渡せた。

確かに、港へ行けば、それを間近で見て、もっと美しかったと思う。でも、そこでは、港しか
見えない。ここは、港はおろか、ミナシロの美しい夜景すべてが見える。ミナシロの全てを
キラ達みんなと一緒に占有している。私達は、それを眺めながら、美味しい料理に舌鼓を打っていた。
アルコールも、ちょっと入っていた。

トールは相変わらずブツブツ言っているサイの話に付き合わされている。カズイは、三脚を付けた
デジカメで夜景を撮るのに夢中になっている。トリィも、キラの肩から離れて公園の木々を飛び回っている。
まわりに、みんないるんだけど、今、この瞬間だけ、キラと二人きり。

「すっごく奇麗! こんなの初めて」
「そうだね、ミリィ」

私は、慣れないビールに、少し顔を染めて、キラの方に、ちょっとだけ頭を傾け、港や
ミナシロ全体の夜景の幻想的な景色に酔いしれた。

「ミリィ、さっきの捜し物。結局、何だったの?」
「キラ、大したものじゃ無いのよ。これ」
私は紙袋を後ろ手に隠す。顔が、さらに赤くなっていたかもしれない。

「ミリィが、そう言うなら」
キラは、それ以上は詮索せず、優しい目のまま微笑んだ。私も、笑顔を見せた。

「みんな撮るよー」
カズイが、やっと私達の撮影を始めたようだった。落ち込んでいるサイを引っ張り込むようにして、
みんなVサインをしながら、カズイの写真に収まっていった。

318ミリアリア・あの子許せない 作者:2004/04/20(火) 06:18
>>過去の傷
フレイ様とミリィは冷戦真っ只中ですね。しかし、なぜにラクスと……

>>『明日』と『終わり』の間に
「The Last War」の番外編ですね。
ネメシス・フレイ様、魅力に天然ボケ・パワーがプラスされて可愛いです。トリィに、大気圏
脱出させる気だったんですかな。そして、カレー、お約束の予感。

>>流離う翼たち
ハムハム、モグモグは、セラン軍曹の台詞ですか。ハム太郎かと思ってしまいました。
まあ、以前からですが、喋り方もキャラによってはTV本編と違うときがあるので、
複数人の会話が並ぶと、時々、誰の台詞なのか分からないことがあります。今回は意図的なんでしょうけど。
ところで、TV本編にならうとオルセン軍曹と呼ぶところですが、なにかあるのかな。
とにかく、フレイ様のTV本編でも感じられた人見知り。まずは、これから?

319過去の傷・113:2004/04/20(火) 12:24
「あの・・・?フレイさん?」
「ラクス・・・」
突然ベッドに押し倒されときょとんとしているラクス。
「あの・・・」
ラクスが起き上がってくると、再度押し倒す。
「!」
「私を慰めてラクス」
「寂しいのですか?フレイさん」
フレイはうなずく。
「キラ様に会わなくてもよろしいのですか?」
「キラには会いたいけど・・・いまは同姓の女に慰めてほしいの」
ラクスは疑った顔になる。
「もしかしてフレイさんそういう趣味がおありなのですか?」
「ええ、最近ね」
私はラクスの唇を見つめた、ピンクの口紅が可愛い、これほしいわ。
そしてフレイは一瞬我を忘れた、自分が女ということも・・・。
フレイはラクスの唇に唇を重ねた・・・。
ラクスが目を大きく見開く。
まさか・・・まさか・・・ファ−ストキスの相手が大好きなアスラン・ザラでもなくキラ・ヤマトでもなくイザ−ク・ジュ−ルでもなく大好きなエドワ−ド・エルリックでもなく・・・女性のフレイ・アルスタ−だったとは。

「さっきシャワ−室にフレイがいたよ」
キラは反応する。
「フレイが!?」
「でも、なにも話さなかったわ、話す気にもならなかったし・・・」
「・・・・・・」
フレイ・・・もうあの子との仲は冷え切ってしまったみたい、でもあの子が悪いのよ、全てなにもかもあの子が悪いの・・・フレイの自業自得だわ。

320流離う翼たち・461:2004/04/20(火) 23:19
 アルフレットが連れて行ったのはMSの置かれている格納庫だった。整備兵たちがそれぞれ担当の機体に取り付き、汗水流して機体の整備をしている。そこにはフレイにとって見慣れたストライクやデュエルもあるが、敵として戦ったバスターやブリッツ、パワーと一緒に助けに来てくれたストライクダガーとかいうMSもあった。特にダガーの数はかなり多い。
 セランはジープを格納庫の脇に停めると、フレイにこの場所を説明してくれた。

「ここはMS格納庫です。大西洋連邦の南アジア方面軍では数少ないMS部隊なんですよ。特にストライクダガーはまだこの基地にしか配備されていません」
「ストライクダガーって、ストライクの量産機なんですか?」
「あはははは。名前はそうですけど、中身はデュエルです。デュエルが敵に奪われて縁起が悪いからストライクダガーになったそうです。試作機はデュエルダガーだったそうですよ」

 セランは楽しそうに説明してくれる。どうやら彼女はここの整備兵であるらしく、MSに限らず自分の整備している機体に誇りを持っているらしい。

「セラン軍曹は、どの機体を担当してるんです?」
「私は、手前から4番目のデュエルです」

 見れば確かにそこにはデュエルがあった。自分にも慣れた機体だし、攻してみると何だか乗りたくなってくる。いつの間にか、自分はすっかりパイロットになっていたらしい。
 そこに、部下と話していたアルフレットが声をかけてきた。

「おい、お嬢ちゃん、ちょっとこっちに来い」
「え・・・・・・あ、はい!」

 言われて急いでアルフレットの所に走る。アルフレットは近くに来たフレイを目の前にいる部下に紹介した。

「フレイ・アルスター少尉だ。短い間だが、預かることになったから、上手くやってやってくれ」
「はあ、それは構いませんが、何でここに?」
「予備のダガーがあるだろ。あれに乗せてやってくれ」

 とんでもない事を言い出すアルフレット。フレイは勿論、目の前の部下までがビックリしている。

「な、何考えてるんですか。貴重なMSをこんな女の子に使わせるつもりですか!?」
「女の子って言っても、こいつくらいのパイロットも結構いるだろ」
「そりゃいますが、彼らはちゃんと訓練を受けてます」

 あくまで譲ろうとはしない部下に、アルフレットはニヤリと人の悪そうな笑みを浮かべ、フレイを見てきた。

「つまり、MSを使えるなら文句はねえんだな?」
「はあ、まあそうですが、MSを使うにはそれなりの訓練が必要ですよ」
「というわけだ。確かお嬢ちゃん、MSには乗れたよな?」
「え、あ、まあ、乗れますけど」
「そういうわけだ、文句は無えな?」

 アルフレットは勝ち誇ってそう言い放ったが、言われた方は唖然としていた。そりゃまあ、こんな女の子がいきなりやってきてMS乗れます、などと言うのだから普通はこうなるだろう。
 部下が黙ったのを見て、アルフレットはフレイとセランを連れて格納庫へと入っていく。格納庫内には整備兵やパイロットが沢山いて、アルフレットと一緒に入ってきた見慣れない女の子に何だか注目している。アルフレットはそんな部下達を無視して奥に立て掛けてあるダガーにフレイを案内した。

「さて、こいつが予備のダガーだ。ここにいる間、お嬢ちゃんの好きにして良いぜ」
「でも、何で私が?」
「気にすんな。まあ、強いて言うなら教官役だな。何しろここには実戦経験豊富なのは俺しかいねえんだ。俺が面倒見てやれりゃ良いんだが、生憎俺もそう暇ってわけでもねえしな」
「それで、私はどうすれば?」
「こいつに乗ってここにいる連中と模擬戦をしてくれりゃ良い。別に難しいことでもねえだろ。ああ、機体の整備と調整はセランに任せな。こいつは良い腕だぜ」

321流離う翼たち・作者:2004/04/20(火) 23:23
>> ミリアリア・あの子許せない
サ、サイ、哀れすぎる。だが、一体どういう内容だったのだろう?
とりあえずミリィを信じたキラたちは幸運と言うべきなのでしょうか
軍曹の呼び名には意味がありますよ。

>> 過去の傷
フレイ様、いよいよ見境が無くなりつつありますな
ラクスもそりゃショックでしょう

322ミリアリア・あの子許せない 93:2004/04/21(水) 06:03
第2部 7.ミナシロのこと覚えてる? 10/12
[ごめんね、お母さん]

夕食の後、すっかり夜遅くなり、キラ、トールは、私を家まで送ってくれた。
サイは、両親とミナシロにホテルを取ってあったらしく、同じくミナシロに撮影旅行で
ホテルを予約していたカズイが送って行った。

マンションの前に近づくと、私のお母さんがマンションの出口から走り出るのが見えた。

「お母さん!」
「ミリィ!」

「お母さん! どうして朝、居なかったのよ。私、せっかく帰ってきたのに」
「何言ってるんですかミリィ、連絡してきた時間は今日の夕方でしょ。いつまで待っても
 帰って来ないし、電話にも出ないから、お父さんと一緒に心配してたのよ」

「え! なんで?」

私は携帯電話を取り出した。いつの間にかバッテリ切れになっている。キラの予備電池を
借りて、携帯の電源を入れて、両親に連絡した時のメールを確認する。私は、連絡の時、
午前と午後を間違えていた。

「ごめんね、お母さん」
「もう、こんな心配かけないでね。それでこちらは?」

「カレッジの友達で、同じゼミのキラとトール。二人とも挨拶して」

「初めましてキラ・ヤマトです」
「トール・ケーニヒです」
「ミリアリアの母です。娘が、迷惑をかけて済みません」

お母さんは挨拶しながらも、その目はじっとキラに注がれていた。
「ミリィ、お前、このキラって人、まさか……」

私は、今になって気がついた。
「あ、お母さん。何でもないのよ。単なる偶然だから」

キラは不審そうに、私とお母さんを眺めている。

「どうです。ちょっと家でお茶でも」お母さんが言う。

「いえ、もう遅いですし」
「そうだな」
キラとトールは顔を見合わせる。

「そうだよね。もう遅いもんね。疲れてるお父さんもいるんだし」
私も調子を合わせる。急に家で紹介だなんて、こっちも心の準備が……

「僕達、帰ります」
「それじゃ、ミリィ、また今度」
キラとトールは帰って行った。

私は、お母さんと並んでマンションの部屋に向かって行った。お母さんは歩きながら私に言った。

「ミリィ、安心したわ。二人も男友達できて。あれから、酷く落ち込んでいたから心配してたけど」
「うん、ごめんね、お母さん」

私は、様々な想いを胸に、お母さんに心から謝った。あれから、もうかなり経つんだ……

「で、あなた、あの二人のどちらが好きなの」
私は黙っている。

「やっぱり、あのキラ君?」
私は、お母さんを見つめた。そして、小さく頷いた。お母さんに分からないはずが無い。

「そう、良かったわね。今度、二人を家に連れてきてね。キラ君に、いろいろお話し聞きたいわ。
 トール君にもね」
「うん、今度、いつか」
私は、小さく言った。

「ミリィ、今まで、どこに行ってたの?」
「ミナシロ」 お母さんの問いに、私は答える。

「じゃ、あの震災慰霊所に行ってきたの?」
「あ、忘れてた」

お母さんの言葉で、私の中に、ある思い出が蘇った。
ミナシロ市は、私が小さいころ、大きな震災に見舞われたことがある。
そして、それが復興された時にできた震災慰霊所。私は、かつて、そこに一度だけ、
連れられて行ったことがある。お父さんでもお母さんでも無く、ある人に。

「お母さん、ちょっといい」
私は一人、マンションの通路の端まで行くと、キラの予備バッテリを付けたままの携帯で、
キラに電話をかけた。

「ミリィ、今度は何だい」
「ねえ、キラ、ミナシロ、震災慰霊所に行ったことある?」

「行ったことあるよ。僕が両親とオーブに越してきて二年ほどだけど、ここは行っておかないと
 いけないって言われて」
「キラ、今度、そこに連れてって」

「どうしたんだい?」
「行きたかったの」

「明日以降は、ちょっと予定あるけど、行けるようなら連絡するよ」
「うん、キラよろしく……」

キラと二人でと言おうとして、私は、また躊躇した。そして、しばらくして、私は言った。

「また、トールと三人で…… 良かったら、サイやカズイも誘って、みんなで……」

323ミリアリア・あの子許せない 作者:2004/04/21(水) 06:05
>>過去の傷
全然見てないんで最初分からなかったけど、ラクスってハガレン・ファンなんですか。
ミリィ、あの子、あの子って、うちのミリィみたい。

>>流離う翼たち
ストライクダガーでの模擬戦、フレイ様、まずは楽勝では?
ストライクダガーの元がデュエルとは言われていますが、デュエルダガーとは。
MSVで出た105ダガーだと、ほんの少しの差なんですが、ストライク度は
増すんですけどね。

324過去の傷・114:2004/04/21(水) 08:37
「!・・・や・・・やめてください・・・」
覆いかぶさっていたフレイを突き放すとラクスは唇に手をやりハンカチで何度も拭く。
「ラクス・・・ごめんなさい」
「出て行ってください・・・」
「でもラクス・・・私どうかしてて・・・」
「・・・あれが貴女の本心でないのなら構いませんが・・・あんなことは初めてです」
「ラクスごめんなさい・・・私、男好き・・・だから・・・もうあんなことしないから・・・泊めてくれない・・・?」
ラクスは少し考えたが・・・。
「よろしいですよ」
「ラクス・・・ありがとう・・・」
サイ・・・そうだ、ちゃんとサイに謝ろう・・・サイは私に以前は優しかったから、謝ればきっと許してくれる・・・もしかしたら私が謝るの待ってるのかもしれない・・・。
そして・・・私・・・ラクスと・・・同姓とキスした・・・気持ちよかった・・・ラクスは嫌がってたから・・・。

「サイ・・・あの・・・」
フレイは通路を歩いていたサイに声をかけた。
「あの・・・一緒にジュ−スでも・・・」
「ごめん・・・お断りするよ」
「あ・・・そう・・・」
横を通り過ぎようとしていたサイに慌てて声をかけた。
「サイでも!」
「なんだよ!」
苛立ったように私を見るサイ。
「え・・・なにって・・・」
「なんなんだよいまさら!ええ!なんでいまさらなれなれしくしてくるんだよ!」
そう言うと話は終わりというように立ち去ろうとした。
「サイごめんなさい!」
サイが立ち止まる。
「そうよね、私、貴方になんて酷いことしたんだろ、ほんとよね・・・裏切ったのは私よね、ごめんなさい、ほんと私ってなんて身勝手な女なんだろう・・・キラにも貴方にもなんて酷いことしたんだろう・・・ごめんね、サイごめんね・・・サイ・・・ごめんなさい!」
サイは少し黙っていたが。
「そうか・・・分かった」
「え?」
「聞こえなかったのか?いいかげんなところはあいかわらずだな、分かったって言ったんだよ」
そう言うとサイは立ち去った。
「・・・・・・」
サイの分かったってどんな意味なんだろう・・・あ、ミリアリア。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
キラを取ろうとするなんて最低な女。
「ミリアリア、私あんた嫌い、大嫌い」
「奇遇ね、私もあんた嫌いよ」
「馬鹿女」

325過去の傷・作者:2004/04/21(水) 10:46
>>翼たち
ストライク・ダガ−の模擬戦フレイ様頑張ってください、期待します、見せ付けてください、力の差を・・・。
>>ミリアリア・あの子許せない
サイご愁傷様、というよりどんな内容だったんでしょう?
ミリィはやっぱりキラに気があったんですね、ト−ルに少し同情してしまいます。

326ミリアリア・あの子許せない 94:2004/04/22(木) 05:42
第2部 7.ミナシロのこと覚えてる? 11/12
[ミナシロのこと覚えてる?]

これが、長期休暇の時にミナシロであったことの顛末。

私の同人誌を持って行った、あの腹の立つ女性は、結局見つけられずじまい。一言謝らせた
かったけど、もう済んだことだし、別に、どうでもいい。

その後の状況……

その休みの間、キラやトールに用事があったり、うちの両親が忙しくて、出張準備や家事に、
こき使われたりで、結局、みんなでミナシロの震災慰霊所に行くことも、キラとトールを
家に呼ぶこともできなかった。私は次の休みには震災慰霊所に連れてってくれるよう、
キラと約束した。

補足すると、その家事手伝いも、私が料理を、まったくできないせいで、インスタントものと、
買ったままの食品トレイが、そのまま並ぶ食卓に、主にお母さんが小言を並べていたことを
付け加えておく。

トールと私は、帰りのシャトル代を使い込んでしまい、代わりに払ってくれるよう、親に
泣きついたけど聞き入れてくれず、親に借金した形でヘリオポリスへのシャトルに乗った。
その後、仕送りから、少しずつ、さっ引かれて、金欠に苦しんだ。キラも、カッコつけて
私達に食事をおごったことで、親からの前借りを使い込んだらしく、同様に金欠状態に陥っていた。

さらに、私が親へのぼやきで、休み中、毎晩のようにキラやトールに携帯で長電話をかけて
時間をつぶし、さらに、時々二人からも、かけ直しで繋いでいたものだから、後から来た
電話代の請求書に、三人のサイフはもう……。

結局、私達三人はカレッジに戻った後、授業そっちのけでバイトに追われ、出席日数ギリギリで
進級した。その間、私達三人の間では、互いの稼ぎを日々の食費で奪い合う醜い争いが繰り広げられた。
私達の場合、光熱費と通信費。それと教養費、っていうか趣味の本とかの費用は絶対に削れないから。

さすがに、私の金欠時の常套手段「ついでに……」も予防線を張られてしまい、代わりに、
カトウ教授の怒る回数で夕食代の賭けをしたり、各自のバイト先へ陣中見舞いと称してタカリに行ったり、
トールと二人して、唯一、二人以上の棲息スペースのあるキラの寮に転がり込んで、授業のノートを
チェックし合いながら、元手はタダのバイトの残り物を、三人の間で金銭オークションにかけたり……

でも、キラやトールとの、そんな、おバカな日々が私の幸せだった。進級して、徐々に三人の関係が
変わって行くまでは……

サイは、ヘリオポリスに戻ってからも、しばらく落ち込んでいた。苦しい財政の元、元気づけようと
みんなで何回か食事に誘ったけど、中々、元気が出ない中、ある日、研究室でメールを見て
喜んでいるのを見てから、いつもの状態に戻った。彼女と仲直りしたらしい。
今、思えば、サイのデートの相手って、あの子…… フレイのことだったんだろうけど……
なんで喧嘩したのかは不明。サイが、なにやら、ぼやいてたの、さっぱり要領を得なかったから。

サイの趣味については、その後判明した。サイってアイドルおたくだったらしい。しかも、アレコレと
節操が無いタイプ。おっかけまでは行かないけど、ヘリオポリスでコンサートあるときは誰彼なく、
行きまくっていたらしい。でも、隠すほどのことじゃないと思うけどな。

カズイは、あの後、撮影旅行で、海洋遊園や海洋プラントの見学に行った。
海洋プラントの海底居住ブロックまで、潜水艇で行って入ったと、しばらく自慢していた。
もっとも、その時見たクジラに驚いたらしく、海には大きい生き物がいると恐がっていて、
アークエンジェルが紅海に出た時、このことで私はカズイをからかったことがある。

海洋遊園、海洋プラントの写真も見せてもらった。その写真を見ると、横倒しのボンベのような
概観の居住ブロックは、中は意外と広く、中央を吹き抜ける広い通路がカズイの写真に写っていた。
そこも、一度行ってみたかった。今は戦争のせいで、計画が中断し、廃棄同然になってしまったと聞いている。

カズイは、ミナシロで撮った写真をホームページに登録した。ミナシロの街の風景、
夕闇に染まるPARKSの光景。きらめく夜景。結構、好評だったらしく、アクセスカウンタの
桁も跳ね上がっていた。

カズイのホームページを見るたびに、あのミナシロでのことを思い出す。楽しい思い出。
あの時のミナシロのこと覚えてる? キラ。

P.S.
あの801同人誌、エロかったです。とっても実用的。さすが伝説の本。

327ミリアリア・あの子許せない 作者:2004/04/22(木) 05:44
>>過去の傷
ラクスは、フレイ様をどう考えているのか謎ですね。嫌っている訳でも無いみたいだし。
ここのサイは冷たい。もうちょっと話聞いてあげても……
ミリアリアとの罵り合い、平手打ち合戦に発展しなければいいけど。

328過去の傷・115:2004/04/22(木) 12:40
「馬鹿女ですって!?」
ミリアリアが声を張り上げる。
「ええ、馬鹿女に馬鹿女っていってなにが悪いのよ!人の彼氏横取りしようとするなんてあんたって最低な女!」
「その言葉そのままお返しするわ、あんただって二人の男、手玉に取ったじゃない、悪女はあんたよこの腹黒女!」
「なによ、ト−ルがいない寂しさをキラで紛らわしたいだけなんでしょ!?キラは道具じゃないのよ!?」
あんたが言うなって。
「道具って・・・道具として利用してたのはそもそも誰かしら?」
「あれは・・・でももういまは違うわ!なによあんたこそ人の彼氏取ろうとしてるじゃない」
「ええ悪い?でもあんたみたいにお嬢様ぶったりしてないわ!」
「なんですって!?」
フレイはミリアリアの頬を平手でぶった。
ぶたれたミリアリアは・・・頬を押さえるとフレイを殺意をこめるような表情で睨んだ。
「なによ・・・なにすんのよ!」
そしてフレイにつかみかかっていった、女二人が倒れる。

「ラクス・・・失礼します」
「あら、アスラン♪」
「それで話とは?」
ラクスは微笑む。
「いいえ、貴方にお会いしたかっただけですの」
アスランはため息をつくと入ってきた。
「ラクス・・・貴女は私が守ります・・・」

カガリは部屋の中でただ一人。
「明日のフレイの実戦練習どうしようかな・・・でもあいつだけは危険にさらしたくない・・・私もフレイを援護するか・・・フレイ、お前は私が守る・・・」

329流離う翼たち・462:2004/04/23(金) 00:09
 セランを指して気分良さそうなアルフレット。フレイは逆らう気も起きなくなり、仕方なくセランのほうを見る。

「あの、御免ねセラン軍曹、こんな事になって」
「いえ、構いません。それより早く機体の調整をしましょう。一応使える状態にはしてありますから、少尉が乗って調子を確かめてください」
「うん、分かった」

 フレイは制服のままでコクピットに入っていく。下からセランが大事な事を聞き忘れたと声をかけてきた。

「そういえば少尉、少尉は前は何に乗ってたんです!?」
「私はデュエルよ!」
「ああ、なら問題ないです。操縦系はデュエルと同じですから。ただ、パワーはデュエルほど高くないので気をつけてください!」

 フレイは礼を言ってコクピットに収まった。確かにコクピットの作りはデュエルと全く同じだ。これなら動かすにも戸惑うことは無いだろう。フレイは慣れた手つきで機体を起動させ、ダガーを起き上がらせた。外部スピーカーを起動し、格納庫に声を流す。

「よし、これなら動かせるわね。とりあえず外に出るから、道を開けてください!」

 フレイの声に吃驚した整備兵やパイロットが慌てふためいて格納庫の中央から退いていく。フレイは兵員が退いたのを確認すると、ダガーを外に出そうとして、早くも違和感を感じた。

「あれ、なんか反応が鈍いかな?」

 最初は気のせいかと思ったが、やはり動きが鈍い。自分の操作に機体が付いて来ない。それでも普通に動かす分には問題は無いので機体を格納庫から出し、広い所まで持ってくる。そして戦闘時のような機動を軽くこなしてみて、違和感を確信に変えた。この機体は間違いなく鈍い。
 そんな不満を感じていると、後ろから付いてきたセランがジープの無線で質問をぶつけてきた。

「どうです少尉、ダガーは?」
「デュエルと同じなのは嬉しいけど、何だか動きが鈍いです。こっちの操作と動きにかなりズレがあって気持ち悪いというか」
「そうですか、とりあえずソフトの方を弄りますから、機体を屈ませてください」

 言われて機体を屈ませ、コクピットを開けるフレイ。セランはコクピットのハッチに一っ飛びで飛び乗ると、機体のOS用キーボードを引き出し、物凄い速さで打ち出した。その余りの速さにフレイも驚いてしまう。

「少尉、機体を動かしてみてください。それで当たりを出します」
「え、でも、危ないわよ?」
「体は器具で固定してあります、大丈夫。ですが、余り無茶はしないで下さい」
「う、うん、分かった」

 言われてフレイは機体を適当に動かしてみる。そのフレイの動きと機体の動作の誤差をセランが修正していくが、だんだん表情が悩むように顰められていく。

「・・・・・・・・・はあ?」

 セランがあんぐりと口を開けてフレイを見る。フレイは何かおかしかっただろうかと不安になったが、その不安はすぐに別の驚きに変わることになる。セランは、信じられないという表情でフレイにこう言ったのだ。

「あの、少尉、これって、本当に問題ないですか?」
「え、なんで?」
「だって、これが本当なら、少尉はコーディネイター並の反応速度を持ってることになりますよ」
「へ?」

 フレイは気付いていなかったのだ。自分が、一体どれほどの化け物になっているのかを。MSパイロットとしての比較対象はキラしかいなかったからこれまでフレイ自身が気付いていなかったのだが、彼女の反応速度は既にフラガと同様にナチュラルの常識を超えていたのである。

330流離う翼たち・作者:2004/04/23(金) 00:19
>> ミリアリア・あの子許せない
何とも大変ですな。本当に全員が金欠になるとは。
学業そっちのけでバイトに走るのはある意味正しい学生の姿かもw

>> 過去の傷
なんか、だんだんヘリオ組全員が怖くなっている
サイとミリィ、フレイ様が壊れ、次はキラが壊れるのかな?

331ミリアリア・あの子許せない 95:2004/04/23(金) 06:06
第2部 7.ミナシロのこと覚えてる? 12/12
[ハイ、キラ、忘れました]

回想が終わり、私の意識は、オノゴロから首都に向かう連絡機に乗る私に戻った。

私は大きなバッグから、私の携帯電話を出した。軍に入っている間は、バジルール中尉に
没収されていたもので、アークエンジェルを降りる際に返されたものだった。やがて、
首都が近づくと共に、アンテナの電波強度を示すバーの本数が増えて来る。私は、携帯電話に
登録されたブックマークを選んでホームページを表示した。

それは、カズイの個人ホームページだった。ヘリオポリスは崩壊したけど、ホームページの
サーバのデータはオーブにもコピーされていて無事だった。カズイが、あの休みの時、
撮影したミナシロの写真が携帯電話の画面に現れる。ミナシロの街、ショッピングモールの
人ごみ、時計塔の広間の様子、海洋遊園、海洋プラントの中。私は、それを言葉無く虚ろな瞳で
眺めながら、ボタンを押して次々と送っていく。

そして、最後まで来た時、私は、もうひとつのブックマークを叩いた。覚えているパスワードを
入力する。それは、カズイが撮った、あの時の私達の写真を掲載した裏ページ。
ミナシロPARKSの屋上レストランでの写真を次々と送りながら見つめる。

「キラ、トール、サイ、カズイ」私は一人呟く。

「トール、トール、……」私は、みんなにVサインをしながら抱きつくトールの写真に、
その騒がくも、周りを明るくさせたトールの声を思い出す。「トール……」

そして、キラの隣で顔を染める私の写真をじっと見つめる。
「キラ、キラ、キラ ……」

連絡機がオーブに到着したアナウンスがした。私は携帯電話を持ちながら、タラップから
連絡機を降りた。降りた一団は、海浜空港から出て、連絡駅へ歩きだす。

── 降りるんだミリィ。そして、忘れるんだ僕のこと。忘れてしまえばいい。

私は、私とキラの写真を出したままの携帯電話を持って、駅では無く海岸の桟橋の方に歩いて行く。

── 忘れるんだミリィ!!

私は携帯電話を海へ投げた。また、涙が一しずく流れた。

(いいの、こんなことしていいの!)
(後から後悔しても遅いのよ!)

私は、ベンチを探して座り込んだ。

「ハイ、キラ、忘れました。仰せの通り」
私は呟いた。そのまま、しばらく、私は放心したように、じっとベンチに座っていた。

どれくらいの時間が経ったのだろう。
私は、やっと立ち上がると、大きなカバンを引きずるようにして、首都に向かう電車の駅へ、
ゆっくりと歩き始めた。

332ミリアリア・あの子許せない 作者:2004/04/23(金) 06:10
これで、7章「ミナシロのこと覚えてる?」終わります。10/12 [ごめんね、お母さん] で出した、
いくつかの不明点は二章後で補完される予定です。また、ミナシロ市そのものも、また出てきます。
次は、フレイSSに戻って、7章「幼子(おさなご)」から続いていた一連の話の締めを、お送りします。

>>過去の傷
うう、ほんとに殴り合いになるとは。私が想像した二人は、だからと言って仲良くはならなかったですね。
結局、一方は、寝返った敵の男を好きになったりして不幸路線でしたが、応援してました。

>>流離う翼たち
フレイ様の、この力、表面上の現れ方はコーディネータやブーステッドマンと同じなんですね。
フレイ様自身が、整備兵に気味悪がられる路線に行かなければいいけど。それには、今のオリキャラの
なにかの活躍要素が必要なんでしょうね。

333過去の傷・116:2004/04/23(金) 08:59
「ラクスさん、なんでしょうか?」
とキラは尋ねた。
「アスラン・・・貴方に剣を託します」
「剣といいますと・・・?」
「はい、自由を・・・フリ−ダムを貴方に託します」
「ラクスさん、どういうことですか!?」
「キラ様、いえキラ・ヤマト!貴方にあれを託したのは間違いでした、はっきり言わせていただきます、貴方にフリ−ダムに乗る資格はありません!!!」
な!?なんだって・・・?
「そ、そんな・・・」
「キラ様・・・・・・ではもう用はありません、帰ってください、アスラン・・・あれをお願いします」

「大丈夫だ、ラクスに秘密で乗せてやる」
「アスラン・・・」
「や、やめて・・・」
「あんたなんか・・・あんたなんか!」
ふいに女同士の言い争いがあったので・・・キラはそちらに向かった。

「フレイ・・・ミリィ・・・」
ミリアリアに馬乗りになりフレイが頬を叩いていた。
お互い頬が腫れていたがミリアリアは酷く・・・痛そうだった。
「はあ・・・はあ・・・」
「・・・うう・・・」
「ミリアリア、分かったでしょ!?女の色気でも容姿でも喧嘩でもあんたは私には勝てないのよ!」
「・・・・・・」
その数時間後。
ミリアリアは食堂にいた。
「ミリィ、キラの様子は?」
「うん・・・大丈夫よ、いまは眠ってるわ・・・」
サイの声に私は答えた。
実はあの一時間後、キラが倒れたのだ・・・熱も下がんないし・・・。
「皆は来ないでね・・・私一人でついていたいの・・・」
カガリやアサギ、ジュリ、マユラにも聞こえるように言うと食堂を去ろうとする、そして赤毛の少女の隣を通り過ぎようとした、すると・・・消え去りそうなくらい小さな声だった・・・。
「キラを・・・頼むわね・・・」
ほんとに消え去りそうなくらい小さな声だ・・・フレイは私に顔を向けようとしない・・・。
「え・・・ええ・・・」
私はそう言うと逃げるように食堂を出た。
これは罪悪感?フレイからキラを私は奪った、それは事実。
「フレイ・・・ごめんなさい・・・」
いまさらだけど罪悪感が出てきた、ト−ルがいないという理由で私はフレイからキラを奪った、いえまだ奪おうとしている・・・。

334流離う翼たち・463:2004/04/23(金) 23:37
 コーディネイター並の反応速度を持つと言われたフレイは唖然としてしまった。馬鹿げている。ナチュラルでは及ばない能力を身に付けたのがコーディネイターである筈だ。そのコーディネイターの能力にただのナチュラルである自分が匹敵するなど、ありえる事ではない。
 だが、自分を見るセランの目がそれを否定させない。セランは興奮してキーボードを操作し、設定を次々に変えていく。そして、設定変更が終わったのかフレイに親指を立てて見せた。

「これで良いと思います。もう一度やってみて下さい。私は下で見ていますから、もう一度結果を教えてくださいね」
「ええ、分かった」

 セランが機体から飛び降り、ジープに戻ったのを確認したフレイは、早速機体を動かした。最初は簡単な機動、そこからだんだんとスピードを上げていき、フレイはダガーの応答速度が十分なレベルにまで引き上げられて居るのを確認して機体を止めた。そしてコクピットから体を出し、駆け寄ってくるセランに大きく頷いて見せた。

「大丈夫、これなら問題ないです!」
「そうですか、それは良かった!」

 セランが拳を握って喜んでいる。そのままダガーの足元にまで駆け寄り、フレイに手で格納庫の方を示している。

「少尉、あそこに練習用の模擬サーベルと模擬ライフルがあります。システムを訓練モードにしてあれを装備してください」
「えっと、どうして?」
「さっき少佐が言ってたじゃないですか。これから模擬戦なんです」
「ちょ、ちょっと待ってください。なんでいきなり!?」
「さあ、私も無茶だと言ったんですが、少佐がいいからやらせろと」

 困った顔になるセラン。フレイが急いでサブモニターに格納庫前の拡大画像を映し出し、アルフレットの姿を確認する。すると、思ったとおりそこには心底面白そうにニヤニヤと笑っているアルフレットの姿があった。

「・・・・・・なるほど、フラガ少佐やキースさんの上官だわ」

 アルフレットは2人に似て人が悪い。良い人なのだが状況を楽しむ癖がある。丁度フラガやキースが自分達をからかって遊ぶように、あの人もそういう人の悪さがあるのだ。

「・・・・・・良いわよ、やってやるわよ」

 暫し悩んでいたフレイはこのアルフレットの露骨な挑発に乗ることにした。何を考えているのかは知らないが、これでもデュエルに乗って総合撃墜スコア30機以上なのだ。フラガ少佐やキースさんに褒められるくらいの技量にはなっているし、誰が相手でもそう簡単に負けるつもりは無い。
 覚悟を決めたフレイは、セランに分かったと答えて訓連用の装備を取りに行った。

 フレイの返事を聞いたアルフレットは面白そうに鼻で笑うと、チラリと背後を振り返った。

「よし、とりあえずは1対1だ。お前ら、誰か行きな」
「それじゃあ俺が!」

 フレイと同じくらいの年の少年が名乗りを上げた。黒髪の東洋系の少年だ。アルフレットはその少年を見ると、ポンポンとその頭を叩いた。

「ようし、その意気だ。勝ったら何か頼み事を聞いてやろう」
「本当ですか!?」
「おお、俺に叶えられるなら何でも聞いてやるぞ。何なら明日一日休暇とかな」
「おおおおおおおおお!!」

 志願した少年は喝采を上げて自分のダガーに乗り込んでいく。それを見送った同年輩の少年達は羨ましそうにその後ろ姿を見送っていたが、彼らより年長のパイロット、多分隊長級のパイロットは不満顔でアルフレットに問いかけた。

「良いんですか隊長、あんな約束をして?」
「何、構やしねえさ。あのお嬢ちゃんに勝てたならそれくらいは安いもんだ」
「どういう事です?」
「まあ、黙って見てなって」

 不信そうに自分を見る部下に、アルフレットは不敵に笑うだけで何も答えはしなかった。

335流離う翼たち・作者:2004/04/23(金) 23:50
>> ミリアリア・あの子許せない
ミリィ、とうとう携帯を捨てちゃいましたか。ドラマのラストシーンですな
次からは再びフレイ様に戻られるようで、楽しみにしてます。

>> 過去の傷
喧嘩は終わったようですが、さてこれからどうなるやら
フレイ様はカガリに走るしかなくなったのか

336ザフト・赤毛の虜囚 49:2004/04/24(土) 07:32
9.母親(ママ) 1/8
[え、行くって、どこのことだっけ?]

私は、安らかな眠りについている。ここは、多分夢の中……

──「フレイ、迷惑をかけてごめん。なるべく早く終わらせるから、ちゃんと待っててくれ」
ビデオメールに残るキラの言葉。
初めて出会った合コンの写真。みんなとの食事の写真。にこやかに微笑むキラの写真。
キラのメモリチップに残る思い出。

そして、そこに眠る私の知らないキラに癒されている。
これで、また歩いて行けると思う。キラの求めるもののために。

「うふ、うふふ……」
思わず笑みがこぼれてしまう。こんな楽しい気持ち、本当に長い間、忘れていた。
ヘリオポリスの平和の中で。友達と、いろいろ、おしゃべりして、買い物して、
あの時以来のこと。

あら、あちらも、なんだか楽しそう。ちょっと行って来よう。

え、行くって、どこのことだっけ?

いいわ、キラも一緒だもの。どこにだって行ける。どこでも安心できる。私はキラに話しかける。
「一緒に行こう、キラ」

ふと、傍らを見ると、今にも泣き出しそうに顔をクシャクシャにしている子供がいる。見たことない子。
私の腰くらいしかない女の子。でも、私には、それが誰なのか分かる。私は、その子に酷いことを
言って追い返した。泣きそうな顔して必死に耐えている姿が記憶に残っている。

「ミコトでしょ。あなたも一緒に行かない」

小さいミコトは、おそるおそる手を伸ばす。その両手を私とキラがひとつずつ繋ぐ。

「一緒に行こう。キラ、ミコト」

二人でミコトの手を振って歩くうちに、少しずつ表情が和らいで来るのが分かる。
私は、キラと小さいミコトを暖かい気持ちで見つめる。

いつのまにか、キラの向こうには、ミコトよりも少し年上の金髪の男の子が手を繋いでいる。
キラは、あの食事の写真のような優しい微笑みを、その男の子に向ける。そして、ミコトにも、私にも……
私達は四人、微笑みながら歩いて行った。

え、行くって、どこのことだっけ?

337ザフト・赤毛の虜囚 作者:2004/04/24(土) 07:34
フレイSS新章です。前章の続きで、フレイは今だお休み中です。
ここで、しばらく、メルデルの方に話を移します。
メルデル編では、メインの一人である新キャラが登場します。
ただ、オリキャラでは無く、TV本編のオフィシャル・キャラです。

>>過去の傷
よく分からないけど、キラはフリーダム剥奪と、ミリィ・フレイ様の喧嘩を見て
ショックで寝込んだのでしょうか。キラが倒れるのを見て、ミリィ・フレイ様の
喧嘩は少し納まった?なんか、二人の意識が変化してますね。キラは、どんな
倒れ方をしたのでしょう。

>>流離う翼たち
展開引っ張りますね。フレイ様、自分に対する意識も思い込み一杯ですね。
こういうところがフレイ様らしいです。凄い力を持っている主人公の場合、
その力を本番のみとか発現に特定の条件を持たせて、一方で人柄的なところで、
味方に受け入れさせるようにしますが、今のフレイ様は、そのどれもしてません。
アルフさんは、フレイ様をどうするつもりなのでしょう。

338過去の傷・117:2004/04/24(土) 11:29
キラの側について看病している私。
キラの側にいられるだけで私は幸せ。
「うう・・・ト−ル・・・ごめん・・・」
「!」
キラはト−ルのことでまだ苦しんでるのね、そこまでト−ルを・・・。
「・・・・・・」(・・・・・・)
私は笑みを浮かべた、そう・・・苦しめばいい・・・私だって苦しいんだから・・・。
でもキラにとってはいいはず、私と付き合えるんだから、それに私もキラを好きになりかけてるから・・・ううん、好きよ、キラのことは好き。
「キラ?」
一人の少年が入ってきた。
この人って・・・。
「キラの様子は?」
と、アスランは言った。
「いえ、状態はそのままです」(この人がト−ルを・・・)

アスランが出て行く、残ったミリアリアは。
(気にしたって仕方ないわね、あの人はト−ルを殺そうとしたわけじゃないんだから、あの人はキラを殺そうとしたって・・・)
「・・・ミリィ・・・」
「あ、気がついた?」
キラが目を覚ます。
「ずっと眠ってたわよ」

通路を歩いたフレイ。
こんなときもキラになにもしてやれない自分が悔しかった、どうして?どうして・・・ミリアリアよりは容姿もなんでも勝ってる自身はあった。
それなのになんで?なんで・・・ミリアリアにキラを取られたんだろう?キラを責めてしまう、キラだって悪いのよ・・・なんでミリアリアに行ったのよ、分からない?あの子はほんとはキラのことなんか・・・。
そう思っているうちキラの部屋に向かっていた、明日はアストレイに乗る、でもいまはそれどころじゃない・・・キラには私が必要・・・私にもキラが必要・・・。

「ト−ルが・・・そう・・・」
「まだ、まだ苦しいんだ・・・ごめん、君のことを思うと」
「アスランって人が来たわよ」
キラの表情が変わり曇る。
「アスランが?そう・・・くう・・・アスランもト−ルも僕にとっては大切な友達なんだ・・・だから・・・うう」
泣きながら告げる。
「ごめん・・・ごめん・・・ミリィ、ごめん!」
「ト−ルのことはもういいの、終わったことよ、それよりもいまはキラが大切よ、大好き」
キラは震えながらミリアリアに顔を上げる。
私は微笑むと。
「大丈夫・・・大丈夫・・・私が・・・いるわ・・・キラには私が・・・」
「く・・・ト−ル、僕は無力!守れなかっ!」
力も剣もあるのに僕は守りたいものを呪いにでもかけられてるように守れない、あのシャトルの少女もト−ルも・・・僕には神様はいないのか?いや・・・ミリィがいる、それでも・・・。
「キラ、私を貴方に上げる・・・だから泣かないで・・・」
ミリアリアはキラの顔を上げされるとキスした、キラも戸惑いながらも目を閉じミリアリアの背中に手を回し唇を押し付けてきた。
そして二人はベッドに入って行く。

339『明日』と『終わり』の間に・2日目・午前:2004/04/24(土) 22:22
 料理がしたいというフレイの願いを叶えてやるため、私は病院にあいつの仮退院を願い出た。幸いにも一日だけという条件で認めてもらうことができ、その翌日私はフレイを自宅に招待した。そして今、私達はキッチンでカレー作りの真っ最中である。

「―――よーし、あとはじっくり煮込むだけだな。なっ、簡単だったろ?」
「・・・確かに簡単だったけど、材料切るのはカガリが全部やっちゃって、私ほとんど何もしてない気がするけど・・・」
「お前に任せてたらお前の指が何本あっても足らないだろ?切るどころか切り落としかねない勢いだったし、あんなの見てたら気が気じゃないぞ」

 ピ〜ンポ〜ン!

「!ン?誰か来たのか?今日は私達以外誰もいないし、ちょっと行って来るよ。その間鍋の中の様子見といてくれ」
「ええ、分かったわ」

 ピ〜ンポ〜ン!

「煩いなぁ、今行くよ。じゃ、頼むな」
「・・・・・・」


「は〜い、どちら様ですか?」
「あ、訪問販売の者です。商品の実演に来たんですけど・・・」

 ちっ、セールスマンか・・・。忙しい時に限ってこういうのが来るんだよなぁ。まぁいいや、適当に相手してやるか。・・・それにしても今の声、何処かで・・・?

「お嬢さん、包丁とかいかがですか?こいつがまたグゥレイトな奴で今なら抗菌まな板とセットでおまけにもう一本・・・って、ゲッ!?」
「・・・何やってんだ、ディ・・・!ディ〜・・・、ディディー?」
「・・・ディアッカな」
「そう、それ!・・・で、何してんだお前?」
「いや〜、大事な仕事トチってまた給料減らされたんだわ!それでそれだけじゃもう食っていけなくて、会社に内緒で色々とバイトを・・・。!!いっ、いやいや、あっしはただのしがねえセールスマン、ディアッカなんて名前じゃありやせんぜ?」
「・・・いや、一目でばれてるから。無理してキャラ変えなくていいぞ?」

 そうか、こいつ今オーブにいたんだった。でもこいつ、すっかり丸くなったなぁ。一応元ザフトの赤服だろ?・・・いいのかよ、こんなんで・・・。

「とにかく、ここであんたに会ったのも何かの縁だ。頼む、包丁買ってくれ!このままじゃ今月のノルマを達成出来ねーんだよ!」
「ここで会ったのもって、ここ私の家だぞ?それに別に包丁には困ってないしさ」
「そう言うなよ、知らない仲じゃないだろ?あ、そうか。ならこの包丁がどれだけ凄いか見せてやるよ!」

 ・・・まずいな、長くなりそうだ。早いとこ追っ払うか。

「例えばこの分厚い電話帳もこいつなら・・・、〜〜〜ッ、あれ?〜〜〜くっ!・・・おかしいな、何で切れねーんだ?」
「・・・無理しなくていいぞ。どうせ切れても買わないから。・・・なぁ、いい加減帰ってくれよ?今日は人が来てるんだ」
「んあ、人?・・・ハハ〜ン、分かったぜ。取り敢えず、アスランには内緒にしといてやるよ。・・・だからその代わり包丁買ってくれよ」
「・・・何を勘違いしてるか知らないけど、今すぐ失せないとその包丁の切れ味、お前で試すことになるぞ?」


 ―――くそ、あれから大分時間が掛かったな。初めから『警察呼ぶぞ!!』って言えば良かった。手間取らせやがって、ディ〜・・・、何だっけ?ま、いっか別に。それより、もうカレー出来上がってるんじゃないか?

「すまん遅くなって!」
「カガリ遅〜い!何やってたのよー!?」
「まぁ、色々とな・・・。それより鍋の方は大丈夫だったか?」
「うん。そろそろ出来たんじゃないかしら?」
「そうだな。どれどれ〜・・・?」

 ・・・・・・えっ!?

「・・・フレイ、私がいなかった間に何かしたか?」
「別に、ただ様子見てただけよ?」
「・・・そうか」

 ・・・変色してるな、”赤”く・・・。それになんかツ〜ンとする匂いもするし・・・。あいつ、何入れたんだ?・・・取り敢えず、盛付けしてみようか・・・。

340ザフト・赤毛の虜囚 50:2004/04/25(日) 07:12
9.母親(ママ) 2/8
[ユーレン・ヒビキだな。ちょっと、ご同行動向願おうか]

私は安らかな気持ちで目を覚ました。ここはホテルの部屋。

私はコロニー・メンデルのホテルを点々としていた。私は、彼を必要としている。
彼が私のところへ来るのを、ずっと待っている。ホテルのドアが、そっと叩かれる。

「誰?」私は問いかける。
「メルデル、僕だ」
「ユーレン!」

私は、喜んでユーレンを部屋に入れる。
「どう様子は? 研究所はどうなっているの? フラガは何もしていない?」
「とりあえずは大丈夫だ。ヴィアも、所長に言って、しばらく研究所に
 寝泊まりさせてもらっている」

「ヴィアは、なんて言っている」
「君が宇宙港に来なかったことで心配している。僕が最後に会ったことになっているから。
 食事に誘った時のこと。色々、聞かれているけど。途中で別れたと言ってある」

「ヴィア…… ごめんなさいユーレン、あなたにも嘘つかせて」
「構わないよ。君のためだ」

ユーレンは、私にキスをする。それで、私は、その気にさせられてしまう。

「メルデル、そろそろ、ここも引き払わないといけない」
「ユーレン、出て行く前に…… して」

「おい、そんなことしてる場合じゃ」
「ずっと待ってたの。してくれなくちゃ嫌」

「しょうが無い、お嬢様だな」
「誰のせいよ」

私はユーレンを手放すことができない。ヴィアに返したくない。ユーレンにヴィアの匂いが
付いていないか確かめたい。なんて醜い心の私。

* * *

私とユーレンは抱き合いながらホテルを出た。その時、私達二人を数人の集団が取り囲んだ。
私は青ざめた。ユーレンが私をしっかり抱き寄せる。私も、ユーレンの胸に隠れるように抱きついた。

「ユーレン・ヒビキだな。ちょっと、ご同行動向願おうか」
「ユーレンは見逃して。あなた達の目的は私でしょ」私は必死の声をあげる。

「誰だ? この女」

戸惑ったような声。おかしい、私を連れに来た、フラガの雇った者達じゃ無いの?

「お前など関係ない。我々が用事があるのはユーレン・ヒビキだ」
「だけど、この女も見逃せないわ。私達を見たんだから」

メンバーの中の、学生とも思えるような少女が言った。私が見ても美しい少女。髪は、
ややウェーブがかった細い髪質、それを後ろに簡単に結んでいる。その少女は、顔に
似合わない冷たい瞳で私を睨みつけた。そして、懐に忍ばせた手に拳銃をチラリと覗かせた。
私を殺すつもりだ。

「よせ、カリダ。無駄に血を流すな。一緒に連れて行くんだ」
「カリダ?」 私は呟いた。

「分かったわ」カリダと呼ばれた少女は拳銃に触れた手を放すと、他の男と一緒に私達を
近くに止めてあった車に乗せた。

「一体何者だ?」
ユーレンは車の後部座席で、隣に座る、さっきのカリダという少女に聞く。
「フラガの手のものじゃないの?」私も問いかける。

カリダは車の中で遠慮無く銃を抜いた。
「黙ってて、汚らわしい悪魔の使い。そこの女、フラガなんて知らないわ。
 私達はもっと崇高なものよ」

「カリダ、お前は過激すぎる。財団の理想を忘れたか」助手席の男がたしなめた。

カリダは、謝るように言葉を返した。
「済みません。この言葉に誓います。青き清浄なる世界のために」

「ブルーコスモス!」ユーレンが恐ろしいことを聞いたように呟いた。

私も聞いたことがあった。コーディネータ排斥を謳い、密かに暗殺までしていると
噂される圧力団体のことを。私はユーレンに体を寄せて震えた。

341ザフト・赤毛の虜囚 作者:2004/04/25(日) 07:13
>>過去の傷
ミリィは、アスランには、そっけない。逃げてる? キラは、相変わらずですな。

>>『明日』と『終わり』の間に
ディアッカが、なんというか…… マニアックなMSばかり作ってたせいでしょうか。
ネメシス・フレイ様、煮込むの見ていただけなのに何が…… 次も楽しみです。

342過去の傷・118:2004/04/25(日) 21:02
「ミリィ・・・」
「もう・・・こんなときくらい黙っててよ」
私はそう言うとキラを抱きしめる。
「ごめん」
「私と結婚するんでしょ、もっとしっかりして・・・ト−ルはまだしっかりしてたわよ」
「うん、そうだね、もっとしっかりしないと・・・」
そう言うとキラは立ち上がる。
「その調子よ」
ミリアリアも立ち上がる。
「ミリィ・・・君は僕が守る・・・」
「なら・・・私も一緒に戦うわ・・・キラの想いの分まで・・・」
そしてお互いキスを交わした。
これでキラは完全に私の虜・・・。

ミリアリアとキラは気づかなかった、フレイが殺意ともとれる険しい表情で二人のキスをドアの隙間から見ていたのを・・・この表情はあれより怖い、父を守れなかったキラに怒りをぶつけたときの・・・それくらい怖い表情でミリアリアとキラのキスを見ていた・・・。

キラ・・・こんなに憎しみを覚えたのはパパが死んだとき以来だわ、なんで・・・なんでミリアリアとキスしてんのよ・・・馬鹿。

「ミリアリアさんとお会いしたのですね?」
「はい」
ラクスの部屋というより指揮官の部屋にアスランは来ていた。
「それでどうでした?」
「私はどうすれば・・・」
そう思うのは当然であろう、あの子の恋人を意思がないとはいえ殺してしまったのだから・・・これは戦争だからといって許されるものではないのである、たしかにアスランも軍人だ、何度もあった、しかし・・・殺した相手の恋人と同じ艦にいるというのは・・・。
「どうすればというのは?ミリアリアさんに対してですか?」
「はい・・・私はあの時キラを殺すつもりでした、しかし・・・結果としてキラの友人を・・・私は・・・」
「でも敵だったのでしょう?お互い・・・なら仕方ないのではありませんか?戦争なんですもの・・・少なくとも私はそう思いますわ」
これはキラ様にも言ったことです。
「そう言ってくださいますと私としても・・・」

343流離う翼たち・464:2004/04/25(日) 23:26
 対戦相手のダガーを前にしたフレイは緊張していた。何しろ初めての連合MSとの対戦であり、模擬戦としては初めてキラ以外のパイロットと戦うのだ。今まで自分がキラに勝てたことは無い。キラは自分を「強くなった」と言っていたが、それがどれくらいのレベルなのかを実感として捉えられたことは無い。何しろ測る目安となる相手がキラしか居ないのだから。航空機のシミュレーターでは流石にフラガやキース相手では勝負にならない。というかキラでも2人には負ける。
 だからフレイは、目の前に立つダガーが少し怖かった。初めてのキラ以外の味方との対決。同じ機体、同じ武装、乗っているのは同年代のナチュラル。こんな条件で戦ったことは一度も無いのだから無理は無いのだから無理も無いだろう。
 些か緊張しているフレイの耳に、通信機からアルフレットの声が聞こえてきた。

「お嬢ちゃん、準備は良いか?」
「は、はい!」
「ようし、それじゃあ模擬戦開始だ!」

 アルフレットの合図と共に相手のダガーが突っ込んでくるが、それはフレイの意表をつく動きだった。

「えっと、どういう事かしら?」

 相手はドタドタと走ってくる。その動きはキラどころか、これまで相手にしてきたデュエルやバスターよりも遙かに劣る動きであった。通常のジンやシグーでもこれよりは速く動くだろう。余りにも遅いその動きにフレイがかえって何かの罠かと警戒してしまう。だが、隙だらけのその動きにフレイは訳が分からぬままにライフルの照準を合わせ、トリガーを退いた。実際に弾が出るわけではなく、コンピューターが命中判定を出すだけなのだが、そのコンピューターは一撃で判定撃破を出している。

「えっと?」

 余りにも弱すぎる相手にフレイは状況が理解できなくなっていた。このダガーは何しに出てきたのだろうか。呆然とするフレイの下にアルフレットからの通信が送られてくる。

「ご苦労さん。一瞬だったな」
「あの、さっきのストライクダガーは何しに出てきたんですか?」
「ああ、この基地の新米パイロットだ」
「ああ、訓練生だったんですか」

 それなら納得だ。幾らなんでもあんな動きでは前線に出ても死ぬだけだろう。あれではヨーロッパで初陣したときの自分よりもさらに性質が悪い。ジンを相手に次々と撃ち落される様が目に浮かんでしまうほどだ。
 アルフレットはそれには答えず、次の相手を前に出した。

「ようし、次行け。勝ったら嬢ちゃん連れてデートさせてやる!」
「ちょ、ちょっと待ってください、何とんでもない事言ってるんですか!?」

 自分をダシに部下を煽りだしたアルフレットにフレイが文句を言うが、アルフレットはニヤニヤ笑いを崩さぬままにフレイの文句に答えた。

「お嬢ちゃん、昔から一宿一飯の恩って言うだろ」
「うぐっ」
「まあ全勝すりゃ問題ないんだから頑張りな。ちなみにうちのガキどもは俄然やる気になってくれたぞ」
「しょ,少佐、貴方って人は〜〜〜」

 フレイは歯噛みしてこの上官の性格を呪ったが、それで事態が好転するわけでもない。暫しブツブツと文句を言っていたのだが、とうとう観念して気持ちを切り替えた。確かに勝てば良いのだ。

「もう良いわ、何人でも来なさい。全員返り討ちにしてやるから!」

344流離う翼たち・作者:2004/04/25(日) 23:37
>> ザフト・赤毛の虜囚
むうう、カリダさんがいきなりブルコスに参加しているとは
でも、カリダさんってキラの叔母さんじゃなかったでしたっけ?記憶違いかな
いずれにしても、ユーレンピンチw

>> 過去の傷
フレイ様までダークサイドに取り込まれてしまった
ラクスの言う事だけはずっと変化してませんね

>> 『明日』と『終わり』の間に
ディアッカ、なかなかに多芸な奴。とうとう訪問販売まで
しかし、このカレーは一体。フレイ様が何もしてないのなら、カガリの材料の問題か?

345ザフト・赤毛の虜囚 51:2004/04/26(月) 01:59
9.母親(ママ) 3/8
[我々を利用するつもりか?]

「手荒な真似をして済まなかった。だが、どうしても来ていただいて話をしたいと思っていた」

私の前にいる男は、まだ30歳前後と若そうながらも、丁寧でいて、かつ、威厳のある口調で話している。
私とユーレンは、広いテーブルについている。後ろには、私達をさらってきた者達が、
かしこまったように突っ立っている。その中には、あの少女カリダもいた。

「もっとも、そうは言っても容易には納得しないかもしれんが、そちらの、お嬢さんには
 危害を加えないことを約束しよう」
「自分でした約束をお忘れなきよう。それと、こちらはミセスです」ユーレンが話す。

そう、私はユーレンに抱かれた時、フラガの指輪を外して、そのままにしていた。

「これは失礼した。確か、そなたの奥様とは違うようだが」
「ミセス・フラガです。私との関係は、ご想像にお任せします」

「フン!」 カリダが軽蔑したように小さく声を漏らすのが聞こえた。

「フラガ……、ということは、あのアル・ダ・フラガか。若い妻をもらったと聞いたことがある。
 そう言えば、顔に覚えがある」

私は、事もなげに話す男に、睨むような暗い瞳を向ける。

「ところで、本題に入りたいところだが」
「その前に、もう一つ約束をしてもらいたいことがあります」

「ほう、この状況で、さらに要求するとは」
「私も馬鹿ではありません。あなた達ブルーコスモスが気づいていること、真に望んでいることが
 何なのか、私も知っているつもりです。それが、分かった上で、約束をお願いしたいのです」

「なんと! うむ、言ってみたまえ」
「私とミセス・フラガが、あなた達ブルーコスモスに拉致されていることを公表してください」

「なぜ、そんなことを?」
「私達二人と、彼女の夫、フラガ氏には、あるトラブルが起こっています。このまま二人が
 行方不明になれば、私の研究所にフラガ氏の圧力がかかります。
 私の妻に危害が加わる恐れがあります」

私は不安げにユーレンの顔を見た。ユーレンは真剣そのものの目付きだった。私の心はざわめいた。

「我々を利用するつもりか?」
「ありていに言えばそうです」

後ろに立っている男達が、どよめいた。カリダは、もう手を懐に忍ばせている。

「カリダ、やめい! まったく、お前は何度言ったら分かるのだ!」

男の一喝で、カリダの手が止まった。その後のカリダの顔は、さっきとは違う、まるで、
叱られた猫のように、しょぼんとしていた。

「いいだろう、聞いてやろう。それにしても、自分の立場さえ危ういというのに、この場に
 居ない妻の身を案じ、しかも、我々を利用することを公然言い放つとは……
 大した自信だ。変わった男だな」
男は関心したように呟いた。

「いえ、逆です。私の力など限られています。この場にいないからこそ、こうして、あなた方に
 妻を任せるのです。自分と、そして、ここにいる私の愛しい人は、自分自身で守ります」
ユーレンは、私の肩に、そっと手を置いた。

「ユーレン……」
私は肩に置かれたユーレンの手に、自分の手を重ね、ユーレンを見つめて言葉をかけた。
ヴィアのことだけを想っていると不安だった。私のこと、やっぱり……。

「よし、約束しよう。そなたの奥様の身は保証すると。このウズミ・ナラ・アスハの名にかけて」
「頼みます。ウズミ様」

ここは、オーブ。私達はL4コロニー・メンデルから連れ出され地球に降りた。
そして、オーブの、とある場所に監禁された。このウズミ・ナラ・アスハは、オーブの王族の血筋の人。
だけど、ブルーコスモスに密かに関っていた。何を目的にしているのか、私には分からない。
ただ、私には、自分とユーレンが、どうなるのかということだけが気がかりだった。
そして、その心配も今消えた。ユーレンは私を守ってくれる。

そして、もう一つ。ウズミの言葉の後、うって変わったように、おとなしくなり、切なげな瞳で
ウズミを見つめるカリダの姿が気になった。

(カリダって、ウズミのことが……)

346ザフト・赤毛の虜囚 作者:2004/04/26(月) 02:01
カリダは公式年表ではヴィアの妹ということになっていますが、クローン・フレイの
話を考えていった時は、それが明らかになる遥か前で、その時点で最初からカリダは
ブルーコスモス所属のつもりでした。その他、ストーリーの都合もあり、本SSでは、
妹設定は無視させてもらいます。他にも、色々都合があって、公式年表から改変を加えています。

>>過去の傷
ミリィも、そう言ってるんだから、キラしっかりしないと。で、フレイ様とは?
アスランは、直接ミリィと話しないんですね。結局、「星のはざまで」でも絡みませんでしたし。

>>流離う翼たち
なんかレベルが違う気が。フレイ様、後は全勝するという己自身のプレッシャーに勝てるかどうかですな。

347過去の傷・119:2004/04/26(月) 09:51
「あ、僕、少し出かけてくるよ」
そう言うとキラは出て行った。
その数分後。
キラ遅いな・・・どこ行ってるんだろ。
あ、来た。
「・・・キラ?・・・!!!」
入ってきたのは黒い髪の少年ではなく赤い髪の少女だった。
「フレイ・・・ちょっと勝手に入ってこないでよ」
しかしフレイはミリアリアの言葉には耳をかさずに強引に部屋に入ってきた、あきらかに怒りの表情を浮かべて。
「なによ」
「うるさい」
一言でミリアリアを黙らせると辺りを見渡す。
「この美容液も化粧水も私のじゃないんだけど、あんたのでしょ?部屋から出しなさいよね」
「どうして私がそんなことしなくちゃなんないのよ」
「ここの部屋は私とキラの部屋よ!ラクスの許可も取ってるの!」
苛立たしげに叫ぶフレイ。
たしかに・・・キラ・ヤマト、フレイ・アルスタ−専用個室となっている。
「早く出て行きなさいよね!・・・ちょっと・・・なにいつまでもなれなれしくキラのシ−ツかぶってんのよ!」
フレイはミリアリアのいる寝室まで来るとミリアリアのかぶっているシ−ツを強引に奪い取ろうとする。
「いや、やめて!」
ミリアリアも必死に抵抗する・・・。
女同士の奪い合いとなるが、フレイの方が若干、力が強いのかシ−ツを強引に奪い取る。
「・・・・・・」
「だいたいあんたなにやってるの?仕事しなさいよね、それでも軍人なの!?」
「それはあんただって・・・」
「私はモビルス−ツ操縦をカガリとやってるわ、あんたはなにしてんの?ここで」
「私は・・・CICはダコスタさんが・・・」
声が消え去りそうなくらい小さなミリアリアの声、しかしフレイは容赦ない。
「結局はその人に任せっきりなんじゃないの、モビルス−ツも歩くことすらできない、なんの役にも立ってないじゃない、情けない女だわ、はっきり言ってあんたア−クエンジェルにいた頃の私と同じだわ、さらにキラまで騙して利用しようとしてるなんてほんとあんたって救いようがない女だわ」
利用という言葉に反応した。
「違うわ、私・・・」
「なにが違うのよ!私が知らないとでも思ってるの!?」
「違う、最初は・・・でもいまは違うわ!だいたい・・・フレイになにが分かるのよ!ト−ルが死んで悲しい私の気持ちなんて・・・」
「他人でしょ?恋人といっても他人じゃない」
他人?この女は・・・。
「なんですって!?もういっぺん言ってみなさいよ!」
「ええ、何度でも言ってるやるわ、ト−ルは他人よ、肉親じゃないの!」
「!」
「私にはパパもママもいないわ、あんたにはいるじゃない!あんただけ寂しいなんて勝手に思わないでよ!!!いいかげんにしなさいよね!」
そしてキラが戻ってきた。
「キラの馬鹿!」
「フレイ!?」
「あんたミリアリアに騙されてるのよ!?」
終わったわ・・・。
「キラの嘘つき!あんたなに考えてるのよ!ええ!あんたは私が好きなんじゃないの!?」
フレイの迫力にキラも圧倒されてるみたい。
「あんたには私がいないと駄目なんだから!私がいないとなにも出来ないくせに!この馬鹿!!!キラ、黙ってないでなんとか言いなさいよね!私はあんたが好き!あんたはどうなの!?」

348キラ(♀)×フレイ(♂)・42−1:2004/04/26(月) 17:51
絶望と希望が、まるでコインの裏表のように目まぐるしく入れ替わった夜が明けた。
サドニス島二日目。爛々と輝く太陽は、東の海を赤く染めながらゆっくりと立ち昇る。
その太陽が穏やかに本島普天に鎮座した時分、安ホテルの出口から一組のカップルが
のそのそと姿を現した。キラとフレイである。
二人は互いに身体を寄せ合いながら、まるで徹夜明けのリーマンのような寝不足の
顔を覗かせている。今の時刻は正午過ぎ。一見、お寝坊さんの身分を詐称しながらも、
実は一晩中情事に明け暮れており、ほとんど一睡もしていなかったからだ。
前日の恐怖体験のトラウマを癒やすかのように、はじめてアークエンジェル以外の場所で
濃密な一夜を過ごした二人の共通の感想は、「部屋にシャワー室があるのって便利」である。
いやはや、フレイはともかくキラまでもが、随分と思考が廃れ始めたみたいだ。

集合時間までまだかなり間の合った二人は、思考をアンプラトニック(自堕落モード)
から、プラトニック(フレッシュモード)へと切り替え、アミューズメント・パーク
で時間を潰すことにした。



「わぁい。遊園地なんて何年ぶりかしら」
ホテルからバスを二つほど乗り継いで、二人はパークのゲート前に辿り着いた。
意外とお子様ランチなキラは、遠目からでも視認可能な大型観覧車の存在に瞳を
キラキラと輝かせていたが、それとは逆にフレイは退屈そうに欠伸を噛み殺した。
こんなご時世だから、客足もガタ落ちしているだろうし、採算が合わずに営業停止して
いるだろうと高を括っていたフレイだが、彼にとって不幸(キラにとって幸い)
なことに、悪魔の壁が開かれる前後の日付は、パークは臨時営業していたのだ。

「流石に中は空いてるわね。これなら待たずに済みそうだわ」
フリーパスを買い込んで、全乗り物制覇に浮かれて「ルンタッタ♪、ルンタッタ♪」
とワルツのダンスを踊りながら鼻歌を演奏するキラに、フレイは軽く肩を竦める。
「なんで、こうも極端なのかね…」
今のキラのドリィーミングな姿と、彼だけが知る彼女のアダルティックな
夜の顔とのギャップの激しさに、フレイも些か戸惑いを感じざるを得ない。
「早速乗り物に乗ろうよ」「その前に軽く腹ごしらえが先だろう」
と意見が真っ二つに分かれていた二人の前に、デート中のトール達カップルが姿を現した。


「あっ、ミリィ達も来ていたんだ………って、どうしたの二人とも?」
軽い笑顔で話しかけたキラとは打って変わって、二人は警戒心バリバリで、キラ達
…というよりはキラの隣にいるフレイを睨んでいる。彼氏の影にそそくさと隠れた
ミリアリアは小動物のように脅え、トールは身体全体から敵意を発散させている。
「それじゃ、僕は何か飲み物とフードを買ってくるよ」
脅怒の相反する二人の視線を軽く受け流したフレイは、この機を幸いにと自分の意見を
押し通すことにして、その場を離れていく。フレイを過剰に意識しているトール達とは
対照的に、フレイの方は二人に一瞥もくれることなく、彼女達の存在を無視していた。

くそっ!キラが関わらなければ、俺らのことは眼中に無しかよ!?
てっきり二人でいることを皮肉られて、嫌味の一つでも投げ掛けられるのでは
身構えていたトールは、シカトされた事に腹を立てて内心で歯軋りした。
フレイと天中殺に近い相性の悪さを誇るトールは、彼がどういう行動をとっても
負(マイナス)の感情しか刺激されないみたいだ。


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