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フレイ様人生劇場SSスレpart5〜黎明〜

315流離う翼たち・460:2004/04/19(月) 23:46
 翌朝、目を覚ましたフレイはベッドから起き、着替えをどうしようかと悩んだ。幾らなんでもここには女物の服は無いだろうし、もっていたらそれはそれで怖い。かといって昨日着てた制服はびしょ濡れで今日は着れないだろうし、本当にどうにもならない。仕方なく昨日借りたシャツを着て部屋の外に出る。すると、何だかベーコンの焼ける匂いが漂ってきた。

「あれ、食事?」

 どうやらまたアルフレットが料理をしているらしい。あれはちとダメージが大きいのだが、泊めて貰っている以上文句も言えない。とぼとぼと食堂に入り、椅子に腰掛ける。

「よう、起きたのか」
「はい、昨日はありがとうございました」
「ハムハムハム」
「なあに、気にすんな。ガキの1人くらい何でもねえよ」
「でも、迷惑かけました」
「モグモグモグ」
「まあ、さっさと食ってくれ。食ったら出かけるぞ」
「え、何処にですか?」
「むむむ、目玉焼きが見事な出来栄え」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 ようやくフレイは隣を見た。いや、さっきからいるのは分かっていたのだが、あえて無視していたのだ。そこには、連合兵士の制服を着た20過ぎくらいの女性兵が座って何故か朝食を食べていた。何というか、顔立ちの整った美人だ。

「あの、この人は?」
「おお、俺の部下で、セランだ。整備班の奴だよ」
「はあ、そのセランさんがどうしてここに?」
「ああ、お前の着替えを持って来てもらった。昨日の夜にちょっと走り回って貰ったんでな、こうして労を労ってる訳だ」

 アルフレットもテーブルに付いて自分のトーストを齧る。隣に座るセランという兵士は自分の方を見ると、右手で略式の敬礼をしてきた。

「セラン・オルセン軍曹です。少尉の着替えを手に入れてくるように少佐に命令されました。少尉の制服と下着は洗濯と乾燥をしてそこに置いてあります」
「あ、ありがとう」
「いえ、構いません。あ、自分のことはセラン軍曹と呼んでください」

 どうやらアルフレットが自分の生活を考えて手を回していてくれたようだ。だが、アルフレットは自分を何処に連れて行くつもりなのだろう。

 朝食を終えた3人はセランの運転する車で何故かマドラス基地へと向かった。フレイにしてみればアークエンジェルから離れられるならそれで良いのだが、基地に行くというのもなんだか気が引ける。アークエンジェルの中では顔見知りばかりだったから余り表に出ていなかったが、実はフレイは結構人見知りが激しい。味方と分かってはいても、知らない人と一緒に居るのはどうにも落ち着かないのだ。


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