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穂乃果「イメチェンしたら、大騒ぎになっちゃったっ!?」

1 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/20(日) 10:11:22 ID:5N.c3b1Q
・話のメイン=穂乃果&ことり&あんじゅ
・基本アニメ準拠+一部SIDネタ
・ご都合主義&超絶ベタ王道展開
・超スローペース進展ストーリー
・オリジナル設定有り(やや多め)
・誇張表現&長回し台詞有り(多め)
・穂乃果ハーレム要素有り(強め)
・長編(前作より大幅に長くなる予定)

※公式アンソロ作品「穂乃果イズム」をきっかけに思い浮かんだ妄想ストーリーです
※数多くの先駆者様SS作品の影響を受けており、もしネタ被りの際には何卒ご容赦願います
※SS投稿二作目となります(↓粗い出来ですがこちらが一作目です)
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1552425466/l50

514 ◆bK3.D2B8eM:2020/04/29(水) 07:24:20 ID:fFK/qsbQ
ことり「それに今の時間なら、まだ間に合いそうだし…うん、大丈夫だよ☆」

穂乃果「そっか…それなら良かったんだけど。」


ことり「だからね、穂乃果ちゃん。今は私の事よりも、早く電話に出てあげて…?」

穂乃果「うん…分かった。ありがとう、ことりちゃん。」


ことり「ううん…私こそ、ありがとう……じゃあ、そろそろ行くね…?」


穂乃果「うん、気を付けて行ってきてね。」

ことり「えへへ…了解です♪」ビシッ☆


タッタッタ……


穂乃果「……ことりちゃーんっ!」


ことり「…えっ…?」クルッ


穂乃果「バイバーイ!また明日ねーーっ!」ブンブン!

515 ◆bK3.D2B8eM:2020/04/29(水) 07:34:14 ID:fFK/qsbQ
ことり「…穂乃果ちゃん……うんっ♪」フリフリ


ことり「また…明日。」


ことり「………」クルッ


タッタッタ……


ことり(……穂乃果ちゃん……私の事……あんなにも…心配してくれてたのに……)


ことり(それに…みんなだって……私の事を……ずっと…気に掛けてくれてたのに……)


ことり(……だけど…私は……自分の本心を隠す為に…その場で思い付いたウソを…ただ繰り返してばかりで……)

ことり(私の大切な人達からの…私への優しい気持ちを……何度も…何度も……踏み躙っちゃって…たんだ……)


ことり(………穂乃果ちゃん……みんな………本当に……本当に………)ポロ…


ことり(……っ……ごめん……なさい………)グイッ…

516 ◆bK3.D2B8eM:2020/04/29(水) 12:45:08 ID:fFK/qsbQ
穂乃果(…ことりちゃん、やっぱり無理してた感じ…だったよね。)


プルルルルル…


穂乃果「…と、そうだった!今は電話に出ないと…!」ゴソゴソ


プルルルルル…


穂乃果(出るのが遅れちゃった事、ちゃんと謝らないとね。ええっと、誰から………あっ…!)


ピッ♪


穂乃果「あのっ、もしもし…!?」


穂乃果「あっ…はい、穂乃果です…!ごめんなさい、お待たせしちゃって…!」


穂乃果「……はいっ、時間なら大丈夫です!今から家に帰るところだったので……えっ?」

穂乃果「あはは…みんなからも、よく言われちゃってます。すみません、騒がしくしちゃって…///」ポリポリ

517 ◆bK3.D2B8eM:2020/04/29(水) 12:59:14 ID:fFK/qsbQ
穂乃果「……へっ…?あーっ!そういうのってズルいですよー、もぉー!」プクー


穂乃果「……はい…はい……クス、そうですね。ちょっとビックリしちゃいました!」

穂乃果「こんなに早く電話してきてくれるなんて、思ってませんでしたから。」


穂乃果「……え…?そ、そんな……えへへ。」

穂乃果「私の方こそ、また二人でお話が出来て…とっても嬉しいです!」


穂乃果「あんじゅさ……ううん。」


穂乃果「『あんじゅお姉ちゃん…!』///」






518 ◆bK3.D2B8eM:2020/05/01(金) 07:43:43 ID:zhyTdbXs
SCENE 15.【UTX高校・『A-RISE』専用ルーム】


あんじゅ「……あらあら、それは興味深いわね。フフ、楽しみにしてるから♪」

あんじゅ「……ええ……ええ……そうね、分かったわ。それじゃ穂乃果さん、また明日ね☆」ピッ


あんじゅ「さて…これで後は、残りの準備を整えるだけね。」


あんじゅ(ウフフ…本当に楽しみね♪今から待ちきれないわ☆)

あんじゅ(ねえ、穂乃果さん。明日のこの街の主役は…きっと貴女よ☆)


ガチャッ


ツバサ「…やっぱり、此処に居たのね。」

あんじゅ「あら、ツバサじゃない。もしかして私に、何かのお誘いかしら?」


ツバサ「…貴女ねえ。それ、ワザとやってるでしょう?」ジトー

あんじゅ「気のせいじゃないかしら?」メソラシ

519 ◆bK3.D2B8eM:2020/05/01(金) 08:31:40 ID:zhyTdbXs
ツバサ「ハァ……貴女にも困ったものね。英玲奈、多分怒ってるわよ?」

ツバサ「レッスンの時間になっても、貴女一人だけが来ないんですもの。だから…」


あんじゅ「ツバサが英玲奈を宥めつつ、私を呼びに来てくれたって訳ね。あ・り・が・と♪」パチッ☆


ツバサ「…最初からこうなる事が分かってるのなら、ちゃんと時間には来なさいよ、もう…」ゲンナリ

あんじゅ「フフ…ごめんなさ〜い☆」


ツバサ「全く…貴女って、本当に気紛れなんだから。急に振り回される私達の身にも、少しは…」

あんじゅ「あ〜ん。そんなに怒っちゃ〜、イ・ヤ☆」


あんじゅ「そもそもツバサだって、私の事は言えないんじゃなーい?」

あんじゅ「貴女の持ち前の強引さには、私も英玲奈も何度振り回された事かしらね?」フフン


ツバサ「…ふぅ……まあ、いいわ。」

ツバサ「貴女がそれを言い出したら、結局は水掛け論にしかならないでしょうから。」

520 ◆bK3.D2B8eM:2020/05/01(金) 09:02:56 ID:zhyTdbXs
あんじゅ「そういうコト☆やっぱり人間って、常日頃の行いが大事なのよねえー。」ウンウン


ツバサ「その言葉こそ、貴女にだけは言われたくないわね?」

あんじゅ「まあまあ☆そこは私とツバサの仲じゃない♪」


ツバサ「はいはい…本当に調子良いんだから。」


ツバサ「ところで……ねえ、あんじゅ。」


あんじゅ「あら、どうしたの?」


ツバサ「私の方で、少し小耳に挟んだのだけれど…」

ツバサ「昨夜は貴女、二人だけで一緒に居たそうね…高坂さんと。」


あんじゅ(クス…情報が早いわね。流石はツバサだわ。) 


あんじゅ「ええ、そうよ。昨日の夜に会った時に、私の方からあのコをお誘いしてね?」

あんじゅ「二人で仲良くお喋りをしながら、夜の街をドライブデートしてたの♪」

521 ◆bK3.D2B8eM:2020/05/01(金) 11:24:20 ID:zhyTdbXs
ツバサ「…なっ…」


あんじゅ「その後は、あのコを私の家にご招待して〜…お泊まりして貰っちゃったの☆」


あんじゅ「あ、そうそう♪寝る時も私の部屋で、ずっとあのコと一緒だったのよ?」

あんじゅ「私のベッドって大きいから、二人で一緒に寝ても全然余裕だったわ☆」


ツバサ「………」ポカーン


あんじゅ「ビックリしてるみたいね?」


ツバサ「……そうね。確かに…驚いているわ。」


あんじゅ「ツバサのそんな表情、随分と久しぶりに見た気がするわよ?」フフッ


ツバサ「…だとしたのなら。それも已むを得ない事、なのでしょうね。」


ツバサ「だって、今の話をしていたのが…他ならぬ『貴女』なんですもの。」

522 ◆bK3.D2B8eM:2020/05/04(月) 07:10:31 ID:rKNkdvNg
あんじゅ「やーん。何だかその言い方って、ちょっと引っ掛かっちゃうわ。」


ツバサ(…でも……成る程。確かに今の話の通りであるなら。)

ツバサ(どうやら私の推測は…当たっている可能性が高そうね。)


ツバサ「…ねえ、あんじゅ。まだ後一つ、貴女に聞きたい事があるの。」


あんじゅ「ええ、いいわよ。でもその前に、何か私に見せたいものもあるんでしょう?」


ツバサ「話が早くて有り難いわ。貴女のその察しの良さ、いつもながら大したものね。」ピッ


あんじゅ「『お褒めに預かり光栄よ♪』って、言いたいところだけど。それはツバサだって同じじゃない。」フフッ


ツバサ「さあ、それはどうかしらね……これよ。」スッ


あんじゅ「あらあら☆とっても楽しそうね♪」


ツバサ「私と仲の良いクラスメートで、大の『μ's』ファン…特に高坂さんのファンの子がいるの。」

523 ◆bK3.D2B8eM:2020/05/04(月) 12:23:38 ID:rKNkdvNg
あんじゅ「まあ♪『意外な場所』でも見つかるものなのねえ。大好きな気持ちを共有する『同志』って☆」ジーッ


ツバサ「…そういう理由で仲良くなった訳ではないわ。そんな事よりも…話を続けるわよ?」ジトー


あんじゅ「はーい、ごめんなさーい。」ペロッ☆


ツバサ「…もう。私が聞いた話によると、その子も交流の機会が多い『μ's』ファンの人達での集まりがあって。」

ツバサ「その繋がりの中には、高坂さん達と同じ音ノ木坂の生徒も居るらしいわ。」


あんじゅ「ふむふむ、つまり。まずはその音ノ木坂のコが、ツバサのお友達にラインで知らせてー。」

あんじゅ「次にこの件を知ったお友達のコが、ツバサにも情報を提供してきた…と☆」


ツバサ「ええ、そう言う事。このイメチェンした高坂さん、学校全体での規模で大人気だそうよ。」

あんじゅ「フフ、そうみたいね。さ〜て、どれどれ〜…?」


あんじゅ「へえー。集合写真に、2ショットに……どれも良い感じで撮れてるわね☆」


ツバサ「………」

524 ◆bK3.D2B8eM:2020/05/04(月) 12:56:01 ID:rKNkdvNg
あんじゅ「あらあら、このコったら。真っ赤な顔で照れくさがってる写真ばかりじゃない。」クスクス

あんじゅ「だけど、それがまたキュートなのよね♪だってこのコって、どんな表情でも絵になってしまうもの☆」


ツバサ「………」


あんじゅ「クス♪きっと『一緒に写真撮って欲しい』って、学校中のコ達からお願いされちゃってたのね。」


ツバサ「……それで、どうなのかしら?」 


あんじゅ「あら、どうって?」 


ツバサ「…本当に面倒な人よね、貴女って。」ゲンナリ


あんじゅ「それは私のせいじゃなくて、ツバサが色々と簡略化し過ぎるからでしょう?」フフッ


ツバサ「初めから私の意図を分かっている時でも、時々わざと聞き返してくる人の言葉とは思えないわね?」ジーッ


あんじゅ「あらぁー?それは買い被りだと思うわぁー。」ボウヨミ

525 ◆bK3.D2B8eM:2020/05/06(水) 10:02:39 ID:2YrCt/16
ツバサ「ハァ……なら、そういう事でもいいわ。」


ツバサ「それで…?この高坂さんのイメチェンって、やっぱり貴女の仕業かしら?」

あんじゅ「さーて、どうなのかしらねえ?」


ツバサ「ハッキリしないのね?この高坂さんのメイクは、貴女がしてあげたものではないの?」


あんじゅ「その質問への答えなら『NO』ね。そのメイクを『した』のは『私じゃない』わ。」


ツバサ「そう、よく分かったわ。」

あんじゅ「分かってくれた?」


ツバサ「ええ。高坂さんが自分一人でも出来る様に、このメイクそのものを『教えた』のは『貴女』だって。」


あんじゅ「ウフフ…だいせいかーい♪」


ツバサ「「やれやれね…全く。でも、やっぱり貴女だったのね。」

526 ◆bK3.D2B8eM:2020/05/06(水) 11:08:27 ID:2YrCt/16
ツバサ「昨日の夜、貴女が高坂さんと二人だけで会っていたという件。その翌日に起きた、音ノ木坂での大規模な騒ぎ。」

ツバサ「この二つの情報を知った時点で、恐らく高坂さんの件には貴女が絡んでいると。私はそう推測していたの。」

ツバサ「単純にタイミングだけで考えてみたとしても、其処に何も関連性が無いと判断する方が余程不自然だったものね。」


あんじゅ「そしてツバサは、さっき私から直接話を聞いた事によって。」

あんじゅ「その『推測』が『確信』へと変わっていった。そういう流れって訳ね☆」


ツバサ「確信だったのかはともかく、そんな感じではあったわね。ただ…それにしても。 」


あんじゅ「ん?なぁに?」


ツバサ「…改めて驚かされているのよ。昨日…そして今日の、貴女の高坂さんへの態度と行動に。」


あんじゅ「あら、ツバサったら。私とあのコとの事、随分と気にしてるのね?」フフッ

ツバサ「ええ、勿論よ。」

527 ◆bK3.D2B8eM:2020/05/06(水) 13:22:03 ID:2YrCt/16
あんじゅ「へえー。私のこういう問いに即答なんて、貴女にしては珍しいじゃない。これって明日は大雨警報かしら?」クスッ


ツバサ「その『貴女にしては珍しい』は、むしろ私が『今の貴女』に対して向けるべき言葉だと思うわよ?」


あんじゅ「ふむふむ…其処はそう返して来るのねえ。」


あんじゅ「それなら是非とも、貴女が驚いている『理由』を聞かせてくれるかしら?」

あんじゅ「ツバサがそこまで言うって事は、それだけの何かがあるんでしょうし。」


ツバサ「そうね。その『理由』を説明するのであれば、私の見解からはこうなるわ。」


ツバサ「まずは『常に他人とのパーソナルスペースを、一定のラインで保ち続ける。』」

ツバサ「どんな時であろうと、そのスタンスを絶対的な信条としている『貴女』という人が。」

ツバサ「わざわざ自分の方から、進んで他人と関わろうとした事。」


ツバサ「この点だけを考慮しても、既に十二分の驚きに値するでしょうね。」


あんじゅ「ちょっとぉー?その言い方だと、まるで私が冷徹人間みたいじゃない?」ムスー

528 ◆bK3.D2B8eM:2020/05/11(月) 06:37:14 ID:yzAKbgbE
ツバサ「私は貴女に纏わる事実とそれに関する意見を、客観的な視点から見た上で述べているだけよ?」

ツバサ「そもそも今の話を最も理解出来る人物は、他の誰でも無く『あんじゅ自身』だと私は思っているわ。」


あんじゅ「むー…そりゃあ、確かに…『私が誰かにここまでするのって、とっても珍しい事なのよ♪』みたいな事とか…」

あんじゅ「自分で、あのコに言ったりはしてたけれど…それにしたって、もう少し言い方があるんじゃないかしら。」ブツブツ


ツバサ「それにね、あんじゅ。」

あんじゅ「…それに、なぁに?」ジトー


ツバサ「貴女が昨日の夜に、あの人当たりの良さでも知られている高坂さんと出会って。」

ツバサ「その高坂さんが、貴女に対して積極的に歩み寄って来た…という話であるのなら、まだ理解は出来るわ。」

ツバサ「でも、実際はそうではなかった。だって歩み寄って行ったのは、貴女の方だったのだから。」


ツバサ「私がさっきの貴女の話から知った、普段の貴女では『考えられない』高坂さんへの数々の行動。」

ツバサ「そして高坂さんの話をしている時の、今日の貴女のとても楽しそうな表情。」

529 ◆bK3.D2B8eM:2020/05/12(火) 17:36:16 ID:YjtZts6I
ツバサ「『昨日の夜に高坂さんと出会うまでの優木あんじゅ』の事を、それなりに知っている人間なら誰であろうとも。」

ツバサ「これらに対して『驚き』を強く感じるというのは、極めて『自然』な反応であると言えるでしょうね。」


あんじゅ「むぅー…結局のところは、私って『普段は冷たい人間』扱いになってるじゃなーい。失礼しちゃうわねえ、もう。」

あんじゅ「いーい、ツバサ?私だってこう見えても、ガラスの様にデリケートでピュアなハートの『乙女☆』なのよ?」キリッ

あんじゅ「だから余り酷い言い方ばかりされると、当然傷付いちゃう事だってあるんですからねっ?」プンプン


ツバサ「ただ、これはまた別の話になるのだけれど。」


あんじゅ(華麗にサラッとスルーしてくれちゃったわねえ……やっぱりツバサって、本当に侮れないわ。)ムムム…


ツバサ「私としては、まだ他にも気になっている事があるのよ。」


あんじゅ(しかもスルーした相手である私に対して、全くお構いなしで話を進めるこの『強引さ』…これぞ正しくツバサね。)ムゥ…


ツバサ「昨日の貴女が高坂さんに対して、ずっと主導権を握っていたという事は。」

ツバサ「それは『あの高坂さんが、相手の人に一方的に振り回され続けていた』…という意味でもあるわ。」

530 ◆bK3.D2B8eM:2020/05/12(火) 18:32:17 ID:YjtZts6I
ツバサ「あの『カリスマの象徴』たる高坂さんにも、そんな一面があったというのは少し意外だったけれど。」

ツバサ「同時に私にとっては、実に興味深い情報であり発見でもあったわね。」


あんじゅ(ん…?何だかこれってー、ちょっと面白い流れに…なって来てるんじゃないかしら?)キラーン☆


ツバサ「何しろあの高坂さんったら、私と初めて会った時こそ緊張している感じだった筈なのに。」

ツバサ「その後で私の『貴女達には負けない』宣言を堂々と受けて立った挙句、笑顔でお礼まで言って来たんですものね。」クスッ

ツバサ「正直あの切り返しには、私も驚かされていたのよ。でもそんな彼女に対して、更なる関心を抱いたのも事実だったわ。」スラスラ


あんじゅ「あらあら、ツバサったらー♪気が付けばあのコの事、とっても熱心に語ってるのねえ☆」クスクス


ツバサ「……少し、喋り過ぎたわね。」コホン


あんじゅ「クス♪私は全然構わないわよ?」スッ


あんじゅ「それに今のツバサの本音としては、私よりもあのコの事が気になってるんでしょう?」ツンツン☆プニッ

531 ◆bK3.D2B8eM:2020/05/12(火) 19:00:35 ID:YjtZts6I
ツバサ「…そこまでは言った覚えは無いわ。」プイッ


あんじゅ「けれど、そう『思ってはいる』のよね?別に隠さなくたっていいじゃない♪」ポン☆


あんじゅ「あ、でもー。貴女の『相棒』である立場の私としては、これって結構な由々しき事態なのよねえ。」

あんじゅ「『ああ…私ったら、このままツバサに捨てられちゃうのかしら?それって、とってもショックだわぁ〜><』」


ツバサ「もう…からかわないで。」ムスッ


あんじゅ「フフ、そんなに照れなくても良いのに☆」スッ


あんじゅ「本当にツバサって、穂乃果さんの事が大のお気に入りなのね♪」


ツバサ「…『穂乃果さん』?」ピクッ


あんじゅ「ええ♪私からは『穂乃果さん』って、そう呼ぶ事になったの☆」


ツバサ「………」

532 ◆bK3.D2B8eM:2020/05/14(木) 12:27:19 ID:.5YKYiug
あんじゅ「それにね?あのコったら私の事、時々『お姉ちゃん』って呼ぶのよ☆それがまた可愛くって♪」ウフフッ


ツバサ「……高坂さんと、随分親しくなったのね?昨夜から今朝の間に。」


あんじゅ「さあ、それはどうなのかしらね。面と向かって話す機会が出来たのは、何しろ今回が初めての事だったもの。」


あんじゅ「それに貴女も言っていた様に、あのコって誰に対しても人当りが良いコみたいだから。」

あんじゅ「本当は振り回され続けて困っていながらも、何かと合わせてくれていただけなのかも知れないし。」

あんじゅ「珍しく『自分が受け手側になる相手』だったと考えられる、とにかく強引な私に押されながらもね。」


あんじゅ「それでも穂乃果さんと、少しでもお近付きになれてるといいなって。私の希望としては、今もそう思っているの。」


ツバサ「…以前から高坂さんと、時折顔を合わせる程度の機会はあった…という訳では無いの?」


あんじゅ「違うわよ?昨日の学校帰りに、たまたま穂乃果さんと出会ったの。これは本当に偶然だったわ。」

あんじゅ「つまり私と穂乃果さんとの『縁』は、あの時の出会いという形での『接点』から始まった事になるでしょうね。」


ツバサ「…そう。」

533 ◆bK3.D2B8eM:2020/05/14(木) 13:06:53 ID:.5YKYiug
あんじゅ「ねえ、ツバサ。今の貴女の表情だけどね?」

あんじゅ「私に先を越されて『ちょっと悔しがってる』って、そんな顔してるわよ?」


ツバサ「…何が目的なの?」ジロッ


あんじゅ「あぁーん、またしても酷い言われ方だわぁ。そろそろ私だってー、本当に傷ついちゃうわよ?><」

ツバサ「誤魔化さないで。」キッ


あんじゅ「ちょっとぉ〜。そんな目で睨まないでよ、もう…仕方ないわねえ。」


ツバサ「……言葉が過ぎた事は謝るわ。ごめんなさい。」


あんじゅ「…フフ。私、割と嫌いじゃないわよ?ツバサのそうゆうところも。」


ツバサ「…助かるわ。」


あんじゅ「クス……昨日の夜にね?普段よりも帰りが遅くなった私が、学校を出ようとしてた時に。」

534 ◆bK3.D2B8eM:2020/05/21(木) 10:26:27 ID:jfOC6d2Q
あんじゅ「『私達』の曲と映像が流れていた外の街頭モニターを、見上げる様に佇んでいたの…穂乃果さんが。」

あんじゅ「その少し儚気な姿が、私には何だか気になったのよ。それにあのコって、実は元より私の興味の対象でもあったから。」

あんじゅ「それで『きっとこれも何かの縁』と思って、とりあえず私から声を掛けてみる事にしたわ。」


あんじゅ「それから二人で、少しの間お喋りをしていたの。ただそうしている内に、段々と楽しくなってきちゃってね。」

あんじゅ「だってあのコったら、とっても面白くて可愛らしいんですもの。普通に話してるだけでも、全然退屈なんてしなかったわ。」


あんじゅ「だから二人で話せば話す程に、このコと『もっと一緒にいたい』って。そう思う様になっていったの。」

あんじゅ「そして私の方から、その場で思い付いたドライブデートに穂乃果さんを誘ったのよ。ちょっと強引に、だったけれどね。」


ツバサ「…昨日の『偶然』の出会いこそが、貴女と高坂さんにとっての『始まり』だった…成る程ね。」


あんじゅ「ええ。あの時の私が、あのコに気付いて声を掛けた事…本当に良かったって、今でも思っているわ。」


ツバサ「…人の『縁』って、不思議なものね。『何時』『何処で』『誰が』『誰と』『何故』『何の為に』…繋がるのか。」

ツバサ「実際に繋がってみて、それが初めて分かるのかも知れない…そんな不確かな要素が、余りにも強いものなのだから。」

535 ◆bK3.D2B8eM:2020/05/21(木) 11:21:09 ID:jfOC6d2Q
あんじゅ「ふむふむ。そう考えてみると、昨夜の私と穂乃果さんとの出会いってー…」


あんじゅ「所謂『運命の出会い』なんじゃないかしら☆」ウフフッ


ツバサ「…貴女がそれを言うと、凄まじいまでの違和感だけが伝わって来てしまうわね。」

あんじゅ「もぉー。本当にツバサったら、私には平気で酷い事言うんだからぁー。」ムゥー


ツバサ「素直に感じたままを言っただけよ。別に他意は全く無いの。」

あんじゅ「むー…ツバサの言い方って、どうも納得が行かないのよねえ。」プクー


ツバサ「気を悪くしたのなら謝るわ。だから…続きをお願い出来るかしら。」


あんじゅ「もう…やり辛いわねえ。急にそうやって素直になるんですもの。」ヤレヤレ


あんじゅ「…それからドライブに行って、二人で色々と話をしていたわ。」

あんじゅ「でも…すぐに分かったのよ。あのコが、ある悩みを抱えていた事に。」


ツバサ「…高坂さんは、何かに悩んでいたの…?」

536名無しさん@転載は禁止:2020/07/21(火) 23:05:45 ID:TRv8Al0o
支援

537 ◆bK3.D2B8eM:2020/07/27(月) 07:53:46 ID:ZuvzNXyE
ご無沙汰しております。そして支援コメントをくださった方、遅くなってしまいましたが本当にありがとうございます。
今現在リアルでの時間や状況の見直しをしており、近日中にまた投稿を再開させて頂ける様にしたいと考えています。
宜しければ無事に再開出来た折には、また改めてお付き合い頂けるなら大変嬉しく思います。
こうして時間が空いてしまっていても支援をして頂けていた事、凄く感謝しております。本当にありがとうございました。

538 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 10:31:17 ID:aVLH8z2I
あんじゅ「ええ。元々私が声を掛けた時にも、何だか元気が無さそうな感じではあったの。」

あんじゅ「最もあのコが悩んでると確信してからは、その原因自体が判明するのも早かったけれどね。」


ツバサ「…それで、その悩みの原因って…一体何だったの?」


あんじゅ「そうね…あのコは……穂乃果さんは。」


あんじゅ「自分自身の『女の子』としての魅力に、かなり自信を失いかけていたわ。」


ツバサ「……!」


あんじゅ「ねえ、ツバサ。貴女になら、その理由が…何となく分かるんじゃない?」

ツバサ「……何故、そんな事を聞くのかしら?」


あんじゅ「その問いへの答えは、貴女自身がよく知ってる筈よね…ツバサ。」

ツバサ「………」

539 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 11:00:54 ID:aVLH8z2I
あんじゅ「だって、あのコと直接出会う前から。ずっとずっと、その前から。」

あんじゅ「初めてパソコンのモニター越しで出会った、その時から。あのコに惹かれ続けていた…貴女ですもの。」


ツバサ「………」


あんじゅ「あのね、ツバサ。『今日のあのコ』に関しての貴女の態度は、余りにも普段と変わらず『冷静』そのものだったわ。」

あんじゅ「私と会った時には、既にその『情報』を得た後だったとはいえ。貴女の表情には、全く『揺れ』が無かったのよ。」


あんじゅ「別に、さっきのお返しって訳じゃないけれどね。これって何だかおかしいって、普通なら誰もが思うんじゃないかしら?」

あんじゅ「あのコと関わりの少なかった筈のコ達までも含めて、向こうでは学校中で大騒ぎってくらいの事態になっているのに。」

あんじゅ「それでも、ずっとあのコを見てきた貴女の顔には…驚きも喜びも、それ以外の感情も。何一つ、其処に生まれていなかったもの。」


あんじゅ「そして、その理由はただ一つよね?ツバサにとって今のあのコの姿は、特別な何かを『今更』感じるものでは無かったからよ。」

ツバサ「………」


あんじゅ「でもそれって、貴女からすれば『当然』の事なのでしょうね。」

540 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 11:29:03 ID:aVLH8z2I
あんじゅ「人は『自分が既に知り得ている事実』に対して、新たに何らかの感情を抱く必要は無いのだから。」


あんじゅ「つまりツバサが関心を持っていたのは、既に『自分には分かっていた』あのコの『変化した姿』ではなく。」

あんじゅ「あのコが『何故』あの姿に変化する事になったのか、という疑問への『答え』についてのみだった。」


あんじゅ「そして、その求めていた『答え』の先に待っていたのが…」

あんじゅ「昨日の夜からの、私と穂乃果さんとの間での出来事だった……とまあ、こんな感じかしらね。」


ツバサ「………」


あんじゅ「…貴女が初めて穂乃果さんと出会った、あの夕暮れの時。勿論、よく覚えているでしょう?」

あんじゅ「あの日のあの時、貴女は一目であのコに気付いたわ。学校外の付近には、沢山の人達が集まっていたにも関わらず。」

あんじゅ「何故そんな状況の中から、貴女はあのコを見つけ出せたのかしら?それも離れた学校の中から、いとも簡単に。」


ツバサ「………」


あんじゅ「確かにあのコには『音ノ木坂の制服を着ている』という、一つの『記号』的なものはあったわね。」

541 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 11:53:15 ID:aVLH8z2I
あんじゅ「だけど貴女にとって、それは特に意味を持たないものだった。そんな『記号』なんて、元より貴女は見てなかったもの。」

あんじゅ「だってあの時のツバサは、もっと別のものを見ていたから。もっと別の『何か』だけを、最初からずっと見ていたのだから。」


ツバサ「……!」


あんじゅ「まだ表面的には、ほとんど出てきていなくても。それ故に、他の人達が全く気付けていなくても。」

あんじゅ「あのコから微かに見え隠れしていたその『何か』を、映像での出会いの時から感じ取っていた貴女だからこそ。」

あんじゅ「『それ』の持ち主である穂乃果さんを、貴女はすぐに見付ける事が出来た……そうでしょう?」


ツバサ「………」


あんじゅ「そうね…ツバサ。貴女だからこそ、すぐに『気付いた』のでしょうね…きっと。」

あんじゅ「穂乃果さんの周りにいる、沢山の人達も。そして穂乃果さん自身でさえも、自分で気付いていなかった…」


あんじゅ「その『輝き』に。」


ツバサ「…っ!」

542 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 12:10:20 ID:aVLH8z2I
ツバサ(………)

ツバサ(……『輝き』…か。)

ツバサ(…悪くない比喩ね……確かに…)


ツバサ(……でも。)


あんじゅ「だから、ツバサは――」


ツバサ「待って。」


あんじゅ「……分かったわ。」


ツバサ「…本当に感服するわね。貴女の察しの良さと…その鋭さには。」

あんじゅ「あら。それは褒め言葉として、素直に受け取っても良いのかしら?」


ツバサ「そう思ってくれて構わないわ。よく見てるのね…人も周りも。そして、私の事も。」

あんじゅ「フフ…だって、これでも貴女の『相棒』なんですもの☆」

543 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 13:05:29 ID:aVLH8z2I
ツバサ(『相棒(パートナー)』…こんなにも自分の事を、いつも側で見てくれている人って…とても貴重な存在なのでしょうね。)


ツバサ「……ただ…あんじゅ。貴女に、後一つだけ…お願いがあるの。」


あんじゅ「…ええ。聞かせてくれる?」


ツバサ「……私と高坂さんとの話は…今は、まだ……これ以上は…しないで欲しいの。」


あんじゅ「………」

ツバサ「………」


あんじゅ「……そうね。私ったら、少し立ち入り過ぎたかも知れないわ。」


ツバサ「いいえ…これは、私の我儘だから。」


あんじゅ「ふぅ……とにかく。気を付けるわね、ツバサ。」

ツバサ「ありがとう…感謝するわ。」

544 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 13:27:58 ID:aVLH8z2I
ツバサ「それでね…あんじゅ。今は……」

あんじゅ「さっきの話の続きが聞きたい、でしょう?」


ツバサ「ええ…聞かせて欲しいわ。」


あんじゅ「んもうー。貴女にずっとそんな顔されてたら、私の方まで調子狂っちゃうじゃない。」ムー

あんじゅ「普段は何事にも優秀で、このUTX学院が誇るエリートなのに。こういう時だけは不器用なのよね、ツバサって。」


ツバサ「…どうなのかしらね。」


あんじゅ「…でもね、ツバサ。さっきも少し、同じ様な事を言ったけれど。」

あんじゅ「貴女のそんな一面だって、私的にはー…結構気に入ってるのよ?」パチッ☆


ツバサ「…フフ。そう言って貰えると、私としては有り難いわね。」

あんじゅ「あら☆ちょっとは調子、出て来たのかしら?」フフッ

545 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 15:39:30 ID:aVLH8z2I
あんじゅ「さて…それじゃあ、さっきの話に戻るわね?」

ツバサ「そうね…お願いするわ。」


あんじゅ「…私ね。あのコにはもっと、自分に自信を持てる様になって欲しいって…そう思ったの。」


あんじゅ「『一人の女の子』としての魅力だって、本当は沢山持ってるって事に…」

あんじゅ「こんなにも貴女は、凄く綺麗で素敵な女の子だって…絶対に気付かせてあげたかった。」


あんじゅ「最も…私はツバサの様に、最初から『気付いていた』訳じゃなかったわ。」

あんじゅ「それにあのコと二人で過ごした時間だって、たった半日程度の僅かなものだった。」


あんじゅ「でも…それでもね。私、ハッキリと分かったの。あのコ…穂乃果さんは……」

あんじゅ「他の誰よりもキラキラした、本当に素晴らしい女の子の魅力を…そんな美しい『輝き』を。」


あんじゅ「『彼女』は……絶対に持っているんだって。」


ツバサ「……あんじゅ…」

546 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 16:08:04 ID:aVLH8z2I
あんじゅ「今日…あのコが学校中で大騒ぎになる程の評判だったと知って、とても嬉しく思っているわ。」

あんじゅ「恐らくはあのコも、その影響での戸惑いはありつつも。きっと少しは、元気や自信を得られたでしょうから。」


ツバサ(…そういう事、だったのね。)

ツバサ(それであんじゅは…高坂さんの為に……)


あんじゅ「でもね…まだなの。まだまだ、なのよ。 」

ツバサ「……?」


あんじゅ「だって…あのコの持っている本当の『魅力』は、学校の中で収まる程度のものじゃないわ。」

あんじゅ「そう。まだまだ、これからなのよ…あのコにとっての『真の始まり』は。」


あんじゅ「だから…だから、私は……」


ツバサ(…あんじゅ…?貴女、一体……)

547 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 16:20:55 ID:aVLH8z2I
あんじゅ「…ねえ、ツバサ。」


ツバサ「…ええ。何かしら?」


あんじゅ「明日、楽しみにしていてね☆」


ツバサ「明日…?それって、どういう――」


ガチャッ


ツバサ「あ……英玲奈…?」


英玲奈「………」 


あんじゅ「あら、英玲奈じゃない。今日も一日、ご苦労様〜♪」フリフリ


英玲奈「…やはりな。」ハア…


英玲奈「ツバサ。ミイラ取りのお前が、ミイラになってどうする?」

548 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 16:37:01 ID:aVLH8z2I
ツバサ「…本当にそうね。ごめんなさい、英玲奈。」


英玲奈「全く、お前らしくもない。それと…あんじゅ。」ギロッ


あんじゅ「あ、あら〜。もう、英玲奈ったら〜…」

あんじゅ「スクールアイドルをやってるキュートな女の子が、そんな怖ーい顔してたら〜…ダメよぉ?」タジタジ


英玲奈「今日のレッスンメニュー、お前には50%割増し券をプレゼントだ。」

あんじゅ「そ…それは、ちょっと〜…ご遠慮願いたいな〜、なんて…オ、オホホホ。」ソソクサ


英玲奈「そうか?何なら特別サービスで、更に20%割増し券を進呈してやっても良いのだが。」


あんじゅ「…っ!?あっ…あぁ〜…その〜……あ、あのねっ?えっ、ええっと〜…」アセアセ


あんじゅ「ほ、ほらっ?そろそろ、レッスンルームに移動しないとぉ〜…私、先に行ってるわねぇ〜?」ピュー


タッタッタ…!

549 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 16:50:08 ID:aVLH8z2I
英玲奈「…ハァ……あんじゅにも、困ったものだな。」


英玲奈「ああ見えても、普段は練習も真面目な方だし。時間にルーズだという訳でも無いのだが。」

英玲奈「根が気紛れなのか、時々あの様な感じになってしまう。」


ツバサ「そうね。だけど、今回に関しては…どうやら今までとは、話が大きく違いそうよ。」


英玲奈「…やはり『高坂穂乃果』なのか?」


ツバサ「ええ、それは間違い無いわ。私の目から見ても、あれはかなり…熱をあげているわね。」

英玲奈「…これまでのあんじゅを考えると、どうも信じ難い話ではあるのだがな。」


ツバサ「でも、それだけじゃないのよ。ついさっきも『明日を楽しみにしていて』…なんて言っていたわ。」

ツバサ「その言葉が『何に対しての事なのか』までは、あんじゅは口にしてはいなかったけれど…」

ツバサ「それでも『高坂さんに深く関係がある話』という事だけは、ほぼ確実だと考えて良いでしょうね。」


英玲奈「そうか……まさかお前だけでなく、あのあんじゅまでとはな。」

550 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 17:04:00 ID:aVLH8z2I
ツバサ「あら、英玲奈。その点については、私とあんじゅを一緒にしないでくれるかしら?」

ツバサ「私は節度をキチンと守った範囲内で、常にその場での状況等も把握しつつ。何よりも高坂さんに迷惑な事は決して…」ウンヌンカンヌン


英玲奈「ふぅ…分かった、分かった。」


英玲奈「時間が惜しい、私達も早く移動するぞ。」

ツバサ「そうね…急ぎましょう。」


英玲奈「ちなみにツバサ。お前にも30%割増し券を進呈だ。」

ツバサ「………」


ツバサ「主犯のあんじゅよりは、軽めのサービスにしておいたぞ。有り難く受け取れ。」


ツバサ「…せめて20%で、お願い出来ないかしら?」


英玲奈「その問いに対しての返答は必要か?どうしてもと言うのなら、別に答えてやっても良いが。」

英玲奈「最もその場合には、更なるプレゼントも一緒に進呈となるだろうがな。」

551 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 17:30:10 ID:aVLH8z2I
ツバサ「…愚問だったわね。」 


英玲奈「さあ、急ぐぞ。」

ツバサ「ええ…そうね。」


バタン


タッタッタ…!


英玲奈(…それにしてもだ。あの『μ's』の中心人物である、彼女…高坂穂乃果に。)

英玲奈(まさかツバサだけでなく、あんじゅまでもが入れ込んでしまう事になるとはな。)


英玲奈(二人のプライベートに関してまでは、私が口を挟む権利も…元よりそのつもりも無いのだが。)

英玲奈(今日の様なケースを何度も繰り返されるのは、流石に勘弁して貰いたいものだな。)


英玲奈(いざという時の為の対策案については、私の方で一応考えておく事にするが…)

英玲奈(まあ、それでもあの二人なら…流石にそこまで深刻な事態までは行かないだろう。)

552 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 17:43:00 ID:aVLH8z2I
英玲奈(とにかく、二人の高坂との件に関しては…そうだな。)

英玲奈(もう暫くの間は、様子見に留める事にしておくとしようか。)


英玲奈(そう言えば…明日あんじゅが何か動きそうだと、先程ツバサが言っていたが…)

英玲奈(それが本当だとした場合、あんじゅの奴が何をしでかすつもりなのか…少々気になるな。)


英玲奈(さて…どうしたものか。明日は私も、あんじゅの動きを見る事に念を置くべきだろうか…?)

英玲奈(ツバサがそう考えていたのであれば、高坂が関わってくる可能性が高いのは間違い無さそうだが…)


英玲奈(ただ、それならば。私達『A-RISE』への、今後の影響等も見極めておく為にも。)

英玲奈(あんじゅだけでなく、高坂穂乃果の方も。そして、この二人によって起こり得る『何か』を。)

英玲奈(やはり私としても、出来る限りは追っておきたいものだがな。)






553 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 17:55:33 ID:aVLH8z2I
長い間ご無沙汰しておりました。今回、本当に久しぶりとなる投稿をさせて頂きました。

リアルでの忙しさに流されたまま、気が付けば前回の更新から二か月以上も経ってしまいましたが、
今回の再開をきっかけとして、また可能な限り定期的に投稿を続けていければと思っています。
そして支援コメをくださった方に、今一度この場でお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

それでは改めまして、今後ともどうか宜しくお願い致します。

554名無しさん@転載は禁止:2020/08/15(土) 01:14:49 ID:6pAhmhuw
支援

555 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/19(水) 07:19:38 ID:yhLAY2/E
支援コメントを下さった方、本当にありがとうございます。
近々時間が何とか取れそうですので、数日中にまた更新させて頂く予定です。
その際には宜しければ、引き続きお付き合い頂ければとても幸いです。

556 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/23(日) 10:17:19 ID:KSoqJWPo
SCENE 16.【通学路・帰宅ルート途中】


海未「……ふう…」


海未(少なくとも…己自身の体力面に関しては、人並み以上との自信を持っている私ですが…)

海未(そんな私であっても、流石に今日ばかりは…結構な規模での疲労感が、この全身を支配している様ですね。)

海未(しかし…それもその筈です。私の今の状態は、成るべくして成った結果…という事なのでしょうから。)


海未(今日の穂乃果による学校での出来事だけでも、心身共にかなりの消耗度であったのに加えて…)

海未(その穂乃果と二人での、先程までの帰宅の際にて…私は更なる労力を、大幅に費やす状況となりました。)


海未(私が穂乃果を家に送り届けるまでの間。ずっと途切れる事も無く、穂乃果に向けられていた…あの数多くの視線達。)

海未(老若男女を問わず、街を往くあらゆる人達が穂乃果を見ていました。その誰もが熱を帯びた様な感情を、それぞれの瞳に宿しながら。)

海未(その光景は、ある意味では異質とも思える程でしたが…何にせよ街を歩く穂乃果は、瞬く間も無く人々の注目の的でした。)


海未(それを目の当たりにした私は、改めて強く実感していました。にこや希の話は、決して誇張されたものでは無かった…という事を。)

557 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/23(日) 11:06:49 ID:KSoqJWPo
海未(そして…気が付けば私達の周辺は、隙あらば穂乃果に迫ろうとする『気配』で溢れていて…)

海未(特に危険を強く感じたのは…やはり私の予想していた通りに。見るからに近寄りがたい風貌をした類の…若い男性達でした。)

海未(明らかに邪な目で穂乃果を見ていた彼らが、あの時に一体どんな表情をしていたか……正直、思い出したくもありません。)


海未(しかしながら、実に困った事に。その自分の置かれていた状況を、当の本人は今一つ分かっていなかった様で…)

海未(無論、それ位の事は私の想定内でもあり。だからこそ穂乃果と下校すると共に、私の方で護衛役を務める事にしたのですが…)


海未「ハア……全く。学校の中だけでも、あれ程の騒ぎにまでなったというのに。」

海未「こういう事には、筋金入りの鈍さですからね…穂乃果という人は。」


海未(にこに『もっと自覚を持ちなさい』と言われて、穂乃果もその言葉の重さを受け止めてはいた様子でしたが…)

海未(ただ、だからと言って…まだ時間も経っていないその日の内から、急に理解出来る様になる…という訳でも無いのでしょうし。)


海未(とにかく…常に周囲への警戒を怠らず、同時に穂乃果の側からは決して離れずに。)

海未(少しでも穂乃果に近付く気配を見せた者には、私の出し得る最大級の『殺気』を即座に放って。)


海未(私が穂乃果を送り届けるまでの間、終始それらを繰り返し続けた結果として…少なくとも今日に関しては、特に大きな問題も無く。)

558 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/23(日) 13:56:06 ID:KSoqJWPo
海未(穂乃果が自分の家の側に到着するまで、何とか無事に護り抜く事が出来ましたが……)


海未(ふぅ……私としても、事前にある程度の予測はしていた状況だったとはいえ。)

海未(実際に自分の目の前で起きた『事の重さ』は、当然ながら予測等の比ではなく。)

海未(故に…もしも私が側に居なくて、穂乃果一人だけでの下校だったのならば……一体どうなっていたのでしょうか。)


海未「……そう考えてみただけでも…本当に恐ろしくなりますね。」


海未(そして…この件には重大な問題点が、まだ残っています。)


海未(私としては今後も可能な限り、先程の様に自身で穂乃果を護りたいと…そう思っているのですが。)

海未(しかしながら…やはり現実問題として。必ずどこかでその限界が生じてしまうのは、どうしても避ける事は出来なくなります。)


海未(勿論、私の事情がどうであろうとも。穂乃果一人だけでの下校等は、これからも絶対にあってはいけません。)

海未(それが余りにも危険過ぎる行為なのは、既に火を見るよりも明らかなのですから。)


海未(穂乃果の他人を疑わない素直さや純粋さは、確かに人としての美徳でもありますが…)

559 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/27(木) 03:08:26 ID:csr9wNI2
海未(悲しくも世の中には、そこに付け入る良からぬ輩が多いという事も…一つの真実でもあるのですから。)


海未(そして、何よりも。女性としての魅力が強烈なまでに解放された、今の穂乃果が一人で街を歩く等というのは。)

海未(正に『凶暴で飢えた狼の群れの中に、か弱い羊を放り込む』に等しい行為でもあり。)

海未(文字通り『飛んで火に入る夏の虫』となってしまう、極めて愚かな選択であると言わざるを得ません。)


海未(よって今の穂乃果が『一人で下校』等というのは、論外中の論外であって。)

海未(必ず、そして常に『誰かと一緒の下校』でなければいけないのです。)


海未(ただ…そうなりますと。何らかの事情によって、私が穂乃果と一緒に帰る事が出来ない場合に。)

海未(その私の代わりに穂乃果を、家まで安全に送り届ける護衛役となる存在。)

海未(今の穂乃果…そして、私にとっても。この非常に重要な役目を引き受けてくれる人が、早急に必要となるのですが……)


海未(正直この護衛役については、私でも一人ではかなり大変だと感じています。)

海未(ですからこの役目を、もしことりにお願いしたとしても。今の穂乃果を護るには、流石に一人だけでは難しいかも知れません。)

560 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/27(木) 06:03:31 ID:csr9wNI2
海未(従来通りならばことり一人でも、充分にこなせていた役であった筈でしたが…)

海未(今となっては、穂乃果への『危険』となり得る存在達。その規模自体が、これまでとは全く違うのです。)


海未(それに…今日の学校でのことりの様子も、少し気掛かりですし。)

海未(恐らく今のことりには、この護衛役を頼む事で…色々と無理をさせてしまうかも知れません。)

海未(ですから、その点を考慮してみても…少なくとも現状に於いては、やめておいた方が良さそうです。)


海未「……ふう。やはりこの件、私が考えていた以上に…決して簡単な問題ではない様ですね。」


海未(…今、必要となるのは。私が不在の際に帰宅する穂乃果に対して、何かしらの危険が迫りそうな時。)

海未(その迫り来るであろう数々の危険から、必ず穂乃果を守ってくれる存在となる人。)


海未(ですが、その為には…『あらゆる状況に応じて様々な対処が出来るだけの判断力や行動力』等が、大いに求められる事になります。)

海未(何故なら、この絶対的条件を満たしている人物でなければ。この『護衛』という役割を務める事は、決して出来ないでしょうから。)


海未(しかし…そう考えてはみたものの。この大事な役目に必要とされる条件に全て適う人が、私達の知人の中から見つかるでしょうか…?)

561 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/27(木) 07:16:51 ID:csr9wNI2
海未(そうなのです…この護衛役には『私達の知人である』という点も、とても重要となります。)

海未(まず第一に、私達と同じ音ノ木坂の生徒であり。時間にある程度の都合がつく様に、出来れば部活には無所属であって。)

海未(そして『一緒に帰宅する』という行動を取る以上、『穂乃果のよく知る人物』である事。これこそが最も望ましいのです。)


海未(しかも、それだけではありません。更に後一つ、非常に重要となる条件…それは『一人では人数が足りない』という点です。)

海未(例えば私の様に、護身術等に人並みの心得でもない限り。女生徒一人だけでは、やはりこの役目は困難となる可能性が高くなります。)

海未(ですから、護衛役となるのは一人だけではなく…最低でも二人……いえ、三人は居て欲しいところです。)


海未(そして、その人達同士でもお互いに知り合い以上であって。それぞれ信頼関係が築かれている間柄でもあり。)

海未(その強い繋がりから、チームワークにも優れているのならば。この護衛役としても、実に理想的であると言えるのですが……)


海未「…最もそんな人達が都合良く、私達のすぐ側に居てくれるのかは…また別の話なのですよね。」ハア…


海未(さて……一体どうしたものでしょう。)

海未(まずは『μ's』のメンバーに、この件を相談をしてみるべき…なのでしょうか?)

562名無しさん@転載は禁止:2020/11/01(日) 21:56:01 ID:iXRDecwE
支援

563名無しさん@転載は禁止:2020/11/10(火) 00:43:12 ID:0d4XkzDo
〜人類の歴史は2032年で終わり〜

木村秋則
「長さが5キロメートル以上あるUFOの内部で宇宙人(人類と同じ姿をしてるが人類より綺麗で朗らかでギリシャ彫刻のような顔をしてる)から地球カレンダーを見せられた。
それにこれから地球で起こることが書かれていた。
それを見ていくと枚数が少なかったのでなんでここで終わるのと聞いたら『そこで人類の歴史は終わり』と言われた」

それは口外してはいけないことになっていたが去年酒に酔った木村秋則はその年をポロッと言ってしまった。
それが2031年か2032年。

木村秋則によると・・・
・宇宙人は物を小さくする爆弾を持ってる。
・小型のUFOの側面の壁の厚さはビニール袋より薄い。これを手で触ると透明になり外が見えた。これのサンプルを手で折ろうとしても折れず、足で踏んでもまったく変形しないほど硬かった。
・宇宙人は人類をすごく見下してる。
・宇宙人は240種類の元素を知ってる。人類は120〜130種類ほどしか知らない。
・宇宙人のUFOは人類が10億年かかる距離を一瞬で移動できる。
・宇宙人は空中を浮遊できる。
・宇宙人は手を使わずに家の窓や扉を開けることができる。
・宇宙人との会話はテレパシー。考えたことがすぐに宇宙人に伝わり答えが返ってくる(頭の後ろから聞こえてくる)。

木村秋則(世界で初めて無農薬・無施肥のリンゴの栽培に成功した日本の農家)

グレイやビッグフットは宇宙人が作った生体ロボット。

木村秋則「人類は何とかしないと駄目だよ。もう残された時間が無いのだから・・・」

↑キリストが亡くなった31年か32年から2000年間でダメだったら滅ぼすと決めてたみたい。

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〜松原照子の世見(予言)〜

「近いうちにUFOが来るよ」(2020年8月に世見)

「今から20年以内(2032年まで)に富士山の噴火も含めた大災害が起きる」(2012年2月に世見)

「近未来に小惑星が地球に衝突する日が必ず来る気がしています。もし小惑星が地球に衝突したら日本は消滅します」(2019年2月に世見)

「東海、東南海、九州よりの地震がくる」

「首都直下地震がくる」

「南極のオゾンホールは拡大を続けています。日本でも強い紫外線が原因となる病気がこれから深刻化する。
皮膚癌が増加。白内障は高齢者だけの病気ではないので若い世代も気をつけるべき。
免疫力が低下しヘルペスや感染症も増えていく。
これからの30年にもっとも気をつけるのは紫外線です」(2019年2月に世見)

「トランプ大統領は再選しない」(2019年2月に世見)

564 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/11(水) 14:20:16 ID:OGxZmgP2
またしても大変ご無沙汰しておりました。
そして支援コメを下さった方、どうもありがとうございます。
なかなか自分の思う様に時間の方が取れず、更新期間が数か月単位で空いてしまっている現状でありながら、
それでも支援して頂けている事に凄く励まされました。本当に感謝しております。

565 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/11(水) 14:42:45 ID:OGxZmgP2
海未(ですが、もしこの件を皆にお願いするにしても…希は神社でのお手伝い、真姫は病院での用事、にこは家の事等で。)

海未(普段の練習が終わった後には、それぞれの予定や事情で忙しい事も多いですから…それを考えると、色々と難しいかも知れません。)


海未(…ならば、仮に交代制を設けてみるとして。その日毎に都合のつく人達が、穂乃果と一緒に下校する…という形にするのであれば…)

海未(ただ…これも当面は毎日必要となる訳ですし。必ず誰かには、何かしらの負担を掛けてしまうのは…確実に避けられない事でしょう。)


海未(それでも、私が皆に事情を話したのであれば。全員が穂乃果の為に協力してくれる事は、まず間違いないとは思います。)

海未(しかし、だからと言って…まだ別の手段の可能性を残したまま、安直に皆の好意に甘えてしまっても良いものか…とも考えてしまいます。)


海未(そう…実は先程から今に至るまでの間に、私がずっと気になっている『別の手段』とは…それは『μ's』のメンバーよりも。)

海未(もっとこの役目に相応しい人達が、実はまだ他にいるのではと……そんな気がしてならないのです。)


海未(何故に今の私が、特に根拠も無くその様に思っているのか…正直その理由までは、自分自身でも分かってはいませんが。)

海未(にも関わらず、不思議とそう感じてしまっている。そんな私が、今の自分の中にいる事も…どうやら確かな様であって。)

海未(もしかしたら…これが所謂『勘』なのでしょうか。) 


海未「…フフ。本来ならそういった類のものは、私ではなく穂乃果の十八番なのでしょうけど。」

566 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/11(水) 15:02:12 ID:OGxZmgP2
海未(さて…それにしても。本当に…どうするべきなのでしょう。)


海未(…いいえ。その答えなら、もう既に出ています。)


海未(ええ…そうですよね。今すぐにでも、探すしかありません。)

海未(例えそれが、とても難しい事であると分かっていても。これらの条件に適うであろう『誰か』を。)


海未(しかもです。その『誰か』を少なくとも二人以上は、今日中にでも見つけなくてはいけないなんて。)

海未(更に加えるなら、仮にその人達を見つけられたとしても。この件の承諾を得られなければ、それこそ全く意味が無いのです。)


海未「ふぅ……我ながら、無茶な話ですよね…本当に。」


海未(と、また今も……どうも今日の私は、無意識での溜息が多い様です…気を付けるとしましょう。)


海未(とにかく…もし穂乃果が、今の私の立場であるなら。これ位の事では、決して諦めたりはしないのでしょうね。)

海未(穂乃果のそういった姿勢には、これまでにも振り回される事が多かったのですが。)

海未(しかし、穂乃果は…それ以上に。本当にかけがえのない沢山のものを、私やことりに…いつも与え続けてくれました。)

567 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/26(木) 12:05:58 ID:rXVFQMAw
海未(ですから、今は私も。穂乃果のその前向きな姿を、素直に見習ってみたいと…そう思っているのです。)


海未(クス…そうですね。今となっては、自分自身でも自覚している程に。)

海未(私も穂乃果からの影響を、こうして強く受けてしまっています。)


海未(さて……これより私が取るべき行動は、穂乃果の護衛役に適任となる人を早急に見つけ出す事。)

海未(ですが、その行動に移る前に。確認の意味合いも含めて、今一度重要となる点を考慮しておきましょう。)


海未(まず第一に。私が今から探す対象となるのは、これまでに挙げていた条件を全て満たしている人物であり。)

海未(そして次に。護衛の安全性をより高いものとする為にも、必要とする人数は最低でも二人…可能であるなら三人。)

海未(更に。もし無事に見つけられたとしても、その人達からの承諾を即時に頂かなくてはならない……)


海未(…やはり、改めて考えてみても。この一つ一つの全てが、相当な難問となるであろう事は…まず間違いないでしょうね。)

海未(しかし、だからこそ…そうであればある程に。私が先程から気になっていた、この役目に相応しいであろう『誰か』が。)

海未(本当にその様な人達が、穂乃果や私達の周りにいてくれたのなら…一体、どれ程に――)


???「おーい、海未ちゃーん!」

568 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/26(木) 12:16:26 ID:rXVFQMAw
海未「えっ…?」クルッ


ヒデコ「おー、ホントに海未ちゃんだ!」

ミカ「ほらほら、やっぱりそうだったでしょ?」ドヤッ


ヒデコ「うむ、実に大儀であった。褒めて進ぜようー。」

ミカ「ハハ―、ありがたき幸せでございまするー。」


ヒデコ「ところで、ミカよ。この間の山吹色の菓子だが、中々の美味であったぞ?」ニヤリ

ミカ「それはそれは。ヒデコ様のお気に召して頂けたようで、何よりでございますなぁ。」ニヤリ


ヒデコ「うむうむ。はっはっはっはー。」

ミカ「ほっほっほっほー。」


海未「………」ポカーン


フミコ「はいはい。ほら二人とも、三文芝居はそこまでにね?海未ちゃんが置いてけぼりになってるから。」

569 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/26(木) 12:56:58 ID:rXVFQMAw
ヒデコ「おおっと!これは大変失礼しましたー<(_ _)>」

ミカ「私もつい、ノリノリになっちゃってた。ゴメンなさーい><」


フミコ「やれやれ。それと、ゴメンね?急に呼び止めちゃって。」


海未「い、いえ…どちらも別に、謝って頂く程の事では…どうか気にしないで下さい。」


ヒデコ「うん、ありがとう。そう言って貰えてホッとしたよー。」

ミカ「あはは、私もー。ところで海未ちゃんも、これから帰るトコだったの?」


海未「え?あ…その。私の方は……」


ミカ「ん?そう言えば海未ちゃん、今日は穂乃果達と一緒じゃないんだね?」

海未「あ、いえ…穂乃果とは、先程まで一緒でしたが…恐らく穂乃果の方は、もう帰宅を終えている筈です。」


ヒデコ「ああ、なる程。じゃあ海未ちゃんは、穂乃果を家まで送って行ってあげてたのかな?」

海未「ええ…そういう事になります。私の個人的判断ではありましたが、その方が良いと思いましたので…」

570 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/26(木) 13:15:00 ID:rXVFQMAw
ヒデコ「そっか、ご苦労様。まあ今日の穂乃果の騒動っぷりじゃあ、それも仕方ないんだろうけどね。」

ミカ「うんうん。すっごい人気だったからね、今日のイメチェンした穂乃果。きっと帰り道でも、目立ってて大変だったんでしょ?」


海未「…はい。私が事前に予想していた、それ以上の状況でした。」


フミコ「……ジー―……」


海未「…あ、あの……どうか、されましたか…?」


フミコ「ジーー……何だか、元気ないね?」


海未「え…?」ドキッ…


フミコ「それに、ただ疲れてるだけ…って感じじゃないみたい。」

海未「そ、そう…でしょうか?」


ヒデコ「ふむふむ、やっぱりフミコもそう思ってたんだ。実を言うと、私もなんだよね。」

571 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/26(木) 13:24:08 ID:rXVFQMAw
ミカ「うん、私もちょっと気になってたよ。今日の海未ちゃんって、何だか難しそうな顔してるから。」


海未(…今の私は、そこまで分かりやすく…ハッキリと顔に出ていたのでしょうか…?)

海未(私自身としては、不必要に己の感情を表立って出さない様『常日頃から冷静であれ』と…そう心掛けているつもりなのですが…)


海未(ふぅ……どうやら私は、自分で思っている以上に…まだまだ修行が足りない、という事なのでしょうね。)


ヒデコ「さてと。海未ちゃん、あのね?」


海未「あ……は、はい。」


フミコ「もしも海未ちゃんが、何か悩みとかあるならなんだけど。」


ミカ「私達で良かったら、幾らでも相談に乗っちゃうよ!」


海未「……!」


フミコ「ま、そういうコトだね。」パチッ☆

572 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/26(木) 13:46:32 ID:rXVFQMAw
海未(…不思議なものです。私が悩んでいた帰り道の途中に、ヒデコさん達と偶然出会って…)

海未(それに…私個人とは交流が少なかったにも関わらず、こうして温かいお気遣いを頂けるなんて…)

海未(本当に世の中とは…何時如何なる時に、何が起こり得るのか分からないもの…なのですね。)


ヒデコ「それで、どうなのかな?海未ちゃんが今、ホントに困ってる事とかあるなら。」

フミコ「遠慮なんてしないで、私達に話してみて欲しいなって。」


海未「…あ、あの……」


ミカ「ん?なになに?」


海未「…私としては、その……皆さんのお気持ちは、大変嬉しく感じています。」

海未「ただ…やはりと言いますか……流石に色々と、皆さんのご迷惑になってしまうのでは……」


ヒデコ「なーに言ってんの?そんな訳ないじゃない!」

ミカ「そうそう!穂乃果の大事な友達は、私達にとっても大事な友達なんだから。」

573 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/26(木) 13:59:25 ID:rXVFQMAw
海未「…ヒデコさん…ミカさん……」


フミコ「だからね、海未ちゃん。私達3人で、今の海未ちゃんの力になれる事って…何かないかな?」


海未「…フミコさん……ありがとうございます。皆さんの、とても温かいお気遣い…心より感謝します。」ペコリ


ミカ「いやいや、そんなに畏まらなくても大丈夫だよー。」


ヒデコ「まあ『μ's』のみんなと比べちゃうと、私達じゃ何かと物足りないかもだけど。そこは一つ、我慢して貰うしかないよねー。」タハハ


ミカ「あいたたたー><そこを言われちゃうとキッツイなあー。」

フミコ「あはは。でも、こればっかりは本当の事だからね。」


海未「そ、そんな…!そんな事は、絶対にありません…!!」キッ


ヒデコ「うわっと!?」

574 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/26(木) 14:54:20 ID:rXVFQMAw
海未「…まだ私達が三人の時から、今日に到るまでの『μ's』が…皆さんからの力と優しさに、どんなに助けられてきた事でしょう。」

海未「もしも貴女方が、私達の側に何時も居てくれなかったのなら…私達『μ's』は、一体どうなってしまっていた事でしょうか。」


海未「ですから…穂乃果達だけでなく、私だって…!」

海未「本当に皆さんには、数え切れない位の感謝でいっぱいで…!」


海未「そして、そんな皆さんの事を…!私達はいつだって、心から頼りにして――」 


海未「――っ!!」ハッ


ミカ「……ん…?あれれ…?」


フミコ「何だか海未ちゃん、私達に嬉しい事を言ってくれたと思ったら…」

ヒデコ「…急に固まっちゃったね。」


海未(………そう……そうです。)

575 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/30(月) 12:14:57 ID:nbh1jiAk
海未(僅か数分前の私が、ヒデコさん達と出会う直前まで…その瞬間まで、ずっと気にしていた事ではありませんか。)

海未(それなのに、私は…本当に情けない事に。今の今まで…全く気付けていませんでした。)


海未(きっと私の中に、初めから『在ってくれた』筈の…この大切な『答え』に。)

海未(どんな時でも、私達の側に居てくれて…そして今も、私達を支え続けてくれている…とても大切な人達の存在に…!)


ヒデコ「おーい、海未ちゃーん…?何かよく分からないけど、大丈夫かなー…?」フリフリ


クワッ!!


海未「皆さんっ!!」ギロッ


ヒフミ「「「ひっ!?」」」ビクッ


海未「どうか…どうか…!これから私の話を…聞いて頂けますか…!?」ジィィーー…


ヒフミ「「「……は…はいっ…!」」」タジタジ

576 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/30(月) 12:19:10 ID:nbh1jiAk
海未「ありがとうございます…!それで、その話というのは……実は。」ジィーー…


ミカ「……じ、実は…?」

フミコ「な、何…かな…?」


海未「ヒデコさん…フミコさん、ミカさん。」

海未「私から皆さんに、どうしても…ご相談したい事があるのです。」


ヒデコ「…え、ええっとー……私達に…相談したい、事…?」


海未「はい。それは……」


海未「今後の…明日からの穂乃果の事について、なのですが――」







577 ◆bK3.D2B8eM:2020/12/03(木) 04:42:03 ID:RgwXq3gg
SCENE 17.【高坂宅・裏側出入口 近辺】


穂乃果(ふぅ〜……疲れたぁ。)


穂乃果(今日は朝から、色んな事が立て続けにあったし…ビックリしちゃう様な事も多くて、本当に大変だったけど…)

穂乃果(でも…学校のみんなが、あんじゅさんにメイクして貰った私の事を…いっぱい褒めてくれて…///)

穂乃果(それに『μ's』のみんなが、今の私を優しく受け入れてくれて…すごく嬉しかったなぁ…えへへ///)


穂乃果(あ…そういえば。さっきまでの帰り道の途中で、海未ちゃんが…何度もキョロキョロしながら、私達の周りを見てたっけ。)

穂乃果(時々私が何か話しかけても、返事は『シッ!』ばかりで…それでも私の側からは、絶対に離れようとしなかったし。)


穂乃果(私達って普段なら、途中で別々になってから帰ってるけど…それなのに今日は、私の家の近くまで一緒に来てくれて。)

穂乃果(そして別れ際の時には、まだ少し不安そうな顔をして帰って行った…そんな今日の海未ちゃん。)


穂乃果(私には、よく分からなかったけど…きっと海未ちゃんとしては、私の事を心配してくれてたのかな…?)

穂乃果(うーん……よし。また今度海未ちゃんと、ゆっくり話せそうな時にでも聞いてみよっと。)

穂乃果(本当にそうなら『心配してくれてありがとう』って、ちゃんと海未ちゃんに伝えたいもんね。)

578 ◆bK3.D2B8eM:2020/12/03(木) 05:03:58 ID:RgwXq3gg
穂乃果(あ、そうそう…!明日はあんじゅさんと一緒に、ショッピングに行く約束をしたんだよね。)

穂乃果(今から楽しみなんだけど、実はすこーし不安もあったりして…貰ったばかりの私のお小遣いでも、予算って足りるのかなあって。)

穂乃果(でも、まあ…きっと何とかなるよね?いざとなったら、お財布に優しい『ウィンドウショッピング』でもいいんだし。)


穂乃果(…明日、あんじゅさんに会えるんだ。一緒にいた時間が、ちょっと空いただけなのに…何だか不思議。)

穂乃果(またすぐに会える筈なのに、何だかそれが懐かしく感じるなんて……早く会って、色んな事…お話したいな。)

穂乃果(お礼を言いたい事、いっぱいあるし。それに、聞いて欲しい事だって…いっぱいあるから。)


穂乃果(…ことりちゃん、今日は様子がヘンだったけど…本当に大丈夫なのかな…?)

穂乃果(何だか、ずっと元気がなさそうだったし…先に帰って行った時も、かなり無理してた感じだったけど…)

穂乃果(ことりちゃんって、すごく優しいから…自分が辛いのに、誰かのために我慢しちゃう事も…結構あるんだよね。)


穂乃果(だから…もし今のことりちゃんが、何かに悩んでるのなら。私じゃ全然、頼りないかも知れないけど…それでも。)

穂乃果(やっぱり私は、ことりちゃんの力になりたい。悩んでることりちゃんのために、私が出来る精一杯の事を…したいな。)


穂乃果(ことりちゃんが、早く元気になってくれて。そして…いつもみたいに、優しく笑って欲しいから。)

579 ◆bK3.D2B8eM:2020/12/03(木) 05:21:19 ID:RgwXq3gg
SCENE 18.【高坂宅・一階 居間】


ガラガラ…


雪穂「…あ、お姉ちゃんだ。」


亜里沙「え?穂乃果さんが帰って来たの、雪穂?」

雪穂「うん。あの音はお姉ちゃんで、絶対間違いないよ。」


亜里沙「ハラショー…物音だけで分かるなんて、さっすが雪穂だね!」

雪穂「まあ、いつも聞いてる音だからさ。いい加減、耳で覚えちゃうんだよね。」


亜里沙「雪穂のだーい好きなお姉ちゃんの、帰って来る音だもんね?」ニコッ

雪穂「べ、別に…そんな事…ないし///」プイッ


亜里沙「それに穂乃果さんとは、昨日の朝ぶりの再会なんでしょ?」

580 ◆bK3.D2B8eM:2020/12/03(木) 06:29:19 ID:RgwXq3gg
雪穂「い、一日ちょっと会えなかったくらいで…全然、寂しくなんてないから…!///」


亜里沙「ねえ、雪穂。私は別に『寂しかった?』なんて、一度も雪穂に聞いてないよ?」フフッ

雪穂「……むむぅ…///」 


亜里沙「やっぱり穂乃果さんの事、とっても大好きなんだね♪」ニコニコ

雪穂「…も、もう…!//////」カアア


亜里沙「クスクス。私も今日は、穂乃果さんに会えるのが楽しみだったんだよ。」

雪穂「あ…そっか。最近だと亜里沙って、お姉ちゃんとはお喋りとか出来てないんだっけ。」


亜里沙「うん…だから雪穂が『今日だったら、ゆっくり会えるかも知れないよ』って教えてくれて、本当に楽しみだったの☆」


亜里沙(そう。今日は穂乃果さんと、久しぶりにお話が出来そうなんだから…ちゃんと伝えたいな。)

亜里沙(それに今日こそは、いっぱい穂乃果さんと一緒にいられるチャンスなんだもん。よーし…頑張らなきゃ!)

亜里沙(うん、穂乃果さんに伝えよう。もっと私と仲良くして欲しい、今の私の…この気持ちを。)

581 ◆bK3.D2B8eM:2020/12/03(木) 06:38:34 ID:RgwXq3gg
亜里沙(亜里沙は…雪穂と一緒に、穂乃果さんにギュッとして貰った時の…あの時の、とっても優しい気持ちを。)

亜里沙(とってもポカポカになる、あの日の温かさを。もっともっと穂乃果さんから…これからも、いっぱいいっぱい貰いたいから…!)


スタスタスタ…


亜里沙「…あ!そろそろ穂乃果さんが、こっちに来るんじゃないかな?」

雪穂「そ、そうだね…///」イソイソ 


雪穂(もう…亜里沙があんな事言うから、何だかヘンに意識しちゃうじゃん…!///)


穂乃果「ただいまー。」ガラッ


雪穂「あ…あの!お姉ちゃん、おか……え……」

亜里沙「こんにちは。お邪魔してます、穂乃果さ……」


穂乃果「あ、雪穂。ただいまー!」

582 ◆bK3.D2B8eM:2020/12/03(木) 06:52:28 ID:RgwXq3gg
雪穂「…………」


穂乃果「亜里沙ちゃん、いらっしゃい!やっぱり来てたんだね。」


亜里沙「…………」


穂乃果「玄関にそれっぽい靴があったから、きっと亜里沙ちゃんかな…って、二人とも…どうかしたの?」


カランカラン…


高坂母「ああ、穂乃果。もう帰ってた、のね…って………」


穂乃果「あ、お母さん。ただいまー…って……お母さんまで、どうしたの…?」


雪穂「…………」

亜里沙「…………」

高坂母「…………」

583 ◆bK3.D2B8eM:2020/12/03(木) 07:11:20 ID:RgwXq3gg
穂乃果「…ええっとー……ねえ、みんなー?もしもーーし?」


雪穂「………あのぉー……」


穂乃果「え…?雪穂…??」



雪&母「「…どちら様でしょうか…??」」



穂乃果「ちょっ!?それってヒドくないっっ!??∑( ̄△ ̄;)」ガーン!







584 ◆bK3.D2B8eM:2020/12/07(月) 13:24:46 ID:Du4OX.4o
穂乃果「もー!みんなホントにヒドいよー!」プンプン=3


雪穂「だからゴメンってば〜…!でも本当にさ、一瞬だけ分からなかったんだよ///」


穂乃果「むー…まあ亜里沙ちゃんは、まだ仕方ないにしてもだよ?実の家族までが、すぐに気付いてくれないなんて!」

穂乃果「これでも私、結構ショックだったんだからねっ?全くー!」プクー


雪穂「ま、まあまあ…だって余りにも、いつもと雰囲気が違ってたからさ///」

雪穂「つまりお姉ちゃんのイメチェンが、それくらい効果バッチリだったって事じゃん?///」ネ?


穂乃果「…そうかも知れないけど……ん?ねえ、雪穂。何か…顔が赤くない?」

雪穂「え…?///」


穂乃果「ひょっとして、風邪でも引いちゃってた…?」

雪穂「あ、ううん…!全然、そんな事ないよ…!///」


雪穂(実を言うと私さー、ずっとお姉ちゃんに見とれてたんだよねー☆…なんて言える訳ないじゃんっ!///)

585 ◆bK3.D2B8eM:2020/12/07(月) 13:58:18 ID:Du4OX.4o
穂乃果「そうかなぁ…?ほら、ちょっと顔見せて?」スイッ

雪穂「ーーーっっ!!?//////」ドキーン 


雪穂(ちょっ!?//////そそそ、それはマズイでしょっ!?//////)

雪穂(今やそこら辺の美人が、泣いて逃げ出しそうな…!//////その顔!顔っ!顔ーっ!!//////)


穂乃果「うーん…見た感じだと、結構赤くなってるよね?どれどれー…?」ピトッ

雪穂「っっ!!!/////////」ボーン!


穂乃果「あ…やっぱり熱いかも。雪穂、ちょっと待ってて?今、風邪薬を取って…」

雪穂「だだだっ、大丈夫だからおおお姉ちゃんっ!!/////////」


穂乃果「え?で、でも…」


高坂母「雪穂ー。ちょっと厨房まで、お菓子を取りに来てくれるー?」

高坂母「お父さんがねー?次の新商品の試作品、みんなに味見して欲しいって言ってるからー。」

586 ◆bK3.D2B8eM:2020/12/07(月) 14:22:40 ID:Du4OX.4o
雪穂「ああああーっ、えっとえっとえっとえっとっ!!/////////」


雪穂「お母さんが呼んでるから私厨房に行って来るねそれじゃーーっっ!!!/////////」ピュー


穂乃果「あ、雪穂…って、行っちゃった。うーん…本当に大丈夫なのかなぁ…?」


亜里沙「………//////」ポー…


穂乃果「…あ、いけない!あの…亜里沙ちゃん、ごめんね?さっきからずっと、ほったらかしにしちゃってて。」

亜里沙「………//////」 


穂乃果「もぉー、お母さんったらー。今は亜里沙ちゃんが来てくれてるんだから、何も雪穂じゃなくて私を呼べばいいのにー。」

亜里沙「………//////」


穂乃果「本当にごめんね、亜里沙ちゃん。雪穂が戻って来るまで、もう少し待ってて貰える……ん?」

亜里沙「………//////」

587 ◆bK3.D2B8eM:2020/12/07(月) 14:42:13 ID:Du4OX.4o
穂乃果「あれれ…?おーい、亜里沙ちゃーん?」ヒラヒラ


亜里沙「………//////」プツン


グワシッ!!


穂乃果「わっ!あ…亜里沙、ちゃん…?」

亜里沙「……穂乃果…さん…//////」


穂乃果「え、ええっと…どうしたのかな?突然、私の肩を掴んで……」

亜里沙「……お願いが、あります…//////」


穂乃果「お願い…?亜里沙ちゃんが、私に…?」

亜里沙「……はい…//////」


穂乃果「えっと…うん、いいよ。よく分からないけど、私で出来る事なら…」

亜里沙「……いいんですね…?//////」ジー

588 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/05(水) 10:04:52 ID:LP24YIoQ
穂乃果「う、うん。それで、あの…亜里沙ちゃん。そのお願いってどんな事なのか、私に教えてくれるかな?」


亜里沙「…クスクス……今から…ただ、大人しくしていて下さい……自分では動かない…可愛いお人形みたいに…//////」


穂乃果「………はい?」


ガバァーーッ!!


穂乃果「え、ええっ!?わっ、わわわーっ!?」


スッテーーン!


穂乃果「…あ、あいたたっ…!ビ、ビックリしたぁー…って……あ…あれ…?」

亜里沙「………//////」トローン


穂乃果「…あ、あのー……亜里沙、ちゃん…?」

亜里沙「………はい…//////」

589 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/05(水) 10:34:26 ID:LP24YIoQ
穂乃果「…ええっと……これって、つまりは……その…何と言いますか。」

亜里沙「………何でしょうか…?//////」


穂乃果「ど…どうして、今の亜里沙ちゃんは…私の上に、覆い被さってるのかなー…って。あ、あはは……」

亜里沙「………それは…ですね…?//////」ジー


穂乃果「……そ…それ、は……?」タジタジ


亜里沙「クスクスクス……こうするから…なんですっ!!//////」


ダキッッ!!!


穂乃果「きゃっ!?」


亜里沙「………はあ……//////」


穂乃果「っ!?///あ、亜里沙ちゃんっ?ちょ…ちょっと、コレは…あっ…!///」

亜里沙「………はあっ……//////」

590 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/05(水) 10:52:24 ID:LP24YIoQ
穂乃果「さ、さす…がに…///み、密着…しすぎっ…な、なんじゃ…ないかなっ…?///」ワタワタ


亜里沙「………はむっ//////」


穂乃果「ひゃああああぁぁんんんっっっ!!!?//////」


穂乃果「ああっ、亜里沙ちゃんっ!?//////なな、何で…!みっ、耳を…えっ…?ちょ、ちょっとっ!?//////」


亜里沙「………はむっ…はむっ…はむっ…//////」


穂乃果「や、やめ…!やあっ…あ、足が…絡んで、外れなっ…ひゃんっ!//////あ…亜里、沙ちゃ…んっ、んん…!/////////」

亜里沙「………はむっ、はむっ、はむっ…/////////」


穂乃果「んんっ…や、やぁ…!/////////お、お願、い…もうっ…やっ、ん…っ!ダ…ダメ……や…あんっ…!/////////」

亜里沙「………はむはむっ……はむはむっ……はむはむっ……/////////」ムニュムニュムニュムニュー


穂乃果「…も、もうっ、や……やめっ、あ…あぁ、ん…は…ぁん……あ…は…ぁ…っ……/////////」

591 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/05(水) 11:05:55 ID:LP24YIoQ

ドドドドド…!!


雪穂「お姉ちゃんっ!!何か叫び声が聞こえたけどっ、どうしたのっ!?」


雪穂「ーーーっっ!!?/////////」


亜里沙「………はむはむっ…はむはむっ…はむはむっ……ぺろっ…/////////」


雪穂「………なっ……な…な…ななっ……!!/////////」


穂乃果「…は…あ、やん…っ……はぁ…/////////…ゆ…ゆ、き…ほ……あっ…た…たす……け…あっ…ん…ぁ……あぁ……/////////」


雪穂「……ふ…ふふふっ、ふ…ふふっ……ふっ……//////」ワナワナ


雪穂「二人とも何やってんのおおぉぉーーーーーーーーーっっっっ!!!!!/////////」






592 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/05(水) 12:19:26 ID:LP24YIoQ
穂乃果「…うっ…う…っ…ひっく……//////ふぇ…っ…ぐすっ……う…ぅ…っ……//////」


亜里沙「本当に、本当にっ、ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!!><;」


雪穂「あーーりーーさぁーーー…!!」ズゴゴゴゴ


亜里沙「ゆっ、雪穂…!お願いだから、その顔やめてっ…!?こ、怖いっ!すっごく怖いよぉ!!」エーン;;


雪穂「いっくら何でもねっ!!アレはやり過ぎでしょっ!?何考えてんのホントにっ!!///」

亜里沙「あ、アタマが真っ白になっちゃって…!体がもう、勝手に動いちゃってて…!うう…ごめんなさーいっ!!」


雪穂「……全く、もう…!」


雪穂「あっ……お、お姉ちゃん…?あの、大丈夫…かな…?」


穂乃果「…ぅ…っ…ぐすっ……う、うん…っ……あり、がと…雪穂…っ…///」ウルウル

593 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/05(水) 12:45:36 ID:LP24YIoQ

雪穂(〜〜っ!!//////いちいち反則過ぎるよっ、もうっ…!!//////)


亜里沙「…穂乃果さん……ごめんなさい…ごめん、なさい…っ……本当に……う…っ…ごめん、なさ…っ……」


穂乃果「…っ……あり、さ…ちゃん…っ…」

亜里沙「う…うっ……ごめ…なさ…っ……え…?」 


穂乃果「わ…私、もう…大、丈夫…だから……それに…怒って、ない…から……」


亜里沙「…わ、私の…事…っ……許して…くれ…ます、か…っ…?」

穂乃果「…っ…ぐす…っ……うんっ…」


亜里沙「…亜里沙の、事…っ…うっ……き、嫌いに…ならないで……いてっ…くれます…かっ…?」

穂乃果「…うん……勿論、だよ…!だから、ね…?亜里沙…ちゃんっ…」


穂乃果「私と、一緒に…もう……泣くのは、やめよう…?」

594 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/05(水) 14:25:06 ID:LP24YIoQ
亜里沙「…穂乃果…さん……ぐすっ…」


穂乃果「ね…?」ニコッ


亜里沙「…ぅ……穂乃…果…さんっ……ごめん…なさ、い……ごめん、なさ…っ……う…うっ……!」


亜里沙「うわぁああぁぁああーーーーーーーんんっっ!!!」


穂乃果「…亜里沙、ちゃん……よしよし……」ナデナデ…


雪穂「………ハア。」


雪穂(やれやれ…どこまで行っても、お人好しなんだから…全く。)クスッ






595名無しさん@転載は禁止:2022/01/05(水) 15:34:05 ID:ni6XIKvM
まさかの再開か?

596 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 08:26:01 ID:bgY.pfp.
大変ご無沙汰しておりました。こちらに気付いてコメして下さった方、どうもありがとうございます。
本当に長い間こちらへ来られなかった分、まず話の方を一定の区切りまで進め終えられてから
改めてご挨拶させて頂こうと思っていましたので、こんなに早く気付いて貰えた事にビックリしました。
何かと拙い書き手と作品ではありますが、もし宜しければ、今後もどうか長い目で見守って頂ければ大変幸いです。

597 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 08:32:06 ID:bgY.pfp.
雪穂「…亜里沙…落ち着いた…?」

亜里沙「…うん…ぐすっ……雪穂も、ゴメンね…?」


雪穂「うん…ちゃんと謝ったし、お姉ちゃんも許してくれたし。だからさ、もう怒ってないよ?」

亜里沙「…うん……」


雪穂「ありがとう、お姉ちゃん…亜里沙の事、許してくれて。」


穂乃果「ううん、気にしないで。私、亜里沙ちゃんの事は大好きだから。ね?」

亜里沙「…ぐすっ……穂乃果さん……ありがとう、ございます……」


穂乃果「…ねえ、亜里沙ちゃん。えっと…亜里沙ちゃんは、さっき…どうして、その…///」

穂乃果「私に、あんなにも激しく…くっついて、きたのかなって。」


亜里沙「………」


穂乃果「あのね…?さっき亜里沙ちゃんは、『アタマが真っ白になって、体が勝手に動いてたから』って。」

598 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 08:36:03 ID:bgY.pfp.
穂乃果「確か雪穂に、そう言ってたと思うんだけど。ただ、その時の私は…恥ずかしながら、泣いちゃってて…///」

穂乃果「そのせいで、ハッキリと聞こえてた訳じゃなかったから…それで一度、確認だけしておきたくて。」


亜里沙「…はい。私、雪穂に…そう言ってました。」

穂乃果「そっか…やっぱり、そうだったんだね。」


雪穂(うん…そうだよね。あの時の亜里沙は、確かに私にそう言ってた。それは間違いない。)

雪穂(でも…私は激しく怒ってる真っ最中だったから、その時は余り気にしてなかったんだけど。)

雪穂(冷静になった今、改めて思い出してみると…亜里沙の言ってた事って、何かが少し…引っ掛かる気もする。)


穂乃果「実はね、亜里沙ちゃん。私、まだ他に気になってる事があるの…さっきの亜里沙ちゃんの事で。」

穂乃果「勿論、亜里沙ちゃんが雪穂に言ってた事も、本当だったと思ってるし。だから疑ったりとかなんて、全然してないんだけど。」


亜里沙「…………」


穂乃果「ただ…さっきの亜里沙ちゃんって、普段からは想像出来ないくらい…うーん…何て言えばいいのかな。」

599 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 08:42:17 ID:bgY.pfp.
穂乃果「えっとね…?言葉にしようとすると、余り上手には言えないんだけど…」

穂乃果「何故か、ものすごく必死だった様な…そんな感じにも、私には見えてたんだ。」


亜里沙「………」


穂乃果「だから私、こう思ったの。きっと、あの亜里沙ちゃんの行動には…」

穂乃果「本当は、別の大きな理由が…何かあったんじゃないのかなって。」


亜里沙「……はい。穂乃果さんの、言う通りです。」


穂乃果「うん…そっか。ありがとう、ちゃんと答えてくれて。」

亜里沙「……いえ…そんな……」


穂乃果「あの…それでね、亜里沙ちゃん。」

穂乃果「今から私の言う事が、ただの勘違いだったらゴメンね?その…もしかして、なんだけど。」


亜里沙「…はい。」

600 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 08:51:18 ID:bgY.pfp.
穂乃果「私が今してる、この格好とか…もしかしたら、それが何か関係あったのかなって……えっと…違ってたかな?」


亜里沙「…いいえ。それもあります。」


雪穂(…『それもあります』って事は…他にもまだ、別の理由があった…そういう意味だよね。)

雪穂(という事は、その『別の理由』こそが。さっきの亜里沙の、あのよく分からない行動の『本当の理由』だと思うんだけど…)


穂乃果「…ねえ、亜里沙ちゃん。今の亜里沙ちゃんが思ってる、本当の気持ちを…私に聞かせてくれないかな?」

亜里沙「……え…?」


穂乃果「私に抱きついてきた、あの時の亜里沙ちゃんが思ってた事。そして今の亜里沙ちゃんが、胸の中で思ってる事。」

穂乃果「その二つは、きっと亜里沙ちゃんにとって…何か大切なものとして、強く繋がってる様な…そんな気がしたから。」


亜里沙「……穂乃果、さん…」


穂乃果「だから…その亜里沙ちゃんの気持ちが、もし私にも関係のあるものだったなら。」

穂乃果「亜里沙ちゃんが大切にしてると思う、今のその気持ち。もし良かったら、私にも…教えてくれないかな?」ニコッ

601 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 09:00:40 ID:bgY.pfp.
亜里沙「……はい。」


穂乃果「うん…ありがとう。嬉しいよ。」ナデナデ…

亜里沙「……えへへ///」


雪穂(…こうゆう時のお姉ちゃんって、本当にすごいなって…素直にそう思う。)

雪穂(普通、今みたいな状況の場合なら。まず真っ先に『その理由』を、誰だって知りたくなる筈なのに。)


雪穂(だけど、お姉ちゃんはそうじゃない。『その理由』のもっと奥にある『その人の気持ち』を、いつだって知りたいと願ってる。)

雪穂(そして、そんなお姉ちゃんだからこそ。普段はクールな人とか、とても意地っ張りな人でも。)

雪穂(それにきっと、素の自分をなかなか見せない様な人でさえも。お姉ちゃんの前では、否が応でも素直になってしまう。)


雪穂(普段はグータラだし。『雪穂ー、お茶ー。』とか言って、この可愛い妹をいつも振り回してくるし。色々とダメな所も多いんだけど。)

雪穂(でも…いざって時は、強くて、かっこよくて、頼もしくて。それに…すごく優しくて。本当に素敵な……私の、自慢のお姉ちゃん。)


雪穂(しかも、いきなりイメチェンしたと思ったら…その……とんでもない美人に、なっちゃったし…///)

雪穂(まあ…どれも恥ずかしいから、人前じゃ絶対に言わないんだけどね///)

602 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 09:08:21 ID:bgY.pfp.

亜里沙「…私、本当は…今日、穂乃果さんに…」

亜里沙「今日こそは、穂乃果さんに…ちゃんと伝えたかったんです。」


穂乃果「え…?私に…?」


亜里沙「はい…穂乃果さんに、伝えようと思ってました…ずっと、ずっと前から。」

亜里沙「私と…亜里沙と……これからは、もっともっと…仲良くして欲しいですっ、て。」

亜里沙「そして、これからは…私の事、もっともっと…優しく、温かく…ギュってして欲しいっ…て。」


穂乃果「…亜里沙ちゃん…」


亜里沙「私の大好きな親友の、雪穂の大切なお姉ちゃんで…そして雪穂は、穂乃果さんが大好きで…」

亜里沙「私の大好きなお姉ちゃんの、大切な仲間で…そしてお姉ちゃんも、穂乃果さんが大好きで…」

亜里沙「そんな私の大好きな二人は…よく私にも、楽しそうに穂乃果さんの話をしてくれて…」


雪穂(…私ってお姉ちゃんの事、そんなにも話してたのかな…?顔に出したつもりだって、無かったのに…///)

603 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 09:19:21 ID:bgY.pfp.
亜里沙「いつも嬉しそうに、穂乃果さんの事を話してくれる…そんな二人を見てる内に…」

亜里沙「私も…私にとっても、穂乃果さんの事が…少しずつ、気になる存在になっていって…」

亜里沙「それは私の中で、時間が過ぎれば過ぎていく程に…どんどん、大きくなっていくばかりで…」


亜里沙「そんな日が続いてた、ある時…自分で『やっぱりそうなんだ』って、ハッキリと気が付いた時には…」

亜里沙「私…憧れの海未さんへとは、何かが少し違う…そんな気持ちを、穂乃果さんに…感じていました。」


穂乃果(…そう…だったんだ。)


亜里沙「そして、あの日…私が『私のスクールアイドルを目指します』って言った時、穂乃果さんは…」

亜里沙「私と雪穂を、ギュってしてくれて……それが、とても温かくて…とっても優しくて。」

亜里沙「その温かさと優しさが、亜里沙は嬉しくて…すごく嬉しくて……だから…だから…」


亜里沙「もっと私と、いっぱい仲良くして欲しい。もっと私に、いっぱいいっぱい…ギュってして欲しいって。」

604名無しさん@転載は禁止:2022/01/12(水) 09:31:54 ID:OgkifYbY
見てる

605 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 09:44:44 ID:bgY.pfp.
亜里沙「あの時から私、ずっとそう思ってました。それに、この気持ちを穂乃果さんに…絶対に伝えなきゃって。」


穂乃果「………」


亜里沙「でも…あれから穂乃果さんとは、たまに挨拶するくらいで…ゆっくり会える機会が、全然なくなっちゃって…」

亜里沙「ずっとお話も出来ない時間が、長くなっていって…それでも私の中の気持ちは、その間にも大きく膨らんでいって…」


亜里沙「そして、今日になって…やっと穂乃果さんと、ちゃんと会えて話せるチャンスがやって来て…私、すごく嬉しかったんです。」


穂乃果「……亜里沙、ちゃん…」


亜里沙「だけど…今日、やっと会えた穂乃果さんは…最初に見た時は、すぐに分からないくらいに…今までと変わっていて…」

亜里沙「すごくキレイで、すごく大人っぽくなっていて…でも、そんな穂乃果さんを見てた私は…何だか、とても不安になってきて…」


亜里沙「それで…思ったんです。もしかしたら、穂乃果さんは…私の気付かない間に…もう……」

亜里沙「『私の知ってる穂乃果さん』じゃ、なくなっちゃったのかな…って。」


穂乃果「………」

606 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 09:57:23 ID:bgY.pfp.
亜里沙「それでも……私に話しかけてくれた穂乃果さんは、やっぱり穂乃果さんで……」

亜里沙「ちゃんと、私の知ってる…私の会いたかった、ずっとお話したかった…いつもの穂乃果さんで、いてくれました。」


亜里沙「私、それが分かったら…今でも穂乃果さんが、そのままでいてくれた事への、すごく安心した気持ちと…」

亜里沙「最後に顔を見てから、そんなに時間は経ってない筈なのに…また会えた嬉しさと、何だか懐かしい気持ちと…」


亜里沙「それに…ずっとこの気持ちを伝えたかった人が、こんなにも綺麗だったんだって…その感動とか、興奮とかで…」

亜里沙「頭の中が、色んな気持ちでグルグルになって…もう何が何だか、自分でも分からなくなっちゃって…」


亜里沙「そして…気が付いた時には、私…ただ、必死で求める様に……穂乃果さんに…強く抱きついていました。」


穂乃果「……そう、だったんだ。」


雪穂(…亜里沙の、その時の気持ちは…私にも分かる気がする。)


雪穂(実の妹の私だって、例え少しの間だったとは言っても…お姉ちゃんの変化には、正直不安になっちゃったから。)

雪穂(だから…見た目は変わっても、お姉ちゃんはお姉ちゃんのままだったんだって。それが分かった時、すごく安心したんだ…私も。)

607 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 10:05:27 ID:bgY.pfp.
亜里沙「でも、だからといって…私がしてしまったのは、いけない事なんだって…すごく反省してます。」

亜里沙「だから…もう一度、ちゃんと謝ります。穂乃果さん…本当にごめんなさい。」


穂乃果「……ううん。私の方こそ…ごめんね、亜里沙ちゃん。」


亜里沙「……え…?穂乃果、さん…?」


穂乃果(…本当に成長してないな、私って…ことりちゃんの時に、しっかり反省したと思ってたのに…)

穂乃果(私の事を、こんなにも思ってくれてた人を…ちゃんと見れてなかったなんて…)


穂乃果「…亜里沙ちゃんは、私ともっと仲良くなりたいって…ずっと、そう思ってくれてたのに…」

穂乃果「私が知らない時にも…こんなにも悩んだり、辛い気持ちになっていたのに…」


穂乃果「私、全然気付いてなかった。その気持ちに気付けてなかった。それが今…すごく悔しい。」


穂乃果「亜里沙ちゃんの事、ちゃんと見れてなかった…そのせいで、何も分かってなかった。」

穂乃果「そんな自分が、凄く情けなくて…本当に悔しいんだ。」

608 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 10:19:22 ID:bgY.pfp.

穂乃果「だからね…亜里沙ちゃん。私の方こそ…本当にごめんなさい。」


亜里沙「そ、そんな…!穂乃果さんが謝らないでください…!」


穂乃果「ううん…もしもね、私が亜里沙ちゃんだったら。自分の気持ちを伝えたいと思ってる人が、ずっと自分の中にいて…」

穂乃果「それなのに、その人と長い間まともに話す事も出来なければ…やっぱり、すごく寂しいよ。」


穂乃果「そして、そんな状況が長く続いていて。ふとある時に…その人が何の前触れもなく、今までと違う姿で自分の前に現れたなら。」

穂乃果「その今までと変わってた姿を見て、不安な気持ちになったとしても…それって、きっと仕方のない事だって思うの。」


穂乃果「そう…だからこそ、なんだと思う。それまでずっと待ってた、その人が。」

穂乃果「本当に自分の会いたかった、その人のままで…今でもそのままで、変わらずにいてくれたのなら。」

穂乃果「それが嬉しくて、とっても嬉しくて。その嬉しい気持ちで、体中がいっぱいになっちゃって。」


穂乃果「そこに色んな感情が、次々と混ざってきて。自分の中で暴れる様に、溢れ返ってしまって。」

穂乃果「そんな風になってると、自分では分かってはいても。それでも、もうどうにも出来なくなってしまって。」

609 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 10:35:32 ID:bgY.pfp.
穂乃果「そうやって、ついに限界を超えちゃった沢山の気持ちが、一気に表へと溢れ出てしまって。」

穂乃果「そのまま『ドカーン!』って、激しく爆発しちゃう事だって…きっと、あるんだよ。」


穂乃果「だからね。さっきの事は、亜里沙ちゃんが悪かった訳じゃなくて。本当は…私がいけなかったんだって思う。」

穂乃果「私が亜里沙ちゃんを、ちゃんと見れてなかったせいで…こんなにも亜里沙ちゃんを、不安にさせちゃってたんだから。」


亜里沙「…穂乃果さん…」


雪穂「…お姉ちゃん…」


穂乃果「あのね、亜里沙ちゃん。」

亜里沙「…あ…は、はい。」


穂乃果「私って、こう見えてもね。自分でも周りをよく見て、色々と気を付けようとはしてるんだけど…それでも相変わらず、鈍くって。」

穂乃果「そのせいで、自分だけじゃよく見えてない事とか、全然気付けてない事とか。やっぱり今でも、かなり多かったりするんだ。」

610 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 10:51:09 ID:bgY.pfp.
穂乃果「そんな私だから…亜里沙ちゃんに一つ、お願いがあるの。」

亜里沙「え…?私に、お願い…ですか…?」


穂乃果「うん、お願いだよ。これからは亜里沙ちゃんの事、もっと私に…色々教えてくれるかな?」

亜里沙「…穂乃果さん…!」


穂乃果「私…亜里沙ちゃんの事、もっと知りたい。亜里沙ちゃんの好きな物とか、好きな事とか…他にもいっぱい。」


穂乃果「だって私も、これから亜里沙ちゃんと。もっともっと、いっぱい仲良くなりたいから。」


亜里沙「…っ…はい…!」


穂乃果「だから、亜里沙ちゃん。これからも、ずっとずっと宜しくね!」サッ

亜里沙「はい!私、私…とっても嬉しいですっ!」ギュッ


雪穂「良かったね…亜里沙。亜里沙の気持ち、ちゃんと届いたよ…お姉ちゃんに。」

亜里沙「うんっ!」

611 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 11:08:20 ID:bgY.pfp.
雪穂「あ、だけどさ。さっきみたいなのは、もう本当にダメだからね?」

亜里沙「うん!もう大丈夫だよ、雪穂!」


雪穂「うんうん。それさえ気を付けてくれれば、後は特に…」


亜里沙「私ね?『穂乃果さんを困らせるスキンシップ』は、もう絶対しないから!」フンス!


雪穂「………はい?」


亜里沙「これからは私、ちゃんと穂乃果さんにOKして貰ってからやるよ!ね、雪穂っ!」キリッ


雪穂「…あのー…亜里沙さん?」


亜里沙「という訳で、穂乃果さん?」クルッ


穂乃果「え…?あ、どうしたの…?」

612 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 11:22:08 ID:bgY.pfp.
亜里沙「今度からは、穂乃果さんに…優しくハグ、して貰っても…いいですか?///」ウルウル


穂乃果「亜里沙ちゃん…うん、私で良ければ!」

亜里沙「本当ですか…!?」


穂乃果「勿論だよ!これからは亜里沙ちゃんの事、いっぱい『ギュウー!』ってしちゃうよ?」

亜里沙「わあ〜♪とっても嬉しいですっ!」


雪穂「…うーん……ねえ、亜里沙。ちょっと、いいかな?」

亜里沙「え?雪穂、どうしたの?」


雪穂「えっと…あのさ?亜里沙って『μ's』の中だと、特に海未さんのファンなんだよね?」

亜里沙「うん!海未さんの事はスクールアイドルとして、すっごく尊敬してるよ!」


雪穂「うん、そうだったよね。だから今、少し思ったんだけど。」

亜里沙「?」

613 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 11:50:03 ID:bgY.pfp.
雪穂「その海未さんとお姉ちゃんは、同じ『μ's』のメンバーでもある訳で。」

雪穂「だから、海未さんの事を一番に尊敬しながらも。もう一方で、お姉ちゃんにいっぱい甘えちゃうのってさ。」

雪穂「亜里沙的には、そういうのもアリなのかなーって。ちょっとだけ、気になっちゃって…」 


亜里沙「雪穂っ!!」ビシィ!


雪穂「うわっ!?なっ、何…!?」ビクッ


亜里沙「いい…?よぉーーく、聞いててねっ…!?」キッ!

雪穂「……う…うん…」タジタジ


亜里沙「それに穂乃果さんもっ!!」ビシィ!


穂乃果「ええっ!?わ、私も…!?」


亜里沙「しっかりと、聞いててくださいねっ…!?」キッ!

穂乃果「……は、はい…!」タジタジ


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