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穂乃果「イメチェンしたら、大騒ぎになっちゃったっ!?」
1
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/20(日) 10:11:22 ID:5N.c3b1Q
・話のメイン=穂乃果&ことり&あんじゅ
・基本アニメ準拠+一部SIDネタ
・ご都合主義&超絶ベタ王道展開
・超スローペース進展ストーリー
・オリジナル設定有り(やや多め)
・誇張表現&長回し台詞有り(多め)
・穂乃果ハーレム要素有り(強め)
・長編(前作より大幅に長くなる予定)
※公式アンソロ作品「穂乃果イズム」をきっかけに思い浮かんだ妄想ストーリーです
※数多くの先駆者様SS作品の影響を受けており、もしネタ被りの際には何卒ご容赦願います
※SS投稿二作目となります(↓粗い出来ですがこちらが一作目です)
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1552425466/l50
49
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/24(木) 12:58:29 ID:ILGXhByY
あんじゅ「今日はこの後、何か予定はあるの?」
穂乃果「えっ?あ…い、いえ。」
穂乃果「学校での用事も、全部済んでますし…もう後は、家に帰るだけで…」
あんじゅ「そう、良かったわ。そ・れ・な・ら〜…☆」
穂乃果「……?」
あんじゅ「今から私に、少し付き合ってくれるかしら?」
穂乃果「…へ?」
あんじゅ「車を待たせてあるの。一緒にドライブしながら、私と…デートしましょ?」
穂乃果「…デート…?デート、デート……え、ええっ!?」
あんじゅ「ウフフ♪」
50
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/24(木) 13:04:55 ID:ILGXhByY
穂乃果「デ…デデッ、デート、ですかっ!?」
あんじゅ「ええ♪」ニコニコ
穂乃果「あ、あんじゅさんと…私が…!?」
あんじゅ「そうよ♪高坂さんと私が☆」
穂乃果「どど、どうして急にっ、そんな…デ、デートだなんて…!」アセアセ
あんじゅ「あら…私が相手じゃ、役不足だったのかしら……すごく、寂しいわぁ…」シュン
穂乃果「いいい、いえいえっ!とんでもないですっ!」
穂乃果「私の方こそ、えっと…!何と言いますか、恐れ多いって言いますか、その…!」ワタワタ
あんじゅ「…なら、OKしてくれるのね?」ジー
穂乃果「そそ、それは…はっ、はい…!」
穂乃果「ふ、不束者ですけど…!どど、どうか宜しくお願いしますっ!」ペコリ
51
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/24(木) 13:11:13 ID:ILGXhByY
あんじゅ「まあ、嬉しいわ♪じゃあ、早く行きましょう?」
ギュッ☆
穂乃果「…あ…!」
あんじゅ「は〜い、こっちよ☆」ルンルン
穂乃果(あんじゅさんの手…柔らかくて、とっても温かい…)
穂乃果(まるで、優しく包まれてるみたいな…そんな感じが……)
穂乃果「……〜〜っ…///」カアア
あんじゅ(あらあら、赤くなっちゃって。ホントに可愛いわ♪)
あんじゅ(クス。何だか今夜は、とっても楽しい時間になりそう☆)
あんじゅ(だって…そんな予感が、さっきから止まらないんですもの♪)
52
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/24(木) 13:14:42 ID:ILGXhByY
今回は、ここまでとなります。
コメントをくださった方々、どうもありがとうございます。
一作目の時の経験を生かして、今回も完走まで頑張りたいと思っています。
それでは、次回もどうぞ宜しくお願い致します。
53
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/10/24(木) 16:39:56 ID:i9rc.FYQ
ほのあん…だと…!?
A-RISE絡みならほのツバが王道だと思っていたのに新たなる道に目覚めちまうじゃねーか!最高です
54
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/25(金) 11:06:19 ID:GLahDWeM
SCENE 3.【送迎車内・ティールーム】
穂乃果「ホント、さっきはビックリしちゃいました。」
あんじゅ「フフ…ごめんなさいね。貴女の姿を見かけたら、何だかイタズラしたくなっちゃって。」
穂乃果「あはは…まさか、あんじゅさんに『だ〜れだ』ってされるなんて、思ってもいませんでしたから。」
あんじゅ「それって、やっぱり私のイメージじゃなかったのかしら?」
穂乃果「はい。あんじゅさんって、いつも綺麗で、色っぽくって…」
穂乃果「それに落ち着いてる雰囲気が、とっても大人の女性って感じで。」
あんじゅ「まあ♪高坂さんにそう言って貰えるなんて、とっても光栄ね☆」
穂乃果「ほ、本当です…!同性の私から見ても、あんじゅさんはすごく魅力的な女の人だなって。」
55
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/25(金) 11:17:09 ID:GLahDWeM
穂乃果「さっきだって、実はお茶目なところもあるって知って…その時は、ちょっと驚きましたけど…」
穂乃果「でも私、それであんじゅさんの事…もっともっと、素敵な人なんだって思うようになりました。」
あんじゅ「ありがとう。貴女にそう言って貰えて、とても嬉しいわ。」
穂乃果「……いえ…そんな。」
あんじゅ(あらら…やっと少しは元気が出てきたみたいって、そう思ってたんだけど…)
穂乃果「…あの…あんじゅさん。」
あんじゅ「あら、どうしたの?」
穂乃果「えっと、その……どうして私を、ドライブに誘ってくれたんですか?」
あんじゅ「そうねえ…今日は学校での用事があって、ツバサと英玲奈には先に帰って貰ってー…」
あんじゅ「一通り用事も済んで帰ろうとしてた時に、たまたま高坂さんを見つけてー…」
あんじゅ「それから一緒にお話をしてた高坂さんが、とっても可愛らしかったからー…」
56
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/25(金) 11:28:14 ID:GLahDWeM
あんじゅ「それでね。もっと一緒にいたくなったから、思わず連れて来ちゃったの☆」
穂乃果「…へ?」
あんじゅ「クス♪高坂さん。貴女って、不思議な人ね。」
あんじゅ「私がこんなにイタズラしたくなったり、いきなりドライブに誘ってお喋りしたくなる人なんてね。」
あんじゅ「自分でこう言うのも何だけれど、私の身近な人達の中にだって滅多にいないのよ?」
あんじゅ「だから貴女と一緒にいると、すごく新鮮な気分になれて楽しいの☆」フフッ
穂乃果「そ、そうなんですか…?」
あんじゅ「フフ。実はね?貴女とは機会があったら、いつか二人でお話ししてみたいと思ってたの。」
穂乃果「え…?あんじゅさんが…わ、私と…!?」
あんじゅ「ええ。だから今日、そんな機会が巡って来てくれた事が…とっても嬉しいのよ、私☆」ニコッ
57
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/25(金) 11:34:11 ID:GLahDWeM
穂乃果「…!///そ、それは…あの、どうも…ありがとうございます…//////」カアア
あんじゅ(あらあら、真っ赤になっちゃって♪)クスッ
穂乃果「でも…あんじゅさんみたいな大人っぽくて素敵な人が、私みたいな子に…」
穂乃果「まさか、そんな風に思ってくれてたなんて…ちょっと、驚いちゃいました。えへへ…///」
あんじゅ「あら、どうしてそう思ったのかしら?」
穂乃果「だって、私…あんじゅさんみたいに、綺麗じゃないし…落ち着きもなくて、大人っぽくもないし…」
穂乃果「学年は一つしか違わないのに…大人と子供くらいの差があるって感じが、しちゃいますし…」
あんじゅ「高坂さん…?」
穂乃果「…『μ's』の中でも、私って…そうなんです。」
58
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/25(金) 11:52:45 ID:GLahDWeM
穂乃果「ことりちゃんなんて、すごく女の子らしい女の子で…とっても可愛くて優しいですし。」
穂乃果「海未ちゃんは、いつも綺麗で落ち着いてて…だから弓道部でも、後輩の子達に人気があるんです。」
穂乃果「他のみんなだって…一人一人が、ホントに魅力的で…素敵な女の子ばかりで。」
穂乃果「それに比べて、私って…ただ元気で明るいくらいしか、これといった取り柄もなくって。」
穂乃果「女の子らしい魅力とかなんて…全然っていうか、まるっきり縁がないって言うか…あはは。」
あんじゅ「………」
穂乃果「それは、自分でも分かってますし…なるべく気にしないようにって、そう思ってるつもりなんですけど…」
穂乃果「これでも一応、私も女の子なので…余りにも縁がなさ過ぎると、ちょっぴりヘコむ事もあるみたいで。」
あんじゅ「…高坂さん。」
59
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/25(金) 11:59:09 ID:GLahDWeM
穂乃果「あ…でも、大丈夫です。そうゆうのは、私のキャラクターじゃないって事も。」
穂乃果「私には女の子らしい魅力なんて、別に誰からも求められてないって事だって。」
穂乃果「流石にそれくらいの事は、ちゃんと自分でも理解してますから。」
あんじゅ「高坂さん。」
穂乃果「だって私の周りには、とっても魅力的な女の子が何人もいるんですし。」
穂乃果「だから私は、これからも自分の出来る事を頑張っていけば。」
穂乃果「余計な事は何も考えないで、今まで通りに頑張っていれば。それで良…」
あんじゅ「…穂乃果さんっ!」
穂乃果「…え…?」
あんじゅ「…貴女が、女の子として魅力的じゃないなんて…一体、何処の誰が決めたのかしら?」
穂乃果「………」
60
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/25(金) 12:21:34 ID:GLahDWeM
あんじゅ「私は貴女の事、とても可愛らしくて魅力的な人だと思ってるわよ?」
穂乃果「……あんじゅさん…」
あんじゅ「これは勿論、一人の女の子としての貴女への話。」
穂乃果「………」
あんじゅ「だから私は、前から貴女とお話してみたかったの。今日だって貴女を誘ったのは、それが一番の理由なのよ?」
穂乃果「………」
あんじゅ「さっきも言ったでしょう?私がそこまでするのは、本当に珍しい事だって。」
穂乃果「…ありがとうございます、あんじゅさん。えへへ…お世辞でも、嬉しいです。」
あんじゅ「お世辞じゃないわ。」
穂乃果「ううん…いいんです。」
61
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/25(金) 12:28:06 ID:GLahDWeM
穂乃果「あんじゅさんみたいな素敵な人に、そう言って貰えただけで…私、すごく嬉しいですから。」
あんじゅ「………」
あんじゅ(…言葉だけでは、響かない…か。)
あんじゅ(きっと今のこのコは、自分で思っている以上に…)
あんじゅ(自分が女の子である事に対して、自信を失くしているのかも知れないわね。)
あんじゅ(……じゃあ、それなら。)
あんじゅ「ねえ、穂乃果さ…って。これからは、この呼び方でも構わないかしら?」
穂乃果「え…?あ…は、はい…!是非、そう呼んでください…!」
あんじゅ「ありがとう。いきなり言い出した事だったから、OKして貰えて良かったわ。」
62
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/25(金) 12:39:18 ID:GLahDWeM
穂乃果「そ、そんなの当然ですから…!あんじゅさんに、そう呼んで貰えるなんて…」
穂乃果「私としても、その…とっても、嬉しいですし…えへへ…///」テレッ
あんじゅ(ああ〜、もう…!このコったら、本当に可愛いわね…!///)
あんじゅ(…っと、いけない…!)コホン
あんじゅ「…それで、穂乃果さん。確かこの後は、何も予定は無かったのよね?」
穂乃果「あ…はい。今日、この後は…えっと…もう用事とかも、特にないですけど。」
あんじゅ「そう、良かったわ。それなら…」
穂乃果「……?」
あんじゅ「今日は、私の家に泊まっておゆきなさいな☆」
穂乃果「………はい?」
63
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/25(金) 12:48:43 ID:GLahDWeM
あんじゅ「さて、まずは〜…穂乃果さんのご自宅への連絡先を、今から私に教えてくれるかしら?」
穂乃果「……えっ?え、えええ〜〜っ!?」
あんじゅ「は・や・くぅ♪」ツン☆
穂乃果「あ、あああの…!?ははっ、はいぃっ!!」サッ
あんじゅ「フフ。良いコね♪」ピッピッピ…
あんじゅ「……もしもし、高坂様のお宅でしょうか?私、優木あんじゅと申します。」
あんじゅ「あ、高坂穂乃果さんのお母様でいらっしゃいますか?はい、どうも初めまして。」
あんじゅ「はい……はい……まあ、そうでいらしたんですかっ?」
あんじゅ「まさか私の事を、ご存知でいて下さってるなんて。ええ、感無量ですわ。」
穂乃果「………」ポカーン
64
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/25(金) 12:54:07 ID:GLahDWeM
穂乃果(い、今……一体、何が…起きてるの…?)
あんじゅ「ええ…ええ……はい、勿論です。ご信用を頂きまして、感謝の極みですわ。」
あんじゅ「本当にありがとうございます。はい…はい……では、その様に…」
あんじゅ「どうか、ご安心下さいませ。はい……それでは、これにて失礼致します。」プツン
あんじゅ「さてと、次は………もしもし、私です。」
あんじゅ「今日は大事なお客様を一人、後からお連れするわ。」
あんじゅ「ええ…ええ、そうよ。最高級のお持て成しにしたいから。」
あんじゅ「それで、準備の方を……ええ。宜しくお願いね☆」
穂乃果「………」ボーゼン
あんじゅ「フフ、これでOKね♪」
穂乃果「………」
65
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/25(金) 13:01:53 ID:GLahDWeM
あんじゅ「穂乃果さん。」
穂乃果「………」
あんじゅ「穂乃果さん?」
穂乃果「………ハッ!?」
穂乃果「はっ、はいっ!!」
あんじゅ「どうしたの?何だかボーッとしてたわよ。」フフッ
穂乃果「す、すみません。突然の流れに、何か置いていかれちゃってたみたいで…あ、あはは。」
あんじゅ「あら、別に謝らなくてもいいのに。強引に誘ったのは、私なんだから。」クスッ
穂乃果「い、いや〜その〜…何と言いますか……面目ないです…///」ポリポリ
あんじゅ(本当、表情がコロコロ変わるわね。見ていて全然退屈しないわ☆)
66
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/25(金) 13:16:29 ID:GLahDWeM
あんじゅ(…私の知る限りだと、このコはいつも周りを引っ張っていくタイプの筈。)
あんじゅ(でも、だからこそなのでしょうね。引っ張られる側に自分がなる事には、余り慣れていない。)
あんじゅ(それ故に、こんな反応になってしまうのも…穂乃果さんには悪いけど、また魅力の一つなのかも♪)
あんじゅ「ねえ、穂乃果さん。」
穂乃果「は、はい。」
あんじゅ「私達が二人だけで話す機会が出来たのって、今日が初めてだけど…」
穂乃果「そ、そうでしたね。」
あんじゅ「私、貴女とこうして二人で過ごせる時間がね?自分で想像してた以上に…好きみたいなの。」
穂乃果「え…?」
あんじゅ「つまりね。私は、穂乃果さんの事が〜…『大好き』って、意味よ♪」パチッ☆
穂乃果「…〜〜っ!//////」カアア
67
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/25(金) 13:44:00 ID:GLahDWeM
あんじゅ「クス♪ねえ、穂乃果さん。さっきも言ったけどね?」
あんじゅ「普段なら滅多にそんな風には思わない私が、貴女にはそう強く感じているの。」
あんじゅ「それって一体どういう事なのか…分かって貰えるかしら?」
穂乃果「え、ええっと…それは…」
あんじゅ「それ程までにね?貴女がとっても『魅力的な女の子』って、事なの☆」
穂乃果「そ…そそっ、そんな…!///」
あんじゅ「だから…私としては、そんな貴女に…」スッ…
あんじゅ「もっと、自分に自信を持って欲しいと…そう思ってるわ。」ギュ…
穂乃果「……あんじゅ、さん…///」
68
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/25(金) 14:06:46 ID:GLahDWeM
あんじゅ「…貴女が自分に自信を持てないのは、現状においても何かの理由があると思うの。」
穂乃果「………」
あんじゅ「でもね、穂乃果さん。私には…ハッキリと分かるの。」
あんじゅ「きっと貴女の周りの人達も、それに貴女自身ですらも。」
あんじゅ「まだ誰も気付いていない様な、貴女の女の子としての魅力。」
あんじゅ「そんな魅力を…貴女は、絶対に持っているわ。絶対にね。」
穂乃果「…私が、持っている……女の子としての…魅力…?」
あんじゅ「ええ、そうよ。だから…」
穂乃果「……?」
あんじゅ「まだ貴女の中で眠ったままの、その沢山の魅力達を…」
あんじゅ「これから私が、全力で引き出してみせるわ☆」
69
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/25(金) 14:12:41 ID:GLahDWeM
今回は、ここで終わりとなります。また次回も宜しくお願い致します。
感想をくださった方、どうもありがとうございます。
滅多に見かけなかった組み合わせなので、少しでも違和感なく出来ればいいなと思っています。
70
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/26(土) 09:06:08 ID:TS.43EmE
穂乃果「へ…?えっ、えええーっ!?」
あんじゅ「そして、貴女の周りの人達にも。勿論、貴女自身にも。」
あんじゅ「貴女が持ってる本当の魅力を、私がタップリと教えてあげるから☆」
穂乃果「…で…でも…!それは、あの……」
あんじゅ「…不安?」
穂乃果「だ、だって…そんな魅力なんて……本当に、私にあるのかな…って…」
あんじゅ「あら、それは残念ね。」
穂乃果「え…?」
あんじゅ「まともに話したのが、今日初めての私の言う事なんて…信じて貰えないのかしら?」
71
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/26(土) 09:32:55 ID:TS.43EmE
穂乃果「そ、そんな事ないです…!確かに二人でお話出来たのは、今日が初めてですけど…」
穂乃果「でも、あんじゅさんは…私の事を励ましてくれて、いっぱい誉めてくれて…私、本当に嬉しかったんです。」
あんじゅ「………」
穂乃果「だから…あんじゅさんは、私にとって…」
穂乃果「とっても優しくて…それに、すごく頼れる人なんだって…」
穂乃果「私、本当に…本当に、そう思ってますから…!」
あんじゅ「…ありがとう、穂乃果さん。」
あんじゅ(…話せば話す程、知れば知る程に…改めて感じさせられるわね。)
あんじゅ(やっぱり、このコって…すごく良いコじゃない。)
あんじゅ(でも…これでハッキリ分かった気がするわ。)
72
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/26(土) 09:47:39 ID:TS.43EmE
あんじゅ(明るい。素直。人当たりが良い。人懐っこいながらも、礼節も身につけている。)
あんじゅ(普段は頼りない面があっても。一度何かを決めたら、それを最後までやり遂げる意思と力を宿す。)
あんじゅ(人を引っ張って進んでゆく力と、相手にそれを受け入れさせるだけのカリスマ性。)
あんじゅ(人の短所よりも長所を見る事に長け、何よりもそれらを大切にする…恐らくは無自覚で。)
あんじゅ(今までの情報で、私が知っているこのコ。そして今日、このコと直接話している中で感じただけでも…)
あんじゅ(このコには、既にこれ程のものがある。それこそ…大きな器の持ち主であると、強く感じさせるまでに。)
あんじゅ(そうね…このコは、多感な年頃の可愛らしい『一人の女の子』でありながらも…)
あんじゅ(それ以上に『一人の人間』としての内面的な魅力が、実年齢に対して余りにも突出しているのでしょう。)
あんじゅ(だからこそ周りの人間は、現状のこのコに満ち足りる。『一人の人間』として、もう充分に魅力的な…このコに。)
73
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/26(土) 10:38:49 ID:TS.43EmE
あんじゅ(それ故に…このコと親しい人達ですらも、なかなか気付かない…いいえ、気付けないのでしょうね。)
あんじゅ(きっと今まで、表に出てくる機会に恵まれていなかったであろう…『一人の女の子』としての、このコの魅力達に。)
あんじゅ(外面的にも、内面的にも…本当は『一人の女の子』としての数多くの魅力を、その身に宿している…『高坂穂乃果』に。)
穂乃果「……んじゅさん…?」
あんじゅ(最も…それに気付いている人達も、恐らく一部では居るのでしょうけど…)
あんじゅ(それは、きっと…それぞれの形は違えど、このコに強い愛情を持っている様な人…かしらね。)
あんじゅ(でも、これは私の推測だけれど…その人達は、このコの魅力達に気付いていたとしても…)
あんじゅ(このコの前や他人の前では、それを言葉や態度に出す事は…多分だけど、無い気がするのよね。)
あんじゅ(例えば…自分の好意を、他人に知られたくないとか。或いは、独占欲故に周りに目立って欲しくないとか…)
あんじゅ(まあ、その理由は色々とあるのでしょうけど。ただ、全てに置いて共通していると考えられるのは…)
あんじゅ(このコとの関係…つまり、己との繋がりが壊れてしまう事。それを何よりも、恐れているから…じゃないかしら。)
74
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/26(土) 11:06:22 ID:TS.43EmE
あんじゅ(その事については…そうね。ツバサのこのコへの態度を見ていれば、よく分かるわ。)
あんじゅ(何故ならツバサは、このコの持つ魅力に気付いている一人である事に…まず間違いないのだから。)
あんじゅ(そう。ツバサは…今の穂乃果さんとの関係を、その距離を…絶対に崩そうとはしない。)
あんじゅ(本当は、もっと会いたい。会って話したい。そして、親しくなりたい…そんな想いを、自ら制してまで。)
あんじゅ(それは、このコにとっての『特別な位置の存在』になる事が、どれ程に困難な道なのかを…)
あんじゅ(あの夕暮れの日に、直接このコと出会う前から…きっとツバサは、知っていたから。)
穂乃果「……んじゅさん……あんじゅさん…?」
あんじゅ(…多分、今日この機会が生まれた私だからこそ…このコの事を、色々と考えるのかも知れないわね。)
あんじゅ(このコと、ずっと親しかった間柄ではなく。かといって、完全な赤の他人でもなく。)
あんじゅ(それなりの家柄で、それなりの教育を受けて。それなりの知識を得てきながら、それなりの年齢になって。)
あんじゅ(そして今、他人との適度な距離を保ちつつ。それなりに人間社会で、己の立場を確立している…私。)
75
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/26(土) 11:27:36 ID:TS.43EmE
あんじゅ(そんな私が、今日このコと触れ合って…そして、まだ形はボンヤリながらも…)
あんじゅ(このコに対して、自分でハッキリ認識出来るくらいの『好意』を抱いたからこそ……だから、私は……)
穂乃果「あのー…あんじゅさーん…?」
あんじゅ「……あ…ごめんなさい。少し、考え事をしちゃってたみたい。」
穂乃果「い、いえ。気付いてくれたから大丈夫です。」
あんじゅ「本当、ごめんなさいね。」
あんじゅ(ふぅ…つい、考え込んでしまっていたわね…気を付けましょう。)
あんじゅ「…外の景色から見て、もうすぐ到着ね。穂乃果さんの荷物は、その鞄だけ?」
穂乃果「あ、はい。そうです。」
あんじゅ「それなら身軽でいいわね。今日はタップリお持て成しするから、楽しんでいって頂戴☆」フフッ
穂乃果「は、はい…その、ありがとうございます…!何だか、ドキドキしてきちゃいました…!」
76
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/26(土) 12:07:15 ID:TS.43EmE
あんじゅ「あらあら。まだドキドキするのは、ちょっと早いわよ?」
穂乃果「え?」
あんじゅ「だって♪今日のメインイベントは、私に魅力を引き出された貴女の〜…お・披・露・目・なんだから☆」
穂乃果「あ、あはは……どうか、お手柔らかに…お、お願いします…///」ドキドキ
あんじゅ(フフ、緊張してるみたいね…でも大丈夫よ。絶対に、後悔なんてさせないから。)
あんじゅ(人としての内面だけでなく。貴女の『女の子』としての魅力を、世間に知らしめる為に…)
あんじゅ(この私、優木あんじゅが。とびっきりのメイクアップ術で、貴女に自信を付けさせてあげるわ。)
あんじゅ(最も、見た感じでもすぐに分かるけど…もう貴女は、元自体が充分に良いのだから。)
あんじゅ(軽くポイントだけを押さえた感じのナチュラルメイクでも、その効果は大きいでしょうね。)
あんじゅ(あ…でも、それなら。手間の掛からなそうな分は、色々なバリエーションも試してみたいかも♪)
あんじゅ(ウフフ…♪今から、とっても楽しみだわ☆)
77
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/26(土) 12:17:11 ID:TS.43EmE
・
・
・
一年B『…ん?今、何か音した?』
一年C『え?別に聞こえなかったけど…気のせいじゃない?』
一年D『まだ残ってる生徒なんて、せいぜい私らくらいでしょー。』
一年C『風か何かの音じゃない?多分だけど。』
一年B『ああ。なら、そうだったのかも。』
一年A『…ねえ、あんた達さぁ。』
一年B『ん?』
一年D『なになにー?』
一年C『どうかしたの?』
一年A『どうもこうもないっしょっ!!』
78
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/26(土) 12:24:48 ID:TS.43EmE
一年D『わわっ?ちょっとー、ビックリするじゃんかー!』
一年C『いきなり何なの、もう…!』
一年A『いいから聞きなさい。』ギロッ
一年D『ア、ハイ。』
一年B『ヤバ、ガチギレ手前だ。』ボソッ
一年C『ここは、逆らわずにおこう…?』ボソッ
一年A『あのさ?質問したのがあたしだから、暫くは大人しく黙って聞いてたけど。』
一年D『はあ。』
一年A『……あんた達ってさ。ホントに、ホンットーに。』
一年B『え、何?』
一年C『……?』
79
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/26(土) 12:31:48 ID:TS.43EmE
一年A『穂乃果先輩の事さ……なぁーんにも、分かってないんだねぇ…?』
一年B『えー、そうかなー…?』
一年C『大体合ってると思うけどなぁ。』
一年D『異議なーし。』
一年A『へえー…?なら、見せてあげるよ。まだ所詮ニワカ≪μ's≫ファンのあんた達にも、イイモノをねえ。』フフン
一年B『あー!またニワカって言ったー!』
一年C『自分だけファンクラブの会員だからって、偉そうだぞー!』
一年D『そーだそーだー!』
一年A『うるさいっつーの!悔しかったら、あんた達も会員になればいいだけでしょーが!』
一年D『だってさー…ああゆうのって、手続きとかメンドくさいんでしょー?』
80
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/26(土) 12:40:32 ID:TS.43EmE
一年A『だーかーらー。それがニワカだって言ってるんだよ、全く。第一、大した手間なんて掛からないのにさ。』
一年D『ちぇー。』
一年B『ふーんだ。』
一年C『…で、そのイイモノって何なの?』
一年A『フフ…それはね…?』スッ
一年C『え?何かの動画だよね、それ。』
一年A『YES。』ニヤリ
一年C『ん?知らない曲名なんだけど…コレって何なの?』
一年B『…あれ?もしかして、これって…≪μ's≫の曲、とか…?』
81
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/26(土) 12:46:52 ID:TS.43EmE
一年A『そうだよ?間違いなく≪μ's≫の曲。』ニヤニヤ
一年B『…ちょっと待った。私コレ、知らないんだけど…!』
一年C『わ、私も…!この曲って、いつ歌ってたっけ…?』
一年D『うぬぬー、これでも≪μ's≫のライブは一通りチェックしてるのにー。』
一年A『そりゃ、あんた達は知らないでしょ。だって、ライブではやってない曲なんだからさ。』フフッ
一年B&C&D『『『な、何だってーーっ!?』』』
一年B『何それ、どうゆうことなのさ…?』
一年C『そんなの、聞いてないんですけど…!?』
一年D『ならばこの動画らしきものは一体、ウゴゴゴ…』
一年A『フッフッフー…これはねぇ?CG技術とかも使って、うちの学校で撮った…PVなんだよ。』
82
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/26(土) 12:57:13 ID:TS.43EmE
一年B『うちの学校で撮った、PV?』
一年A『そう。要するに≪これサム≫の時と同じって訳。でも一つだけ、大きく違う点が…あるんだよねえー。』フッ…
一年C『大きく違うって…そ、それは…!?』
一年A『クックック。それはねぇ…?このPVを視聴する事が出来る権利、それを持っているのが……』
一年B『…まさか…』
一年C『…もしかして…』
一年D『…ひょっとすると…』
一年A『≪μ's≫オフィシャルファンクラブのメンバー会員のみって事よっ!!』ピシャーン!
一年B&C&D『『『ななっ、なんだってーーーっっ!!?』』』ドドーン!
83
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/26(土) 13:13:23 ID:TS.43EmE
一年D『マ、ママ…マジですかー!?』
一年C『そんな特典が、まさか存在していたなんて…!』
一年B『知らなかった、そんなの…』
一年A『まー多分さ、にこ先輩辺りのアイディアだとは思ってるけどね。ファン獲得の為の。』
一年D『…つまりー、どうゆうことだってばよ?』
一年B『あんたは少し頭を使いなって。こうゆうのは、ファンを増やす為の常套手段なんだよ。』
一年C『つまりね?会員限定のPVを用意した事で、会員になる事やPVの価値を高める作戦って訳。』
一年D『あー、なるほどー。そうゆう事だったんだ。』
一年B『しかし…にこ先輩の仕業だとしたら、流石としか。こうゆうテクには、マジで抜かりがない…!』
84
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/26(土) 13:24:44 ID:TS.43EmE
一年D『それにしてもー…あーもー、マジで悔しいー!』
一年B『くっ…こんな特典があるって知っていれば…!』
一年C『私だって、もっと早く会員になってたのにぃー!』
一年A『だから言ったでしょー?あんたらは、ニワカってさ。』
一年D『ぐぬぬぬー…』
一年C『…何と言う屈辱…!』
一年B『これが若さか…!』
一年A『んでさ。このPVなんだけどー……今から、見たい?』チラッ
一年B&C&D『『『『見たいですっ!!』』』
85
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/26(土) 13:37:44 ID:TS.43EmE
一年A『うんうん、やっぱり素直が一番だねえ。ならば、見せて進ぜようー。』
一年B『ははーっ!』
一年D『ありがたき幸せー!』
一年C『このご恩は一生忘れませぬっ!』
一年A『うむ、良きに計らえ。んじゃ再生するから…しっかり見てなよ?』
一年A『特にね。この曲のセンターの穂乃果先輩を。その姿を。』
一年A『絶対に見逃さないように。その目で、しっかりとね…!』
・
・
・
86
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/27(日) 11:50:18 ID:PfWyFi/U
SCENE 4.【優木邸・あんじゅの部屋】
あんじゅ「夕食の方は、貴女のお口に合ったかしら?」
穂乃果「はい、すっごく美味しかったです!」
あんじゅ「そう、良かったわ。我が家の自慢のシェフに、腕を振るって貰った甲斐があったわね。」
穂乃果「もう、ビックリするくらい美味しくて…えへへ。本当にご馳走様でした!」
あんじゅ「どういたしまして☆そう言って貰えると嬉しいわ。」
穂乃果「あ!それと、お風呂もすっごく広くって…私、それにもビックリしちゃいました!」
あんじゅ「そう?まあ私としては、穂乃果さんと一緒に入りたかったのだけれど。」クスッ
穂乃果「そ、それは…///あの、えっと…す、すみません…!///」
87
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/27(日) 12:01:58 ID:PfWyFi/U
あんじゅ「フフ、気にしなくてもいいのよ。」
あんじゅ「でも私、次の機会には楽しみにしているから♪」ニコッ
穂乃果「あ、あは…あはは…///」
穂乃果(…てっきり『冗談よ♪』って、言ってくると思ってたのに…ほ、本気だったんだ…///)
あんじゅ(クス。焦っちゃってる顔も可愛いわねー♪)
あんじゅ(…さて。夕食も入浴も、もう済んだ事だし…そろそろ始めましょうか。)
あんじゅ「それじゃあ…穂乃果さん。今から始めるから、こっちに来てくれる?」
穂乃果「あっ、は、はい…!」
あんじゅ「はーい。ここに座ってね?」
穂乃果「ええっと…し、失礼しまーす…」
88
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/27(日) 12:21:25 ID:PfWyFi/U
あんじゅ「そんなに緊張しなくても大丈夫よ。今からは全部、私に任せて頂戴ね☆」
穂乃果「で、でも…何だか、申し訳ない気が…」
あんじゅ「いいからいいから♪私が今から貴女を、とびっきりの美少女にしてみせるわ☆」
穂乃果「え、ええっ!?びびっ、美少女って…!?」
あんじゅ「あら、どうしたの?そんなに慌てる事でも無いでしょうに。」
穂乃果「だ、だって…!流石に、そこまでは難しいんじゃ……元は、私なんですし…」
あんじゅ「えいっ。」ペシッ
穂乃果「あいたっ!?」
あんじゅ「まーだそんな事を言ってるのね。いい?良くお聞きなさい。」
穂乃果「は、はい…」シュン…
89
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/27(日) 12:33:02 ID:PfWyFi/U
あんじゅ「貴女はね。本当は今のままでも、充分に美少女と呼ばれていい筈のコなの。」
穂乃果「そ、そんな…幾ら何でも、それは買い被りですよ…」
穂乃果「だって私、そんな風に言われたことなんて…今まで、全然な…」
あんじゅ「シャラーーップ!」ビシィッ!
穂乃果「わわっ!?」
あんじゅ「コホン…いいかしら?まず、私の見立てではね。」
あんじゅ「貴女は外面的要素より、内面的要素が目立ち易いタイプの人なの。」
穂乃果「…え、ええっと…?」
90
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/27(日) 12:46:40 ID:PfWyFi/U
あんじゅ「簡単に言うと…そうねえ。容姿、つまり顔やスタイル等よりも…」
あんじゅ「真っ先に性格面で人を惹き付けるタイプ、って事になるわね。」
穂乃果「…そう、なんでしょうか…?」
あんじゅ「少なくとも間違ってはいないと、私は思っているわ。」
あんじゅ「だって貴女は、人の良い所を自然に見つける事が出来る人で。」
あんじゅ「それ故に、誰とでも打ち解けて仲良くなれる人なんですもの。」
あんじゅ「そう。貴女という人は、そんな『人間』としての非常に強い魅力を持っている。」
91
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/27(日) 13:09:56 ID:PfWyFi/U
あんじゅ「ただ…その魅力が、貴女は余りにも強過ぎるから。多くの人は、まずそこに意識を奪われるわ。」
あんじゅ「それ故に、貴女の別の魅力にまでは…きっと、目が届きにくくなってしまっていると思うの。」
穂乃果「そ、それは…ちょっと、その……大げさなんじゃ…」
あんじゅ「いいから聞いて。」ジロッ
穂乃果「ご、ごめんなさい…!><」
あんじゅ「そんな貴女だからこそね?ちゃんと『女の子』としても、周りから見て貰う為に…」
あんじゅ「穂乃果さん。今の貴女には、ちょっとした工夫が必要なのよ。」
穂乃果「ちょっとした…工夫…?」
あんじゅ「そうよ。それは本当に、些細な変化でも良いの。」
92
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/27(日) 13:23:38 ID:PfWyFi/U
あんじゅ「例えば…顔に少しだけ、お化粧をしてみたり…」
穂乃果「………」
あんじゅ「私服のバリエーションを、今までよりも増やしてみたり…」
穂乃果「………」
あんじゅ「アクセントとして、髪以外にもアクセサリーを着けてみたり…」
穂乃果「………」
あんじゅ「活発な貴女によく似合っている、今の髪型を…少し変えてみる、とかね。」
穂乃果「…っ…」
あんじゅ「他にも、少し時間が必要になるでしょうけど…言葉遣いや仕草等を変えてみる、なんてのもあるわ。」
穂乃果「………」
93
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/27(日) 13:55:18 ID:PfWyFi/U
あんじゅ「その一つ一つによる変化はね。一見、些細な事に思えるかも知れないけれど…」
あんじゅ「それらを上手く生かせれば、とても良い方向への大きな変化となってゆくの。」
あんじゅ「そうして生まれた変化は、女のコの色々な魅力達を…美しく鮮やかに、彩ってくれるわ。」
穂乃果「………」
あんじゅ「それに、女のコってね?いつもの自分を、ちょっと変えてみるだけでも…」
あんじゅ「見た目だけじゃなくて、気持ちまでも…全然変わるものなのよ?」
穂乃果「……私でも…少しは、女のコらしく…変われるんでしょうか…?」
あんじゅ「ええ、勿論よ。貴女は美少女だって、私はそう言った筈よ?」
穂乃果「………」
あんじゅ「私は、その事を教えてあげたいの。まだそれに気付いていない、全ての人達にね。」
穂乃果「…あんじゅさん…」
94
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/27(日) 14:22:26 ID:PfWyFi/U
あんじゅ「もしも貴女が気に入らないって感じたなら、遠慮しないでそう言ってくれればいいわ。」
あんじゅ「その時は、すぐに元に戻せばいいだけの事なのだから。本当にそれで済んでしまうだけの事なの。」
あんじゅ「ね?そう考えてみれば、気持ちも少しは楽になるでしょう?」
穂乃果「………」
あんじゅ「だから…もう一度言うわね。お願いだから、私に…任せてみてくれないかしら。」
穂乃果「…あんじゅさんは、どうして、そこまで……私の事を、気にしてくれるんですか…?」
あんじゅ「今日、何度も言った筈よ?私は貴女と一緒にいるのが、楽しくて大好きだって。」
穂乃果「………」
あんじゅ「だから…私は貴女にも、もっともっと楽しく笑って欲しいの。」
あんじゅ「その気持ちに、今まで二人で過ごした時間の長さは…関係なんて無いと思ってるわ。」
穂乃果「………」
95
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/27(日) 14:36:20 ID:PfWyFi/U
あんじゅ(…不思議よね、本当に。)
あんじゅ(気が付けば…私ったら、いつの間にか…)
あんじゅ(このコの力になりたくて、こんなにも一生懸命に…なっているのね。)
あんじゅ(穂乃果さん。本当に貴女って、とっても不思議な人よ…?)
穂乃果「………」
あんじゅ「………」
穂乃果「……あんじゅさん…」
あんじゅ「……ええ。」
穂乃果「…ありがとうございます。」
あんじゅ「…いいのね?」
穂乃果「……はい。」
96
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/27(日) 14:46:03 ID:PfWyFi/U
あんじゅ「…良かった。」
穂乃果「じゃあ、その…どうぞ、宜しくお願いします…あんじゅさん…///」モジモジ
あんじゅ「……!」
穂乃果「…?あんじゅさん…?」ウワメヅカイ
あんじゅ「え、ええ。安心して、私にドーンと任せて頂戴ね?」
穂乃果「はい…!///」ニコッ
あんじゅ「っ!///」ドキッ
穂乃果「あんじゅさんって…本当に優しくて、とっても頼もしくて…」
あんじゅ「そ、そう…?ありが…」
97
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/27(日) 14:54:54 ID:PfWyFi/U
穂乃果「何だか、私の『お姉ちゃん』みたいですね。えへへ…///」
あんじゅ「ーーーっっ!!?」ドドーン
あんじゅ(…なっ……お姉…ちゃん…?)
あんじゅ(私が、穂乃果さんの……お…お姉ちゃん…!?)
あんじゅ(…い、今までだって…後輩のコに『お姉様』と呼ばれた事は、何度もあったけれど…)
あんじゅ(私の事を……お、『お姉ちゃん』だなんて…そう呼んだのは……)
あんじゅ(このコが…穂乃果さんが……は、初めて…だわ…!)
あんじゅ(……『お姉ちゃん』→『私のお姉ちゃん』→『あんじゅお姉ちゃん』……)
あんじゅ(………あ……いいかも……//////)トローン
98
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/27(日) 15:05:12 ID:PfWyFi/U
穂乃果「あ…ご、ごめんなさい!急に『お姉ちゃん』なんて呼ばれても、困りますよね…!><」
あんじゅ「えっ?あ……ああー…そ、そうねえ…!」
あんじゅ「べ…別に、そうゆうのも……い、いいんじゃないかしらっ?」
穂乃果「ほ、本当ですか…?///」キラキラ&ウワメヅカイ
あんじゅ「ーーっ!!///」キュン
あんじゅ「ほ、本当よっ?ほらっ、ええっと……お……おっ…」
穂乃果「…?お…?」
あんじゅ「『お姉ちゃんに、まっかせなさーい!』…な、なんてね…!?」
穂乃果「………」ポカーン
99
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/27(日) 15:18:48 ID:PfWyFi/U
あんじゅ(…は、外しちゃったのかしら…!?///)
あんじゅ(…って言うよりもっ!///)
あんじゅ(さっ、さっきから何をやってるのよ私はっ!?///)
穂乃果「……プッ!クス…クスクス!」
あんじゅ(ほ、ほらぁ!笑われちゃったじゃないのっ!///ああ〜もう、私ったらぁ〜っ!///)
穂乃果「クスクス……あんじゅさんって、本当に優しいんですね。」
穂乃果「私、それを知る事が出来たのが…今日一日で、一番嬉しかったです!」
あんじゅ「そ、そう……ありがとう///」
穂乃果「はい!」ニコニコ
100
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/27(日) 15:26:52 ID:PfWyFi/U
あんじゅ「じゃ、じゃあ…そろそろ、始めるわよ?///」アセアセ
穂乃果「うん!『あんじゅお姉ちゃん』♪」
あんじゅ「」ズガガーーン
穂乃果「な、なんちゃって…!//////」
穂乃果「って、あれ…?あの、あんじゅさん…?あんじゅさーん…?」
あんじゅ「………」
穂乃果「ど、どうしちゃったのかなぁ…?ええっと、あんじゅさーーん?」
あんじゅ「ナンデモナイノヨナンデモ」
穂乃果(何でことりちゃんみたいにっ!?)ガビーン
101
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/27(日) 15:50:51 ID:PfWyFi/U
あんじゅ(………)
あんじゅ(………)
あんじゅ(………ハッ!?)
あんじゅ(…わ、私が…この私が……『お姉ちゃんにまっかせなさーい!』…ですって…!?)
あんじゅ(ほ、本当に…信じられないわ…!まさか、こんな言葉が…自分の口から出てくるなんて…!!///)
あんじゅ(それに、それに…!)
あんじゅ(あっ、ああ…あんじゅ、お…お姉ちゃん…だなんて…!!//////)
穂乃果「…あんじゅさん?」キョトン
102
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/27(日) 16:03:12 ID:PfWyFi/U
あんじゅ(…この私、優木あんじゅが…こんなにまでも、振り回されるだなんて…!)
あんじゅ(私自身ですら、今まで知らなかった…そんな自分の一面までも、引き出されてしまうなんて…!)
あんじゅ(今日、初めて二人で過ごした…この数時間で、その僅かな時間で…この私が、こんなにも…!)
あんじゅ(…ええ、そうね。今、改めて…)
あんじゅ(そして、身に刻まれる程に…思い知ったわ……)
穂乃果「??」
あんじゅ(『高坂穂乃果』……なんて恐ろしいコッ!!)
・
・
・
103
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/30(水) 16:02:18 ID:z.PfCFrU
あんじゅ「…さて、こんな感じで良さそうね。」
穂乃果「………」
あんじゅ「穂乃果さん、後少しで完成よ?」
穂乃果「………すぅ〜……すぅ〜……」
あんじゅ「クス。疲れて眠ってるみたいね…キュートな寝顔♪」
あんじゅ「それに綺麗な顔立ちしてるのよね、このコって。最初に思ってた通りだったわ。」
あんじゅ「全く。こんなに素敵な女のコの魅力に気付かないなんて。」
あんじゅ「世間は見る目の無い人達ばかりなのかしらねえ。本当、嘆かわしい事だわ。」
あんじゅ「…それにしても。」
あんじゅ(さっきは、本当に危なかったわ…)
あんじゅ(身をもって知るというのは、正にあの事だったわね。)
104
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/30(水) 16:44:57 ID:z.PfCFrU
あんじゅ(あんなのを素で、しかも唐突に目の前でやられてしまったら。)
あんじゅ(女の子らしさがどうとか、ルックスがどうとか…)
あんじゅ(そうゆう事を気にする余裕なんて、吹き飛んでしまいそうになるんですもの。)
あんじゅ(だって…そんな次元なんて、とっくに超えてしまって。)
あんじゅ(このコという『存在』そのものに、相手は魅了されてしまうのだから。)
あんじゅ(でも…確かに、その点を考えてみるのであれば。)
あんじゅ(このコの別の魅力までには、気付けない人が多いというのも…)
あんじゅ(それはそれで、現状では止むを得ない事なのかも知れないわね。)
あんじゅ(それでも…このコが、そんなコだからこそ。)
あんじゅ(このコの『一人の女の子』としての輝きだって、ちゃんと世に知らしめたい。)
あんじゅ(今の私は、そうしたいと強く思っている。このコの為にも…どうしても。)
105
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/30(水) 16:59:25 ID:z.PfCFrU
あんじゅ(フフ…これからは私も、ツバサをからかったりなんて出来なくなりそうね。)
あんじゅ「…さて。これで出来上がり♪」
あんじゅ「うん♪我ながら上出来ね。結い目も完璧だし、惚れ惚れしちゃう☆」
あんじゅ「最も、ここまで見事な仕上がりになってくれたのはー…」
あんじゅ「素材が極上の女の子だったから♪なのだけれどね☆」フフッ
あんじゅ「さてと。それじゃ最後に、全体の確認をしてみましょうか。」
穂乃果「…すぅ〜……すぅ〜……」
あんじゅ「さぁ、どれどれ〜…?」
穂乃果「…すぅ〜……すぅ〜……」
あんじゅ「………」
106
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/10/31(木) 03:38:13 ID:s86qlwRo
何黙ってるねん
107
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/31(木) 06:55:37 ID:/Ol2gCk6
穂乃果「…すぅ〜……すぅ〜……」
あんじゅ「………」
穂乃果「…すぅ〜……すぅ〜……」
あんじゅ「………これは……予想以上ね。」
穂乃果「…すぅ〜………」
あんじゅ「……いいえ…違うわ。」
穂乃果「…すぅ〜………」
あんじゅ「…これはもう、そんな生易しい話じゃない……驚いたわ。」
あんじゅ(…自分でメイクアップを施しておいて、こう言うのも何だけれど。)
あんじゅ(穂乃果さんの持っている筈の魅力を、上手く引き出す為の意識はしていたとはいえ…)
108
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/31(木) 07:16:28 ID:/Ol2gCk6
あんじゅ(この難度と手間のメイクで、このレベルまでガラリと印象を変えてしまえる人なんて…)
あんじゅ(今のスクールアイドル……いいえ。)
あんじゅ(プロの世界で活躍している、人気アイドル達の中にだって…)
あんじゅ(果たして……何人いるのでしょうね。)
あんじゅ(……以前から、少し気になっていた事があるわ。)
あんじゅ(そして今、このコの姿を目の前にして……改めて、それを感じているけれど。)
あんじゅ(まさか、このコって…もしかしたら……)
あんじゅ(例の『怪物級(モンスター)』…だったり、するのかしら。)
あんじゅ(日本語で『偶像』を意味する『アイドル』。)
あんじゅ(そのアイドルの世界においても、ごく稀に現れる存在で…)
あんじゅ(この呼称を知る人々には、こう呼ばれている…それが『怪物級(モンスター)』。)
109
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/31(木) 07:43:26 ID:/Ol2gCk6
あんじゅ(『怪物級(モンスター)』。その定義は、まだ完全ではないけれど…えっと、確か現状では…)
あんじゅ(十年に一人…時には百年に一人とも言われる、卓越した天性の才を授けられた…そんな人の事で。)
あんじゅ(例えば…スポーツ界で稀に現れる様な、たった一人で何万人もの観客を集めてしまう選手も…その可能性が高いとか。)
あんじゅ(まあ、これはあくまで可能性としての一例に過ぎないけれど。その基本的な考えとしては…)
あんじゅ(この広大な世界の様々な分野の場へと、極めてレアなケースで現れて。)
あんじゅ(そして、常識を超えたモノを内に宿した『イレギュラー』とも称される存在で。)
あんじゅ(その中でも、特に可能性が高いと言われているのが…『理屈抜きで周囲を魅了してしまう人』。)
あんじゅ(まだ不明慮な点も、色々と多いらしいけれど…今の時点では、こんな感じでの解釈だった筈よね。)
穂乃果「…すぅ〜………」
あんじゅ「…『怪物級(モンスター)』…ね。」
110
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/31(木) 08:05:03 ID:/Ol2gCk6
あんじゅ(我ながら、突飛な考えだって事は…自分でも分かってはいるけれど。)
あんじゅ(でも…もしも。このコを『それ』という存在だと、仮定するのであれば。)
あんじゅ(今日までのこのコに対しても、その説明は容易となってくると…正直、そう思えるのよね。)
あんじゅ(『アイドル』とは『偶像』。それは本来、『人』から崇拝される…人ではない存在。)
あんじゅ(それならば『人』が『偶像』として、自分と同じ存在である人々から崇拝されるには?)
あんじゅ(その為には、数多くの他人よりも秀でた要素が。そんな絶対的な『何か』こそが、必須条件となるわ。)
あんじゅ(それには、様々な形が有る筈だけれど…もし私達の様な『若い女性』であったのならば。)
あんじゅ(最も多くて分かりやすい記号であり、そして『武器』になると考えられるもの…それは外観的要素。)
あんじゅ(主に、他者から見て優れた容姿。これである事には、きっと間違いないでしょうね。)
111
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/31(木) 08:28:47 ID:/Ol2gCk6
あんじゅ(つまり…顔やプロポーション等で、もしも何か秀でているものがあるのなら。)
あんじゅ(その『偶像』となり得る『若い女性』に対しての、人々の好みこそは十人十色ではあっても。)
あんじゅ(目に叶った者達さえ、その中にいたのであれば。そこから『支持』という名の『崇拝』を受ける事は、充分に可能になる。)
あんじゅ(故に自らを『アイドル』で在ろうとするコには、この要素を強力な武器として磨く者が多い。)
あんじゅ(だけど…このコはそうじゃない。『アイドル』で在る為に、自分のルックスを磨くとか。)
あんじゅ(或いは、歌やダンス等の他の何かを売りにするとか。元より、そういった概念を必要としていない。)
あんじゅ(だってこのコは、特別な事は何もしなくても。それでも、人を惹き寄せるものを持っていて。)
あんじゅ(ただ自然体にしているだけで、自分の周りには人が集まって来る…そんな存在なのだから。)
あんじゅ(…容姿等の外面的魅力を必要とされる前に、ただ在りのままでも人を惹き付ける存在…か。)
あんじゅ(自分でそう考えていながら、こう言うのもなんだけれど。)
あんじゅ(それって実際には…とても難しい事なのよね。)
穂乃果「…すぅ〜………」
112
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/31(木) 09:02:51 ID:/Ol2gCk6
あんじゅ「…本当…魅入ってしまうわね。よしよし。」ナデナデ…
穂乃果「…すぅ〜……ん……にへら〜………すぅ〜……」
あんじゅ(……可愛い…///)
あんじゅ(…そう言えば。以前ツバサがこのコ達を学校に連れて来た時に、英玲奈が言ってたわね。)
あんじゅ(『μ's』の9人全員が集まっている中でも、このコは尚も光を放っている…カリスマ性って。)
あんじゅ(それって…『偶像(アイドル)』の本来の意味に限りなく近い『性質』とか。)
あんじゅ(或いは『偶像(アイドル)』の『本質』そのもの…とか。)
あんじゅ(もしかしたら…そう言えてしまうものでも、あるのかしら…?)
あんじゅ(…でも、本当にそうだとしたなら。)
あんじゅ(元より『アイドル(偶像)』の『怪物級(モンスター)』なのかも知れなくて。)
あんじゅ(そして…これまで隠れていた、歳相応の女性としての外面的魅力までもが…ようやく表に開放されて。)
113
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/31(木) 09:24:08 ID:/Ol2gCk6
あんじゅ(今この瞬間でも、その魅力達でこんなにも眩しく溢れ返っている…そんな、このコが。)
あんじゅ(もしも世の人々の前に、このままの姿で現れたとしたなら。)
あんじゅ(このコの周りの世界は…そして、このコの外の世界は…)
あんじゅ(一体……どうなるのかしらね?)
穂乃果「……ん…」
あんじゅ「…いけないわね。またやってしまったわ。」
あんじゅ「どうもこのコの事となると、ついつい思考モードに入ってしまうみたいね。」
あんじゅ(何にしても…ええ、本当は分かってる。)
あんじゅ(このコの…穂乃果さんの世界は、これから大きく変わってゆくわ。)
あんじゅ(その激しいまでの変化に、誰よりも穂乃果さん自身が驚く程に。)
あんじゅ(そう…既に私は確信している。大きな変化は、必ず起きるわ…必ず。)
114
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/31(木) 09:41:18 ID:/Ol2gCk6
穂乃果「…ん……ふわぁ〜……」
あんじゅ「あら。そろそろ、お姫様のお目覚めかしら?」
穂乃果「…ふぅ〜……ん…?あ、あれ…?私……」キョロキョロ
あんじゅ「おはよう、穂乃果さん☆」
穂乃果「…あ……ご、ごめんなさい…!私ったら、寝ちゃってたみたいで…えっと、その…!」アセアセ
あんじゅ「フフ、別に気にしなくていいわよ。それに可愛い寝顔も、じっくり見せて貰えたし♪」
穂乃果「え…?あ、あの…///」
あんじゅ「欠伸も、とってもキュートだったわよ♪」フフッ
穂乃果「〜〜っ//////」カアア
穂乃果(は、恥ずかしいよ〜!//////)
115
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/31(木) 09:50:43 ID:/Ol2gCk6
あんじゅ(やっぱりこのコ、自分が受けに回るとテレ屋さんなのよね。そんなところも、すごく可愛いわ♪)
あんじゅ(クス。攻めでも受けになっても、こんなに魅力的だなんて。本当、ズルいわよねえ?)
あんじゅ「さて、穂乃果さん。もう最後の仕上げまで、全部済んでるわよ☆」
穂乃果「あ…は、はい。」
あんじゅ「貴女らしさを失くさない様に意識しつつ、出来る限り自然な感じにしてみたわ☆」
穂乃果「あ、あの…ありがとうございます。」
あんじゅ「あら、お礼を言うのはまだ早いわよ?だって貴女にも、気に入って貰わなくちゃダメなんだから。」
穂乃果「あはは…そ、そうですね。」
あんじゅ「さあ、鏡を見てごらんなさいな。」
穂乃果「は、はい…!」
116
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/10/31(木) 10:07:34 ID:/Ol2gCk6
コメントをくださった方、どうもありがとうございます。
長い話故に、どうしてもブツ切りになってしまう事が今後もあるかも知れませんが
出来る限り気を付けますので、どうかご理解頂ければ大変ありがたく思います。
それでは、次回もどうぞ宜しくお願い致します。
117
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/05(火) 11:29:50 ID:obLdgsRA
あんじゅ「…どうかしら?」
穂乃果「………」
あんじゅ「貴女の魅力に最も相応しいメイクを考えながら、色々と試させて貰ってた中でね。」
あんじゅ「私としては『この貴女』こそが、一番良いって思っているの。」
穂乃果「………」
あんじゅ「それじゃあ、これから順を追って説明するわね。」
あんじゅ「まず貴女の柔らかくてしっとりした髪を、ストレートヘアにしてサラサラな感じに変えてみたわ。」
あんじゅ「髪質の変化って、特に見た目に対して影響力が大きい要素の一つなの。」
あんじゅ「だからこれだけでも、今までとはかなり印象が違って見えると思うわよ。」
あんじゅ「そして次に、チャームポイントの左側の分け目だけれどね。」
あんじゅ「ここは敢えて前髪を揃えて降ろす事で、少し落ち着いた雰囲気に変えてみたの。」
118
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/05(火) 11:40:33 ID:obLdgsRA
あんじゅ「後、もう一つ。全体のアクセントとして、髪の上部を半円状で結ってみたわ。」
あんじゅ「ちなみに、結い目はヘアバンドをイメージした感じにしてあるの。どう?綺麗に出来ているでしょう☆」
穂乃果「………」
あんじゅ「最後に、顔のメイクの方ね。ただ貴女は、元々顔立ちが綺麗に整っているから。」
あんじゅ「それなのに余計な物を変に付けちゃうと、かえって本来の良さが失われてしまう恐れがあるのよ。」
あんじゅ「そう考えた結果として、貴女には下手に色々と使わない方がいいって判断したの。」
あんじゅ「それで、使用するのは淡いカラーのリップだけに留めておいたわ。」
あんじゅ「だから、アイシャドウやアイラインも。マスカラもチークも、ファンデーションも。」
あんじゅ「貴女の魅力を引き出す上では、特別これと言って使うまでも無かったの。」
119
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/05(火) 11:49:12 ID:obLdgsRA
あんじゅ「要するにね?元が良い貴女には、ナチュラルメイクだけで充分だったって事よ♪」パチッ☆
穂乃果「………」
あんじゅ「私ね?自分の審美眼には、結構自信があるの。こうなる事だって、実は最初に予想していたんですもの。」
あんじゅ「そもそも、この私『優木あんじゅ』がナチュラルメイクだけでOKと思う女のコなんてね。」
あんじゅ「それこそ自分で言うのも何だけれど、そうそう滅多に居ないのよ?」フフッ
穂乃果「………」
あんじゅ(…何だか、反応が薄いわね。さっきから一言も喋ってないし。)
あんじゅ(私としては『最高傑作』だって胸を張れるくらいの、改心の出来だと思ってるのだけれど…)
あんじゅ(もしかして、このコには…気に入って貰えなかったのかしら…?)
穂乃果「……あの…あんじゅさん。」
あんじゅ「え…?あ、ええ。何かしら?」
120
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/05(火) 11:59:46 ID:obLdgsRA
穂乃果「…その、えっと。」
あんじゅ「…貴女には、気に入って貰えなかったかしら…?残念だけれど…もしも、そうなら…」
穂乃果「い、いえ…!そうじゃなくって、あの……上手く、言えないんですけど…」
あんじゅ「…?どうしたの?」
穂乃果「さっきから…それに、今だって……何だか…まだ、信じられなくて……」
あんじゅ「信じられない…?」
穂乃果「…はい。今、この鏡に映っているのって……」
あんじゅ(…もしかして。)
穂乃果「本当に…私なのかなって……そう、思えてきちゃって。」
あんじゅ(ああ、やっぱり…そうゆう事なのね。)
121
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/05(火) 12:19:36 ID:obLdgsRA
あんじゅ「あら。今の貴女の正面には、鏡に映ってる貴女以外の誰かがいるのかしら?」フフッ
穂乃果「そ、そうなんですけど…ただ、鏡には私が映ってる筈なのに…」
穂乃果「まるで、自分じゃない女の子がいるみたいな…何だか、そんな感じがしちゃって…」
あんじゅ「ふむふむ…でもね、穂乃果さん。私が貴女にした事と言えば、髪型を少し変えたのと薄いリップを塗ったくらいよ?」
あんじゅ「それ以外に特別な事は、私は何もしていないわ。それでも、貴女自身がそう感じるって事は…」
あんじゅ「この鏡に映ってる貴女は、ただ今まで人目に触れる事が無かっただけで。」
あんじゅ「間違いなく貴女が、最初から持っていた可能性。そして何より、貴女自身の『魅力』だって事なの。」
穂乃果「…今の、私が……私の…可能性で……魅力……」
あんじゅ「穂乃果さん。貴女は、今の自分の姿を見て…どう感じているのかしら?」
穂乃果「え…?だ、だから…何だか、自分じゃないような……」
122
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/05(火) 12:36:22 ID:obLdgsRA
あんじゅ「そうじゃないわ。今の貴女の姿を『貴女』はどう思ってるのか、なの。」
あんじゅ「可愛い?綺麗?大人っぽい?それとも、このどれにも当てはまらない程に…」
あんじゅ「もしかして、貴女にとっては……酷い姿、なのかしら?」
穂乃果「…えっと……それ、は……」
あんじゅ「それは…?」
穂乃果(……私は…今、鏡の前の『私』を……本当は、どう思ってるんだろう…?)
あんじゅ「………」
穂乃果(……………)
あんじゅ「………」
穂乃果(……………)
123
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/05(火) 13:09:57 ID:obLdgsRA
あんじゅ「…どうかしら?」
穂乃果「…ごめんなさい。まだ自分では…よく分からないです。」
穂乃果「ただ…全然イヤではないですし。それに、何だか嬉しい気もする様な…不思議な気分です。」
あんじゅ「…そう。」
穂乃果「えっと、こんな曖昧な答えになっちゃって…本当にすみません。」
あんじゅ「…フフ。貴女が謝る必要なんて、何も無いわよ?」
穂乃果「あ、でも…とっても素敵だと思います。あんじゅさんが、私の為に頑張ってくれたメイクですから。」
穂乃果「だから私、それがとっても嬉しくて……ありがとうございます、あんじゅさん。」
あんじゅ「ううん…いいのよ。私が強引にやった事なんですもの。」
あんじゅ(…今の姿を見ても、この反応とはね。)
あんじゅ(やれやれ……これは思っていた以上に…手強いわ。)
124
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/06(水) 06:42:49 ID:MhAa/Ebo
あんじゅ(…と言う事は。このコがこうなってしまっている、その理由は何なのか…それを考えた方が良さそうね。)
あんじゅ(最も、その理由については…既に大体の見当は付いているのだけれど。)
あんじゅ(恐らくは…このコが無意識に、自分を『μ's』のメンバーのコ達と比べてしまっているから…じゃないかしら。)
あんじゅ(そんな気持ちが自身の中にある故に、それが『女の子』としての自分への自信を抱きにくい原因に…なっているのかも知れない。)
あんじゅ(…いいえ、違うわ。『かも知れない』では、無かったわね。」
あんじゅ(だって。実際にそうであるという『事実』を、今日このコ自身が言っていたじゃない。)
穂乃果『…一人一人が、ホントに魅力的で…素敵な女の子ばかりで。』
穂乃果『それに比べて、私って…ただ元気で明るいくらいしか、これといった取り柄もなくって。』
穂乃果『女の子らしい魅力とかなんて…全然っていうか、まるっきり縁がないって言うか…あはは。』
125
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/06(水) 06:53:19 ID:MhAa/Ebo
あんじゅ(前回王者である私達『A-RISE』を破って、ラブライブ東京都予選で優勝した『μ's』。)
あんじゅ(このコ…穂乃果さんは、その『μ's』の中心的存在であって。)
あんじゅ(そして確実に上がってゆく『μ's』の人気と共に、今ではメンバーの一人一人が賞賛を受ける様になっていって。)
あんじゅ(その中には『美少女』『可愛らしい』『スタイルが良い』『綺麗』『大人っぽい』…多分こんな感じで。)
あんじゅ(そんな『女の子』としての賞賛も、それぞれのメンバーが多くの人達から受けている状況になっている筈。)
あんじゅ(そのメンバー達へ向けられる声の数々が、何気に自分の耳にも入ってくる中で…)
あんじゅ(いつも自分に聞こえてくるのは、『明るい』『元気』『行動力のすごさ』『カリスマ性』。)
あんじゅ(勿論このコだって、その声自体は嬉しい事には違いないでしょう。)
あんじゅ(ただ、それでも…女の子としての自分の魅力に、根底の部分では自信を持っていないこのコだからこそ。)
あんじゅ(どうしても、それに対して不安になったりする事だって…きっと、あるのでしょうね。)
あんじゅ(それに、このコだって『一人のスクールアイドル』でもあるのだから…尚更に。)
126
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/06(水) 07:00:06 ID:MhAa/Ebo
あんじゅ(だから…今なら分かる気がするわ。)
あんじゅ(今日このコが、あの『始まりの場所』に立っていた…その理由が。)
あんじゅ(自分への自信を失いかけてしまって、自分という存在がよく分からなくなったからこそ。)
あんじゅ(きっと…あの場所だったのでしょうね。)
あんじゅ(人は、悩んだり迷ったりした時に…一度は帰りたくなるものだから。)
あんじゅ(そう。その『原点』を、見つめ返したくなる……人って、そうゆう生き物なのだから。)
あんじゅ(…フフ。気が付いたら、また考えに耽ってるっじゃない…私ったら。)
あんじゅ(本当、自分でも驚きの連続だわ。だってこのコには、ずっとペースを狂わされてばかりなんですもの。)
127
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/06(水) 07:07:11 ID:MhAa/Ebo
あんじゅ(とにかく…今のこの姿に対して、例え一瞬ではあったとしても。)
あんじゅ(このコだって、鏡の前の自分を『綺麗』だと…きっと最初は、そう感じていたと思うわ。)
あんじゅ(でも…この姿をしているのは、他の誰でもなく…)
あんじゅ(あくまで『自分』で在る事に、何の変わりもないから…と。)
あんじゅ(きっとこのコは、そんな風に思ってしまって…)
あんじゅ(だからこそ、初めに自分が感じていた『綺麗』に対しても…不安が生まれてしまった。)
あんじゅ(その為に…自分がそう感じた筈の気持ちが、もう本当なのかどうかすらも…分からなくなってしまったのでしょう。)
あんじゅ(貴女だって…いいえ。貴女だけしか持っていない、女のコとしての魅力達は…今だって、こんなに溢れかえっていて。)
あんじゅ(そして、こんなにも貴女を眩しく輝かせているのに…それにすら、自分では気付けないなんて……)
あんじゅ(…気付かせてあげたい。今の貴女の素晴らしさを…貴女自身に。)
128
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/06(水) 07:24:36 ID:MhAa/Ebo
あんじゅ「…まあ少なくとも、貴女の印象は悪くはないみたいだし。それに関しては、良かったと思ってるわ。」
あんじゅ「ただ、穂乃果さん。私からすればね?今この鏡に映ってる女のコ…つまり貴女は。」
穂乃果「は、はい。」
あんじゅ「それこそ、とんでもない程の…超絶☆美少女なのよ♪」
穂乃果「ま、またまた〜…!あんじゅさんったら、大ゲサ過ぎですよ、もう。」アハハ
あんじゅ(…全然、そんな事ないんだけれどね。ハア……)
あんじゅ「…それなら穂乃果さん。私の言っている事が正しいって、証明してみせましょうか?」
穂乃果「え?」
あんじゅ「じゃあ、そうねえ……今日は早めに休むとして、明日の朝は二人で早起きしましょう。」
穂乃果「……?」
129
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/06(水) 07:45:10 ID:MhAa/Ebo
あんじゅ「明日の朝に貴女を送る前に、私が貴女にしっかりと教えるから。」
穂乃果「……??」
あんじゅ「今の貴女がしているメイクを、明日からは貴女が自分でも出来る様に、ね☆」
穂乃果「…あ、あの〜…?」
あんじゅ「だから貴女には、その時にメイクのやり方を完璧に覚えて欲しいの。」
穂乃果「…は、はあ……」
あんじゅ「大丈夫よ。一度覚えてしまえば、そんなに難しくはないから。」
あんじゅ「そして無事に、貴女が免許皆伝になったらね?」
穂乃果「え…えっと…?」
あんじゅ「明日から暫くの間は〜…今と同じメイクをしたままで☆ずっと過ごして頂戴ね♪」
穂乃果「……へ?」
130
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/11/07(木) 07:11:38 ID:UBiWjQH6
ことほのに普段見ないあんじゅも加わるssだなんて…最高じゃないか。
131
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/07(木) 08:56:07 ID:ZrFZ3.ZA
あんじゅ「勿論、学校の間だけじゃないわよ?他の場所に行く時も、ずっとね♪」
穂乃果「え…ええっ!?」
あんじゅ「あら。その姿は嬉しい気もするって、さっき貴女だって言ってたじゃない。」ネエ?
穂乃果「そ、それは…そうですけど……でも…」
あんじゅ「でも、なあに?」
穂乃果「みんなの前では、その…ちょっと、恥ずかしいと言いますか…」
あんじゅ「どうして?」
穂乃果「だ、だって…こんなにも、すごく女の子っぽい格好…ですし。」
あんじゅ「ええ、そうね。」
132
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/07(木) 09:05:12 ID:ZrFZ3.ZA
穂乃果「…もし、似合ってないって思われて…からかわれたり、笑われたりしちゃったら…」
あんじゅ「有り得ないわ。」
穂乃果「あ、あんじゅ…さん…?」
あんじゅ「今の貴女の姿を見て、確かに驚く人は沢山居るでしょうね。それは間違いない筈よ。」
穂乃果(…やっぱり、そうだよね。私じゃ、この格好は……)
あんじゅ「でもね。」
穂乃果「え…?」
あんじゅ「似合ってないだとか、それどころか笑ったりする人間なんて…絶対に居ないわ。」
穂乃果「……そう、なんでしょうか。」
133
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/07(木) 09:12:59 ID:ZrFZ3.ZA
あんじゅ「穂乃果さん。私の事を、信じてくれるのでしょう?」
穂乃果「……!」
あんじゅ「…心配しないで。そんなに難しく考える必要は無いのだから。」
あんじゅ「むしろ貴女は、もっと気軽な気持ちでいてくれて良いのよ?」
穂乃果「……でも…」
あんじゅ「仮に、貴女の周りからの反応が良くなかったとしましょうか。」
あんじゅ「もし貴女が、それで少しでも嫌に感じる様になったとして。」
あんじゅ「その時は、すぐにメイクをやめて元に戻せばいいわ。戻す手間だって、大して掛かりはしないから。」
穂乃果「………」
134
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/07(木) 09:20:58 ID:ZrFZ3.ZA
あんじゅ「ちょっと試すくらいのつもりでやってみて、それで結果が良ければ万々歳。」
あんじゅ「もし結果が良くなかったとしても、すぐに元に戻せばそれで済むだけの話。」
あんじゅ「上手くいけばメイクの効果が期待出来るし、上手くいかなくてもデメリットは無いに等しい。」
あんじゅ「ね?こうして考えてみれば、やってみる価値は充分に有りそうでしょう?」
あんじゅ「最も、元に戻さないといけなくなる可能性は0だって。もう私は確信してるけどね☆」
穂乃果「……分かりました。」
穂乃果「あんじゅさんは、こんなにも私の事を考えてくれていて。」
穂乃果「私、その気持ちがすごく嬉しくて…あんじゅさんの優しい気持ちに、少しでも応えたいから。」
穂乃果「だから……私、やってみます。」
135
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/07(木) 09:30:46 ID:ZrFZ3.ZA
あんじゅ(…フフ。やってみると決めた理由が、私の気持ちに応えたいからだなんて。)
あんじゅ(こんな時でも、このコったらお人好しなのね。そんなところも、このコの魅力の一つだけれど。)
あんじゅ(とにかく…動機は何にしても。この提案を受け入れて貰う事が、最も重要だったから…本当に良かったわ。)
あんじゅ「ええ、その意気よ。貴女は本当に素敵な女の子なんだから。」
あんじゅ「この私、優木あんじゅが全力で保証するわよ☆」
穂乃果「あはは…正直、今だって…自信はなかったりするんですけど…」
穂乃果「でも、私…あんじゅさんの事、とっても頼りにしてるし…それに信じてますから。」
あんじゅ「ありがとう。そう言って貰えると、私もすごく嬉しいわ。」
穂乃果「そんな…私の方こそ。今日は、本当にありがとうございます。」
穂乃果「ちゃんとお話出来たのは、今日が初めてだった私に…」
穂乃果「あんじゅさんは、いっぱい良くしてくれて…すごく優しくしてくれて。」
136
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/07(木) 09:37:36 ID:ZrFZ3.ZA
穂乃果「そんなあんじゅさんと一緒にいられて…今日の私は、嬉しい事でいっぱいでした。」
穂乃果「だから私…まだ本当は、ちょっと不安ですけど…」
穂乃果「ただ…それでも。こんなにも私の為に頑張ってくれた、あんじゅさんを信じて。」
穂乃果「明日から、自分がまだ知らなかった私を…」
穂乃果「そんな私を…精一杯、頑張ってみますね…!」ニコッ
あんじゅ「………〜っ!」
ギュウッ…!
穂乃果「え…?あ、あんじゅ…さん?///」
あんじゅ「……っ…」ギュッ
137
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/07(木) 09:44:24 ID:ZrFZ3.ZA
穂乃果「きゅ、急に抱きつかれちゃうと…あの……は、恥ずかしいかな〜…な、なんて…///」
あんじゅ「……私じゃ、イヤだった…?」
穂乃果「ぜぜ、全然っ、そんな事はっ、えっと…ないんです、けど…///」
あんじゅ「そう……良かった。」
穂乃果「あ、あの……あうぅ…//////」プシュー
あんじゅ(…自分自身が放つ光が、余りにも眩し過ぎるが故に…その奥に確かに在る姿を…)
あんじゅ(光を放っている『存在』そのものを…他者に認識される事が、難しくなってしまっている。)
あんじゅ(その眩い光を辿った先に居るのは…こんなにも華奢で、儚げで…)
あんじゅ(普通の女の子と同じで、悩んだりだってしている…『一人の女の子』なのに。)
138
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/07(木) 10:02:46 ID:ZrFZ3.ZA
あんじゅ(だから…誰よりも眩しい輝きを、常に周りへと放ち続けながらも…)
あんじゅ(それが、いつ崩れてしまってもおかしくない…そんな危うさが、その奥では見え隠れしている。)
あんじゅ(…このコは抱えてしまっているわ。自分でも知らない間に、本当に沢山のものを。)
あんじゅ(それらを抱えきるには、細くて小さ過ぎる…この体に。)
あんじゅ(そして…今の私は、もう疑う余地も無い程に。)
あんじゅ(このコの支えになれる存在になりたいと、本心から…そう思っている。)
あんじゅ(このコとは昨日まで、ほんの僅かな繋がりしかなくて…)
あんじゅ(いつも他人とは、適度に距離を取って生きてきた…私。)
あんじゅ(そんな私が、今ではこのコに……こんなにも、惹かれているなんて。)
139
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/07(木) 10:09:20 ID:ZrFZ3.ZA
あんじゅ(…いいえ。もう時間なんて、それに距離なんて…何も関係ないわ。)
あんじゅ(そうよ。それは私自身が、穂乃果さんにも言った事じゃない。)
あんじゅ(『今の自分が、そうしたいと思っている。』)
あんじゅ(人が何かをする為の理由なんて、それだけで…充分なのだから。)
あんじゅ「……大丈夫よ。」
穂乃果「…あんじゅ、さん…?」
あんじゅ「大丈夫……絶対に、大丈夫だから。」
穂乃果「……あんじゅさん…」
あんじゅ「穂乃果さん…後一度だけ、貴女に言うわ。」
140
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/07(木) 10:19:59 ID:ZrFZ3.ZA
あんじゅ「今日、同じ様な事を何度も言ったけれど…これで本当に、最後。」
穂乃果「……はい。」
あんじゅ「…お願い。どうか私を…信じて。」
穂乃果「……はい…!///」ギュッ
あんじゅ(……ああ…温かい。)
あんじゅ(……自分への自信と共に、本来の明るさまでも…今、失ってしまっている貴女。)
あんじゅ(そんな貴女が、いつもの元気を…あの眩しい笑顔を、また取り戻せる様に。)
あんじゅ(全身全霊を懸けて…私が貴女を支えてゆくから。)
あんじゅ(私が貴女の力に…絶対になってみせるから。)
141
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/07(木) 10:26:28 ID:ZrFZ3.ZA
あんじゅ(初めてまともに言葉を交わしたばかりの私を、こんなにも受け入れてくれて…そして、信じてくれた。)
あんじゅ(いつも他人との距離感に拘り続けていた私を、こんなにも楽しくて嬉しくて…そして、優しい気持ちにしてくれた。)
あんじゅ(そんな貴女の為に…私は……必ず。)
あんじゅ(……だけどね…穂乃果さん。)
あんじゅ(今は、後少し…もう少しだけ…)
あんじゅ(どうか、このままで……)
あんじゅ(二人で、温かいままで……居させてね…?)ギュッ…
・
・
・
・
・
142
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/07(木) 10:57:08 ID:ZrFZ3.ZA
SCENE 5.【送迎車内・ティールーム】
あんじゅ「この辺りで、いいのかしら?」
穂乃果「はい。ここからなら、すぐ待ち合わせ場所に着きますから。」
あんじゅ「分かったわ。まだ名残惜しいけれど、次に会える機会までは…ここでお別れね。」
穂乃果「はい…あの、あんじゅさん。」
あんじゅ「あら、どうしたの?」
穂乃果「もう一度、ちゃんとお礼を言いたくて…色々と、本当にありがとうございました!」ペコリ
あんじゅ「あら、お礼なんていいのに。だって、強引にデートやお泊りに誘ったのも私でしょう?」
あんじゅ「それにメイクを貴女に教えたのも、私がそうしたかったからなんですもの。」
143
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/07(木) 11:04:39 ID:ZrFZ3.ZA
あんじゅ「むしろ貴女を振り回してばかりで、本当にごめんなさいね。」
穂乃果「そ、そんなことないです!私、すごく楽しかったですから!」
あんじゅ「フフ、ありがとう……うん、バッチリね。その髪☆」
穂乃果「えへへ…ちゃんと出来るようになって、嬉しいです。」
あんじゅ「貴女って、結構器用なのね。正直に言うと、こうゆうのは苦手な方かもって思ってたの。」
穂乃果「あはは。やっぱり、そうですよね?」
あんじゅ「…ごめんなさい。ちょっと、口が過ぎたかしら。」
穂乃果「あ、全然気にしてないから大丈夫です!私、家のお手伝いで和菓子とか作るので。」
穂乃果「その時には、細かい作業をやったりする事も割と多いんです。」
あんじゅ「あら、そうだったのね。」
144
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/07(木) 11:21:35 ID:ZrFZ3.ZA
穂乃果「はい。それで、そうゆう経験とかも少しは関係あるのかなって。」
あんじゅ「へえ…なる程ね。また貴女の魅力を一つ知って、何だか嬉しいわ。」フフッ
穂乃果「い、いえいえ!別に、そんな大層なものじゃないですから。」
あんじゅ「クスクス♪」
あんじゅ「…さて。そろそろ時間も迫って来たわね。」
あんじゅ「穂乃果さん、私ね。こんなに楽しかったのは、本当に久しぶりだったわ。」
穂乃果「えへへ…ありがとうございます。私も、すごく楽しくて…それに、すごく嬉しかったですから。」ニコッ
あんじゅ「…こちらこそ。本当にありがとう…穂乃果さん。」スッ…
ギュッ…
穂乃果「……あ…///」
145
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/07(木) 11:32:19 ID:ZrFZ3.ZA
あんじゅ「…やっぱり貴女って…温かいわね。」ギュッ…
穂乃果「……///」ギュッ…
あんじゅ(…本当、名残惜しいわね。ずっと、このまま……こうしていたいくらいに。)
あんじゅ「…ねえ、穂乃果さん。」
穂乃果「…あっ…は、はい。」
あんじゅ「今から、私が言う事を…よく聞いて欲しいの。」
穂乃果「…はい、分かりました。」
あんじゅ「………」スッ…
あんじゅ「穂乃果さん。貴女がこの車を降りた、その瞬間から…」
あんじゅ「貴女の世界は、今までとは大きく…そして、激しく変わってゆくわ。」
穂乃果「…私の世界が…変わってゆく…?」
146
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/07(木) 11:51:58 ID:ZrFZ3.ZA
あんじゅ「ええ、そうよ。きっかけ自体は、とてもささやかながらも…」
あんじゅ「それによって大きく変化した、今の貴女自身がスイッチになってね。」
穂乃果「…それって…どうゆう意味、なんでしょうか…?」
あんじゅ「確かに今この瞬間に言われても、まだ何も分からないでしょうね。」
あんじゅ「それでも貴女の周りには、驚くまでの大きな変化が訪れるわ。必ずね。」
あんじゅ「でもね?その変化はこれからの貴女にとって、とても大きなプラスとなってくれる筈よ。」
あんじゅ「そして、その激しく変わってゆく世界の中で。」
あんじゅ「きっと貴女は、数多くの新しい出来事に次々と出会うでしょうね。」
あんじゅ「そんな新しい世界に対して…貴女はそれらを受け入れて、今の新たな姿でこの先を歩んでゆくのか…」
あんじゅ「或いは…時が来たら元の姿に戻って。その世界で得たものを、貴重な経験として留めておくのか…」
あんじゅ「そのどちらの道を選ぶのかは…勿論、貴女の自由よ。」
147
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/07(木) 12:23:32 ID:ZrFZ3.ZA
あんじゅ「ただ、今一つだけ言える事は…貴女がどちらを選んだとしても。」
あんじゅ「新しい世界で貴女が得た沢山の経験は、これからの貴女にとって…」
あんじゅ「本当に価値の有る、掛け替えの無い大切なものになってくれるわ。間違いなくね。」
穂乃果「…あんじゅさん…」
あんじゅ「フフ、心配しなくても大丈夫よ。貴女は今から始まる新しい世界を、思う存分に楽しめばいいの☆」
穂乃果「…分かりました。正直、そう言って貰えても…まだ全然、自分ではピンとは来ないですけど。」
あんじゅ「………」
穂乃果「でも、私…あんじゅさんの事、信じてますから。本当に本当に、信じてますから…!」
あんじゅ「ええ。ありがとう、穂乃果さん。」
穂乃果「だから私、今日から頑張ってみます…!あんじゅさんが教えてくれた、その新しい世界の中でも!」
あんじゅ「クス♪良い答えね。その意気よ☆」
148
:
◆bK3.D2B8eM
:2019/11/07(木) 12:48:46 ID:ZrFZ3.ZA
穂乃果「…ただ、その……まだ、昨日の今日で…余り慣れてないものですから。」
あんじゅ「……?」
穂乃果「だから、あの……もし、何か分からない事とか…あった時には…」
穂乃果「あんじゅさんの事…また、頼りにさせて貰っちゃっても……いいですか…?」ウワメヅカイ
あんじゅ「…〜〜っ///」キュン
穂乃果「折角、これからは…お互いに、連絡し合えるようになれた訳ですし…」
穂乃果「このまま、また暫くは会えないってゆうのも……やっぱり、寂しいですし。」
穂乃果「あっ…え、えっと…!勿論、あんじゅさんさえ…良ければ、なんですけど…///」モジモジ
ガシィッ!
穂乃果「わわっ!?」
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