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穂乃果「イメチェンしたら、大騒ぎになっちゃったっ!?」

1 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/20(日) 10:11:22 ID:5N.c3b1Q
・話のメイン=穂乃果&ことり&あんじゅ
・基本アニメ準拠+一部SIDネタ
・ご都合主義&超絶ベタ王道展開
・超スローペース進展ストーリー
・オリジナル設定有り(やや多め)
・誇張表現&長回し台詞有り(多め)
・穂乃果ハーレム要素有り(強め)
・長編(前作より大幅に長くなる予定)

※公式アンソロ作品「穂乃果イズム」をきっかけに思い浮かんだ妄想ストーリーです
※数多くの先駆者様SS作品の影響を受けており、もしネタ被りの際には何卒ご容赦願います
※SS投稿二作目となります(↓粗い出来ですがこちらが一作目です)
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1552425466/l50

11 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/23(水) 05:14:04 ID:9oHv1Vbc
穂乃果『わわっ!?こ、ことりちゃんが、おっきなこえを…!?』


ことり『あ…ご、ごめんね?おおきなこえ、だしちゃって…』

穂乃果『あ、ううん。でも、ことりちゃんがおおきなこえだしたのは、びっくりしたけど。あはは。』


ことり『えへへ…それって、きっとね?ほのかちゃんの、おかげなんだ。』

穂乃果『え?ほのかの?』キョトン
 

ことり『ねえ、ほのかちゃん。』

穂乃果『ん?どうしたの、ことりちゃん?』
 

ことり『あのね…?ことり、ほのかちゃんといっしょだと、すごくげんきになれるの。』

ことり『ほのかちゃんとあそんでると、いつもなの。とってもたのしくて、とってもうれしくて。』


穂乃果『そっか、えへへー///』テレッ


ことり『でも、ことりね?ほのかちゃんといまよりも、もっとたのしくあそべるように…なりたいんだ。』

12 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/23(水) 05:25:27 ID:9oHv1Vbc
ことり『ほのかちゃんと、いっしょにはしって。ふたりで、いろんなところにいけるように。』

ことり『ことりは、ほのかちゃんにもっともっと、ついていけるようになりたいの。』


穂乃果『ことりちゃん…』


ことり『だから…ほのかちゃんは、そのままでいいの。いまのままで、いてほしいの。』

ことり『ことり、ほのかちゃんにおいつけるように、いっぱいがんばるから。ぜったいに、おいつくから…』


穂乃果『うーん…でもね、ことりちゃん。』

ことり『え?うん…なあに?』 


穂乃果『ほのかだってね。ことりちゃんといっしょにいるだけでも、とってもげんきになれるんだよ?』

ことり『…うん……ありがとう。でも、やっぱり…』 


ことり『ほのかちゃんは、いまよりもっともっと、おもいっきりあそびたいよね?だから、ことり…』


穂乃果『だーかーらっ!』

ことり『ちゅんっ!?』ビクッ

13 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/23(水) 05:35:21 ID:9oHv1Vbc
穂乃果『ことりちゃんは、そんなのきにしなくてもいいのっ!』

ことり『で…でも……』シュン 


穂乃果『ことりちゃんがね?ほのかといっしょだと、たのしいっておもってくれるのとおんなじで!』

穂乃果『ほのかだって、ことりちゃんといっしょだと、たのしいんだよ?とっても、とっても!』


ことり『ほ、ほんとに…?』


穂乃果『もっちろんだよ!ほのか、さっきもそういったよ?』

ことり『う、うん…そうだったけど…』


穂乃果『でも…きょうみたいに、ことりちゃんがころんじゃうのは、もういやだから。』

穂乃果『だからこれからは、ほのかはことりちゃんと、はなれなくてもいいようにするんだ!』


ことり『はなれなくても、いいように…?』 


穂乃果『うん!それはね?ほのかがもっと、ことりちゃんのそばにいればいいんだよ!』

ことり『えっと、それって…』

14 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/23(水) 05:43:45 ID:9oHv1Vbc
穂乃果『あるくときは、ふたりでいっしょに、てをつないで。』

穂乃果『はしるときは、ふたりでいっしょに、てをしっかりにぎって。』


穂乃果『あそぶときは、ふたりでいっしょにできることをして、いっぱいあそぶの!』


ことり『…ほのかちゃん…』 


穂乃果『それにね?ふたりでいっしょに、どこかにいきたいときだって。』

穂乃果『もうさっきみたいに、ことりちゃんをおいていったりなんて、ぜったいしないように!』


穂乃果『これからは、ほのかがことりちゃんのてを、ちゃんとひっぱってくからっ!』パチッ☆
 


ことり『…ほのかちゃん……ことり、すごくうれしい…!』ジーン


穂乃果『ね?それでどうかな、ことりちゃんっ!』ニコッ

15 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/23(水) 05:51:21 ID:9oHv1Vbc
ことり『うん…!ありがとう…ありがとう、ほのかちゃんっ!』


ダキッ☆


穂乃果『うわっとと…えへへ。』 


ことり『…あのね、ほのかちゃん。ことり…ほのかちゃんが、だいすき…!』

穂乃果『うん!ほのかもことりちゃんが、だいすきだよっ!』


ことり『ほのかちゃん…ほんとに…?』

穂乃果『うん、ほんとだよ!』


ことり『ほんとに、ほんと…?』

穂乃果『もちろん!ほんとに、ほんと!』 


ことり『じゃあ、ほのかちゃんは…ことりをおいて、どこかにいったりしない?』

穂乃果『え?どうしたの、いきなり。』

16 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/23(水) 05:58:04 ID:9oHv1Vbc
ことり『ごめんね…きゅうに、こんなこといっちゃって…』

ことり『でも、ことり…こわいの……こわく、なっちゃったの。』


穂乃果『こわい?なにが、こわくなったの?』 


ことり『あのね…こんなにも、ことりとなかよしになってくれた…だいすきな、ほのかちゃんと…』

ことり『もしも…はなればなれに、なっちゃったら……そうおもったら、ことり…』

ことり『すごく、すごく…こわくなって、きちゃったんだ。』 


穂乃果『ことりちゃん…』 


ことり『ねえ、ほのかちゃん…ことりをおいていって、いなくなったりしないよね…?』 


穂乃果『もー!なにいってるの、ことりちゃん!』

ことり『え…?』

17 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/23(水) 06:11:20 ID:9oHv1Vbc
穂乃果『そんなこと、ほのかがするわけじゃん!』プクー

ことり『ほのかちゃん…』


穂乃果『だってほのかは、ことりちゃんといっしょがいいんだから!』

ことり『…うん。ことりも…ことりも、ほのかちゃんと、いっしょがいい…!』


穂乃果『えへへ。それなら、だいじょうぶだよね!』

穂乃果『ほのかとことりちゃんは、ずっといっしょにいられるよ!』 


ことり『うん…ほのかちゃん、おねがい…どこにも、いかないで…?』

ことり『おねがいだから…ことりのそばから、いなくなったりしないでね…?』ギュ…  


穂乃果『うん。ほのか、どこにもいかないよ?』

穂乃果『だって、ほのかとことりちゃんは、ずっとなかよしで!』

穂乃果『だからこれからも、ずーっといっしょにいるんだもんっ!』

18 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/23(水) 06:22:37 ID:9oHv1Vbc
ことり『ほんとに…?ほんとに、ことりといっしょに…ずっと、いてくれる?』

穂乃果『もちろんだよ!おっきくなってもほのか、ことりちゃんのそばにいるよ?』


ことり『ほんとに…ひとりで、とおくにいったりしない…?』

穂乃果『うん、いったりしない。』


ことり『ほんとに…ことりをおいて、どこかにいったり、しない…?』

穂乃果『うん、どこにもいかないよ。』


ことり『ことりね…ほのかちゃんがいてくれないと、だめなんだ…』

ことり『ほのかちゃんがいないと、ことり…もうなにも、できなくなっちゃうから…』


穂乃果『もー。だいじょうぶだって、ことりちゃん!』

19 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/23(水) 06:31:06 ID:9oHv1Vbc
ことり『…うん。それなら、ほのかちゃん…?』

穂乃果『ん?なあに?』


ことり『ことりと、やくそく…してくれる…?』

穂乃果『うん、いいよ。やくそくする!』


穂乃果『ほのか、なんどもいってるよ?どこにもいかないって。』

ことり『………』 


穂乃果『それに、ずっとことりちゃんのそばにいるって。』

ことり『……うん。』


穂乃果『だから、ことりちゃん。』スッ

ことり『…え…?』

20 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/23(水) 06:48:02 ID:9oHv1Vbc
穂乃果『ほら、やくそくしようよ!』

ことり『…う、うん。』スッ…


ギュッ!


ことり『あっ…』


穂乃果『これからも、ずーっとずーっと。』

穂乃果『いつまでも、ずーっとずーっと…』ギュッ…


ことり『……ほのかちゃん…///』ギュッ…



穂乃果『ほのかとことりちゃんは、ふたりいっしょにいるよ、って!』







21 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/23(水) 06:58:43 ID:9oHv1Vbc
皆様、改めてお久しぶりです。本日からSS二作目を投稿させて頂いております。
今作は一作目より更に長編となっている為、かなりの長丁場になると思われますが
完結を目指して地道に頑張りますので、気長にお付き合い頂ければ幸いです。
そして本編の投稿前にメッセージをくださった方々、本当にありがとうございます。

それでは、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

22名無しさん@転載は禁止:2019/10/23(水) 08:33:30 ID:wsS.dx3s
過疎板だからコメつかなくても頑張ってくれよ

23名無しさん@転載は禁止:2019/10/23(水) 12:57:40 ID:thw50.sE
楽しみに待ってます

24 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 09:15:43 ID:ILGXhByY
SCENE 1.【UTX高校・出入口付近】


あんじゅ「すっかり遅くなったわねー。」


あんじゅ(学校の用事で遅くなりそうだったから、ツバサと英玲奈には先に帰って貰ったけど…)

あんじゅ(もう日も大分暮れてるし、私も早く帰るとしましょうか。)


あんじゅ(…あら?あそこに居るのは…)

あんじゅ(それに、あの制服は……間違いないわね。)


あんじゅ「それにしても…やっぱりすごいわね、あのコ。」

あんじゅ「ただ立っているだけなのに、何だか自然と目が行っちゃうなんて。」


あんじゅ(側を通り過ぎてゆく人達が、何気に目で追っている…)

あんじゅ(街頭モニターを見上げる様に佇んでいる、あのコの横顔を。)

25 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 09:27:51 ID:ILGXhByY
あんじゅ(そんな視線達に、あのコは気付いてるのかしら…?) 


あんじゅ「…まあ、あの様子だと『NO』でしょうね。」

あんじゅ「だけど…あのツバサがご執心なのも、ちょっと分かる気がするわ。」フフッ


あんじゅ(さて…きっとこれも、何かの縁なのかも知れないわね。)

あんじゅ(フフ。実は私も、あのコには興味あったから…ちょっと声を掛けてみましょっと♪)

あんじゅ(あ、でも。単純に声を掛けるだけだと、イマイチ面白くないわよねー。)


あんじゅ(折角の機会なんだから、此処は何かしらのインパクトが欲しいし。)

あんじゅ(うーん、どうしようかしら…?)


あんじゅ(……!)ピーン


あんじゅ「…よーし♪」

26 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 09:33:50 ID:ILGXhByY
SCENE 2.【UTX高校・街頭ビジョン前】


穂乃果「……ハア…」


穂乃果(……私…)

穂乃果(ずっと前から、もう自分でも…)

穂乃果(とっくに分かってたはず、だったんだけどなぁ……)







穂乃果『…よし、これで全部だよね。』


パタン…トントン


穂乃果『ふぅ〜…やっと終わったぁ〜。』

27 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 09:50:34 ID:ILGXhByY
穂乃果『あ…もうこんな時間だったんだ。終わらせるのに、結構かかっちゃったなぁ。』


穂乃果《今日は一人で頑張ったから、いつも以上に疲れちゃったけど…》

穂乃果《でも、これで明日の生徒会の仕事はお休みに出来るよね。》

穂乃果《それに明日は、部活の練習もお休みだし。放課後の完全休みって、結構久しぶりかも。》


穂乃果《さて、明日の放課後はどうしようかな…?学校が終わったら、みんなで遊びに行くとか。》

穂乃果《それとも…真っ直ぐ家に帰って、たまにはゆっくりするのも悪くないかも。》 


穂乃果《うーん……ま、いっか。明日になってから、その時の状況で決めればいいよね。》


穂乃果『よし…!それじゃ、そろそろ帰ろうっと。』ガタッ


パタンッ


スタスタスタ…

28 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 09:59:33 ID:ILGXhByY
穂乃果『…あれ?あの教室……まだ残ってる生徒がいるのかな?』


一年A『…で、最後はリーダーの穂乃果先輩だけど。あんた達は、どう思う?』


穂乃果《…え?今、私の名前が…?》


一年B『うーん、そうだなあ…』


一年B『可愛いかって言えば、まあ可愛いけど…小動物チックなカンジ?』

一年C『ああ、それ分かる!なんか子犬っぽいし。』

一年D『前に頭ナデられたり、アゴの下ゴロゴロされてたけどさー。アレ、見てて癒されたわー。』
 

一年B『穂乃果先輩っていつも元気だし、すごく人懐っこいよねえ。』

一年D『それに子供っぽいトコも目立つかなー。まあ、そこもカワイイんだけどさー。』

29 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 10:08:33 ID:ILGXhByY
一年C『行動力もすごいよね、あの人って。ドンドン壁をブチ破っていくイメージってゆうか。』

一年D『そーそー。そのパワフルさに、みんなが付いて行きたくなる感じなんだよねー。』


一年C『なんだかんだで、ちゃんと生徒会長の方もやってるみたいだし。タフだって思うな。』

一年D『んー…何だったかなー。予算会議の時だっけ?生徒会の方で出しちゃったミスを、完璧にカバーしたらしいじゃん。』

一年B『ああ。自分達で代案作って、会議で謝罪と一喝を同時にかまして。それで、その場の全員を納得させちゃったヤツだね。』


一年C『うん。やっぱり明るいとか元気とか、エネルギーの塊みたいな人って感じがするよ。』

一年B『そうそう。あの強烈なカリスマパワーに、みんな惹きつけられるんだろうなあ。』


一年C『噂だとね?あの≪A-RISE≫の綺羅ツバサが、ずっと前から高坂先輩を意識してたらしいんだって。』

一年B『すごいよねえ、それって…』


一年C『それでグループ同士とはいえ、そのツバサに勝っちゃって。今度はラブライブ決勝に出るんだもんね。』

一年B『穂乃果先輩、ぱねえー…』

30 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 10:22:11 ID:ILGXhByY
一年D『ウチの学校の廃校ナシにさせたのもさー。センパイが≪μ's≫を立ち上げたのが、やっぱ一番デカイよねー。』

一年B『まあねえ。たった数ヶ月で廃校から学校を救っちゃうとかさ?いくら優秀な仲間がいたって、まず普通は出来ないよ。』


一年D『だからー。それをマジでやっちゃう人だから、カリスマって呼ばれてるんでしょーに。』

一年B『なるほど、確かに。』


一年D『ってゆーかさー。さっきから穂乃果センパイの時だけ、武勇伝みたいな話ばっかりになってない?』

一年B『あ、ホントだ。』

一年C『出てくる話がカリスマとか、そーゆーのがほとんどだったからね。』


一年D『…やっぱねー、他のメンバーの人らと比べちゃうとー…』

一年C『うーん…』


一年B『まあ、言いたい事は分かるけど。なんか、穂乃果先輩って……』



一年B『あんまり女の子らしいって感じが、しないんだよねえ。』

31 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 10:29:44 ID:ILGXhByY
一年D『やっぱ、そうだよねー。』


一年C『私もそう思うかな。カッコイイって思うのは、時々あるんだけどね。』

一年D『それじゃー、ダメじゃんよー。』 


一年B『何てゆうかなあ…やっぱり他のメンバーの人達が、ねえ?』

一年D『魅力的な女のコって感じの人らばっかだもんねー?揃いも揃ってさー。』

一年C『うん、それなんだよね。』


一年B『例えばだけどさ。女の子らしい可愛さだったら、ことり先輩や花陽ちゃんでしょ?』

一年C『そうだね。それに綺麗さと言えば、園田先輩と西木野さんがいるし。』


一年B『本当は女の子らしい的なギャップ萌えの可愛さとかなら、にこ先輩と凜ちゃんかなあ。』

一年D『ああー、それ分かる。そんで色気や大人っぽさだと、絵里センパイに希センパイがいるワケだしー…』

32 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 10:39:45 ID:ILGXhByY
一年C『うーん…だからどうしても、そっちの印象の方が強いってゆうかね。』

一年B『分かる分かる。わざわざ穂乃果先輩にそうゆうの求めなくても、他のメンバーの人達で充分に足りてる感じ?』

一年D『うん、やっぱそうなるよなーって。あんだけチートクラスのメンツが揃ってると、どうしてもねー。』 


一年C『高坂先輩も色々マジチートなんだけどね。その方向が、そっち系には向かってないってゆうか。』

一年D『まー、スクールアイドルやってるワケだし。ルックスもその辺のコよりかは、全然イイ方なんだろうけどー…』


一年B『でも正直、そっちには目が行きにくいんだよねえ。強キャラ感バリバリにあり過ぎて。』
 
一年D『それなんだよなー。』


一年C『でも、いいんじゃない?そんなヒーローみたいな人だから、あのカリスマ性なんだろうし。』

一年B『まあねえ。穂乃果先輩じゃなきゃ、廃校のストップだって多分なかっただろうからさ。』

33 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 10:44:26 ID:ILGXhByY
一年C『やっぱり高坂先輩は、今のままでいてくれるのが一番でしょ。』

一年B『だねえ。だって下手にキャラ変えちゃって、それで別物になられてもイヤじゃん?』


一年D『そーだねー。』

一年C『うんうん。』


一年B『だからさ、穂乃果先輩には…』



一年B『無理に女の子らしさを期待する必要とか、別にないよねえ?』

34 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 10:51:23 ID:ILGXhByY
一年D『そーそー。』

一年C『うん、そうだよねー。』 


カタ…


一年B『…ん?今、何か音した?』

一年C『え?別に聞こえなかったけど…気のせいじゃない?』

一年D『まだ残ってる生徒なんて、せいぜい私らくらいでしょー。』


一年C『風か何かの音じゃない?多分だけど。』

一年B『ああ。なら、そうだったのかも。』






35 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 10:59:36 ID:ILGXhByY
穂乃果「………」


穂乃果(……女の子らしさ、かぁ。) 

穂乃果(…学校を廃校から救う為の、名案のつもりだったとしても…)


穂乃果(女の子らしさなんて、誰からも期待されてなくて…)

穂乃果(そんな事、自分でも最初から分かっていたはずの…そんな私が。)


穂乃果(どうして、自分でやってみようって…そう思ったのかな…?)

穂乃果(どうして…『私』は『スクールアイドル』に、なりたかったんだろう…?)


穂乃果(あの日、あの時に…)

穂乃果(今、立っている…この場所で。)


ソローリ、ソローリ…

36 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 11:05:39 ID:ILGXhByY
あんじゅ「えいっ♪」ピタ☆
 

穂乃果「ぅうひゃああっ!?」ビクッ


あんじゅ「ウフフ…♪だーれだ?」


穂乃果「えっ、ええっ!?」アセアセ
 

あんじゅ「ちゃんと当てないと〜、離してあげないわよ?」クスクス


穂乃果(…あ、あれ…?この声って……ま、まさか…!?) 


あんじゅ「ほらほら、早く当てちゃいなさいな〜♪」


穂乃果(…や、やっぱり……そう、だよね…?)

穂乃果(多分…間違ってはいないって、思うんだけど…)

37 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 11:10:34 ID:ILGXhByY
あんじゅ「じゃないと〜…この両手がね?」

あんじゅ「もう少し下の方にある、とっても美味しそうな二つのモノに〜…」


あんじゅ「スススー…って、いっちゃうかも知れないわよ〜?」フフッ


穂乃果(ーーっ!?///)


あんじゅ「はぁい♪あと3つ数えたら、タイムオーバーとなりま〜す☆」


穂乃果(え、ええーっ!?///)


あんじゅ「じゃあ、数えるわよ〜?い〜ち…」


穂乃果(あっ、あわわわっ!?///)アタフタ


あんじゅ「に〜い…」


穂乃果(のっ、希ちゃんじゃあるまいしっ!そそ、それはダメェーーッ!!///)

38 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 11:15:36 ID:ILGXhByY
あんじゅ「さ〜…」

穂乃果「あっ、ああ、あのっ!!」


あんじゅ「あら?私が誰なのか、分かったのかしら?」クスッ


穂乃果「も、もしかして……えっと…」

穂乃果「あの……優木、あんじゅさん…ですか…?」オソルオソル


あんじゅ「ウフフ…は〜い、せいか〜い♪」パッ


穂乃果「わっとっと…!ふぅ〜…」


あんじゅ「こんばんは、高坂穂乃果さん☆」

穂乃果「えっ?あ…ええっと、その…こ、こんばんはっ!」ペコリ


穂乃果(や、やっぱり…優木あんじゅさん、だったんだ。ああ、ビックリした〜。)

39 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 11:21:58 ID:ILGXhByY
穂乃果(それにしても…あんじゅさんって、相変わらずとっても綺麗な人だなぁ…しかも、すごく色っぽいし…)

穂乃果(この人も、私と同じスクールアイドルだけど……やっぱり私とは、大違い…だよね。) 


あんじゅ「ねえ、高坂さん?幾らこの辺りが、人通りのある場所だからって言ってもね。」

あんじゅ「貴女みたいな女の子が、こんな時間に一人だけで長居してたら…ダ・メ・よ?」


穂乃果「そ、そうですよね…あはは……何か、その…すみません。」


あんじゅ「クス。特に貴女は有名人なんだし。この辺りの人達にも、顔は相当に知れ渡っているわ。」

あんじゅ「それに貴女は、こんなに可愛らしい女の子なんですもの。だから、もう少し気を付けないとね。」 


穂乃果「…いえ、そんな。私なんて…全然、そんな事ないですし…」


あんじゅ(…?この反応は……何だか、元気無さそうな感じね。)

あんじゅ(こんな時間まで、ここで一人でボーッと立っていたのだし…何かあったのかしら。)


あんじゅ(うーん…ちょっと、気になるわね。)

40 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 11:30:04 ID:ILGXhByY
あんじゅ「…今日は、どうしたの?もう遅い時間なのに。」

穂乃果「…えっと…その。」 


あんじゅ「貴女がこの時間に一人で此処に居るなんて、ちょっと珍しいんじゃないかしら?」

穂乃果「…はい。そうかも、知れません。」


あんじゅ(…やっぱり、元気が無い様に見えるけど…何か悩み事かしらね…?)


穂乃果「えっと…今日は生徒会の仕事で、帰りが遅くなっちゃって…」

穂乃果「いつもは、海未ちゃんとことりちゃんと一緒に…三人で協力しながら、仕事してるんですけど…」


穂乃果「海未ちゃんは、今日は弓道部の方でも用事があったみたいで…」

穂乃果「ことりちゃんも、ラブライブ決勝用の衣装作りの追い込み中だって…私も知ってたので。」 


穂乃果「それで…二人には私より少し先に、生徒会の仕事の方は上がって貰ったんです。」


あんじゅ(へえ…偶然ね。今日の私と似た感じだったなんて。)

41 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 11:36:46 ID:ILGXhByY
穂乃果「それで、仕事が終わって……帰り道に、色々と考え事をしてる内に…」

穂乃果「気が付いたら、何故か……この場所まで来ていたんです。」 


あんじゅ「あらあら。学校帰りの女の子が、一人で遅い時間に寄り道だなんて。いけないコね☆」


穂乃果「あはは……そう、ですよね。」


あんじゅ(…明らかに本調子では無さそうね。何だか、調子狂っちゃうわ。)


穂乃果「……多分、なんですけど…」

あんじゅ「…え?」


穂乃果「気付いたら、私がここに来てたのって……今の、この場所が…」

穂乃果「私が『スクールアイドルをやってみたい』って…初めて、そう思った…」


穂乃果「そんな『始まりの場所』だったから、なのかも知れないです。」

42 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 11:54:22 ID:ILGXhByY
あんじゅ「へえ…そうだったの。それって私は初耳ね。」 


穂乃果「はい。実はその頃に…妹が廃校寸前だった音ノ木坂よりも、UTXを受験しようとしてて。」

穂乃果「そのUTXの入学案内の資料を見せて貰った時に、あんじゅさん達『A-RISE』が載っていて…」

穂乃果「それを見てから、私…もう何だか気になって、仕方なくなっちゃったんです。」
 

穂乃果「そしたら、次の日には…本当は苦手な早起きまでして、いつもより家を早く出ていて。」

穂乃果「この学校や『A-RISE』の事を、もっと知りたくて…急いでこの場所まで、来ちゃってました。」


あんじゅ(…なる程。やっぱりこのコの直感力と行動力は、スクールアイドルを始める前からなのね。)


穂乃果「その時に、あの大きなモニターで『A-RISE』の歌を聴いて、踊りを見て…」

穂乃果「そして私…すっごく惹き込まれたんです。私もあんな風に歌って、踊って、輝いて…!」


穂乃果「そして、それを大勢の人に見て貰って。大好きな学校を…音ノ木坂を、廃校から救いたいって…!」


あんじゅ(…!このコ…何て真っ直ぐで、透き通った瞳をしているのかしら…)

43 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 12:03:40 ID:ILGXhByY
穂乃果「だから…私にとって『A-RISE』は、あの時から…そして、今でも憧れなんです。」 


あんじゅ「…そうだったのね。貴女にそう言って貰えると、私としても嬉しいわ。」 


穂乃果「えっと、その…そんな訳で…」

あんじゅ「……?」


穂乃果「正直に言いますと…実は、ですね。」

あんじゅ「実は…なぁに?」


穂乃果「あの…私、さっきから…まだ、ちょっと緊張してるんです。」

あんじゅ「あら、どうして?」


穂乃果「だ、だって…あの『優木あんじゅ』さんが、今……私の、目の前にいる訳でして…」

あんじゅ「………」

44 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 12:12:58 ID:ILGXhByY
穂乃果「それに、こうして二人でお話するのって…今日が初めてでしたから。それで、その…えっと。」 


あんじゅ「……プッ。クスクス…フフ、フフフ…!」


穂乃果(わ、笑われちゃってる…!?)ガーン


あんじゅ「フ、フフフ……あ…ご、ごめんなさいね、フフッ…」

穂乃果「……い、いえ…」ドヨーン


あんじゅ「…ふぅ。それにしても…ねえ、高坂さん?」

穂乃果「え…?あ…は、はい…!」 


あんじゅ「おかしな事を言うのね、貴女って。」

穂乃果「へ…?わ、私……何かヘン、でしたか…?」アセアセ


あんじゅ「ええ。だって貴女は…その私のいる『A-RISE』を、倒した人なんですもの。」

穂乃果「……!」

45 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 12:24:02 ID:ILGXhByY
あんじゅ「そして貴女は、ラブライブ東京都予選で優勝した『μ's』のリーダーで。」

あんじゅ「更には、その『μ's』を立ち上げた創立者でもあるのでしょう?」


穂乃果「…それは……でも…」
 

あんじゅ「だから、少なくとも現状では…ええっと…そうねえ。」

あんじゅ「もう今の貴女達は、私達を超えている存在…というのが世間の評価じゃないかしら。」


穂乃果「え、ええー!?そそ、そんな事は…!」


あんじゅ「はぁーい。高坂さん、落ち着いて?」


穂乃果「あ…!す、すみません。大きな声、出しちゃって…」

あんじゅ「気にしないで。私の方こそ、言い方が悪かったのならごめんなさいね。」


あんじゅ「ただ、決して皮肉で言った訳じゃないわ。本当の事を言ったつもりなの。」

穂乃果「で、でも…」

46 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 12:32:32 ID:ILGXhByY
あんじゅ「…ありがとう、高坂さん。」

穂乃果「え…?あ、あの……」


あんじゅ「さっきは、あんな言い方になってしまったけれど。」

あんじゅ「貴女の素直な気持ち…本当は、とても嬉しかったの。」


穂乃果「あんじゅさん…」


あんじゅ「イジワルな性分で、ごめんなさいね?」

穂乃果「べ、別に…そんな事は、全然……」


あんじゅ「フフ。私って、いつもこんな調子だから。それでツバサにも、よく怒られるのよ☆」ペロッ

穂乃果「ええっ?えっと…そうなんですか?」


あんじゅ「ええ。最もツバサはツバサで、また強引でね?」

あんじゅ「私も英玲奈も、あのコには別の意味でよく振り回されてるの。」

47 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 12:38:33 ID:ILGXhByY
あんじゅ「だから『A-RISE』の中で一番大変なのって、実は英玲奈かも知れないわね。」


穂乃果「………」ポカーン

あんじゅ「意外だったかしら?」フフッ


穂乃果「…あ、その……はい。」

穂乃果「ちょっと、ビックリしちゃいました。えへへ…」 


あんじゅ「フフ♪正直なコって、私…ダ・イ・ス・キ☆」


チュッ♪


穂乃果「わ、わわっ!?///ああっ、あんじゅさんっ!?///」


あんじゅ「あら♪リアクションまで、とっても可愛らしいわね☆」クスクス


穂乃果(…ほ…頬に……キ、キス…されちゃった…!///)ドキドキ

48 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 12:47:35 ID:ILGXhByY
あんじゅ(フフ…こうして二人で話すのは、今日が初めてなのに…不思議ね。)

あんじゅ(何だか私、このコの事が気に入っちゃったみたいだし☆)


あんじゅ(それに…まだ一つ、少し気になってる事もあるのよね。)


あんじゅ(どうして、このコが無意識にやって来たのが…このコにとっての『始まりの場所』だったのか。)

あんじゅ(このコの足が自然と此処に向いたのは、きっと大切な理由があって…)

あんじゅ(そして私は、その理由を知りたがっている……本当、どうしてかしらね。)


あんじゅ(あ…!そうだわ☆)ピーン 


あんじゅ「ねえ、高坂さん?」


穂乃果(…ふぅ〜。ちょっと、落ち着いてきた…)


あんじゅ「高坂さ〜ん?」ヒヨイ

穂乃果「っ!!は、はははっ、はいっ!?」ドキーン

49 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 12:58:29 ID:ILGXhByY
あんじゅ「今日はこの後、何か予定はあるの?」

穂乃果「えっ?あ…い、いえ。」


穂乃果「学校での用事も、全部済んでますし…もう後は、家に帰るだけで…」


あんじゅ「そう、良かったわ。そ・れ・な・ら〜…☆」

穂乃果「……?」


あんじゅ「今から私に、少し付き合ってくれるかしら?」

穂乃果「…へ?」


あんじゅ「車を待たせてあるの。一緒にドライブしながら、私と…デートしましょ?」


穂乃果「…デート…?デート、デート……え、ええっ!?」

あんじゅ「ウフフ♪」

50 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 13:04:55 ID:ILGXhByY
穂乃果「デ…デデッ、デート、ですかっ!?」

あんじゅ「ええ♪」ニコニコ
 

穂乃果「あ、あんじゅさんと…私が…!?」

あんじゅ「そうよ♪高坂さんと私が☆」


穂乃果「どど、どうして急にっ、そんな…デ、デートだなんて…!」アセアセ

あんじゅ「あら…私が相手じゃ、役不足だったのかしら……すごく、寂しいわぁ…」シュン


穂乃果「いいい、いえいえっ!とんでもないですっ!」

穂乃果「私の方こそ、えっと…!何と言いますか、恐れ多いって言いますか、その…!」ワタワタ


あんじゅ「…なら、OKしてくれるのね?」ジー 


穂乃果「そそ、それは…はっ、はい…!」

穂乃果「ふ、不束者ですけど…!どど、どうか宜しくお願いしますっ!」ペコリ

51 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 13:11:13 ID:ILGXhByY
あんじゅ「まあ、嬉しいわ♪じゃあ、早く行きましょう?」


ギュッ☆


穂乃果「…あ…!」

あんじゅ「は〜い、こっちよ☆」ルンルン


穂乃果(あんじゅさんの手…柔らかくて、とっても温かい…)

穂乃果(まるで、優しく包まれてるみたいな…そんな感じが……)


穂乃果「……〜〜っ…///」カアア


あんじゅ(あらあら、赤くなっちゃって。ホントに可愛いわ♪)


あんじゅ(クス。何だか今夜は、とっても楽しい時間になりそう☆)


あんじゅ(だって…そんな予感が、さっきから止まらないんですもの♪)

52 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/24(木) 13:14:42 ID:ILGXhByY
今回は、ここまでとなります。

コメントをくださった方々、どうもありがとうございます。
一作目の時の経験を生かして、今回も完走まで頑張りたいと思っています。

それでは、次回もどうぞ宜しくお願い致します。

53名無しさん@転載は禁止:2019/10/24(木) 16:39:56 ID:i9rc.FYQ
ほのあん…だと…!?

A-RISE絡みならほのツバが王道だと思っていたのに新たなる道に目覚めちまうじゃねーか!最高です

54 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/25(金) 11:06:19 ID:GLahDWeM
SCENE 3.【送迎車内・ティールーム】


穂乃果「ホント、さっきはビックリしちゃいました。」

あんじゅ「フフ…ごめんなさいね。貴女の姿を見かけたら、何だかイタズラしたくなっちゃって。」


穂乃果「あはは…まさか、あんじゅさんに『だ〜れだ』ってされるなんて、思ってもいませんでしたから。」

あんじゅ「それって、やっぱり私のイメージじゃなかったのかしら?」


穂乃果「はい。あんじゅさんって、いつも綺麗で、色っぽくって…」

穂乃果「それに落ち着いてる雰囲気が、とっても大人の女性って感じで。」


あんじゅ「まあ♪高坂さんにそう言って貰えるなんて、とっても光栄ね☆」


穂乃果「ほ、本当です…!同性の私から見ても、あんじゅさんはすごく魅力的な女の人だなって。」

55 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/25(金) 11:17:09 ID:GLahDWeM
穂乃果「さっきだって、実はお茶目なところもあるって知って…その時は、ちょっと驚きましたけど…」

穂乃果「でも私、それであんじゅさんの事…もっともっと、素敵な人なんだって思うようになりました。」 


あんじゅ「ありがとう。貴女にそう言って貰えて、とても嬉しいわ。」

穂乃果「……いえ…そんな。」


あんじゅ(あらら…やっと少しは元気が出てきたみたいって、そう思ってたんだけど…) 


穂乃果「…あの…あんじゅさん。」

あんじゅ「あら、どうしたの?」


穂乃果「えっと、その……どうして私を、ドライブに誘ってくれたんですか?」


あんじゅ「そうねえ…今日は学校での用事があって、ツバサと英玲奈には先に帰って貰ってー…」

あんじゅ「一通り用事も済んで帰ろうとしてた時に、たまたま高坂さんを見つけてー…」

あんじゅ「それから一緒にお話をしてた高坂さんが、とっても可愛らしかったからー…」

56 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/25(金) 11:28:14 ID:GLahDWeM
あんじゅ「それでね。もっと一緒にいたくなったから、思わず連れて来ちゃったの☆」


穂乃果「…へ?」 


あんじゅ「クス♪高坂さん。貴女って、不思議な人ね。」

あんじゅ「私がこんなにイタズラしたくなったり、いきなりドライブに誘ってお喋りしたくなる人なんてね。」

あんじゅ「自分でこう言うのも何だけれど、私の身近な人達の中にだって滅多にいないのよ?」


あんじゅ「だから貴女と一緒にいると、すごく新鮮な気分になれて楽しいの☆」フフッ

穂乃果「そ、そうなんですか…?」


あんじゅ「フフ。実はね?貴女とは機会があったら、いつか二人でお話ししてみたいと思ってたの。」

穂乃果「え…?あんじゅさんが…わ、私と…!?」 


あんじゅ「ええ。だから今日、そんな機会が巡って来てくれた事が…とっても嬉しいのよ、私☆」ニコッ

57 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/25(金) 11:34:11 ID:GLahDWeM
穂乃果「…!///そ、それは…あの、どうも…ありがとうございます…//////」カアア


あんじゅ(あらあら、真っ赤になっちゃって♪)クスッ


穂乃果「でも…あんじゅさんみたいな大人っぽくて素敵な人が、私みたいな子に…」

穂乃果「まさか、そんな風に思ってくれてたなんて…ちょっと、驚いちゃいました。えへへ…///」


あんじゅ「あら、どうしてそう思ったのかしら?」


穂乃果「だって、私…あんじゅさんみたいに、綺麗じゃないし…落ち着きもなくて、大人っぽくもないし…」

穂乃果「学年は一つしか違わないのに…大人と子供くらいの差があるって感じが、しちゃいますし…」


あんじゅ「高坂さん…?」


穂乃果「…『μ's』の中でも、私って…そうなんです。」

58 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/25(金) 11:52:45 ID:GLahDWeM
穂乃果「ことりちゃんなんて、すごく女の子らしい女の子で…とっても可愛くて優しいですし。」

穂乃果「海未ちゃんは、いつも綺麗で落ち着いてて…だから弓道部でも、後輩の子達に人気があるんです。」

穂乃果「他のみんなだって…一人一人が、ホントに魅力的で…素敵な女の子ばかりで。」 


穂乃果「それに比べて、私って…ただ元気で明るいくらいしか、これといった取り柄もなくって。」

穂乃果「女の子らしい魅力とかなんて…全然っていうか、まるっきり縁がないって言うか…あはは。」


あんじゅ「………」


穂乃果「それは、自分でも分かってますし…なるべく気にしないようにって、そう思ってるつもりなんですけど…」

穂乃果「これでも一応、私も女の子なので…余りにも縁がなさ過ぎると、ちょっぴりヘコむ事もあるみたいで。」


あんじゅ「…高坂さん。」

59 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/25(金) 11:59:09 ID:GLahDWeM
穂乃果「あ…でも、大丈夫です。そうゆうのは、私のキャラクターじゃないって事も。」

穂乃果「私には女の子らしい魅力なんて、別に誰からも求められてないって事だって。」

穂乃果「流石にそれくらいの事は、ちゃんと自分でも理解してますから。」


あんじゅ「高坂さん。」 


穂乃果「だって私の周りには、とっても魅力的な女の子が何人もいるんですし。」

穂乃果「だから私は、これからも自分の出来る事を頑張っていけば。」

穂乃果「余計な事は何も考えないで、今まで通りに頑張っていれば。それで良…」


あんじゅ「…穂乃果さんっ!」


穂乃果「…え…?」


あんじゅ「…貴女が、女の子として魅力的じゃないなんて…一体、何処の誰が決めたのかしら?」 


穂乃果「………」

60 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/25(金) 12:21:34 ID:GLahDWeM
あんじゅ「私は貴女の事、とても可愛らしくて魅力的な人だと思ってるわよ?」

穂乃果「……あんじゅさん…」


あんじゅ「これは勿論、一人の女の子としての貴女への話。」

穂乃果「………」


あんじゅ「だから私は、前から貴女とお話してみたかったの。今日だって貴女を誘ったのは、それが一番の理由なのよ?」

穂乃果「………」


あんじゅ「さっきも言ったでしょう?私がそこまでするのは、本当に珍しい事だって。」


穂乃果「…ありがとうございます、あんじゅさん。えへへ…お世辞でも、嬉しいです。」

あんじゅ「お世辞じゃないわ。」 


穂乃果「ううん…いいんです。」

61 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/25(金) 12:28:06 ID:GLahDWeM
穂乃果「あんじゅさんみたいな素敵な人に、そう言って貰えただけで…私、すごく嬉しいですから。」


あんじゅ「………」 


あんじゅ(…言葉だけでは、響かない…か。)

あんじゅ(きっと今のこのコは、自分で思っている以上に…)

あんじゅ(自分が女の子である事に対して、自信を失くしているのかも知れないわね。)


あんじゅ(……じゃあ、それなら。) 


あんじゅ「ねえ、穂乃果さ…って。これからは、この呼び方でも構わないかしら?」

穂乃果「え…?あ…は、はい…!是非、そう呼んでください…!」


あんじゅ「ありがとう。いきなり言い出した事だったから、OKして貰えて良かったわ。」

62 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/25(金) 12:39:18 ID:GLahDWeM
穂乃果「そ、そんなの当然ですから…!あんじゅさんに、そう呼んで貰えるなんて…」

穂乃果「私としても、その…とっても、嬉しいですし…えへへ…///」テレッ


あんじゅ(ああ〜、もう…!このコったら、本当に可愛いわね…!///)

あんじゅ(…っと、いけない…!)コホン


あんじゅ「…それで、穂乃果さん。確かこの後は、何も予定は無かったのよね?」

穂乃果「あ…はい。今日、この後は…えっと…もう用事とかも、特にないですけど。」


あんじゅ「そう、良かったわ。それなら…」

穂乃果「……?」


あんじゅ「今日は、私の家に泊まっておゆきなさいな☆」


穂乃果「………はい?」

63 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/25(金) 12:48:43 ID:GLahDWeM
あんじゅ「さて、まずは〜…穂乃果さんのご自宅への連絡先を、今から私に教えてくれるかしら?」

穂乃果「……えっ?え、えええ〜〜っ!?」 


あんじゅ「は・や・くぅ♪」ツン☆

穂乃果「あ、あああの…!?ははっ、はいぃっ!!」サッ 


あんじゅ「フフ。良いコね♪」ピッピッピ…


あんじゅ「……もしもし、高坂様のお宅でしょうか?私、優木あんじゅと申します。」

あんじゅ「あ、高坂穂乃果さんのお母様でいらっしゃいますか?はい、どうも初めまして。」


あんじゅ「はい……はい……まあ、そうでいらしたんですかっ?」

あんじゅ「まさか私の事を、ご存知でいて下さってるなんて。ええ、感無量ですわ。」


穂乃果「………」ポカーン

64 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/25(金) 12:54:07 ID:GLahDWeM
穂乃果(い、今……一体、何が…起きてるの…?) 


あんじゅ「ええ…ええ……はい、勿論です。ご信用を頂きまして、感謝の極みですわ。」

あんじゅ「本当にありがとうございます。はい…はい……では、その様に…」

あんじゅ「どうか、ご安心下さいませ。はい……それでは、これにて失礼致します。」プツン  


あんじゅ「さてと、次は………もしもし、私です。」

あんじゅ「今日は大事なお客様を一人、後からお連れするわ。」


あんじゅ「ええ…ええ、そうよ。最高級のお持て成しにしたいから。」

あんじゅ「それで、準備の方を……ええ。宜しくお願いね☆」


穂乃果「………」ボーゼン


あんじゅ「フフ、これでOKね♪」

穂乃果「………」

65 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/25(金) 13:01:53 ID:GLahDWeM
あんじゅ「穂乃果さん。」

穂乃果「………」


あんじゅ「穂乃果さん?」

穂乃果「………ハッ!?」


穂乃果「はっ、はいっ!!」


あんじゅ「どうしたの?何だかボーッとしてたわよ。」フフッ

穂乃果「す、すみません。突然の流れに、何か置いていかれちゃってたみたいで…あ、あはは。」 


あんじゅ「あら、別に謝らなくてもいいのに。強引に誘ったのは、私なんだから。」クスッ
 
穂乃果「い、いや〜その〜…何と言いますか……面目ないです…///」ポリポリ


あんじゅ(本当、表情がコロコロ変わるわね。見ていて全然退屈しないわ☆)

66 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/25(金) 13:16:29 ID:GLahDWeM
あんじゅ(…私の知る限りだと、このコはいつも周りを引っ張っていくタイプの筈。)

あんじゅ(でも、だからこそなのでしょうね。引っ張られる側に自分がなる事には、余り慣れていない。)

あんじゅ(それ故に、こんな反応になってしまうのも…穂乃果さんには悪いけど、また魅力の一つなのかも♪) 


あんじゅ「ねえ、穂乃果さん。」

穂乃果「は、はい。」


あんじゅ「私達が二人だけで話す機会が出来たのって、今日が初めてだけど…」

穂乃果「そ、そうでしたね。」


あんじゅ「私、貴女とこうして二人で過ごせる時間がね?自分で想像してた以上に…好きみたいなの。」

穂乃果「え…?」 


あんじゅ「つまりね。私は、穂乃果さんの事が〜…『大好き』って、意味よ♪」パチッ☆


穂乃果「…〜〜っ!//////」カアア

67 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/25(金) 13:44:00 ID:GLahDWeM
あんじゅ「クス♪ねえ、穂乃果さん。さっきも言ったけどね?」

あんじゅ「普段なら滅多にそんな風には思わない私が、貴女にはそう強く感じているの。」


あんじゅ「それって一体どういう事なのか…分かって貰えるかしら?」 


穂乃果「え、ええっと…それは…」


あんじゅ「それ程までにね?貴女がとっても『魅力的な女の子』って、事なの☆」


穂乃果「そ…そそっ、そんな…!///」


あんじゅ「だから…私としては、そんな貴女に…」スッ…


あんじゅ「もっと、自分に自信を持って欲しいと…そう思ってるわ。」ギュ…


穂乃果「……あんじゅ、さん…///」

68 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/25(金) 14:06:46 ID:GLahDWeM
あんじゅ「…貴女が自分に自信を持てないのは、現状においても何かの理由があると思うの。」

穂乃果「………」 


あんじゅ「でもね、穂乃果さん。私には…ハッキリと分かるの。」 


あんじゅ「きっと貴女の周りの人達も、それに貴女自身ですらも。」

あんじゅ「まだ誰も気付いていない様な、貴女の女の子としての魅力。」

あんじゅ「そんな魅力を…貴女は、絶対に持っているわ。絶対にね。」


穂乃果「…私が、持っている……女の子としての…魅力…?」 


あんじゅ「ええ、そうよ。だから…」

穂乃果「……?」


あんじゅ「まだ貴女の中で眠ったままの、その沢山の魅力達を…」


あんじゅ「これから私が、全力で引き出してみせるわ☆」

69 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/25(金) 14:12:41 ID:GLahDWeM
今回は、ここで終わりとなります。また次回も宜しくお願い致します。

感想をくださった方、どうもありがとうございます。
滅多に見かけなかった組み合わせなので、少しでも違和感なく出来ればいいなと思っています。

70 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/26(土) 09:06:08 ID:TS.43EmE
穂乃果「へ…?えっ、えええーっ!?」


あんじゅ「そして、貴女の周りの人達にも。勿論、貴女自身にも。」

あんじゅ「貴女が持ってる本当の魅力を、私がタップリと教えてあげるから☆」


穂乃果「…で…でも…!それは、あの……」

あんじゅ「…不安?」 


穂乃果「だ、だって…そんな魅力なんて……本当に、私にあるのかな…って…」


あんじゅ「あら、それは残念ね。」

穂乃果「え…?」


あんじゅ「まともに話したのが、今日初めての私の言う事なんて…信じて貰えないのかしら?」

71 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/26(土) 09:32:55 ID:TS.43EmE
穂乃果「そ、そんな事ないです…!確かに二人でお話出来たのは、今日が初めてですけど…」

穂乃果「でも、あんじゅさんは…私の事を励ましてくれて、いっぱい誉めてくれて…私、本当に嬉しかったんです。」


あんじゅ「………」


穂乃果「だから…あんじゅさんは、私にとって…」

穂乃果「とっても優しくて…それに、すごく頼れる人なんだって…」

穂乃果「私、本当に…本当に、そう思ってますから…!」


あんじゅ「…ありがとう、穂乃果さん。」 


あんじゅ(…話せば話す程、知れば知る程に…改めて感じさせられるわね。)

あんじゅ(やっぱり、このコって…すごく良いコじゃない。) 


あんじゅ(でも…これでハッキリ分かった気がするわ。)

72 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/26(土) 09:47:39 ID:TS.43EmE
あんじゅ(明るい。素直。人当たりが良い。人懐っこいながらも、礼節も身につけている。)

あんじゅ(普段は頼りない面があっても。一度何かを決めたら、それを最後までやり遂げる意思と力を宿す。) 


あんじゅ(人を引っ張って進んでゆく力と、相手にそれを受け入れさせるだけのカリスマ性。)

あんじゅ(人の短所よりも長所を見る事に長け、何よりもそれらを大切にする…恐らくは無自覚で。)


あんじゅ(今までの情報で、私が知っているこのコ。そして今日、このコと直接話している中で感じただけでも…)

あんじゅ(このコには、既にこれ程のものがある。それこそ…大きな器の持ち主であると、強く感じさせるまでに。) 


あんじゅ(そうね…このコは、多感な年頃の可愛らしい『一人の女の子』でありながらも…)

あんじゅ(それ以上に『一人の人間』としての内面的な魅力が、実年齢に対して余りにも突出しているのでしょう。)

あんじゅ(だからこそ周りの人間は、現状のこのコに満ち足りる。『一人の人間』として、もう充分に魅力的な…このコに。)

73 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/26(土) 10:38:49 ID:TS.43EmE
あんじゅ(それ故に…このコと親しい人達ですらも、なかなか気付かない…いいえ、気付けないのでしょうね。)

あんじゅ(きっと今まで、表に出てくる機会に恵まれていなかったであろう…『一人の女の子』としての、このコの魅力達に。)

あんじゅ(外面的にも、内面的にも…本当は『一人の女の子』としての数多くの魅力を、その身に宿している…『高坂穂乃果』に。)


穂乃果「……んじゅさん…?」 


あんじゅ(最も…それに気付いている人達も、恐らく一部では居るのでしょうけど…)

あんじゅ(それは、きっと…それぞれの形は違えど、このコに強い愛情を持っている様な人…かしらね。)


あんじゅ(でも、これは私の推測だけれど…その人達は、このコの魅力達に気付いていたとしても…)

あんじゅ(このコの前や他人の前では、それを言葉や態度に出す事は…多分だけど、無い気がするのよね。)


あんじゅ(例えば…自分の好意を、他人に知られたくないとか。或いは、独占欲故に周りに目立って欲しくないとか…)

あんじゅ(まあ、その理由は色々とあるのでしょうけど。ただ、全てに置いて共通していると考えられるのは…)

あんじゅ(このコとの関係…つまり、己との繋がりが壊れてしまう事。それを何よりも、恐れているから…じゃないかしら。)

74 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/26(土) 11:06:22 ID:TS.43EmE
あんじゅ(その事については…そうね。ツバサのこのコへの態度を見ていれば、よく分かるわ。)

あんじゅ(何故ならツバサは、このコの持つ魅力に気付いている一人である事に…まず間違いないのだから。)


あんじゅ(そう。ツバサは…今の穂乃果さんとの関係を、その距離を…絶対に崩そうとはしない。)

あんじゅ(本当は、もっと会いたい。会って話したい。そして、親しくなりたい…そんな想いを、自ら制してまで。)  


あんじゅ(それは、このコにとっての『特別な位置の存在』になる事が、どれ程に困難な道なのかを…)

あんじゅ(あの夕暮れの日に、直接このコと出会う前から…きっとツバサは、知っていたから。)


穂乃果「……んじゅさん……あんじゅさん…?」 


あんじゅ(…多分、今日この機会が生まれた私だからこそ…このコの事を、色々と考えるのかも知れないわね。)


あんじゅ(このコと、ずっと親しかった間柄ではなく。かといって、完全な赤の他人でもなく。)

あんじゅ(それなりの家柄で、それなりの教育を受けて。それなりの知識を得てきながら、それなりの年齢になって。)

あんじゅ(そして今、他人との適度な距離を保ちつつ。それなりに人間社会で、己の立場を確立している…私。)

75 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/26(土) 11:27:36 ID:TS.43EmE
あんじゅ(そんな私が、今日このコと触れ合って…そして、まだ形はボンヤリながらも…)

あんじゅ(このコに対して、自分でハッキリ認識出来るくらいの『好意』を抱いたからこそ……だから、私は……)


穂乃果「あのー…あんじゅさーん…?」 


あんじゅ「……あ…ごめんなさい。少し、考え事をしちゃってたみたい。」

穂乃果「い、いえ。気付いてくれたから大丈夫です。」


あんじゅ「本当、ごめんなさいね。」


あんじゅ(ふぅ…つい、考え込んでしまっていたわね…気を付けましょう。)


あんじゅ「…外の景色から見て、もうすぐ到着ね。穂乃果さんの荷物は、その鞄だけ?」

穂乃果「あ、はい。そうです。」 


あんじゅ「それなら身軽でいいわね。今日はタップリお持て成しするから、楽しんでいって頂戴☆」フフッ

穂乃果「は、はい…その、ありがとうございます…!何だか、ドキドキしてきちゃいました…!」

76 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/26(土) 12:07:15 ID:TS.43EmE
あんじゅ「あらあら。まだドキドキするのは、ちょっと早いわよ?」

穂乃果「え?」  


あんじゅ「だって♪今日のメインイベントは、私に魅力を引き出された貴女の〜…お・披・露・目・なんだから☆」


穂乃果「あ、あはは……どうか、お手柔らかに…お、お願いします…///」ドキドキ


あんじゅ(フフ、緊張してるみたいね…でも大丈夫よ。絶対に、後悔なんてさせないから。)

あんじゅ(人としての内面だけでなく。貴女の『女の子』としての魅力を、世間に知らしめる為に…)

あんじゅ(この私、優木あんじゅが。とびっきりのメイクアップ術で、貴女に自信を付けさせてあげるわ。)


あんじゅ(最も、見た感じでもすぐに分かるけど…もう貴女は、元自体が充分に良いのだから。)

あんじゅ(軽くポイントだけを押さえた感じのナチュラルメイクでも、その効果は大きいでしょうね。)

あんじゅ(あ…でも、それなら。手間の掛からなそうな分は、色々なバリエーションも試してみたいかも♪)


あんじゅ(ウフフ…♪今から、とっても楽しみだわ☆)

77 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/26(土) 12:17:11 ID:TS.43EmE





一年B『…ん?今、何か音した?』

一年C『え?別に聞こえなかったけど…気のせいじゃない?』

一年D『まだ残ってる生徒なんて、せいぜい私らくらいでしょー。』


一年C『風か何かの音じゃない?多分だけど。』

一年B『ああ。なら、そうだったのかも。』



一年A『…ねえ、あんた達さぁ。』


一年B『ん?』

一年D『なになにー?』

一年C『どうかしたの?』


一年A『どうもこうもないっしょっ!!』

78 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/26(土) 12:24:48 ID:TS.43EmE
一年D『わわっ?ちょっとー、ビックリするじゃんかー!』

一年C『いきなり何なの、もう…!』


一年A『いいから聞きなさい。』ギロッ


一年D『ア、ハイ。』

一年B『ヤバ、ガチギレ手前だ。』ボソッ

一年C『ここは、逆らわずにおこう…?』ボソッ 


一年A『あのさ?質問したのがあたしだから、暫くは大人しく黙って聞いてたけど。』


一年D『はあ。』


一年A『……あんた達ってさ。ホントに、ホンットーに。』


一年B『え、何?』

一年C『……?』

79 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/26(土) 12:31:48 ID:TS.43EmE
一年A『穂乃果先輩の事さ……なぁーんにも、分かってないんだねぇ…?』


一年B『えー、そうかなー…?』

一年C『大体合ってると思うけどなぁ。』

一年D『異議なーし。』


一年A『へえー…?なら、見せてあげるよ。まだ所詮ニワカ≪μ's≫ファンのあんた達にも、イイモノをねえ。』フフン


一年B『あー!またニワカって言ったー!』

一年C『自分だけファンクラブの会員だからって、偉そうだぞー!』

一年D『そーだそーだー!』


一年A『うるさいっつーの!悔しかったら、あんた達も会員になればいいだけでしょーが!』


一年D『だってさー…ああゆうのって、手続きとかメンドくさいんでしょー?』

80 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/26(土) 12:40:32 ID:TS.43EmE
一年A『だーかーらー。それがニワカだって言ってるんだよ、全く。第一、大した手間なんて掛からないのにさ。』 


一年D『ちぇー。』

一年B『ふーんだ。』


一年C『…で、そのイイモノって何なの?』


一年A『フフ…それはね…?』スッ
 

一年C『え?何かの動画だよね、それ。』


一年A『YES。』ニヤリ


一年C『ん?知らない曲名なんだけど…コレって何なの?』

一年B『…あれ?もしかして、これって…≪μ's≫の曲、とか…?』

81 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/26(土) 12:46:52 ID:TS.43EmE
一年A『そうだよ?間違いなく≪μ's≫の曲。』ニヤニヤ 


一年B『…ちょっと待った。私コレ、知らないんだけど…!』

一年C『わ、私も…!この曲って、いつ歌ってたっけ…?』

一年D『うぬぬー、これでも≪μ's≫のライブは一通りチェックしてるのにー。』


一年A『そりゃ、あんた達は知らないでしょ。だって、ライブではやってない曲なんだからさ。』フフッ 


一年B&C&D『『『な、何だってーーっ!?』』』 


一年B『何それ、どうゆうことなのさ…?』

一年C『そんなの、聞いてないんですけど…!?』

一年D『ならばこの動画らしきものは一体、ウゴゴゴ…』
 

一年A『フッフッフー…これはねぇ?CG技術とかも使って、うちの学校で撮った…PVなんだよ。』

82 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/26(土) 12:57:13 ID:TS.43EmE
一年B『うちの学校で撮った、PV?』 


一年A『そう。要するに≪これサム≫の時と同じって訳。でも一つだけ、大きく違う点が…あるんだよねえー。』フッ…


一年C『大きく違うって…そ、それは…!?』


一年A『クックック。それはねぇ…?このPVを視聴する事が出来る権利、それを持っているのが……』


一年B『…まさか…』

一年C『…もしかして…』

一年D『…ひょっとすると…』


一年A『≪μ's≫オフィシャルファンクラブのメンバー会員のみって事よっ!!』ピシャーン!


一年B&C&D『『『ななっ、なんだってーーーっっ!!?』』』ドドーン!

83 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/26(土) 13:13:23 ID:TS.43EmE
一年D『マ、ママ…マジですかー!?』

一年C『そんな特典が、まさか存在していたなんて…!』

一年B『知らなかった、そんなの…』 


一年A『まー多分さ、にこ先輩辺りのアイディアだとは思ってるけどね。ファン獲得の為の。』


一年D『…つまりー、どうゆうことだってばよ?』

一年B『あんたは少し頭を使いなって。こうゆうのは、ファンを増やす為の常套手段なんだよ。』

一年C『つまりね?会員限定のPVを用意した事で、会員になる事やPVの価値を高める作戦って訳。』


一年D『あー、なるほどー。そうゆう事だったんだ。』

一年B『しかし…にこ先輩の仕業だとしたら、流石としか。こうゆうテクには、マジで抜かりがない…!』

84 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/26(土) 13:24:44 ID:TS.43EmE
一年D『それにしてもー…あーもー、マジで悔しいー!』

一年B『くっ…こんな特典があるって知っていれば…!』

一年C『私だって、もっと早く会員になってたのにぃー!』


一年A『だから言ったでしょー?あんたらは、ニワカってさ。』 


一年D『ぐぬぬぬー…』

一年C『…何と言う屈辱…!』

一年B『これが若さか…!』 


一年A『んでさ。このPVなんだけどー……今から、見たい?』チラッ


一年B&C&D『『『『見たいですっ!!』』』

85 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/26(土) 13:37:44 ID:TS.43EmE
一年A『うんうん、やっぱり素直が一番だねえ。ならば、見せて進ぜようー。』


一年B『ははーっ!』

一年D『ありがたき幸せー!』

一年C『このご恩は一生忘れませぬっ!』


一年A『うむ、良きに計らえ。んじゃ再生するから…しっかり見てなよ?』


一年A『特にね。この曲のセンターの穂乃果先輩を。その姿を。』


一年A『絶対に見逃さないように。その目で、しっかりとね…!』






86 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/27(日) 11:50:18 ID:PfWyFi/U
SCENE 4.【優木邸・あんじゅの部屋】


あんじゅ「夕食の方は、貴女のお口に合ったかしら?」

穂乃果「はい、すっごく美味しかったです!」


あんじゅ「そう、良かったわ。我が家の自慢のシェフに、腕を振るって貰った甲斐があったわね。」


穂乃果「もう、ビックリするくらい美味しくて…えへへ。本当にご馳走様でした!」

あんじゅ「どういたしまして☆そう言って貰えると嬉しいわ。」


穂乃果「あ!それと、お風呂もすっごく広くって…私、それにもビックリしちゃいました!」

あんじゅ「そう?まあ私としては、穂乃果さんと一緒に入りたかったのだけれど。」クスッ


穂乃果「そ、それは…///あの、えっと…す、すみません…!///」

87 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/27(日) 12:01:58 ID:PfWyFi/U
あんじゅ「フフ、気にしなくてもいいのよ。」

あんじゅ「でも私、次の機会には楽しみにしているから♪」ニコッ


穂乃果「あ、あは…あはは…///」


穂乃果(…てっきり『冗談よ♪』って、言ってくると思ってたのに…ほ、本気だったんだ…///)


あんじゅ(クス。焦っちゃってる顔も可愛いわねー♪) 


あんじゅ(…さて。夕食も入浴も、もう済んだ事だし…そろそろ始めましょうか。)


あんじゅ「それじゃあ…穂乃果さん。今から始めるから、こっちに来てくれる?」

穂乃果「あっ、は、はい…!」


あんじゅ「はーい。ここに座ってね?」

穂乃果「ええっと…し、失礼しまーす…」

88 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/27(日) 12:21:25 ID:PfWyFi/U
あんじゅ「そんなに緊張しなくても大丈夫よ。今からは全部、私に任せて頂戴ね☆」

穂乃果「で、でも…何だか、申し訳ない気が…」


あんじゅ「いいからいいから♪私が今から貴女を、とびっきりの美少女にしてみせるわ☆」

穂乃果「え、ええっ!?びびっ、美少女って…!?」


あんじゅ「あら、どうしたの?そんなに慌てる事でも無いでしょうに。」

穂乃果「だ、だって…!流石に、そこまでは難しいんじゃ……元は、私なんですし…」


あんじゅ「えいっ。」ペシッ

穂乃果「あいたっ!?」


あんじゅ「まーだそんな事を言ってるのね。いい?良くお聞きなさい。」

穂乃果「は、はい…」シュン…

89 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/27(日) 12:33:02 ID:PfWyFi/U
あんじゅ「貴女はね。本当は今のままでも、充分に美少女と呼ばれていい筈のコなの。」


穂乃果「そ、そんな…幾ら何でも、それは買い被りですよ…」

穂乃果「だって私、そんな風に言われたことなんて…今まで、全然な…」


あんじゅ「シャラーーップ!」ビシィッ!


穂乃果「わわっ!?」


あんじゅ「コホン…いいかしら?まず、私の見立てではね。」

あんじゅ「貴女は外面的要素より、内面的要素が目立ち易いタイプの人なの。」


穂乃果「…え、ええっと…?」

90 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/27(日) 12:46:40 ID:PfWyFi/U
あんじゅ「簡単に言うと…そうねえ。容姿、つまり顔やスタイル等よりも…」

あんじゅ「真っ先に性格面で人を惹き付けるタイプ、って事になるわね。」


穂乃果「…そう、なんでしょうか…?」


あんじゅ「少なくとも間違ってはいないと、私は思っているわ。」


あんじゅ「だって貴女は、人の良い所を自然に見つける事が出来る人で。」

あんじゅ「それ故に、誰とでも打ち解けて仲良くなれる人なんですもの。」


あんじゅ「そう。貴女という人は、そんな『人間』としての非常に強い魅力を持っている。」

91 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/27(日) 13:09:56 ID:PfWyFi/U
あんじゅ「ただ…その魅力が、貴女は余りにも強過ぎるから。多くの人は、まずそこに意識を奪われるわ。」

あんじゅ「それ故に、貴女の別の魅力にまでは…きっと、目が届きにくくなってしまっていると思うの。」


穂乃果「そ、それは…ちょっと、その……大げさなんじゃ…」


あんじゅ「いいから聞いて。」ジロッ

穂乃果「ご、ごめんなさい…!><」


あんじゅ「そんな貴女だからこそね?ちゃんと『女の子』としても、周りから見て貰う為に…」


あんじゅ「穂乃果さん。今の貴女には、ちょっとした工夫が必要なのよ。」 


穂乃果「ちょっとした…工夫…?」


あんじゅ「そうよ。それは本当に、些細な変化でも良いの。」

92 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/27(日) 13:23:38 ID:PfWyFi/U
あんじゅ「例えば…顔に少しだけ、お化粧をしてみたり…」

穂乃果「………」


あんじゅ「私服のバリエーションを、今までよりも増やしてみたり…」

穂乃果「………」


あんじゅ「アクセントとして、髪以外にもアクセサリーを着けてみたり…」

穂乃果「………」


あんじゅ「活発な貴女によく似合っている、今の髪型を…少し変えてみる、とかね。」

穂乃果「…っ…」


あんじゅ「他にも、少し時間が必要になるでしょうけど…言葉遣いや仕草等を変えてみる、なんてのもあるわ。」

穂乃果「………」

93 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/27(日) 13:55:18 ID:PfWyFi/U
あんじゅ「その一つ一つによる変化はね。一見、些細な事に思えるかも知れないけれど…」

あんじゅ「それらを上手く生かせれば、とても良い方向への大きな変化となってゆくの。」

あんじゅ「そうして生まれた変化は、女のコの色々な魅力達を…美しく鮮やかに、彩ってくれるわ。」


穂乃果「………」


あんじゅ「それに、女のコってね?いつもの自分を、ちょっと変えてみるだけでも…」

あんじゅ「見た目だけじゃなくて、気持ちまでも…全然変わるものなのよ?」


穂乃果「……私でも…少しは、女のコらしく…変われるんでしょうか…?」


あんじゅ「ええ、勿論よ。貴女は美少女だって、私はそう言った筈よ?」

穂乃果「………」


あんじゅ「私は、その事を教えてあげたいの。まだそれに気付いていない、全ての人達にね。」

穂乃果「…あんじゅさん…」

94 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/27(日) 14:22:26 ID:PfWyFi/U
あんじゅ「もしも貴女が気に入らないって感じたなら、遠慮しないでそう言ってくれればいいわ。」

あんじゅ「その時は、すぐに元に戻せばいいだけの事なのだから。本当にそれで済んでしまうだけの事なの。」

あんじゅ「ね?そう考えてみれば、気持ちも少しは楽になるでしょう?」


穂乃果「………」


あんじゅ「だから…もう一度言うわね。お願いだから、私に…任せてみてくれないかしら。」


穂乃果「…あんじゅさんは、どうして、そこまで……私の事を、気にしてくれるんですか…?」


あんじゅ「今日、何度も言った筈よ?私は貴女と一緒にいるのが、楽しくて大好きだって。」

穂乃果「………」


あんじゅ「だから…私は貴女にも、もっともっと楽しく笑って欲しいの。」

あんじゅ「その気持ちに、今まで二人で過ごした時間の長さは…関係なんて無いと思ってるわ。」


穂乃果「………」

95 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/27(日) 14:36:20 ID:PfWyFi/U
あんじゅ(…不思議よね、本当に。)

あんじゅ(気が付けば…私ったら、いつの間にか…)

あんじゅ(このコの力になりたくて、こんなにも一生懸命に…なっているのね。)


あんじゅ(穂乃果さん。本当に貴女って、とっても不思議な人よ…?)


穂乃果「………」

あんじゅ「………」


穂乃果「……あんじゅさん…」

あんじゅ「……ええ。」


穂乃果「…ありがとうございます。」

あんじゅ「…いいのね?」


穂乃果「……はい。」

96 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/27(日) 14:46:03 ID:PfWyFi/U
あんじゅ「…良かった。」


穂乃果「じゃあ、その…どうぞ、宜しくお願いします…あんじゅさん…///」モジモジ

あんじゅ「……!」


穂乃果「…?あんじゅさん…?」ウワメヅカイ


あんじゅ「え、ええ。安心して、私にドーンと任せて頂戴ね?」


穂乃果「はい…!///」ニコッ

あんじゅ「っ!///」ドキッ


穂乃果「あんじゅさんって…本当に優しくて、とっても頼もしくて…」

あんじゅ「そ、そう…?ありが…」

97 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/27(日) 14:54:54 ID:PfWyFi/U
穂乃果「何だか、私の『お姉ちゃん』みたいですね。えへへ…///」


あんじゅ「ーーーっっ!!?」ドドーン


あんじゅ(…なっ……お姉…ちゃん…?)

あんじゅ(私が、穂乃果さんの……お…お姉ちゃん…!?)


あんじゅ(…い、今までだって…後輩のコに『お姉様』と呼ばれた事は、何度もあったけれど…)


あんじゅ(私の事を……お、『お姉ちゃん』だなんて…そう呼んだのは……)

あんじゅ(このコが…穂乃果さんが……は、初めて…だわ…!)


あんじゅ(……『お姉ちゃん』→『私のお姉ちゃん』→『あんじゅお姉ちゃん』……)


あんじゅ(………あ……いいかも……//////)トローン

98 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/27(日) 15:05:12 ID:PfWyFi/U
穂乃果「あ…ご、ごめんなさい!急に『お姉ちゃん』なんて呼ばれても、困りますよね…!><」


あんじゅ「えっ?あ……ああー…そ、そうねえ…!」

あんじゅ「べ…別に、そうゆうのも……い、いいんじゃないかしらっ?」


穂乃果「ほ、本当ですか…?///」キラキラ&ウワメヅカイ

あんじゅ「ーーっ!!///」キュン 


あんじゅ「ほ、本当よっ?ほらっ、ええっと……お……おっ…」

穂乃果「…?お…?」


あんじゅ「『お姉ちゃんに、まっかせなさーい!』…な、なんてね…!?」


穂乃果「………」ポカーン

99 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/27(日) 15:18:48 ID:PfWyFi/U
あんじゅ(…は、外しちゃったのかしら…!?///)


あんじゅ(…って言うよりもっ!///)

あんじゅ(さっ、さっきから何をやってるのよ私はっ!?///) 


穂乃果「……プッ!クス…クスクス!」


あんじゅ(ほ、ほらぁ!笑われちゃったじゃないのっ!///ああ〜もう、私ったらぁ〜っ!///)


穂乃果「クスクス……あんじゅさんって、本当に優しいんですね。」

穂乃果「私、それを知る事が出来たのが…今日一日で、一番嬉しかったです!」


あんじゅ「そ、そう……ありがとう///」

穂乃果「はい!」ニコニコ

100 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/27(日) 15:26:52 ID:PfWyFi/U
あんじゅ「じゃ、じゃあ…そろそろ、始めるわよ?///」アセアセ


穂乃果「うん!『あんじゅお姉ちゃん』♪」



あんじゅ「」ズガガーーン



穂乃果「な、なんちゃって…!//////」 


穂乃果「って、あれ…?あの、あんじゅさん…?あんじゅさーん…?」


あんじゅ「………」


穂乃果「ど、どうしちゃったのかなぁ…?ええっと、あんじゅさーーん?」


あんじゅ「ナンデモナイノヨナンデモ」


穂乃果(何でことりちゃんみたいにっ!?)ガビーン

101 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/27(日) 15:50:51 ID:PfWyFi/U
あんじゅ(………)

あんじゅ(………)

あんじゅ(………ハッ!?)


あんじゅ(…わ、私が…この私が……『お姉ちゃんにまっかせなさーい!』…ですって…!?)

あんじゅ(ほ、本当に…信じられないわ…!まさか、こんな言葉が…自分の口から出てくるなんて…!!///)


あんじゅ(それに、それに…!)

あんじゅ(あっ、ああ…あんじゅ、お…お姉ちゃん…だなんて…!!//////)


穂乃果「…あんじゅさん?」キョトン

102 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/27(日) 16:03:12 ID:PfWyFi/U
あんじゅ(…この私、優木あんじゅが…こんなにまでも、振り回されるだなんて…!)

あんじゅ(私自身ですら、今まで知らなかった…そんな自分の一面までも、引き出されてしまうなんて…!)

あんじゅ(今日、初めて二人で過ごした…この数時間で、その僅かな時間で…この私が、こんなにも…!)


あんじゅ(…ええ、そうね。今、改めて…)

あんじゅ(そして、身に刻まれる程に…思い知ったわ……)


穂乃果「??」


あんじゅ(『高坂穂乃果』……なんて恐ろしいコッ!!)






103 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/30(水) 16:02:18 ID:z.PfCFrU
あんじゅ「…さて、こんな感じで良さそうね。」

穂乃果「………」


あんじゅ「穂乃果さん、後少しで完成よ?」

穂乃果「………すぅ〜……すぅ〜……」


あんじゅ「クス。疲れて眠ってるみたいね…キュートな寝顔♪」

あんじゅ「それに綺麗な顔立ちしてるのよね、このコって。最初に思ってた通りだったわ。」


あんじゅ「全く。こんなに素敵な女のコの魅力に気付かないなんて。」

あんじゅ「世間は見る目の無い人達ばかりなのかしらねえ。本当、嘆かわしい事だわ。」


あんじゅ「…それにしても。」


あんじゅ(さっきは、本当に危なかったわ…)

あんじゅ(身をもって知るというのは、正にあの事だったわね。)

104 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/30(水) 16:44:57 ID:z.PfCFrU
あんじゅ(あんなのを素で、しかも唐突に目の前でやられてしまったら。)

あんじゅ(女の子らしさがどうとか、ルックスがどうとか…)

あんじゅ(そうゆう事を気にする余裕なんて、吹き飛んでしまいそうになるんですもの。)


あんじゅ(だって…そんな次元なんて、とっくに超えてしまって。)

あんじゅ(このコという『存在』そのものに、相手は魅了されてしまうのだから。)


あんじゅ(でも…確かに、その点を考えてみるのであれば。)

あんじゅ(このコの別の魅力までには、気付けない人が多いというのも…)

あんじゅ(それはそれで、現状では止むを得ない事なのかも知れないわね。)


あんじゅ(それでも…このコが、そんなコだからこそ。)

あんじゅ(このコの『一人の女の子』としての輝きだって、ちゃんと世に知らしめたい。)


あんじゅ(今の私は、そうしたいと強く思っている。このコの為にも…どうしても。)

105 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/30(水) 16:59:25 ID:z.PfCFrU
あんじゅ(フフ…これからは私も、ツバサをからかったりなんて出来なくなりそうね。)


あんじゅ「…さて。これで出来上がり♪」


あんじゅ「うん♪我ながら上出来ね。結い目も完璧だし、惚れ惚れしちゃう☆」 


あんじゅ「最も、ここまで見事な仕上がりになってくれたのはー…」

あんじゅ「素材が極上の女の子だったから♪なのだけれどね☆」フフッ


あんじゅ「さてと。それじゃ最後に、全体の確認をしてみましょうか。」


穂乃果「…すぅ〜……すぅ〜……」


あんじゅ「さぁ、どれどれ〜…?」


穂乃果「…すぅ〜……すぅ〜……」 


あんじゅ「………」

106名無しさん@転載は禁止:2019/10/31(木) 03:38:13 ID:s86qlwRo
何黙ってるねん

107 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/31(木) 06:55:37 ID:/Ol2gCk6
穂乃果「…すぅ〜……すぅ〜……」


あんじゅ「………」


穂乃果「…すぅ〜……すぅ〜……」


あんじゅ「………これは……予想以上ね。」


穂乃果「…すぅ〜………」 


あんじゅ「……いいえ…違うわ。」


穂乃果「…すぅ〜………」


あんじゅ「…これはもう、そんな生易しい話じゃない……驚いたわ。」


あんじゅ(…自分でメイクアップを施しておいて、こう言うのも何だけれど。)

あんじゅ(穂乃果さんの持っている筈の魅力を、上手く引き出す為の意識はしていたとはいえ…)

108 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/31(木) 07:16:28 ID:/Ol2gCk6
あんじゅ(この難度と手間のメイクで、このレベルまでガラリと印象を変えてしまえる人なんて…)


あんじゅ(今のスクールアイドル……いいえ。)

あんじゅ(プロの世界で活躍している、人気アイドル達の中にだって…)

あんじゅ(果たして……何人いるのでしょうね。)


あんじゅ(……以前から、少し気になっていた事があるわ。)

あんじゅ(そして今、このコの姿を目の前にして……改めて、それを感じているけれど。)


あんじゅ(まさか、このコって…もしかしたら……)


あんじゅ(例の『怪物級(モンスター)』…だったり、するのかしら。)


あんじゅ(日本語で『偶像』を意味する『アイドル』。)

あんじゅ(そのアイドルの世界においても、ごく稀に現れる存在で…)

あんじゅ(この呼称を知る人々には、こう呼ばれている…それが『怪物級(モンスター)』。)

109 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/31(木) 07:43:26 ID:/Ol2gCk6
あんじゅ(『怪物級(モンスター)』。その定義は、まだ完全ではないけれど…えっと、確か現状では…)

あんじゅ(十年に一人…時には百年に一人とも言われる、卓越した天性の才を授けられた…そんな人の事で。)

あんじゅ(例えば…スポーツ界で稀に現れる様な、たった一人で何万人もの観客を集めてしまう選手も…その可能性が高いとか。)


あんじゅ(まあ、これはあくまで可能性としての一例に過ぎないけれど。その基本的な考えとしては…)


あんじゅ(この広大な世界の様々な分野の場へと、極めてレアなケースで現れて。)

あんじゅ(そして、常識を超えたモノを内に宿した『イレギュラー』とも称される存在で。)

あんじゅ(その中でも、特に可能性が高いと言われているのが…『理屈抜きで周囲を魅了してしまう人』。)


あんじゅ(まだ不明慮な点も、色々と多いらしいけれど…今の時点では、こんな感じでの解釈だった筈よね。) 


穂乃果「…すぅ〜………」


あんじゅ「…『怪物級(モンスター)』…ね。」

110 ◆bK3.D2B8eM:2019/10/31(木) 08:05:03 ID:/Ol2gCk6
あんじゅ(我ながら、突飛な考えだって事は…自分でも分かってはいるけれど。)

あんじゅ(でも…もしも。このコを『それ』という存在だと、仮定するのであれば。)

あんじゅ(今日までのこのコに対しても、その説明は容易となってくると…正直、そう思えるのよね。) 


あんじゅ(『アイドル』とは『偶像』。それは本来、『人』から崇拝される…人ではない存在。)

あんじゅ(それならば『人』が『偶像』として、自分と同じ存在である人々から崇拝されるには?)

あんじゅ(その為には、数多くの他人よりも秀でた要素が。そんな絶対的な『何か』こそが、必須条件となるわ。)


あんじゅ(それには、様々な形が有る筈だけれど…もし私達の様な『若い女性』であったのならば。)

あんじゅ(最も多くて分かりやすい記号であり、そして『武器』になると考えられるもの…それは外観的要素。)

あんじゅ(主に、他者から見て優れた容姿。これである事には、きっと間違いないでしょうね。)


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