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>>2「>>2の3分クッキングの時間だよ!」 PartⅩⅩⅣ
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安価スレのようなそうじゃないよう
なSSスレ
前スレ(PartⅩⅩⅢ)
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前前スレ(PartⅩⅩⅡ)
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前前前前前スレ(PartⅩⅨ)
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前前前前前前スレ(PartⅩⅧ(再々))
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白いローブとファントムマスクを着ている
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ことり(棺の中のGODは白いローブを着ていて顔にはファントムマスクを着用していた)
ことり(ミイラや白骨をイメージしていたけど、マスクに隠れてない顔の部分を見るにちゃんと肉体が残ってるみたい)
ことり「ふーむ……」
ことり(そんなGODの肉体を恐る恐る眺めていると――)
ピクッ
ことり「え?」
ことり(GODの体が突然動き出し、白いオーラのようなものを纏って空中に浮かび上がる)
ことり「わぁぁっ!」ビクッ
ことり「な、何これ!?GODの肉体は封印されているはずじゃ……」
GODの器『その通り、私の肉体は封印されている』
ことり「……っ!?」
ことり(脳内に直接声が……目の前の浮いているGODが私に話しかけてるの?)
GODの器『私のことはGODの器とでも呼ぶといい、ソウルの力を失ったただの肉の器だ』
GODの器『器が眠ってる間に誰かが接触してきた場合だけ、GODとしての私の意識が表層に浮かんでくる仕組みになっている』
GODの器『といっても今の私は封印中の身であって出来ることは多くない』
GODの器『もしお主が本気で襲ってきたら抵抗できずに破壊されてしまうかもしれぬな』
ことり「…………」
-
ザッ
髑髏穂乃果「くくくっ、かつての火の指導者が何を言っているんだか」
髑髏穂乃果「そこらの盗掘家など指一本使わずに捻り潰せるだろう」
GODの器『それこそ何を言っているんだ』
GODの器『我が魔殿に潜って棺の場所まで辿り着ける者がただの盗掘家なわけ……ん?』
GODの器『そうか、もう一人のお主……アイツの器に触れているな』
GODの器『しかも触れただけではない、器の一部を身に宿しているのか』
髑髏穂乃果「その通りだよ、やはり同胞の匂いには敏感になるんだな」
ことり(アイツの器……?)
ことり「髑髏穂乃果、どういうこと?」
髑髏穂乃果「どういうことも何もない、言っただろ?私は以前に別の魔殿で最初の死者の棺を見つけたって」
髑髏穂乃果「その時、最初の死者は今のGODのように器の形で動き始めたんだ」
髑髏穂乃果「そして私の話――魔王によって心をバラバラにされ世界の外へ弾き飛ばされた私の話を聞いてくれた」
髑髏穂乃果「当時の私のことだから殆ど魔王に対する恨み節のようなものだっただろうな、話として成立していたかも怪しいうわ言」
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髑髏穂乃果「だがそれを聞いた最初の死者は、魔王に対抗するためと言って私に自らの器の一部を与えてくれた」
髑髏穂乃果「彼もまた魔王に世界を破壊された経験がある、何か思うところがあったんだろう」
ことり「へー、そんなことが……」
髑髏穂乃果「私の能力はもちろん大罪穂乃果としての側面もあるが、半分は最初の死者の器の力を使っている」
髑髏穂乃果「外郭界の生物に効果的な力が多いのはそのおかげだ」
ことり「なるほど通りで……不思議に強くて役立つ人だな思っていたよ」
髑髏穂乃果「GODよ!私たちは魔王、正確には初代魔王のソウルを使って作られた現代の魔王の痕跡を探している!」
髑髏穂乃果「もう二度と魔王が作られないために魔王に関係するものは全て探し出して回収しなくてはならないんだ」
髑髏穂乃果「GODも何か力を貸してはくれないだろうか!」
GODの器『そうだな……魔王のソウルの痕跡を探すならば>>518』
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ことりが「天の焔」を使いこなせば足跡をたどれる
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GODの器『私の棺を開けたお主が「天の焔」を使いこなせれば足跡を辿れるだろう』
ことり「天の焔……?」
GODの器『私には最初の死者のような戦いに有利になるような力を直接与えることはできない』
GODの器『どちらかといえば私はソウルを元手に新たな武具や道具を開発することを得意としていたからな』
GODの器『その中の1つが……「天の焔」』
ことり「それを使えば魔王のソウルを辿れるのか、どうすればいいの?」
GODの器『天の焔はとある焔のソウルから作られた道具、そのソウルと適性が無ければ扱えない』
ことり「え?じゃあ私には扱えないんじゃ……」
GODの器『尻込みするでない、お主に適性があるから私は提案したのだよ』
ことり「……?」
GODの器『天の焔の元になったソウルは最初の9つの1つ」
GODの器『「焔のソウル:天」という呼称で区別されていたソウルだ』
ことり「待って、同じような単語がいっぱい出てきた混乱してきた、1つずつ整理して良い?」
GODの器『うむ』
-
ことり「まず天って呼ばれてた焔のソウルから作った道具だから天の焔って名前……だよね」
GODの器『そうだ』
ことり「じゃあ次、最初の9つのソウルは世界が破壊された時に隔離空間に持って行かれて保護されたんだよね」
ことり「天は最初の9つの1つだから当然持って行かれた」
GODの器『その通り、何も起きて無ければ今も隔離空間に置かれているはずだ』
ことり「うーん……そこが不思議なんだけど」
ことり「どうして隔離空間にあるはずの縁もゆかりもないソウルと私の間に適性があるって分かるの?」
GODの器『縁やゆかりならあるぞ』
ことり「え?」
GODの器『最初の9つのソウルは特に強大なソウルだ』
GODの器『隔離空間に置かれたとは言えその影響力は変わらず、ソウルの力は自然と他の世界へと染み出す』
GODの器『9つの力は知らず知らずのうちに無数の世界へ影響を与えていたんだ』
GODの器『お主も影響を受けたその1人なのだよ……"ことり"』
ことり「……っ!」
ことり「私が……焔のソウルの影響を受けている?それにどうして急に私の名前を……」
GODの器『分かるさ、「焔のソウル:天」に影響を受けたもの、特に人間の名前は9割方がことりになるのだから』
-
GODの器『そして既に影響を受けているのなら話は早い、あとは資格を得て自らの魂を目覚めさせるだけ』
ことり「資格……?」
GODの器『そうだ、これからお前には資格を得るために「焔のソウル:天」がある場所への門を開いてもらう』
ことり「まさか……ソウルのある場所って……」
髑髏穂乃果「最初の火がある隔離空間のことか?」
GODの器『うむ、そのまさかだ』
GODの器『焔のソウルを生み出した最初の火、決して失ってはならぬそれを私たちが隠した場所』
GODの器『そこは焔(ホムラ)のソウルの世界、故に"ホムラ"という言葉と古代語で世界を意味する"ノンド"という言葉を合わせた名前で呼ばれている』
GODの器『"ホムノンド"――それが私たちが希望を託した最後の地の名前さ』
─────────────────
呪殺の魔殿
AM??〜?? 新終末編『279』了
-
というわけでここまで
最初の火と焔のソウル
それはホムノンド、そしてあの因子へと繋がっていく
次はことりちゃんが例の試練に挑戦
新終末編『280』に続く
かもしれない
-
をつ
-
新終末編『280』
─────────────────
──呪殺の魔殿・中心部
AM??
ことり「ホムノンド……?」
ことり(私はその言葉に聞き覚えがあった)
ことり(聞いたのは究極生物を倒した後のドアラランド跡での情報共有会の時)
ことり(究極生物を倒したサンシャイン高坂はホノムンドの力を現実世界に抽出したものだったという話)
ことり(ホノムンド、漢字で書けば穂圏)
ことり(穂圏は穂乃果因子に満たされた世界であって――その深部には全ての穂乃果因子の源、『根源たる穂乃果』が存在する)
ことり(ゴーストの話によれば穂圏を守護するのは9人の因子穂乃果)
ことり(ん?9人……?)
ことり(ちょっと待って、まさか因子穂乃果って――――)
GODの器『では試練の時間だ』
ボゥゥゥゥッ!!
ことり(私がその考えに至った瞬間、空中に浮かぶGODの器の手に炎が宿る)
ことり「えっと……それは?」
GODの器『最初の火の残り火だ、最初の火とは同じエネルギーを有している』
GODの器『まぁ最初の火と比較すれば微々たるものだが、人間にぶち当てるなら充分過ぎる濃度だ』
-
ことり「……うん、聞き間違いかもしれないからもう一度聞くね、その炎を誰にぶち当てるって?」
GODの器『お前だよっ!ことり!』
ブンッ!
ボォォォォォォォウッ!!
ことり「ひゃあああああああっ!?」
髑髏穂乃果「火だるまだな」
ことり(GODの器の投げた炎が私に当たって私の全身を包んだ)
ことり(だけど不思議と熱くはないし痛みも感じない、どちからといえば心地よい感覚)
ことり(暖かい、とても暖かくて気持ちいい、日だまりの中にいるような……)
シュィィィィィィンッ!
ことり(やがて炎は光の粒子となって私の中に入り込んでくる)
ことり(外も中も暖かさに包まれた私は意識が遠くなり――――)
────────
────
──
・
・
ことり(気がついたら、>>526な場所に立っていた)
ことり(意識がハッキリしない、夢と現実の狭間みたいな感覚)
ことり(白昼夢……的な世界なのかな)
-
穂乃果だらけ
-
ことり(周りを見渡すと穂乃果ちゃんだらけの空間だった)
ことり(床には穂乃果ちゃんが印刷されたカーペットが、壁には穂乃果ちゃんの壁紙が、床には穂乃果ちゃん人形が置かれている)
ことり(中々趣味がいい……じゃないじゃない)ブンブンッ
ことり(私は周りの可愛い穂乃果ちゃんグッズたちに気を取られないように心を落ち着かせて、白昼夢に似た空間を歩きだす)
サッ サッ
ことり(右を見ても穂乃果ちゃん、左を見ても穂乃果ちゃん)
ことり(そんな空間を歩いていくと穂乃果ちゃんの群れの中に1つだけ穂乃果ちゃんと違う存在がいた)
ことり「……!」
ことり(穂乃果ちゃん柄のソファに腰をかけた人)
ことり(その人は……私と瓜二つな姿をしていた)
-
ことり「あなたは……」
ことり穂乃果「私はことり穂乃果、はじ
めまして、私の元型を持つ人」
ことり「ことり穂乃果……もしかして因子穂乃果だったり?」
ことり穂乃果「そうだよ、9人いる因子穂乃果の1人が私」
ことり穂乃果「ここは私のプライベートルーム、あなたの世界と穂圏の間にある空間かな」
ことり「やっぱり……」
ことり(私の推測は当たっていた)
ことり(最初の火を隔離した場所こそが私の知っている穂圏、9つのソウルは因子穂乃果に対応している)
ことり「ねぇ、幾つか質問したいんだけど良い?」
ことり穂乃果「良いよ、でも先に試練の説明をしようか」
ことり穂乃果「私の元型資格を得るための試練の内容は>>529」
-
愛の証明
-
ことり穂乃果「試練の内容はズバリ愛の証明!」
ことり穂乃果「どんな形でも良いからあなたの愛を証明してくれたら元型資格をあげちゃいます!」
ことり「愛か……分かった、じゃあ私からも質問するよ」
ことり穂乃果「うん」
ことり「まず1つ目、私ここに来る時に変な炎に包まれたんだよね、アレが何か分かる?」
ことり穂乃果「そうだね、私に会うための条件は2つ――私の元型を持っていることと、大量の穂乃果因子を自らのものにしようとすること」
ことり穂乃果「私たちの影響を受けた元型持ちは強い能力者になりやすい、そんな能力者が人の身に余る量の穂乃果因子を悪用したら大変」
ことり穂乃果「だからそのタイミングで自動的に担当の因子穂乃果の元に呼ばれるわけ」
ことり穂乃果「変な炎ってのは知らないけど……たぶん穂乃果因子に関係するものじゃないかな」
ことり「ふむ……やっぱりあの残り火に包まれて感じた暖かさは穂乃果因子の暖かさだったのかな」
-
ことり(てことは残り火の元である最初の火が"根源たる穂乃果"と関係がある可能性も高くなったわけだ)
ことり「じゃあ次の質問、元型資格って?」
ことり穂乃果「内なる元型に目覚めると色々と特典があるのです」
ことり穂乃果「他の元型持ちと記憶を共有できたりー、因子能力という更なる能力に目覚めたりー」
ことり穂乃果「それをどこまで扱えるか決める資格が元型資格、全部私が決めて与えます」エッヘン
ことり(ことり穂乃果はソファの上で足を組みつつ、指を1本立ててクルクルと回しながら説明する)
ことり「なるほど、試練に合格すれば元型の力は全部使えるようになるの?」
ことり穂乃果「いいよ、この試練は難易度高めだからクリアできたら全部あげちゃう」
ことり「よしっ」
ことり(ことり穂乃果の言う元型の力が焔のソウルの力なら、この試練さえ突破すれば私にも天の焔が使えるようになる!)
グッ
ことり(さて……試練の内容は愛の証明だったね)
ことり(これをクリアするには>>532)
-
全てが終わった後の穂乃果との幸せ家族計画を熱くスピーチ
-
ことり(これをクリアするには私の熱い想いをぶつけるしかない!)
ザッ!
ことり「南ことり!スピーチさせて頂きます!」
ことり穂乃果「うんっ」
ことり「私には好きな人……ううん、愛してる人がいます」
ことり「その人の名前は高坂穂乃果ちゃん」
ことり「私と穂乃果ちゃんはお互いに愛し合っていて、まだ結婚式とかは挙げてないけと可愛い子供だっている」
ことり「私はね、もしこの戦いが終わったら――――」
・
・
ことり(私は自らの胸のうちにある穂乃果ちゃんへの想いをことり穂乃果に向けて叫ぶ)
ことり(私がいかに穂乃果ちゃんを愛しているかについて)
ことり(全てが終わった後に結婚式はどこでどんな風に挙げるか、どんな家に住むか、子供は最終的に何人欲しいか)
ことり(穂乃果ちゃんと作っていく綿密な幸せ家族計画を熱くスピーチしていく)
ことり(でも……)
ことり穂乃果「……で、それだけ?」
ことり「え?」
ことり穂乃果「それだけじゃあ……まだまだ足りないんだよねぇ」フワーァ
ことり「う、嘘っ!」
ことり(私としては100%の想いをスピーチしてるつもりなのに、ことり穂乃果は退屈そうに欠伸をする)
ことり(これだけやってまだ足りないってこと!?)
-
ことり穂乃果「確かにあなたの想いは暑苦しいほど伝わってくるよ」
ことり穂乃果「でもそれは"あなたの想い"だけ、全元型の代表となって因子能力を操る資格には値しないかな」
ことり「……っ!そんなこと言われても……」
グッ
ことり(ことり穂乃果の言っていることは何となく分かる)
ことり(私の想いだけじゃ足りない、つまりは"他の私"の想いも背負わなきゃいけないということ)
ことり(私と同じ元型を持つ他世界の南ことりが穂乃果ちゃん対して持つ想い)
ことり(全ての元型の南ことりとしての愛の証明をしなくてはならない)
ことり(だけどそんなもの、どうやって知ったら、表現したら…………)
ガクッ
ことり(私は体の力が抜けて床に膝をついてしまう)
ことり(そのまま両手を床について、諦めたように両目を閉じた……その瞬間)
ことり(私の中に声が聞こえた)
ほのリル『何を臆している』
ことり(……ほのリル?)
ほのリル『外郭界に来てから調子が悪くて少し寝ていたが、起きたら随分と弱気な顔をしているじゃないか』
ほのリル『この試練に対して尻込む必要がある、お前ならできるはずだ』
ことり「で、でも……」
ほのリル『お前は種族も立場も違う私と心を通わせた唯一の人間なんだぞ』
ほのリル『別の世界とは言え相手は自分、私に比べたら難しいことではない』
ほのリル『それにお前は実際にもう一人の自分と出会っている、その想いを聞いている』
ことり「ほのリル……」
ほのリル『ここが正念場なのだろう?ならばお前の持てる全てをぶつけろ!諦めるんじゃない!』
ことり「……うん、そうだね、ありがとうほのリル!」
-
ダンッ!
ことり(私は気持ちを入れ替えて立ち上がる)
ことり(そして胸に手を当ててしっかりと思い出す)
ことり(私を励ましてくれたほのリルと始めて出会った時のこと、それに私が出会ったもう1人の私が抱いていた熱い想いを――)
ギュッ
ことり「私1人で足りないのなら!あの子の分まで届けてあげる!」バッ!
ことり「ちゃんと聞いてね元型さん、これが私たち……"南ことり"の愛なんだから!」
キュィィィィィィィィィンッ!!
ことり(私の持てる能力を限界まで使って、私とミナリンスキー……ううん!全ての私の想いをぶつける!)
カッ!!
ことり「ぴゅあぴゅあマカロン――!」
─────────────────
呪殺の魔殿中心部〜ことり穂乃果ルーム
AM??〜?? 新終末編『280』了
-
というわけでここまで
全力のスピーチは届くのか
新終末編『281』に続く
かもしれない
-
新終末編『281』
─────────────────
──ことり穂乃果ルーム
AM??
ことり「ぴゅあぴゅあマカロン――Heart Synchro Macaron!」
ポワンッ!
ことり穂乃果「へぇ……」
ことり(このハートシンクロは初めてほのリルちゃんと出会った時に使ったマカロン)
ことり(気持ちを通じあわせた相手とシンクロできるマカロンだ)
ことり(今ほのリルちゃんが声をかけてくれなかったら、これを使うという考えは浮かばなかった)
サッ
ことり(私は空中に浮いて優しい光を放っているマカロンに手をかざして目を閉じる)
ことり「これは心を重ねるためのマカロン」
ことり「私はこれを使って……私自身と心を重ねるっ!」
キュィィィィィィィィィンッ!
ことり(相手と同じ気持ちを持てばシンクロできる、逆に言えば最初から同じ気持ちを持ってる相手なら直接合わなくてもシンクロできるということ)
ことり(もちろん言うほど簡単な話じゃない、でも自分自身が相手なら成功する確率は上がる!)
ことり(穂乃果ちゃんが好きという気持ちをキーワードに検索すれば他の世界の私とだって……)
ピンッ!
ことり(見つけた!)
ことり(瞼を閉じた私の視界、真っ暗なその中に見たことのない景色が浮かび上がってくる)
ことり(これが他の世界の私が見てる景色なんだろう、じゃあまずこの私とシンクロ!)
キュインッ!
ことり(……できた、他の世界の私の意識と記憶が私に流れ込んでくるのが分かる)
-
ことり(よし、この調子で2人目3人目!)
キュインッ! キュインッ!
ことり(4人6人8人……いやもっと!)
キュインッ! キュインッ! キュインッ!
ことり(10人!20人!30――)
ズキッ!!!!
ことり「ぐっ!?」
ガクンッ!!
ことり穂乃果「あれ?また膝ついちゃったね、苦しそうだけど大丈夫?」
ことり「はぁ……ぐっ……ぐあっ……」
ググッ
ことり(シンクロを発動した瞬間に酷い頭痛と吐き気が襲って私は立っていられなくなる)
ことり(なにこれ……私の中に……頭が……脳に流れて……溢れて……)
ほのリル『バカっ!一気にやりすぎだ!1人ずつ慎重にシンクロしていけ!』
ほのリル『シンクロはお前の魂の領域に他の1人分のスペースを作って共有するのと同じことなんだ』
ほのリル『しかも相手は別次元の存在!次元を超える負荷がかかる中で無理やり詰め込んでいったらパンクするぞ!』
ことり「はは……自分がけしかけたくせにやけに心配性だなぁ、臆してるのはそっちじゃないの……?」ゲホゲホッ
ほのリル『私っ、オレは諦めるなと言ったが自殺行為をしろと言った覚えはねえっ!』
グググッ
ことり「大丈夫だよ、私は不可能を可能にできる女の子だから……」
ほのリル『ことり……』
ことり「私の……私たちの愛は……世界も次元も超えられるって証明するんだっ!!」
キュインッ!
ことり「……え?」
ことり(その瞬間、私の中に誰かの意識が流れ込んでシンクロした)
-
ことり(どうして?今私は自分からシンクロしてないのに――)
ミナリンスキー『……全く、他の世界のことりの意識を入れるくらいなら先に私を呼んでよね』
ことり「ミナリンスキー!?」
ミナリンスキー『後回しにされてるみたいで不愉快だったから自分から来ちちゃったじゃない』
ことり(間違いない、今私の中に入ってきてシンクロした意識はミナリンスキーだ)
ことり(他に取り込んでシンクロしている『他世界の南ことりの意識』より私本体と近い場所)
ことり(ほのリルと同じくらい私と近い場所で、私に話しかけてくれている)
ことり「どう……して……」
ミナリンスキー『こっちもびっくりしたんだよ、伊勢湾から帰ってる途中で急にあなたの呼び声がしてと思ったらウトウト』
ミナリンスキー『いつの間にか眠ってしまって、気がついたらあなたの魂の中、変な夢を見てるみたいで妙な気分』
ミナリンスキー『でも……夢じゃないんだよね?』
ことり「うん、ミナリンスキーの意識は私が能力で呼んだものだと思う」
ミナリンスキー『分かった、でもどうして私だけ普通にことりと話せるんだろう?"他のことりの意識"はただの情報存在みたいだし』
ほのリル『……推測でしかないが、ミナリンスキーは一応同じ世界に存在していて、更に一度ことりと直接出会って会話を重ねている』
ほのリル『そういう点で他のことりよりシンクロ率が高いのかもしれない』
ミナリンスキー『なるほど……』
-
ミナリンスキー『そういうわけなら私も協力するよ、魂の中でしか動けないけどことりの負荷が減るように頑張ってみる』
ことり「ありがとう……っ、じゃあ私も本気出さないとね……!」
ググッ!
ことり「不可能を可能にする……私のとっておきのマカロンでっ!」
ポワンッ!
ことり(私はハートシンクロを残したままマカロン砲を再召喚して、銃口を空中に浮いてるハートシンクロのマカロンへ向ける)
ことり(この技は他のマカロンと合わせて使うと、合わせたマカロンの能力を強化することができる技)
ガチャッ!
ことり「I Love You Macaron!!」
ドンッ!!
ことり(マカロン砲から発射されたハート型のエネルギー弾、それがハートシンクロマカロンに直撃)
ことり(強化されたハートシンクロマカロンは更に光を増して>>541の形に変化する)
-
虹色マカロン
-
ことり(マカロンは分裂して百を超える虹色マカロンに変化する)
ことり(各色のマカロンが空中に浮かんで綺麗な虹色のグラデーションを作り出す)
ことり(これが新しい合体マカロン技)
カッ!
ことり「Love Heart Synchro Rainbow Macaron!!」
ミナリンスキー『……名前長くない?』
ことり「いいの、適当につけてるんだから」
ことり「このマカロンはハートシンクロの強化版、かなりの心の力を使うけど一斉に大人数とシンクロができる」
ことり「さぁ来て――――私たちっ!」
パパパパパパパパパパパパッ!!
ことり穂乃果「おおっ」
ことり(私が力を込めたその瞬間、周囲に浮いてるマカロンを台座のようにして人の姿が投影された)
ことり(百を超えるマカロンから投影されたホログラム、それは全て私と同じ顔をしている)
ほのリル『すごいな……これが全てことりがシンクロした別世界のことりたちか』
ほのリル『年齢も服装もバラバラだがことりの面影は感じられる』
パッ!
ことり(そして私の隣のマカロンにはミナリンスキーの姿が現れた)
ミナリンスキー『おっ、私も出てこれたみたいだね』
ことり「うんっ」
-
ことり(大勢の自分の幻影を背後に展開した私は自信を持ってことり穂乃果の前に立つ)
ザッ
ことり「ことり穂乃果……私分かったよ」
ことり穂乃果「……ふむ」
ことり「これだけ多くの別世界の自分の意識と記憶が一斉に流れ込んできて混乱したけど、ちゃんと読み込んでいけば1つだけ確かなことがあった」
ことり「どの世界の私にも共通する確かなこと、変わらない絶対事項があったんだ」
ことり「それはね、例えどんな世界でも私はやっぱり穂乃果ちゃんが大好きってこと」
ことり穂乃果「…………」
ことり「見れば分かるけど、私の後ろに浮かんでる"私たち"はそれぞれ別の道を歩んできた私たち」
ことり「私と同じように平和な世界でスクールアイドルやってる私がいれば、スクールアイドルをやってない私もいる」
ことり「大学生になって穂乃果ちゃんと同居してる私がいれば、別々の学校で離れ離れになった私もいる」
ことり「中にはずっと片思いで話かけられなかった、友達にすらなれなかった私だっている……」ギュッ
ことり「それに、急に穂乃果ちゃんが魔王に目覚めちゃったりしたこともあったっけ……」
ミナリンスキー『ことり……』
ことり「世界自体が私の世界と全く違う私だっていっぱいいる」
ことり「戦争が起きた世界、文明が滅びた世界、植物に支配された世界、AIが人類の友達になった世界、人類が外宇宙に進出した世界」
ことり「そこで私は穂乃果ちゃんたちと一緒に頑張って生き延びたり、時には人型ロボットに乗って穂乃果ちゃんと敵対することもあった」
ことり「私と穂乃果ちゃんが人間ですらない世界だってあった」
ことり「でもね、例えどんな世界でも変わらなかったんだよ」
ことり「2人がどんな関係性だろうと、どんな選択肢を選ぼうと、どんな人生を歩んでも……」
グッ
ことり「私は――何度だって穂乃果ちゃんを好きになる!」
ことり「これが愛の証明じゃなかったらなんだって言うの!!」
-
ことり穂乃果「…………」
ことり(私が見る、私たちが見る)
ことり(ソファに座ることり穂乃果を百を超える私たちが見つめる)
ことり(それぞれの世界で穂乃果ちゃんを愛してきた私たちの想いが届くことを願って…………!)
タンッ
ことり穂乃果「……分かった、合格だよ――ことりちゃんたち」
ことり「…………っ!」
ミナリンスキー『やっ……』
ことり「やったあああああああああああああああっ!!」
ことり(私は思わず飛び上がり、隣にいるミナリンスキーに抱きつく)
ことり「やったああああっ!やったよおおおおおおおっ!」
スカッ
ことり「ううっ……ホログラムだから抱きつけない……」
ミナリンスキー『まぁまぁ、あなたの嬉しさは分かるよ』
ことり穂乃果「ことりちゃん、合格したから私の元型の全権限をあなたに譲渡するよ」
ことり穂乃果「それで私固有の因子能力の説明なんだけど、これを使うと穂乃果因子で>>545」
-
穂乃果とシンクロ出来る
-
ことり穂乃果「これを使うと穂乃果因子を使用して穂乃果とシンクロができるようになる」
ことり「穂乃果ちゃんと……?その穂乃果ちゃんの定義は?」
ことり穂乃果「穂乃果の元型を持つ穂乃果なら誰でもオーケー、シンクロしたい相手をイメージすればいいよ」
ことり「なるほど」
ことり「因子能力ってのは穂乃果因子を燃料にして使う能力だから因子が周りにないとダメなんだよね?」
ことり穂乃果「そうだよ、燃料切れに気をつけてね〜」
ことり穂乃果「そうだ、あとそっちのことりちゃんにも記憶共有くらいの権利上げるね」
ことり穂乃果「私の部屋に来てそれだけ自我を保ててるなら元型に目覚めてそうだし」
ミナリンスキー『オマケみたいで癪だけど……貰えるものは貰っておくよ』
ミナリンスキー『じゃあ私はこの辺で退散して目覚めようかな――』
ことり「あ、待ってミナリンスキー!」
ミナリンスキー『ん?』
ことり「私たちが今外郭界を探索してるのは知ってるよね」
ミナリンスキー『うん』
ことり「実はこれから……旧魔王、あなたにとっての穂乃果ちゃんを探そうと思ってるんだ」
ミナリンスキー『…………!』
ことり「……何か、何かっていうのも変だけど、もし見つけられたら何か伝えておくことはある?」
ミナリンスキー『そう……だね、>>547』
-
くまさんパンツを盗んだのは私です
-
ミナリンスキー『くまさんパンツを盗んだのは私だって言っておいて』
ことり「くまさ……そんなことでいいの?」
ミナリンスキー『他人の口から伝えるのはそんなことでいいよ』
ミナリンスキー『本当に伝えたいことは本人が帰ってきた時に自分の口から伝えるから』
ことり「ミナリンスキー……」
ミナリンスキー『じゃ、うちの穂乃果ちゃんこと宜しくね!』
シュンッ!!
ことり(それだけ言い残すと精神体のミナリンスキーは消失する)
ことり「じゃあ私も戻ろうかな、ことり穂乃果もありがとう」
ことり穂乃果「別に、これが私の役目だからお礼は要らないよ」
-
ことり穂乃果「しかしこれで資格所有者が3人か……この短期間にそれほどの人数が試練を突破するなんて聞いたことがないなぁ」
ことり穂乃果「目覚める者が多いということはそれだけ力を欲するものが増えているということ」
ことり穂乃果「つまりは力を欲さなければ生きられない危機に世界は瀕している」
ことり穂乃果「それは世界の終末を意味しているのか……はたまた新たなる始まりを意味しているのか」
ことり「……?」
ことり穂乃果「ま、暇人の戯言だよ、気にする必要はない」
ことり「う、うん」
ことり「じゃあ……今度こそ私も帰るね」
スゥーー
ことり(ことり穂乃果の気になる言葉を耳に残しつつ、私は頭の中で帰ることを意識する)
ことり(すると私の意識は段々と朧げになって、目の前の景色が歪んでいく)
ことり(まるで……夢から覚めるように……)
ことり(そして、私はことり穂乃果の部屋から帰還したのだった)
─────────────────
ことり穂乃果の部屋
AM??〜?? 新終末編『281』了
-
というわけでここまで
戻ります
新終末編『282』に続く
かもしれない
-
をつ
そもそもマカロン砲の能力自体が穂乃果への愛を具現化したものじゃなかったっけ
-
そうですね
溢れてたまらないことりちゃんの愛の気持ちを制御するために作られた能力がぴゅあぴゅあマカロンです
今回は元型の試練なのでもうちょっと工夫してみた感じかと
では本編へ
-
新終末編『282』
─────────────────
──呪殺の魔殿・中心部
AM??
フッ
ことり(次に意識が戻った時、私は棺がある例の石室に立っていた)
ことり(良かった……ちゃんと元の場所に戻ってこれたんだ)
髑髏穂乃果「ことり!」
ことり「髑髏穂乃果……私はどのくらいこうして立っていた?」
髑髏穂乃果「そう長くない、1分くらい気絶したように突っ立っていただけだ」
髑髏穂乃果「それで焔のソウル天とは適合できたのか?」
ことり「焔のソウル天……」
ことり(ああ、一瞬なんのことかピンと来なかったたけど、ことり穂乃果の元型資格のことか)
ことり(同じ対象について穂圏と外郭界でそれぞれ別の用語で呼んでるから混乱するなぁ)
ことり「うん、向こうでの経験からソウルの適正はできたと思う」
髑髏穂乃果「そうか、上手くやったようだな」
GODの器『ふむ……私の目にも見えるぞ、お主の中のソウルの力が行く前よりも強くなっている』
GODの器『約束通り私からは天の焔を与えることにしよう』
ことり「…………」
ことり(そう言うとGODの器は自分の棺から>>554のような形の道具を取り出す)
ことり(あれが……天の焔?)
-
ひょっとこのお面
-
ハレンチなマッサージ器
-
ことり(ひょっとこのお面のような形の道具……あれが天の焔なの?)
GODの器『受け取れ』
ヒュンッ!!
ことり「わわっ!」パシッ
ことり(受け取った天の焔はひょっとこの面という以外は特に変わったところはない)
ことり(何の素材で出来てるかは分からないけど軽くて薄い面、丈夫そうで少し力をかけたくらいでは折り曲がらないみたいだ)
ことり(これが焔のソウルから作られた古代のすごい道具……だとは思えないなぁ)
ことり「これ使い方はどうするの?お面だから被ればいいのかな?」
GODの器『そうだ、被ることで面を通して魔王のソウルの痕跡を探索することができる』
ことり「へぇ〜、でもどうせならGODみたいな格好いい仮面が良かったな」
GODの器『これは私専用のデザインなんだ、お主はその面で我慢してくれ』
ことり「ひょっとこかぁ……」
-
髑髏穂乃果「GODの器、一段落ついたところでまた少し私から質問していいか?」
GODの器『なにかな?』
髑髏穂乃果「この呪殺の魔殿の外で魔殿の主という女に出会った、名前は呪井幸子という女だ」
髑髏穂乃果「やつが言うには魔殿の中心部に入ると『神の神殿』への鍵を手に入れるチャンスを得られるという話」
髑髏穂乃果「ことりが最初の火の隔離空間へ行くことは出来たが、それと神の神殿はまた別の存在だと私は思う」
髑髏穂乃果「GODの器、お前は何か心当たり無いか?」
GODの器『神の神殿か……>>558』
-
昔住んでた実家
-
GODの器『あそこは昔住んでた実家だな』
髑髏穂乃果「……実家ぁ?」
GODの器『ああ、私を含めて何人かの仲間が暮らしていた実家みたいな神殿さ』
GODの器『世界崩壊後は当然誰にも使われてないと思うが……鍵が欲しいのなら棺に入ってるから持っていくといい』
ことり「いいの?呪井幸子の言い分だと鍵を得るには更なる試験的なものが必要って感じだったけど」
GODの器『そうは言われてもな、逆に私にはそこまでの価値が感じられないから困る』
GODの器『私の記憶が正しければあそこは本当に何も無いはずだぞ、入りたいのなら好きにすればいい』
GODの器『試練が必要だと言うのなら焔のソウルの試練をクリアした副賞で良いだろう、持っていけ』
ことり「う、うん……ありがとう」
スッ
ことり(私は棺を覗きこんで鍵らしきものを手に取る)
ことり(因子能力に天の焔、更に神殿の鍵まで色々貰ってしまった)
ことり(1つの試練で貰えるものがやたら多いなぁ)
髑髏穂乃果「では最後に1つ、呪井幸子という存在について知ってることは?」
髑髏穂乃果「どうも私はあいつの言動が少し信じられなくてな……お前は知ってるのか?」
GODの器『>>560』
-
全ての祖の成れの果て
-
GODの器『直接は知らない、だが今この外郭界において人間型の生物は存在しない』
GODの器『髑髏穂乃果が教えてくれたフードマンというお客様たちを除けばな』
髑髏穂乃果「じゃあ……あいつは、呪井幸子はなんなんだ?」
GODの器『考えれる可能性とすれば……成れの果て、全ての祖の成れの果てだ』
ことり「なにそれ?」
GODの器『古の時代、私たちが焔のソウルを使って世界を切り開いて国を興していた頃、その過程でソウルの切れ端が出ることがあった』
GODの器『私たちはそれをソウル屑と呼んでいた、薪で火を起こした際に出る煤のようなものと考えてくれればいい』
GODの器『ソウル屑は弱々しいエネルギーで1つの1つの欠片では何の形になることもできない』
GODの器『だが微量でもソウルに変わりはない、長い時間をかけて数千数万の欠片が寄り集まって人の形を取ることがあるんだ』
GODの器『私たちはソレを全ての祖たる最初の火の成れの果て――『成れ果て』と呼称した』
GODの器『私たちの時代にもソウル屑から生命体が生まれたケースがいくつかあった』
-
GODの器『……ま、全て漏れなく鎮圧したけどね』
髑髏穂乃果「幸子も成れ果てだと?」
GODの器『おそらく世界が崩壊して外郭界となってから、長い長い時間をかけてソウル屑が集まって成れ果てとなったんだろうな』
GODの器『成れ果ては27のソウルから溢れたソウルの切れ端、種類は様々で姿にもこれと言った決まりはない』
GODの器『だからお主の見た幸子が成れ果てと言い切ることはできんが……可能性は十分高い』
髑髏穂乃果「なるほどな……」
ことり「成れ果て……ねぇ」
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呪殺の魔殿
AM??〜?? 新終末編『282』了
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というわけでここまで
次は外に戻ります
新終末編『283』に続く
かもしれない
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新終末編『283』
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──呪殺の魔殿
AM??
ことり「呪井幸子が成れ果て?成れ果ては味方なの?」
GODの器『さぁな、味方か敵かはそいつ次第だろう』
GODの器『成れ果てはソウルの欠片から生まれた不安定な存在だからハッキリとした言及ができない』
GODの器『本人の精神面も不安定なことが多いから交渉を望むのなら注意することだな』
ことり「……そっか、気をつけておくよ、ありがとう」
髑髏穂乃果「よし、聞くべきことは聞いたし私たちは外に戻るか」
ことり「あ、ちょっと待って!」
髑髏穂乃果「ん?」
ことり(踵を返して石室の入り口へ行こうとした髑髏穂乃果を呼び止める)
ことり「私1つ思い出したことがあるんだ」
髑髏穂乃果「思い出したこと?」
ことり「うん、私……たぶんGODの魂を今持ってる人を知ってる」
GODの器『ほう』
ことり「直接会ったわけじゃなくて話で聞いただけなんだけど、冥界のGODの里って所に魂の浄化を専門にする神様がいるんだって」
-
ことり「ポポポポーンちゃんたちが働いていた場所の主で、名前はGODって言うらしいよ」
髑髏穂乃果「そのまんまだな、魂を扱っているのもそれらしい」
GODの器『ふむ……私の物だったソウルは無事に輪廻転生の輪に乗っているようだな、安心した』
GODの器『教えてくれて感謝する、安心したついでに私の魂を持つ者たち宛にプレゼントを届けてはくれないか?』
ことり「プレゼント?」
GODの器『私が現役の時に使っていた道具だ、私のソウルと慣れ親しんでる者なら使えるだろう』
ポイッ
ことり(そう言ってGODの器がこちらに念動力?的な見えない力で何かを投げてきた)
ことり(投げられてきたそれは>>566)
-
ボンテージと手錠
-
ことり(投げられてきたそれはボンテージ衣装と手錠だった)
ことり「その棺本当に色んなものが入ってるね……」
GODの器『自分の肉体を封印する際に自分で色々詰め込んだからな』
GODの器『一度封印すれば完全回復するまで棺から離れることはできなくて暇なのだよ』
GODの器『大半は意識まで封印して眠っているが……お主のような来訪者が来た時は起きて対応せねばならん』
ことり「はは……起こしてごめんね」
GODの器『構わんさ、お主たちが立ち去ればまた寝るだけさ』
ことり「じゃあ今度こそ帰ろうか、髑髏穂乃果も待たせてごめんね」
髑髏穂乃果「別にいい、急ぐぞ」
ことり「うんっ」
タタタッ
ことり(私は多めのお土産を持って髑髏穂乃果の後ろを歩きだす)
ことり(待たせてるダヨオやリホ様のことも心配だし、急がないと……!)
-
・
・
・
──呪殺の魔殿・入り口
ダヨオ「ふーむ……」
ダヨオ(私がかすみちゃんを連れて小型ピラミッドから戻ってきた時、既にことりちゃんたちは魔殿の中に入っていた)
ダヨオ(魔殿の扉は閉じられていて私やリホ様が入ることはできない)
ダヨオ(つまり私はここで2人が帰ってくるのを待ってるしかないんだけど……)
ダヨオ「……うーん?」ジーッ
幸子「よっ!ほっ!」
ダヨオ(さっきから幸子は>>569してるけど……これは何をしてるんだろう?)
-
裸芸
-
ダヨオ(さっきから幸子は裸芸をしてるけど……これは何をしてるんだろう?)
幸子「はっ!よっ!」
ダヨオ(幸子は全裸になっていて、脱ぎ捨てた外套を使って上手く危ないとこだけを隠したりしている)
ダヨオ(見えそうで見えない芸……というやつなのかな)
かすみ「先輩先輩、あの変態は何なんです?」
ダヨオ「私に聞かれても分からないって……」
かすみ「でも怖いですよ、何かされたら私怖くて困っちゃいます〜!」ギュッ
ダヨオ「……うーん」
ダヨオ(かすみちゃんは私の後ろで私の服を掴みながらわざとらしくプルプルと震えている)
ダヨオ(私としては裸芸くらい放置してても良いんだけど、かすみちゃんとの絡みが疲れそうので仕方なく聞きに行くことにした)
スタスタ
-
ダヨオ(本人に聞く前に……まずはリホ様にかな)
ダヨオ「リホ様、リホ様は幸子があんなことしてる理由が分かる?」
リホ様「さぁ?私はことりたちが中に入った時からずっとここに立っていましたが……あの人の考えはさっぱり分かりませんね」
ダヨオ「そうなんだ、あの裸芸はどのくらいしてるの?」
リホ様「ことりたちが中に入って数分後くらいでしょうか、突然服を脱ぎだしてやり始めました」
リホ様「不気味だったのと近寄りたくなかったので触れないようにしてましたね」
ダヨオ「……そっか、じゃあ私が聞いてくるよ」
リホ様「大丈夫ですか?」
ダヨオ「うん、私には奇跡術式とラッキーパンツがあるし最悪の事態は2回までなら回避できる」
ダヨオ「もし何かあったらリホ様はかすみちゃんを守るほうを優先して」
リホ様「そうですか、お気をつけて」
ダヨオ(リホ様と会話を終えた私はちょっと離れた場所で裸芸をしている幸子の元へ行く)
スタスタ
ダヨオ(晒された真っ白な肌とヒラヒラひらめく黒いマントのコントラストが見る人にとっては芸術的……だったりするんだろうか)
ダヨオ(ともかく私は幸子に話しかけてみることにした)
ダヨオ「幸子……何でそんなことしてるの?」
幸子「おやおや、見事ナンパチャレンジを成功させた客人じゃないか」
幸子「私が今行っているのはとある踊り、この踊りは>>572」
-
このダンジョンをクリアされたことを残りのダンジョンとフードマンに伝える
-
幸子「このダンジョンをクリアされたことを残りのダンジョンとフードマンに伝える踊りなのさ!」
ダヨオ「え……?」ピクッ
ダヨオ(私は幸子が言ってることの意味が一瞬理解できなかった)
ダヨオ(ダンジョンをクリア……?フードマン……?伝える……?)
ダヨオ「……っ!」
ダヨオ(そして一瞬の後、私が事実を理解した時には全てが遅かった)
幸子「はい、連絡完了」バッ!
シュンッ!!
ダヨオ「幸子っ!!」
ダヨオ(私が慌てて手を伸ばした先で幸子は自分の体全てを覆い隠すように黒いマントを翻しす)
ダヨオ(私はマントの端を掴むことには成功するものの、その向こうに幸子の体の感触は無かった)
ダヨオ(音を立てて地面に落ちる大きなマント、呪井幸子の体は完全にその場から消失してしまっていた)
ダヨオ「……くっ!」
リホ様「どうしました!?」
ダヨオ「幸子がフードマンと繋がってた!私たちのことを伝えられちゃったみたい!!」
リホ様「なっ!!」
-
ダヨオ「初めから支配下にあった?それとも協力関係?いや、今更考えても仕方ないっ」
ダヨオ「増援が来るかもしれないから急いでここから離れないと!」
リホ様「でもことりたちがまだ来て――」
ガチャッ
ことり「あれ?どうしたの?」
髑髏穂乃果「何やら慌ただしいな」
ダヨオ「よし来た!ナイスタイミング!」
ダヨオ(慌ただしくしていた私たちの横で、丁度良く魔殿の扉が開いてことりちゃんたちが出てきた)
ダヨオ「ことりちゃん!何か成果はあった!?」
ことり「へ?あ、あったよ、中では色々と――」
ダヨオ「あったならよし!今はこの場から離れることを優先するよ!」
かすみ「先輩?」タタッ
ダヨオ「かすかすちゃんも来て!」
グイッ
かすみ「だからかすかすじゃなくて……ええっ?」
タタタタタッ!
ダヨオ(私はことりちゃんとかすみちゃんの手を掴んで船の方向へ走り出す)
ダヨオ(説明が足りないけど説明は船に乗ってからすればいい)
ダヨオ(今はとにかくこの魔殿から離れないと…………っ!)
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呪殺の魔殿
AM??〜?? 新終末編『283』了
-
というわけでここまで
慌ただしくなります
新終末編『284』に続く
かもしれない
-
をつ
-
新終末編『284』
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──ナグルファル内・通路
AM??
ダヨオ「はぁ……はぁ……」
髑髏穂乃果「全く、焦らせれて船に乗ったはいいものの事情が全く分からんぞ」
ことり「何かあったの?」
ダヨオ「うん、説明はするよ、フリュムたちのいる部屋まで行ってから話すことにするよ」
ダヨオ「どうせ皆に話しておかなきゃらないし―――」
タタタッ
・
・
・
──操舵室
ダヨオ「――ってことが起きたんだよ」
ことり「幸子が……情報を流してた?」
ダヨオ「うん」
髑髏穂乃果「なるほど……フードマンや他のモンスターに今の私たちの情報を知られるのはかなりに不味いな」
髑髏穂乃果「フードマンの拠点はまだまだ遠いだろうからすぐに本隊がやってくることは無いだろうが、それでもこの場は離れたほうがいい」
ダヨオ「やっぱりそう思うよね」
髑髏穂乃果「フリュム!」
フリュム「分かってらぁ!全速前進でピラミッドから離れてる最中だ!」
ガララララララララッ!!
ことり「そうだポポポポーン、あなたに見てもらいたいものがあったんだよね」
ポポポポーン「はい?なんでしょう」
ことり「これ、GODのソウルに親しんだ関係者なら使えるらしいんだけど、里で働いてたポポポポーンなら何か分かるかな?」
ポポポポーン「ふむ……」
ことり(ポポポポーンにボンテージと手錠を手渡してみる、すると>>578)
-
女王様に変身してことりを調教しだした
-
ポポポポーン「はっ!」ピクッ!
バシュンッ!!
ことり(ポポポポーンがボンテージを受け取った瞬間にポポポポーンの体を煙が包む)
ことり(そして煙か晴れるとポポポポーンは女王様スタイルに変身していた)
ことり「なんで……?」
ポポポポーン「おだまりっ!」
ことり「ひっ!」
ことり(なぜか中身まで女王様化してるみたいだった)
ポポポポーン「口答えしないで犬みたいに四つん這いになりなさい!」
ことり「は、はいっ!」
ガバッ!!
髑髏穂乃果「何をしている……?」
ことり「いや、私も分かんない、でもどうしてかポポポポーンの言葉に逆らえない気がするんだよ」
ポポポポーン「わんわんと鳴くんだよ!」
ことり「わんわんっ!」
髑髏穂乃果「ふーむ……これはGODの道具の効果と考えるのが自然か」
-
髑髏穂乃果「かつてのGODはソウルを加工する力に長けていて、今のGODも魂関係の能力に長けている」
髑髏穂乃果「それでソウルに適合したことりが調教されたかのように支配されてるのを見るに……」
髑髏穂乃果「GODの道具はソウル持ちを操れる能力があるのかもしれない」
ことり「待って待って!じゃあ私はどうすればいいのわん!?」
髑髏穂乃果「支配と言っても相手はGOD本人ではないポポポポーンだ、完全に抵抗できないわけじゃないはず」
髑髏穂乃果「女王様スタイルと言動に驚かずにしっかり気を保て」
ことり「う、うん……」
レイ「ダヨオさん!ちょっと窓から外の様子を見てみてください!何かに追われてたりはしませんよね?」
レイ「レーダーが当てにならないので目視確認をお願いします!」
ダヨオ「わかった!」
タタタッ
ダヨオ「えーっと……今の船の周りは>>581」
-
ずーっと砂砂砂・・・・はっ!誰かに呼ばれてるからちょっと行ってきます
-
ダヨオ「ずーっと砂砂砂、今のところは何も見当たらないし追ってきてるやつもいないよ」
レイ「そうですか、ですが念の為に監視を続けて――」
ダヨオ「ああっ!!」ビクッ
レイ「ど、どうしました?」
ダヨオ「私……その……誰かに呼ばれてるような気がして……」ソワソワ
ダヨオ「ちょっと行ってくるね!」
タタタッ
バタンッ!
レイ「ダヨオさん?」
リホ様「いきなり操舵室を飛び出してどうしたんでしょうか……トイレ?」
レイ「さぁ?」
かすみ「あのっ!私探してきますね!」タタタッ
リホ様「かすみまで……仕方ありませんね、私が代わりに外を見ておきましょう」
レイ「お願いします」
-
ことり(ダヨオちゃん……?)
ことり(いきなり何かに操られたみたいにフラフラと部屋を出ていってしまうダヨオちゃん)
ことり(すごい気になるけど……ポポポポーンの犬と化してる今の私は身動きがとれないっ!)
グググッ
髑髏穂乃果「どうすることり?私の能力でポポポポーンを気絶でもさせるのが手っ取り早いと思うが」
ことり「だいじょ……ぶ……気力で何とかする……わん」グググッ
髑髏穂乃果「本当か……?」
ことり(髑髏穂乃果が言ってた通り、これは気持ちの問題だ)
ことり(いわばポポポポーンはGODの近縁ってだけの仮使用者、GOD自身のような本使用者ではない)
ことり(だとすれば何処かに抜け道があるはず……!)
グググッ
ことり(髑髏穂乃果に手を貸してもらえば私が無駄に頑張る必要はないけど、これは私にとっての練習だ)
ことり(今後ポポポポーンやGODのように焔のソウルに干渉する能力者が出てきた時、私1人で抵抗できなければ簡単に負けてしまう)
グググッ
ことり「はぁ……ぐっ……!このっ!」
バッ!!
ことり(この調教支配から脱するために私は>>584)
-
フェンリル化
-
ことり(ほのリルちゃんの力を借りる!)
カッ!!
シュルルルルッ!!
ポポポポーン「っ!?」
髑髏穂乃果「ほう……獣化か」
ことり「はぁ……はぁ……」
シュゥゥゥゥゥゥッ
ことり(私の体が毛皮に包まれて狼の耳と尻尾が生え、周囲には極寒の冷気が発生する)
ことり(そうしてフェンリル化した私の体はさっきより楽に動くようになっていた)
ことり「ふぅ……よし、動ける!」
ほのリル『急に呼び出されて驚いたぞ、オレの戦闘力が必要な相手には見えないが』
ことり「ううん、今ほのリルちゃんの力を纏ったのは戦闘力とは別の話」
ほのリル『?』
ことり「私さ、ぴゅあぴゅあマカロンとほのリルちゃんの力って同時に使えないでしょ?」
ほのリル『ああそうだな、ことりが中心となる能力とオレが中心となる能力は同時に行使するとぶつかってしまう』
ほのリル『100%以上本気で使うにはどっちかが引っ込まなきゃならん、試したことは無いが同時に使ったら50:50の出力が限界だろう』
ことり「そう!それで思ったんだ」
ことり「焔のソウル天と適合した私、つまり因子能力を得た私の魂が操られる原因なら、その魂を別の力で覆ってしまえばいい」
ことり「ほのリルちゃんの力が占める領域を広げることで因子能力が占める領域をできるかぎり小さくするんだよ!」
髑髏穂乃果「……なるほどな、融合獣の力を使ってる時はその力に押し退けられて他の力が使えない」
髑髏穂乃果「使えないということは逆に言えば表に力が出てきにくいということ」
髑髏穂乃果「獣化のデメリットを自分由来の力を封印するメリットとして利用したわけか」
ことり「そういうこと」
-
ことり「私の力も、ぴゅあぴゅあマカロン、ほのリルちゃんの獣化、スキル鏡花水月、因子能力と増えてきた」
ことり「今後は海未ちゃんみたいに適材適所で切り替えていけるようになりたい」
ことり「そうじゃないと、この先はきつくなる……」
ザッ
ことり「……てわけで、とりあえずポポポポーンちゃんはその服脱いでね」グイッ
ポポポポーン「わっ!うわあああああああああ!」
ことり(私は獣化の膂力で強引に押さえつけるとボンテージを脱がしていく、ついでに手錠も取り上げる)
ことり(するとポポポポーンはまた煙に包まれて元の姿に戻った)
ボワンッ!
ポポポポーン「けほけほっ……あれ?私は何を……」キョロキョロ
ことり「このボンテージは使い所を考えれば便利そうだけど、ポポポポーンちゃんは暴走気味になってダメだね」
髑髏穂乃果「どうしてもという時が来たら与えればいい、今はお前が持っておけ」
ことり「そうだね」
フリュム「おいオメェら!騒いでんのもいいが次の目的地はどこなんだ?」
フリュム「ピラミッドん中で魔王の痕跡について調べて来たんだろう?」
髑髏穂乃果「ああもちろん、いけるかことり?」
ことり「うんっ」コクンッ
ことり(今度は別の能力の出番)
ことり(私は獣化を解くと、自分の中のソウル……元型の力を高めながら懐に入れていたひょっとこの面を被る)
スッ
ことり「さぁ、魔王の居場所を見つけるよ――役に立ってね天の焔!」
─────────────────
ナグルファル
AM??〜?? 新終末編『284』了
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というわけでここまで
再び飛び立つナグルファル
そしてどこかへ消えたダヨオの行方は……
新終末編『285』に続く
かもしれない
-
をつ
-
もう何がどうなったら終わりなんだよ
-
とりあえず新終末編での目標はフードマンを何とかしてラグナロクを防ぐことですね
そこに向けてゲートや国土防衛のメインクエストを進めつつ複数のサブクエを進めております
やることは増えていくが一個一個片付けて行きたい
では本編へ
-
新終末編『285』
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──ナグルファル・操舵室
AM??
スチャッ
ことり(私は天の焔を顔に装着する)
ことり(他の人から見るとひょっとこの面を被った変な姿、髑髏穂乃果がちょっと笑ってるような気がするけど……気にしない)
ことり(GODの器の説明が正しければ天の焔には魔王のソウルの痕跡を辿れる機能がある)
ことり(私たちが魔王と呼んでいる旧魔王は最初の魔王のソウルから作り出されたもの)
ことり(だったら今もどこかにソウルの欠片が残っているはず)
ことり「天の焔!起動!」
キュィィィィィィィンッ!!
パッ!
ことり(天の焔を起動させると面を通した私の視界にフィールドマップのようなものが映し出される)
ことり(フィールドマップの中心には真っ直ぐ進む青い矢印、これが私たちの船かな)
ことり(そしてフィールドの端、この赤黒い焔みたいなスタンプが押してあるのが……)
ことり「見えたっ!魔王のソウルの場所だ!」
髑髏穂乃果「本当か!?どこにある!」
ことり「ここからだとそう遠くないと思う、ナグルファルの速さで進むと>>592くらいの時間で着けるかな」
-
アメリカと秋葉原とドームでライブした
-
ことり「アメリカと秋葉原とドームでライブしたくらいの時間で着けるかも」
髑髏穂乃果「随分と分かりにくい例えを出してきたな……お前らのライブ時間なんて知らんぞ」
ことり「早くて一時間半か……遅くても数時間くらいかな、とにかくここから1日以上かかるとか物凄い遠い距離じゃないよ」
フリュム「おうっ!場所が分かったんなら案内してくれ!」
ことり「うんっ!」タタタッ
ことり「天の焔のマップには2つの魔王のソウルの痕跡が表示されているの、1つはとても大きくてもう1つは今にも消えそうなくらい小さい」
髑髏穂乃果「大きい方はフードマンの拠点にある新魔王のほうだろうな」
ことり「そう、私たちが目指すのはもう1つの小さな痕跡のほうだよ」
ことり「場所はあっちで……次にそっちに向かって……」
フリュム「ふむふむ」
ことり(そうやって私がフリュムに航路の説明をしていると……)
ガチャッ
かすみ「はぁ……」
ことり(ダヨオちゃんを追って出ていったはずのかすみちゃんだけが戻ってきた)
-
リホ様「どうしました?ダヨオは?」
かすみ「いや先輩のあとを急いで追いかけていったつもりなんですけど……見失っちゃったんですよね」
かすみ「船のどこ探してもいないし、そこらへんの兵士さんたちに聞いても見てないって言ってるし」
かすみ「はぁ……かすみ先輩に本気で逃げられるほど嫌われちゃったんでしょうか」
リホ様「あなたの好感度は置いといて……ダヨオが消えたというのは妙な事態ですね」
髑髏穂乃果「だな、敵の攻撃と決めつけるのは安直だが気になる」
ことり「私がミラーマカロンで見てみようか?」
髑髏穂乃果「いやいい、お前は天の焔のを持続することに集中していろ」
髑髏穂乃果「ダヨオの捜索はナグルファルに乗ってる暇な兵士共と……こいつらに探させよう」
ボォォンッ! コキャコキャ
リホ様「骨の兵士、スケルトンの召喚ですか……そんなこともできたんですね」
髑髏穂乃果「ま……最初の死者の能力の1つだよ、行け骨共!」
スケルトンズ「「カキャキャキャ!」」
カサカサカサカサカサカサ!
かすみ「はぁ……先輩がいないと暇ですね、料理でもしていましょうか」
リホ様「また唐突ね……」
かすみ「私こう見えて料理が趣味なんですよ、そうですねぇ……今の手持ちの材料だと作れるのは>>595」
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Happyな気分になるコッペパン
-
かすみ「Happyな気分になるコッペパンですかねぇ」サッサッ
リホ様「パン?器具が無いのにパンが作れるんですか?」
かすみ「私独自の方法ですけどね、まずはカバンから道具と材料を一式出します」
かすみ「そして折りたたみ式の調理台を広げてー」
パカッ ガタッ
かすみ「そこに予め練っていたパン生地を置いてコッペパンの形に成形してHappy薬と発酵促進薬を数滴」
ポタポタッ ボワンッ!
かすみ「準備ができたらオーブン薬をまた数滴落として……」
ポタッ
ボォァァァァァァァァァッ!!
リホ様「おおっ!」
髑髏穂乃果「すごいな、ただ置かれているだけのパンがあっという間に焼かれていくぞ……」
髑髏穂乃果「液体をかけただけで物体をオーブンのように焼いてしまうとはヤバイ薬だな」
かすみ「様々な薬を調合できるのが私の能力ですからね〜、まぁ調合にはそれなりの材料と時間がかかるのですが」
-
ボォォォォウッ! パリパリッ!
かすみ「……っと、無事良い感じに焼けました」
かすみ「焼き立てですよ、一口どうです?」スッ
リホ様「わ、私ですか?」
かすみ「はい、そっちの髑髏面黒マントは食べてくれなさそうなので」
髑髏穂乃果「人を見かけで判断するな、まぁそんな怪しいものを食べないがな」
かすみ「やっぱり食べないじゃないですかー」
リホ様「……分かりました、私が試食してみましょう」スッ
パクッ
かすみ「どうです?私のHappyコッペパンは?」
リホ様「これは……>>598」
-
テンション上がってキターーーー!!!!!
-
リホ様「これは……」ピクッ
リホ様「テンション上がってキターーーー!!!!!」
ヒャヒャヒャヒャヒャッ!!
髑髏穂乃果「おいおい!何かヤバイ薬を混ぜたんじゃないだろうな!?」
かすみ「またまた〜ヤバイ薬だなんて人聞きの悪いこと言わないでくださいよ〜」
かすみ「私先輩が側にいなくなって悲しいからすこ〜しだけ気分がHappyになれる薬を混ぜただけです」
髑髏穂乃果「それがヤバイって言ってるんだ!」
髑髏穂乃果「よりによってコイツは女神だぞ?コイツが本気で狂ったら私でも止めることは難しい!」
リホ様「ははははははははっ!」
髑髏穂乃果「今のうちに私の能力で拘束を――」
リホ様「転移」シュンッ!
髑髏穂乃果「なっ!?」
リホ様「はいあなたにも幸せのお裾分け」グイッ
髑髏穂乃果「お前いつの間に背後に……あむぐっ!?」
リホ様「は〜い美味しい美味しい〜」
-
ことり「ちょっ!私が航路を見てる間に後ろで何騒いでるの!?」
髑髏穂乃果「ぐ……ことり……気を付けろ……リホ様が転移で背後に回り込んで無理やりパンの欠片を食わせてくる……」
髑髏穂乃果「今すぐここから離れ…………テンション上がってキターーーー!!!!!」ビクッ!!
ことり「えええっ!?」
髑髏穂乃果「さぁリホ様!ここにいる全員にHappyコッペパンを食わせるぞ!Happyぃぃいいいいいっ!!」
リホ様「Happyぃぃいいいいいっ!!」
ことり「二人共落ち着いて!落ち着いて!落ち――」
ガバッ!!
ことり「ひゃあああああああっ!」
ことり(今思えば速攻で獣化すれば逃げれた可能性もあっただろう、けれどその判断が遅れてしまった)
ことり(素の状態の私は当然この2人の力に抵抗することはできず……)
パクッ
ことり(敢え無くパンを食べさせれてしまったのでした)
─────────────────
ナグルファル
AM??〜?? 新終末編『285』了
-
というわけでここまで
みんながハピハピ状態に
そろそろ内浦組と繋がりますね
新終末編『286』に続く
かもしれない
-
新終末編『286』
─────────────────
──ナグルファル・操舵室
AM??
・
・
・
──
────
────────
ことり「――――ってところで私の意識は途切れて、次にかすみちゃんに起こされて今に至る」
ことり「私たちが外郭界に来てからの出来事はこれくらいかな」
アニメ穂乃果『なるほど……』
ことり(私は自分の鼻から垂れる鼻血を拭いながら、なんとかワームホールの向こうに見える穂乃果ちゃんたちへの説明を終える)
ことり(全く……かすみちゃんのHappyコッペパンのせいで大変な目にあったよ)
ことり(そして私たちのことを話すと同時に向こう穂乃果ちゃんたの状況、私が意識を失ってた時のダヨオちゃんののことも理解できた)
ことり(奇跡術式のせいで内浦にワープしてあっちの争いに巻き込まれていたみたい)
アニメ穂乃果『外郭界……骸骨犬……呪殺の魔殿……過去のソウル……天の焔か』
アニメ穂乃果『情報量が多くて一気には飲み込めないけど、大体は分かったよ』
ハグカナーン『そうだね、この情報は他の仲間にも共有していい?』
ことり「問題ないよ」
ハグカナーン『よし、じゃあ連絡してっと……』
ダヨオ『ことりちゃん、私はそっちに戻ったほういいかな?』
ダヨオ『たぶんこのワームホールを通れはワープはできる……んだよね?』
マザー『ああ、不安定やから確実な移動は保証はせんけどな』
ことり「そうだね……だったらダヨオちゃんは>>603」
-
そこで待機しててもいい
-
ことり「そこで待機しててもいいよ、無理して渡ってくる必要はないと思う」
ことり「ワームホールが不安定なのは外郭界に繋いでるせいもありそうだし」
マザー『せやな、たぶん同じ世界や普通の異界ならワームホールはもっと安定すると思うで』
マザー『今でもホール越しにノイズが走ってるからなぁ』
ザザッ ザザッ
ことり(そう、マザーの言う通り)
ことり(最初は綺麗に相手側を見通せていたワームホールは私の話が長引くにつれて段々歪んでいった)
ことり(たぶん外郭界と繋いでることが装置自体に負荷をかけていってるんだろう)
ことり(この状態でダヨオをくぐらせる危険な橋を渡る必要はない)
かすみ「えぇー!?先輩戻ってこないんですかー!?」
ことり「じゃあかすみちゃんが渡る?途中でワームホールが消えて次元の狭間に落ちるかもしれないけど」
かすみ「うぐっ……それはぁ……」
ダヨオ『お願いかすみちゃん、私のためにもそこでジッとしていて』
かすみ「わ、分かりました」ムゥ
-
ダヨオ『よし、これからことりちゃんたちは予定通りに魔王のソウルがあるポイントに向かうんだよね?』
ことり「そうだね、私たちの意識が飛んでる間も奇跡的に船は落ちず真っ直ぐ飛んでたみたいだし、このまま一気に目標地点まで行くつもり」
ことり「穂乃果ちゃんたちのほうは戦闘の事後処理だっけ?」
アニメ穂乃果『うん、その後はとりあえず怪我人を城跡か病院に、無事な人は西日本方面への応援に行くかな』
マザー『それとロードス島もやな』
マザー『上の二班とは別にワームホールを通ってロードス島に行く班を作る必要がある』
ことり「分かった、じゃあお互いの確認も取れたしワームホールは……閉じる?」
マザー『せやな、これ以上無理に繋いでおくとバグりそうやから一端切ろう』
マザー『まぁ一旦と言ってもこっちの世界と外郭界の時間の流れは全然違う』
マザー『次に繋いだ時に今より未来のナグルファルに繋がるか過去のナグルファルに繋がるかは分からんけどね』
ことり「過去に繋がったらタイムパラドックスとか起きそうで嫌だなぁ……」
マザー『ことりちゃん、切る前に何かこっちに伝えておくことはあるん?』
ことり「ん?そうだね……さっき言ったこと以外だと>>606」
-
ちゅんちゅんちゅちゅん
-
ことり「ちゅんちゅんちゅちゅん」
マザー『……分かった、特に何もないってことやな、念のために確認しただけやら気にせんでくれ』
ことり「ちゅんちゅん!」
マザー『じゃあワームホールを切るで、無事に帰ってきてくれな』
ことり「うんっ!」
ブゥンッ!!
ことり(私が返事をしたところで目の前に出現したワームホールは消失した)
髑髏穂乃果「さぁ、情報共有が終わったところで私たちも次の目的地へ急ごう」
髑髏穂乃果「Happyコッペパンで意識が飛んでる時間と向こうの世界と話してる時間を合わせれば結構進んだんじゃないか?」
フリュム「あ、ああ……大体航路の半分くらいは進んだんじゃねえか?どうだことり!」
ことり(Happy状態から復帰したフリュムは鼻血を拭いながら舵輪に手をかけこちらを振り向く)
ことり(私は答えるためにまたひょっとこの面――天の焔を被る)
スッ
ことり「……だね、私の天の焔のフィールドマップで見ても結構近付いてる」
ことり「もし旧魔王が何かの建造物の中に囚われているならそろそろ見えてくるはず――」
髑髏穂乃果「おっ!何か見えたぞ!」
ことり「……っ!」
髑髏穂乃果「巨大な……神殿だろうか、>>608のような形をしてるな」
-
豪華絢爛な教会
-
髑髏穂乃果「豪華絢爛な教会のような形をしてるな」
ことり「ほんとだ……すっごい大きい教会風の建物だね、でも教会には似つかわしくない豪華でキラキラな装飾がしてある」
リホ様「大きさもかなりのものです、GODの魔殿より大きいのではないしょうか……」
ブルルルッ!
ことり「……!今ポケットで震えた!」
髑髏穂乃果「ローターか?」
ことり「違うよ……結局何にも使わず持ったままのピンクロー○ーじゃなくて鍵が震えたの」
ことり「このGODに貰った神の神殿の鍵がね」スッ
髑髏穂乃果「神の神殿……GODたちがかつて住んでいたという実家か」
フリュム「実家ぁ?実家って言葉が1番似合わねぇ建物だなぁ」
リホ様「あそこに魔王のソウルの痕跡があるんですか?」
ことり「私の天の焔はそう示してる」
髑髏穂乃果「鍵も持っててお膳立てがいいなぁ?行くかことり」
ことり「うんっ!あそこにナグルファルで降りよう!」
フリュム「おしっ!任せとけ!」
─────────────────
ナグルファル内
AM??〜?? 新終末編『286』了
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というわけでここまで
神の神殿へ
新終末編『287』に続く
かもしれない
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をつ
-
新終末編『287』
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──ナグルファル甲板
AM??
ことり(ナグルファルは神殿の横の砂の地面に無事着陸することができた、今度は墜落じゃない)
ことり(周囲の安全を確認した私たちは甲板へと移動して地面へ降りる準備を整えていた)
ことり(ダヨオちゃんがいなくなったので降りるメンバーは私と髑髏穂乃果とリホ様)
ことり(それと……)
ことり「かすみちゃんは……やっぱり来ない感じ?」
かすみ「行きませんよ、先輩が行くならともかくあなたたちに付いていく義理はありません」
かすみ「先輩には船から動かないでーとだけ言われましたし」
ことり「まぁ良いよ、神殿に何があるか分からないからね、かすみちゃんは安全な船にいて」
髑髏穂乃果「てことは神殿に行くのは3人か……」
リホ様「ええ、ですが今の私は契約者が不在なことは覚えておいてください」
リホ様「転移や基本的な能力は使えますが射撃系などの攻撃はできません、いざとなれば……」
髑髏穂乃果「私かことりと契約するんだな、分かってる」
リホ様「はいっ」
ことり「じゃ……行こうか」
タンッ!
-
ザッ ザッ
ことり(私たちは甲板から降りて神殿へ向かう)
ことり(ナグルファルが近場に降りてくれたこともあって神殿までは歩いてすぐに着いた)
ことり(神殿の入り口には巨人が入る用の扉なのかなってほど巨大な両開きの扉、その扉には錠がついている)
ことり「ひゃー、入り口まで来て見上げると建物が本当に大きく感じられるね」
髑髏穂乃果「錠が比較的低い位置についていて手が届きそうなのが幸運だな、開けてみろ」
ことり「うんっ」
ことり(私はGODからもらった鍵を取り出すと目の前の錠に差し込む)
ことり(すると扉が大きな音を立てて開く)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
ことり(その先、神殿の中の光景は>>614)
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