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>>2「>>2の3分クッキングの時間だよ!」 PartⅩⅩⅣ
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安価スレのようなそうじゃないよう
なSSスレ
前スレ(PartⅩⅩⅢ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1507460469/
前前スレ(PartⅩⅩⅡ)
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前前前スレ(PartⅩⅩⅠ)
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前前前前スレ(PartⅩⅩ)
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前前前前前スレ(PartⅩⅨ)
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前前前前前前スレ(PartⅩⅧ(再々))
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1486897355/
-
というわけでここまで
外郭界探索編の始まりです
無事に目的地に着けるのか
新終末編『271』に続く
かもしれない
-
新終末編『271』
─────────────────
──外郭界・砂漠地帯
AM??
ダヨオ「態勢を整えるっと言ったって……どうするの?」
髑髏穂乃果「選択肢としては船に籠城するか今のうちに骸骨犬を倒すかのどっちだろ」キィー! キィー!
ダヨオ「というか普通に喋りながらどうやって骨鳴りしてるの」
髑髏穂乃果「今気にすることか?ホーミーみたいなものだよ」
ダヨオ「あーなるほど」
リホ様「ダヨオ?それで本当に納得できてます?」
ことり「今のうちにおさらいしよう」
ことり「光弾の件を見るに骸骨犬は熱エネルギーや運動エネルギーと言ったエネルギーを吸収してしまう」
ことり「ただ……音だけは別?」
髑髏穂乃果「別というより……これは骸骨犬の仕組みの問題だな」
髑髏穂乃果「やつらは骨と骨の隙間の虚空からエネルギーを内部へ吸い込む、逆に言えば骨自体をピンポイントで叩けば壊せるんだ」
髑髏穂乃果「骨だけに干渉する攻撃なら音による共振現象で破壊しても直接殴りに行っても構わない」
ことり「なるほど」
リホ様「今の説明を聞くに私が持つ遠距離攻撃系などは餌にしかなりませんね」
ダヨオ「私が奇跡的に骨だけにぶつけることができれば……どっちみち奇跡パワーが溜まってないからどうしようもないな」
髑髏穂乃果「戦うか退くかどうする?ことりがリーダーみたいなものだから私は判断に従うよ」
ことり「そうだね……>>415」
-
物理で殴る
-
ことり「そうだね……」
ことり(籠城する選択肢もありっちゃあり、だけど仮に船を壊されてしまったら私たちは詰んでしまう)
ことり(相手は外郭界の未知の生物、突っ込むのは無謀……?)
ブンブンッ
ことり(ううん、どのみち私たちがこれから挑むのはこれまで以上の困難な道、無謀くらいが丁度いい!)
ことり「よし!ここは物理で殴ろう!」
髑髏穂乃果「ふっ、良いぞ」
ことり「え?」
髑髏穂乃果「覚悟を決めて想いを口にするのは良いことだ、お前の想いは力になる」
ことり「……うん、そうだねっ!」
バッ!!
ことり(私は右腕を頭上に掲げて自分の想いを口に出す)
ことり「鋼の硬さは覚悟の硬さ!手にした重さは仲間の重さ!全ての壁を打ち砕く鉄槌を我が手に!!」
ことり「ぴゅあぴゅあマカロン!」
キュィィィィィィィィンッ!
ことり(私が天に伸ばした右手の先、上空にマカロン砲が出現する)
ことり(空中に浮いたままのマカロン砲は砲身を下向き……つまり甲板にいる私のほうへ向け、砲身の先からマカロンを発射する)
ポンッ!!
-
ヒューーーーッ!
ことり(投下された銀色のマカロンは落下中に段々と形を変えていき、銀色に輝くハンマーへとなっていく)
ことり(そして落ちてきたハンマーの柄を私の手がしっかりと掴む)
パシッ!
ことり「Silver Hammer Macaron!!」
ドンッ!!
ダヨオ「ハンマー型の……マカロン?」
リホ様「これまた直球なものが出てきましたね」
ことり「……うん、手に取った私には分かる」
ことり「このハンマーはとてつもない破壊力を秘めてる、それに加えて>>418」
-
持ってるだけで女子力UP
-
ことり「それに加えて、持ってるだけで女子力UP!」キュピーンッ
ダヨオ「ほんとだ!ハンマーを構えたことりちゃんがさっきより魅力的に見える!」
リホ様「それは必要な機能なのでしょうか……?」
ことり「よしっ!いっくよー!」
ダタッ!!
ことり(メタリックなハンマーは初めて持ったとは思えないほど手に馴染む、たぶん私の能力で作ったものだからだろう)
ことり(自分の背丈ほどある大きさのわりには片手で振り回せる適度な重さ)
グッ
ことり(いや……ハンマーが思ったより軽いというより今の私の体にいつも以上の力が漲ってるのかな)
ことり(心なしか床を踏みつける足の力や走る速さまで向上してる気がする)
ことり(もしかしたら女子力含めて、持つ人の力強さを高める効果があるのかもしれない)
ダンッ!!
ことり(私は甲板の端から溢れんばかりの力で踏み切ると、こちらを威嚇している骸骨犬の群れに飛び込んでいく)
ことり(全ての犬がバスやトラック並の大きさ、成長し過ぎにもほどがあるなぁ)
ことり(たぶん噛みつかれでもしたら体は普通の人間の私は一発でアウト)
-
ことり「髑髏穂乃果!サポートお願い!」
髑髏穂乃果「言われなくてもっ!」
キィーーーーーーンッ!!
骸骨犬「グッ……」ビビッ
ことり(髑髏穂乃果が骨鳴りで私の近くの骸骨犬の動きを封じる)
ことり(骸骨犬が音を嫌がるように体を捻って硬直させた隙、私はその隙を逃さずハンマーを……)
ことり「打ち込むっ!!」ブンッ!
バキバキバキバキッ!!
骸骨犬「ギャウウウッ!!」
ことり(骨と骨の隙間に当たらないように気をつけて、骨の真ん中に直撃させたハンマーの一撃)
ことり(それは骸骨犬の前足の1本を完全に砕き、その巨体を砂の地面にうつ伏せにさせる)
ダヨオ「いけるいける!」
ことり「通用する……でもっ」
骸骨犬の群れ「「バウバウバウバウバウバウバウバウッ!!」」
ことり「ちょっと多すぎないっ!」
髑髏穂乃果「私を信じてハンマーを振るっておけ」
髑髏穂乃果「うるさい骨犬どもに、もう1つ私の術式をくれてやる!」
ババッ!!
髑髏穂乃果「その名も>>421」
-
骨粗しょう症発症ビーム
-
髑髏穂乃果「骨粗しょう症発症ビーム!」
ビビビビビビビビビーーッ!!
ダヨオ「なにそれ!?」
ことり(黒マントの裾から出した髑髏穂乃果の手から黒い閃光が迸り、骸骨犬の一匹に当たる)
ことり(閃光に撃たれた骸骨犬は驚いて飛び退くものの骨にはヒビが入り……)
ピキッ! ピキッ!
ガクンッ!!
骸骨犬「ガウッ!?」
ことり(派手に着地した骸骨犬はその重みで自分の後ろ足の骨を折ってしまう)
ことり「これは……」
髑髏穂乃果「このビームを浴びたものは骨がスカスカになって脆くなるんだ」
ダヨオ「冗談みたいな名前から恐ろしい効果のビームだね」
リホ様「攻撃的なエネルギーは無く単に骨を劣化させるビームだから吸収はされないんですかね……」
髑髏穂乃果「共振させて骨を砕く骨なりと骨自体を脆くする骨粗しょう症ビーム」
髑髏穂乃果「この2つでお前を援護してやる!存分にハンマーを振るえ!」
キィーーーーーーンッ! ビビビビビビビビ!!
ことり「分かった!こうなったら全部砕いてあげる!」
ブンッ!!
─────────────────
外郭界・砂漠地帯
AM??〜?? 新終末編『271』了
-
というわけでここまで
ハンマーでガンガン
新終末編『272』に続く
かもしれない
-
新終末編『272』
─────────────────
──外郭界・砂漠地帯
AM??
・
・
ドゴーンッ!!
バゴーーンッ!!
髑髏穂乃果「次は9時方向!その次は4時方向だ!」
ことり「うんっ!」ブンッ!
ドガシャーーンッ!
ことり(骸骨犬との戦いが始まって10分くらい、私は全体の約半数の骸骨犬を倒すことに成功していた)
ことり(私の髑髏穂乃果のコンビネーションの良さ……まぁ髑髏穂乃果が上手く合わせてくれてるんだろうけど)
ことり(その相乗効果もあって骸骨犬退治はスムーズにいっていた)
ザッ
ことり「残りは……ん?」
骸骨犬ズ「「ギャウギャウッ!」」
ダダダダダダダダダダダダッ!
ことり(次の骸骨犬を砕こうとしたところで、骸骨犬たちが走って船から離れていく)
ことり「どうしたんだろう……?」
髑髏穂乃果「おそらく仲間がやられたことにビビって退散したんだろう、お前が追い払ったってことだ」
ことり「私そんなに怖くないよ?」
髑髏穂乃果「巨大ハンマー振り回してる女は一般的に怖いと思うが……まぁ良い」
髑髏穂乃果「ことり!その辺りに何か落ちてないか?」
ことり「何か……?」
ことり(何かと言われても周りには砂と骨の残骸しか転がっていない……)
キョロキョロ
ことり「ん?あれは……>>425」
-
ピラミッド
-
パンティ
-
ことり「ん?あれは……ピラミッド……?」ジーッ
髑髏穂乃果「ピラミッドが落ちてるのか?」
ことり「いやいや、ピラミッドが落ちてるわけないでしょ……」
ザッ ザッ
ことり(私は船の甲板の端に立っている髑髏穂乃果の元へ戻りながら、船とは反対側の遠くのほうを指差す)
ことり「あっち!骸骨犬たちが逃げていったほうにぼんやりとピラミッドみたいな建物が見えるの!」
ことり「あれって――」
ガチャッ
ことり「……んん?」
ことり(ピラミッドを指差しながら歩いてたら足が不思議な感触のものを踏んだ)
ことり(なんだろうこれ、感触が砂でも骨でもない何か……)
スッ
ことり「鍵……?」
ことり(手にとってみるとそれは15cmくらいの大きめの赤い鍵だった)
ことり(鍵の先の鍵穴に差し込む部分は普通の鍵には有り得ない複雑な形になっている)
-
タンッ
タタッ
髑髏穂乃果「おお、それだそれだ、その鍵が私が見つけて欲しかったものだ」
ことり(髑髏穂乃果は甲板から砂の地面に飛び降りると私が鍵を見つけた場所までやってくる)
ことり「この鍵はなんなの?状況を見るに倒した骸骨犬が落としていったものだよね」
髑髏穂乃果「ゲームで言えばドロップアイテムというやつだな」
髑髏穂乃果「この鍵は骸骨犬たちか根城にしている場所を開く鍵と言われている」
ことり「……そうなんだ、というか気になってたんだけどさ」
髑髏穂乃果「ん?」
ことり「髑髏穂乃果って妙に外郭界に詳しいよね、骨の犬のこととか、鍵のこととか」
髑髏穂乃果「ああ……それについては後でちゃんと説明するよ」
髑髏穂乃果「お前が見つけたピラミッド、おそらくそれがこの鍵で開く骸骨犬たちの根城だろう」
髑髏穂乃果「私の情報が正しければその根城は>>429という名前で呼ばれている」
-
呪殺の魔殿
-
髑髏穂乃果「その根城は呪殺の魔殿という名前で呼ばれている」
ことり「魔殿……行ってもろくなことが無さそうな響きの場所だね」
髑髏穂乃果「分かりやすく“骸骨犬の根城”と言ったが、魔殿は骸骨犬を始めとした砂漠地帯のスケルトン系生物たち全般が根城としている場所だ」
髑髏穂乃果「そこを住処にしている生物の種類や多さは場所によって様々、建物の形も様々だ」
ことり「じゃあ全部がピラミッドの形をしてるわけじゃないんだ」
髑髏穂乃果「ああ、だから鍵を見つけるまでピラミッドにピンと来ていなかったんだよ」
ことり「なるほど……」
ダヨオ「ことりちゃーん!奇跡パワーが回復したから何とか船を砂から掘り起こしてみるねー!」
ことり「うんおねがーい!」
ことり(ダヨオがリホ様と一緒に砂を吹き飛ばす作業を始めたため、私と髑髏穂乃果は船から少し離れる)
ザッ ザッ
髑髏穂乃果「……ふむ、ちょうどいいな、この待ち時間の間にお前に話しておこう」
ことり「え?」
髑髏穂乃果「私のことについてだ、お前も知っておいたほうが良いだろう?」
ことり「う、うん」コクンッ
-
髑髏穂乃果「私が大罪穂乃果の1人だということは言ったよな」
ことり「うん、確か虚飾の穂乃果だったよね」
髑髏穂乃果「世界改変の際に魔王によってはじき出され、深淵に落ちて砕け散った高坂穂乃果の心の欠片」
髑髏穂乃果「無数にバラけた心の欠片の中でも特に強い感情を宿していた欠片が大罪穂乃果だ」
髑髏穂乃果「感情を根源とした強い力を持っていた彼女らは他の欠片を吸収して肉体を形成」
髑髏穂乃果「自力で深淵から現世へ復活して、同じように復活してきた他の大罪穂乃果や深淵穂乃果と対立した」
ことり「…………」
ことり(プライド、グリード、大食い、お色気、地獄、嫉妬、羨望、怠惰、憂鬱)
ことり(みんな性格や目的は違っていたけど誰もが穂乃果ちゃんの一部であることに変わりはない)
髑髏穂乃果「ではその中で何故私だけがこんな特殊な立ち位置にいるのか」
髑髏穂乃果「それは私の元となった心の欠片が深淵からこの外郭界へ紛れ込んでしまったからだ」
ことり「な……!」
-
髑髏穂乃果「誰かが意図したものじゃない、おそらくは偶然」
髑髏穂乃果「ガラスの瓶を床に叩き付けた際に、1つの欠片だけが跳ねて遠くのタンスの隙間に入ってしまったようなもの」
髑髏穂乃果「私は高坂穂乃果の心の欠片の中で1人だけ……この砂漠の世界で目覚めた」
髑髏穂乃果「大罪穂乃果だったのが幸いし、私の体は人間と呼べる大きさまで回復したが辺りには何もなかった」
髑髏穂乃果「私は傍に落ちていたこのボロい黒マントと髑髏の仮面だけを拾って纏い、広大な砂漠の世界の探索を始めたのだ」
ことり「なるほど……だからモンスターの習性や建物について知っていたんだね」
髑髏穂乃果「1つ1つ体当たりで知っていった経験の積み重ねだよ」
髑髏穂乃果「そして……呪殺の魔殿」
髑髏穂乃果「あそこは今でこそスケルトン系生物の根城となっているが、元は別の用途で使われていた建物だと思う」
ことり「別の……?」
髑髏穂乃果「私は何度目かに発見した魔殿で『魔王』に関する痕跡を発見したんだ」
ことり「ええっ!?」
髑髏穂乃果「そいつは>>433」
-
最初の死者の棺
-
髑髏穂乃果「そいつは棺、最初の死者の棺だ」
ことり「棺……?それが魔王の痕跡なの?」
髑髏穂乃果「ああ、棺に関しては魔殿に着いた時にまた詳しく――」
ダヨオ「でっぇぇぇぇきたぁあああああああっ!!!!」
ドシャァァァァァァァンッ!!
ことり「ふぉっ!砂が舞い上がって……」ペッペ
髑髏穂乃果「ダヨオが船を掘り起こすことに成功したみたいだな」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
ことり(砂地から解放されたナグルファルが砂を落としながら上昇していく)
ことり(どうやら船の航行システム自体も治ったみたいだ)
髑髏穂乃果「では行くぞ、次の目的地は決まった」
ことり「うん……呪殺の魔殿、あのピラミッドまでGO!だね!」
─────────────────
外郭界・砂漠地帯
AM??〜?? 新終末編『272』了
-
というわけでここまで
ピラミッドへGO
新終末編『273』に続く
かもしれない
-
新終末編『273』
─────────────────
──外郭界
AM??
──ナグルファル・ブリッジ
ことり(私たちが船に戻って事情を説明すると、フリュムは舵をピラミッドの方向へ切ってくれた)
フリュム「他に目的地になる場所もねえ砂だらけの場所だし構わねえよ」
フリュム「だがあんなピラミッド、さっきまで目視できる距離にはなかったはずだぜ」
ダヨオ「私が甲板に出て見回した時も見つからなかったよ!」
レイ「私のログにもありません」
髑髏穂乃果「魔殿はその姿を蜃気楼のような結界の中に隠す性質がある」
髑髏穂乃果「骸骨犬たちが帰還する際に結界を開いたから私たちの目に見えるようになったのだろう」
フリュム「ほう……」
ことり「もう運転は大丈夫なの?」
ポポポポーン「出力が復活しただけで計器の使えない不安定飛行に代わりはないですよ」
ポポポポーン「もう一度墜落しないことを祈るばかり……む?」ジーッ
ことり「どしたの?何か見つけた?」
ポポポポーン「ええ、あのピラミッドの正面に何かが現れました」
ポポポポーン「あれは……巨大な骨の塊?形は>>437のように見えますね」
-
スフィンクス
-
うさぎ
-
ポポポポーン「巨大な骨の塊、全体の形はスフィンクスのように見えますね」
フリュム「ピラミッドを護る門番ってわけかぁー?」
ことり(その姿は私にも見えた)
ことり(さっきの骸骨犬より何倍も大きいスフィンクスの形を取った骨の塊)
ことり(体を構成する骨は人骨を始めとした獣や鳥など様々な動物の骨が混ざりあったもので、それらの大量の骨が体内で流動的に蠢いていた)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
ことり(そして私たちが乗ったナグルファルを見つけたスフィンクスは……)
スフィンクス『――――――――!』
カッ!!
ことり(大きく口を開けると私たちの耳では聞き取れない音を発し、口から大量の骨をビームのように吐き出す)
ドドドドドドドドドドドドッ!!
ポポポポーン「……っ!面舵いっぱいっ!!」
フリュム「分かってらぁ!!」
ガラララッ! グゥンッ!!
-
ことり(フリュムが舵輪を激しく回し船を思っきり右に曲がらせ、空中に放たれた骨の濁流を回避する)
グラグラッ
ダヨオ「おおおっ!」
レイ「バランス補正!先程の墜落に至るデータをリアルタイム解析して片っ端から適応!」ピピピピッ!
レイ「計器が役に立たないのなら私自身がフリュムの操作と船の動きに関するデータを取って演算するまでです!」
ことり「どうする?また私と髑髏穂乃果が甲板に出て攻撃する?」
フリュム「いや……要らん」
ことり「え?」
ことり(フリュムは舵輪を慌ただしく動かしながら口の端を歪めニヤリと笑う)
フリュム「俺の船を舐めやがって、ならたっぷりと味わってもらおうじゃねえか!」
ポポポポーン「フリュム船長、あれを使うのですね」
フリュム「ああ!この船に備え付けられてるとっておきの兵器!>>441だ!」
-
とろろ爆弾
-
フリュム「とろろ爆弾だ!」
ポチッ!
ことり「とろろ……爆弾?」
ポポポポーン「ナグルファル下部に搭載された大砲から発射される爆弾です」
ポポポポーン「内部には冥界で栽培されている氷鬼芋から作られた氷トロロが搭載されています」
ことり「異界の植物……真姫ちゃんの地獄トマトみたいなやつだね」
ポポポポーン「ええ、氷トロロはその名の通りとても冷たいトロロ、そして粘性は他の山芋から作られるトロロの比ではない」
フリュム「発射!!」
ドンッ!!!!
ことり(窓の外、骨のスフィンクスの方を見るとナグルファルの下から発射されていく青白い塊が見えた)
ことり(塊はスライムのように空中で自在に形を変えながら高速で飛翔し――)
バシュッ!!!!
ことり(骨スフィンクスの体へ直撃する!)
スフィンクス「――!!」
ことり(また人間には聞き取れない叫びを上げたスフィンクスは、体に纏わりついた粘性の物体を取り払おうと体をくねらせる)
ことり(けれど……)
-
ピキッ! パキッ!
ダヨオ「スフィンクスの体が凍り始めている!?」
フリュム「見たか!あれがトロロ爆弾の真髄さ!」
ポポポポーン「氷トロロはその粘性で直撃したものの動きを制限するトリモチのような特製に加え、その冥界の冷気の如き冷たさで触れてる部分を凍らせる」
ポポポポーン「一度体にくっついたトロロを取ることは容易ではなく動けば動くほど接触面積を広げて更に凍っていく」
ダヨオ「強いじゃん!なんでさっきこれ使わなかったの!?」
リホ様「大砲が砂の下に埋まっていたでしょう……」
ダヨオ「ああそっか」ポンッ
フリュム「外郭界の未知の生物だ、破壊することはできなくても動きを封じることはできるだろう」
フリュム「このまま凍っていてくれれば――」
ことり(フリュムが睨む視線の先、トロロに纏わりつかれた骨スフィンクスは>>444)
-
めちゃくちゃ痒そう
-
スフィンクス「――!――!」
ブンブンッ! ブンブンッ!
ことり(スフィンクスは凍り付きながら痒そうに体を拗じらせる)
ことり「痒そう……?」
ポポポポーン「当然トロロですから痒くなりますよ」
ダヨオ「そこは同じなんだ……」
ポポポポーン「くっつく・痒い・凍る、この三点コンボがトロロ爆弾の絶妙な強さを醸し出しているのです」
ポポポポーン「どうやらこの様子だと普通に効いてるみたいですね」
フリュム「ああっ」
ドダンッ! バダンッ!!
ことり(骨スフィンクスはかゆみで直立していられなくなったのか、体を倒してゴロゴロ砂に体を擦り付けていく)
ことり(そうすると氷トロロは砂を巻き込んで更に氷結面積を広げていく)
ピキッ ピキピキッ!!
フリュム「これなら行けそうだな……一気に船をピラミッドに近づけるぞ!」
─────────────────
外郭界・砂漠地帯
AM??〜?? 新終末編『273』
-
というわけでここまで
またペースが遅くなってくる
精進せねば
新終末編『274』に続く
かもしれない
-
新終末編『274』
─────────────────
──ピラミッド上空
AM??
髑髏穂乃果「よし、ピラミッドの中に入るぞ」
ポポポポーン「入るのですか?」
髑髏穂乃果「そうだよ、ことりが発見した鍵があるからな」
髑髏穂乃果「この大きさの魔殿なら私が探してる棺が存在する可能性が高い」
ことり「棺を見つければ魔王に関する手がかりが分かる……だよね?」
髑髏穂乃果「ああっ」コクンッ
フリュム「まぁ良い、スフィンクスも無力化したし俺らはこの場所で待っている」
フリュム「探索して来るならさっさとしろ」
ことり「ありがとうっ」
レイ「私も船に残っていますから……探索班はことりさん髑髏穂乃果さんダヨオさんですね」
ダヨオ「私にはリホ様も憑いてるけどね」
リホ様「髑髏穂乃果、鍵と言うことはどこかの扉を開けて入るのでしょうが……ピラミッドの何処に扉はあるんです?」
髑髏穂乃果「そいつは>>448」
-
意図的に隠されていてわからない
-
髑髏穂乃果「そいつは意図的に隠されていて分からない、実際に降りてみて調べるしかないな」
リホ様「手当り次第ということですか……」
ことり「だったら手当り次第探すしかないよ、行こう!」
ダヨオ「ゴーゴー!」
タタタッ
・
・
ことり(操舵室を出た私たちは通路を通り甲板へ出て、そこから下のピラミッドへ飛び降りる)
タンッ!!
ことり「ぴゅあぴゅあマカロンの……Sweet-mouth-Macaron!!」
ポンッ! ドンッ!!
ことり(召喚して小脇に抱えたマカロン砲からピラミッドの段々になってる斜面に向かってマカロンを放つ)
ことり(壁に激突したマカロンは膨れ上がって大きな『人の口』に変化する)
ポワンッ!
ダヨオ「わわっ!なにあれ!?」
ことり「ただの柔らかい口だよ、クッション代わりに召喚したから普通に踏んで!」
ダヨオ「うーんっ、そう言われても気が引けるなぁ……」
ヒューーッ
グニュッ ボイーンッ
ダヨオ「おおっ!」
髑髏穂乃果「悪くない踏み心地だ」
スタッ
ことり(Sweetmouthのおかげで特に怪我することなく私たちは着地できた)
-
ことり(着地した場所はピラミッドの中腹辺りの外壁)
ことり(頂点に向かって階段のように積み上がってる石の壁は、1つの段の高さが私たちの背丈をゆうに超えている)
ことり(幅も人が楽々すれ違える広さがあって、少し走ったくらいでは足を踏み外して落ちる心配は無さそうだ)
ことり(私はパパっとマカロン砲と口クッションを消して皆の方に向き直る)
ことり「さっ、入り口を探そうか」
髑髏穂乃果「ああ、だが気を付けろ」
髑髏穂乃果「ここはもう砂漠の化物共の根城だ、いつピラミッドから骨が湧き出してきもおかしくない」
ことり「うん……っ」
ことり(髑髏穂乃果の言葉に私は改めて気を引き締めピラミッドの外壁を歩きだす)
ことり(慎重に壁にペタペタ手を当てながら扉らしい場所がないかを確認……)
ブルルッ
ことり「……ん?」
髑髏穂乃果「どうした?」
ことり「いや、今私のポケットに入れてた赤い鍵がブルっと震えて……」
髑髏穂乃果「震えた?魔殿の扉を開くあの鍵が?」
ことり「うん」
ことり(不審に思って私がポケットから赤い鍵を取り出してみると、>>451)
-
ピンク○ーターに変化していた
-
ことり(取り出してみると……)
ブブブブブブブブッ!!
ことり(ピンクの大人の玩具に変化していた)
ことり「……へ?」
髑髏穂乃果「ピンク○ーターだな」
ことり「なんでっ!?」
ダヨオ「○ーター?」
リホ様「破廉恥ですね……」
ことり「私が破廉恥みたいな目でみるのはやめて……」
カチッ
ことり(とりあえずブーブー煩わしいのでスイッチは切っておく)
ことり「私たちが魔殿に近づいたことと鍵が変化したことにはやっぱり関係があるよね」
髑髏穂乃果「そう考えるのが自然だな」
リホ様「○ーターになったことは全然自然じゃありませんけどね……」
ことり「はぁ……訳の分からないことが多すぎだよ……」
ことり(だけど頭を抱えてる時間はない)
ことり(足を止めた私たちに対して、ピラミッドの角の向こうから聞き覚えのある声で叫ぶ敵が現れる)
骸骨犬「ガウガウっ!!」
ことり「骸骨犬!?」
-
髑髏穂乃果「ちっ!反対側に走るぞ!」
ダダダダダッ!!
ダヨオ「ひぃいいいいいいいいっ!!」
ことり(角まで歩いてきていた私たちはクルッと引き返し骸骨犬から必死に逃げる)
リホ様「またハンマーを出して攻撃すれば……」
髑髏穂乃果「こいつのマカロンには発動のタメがある、この距離では召喚してる間に食われるぞ!」
髑髏穂乃果「今は私の骨なりで遠ざけながらとにかく逃げるのが最善だ!」
ダダダダダッ!!
骸骨犬「バウバウ!!」
ことり「で、でもっ!この外壁の通路ってピラミッドをぐるっと一周してるよね!」
ことり「このまま走っててても切りがないんじゃ……」
ダヨオ「でも今は走るしかないって!」
ことり(そして直線を走りきり反対側の角まで行って曲がる、つまり私たちが最初に着地したピラミッドの辺から別の辺に行く)
ことり(するとその先には>>454)
-
ナンパチャレンジの看板
-
ことり(するとその先には……)
ことり「……看板?」
ことり(そう、看板があった)
ことり(角を曲がった私たちから見て前方、角から角までの石段を1つの通路と仮定すると通路を半分ほど進んだ辺り)
ことり(そこで木材で作られたっぽい風化した看板が石段に突き刺さっていた)
髑髏穂乃果「止まるな!とにかく看板の所まで走るぞ!」
ことり「う、うんっ!」
タタタタタッ
ことり(何とか看板の場所まで走ってきて看板を見ると、そこには簡素な文章が書いてあるのが分かった)
ダヨオ「はぁ……はぁ……何が書いてある?」
ことり「ナンパチャレンジ」
ダヨオ「え?」
ことり「ナンパチャレンジ……」
リホ様「なんでしょうこれ?」
髑髏穂乃果「さすがに私にも分からん、今までの魔殿にはこんなもの無かったぞ」
ことり(私たちが一斉に頭の上に疑問符を浮かべたその時――)
パンパカパーン!! パンパンパンパーン!!
ことり(どこからか掠れたファンファーレの音が響く)
ことり「っ!?」
-
??「おめでとうございます!あなた方はナンパチャレンジゲームの挑戦権を得ました!」
髑髏穂乃果「誰だっ!」
ことり(謎の声に髑髏穂乃果が叫ぶと看板の後ろに人影が現れた)
ことり(人影は手に錆びた小型スピーカーみたいなものを持っている、ファンファーレはあれから流れたのかな)
ダヨオ「……!」
リホ様「おかしいですね、さっきまで看板の後ろには誰もいなかった、転移か何かでしょうか」
??「ようこそ世界の外の旅人たちよ!我が名は>>457!」
??「この呪殺の魔殿の主……と考えてもらって間違いない」
-
呪井幸子
-
ことり「呪井……幸子?」
幸子「うむっ」コクンッ
ことり(私の呟きに人影は芝居がかった仕草で頷く)
ことり(人影……呪井幸子は見る限り普通の人間のように見える、骨で出来たモンスターなんかじゃない)
ことり(体はゴシック装飾の外套のようなものに包まれていて、そこはかとなく女性のシルエットが現れている)
ことり(深くかぶったシルクハットからは2つに結ばれた銀色の髪が肩の下辺りまで伸びていて……)
ことり(シルクハットの縁と長い前髪が顔にかかってるせいで顔の上半分はよく見えない)
ことり(透き通るほど白い肌についた薄い唇がニヤリと笑う)
ことり(あまりに似つかわしくない……)
ことり(こんな人が砂漠の骨モンスターたちが根城にしている魔殿の主なの……?)
幸子「これから始まるは幾百年ぶりかの遊戯、存分にもてなそうではないか」
幸子「旅人よ!心ゆくまで楽しんでゆくといい!」バッ!
ことり「…………」ゴクッ
幸子「さぁ、ナンパチャレンジの始まりだ……!」
─────────────────
外郭界・呪殺の魔殿
AM??〜?? 新終末編『274』了
-
というわけでここまで
ナンパチャレンジとはなんなのか
新終末編『275』に続く
かもしれない
-
新終末編『275』
─────────────────
──呪殺の魔殿
AM??
ことり「ナンパチャレンジ……?それって――」
幸子「では説明しよう!」
ことり「うぐっ……」
ことり(私に口を挟ませたくないのか、単に話を聞いていないだけなのか)
ことり(呪井幸子は私の疑問を遮って話を進めていく)
幸子「ナンパチャレンジはその名の通りナンパを成功させれば勝利となる遊戯だ」
幸子「一度に挑むのは1人、つまり1人ずつの挑戦となるわけ、理解はできた?」
ことり「う、うん」
幸子「ならOK……では誰から挑む?」
ことり「待って!このゲームをクリアすると何かあるの?」
ことり「何もないなら私たちは他にやることあるんだけど……」
幸子「くくっ、報酬がないと挑戦する気が起きないか……良いだろう、説明してさしあげよう!」
幸子「このナンパチャレンジに成功した暁には>>461」
-
ピラミッド内部に入り、神の神殿へのカギを手に入れるチャンスが与えられる
-
幸子「ピラミッド内部に入り、神の神殿へのカギを手に入れるチャンスが与えられる」
ことり「……っ!」
髑髏穂乃果「神の神殿……だと?」
幸子「左様」コクンッ
ことり「どうする、挑戦してみる?」
髑髏穂乃果「神の神殿とやらのことは分からんがピラミッド内部に入れるのなら有り難い」
髑髏穂乃果「下手に扉を探し回って骸骨犬たちに追い立てられても面倒だ」
ことり「……だね、とういかさっき追いかけてきた骸骨犬はどうしたんだろ」
ことり(立ち止まって話してるけど骸骨犬が来る気配は一切しないし、振り返って見ても背後にはいない)
幸子「彼なら私がここへ近づかないようにと命令したよ」
幸子「私はここの主、魔殿に住み着くモンスター全てを従えているからね」
髑髏穂乃果「邪魔をさせない配慮か……中々気が利くじゃないか」
幸子「ではフィールドオープン!」
パチンッ
ことり(そう言って幸子が指を鳴らすと辺りが激しく振動し、私たちが今いるピラミッドの隣に一回り小さいピラミッドが現れる)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
ズサァァァァァァッ
ことり(砂の中から上昇するように現れた小型ピラミッドは、私たちのいる大型ピラミッドの3分の2ほどの高さまで上昇したところでストップ)
ことり(そして丁度私たちが今いる場所に向かって石橋が伸びてきて2つのピラミッドを空中で繋ぐ)
ガシィィンッ!
ダヨオ「おおっ!」
-
幸子「この橋を渡った者を挑戦者とみなす、心の準備ができたら渡るといい」
ことり「一度の挑戦につき1人ずつ……だったよね、誰が行く?」
髑髏穂乃果「私はナンパはしたことがないな、ことりはどうだ?」
ことり「私だってないよ、スクールアイドルの勧誘の声掛けくらいならしてたけど……」
ダヨオ「だったら私が行く!」
リホ様「経験はあるんです?」
ダヨオ「自信だけはある!」
リホ様「無いんですね……」
髑髏穂乃果「魔殿の主、仮に失敗しても罰などはないのだな?」
幸子「うむ、心配せずに挑戦するといい」
髑髏穂乃果「だったら試金石としてダヨオに行ってもらうのは1つの手だな、ことりもそれでいいか?」
ことり「うんっ」
ダヨオ「じゃ――」ザッ
ことり(そして意気揚々と橋を渡ろうとするダヨオ、だが橋の手前で幸子が手を伸ばしてダヨオを止める)
幸子「待て」サッ
ダヨオ「なに?」
幸子「私は挑戦者は1人と言った、この場合は契約女神も1人とカウントする」
ダヨオ「……ああそうか、リホ様は置いていかなきゃいけないのか」
ダヨオ「じゃあリホ様、私がチャレンジしてくる間はここに居てね」
リホ様「はい、契約は繋がったままだと思うので本当に危険な時は呼んでください」
ダヨオ「うんっ」
タタタタタッ
-
・
・
──小型ピラミッド
ダヨオ「よっと……」
スタッ
ダヨオ(リホ様を向こうのピラミッドに置いて石橋を渡り、私は小型ピラミッドまでやって来た)
ダヨオ(どこかに扉は無いかなとキョロキョロしていると自動的に目の前の石段がスライドして入り口ができる)
ガガガガガガガガガ
ダヨオ「ほー、自動ドアみたい」
ダヨオ(その入り口から中に入ると内部はうす暗くヒンヤリとしていて、斜め下へ階段が続いている)
ダヨオ(この先がナンパチャレンジのステージになってるのかな……)
スタ スタ
ダヨオ(私がその石の階段を慎重に降りていくと>>465)
-
パンツをくわえた女の子と曲がり角でぶつかった
-
??「遅刻〜!遅刻遅刻〜!!」
ダダダダダッ!
ダヨオ「え?」
バッタッ〜ン!!
ダヨオ「わぁっ!?」
??「きゃ〜!!」
ダヨオ(階段を降りきった十字路になってる場所で、私は右の通路から走ってきた女の子とぶつかってしまった)
ダヨオ(ぶつかった反動でどこかの学校の制服を着た女の子は尻もちをついてしまう)
ダヨオ(その子は口にパンツをくわえていて……)
ダヨオ「……ん?パンツ?」
ダヨオ(私の目がおかしくなったわけじゃない、確かに目の前の子はパンツをくわえている)
ダヨオ(こういう場合遅刻遅刻言いながら食べてるのってパンじゃないのかな……いや実際見たこと無いけど)
ダヨオ(とりあえずぶつかった手前放置してるのもバツが悪いので手を伸ばす)
ダヨオ「だ、大丈夫?怪我とかない?」
??「いてててっ、なんですかも〜」
パンパンッ
ダヨオ(女の子は制服を軽くはたくと私の手を取って立ち上がる)
??「怪我は無いですけど……ん?その制服……もしかして同じ高校の人ですか?」
ダヨオ「え?……ってなにこれ!?」
ダヨオ(自分の格好を見てみるといつの間にか目の前の子と同じ制服を着ていた)
-
ダヨオ(どういうこと?このピラミッドの中に入ったから!?)
ダヨオ(曲がり角でぶつかるシチュエーションもよく考えたら不自然だし)
ダヨオ(もしかしてもうナンパチャレンが始まってたりするのかな……?)
ダヨオ(ナンパナンパ……ダメだ全く思い浮かばない)
ダヨオ(とりあえず名前を聞いてみたりしようかな)
ダヨオ「ええと……あなたの名前は?」
??「名前?私は中須かすみって言いますけど……」
ダヨオ「かすみちゃん!かすみちゃんか!うんうん!」
かすみ「変な人ですね……というかあなたは何年生なんです?」
ダヨオ「何年生……?」
ダヨオ(困ったな、学校には通ってないんだよねぇ、通ってたとしたら高校2年生くらいなのかな)
ダヨオ「うん、2年生くらいだと思うよ」
かすみ「2年生、ということは先輩ですね……こんな変な先輩がいたんですか」ジーッ
ダヨオ(すごいジロジロ見られてるな……)
-
かすみ「まぁ良いです、私急いでるんで先に行きますね」
ダヨオ「行く?どこに?」
かすみ「そんなの朝なんだから学校に決まってるじゃないですか、やっぱりおかしな先輩です」
ダヨオ「ああっ、そっか……そうだよねー」
ダヨオ(このまま普通にスルーして学校に言かれたらナンパ……には発展しないよねぇ?)
ダヨオ(どこかにお茶か遊びにでも誘うのが古典的なナンパだと思うけど、こんなピラミッドの中にお店なんて……)
キョロキョロ
ダヨオ「ん?あそこにあるのは>>469」
-
ランジェリーshop
-
ダヨオ「あそこにあるのは……」
ダヨオ(私の目に映ったのは石で作られたピラミッド内部に似つかわしくない派手な看板を掲げたお店)
ダヨオ(看板にはランジェリーshopと書かれている)
ダヨオ「そ、そうだ!あのランジェリーshopに行こう!」
かすみ「は、はぁ〜!?」
ダヨオ(私がお店を指差すとかすみちゃんは困惑した顔をする、まぁ当たり前だよね……)
かすみ「何言ってるんですか!今朝ですよ!これから学校に行くって言ってるんですよ!?」
かすみ「そんな初対面の相手を下着のお店に誘うとか何考えてるんですか!!」
ダヨオ「い、良いから!ほら行くよ!」グイッ!
かすみ「えええええっ!?」
ザッ ザッ
ダヨオ(あまりにかすみちゃんのほうか正論過ぎて反論できなかったので手を引っ張って強引に連れて行くことにする)
かすみ「ちょっ!離してくださいって!」
ダヨオ「ごめん!ほんとうちょっとだけでいいから!ちょっと来て!」
ダヨオ(分かっていたことだけど強制的に連れて行くだけじゃナンパ成功にならないよなぁ)
ダヨオ(うーん……どうすればいいんだろう……)
かすみ「せ、先輩〜!?」
ダヨオ(私は悩みながらとりあえずランジェリーSHOPに向かうことにした)
─────────────────
呪殺の魔殿〜小型ピラミッド内部
AM??〜?? 新終末編『275』了
-
というわけでここまで
ダヨオのナンパ?開始です
新終末編『276』に続く
かもしれない
-
新終末編『276』
─────────────────
──小型ピラミッド内・ランジェリーSHOP
AM??
ザッ ザッ!
かすみ「先輩っ!先輩ってば!」
ダヨオ「ごめん今は我慢してちょっと来て!」
ウィーン
ダヨオ(かすみちゃんの手を引っ張ってランジェリーSHOPの自動ドアをくぐる)
ダヨオ(ん?自動ドア……?)
店員「いらっしゃいませー」
ダヨオ「ど、どうも」
ダヨオ(お店の中は普通の都会のランジェリーSHOPみたいな感じだった)
ダヨオ(普通に店員もいるし、とても古びた石作りのピラミッドの中にある施設だとは思えない)
店員「あ!かすかすちゃんじゃない!」
ダヨオ「かすかす?」
かすみ「う……かすかすって呼ばないでください!か、す、み、です!」
店員「ふふっ」
-
ダヨオ「かすかすちゃん、ここの店員さんと知り合いなの?」
かすみ「だからかすみですって、ここには放課後や休みの日にたまに来るんですよ」
かすみ「ちょうど家から学校までの道の近くですからね」
ダヨオ「へー」
ダヨオ(たぶん『そういう設定』なんだろう……)
ダヨオ(店の前は薄暗い石作りの通路で通学路や学校なんてものがあるとは思えない)
ダヨオ「そういえばぶつかった時にパンツ咥えてたけど……あれはなんで?」
かすみ「ああ、あれもこの店のパンツで>>474」
-
パンツが大好きだから
-
かすみ「あれはこの店のパンツで、咥えていたのは単にパンツが好きだからです」
ダヨオ「そ、そうなんだ……」
かすみ「パンツは素晴らしいです、特にこのお店のパンツは絶品で素晴らしい味わい」
かすみ「だから朝食代わりに食べていたんですよ」
ダヨオ「そうなんだ」
ダヨオ(そうなんだ……とは言ったものの意味がわからない、朝食代わりにパンツを食べる女子校生ってなに!?)
ダヨオ(こんな子をナンパするなんてすごい難易度高いゲームなんじゃない?)
ダヨオ(困ったな、私にクリアなんてできるのかな……)
かすみ「で?先輩は私をこの店に連れ込んで何をするんですか?」ジーッ
ダヨオ「ええと……」タジッ
ダヨオ(いや、弱気になっちゃだめだ……考えろ、考えるんだ私)
ダヨオ(ナンパを成功させるには相手の好きなもので釣ればいい)
ダヨオ(そしてかすみちゃんの好きなものはパンツだから……よし!)
バッ!
ダヨオ(私はかすみちゃんの気を惹くために>>476)
-
今自分が穿いているヨーソローのパンツを見せた
-
ダヨオ(私はスカートを捲り今自分が穿いているヨーソローのパンツを見せた)
ダヨオ「どうだ!」
かすみ「……お、おおおおおおうっ!!」キラーン
ダヨオ(そのパンツを見たかすみちゃんの目の色が変わる)
かすみ「これは何ですか!どこで手に入れたパンツですか!?」
かすみ「形といい色合いといい匂いといい……素晴らしい!素晴らしすぎる!」
スンスンッ スンスンッ
ダヨオ(顔が近いなぁ、あと嗅ぐのはちょっと勘弁してほしい……)
かすみ「先輩!ちょっと先輩!聞いてます!?」
ダヨオ「聞いてる聞いてる、このパンツは私の親友の子のパンツなんだ」
ダヨオ「今は遠くにいるんだけど……このパンツがそんなに良いものなの?」
かすみ「良いです!というか自分で履いていて価値を感じられない先輩が信じられません!」
かすみ「食べたらどんな味がするのかな〜」ヘヘヘ
-
店員「あらあら、かすかすちゃんメロメロねぇ」
ダヨオ「メロメロ……」
ダヨオ(ヨーソローちゃんのパンツがどうして高評価を得てるのかは私には分からない)
ダヨオ(でもこの反応……私の考えた作戦が通用するんじゃ……?)
グッ
ダヨオ(よし!やるだけやってみよう!)
ダヨオ「そうだかすみちゃん、このパンツをあげるから……代わりに今日一日私に付き合ってくれない?」
かすみ「……!」ピクッ
かすみ「本当……ですか?」
ダヨオ「うんっ」コクンッ
かすみ「……そうですね、それならば>>479」
-
そのパンツの代わりにこのラッキーパンツをはいてくれれば
-
かすみ「そのパンツの代わりにこのラッキーパンツをはいてくれれば」
ダヨオ「ラッキーパンツ……?」
かすみ「私が咥えていたパンツです!」
かすみ「実は先輩を一目見た時から密かに思ってたんですよ……ラッキーパンツは先輩にこそ似合うパンツなんじゃないかって!」
ダヨオ「なるほど……交換条件ってわけか」
かすみ「はいっ」
ダヨオ「……分かった!それでかすみちゃんが付き合ってくれるならお安い御用だよ!」
グイッ
ダヨオ(私は勢い良く自分のパンツを下ろすとかすみちゃんに手渡し、かすみちゃんが持ってたパンツに足を通す)
かすみ「おおおおおおおっ!」
ダヨオ(私がパンツを腰まで引き上げたところでかすみちゃんは辛抱たまらなくなったようで)
ダヨオ(私の下半身に強く抱きつくとラッキーパンツに頬ずりを始めた)
スリスリッ スリスリッ
かすみ「ふわぁぁぁぁぁっ!やっぱり私の見立ては間違ってませんでしたぁぁ!」
かすみ「先輩の下半身は最高です!骨盤が作る腰からのラインもお尻の形もラッキーパンツとの相性が抜群!」
かすみ「くぅ〜!舐めていいですか!?」
ダヨオ「舐めるのはダメ」
かすみ「……ちっ」
ダヨオ(ちょっと舌打ちした……もしかして腹黒い子なのかな)
-
ダヨオ「というかかすみちゃん、私が渡したパンツはいいの?」
かすみ「はっ!そうでした!」
ダヨオ(我に返ったかすみちゃんは自分のポケットから何かの小瓶を取り出すと、ヨーソローちゃんのパンツにちゃちゃっとふりかけて――)
かすみ「はむっ」
ダヨオ(大きく口を開けてパンツを咥えて咀嚼しはじめた)
モグッ モグッ
ダヨオ「え……えぇ……?」
かすみ「はぁ……甘美甘美〜」
ダヨオ「ちょっと待って、本当に食べるの……?」
かすみ「残念ながら私は布製品を分解できる胃袋は持ち合わせていません」
かすみ「なので味付けをしてしゃぶるくらいしかできませんね」モグモグ
ダヨオ「へ、へー」
ダヨオ(大体の人はそうだと思うけど……)
かすみ「うん……良い味だなぁ」
ダヨオ(恍惚の表情を浮かべるかすみちゃん)
ダヨオ(ま、しばらくこのままにしておこうかな……)
─────────────────
小型ピラミッド内部・ランジェリーSHOP
AM??〜?? 新終末編『276』了
-
というわけでここまで
かすみちゃんがパンツキャラになっていく
新終末編『277』に続く
かもしれない
-
新終末編『277』
─────────────────
──ランジェリーSHOP
AM??〜??
かすみ「っぷはぁ……満足です」
ダヨオ「なら良かったよ、何が良いかはさっぱり分からないけど」
ダヨオ(かすみちゃんは本当に満足そうにパンツをしゃぶりつくすと口から取り出し、また別の小瓶をポケットから取り出してふりかける)
サッサッ
ダヨオ(そうすると唾液でびしょびしょだったヨーソローパンツが一瞬で乾燥した)
パッ!
ダヨオ(そして乾いたパンツを広げるとかすみちゃんはそれを頭に被る)
ダヨオ(最早その程度では私は突っ込んだりしない……しない)
ダヨオ「すごいね……その液体はなんなの?」
かすみ「その名の通り液体乾燥薬と呼ばれるクスリですよ」
かすみ「パンツを堪能した後に保管する際にはこれで染み付いた体液を飛ばすんです」
ダヨオ「便利だなぁ」
-
かすみ「……はぁ、仕方ありませんね」
ダヨオ「ん?」
かすみ「先輩に今日1日付き合うって約束ですよ、こんなパンツを味わってしまったら断れません」
かすみ「それに……先輩についていったら他の良いパンツに巡り会えそうですし」ニヤリ
ダヨオ「ほ、ほんと!?」
かすみ「私に二言はありません」
ダヨオ「やっ……やったーーーー!」
ダヨオ(思わず両腕で大きなガッツポーズを取る)
ダヨオ(かすみちゃんを遊びに誘えた、ということは……)
パンパカパーン!! パンパンパンパーン!!
ダヨオ「来た!」
ダヨオ(店内に聞き覚えのあるファンファーレが鳴り響き、>>485)
-
かすみちゃんから愛のビンタ
-
ダヨオ(ファンファーレが鳴り響き、私はかすみちゃんからビンタを食らった)
バシィィンッ!!
ダヨオ「……へ?」
ダヨオ(ぶたれたほうの頬がジンジンと痛み耳がキーンとする)
ダヨオ(あれ?私ナンパに成功したんだよね、なのにどうしてビンタされたの……?)
かすみ「あら?先輩驚いてます?」
ダヨオ「そりゃねぇ……」ジトー
かすみ「そう怒らないでください、これは先輩を想ってるからこその愛のビンタですよ」
かすみ「嫌いだったらこんなことしません」フフッ
ダヨオ(な、なんか怖い!パンツ被ったS体質の女の子とかちょっと手に負えない!)
ダヨオ「幸子!どうせどこかで見てるんでしょ!クリアしたから報酬を頂戴!」
ビビビッ
店員「そうね、あなたのクリアは正式に認められたわ」
ダヨオ「……っ!」
ダヨオ(私の叫びにランジェリーSHOPの店員さんが『幸子の声』で答えた)
-
店員「電話代わりにこの店員の口を借りてるんだ、この店員のことは私だと思ってもらって構わないよ」
ダヨオ「こんなところにランジェリーSHOPなんておかしいと思ったけど……やっぱりあなたの差し金だったんだね」
店員「その通り、ここは私がゲームのために作った仮想的な空間」
店員「でもこの店員や君がナンパしたかすかすは本物の人間だ、少し催眠をかけてキャストに使った」
店員「かすかすはそのまま君にあげるから大事にしてあげるといい」
ダヨオ「……!」
店員「そして報酬だが本命ピラミッドの内部に入る権利は既に外の南ことりたちに与えた」
ダヨオ「ほっ……良かった」
店員「……ん?なんだラッキーパンツをゲットしているのか」
ダヨオ「え?」
店員「それはこのゲームにおいてのレアアイテムだ、かすかすと一緒に大事にするんだな」
ダヨオ「レアアイテム?このパンツが?」ピラッ
店員「うむ、ラッキーパンツの効力は>>488」
-
一度だけ死んでも復活できる
-
店員「うむ、ラッキーパンツの効力は死んでも一度だけ復活できること、つまりは蘇生アイテムだね」
ダヨオ「蘇生……もし本当ならそれは役に立つな、履いておいて損はないかも」
かすみ「そうですっ!ぜひ履いていてくださいねっ」
店員「では君もそろそろ戻ってくるといい、お仲間たちは先に魔殿内部に入ってるそうだよ」
ダヨオ「なっ!」
ダヨオ(ことりちゃんたちがもうあっちのピラミッドに侵入してるってこと?)
ダヨオ(このままじゃ置いて行かれちゃうっ!)
ダヨオ「……分かった、行くよかすみちゃん!」
かすみ「良いんですか?私まで連れていって?」
ダヨオ「どうせダメって言っても付いてくるんでしょ?」
かすみ「……はい、もちろんっ!」
タタタタタタッ
-
・
・
・
──呪殺の魔殿内部
カツンッ カツンッ
ことり「良かったのかな……ダヨオちゃんが来る前に私たちだけ中に入っちゃって」
髑髏穂乃果「構わんだろう、リホ様を入り口の所に残してきたし、何より"ダヨオ自身"が先に行けと言っているんだ」
ことり「そう……だね」
ことり(呪井幸子が言うにはダヨオはゲームを無事クリアして、更に私たちに伝言を託したらしい)
ことり(戻るのに少し時間がかかるから先に進んでて欲しい……と)
髑髏穂乃果「ま、あいつの言うことだから完全に信じるわけでもないがな」
ことり「……?」
髑髏穂乃果「とにかく今は先に進もう」
ことり「う、うん」
カツンッ カツンッ
ことり(私たちが進む呪殺の魔殿の内部、そこは>>491)
-
真っ暗闇で死の臭いで満ちている
-
ことり(そこは真っ暗闇で死の臭いで満ちていた)
ジリッ
ことり(歩くだけで動悸が激しくなり自然と汗が垂れてくる)
ことり(辺りは暗闇に包まれていて何も見えないけど……何か凶悪な存在がそこら中に潜んでる気配がある)
ことり(少しでも気を抜いたら殺されそうなピリピリとした気配)
ことり「…………」ゴクッ
ことり(ダヨオちゃんのことも気になるけど、今は自分たちの歩みに集中しないと危険だ)
ことり(一歩一歩、暗い通路を確実に進んでいく)
カツンッ カツンッ
ことり「髑髏穂乃果、道は分かるの?」
髑髏穂乃果「ああ、魔殿は幾つか潜ったから内部の構造パターンは頭に入っている」
髑髏穂乃果「目の前が見えなくとも大体どう進めば中心部に着くかは分かるさ」
髑髏穂乃果「だが油断は禁物だ」
ザッ
髑髏穂乃果「ここは呪殺の魔殿――何が起こっても不思議ではないからな」
ことり「……うんっ」
─────────────────
ランジェリーSHOP
呪殺の魔殿内部
AM??〜?? 新終末編『277』了
-
というわけでここまで
魔殿の中へ
新終末編『278』に続く
かもしれない
-
をつ
公式のイメージが固まる前に変な目で見てしまいそうだ
-
新終末編『278 』
─────────────────
──呪殺の魔殿内部
AM??
カツンッ カツンッ
ことり(真っ暗な中を進む私と髑髏穂乃果)
ことり(さすがに暗いのでバーニングデーモンでも出そうと思ったけど髑髏穂乃果に止められた)
ことり(私たちから見えやすくなるということは、同時に暗闇に潜む者たちからも見えやすくなるということ)
ことり(それに彼らは灯りに敏感、相手が手を出してこないうちは下手に刺激しないのほうがいい……と髑髏穂乃果は言っていた)
ことり(魔殿の内部には髑髏穂乃果のほうが詳しい、大人しく従っていたほうが安全だろう)
ことり(そんなやり取りをしつつ数分ほど経った時、髑髏穂乃果が口を開く)
髑髏穂乃果「そうだな……そろそろお前にも話しておいたほうがいいか」
ことり(暗い通路に反響する髑髏穂乃果の声)
ことり「話ってなんの?」
髑髏穂乃果「最初の死者の棺についてだ」
ことり「ああ……確か髑髏穂乃果が他の魔殿で見つけた棺だよね、魔王に関係があるとかいう……」
髑髏穂乃果「そうだ、まずは最初の死者について説明しよう」
髑髏穂乃果「最初の死者は遥か古代に起きた『とある出来事』に関わった存在の名称」
髑髏穂乃果「その出来事において最初の死者は他の盟友と共に>>496を成したんだ」
-
27の強き魂を作った
-
世界統一
-
髑髏穂乃果「最初の死者は他の盟友と共に27の強き魂を作った」
ことり「27の……魂?」
髑髏穂乃果「無数の世界の球が海に浮かんで揺られてるような、現在の多元世界構造ができるずっとずっと前」
髑髏穂乃果「気の遠くなるほど遥か昔の頃の話だ」
髑髏穂乃果「その時代において世界と呼べるものは1つしかなく、世界は砂と石で作られた荒涼の大地だった」
髑髏穂乃果「大地には光も闇も存在せず、ただ冷たさ死の気配だけが広がっていた」
髑髏穂乃果「だがそんな死の大地にも生きている者はいた」
ことり「最初の死者とその盟友たち?」
髑髏穂乃果「ああ、死の大地で寒さに凍えながら生きていた彼らはある時『火』を発見したんだ」
髑髏穂乃果「火がいつ現れたのか、どこから来たのか、彼らにも分からなかった」
髑髏穂乃果「しかし『最初の火』と呼ばれるそれは荒涼の大地に確かな暖かさを、そして光と闇をもたらした」
-
ことり「不思議なこともあるんだね、それで寒さに困らなくなったのかな?」
髑髏穂乃果「少なくとも前の世界よりは快適になっただろうな」
髑髏穂乃果「だが彼らは火の暖かさをただ享受するだけに留まらなかった」
髑髏穂乃果「彼らは最初の火の中に存在する強力なエネルギーを自らの手で取り出しある者を作り出したんだ」
カツンッ
髑髏穂乃果「それが強き27の魂――焔のソウル」
ことり「ほむらの……ソウル……」ゴクッ
髑髏穂乃果「ああ、最初の死者たちは火から作り出した魂をそう呼んだんだよ」
髑髏穂乃果「彼らは最初の火と焔のソウルを使い、外敵を倒し、国を興し、虚無の世界を切り開いていった」
ことり「そしてある所まで世界が発展したところで>>500」
-
世界を壊そうとした者が現れた
-
ことり「そして世界がある程度まで発展したと……それで?」
髑髏穂乃果「世界を壊そうとした者が現れた」
ことり「……!」
髑髏穂乃果「火と魂を使い世界を手のうちに収めた指導者である彼らに敵対する者」
髑髏穂乃果「本来なら敵は無いはずの彼らと対等な力を持って戦いを挑んできた者」
髑髏穂乃果「その者の名は――魔王」
ことり「なっ!!??」
ことり「ま、待って待って!どうしてそこで魔王が出てくるの?」
ことり「魔王はフードマン――ロキが世界の自殺機構に見せかけて仕込んだ破壊者のことでしょ?」
ことり「最初の死者たちがいた遥か古代にロキはいないんじゃ……」
髑髏穂乃果「ああ、だからロキ製の魔王ではない、正真正銘本物の魔王だ」
髑髏穂乃果「というよりこの魔王のデータを利用して後にロキが魔王を作ったのだろう」
ことり「つまり今の魔王の元になった魔王ということ……?」
髑髏穂乃果「その通り」
-
カツンッ カツンッ
髑髏穂乃果「最初の死者とその同胞たちは自らのうちに1つずつ焔のソウルを宿していた」
髑髏穂乃果「ソウルを持った彼らは世界において最強、だが魔王はそんな彼らと対等な力を持っていた」
髑髏穂乃果「だから彼らは魔王についてこう考えるしかなかったんだ……」
髑髏穂乃果「魔王をまた、最初の火から作られたソウルを宿しているのだと」
髑髏穂乃果「彼らが独占したはずの最初の火、だが彼らの知らない所で火の力は第三者に掠め取られていた」
髑髏穂乃果「存在しないはずの28個目のソウル、それを有していたのが魔王」
ことり「…………」ゴクッ
ことり「それで最初の死者たちは……魔王を倒すことができたの?」
髑髏穂乃果「倒すことはできた、だが代わりに>>503」
-
死者たちは悠久の輪廻の輪に入った
-
髑髏穂乃果「だが代わりに最初の死者たちは悠久の輪廻の輪に入った」
ことり「輪廻の輪……?」
髑髏穂乃果「輪廻転生、聞いたことはあるだろう?」
ことり「う、うん」
髑髏穂乃果「魔王を倒したものの彼ら指導者たちの肉体も激しく傷ついた」
髑髏穂乃果「彼らは肉体を癒やすため肉体を封印し、自らの魂を切り離して悠久の輪廻の輪へと放流したのだ」
髑髏穂乃果「放流された魂は輪廻転生を繰り返すこととなり、その時代時代で別の生命体の中に入って受け継がれていった……」
髑髏穂乃果「私たちの生きる現代までずっとな」
ことり「世界や最初の火、他のソウルはどうなったの?」
ことり「指導者たちが自らの身に宿していたのは1つずつだけだったんでしょ?」
髑髏穂乃果「世界は魔王との戦いでバラバラ割れ、1つだけだった世界は無数の世界へと分裂した」
髑髏穂乃果「これが現在の多元世界の元」
ことり「……なるほど」
髑髏穂乃果「そして王たちが守りきれなかった他のソウルは世界の分裂と共に散らばっていった」
髑髏穂乃果「それらのソウルも多元世界の成長と共に形を変え宿主を変え、今もどこかに存在しているはず」
髑髏穂乃果「最後に最初の火だが――」
カツンッ
髑髏穂乃果「それだけは死守せねばなりないと、戦いで生き残った指導者の1人がとある空間に自身と共に隔離した」
髑髏穂乃果「特に重要と考えられた9つのソウルと一緒にな」
ことり「重要?焔のソウルにも種類があったの?」
髑髏穂乃果「ああ」コクンッ
-
髑髏穂乃果「最初の火から初めに作られ、世界に安寧を与えた最初の9つ」
髑髏穂乃果「次に作られ開拓や文明の発展に使われた、世界に発展の波を与えた9つ」
髑髏穂乃果「最後にそれらを改良して作られた比較的新しいソウルが9つ」
髑髏穂乃果「最後の9つについては詳しい記述が無いが、指導者たちが自分に宿して戦闘に使っていたのもこのソウルだと思われる」
ことり「ふむふむ、全て合わせて27個ってわけか」
ことり「最初の9つが火と一緒に隔離空間へ、指導者が使っていたいくつかは輪廻の輪へ、残りのソウルは多元世界に散らばった」
髑髏穂乃果「その理解で合っている」
カツンッ カツンッ
ことり「理解したのは良いけど……この世界創世的なお話と今私たちが侵入してる魔殿になんの関係があるの?」
髑髏穂乃果「大有りさ」
髑髏穂乃果「指導者たちが自らの肉体を封印するために選んだのが外郭界だからな」
ことり「そうなんだ!まぁ確かに世界と世界の狭間にある外郭界なら見つかりにくいよね」
髑髏穂乃果「つまり傷付いた彼らの肉体を収める棺、棺を安置する墓所が外郭界には存在する」
髑髏穂乃果「なぁことり、この魔殿はどんな形をしていた?」
ことり「形……はっ!まさか!」
髑髏穂乃果「そう、ピラミッドは王の墓でもあったよな」
ことり「……!」
ことり(私の中でバラバラだった点が繋がって線になる)
ことり(外郭界の砂漠地帯に点在する魔殿はかつて魔王との戦いで傷付いたソウルの持ち主たちの墓所)
ことり(前に他の魔殿で髑髏穂乃果が見つけた最初の死者の棺、あれは名前の通り封印された最初の死者の肉体だったんだ!)
-
髑髏穂乃果「まぁ魔殿の全てが指導者たちの墓というわけではない」
髑髏穂乃果「多くは魔王によって破壊された旧世界の建物の残骸、そこに事情を知らないモンスターが住み着いているだけ」
髑髏穂乃果「だがここはピラミッドの外見から考えても墓である可能性は高い」
ことり「ということはここにも……ソウルを生み出した指導者を封印した棺があるってこと?」
髑髏穂乃果「ああ」コクンッ
ことり「それを見つけてどうするの?」
髑髏穂乃果「見つければ分かるさ」
髑髏穂乃果「お前がもし見つけることができれば、かつての私と同じ体験をすることになる」
髑髏穂乃果「棺の発見がお前らの外郭界探索にどう役立つかはその時に直接聞けばいい」
ことり「聞く……?」
カツンッ
髑髏穂乃果「さぁ、歩きながらの長話はお終いだ」
ことり(髑髏穂乃果は立ち止まり、暗闇の向こうに手を伸ばして何かを掴む)
ガチャッ ギィィィィィィ
ことり(その瞬間、辺りの死の気配がより一層濃くなったのを感じる)
ことり「……っ!」ビクッ!!
タンッ
髑髏穂乃果「ここから……ついに魔殿の中心部だ」
─────────────────
呪殺の魔殿内部
AM??〜?? 新終末編『278』了
-
というわけでここまで
適当に根幹の設定を増やしていく
まぁ後付で帳尻合わせればいいのですよ
次もたぶんお話回
新終末編『279』に続く
かもしれない
-
をつ
-
新終末編『279』
─────────────────
──呪殺の魔殿・中心部
AM??
ギィィィィィィ バタンッ!!
ことり「……!」
ことり(中心部へ足を踏み入れた私たちの後ろで扉が大きな音を立てて閉まる)
髑髏穂乃果「よし、もう灯りをつけて大丈夫だ」
髑髏穂乃果「中心部まで入ってしまえば厄介な雑魚は入って来られない」
ことり「うんっ」
ポワンッ
ことり「Burning-Devil-Macaron」ポイッ
ボォォォォォォォウッ!!
ことり(手のひらの上に召喚した赤いマカロンを床に投げると、マカロンが割れて炎の悪魔が現れる)
ことり(鬼の姿を象った生ける炎は真っ暗だった魔殿内を淡く照らし出す)
ことり「これは……」ゴクッ
ことり(炎に照らし出された魔殿の中心部は1つの巨大な石室だった)
ことり(教科書で見た実際の遺跡内部に似てるけど大きさだけが規格外、バーニングデビルの炎でさえ天井まで照らしきれない)
ことり(そして周囲の壁一面には文字と絵がびっしりと刻まれていた)
-
ことり(文字は日本語でも英語でもない、たぶん私たちの世界のどの言語とも違う)
ことり(外郭界……最初の火によって作られた文明の古代文字だろう)
ことり(絵画の方も複雑怪奇で何を表したものなのか見当がつかない)
ことり「ねぇ、髑髏穂乃果は壁の文字が分かるの?」
髑髏穂乃果「うむ」コクンッ
ことり(髑髏穂乃果は頷くと周囲の壁の文字を注意深く読んでいって……そして笑った)
髑髏穂乃果「くくっ、思ってた通りだ……喜べことり、この魔殿は当たりだぞ」
ことり「?」
髑髏穂乃果「壁面の文章によればこのピラミッドは指導者の1人の肉体を封印するための墓でドンピシャ」
髑髏穂乃果「そして……ここに眠ってる者の名は>>511」
-
GOD
-
髑髏穂乃果「そして……ここに眠っている者の名はGOD」
髑髏穂乃果「最初の死者と共に最初の火からソウルを生み出した同胞の1人だ」
髑髏穂乃果「GODもまた魔王との戦いで傷付いて肉体を封印、魂だけを分離させて輪廻転生の輪に放流した」
髑髏穂乃果「そして封印された肉体は……」
スッ
髑髏穂乃果「この部屋の中心の棺に安置されている」
ことり「……」ゴクッ
ことり(髑髏穂乃果が指差した先、そこに巨大な棺が置かれていた)
ことり(あそこに……GODが眠っているんだ)
ことり(でも待って、確かGODってどここで聞いた気がする名前だな、どこかで……)
髑髏穂乃果「ことり、あの棺を開けてみろ」
ことり「え?いいの?」
髑髏穂乃果「何か問題が起これば私が対処するから心配するな、思い切って開けてみろ」
ことり「うん……分かった」
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