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>>2「>>2の3分クッキングの時間だよ!」 PartⅩⅩⅣ
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安価スレのようなそうじゃないよう
なSSスレ
前スレ(PartⅩⅩⅢ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1507460469/
前前スレ(PartⅩⅩⅡ)
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前前前スレ(PartⅩⅩⅠ)
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前前前前スレ(PartⅩⅩ)
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前前前前前スレ(PartⅩⅨ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1487495156/
前前前前前前スレ(PartⅩⅧ(再々))
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1486897355/
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ハグカナーン「それはすごいな……空の特異点って地上で言ったら龍脈みたいなものでしょ」
ハグカナーン「ただ落ちてくるだけで星の環境を変えちゃうなんて、やっぱり宇宙怪獣はとんでもないやつだったわけだ」
ダル子「スイッチ自体のエナジーを溜められる量は?」
マザー「デンジャラススイッチはデメリットがある分溜められるエナジー量は多いで」
マザー「1発起動してみた感じだとワームホール発動5回分はいけるんやないかな」
ダル子「そっか……それなら良かった」
ハグカナーン「ダル子?」
ダル子(何かを察したようなハグカナーンの視線を受けつつ、私は前に進み出て皆のほうへ振り返る)
ダル子「みんな聞いて!1つお願いがあるの!」
ヨハネ「お願い?」
ダル子「うんっ」コクンッ
ダル子「私に1回だけ、このワームホールを使わせてほしいの!」
─────────────────
浦の星女学院・校庭
AM10:10〜AM10:15 新終末編『267』了
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というわけでここまで
まとめた直後に人が分かれる
仕方ないのだ
新終末編『268』に続く
かもしれない
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をつ
稀によくある
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新終末編『268』
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──浦の星女学院
AM10:15
ダル子「このワームホール装置、私に使わせてくれないかな?」
マザー「ダル子に?」
ダル子「そう、スイッチに溜まったエナジーはいっぱいあるんでしょ?だったら1回くらい使わせて!」
マザー「別に構わへんけど……どこに繋げる用事なん?」
ダル子「外郭界!」
ハグカナーン「……!」
マザー「……ほう?中々面白い地名が出たな」
ダル子「実は私さっきまで外郭界で探索班の皆と一緒にいて、お姉ちゃんたちのケンカのせいで急に内浦に飛ばされちゃったの」
ダル子「だから皆に連絡取っておきたいなって思うんだ」
ダル子「あそこは普通の通信が届かない世界の狭間だけど、ワームホールを使えば直接話せるでしょ?」
マザー「ふむ……そういうことなら分かった、ただフードマンの軍勢が入り込んで来ない場所にしてな」
ダル子「大丈夫、イメージするのは船の中だからっ」
ハグカナーン「……そういえばダル子、あっちでナンパしてたって聞いてたけど何で?」
ダル子「うっ……ほ、ほら!情報収集の一環で……」
ハグカナーン「へー」
マザー「ナンパ?何人くらい成功したん?」
ダヨオ「へ?そうだなぁ、ナンパ自体は連敗も連敗、成功したのは>>381って子1人くらい……かも」
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かすかす
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ダヨオ「かすかすって子1人くらい……かも」
ハグカナーン「なんだかんだ言って成功してるんじゃん」
ダヨオ「偶々だよ偶々!奇跡的に1人!」
ハグカナーン「本当に〜?本当はナンパ成功して嬉しいんじゃないの〜?」ジーッ
ダヨオ「ぐ……」
ダヨオ(ちょっとハグカナーンがうざかったので、私はハグカナーンに抱きついて胸を揉みしだく)
ギュッ! モニュモニュモニュモニュ!!
ハグカナーン「のわぁあああああああっ!?な、何するのダヨオ!?」
ダヨオ「装置を起動するために誰かに抱きついて胸を揉む必要があるんでしょ?誰でも良いならハグカナーンでもいいかなって」
ハグカナーン「誰でも良いなら私じゃなくても……んんっ!」ビクンッ!
ダヨオ「ほら、ハグカナーンはハグ好きだし」
ワシワシ ワシワシ
ハグカナーン「自分からするのは好きだけど……強引にされるのは……ひゃううっ!!」
ビクンビクンッ!!
-
ダヨオ「マザー、揉むのってこれくらいでいいの?」
マザー「人数と時間は乳の大きさと反比例する感じやな、うちの時は周りに胸大きい人がおらんかったから数人揉んだけど……」ジーッ
マザー「まぁその子くらいの大きさがあれば一回の起動には充分やろ」
ダヨオ「よしっ」パッ
ハグカナーン「はふぅ……」ヘロヘロ
ダヨオ(充分揉みしだいた所でハグカナーンを開放してあげて、私はワームホール発生装置の前に立つ)
ザッ
ダヨオ(確かホールを繋ぐ場所をイメージしながら装置にセットしてあるスイッチを押せばいいんだよね)
ダヨオ(……ってうおっ、本当にスイッチの周りを無数の刃物が囲んでるな、指切らないように気をつけて押さないと)
ソーッ
ポチッ
ダヨオ(そして注意深くデンジャラススイッチを押すと、装置の中のワームホール……その景色が海底から木造の船の内部に変化する)
キュィィィィィィィィンッ!
ダヨオ(ナグルファル――私が乗っていた、今は外郭界にあるはずの船だ)
ダヨオ「成功……かな」
ダヨオ(私が恐る恐るワームホールの先の景色を覗き込んでいると、ホールの向こう側に>>384)
-
乱痴気騒ぎしてる様子が見える
-
ダヨオ(ホールの向こう側に乱痴気騒ぎしてる様子が見える)
『うひょーーーー!』
『おほーーーーーーっ!!』
『いえぇーーい!』 『ひゃおーーーーーーうっ!!』
ドンドン! パフパフッ!! ピューッ!!
ダヨオ「なんだこれ……」
ダヨオ(船員さんやポポポポーンが歌えや踊れやの大騒ぎ、後ろで壁に頭を突っ込んでるのはフリュム……なのかな)
ダヨオ(とにかく皆がお酒でも飲んだみたいにアホになっている)
ダヨオ(そんな予想外の光景に私が驚いてると、ワームホールの先に横から顔を出してくる人がいた)
??『あれ〜?なんでしょうこれ、さっきまでこんなの無かった気がするんですけどー』
ダヨオ(その人……というか女の子は不思議そうにワームホールを覗き込んでいる)
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マザー「誰?」
ダヨオ「ええと……この子がかすかすちゃんです」
かすみ『あっ!ダヨオ先輩じゃないですかっ!』ピコッ!
ダヨオ「うわ見つかった!」ビクッ!
マザー「そりゃ双方向共に光や音の通過を許可設定にしとるからな、そうやないと話せないやろ」
かすみ『うわとはなんですか〜!それとかすかすじゃなくてかすみです!か・す・み!』
ダヨオ「……わ、分かったよかすみちゃん」
かすみ『はいっ』ニッコリ
ダヨオ「それでこの乱痴気騒ぎをしてるのはどうして?」
かすみ『あーこれですか、先輩が急に虚空に消えてかすみ寂しくなったんですよ〜』
かすみ『だから暇になりすぎて皆の飲み物に楽しくなるクスリを混ぜちゃいました』テヘッ
ダヨオ「てへっ……じゃないよ!?」
かすみ『まぁ大丈夫ですよ、弱いクスリなので>>387』
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鼻血がでるまで興奮したら治まる
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かすみ『弱いクスリなので鼻血がでるまで興奮したら治まりますよー』
ダヨオ「そっか、それなら良かった……いや良くはないけど」
マザー「この子なんなん?」
ダヨオ「かすみちゃんはちょっとおかしいだけで悪い子では無い……たぶん」
マザー「人にこっそりクスリを盛るような子がかぁ?」
かすみ『そうですよー、誰か分からないけど失礼なこと言わないでくださいおばさん!』
マザー「ああんっ!?」ピキッ
ダヨオ「こーら、かすみちゃん余計に反感買うようなこと言わない」
かすみ『す、すみません』
ダヨオ「私がこっちに転移しちゃった理由と現状の説明をしたいから皆を落ち着かせて……そうだな、ことりちゃん辺りを呼んできて!」
かすみ『はいっ!分かりました!』
テテテテッ!
-
ダヨオ(元気よく返事をするとかすみちゃんはワームホールの前から離れて走っていく)
ダヨオ(かすみちゃんは確かに面倒な所があるけど、こういう時に余計な疑問を持たずに動いてくれるのは助かる)
ダヨオ(『目の前の変な穴に対する疑問<とりあえず私のお願いを叶える』という行動原理は都合が良い)
ダヨオ(これで私以外の人にも同じくらい優しくしてくれたらなぁ……)
ダヨオ(私にも懐いてくれて良い子だけど他の人と摩擦を生みやすい言動が玉に瑕)
ダヨオ「ごめん、皆ちょっと待っててね」
マザー「別に構わへんよ、向こう側の話も聞いてみたかったとこやしな」
ハグカナーン「そうそう……私のを揉んだんだから有益な話をしてよね」プイッ
ダヨオ「ありがとう」
ダヨオ「ことりちゃんたちと情報共有ができたらちゃんも皆にも話すよ」
ダヨオ「私たちが外郭界で何をして来て何を得たのか、その全部を――」
─────────────────
浦の星女学院・校庭
AM10:15〜AM10:20 新終末編『268』了
-
というわけでここまで
かすかす登場
新終末編『269』に続く
かもしれない
-
新終末編『269』
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──浦の星女学院・校庭
AM10:20
ダヨオ(かすかすちゃん……でなくかすみちゃんがワームホールから離れて遠くへ走っていくと、見えない所でドタンバタンと騒がしい音がする)
ダヨオ(そして一通りの音が止むとワームホールの前にことりちゃんが現れた)
ことり『う……うう……こ、これ?』
かすみ『そうこれです!この穴の向こうに先輩がいるんです!』
ダヨオ(一応ワームホールは通り抜けできる穴なんだけど、こうして見るとテレビ電話みたいにも思えるな)
ことり『はぁ……はぁ……』
ダヨオ(ことりちゃんは鼻から真っ赤な血の跡を流しながらフラフラしていた)
ダヨオ「ことりちゃん!」
ことり『ほ……ほんとだ、ダヨオだ、今どこにいるの?』
ダヨオ「それは今から説明する、それよりことりちゃん大丈夫?少し休んだほうがいいんじゃない?」
ことり『だいじょぶ、>>392をして鼻血を出してクスリは切れたから……そのうち体力も回復してくると思う』
-
やっぱり“ことほの”なんだよちゅんなぁ…
-
ことり『ことほのをして鼻血を出してクスリは切れたから……』
ダヨオ「ことほの?」
ことり『そうそう、手っ取り早く興奮したい時もやっぱり“ことほの”なんだよちゅんなぁ……』ウヘヘ
ダヨオ「う、うん」
ダヨオ(意味が分からないけどこれ以上深く聞くのはよそう、私の本能がそう言っている)
ダヨオ「じゃあ今からこっちの状況を説明するね、私が知らないとこもあるだろうからマザーとハグカナーンも協力してくれる?」
マザー「もちろんっ」
ハグカナーン「構わないよ」
ダヨオ「ありがとう、まず話すのは――」
・
・
-
・
・
ことり『――そっか、宇宙怪獣で……サトゥルヌスが……私たちがいない間にそんなことになってたんだ』
ダヨオ「うん、私もさっき転移してきた詳しくは知らないんだけどね……」
マザー「城は城のほうでフードマンの手下に攻められて大変なことになってるみたいやな」
マザー「拠点側の事情が関わってるみたいやけど……ことりちゃんは何か知らん?」
ことり『あー……心当たり無くはないないか……も』
マザー「ほんとか!?」
ことり『うん、でもそれを話すには私たちが外郭界でしてたことをイチから話した早いと思う』
マザー「それでいいで、こっちも腰を据えて聞くつもりやったからな」
ダヨオ(……と、そんな感じでこちらの状況を話し終えた時、テントに外から人が入ってきた)
ガバッ!
アニメ穂乃果「みんなっ!……って良かったここに全員いた」
ダヨオ「穂乃果ちゃん?」
ダヨオ(穂乃果ちゃんは少し息を切らしている、急いで走ってきたのかな)
ことり『お、私の穂乃果ちゃんじゃないほうの穂乃果ちゃんか』
ダヨオ「別にどっちの穂乃果ちゃんもことりちゃんのものではないと思う」
マザー「その論争はどうでもええけど、穂乃果ちゃんは校舎の方の確認をしてきたんよね?」
アニメ穂乃果「ああそうそう、中の皆の様子は気絶してたくらいで大きな怪我は無かったよ」
アニメ穂乃果「それと>>395」
-
サトゥルヌスが彼方の「千年子守唄」で眠ってる
-
アニメ穂乃果「それと……サトゥルヌスの一時沈静化に成功したみたい」
マザー「ほんとか!?」
アニメ穂乃果「うん、彼方ちゃんって子の「千年子守唄」って技で眠らせたって聞いたよ」
マザー「彼方……あの眠っていた信者の子か、まさかサトゥルヌスに効く技を持ってたなんて思わなかったな……」
ハグカナーン「でもそれが本当なら大成果だよ、あいつの扱いは私たちも困っていたとこだし」
ダヨオ「他の人……海未ちゃんたちは無事だったんだよね?」
アニメ穂乃果「うん、屋上にいた海未ちゃんたちは衝撃で意識を失ってた」
アニメ穂乃果「校舎の中にいた人たちも同じようにほぼ気絶、意識があったのは鞠莉さんと寿限無ちゃんと……あと善子ちゃんって子くらいかな」
アニメ穂乃果「私たちが校舎に入った時には3人で他の人の介抱をしてたよ」
ダヨオ「そっか、怪我がないなら良かったよ」
ヨハネ「善子……?他人とは思えない名前ね」
アニメ穂乃果「ああ、そういえばヨハネちゃんと顔が似てたような――」
マザー「待って、気絶しなかったのがその3人だとしたら彼方ちゃんは?」
アニメ穂乃果「へ?ああ、彼方ちゃんは逆に寝てたところをサトゥルヌスの衝撃で起こされたみたい」
アニメ穂乃果「不意に起こされて不機嫌だった彼方ちゃんはダルそうに走って屋上まで駆け上がって」
アニメ穂乃果「寝袋の中に入っていた>>397を使って、海岸の道を歩いていたサトゥルヌスに術をかけたんだって」
-
メガホン
-
アニメ穂乃果「寝袋の中に入っていたメガホンを使ってサトゥルヌスに千年子守唄をかけたんだって」
アニメ穂乃果「今サトゥルヌスは丁度内浦と沼津市中心の間くらい?の位置で立ったまま寝てるみたい」
ハグカナーン「へー、英玲奈たちは?」
アニメ穂乃果「私以外の人はさっきも言った通り皆を介抱してたり、内浦クレーターのほうで倒れてるウミトラマンたちを助けに行ったりしてるよ」
ハグカナーン「なるほど、サトゥルヌスが沈静化して救助の手数も足りてるのなら、私たちはテントで話をしていて大丈夫かな」
アニメ穂乃果「話?」
ことり『そう、時間があるなら穂乃果ちゃんも聞いていって』
アニメ穂乃果「わっ!変な装置の穴の向こうにことりちゃん!?」
ことり『これから話すのは私たちがナグルファルに乗って名古屋から離れた後の話』
ことり『砂の大地が広がる外郭界を探索した結果、私たちが見つけたものについての話だよ』
ことり『そうだね……まずは外郭界に着いてからすぐ起こったあの出来事について』
ことり『そこから全容を話していくことにするよ』
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浦の星女学院・校庭
AM10:20〜AM10:25 新終末編『269』了
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というわけでここまで
少し短めですねすいませぬ
次からはいよいよことりちゃん編の続き
半年ちょいぶりくらいですね
新終末編『270』に続く
かもしれない
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新終末編『270』
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──外郭界・上空
AM??
──ナグルファル内・操舵室
ことり(私たちの世界をナグルファルが旅立ってから1時間くらいの時間が流れた)
ことり(といってもあくまで私の体感時間なので、外郭界の時間の流れが私たちの世界の時間と同じかは分からない)
ことり(スマホの画面を確認してみても、外郭界に入って最初に確認した時のまま、ピタリと固まって動いている様子はない)
ことり(スマホではない普通の時計や、ナグルファルに備え付けの異界対応時計なんかもバラバラの時間を指し示しているようで……結局時間は不明なまま)
ことり(船長であるフリュムや船のシステムと連結しているレイちゃんたちが何とか調整しようとしてるみたいだけど……)
レイ「あーーもう!機器が全然ちゃんと働きませんですーー!!」プスー!
フリュム「一応異界渡りの船としての機能は備えてるんだが、どこの世界にも当てはまらない外郭界じゃまた勝手が違うのかねぇ」
ポポポポーン「諦めずに調整だけは進めてみましょう!」
ことり(……うーん、まだダメみたいだね)
ザッ
髑髏穂乃果「こうなるとお前が導き出した座標のみが頼りだな」
ことり「髑髏穂乃果……」
ことり(私の横に音を立てず髑髏穂乃果が並ぶ)
ことり(髑髏穂乃果はミナ仮面の部下だったけど、今はどうやら自分の思惑のために私たちに協力してるみたい)
ことり(彼女が私だけに話してくれた『自分の正体が大罪穂乃果の1人、虚飾の穂乃果である』ということ)
ことり(あれが本当だとしたら髑髏穂乃果の狙いはいったい……)
髑髏穂乃果「くくっ、そんなに訝しげな顔をしなくてもいい、私は間違いなく味方だよ」
ことり「…………」
-
タタタッ
ダヨオ「座標の話?今話してた座標って元魔王が囚われてる場所のことだよね」
ことり「へ?ああうん、そうだよ」
ことり(髑髏穂乃果にどう対応しようか考えてると、元気よく駆け寄ってきたダヨオちゃんが話に入ってくる)
ことり(ダヨオちゃんの後ろにはダヨオちゃんと契約しているリホ様もいた)
リホ様「鏡の向こうに見えた景色は砂の地面に大きな岩が乱立してるような場所でしたね」
ダヨオ「うんうん!」
リホ様「ことりが能力で導き出した座標にレイが補正をかけ、ナグルファルの力で転移してきたのが今の状況」
リホ様「しかし目的の座標からはかなり離れた所に転移してしまった感じですね」
ダヨオ「だねー、今船のデッキに出て周りを見てきたけど全方角どこ見ても砂漠」
ダヨオ「サラサラした砂がずーっと広がっていて岩とかなんもない」
髑髏穂乃果「ふむ、目視では目立ったものは発見できない、船の計器も役には立たない、分かっているのは座標の方角だけ」
髑髏穂乃果「ならば現状はその方角にただ進むしかあるまい」
ポポポポーン「簡単に言ってくれますねぇ、計器がダメってことは船の速度も高度も分からないんですよ」
ポポポポーン「気流や重力の強さも分からないからちょっと速度を強めた瞬間に墜落も有りえます」
ポポポポーン「今はフリュムが船長としての勘で操作してはいますが……いつ事故ってもおかしくはない」
ことり「……ははは、そうならないことを祈ってるよ、ほんとに」
ことり(私達がそんな会話をしつつ、唯一の手がかりである座標の方向に向かっていた時)
ことり(突然>>402)
-
船が墜落
-
ことり(突然、船の高度がガクンっと下がる)
グンッ!!
ことり(操舵室の窓から見える景色がどんだん地面に近づいていく)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!
ダヨオ「お、落ちてる落ちてる!フリュム落ちてるよ!!」
フリュム「わかってら黙ってろ小娘!!」ググッ!
ことり(フリュムが特殊舵輪を操作して必死に船の高度を保とうとするけど間に合わない)
ことり(みるみるうちに船は地面へと近付いていって――――)
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥッ!
ドシャァアアアアアアアアアンッ!!!!
ことり(砂の海へと墜落した)
-
・
・
トントン
髑髏穂乃果「ことり、大丈夫か?」
ことり「…………う、うん」
ことり(墜落の衝撃で派手に床に叩きつけられてうつ伏せに倒れたものの、幸い意識は失っていなかった)
ことり(私は痛む体に力を入れてどうにか立ち上がる)
グググッ
ことり「はぁ……」
髑髏穂乃果「よし、動けるなら平気なようだな」
スタスタ
ことり(そう言うと髑髏穂乃果は別の倒れてる人の所に行って私と同じように揺り起こす)
ことり(あんな墜落の直後だってのに1人だけ平然としてるな……怪我や動揺といったものが全然見られない)
フリュム「あ痛たたた……おい!誰か外の様子を見てきちゃくれねえか!」
フリュム「一応すぐに船を飛ばせるように復旧作業はするが外の様子が知れねぇと困る!」
ことり「分かった!じゃあ私が行ってくるね!」
ダル子「私も!」
タタタッ
タタタタタタッ
-
ことり(船の復旧をフリュムたちに任せて、私とダヨオは操舵室から出て通路を通り甲板へと出る)
バンッ!
ことり「……!」
ダヨオ「おおっ!砂!砂!砂!」
ことり「これは……飛び立つのに苦労しそうだね」
ことり(甲板に出て気付く、船の前方は深く砂の地面にめり込んでいて、甲板の高さが周りの地面とほぼ同じくらいになっていた)
ことり(甲板の端まで行けば小学生でも安心してジャンプで地面まで降りれる高さだ)
ことり「船が砂に埋まりかけてること以外の異変、周りに変な場所や危険な生物なんかは……>>406」キョロキョロ
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骸骨犬の群れに囲まれた
-
ことり「危険な生物なんかは……」
グー! ワンワンッ!! ワンワンッ!!
ことり「……っ!」
ダヨオ「骨の犬!船の周りをたくさんの骸骨犬に囲まれてるよ!」
ことり(ダヨオの言うとおり、無数の骨だけの犬が船を取り囲んでこちらを睨んでいた)
ことり(骸骨犬だから目はないはずなのに目の部分にだけ赤い光が宿っている)
ことり(今のところ甲板に上がってくることはせずに遠くから吠えて威嚇しているけど……)
ことり「餌をあげたら懐いてくれる……って感じでは無さそうだね」
ダヨオ「むしろ私たちが餌になるパターじゃないかな」
ことり「嫌だなぁ、それは本当に避けたい」
ダヨオ「同感……だからっ!」
バッ!!
ダヨオ「リホ様!力を貸して!」
リホ様「もちろんです!」ポワンッ
-
ことり(ダヨオが契約しているリホ様を背後に召喚、そしてリホ様の手に光が集まり始める)
キュィィィィィィィィンッ!!
ダヨオ「集え!奇跡の光!」
リホ様「奇掃射――ミラクルサンライスシャワー!!」
ドンッ!!
ババババババババババババババッ!!
ことり(ミラクルサンライスシャワー……たぶん花陽ちゃんが使ってた掃射サンライスシャワーにダヨオの奇跡パワーを付与した合体技)
ことり(リホ様の手から放たれたマシンガンのような光弾の雨が、周囲を取り囲む骸骨犬に降り注いでいく)
ことり(適当にばら撒いてるように見えて一発たりとも外れはない、奇跡のような命中率だ)
ことり(光弾を食らった骸骨犬たちは>>409)
-
吸収して巨大化
-
ことり(だけど骸骨犬たちは砕けない)
ことり(直撃した光弾を吸収して骨自分の体を巨大化させていく)
ググググググッ!!
ことり(小型犬レベルだったものが中型犬大型犬……そして車やバスより大きくなっていく)
ことり(それも一匹じゃない、ダヨオが正確に全部に撃ち込んだせいで無数の骸骨犬が巨大化してしまっている)
骸骨犬「ガルルルルルルルルッ!!」
ダヨオ「えええええええっ!?」
リホ様「エネルギーを吸収して糧にするタイプでしたか、まさか私の光弾まで餌にされるとは……予想外でしたね」
ことり「エネルギーを伴った攻撃を吸収するのか、てことは私のバーニングデーモンも吸収されちゃいそう」
ダヨオ「冷静に言ってる場合じゃない!あいつら怒って今にも乗り込んで来そうだよ!」
ことり「うん、最悪船に立て籠もることを考えないと……リホ様、転移は使える?」
リホ様「どうでしょうね、外郭界で正常な転移ができるかは試してみないとわかりません」
ダヨオ「奇跡パワーも今使ったから少し時間経たないと使えないよ!」
ことり「……仕方ない、私がハッピーティアーで放水するからその隙に走って船内に――」
ザッ
骸骨穂乃果「なんだ、お前らこの程度に手こずっているのか」
ことり「髑髏穂乃果!?」
ことり(いつの間にか甲板に出てきていた髑髏穂乃果は私たちの前に出ると>>411)
-
骨を擦り合わせるような不快な音を口から出した
-
ことり(骨と骨を擦り合わせるような不快な音を口から出した)
キィー! キィー! キィー!
ことり「……な、なにこれっ!」
ダル子「ううぅー!背筋がゾクゾクする〜!」
髑髏穂乃果「嫌なら耳でも塞いでいろ」
髑髏穂乃果「こいつは骨鳴り――やつらの骨の体に直接振動を与える音波だ」
キィー! キィー! キィーーーーンッ!!
髑髏穂乃果「これならば……」
ピキッ ピキッ バキンッ!!
骸骨犬「グワウッ!?」
ダヨオ「おおっ!」
ことり(髑髏穂乃果が骨鳴りをするやいなや1番近くにいた骸骨犬の前足にヒビが入り砕ける)
ことり(音波で振動を伝えて破壊した?音は餌として吸収できないってことなのかな……?)
骸骨犬「ガルル……」ザリッ
ことり(そして一匹の骨が砕かれたのを察したからか、他の骸骨犬は後ずさりし一定のラインから近づいてこなくなる)
ことり(ずっと唸り続けてはいるものの、骨鳴りをかなり警戒しているみたいだ)
髑髏穂乃果「よし、牽制が効いているな、今のうちに態勢を整えるぞ!」
ことり「う、うんっ!」
─────────────────
外郭界・砂漠地帯
AM??〜?? 新終末編『270』了
-
というわけでここまで
外郭界探索編の始まりです
無事に目的地に着けるのか
新終末編『271』に続く
かもしれない
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新終末編『271』
─────────────────
──外郭界・砂漠地帯
AM??
ダヨオ「態勢を整えるっと言ったって……どうするの?」
髑髏穂乃果「選択肢としては船に籠城するか今のうちに骸骨犬を倒すかのどっちだろ」キィー! キィー!
ダヨオ「というか普通に喋りながらどうやって骨鳴りしてるの」
髑髏穂乃果「今気にすることか?ホーミーみたいなものだよ」
ダヨオ「あーなるほど」
リホ様「ダヨオ?それで本当に納得できてます?」
ことり「今のうちにおさらいしよう」
ことり「光弾の件を見るに骸骨犬は熱エネルギーや運動エネルギーと言ったエネルギーを吸収してしまう」
ことり「ただ……音だけは別?」
髑髏穂乃果「別というより……これは骸骨犬の仕組みの問題だな」
髑髏穂乃果「やつらは骨と骨の隙間の虚空からエネルギーを内部へ吸い込む、逆に言えば骨自体をピンポイントで叩けば壊せるんだ」
髑髏穂乃果「骨だけに干渉する攻撃なら音による共振現象で破壊しても直接殴りに行っても構わない」
ことり「なるほど」
リホ様「今の説明を聞くに私が持つ遠距離攻撃系などは餌にしかなりませんね」
ダヨオ「私が奇跡的に骨だけにぶつけることができれば……どっちみち奇跡パワーが溜まってないからどうしようもないな」
髑髏穂乃果「戦うか退くかどうする?ことりがリーダーみたいなものだから私は判断に従うよ」
ことり「そうだね……>>415」
-
物理で殴る
-
ことり「そうだね……」
ことり(籠城する選択肢もありっちゃあり、だけど仮に船を壊されてしまったら私たちは詰んでしまう)
ことり(相手は外郭界の未知の生物、突っ込むのは無謀……?)
ブンブンッ
ことり(ううん、どのみち私たちがこれから挑むのはこれまで以上の困難な道、無謀くらいが丁度いい!)
ことり「よし!ここは物理で殴ろう!」
髑髏穂乃果「ふっ、良いぞ」
ことり「え?」
髑髏穂乃果「覚悟を決めて想いを口にするのは良いことだ、お前の想いは力になる」
ことり「……うん、そうだねっ!」
バッ!!
ことり(私は右腕を頭上に掲げて自分の想いを口に出す)
ことり「鋼の硬さは覚悟の硬さ!手にした重さは仲間の重さ!全ての壁を打ち砕く鉄槌を我が手に!!」
ことり「ぴゅあぴゅあマカロン!」
キュィィィィィィィィンッ!
ことり(私が天に伸ばした右手の先、上空にマカロン砲が出現する)
ことり(空中に浮いたままのマカロン砲は砲身を下向き……つまり甲板にいる私のほうへ向け、砲身の先からマカロンを発射する)
ポンッ!!
-
ヒューーーーッ!
ことり(投下された銀色のマカロンは落下中に段々と形を変えていき、銀色に輝くハンマーへとなっていく)
ことり(そして落ちてきたハンマーの柄を私の手がしっかりと掴む)
パシッ!
ことり「Silver Hammer Macaron!!」
ドンッ!!
ダヨオ「ハンマー型の……マカロン?」
リホ様「これまた直球なものが出てきましたね」
ことり「……うん、手に取った私には分かる」
ことり「このハンマーはとてつもない破壊力を秘めてる、それに加えて>>418」
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持ってるだけで女子力UP
-
ことり「それに加えて、持ってるだけで女子力UP!」キュピーンッ
ダヨオ「ほんとだ!ハンマーを構えたことりちゃんがさっきより魅力的に見える!」
リホ様「それは必要な機能なのでしょうか……?」
ことり「よしっ!いっくよー!」
ダタッ!!
ことり(メタリックなハンマーは初めて持ったとは思えないほど手に馴染む、たぶん私の能力で作ったものだからだろう)
ことり(自分の背丈ほどある大きさのわりには片手で振り回せる適度な重さ)
グッ
ことり(いや……ハンマーが思ったより軽いというより今の私の体にいつも以上の力が漲ってるのかな)
ことり(心なしか床を踏みつける足の力や走る速さまで向上してる気がする)
ことり(もしかしたら女子力含めて、持つ人の力強さを高める効果があるのかもしれない)
ダンッ!!
ことり(私は甲板の端から溢れんばかりの力で踏み切ると、こちらを威嚇している骸骨犬の群れに飛び込んでいく)
ことり(全ての犬がバスやトラック並の大きさ、成長し過ぎにもほどがあるなぁ)
ことり(たぶん噛みつかれでもしたら体は普通の人間の私は一発でアウト)
-
ことり「髑髏穂乃果!サポートお願い!」
髑髏穂乃果「言われなくてもっ!」
キィーーーーーーンッ!!
骸骨犬「グッ……」ビビッ
ことり(髑髏穂乃果が骨鳴りで私の近くの骸骨犬の動きを封じる)
ことり(骸骨犬が音を嫌がるように体を捻って硬直させた隙、私はその隙を逃さずハンマーを……)
ことり「打ち込むっ!!」ブンッ!
バキバキバキバキッ!!
骸骨犬「ギャウウウッ!!」
ことり(骨と骨の隙間に当たらないように気をつけて、骨の真ん中に直撃させたハンマーの一撃)
ことり(それは骸骨犬の前足の1本を完全に砕き、その巨体を砂の地面にうつ伏せにさせる)
ダヨオ「いけるいける!」
ことり「通用する……でもっ」
骸骨犬の群れ「「バウバウバウバウバウバウバウバウッ!!」」
ことり「ちょっと多すぎないっ!」
髑髏穂乃果「私を信じてハンマーを振るっておけ」
髑髏穂乃果「うるさい骨犬どもに、もう1つ私の術式をくれてやる!」
ババッ!!
髑髏穂乃果「その名も>>421」
-
骨粗しょう症発症ビーム
-
髑髏穂乃果「骨粗しょう症発症ビーム!」
ビビビビビビビビビーーッ!!
ダヨオ「なにそれ!?」
ことり(黒マントの裾から出した髑髏穂乃果の手から黒い閃光が迸り、骸骨犬の一匹に当たる)
ことり(閃光に撃たれた骸骨犬は驚いて飛び退くものの骨にはヒビが入り……)
ピキッ! ピキッ!
ガクンッ!!
骸骨犬「ガウッ!?」
ことり(派手に着地した骸骨犬はその重みで自分の後ろ足の骨を折ってしまう)
ことり「これは……」
髑髏穂乃果「このビームを浴びたものは骨がスカスカになって脆くなるんだ」
ダヨオ「冗談みたいな名前から恐ろしい効果のビームだね」
リホ様「攻撃的なエネルギーは無く単に骨を劣化させるビームだから吸収はされないんですかね……」
髑髏穂乃果「共振させて骨を砕く骨なりと骨自体を脆くする骨粗しょう症ビーム」
髑髏穂乃果「この2つでお前を援護してやる!存分にハンマーを振るえ!」
キィーーーーーーンッ! ビビビビビビビビ!!
ことり「分かった!こうなったら全部砕いてあげる!」
ブンッ!!
─────────────────
外郭界・砂漠地帯
AM??〜?? 新終末編『271』了
-
というわけでここまで
ハンマーでガンガン
新終末編『272』に続く
かもしれない
-
新終末編『272』
─────────────────
──外郭界・砂漠地帯
AM??
・
・
ドゴーンッ!!
バゴーーンッ!!
髑髏穂乃果「次は9時方向!その次は4時方向だ!」
ことり「うんっ!」ブンッ!
ドガシャーーンッ!
ことり(骸骨犬との戦いが始まって10分くらい、私は全体の約半数の骸骨犬を倒すことに成功していた)
ことり(私の髑髏穂乃果のコンビネーションの良さ……まぁ髑髏穂乃果が上手く合わせてくれてるんだろうけど)
ことり(その相乗効果もあって骸骨犬退治はスムーズにいっていた)
ザッ
ことり「残りは……ん?」
骸骨犬ズ「「ギャウギャウッ!」」
ダダダダダダダダダダダダッ!
ことり(次の骸骨犬を砕こうとしたところで、骸骨犬たちが走って船から離れていく)
ことり「どうしたんだろう……?」
髑髏穂乃果「おそらく仲間がやられたことにビビって退散したんだろう、お前が追い払ったってことだ」
ことり「私そんなに怖くないよ?」
髑髏穂乃果「巨大ハンマー振り回してる女は一般的に怖いと思うが……まぁ良い」
髑髏穂乃果「ことり!その辺りに何か落ちてないか?」
ことり「何か……?」
ことり(何かと言われても周りには砂と骨の残骸しか転がっていない……)
キョロキョロ
ことり「ん?あれは……>>425」
-
ピラミッド
-
パンティ
-
ことり「ん?あれは……ピラミッド……?」ジーッ
髑髏穂乃果「ピラミッドが落ちてるのか?」
ことり「いやいや、ピラミッドが落ちてるわけないでしょ……」
ザッ ザッ
ことり(私は船の甲板の端に立っている髑髏穂乃果の元へ戻りながら、船とは反対側の遠くのほうを指差す)
ことり「あっち!骸骨犬たちが逃げていったほうにぼんやりとピラミッドみたいな建物が見えるの!」
ことり「あれって――」
ガチャッ
ことり「……んん?」
ことり(ピラミッドを指差しながら歩いてたら足が不思議な感触のものを踏んだ)
ことり(なんだろうこれ、感触が砂でも骨でもない何か……)
スッ
ことり「鍵……?」
ことり(手にとってみるとそれは15cmくらいの大きめの赤い鍵だった)
ことり(鍵の先の鍵穴に差し込む部分は普通の鍵には有り得ない複雑な形になっている)
-
タンッ
タタッ
髑髏穂乃果「おお、それだそれだ、その鍵が私が見つけて欲しかったものだ」
ことり(髑髏穂乃果は甲板から砂の地面に飛び降りると私が鍵を見つけた場所までやってくる)
ことり「この鍵はなんなの?状況を見るに倒した骸骨犬が落としていったものだよね」
髑髏穂乃果「ゲームで言えばドロップアイテムというやつだな」
髑髏穂乃果「この鍵は骸骨犬たちか根城にしている場所を開く鍵と言われている」
ことり「……そうなんだ、というか気になってたんだけどさ」
髑髏穂乃果「ん?」
ことり「髑髏穂乃果って妙に外郭界に詳しいよね、骨の犬のこととか、鍵のこととか」
髑髏穂乃果「ああ……それについては後でちゃんと説明するよ」
髑髏穂乃果「お前が見つけたピラミッド、おそらくそれがこの鍵で開く骸骨犬たちの根城だろう」
髑髏穂乃果「私の情報が正しければその根城は>>429という名前で呼ばれている」
-
呪殺の魔殿
-
髑髏穂乃果「その根城は呪殺の魔殿という名前で呼ばれている」
ことり「魔殿……行ってもろくなことが無さそうな響きの場所だね」
髑髏穂乃果「分かりやすく“骸骨犬の根城”と言ったが、魔殿は骸骨犬を始めとした砂漠地帯のスケルトン系生物たち全般が根城としている場所だ」
髑髏穂乃果「そこを住処にしている生物の種類や多さは場所によって様々、建物の形も様々だ」
ことり「じゃあ全部がピラミッドの形をしてるわけじゃないんだ」
髑髏穂乃果「ああ、だから鍵を見つけるまでピラミッドにピンと来ていなかったんだよ」
ことり「なるほど……」
ダヨオ「ことりちゃーん!奇跡パワーが回復したから何とか船を砂から掘り起こしてみるねー!」
ことり「うんおねがーい!」
ことり(ダヨオがリホ様と一緒に砂を吹き飛ばす作業を始めたため、私と髑髏穂乃果は船から少し離れる)
ザッ ザッ
髑髏穂乃果「……ふむ、ちょうどいいな、この待ち時間の間にお前に話しておこう」
ことり「え?」
髑髏穂乃果「私のことについてだ、お前も知っておいたほうが良いだろう?」
ことり「う、うん」コクンッ
-
髑髏穂乃果「私が大罪穂乃果の1人だということは言ったよな」
ことり「うん、確か虚飾の穂乃果だったよね」
髑髏穂乃果「世界改変の際に魔王によってはじき出され、深淵に落ちて砕け散った高坂穂乃果の心の欠片」
髑髏穂乃果「無数にバラけた心の欠片の中でも特に強い感情を宿していた欠片が大罪穂乃果だ」
髑髏穂乃果「感情を根源とした強い力を持っていた彼女らは他の欠片を吸収して肉体を形成」
髑髏穂乃果「自力で深淵から現世へ復活して、同じように復活してきた他の大罪穂乃果や深淵穂乃果と対立した」
ことり「…………」
ことり(プライド、グリード、大食い、お色気、地獄、嫉妬、羨望、怠惰、憂鬱)
ことり(みんな性格や目的は違っていたけど誰もが穂乃果ちゃんの一部であることに変わりはない)
髑髏穂乃果「ではその中で何故私だけがこんな特殊な立ち位置にいるのか」
髑髏穂乃果「それは私の元となった心の欠片が深淵からこの外郭界へ紛れ込んでしまったからだ」
ことり「な……!」
-
髑髏穂乃果「誰かが意図したものじゃない、おそらくは偶然」
髑髏穂乃果「ガラスの瓶を床に叩き付けた際に、1つの欠片だけが跳ねて遠くのタンスの隙間に入ってしまったようなもの」
髑髏穂乃果「私は高坂穂乃果の心の欠片の中で1人だけ……この砂漠の世界で目覚めた」
髑髏穂乃果「大罪穂乃果だったのが幸いし、私の体は人間と呼べる大きさまで回復したが辺りには何もなかった」
髑髏穂乃果「私は傍に落ちていたこのボロい黒マントと髑髏の仮面だけを拾って纏い、広大な砂漠の世界の探索を始めたのだ」
ことり「なるほど……だからモンスターの習性や建物について知っていたんだね」
髑髏穂乃果「1つ1つ体当たりで知っていった経験の積み重ねだよ」
髑髏穂乃果「そして……呪殺の魔殿」
髑髏穂乃果「あそこは今でこそスケルトン系生物の根城となっているが、元は別の用途で使われていた建物だと思う」
ことり「別の……?」
髑髏穂乃果「私は何度目かに発見した魔殿で『魔王』に関する痕跡を発見したんだ」
ことり「ええっ!?」
髑髏穂乃果「そいつは>>433」
-
最初の死者の棺
-
髑髏穂乃果「そいつは棺、最初の死者の棺だ」
ことり「棺……?それが魔王の痕跡なの?」
髑髏穂乃果「ああ、棺に関しては魔殿に着いた時にまた詳しく――」
ダヨオ「でっぇぇぇぇきたぁあああああああっ!!!!」
ドシャァァァァァァァンッ!!
ことり「ふぉっ!砂が舞い上がって……」ペッペ
髑髏穂乃果「ダヨオが船を掘り起こすことに成功したみたいだな」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
ことり(砂地から解放されたナグルファルが砂を落としながら上昇していく)
ことり(どうやら船の航行システム自体も治ったみたいだ)
髑髏穂乃果「では行くぞ、次の目的地は決まった」
ことり「うん……呪殺の魔殿、あのピラミッドまでGO!だね!」
─────────────────
外郭界・砂漠地帯
AM??〜?? 新終末編『272』了
-
というわけでここまで
ピラミッドへGO
新終末編『273』に続く
かもしれない
-
新終末編『273』
─────────────────
──外郭界
AM??
──ナグルファル・ブリッジ
ことり(私たちが船に戻って事情を説明すると、フリュムは舵をピラミッドの方向へ切ってくれた)
フリュム「他に目的地になる場所もねえ砂だらけの場所だし構わねえよ」
フリュム「だがあんなピラミッド、さっきまで目視できる距離にはなかったはずだぜ」
ダヨオ「私が甲板に出て見回した時も見つからなかったよ!」
レイ「私のログにもありません」
髑髏穂乃果「魔殿はその姿を蜃気楼のような結界の中に隠す性質がある」
髑髏穂乃果「骸骨犬たちが帰還する際に結界を開いたから私たちの目に見えるようになったのだろう」
フリュム「ほう……」
ことり「もう運転は大丈夫なの?」
ポポポポーン「出力が復活しただけで計器の使えない不安定飛行に代わりはないですよ」
ポポポポーン「もう一度墜落しないことを祈るばかり……む?」ジーッ
ことり「どしたの?何か見つけた?」
ポポポポーン「ええ、あのピラミッドの正面に何かが現れました」
ポポポポーン「あれは……巨大な骨の塊?形は>>437のように見えますね」
-
スフィンクス
-
うさぎ
-
ポポポポーン「巨大な骨の塊、全体の形はスフィンクスのように見えますね」
フリュム「ピラミッドを護る門番ってわけかぁー?」
ことり(その姿は私にも見えた)
ことり(さっきの骸骨犬より何倍も大きいスフィンクスの形を取った骨の塊)
ことり(体を構成する骨は人骨を始めとした獣や鳥など様々な動物の骨が混ざりあったもので、それらの大量の骨が体内で流動的に蠢いていた)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
ことり(そして私たちが乗ったナグルファルを見つけたスフィンクスは……)
スフィンクス『――――――――!』
カッ!!
ことり(大きく口を開けると私たちの耳では聞き取れない音を発し、口から大量の骨をビームのように吐き出す)
ドドドドドドドドドドドドッ!!
ポポポポーン「……っ!面舵いっぱいっ!!」
フリュム「分かってらぁ!!」
ガラララッ! グゥンッ!!
-
ことり(フリュムが舵輪を激しく回し船を思っきり右に曲がらせ、空中に放たれた骨の濁流を回避する)
グラグラッ
ダヨオ「おおおっ!」
レイ「バランス補正!先程の墜落に至るデータをリアルタイム解析して片っ端から適応!」ピピピピッ!
レイ「計器が役に立たないのなら私自身がフリュムの操作と船の動きに関するデータを取って演算するまでです!」
ことり「どうする?また私と髑髏穂乃果が甲板に出て攻撃する?」
フリュム「いや……要らん」
ことり「え?」
ことり(フリュムは舵輪を慌ただしく動かしながら口の端を歪めニヤリと笑う)
フリュム「俺の船を舐めやがって、ならたっぷりと味わってもらおうじゃねえか!」
ポポポポーン「フリュム船長、あれを使うのですね」
フリュム「ああ!この船に備え付けられてるとっておきの兵器!>>441だ!」
-
とろろ爆弾
-
フリュム「とろろ爆弾だ!」
ポチッ!
ことり「とろろ……爆弾?」
ポポポポーン「ナグルファル下部に搭載された大砲から発射される爆弾です」
ポポポポーン「内部には冥界で栽培されている氷鬼芋から作られた氷トロロが搭載されています」
ことり「異界の植物……真姫ちゃんの地獄トマトみたいなやつだね」
ポポポポーン「ええ、氷トロロはその名の通りとても冷たいトロロ、そして粘性は他の山芋から作られるトロロの比ではない」
フリュム「発射!!」
ドンッ!!!!
ことり(窓の外、骨のスフィンクスの方を見るとナグルファルの下から発射されていく青白い塊が見えた)
ことり(塊はスライムのように空中で自在に形を変えながら高速で飛翔し――)
バシュッ!!!!
ことり(骨スフィンクスの体へ直撃する!)
スフィンクス「――!!」
ことり(また人間には聞き取れない叫びを上げたスフィンクスは、体に纏わりついた粘性の物体を取り払おうと体をくねらせる)
ことり(けれど……)
-
ピキッ! パキッ!
ダヨオ「スフィンクスの体が凍り始めている!?」
フリュム「見たか!あれがトロロ爆弾の真髄さ!」
ポポポポーン「氷トロロはその粘性で直撃したものの動きを制限するトリモチのような特製に加え、その冥界の冷気の如き冷たさで触れてる部分を凍らせる」
ポポポポーン「一度体にくっついたトロロを取ることは容易ではなく動けば動くほど接触面積を広げて更に凍っていく」
ダヨオ「強いじゃん!なんでさっきこれ使わなかったの!?」
リホ様「大砲が砂の下に埋まっていたでしょう……」
ダヨオ「ああそっか」ポンッ
フリュム「外郭界の未知の生物だ、破壊することはできなくても動きを封じることはできるだろう」
フリュム「このまま凍っていてくれれば――」
ことり(フリュムが睨む視線の先、トロロに纏わりつかれた骨スフィンクスは>>444)
-
めちゃくちゃ痒そう
-
スフィンクス「――!――!」
ブンブンッ! ブンブンッ!
ことり(スフィンクスは凍り付きながら痒そうに体を拗じらせる)
ことり「痒そう……?」
ポポポポーン「当然トロロですから痒くなりますよ」
ダヨオ「そこは同じなんだ……」
ポポポポーン「くっつく・痒い・凍る、この三点コンボがトロロ爆弾の絶妙な強さを醸し出しているのです」
ポポポポーン「どうやらこの様子だと普通に効いてるみたいですね」
フリュム「ああっ」
ドダンッ! バダンッ!!
ことり(骨スフィンクスはかゆみで直立していられなくなったのか、体を倒してゴロゴロ砂に体を擦り付けていく)
ことり(そうすると氷トロロは砂を巻き込んで更に氷結面積を広げていく)
ピキッ ピキピキッ!!
フリュム「これなら行けそうだな……一気に船をピラミッドに近づけるぞ!」
─────────────────
外郭界・砂漠地帯
AM??〜?? 新終末編『273』
-
というわけでここまで
またペースが遅くなってくる
精進せねば
新終末編『274』に続く
かもしれない
-
新終末編『274』
─────────────────
──ピラミッド上空
AM??
髑髏穂乃果「よし、ピラミッドの中に入るぞ」
ポポポポーン「入るのですか?」
髑髏穂乃果「そうだよ、ことりが発見した鍵があるからな」
髑髏穂乃果「この大きさの魔殿なら私が探してる棺が存在する可能性が高い」
ことり「棺を見つければ魔王に関する手がかりが分かる……だよね?」
髑髏穂乃果「ああっ」コクンッ
フリュム「まぁ良い、スフィンクスも無力化したし俺らはこの場所で待っている」
フリュム「探索して来るならさっさとしろ」
ことり「ありがとうっ」
レイ「私も船に残っていますから……探索班はことりさん髑髏穂乃果さんダヨオさんですね」
ダヨオ「私にはリホ様も憑いてるけどね」
リホ様「髑髏穂乃果、鍵と言うことはどこかの扉を開けて入るのでしょうが……ピラミッドの何処に扉はあるんです?」
髑髏穂乃果「そいつは>>448」
-
意図的に隠されていてわからない
-
髑髏穂乃果「そいつは意図的に隠されていて分からない、実際に降りてみて調べるしかないな」
リホ様「手当り次第ということですか……」
ことり「だったら手当り次第探すしかないよ、行こう!」
ダヨオ「ゴーゴー!」
タタタッ
・
・
ことり(操舵室を出た私たちは通路を通り甲板へ出て、そこから下のピラミッドへ飛び降りる)
タンッ!!
ことり「ぴゅあぴゅあマカロンの……Sweet-mouth-Macaron!!」
ポンッ! ドンッ!!
ことり(召喚して小脇に抱えたマカロン砲からピラミッドの段々になってる斜面に向かってマカロンを放つ)
ことり(壁に激突したマカロンは膨れ上がって大きな『人の口』に変化する)
ポワンッ!
ダヨオ「わわっ!なにあれ!?」
ことり「ただの柔らかい口だよ、クッション代わりに召喚したから普通に踏んで!」
ダヨオ「うーんっ、そう言われても気が引けるなぁ……」
ヒューーッ
グニュッ ボイーンッ
ダヨオ「おおっ!」
髑髏穂乃果「悪くない踏み心地だ」
スタッ
ことり(Sweetmouthのおかげで特に怪我することなく私たちは着地できた)
-
ことり(着地した場所はピラミッドの中腹辺りの外壁)
ことり(頂点に向かって階段のように積み上がってる石の壁は、1つの段の高さが私たちの背丈をゆうに超えている)
ことり(幅も人が楽々すれ違える広さがあって、少し走ったくらいでは足を踏み外して落ちる心配は無さそうだ)
ことり(私はパパっとマカロン砲と口クッションを消して皆の方に向き直る)
ことり「さっ、入り口を探そうか」
髑髏穂乃果「ああ、だが気を付けろ」
髑髏穂乃果「ここはもう砂漠の化物共の根城だ、いつピラミッドから骨が湧き出してきもおかしくない」
ことり「うん……っ」
ことり(髑髏穂乃果の言葉に私は改めて気を引き締めピラミッドの外壁を歩きだす)
ことり(慎重に壁にペタペタ手を当てながら扉らしい場所がないかを確認……)
ブルルッ
ことり「……ん?」
髑髏穂乃果「どうした?」
ことり「いや、今私のポケットに入れてた赤い鍵がブルっと震えて……」
髑髏穂乃果「震えた?魔殿の扉を開くあの鍵が?」
ことり「うん」
ことり(不審に思って私がポケットから赤い鍵を取り出してみると、>>451)
-
ピンク○ーターに変化していた
-
ことり(取り出してみると……)
ブブブブブブブブッ!!
ことり(ピンクの大人の玩具に変化していた)
ことり「……へ?」
髑髏穂乃果「ピンク○ーターだな」
ことり「なんでっ!?」
ダヨオ「○ーター?」
リホ様「破廉恥ですね……」
ことり「私が破廉恥みたいな目でみるのはやめて……」
カチッ
ことり(とりあえずブーブー煩わしいのでスイッチは切っておく)
ことり「私たちが魔殿に近づいたことと鍵が変化したことにはやっぱり関係があるよね」
髑髏穂乃果「そう考えるのが自然だな」
リホ様「○ーターになったことは全然自然じゃありませんけどね……」
ことり「はぁ……訳の分からないことが多すぎだよ……」
ことり(だけど頭を抱えてる時間はない)
ことり(足を止めた私たちに対して、ピラミッドの角の向こうから聞き覚えのある声で叫ぶ敵が現れる)
骸骨犬「ガウガウっ!!」
ことり「骸骨犬!?」
-
髑髏穂乃果「ちっ!反対側に走るぞ!」
ダダダダダッ!!
ダヨオ「ひぃいいいいいいいいっ!!」
ことり(角まで歩いてきていた私たちはクルッと引き返し骸骨犬から必死に逃げる)
リホ様「またハンマーを出して攻撃すれば……」
髑髏穂乃果「こいつのマカロンには発動のタメがある、この距離では召喚してる間に食われるぞ!」
髑髏穂乃果「今は私の骨なりで遠ざけながらとにかく逃げるのが最善だ!」
ダダダダダッ!!
骸骨犬「バウバウ!!」
ことり「で、でもっ!この外壁の通路ってピラミッドをぐるっと一周してるよね!」
ことり「このまま走っててても切りがないんじゃ……」
ダヨオ「でも今は走るしかないって!」
ことり(そして直線を走りきり反対側の角まで行って曲がる、つまり私たちが最初に着地したピラミッドの辺から別の辺に行く)
ことり(するとその先には>>454)
-
ナンパチャレンジの看板
-
ことり(するとその先には……)
ことり「……看板?」
ことり(そう、看板があった)
ことり(角を曲がった私たちから見て前方、角から角までの石段を1つの通路と仮定すると通路を半分ほど進んだ辺り)
ことり(そこで木材で作られたっぽい風化した看板が石段に突き刺さっていた)
髑髏穂乃果「止まるな!とにかく看板の所まで走るぞ!」
ことり「う、うんっ!」
タタタタタッ
ことり(何とか看板の場所まで走ってきて看板を見ると、そこには簡素な文章が書いてあるのが分かった)
ダヨオ「はぁ……はぁ……何が書いてある?」
ことり「ナンパチャレンジ」
ダヨオ「え?」
ことり「ナンパチャレンジ……」
リホ様「なんでしょうこれ?」
髑髏穂乃果「さすがに私にも分からん、今までの魔殿にはこんなもの無かったぞ」
ことり(私たちが一斉に頭の上に疑問符を浮かべたその時――)
パンパカパーン!! パンパンパンパーン!!
ことり(どこからか掠れたファンファーレの音が響く)
ことり「っ!?」
-
??「おめでとうございます!あなた方はナンパチャレンジゲームの挑戦権を得ました!」
髑髏穂乃果「誰だっ!」
ことり(謎の声に髑髏穂乃果が叫ぶと看板の後ろに人影が現れた)
ことり(人影は手に錆びた小型スピーカーみたいなものを持っている、ファンファーレはあれから流れたのかな)
ダヨオ「……!」
リホ様「おかしいですね、さっきまで看板の後ろには誰もいなかった、転移か何かでしょうか」
??「ようこそ世界の外の旅人たちよ!我が名は>>457!」
??「この呪殺の魔殿の主……と考えてもらって間違いない」
-
呪井幸子
-
ことり「呪井……幸子?」
幸子「うむっ」コクンッ
ことり(私の呟きに人影は芝居がかった仕草で頷く)
ことり(人影……呪井幸子は見る限り普通の人間のように見える、骨で出来たモンスターなんかじゃない)
ことり(体はゴシック装飾の外套のようなものに包まれていて、そこはかとなく女性のシルエットが現れている)
ことり(深くかぶったシルクハットからは2つに結ばれた銀色の髪が肩の下辺りまで伸びていて……)
ことり(シルクハットの縁と長い前髪が顔にかかってるせいで顔の上半分はよく見えない)
ことり(透き通るほど白い肌についた薄い唇がニヤリと笑う)
ことり(あまりに似つかわしくない……)
ことり(こんな人が砂漠の骨モンスターたちが根城にしている魔殿の主なの……?)
幸子「これから始まるは幾百年ぶりかの遊戯、存分にもてなそうではないか」
幸子「旅人よ!心ゆくまで楽しんでゆくといい!」バッ!
ことり「…………」ゴクッ
幸子「さぁ、ナンパチャレンジの始まりだ……!」
─────────────────
外郭界・呪殺の魔殿
AM??〜?? 新終末編『274』了
-
というわけでここまで
ナンパチャレンジとはなんなのか
新終末編『275』に続く
かもしれない
-
新終末編『275』
─────────────────
──呪殺の魔殿
AM??
ことり「ナンパチャレンジ……?それって――」
幸子「では説明しよう!」
ことり「うぐっ……」
ことり(私に口を挟ませたくないのか、単に話を聞いていないだけなのか)
ことり(呪井幸子は私の疑問を遮って話を進めていく)
幸子「ナンパチャレンジはその名の通りナンパを成功させれば勝利となる遊戯だ」
幸子「一度に挑むのは1人、つまり1人ずつの挑戦となるわけ、理解はできた?」
ことり「う、うん」
幸子「ならOK……では誰から挑む?」
ことり「待って!このゲームをクリアすると何かあるの?」
ことり「何もないなら私たちは他にやることあるんだけど……」
幸子「くくっ、報酬がないと挑戦する気が起きないか……良いだろう、説明してさしあげよう!」
幸子「このナンパチャレンジに成功した暁には>>461」
-
ピラミッド内部に入り、神の神殿へのカギを手に入れるチャンスが与えられる
-
幸子「ピラミッド内部に入り、神の神殿へのカギを手に入れるチャンスが与えられる」
ことり「……っ!」
髑髏穂乃果「神の神殿……だと?」
幸子「左様」コクンッ
ことり「どうする、挑戦してみる?」
髑髏穂乃果「神の神殿とやらのことは分からんがピラミッド内部に入れるのなら有り難い」
髑髏穂乃果「下手に扉を探し回って骸骨犬たちに追い立てられても面倒だ」
ことり「……だね、とういかさっき追いかけてきた骸骨犬はどうしたんだろ」
ことり(立ち止まって話してるけど骸骨犬が来る気配は一切しないし、振り返って見ても背後にはいない)
幸子「彼なら私がここへ近づかないようにと命令したよ」
幸子「私はここの主、魔殿に住み着くモンスター全てを従えているからね」
髑髏穂乃果「邪魔をさせない配慮か……中々気が利くじゃないか」
幸子「ではフィールドオープン!」
パチンッ
ことり(そう言って幸子が指を鳴らすと辺りが激しく振動し、私たちが今いるピラミッドの隣に一回り小さいピラミッドが現れる)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
ズサァァァァァァッ
ことり(砂の中から上昇するように現れた小型ピラミッドは、私たちのいる大型ピラミッドの3分の2ほどの高さまで上昇したところでストップ)
ことり(そして丁度私たちが今いる場所に向かって石橋が伸びてきて2つのピラミッドを空中で繋ぐ)
ガシィィンッ!
ダヨオ「おおっ!」
-
幸子「この橋を渡った者を挑戦者とみなす、心の準備ができたら渡るといい」
ことり「一度の挑戦につき1人ずつ……だったよね、誰が行く?」
髑髏穂乃果「私はナンパはしたことがないな、ことりはどうだ?」
ことり「私だってないよ、スクールアイドルの勧誘の声掛けくらいならしてたけど……」
ダヨオ「だったら私が行く!」
リホ様「経験はあるんです?」
ダヨオ「自信だけはある!」
リホ様「無いんですね……」
髑髏穂乃果「魔殿の主、仮に失敗しても罰などはないのだな?」
幸子「うむ、心配せずに挑戦するといい」
髑髏穂乃果「だったら試金石としてダヨオに行ってもらうのは1つの手だな、ことりもそれでいいか?」
ことり「うんっ」
ダヨオ「じゃ――」ザッ
ことり(そして意気揚々と橋を渡ろうとするダヨオ、だが橋の手前で幸子が手を伸ばしてダヨオを止める)
幸子「待て」サッ
ダヨオ「なに?」
幸子「私は挑戦者は1人と言った、この場合は契約女神も1人とカウントする」
ダヨオ「……ああそうか、リホ様は置いていかなきゃいけないのか」
ダヨオ「じゃあリホ様、私がチャレンジしてくる間はここに居てね」
リホ様「はい、契約は繋がったままだと思うので本当に危険な時は呼んでください」
ダヨオ「うんっ」
タタタタタッ
-
・
・
──小型ピラミッド
ダヨオ「よっと……」
スタッ
ダヨオ(リホ様を向こうのピラミッドに置いて石橋を渡り、私は小型ピラミッドまでやって来た)
ダヨオ(どこかに扉は無いかなとキョロキョロしていると自動的に目の前の石段がスライドして入り口ができる)
ガガガガガガガガガ
ダヨオ「ほー、自動ドアみたい」
ダヨオ(その入り口から中に入ると内部はうす暗くヒンヤリとしていて、斜め下へ階段が続いている)
ダヨオ(この先がナンパチャレンジのステージになってるのかな……)
スタ スタ
ダヨオ(私がその石の階段を慎重に降りていくと>>465)
-
パンツをくわえた女の子と曲がり角でぶつかった
-
??「遅刻〜!遅刻遅刻〜!!」
ダダダダダッ!
ダヨオ「え?」
バッタッ〜ン!!
ダヨオ「わぁっ!?」
??「きゃ〜!!」
ダヨオ(階段を降りきった十字路になってる場所で、私は右の通路から走ってきた女の子とぶつかってしまった)
ダヨオ(ぶつかった反動でどこかの学校の制服を着た女の子は尻もちをついてしまう)
ダヨオ(その子は口にパンツをくわえていて……)
ダヨオ「……ん?パンツ?」
ダヨオ(私の目がおかしくなったわけじゃない、確かに目の前の子はパンツをくわえている)
ダヨオ(こういう場合遅刻遅刻言いながら食べてるのってパンじゃないのかな……いや実際見たこと無いけど)
ダヨオ(とりあえずぶつかった手前放置してるのもバツが悪いので手を伸ばす)
ダヨオ「だ、大丈夫?怪我とかない?」
??「いてててっ、なんですかも〜」
パンパンッ
ダヨオ(女の子は制服を軽くはたくと私の手を取って立ち上がる)
??「怪我は無いですけど……ん?その制服……もしかして同じ高校の人ですか?」
ダヨオ「え?……ってなにこれ!?」
ダヨオ(自分の格好を見てみるといつの間にか目の前の子と同じ制服を着ていた)
-
ダヨオ(どういうこと?このピラミッドの中に入ったから!?)
ダヨオ(曲がり角でぶつかるシチュエーションもよく考えたら不自然だし)
ダヨオ(もしかしてもうナンパチャレンが始まってたりするのかな……?)
ダヨオ(ナンパナンパ……ダメだ全く思い浮かばない)
ダヨオ(とりあえず名前を聞いてみたりしようかな)
ダヨオ「ええと……あなたの名前は?」
??「名前?私は中須かすみって言いますけど……」
ダヨオ「かすみちゃん!かすみちゃんか!うんうん!」
かすみ「変な人ですね……というかあなたは何年生なんです?」
ダヨオ「何年生……?」
ダヨオ(困ったな、学校には通ってないんだよねぇ、通ってたとしたら高校2年生くらいなのかな)
ダヨオ「うん、2年生くらいだと思うよ」
かすみ「2年生、ということは先輩ですね……こんな変な先輩がいたんですか」ジーッ
ダヨオ(すごいジロジロ見られてるな……)
-
かすみ「まぁ良いです、私急いでるんで先に行きますね」
ダヨオ「行く?どこに?」
かすみ「そんなの朝なんだから学校に決まってるじゃないですか、やっぱりおかしな先輩です」
ダヨオ「ああっ、そっか……そうだよねー」
ダヨオ(このまま普通にスルーして学校に言かれたらナンパ……には発展しないよねぇ?)
ダヨオ(どこかにお茶か遊びにでも誘うのが古典的なナンパだと思うけど、こんなピラミッドの中にお店なんて……)
キョロキョロ
ダヨオ「ん?あそこにあるのは>>469」
-
ランジェリーshop
-
ダヨオ「あそこにあるのは……」
ダヨオ(私の目に映ったのは石で作られたピラミッド内部に似つかわしくない派手な看板を掲げたお店)
ダヨオ(看板にはランジェリーshopと書かれている)
ダヨオ「そ、そうだ!あのランジェリーshopに行こう!」
かすみ「は、はぁ〜!?」
ダヨオ(私がお店を指差すとかすみちゃんは困惑した顔をする、まぁ当たり前だよね……)
かすみ「何言ってるんですか!今朝ですよ!これから学校に行くって言ってるんですよ!?」
かすみ「そんな初対面の相手を下着のお店に誘うとか何考えてるんですか!!」
ダヨオ「い、良いから!ほら行くよ!」グイッ!
かすみ「えええええっ!?」
ザッ ザッ
ダヨオ(あまりにかすみちゃんのほうか正論過ぎて反論できなかったので手を引っ張って強引に連れて行くことにする)
かすみ「ちょっ!離してくださいって!」
ダヨオ「ごめん!ほんとうちょっとだけでいいから!ちょっと来て!」
ダヨオ(分かっていたことだけど強制的に連れて行くだけじゃナンパ成功にならないよなぁ)
ダヨオ(うーん……どうすればいいんだろう……)
かすみ「せ、先輩〜!?」
ダヨオ(私は悩みながらとりあえずランジェリーSHOPに向かうことにした)
─────────────────
呪殺の魔殿〜小型ピラミッド内部
AM??〜?? 新終末編『275』了
-
というわけでここまで
ダヨオのナンパ?開始です
新終末編『276』に続く
かもしれない
-
新終末編『276』
─────────────────
──小型ピラミッド内・ランジェリーSHOP
AM??
ザッ ザッ!
かすみ「先輩っ!先輩ってば!」
ダヨオ「ごめん今は我慢してちょっと来て!」
ウィーン
ダヨオ(かすみちゃんの手を引っ張ってランジェリーSHOPの自動ドアをくぐる)
ダヨオ(ん?自動ドア……?)
店員「いらっしゃいませー」
ダヨオ「ど、どうも」
ダヨオ(お店の中は普通の都会のランジェリーSHOPみたいな感じだった)
ダヨオ(普通に店員もいるし、とても古びた石作りのピラミッドの中にある施設だとは思えない)
店員「あ!かすかすちゃんじゃない!」
ダヨオ「かすかす?」
かすみ「う……かすかすって呼ばないでください!か、す、み、です!」
店員「ふふっ」
-
ダヨオ「かすかすちゃん、ここの店員さんと知り合いなの?」
かすみ「だからかすみですって、ここには放課後や休みの日にたまに来るんですよ」
かすみ「ちょうど家から学校までの道の近くですからね」
ダヨオ「へー」
ダヨオ(たぶん『そういう設定』なんだろう……)
ダヨオ(店の前は薄暗い石作りの通路で通学路や学校なんてものがあるとは思えない)
ダヨオ「そういえばぶつかった時にパンツ咥えてたけど……あれはなんで?」
かすみ「ああ、あれもこの店のパンツで>>474」
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パンツが大好きだから
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かすみ「あれはこの店のパンツで、咥えていたのは単にパンツが好きだからです」
ダヨオ「そ、そうなんだ……」
かすみ「パンツは素晴らしいです、特にこのお店のパンツは絶品で素晴らしい味わい」
かすみ「だから朝食代わりに食べていたんですよ」
ダヨオ「そうなんだ」
ダヨオ(そうなんだ……とは言ったものの意味がわからない、朝食代わりにパンツを食べる女子校生ってなに!?)
ダヨオ(こんな子をナンパするなんてすごい難易度高いゲームなんじゃない?)
ダヨオ(困ったな、私にクリアなんてできるのかな……)
かすみ「で?先輩は私をこの店に連れ込んで何をするんですか?」ジーッ
ダヨオ「ええと……」タジッ
ダヨオ(いや、弱気になっちゃだめだ……考えろ、考えるんだ私)
ダヨオ(ナンパを成功させるには相手の好きなもので釣ればいい)
ダヨオ(そしてかすみちゃんの好きなものはパンツだから……よし!)
バッ!
ダヨオ(私はかすみちゃんの気を惹くために>>476)
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今自分が穿いているヨーソローのパンツを見せた
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