[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
901-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。
>>2「>>2の3分クッキングの時間だよ!」 PartⅩⅩⅢ
1
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/08(日) 20:01:09 ID:MpPLDqrU
安価スレのようなそうじゃないよう
なSSスレ
前スレ(PartⅩⅩⅡ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1501931181/
前前スレ(PartⅩⅩⅠ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1496660857/
前前前スレ(PartⅩⅩ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1491735745/
前前前前スレ(PartⅩⅨ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1487495156/
前前前前前スレ(PartⅩⅧ(再々))
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1486897355/
561
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/15(水) 21:26:21 ID:33gd6nNM
アニメ穂乃果「格好は全裸にハイソックス、こっちも中々の変態な気がする……」
梨子「ただの全裸より3倍くらい変態よ」
デスワ「そんな変質者に捕まったとなると寿限無とやらの身が心配ですわね」
アニメ穂乃果「……待って、全裸ハイの痴女さんが甲板から校舎の方を向いて何か言ってる、魔眼で読唇してみるね」
アニメ穂乃果「えっと……『ま』……『き』……『ちゃ』……『ん』」
マッキー「……っ!」
アニメ穂乃果「『まきちゃん、そこにいるんでしょう』『わたしもいくから、こうどうであいましょうね』」
アニメ穂乃果「……って言ってるけど」
マッキー「ああもう!なんでここでアイツが来るのかしら!!」ドンッ!
アニメ穂乃果「マッキー?」
マッキー「指定通り講堂に戻るわ、穂乃果だけ付いてきて、他の皆は英玲奈と博士を介抱しつつゆっくり来て良いから」
デスワ「き、危険では?」
マッキー「大丈夫、アイツは私に危害を加えないだろうし、会いにさえ行けば寿限無はすんなり返して貰えると思うわ」スタスタ
アニメ穂乃果「わっ!待ってよマッキー!」タタッ
マッキー(早足で歩き出す私の後を慌てて穂乃果が走ってくる)
アニメ穂乃果「ねぇ……もしかして、私が見た人はマッキーと知り合いなの?」
マッキー「ええ、知り合いと言って間違いじゃないわ」
マッキー「アイツは……私の母親だったやつだもの――――」
562
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/15(水) 21:26:43 ID:33gd6nNM
・
・
・
──スターニシキ航空艦・甲板上
パタンッ
オカン「おや?クローバーはん、ぼーっとして何してるんです」
クローバー(甲板へ出る扉から出てきた和服の女――オカンは私に飄々とした口調で話しかけてくる)
クローバー(わざわざ聞かなくても分かってるでしょうに……)
クローバー「ここら一帯を裸で跳ね回っていた女の子が偶然乗り込んできちゃったから捕まえてたのよ」
クローバー「軽い精神錯乱状態だったから薬を打って安静にしてもらってるわ」
クローバー(私は足を掴んで逆さ吊りにしていた裸の子をオカンに見せつける)
オカン「ほぉ〜、ていうか裸って言ったらあんたも裸やけどな……」
クローバー「それと……どうも誰かに遠隔で見られてる気がしたから、あの娘向けのメッセージを送っておいた」
クローバー「眼の持ち主があの娘と繋がっているなら、ちゃんと講堂に来てくれるはず」
オカン「見られてる?周囲には何もないけど感知系のアーティファクトでも持ってんか?」
クローバー「そんなもの持ってないわよ、裸でいるから見られてると体のあちこちがゾクゾク感じて分かるの」フフッ
クローバー「敵を警戒したいなら装備を身に纏うより裸でいるべきよ」
オカン「やっぱり変態やな」ウンウン
563
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/15(水) 21:27:11 ID:33gd6nNM
クローバー「というわけで私のほうは順調、このまま航空艦を予定通り音ノ木坂跡に向けて進める」
クローバー「あなたのほうはどうなのよ?あの宇宙人たちと交渉してたんでしょ」
クローバー「そして何かしら結果が出たから宇宙人たちは帰った、違う?」
オカン「……ま、正解や」
オカン「この航空艦がステルス状態で待機してる間、うちはバルタン星人の皆さんと通信してた」
オカン「うちらが向こうの移住先を用意する代わりに向こうから利益となるものを得る」
オカン「色々提示された条件はあったけど……うちが1番めぼしいと思った提案、こちら側にとってのメリットというやつやな」
オカン「そいつは
>>564
」
564
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/15(水) 21:56:08 ID:hW7bOKI6
科学力の提供
565
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/15(水) 22:36:49 ID:33gd6nNM
オカン「そいつはずばり科学力の提供、宇宙忍者さんたちは地球産のものを上回る科学力を持っておる」
オカン「それを研究すれば新たな商品がぎょうさん出来て儲けになること間違いなしですわぁ」
クローバー「あなたにしてはマトモな交渉ね……でも用心はしておいたほうがいいわ」
クローバー「バルタン星人は人に似た言葉を話すから一見コミュニケーションが出来るように見える」
クローバー「ただ星が違えば価値観も違う、やつらは地球人の命なんてミジンコ程度に思ってるかもしれない」
クローバー「ミジンコとした約束なんて、どこまで守られるものか分かったもんじゃないでしょう?」
オカン「そこらへんも把握済みやって……うちだって伊達に変なお客様方と取引してへんわ」
オカン「やつらがこっちの用意した領域から勝手に出ないように周到な準備はするし」
オカン「勿論やつらのお家作る時はアンタに発注させてもらうで、クローバーさん」
クローバー「檻の間違いじゃなくて……?」
オカン「嫌やわぁ、お家やお家」ポンポンッ
566
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/15(水) 22:37:12 ID:33gd6nNM
クローバー(オカンはわざとらしい笑顔で私の肩を叩く)
クローバー(まぁ私もお金を貰えるなら協力するのはやぶさかじゃない)
クローバー(でも今は……音ノ木坂の問題を片付けるのが先、そのためにわざわざ『あの人』から航空艦を借りてきたんだし)
クローバー「全く……私が作ったものを勝手に利用するなんて、新魔王軍とやらもおいたが過ぎる」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
クローバー(航空艦はエンジンの音を響かせながらゆっくりと音ノ木坂跡の敷地内、講堂の所へ進む……)
クローバー(さ、久々に娘との再会)
クローバー(今回はお土産に
>>567
を持ってきたけど、あの子は喜んでくれるかしら)
567
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/15(水) 22:50:18 ID:UHwGCVQE
BLTバーガー(トマト抜き)
568
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/16(木) 00:26:04 ID:OcS61cMg
クローバー(BLTバーガー(トマト抜き)を持ってきたけど喜んでくれるかしら)
クローバー(喜んでくれると良いわねぇ)フフッ
・
・
・
──講堂
マッキー「……で、何しに来たのよ」
クローバー「真姫ちゃんに会いに来たの、はいこれお土産のBLTサンド」スッ
マッキー「どうでもいいいから服着て恥ずかしい!あとマッキーだから!それにこのサンドトマト入ってないってどういうこと!?」
クローバー「あれ?トマト嫌いじゃなかった?」テヘッ
マッキー「むしろ好きよ!分かってやってるでしょ!そういうとこ嫌い!」
ギャーッ! ギャーッ!
ゴースト「うーむ……」
アニメ穂乃果「なんだろこれ……親子喧嘩?」
ゴースト(逆さ講堂から円盤が去って数分後、マッキーが戻ってきたのと謎の航空艦が講堂に横付けしてきたのはほぼ同タイミングだった)
ゴースト(船からは寿限無を抱えた裸ハイソックスの痴女が降りてきて、すぐさまマッキーが飛びかかるように走っていた)
ゴースト(……で、顔を合わすなり口論が始まってるわけだ)
ゴースト(会話を聞くに相手はマッキーのお母さんらしく、その裸を見てる私たちは何とも言えない気分になる)
ゴースト(一応喧嘩しながらマッキーが自分の白衣を着せて大事な部分は隠れたけど……裸白衣ハイソックスで変態度はアップした気がするわ)
569
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/16(木) 00:26:18 ID:OcS61cMg
ハグカナーン「私たちの知らない事情がありそうだね、あの人の相手はマッキーに任せてたほうが良さそう」
ゴースト「ええ、でも……あんな子供っぽいマッキーを見たのは初めてだわ」
ゴースト「嫌ってるようでもやっぱり親の前だと子供になるのね」
ハグカナーン「まぁ大体そんなもんじゃない?人の子ならさ」
ゴースト「グリードに造られた私には親がいないから、あんまり分かんないのよね」
ハグカナーン「ふむ……悪いこと聞いちゃった?」
ゴースト「別に、気にしなくていいわ」
クローバー「見てみてマッキーちゃん!回転すると白衣の隙間からチラチラ見えてセクシーじゃない?」クルッ クルッ
マッキー「それは見えちゃいけないものだって歳考えなさいっ!」バッ!
クローバー「えー?」
マッキー「えーじゃないって……だーもう!さっさとここに来た本当の理由を話しなさい!」
クローバー「はぁ……遊び心がない娘ねぇ、分かったわ……」
クローバー「本題に入りましょう」
スゥー
ゴースト(マッキーのお母さんの雰囲気が一瞬で変わる、柔和の笑みはそのままに母の顔から別の顔へ……)
クローバー「私がここに来たわけ、それは――」
─────────────────
音ノ木坂跡・廊下〜 逆さ講堂
スターニシキノ航空艦〜
AM7:43〜AM7:48 新終末編『222』了
570
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/16(木) 00:27:04 ID:OcS61cMg
というわけでここまで
お母さんズとの合流
新終末編『223』に続く
かもしれない
571
:
!ken:99
:2017/11/16(木) 08:11:28 ID:SwUpWics
をつ
572
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/16(木) 20:20:22 ID:OcS61cMg
新終末編『223』
─────────────────
──音ノ木坂跡・逆さ講堂
AM7:48
クローバー「私がここに来たわけ、それは私に縁のあるこの音ノ木坂学院で、部外者が好き勝手してるのを知ったからよ」
クローバー「しかも私の作品を無断使用してね……」
マッキー「縁のある?あなたと……?」
クローバー「そうよ、ここは私の母校だもの」
マッキー「なっ……!」
クローバー「も〜、そんなに驚かなくてもいいじゃない、私だって学校に通っていた時期があるのよ?」
クローバー「素敵な学校だったわ、卒業した後もOGとして積極的に活動には参加してたし」
クローバー「まぁ『あの人』と出会ってからは裏の仕事が増えて、あまり学校には関われなくなったけど」
クローバー「あなたを産んで子育てしてたというのもあったしね」
マッキー「はっ……子育てねぇ……」
ゴースト(そのワードを聞いたマッキーの声が少しだけ低くなる、やっぱり幼少期の体験が確執を作ってるのかしら)
ゴースト(こればっかりは他人が割って入る話ではないけど、気になるっちゃ気になるわね)
573
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/16(木) 20:20:46 ID:OcS61cMg
クローバー「でも自分の仕事が落ち着いて、南が理事長になってからはまた関わるようになったわ」
ゴースト(南……理事長さんのことか)
クローバー「南の依頼で学校の改修をしたり、周囲の土地の形を変化させたり、黄泉の門を建設し始めたのもその頃だったかしら」
クローバー「久しぶりに見てもここは良い学校で、将来はあなたを入学させてあげたいと考えていた」
マッキー「……勝手な話ね」
マッキー「私たち、この廃墟の中で理事長のムフフ部屋って部屋を見つけたんだけど、あれを作ったのもあなたでしょ?」
クローバー「ほぉ……懐かしいわね、そうよ、あれも私が作った作品」
クローバー「南から
>>574
って頼まれて作ったの」
574
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/16(木) 20:27:35 ID:cCMWGsdw
アブナイ花園する為
575
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/16(木) 20:28:01 ID:5gPYCQhk
性癖を解き放てる
576
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/16(木) 21:33:24 ID:OcS61cMg
クローバー「アブナイ花園するためって頼まれて作ったのよ」
クローバー「完全防音で外部からの干渉を一切受け付けない、秘密にしたいことをするにはもってこいの部屋ね」
マッキー「学校で秘密のことする必要があるわけ……?しかも生徒の絵らしき抱きまくらカバーまで壁に貼ってたそうじやない」
クローバー「学校じゃないと興奮しないとか、妄想は生徒相手が良いとか……まぁ性癖は人それぞれだなら追求はしなかったわ」
マッキー「率直に変態ね」
クローバー「色々ストレスを抱えていたんでしょう、実際に生徒に手を出すような人間じゃないのは保証する」
クローバー「あの時の……特に数年前、理事長を辞めさせられる直前の南は精神的にかなり参っていたの」
クローバー「私への注文も異能的な攻撃に耐性を持つ教室や、土地全体に対して心的療養効果を発生させる地下施設、特定の生徒だけを閉じ込める結界など」
クローバー「明らかに普通とは思えないものが増えていったわ……」
マッキー「なぜ?」
クローバー「魔王……高坂穂乃果の存在よ」
マッキー「……!」
アニメ穂乃果「私っ!?」
ゴースト「あんたじゃない!ここの世界の穂乃果!」
577
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/16(木) 21:33:45 ID:OcS61cMg
クローバー「高坂穂乃果の内に潜む魔王の顔は、その時はまだ周囲に知られていなかった」
クローバー「危険性にいち早く気付いた南は何とか生徒の1人である彼女を無力化しようと考えたのよ」
クローバー「音ノ木坂で暴れられたら他の生徒にも被害が出るかもしれないから」
マッキー「だけど……それを見逃す魔王じゃない……」
クローバー「ええ、結局南の行為は誰にも認められず、勝手に予算を使った不祥事とされて職を追われた」
クローバー「もちろん魔王が彼女を嵌めるために仕組んだシナリオだけどね」
クローバー「理事長という最後の歯止めを失った音ノ木坂は魔王の傀儡と化して加速度的に荒廃」
クローバー「あなたが入学する前に物理的に廃校しちゃたってわけ」
マッキー「あなたは……それを黙って見てたの……?」
クローバー「当時は魔王軍の一員だったし、一応親友として相談には乗ってたけど上司には逆らえないわ」
クローバー「心苦しかったけど仕方ないのよ、マッキーちゃんだって分かるでしょ?」
マッキー「…………」
578
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/16(木) 21:34:29 ID:OcS61cMg
クローバー(押し黙るマッキー、沈黙の時間が十数秒過ぎた所でマッキーのお母さんが両手を打ち鳴らす)
パンッ
クローバー「というわけで昔話はこれでお終い、私と音ノ木坂の縁は分かってくれたかしら」
マッキー「…………」
ゴースト「ええ、分かったわ」
ゴースト(マッキーが黙ったままなので仕方なく私が前に出て応える)
クローバー「そういう思い入れがあるから、勝手に思い出の作品を使った新魔王軍にイラッと来たのよ」
クローバー「急いであの人に航空艦を借りてわざわざ叩きのめしに来たんだけど……先にあなたたちが片付けてたみたいね、礼を言うわ」
ゴースト「礼なんて不要よ、確かクローバーと言ったわね」
クローバー「うん、マッキーママと呼んでもいいわよ?」
ゴースト「……ぐぬっ」
アニメ穂乃果「クローバー、あなたは今どの立場にいるの?」
クローバー「立場ねぇ……私は随分前に組織を抜けて今はフリーのビジネスマンよ」
クローバー「同じような悪い人たちと提携しながら裏社会で商売してるの」
クローバー「あっちにいるオカンとかがその代表例……ん?オカンがいない?」バッ!
クローバー「ちっ、あの女どこに……」
アニメ穂乃果「あ!さっきまで航空艦の甲板にいた和服の人なら
>>579
」
579
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/16(木) 21:42:51 ID:X/qoqYeU
宝石の商談をしている
580
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/16(木) 22:43:07 ID:OcS61cMg
アニメ穂乃果「あっちで宝石の商談してるよ」
クローバー「なっ!」
ゴースト(穂乃果の指差す方向、オカンという名前らしい和服の女はオッパイたちに話しかけていた)
オカン「お嬢さんええ宝石持っとるなぁ、それ守護宝石やんなぁ?ちょっとうちに譲ってみる気はない?」
オッパイ「え、えぇ……?」
オカン「もちろんタダとは言わへんよ、それなりに価値のあるものと――」
クローバー「やめなさい商人根性丸出しでみっともない」ベシッ
オカン「あうっ!」
アニメ穂乃果「この人は……?」
クローバー「私がよく取引する相手の1人でコードネームはオカン、金と珍しいアイテムに目が無いダメ人間よ」
オカン「よろしゅうなぁ皆さん、実はうちの娘も音ノ木坂に通ってたんよ」
ゴースト「ほんと?」
アニメ穂乃果「娘……関西弁……もしかして希ちゃん?」
オカン「ちゃいます、うちの娘は"園田海未"って言うんですよ――穂乃果はん」
アニメ穂乃果「え……えええっ!?」
581
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/16(木) 22:43:42 ID:OcS61cMg
アニメ穂乃果「いやいや!海未ちゃんのお母さんは会ったことあるけどもっと普通の……いや、そう言われると面影はあるかもだけど……」
アニメ穂乃果「言葉遣いが違うし、それにドスケーブ城にちゃんと海未ママさんはいたって!」
オカン「言葉は素性を隠すための後付け、デタラメな関西弁なのは堪忍してください」
オカン「そんであんたが会った海未ママさんは……別の世界のうちでしょう」
オカン「そやねぇ、ミナリンスキー仮面の母親……と言えば分かりやすいやろうか」
ゴースト「なっ!!」
ハグカナーン「あの魔王を討伐した化物異能者か!」
オカン「せやせや、まぁあの娘も魔王が本性現すまでは普通の大人しく清楚な子やったんやけど」
オカン「友達が魔王と分かってからは修羅のようになってしもうて……悲しいわぁ」ヨヨヨ
クローバー「その娘に商売で仕入れたドーピングアイテムを渡しておいてよく言うわ……」ケッ
マッキー「聞き覚えがある声ね、ピーマンマンランドで電話を奪った時に私と話したのがあなただったのね」
オカン「お、気付きはりましたか、ピーちゃんとは良いお付き合いさせてもらってるんですよ」
マッキー「てことはドーピングアイテムとやらはピーマンマン因子……それをミナ仮面に渡して友達だった魔王を……か」
マッキー「更にクッキングにも渡して……新魔王が現れて……プライドを……」
グッ
マッキー「はぁ……なんだかやるせないわね……」
ゴースト「マッキー……?」
582
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/16(木) 22:44:07 ID:OcS61cMg
ゴースト(マッキーは脱力したように壁によりかかる)
マッキー「仕事漬けで家に帰ってこなくなったやつらに反発して家を出て、当て付けで同じ魔王軍の仕事について、欲望のまま好き勝手滅茶苦茶して」
マッキー「色んな組織を宛もなくウロウロしてみたけど、結局全部先回りされてる気分……」
マッキー「何処まで行っても掌の上、それで偶に会いに来たと思ったらドヤ顔でネタバラシって」
マッキー「……やってれないわ、やること済ませてさっさと帰ってちょうだい」
マッキー「あなたなら黄泉の門と天地逆転装置の解除くらい数分で出来るでしょ」
クローバー「マッキーちゃん……私は……」
オカン「んなっ!うちはまだ宝石の商談が残ってるやから!!」
クローバー「……っ!あなたは少し空気読みなさい!」
タタッ
オカン「なぁお嬢さん!嵌めてるのは無理でも他に余りとかないん?本家ならいっぱい持ってるんやろ?」
グイグイッ
オッパイ「ううぅゅ……そ、そんなこと言われても……困るびぃ……」
オカン「なぁなぁ!」グイグイッ
オッパイ「お、お姉ちゃぁぁん!!」
583
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/16(木) 22:44:53 ID:OcS61cMg
ゴースト(あまりの勢いにオッパイは叫んでしまう、すると渡り廊下の方から――)
ダタタタタタッ!!
デスワ「妹を泣かせてるのは誰ですかぁぁぁぁぁぁっ!?」
ゴースト(デスワが物凄い剣幕で走ってきた)
デスワ「あ、あなたですわね!」
オカン「……お?今度は次期当主様のほうの登場か〜、まぁこっちの方が話は早いわな」
オカン「デスワさんやったっけ、この妹さんが嵌めてる指輪くれない?」
デスワ「指輪ぁ?無理な話ですわね、ルビーは妹の魂も同然、例えるなら妹と同じ価値がありますわ」
オカン「ふむ……他に例えるなら?何となら交換していい?」
デスワ「ほ、他に?そうですね……妹よりは少し劣りますが、例えるなら
>>584
かと」
デスワ「ですがそんなものを用意できるわけが――」
584
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/16(木) 22:55:15 ID:5gPYCQhk
HxHを休載せずにジャンプに連載させ続けること
585
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/16(木) 23:59:02 ID:OcS61cMg
オカン「分かったわ、HxHを休載せずにジャンプに連載させ続けることやな」
オカン「そのくらいうちのネットワーク使えば簡単なことや」
デスワ「ええっ!?本当ですか!?」
オッパイ「お姉ちゃんそんなにH×H好きだったの……?」
オカン「東日本が軽いビルなら埋まるような大豪雪、中部が海も凍るような大凍結で、九州から関西手前がマグマ滾る大炎上地獄」
オカン「日本が災害で三分割されとるような大変な状況、通常の交通網なんか麻痺レベル越えて断絶してはりますけど……」
オカン「うちが配下に置いてる商人たちを動かして漫画家先生を収容保護、配送ルートを確保して来週のジャンプを届けたる」
オカン「もちろんH×Hは載せて……な?」
デスワ「おおおおおおおっ!」
オッパイ「なに感動してるのお姉ちゃん!?そんなもので私の魂を売らないよね!」
デスワ「ああああ当たり前ですわぁ!」ドキマギッ
オッパイ「すごい動揺してるけどぉ!?」
デスワ「……そう……ですわね」オホンッ
ゴースト(あ、少し落ち着いた)
586
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/16(木) 23:59:15 ID:OcS61cMg
デスワ「流石にダイヤサンやシスタールビーを差し上げるわけには行きませんが、破廉恥家の蔵にはいくらか在庫があったはず」
デスワ「それと引き換えに我が家の資金的バックアップ……とH×Hの連載をお願い致します」
オッパイ「ちょっとお姉ちゃん!?勝手に決めちゃったらマズイんじゃ……」
デスワ「良いのです、破廉恥家は伝統を重視しすぎて現実を見てない節が度々ありました」
デスワ「私が家を継ぐ役目から逃げたのもそう言った風習が嫌だったから……」
デスワ「どうせ戻るのなら私の思うとおりにガラッと変えてみせます、そのためにはパトロンも必要」
オカン「くっくっく、目当てのものさえ貰えるならうちは良い仕事しますわぁ」
クローバー「1つアドバイスすると、ほどほどに信じてほどほどに疑うのがオカンと付き合うコツよ」
デスワ「ええ、肝に命じておきますわ」
587
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/16(木) 23:59:27 ID:OcS61cMg
ゴースト(クローバーはすれ違いざまにデスワに一言言うと、クローバーは講堂のステージの方に歩いていく)
スタスタ
クローバー「はぁ……まぁマッキーちゃんに嫌われてるみたいだし、私はさっさと仕事して帰るわ」
クローバー「でもその傍らに話すから、みんな適当に聞いててちょうだい」
マッキー「……なにを?」
クローバー「あなたたちが黄泉の領域にいた間の外の状況の変化、私たちが手に入れたその詳細な情報」
クローバー「きっとこれからの行動に役立つと思うわ」
─────────────────
音ノ木坂跡・逆さ講堂
AM7:48〜AM7:55 新終末編『223』了
588
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/16(木) 23:59:56 ID:OcS61cMg
というわけでここまで
次はまとめ的な話かな
新終末編『224』に続く
かもしれない
589
:
!ken:99
:2017/11/17(金) 19:35:33 ID:rOdmeaSE
をつ
思ったよりクローバーが協力的
590
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/17(金) 20:23:40 ID:aSLC3GsA
新終末編『224』
─────────────────
──音ノ木坂跡・逆さ行動
AM7:55
ゴースト(逆さまになった講堂、つまり天地逆転装置があるステージは頭上に張り付いた形になっている)
ゴースト(クローバーはその真下まで行くと、自らのソックスから薄く長いアルミ板のようなものを取り出して足元に置いた)
クローバー「ほいっと」
カタンッ グイッ
ゴースト(板をクローバーが一度軽く踏んで足を離すと、1枚に見えていた板が折り重なった無数の板になり、分離して真っ直ぐ上昇していく)
パラララララッ!
カッ!
ゴースト(1番上の板が頭上のステージに辿り着くと、次の板たちは一定間隔を開けて斜め下に配置されていく)
ゴースト(空中に浮いた板たちの自動セッティングは数秒で終わり、あっという間に頭上のステージへ続く螺旋状の階段が出来上がった)
ゴースト(手すりも板同士を繋ぐものも存在しない、足を置く長方形の板だけで構成される天空の階段)
アニメ穂乃果「それは?」
クローバー「急増で作った階段かな、この板たちは重力歪曲装置を組み込んだ便利な道具よ」
クローバー「見ての通り普段は1枚の板と見間違えるほど圧縮されていて、開放されると最高256枚に分裂して浮遊、予めプログラミングしていたフォメーションを取ってくれる」
アニメ穂乃果「ほへぇー、それは便利」
クローバー「名付けて
>>591
と言うわ!」
オカン「そこはどうでもええんやない?」
591
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/17(金) 20:40:09 ID:DQKJpTWE
オカンから対価は回収階段
592
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/17(金) 21:44:16 ID:aSLC3GsA
クローバー「名付けてオカンから対価は回収階段と言うわ!」
ゴースト「ゴロが悪い名前ね……」
クローバー「この板たちは元はオカンが持っていた商品でね、ある時私に対する支払いが滞ったオカンは対価にこんな板っきれを寄越したのよ」
オカン「随分高いやつなんやで?アーティファクトとは違う未知の科学力で造られた製品やし」
クローバー「最初は10本だったけど、オカンが私にやらかすたびに増えていって、こんな階段を作れるほどになってしまった」
クローバー「だから対価回収階段」
トントントン
ゴースト(クローバーはそう話しながら空中に作られた階段を登っていく、パンツを履いてないのが目に悪い)
オカン「愚痴みたいな言い方しとるけどなぁ、対価はそれが良いって要求してきたのはクローバーはんやろ」
オカン「今じゃ元の持ち主のうちよりかなり使いこなしとるわ」
アニメ穂乃果「そうなの?」
オカン「自由に操れる鉄の板やからな、階段の他にも本人のアイディア次第で無限の可能性があるアイテムや」
オカン「足場によし武器によし盾によし、クローバーはんなんか板を組み合わせてオートで動く鉄人形作ってたわ」
アニメ穂乃果「ふむふむ……」
クローバー「はいそこ、人の手のうちネタバラシしない!」
オカン「すまんすまん」
593
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/17(金) 21:44:38 ID:aSLC3GsA
ゴースト(頭上からクローバーの声が響く、見上げると彼女は天地逆転装置の横に着いていた)
ゴースト(ソックスから工具と思われるものを複数出すと装置の蓋を外していく)
ゴースト「何でも入ってるわねあのハイソックス……」
クローバー「じゃあ今から直すついでに外の話をするわねー」
カチャカチャ
クローバー「まず前提として知っておいて欲しいのは……これが取引だと言うこと」
マッキー「取引……?」
クローバー「新魔王軍を倒すために一時的な協力をしましょうってお話、と言ってもマッキーみたいに深く関わるつもりはないわ、あくまで後方支援」
マッキー「ふんっ、そんなこと言って信用されると思うの?利益を求めるなら新魔王軍に付けばいいのに」
クローバー「遊び場の問題よ」
クローバー「私たちみたいな悪い大人は楽しく遊ぶためなら正義にも悪にも味方する、魔王だって遊び相手の1人だった」
クローバー「遊び場の内側で起こることなら大体対処できる、特にこの国の中で済むことなら私たちは誰の手も借りることはないわ」
クローバー「でもね……遊び場を壊そうとするやつは別、新魔王軍は徹底的に私たちの縄張りを壊してきているのよ」
オカン「ほんま敵わんわ」ヒラヒラ
クローバー「だから……あなたたちに頼むわけ」
マッキー「なるほど、得意分野の問題か」
アニメ穂乃果「どういうこと?」
マッキー「あいつらは世界を裏から牛耳るに充分な横の力はあっても、フードマンという神話存在に届くような上の力はない」
マッキー「自分たちが築いてきた地盤を使ってバックアップする、その代わりに私たち……いや、真姫たちに新魔王軍を討たせる算段ね」
594
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/17(金) 21:45:15 ID:aSLC3GsA
クローバー「そういうこと、だから協力しましょう?」
マッキー「はぁ……」
ゴースト「私は別に良いと思うけど、この際協力を拒む理由はないじゃない」
ハグカナーン「そうだな、聞けることは聞いておこう」
クローバー「では引き続き外の話」
クローバー「目下1番の問題は日本南方から侵攻して来ている炎の軍勢ね」
クローバー「侵攻自体はゆっくりだけど、その中で厄介なのは……炎の鳥」
マッキー「炎の鳥?」
クローバー「ええ、その火を纏った巨大な丸い鳥だけは軍勢の動きから離れて
>>595
」
595
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/17(金) 21:47:30 ID:gJLScKSc
宇宙に謎の電波交信をして、巨大な宇宙怪獣を呼び出した
596
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/17(金) 22:34:23 ID:aSLC3GsA
クローバー「鳥は突如軍勢の動きから離れると、炎の翼を広げて空高く舞い上がったの」
クローバー「そして宇宙に謎の電波交信をして巨大な宇宙怪獣を呼び出した」
マッキー「宇宙……」
アニメ穂乃果「怪獣っ!?」
ゴースト「またとんでもない話になって来たわねぇ」
クローバー「『あの人』の会社と懇意にしてる国の軍事衛星が鳥から放たれた電波、それに引かれるように地球へ飛来する巨大な影を捉えたのよ」
クローバー「当然他の諸外国も感知、対応を進めてるでしょうけど……とても表の科学力で対応できるものじゃないわ」
マッキー「でしょうね、ムスペルヘイムの幻想種が呼び出したのだから神話存在かそれに近しい存在」
マッキー「ただの武力じゃ力不足、どこかの異能機関が関われば……でもどのみち時間との勝負ね」
アニメ穂乃果「そうだよ時間は!?」
クローバー「各国の計算だと、遅くてもあと1時間以内には落ちてくるらしいわ」
クローバー「物体が加速すればもっと早くなる可能性だってある」
アニメ穂乃果「なっ!?」
ゴースト「落下地点の予測は?」
オカン「それも出来とるようですわ、怪獣が落ちる場所は
>>597
」
597
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/17(金) 23:03:35 ID:/S4DpKM6
内浦
598
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/17(金) 23:58:33 ID:aSLC3GsA
オカン「怪獣が落ちる場所は……内浦」
アニメ穂乃果「内浦?」
マッキー「内浦って言うと……静岡県沼津市の駿河湾のとこ?」
オカン「知っとったか、あそこらへんが墜落地点らしいって話よ」
マッキー「なるほど、そこだと城からも塔からも微妙な距離ね……ヨハネゲートを使ってどうにか――」
デスワ「なっ!内浦ですって!?」
梨子「どういうこと!?」
ゴースト「ん?」
ゴースト(デスワ、それからいつの間にか戻ってきていた梨子が大きな声で食いついてきた)
マッキー「そうだけど……どうしたのよ二人共」
デスワ「内浦の近くには破廉恥家の表の顔である黒澤家がありますわ!」
梨子「桜内家……の本家はちょっと離れてるけど、あそこには私の家族が住んでるの!」
オッパイ「そこに怪獣が落ちてくるなんて……どどどどうしようお姉ちゃん!?」
599
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/17(金) 23:58:48 ID:aSLC3GsA
ゴースト「待って待って落ち着いて、黒澤家って?名字違うくない?」
デスワ「破廉恥はあくまで異能者一族としての名前、内浦では黒澤という名前の名家として知られています」
デスワ「私やオッパイも昔学校に通っていた時は一般向けの名前を名乗っていました」
ゴースト「そうなんだ」
アニメ穂乃果「梨子ちゃんも不思議だよ、滋賀にいたのに家は内浦なの?」
梨子「あー、私もちょっと経歴面倒くさいのよね、元は東京にいたんだけど桜内本家の任務でお父さんが内浦に転勤したのよ」
梨子「私は私で協会の静岡支部に入って、穂乃果と会った時は滋賀支部に出向してたわけ」
アニメ穂乃果「……なるほど?」
梨子「ともかく内浦に落ちると聞いたら放置しておけない」
梨子「この件が終わり次第、私はそっちに向かうわ!」
─────────────────
音ノ木坂跡・逆さ講堂
AM7:55〜AM8:00 新終末編『224』了
600
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/17(金) 23:59:30 ID:aSLC3GsA
というわけでここまで
ちょっと雑めで短い、すみません
そして内浦の危機
新終末編『225』に続く
かもしれない
601
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/18(土) 20:34:38 ID:NagggjwI
新終末編『225』
─────────────────
──音ノ木坂跡・逆さ講堂
AM8:00
梨子「なるべく早く行きましょう!出来れば皆も付いてきて欲し――」
クローバー「まぁ落ち着きなさいって……はいこれで修理完了、天地が戻るわよ」カチッ
梨子「え?」
グルンンンンンッ!!
梨子「わぁぁっ!」
オッパイ「ひゃぁぁぁぁっ!」
マッキー「落ちっ……」
ヒューーーーッ
ズドーーーーンッ!
ゴースト(天地逆転が逆転したことにより、天井にいた私たちは派手に落下して床に叩きつけられてしまう)
ゴースト(停めてあったホノノリ号も落ちて派手な音を立てる)
ゴースト(まぁとっさに幽体化できる私はノーダメージだし、ハグカナーンやダストボックスと言ったタフネスな人たちは普通に着地していた)
マッキー「あいたた……お尻打ったじゃない!やる時は事前に言ってよ!」
クローバー「言ったわよ?」
マッキー「そういうことじゃなくて……」ムムッ
ダストボックス「全くだ、こっちは意識がないやつも背負っているんだ」
吸血鬼穂乃果「えぇ?この程度の落下で怪我する軟弱な体してるほうが悪いわよ」
ダストボックス「お前は弱っても偉そうな態度が変わらんな」
602
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/18(土) 20:35:00 ID:NagggjwI
ゴースト「ふむ……一応今は全員集まってる状況なのね」
ゴースト(私は辺りを見回してここにいるメンバーを再確認する)
ゴースト(琵琶湖経由で来た私、穂乃果、ぺぺペペーン、吸血鬼穂乃果)
ゴースト(城から第一陣の寿限無、英玲奈、ダストボックス、マッキー、ヨハネ、貞子)
ゴースト(第二陣の梨子、ハグカナーン、デスワ、オッパイ、ブンドルビィ、トマノリとホノノリ)
ゴースト(大人組のクローバーとオカンに、新魔王軍だった博士アルパカ)
ゴースト(このうち寿限無、英玲奈、ブンドルビィ、博士アルパカはそれぞれの理由で動けなくなっている)
クローバー「ともかく天地逆転装置は直ったわ、ここのコントロールパネルから黄泉の門の操作もできるから……」
タタタッ ピピピッ
クローバー「ついでに領域も解除しちゃうわね」
ゴースト「手際良いわねぇ、さすがマッキーママ」
マッキー「ママじゃないからこんな人……」ムッ
603
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/18(土) 20:35:40 ID:NagggjwI
クローバー「それであなた……梨子ちゃんだったけ?」
梨子「は、はいっ」
クローバー「家族を守りたいって気持ちは大事だけど、宇宙怪獣相手に無策で挑もうってのは無謀だわ」
クローバー「特撮巨人ヒーローのラスボス並みの相手かもしれないのよ」
梨子「……っ!そのくらい分かってるわよ、でも私がいるチームには色んな力を持ってる人がいるの」
梨子「力を合わせてドアラランドの究極生物だって倒すことができた」
ヨハネ「うむ、倒された!」ドヤッ
梨子「宇宙怪獣だって同じように――」
クローバー「そうね、相手が1体だけならやれるかもしれない」
梨子「……?」
クローバー「けれど今度は両面作戦、南西から進軍してくるムスペルヘイムを対処しつつ宇宙怪獣も叩かなくちゃいけない」
クローバー「あなたたちの拠点は2つ、東京にあるドスケーブ城跡と愛知にある岩壁の塔」
クローバー「塔は間違いなく関西方面への対処で手一杯ね、場合によっては城側から増援を出す必要もあるでしょう」
クローバー「更に城跡には怪我人が多数、医療施設へ運搬する計画があったはずだから人手もいる」
マッキー「……っ!なんで……」
クローバー「なんで内情を知ってるか……って?あなたにしては稚拙な疑問ね」
クローバー「それを知れるのが私たち悪い大人の力よ、この戦いに関わる国内勢力の動きは逐一チェックしてる」
クローバー「私たちはこの力でサポートしてあげるって言ってるの、分かる?」
マッキー「…………っ」
604
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/18(土) 20:36:04 ID:NagggjwI
アニメ穂乃果「ん?ってことはマッキーママさん……クローバーさんたちには何か考えがあるってこと?」
ゴースト「え?」
アニメ穂乃果「だってあの口ぶり、実戦面で頼りにしてる私たちが手一杯だと見抜いてるのに、その上で余裕そうにしてる」
アニメ穂乃果「わざと不安がらせてから偉そうに手の内を見せる、鞠莉さんのかマッキーとかがよくやる正確悪いやつだよ!」
クローバー「ふふっ、それは魔眼の性能かしら」
アニメ穂乃果「経験則です」ドヤッ
マッキー「待って、私があいつらと同じ人種ってこと?まぁ自覚はあるけど……」
ゴースト「あるんかい」
クローバー「その読みは正解よ、私たちは『とっておきの情報』を持っている」
アニメ穂乃果「おおっ!」
梨子「聞かせて……!」
クローバー「宇宙怪獣に対抗できる強大な存在、それは現在全部で3つに分割されているの」
クローバー「詳細を言うと本体パーツ1つ、外部パーツが2つね」
アニメ穂乃果「1つと2つ……?」
クローバー「外部パーツのうちの1つはこの音ノ木坂跡に、もう1つは
>>605
に埋まってるらしいわ」
605
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/18(土) 20:46:19 ID:1PHE5EmA
浦の星女学院
606
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/18(土) 22:05:07 ID:NagggjwI
クローバー「もう1つは浦の星女学院と言う学校の地下に埋まってるらしいわ」
アニメ穂乃果「うらの……?」
梨子「それも内浦にある高校よ、私や……たぶんデスワさんたちも通っていたと学校」
アニメ穂乃果「梨子ちゃんたちの!?」
梨子「私は協会の仕事もあったからあんまり通って無かったけどね……まさかあそこが関わってくるなんて……」
デスワ「正直驚きですわ」
オッパイ「うんうんっ」
マッキー「ねぇ……もしかして貴女が利用しようとしてるのって魔王の――」
クローバー「ふふっ、マッキーちゃんは察しが付いたみたいね」
ゴースト「待って、内浦にあるってことは怪獣の落下地点ってことでしょ」
ゴースト「そんな場所でパーツを探してる余裕なんてあるわけ?」
クローバー「ふむ……そうねぇ」ピラッ
ゴースト(私の疑問にクローバーはソックスの中から書類の束を取り出して捲りながら応える)
ゴースト「もう場所には突っ込まないけど……それは?」
クローバー「旧魔王軍の機密書類、空き家になった大雪山拠点にお邪魔して貰ってきたの」
607
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/18(土) 22:05:23 ID:NagggjwI
クローバー「幸いなことに、この書類には正確な情報が載ってたのよ、パーツを掘り出すのに時間はかからないわ」
クローバー「音ノ木坂のパーツと本体をゲットしたら内浦に直行して現地組み立てで充分間に合う計算」
アニメ穂乃果「大雪山拠点って……日曜の夜に寿限無ちゃんたちが突撃して魔王軍と戦った場所だよね」
クローバー「ええ、今は廃墟になっていてもぬけの殻……幻想種が暴れた跡はあったけど、あそこにもう何も無いわ」
クローバー「何も……ね?」
ゴースト(クローバーは不敵に笑う……)
ゴースト(あの拠点になら私もいたけど、すぐにグリードと一緒に離脱してしまったから詳しいその後は知らない)
ゴースト(以降も魔王軍に残ってたメンバーだとミナリンスキー軍辺りか、今はバーミヤンだから話は聞けないわね)
梨子「時間が無いなら早くしましょう、音ノ木坂に埋まってるパーツを取り出す手段は?」
クローバー「だから慌てない、その手順もしっかり書類に書いてあるわ、読み上げるわね」
ピラッ
クローバー「『一度消失したパーツ“left”はコアのある場所、音ノ木坂学院の地下に再帰し潜伏を続ける』」
クローバー「『これをもう一度起動させるには
>>608
』」
608
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/18(土) 22:13:18 ID:qrqgKTZ2
母娘で本気でターミネーターごっこをする
609
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/18(土) 23:00:59 ID:NagggjwI
クローバー「『母娘で本気でターミネーターごっこをすること』らしいわ」
マッキー「はぁ……?」
クローバー「そう困惑した顔をしない、手順は書いてある通りこれだけよ」
クローバー「コアが埋まってる校庭の上をターミネーターごっこしながら周回すればいいだけ」
マッキー「意図が全く分からない……」グヌヌ
クローバー「意図なんて読まなくていいの、考えすぎるのが貴女の悪い癖」
クローバー「じゃ……行くわよ!」
ガチャンッ!!
マッキー「っ!?」
ゴースト(クローバーは例の如くどこからかライフルを取り出し派手に構えると、例のBGMを口ずさみながらマッキーに向って走り出す)
クローバー「デデンデンデデン!デデンデンデデン!」
ズダダダダダダダッ!!
マッキー「だぁぁっ!娘に向かって実弾ぶっ放すやつがいるかぁぁっ!!」
クローバー「マッキーちゃんも反撃してきていいのよぉぉっ!」
ダタタタタタッ!
610
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/18(土) 23:01:21 ID:NagggjwI
梨子「す、すごいお母さんねぇ……」
ゴースト「外に出ていってしまったわね、あっちは任せて大丈夫かしら」
ゴースト(開け放たれた講堂の入口からは雪に残された足跡が見えて、クローバーの笑い声と銃弾の音が聞こえてくる)
ゴースト(雪……ああ、黄泉の領域が解除されて元の風景が戻ったのか)
アニメ穂乃果「で、もう1つは?」
オカン「ん?」
アニメ穂乃果「音ノ木坂と浦の星にある外部パーツの話は聞いたよ、でも後1つ『本体』ってやつがあるんでしょ?」
オカン「ああ……そちらなら大雪山拠点にあったんやけど、拠点が破壊されたから別の場所に隠されたらしいんよ」
オカン「隠し場所は同じ北海道の東、とある島が並ぶ海域、手を出そうと思っても事情が事情だけに手を出しにくい場所や」
オカン「日本とロシアの問題が関わってくるからなぁ」
アニメ穂乃果「……?」
梨子「まさかそこって……でも何にしても遠すぎない?」
オカン「うん、だからうちらは行かへんよ、うちらの仲間の1人――
>>611
に先に向かってもらっとる」
オカン「ロシアにもコネがあるやつなら……『あの場所』で上手くやってくれるはずや」
611
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/18(土) 23:14:02 ID:NN4tWtbI
スピリチュアルマザー
612
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/19(日) 00:26:57 ID:nNY7I1A6
オカン「あのスピリチュアルマザーならな」
梨子「また変な名前ね、信用できる人なの?」
オカン「名前で人を判断したアカンて梨子ちゃん、マザーはんの腕はうちがしっかり保証する」
梨子「別に偏見があるわけじゃないけど……」
オカン「スピリチュアルマザーはロシア圏に影響力を持つスピリチュアル教会の幹部の1人、そんでうちらの悪いお友達」
オカン「スピリチュアル教会は孤児の保護なんかの慈善事業を手広くやってる組織で、ロシアの政界や魔術界とも深いコネがある」
オカン「特にマザーはあのエローチカ家とも懇意にしているらしいで、かつて栄華を極めて魔術師の一族やな、知っとる?」
梨子「まぁ、名前くらいはね……」
デスワ「今は没落したって話くらいしか聞かないですわね」
ゴースト(エローチカ家……前の世界における魔王復活の地、だけど知ってるのは矢澤にこの記憶を共有できる私だけか)
ゴースト(この世界でも真姫たちが訪れてハラッセオの日記を手に入れたらしい、あれ結局中身は解析されたのかしら……?)
613
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/19(日) 00:27:26 ID:nNY7I1A6
アニメ穂乃果「マザーってコードネームは誰かのお母さんだからなの?」
オカン「んー?マザーに誰か特定の娘がいるって話は聞いたことないなぁ、教会の養護施設では皆の母みたいに振る舞ってるらしいし……」
ポンッ
オカン「ああそうや、エローチカ家で働いとるメイドは一時期マザーの養護施設にいて、大変可愛がってたって話てたわ」
オカン「今でもエローチカ家への用事ついでにたまに様子を見にいくらしいんよ」
アニメ穂乃果「へー」
オカン「確か名前はのぞなんとかって――」
バッ!!
寿限無「……っ!いたたた」
ゴースト「寿限無!?」
ゴースト(母乳中毒のせいで全裸で倒れたままだった寿限無が突然跳ね起きた)
ゴースト(まだ頭が痛いのか、片手で頭を抑えながら私たちのほうを見ている)
アニメ穂乃果「寿限無ちゃん!大丈夫!?」
614
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/19(日) 00:28:00 ID:nNY7I1A6
寿限無「ああ、うん……まだ頭ん中がガンガンするけど平気平気、心配しなくていいから……」
アニメ穂乃果「良かった」ホッ
寿限無「それよりさ、半分寝ながらうっすらと話聞いてたんだけど……」
ゴースト(寿限無は一拍置き、オカンの目を見て言った)
寿限無「オカンさん、アンタたちが使おうとしてるのって――“サトゥルヌス”でしょ?」
オカン「…………ほぉ」
ゴースト(寿限無が口にしたのは、かつて冥府の牢獄から魔王の手により盗まれ、μ'sたちを倒す決戦兵器とするため調整を重ねられた――ある神格の名前)
ゴースト(結局調整途中に北海道の拠点が破壊され、日の目を見ることはなかった兵器)
ゴースト(その名を聞いたオカンは……静かに口元に笑みを浮かべた)
オカン「……ふっ、当たりや」
─────────────────
音ノ木坂跡・講堂
AM8:00〜AM8:05 新終末編『225』了
615
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/19(日) 00:29:00 ID:nNY7I1A6
というわけでここまで
次くらいで一旦このシーンを終わらせられるといいかな
新終末編『226』に続く
かもしれない
616
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/19(日) 20:34:17 ID:nNY7I1A6
新終末編『226』
─────────────────
──音ノ木坂跡・講堂
AM8:05
寿限無「はっ……よくもあんな魔王の置き土産を使おうなんて発想が出るものね」
寿限無「やっぱり正気じゃな――いたたっ」ズキッ
アニメ穂乃果「寿限無ちゃん!」タタッ
ゴースト(裸の寿限無は床に直接片膝立てて座り、酷い二日酔いのような痛みに頭を抱えていた)
ゴースト(さすがに裸では寒いだろうと穂乃果が大きな布を抱えて駆け寄り、寿限無の肩の上から羽織らせる)
ファサッ
アニメ穂乃果「ほらっ」
寿限無「ありがと穂乃果さん、水も貰えると更にありがたいわ……」
アニメ穂乃果「分かった、持ってくるね」テテッ
梨子「私たちも追加で物資を持ってきたわ、使ってちょうだい」
アニメ穂乃果「うんっ」
ゴースト(穂乃果が離れると、再びオカンと寿限無が話し始める)
617
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/19(日) 20:34:37 ID:nNY7I1A6
オカン「正気ねぇ……正気なんて初めから持ち合わせておりませんわ、魔王の遺物だろうが使えるものは使うだけ」
寿限無「……神を使いこなせるつもりでいるの?傲慢じゃない?」
オカン「元々魔王が使う予定の兵器やったんや、誰が使うたって変わらへんやろう」
オカン「こちらにはマニュアルだってある、手順に抜かりはありませんわ」
寿限無「失敗フラグにしか聞こえないけどねぇ……」ヤレヤレ
ゴースト(そう言って寿限無はわざと大袈裟に溜息をついた)
オカン「なんや、うちらの策に否定的な感じやねぇ?」
寿限無「別に……今はそれくらいやるべきだとは思ってるわ」
寿限無「ただ肯定的であっても好意的じゃない、否定はしないけど遠慮はしたいわ」
寿限無「少なくとも、自分を食うために魔王が用意してた化物なんてお近付きになりたくないわね」
プイッ
ゴースト「……ま、寿限無はそういう反応するのも仕方ないわよね」
梨子「え?」
ゴースト「魔王はサトゥルヌスの力でμ'sの子供たちを食って取り込もうとしてたのよ、かの神の伝承を利用してね」
ゴースト「実際に子供たちを取り込んだのは究極生物だったけど……それでもあの子たちにとっては出会いたくない相手でしょうね」ウンウン
梨子「……なるほど」
618
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/19(日) 20:36:04 ID:nNY7I1A6
アニメ穂乃果「……」ジーッ
ゴースト(……と、梨子に話していたら穂乃果がこっちを見ていた)
アニメ穂乃果「…………ゴーストさ」
ゴースト「なに?」
アニメ穂乃果「時々にこちゃん本人みたいな目線で話すよね、別人なのに」
ゴースト「なっ!!」
カァーッ
ゴースト(べ、別に図星じゃないけど……改めて言われるとドヤ顔で他人の記憶を語ってたのが恥ずかしくなってくる)
ゴースト「ししし仕方ないでしょう!顔と体はあいつに似せて作られたし!元型覚醒してるから記憶もあるし!」
アニメ穂乃果「でもマッキーみたいに別世界の本人ってわけでも無いんでしょ」
ゴースト「本当に痛いとこついてくるわねこの子は……穂乃果もマッキーと同タイプだから尚更反論できない……」ワナワナ
寿限無「でも私は母さんに似てると思うよ、なんか近くにいると落ち着く」
ゴースト「お、おう……それもそれで反応に困るわ……」
619
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/19(日) 20:36:22 ID:nNY7I1A6
ハグカナーン「はいはい話を元の路線に戻すよ」パンパンッ
デスワ「そうですわね、外に飛び出していったマッキーたちはどうなったのです?」
テテテッ
オッパイ「お姉ちゃん!様子見てきたよ!」
オッパイ「2人はターミネーターごっこしながらグルグルと校庭を走り回ったけど、ついさっき決着がついたみたい」
デスワ「ふむ、ごっこはどのような最後に?たぁみねぇたぁ?という遊びらしいですから派手なんでしょうね」
ハグカナーン「デスワさ、ターミネーター知ってる?」
オッパイ「ええと……ごっこの最後は
>>620
」
620
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/19(日) 20:38:54 ID:5vIDjVpo
マッキーが焼却炉にダイブ
621
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/19(日) 21:45:19 ID:nNY7I1A6
オッパイ「マッキーが焼却炉にダイブしてアイルビーバックしてるとこでクローバーが高笑いするラストシーンだったよ!」
デスワ「なっ……焼却炉!?大変ですわ!救助に行かなければ――」
ハグカナーン「デスワ落ち着いて、そういうごっこだから」ガシッ
デスワ「あ、あぁ……もちろん分かってますわ!」
ハグカナーン「しかし溶鉱炉?に落ちるのがターミネーターじゃないほうだとは……どんなリブートなんだか」
オッパイ「斬新な設定だよねぇ、敵側の完全勝利だよ」
ハグカナーン「うんうんって……それはどうでもいいんだ、ごっこが終わったならパーツの復活が始まるはず」
ハグカナーン「私たちも外へ行こう!」
タタタッ
622
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/19(日) 21:46:11 ID:nNY7I1A6
・
・
・
──校庭端・焼却炉
クローバー「ほーほっほっほ!やはり私の勝ちねマッキーコナー!」
マッキー「……げほっ!」プスプス
マッキー(実の母……的な相手と本気のごっこ銃撃戦をした結果、私は焼却炉に突っ込まれていた)
マッキー(廃棄された焼却炉は完全に止まっていたから本来危険はない……はずなんだけど)
マッキー「これ髪とか服とか微妙に煤けてる気がするんですけどっ!?普通に周りのゴミも燃えてない!?」
パチパチッ ボォォォォッ
クローバー「ああ、見た目の割に大して熱さを感じない演出用の炎を着火したからよ」
マッキー「演出にしてはかなり派手ね……本物みたいだわ」
パチパチッ パチパチッ
クローバー「ん?だから熱くなりにくいだけで本物の炎よ、ずっとそこにいると本気で燃えるけど――」
パチッ ボォォォォォォォッ!!!!
マッキー「だぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
ゴロゴロゴロゴロッ!
マッキー(私が転がるように脱出した瞬間、焼却炉の中が一気に燃え上がる)
マッキー「あ、危うく火だるまになる所だったじゃない!」
クローバー「くっくっくっ!」
マッキー(慌てふためいた私の様子にクローバーは屈託なく笑う)
マッキー(これで娘と楽しく遊んでるレベルの感覚なんでしょうから、こいつは絶対マトモな親じゃない……)
クローバー「……さて、お遊びのおかげで儀式が完了したわ、校庭の中心を見なさい」
マッキー「ん?」
マッキー(クローバーが指差した先を見る)
マッキー(すると校庭中心の地面が
>>623
し……巨大な手が出現した!)
623
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/19(日) 21:51:10 ID:QnR9vLWo
絶叫
624
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/19(日) 22:55:07 ID:nNY7I1A6
マッキー(すると……地面が絶叫した)
『ギィーーヤァーーーーーーーーーーッ!!』
マッキー「……っ!」ビクッ!
マッキー(校庭の中心が裂けて、その穴から耳をつんざくような甲高い音が周囲に轟く)
マッキー(人の悲鳴に似た不快感を駆り立てる轟音、余りの音量に私は思わず耳を塞いでしまう)
ドドドドドドドドドドッ!!
マッキー「ぐっ……何これ……地割れ……地層が擦れる音が叫び声みたいに聞こえるの……?」
クローバー「違うわ、正真正銘の悲鳴よ」
マッキー「な……に……?」
マッキー(クローバーは何か予め音量対策をしていたのか、耳も塞がず平然と私の問いに応える)
クローバー「地下深くに封印されていたパーツのコアが、周囲を覆っていた結界を切り裂いて現れる」
クローバー「これはその結界の主が発する断末魔の声――」
マッキー「結……界……」
625
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/19(日) 22:55:36 ID:nNY7I1A6
クローバー「マニュアルによると、魔王は破損したパーツの修復のために、この音ノ木坂が建つ土地を利用した」
クローバー「より正確に言えばその地下にある土地神の結界を利用したの」
クローバー「土地神の中にパーツを隠して『大事なもの』と錯覚させる、そうすると土地神はそれにエネルギーを与えて修復しようとする」
クローバー「そして修復が終わったら……こうして結界を切り裂いて取り出す算段だったのよ」
クローバー「体内である地下にパーツを抱えていた土地神にとっては出産にも等しい苦しみ、そりゃこんな声も出るわよ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
マッキー(地面に空いた穴からは巨大な手、次いで腕の部分が天に向かって突き出て、次第に全景を現して始めている)
マッキー(形から左手だと分かる手は、その掌に砂時計のモニュメントをしっかりと握っていた)
マッキー(腕が地上へ出るにつれ揺れはどんどん激しくなるばかり)
マッキー「……で、あれをどうやって操るつもり……?」
クローバー「そこも予習済み、この左腕は修復のために音ノ木坂の土地神を利用していたわけだけど、それは同時に土地神と契約を結んだということになる」
クローバー「魔王は修復が終わり次第このパイプを切って、自分と直接パイプを結び直す計画だった」
クローバー「でも私たちは……そのパイプをそのまま利用するのよ」ニヤリ
626
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/19(日) 22:56:03 ID:nNY7I1A6
マッキー(……ややこしい話ね、一旦頭の中で整理したほうがいいわ)
マッキー(この左腕が埋まっていた時の関係は『土地神――結界――左腕』)
マッキー(左腕の修復が終わり結界を切り裂いて出てきた今は『土地神――左腕』という関係だけが残ってる)
マッキー(魔王の計画ではこの後に関係を挿げ替え『魔王――左腕』として操る算段だったらしい)
マッキー(でクローバーが言ってるのは土地神をそのまま残し『私たち――土地神――左腕』という繋がりで左腕を操ろうということ)
マッキー(でもこれって、土地神と契約済みの人間かアイテムか、そういう物が必要になると思うんだけど……)
チラッ
クローバー「マッキーちゃんの考えは読めてるわ」ウンウン
マッキー「うっ……」
クローバー「ここの土地神と契約してる存在なら既に私たちは知っているはずよ」
マッキー「え?」
クローバー「それはズバリ
>>627
」
627
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/19(日) 23:07:48 ID:y72CyNYs
愛しの理事長
628
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/19(日) 23:58:18 ID:nNY7I1A6
クローバー「愛しの理事長様に決まってるじゃない」
マッキー「愛しの……?」
マッキー(妙なワードが聞こえた気がするけど……今は無視して話を先に進めよう、うんそのほうが良い)
マッキー「つまり理事長が契約者ってこと?」
クローバー「ええ、長らく理事長をやっていた南なら音ノ木坂との縁は充分よ」
クローバー「ここを去ることになる本当に最後の時まで、荒廃していく学校のことを考えていたしね」
マッキー「契約者だということを理事長自身は――」
クローバー「知らないわよ?私が勝手にやったんだもの」
マッキー「はぁ……やっぱりか」ガクッ
クローバー「南からの相談で土地を調べていた時に土地神の存在については気付いていた」
クローバー「後々何かに利用できるように理事長である南と契約を結ばさてたのよ」
マッキー「本人に気付かれず契約って出来るものなの?」
クローバー「ええ、実印やら指紋やら髪の毛やら色んな体液やらをこっそり借りてこっそりやったわ」
マッキー「なんかもう想像したくなーい!」ブンブンッ
クローバー「――で、本当は南本人がここにいれば簡単に連携使役出来るんだけど、今は城にいるのよね」
マッキー「え、ええ」
クローバー「というわけで簡易的にこの南のパンツを使うわ!」バッ!
マッキー「なんでパンツ!?」
629
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/19(日) 23:58:41 ID:nNY7I1A6
クローバー「本人が不在の時は本人が長く身に着けていた物品を所持してる人を代理人として認識するからよ」
マッキー「いや疑問はそこじゃなくて……いやそこもだけど……なんで今持ってるとかなんでハイソックスから取り出すとかさぁ……」
クローバー「これを私が履くと……」
スッ スッ
クローバー「さぁサトゥルヌスの左腕!私が代理人よ!言うこと聞きなさい!」ビシッ!
左腕『……っ!』ピタッ!
マッキー「おぉ……」ゴクッ
マッキー(クローバーが命令した瞬間、さっきまで振動していた左腕の動きがピタリと止まった)
マッキー(巨大な腕が、まるでクローバーに向かって頭を下げるかのように手首をもたげる)
マッキー(クローバーの履いている理事長のパンツは白衣越しに淡いピンクの光を発していた)
フワァァァッ
マッキー(すごい……本当に土地神の力を経由して巨大な左腕を支配下に置いたんだ……)
マッキー(その荘厳な光景に、果たしてパンツを直接履く必要はあったのかというツッコミさえも無粋に感じてしまう)
タタタッ
ハグカナーン「マッキー!あれが封印されていたパーツなの?」
オッパイ「お、おっきいね……」ゴクッ
アニメ穂乃果「とてつもないエネルギーを感じる、魔眼で直視できないよ……!」
630
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/19(日) 23:59:01 ID:nNY7I1A6
マッキー「みんな……」
マッキー(左腕を見上げる私とクローバーの所に、講堂の中にいたメンバーが走って出て来る)
寿限無「真姫さんたちが一度退けたと聞いてたけど……本当にここにあったんだ」
クローバー「ええ、これが時を司るサトゥルヌスの左腕よ」
クローバー「あなたが言った通り旧魔王軍の戦いで傷つき撤退、音ノ木坂の土地神の力で修復を測っていた」
クローバー「もう片方のサトゥルヌスの右腕もまたディズニーシーの戦いで撤退、こっちは……」
マッキー「浦の星の土地神の力を利用している……!?」
クローバー「正解」
クローバー「右腕が東京から大きく離れた理由もそれよ、神の腕を修復できるほどの力に恵まれた土地はそれほど多くない」
クローバー「音ノ木坂と浦の星が偶然にも土地に膨大な力を有していたのよ」
マッキー「本当に偶然……?」
クローバー「さぁ?仲間内だと平行世界のどこかにミッシングリンク――隠された共通点があるって意見もあるけど、今はさほど重要じゃないわ」
梨子「そうね、内浦に雨中怪獣が落ちるまで時間がない……」
クローバー「ええ、これから腕を操って私たちが乗ってきた航空艦に上手く搭載するわ」
クローバー「あなたたちも一緒に船に乗り込みなさい、途中で城に寄って南を回収、急いで静岡県に向かう」
631
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/19(日) 23:59:16 ID:nNY7I1A6
梨子「分かった!トマノリたちを使って気絶してる人たちを運び込むわ!」
アニメ穂乃果「私も手伝うよ!」
タタタッ
マッキー(準備は整った、皆が慌ただしく荷物をまとめて航空艦へと走っていく)
ザッ
オカン「さて、あとはスピリチュアルマザーが上手くやってくれるのを待つだけやな」
クローバー「あの人なら大丈夫でしょう、頼んだ仕事を失敗したことは無いもの」
クローバー「それに――」
オカン「それに?」
クローバー「今あそこには、"もう一人のあなた"の娘がいるらしいじゃない?」
─────────────────
音ノ木坂跡・講堂〜校庭
AM8:05〜AM8:10 新終末編『226』了
632
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/20(月) 00:00:10 ID:HLguqAsc
というわけでここまで
どうにか詰めて次からは別のシーン!
さてどの時間から始めるか……
新終末編『227』に続く
かもしれない
633
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/20(月) 20:45:22 ID:HLguqAsc
新終末編『227』
─────────────────
──北方領土付近・上空
AM6:00
バババババババババッ
──飛空艇内・最上客室
マザー「はぁ……」
マザー(うちは外の景色を眺めながら大きく溜息をついた)
マザー「本当なら今頃はのぞみのいるモスクワで休暇を過ごしてるはずやったってのに、何が楽しくてこんな大陸の東の端まで来てるんやろう」
マザー(窓の外には分厚い雲から絶え間なく降る雪と、その雪が飲み込まれていく荒れた海しか見えない)
マザー(どこまで行っても同じ風景、良い客室を用意されてもこれじゃいい加減飽きて来るで……)
マザー「ふわぁ〜」
コンコンッ
マザー「……ん?」
マザー(大きくあくびと伸びした所で扉がノックされ、ビシッと船員風の制服を着た若い兄ちゃんが入ってきた)
船員「失礼します!」
マザー(見覚えがある……最初に客室に案内してもらった人と同じ人やね)
マザー(おそらくこの船の船員――ニシキノの会社の社員であろう緊張気味の兄ちゃんは、これまた形式張った話し方をする)
船員「み、ミセススピリチュアルマザー!船長がお呼びです!」ビシッ
マザー「はは……別に敬称は要らんよ、それに既婚でもないしな」
船員「そう……なのですか?」
マザー「マザーって名前でよく誤解されるけどうちは神に使えてる身、ピチピチの独身貴族や」
船員「こ、これは失礼しました、私はすっかり……そちらのテーブルにお子さんと写ってるかのような写真もありますので」
マザー「あぁ……」
マザー(船員の兄ちゃん、緊張気味なくせに妙な所に目ざといなぁ)
サッ
マザー(うちは窓際の椅子から立ち上がると、テーブルまで歩いていき写真をそっと持ち上げる)
634
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/20(月) 20:45:50 ID:HLguqAsc
マザー「この写真に写ってんのは実の娘やない、でも娘のように可愛がってる子や」
マザー「自分では勝手に親代わりと思っとる……まぁ年に数回しか会えないんやけどな」
マザー「普段の世話はママチカに任せっぱなしで情けないわ」ヤレヤレ
船員「大切に想っていらっしゃるのですね」
マザー「ああ……だから今回の休暇を利用して会いに行こうと考えてた……」
プルプル
船員「……?」
マザー「その矢先にニシキノのアホからの呼び出しやっ!やってられないわ!!」ドンッ!
船員「ひ、ひぃぃっ!すみません!」
マザー「あ……ごめんごめん、別に兄ちゃんが謝ることやないって」
マザー「船長が呼んどるんやろ?案内してくれる?」
船員「は、はいっ!」ビシッ
マザー(お仕事だから仕方ない、さっさと始めてさっさと終わらせよう)
マザー(うちは大切に写真をテーブルに置くと、壁にかけてあったコートを取って部屋を出ることにした)
タタッ
635
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/20(月) 20:46:12 ID:HLguqAsc
・
・
──飛空艇内・廊下
カツ カツ
船員「しかし……こんな東の果て、日本との国境近くに何の任務なのでしょう……」
マザー「ん?」
船員「あっ!私語ですねすみません!」
マザー「いや良いんよ、うちも無言で歩くより話しながらのほうが気が楽やで」
船員「お心遣い有難うございます」
マザー「……で、任務の内容だっけ、確かに国境警備でもないのにこの辺りに来るのは不思議やなぁ」
船員「はい、今船が飛んでいるのはロシアの領土である4つの島、日本政府が北方領土と呼称して返還を求めている領域です」
船員「色々とごたついてる領域ではありますが大きな戦争もない……本業が紛争商売であるスターニシキノが関わるのは不自然な気がします……」
マザー「せやねぇ」
マザー「今置きてる大きな紛争と言えば、日本で突発的に発生した大規模異常災害と、いくつか確認されてる未確認巨大生物の侵攻」
マザー「諸外国も救援にしろ攻撃にしろ、それなりに装備が欲しい状況、そこと商売をするのがニシキノ的には自然やなぁ」
マザー(うちの補足に気を良くしたのか、前を歩く兄ちゃんはウンウンと頷きながら話を進める)
船員「更にですよ、そこに慈善事業を行っているスピリチュアルマザーさんを運ぶだけの任務と来た」
船員「異常事態が起きている日本国内を避けてわざわざ何もない場所にです」
船員「どうも私たち下っ端には知らされていない裏があるような……」
636
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/20(月) 20:46:43 ID:HLguqAsc
マザー「くくっ、そういうのって下っ端が首突っ込んだら死亡フラグってやつやない?」
船員「へ……あ、ああっ!?」
マザー(少し低い声で脅かしたら兄ちゃんは面白いように慌てふためく)
マザー「ははははっ、大丈夫やって、うちは外部の人間やから気にせんよ」
船員「はぁ……どうかくれぐれも上司には内密に……」
カツ カツ
マザー(うーむ……話を合わせて適当にスルーしようとも思ったけど、少しくらいなら教えてやってもいいかな)
マザー(何も知らんで働くのは退屈やしね)
カツンッ
マザー「じゃ、知りたがりな年頃の兄ちゃんに少しだけヒントをやろうか」
船員「え?」
マザー「国と国が領土を主張し合うからには、そこに何かしら利益があるからに決まってる」
マザー「宗教上の聖地、膨大な資源、漁や航路のための海域、軍事的な防衛ライン、故郷を追われた人々、理由様々やけど……」
マザー「その中の1つに魔術的に意味のある土地ってのがある」
船員「魔術……」
マザー「レイライン、龍脈や地脈の交差点、地球が自然に作りあげたスピリチュアルなパワースポット」
マザー「それらは表には知らされないだけで、様々な歴史上のカバーストーリーの裏で争奪されてきたんや」
船員「その1つが……北方領土のある領域だと……?」
マザー「せや、この領域の海底には日本政府もロシア政府も知らない魔術的に特異点が存在する」
マザー「それをうちらは……
>>637
と呼んでるんや」
637
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/20(月) 20:49:05 ID:JVmOMngo
レヴィアタン
638
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/20(月) 20:49:42 ID:vKeKMsnA
霊水源
639
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/20(月) 21:32:52 ID:HLguqAsc
マザー「それをうちらは……『レヴィアタン』と呼んでるんや」
船員「レヴィアタン……聖書の海魔の名前ですか……」
船員「名前通りの怪物が眠ってるのか、はたまた怪物の名を冠した――むぐっ!」
マザー「そこまでや」
マザー(うちはお喋りな船員さんの口を指で塞ぎ、顔を近付けて優しく微笑む)
マザー「もうブリッジも近いし、このお喋りを他の人に聞かれると不味いんや」
マザー「これは2人きりの秘密な……良い?」ボソッ
船員「……」コクンッ コクンッ
マザー「ふふっ」
マザー(顔を赤くした兄ちゃんは大人しく首を縦に振る)
マザー(可愛いなぁ、年下の若い子はみんな自分の子供みたいに可愛い)
マザー(職業上、人心掌握はお手の物だし、うちの美貌を持ってすれば変な技術使わんでも並みの相手なら手玉に取れる)
マザー(特にうちに好意のありそうな子をからかって遊ぶのは本当に楽しい)
マザー(ちょっとお話するだけでピチピチの若い子を性別関係なく堕としほうだいやで……くくくっ、はーはっは!)
マザー「はぁ……でも独身なんやよなぁ」ガクッ
船員「え?」
マザー「なんでもない」
640
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/20(月) 21:33:16 ID:HLguqAsc
マザー(遊びで相手を手玉に取るのは得意なのに、本命となると上手く行かんのがうちの人生)
マザー(結婚の話どころかマトモな交際さえ経験しないままこの歳や……)
マザー(聖職者だから、慈愛の母だから、みなしご皆のマザーだから――と自分に言い聞かせてはいるけど、やっぱ憧れは捨てられへんなぁ)
マザー(ママチカに会う度どこか負けてる気がするのもこういうコンプが――)
船員「マザーさん?この扉の先がブリッジですよ?」
マザー「お、おう!」バッ!
船員「なんか元気なくなりました?」
マザー「そんなことないでー!」
マザー(いやいや、今は仕事に集中せんと)
ガラッ
マザー(うちは扉の脇に避けた船員に軽くお礼を言い、ブリッジと書かれた扉を開けた)
641
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/20(月) 21:33:51 ID:HLguqAsc
・
・
──ブリッジ
マザー(ブリッジ――操舵室には船長を含めこの船の偉いやつらが集まっていて、奥には操舵に必要な機器類と窓越しに前方の景色が見える)
船長「おぉ……スピリチュアルマザー、来てくれましたか」
マザー「そりゃ呼ばれたからな」ガシガシ
マザー(目線を外してぶっきらぼうに自分の髪を�惜く、あんまりオッサンと話しても楽しくないねん)
船長「休息してた所をすみません」
マザー「別に……それで何の用や?着陸まではまだ時間あったはずやろ?」
船長「はい、少々トラブルが置きまして……」
船長「着陸しようと周回して様子を見ていたのですが、さっき下で
>>642
があって着陸が出きなさそうなのです」
642
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/20(月) 21:39:49 ID:EGh6C5iU
天使復活祭
643
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/20(月) 22:52:00 ID:HLguqAsc
船長「天使復活祭がという祭りをやってるようで……着陸できなさそうなんですよ」
マザー「はぁ……?」ギロッ
船長「ひっ!」
ザワザワ ザワザワ ザワザワ
コワイナ ザワザワ アノオバサンコワイナ
マザー「ああんっ!?」ギロッ
船員ズ「ひぃっ!」
マザー「そこ聞こえとるで、うちはギリギリお姉さんや……」ピキッ
船員ズ「は、はい!」
マザー「……で、なんで祭り程度で着陸ができへんの?気象や滑走路なんかならまだ分かるけどさ」
船長「せせせ説明しますとですね……このニシキノ製飛空艇は特殊な設計をされてるので風などでバランスを崩すことはありませんし」
船長「飛行機とは違って船体分だけのスペースがあれば何処でも垂直に着陸することができます」
マザー「ほー……」
船長「ですが今回着陸する予定地点には……その僅かなスペースさえ無いのですよ」
船長「こちらに船のカメラが捉えた映像があるので見てください」ピッ
マザー「んんん?……なっ!」
644
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/20(月) 22:52:37 ID:HLguqAsc
マザー(船長がモニターに映したのは丁度この船が浮いてるエリアの真下に当たる地上の映像)
マザー(その地上を埋め尽くさんばかりに人間が集まっていた映像だった……!)
船長「見れば分かる通り……まるで都心でパレードをしてるような人口密度、それが着陸ポイント付近を埋め尽くしています」
船長「そこから離れると密度は少し下がりますが、それでも島中が人でごった返してる状態ですよ!」
マザー(人の波、波、波、あまり過密な人の群れは寒空の下で湯気まで立ち昇らせている)
マザー(参加している人種も様々で服装にも統一性が感じられない……)
マザー「どういうことや?北方四島を合わせたとしてもこんな人数いないやろ」
船長「私も同意見です、おそらく何かの理由で島外から人が来てるのかと……」
マザー「ふむ……」ジーッ
マザー(うちはモニターを注意深く見る、最も人口が集中している地点では天使を模した像がジャパニーズ神輿のように掲げられていた)
マザー(近くの垂れ幕には天使復活祭と書かれているし、更には出店らしき店も出ている、これが船長が祭りと判断した理由やね)
645
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/20(月) 22:52:58 ID:HLguqAsc
ピクッ
マザー(……ん?さっきは服装に統一性が無いと思ったけど、天使の神輿を担いでるやつや、出店で物を売ってるやつ、人の波の中心で祭りを扇動してるやつ)
マザー(注意して見るとこいつらは同じ服を着てることに気付く、どこか宗教色のある服や……)
マザー(どこかのカルト集団が終末論に発狂して騒ぎでも起こしとんのか?)
マザー(まぁ今回は本当に日本終わってもおかしくないし、あながち妄想とは言えんが……)
マザー(てか天使か……天使を崇める団体で、尚且つこの周辺の土地で活動していた団体)
マザー(まさかこいつら……
>>646
か?)
646
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/20(月) 22:58:42 ID:vKeKMsnA
T・K・B隊(天使に心から罵倒され隊)
647
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/20(月) 23:58:22 ID:HLguqAsc
マザー「まさかこいつら……T・K・B隊か……?」
船長「TKB隊とは……?」
マザー「正式名称は天使に心から罵倒され隊、北日本から千島列島や樺太南部、極東ロシア沿岸まで幅広く活動するカルト集団や」
マザー「名前の通り天使に罵倒されることを喜びとする集団で、天使の伝承がある場所に集まっては迷惑行為をすることで知られとる」
マザー「一回ロシア側でやたら増殖して西に侵攻してきた時期があって、うちらスピリチュアル教団がボランティアで叩き潰したんやけど……」
グッ
マザー「やつら、まだこんなに生き残ってたんか――」
船長「島にいるのは全員他の地域から逃げてきたTKB隊でしょうか?砲撃で散らします?」
マザー「いや……TKB隊は半分くらい、現地民やTKB隊に騙されて他から連れてこられたロシア人日本人もいる」
マザー「迷惑とは言えカタギの人間に武器を向けるわけにはいかんよ」
船長「ではどうする――」
マザー「こうすんやっ!!」ブンッ!
ドンッ!
マザー(うちが軽く振った拳がブリッジの壁に当たると、外壁が円形に吹き飛び粉々になった)
バゴォォォォンッ!!!!
船長「ひぃっ!」
マザー(破片は粉々になり、まるで機械を使ったように綺麗な円形の穴が開く)
648
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/20(月) 23:58:37 ID:HLguqAsc
ヒュゥゥゥゥッ
マザー「おぉさむさむ、厚手のコート持ってきて良かったなぁ」
船長「ちょっ!何を!?というかどうやって壁に穴を!?」
マザー「んー?船が降りられないならうちが直接飛び降りるわ、修理代はニシキノにつけといてな」
マザー「あんたらはうちが戻ってくるまで空中で待機、おーけー?」
船長「お……おーけー……」
マザー「よしっ」ニコッ
タンッ!
マザー(うちは穴から飛び出すと、飛空艇の外壁を蹴って躊躇なく身を投げ出す)
マザー(下から雪混じりの冷たい風が打ち付けるが問題ない、軽いスカイダイビングや)
ビュォォォォォォォウッ!!
マザー「さて、まずはTKB隊の問題から片付ける必要がありそうやな――」
・
・
・
──祭り中心部
ワッショイ!
ワッショイ! ワッショイ!
ワッショイ! ワッショイ! ワッショイ!
信者「天使様サイコー!」
信者「天使様もっと罵ってー!」
ウォオオオオオオオオオオオッ!!!!
コトーリ「はぁ……めんど」
─────────────────
北方領土上空
AM6:00〜AM6:10 新終末編『227』了
649
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/20(月) 23:59:35 ID:HLguqAsc
というわけでここまで
マザー北国編スタート
あの人たちもそのうち合流するかと
新終末編『228』に続く
かもしれない
650
:
!ken:99
:2017/11/21(火) 16:11:29 ID:8JjWbNkQ
をつ
ぼくもコトーリに罵倒されたい
651
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/21(火) 20:36:37 ID:LCkZVZ32
新終末編『228』
─────────────────
──天使復活祭会場
AM6:10
ワッショイ! ワッショイ!
ウォォォォォォォォォッ!!
コトーリ「はぁ……」
コトーリ(ほんとうになんなんだろ……このじょーきょー)
コトーリ(へんな『さいだん』のうえにすわらされて、たべものやのみものをまわりにおかれてる)
コトーリ(さいだんのまわりでは『へんなしゅうだん』がおまつりさわぎしててうるさいし)
コトーリ(さらにわるいことに、うみたちのすがたもない、わたしはどうすれば……)
??「……」ジーッ
コトーリ「……ん?」
??「むっ!?」
コトーリ「あなたは……」
??「ココロ!?ココロのことをお呼びになりましたか天使様!気になりましたか!?」
コトーリ「いや、そんなちかくでまじまじてみられてたらきになるよ」
??「はぁぁぁうっ!ありがとうございます!ココロの名前は信々ココロと申します!」ペコリ
コトーリ「こころ……」ジーッ
ココロ「あうぅっ!天使様が私のことを蔑んだ視線で見てるぅぅっ!」ビクンッ!
652
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/21(火) 20:37:11 ID:LCkZVZ32
コトーリ「……そうだな、こころでいいや、はなしあいてになってくれる?」
ココロ「ぜひ喜んでっ!しかしどうしてココロを選んでくださったのです?」
コトーリ「ほかにいないから」
ココロ「……?」
コトーリ「まわりでさわいでるひとたちさ、わたしにはなしかけてこようとしないんだよ」
コトーリ「たべものをはこんできてるおんなのこたち?にはなしかけてもむしされるし」
ココロ「なるほど、崇めるわりにコミュニケーションを取らないことを不思議に思ってたのですね」
コトーリ「うん、みたとこなにかのしゅうきょうけいのしゅうだんでしょ」
コトーリ「しんこうのたいしょうをしんせいしするのはわかるけど、こうもむしされるとやりにくいよ」
ココロ「すみません、しかし許してください、皆様勇気が出ないのですよ」
コトーリ「ゆうき?」
ココロ「ココロ……じゃなく私、たちの教義、つまりTKB隊の教義では天使様に接触することは禁止されていません」
ココロ「むしろ積極的に会話や行動を起こして天使様に怒られることが推奨されているのです」
ココロ「天使様に罵倒されることこそ最上の喜びですからっ」ニコッ
コトーリ「ああ……けっこうゆがんだやつだこれ……」
653
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/21(火) 20:37:59 ID:LCkZVZ32
ココロ「ですがいざ天使様ご本人を前にすると緊張しちゃうんでしょうね、ココロから見ると皆ガッチガチですよ」
ココロ「天使様の像や絵画相手なら余裕でぶっ壊したり落書きしたりできる方たちなのに……その手の教会だっていくつも廃墟にしてきた実績持ちです」
コトーリ「めいわくこのうえないね」
ココロ「ようは天使様の威光にヘタれてるんですよ、ぜひ叱ってやってください」
コトーリ「むだによろこぶからやだ」
ココロ「ひゃーっ!天使様がココロの意見を拒否してむっとしたー!気持ちいいぃぃ!」
コトーリ「…………」
コトーリ(もうなにもいわないのがいちばんなんじゃ……)
コトーリ(いやいや、それだとじょうほうしゅーしゅーができない、がまんしてはなしをきこう)
ココロ「……天使様?」
コトーリ「ええと、じゃあこころはどうしてはなしをしてくれたの?」
ココロ「はい!ココロはTKB隊を率いる幹部の1人である信々ドエムの娘ですから、わりと偉いのです」
ココロ「ドエムお父様は言ってました、『偉い人には偉い人の責任がある、お前は皆の手本になって積極的に天使様に罵倒されなきゃいけないんだぞ』と」
ココロ「だからココロは率先して天使様に話しかけてるわけですね」
コトーリ「…………なるほど、いろいろとわかんないけどわかったことにする」
654
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/21(火) 20:38:16 ID:LCkZVZ32
コトーリ「ほかのえらいひとたちは?」
ココロ「ここにはいませんね、さっきまでテンシお姉様はいましたが……どこかに行ったみたいです」
コトーリ「おねえさま……きょうだいがいるんだ、てんしにこころってきれいななまえだね」
ココロ「はい、ココロたちは三姉妹、それぞれTKB隊の意味を借り受けて、信々テンシ・信々ココロ・信々バトウと名付けられました」
コトーリ「うん……ぜんげんてっかい」
ココロ「天使様、他にご質問は?」
コトーリ「ほかか、ききたいことはたくさんあるけど、まずは
>>655
」
655
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/21(火) 20:44:34 ID:3n/z3QAo
背中に生えてる天使の羽について
656
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/21(火) 20:44:50 ID:Vp1jfpNc
3サイズは?
657
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/21(火) 21:47:35 ID:LCkZVZ32
コトーリ「せなかにはえてるてんしのはねは……なに?かざり?」
ココロ「これですか?本物ではありませんが飾りでもありませんよ」
コトーリ「え?」
ココロ「そうですね……見ますか?」スッ
コトーリ(こころはそういうと、ふくのえりをゆるめてせなかがわをはだけ、わたしのほうにせなかをむける)
コトーリ(こころたちのきてるふくは、かいぞうされたしろいしゅうどうふくのようなもので、せなかにははねをとおすあながあった)
シュルリ
コトーリ(あらわになったせなか、すはだからちょくせつはねがはえてるのがありありとわかる……)
ココロ「驚きました?ココロたちは特別な薬を使って羽を生やしてるのです」
ココロ「天使化薬と言って上級幹部ならみんな服用していて……天使様の言う"偉い人"とそれ以外を見分ける目印だと思って貰えればよいかと」
コトーリ「……うごかせるの?」
ココロ「少しは、ただ天使様みたいに空を飛ぶのは無理ですよ」クイクイッ
658
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/21(火) 21:47:59 ID:LCkZVZ32
コトーリ「……ふむ」
コトーリ(てんしかやく……か、ただのどえむしゅうだんだとおもったけど、いがいとあぶないぎじゅつもってるのかも)
サワッ
ココロ「ひゃうぅっ!羽に触るなら触ると言ってください天使様ぁ!」ビクッ
サワサワ
コトーリ(てんしかだなんていっても、このはねがじゅんすいなてんしのものなわけがない)
コトーリ(それに、ひととひとでないものをごうせいさせる、そんなのかんたんなことじゃない)
コトーリ(『まり』みたいなてんさいがいるのか、たんにじんちをこえるかがくにてをだしたのか)
コトーリ(とくにこうしゃならきけんすぎる……)
ココロ「あの……次はココロから質問よろしいでしょうか!」
ココロ「ダメでも質問します!そしたら怒ってください!罵ってください!」
コトーリ「いや、ぜんぜんいいよ」
ココロ「はぁ……ちょっとがっかりですがありがとうございます」
コトーリ(すごいめんどくさいな)
659
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/21(火) 21:48:26 ID:LCkZVZ32
ココロ「天使様はどうしてこの島に来られたのです?海岸で倒れていたところを信者たちに助けられたと聞きましたが」
コトーリ「うーん……らちされたのまちがいだとおもうよ」
ココロ「お?罵倒ですか?」
コトーリ「じじつだよ」
ココロ「またまたぁ」
コトーリ「ともかく……わたしたちはふねでうみをわたっていたの、もとのばしょにもどるためにね」
コトーリ「でも
>>660
がおきて、このしまにうちあげられてしまった」
660
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/21(火) 21:51:09 ID:.Qv.QNVk
希がタロットカードが無いことに気付いて暴発した
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板