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>>2「>>2の3分クッキングの時間だよ!」 PartⅩⅩⅢ
660
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/21(火) 21:51:09 ID:.Qv.QNVk
希がタロットカードが無いことに気付いて暴発した
661
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/21(火) 22:55:11 ID:LCkZVZ32
コトーリ「のぞみがね、じぶんのたいせつにしてたたろっとかーどがないことにきづいてぼうはつしたの」
ココロ「暴発?」
コトーリ「うん、どかーんって」
ココロ「それは爆発では?」
コトーリ「そうともいう、のうりょくのぼうはつによるばくはつだね」
コトーリ「ぼうはつのしくみはわたしはよくわかんない、たぶんゆきのなかでむりやりちからをつかったから……だとおもうけど」
コトーリ「そのばくはつでふねはてんぷく、みんなばらばらになっちゃった」
ココロ「なるほど……大変でしたね、お仲間の天使様たちも早く探しませんと」
コトーリ(てんしはわたしだけなんだけど、それはいわないほうがいいかな……)
ココロ「仲間に伝えて付近の海岸を捜索させますね!」
コトーリ「う、うん」
コトーリ(ほんらいならこころたちのてをかりずに、わたしひとでさがしたほうがぜったいにいい)
コトーリ(でも……いまのわたしはしんえんにしんしょくされて、さらにせいめいりょくまでうばわれている)
コトーリ(こころのてまえ、きをはってるけど、じつははしるのすらちょっときつい)
コトーリ(まわりのやつらのきがかわっておそってきたら……いまのわたしじゃあぶないかも)
662
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/21(火) 22:55:45 ID:LCkZVZ32
ワッショイ! ワッショイ!
ワッショイ! ワッショイ!
コトーリ「あのさ……きいてなかったけど……まわりでさわいでるのはなに?」
ココロ「祭りですよ、天使様が発見されたことを喜び天使様を崇めるお祭りです、お店も出てるんですよ」
ココロ「その名も天使復活祭!」
ココロ「賑やかなのは信者以外の一般の人もいるからですねぇ」
コトーリ「しんじゃいがいもいるの……?」
ココロ「はい、今世界で頻発している天変地異、これは終末の訪れに違いありません」
ココロ「私たちTKB隊は各地で終末に怯える民草たちを導き、この聖地へとやってきました」
ココロ「そして天使様と出会った、正に奇跡です、これで復活祭を行わずにいられるでしょうか!」バッ!
コトーリ「……そのまつり、わたしはここにすわってるだけでいいの?」
ココロ「ふっふっふ、実は祭りにはこの後にメインイベントである
>>663
があってですね――」
663
:
!ken:99
:2017/11/21(火) 23:23:59 ID:8JjWbNkQ
†罵りの天使†降臨の儀式
664
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/21(火) 23:58:42 ID:LCkZVZ32
ココロ「†罵りの天使†降臨の儀式があってですね……」
コトーリ「いいよかんはしないいべんとだ」
ココロ「何を言ってるんですか!復活祭で楽しくてエキサイティングなイベントですよ!」
ココロ「そりゃもう何が楽しいって――」
ヒューーッ!
ドォォォォォンッ!!!!
コトーリ「……っ!」
ココロ「な、何事ですかっ!?」
コトーリ「とおくでおと、くうきのゆれとじめんのしんどう……たぶんばくはつかな」
ココロ「爆発!?」
コトーリ「でも……おとにくらべてしんどうがちいさい、それにかやくのにおいがしない、みょうなかんじがする――」
タタタッ!
信者「ココロさん!」
コトーリ(おとからすうびょうご、ほかのしんじゃがさいだんをのぼり、こころにはなしかける)
信者「敵の襲撃です!敵は爆炎を使って罪のない人々を散らしつつ、この祭壇へ向かっているそうです!」
ココロ「なんですって!?」
コトーリ(このしんじゃもはねつき、わりとえらいやつか)
665
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/21(火) 23:58:53 ID:LCkZVZ32
ココロ「どうして侵入を許したんです!島の周りはTKB隊の精鋭で警備を固めていたはずでしょう!」
信者「それがおよそ数分前に生身で上空から祭り会場めがけ降下してきたとのことです」
信者「不意をついての襲撃に加え、祭りの最中のためTKB隊以外の人々が混雑していて、隊内の連携が上手く取れていません!」
信者「ここへの報告が遅れたのもそのせいだと思われます」
ココロ「くっ……」
ピピピッ
信者「通信だ、はいこちら……なに?」
コトーリ(はねつきがでんわらしきものをみみにあて、いっそうけわしいかおつきになる)
信者「ココロさん、敵の正体が判明しました」ピッ
ココロ「誰!?」
信者「敵は我々の敵対組織リストに乗っている組織、スピリチュアル教団――」
信者「その幹部、スピリチュアルマザーです!」
─────────────────
天使復活祭会場
AM6:10〜AM6:15 新終末編『228』了
666
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/21(火) 23:59:22 ID:LCkZVZ32
というわけでここまで
マザー降下
新終末編『229』に続く
かもしれない
667
:
!ken:99
:2017/11/22(水) 00:28:23 ID:UT7ZUinI
をつ
668
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/22(水) 20:33:43 ID:3/ej1B8k
新終末編『229』
─────────────────
──天使復活祭会場
AM6:15
チュドォォォォォォンッ!!
ドゴォォォォォォォンッ!!
マザー「ほーらほら!急いで逃げへんと爆発に巻き込まれてまうでー!」
ギャァァァッ!
ウワァァァァァァァッ!!
マザー「くっくっく、面白いように逃げてくなぁ……」
マザー(うちが歩きながら投げてるのはパチンコ玉に似た小さな金属の玉)
マザー(手掴みでポケットから適当に何個か掴み、スナップを効かせて銃にばら撒く)
バララララッ
マザー(投げられた玉は地面や店の骨組みなんかに当たると、与えられた衝撃で金属殻が割れて爆発、中からド派手に大きな爆炎が出ると共に轟音が鳴り響く)
マザー(けど爆発の跡で何かが燃えたり壊れるということはない、これはあくまで脅しの道具)
マザー(ようは投げると爆弾っぽいリアルなエフェクトが現れる玉、こけおどし爆弾ってとこやね)
669
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/22(水) 20:34:01 ID:3/ej1B8k
マザー(ただ……こんなものでも集団パニックを起こさせるには充分な武器)
ポイッ
バララララッ チュドォォォォォォンッ!!
ギャァァァァァァァッ!!
信者ズ「おいっ!誰かあいつを止めろ!」
信者ズ「ダメです……人の流れが強すぎて……こちらからは近付けなぐうぅぅ!」
ドドドドドドドドドドドドッ
マザー(スターニシキノ艦が一般人の盾を前に強行着陸や発砲ができないのなら、こっちも同じことをしてやればいいんよ)
マザー(爆発による恐怖で群衆を無意識に操るなんてたやすい、うちが歩くのに邪魔なら手前に玉を投げ散らし、信者が向かって来そうなら信者との間に壁ができるよう扇動する)
マザー(思うままに人の壁を形成し信者共を妨害しつつ、うちが快適に歩く道を作れる環境)
670
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/22(水) 20:34:52 ID:3/ej1B8k
マザー「今のところは思ったより楽に進めてるねぇ……ん?」
ザッ
マザー「あれは……」
マザー(こけおどし爆弾を投げながら歩いて数分、どうやら祭りの中心部まで来れたらしい)
マザー(目の前には宗教的な意匠を持った大きな祭壇があり、祭壇の上部には三人の人がいる)
マザー(明らかに一般人とは違う服装、TKB隊の関係者か……)
羽つき信者「ココロさんはここにいてください!私が排除してまいります!」
タンッ!!
マザー(祭壇の上にいたうちの1人、背中に羽の生えた信者がこっちに向かって飛び降りてきた)
マザー(信者はうちの目の前に降り立つと
>>671
)
671
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/22(水) 20:37:06 ID:Sn49eHog
ワシワシMAXをしてきた
672
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/22(水) 21:39:17 ID:3/ej1B8k
マザー(うちの胸めがけて手を伸ばし胸を鷲掴みにしてきた!)
羽つき信者「ワシワシMAXです!」
ワシワシワシッ!!
マザー「……はっ、なにマックスやって?そんなんじゃ全然感じへんなぁ」
羽つき信者「え?」
マザー「ワシワシするってのは……こういうことやでっ!!」
ワシワシワシワシワシワシッ!!
羽つき信者「んっ、んんんんっ!!」
マザー(うちはお返しとばかりに信者の服の中に手を突っ込み胸を揉みしだく)
マザー(声で女の子とは分かってたけど……わりと良いモノ持ってるな、感度も良いし柔らかい、大きさも下手したら両手から溢れてしまう)
マザー(修道服みたいな帽子を深く被ってるせいで顔が上半分隠れて見えないのが少し残念)
ココロ「同士!!」
マザー「おっと上の奴らも動くんやないで、下手に動いたらこいつの乳もぎ取ってしまうかもしれへんよ」
ココロ「くっ……」
マザー(うちは捕まえた羽つき信者を反転させて背中側から手を回し胸を掴む)
673
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/22(水) 21:39:53 ID:3/ej1B8k
マザー(自分で言ったけどこれ脅しになるんかな……てか上の子も可愛いな)
マザー(すごい慌てたTKB隊の服を着た黒髪の子が1人と……妙に落ち着いてる普通の服の子が1人)
マザー(後者の子は格好だけ見れば祭り客と同じ一般人だけど、明らかに普通の人間とは違う)
マザー(全身の肌は雪のように真っ白で、肩口で切りそろえられた髪も同じように真っ白)
マザー(せやけど髪の先、腕の肘から先、足のふくらはぎから先が真っ黒に変色している)
マザー(何より特徴的なのは背中から生えている複数の翼、信者たちが付けている偽物とは違う匂いがする)
マザー(あれが復活祭に捧げられた天使役……ちゅうことか?それにしてはカジュアルな服装やな)
コトーリ「…………」
マザー(やけに落ち着いた目、爆弾魔と知らされるはずのうちを前にしても全く動揺していない)
羽つき信者「くっ……この……離しなさい……」
マザー「えいっ」モミモミッ
羽つき信者「ひゃんっ!あ、あかんっ!」ビクッ!
コトーリ「……ん?」ジーッ
羽つき信者「……わ、私を人質にしても無駄なことです!TKB隊の同士は私のことなど気にしません!」
674
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/22(水) 21:40:11 ID:3/ej1B8k
羽つき信者「すぐにでも同士がお前を取り囲んで滅殺するでしょう!」
マザー「ああ……せやろうなぁ」
羽つき信者「え?」
ザザザザザザッ!!
マザー「もう着たようやで、仕事の早いことや……」
マザー(おっぱいデカ子を人質にとったうちを中心に、周囲を十人以上の信者が取り囲んだ)
マザー(全員が羽つきで老若男女入り乱れ、しかも手には武器らしきものを持っているから戦闘員やな)
戦闘員信者「全員強化!」
信者「強化!」ポンッ!
グイッ! ゴクンッ!
マザー(何かを飲んだ、薬か……?)
戦闘員信者「ぐっ、うおおおおおおおおおっ!!」
メリメリメリメリッ!!!!
マザー(薬を飲んだ戦闘員たちの羽が更に肥大化する、そして体は
>>675
)
675
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/22(水) 22:04:35 ID:B3ckjscg
亀甲縛りになっていた
676
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/22(水) 22:37:49 ID:3/ej1B8k
マザー(そして体はどこからか出現した複数の紐に服の上から亀甲縛りにされる)
シュルルルッ! ビシィィッ!!
戦闘員信者「ぐぅぅぅっ!」
信者ズ「ふぅぅぅっ!」
メキメキメキメキメキメキメキメキッ!!
マザー(体がキツく締められれば締められるほど信者たちは紅潮し、比例してニ対の羽はどんどん大きくなっていく)
マザー(まるで自らを痛めつける喜びを羽を育てるエネルギーに変換しているような……)
戦闘員信者「ふしゅぅぅぅ!さぁ皆さん!強化された私たちの力を見せるのです!」
信者ズ「はいっ!」
バサササササッ!
マザー「うーむ、こりゃ一回逃げたほうがええか……」
羽つき人質信者「逃げる?無駄ですね、強化された同士の包囲網からは逃げられません!」
マザー「はっ、うちを侮ってるようやな、この程度の危機を脱せないでスピリチュアル教団の幹部なんかやってへん」
羽つき人質信者「またあの爆弾でも使う気で?」
マザー「あれはオカンから買っただけの秘密道具、うちの"力"やあらへん」
マザー「うちの力は……
>>677
」
677
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/22(水) 23:34:55 ID:60ObEe8A
エアワシワシ
678
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/23(木) 00:36:57 ID:RjHz3UOs
マザー「うちの力は……エアワシワシや!」
バッ!!
マザー(うちはおっぱいちゃんを捕まえてる手とは逆、空いてるほうの手を遠くの信者に向ける)
マザー(そして指で何も無いはずの空中を揉むと――)
ワシワシッ!
信者ズ「ふぐぅぅぅっ!?」
信者ズ「はぅぅっ!?」
ビクビクビクビクッ!! プシューーッ
マザー(遠くの信者たちが悶絶して地面へと落ちていく)
マザー「エアワシワシ――マシンガン」
羽つき人質信者「なっ!?何を……」
マザー「おっぱいちゃんのおっぱいを揉んでるの理屈は同じ、ただ遠距離でやったっだけや」モミモミ
羽つき人質信者「んんっ!え……遠距離?」
マザー「そう、エアーで信者共のあそこやあそこにワシワシする感触を与えて果てさせた」
マザー「見た感じあんたらの『強化』ってのは苦悶の快感で身体能力を上げてるんやろ」
マザー「ならエクスタシーを解放させてやれば強化は終わる、簡単な話や」
羽つき人質信者「……っ!」
679
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/23(木) 00:37:35 ID:RjHz3UOs
マザー「じゃ、このままどんどんワシワシしてさっさと逃げ……」
戦闘員信者「隙ありっ!」ダッ!
マザー「ちっ」
マザー(人が楽しく解説してるところで背中側から信者が高速で飛来してきた)
マザー(二枚の羽で人体の重量を飛ばしてると考えるとかなり速いと言える)
マザー(ま、隙あり言うても全然隙じゃないんやけどな……ちゃんと見えとるし)
戦闘員信者「たぁっ!」
マザー(こいつもエアワシワシで倒して、さっさと逃げ――)
コトーリ「てんしきっく」ヒュンッ!
マザー(……る必要はなかった)
マザー「は……?」
マザー(祭壇の上から飛来した白い一撃、それによって背中側に迫っていた信者は吹き飛ばされる)
マザー(すごいな……こっちはうちの目でも捉えきれんかったで……)
マザー「祭壇の上にいた白い女の子やな、今のはキックか?脇に抱えてるのは一緒にいた信者の子?」
コトーリ「わたしはことーり、いまはじかんなさそうだからかんけつにいうね」
コトーリ「わたしはらちされてここにきた、なかまさがしたい、いっしょににげたい、ていあん、おーけー?」
マザー「オーケーオーケー、信者倒したってことは仲間やないんやろ、提案にのるで」
コトーリ「れいをいう、かかえてるのはわたしのひとじち」
ココロ「ひ、人質っ!?」ニマー
コトーリ「よろこぶなきもい」ペシッ
ココロ「ぐへへへへ……」
680
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/23(木) 00:37:53 ID:RjHz3UOs
マザー(そういう会話をしてる間にも周りをどんどん信者に囲まれていく)
マザー「うちはマザー、コトーリちゃんは戦うと強いほうなん?」
コトーリ「ぐもん、わたしはむてき」ムフー
マザー「ほう……」
マザー(コトーリちゃんはドヤ顔で胸を張る……がすぐに目が少し泳ぐ)
コトーリ「まぁ、でもいまはもろもろのじじょうでちょうしわるい、まざーががんばってくれるとたすかる……かも」
マザー「了解」
マザー(弱気な原因はその腕や足なんやろうか……後で聞いてみよっかな)
コトーリ「それと、まざーがつかまえてるしんじゃははなさないで」
マザー「この子?」
コトーリ「うん」コクンッ
コトーリ「まだかくしょうはないけど……もしかしたらそのこ」ジーッ
羽つき人質信者「…………?」
コトーリ「わたしのなかまのひとりかもしれないから」
─────────────────
天使復活祭会場
AM6:15〜AM6:17 新終末編『229』
681
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/23(木) 00:38:40 ID:RjHz3UOs
というわけでここまで
次は脱出
新終末編『230』に続く
かもしれない
682
:
!ken:99
:2017/11/23(木) 19:29:01 ID:1gGKAvHQ
をつ
683
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/23(木) 20:10:30 ID:RjHz3UOs
新終末編『230』
─────────────────
──天使復活祭会場
AM6:17
人質信者「は……?私が仲間……」
コトーリ「そう」
人質信者「バ、バカを言え、そんなはずは――」
バサササササッ!
信者ズ「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
ドドドドドドドドドドドドッ!!
マザー「とにかく話は逃げた後や、うちから見て10時の方向が手薄だからそこを一転突破するで!」
コトーリ「わかった、ぜんりょくでまざーについていく」
マザー「心強いな……じゃあ行くで」
ダンッ!
マザー(うちは人質おっぱいちゃんを抱えたまま走り出し、片手を突破する信者の方へ向ける)
マザー「ちょっと手荒や、堪忍な」
マザー「エア――ワシワシ!!」
グゥゥゥ……
ドンッ!!
信者ズ「のわぁぁぁぁっ!!」
684
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/23(木) 20:11:18 ID:RjHz3UOs
タタタタタッ
ココロ「急に進行方向の同士たちが吹き飛びましたよ!?」
コトーリ「あそこのくうきがいっしゅんであっしゅされて、どかーんってばくはつした」
マザー「その通りや、うちのエアワシワシは子猫ちゃんの敏感な場所をワシワシするだけやない」
マザー「目視できる距離にある物質なら個体液体気体問わずなんでもワシワシできる、今のはちょっとした応用やね」
マザー「さ、今のうちに突破や!」
タタタタタッ
・
・
・
──??
タタッ
マザー「ふぅ……ここまでくれば落ち着けるかな」
コトーリ「はぁ……だはぁ……げはぁ……」
ココロ「天使様?大丈夫ですか?」
コトーリ「まぁ……う、うん……ぜはぁ……」
マザー(大復活祭の中心部から逃亡して数分後、うちらは信者たちから見を隠せる場所……
>>685
の中へ隠れることが出来ていた)
685
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/23(木) 20:16:33 ID:0tel95dg
癒しの空間
686
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/23(木) 21:20:36 ID:RjHz3UOs
マザー(癒やしの空間と言うらしい建物の中へ隠れることができていた)
コトーリ「うぐっ……うげぇぇぇ……げほけほっ……」
ココロ「天使様、とりあえずこちらのベッドに寝てください」
マザー(コトーリちゃんは逃亡の間はうちにぴったりとくっついて走ってきた)
マザー(うちと同じペースで走るなんて普通の女の子では到底無理な話、というかコトーリちゃんはまだまだ余力を残していたはず)
マザー(本気で走ればうちなんて楽々置いていけるって目をしてたしな……)
マザー(やっぱり異能者か、人とは違う種族か、どっちにしても計り知れない存在なんやけど――)
コトーリ「げほっ!おぇぇぇっ!はぁはぁ……ぐぅぅ……」
マザー(走り終わった後のコトーリちゃんは、ものすごく疲れてぶっ倒れていた)
マザー(人1人を抱えて軽やかに走っていた時とはまるで別人、ベッドに伏せながら嗚咽と痙攣を繰り返して悶絶している)
コトーリ「はぁ……はぁ……」
マザー「なぁコトーリちゃん、本当に大丈夫なんか?」
コトーリ「ぜんぜん、だいじょうぶじゃない……けど……すこしやすんでればなおる……とおもう……」
687
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/23(木) 21:21:10 ID:RjHz3UOs
マザー「そうか、体長悪いっぽいのに無理させてしまったな」
コトーリ「いいよ、むりをしたのはわたしだし……」
マザー(強がっているのか、無理に口の端を上げて笑うふりをするコトーリちゃん)
マザー(でも弱ってるのは明らかや、手足や髪の黒い侵食部分がさっきより広がっている)
マザー「ココロ……って名前やったか、ここは隠れ場所として本当に安全なんやな?」
ココロ「絶対とは言い切れませんけど……他の信者が真っ先にここを探しに来ることは無いと思います」
ココロ「さきほども話した通り、ここは『癒やしの空間』と言う名前のTKB隊の施設」
ココロ「身内でなければ存在を知りませんから、そこに敵が逃げてるとは考えないかと」
マザー「……ふむ、なるほと理屈はそうやな」
マザー「でもそれはココロちゃんの言うことが真実だった場合やろ?」
マザー「人質になったふりをして仲間と内通してればうちらは罠に嵌められてることになる」
ココロ「私が嘘をついてるとでも?舐めないでください!」
ココロ「私がこの場所を教えたのは、天使様に『逃げるのに良い場所は無いの?』と聞かれたからです」
ココロ「万が一あなたに嘘をついてたとしても天使様には嘘はつきません!」
マザー「うちには付くんかい……」
688
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/23(木) 21:21:37 ID:RjHz3UOs
ココロ「疑うのなら脱ぐから隅々まで調べてみてください!ほら!」
バッ!!
コトーリ「いきなりぬいではだかにならないできもい……」
ココロ「はぁぅぅっ!天使様が私の一糸まとわぬ裸体を侮蔑の目で見てるぅぅぅ!」
マザー「こらこら勝手にトリップしない」
ココロ「はっ!そうでした、説明の続きをしますね」
コトーリ「こころちゃんうそはつかないでね……ついたらもうばとうしないから……」
ココロ「それは困りますね、誠心誠意懇切丁寧に参ります!」ビシッ
マザー(上手く操ってんなぁ……)
ココロ「こほん、今私たちがいる『癒やしの空間』は名前の通り癒やしを与える空間です」
ココロ「TKB隊では天使様に罵倒されたい欲を抑えきれないあまり、過激に自傷してしまう同士が多いんですよね」
ココロ「そんな同士がここに来て傷を癒やしてるんです」
マザー「ふむ……だから中にベッドなんかの休むための器具が多いんか」
マザー「もしかしたらコトーリちゃんの疲労も治ったりするんかな」
ココロ「さぁ……天使様を蝕んでるものの正体が分かりませんし、天使様はどんな感じです?」
コトーリ「そう……だね……今寝てる感じだと……
>>689
」
689
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/23(木) 21:23:19 ID:qyPKjvjs
50メートル走を走った分の体力回復のみ
690
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/23(木) 22:28:01 ID:RjHz3UOs
コトーリ「いまねてるかんじだと……ごじゅーめーとるそーをはしったぶんくらい……」
ココロ「え?」
コトーリ「さっきはしったぶんくらいってこと……」
ココロ「ああなるほど」ポンッ
マザー「直近の体力は回復するけど、体調不良の根本的な問題は治らないってことか」
コトーリ「うん……どうきやいきぎれはましになってきたかも」
ココロ「それは良かったです!」
コトーリ「さっきふたりがはなしてたけど、わたしのからだをむしばんでるもののしょうたいは『しんえん』」」
マザー「深淵……!?」
コトーリ「さらにわるいことに、いまのわたしは『せいめいりょく』をはんぶんうばわれているの」
コトーリ「そのせいでからだのていこうりょくがよわまって、むりをするたびに『しんえん』のしんしょくがすすんじゃってる」
ココロ「深淵ですか……マザーとやら、あなたは心当たりありますか?」
マザー「……ああ、知識だけならな」
691
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/23(木) 22:28:30 ID:RjHz3UOs
マザー「ありとあらゆる物質、どんな異能や概念も凍結し停止させてしまう危険な流体」
マザー「どの世界にも属しない、冷たく暗い次元の井戸の底に溜まっていると言われとる」
マザー「自分以外の全てのものを絡め取ってしまう……汚泥のような存在や」
ココロ「……!」
マザー「異能者の中にも何人か深淵の使い手はおるそうやけど、うちは出会ったことはないな」
ココロ「では……天使様はその深淵使いにやられて……?」
マザー「せやろな」
マザー「うちが聞いたものと同じならそう簡単には取り除けない、癒やしの空間でも無理やろう」
コトーリ「わたしもそうおもう、だから……べつのもんだいをさきにかたづける」
マザー「別の問題……ああ、人質おっぱいちゃんのことか」
コトーリ「うん、そのこのぼうしをとってみて」
マザー「了解、さぁ〜おっぱいちゃん、脱ぎ脱ぎしましょうねぇ〜」
人質信者「ひっ!や、やめ――」
マザー「ていっ!」バッ!!
マザー(おっぱいちゃんの顔を隠していた帽子を取る、その顔は……)
マザー「え?」
マザー(……うちの知っている、"のぞみ"と瓜二つの顔やった)
692
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/23(木) 22:28:59 ID:RjHz3UOs
のぞみ?「ぅぅぅぅっ」
マザー「の、のぞみやん!?どうしたん!?」ガシッ
グワングワンッ
のぞみ?「わわわっ!やめっ!振り回さないでくださぁぁぁいっ!」
コトーリ「え?まざーとしりあいなの?」
マザー「……はっ!いやいや、のぞみがこんなとこにいるはずないか……」
ブンブンッ
マザー(頭を振って自分を落ち着かせる)
マザー「すまん混乱してしもうた、この子がコトーリちゃんの仲間なんか?」
コトーリ「たぶんね、ふくもぜんぶぬがせてわたしにみえるようにもってきて」
マザー「おっけー」
ポイポイポイポイッ!
のぞみ?「ひゃぁぁぁっ!」
マザー(すっかりすっぽんぽんになったのぞみ(仮)を後ろから抱き上げて、ベッドに寝てるコトーリちゃんの元へ運ぶ)
マザー「よいしょっと……どうや?」
のぞみ?「ううぅ……敵にこんな辱めを受けるなんて……」
コトーリ「……うん、わたしのしってるのぞみだよ、まちがいない」
コトーリ「けどからだのなかでへんなところがある……」
マザー「この
>>693
な部分か?」
コトーリ「そう、これのせいで信者としての人格が上書きされてるのかも」
693
:
!ken:99
:2017/11/23(木) 22:36:17 ID:1gGKAvHQ
淫紋
694
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/23(木) 23:00:33 ID:RjHz3UOs
マザー「なるほど……この淫紋が……」
マザー(この子の下腹部にはタトゥーのような紋章が刻まれていた)
ココロ「淫紋?」
マザー「性魔術なんかで使われる紋章や、形によって効果は様々ある」
マザー「ただうちは詳しくないから、これが何の効果を意味するのかは分からんけど……」
ココロ「ふむ」
マザー「それにしても、コトーリちゃんの仲間ものぞみって言うんやな」
コトーリ「そうだよ、きぼうのきでのぞみ、それがどうしたの?」
マザー「実はうちが見間違えた子の名前ものぞみって名前なんや、顔も希ちゃんとそっくりやし、脱がした体のスタイルだってそっくり」
マザー「双子かと思うほど似てるわやわ、本当に驚いた」
コトーリ「のぞみとそっくりなのぞみ……?どこかで見たような……」
695
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/23(木) 23:00:51 ID:RjHz3UOs
希「ちょっ!やめっ!早く離してください!」ジタバタッ
マザー「おおっと動いたらアカンで」グッ
希「ぐぅぅぅっ!」
マザー「しかし淫紋が原因となると必要なのは解呪師やな、かけられた魔術を解くのを専門にしてる魔術師や」
ココロ「マザーが解くことはできないんです?」
マザー「うーん……かけられた術の詳細な手順、原因となった事柄が分かれば出来るかもしれんけど……」
チラッ
コトーリ「……ごめん、ふねがてんぷくしてからのきおくはない、のぞみがそうなったこころあたりはさっぱり」
マザー「そうか……」
コトーリ「わたしはそういうかんがえるのせんもんじゃない、どかーんするのせんもん」
コトーリ「せめてうみとごうりゅうできれば……なにかわかるかも……」
ココロ「何にしても早く行動するべきね……今は隠れてられますが、敵が見つからないとなると同士たちはアレを発動するでしょう」
マザー「あれ?」
ココロ「我がTKB隊の切り札、
>>696
です」
696
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/23(木) 23:24:11 ID:VUO2vEi.
強制引き寄せ
697
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/24(金) 00:51:53 ID:tKJp5KC6
ココロ「我らTKB隊の切り札、強制引き寄せです!」
マザー「ほう……名前からして目的のものを引き寄せる術やろうか」
マザー「TKB隊の教義を考えると引き寄せる対象は天使か天使に関するもの……?」
ココロ「はい、大体その通りです」
ココロ「強制引き寄せは発動する信者の信仰心を引力に変えて信仰対象を引き寄せる奥義」
ココロ「対象を具体的にイメージできればできるほど成功率は高くなります」
ココロ「同士たちの多くは天使様の姿を一度は視認しているので、その状態で強制引き寄せを使えば天使様は間違いなく引き寄せられるかと……」
マザー「範囲は?」
ココロ「少なくともこの島全体にはお呼びますね、これも発動させる信者の数と比例しますので」
マザー「ふむ……広いな」
ココロ「ですから天使様を独り占め……もとい守るためには早めの判断が必要なのです」
698
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/24(金) 00:52:22 ID:tKJp5KC6
コトーリ「こころ、こころってえらいとこのむすめなのにそんなんでいいの?」
ココロ「ドエムお父様は言っていました、偉いからこそ民草の手本となれ、天使様を思う気持ちで負けるな」
ココロ「チャンスが来たら他の何を犠牲にしても手に入れ、思う存分虐げられなさいと!」グッ
ココロ「ですから相手がお父様やお姉様方だとしても私は天使様を渡しません」
ココロ「一生私の精神と体だけを虐め抜いて頂くのです」ニッコリ
コトーリ「うん……いろいろとこわい」
マザー(全裸のままコトーリちゃんの手を握るココロ、危ういやつやが今のところは利用できる人材やな)
マザー(さて……ちょっとこれからの方針を考えますか)
マザー(うちの任務としては正直コトーリちゃんの事情は関係ないし、助ける義理はないわけや)
マザー(だがTKB隊がいる限り任務に支障がでる、TKB隊を凌ぐにはココロの協力があったほうが楽で、ココロの機嫌を取るにはコトーリちゃんが必須)
マザー(更にコトーリちゃんには同じ異能者と思われる仲間がいるとの情報)
マザー(1人で任務を続けるより、コトーリちゃんを助けて恩を売り、そのお仲間と協力したほうが任務は上手く行く……か)
699
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/24(金) 00:52:37 ID:tKJp5KC6
マザー(よし!この方向性やな)
マザー(なによりうちは若くて可愛い子を見捨てておけないたちやねん、のぞみに似てる子もおるしな)
マザー「分かった、コトーリちゃんの体力が回復ししだい次の行動に移ろう」
ココロ「はいっ」
マザー「やることはコトーリちゃんの仲間の捜索と希の解呪、そんで島外への一時的脱出」
マザー「最後のは上に停めてある飛空艇を使えば……いや、こっちには内部事情を知っとるココロがいる、いっそのこと先回りして儀式を妨害するのも手か」
マザー「奥義ってことはそう何度も気軽に行えるものやないんやろ?」
ココロ「そうですね、色々と準備がいるので」
マザー「コトーリちゃん、あんたのお仲間のほうは希を抜いて何人や?」
コトーリ「なんにん……ええと、うみでしょ、だるこに、うみとらまんだから……さんにん?」
マザー「あと3人か、せめて流れ着いてそうな場所のヒントでもあればなぁ……」ガシガシ
マザー(コトーリちゃんから転覆した時の話は聞いとる、でも場所も何も覚えてないんじゃ話にならん)
コトーリ「まぁでも、のこりのなかまはわたしほどじゃないけどゆーしゅーだから」
マザー「ん?」
コトーリ「もしぶじにながれついてたんだとして、これだけのさわぎがおきてれば……」
コトーリ「たぶん、むこうからみつけてくれるはずだよ」
700
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/24(金) 00:53:00 ID:tKJp5KC6
・
・
・
──???
ピクッ
ダル子「いた……!」
ダル子(とある場所、木の上に隠れて神眼を光らせていた私は目的のものをやっと見つける)
ダル子「いましたっ!」
ダル子「祭りの中心部から少し離れた場所、信者の施設と思われる場所にコトーリさんたちの姿が見えます!」
ダル子(喜びを隠しきれない声で、私は木の下にいる人に報告する)
ダル子(木の幹に背を預けて両手を組み、精神統一でもしていたのか瞼を閉じていた彼女は、幹から離れると立て掛けてあった刀を持った)
ダル子(そして彼女……海未さんは私の方を見上げて笑顔で応える)
海未「ありがとうございます」
ダル子「行きますか?」
海未「はい、何か大変な状況みたいではありますが行きましょう」
カチャンッ
海未「希とコトーリ――2人を助けに!」
─────────────────
復活祭会場〜癒やしの空間
〜???
AM6:17〜AM6:30 新終末編『230』了
701
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/24(金) 00:53:33 ID:tKJp5KC6
というわけでここまで
海未たちも始動
新終末編『231』に続く
かもしれない
702
:
!ken:99
:2017/11/24(金) 12:00:41 ID:60uqpZLs
をつ
これは強キャラ
703
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/24(金) 20:03:30 ID:tKJp5KC6
新終末編『231』
─────────────────
──??
AM6:31
ダル子「こっちです!付いてきてください!」
タタタタタッ! ザザッ!!
ダル子(分厚い雲のせいで未だ暗い夜明けの時間帯、私たちは樹木が鬱蒼と茂る小さな森の中を駆け抜けていた)
ダル子(暗さと視界の悪さが相まって、普通ならマトモに走ることなんて出来ない場所だ)
ダル子(無闇に突っ込めば泥濘んだ地面に足を取られて転んだり、突き出した枝で怪我をしてしまう恐れがある)
ダル子(けれど……私の眼があれば話は別!)
カッ!
ダル子「次は右!右斜め前!そこから正面に1メートルほどジャンプして着地したら少し下りになります!」
海未「了解!」
ダッ ダタッ
ダル子(光の神である父から受け継いだ私の眼は暗闇でさえ昼間のように見通せる、急なステップだってお手の物)
ダル子(更に何十メートル先だろうが障害物があろうが見えるのだ、ちなみに耳も同じくらい便利……)
ダル子「……ジャンプ!」タンッ!
ヒューンッ
スタッ
ダル子(ま、そんな私の能力を駆使すれば夜の森だって楽々駆け抜けられるというわけ!)
704
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/24(金) 20:04:08 ID:tKJp5KC6
ザザザザザッ!
ダル子(無事に着地を決めた私は斜面を下りつつ、後ろを付いてきてる海未さんに尋ねる)
ダル子「海未さん!このペースで大丈夫ですか?」
海未「問題ありません、引き続き先導してください」
ダル子「そ、そう」
ダル子(……すごいな、今の海未さんは私のように万全の視界があるわけではない、懐中電灯の光すら無い)
ダル子(ほぼ暗闇の視界の中、私の合図だけを聞いて私と同じ速度で走っている)
ダル子(とても逆の立場だったら真似できないな……)
海未「そうですね、ただ移動してるというのも暇ですし、走りながら現状使える装備の確認でもしておきますか」
ダル子「えぇっ!?暇ってレベルなの!?」
海未「あぁすみません、神眼の集中の邪魔になりますか?」
ダル子「い、いや……大丈夫ですよ……ははは」
ダル子(なっ、なんなんだこの人、全部見えている私でさえ転ばないように気を払って走ってるのに……ほぼ目隠しで走って感想が暇……?)
ダル子(ここまで来ると本当にスクールアイドルなのか怪しくなってくるなぁ)
ダル子(いや海未さんは昔と変わらず可愛いけど……なんかタフネスになり過ぎな気がする)
タタタタッ
ダル子(とにかく今は先を急ごう、今私たちがいる場所とさっき見たコトーリさんたちのいた場所……)
ダル子(目測だと
>>705
くらい離れてるかな)
705
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/24(金) 20:16:55 ID:ZYQpuIvo
海未のバストと希のバストの差
706
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/24(金) 20:51:32 ID:tKJp5KC6
ダル子(目測だと海未さんのバストと希さんのバストくらいかけ離れた距離)
ダル子(あ、これはあくまで例えで海未さんが小さいというわけでは……)
チラッ
海未「…………」ジーッ
ダル子「うっ」ビクッ
ダル子(まぁともかく、一筋縄じゃいかない長い距離ってこと)
ダル子(急がないとコトーリさんたちは移動してしまうだろう、その前に辿り着かないと)グッ
ダル子(距離とルートを再確認すると、私はちらっと胸の辺りを見てしまった海未さんに振り返り、なんでもないよと合図をする)
ダル子「……ははは」ヒラヒラ
海未「まぁ……いいですけど、では装備の確認を始めますよ」
海未「ダル子は特に武器となる装備は無いので主に私の装備――能力を確認します」
ダル子「は、はい!」
海未「まず私の異能①であるラブアローシュート、これは能力覚醒の矢であるAと攻撃の矢であるBが存在します」
海未「私は主にBを使っていて、テンタクルと組み合わせた技も複数あります」
ダル子「ドアラランドで究極生物を撃ったものや、魔の海域で巨海霊に放ったものですね」
海未「次に異能②がマインドコントロール、今は私の体を離れて"髪の中"に入っています」
海未「というのも私の髪は幻想種ダイオウイカと融合していて自在に動かせるんです、名前をテンタクル」ウネウネ
ダル子「龍宮城での話でしたっけ、その後にマインドコントロールをテンタクルに移した」
海未「2つ異能を人間の体と幻想手の体の部分で分けて負荷を減らそうという算段ですよ」
海未「今は主に髪を変化させた触手を使って様々な洗脳を行えます」
707
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/24(金) 20:52:24 ID:tKJp5KC6
タタタタタッ!
ダル子「3つ目は……キーブレードですか?」
海未「はい、これは私の物と言うより一族代々受け継いでいる能力ですね」
海未「空間と空間を繋ぐ扉を作成できる大きな鍵、こちらも特殊な呪文で呼び出すスイッチを作ってもらいました」
ダル子「使う時以外はスリープ状態にしておくと……」
海未「これまた負荷関係の話ですよ、緊急避難的用途に使えなくなったのは痛いですが……あのままだと私が死んでいましたから」
海未「①は自分、②は髪に、③は使う時に召喚する――これで能力の負荷は上手く分散しているのです」
ザッ
海未「そして……4つ目」カチャッ
ダル子(海未さんは走りながら自分の腰の刀に手をかける)
海未「冥府の戦いで折れてしまった剣、ここに新たな力が宿った――」
ダル子「っ!?海未さん止まって!」
ダル子(刀の確認に入ろうとした瞬間だった、私の目が斜面をくだった先……舗装された道路を歩く人物を捉える)
ザザザザッ!
ダル子(油断していた、この先は障害物が少ないからと……チラチラ後ろの海未さんを振り返って話してたせいで気付かなかったんだ……!)
ダル子(おそらく祭りを取り仕切ってる信者の1人、格好や持ち物で目立つのは
>>708
)
708
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/24(金) 21:01:34 ID:NDmpBBrA
寝袋を持って眠そうに歩いてる
709
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/24(金) 21:43:50 ID:tKJp5KC6
ダル子(目立つのは手に持った寝袋、信者は寝袋を持って眠そうに歩いている)
ダル子(さっき不覚にも音を立てちゃったけど……幸いまだ距離はあるし相手は眠そうだ)
ダル子(どうにかこのままやり過ごして――)
寝袋信者「んー?」ジロジロ
ダル子(ダメか……!)
寝袋信者「ふぁ〜、誰かいるの〜?」
ダル子(寝袋信者は眠たそうに目をこすり、止まる際に音を立てた私たちのほうをじっと見て暗闇に目を凝らしている)
ダル子(斜面の背の高い草に身を隠してるとは言え、このまま探し続けられたらいずれ見つかってしまう)
ダル子「海未さん……すみませ――」
海未「構いません、見つかったのなら試し切りといきましょう、実戦で確認です」
ダル子「え?」
710
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/24(金) 21:44:19 ID:tKJp5KC6
カチッ
スゥーーーーッ
ダル子(海未さんが刀身を鞘からゆっくりと引き抜く)
ダル子(刃に当たる部分は全体の半分ほどでポッキリと綺麗に折れていた、しかし……)
ボォォォォォォウッ!!
ダル子(折れた刃の断面から、青紫色の炎がモクモクと噴き出していた)
海未「ふぅ……」
ダル子(海未さんが両手で鞘を握り息を整えると、溢れるばかりだった炎は収縮し……長く細く確かな刀の形を取っていく)
ブゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!
ダル子(まるで折れた刃と青紫の炎が合わさり、1つの長い刀となるように――)
海未「――DX海未ちゃんソード・ファントムエッジ」
ダル子「……っ!」ゴクッ
海未「"もう一人の私"から事前説明は受けていますが、武器は使ってみなければ分からない」
海未「彼女が言うには、ファントムエッジは斬った相手を
>>711
する刃……とのこと」
711
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/24(金) 22:03:29 ID:TdLNeKSI
ステータスを3割減らし、本能に忠実になる
712
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/24(金) 22:51:18 ID:tKJp5KC6
海未「彼女が言うには、ファントムエッジは斬った相手のステータスを三割減らし、本能に忠実になる……とのこと」
ダル子「本能に?」
海未「何があるか分かりません、ダル子は残っていてください」
ダル子「でも私がいないと眼が……」
海未「敵の位置なら声が聞こえたので分かりますよ、むしろここで全体を見張っていてもらったほうが助かります」
海未「もし敵の援軍が来るようなら大きな声で知らせてください」
ダル子「は、はい……分かりました」
海未「では……」スチャッ
ダル子(刀を片手に持ち直した海未さんはもう片手を斜面の下方について、片手クラウチングスタートの構えを取る)
ダル子(そして後ろ髪が2本の触手……テンタクルに変化、両肩の上を通り背後へ伸びる)
シュルルッ シュルルッ
ガッ! ガッ!
ダル子(先っぽを海未さんの後方の斜面に付けたテンタクルは自らをポンプのように圧縮、圧縮、圧縮して行き――)
ググググググググッ……!
ダル子(そして、一気に開放した)
海未「はっ!」
ドゥンッ!!!!
ダル子(海未さんが片手クラウチングスタートの姿勢から走り出すのと同時に、斜面につっかえ圧縮されていた両側のテンタクルがバネのように彼女の体を吹き飛ばした!)
ダル子(海未さんは伸縮自在な触手をロケットスタートを決めるための道具として利用したんだ……!)
713
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/24(金) 22:51:44 ID:tKJp5KC6
ビュゥゥゥウゥンッ! ザザザザザッ!!
ダル子(……速い、それは草原を駆ける一筋の疾風、正にかまいたち)
ダル子(海未さんは風の速さで斜面を駆け下りると寝袋信者の前へ躍り出る!)
寝袋信者「……っ!?」ビクッ!
ダル子(来る方向が分かっていたとは言え対応が間に合うはずがない、寝袋信者は驚きから硬直してしまう)
海未「…………」フッ
ダル子(対する海未さんの姿勢は低い、限りなく低い)
ダル子(風の抵抗を受けないように極限までの前傾姿勢、鼻先が舗装されたアスファルトに付くギリギリの位置にある)
ダル子(海未さんはそこから体を捻り、ロケットスタートと斜面を駆け下りた加速を殺さず、刀を持った方の手へエネルギーを移していく)
クルッ
ダル子(そして振りの中で一瞬で順手から逆手へ持ち替え、地面スレスレの位置から一気に刀を振り上げた!)
海未「――はっ!」
ブンッ!!
ダル子(リーチの長くなったファントムエッジの先がアスファルトを焼き切り火花を散らし――)
ジュゥゥゥゥゥッ!
ダル子(一気に寝袋信者の下から上までを切り裂く!)
ザンッ!!!!
寝袋信者「っ!?」ビクビクッ!!
海未「安心してください……この妖刀は人の命を食ったりはしません」
海未「ただあなたの本能を引き出すだけ」
寝袋信者「ほんの……ぐぅぅぅっ!」
ボォォォォウッ!
ダル子(海未さんが切り裂いた傷跡から血の代わりに青紫の炎が吹き出た)
ダル子(ファントムエッジの刃先と同じ色……あの刀の能力が発動するんだ!)
寝袋信者「うわぁぁぁぁぁぁっ!!」
ボォォォォォォォォォォォォウッ!!
ダル子(傷口から溢れた炎が寝袋信者の全身を包み込む、海未さんの言うとおりなら命を取る類ではない)
ダル子(そして数秒後、炎が晴れると信者は
>>714
)
714
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/24(金) 22:56:43 ID:x/mQ95Ec
天使のような寝顔で熟睡した
715
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/24(金) 23:59:10 ID:tKJp5KC6
ダル子(炎が晴れると信者は天使のような寝顔で熟睡していた、もちろん自前の寝袋の中で)
ダル子(あれが本能に忠実になるってことなんだろう……)
海未「ダル子!周りに敵が見当たらなければこちらに降りてきてください!」
ダル子「分かりました!」
ガササササッ!
タタッ
ダル子(転ばないように慎重に草を掻き分けて斜面を降りて、海未さんの元へ追いつく)
寝袋信者「すぅーすぅー」
ダル子「本当に熟睡してる……」
海未「この信者が本能で願っていたのはぐっすり寝ることだったのでしょう」
海未「さてと……」
ガサゴソ ガサゴソ
ダル子「って海未さん!?なに寝袋の中に手を入れて弄ってるんですか!?」
海未「大丈夫ですよ、今は熟睡の欲求が勝ってますし、全部のステータスが減少してるので大した抵抗もできません」
海未「持ち物を探るには絶好のチャンス……お、ありましたありました」
スッ
ダル子(海未さんは寝袋信者の中から取り出した物品を路上に並べていく)
海未「身分証のようなもの、カードキー、地図、予備の信者服、簡易食料が数個に……これは薬の瓶でしょうか」
海未「地図はダル子に渡しておきます、貴女が眼で見たものと合わせて建物の位置を確認しててください」
ダル子「はい、カードキーの方は解錠に使えそうですね、他は……よく分かりませんけど」
海未「ここで信者の一人を確保できたのは大収穫です、手に入れたものを使って一気に進みましょう!」
─────────────────
祭り会場への道中
AM6:31〜AM6:35 新終末編『231』了
716
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/24(金) 23:59:40 ID:tKJp5KC6
というわけでここまで
新終末編『232』に続く
かもしれない
717
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/25(土) 20:19:54 ID:HRQyG.Es
新終末編『232』
─────────────────
──祭り会場付近・建物の影
AM6:35
海未「ほっ」バシッ!
信者「うぅ……」
パタンッ
ダル子(建物と建物の間、影になってる細い路地で海未さんが見張りをしていた信者を倒す)
ダル子(今度は刀で斬ったのではなく、おそろしく速い手刀で背後から一発、私でなければ見逃しちゃうね)
海未「これで5人目……この人も大した物は持ってないようです」ガサゴソ
ダル子「あー」
海未「1人目を無力化してから同じように孤立して巡回している信者を不意打ちして来ましたが……4連続で収穫はゼロ」
ダル子「残念ですね」
海未「運が悪いと言うより、1人目に選んだ信者が当たりだったのでしょう」
海未「あのお寝坊さんが普通の信者より無駄に多くのものを寝袋に溜め込んでいたんです」
海未「見回りに必要のないものが沢山ありましたから」
ダル子「ふむ……この子がねぇ……」
ダル子(実は1人目の寝袋信者さんは今も連れてきていたりする)
ダル子(寝袋に入って眠ったまま、海未さんにリュックサックのように担がれているのだ)
ダル子(何故適当な場所に放置せず連れてきてるかというと
>>718
)
718
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/25(土) 20:32:21 ID:eFXMjcLY
性的にタイプだから
719
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/25(土) 21:33:18 ID:HRQyG.Es
ダル子(何故連れてきてるかと言うと……まぁ単に性的にタイプだから)
ダル子(見も蓋もない言い方だけど真実だから仕方ない、眠ってる所を襲いたくなるくらい可愛い、ちゅーしたい)
ダル子(もちろん海未さんにそんな理由を離すわけにはいかないし……適当に利用価値がありますよってごまかしてるけど)
ダル子(ごまかす理由なんて人質にするなり、情報を聞き出すなり、寝袋が役立つなり、適当なんだから何でもいい)
寝袋信者「すぴー……すぴー……」
ダル子(寝顔も可愛いなぁ、名前はなんて言うんだろう)
ダル子(海未さんの背中にミノムシのようにぶら下がってる寝袋ちゃんの顔を軽くつつく)
ツンツンッ
ダル子「ふふっ」
海未「ダル子!」
ダル子「は、はいっ!」
海未「ここから先は信者の数が爆発的に多くなるんでしたよね」
ダル子「そうですね、祭り会場があった場所ですから、そのまま信者たちが集まってコトーリさんたちを探しています」
ダル子「加えて巻き込まれた大量の一般人が逃げ惑っていて、祭りの時と同じく大変今雑しています」
720
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/25(土) 21:33:45 ID:HRQyG.Es
海未「ならばこっそり潜入と不意打ちという今までの方法は使えない、ここからは信者に変装して行きましょう」
ダル子「変装?」
海未「不意打ちで倒してきた信者たちから奪った信者服がありますからこれを着て……ね」スッ
ダル子「なるほど、じゃあ私は寝袋ちゃんが持っていた替えの服を借ります」
海未「寝袋ちゃ……?ダル子にはこの信者の服は少し小さいのでは?」
ダル子「い、いえっ!私にはこれがピッタリですよ!ピッタリですから!」
海未「はあ……別にバレなければ何でも良いですけど……」
グイグイッ
ダル子(海未さんの追求を交わしつつ、私は寝袋ちゃんの信者服を着る)
ダル子(服は上から頭を通して被るマント式のもの、海未さんの見立て通りやっぱり少しきつい……)
ダル子(でもこれくらい何もとない……何とも……)
ギュゥゥゥッ
ダル子(私は端を無理やり引っ張ってどうにか全身が隠れるようにする)
ダル子「ふぅ……ん?」
ダル子(なんとか着終わった所で、服の端にネームタグが付いていることに気付いた)
チラッ
ダル子(む?これが寝袋ちゃんの名前かな、ええと……
>>721
)
721
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/25(土) 21:35:43 ID:uUxW.LN2
スリーピング・彼方
722
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/25(土) 22:18:11 ID:HRQyG.Es
ダル子(ええと……タグに書いてある名前は『スリーピング・彼方』)
ダル子(彼方ちゃんか、名前も可愛いなぁ……ふふっ)
彼方「んんっ……」ムニャムニャ
ダル子(黒い寝袋から顔とウェーブのかかった長い茶髪だけを出して、天使のような笑顔で眠る彼方ちゃん)
ダル子(眠ることが1番大好きなのに……なんでこんなカルト教団に入ったんだろう……)
海未「よし、では行きますよ」パサッ
ダル子(海未さんも私と同じく信者の服を纏い、彼方ちゃんの寝袋を背負い直す)
海未「ここまでの実戦で確認したことを復習すると、雪の中では普通のラブアローシュートは使えません」
海未「テンタクルは動かせますがマインドコントロールは直接接触のみ」
海未「武器として完全に使用できるのはファントムエッジくらいですね」カチャッ
723
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/25(土) 22:18:46 ID:HRQyG.Es
海未「近接主体の戦いに行くことになるので、もしもの時は肩の荷物をパスします、落とさないでくださいよ」
ダル子「分かりました!しっかりしっぽりキャッチします!」
海未「それとナビゲートも引き続きお願いします」
ダル子「はいっ」
ダル子(渡されている地図の情報は完全に頭に入っている、実際に神眼で見て現地との齟齬も確認済み)
ダル子(問題なくコトーリさんたちの所へ導ける……)
ダル子(コトーリさんたちのいる癒やしの空間の様子だって数分ごとに確認してる)
ダル子(今あっちのメンバーの様子は
>>724
)
724
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/25(土) 23:05:14 ID:VqDZ.nbw
焚き火でクッキング
725
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/25(土) 23:47:41 ID:HRQyG.Es
ダル子(あっちの様子は……)
ダル子「む?」
海未「どうしました?」
ダル子「コトーリさんたちは料理を始めたみたいです、焚き火を作って周りで何かしてますね」
海未「ほう……クッキングを」
海未「ということは向こうはもうしばらく潜伏する気でしょうね」
海未「好都合、今のうちに一気に近づきますよ!」
ダル子「はいっ!」
彼方「……むにゃ」スピー
タタタッ!
ダル子(信者に変装した私たちは路地裏から飛び出し、未だ混乱冷めやらぬ信者の群衆の中に飛び込んでいく)
ダル子(しかし……この状況で料理とはわりと余裕なのかも……?)
─────────────────
祭り会場近く
AM6:35〜AM6:38 新終末編『232』了
726
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/25(土) 23:49:04 ID:HRQyG.Es
というわけでここまで
短めですね
次は料理してるコトーリたちから
新終末編『233』に続く
かもしれない
727
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/26(日) 20:17:58 ID:cWnZ6lPc
新終末編『233』
───────────────────癒やしの空間・軒下
AM6:38
コトーリ「りょう……り?」
マザー「せや、簡単なクッキングやね」
カタカタッ
マザー(何故この状況で……?といった目を向けるコトーリちゃん、その横でうちは料理の準備を進める)
マザー(コンロ代わりに焚き火を使う手前、癒やしの空間の中では調理できない)
マザー(てわけで少し外に出て、今いる場所は癒やしの空間の裏手の軒下)
マザー(ここなら雪をしのげるし、下はコンクリートだから延焼するものはない)
マザー(ブロックで簡易的な竈を作って中に火を付ける)
パチッ パチッパチッ
ボォォォォォォウッ
コトーリ「ほー、それでひがつくれるんだ」
マザー「簡単なサバイバルキットを持ってたからな、煙で敵に気付かれそうな気もするが……気付かれたら気付かれたで対処しようや」
パチッパチッ
マザー「それで、今この状況で料理するわけやけど……希ちゃんの解呪のためやね」
コトーリ「のぞみの?でもかいじゅはかんたんにはできないって……」
マザー「ああ、根本的な治療は簡単にできない、せやけど呪いを和らげることくらいはできるかもしれん」
728
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/26(日) 20:18:24 ID:cWnZ6lPc
マザー「呪いも病の仲間、病は気から、気は食いもんで大概なんとかなる」
マザー「特に希ちゃんの場合は人格や記憶が変えられている症状やし、気……精神の問題に近い」
マザー「美味いもん食わせて希ちゃんの精神バランスを安定させようって話やね」
コトーリ「なるほど……」
マザー「そこで質問なんやけど、希ちゃんが好きな料理って何かな?」
コトーリ「え?」
マザー「ほら、せっかくなら好物のほうが効果ありそうやん」
コトーリ「ふむ…………」
コトーリ「……あれ?のぞみがすきなものぜんぜんしらないな」
マザー「えっ」
コトーリ「ここさいきんだとわりといっしょにいるにんげんだけど、そういうはなししたことないなぁ」
マザー「そうなん?でも今いる面子だとコトーリちゃんしか仲間おらんし」
コトーリ「そうだね、ええと……ええと……のぞみのすきなもの……」ムムゥ
コトーリ「……あ!たぶん
>>729
がすきだとおもう!」
729
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/26(日) 20:20:53 ID:iqXlRUtk
オッパイ大きいから母乳
730
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/26(日) 21:23:06 ID:cWnZ6lPc
コトーリ「おっぱいおおいからぼにゅうだとおもう!」
マザー「ぼ……母乳?」
マザー(うちが訝しげな顔をするとコトーリちゃんも首をひねる)
コトーリ「……あれ?なにかおかしなかこといった?」
マザー「いやいや、母乳は普通赤ちゃんが飲むものやろ、希ちゃんくらいの子は飲まんて」
コトーリ「でもにほんのしょくたくには、ふつうにぼにゅうがおいてあるってきいたよ」
コトーリ「めすのほにゅうるいのおっぱい、そこからでるのがぼにゅうでしょ?」
マザー「ああ……うん、そうやな、牛乳も広義では母乳の仲間やな……」
コトーリ「……?」
コトーリ「にせんねんくらいまえも、わたしのしってたにんげんたちはぼにゅうをたべてた」
コトーリ「えいようのあるいいたべもの」ドヤッ
マザー「ははは……」
マザー(普通の人と違うナニカとは察してたけど、やっぱりコトーリちゃんは感覚がズレとるなぁ)
マザー(人間と動物を哺乳類でくくっていたり、遥か昔のことを見てきたように語ってたり)
マザー(ほんまに天使みたいな――――)
コトーリ「ていやっ」ザクッ!
マザー「がふぅ!」
731
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/26(日) 21:23:39 ID:cWnZ6lPc
マザー(少し余所見していた隙に、コトーリちゃんの手刀が脇場に深く突き刺さった)
マザー「な……なにすんねん……」ガクガクッ
コトーリ「てんししんけんでぼにゅうのひこうをついた、これでまざーからもでてくるよ」
マザー「は、はぁ?そんなわけないって、第一うちは子供すら出来たことな――」
ムググググッ
マザー「なっ!?」
ドクッ! ドクッドクッ!
マザー(急に胸が膨張してパンパンに張ってくる、乳首が痛いほど膨れてくる)
マザー(そして中から熱いものが流れ出して来て――)
マザー「ア、アカンっ!!」バッ!
マザー(間に合わないと察して胸を覆ってる部分の服と下着をエアワシワシでちぎり取る)
ギュッ バリィィィッ!
マザー「出るっ!!」
ビュルルルルルルッ!!!!
732
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/26(日) 21:23:58 ID:cWnZ6lPc
マザー(露わになったうちの乳の先から熱くて白い液体が噴水のように勢い良く吹き出た)
コトーリ「おっと、きゃっちきゃっち」
ジョボボボボボボッ
マザー(滝のように落ちる母乳がコトーリちゃんの差し出した小さな手鍋に注がれていく)
マザー「はぁ……はぁ……んんっ」ビクッ ビクッ
コトーリ「でたでた、ちゃんとでるじゃん」
マザー(初めての感覚や……頭の奥がゾクゾクして気持ちいい、敏感になった乳首が冷たい空気に触れてくすぐったい)
マザー(なんかもう……どうにかなってしまいそうや……)
コトーリ「さておあじは……」ペロリ
マザー(コトーリちゃんが小指を鍋に溜まった母乳に付けて味見をする)
コトーリ「うん、
>>733
」
733
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/26(日) 21:28:41 ID:aaT3kynU
深淵が薄まった気がする
734
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/26(日) 22:15:45 ID:cWnZ6lPc
コトーリ「のうこうでとてもおいしい……それに……」
マザー「それに……?」
コトーリ「わたしのなかのしんえんが、うすまったきがする」
マザー「え?」
コトーリ「だからほら」スッ
マザー(コトーリちゃんが自分の片腕、指先から肘にかけて侵食され長手袋のようになっていた黒い領域を指差す)
マザー(確かに……よく見ると黒と白を分ける境界線が少し手の先側に移動している気がする)
マザー「ほんまや、黒い領域がさっきより減ってるな……数ミリくらいやけど」
コトーリ「しょうじきおどろいた、まざーのぼにゅうにこんなこうかがあるなんて」
コトーリ「そーま……ってやつなのかも」
マザー「ソーマ?どっかの神話に出てくる神の飲みもんやったっけ?」
コトーリ「そうそう、むかしきいたはなしのなかで、そーまはぼにゅうだったってはなしがあったの」
マザー「どこの奇天烈神話の話やねんそれ……」
コトーリ「なづけてせいぼのそーま、よし!さっそくりょうりにかかろう!」ムフー
マザー「ちょいちーょい」
735
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/26(日) 22:16:03 ID:cWnZ6lPc
マザー(何故か少し興奮して意気揚々とし始めたコトーリちゃん)
マザー(『聖母のソーマ』?何でうちの母乳がミラクル存在になんねん……)
ググッ
マザー(まぁ1人で勝手に料理を進められても困るし、今悩むのはやめておこう)
マザー(母乳を出した快感で尻もちを付いていたうちは、ポロリしたままになってる乳を拭いて、周りから見えないようにコートの前を閉じて立ち上がる)
マザー(本当なら中も隠したいけど、服を破ってしまった手前今は隠しようがない、後で着替えよう……)
コトーリ「ふんふふーん」カチャッ
マザー「コトーリちゃん、手鍋を火にかけるのはいいけど作りたいものは考えてるん?」
コトーリ「んー?」
マザー「やっぱり考えなしに火にかけてたんか……せやな、謎の母乳とはいえミルクに違いはないやろ」
マザー「作るとしたら
>>736
」
736
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/26(日) 22:20:09 ID:zgHXnNQ6
処女ママの特濃ミルクスープ
737
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/26(日) 22:53:59 ID:cWnZ6lPc
マザー「作るとしたら……ミルクスープとかやろうか」
コトーリ「すーぷいいね!」
マザー「名付けてママの特濃ミルクスープや!」
コトーリ「しょじょなのにまま?」
マザー「聖母やって処女やろうが……ってなんでうちの性事情知ってんねん」
コトーリ「てんししんけんはついたあいてのしんたいでーたがわかる」
マザー「……まじ?」
コトーリ「うそ、てきとうにいったらあたった」
マザー「嘘なんかいっ!」
コトーリ「てへへ」
マザー「全く……なんで母乳絞られたあげくコンプレックスを晒さなあかんのか……」
カタカタッ
マザー(ぶつぶつ文句を言いつつ料理――処女ママの特濃ミルクスープの準備は進める)
マザー(スープの味を整える調味料に具材を諸々を投入、具材は野菜や肉があればいいんやけど手持ちにはない……)
738
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/26(日) 22:54:16 ID:cWnZ6lPc
マザー「癒やしの空間に食料とか置いてある部屋ないんかな、ココロに聞いとけば良かった」
コトーリ「だったらわたしがきいてくるよ」
テテッ
マザー(コトーリちゃんは癒やしの空間の裏、勝手口の扉に走っていく)
マザー(ちなみにココロと希ちゃんは勝手口のすぐ内側の柱に紐を使って縛り付けてある)
マザー(外に出すのは危険、でも逃げださないようにとの対策やね)
コトーリ「こころー、ここってれいぞうことか――」
マザー(そう言ってコトーリちゃんが扉を開けると
>>739
)
739
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/26(日) 23:06:46 ID:3GlC4lxE
2人共興奮して体中の穴という穴から体液を出していた
740
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/27(月) 00:24:08 ID:fpC0HH4.
マザー(扉を開けたコトーリちゃんの表情がピタリと固まる)
マザー「コトーリちゃん……?」
コトーリ「やばいな……これ……」
マザー「やばいってなにがー?」
マザー(火の番があるのでうちは鍋の前を長く離れられない、コトーリちゃんに大きな声で尋ねる)
コトーリ「じごくえず、どろどろのぬるぬるだよ」
コトーリ「ふたりがこうふんして、からだじゅうのあなからたいえきをたれながしてる……」
マザー「なんやて……!?」
マザー(仕方ない、鍋は少し放置してうちも勝手口のほうへ向かう)
タタタタッ
マザー「うっ……!」
マザー(扉に近づいた瞬間に強烈な臭いが鼻をつく、地獄絵図……言い得て妙やな)
マザー(扉の向こうの柱に繋がれていたはずの2人は床に伏せていて、床には2人分の様々な体液が水たまりのように広がっとった)
マザー(涙や鼻水や涎れ、血液や内臓の液、汗や糞尿、他にもなんだか良く分からんもんまで入り交じっとる)
マザー(匂いを含め綺麗なもんやないってことはハッキリと分かる)
741
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/27(月) 00:24:40 ID:fpC0HH4.
マザー(肝心の2人は激しい弛緩を繰り返していて、服や髪は体液でびしょびしょ、現在進行形で穴という穴から体液の噴出が止まらない)
マザー(下手したら自分たちの体液で溺れるんやないか……!)
マザー「コトーリちゃん、とりあえず2人を起こすで!」
コトーリ「うんっ!」
タタタッ バシャシャシャッ
マザー(室内へ入り、2人を助け起こして体液溜まりから遠ざけ壁に寄りかからせる)
ココロ「はぁ……ふぅ……」
希「ふぅ……はぁ……」
マザー(どうやら呼吸はちゃんとしとるみたいやな……良かった)
マザー「しかし……なんでこんなことに……」
コトーリ「もしかして、せいぼのそーまのせいかも」
マザー「え?」
コトーリ「あれなめたとき、わたしのなかのしんえんがけいげんしたでしょ」
マザー「あ、ああ……せやな」
コトーリ「しんえんをへらすって……れいせいにかんがえるとすごいことだよ?」
コトーリ「わたしはてんしだからへいきだったけど、もしかしてにんげんにはつよすぎるくすりなのかも」
マザー「うちの母乳が原因やって?でもまだ2人は食べてないやろ」
コトーリ「だからつよすぎるんだよ、りょうりのためにそーまをひにかけたから――」
マザー「気化か……?熱されて気化したソーマを吸い込んだからか!」
コトーリ「たぶん、とびらのすきまからなかにはいっていったんだとおもう……」
742
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/27(月) 00:24:56 ID:fpC0HH4.
マザー「……なるほど、聖母のソーマの効果は超強力なデトックスを伴う自浄作用ってわけやな」
マザー「コトーリちゃんの消すことができない深淵を強制的に排出して減らし、2人の体液を通常では有り得ないくらい溢れ出させた」
コトーリ「わたしはてんしだから、どくとはんていされるぶぶんがしんえんくらいしかなかったんだとおもう」
マザー「……で、普通の人間の2人は毒と判定された部分が多くてこれか」
マザー「それにしても反応が過剰すぎる気がするわなぁ、ほんとに生命活動に支障は無いんか?」
コトーリ「わたしにはわかんない、でもこれでのぞみをなおすほうほうがわかったんじゃない?」
マザー「ああ……人格を捻じ曲げる淫紋が毒と判定されるんなら、ミルクスープを飲ませ続ければいけるかもしれん」
マザー「希ちゃんの体力と脱水が心配やけど……そこらへんは様子みつつ試してみよう!」
コトーリ「おー」
─────────────────
癒やしの空間
AM6:38〜AM6:43 新終末編『233』了
743
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/27(月) 00:26:30 ID:fpC0HH4.
というわけでここまで
次は実食回
新終末編『234』に続く
かもしれない
744
:
!ken:99
:2017/11/27(月) 13:49:13 ID:tUyXACEQ
をつ
745
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/27(月) 20:18:37 ID:fpC0HH4.
新終末編『234』
─────────────────
──癒やしの空間
AM6:45
マザー(息も絶え絶えになったココロちゃんに聞いた所、癒やしの空間の中に設置された食料部屋を見つけることが出来た)
マザー(そこから多くの水と少しの食材を持ち出し、早速料理の続きをするべく軒下の鍋の元へ戻る)
タタタッ
マザー「コトーリちゃん別の鍋とって!」
コトーリ「ほーいっ」
マザー(さっきの様子を見るにソーマ成分はなるべく希釈したほうがええ、前の鍋から煮詰めた母乳を少しだけ新しい鍋に移し替え、そこに大量の水を注ぐ)
バシャァァァァァッ
マザー「コトーリちゃん、味はどう?」
コトーリ「ふむ……あじはあんまりかわらないね、かわらずとくのう」ペロリ
マザー「これだけ入れてもかぁ、元がどんだけ濃いんだか……」
マザー「まぁ味はともかく成分は薄まってるはずやから……この方法を繰り返していけばええやろ」
バシャァァァァァッ グツグツ パララララッ
マザー(希釈を繰り返し、その度にコトーリちゃんに味見してもらって味の調整を繰り返す)
マザー(本来なら出来る限り限界までやったほうが人体には優しいんやろうけど、生憎うちらには時間がない)
マザー(10回ほど薄める作業をしたところでカットしておいたベーコンや野菜なんかの具材を投入、調味料で仕上げをする)
マザー「ふぅ……こんなもんかな」
コトーリ「うん、おいしい」ペロリ
マザー(最後の味見を終えたコトーリちゃんは親指を立てて応える)
746
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/27(月) 20:19:04 ID:fpC0HH4.
コトーリ「でもまだにんげんにはきついかも、どうするの?」
マザー「そこは目を瞑るしかないな、なるべく少量ずつ繰り返し飲ませて様子見ていこう」
マザー(うちはスープを皿に取り分けると建物の中の希ちゃんの所へ向かう)
タタタッ
コトーリ「ねぇまざー!つかわなかったこいすーぷはわたしのんでいいー?」
マザー「ええでー!」
タタタッ
ガチャッ
マザー「希ちゃん!」
希「はぁ……はぁ……ん……?」
マザー(扉を開くと希ちゃんは変わらず裸で、近くの壁に背中を預け座っていた)
マザー(身体検査の後にわざわざ着せた服も、体液流出のせいで濡れたので脱がすはめに……着脱が忙しい子やなぁ)
マザー「希ちゃん、今からこの処女ママの特濃スープを飲ませるで」
マザー「少しずつ飲ませるから何か体に異変があったら手を上げて教えてくれな?」
希「は……はいっ」
マザー「じゃ……」スッ
トロロロッ
マザー(器の端から希ちゃんの口へ、白い液体を慎重に注いでいく)
希「んっ……んっ……」
ゴクッ ゴクッ
希「んっ……んっ……んんっ!?」
ビクンッ!!!!
マザー(すると突然希ちゃんの体が感電したかのように痺れて跳ねる)
747
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/27(月) 20:19:29 ID:fpC0HH4.
マザー「希ちゃん!?」
希「うっ……ぐぇぇぇぇぇっ!!」
ビチャビチャビチャッ!!
マザー(希ちゃんの口や鼻から白濁した液体が吐き出され、希ちゃんは四つん這いになって激しく咳き込む)
マザー(下の穴からも同じような液体がドボドボと流れ出るのが裸のおかげてよく分かる)
マザー(たださっきと違うのは出された体液が白一色の液体だということや)
マザー(液体の中に胃の中の溶解物や、血液や排泄物といった体組織由来のものは混ざってへん)
マザー(基本的な汚れは一回目の摂取で全部排出されたってことやろうか……)
希「はぁ……はぁ……」
マザー「気分はどうや?」サスサス
希「そう……ですね、少々苦しいですけど……さっきよりは苦しさが減ってる気がします……」
希「むしろ自分の中が掃除されて気持ちいい……?ような気も……」
マザー「よし、じゃあ次は水を飲んで水分補給」
希「はい」クピクピ
マザー「水分取ったらまたスープで出すで、ちょっときついだろうけど我慢してな」
マザー「これを繰り返していけば――」
・
・
・
マザー(スープ→出す→水飲む→休憩→スープ→出す)
マザー(このローテを繰り返しつつ、デトックスを続けて10分ほどが経った)
マザー(その結果、希ちゃんの下腹部に印されている淫紋の様子は……
>>748
)
748
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/27(月) 20:21:16 ID:xbUAxMOQ
消滅
749
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/27(月) 21:24:08 ID:ZQFpQha2
https://www.bit.ly/2kJFRlx
750
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/27(月) 21:41:51 ID:fpC0HH4.
マザー(淫紋は綺麗さっぱり消滅していた、跡も残ってない綺麗な肌やで)
マザー(くくくっ……やはりうちの読みは正しかったみたいやな)
マザー(……で、淫紋の消滅と共に希ちゃんは元の人格に戻ったわけなんやけど――)
希「んなっ!?なんでうちは裸なん!?」バッ!
希「それにお母さん……じゃないよね、こんなとこにいるわけないし、よく似た別人か……?」
マザー(見ての通り混乱の極みにあった)
マザー(どうやら人格が上書きされていた時の記憶はあまり無いらしいな……)
マザー(うちがどうしようか手をこまねいていると、コトーリちゃんがジョッキ片手にやってくる)
コトーリ「このひとはまざー、たぶんみかたのひとだからあんしんして」グビグビ
希「コトーリさん……」
コトーリ「っぷはぁ〜!」
マザー「コトーリちゃん、そのデカイジョッキで飲んでるのってまさか……」
コトーリ「うん、まざーのつかわなかったぼにゅうをぜんぶまとめたの」
マザー「やっぱりかー」
751
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/27(月) 21:42:09 ID:fpC0HH4.
コトーリ「ただこれだけのんでも、はいしゅつできるしんえんはびびたるものだね」
コトーリ「れーてんれーれーなんぱーせんとくらい、ぜんぜんたりない」
カランッ
マザー(コトーリちゃんは飲み干して空になったジョッキを床に置く)
コトーリ「というわけでもっとちょうだい、おっぱいからじかのみでもいいよ」ジーッ
マザー「アホなこと言うんじゃありません」コツンッ
コトーリ「あいたっ」
マザー「まったく……へんに懐かれたなぁ」
コトーリ「むぅー、のみたーい」スリスリ
希「ええと……マザーさんでいいんか?コトーリさんに聞いても要領を得なさそうやし、そちらから説明してもらっていい?」
マザー「もちろん、うちの視点から見た今までの状況をまとめると――」
752
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/27(月) 21:42:48 ID:fpC0HH4.
・
・
マザー「……って感じやね」
希「……なるほど」ウンウン
マザー(うちが説明し終わると、希ちゃんは頭の中で情報を整理してるのか頷きを繰り返す)
希「マザーさんは『とある任務』でこの海域に来たスピリチュアル教団の幹部」
マザー「ああ、今回の任務は教団とは別の仕事やけどな、お友達からの頼みみたいなもんや」
希「それで任務の邪魔になるTKB隊を排除する都合上、コトーリさんとうちを助けてくれた……と」
希「本当に感謝しないといけんな、ありがとうございました」ペコリ
マザー「いいんやって、この後任務を手伝ってくれること込みの下心ある話やし、何よりうちが放っておけなかった」
マザー「希ちゃんとよく似た子を知っとるからな……」
希「そうだそれ、話聞いてて思ったんやけど」
希「それってもしかして……エローチカ家で働いてるのぞみのことやないん?」
マザー「……えっ」ピタッ
マザー(あまりの衝撃にうちは一瞬固まってしまう)
マザー(のぞみと瓜二つの希ちゃんの口から、うちの知っているのぞみの話が出てくる……どういうことなん?)
コトーリ「わたしたち、ろしあにいったときにのぞみとあってるんだよ」
マザー「ええっ!なんで最初に話した時に教えてくれなかったん!?」
コトーリ「わすれてた」
マザー「むぅ……」
753
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/27(月) 21:43:12 ID:fpC0HH4.
希「のぞみとうちは何て言うんかな……信じて貰えるかは分からんけど、別世界の同一人物なんよ」
マザー「なっ……!」
希「この世界とは別の歴史の世界があって、うちはそこの東條希」
希「ロシアにも渡らず、両親が健在で、音ノ木坂でえりちたちと出会って、μ'sに入った世界線」
マザー「そう……か、同一人物……通りでうちが見間違えるわけや……」
マザー「なるほどなぁ、偶然にしては出来すぎやで……はは……」
マザー(驚きの事実に少しだけ体の力が抜けてしまう)
希「マザーさん……?」
マザー「いや大丈夫、疑ってはないから」
マザー「魔術師まがいの仕事をやってれば平行世界なんてよく聞く話、珍しいことでもない」
マザー「それにしてもそうか……あの子が1人にならん世界もあったのか……」
希「……うん、せやね、うちはすごく幸運やったんだと思う」
希「だけど――」
マザー(そこで言葉を区切ると、希ちゃんはうちの手を取って顔を近付けた)
希「うちも安心した」
希「のぞみにも、あなたみたいな優しい人が親代わりになってくれてたんやね」
マザー「……!」
希「しかもうちのお母さんに似てる、これも何かの縁なんかな?」ニコッ
マザー「…………希ちゃん、ありがとう」
マザー「うちな――」
コトーリ「はいはい、たのしいおはなしもいいけどいまはべつのことね」
マザー「うっ!そ、そうやな……」
マザー(いかんいかん、のぞみの話はいつでもできる……)
マザー(今はコトーリちゃんの言うとおり先に聞くべきことがあるんやから)
マザー「希ちゃん、希ちゃんが淫紋を刻まれた理由……転覆した瞬間から今までのこと……何か覚えてることはない?」
希「……そうやな、
>>754
」
754
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/27(月) 21:47:48 ID:PTTSfSwo
おやじギャグをめちゃくちゃ聞かされた気がするようなしないような
755
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/27(月) 22:49:19 ID:fpC0HH4.
希「そうやな、まず船が転覆したんはうちの能力の暴走で間違いない」
希「慌てたうちがAASの中で無理やり複製と奪取の能力を使い、それが雪に阻害される形で暴発」
希「船の色んな場所を増やしたり減らしたりしてバランスが崩れたんやと思う」
希「こればっかりは本当にすまん!」パチンッ!
コトーリ「べつにきにしてないよー」
希「……で、海に投げ出された所までは覚えてる……でもその先から記憶が曖昧やな」
希「微かに記憶にあるのは……何処かに流れ着いたこと、そこから更に運ばれたこと」
希「そしておやじギャグ」
マザー「ギャグ?」
希「ああ、朦朧とした意識の中、誰かが呪文のように延々と唱えるおやじギャグが耳に残ってる」
希「そこから先の記憶はない、気付いたらマザーの横で裸でゲロ吐いてた」
マザー「……ふむ、その親父ギャグが希の人格を捻じ曲げた魔術かもしれんな」
コトーリ「かもねー」
756
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/27(月) 22:49:40 ID:fpC0HH4.
マザー「まぁ、これで聞ける話は大体聞いたか」
マザー(うちは立ち上がると、窓の近くで外を見ていたココロに声をかける)
マザー(どうも話に入ってこないと思ったら、癒やし空間の真ん中辺りにいたうちたちから少し離れていたらしい)
マザー「ココロー!ちょっと来てくれへんー?」
ココロ「気安く呼ばないでください、私は犬ではありません」
コトーリ「こころー?」
ココロ「きゃんきゃーんっ!」タタタタタタッ
希「な、なんやあの子……」ビクッ
マザー「TKB隊の偉い人の娘のココロちゃん、コトーリちゃんを信仰してる……というか犬になってる」
コトーリ「こころ、そとみてたみたいだけどへんかあった?」
コトーリ「そろそろ、うみたちがきてもおかしくないんだけど……それともまだ信者たちがみまってる?」
ココロ「はっ!外の様子は
>>757
」
757
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/27(月) 23:50:40 ID:WU87esMs
無双ゲームみたいな状況
758
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/28(火) 00:22:05 ID:cmtmnm3Q
ココロ「外は無双ゲームみたいな状況になっています!」ビシッ!
コトーリ「むそうげーむ……?」
希「コトーリさんには難しい表現やな」
希「つまりは外には大量の信者がうようよいるけど、誰か個人に無双――ばったばったと薙ぎ倒されてるわけやな」
ココロ「……は、はい……そう……です……?」
希「……?」
希「なんかうちに対する反応が妙やな……」
マザー「あー、あれやな、希ちゃんのことをコトーリちゃんの仲間って紹介してたんよ」
マザー「崇拝する天使様の仲間だけど天使では無いっぽいし、かといって天使様の前で仲間を無下にはできない」
マザー「コトーリちゃん相手みたいにベタベタできないし、うち相手みたいにツンツンできない」
マザー「希ちゃん相手にどう対応しようか測りかねて戸惑ってるんやろ」
希「はぁ……」
コトーリ「ともかく、そとでしんじゃたちがたおされてるのはほんとうだね」
ココロ「はい!確かです!」
コトーリ「だとすれば、そんなげいとうができるのはひとり――」
希「ああっ」コクンッ
希「きっと海未ちゃんが近くに来てるんや!」
─────────────────
癒やしの空間
AM6:45〜AM7:00 新終末編『234』了
759
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/28(火) 00:22:41 ID:cmtmnm3Q
というわけでここまで
再会まであと少し
新終末編『235』に続く
かもしれない
760
:
!ken:99
:2017/11/28(火) 19:53:49 ID:ioSYkkdY
をつ
園田無双
761
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/28(火) 20:19:56 ID:cmtmnm3Q
新終末編『235』
─────────────────
──癒やしの空間付近
AM7:00
タタタッ
ダル子(右を見ても左を見ても信者、信者信者!信者の群れ!信者の海!)
ダル子(信者たちは全員が手に武器を取り、間を走り抜ける私たちに明確な敵意を向けてくる)
ダル子(正にどこぞの時代の合戦場へ紛れ込んでしまった気分だ)
ダル子(けれど、私たちはただ迷い込んだわけではない、目的と切り抜けられる自信があって自分たちから足を踏み入れたのだ)
ダル子(目的はこの先の癒やしの空間、そして襲い掛かってくる敵は……海未さんが薙ぎ払う!)
海未「たぁっ!」
ザンッ!!
ダル子(手に持った長刀ファントムエッジと頭から展開される複数の触手)
ダル子(その組み合わせで海未さんは様々なコンボを繰り出し、信者の群れに道を作っていく)
ダル子「すごいですね……正に無双状態――」
海未「油断しないで!」バッ!
ダル子「おぁっ!」
762
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/28(火) 20:20:43 ID:cmtmnm3Q
ダル子(海未さんが私の肩を掴んで引き寄せ、私の背後に迫っていた敵をファントムエッジで斬りつける)
ダル子「あ、ありがとうございます!」
海未「いかに1人1人を倒すのが容易とは言え……数の脅威は侮れません」
海未「更に飛ばすので遅れずついてきてください!」
ダル子「はいっ!」
ダル子(私は彼方ちゃんを背負っている手に一層力を込めてまた走り出す)
ダル子(強行突破をせざるを得ない状況になった時、海未さんから彼方ちゃんをパスして貰っていたのだ)
タタタタッ
ダル子(というか、そもそも信者のふりをして潜入してたはずなのに、こんな戦闘が始まってしまったのは
>>763
が原因)
ダル子(あのせいでバレて戦わざるを得なくなってしまった)
ダル子「まぁ……どっちみちこうなっていた気はするけど……」
763
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/28(火) 20:23:25 ID:r7aYG1K2
彼方ちゃんにイタズラしようとしたのが
764
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/28(火) 21:31:59 ID:cmtmnm3Q
タタタタッ
ダル子「まぁ……どっちみちこうなってた気はするけど……」
海未「けど……じゃないでしょう!あなたが彼方にイタズラしたのが悪いんじゃないですか!」ザシュッ!!
ダル子「ご、ごめんなさい……」
ダル子(つい愚痴を溢したのを海未さんは聞き逃さない)
ダル子(周りの敵をバッサバッサと薙ぎ払う合間に合間にさっきと同じお叱りが飛んでくる)
海未「あれはっ!あながっ!」ドガッ!
海未「眠ってる彼方の寝袋に!急に手を差し込んだりしたから!」バシッ!
海未「彼方が起きて大きな声をあげてしまったんでしょう!」ザシュッ!!
ダル子「だってそれくらい起きると思わなかったんですー!ひー敵こっち来たー!」ダタタッ!
信者「うらぁぁっ!」
海未「ふんっ!」ドシユッ!
信者「ぐっ……」
765
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/28(火) 21:32:20 ID:cmtmnm3Q
海未「私がまたすぐに!ファントムエッジで眠らせたからいいものの!」ブンッ!
海未「潜入作戦はご破産ですよ!たぁぁぁぁっ!!」
ダダダダダダダダダッ!!
信者ズ「ぐぁあああああああっ!!」
ダル子「申し訳ございません……うぅ……」
ダル子(そうなのだ、私が我慢できなくなって彼方ちゃんにイタズラしていたら何回目かで目が覚めてしまったのが原因)
ダル子(結局、彼方ちゃんを連れてきた本当の邪な理由、私が手に入れてた彼方ちゃんのパーソナル情報)
ダル子(全て海未さんに正直に話すはめになってしまった……)
彼方「……」スピー
ダル子(今は再び眠らせてもらってるけど、また何かの衝撃で目を覚ますとも限らない)
ダル子(彼方ちゃんが目覚める前に建物の中に入らないと――)
マザー「エアワシワシ!」
ボンッ!!
海未「っ!?」
ダル子(その時、突然目の前の信者の壁が爆発した)
766
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/28(火) 21:32:46 ID:cmtmnm3Q
ダル子(新たな敵?いやあれは……)
マザー「あんたが海未ちゃんやろ!こっちや!」
ダル子(厚手のコートを着た女の人が、癒やしの空間のすぐ前で私たちを手招きする)
ダル子「海未さん、あの人はコトーリさんたちと一緒にいた人です!」
海未「希に……似てる?」
マザー「うちのことはマザーって呼んで……よっ!ほっ!」
ドンッ! ドンッ!
ダル子(マザーと名乗った彼女は手に火器のようなものを持ってないにも関わらず、手を振るたびに周囲の大気が爆発していく)
ダル子(そして周囲の信者を蹴散らしつつ、私たちの元へと早足で歩いてきた)
ダル子(私たちもマザーが来る方向へ走っていく)
タタッ
767
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/28(火) 21:33:06 ID:cmtmnm3Q
マザー「やぁどうも、はじめましてやね」
海未「希たちは?」
マザー「希ちゃんたちは中におるよ、とりあえず奥に隠れてもらってる」
海未「そうですか、すみません……私たちが大勢の信者を引き連れてきてしまったせいで潜伏場所が割れましたよね」
マザー「気にせんでいいよ、どうせ時が来れば移動するつもりやったし」
海未「移動……?当てがあるのですか?」
マザー「うん、しかし包囲網が予想以上にすごいなぁ、ここを突破するには……」
ダル子「あ!あそこに見える
>>768
を使ったらどうです?」
768
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/28(火) 21:38:40 ID:AVNeapRo
でかいだけが取り柄の光の巨人(笑)
769
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/28(火) 22:35:01 ID:cmtmnm3Q
ダル子「でかいだけが取り柄の光の巨人(笑)を使ったらどうです?」ププッ
海未「ダル子、なんかふざけてます……?」ジーッ
ダル子「い、いえいえっ、真剣です」ブンブンッ
ダル子「ただ何というか……あの巨人、特に巨大化形態と接してると妙にゾワゾワするんですよね」
ダル子「生物として相容れない何かを感じるというか、嫌いでは無いんですが妙な不快感がこびりついてるというか」
ダル子「これが生理的に無理ってやつなんですかね?」
海未「さぁ……私に言われても、ただあまりそういうことは口に出して言わないほうが良いかと」
ダル子「大丈夫ですよ、ここでグチグチ言ったところで向こうには――」
ウミトラマン『聞ーこーえーてーまーすーよー!』
キィーーーーーーーーーーーーンッ!!
ダル子「わっ、地獄耳だな……」
信者ズ「ひぃぃぃぃぃぃっ!」
ドタタタタタッ!
ダル子(いきなり物凄い音圧に見舞われ、周囲の信者たちが軒並み腰を抜かしていく)
770
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/28(火) 22:35:29 ID:cmtmnm3Q
ビリリリリリィッ
マザー「おおっ!なんやこの頭の上から降ってくるデカイ声!」
マザー「それに遠くに光り輝いてる青い巨人が見える……あんなもの今までなかったで?」
海未「彼女はウミトラマン、私たちの仲間の1人です」
海未「私とダル子が希たちの救出に向かう際に別れ、海岸付近に潜んでいてもらっていました」
海未「彼女は巨大化状態だと潜入には目立ちますし、人間大に縮んでも特に役立つことはできませんから」
ダル子「海未さんも暗にデカイだけって言ってますよね……」
マザー「確かに、あの図体じゃ厳しいな」
海未「はい、ですからある時間まで私たちが戻らなかったら巨大化して姿を表すよう約束していたのです」
海未「失敗の可能性が出てくれば彼女の力技が必要になりますからね」
ダル子(私たちがいる島の中心近くからも、海岸付近にいるはずのウミトラマンはデカデカと見える)
ダル子(やっぱり大きいなぁ……そしてやっぱりゾワゾワする……)ゾクッ
海未「ウミトラマンー!聞こえますかー!」
ウミトラマン『聞こえますよー、私の耳はすごい遠くの針が落ちる音まで聞こえると折り紙付きです!』
海未「ではようやくあなたの出番です!」
海未「包囲した信者から逃亡するために、そこから
>>771
」
771
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/28(火) 22:55:38 ID:G78YCYL.
全てを焼き尽くせ
772
:
!ken:99
:2017/11/28(火) 23:35:28 ID:ioSYkkdY
ピクシーかな?
773
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/28(火) 23:55:15 ID:cmtmnm3Q
海未「そこから全てを焼き尽くしてください!」
ウミトラマン『……アクションビームでいいの?』
海未「はい、お願いします」
マザー「なっ!焼き尽くす!?」
マザー「アカンて!島にはまだたくさんの民間人がいるんやで!彼らに危害を加えたら――」
海未「大丈夫です」
マザー「なに?」
海未「私たちが起こしてきた騒動で信者以外の人は島の中心部からかなり離れてますし」
海未「狙うのも信者団体関連の建物だけなので巻き込むことは無いかと」
マザー「……言うのは簡単やけどなぁ、あんたらTKB隊のこと知らないんやろ、それで建物や人を判別するなんて出来るん?」
海未「ええ、できますよ」
マザー「ほう……自信満々やないか」
海未「ではダル子」
ダル子「うっ……やっぱりやるのかぁ……やるんですか?」
海未「はい、あなたの力でウミトラマンをただのデカくて強いやつではなくするのです」
ダル子「わ、分かりました……海未さんのお願いですからね!」
774
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/28(火) 23:55:54 ID:cmtmnm3Q
マザー「どういうことや?」ブンッ
信者ズ「ぐあああああああっ!!」
ドガァァァンッ
ダル子(まだ懐疑的なマザーさんは手近な信者を適当に吹き飛ばしつつ私に尋ねる)
ダル子「私が見るんですよ」スッ
ダル子(私は彼方ちゃんを優しく地面に降ろすと、寝袋にまとめて入れていた道具を取り出した)
ダル子「彼方ちゃんの手荷物には信者用のチップ入りIDカード、島の地図、祭りの巡回ルートや警備の班割り、隊の主要な施設が載ったマニュアルなんかがどっさりありました」
ダル子「これらを参考にしつつ、海未さんと走ってる間に島全体を"実際に視てみた"んですよ」
ダル子「今の私はそこらのTKB隊以上に、この島のどこに何があるかを把握しています」
マザー「なん……やと?」
ダル子「ウミトラマン!ちょっと不本意だけどこれから私の眼を貸しますから!」
ウミトラマン『むむ、不本意とは聞き捨てなりませんね……』プクー
ウミトラマン『……ですが』グッ
キュィィィィィィンッ
ダル子(ウミトラマンが十字に組んだ腕の前に光の束が集まる)
ウミトラマン『ま、やるべきことはやるだけです』
ダル子「その通り、2人でこの島の全てを……"安全に"焼き尽くしますよ!」
─────────────────
癒やしの空間付近
AM7:00〜AM7:04 新終末編『235』了
775
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/28(火) 23:56:51 ID:cmtmnm3Q
というわけで
これで全員出たかな
新終末編『236』に続く
かもしれない
776
:
!ken:99
:2017/11/29(水) 00:07:51 ID:RZY6wWnA
をつ
777
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/29(水) 20:33:32 ID:Hnr3LSFY
新終末編『236』
─────────────────
──癒やしの空間近く
AM7:04
ダル子「ふぅ……視覚共有!」
キィィィィィィンッ!
ダル子(私の能力――神眼で出来ることの1つに視覚共有というものがある)
ダル子(これは任意の相手に私の視覚を貸し与えること、つまりは神眼を一時的に与えることができるのだ)
ダル子(まぁ危険性は諸々あって相手に契約してもらう事項も多いんだけど、今回は緊急時だし相手が同意してくれたということで無理やり押し切る)
キュィィィィィィンッ!
ダル子「ウミトラマン!少しクラっと来るかもしれないけど我慢して!」
ウミトラマン『くらっと……?』
グラッ……
ダル子「……っ」
ウミトラマン『……!?』
ダル子(立ち眩みに似た感覚が、私とウミトラマンを同時に襲う)
ダル子(そして次の瞬間……私の目にはウミトラマンから見る島の全景が写っていた)
778
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/29(水) 20:33:52 ID:Hnr3LSFY
ウミトラマン『これは……私にはダル子の見てる景色が見えます……』
ダル子「視覚共有が完了したということよ」
ダル子「今は交換した形になってるけど……これを今から1つになるよう調整して――」
ググググッ
ダル子(ピントを合わせるように、ウミトラマンの広い視野に私の神眼を重ねていく)
ダル子(そうすると島の全景を見ながら各スポットの詳細が表示されている、便利MAPのような視覚を作ることができるのだ)
ダル子「ただこれ……視覚共有する過程で他の感覚も重なって来ちゃうのよねぇ」
ゾクッ!!
ダル子「……っ!」
ダル子(……ほら来た、表面積の多い肌に当たる風の感覚、島中から聞こえる微かな人の声、海に浸かってる足の冷たさ)
ダル子(ウミトラマンが感じる様々なことが私の中に流れ込んでくる)
ゾゾゾゾゾゾゾゾッ
ダル子(生理的に合わないと思ってる相手の感覚……あんまり味わいたいものではないけど……)
ピクッ
ダル子「……ん?」
ダル子(なんだろうこれ、ただの感覚とは違う……記憶?ウミトラマンの記憶の一部が流れ込んで来てるのかな)
ダル子(記憶の中身は
>>779
)
779
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/29(水) 20:35:22 ID:fN0H9zc.
淡い初恋の記憶
780
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/29(水) 21:47:06 ID:Hnr3LSFY
ダル子(ウミトラマンが誰かに恋をしてる……淡い初恋の記憶?)
・
・
ダル子(記憶の中の景色は明らかに地球とも、私の知ってる数々な異界とも違う景色)
ダル子(銀色で流線型の未来感がある建物が立ち並ぶ街並み、紫がかった空には複数の恒星が光り輝いている)
ダル子(ウミトラマンは街の外れの丘、そこにある人工物めいた大きな樹の下で誰かと話していた)
ダル子(この人がウミトラマンの初恋の相手なのだろう、記憶からほんのりとした暖かい感情が伝わってくる)
ウミトラマン『ほ、ホノトラマン……あの……わたし……』
ホノトラマン「幕張メッセ」
ウミトラマン「え?」
ホノトラマン「地球って星に幕張メッセって所があるらしいんだよ、行ってみたいなぁ」
ウミトラマン「は、はぁ……」
ダル子(相手の人は何かの情報誌を読んでいる)
ダル子(ウミトラマンは何か伝えたいようだけど、上手く伝えられないようでドギマギしていた)
ダル子(っていうか……なんだこの会話、私は何を見せられてるんだ……?)
781
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/29(水) 21:47:27 ID:Hnr3LSFY
ダル子(ウミトラマンから感じる違和感の正体が記憶から分かると思ったけど、あんまり意味ないかな)
ダル子(やっぱり異星人だから地球製の神の私とは相性悪いだけ……?)
・
・
ウミトラマン『ダル子!まだですか!?』
ダル子「……はっ!」
ダル子(ウミトラマンの声で私の意識は現実に引き戻される)
ダル子(いけないいけない、流れ込んで来た記憶に飲み込まれかけていた)
ダル子「大丈夫、視覚共有からの視覚融合はできている」
ダル子「私が誘導するからその地点にアクションビームを放ってください!」
ウミトラマン『はいっ!』
ピピピピピピッ
ダル子(重ねた視覚に映る島の全景、そこに神眼と記憶を頼りに狙う箇所をマーキングしていく)
ダル子(なるべく人が少なく人的被害の出ない場所、かつ私たちの行動の目くらましに有効な場所)
ダル子「後は……」
マザー「そうや、どうせ狙い撃つなら
>>782
も狙ってくれん?」
782
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/29(水) 21:58:56 ID:ZcFbmKgs
水が吹きあがる場所
783
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/29(水) 22:40:35 ID:VIxiTjvo
https://www.bit.ly/2kJFRlx
784
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/29(水) 22:50:43 ID:Hnr3LSFY
マザー「水が吹きあがる場所も狙ってくれん?」
ダル子「水の吹き上がる……ああ、島の端にある巨大な噴水みたいな場所ですね」
ダル子「丁度ウミトラマンがいる場所と島の中心を挟んで反側側、石造りのモニュメントから数メートルほどの高い水柱が上がってるのが見えます」
マザー「そうそう」
ダル子「信者の施設リストには載ってませんし、怪しくも無さそうですが……」
マザー「良いから破壊しちゃって、周りに人もおらんやろ?」
ダル子「……まぁ、分かりました」
ピッ
ダル子(狙い撃ち視界MAPにマザーさんに言われたポイントを加える)
ダル子「これでよし、ウミトラマン!あとは思っきりぶっ放してください!」
ウミトラマン『はいっ!』
キュィィィィィィンッ!!
ダル子(ウミトラマンの両手の前で練られていた光の束がより一層輝くと、空中に向けて放たれる)
ウミトラマン「ホーミング――アクションビームッ!!」
カッ!!
785
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/29(水) 22:51:11 ID:Hnr3LSFY
ガガカッ
ギュンッ!!
ダル子(放たれた光線は島の中心部の上空に到達すると破裂、分裂し、雨のように島に降り注いだ)
バッ! ドドドドドドドドドッ!!
ダル子(光線は寸分の狂いなく100を超える目標を同時に破壊、大きな火の手を上げ島の空が赤く染まっていく)
マザー「ひゃー、これはマップ兵器やなー、島中の信者関連の施設を一気に爆撃してるんやろこれ」
海未「正に人知を超えた一撃、これでTKB隊は一気に士気を低下させるはず……」
ダル子「マザーさん!例のポイントも破壊できたようです!確認できました!」
マザー「ナイス!」
海未「結局そのポイントってなんなんてす?」
マザー「まぁ……追々話すけどうちの任務に必要なもんなんや、とあるものの封印を解くためにな」
マザー「ダル子ちゃん、破壊されたポイントに変化はあるか?」
ダル子「ええと……そうですね、ビームが直撃した結果、石造りのモニュメントは破壊されて地面に大きな穴が空いています」
ダル子「そこから
>>786
」
786
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/29(水) 22:57:38 ID:FW0forhs
フルタマンが飛び出して来た
787
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/29(水) 23:58:33 ID:Hnr3LSFY
ダル子「そこから全身タイツの謎の人物が出てきました、目の所に∞の形をした包装の……チョコレート菓子ですかね、それを付けています」
海未「はぁ?」
ダル子「いや私もはぁ?ですよ、見たまま言ってるだけです」
マザー「なるほど、たぶんそれがフルタマンやね」
ダル子「フルタマン……?」
マザー「フルタマンが出てきたということは概ね予定通り、任務の進行に支障はない」
ダル子(これも任務とやらに織り込み済みか、マザーのやりたいことが全然読めない)
ダル子(まぁ現状はこの人についていくのが無難なのかな……)
マザー「よっし!ウミトラマンの爆撃で信者たちが慌ててる今がチャンス、希ちゃんたちを連れて移動を始めるで!」
海未「移動先は?」
マザー「まずはTKB隊の切り札である儀式を完全に潰すために動く」
マザー「一応ウミトラマンの爆撃で殆ど使えないと思うけど……それでも可能性は完全に消すために出向くで」
788
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/29(水) 23:58:45 ID:Hnr3LSFY
マザー「その後はフルタマンが出てきた穴に行ってうちの任務を消化、そしたら全員飛空艇に乗せて脱出や」
海未「ふむ……全員で脱出とは私たちも?」
マザー「せやで」
マザー「希ちゃんと話した結果、どうやらうちらとあんたらは協力できそうやと思うんや」
海未「……ほう、それは詳しく聞きたいですね」
マザー「ああ……もちろん追々話すで」
海未「ではウミトラマンは先にフルタマンとやらのポイントに向かっててもらいましょうか」
ウミトラマン『はい、島を迂回して行きます、もう私の姿がバレようが構わないでしょうし』
海未「ダル子は視覚共有を解いて彼方を拾い、マザーと一緒に癒やしの空間へ」
ダル子「了解!さぁ行くよ彼方ちゃん」
タタタタッ
─────────────────
癒やしの空間付近
AM7:04〜AM7:06 新終末編『236』了
789
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/29(水) 23:59:34 ID:Hnr3LSFY
というわけでここまで
更にペースが遅くなる
新終末編『237』に続く
かもしれない
790
:
!ken:99
:2017/11/30(木) 01:04:42 ID:Lnpz2AWI
をつ
791
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/30(木) 20:22:25 ID:Ctr2PL9k
新終末編『237』
─────────────────
──癒やしの空間からの道中
AM7:08
タタタタッ
ダル子(癒やしの空間で合流を果たした私たちはすぐさま癒やしの空間を出発)
ダル子(各所から火の手が上がり真っ赤に染まった島の中をひた走っていた)
ダル子(合流した結果、面子は海未さん、希さん、コトーリさん、私のノットライアー船組)
ダル子(それに加え先頭を走るマザーさん、ココロ、私の背負ってる彼方ちゃんの7人となった)
ダル子(TKB隊の幹部クラスであるココロが言うには、コトーリさんを捕獲するための『強制引き寄せ』と呼ばれる儀式発動の可能性があるとのこと)
ダル子(儀式は特定の幹部数人が集まる必要があるらしく、ウミトラマンの爆撃で精神的に追い詰められたTKB隊が一か八かやるかもしれない)
ダル子(私たちはそれを止めるべく儀式の場所へ向かっているのだ)
792
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/30(木) 20:22:50 ID:Ctr2PL9k
タタタタッ
海未「ココロ!爆撃で儀式場が破壊されてるということは無いんですか!?」
ココロ「くっ……き、気軽に話しかけないでください!天使様の手前無視しにしにくいんですよ!」
希「普通に話せばいいのになぁ」
コトーリ「おねがいこころ」
ココロ「まぁ、そうですね……儀式場は特別な施設の中にあるわけではありません」
ココロ「一見すればただの野原に見えるような場所、もちろん幹部クラス以外には座標は秘匿されていて、そこの……」チラッ
ダル子「ダル子です!後ろのは彼方ちゃん!」
ココロ「……一般信者である彼方からダル子が得た情報では知り得ないと思います」
海未「なるほど、ウミトラマンの爆撃リストには端から入らないと」
ココロ「はい、ただ重要施設の近くではあるので延焼してる可能性と、そもそも騒ぎで幹部たちが集まれない可能性があります」
ココロ「ですからあくまでこれは確認のための――」
ココロ「…………」
海未「どうしました?」
ダル子(先頭にいたココロが急に走り方を緩めて小声になり、茂みの後ろへ私たちを誘導する)
793
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/30(木) 20:23:08 ID:Ctr2PL9k
ココロ「しっ、この先が例のポイントです、身を屈めて静かにしていてください」
マザー「この先?ただの原っぱやないか」
ココロ「だからそう見えるって言ってるんでしょう愚図」
マザー「いやーん、あたりがきつーい」
ココロ「マザーと天使様以外は一応信者服を羽織ってるのでチラっと見られるくらいは平気だと思いますが……まずはバレずに観察したいですね」
ダル子(そう言うとココロは茂みから顔だけを出して奥の野原を見やる)
ジーッ
ココロ「ふむ……ここに集まってる幹部たちは
>>794
」
794
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/30(木) 20:28:56 ID:84yscJbU
全員いるがみんな堕天使教に改宗完了
795
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/30(木) 21:26:39 ID:Ctr2PL9k
ココロ「全員いますが……何か様子がおかしいですね」
海未「おかしいとは?」
ココロ「どの幹部も顔見知りばかりですが着ている信者服が違います」
ココロ「胸の所に大きく『堕天』というマークが記されていて……あんなもの見たことないですよ」
ダル子「ふむ……」カッ!
ダル子(神眼で見ると確かにその通りだった、先の草原に集まってる信者達と服装はおかしい)
ダル子(私が偽装作戦から引き続き着ている服とは違う)
ダル子(メインカラーは黒で全体的にダークでゴシックな雰囲気漂うデザイン)
ダル子(天使化薬とか言うので生やしてるらしい背中の羽まで漆黒に染まっている)
ココロ「……って、あれはテンシ姉様っ!?」
希「ちょっ、そんな大きな声出したら――」
テンシ「あら……その声はココロ、あなたも来ていたのね?」
ココロ「……っ!」
ダル子(集まっていた幹部の1人がココロの声に気付いて近づいてきた)
796
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/30(木) 21:27:09 ID:Ctr2PL9k
ダル子(顔はココロに似ているけど少し大人びている、歳は上だろう)
ココロ「……っ!」
コトーリ「てんし……あれがこころのいっていたおねえさん?」
ココロ「……はい、あれが信々テンシ、私の姉で信々三姉妹の長女です」
希「それよりどうするんこれ、逃げ場ないで?」
海未「見つかったものは仕方ありません、堂々と出てきいましょう」
ザッ
ダル子(茂みの裏から姿を現した私たちを見ると、テンシは驚くわけでもなくただニヤリと笑う)
ダル子(マザーの顔やコトーリさんのことは知っているはず、なのに何?この余裕は……)
テンシ「我らが仇敵に"元"天使様、ココロ……あなた随分と面白いメンバーを連れてるじゃない」
ココロ「元……?」
テンシ「そうよ、私たちは新たな天使様から天啓を得て、それを引き寄せることに成功したの」
テンシ「見なさいココロ!あそこにいるのが新たな天使!堕天使善子様よ!」
ココロ「なっ……!」
ダル子(テンシが指差す先、幹部信者たちが作ってる輪の中心に何処か見覚えのある少女がいた)
ダル子(その少女はそこで
>>797
)
797
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/11/30(木) 21:31:54 ID:fJTa50ss
ほのりに全力で土下座をしていた
798
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/30(木) 22:59:56 ID:Ctr2PL9k
ダル子(少女はそこで別の少女に全力で土下座していた)
善子「ごめんなさいっ!ちょっと堕天使を名乗ってみたかっただけなの!」ドゲザー
善子「まさかこんなことになるなんて……」
ダル子(土下座されてる方の少女は見覚えのある……なんてものじゃない、私は彼女を知っている)
ダル子(私だけじゃなく海未さんや希さんだって知ってるだろう)
ダル子(だって彼女は……)
ダル子「ほのりさんっ!」
ほのり「……え?」
ほのり「ダル子、それに海未さんたちまで……どうしてここに?」
海未「どうしてはこっちの台詞です!ほのりこそ――」
バッ!
テンシ「はい待った、私たちの天使様たちに勝手に近づかないでくれる?」
海未「……っ!」
ダル子(私たちとほのりの間を塞ぐようにテンシが立ち塞がる)
799
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/30(木) 23:00:23 ID:Ctr2PL9k
海未「近づきません、近づきませんから話はくらい聞いても良いですよね」
海未「私も信者としてそちらの堕天使様に教えを請いたいのです……ダメですか?」
ダル子「……なるほど、そういうことなら特別に許すわ、ココロの知り合いみたいだしね」
ダル子(信者服のままだったのが功を奏したのか、以外にもテンシはあっさり許してくれた)
ダル子(けどこの距離だと会話は筒抜けだ、変なことを聞かれて不審がられないようにしないといけない)
ダル子(ここは海未さんに任せたほうが良さそうかな……)
海未「ほのり!そちらのそれ――天使様は私の思い浮かべてる例のアレですか?」
ほのり「え、ええっ、アレの一部みたいなものよ」
ダル子(アレ……というのは究極生物のことよね、善子という天使は堕天使ヨハネの面影があるし)
ほのり「天界で色々あって今は無害だから身構えないで良いわ、ほら土下座してくれるくらい仲良しよ」
善子「土下座してると仲が良いってすごい価値観ね……」
海未「そうでした、ほのりは天界に行っていたんでしたね」
ほのり「ええ、善子と仲良しになってからはまた諸々あって、スゴロクで遊んだりして」
ほのり「丁度スゴロクが終わったあたりかな、善子がオーディンのカラスに変なこと吹き込んで遊んでたら……」
善子「変なことじゃない!堕天使の教えよ!」
ほのり「変なことよね……?」ジトッ
善子「うぐっ……はい、変なことです……」
ほのり「で、そしたら急に地面から出てきた手のようなものに絡め取られて沈んでいったのよ」
800
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/30(木) 23:00:40 ID:Ctr2PL9k
ココロ「手……お姉様たちの強制引き寄せですね!」
ほのり「オーディンのカラスは世界を飛び回って情報を集める力を持っている」
ほのり「きっと善子が吹き込んだ変な情報がカラスから漏れてTKB隊に察知されたんでしょう」
海未「天界からここまで……?そんなことが……」
ほのり「ええ、普通ならまず有り得ないバグよ、付け加えると人間の儀式が天界に届くことも有り得ない」
ほのり「おそらく世界樹が無いせいで北欧世界との接続が不安定になってるのが原因ね」
海未「ふむ……それでよし――じゃなく天使様が引き寄せられたと」
ほのり「いきなりのことでね、私もつい善子の手を掴んだら一緒に戻って来てしまったわ」
ほのり「ロスヴァイセたちは今頃大慌てでしょうね」
ダル子(申し訳無さそうな顔で空を見上げるほのり)
ダル子(オーディン様たちがいるなら事態は把握してると思うけど、すぐに世界間を行き来できないのが厳しいな)
テンシ「ふふふ……そして降臨なさった天使様、いや堕天使様は私たちに教えをくださったの」
テンシ「堕天使教という新たな教えをね!」ビシッ!
ほのり「ほーら、あなたが調子に乗って変なこと語るから」ボソッ
善子「だって……気付いたらたくさんの人に崇められてて気分よかったしぃ……」
801
:
◆WsBxU38iK2
:2017/11/30(木) 23:01:03 ID:Ctr2PL9k
ダル子(取り敢えず向こう側の話を聞き終わった海未さんは私たちの元へ戻ってきた)
ダル子(テンシたちには聞こえない声で今後の相談を始める)
マザー「どうや?」
海未「大体の事情は把握しました、向こうの2人は私たちの仲間と思ってもらって相違ありません」
海未「強制引き寄せは善子に使われたようで、コトーリさんに使われる危険性は無くなりました」
希「でもあの2人が天使扱いされたままだとほのりちゃん回収できんよね?」
海未「はい、理想としては2人も連れて行きたいですね」
ココロ「私が言うのもなんですけどテンシ姉様は頑固ですよ、自分の思い込みを変えたりしません」
ココロ「ぶっちゃけ私の天使様を独占するためにアレらは姉様に与えておいたほうが――」
コトーリ「だめ、つれていく」
ココロ「ですよねぇ!私も解放するべきだと思ってました!」
海未「じゃ、方針が固まった所で方法ですね」
海未「この状況を何とかするには
>>802
」
802
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/01(金) 01:02:11 ID:CDwaVDjM
催眠術
803
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/01(金) 01:55:37 ID:jnCJPZgg
海未「ずばり催眠術です、マインドコントロールとも言いますね」
マザー「そんなこと出来るんか?」
海未「私の能力を使えばできます、もちろんAASに妨害されない方法で」
マザー「ほぉ……」
海未「マザーの能力も野外で使ってましたから異能由来ではありませんね」
マザー「ああ、エアワシワシは異能より技術に近いもんやな」
マザー「そもそも雪の中で戦えんかったら端から任務を断っとる」
海未「ではサポートお願いします、私のマインドコントロールは直接接触が必要ですから」
コトーリ「うみ、わたしもうごける」
海未「コトーリさんはまだ本調子じゃないでしょう、無理は禁物です」
海未「さっき能力を暴発させた希も同じですからね、不確定なものは使えません」
希「うぐっ……強奪ならいけるかもしれんのに……」
コトーリ「むぅ……」
マザー「じゃ、向こうさんが痺れを切らす前に催眠術作戦やりますかっ」
海未「はいっ!」
─────────────────
癒やしの空間近く〜儀式場
AM7:08〜AM7:12 新終末編『237』了
804
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/01(金) 01:57:12 ID:jnCJPZgg
というわけでここまで
実のところ善子とヨハネはダブリキャラ、前者の設定をうっかり忘れて後者を出してしまった
まぁどっちも堕天使から分裂したということで
新終末編『238』に続く
かもしれない
805
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/01(金) 20:18:10 ID:jnCJPZgg
新終末編『238』
─────────────────
──儀式場
AM7:12
ダッ!!
ダル子(同時に走り出す海未さんとマザーさん、もちろんそれを見逃すテンシではない)
ダル子(2人の前に漆黒の翼を広げて立ち塞がる)
バッ!
テンシ「先へは進ませないと言ったはず!」
マザー「悪いけど通してもらうで――エアワシワシっ!ダブルっ!」
テンシ「っ!?」
ブルルルルルルッ!
ダル子(テンシの胸が見えない何かに高速で揉みしだかれる)
ダル子(あれがマザーのエアワシワシ、技術に近いものと言っていたから遠当ての亜種みたいなものなのかな)
ダル子(遠く離れた物質を掴んであれだけ高速振動させるなんて……もはや異能の域に近い体技……)
テンシ「ぐぅぅぅっ!こんな刺激……んんっ!」ビクッ!
マザー「今や海未ちゃん!」
海未「はいっ!」
シュルルッ!
ウネウネッ
ダル子(海未さんの髪の一束が軟体動物の足を模した触手へと変化する)
ダル子(触手は大きく曲線を描きながらテンシの後ろへ回り込み、テンシの後頭部へ吸盤をくっつけた)
ピタッ!
海未「MCT――『園田海未の命令に従いなさい!』」
テンシ「がっ……!?」
806
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/01(金) 20:18:57 ID:jnCJPZgg
ダル子(MCT……マインド・コントロール・テンタクル)
ダル子(触手を伝って海未さんの異能がテンシへ直接流れ込み、テンシを洗脳して傀儡と化す)
海未「園田海未の名を持って命じる……信々テンシ!私たちに危害を加えてくる相手を残らず倒すのです!」
テンシ「はいっ!」タタタッ!
マザー「ほー、おっそろしい能力やなー、うちもやられんように気を付けとかないと」
海未「や……やりませんよ、第一マザー相手に触手を近づけられるイメージが湧きません」
ダル子(そう、海未さんの触手を伸ばすスピードは達人級の相手からすればそこまで速いものではない)
ダル子(多人数相手だと接触式は時間がかかるため更に不利)
ダル子(本来なら範囲洗脳できるMCTモーメントリング辺りを使うほうがベターだけど、AASが降っている屋外の戦闘では使えないのが痛い)
海未「だから……マザーさんとのコンビネーションが大事です、頼みましたよ!」
マザー「大丈夫、可愛い子供と合わせるのは大の得意やから」
ダタタッ!
堕天使信者ズ「させませんぞぉおおおおおっ!」
オオオオオオオオオオッ!!
ダル子(更に奥へ走る2人に今度は大量の信者が襲い来る)
807
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/01(金) 20:19:13 ID:jnCJPZgg
希「なんか強そうやなぁ、圧がすごいで」
ココロ「集まってるのは全部幹部級……もちろん羽つきですよ、戦闘力はそこらの信者の比ではありません」
希「……っ」ゴクッ
ココロ「ですが傀儡とした姉様も幹部級、敵としては厄介ですが味方となるなら頼もしい人です」
ココロ「姉様の天使化は他の人と違って
>>808
」
808
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/01(金) 20:25:03 ID:AUJLYs6c
戦闘特化
809
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/01(金) 21:38:50 ID:jnCJPZgg
ココロ「姉様の天使化は他の人と違って戦闘特化型ですからっ」
テンシ「ふんっ!」キュポンッ
ゴクゴクッ
ダル子(テンシが懐から出した瓶の蓋を口で開けて中身を一気に飲みほす)
テンシ(すると信者服のどこかから複数の太い縄が出現しテンシの体を亀甲縛りにした)
シュルルッ! ギュゥゥゥゥッ!
テンシ(きつく締め付けられる悶えるテンシ、彼女が喘ぎ声をあげると背中の漆黒の羽は巨大化していく)
コトーリ「ここまではしってる、いたみとかいらくをかてにして、しんたいのうりょくをあげるひぎ」
ココロ「はい、ですがここからが違います」
ギュゥゥゥゥッ
テンシ「はぁ……くぅ……痛みが、蔑みが、私に無限の力を与えるぅぅぅっ!!」
ビキビキッ ドシュルルルルルッ!!!!
ダル子(テンシの体を自縛していた荒縄が爆発的にその数を増やした)
ダル子(彼女の体を中心に無数に伸びた縄は亀甲縛りに留まらず、足や腕に絡みついて身体の自由を奪っていく)
グルングルンッ! グルングルンッ!
ギュゥゥゥゥッ!!
ダル子(やがて首の下から足の先までが全て縛られ、まるで簀巻にされてるような姿になってしまう)
バサッ! バサッ!
テンシ「ふぅぅぅぅぅぅっ」
810
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/01(金) 21:39:11 ID:jnCJPZgg
希「なんやあれ……頭と羽以外の部分が縄で埋め尽くされて見えなくなっていくで……」
ココロ「人としての機能を封じる代わりに強さを得る、あれが姉様の天使化ですよ」
希「でもあれじゃ手も足も使えない、強くなったとしてもどうやって攻撃するんや?」
ココロ「ふふっ、それは――」
テンシ「らぁっ!」
ドシュッ!!!!
堕天使信者ズ「がぁぁぁっ!」
ドゴォォォォォンッ!!
希「っ!?なんや今の!」
希「何かがテンシの体から高速で伸びて……信者の群れを吹き飛ばした?」
ココロ「縄槍です」
希「縄槍……?」
シュルルッ
ダル子(羽で空中に浮かんだテンシの体側面から射出されたのは何十本もの縄で編み込まれた柱のようなもの)
ダル子(身体強化された信者の壁を弾き飛ばして地面に突き刺さってることから、その硬度と威力はかなりのものだろう)
811
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/01(金) 21:39:28 ID:jnCJPZgg
ココロ「人の手足を封じた姉様の新たな手となるもの、それが縄槍」
ココロ「緩く操れば手足のようにも使えて、強く突けば破壊をもたらす」
希「はぁ……すごいなぁ……」
ココロ「もちろん1本ではありません、体の両側面に3本ずつの計6本」
シュルルッ! シュルルッ! シュルルルッ!!
ダル子(もはや人としての形は残っていない、巨大な漆黒の羽と縄で作られた円筒状の体を持った六本足の怪物)
バサッ! バサッ!
テンシ「園田海未に危害を加えるものは許さないわ!立ち去りなさい!」
ズドドドドドドドドッ!!
マザー「ひゃー!空からぶっとい縄がドンドン降ってくるなぁ……もうあいつ1人でいいんちゃう?」
海未「そ、そうですね……」
ダル子(テンシの予想外の猛攻に信者たちはどんどん倒されていく)
ダル子(そして
>>812
)
812
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/01(金) 21:44:24 ID:jBbnWIT2
まさに、人がゴミのようだ
813
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/01(金) 22:43:02 ID:jnCJPZgg
ダル子(そして……)
テンシ「ふははははっ!まさに人がゴミのようだわ!!」
ドーンッ! ドーンッ!
ダル子(テンシの攻撃は続き歯向かう信者は何処にもいなくなってしまった)
マザー「ま、残党狩りはあいつに任せてうちらは海未ちゃんの仲間のとこにいこっ」
海未「はい、それにしても強いですよね……TKB隊は異能者集団では無いと聞いていましたが」
タタタタッ
マザー「そうやねぇ、大半の信者はただの頭のおかしいドM集団やで」
マザー「ただ幾つかのロシア政府指定禁忌アイテムを保有してるのが厄介なところでな」
海未「禁忌アイテム……?」
マザー「異能に似た力を有するアイテムや」
マザー「太古の昔に作られたもんはアーティファクト、現代でもオカルトに染まった科学者が偶に作ったりするな」
海未「あー、鞠莉みたいなやつですか」
814
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/01(金) 22:43:23 ID:jnCJPZgg
マザー「まぁその禁忌アイテムのせいで並みのフリー魔術師では対処できん集団になってるんや」
マザー「だから政府からうちの教団へ依頼が来て一回潰したはずなんやけど……まだこんな人と力を残しておったとは」
マザー「害虫並のタフネスでびっくりやで」
タタタタッ
ほのり「海未さん!」
海未「ほのり、無事でしたか」
ほのり「信者たちを追い払ってもらって助かりました、海未さんたちはどうしてここに?」
海未「九州に偵察に行った帰りに迷って漂流したと言いますか……まぁ後で詳しく説明しますよ」
海未「そっちの究極生物も――」
善子「善子よ!今は善子!」
海未「すみません、善子も一緒に来てください」
善子「よしこ?あれ?よはね?よしこ?」
ほのり「ほら行くわよ!」グイッ
テンシ「ふははははははははっ!」
チュドーンッ! チュドーンッ!
海未「テンシ!あらかた信者を倒し終わったら
>>815
」
815
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/02(土) 00:24:29 ID:mZMtGMzo
あったかくして眠りなさい
816
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/02(土) 02:44:58 ID:w7dp4dKk
海未「あったかくして眠りなさい!近頃は冷えますからね!」
テンシ「分かったわ!」
バッサ! バッサ!
海未「……さて、これでテンシは適当に無力化できましたね」
海未「ダル子!安全は確保できたのでこちらに来てください!」
ダル子「は、はいっ!」
タタタタッ
・
・
ダル子(すっかり信者がいなくなった野原、集まった私たちは一旦落ち着いてお互いの話をすることにした)
ダル子(九州偵察からの帰還時に魔の海域に迷い込んでしまった私たちの話)
ダル子(ほのりさんが天界に行ってからの善子との諸々と天界スゴロクの話)
ダル子(そしてマザーさんが請け負った任務の話)
海未「サトゥルヌスの本体がこの領域に……!?」
希「それを復活させて宇宙怪獣と戦わせようって言うんか!?」
マザー「そうやで、少なくとも『うちら』の間ではそういう方向で動いとる」
海未「『うちら』というのは?」
マザー「うちやニシキノ、クローバーやオカンみたいなやつらのことや」
マザー「異能を初めとする様々な異常が認知されてる裏社会、世界の暗部って言うんかな」
マザー「そこである程度の立場と実行力を持っていて、尚且つ組織に良いように使われることを嫌う個人主義の大人たち」
マザー「そんな悪い大人たちが自分の利益のために同類と顔を合わせる狭い規模の社交場があるんや」
マザー「名前はないけど、『サロン』なんて呼ぶとオサレ感が出るなぁ」
海未「サロン……」
817
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/02(土) 02:45:46 ID:w7dp4dKk
マザー「うちらはそのサロンでの友達で、自分らの遊び場を悪神にぶっ壊されちゃあたまらんってことで協力しとる」
マザー「死にかけの日本政府とも、大慌てで飛行機飛ばしとる米国政府とも、教団とコネのあるロシア政府とも関係あられん」
マザー「この計画はうちら個人の集合が出した結論や」
マザー「うちらは利益のためやけど世界を救いたいってのは海未ちゃんたちと同じ」
マザー「ま……世界を救うところまでは協力できるんやない?」
海未「………………」
希「どうするん?」
海未「そうですね、マザーはサトゥルヌスのことや、他にも私たちにしか知り得ない情報をいくつか提示してきている」
海未「完全にこちらの事情を知った上で協力を持ちかけて来ているのでしょう」
海未「ここでブラフを混ぜたり騙したりする意味はない、マザーの言ってることは信じてもいいかと」
マザー「おおっ!」
海未「ただし一時的な協力です、少しでも怪しいと疑えばあなたを拘束せざるを得ない、それは分かってください」
マザー「もちろんっ、可愛い女の子たちに押し倒されるのも悪くはないけど今はごめんや」
海未「では……共に世界を救いましょう、スピリチュアルマザー」
マザー「うんっ」
ギュッ
ダル子(固く握手をするマザーと海未さん、その後は数分休憩を挟んでから次のポイントへ移動する手はずとなった)
818
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/02(土) 02:45:58 ID:w7dp4dKk
・
・
マザー「ええと……」
ダル子(任務の計画書と島の地図を見比べて何かを確認しているマザー)
ダル子(そこから少し離れて海未さんとほのりさんが話をしている)
ダル子(周囲に聞こえない配慮なのか、私の耳でなければ拾えないような小さな声だった)
ほのり「海未さん、さっきは話さなかったけど実はクッキング博士からのメモがあって」スッ
ほのり「その中身が私たちと、"前の世界"に関することなのよ」
ほのり「これって――」
海未「ほのり」ジッ
ダル子(黙ってください、と促すような海未さんの強い目にほのりさんは口をつぐんでしまう)
海未「大変気になる話ですが、今は控えていてください」
ほのり「……う、うん」
海未「マザーからの質問にも迂闊に答えないように、彼女がどこまでこちらの事情を知っているか掴めないのでね」
海未「答えて良いのは会話の中で彼女が先に出してきた話題、おそらく既知であろうと確信が持てるものだけ」
海未「判断がつかないのであれば曖昧に誤魔化してください」
海未「特にあなたが持ってるそのメモ、および"前の世界"に関する情報は慎重にお願いします」
ほのり「え、ええ……」
海未「私たちが彼女らと協力するのはあくまで"この世界"を救うまで――」
海未「それ以降に有利になる情報は、与えないに越したことはありませんから」
─────────────────
儀式場
AM7:12〜AM7:20 新終末編『238』了
819
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/02(土) 02:46:26 ID:w7dp4dKk
というわけでここまで
新終末編『239』に続く
かもしれない
820
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/02(土) 20:26:18 ID:w7dp4dKk
新終末編『239』
─────────────────
──儀式場
AM7:22
マザー「よっしゃ!一息ついたし次のポイントへ出発するで!」
海未「一息って本当に一息ですね、まぁ時間が無いのは分かりますけど」
マザー「次のポイントへはうちが案内できるから着いてきてな〜」
スタスタ
コトーリ「こころ、てんしがのはらのかたすみでねてるけどほっといていいの?」
ココロ「あぁ……」
ダル子(ココロが目を向ける先でテンシは縄に包まりスヤスヤ安眠していた)
ダル子(海未さんの命令通りの行動だ)
テンシ「むにゃむにゃ」スピー スピー
ココロ「姉様なら元々丈夫な方ですから放って置いても問題ありません」
ココロ「それに私は何を引き換えにしても天使様についていくと誓ったはずです!」ググッ
コトーリ「そ、そう……」
821
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/02(土) 20:26:36 ID:w7dp4dKk
ダル子(ココロは相変わらずついてくるようだ、まぁ私も彼方ちゃんを置いていくつもりは毛頭ない)
ダル子(こうして合計9人になった私たちは島の端めがけて歩き出す)
スタスタ
海未「マザー、サトゥルヌスの封印とは具体的にどうなっているんです?」
海未「今目指してるポイントからはフルタマンという謎の存在が出現したらしいですが……」
マザー「ふむ……それについてはまずレヴィアタンについて話せんとあかんな」
マザー「旧魔王はサトゥルヌス本体の隠し場所としてこの領域に存在するレヴィアタンを利用したんや」
海未「レヴィアタン……リヴァイアサンとも呼ばれる海の悪魔のことですね」
海未「穂乃果の大罪出産の悪魔はレヴィアタン、ミナ仮面勢力がマグロブースターの原材料として捕獲した幻想種がリヴァイアサン」
海未「象徴として使いやすいのでよく聞く名前です」
海未「この領域、北方領土におけるレヴィアタンとは何なんです?」
マザー「そいつはずばり
>>821
」
822
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/02(土) 20:26:56 ID:w7dp4dKk
↓
823
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/02(土) 20:33:29 ID:09gmmxZs
天才パティシエの作ったお菓子の家
824
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/02(土) 21:46:32 ID:w7dp4dKk
マザー「そいつはずばり、天才パティシエの作ったお菓子の家のことや」
海未「お菓子の家……?まさかそれにサトゥルヌスが隠されてるとでも……」
マザー「そのまさかやで」
希「なぁっ!?」
海未「にわかには信じがたい話ですね……」
マザー「日本国が北方領土と呼ぶ列島が存在する海域、その地下には巨大な空洞が存在するんや」
マザー「こういう場所は世界各地に存在していて、秘匿領域、国境線の隠れ家、ボーダースポット、魔術的特異点など色んな名前で呼ばれとる」
マザー「もちろん表の人間は誰も知らんよ、異能を知ってる政府の人間は自国の管理下に起きたいとバチバチしとるがな……」
海未「手に入れると何かメリットが?」
マザー「メリットはスポットによって様々やけど……この地面の下の空洞にある巨大な建造物」トントン
マザー「超絶技巧菓子製防護施設『レヴィアタン』」
マザー「こいつの特性は一言で言えば超強度のシェルター」
マザー「全てお菓子で出来てるくせに耐久度は半端ない」
マザー「ひとたび戸が閉じれば外からは核ミサイルでさえ破壊できないし、中に隔離すればどんなバイオハザードでも完璧に封じ込める」
海未「見た目はともかく……名前の通りの防御力は持ってるみたいですね」
825
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/02(土) 21:46:54 ID:w7dp4dKk
マザー「な?危ないものを隠すのには好都合な場所やろ?」
海未「はい」
希「それは分かったけど……じゃあフルタマンはなんなん?フルタマンと天才パティシエは別人やろ?」
マザー「フルタマンも天才パティシエの作品やで」
希「なっ!?」
ダル子「作品って、アレもお菓子なんですか!?」バッ!
ダル子(直接姿を見た私が1番びっくりしてしまう)
マザー「そうや、目の周りはハイエイトチョコで出来てたやろ?」
ダル子「むしろそれ以外がバリバリ人間だったような……」
マザー「フルタマンはお菓子の家レヴィアタンにおいて
>>826
の役割を任されてる存在や」
826
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/02(土) 21:48:36 ID:HOanmSoY
広報活動
827
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/02(土) 22:31:49 ID:w7dp4dKk
マザー「フルタマンはレヴィアタンにおける広報活動を担ってるんや」
海未「広報……」
ダル子「ますます謎な存在になりましたね」
マザー「各国の暗部がレヴィアタンを独占するために隠匿を進めるのに対して、レヴィアタンに属するフルタマンは自ら広報に勤しむ性質を持っておる」
マザー「最近はこっそりテレビCMを作って流してたらしいで」
ダル子「それは隠したい側が困るんじゃ……」
マザー「ああ、せやから何者かの手によってフルタマンは地下空洞に閉じ込められてしまった」
マザー「ご丁寧に地上へ出てくるための穴に封までされてな」
ダル子「あっ!それってもしかしてウミトラマンに壊させた……」
マザー「水が高く吹き上がってる噴水、あそこが地下へ入るためのポイントってわけ」
ダル子「なるほど……」
828
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/02(土) 22:32:05 ID:w7dp4dKk
・
・
スタスタ
ダル子(そんな会話をしながら私たちは早足で移動を続けていた)
ダル子(話に出てきていた地下へ侵入するポイントも意外と近くに迫ってきている)
ダル子(そして、ポイントが近いということは当然あいつも近くにいるわけで――)
フルタマン「とぅっ!」
ダル子「のわぁっ!?」ビクッ!
ダル子(突然どこからともなく現れたフルタマンは
>>829
)
829
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/02(土) 23:08:37 ID:hojaOioU
誘う踊りの効果があるフル体操を始めた
830
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/02(土) 23:58:54 ID:w7dp4dKk
ダル子(フルタマンは誘う踊りの効果があるフル体操を始めた)
フルタマン「ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!ハイエイトチョコ!」��
海未「なんですかこの踊り……私の体が勝手に動き出して……」
ダル子「つられます!見てるだけでつられて体が動き出してしまいます!」
ほのり「私たちまでええええ?」
善子「堕天使らしくない踊りだわ……」
ピッ! ピッピ! ピッピッピッ!
マザー「初めて体験するが中々妙な動きやな……まぁとりあえず皆!反抗せずにちゃんと踊ってて!」
ココロ「従わなきゃダメなんですか!?」
マザー「フルタマンにとってはこれが友好の証なんや、体に正直に踊ってればそのうち地下へ案内してくれるはず」
マザー「絶対に勝手な行動はせんといてな!」
ココロ「ええぇぇっ!?」
コトーリ「お〜、ふしぎなおどり〜」ユラユラ
ダル子(マザーの言う通りだった)
ダル子(しばらくフルタマンと対面しての踊りが続いたあと、フルタマンは踵を返してどこかへ歩き出す)
ダル子(すると私たちの体はこれまた勝手に列を成して行儀良くフルタマンについていった)
スタスタ スタスタ
831
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/02(土) 23:59:13 ID:w7dp4dKk
ダル子(みんなフルタマンが予定外の行動をすると困るからか、行儀良く黙って足だけ動かす)
ダル子(まるでこれから職員に案内されて工場見学に行く一団みたい……行ったことないけど)
スタスタ スタスタ
・
・
スタスタ
ダル子(そして更にフルタマンに操られつつ歩くこと数分、私たちはついに穴に辿り着く)
海未「マザー、あそこ!地面に大きな穴が空いてる場所があります!」
マザー「ついに着いたなぁ」
希「てことは……」
マザー「ああ、あそこが今回の任務の本命」
マザー「地下空洞の先――レヴィアタンに続く道や!」
─────────────────
儀式場〜地下空洞入り口前
AM7:22〜AM7:35 新終末編『239』了
832
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/02(土) 23:59:47 ID:w7dp4dKk
というわけでここまで
移動回でした、次は突入
新終末編『240』に続く
かもしれない
833
:
!ken:99
:2017/12/03(日) 07:56:44 ID:1QcuLKQo
をつ
834
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/03(日) 20:18:01 ID:PjLdIPC2
新終末編『240』
─────────────────
──地下への穴前
AM7:35
フルタマン「さぁ地球のみんな!ここから地下に入るよ!足元に気を付けてね!」
海未「地球のみんな……?」
マザー「そういう設定なのか本当に宇宙人なのかはうちも分からん、スルーしといでいいで」
海未「はぁ……」
ウミトラマン「海未!私はどうすればいいのです?」
ダル子「うげっ」
ダル子(見上げるとウミトラマンがいた、そういえばこのポイントに先回りするように言っておいたんだっけ)
ダル子(地下への入り口がある噴水跡は島の端……切り立った崖のすぐ上にあって海が近い)
ダル子(ウミトラマンは海に足をつけたまま崖の上に手をついてこちらを見ていた)
海未「そうですね、残してても仕方ないですし、あなたも縮小化してついてきてください」
ウミトラマン「分かりましたっ」
シュシュシュシュッ
スタッ
ダル子(ウミトラマンは空中で縮むと、例のハレンチな姿になって私たちのいる場所に着地する)
ダル子(前と違って服は着てるけど……なんでこう人間大になるとスタイルが良くなるんだろう)
海未「ではフルタマン、案内をお願いします」
フルタマン「ああっ」
スタスタ
835
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/03(日) 20:18:18 ID:PjLdIPC2
・
・
ダル子(穴から先には洞窟のような通路が続いていた、決して広くはないが人がすれ違うのに苦労しない程度の幅はある)
ダル子(通路自体は緩やかな傾斜をしていて、フルタマンが言うにはしばらくここを歩いていくらしい)
ダル子(天井や壁は岩肌がそのまま露出している作り……等間隔に吊り下げられた照明が通路全体を淡く照らしていた)
ダル子「よっと」タンッ
ダル子(足元も岩盤をくり抜いて作った洞窟そのままの地面、慎重に歩けば転ぶことは無いけど危ういは危うい)
トンッ トンッ
ダル子(うーん……それにしてもみんな慎重なのか会話が無いな)
ダル子(着くまで時間がありそうだし
>>836
の話でもしてみようか)
836
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/03(日) 20:25:56 ID:F5sXFgAs
彼方ちゃんにシテみたいこと
837
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/03(日) 21:26:39 ID:PjLdIPC2
ダル子「皆さん!彼方ちゃんにシテみたいことってありますか?」
ほのり「彼方ちゃん……?」
ダル子「私の背負ってるこの子ですよ、スリーピング彼方ちゃん」スッ
ほのり「ああ、寝袋で寝てる信者の子か」
善子「シテみたいって具体的にどういうのよ、突拍子もなくて要領を得ない質問ねぇ」
ダル子「ええっ!?分かんないんですか!?」ズズイッ
善子「お、おうっ……」ビクッ
ダル子「見てくださいこの安らかな寝顔、見てるだけでペロペロしたくなってくるでしょう!」
海未「そう思うのはダル子だけでしょう、あの善子も引いていますよ」
ダル子「そうかなぁ……」ブーブー
善子「あの善子って何よ!ほぼ初対面のくせにー!」ブーブー
海未「後ろうるさいですよー」
希「彼方ちゃんの話いうてもなぁ、まずダル子ちゃん自身は彼方ちゃんのこと分かってるん?」
ダル子「私ですか?そりゃ分かってますよ、彼方ちゃんは可愛いです!」
838
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/03(日) 21:27:22 ID:PjLdIPC2
希「他には?」
ダル子「他には……」
ダル子(……あれ?そういえば全然彼方ちゃんのこと知らないぞ?)ムムッ
ダル子(相手に恋して欲情することに理由は要らないってフレイヤお姉ちゃんは言ってたけど……)
ダル子(さすがに少しは知ってたほうがいいよねぇ)
スッ
ダル子(というわけで私は懐から手帳を取り出して中を開く)
善子「それは?」
ダル子「彼方ちゃんの寝袋に入っていた手帳です、TKB隊のマークが無いから彼方ちゃん個人のものかと」
海未「ああ、そんなものありましたね」
海未「島にある施設を把握するのには不要だったので放置していました」
海未「あまりプライベートなものを見るのはどうかとも思いましたしね」
ダル子「むっ……今そういう言い方するのは卑怯ですねぇ」
ダル子「ええと、この手帳によると彼方ちゃんはTKB隊に入る前は
>>839
」
839
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/03(日) 21:34:45 ID:WOkhNzKU
静かに眠れる場所を求めて旅をしていた
840
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/03(日) 22:39:05 ID:PjLdIPC2
ダル子「TKB隊に入る前は静かに眠れる場所を求めて旅をしていたらしいですね」
ダル子「手帳には様々な場所で寝てみた記録と感想が書き記されています」
パララララッ
ダル子「100項目以上はありますが、軽く全て見てみた感じ……満足しきった場所は無かったようです」
善子「読むの早くない?」
ダル子「見ることには長けてますので、まぁ本当にサラッとですよ」
希「眠れる場所を求めて……か、普通の信者思想とは違うんやな」
ココロ「不遜です不遜っ」
海未「ファントムエッジで斬った際も本能的に眠りを求めていましたからね」
海未「寝袋を持ってウロウロ歩いていた様子から考えるに、TKB隊でも満足する寝場所は得られなかったのでしょう」
ダル子「よし決めた!」
善子「なにを?」
ダル子「私は戦いが終わったら彼方ちゃんが心から満足して寝られる場所を探す!」
ダル子「それまで彼方ちゃんのことを守る!」グッ
ほのり「意気込みだけは立派だけど、本人が起きてもいないのに勝手に決めていいのかしら……」
彼方「…………」スピー
841
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/03(日) 22:39:20 ID:PjLdIPC2
マザー「ほらほらお嬢ちゃんたち、雑談も良いけどそのへんにしとき」
スタスタ
マザー「そろそろ着くで……地下空洞や」
ダル子「……!」
ダル子(狭かった洞窟の通路から一気に景色が開ける)
ゴォォォォォォォッ!
ダル子(少し強めの風が髪を揺らす、薄暗い通路を歩いてきたせいか明るい光に目が眩む)
ダル子(私たちの目の前にはとんでもない広さの大空洞が広がっていた……)
コトーリ「おおおおー」
ココロ「これは……すごいですね……」ゴクッ
ダル子(その大空洞の中、まず目を引くのは中央に鎮座する巨大なお菓子の家)
ダル子(お菓子の家は自ら発光しているのか、周囲の大空洞の岩壁が七色の光で照らし出されている)
ダル子(他に空洞の中で目を引くものは……
>>842
)
842
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/03(日) 22:50:13 ID:c76vifoI
無銭飲食犯用の檻に閉じ込められているかもめ
843
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/04(月) 00:42:17 ID:UbUTHelk
ダル子(他に目を引くものは……)
ダル子「……ん?檻」
海未「そうですね、大空洞の端に檻がずらっと並んでいます」
海未「空洞の1辺を端から端まで一直線に埋めていますから、数十数百……かなりの数があるでしょう」
希「象でも入るくらい大きい檻やなー、材質は鉄っぽいけど金属製かな」
ダル子(緻密に造られたメルヘン色の強いお菓子の家とは真逆も真逆)
ダル子(まるで獣を閉じ込めておくかのように簡素で無骨、寒々しい雰囲気を放つ鉄の檻の群)
ダル子(お菓子の家との対比もあって私たちの目は自然と檻のほうを向いてしまう)
844
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/04(月) 00:42:30 ID:UbUTHelk
ダル子「……あ!あの檻殆どが空っぽだけど、1つだけ人が入ってる檻があります!」
海未「どれです?」
ダル子「右端から53番目のところです!」
海未「……っ!」ダタタッ!
希「本当やっ!」
ダル子(海未さんはその人影を見つけると先に走っていってしまう)
マザー「フルタマン、あの檻はなんなん?」
フルタマン「あれは無銭飲食班用の檻だね」
マザー「つまり……犯罪者を捕らえておく檻ということか」
フルタマン「うん、みんなが注目している檻はNo.53、収監されてる対象名は――かもめ」
フルタマン「スナイパーかもめという名前の元魔王軍構成員だよ」
─────────────────
穴入り口〜地下空洞
AM7:35〜AM7:45 新終末編『240』了
845
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/04(月) 00:44:23 ID:UbUTHelk
というわけでここまで
かもめに会いに
新終末編『241』に続く
かもしれない
846
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/04(月) 20:02:47 ID:UbUTHelk
新終末編『241』
─────────────────
──地下大空洞
AM7:45
マザー「無銭飲食?悪いことには変わりないけど……そんなんであそこに閉じ込められてしまうん?」
フルタマン「もちろんさ、レヴィアタンに危害を加えようとするものは投獄される決まりなのさ!」
マザー「どこの国の法律?」
フルタマン「レヴィアタンの法律だね、レヴィアタンはどこの国のものでもない不可侵領域」
フルタマン「もちろん皆もやってはいけないことをしたら投獄だよ、フルタマンとの約束さ!」ニコッ
ココロ「ひいっ……なんなんですかこいつ……」
マザー「フルタマン自体に悪意はないやろうから怯えんでもいいよ、ただパティシエにそうプログラムされてるだけのキャラクターや」
ココロ「べ、別に怯えてるわけじゃ……」
ほのり「でも不気味な存在に変わりはないわよね」
ほのり「それに禁止行為くらいは教えて欲しいわ、じゃないと怖くて動けないじゃない」
マザー「せやな……フルタマン!」
フルタマン「うむっ」
847
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/04(月) 20:03:22 ID:UbUTHelk
フルタマン「フルタマンとの約束はそんなに多くないよ」
フルタマン「まず天才パティシエの作った作品を無闇に破壊しないこと」
フルタマン「食べ物で遊んだりして食べ物を無駄にするのもダメだね」
マザー「作品ってのはお菓子の家やフルタマン自身のことやな」
ほのり「危害を加えてはいけないって基本的なルールね」
フルタマン「次にレヴィアタンを無断で勝手に食べたりしないこと」
マザー「食えるんかあれ……」
フルタマン「レヴィアタンは超防御力を誇るシェルターだけど同時にお菓子でもあるからね、この世に食べられないお菓子はないよ」
フルタマン「核ミサイルでも傷つかないし、どんな凶悪ウイルスの影響も及ばない」
フルタマン「ただ1つ、異能の絡まない純粋な人の食時行為のみがレヴィアタンを削り取れるのさ」
フルタマン「まぁお菓子装甲は自動的に復活するし、単純に質量が膨大だ、例え地球の皆が70億人かがりで一気に食べたところで中までは辿り着けないさ」
フルタマン「だから食べることで壁が破壊される心配はないよ」
ほのり「でも無断ではダメというルールがあるんだから……何か別の理由があるのよね」
ほのり「あなたの目の届かない所で食べられると困る理由が……」
フルタマン「ああ、そうだね」
フルタマン「レヴィアタンを構成してるお菓子はどれも天才パティシエの力作さ」
フルタマン「大変美味しく栄養があってお腹を満たしてくれる」
フルタマン「ただ人間が食べすぎると
>>848
」
848
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/04(月) 20:11:02 ID:96nmI8Gs
三大欲求中毒になる
849
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/04(月) 21:08:45 ID:UbUTHelk
フルタマン「ただ人間食べすぎると三大欲求中毒になってしまうのさ」
ほのり「食欲睡眠欲性欲のこと?」
フルタマン「その通り、天才パティシエの作品は美味しすぎるあまり人間に理性を忘れさせてしまう」
フルタマン「彼らを欲求の虜にさせてしまうわけだね」
ほのり「だから勝手にレヴィアタンを食べることは禁止してるわけか」
フルタマン「そうだね、どうしても味見したいという人は申請をしてもらえば食べられるよ」
フルタマン「その際に信用の証としてお金も払ってもらうから勝手に食べると無銭飲食の罪になるのさ」
ほのり「ほぅ……」
マザー「じゃあ金を払えば今捕まってる子は釈放してくれるんか?」
フルタマン「うむっ」
マザー「現金やな……カード使えるならカードで頼むわ」
善子「助けるの?」
マザー「元魔王軍なら話聞いてみたいし、何よりレヴィアタンの近くに拘束されてたんなら何か情報を得てるかもしれん」
マザー「それに可愛い女の子をこんな地下に残しておけんやろ?」
ほのり「最後のやつが本命っぽいわね……」
850
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/04(月) 21:09:13 ID:UbUTHelk
フルタマン「では食べた分と釈放代、合わせて――」ボソッ
マザー「んなっ、少し高いなぁ……まぁそれで助けられるなら」スッ
フルタマン「ありがとうっ」
フルタマン「入金が確認され次第、No.53の檻の鍵が開くはずだよ」
ダル子「では私は先に行った海未さんと希さんにこの事を伝えに行きますね!」タタッ
ほのり「私も行くわ!」タタッ
善子「ちょっ、待ちなさいって!」
テテテテッ
851
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/04(月) 21:09:34 ID:UbUTHelk
・
・
・
──檻の前
ザッ
海未(今私の目の前の檻には1人の若い女性が閉じ込められている)
海未(どこか私に似てるような雰囲気を持つ彼女が、どうしても気になって走ってきてしまった)
海未「あなたは……」
かもめ「み、ミナ仮面っ!?」ビクッ
海未「……!」
海未(ああ、ミナ仮面を知っているのですか……これは少し面倒くさいですね)
海未
海未「怯えてるようですが落ち着いて聞いてください、似ていますが私はミナ仮面ではありません」
海未「私は園田海未、あなたはどこかの組織に属していたのですか?」
かもめ「組織……?一応魔王軍にいたけど……」
海未「ふむ……」
海未(元魔王軍か、こんな地下にいたとなると旧魔王軍が崩壊したことは知ってるのでしょうか)
海未(どこまで話していいものか……)
かもめ「そ、それより今の私に近づかないでくださいっ!」ガシャンッ!
海未「え?」
海未(私が檻の中を見ていると彼女は後ろの方に飛び退いてしまった)
かもめ「今の私は少し欲求が止められなくて……
>>852
」
852
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/04(月) 21:15:02 ID:LUoz1/z6
人でも何でもいいから喰いたくなる
853
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/04(月) 22:21:19 ID:UbUTHelk
かもめ「欲求が抑えられなくて……人でもいいから食べたくなるのっ!」
海未「なっ……!」
かもめ「ぐるぅぅっ、はぁ……良い匂い……海未さんから良い匂いがする」
かもめ「新鮮なお肉の美味しそうな匂い……食べたい!食べたい!食べたいっ!!」
海未(食人衝動!?いや、これは食欲を増強されている……?)
かもめ「食べる……ダメ、良い、ダメ、良い、ダメ、良い、ダメ……ぐぅぅぅっ!」バッ!
かもめ「ああもうっ!殺してでも食べてやるっ!」
ガチヤッ!
海未(長い髪を掻きむしりながらの葛藤の後に、かもめは傍らに置いていたボルトアクション式の狙撃銃を構えた)
海未(頭をふり乱し半狂乱してる状態にもかかわらず弾を確実に手動装填、理想的な体勢から私に銃口を向ける)
海未(その間は僅か1秒にも満たない時間)
海未(そして――)
かもめ「……っ!」カチッ
ドンッ!!
海未(躊躇いなく私の額を狙って銃弾が放たれる)
854
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/04(月) 22:21:52 ID:UbUTHelk
海未(不味いですね……取り敢えず刀を居合の要領で滑らせ高速で抜いて)
海未(迫る弾丸を弾く!)
シュッ! ガキィンッ!!
かもめ「……っ!?」
海未「ふぅ……初めてですが何とかなりました」
希「海未ちゃん!?」
海未(後から走ってきた希が驚きの表情を浮かべる、まぁびっくりしますよね)
かもめ「もう一発!」ガシャンッ!
ドンッ!!
海未「ほっ!」
海未(かもめは間髪入れずに射撃、弾道はさっきと同じだから見慣れたものだ)
海未(なので私は刀で弾道を逸らし"わざと自分の髪を1束撃ち抜かせる")
ブチチッ!!
海未(撃ち抜かれる直前に触手に変化させていた髪はダイオウイカの足の一本になって地面へと落ちた)
ボトッ!
海未「希!その触手をコピーして檻の中へ放り込んでください!」
希「おおう!?い、意味分からんけど分かった!」コクンッ!
パシッ! ピピピッ
海未(希は私の触手をコピーすると言ったとおりにコピー品をかもめへ投げる)
かもめ「……っ!食べ物!?」
バッ!!
海未(予想通り、かもめへ狙撃銃を捨てると触手に向かって飛びつき齧り付く)
かもめ「もぐもぐ、もぐもぐ……む!これは
>>855
」
855
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/04(月) 22:41:10 ID:0VgWZOG.
あー、うん。まあ、うん。
856
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/04(月) 23:58:44 ID:UbUTHelk
かもめ「あー、うん」
モグモグ
かもめ「まあ、うん……」
モグモグ
かもめ「食べられなくはないけどモチャモチャしてるし、生であんまり味がしないから美味しくないですね」
かもめ「海未さんの体からしてた美味しそうな匂いもしないし……んん?」
モグモグ モグモグ
海未(味は不評のようですが食いついてはいる、これで時間は稼げるはず)
希「どうしたん?自分の一部を切り離して食べさせるなんて」
海未「さぁ?私にも分かりません」
海未「この人……かもめと話をしようとしていたのですが、いきなり私を食べたいと言い出したので対処療法で触手を食べさせました」
海未(私は希に事情を説明しながら千切れた触手を拾って髪とくっつける)
シュルルッ
希「随分と思い切った対処療法やな……」
海未「ダイオウイカと融合してる部分は髪なので切っても痛みはありませんし、コピー元が残っていればこうして再接合できますしね」
857
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/04(月) 23:59:13 ID:UbUTHelk
海未「しかしこの症状、どうすればいいのやら」
希「ファントムエッジで斬るのはダメなん?」
海未「この刀はあくまで本能――心の底からしたい欲望に忠実な行動をさせるだけですよ」
海未「彼方の欲望である睡眠のように簡単に叶えられるものならまだしも、すぐに叶えられない欲望を加速さそるのは危険です」
希「なるほど、彼方ちゃんは寝て満足して大人しくなったけど、この子の場合は食べる対象が必要なわけやね」
海未「はい、また私の触手をあげる手もありますが……」
ほのり「ぺっ!……もうこれいいや」
海未「見ての通り不評なようなので食いつかない可能性もあります」
希「ふーむ」
海未(希と一緒に檻の前で考えているとこちらに数人が走ってきた)
タタタタッ
ダル子「海未さん!その人は無銭飲食で収監されてる人でかもめさんと言う名前らしいです」
海未「ダル子、それにほのりたちも来たのですか、その様子だとフルタマンに説明を?」
ほのり「ええ、聞いてきたわ、マザーさんが釈放のためのお金を払ったからすぐに鍵が開くはずよ」
希「なんやてっ!?」
善子「何かまずいの?」
海未「実はかもめが私……というか人を食べようとしてるんですよね」
ほのり「はっ!そうか、理性が飛んで食欲が暴走してるんだわ!」
善子「ええっ!?でも鍵は自動で開いちゃうんでしょ!」
善子「そんなのどうすれば――」
ヒューーッ
スタッ
コトーリ「おたすけ、てんしさんじょう」
858
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/04(月) 23:59:24 ID:UbUTHelk
善子「のぉっ!天使野郎!」
コトーリ「やろーじゃない、てんしれでぃー」
海未(檻の前でまごまごしている私たちの前にコトーリさんが飛んできた)
海未(たぶん本人は軽くジャンプしただけなのでしょうが……いきなり落ちてくるとびっくりしますね)
海未「コトーリさん、何か良い考えが?」
海未「特に有効な策が無ければひとまず強引に洗脳しようと思ってましたが……」
コトーリ「さくはあるよ」
希「おおっ!」
コトーリ「しょくよくがぼうそうしてるのは、おかしのいえのおかしをたべたから」
コトーリ「からだにはいったかしのせいぶんがげいいんなら、それをとりのぞいてあげればいい!」
コトーリ「まざーのそーまをつかってね!」
─────────────────
地下大空洞
AM7:45〜AM7:50 新終末編『241』了
859
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/04(月) 23:59:47 ID:UbUTHelk
というわけでここまで
新終末編『242』に続く
かもしれない
860
:
!ken:99
:2017/12/05(火) 07:44:27 ID:WWv.Olwo
をつ
861
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/05(火) 20:40:21 ID:ZpiUfmMo
新終末編『242』
─────────────────
──地下大空洞
AM7:50
海未「マザーのソーマ?」
コトーリ「うんっ」
海未(コトーリさんは誇らしげに首を縦に振るも肝心のマザーさんはここにはいない)
海未(それはいったいなに……と聞き返す前に檻の扉は開かれ、中のかもめが解放されてしまう)
かもめ「食べるぅぅぅ!」ダッ!!
海未「ああもう!希たちは下がっててください!」
希「お、おうっ!」
海未(かもめの射撃速度はかなりのものだ、戦闘慣れしてないと簡単に撃ち抜かれてしまう)
海未(ソーマというのも気になるけど今は目の前の対処が最優先!)
シュルルッ!
海未(4本のテンタクルを展開して前方へ伸ばし、かもめの四肢を封じて洗脳に持ち込む!)
バシュシュッ!!
かもめ「それはさっき"味わった"」
かもめ「対軟体幻想種弾――オスモティックデストロイヤー」ガシャンッ!
ドンッ!!
海未(かもめは私に向かって走りながらスコープさえ覗かずに弾丸を発射する)
862
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/05(火) 20:40:51 ID:ZpiUfmMo
海未(弾丸は私が前に伸ばしていたテンタクルの1本に着弾すると――)
ボンッ!!
海未「っ!?」
海未(テンタクルは着弾した地点から膨れ上がって弾け飛ぶ!)
かもめ「次っ!」ダンッ!
海未(かもめは1本が破裂して空いたスペースに身を滑り込ませて残り3本の触手攻撃を回避)
海未(回避しつつ次弾を込めて、体の横スレスレを通過する他の触手を撃ち抜いていく)
ボボボボンッ!!
海未「……っ!」
海未(伸ばした分の触手は全て破壊された、かもめは止まらない、私本体にめがけて真っ直ぐ走ってくる)
海未(お互いの距離はもう数メートルと言った所まで縮まっていた)
海未(真っ直ぐ……走ってくるのなら――)
スッ
海未「ラブアローシュート――B!」ドシュッ!
かもめ「食らうかそんなもん!」ガシャドンッ!
ガキィィンッ!
海未(至近距離でラブアローと銃弾が激突して弾かれ合う、これも互いに有効打にはならない)
海未(全く、この距離のスナイパーライフルで寸分違わず矢先に当ててくるなんて有りなんですかね……)
863
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/05(火) 20:41:15 ID:ZpiUfmMo
カチャッ
海未(けどもうこの距離なら……刀が届く!!)
かもめ「だぁっ!!」
ザザザザッ!
ダル子「海未さんっ!」
海未(次に私が取った行動は刀を抜いての上段からの斬り下ろし、リーチは短くなるが半分から手間の金属部分を当てるように降ろす)
海未(それに対しかもめはスライディングのように姿勢を低く私の股下に滑り込み、ライフルを縦にして私を下から撃ち抜く体制に入る)
ガキィィンッ!!
海未(振り下ろした刀身と突き上げた銃身が金属音を響かせ激突した)
海未(このまま銃身を逸らしつつ刀を降ろして腕の一本でも切れば私の勝ち)
海未(私が斬る前に狙いをぶらすことなく、かもめが私の顎下か利き腕でも撃ち抜けばかもめの勝ち)
海未(その勝負の行方は
>>864
)
864
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/05(火) 20:42:47 ID:EdIlMaQY
コトーリが仲裁
865
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/05(火) 21:56:49 ID:ZpiUfmMo
海未(その勝負の行方は……)
コトーリ「ちょっとまった――」バッ!
海未「あっ」ザシュッ!
かもめ「あっ」ドンッ!
コトーリ「どへっ!」
ダル子「コトーリさんっ!?」
海未(私とかもめがお互いに最後の攻撃をする瞬間、私たちの間にコトーリさんが割って入った)
海未(コトーリさんが刀とライフルを掴んで止めてくれた……のだけど、それが微妙に遅かったのが不運)
海未(私の刀はコトーリにさっくり刺さり、かもめの弾丸はコトーリさんに直撃してしまったのであった)
コトーリ「あ……ぐ……」プルプル
海未「コトーリさん!?大丈夫ですか!?」
コトーリ「……ああ……うん、だいじょぶだいじょぶ、すこしいたいくらいだからへいき」
海未(コトーリさんは手をひらひらと振って気丈に応える)
海未(実際に傷はもう塞がりかけてるけど痛いのに変わりはないだろう)
コトーリ「はぁ……ちょっとしっぱいした」
海未(深淵侵食が少し治ったとはいえ生命力は欠けたまま、とても全快のコトーリさんとは言えない)
海未(そんな状態で飛び込んでくれば多少怪我するのは自身でも分かっていたはず)
海未(それでも仲裁することを選んだのはどんな心境の変化があったのか……)
海未(ま、コトーリが傷ついた瞬間をココロに見られなかったのだけは幸いでしたね)
866
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/05(火) 21:57:08 ID:ZpiUfmMo
コトーリ「しっぱいした、でも……つかまえたよ」ギュッ
かもめ「このっ!離せっ!離してくださいーっ!」ジタバタッ!
海未(コトーリさんが飛び込んできたことに驚いたのか、かもめは半狂乱になっても離すことは無かったライフルを離してしまった)
海未(その隙にコトーリさんがかもめを後ろが羽交い締めにして捕まえたのだ)
海未(いくらコトーリさんが弱体化してるとはいえ、ただの人間が単純な筋力で自称天使に敵うはずがない)
海未(かもめはジタバタするだけでどんどん体力を消耗していく)
コトーリ「みんな、いまのうちにまざーをつれてきて、ぼにゅうをしぼりだすの」
希「そうか、うちの淫紋を解除したのと同じくソーマでレヴィアタン菓子の成分が抜けるかもしれんな!」
コトーリ「そうそう」
ほのり「?」
善子「?」
海未(直接その場を見たわけでないほのりと善子はピンときていない顔をする)
海未(まぁ私も話を間接的に聞いただけなのですが……)
タタタタッ
マザー「おーい!様子はどうやー?」
希「やっと来た!待ってたで!」
マザー「へ?待ってた……?よく分からんけど希ちゃんに笑顔で迎えられると悪い気はしないなぁ」ヘヘヘ
マザー「なんか久しぶりにのぞみと会えたような気がして――」
希「早く乳出して!」
マザー「えぇっ!?」ビクッ
希「だからソーマやソーマ、かもめを元に戻すために必要なんや」
マザー「あぁ……そういう話、でも前の余りをコトーリちゃんが持ってるんじゃ……」
コトーリ「とっくにのみほしたよ」
マザー「はぁぁっ!?」
867
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/05(火) 21:57:36 ID:ZpiUfmMo
希「今コトーリさんは動けないから代わりにうちが搾乳するでぇ」ワシワシ
マザー「ちょっ……ま、待って……のぞみちゃ……」
希「せいっ」バッ!
ボロロロンッ!
マザー「……っ!」
海未(希は適当な布の切れ端をマスク代わりに口に巻くと、勢い良くマザーのコートの全面を開く)
海未(マザーは中に何も着ていなかったため勢い良く大きな胸が飛び出る)
海未「おぉ……中々のものですね」
ほのり「う、うん」ゴクッ
希「さーてっ、搾り取るでー!」
モミモミモミッ!!
マザー「んなぁぁあああああっ!?」
・
・
・
海未(……と、希がマザーの搾乳をすること数分)
海未(マザーの胸からは
>>868
くらいの量のソーマが絞り出されていた)
868
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/05(火) 22:04:06 ID:z7R3q7sk
湯船一杯
869
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/05(火) 22:51:37 ID:ZpiUfmMo
海未(マザーの胸からは湯船一杯分くらいの量のソーマが絞り出されていた)
マザー「あ……う……あぁ……」
ピクッ ピクッ
海未(希に揉みしだかれたマザーはすっかりイき果てていて、胸を隠す気力も失って仰向けに倒れている)
海未(すっかり太く大きくなった乳頭は未だぴゅっぴゅと微量のソーマを吹き出す)
海未(必要なこととはいえ……これは少し気の毒ですねぇ……)
マザー「はぁぁ……んんっ……はぅぅぅんっ!」ビクビクッ!
海未(一方、絞り出されたソーマは風呂桶のような大きな桶に分割されて溜められていた)
海未(この桶は使われてない檻の中に入っていたもの、元々何に使うための物かは分からないが使わせて貰っている)
海未(桶の周りにはマザーとコトーリさんを除いたほぼ全員が集まって興味深そうに作業を見ていた)
ココロ「うっ、私これには良い思い出が無いんですよね……」ビクッ
希「うちらは一度強制デトックスするはめになったからなぁ、もう二度と体験したくないで」
ほのり「そんなに危険なものなの?」
希「ああ、危険やから皆も不用意に近づかんようにな、ソーマは気化したものを吸い込んでも効果が発揮されてまう」
善子「だからあなたマスクみたいなものをしてるのね」
希「せやせや、よいしょっと」
海未(希は桶の1つを抱えると慎重にコトーリさん……が捕まえてるかもめの前に持っていく)
870
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/05(火) 22:51:57 ID:ZpiUfmMo
海未「手伝いますっ」
希「ありがとうっ」
ザッ ザッ
希「しかしソーマか……」
海未「どうかしたんですか?」
希「ああいや、大したことじゃないんやけど、城で鞠莉の手伝いをしてる時に集めてた乳エネルギーもそんな名前やったなぁって」
希「乳とソーマってそんなに関係あるものなんやろうか?」
海未「さ、さぁ……どうでしょう?」
コトーリ「はーやーく、はーやーく」
希「って急かすなぁ、ほら持ってきたで!」
海未「降ろしますよ!」
ドサッ!
コトーリ「よーし、ほらほらかもめ、めのまえのそーまがおいしそうにみえてくるでしょー?」
かもめ「……!」ゴクッ
海未「美味しんですか?」
希「うん、美味しいは美味しい」
希「ただこれを飲むと――」
かもめ「いただきますっ!」
ガブガブガブガブッ!!
海未「飲むと……?」
希「ま……言わんでも見てれば分かるよ」
871
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/05(火) 22:52:16 ID:ZpiUfmMo
・
・
・
海未(ふむ、確かに希の言うとおり、見てれば分かった)
海未(ソーマの桶に顔を突っ込んで食欲のままに飲み干したかもめは満足そうな顔した後、胃の中のものを全て吐き出した)
海未(胃の内容物だけではない、目や耳や鼻からは血液が、体中の肌からは汗が、下の穴からは様々な排泄物が一気に流れ出したのだ)
海未(だがかもめは自分の体の変化を自覚しつつも狂ったかのようにソーマに顔を突っ込んで飲み続ける)
海未(その度に体を激しく弛緩させてあらゆる体液を体外に排出していく)
海未(『聖母のソーマ』――コトーリさんが偶然発見した、マザーの乳房から出て来る乳白色の液体)
海未(摂取した者の体に超強力なデトックス効果をもたらす劇薬であり、あらゆる毒素や異能に由来する異物を排出できる)
海未(しかし脱水症状を初めとする多くの後遺症が残る可能性もあり、安易な使用は勧められない)
海未(何故マザーの母乳にそんな能力が宿ってるのか、聖母というワードとスピリチュアル教団は関係有るのか)
海未(現状の情報だけでは不明なことが多いが、上手く使えば非常に万能な効果をもたらす薬には違いない)
872
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/05(火) 22:52:33 ID:ZpiUfmMo
希「……よし、これであらかた体内洗浄は終わったな、レヴィアタン菓子の効果が消えてればいいんやが」
コトーリ「だいじょぶだいじょぶ、あいかわらずそーまはおいしいし」ペロリ
希「じゃあ汚れた服を取って体を洗って着替えさせよう、コトーリさん手伝ってな」
コトーリ「わたし?」
希「他にソーマに耐性持ってる人がいないやろ」
コトーリ「うんっ」
海未「これでかもめが目覚めたら話を聞けますね、その間にしておくことは――」
マザー「海未ちゃん、海未ちゃん……」
海未「は、はいっ!」タタタッ
海未(未だ体の弛緩が止まらないマザーに呼ばれた私は、倒れたままの彼女に駆け寄って膝をつく)
海未「どうしました?」
マザー「うちが回復するのにもう少しかかりそうやから、先に任務の内容を話しとくわ」
マザー「これがその任務が書かれた書類な」スッ
海未「…………はいっ」
マザー「うちの任務を果たすには、まずそこで光ってる巨大なお菓子の家、レヴィアタンの中に入らなあかん」
マザー「そのための正式な手順は
>>873
」
873
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/05(火) 23:23:13 ID:EiKCJiSw
幼稚園児のキャラになり、「おにぃちゃん、おうちにいれて」と言う
874
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/05(火) 23:56:36 ID:ZpiUfmMo
マザー「幼稚園児のキャラになり、『おにぃちゃん、おうちにいれて』と言うんや……」
海未「なっ……なんでそんな恥ずかしいことを言わなければならないのですっ!」
マザー「決まりやからな、これはしゃーない」
マザー「入ってからの手順はマニュアルに書いてる、うちはしばらく動けそうにないから頼むで……よろしくな……」
海未「マザー!?マザー!?」
マザー「…………」スピー
海未「寝た!?」
海未(まぁあれだけ母乳を搾り取られたので体力減ってるのはわかりますが……)
海未(単に中に入る手順をやりたくないから押し付けられただけでは!?)
ほのり「海未さんどう?マザーの代わりは出来そう?」
ほのり「無理そうなら私がやっても――」
海未「やります!私がやります!」
ほのり「そ、そう……」
海未「マニュアルをちらっと読む限りではそれほど人数は要らなそうなので……」
海未「レヴィアタンの中に入る組と、ここに残ってマザーを看ながらかもめから話を聞く組に分れましょうか」
海未「組分けができ次第行動を開始しましょう!」
─────────────────
地下大空洞
AM7:50〜AM8:00 新終末編『242』了
875
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/05(火) 23:57:43 ID:ZpiUfmMo
というわけでここまで
ごたごたしてますがついにレヴィアタンへ
新終末編『243』に続く
かもしれない
876
:
!ken:99
:2017/12/06(水) 07:44:29 ID:7d8YMYjM
をつ
877
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/06(水) 20:23:23 ID:/7S2e7kg
新終末編『243』
─────────────────
──地下大空洞
AM8:01
海未「よし、では中に入るメンバーを考えましょうか」
海未(中……つまりはレヴィアタンの中に入り封印されしサトゥルヌスと接触するということ)
海未(無駄に多い人数が行く必要はない、もしもの時を考えて少人数で行くべきだ)
海未(選出としては、まずマザーからマニュアルを受け取った私園田海未)
海未(それから危険察知能力に長けているダル子、案内役のフルタマンも中に入る)
海未(後は……まぁウミトラマンでも入れておけばいいでしょう)チラッ
ウミトラマン「なんか扱い雑じゃ無いですか……?」
海未「いえいえ、サトゥルヌスが入ってるなら貴女が中で巨大化しても問題ないという判断ですよ」
海未(とりあえずはこの4人、他には……微妙なところですね)
海未(マザーとかもめは動けないし、その看病をする希とコトーリは残していかなければならない)
海未(コトーリが残るならココロも残るだろうし、彼方は寝てるから端から無理)
海未(善子は不安定材料だから残しておいたほうがいい)
878
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/06(水) 20:23:45 ID:/7S2e7kg
海未(唯一迷うのは……)チラッ
ほのり「…………」
海未「ほのり、あなたはどうします?」
海未「相手は魔王があなたたちμ'sの子供を喰らうために用意した巨神、封印されてるとは言え性質は変わりません」
海未「私としてはどちらでも構いません、あなたの気持ちを聞かせてください」
ほのり「私は……行くわ」グッ
海未「…………ふむ」
ほのり「心配しないで、概念石の使い方だって分かってきたし、自分の身は自分で守れる」
ほのり「それに今の私には天界スゴロクで手に入れた武器、『真・ラブライブレード』がある」
海未(ほのりの背中の大剣、気になっていましたが例のスゴロクの景品だったのですか)
ほのり「このブレードは
>>879
」
879
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/06(水) 20:28:13 ID:CfwFFp5M
μ'sメンバーの能力がそのまま使える
880
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/06(水) 21:30:47 ID:/7S2e7kg
ほのり「このブレードは海未さんたちμ'sメンバーの能力がそのまま使えるのよ」
海未「私たちの……?」
ほのり「ええ、さすがに同時使用は無理だけど、柄のボタンを押すことで能力を切り替えられるわ」
パチッ パチッ
海未(ほのりがスイッチを押す度に半透明なブレードの刀身が様々な色に光輝く)
ダル子「すごいじゃないですか!どうしてそんな武器が天界に!?」
ほのり「さぁ、あいにく詳しい説明を受ける前に善子が地上に引き寄せられちゃったから知らないのよね」
ほのり「知ってるのはμ'sの能力を再現できる武器ってだけ、試したのも知ってる能力を1つ2つだけだし」
ダル子「全部試してないんですか?」
ほのり「うーん……複数能力を持ってる人はどれが再現されるかいまいち分からないのよね」
ほのり「暴発すると怖いから確実なものしか試してないわ」
ダル子「なるほど」
海未「確かにその効果が本当ならラブライブレードは強力な武器になるでしょうね」
海未「分かりました、ほのりも連れていきましょう」
ほのり「よしっ」
海未「ではメンバーも固まった所で早速突入します!準備は良いですか!」
ダル子「おー!」
881
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/06(水) 21:31:02 ID:/7S2e7kg
・
・
・
──レヴィアタン前
海未「……で、突入するに当たってですね……」
ダル子「はい」
海未「私が扉を開ける間、少し離れなたこの場所で待っていてもらえませんか?」
ダル子「はい?まぁ構いませんが……」
海未「ではっ」
コソコソッ タタタッ!
海未(私はレヴィアタンの入り口から十メートルほど離れた場所に皆を残し、1人で足早に入り口に向かう)
海未(レヴィアタン――お菓子の家は本当に巨大だ、遠くから見ても感じられたが近づくほどに異様な巨大さは存在感を増してくる)
海未(スカイツリーを足元から見上げた時にも似ている遠近感の狂う違和感)
海未(私はその違和感を振り払いつつお菓子の家の足元……おそらく扉であろう部分に向かう)
海未(そして扉の前に着いた私は――)
コンコンッ
海未(扉をノックし、マニュアル通りに合言葉を言う)
海未「お……おにぃちゃん、おうちにいれてぇ……」
海未(うぉおおおおおおおおっ!)
海未(とんでもない恥ずかしさに悶ながら何とか言葉を口に出来た)
海未(すると
>>882
)
882
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/06(水) 21:55:05 ID:vF9ftgYM
ダル子達の方に今の合言葉が響き渡る
883
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/06(水) 22:40:52 ID:/7S2e7kg
海未(すると――)
海未『おにぃちゃん、おうちにいれてぇ』
テェー
テェー
テェー
海未(何故か今の合言葉が大音量で壁から響き渡った)
海未(それは当然後ろにいたダル子たちにも聞こえていたわけで)
海未「なぁぁぁぁぁっ!?」
ダル子「海未さん……これ……」ジトーッ
海未「違います!これは扉を開けるための合言葉なんです!マニュアルに書いてあるんですっ!」
ほのり「へ、へぇ……」
ウミトラマン「にしては随分媚び媚びの声でしたねぇ……」
海未「そういう指定があるんです!本当なんですって!」バンバンッ!
海未(振り返った私は、マザーから受け取ったマニュアルの束をバンバン叩きつつ必死に訴える)
海未(でも変わらず皆は生暖かい視線を向けたまま、くぅ……なんでこんな仕様になってるんですか!)
海未「フルタマン!あなたは分かりますよね!」
フルタマン「ふむ……」
海未「返答に間をあけないでください!信用が無くなるでしょう!」
884
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/06(水) 22:41:25 ID:/7S2e7kg
フルタマン「ああすまない、思い出していたんだ、確かにそんなセキュリティだったね」
ダル子「なんだそうでしたか」
ほのり「海未さんに妹キャラ趣味があったわけじゃなかったのね……」
海未「だからそうだと言ってるでしょう……」ガクッ
海未(どうにか信じてもらえことの安心感と、フルタマンが言った瞬間に速攻信じられる釈然としない気持ち)
海未(それらがないまぜになって
体から力が抜けていく、何とも複雑な気持ちです)
海未「しかしこれで、扉が開く」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
海未(私の背面からお菓子の家の扉が開く音が鳴り響く)
海未(振り返って見たその先――レヴィアタンの内部は
>>885
)
885
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/06(水) 22:45:48 ID:CMJP7Z.k
キッチンスタジアム
886
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/06(水) 23:41:55 ID:/7S2e7kg
海未(レヴィアタンの内部には……これまた広大な空間が広がっていた)
海未(外から見ても大型ドーム数個分はあろう縦横の広さを見せていたレヴィアタンだが、中は別格の高さと奥行きを持っている)
海未(その広さたるや1つの街ならすっぽり入ってしまうのでないかと思うほど)
海未(空間歪曲に近い技術を使っていることは想像に難くない)
海未(そして内部の景色はまるでお菓子の国)
海未(ビスケットで作られた家や塔といった建造物の数々、板チョコの道にホワイトチョコレートの川)
海未(立ち並ぶ樹には大きなグミが成り、空には綿菓子の雲が浮かび、遠くにはケーキの山が見える)
海未(ことりが城の1フロアにお菓子の森を作っていましたが、ここはそのスケールを何百倍に広げたとようなものだ)
ダル子「すごっ……」
ほのり「外も中もお菓子塗れな場所ねぇ」
ウミトラマン「確かにここなら私が元のサイズに戻っても大丈夫そう」
ザッ
海未(扉を潜り抜けて振り返ると、扉の両脇……つまり壁の内側の向こうにも景色が広がっていた)
ペタッ ペタッ
海未「ふむ……」
海未(触れれば壁の感触があることから考えるに、これは壁に投影された映像なのだろう)
887
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/06(水) 23:42:07 ID:/7S2e7kg
海未(様々な建造物が並ぶ正面の街とは違って、画一的な草原が地平線まで広がってるだけだから見分けがつけやすい)
海未(ゲームで言う所のこれ以上は進めない謎の壁にみたいになってますね、まぁ本当に進めないんですが……)
ダル子「壁や空に投影されてる景色のせいで、扉を閉じてしまえば本当に別の世界に来たみたいに思えます」
海未「そうですね、建物の中なのに屋内ということを全く感じさせない作りです」
ほのり「それで?マニュアルには次になんて書いてあるの?」
海未「はい、マニュアルによればサトゥルヌスが封印されてるのは闘技場のような場所で――」
ダル子「あ!見つけました!」ビシッ
ウミトラマン「……というか目の前にあるじゃないですか、下手すれば外から扉開けた時点で見えますよ」
海未「ふむ……」
海未(ウミトラマンの言うとおり、確かに目と鼻の先に闘技場に似た巨大な施設が存在していた)
海未(おそらくこれも何かの菓子で作られた建造物なのでしょうね)
フルタマン「そうか、みんなはアレが目当てだったんだね、ならそこまで案内しようか」
海未「はい、あれはいったい……」
フルタマン「あれはキッチンスタジアム」
フルタマン「レヴィアタンにおける第六巨大収容区画であると同時に……」
ザッ
フルタマン「最上級の料理人が腕を振るう闘技場となってるのさ!」
海未「は……?」
─────────────────
レヴィアタン前〜レヴィアタン内部
AM8:01〜AM8:05 新終末編『243』了
888
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/06(水) 23:43:58 ID:/7S2e7kg
というわけでここまで
スタジアムへ
新終末編『244』に続く
かもしれない
889
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/07(木) 20:24:59 ID:m9EENxtc
新終末編『244』
─────────────────
──キッチンスタジアム
AM??
カツンッ カツンッ
海未(大きなスタジアムには四方に内部へ入るための入り口が設置されていて、そこから階段を登ると観客席と思われる場所に出た)
海未(観客席は円形になってるスタジアムの上部を沿うようにグルッと配置されている)
海未(スタジアムの中央、何かの競技や公演をするためであろう広いスペースを360度から観ることができる配置だ)
海未(ここまで来る階段や床、観客席の椅子や落下防止用の柵までもが菓子で作られてるが、どれも強度に問題はない)
海未(何もかもがお菓子製で甘ったるい匂いに少し気分が悪くなってくる……)
海未「フルタマン、あなたはここを収容区画だと話していましたね」
フルタマン「うむっ、レヴィアタンの内部は幾つかの区画に分れているのさ」
フルタマン「巨大なシェルターの中に用途別のロッカーが並んでいるイメージをしてもらうと助かる」
フルタマン「ここから見えるたくさんの家やビルやショッピングモール、あっちの森や湖や山なんかもそれぞれロッカーの役割を果たしているんだ」
フルタマン「もちろん普通の家や商業施設としての使い方もできるし、環境循環機能としての役目も果たしている」
海未「見かけから察せる役目とロッカーとしての役目、2つの役目を両立しているとわけですね」
フルタマン「うむ」
890
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/07(木) 20:25:27 ID:m9EENxtc
フルタマン「まぁ……数が膨大なだけで殆どが空白、中に何も入っていないがね」
海未「両国が睨みを利かせてる状態で何かを持ち入れようという人はそういないでしょうからね、仕方ありません」
フルタマン「困ったことだ、私は広告をどんどん打って利用者を増やして行きたいというのに」ヤレヤレ
ほのり「でも、魔王は持ち込んだのよね……」
フルタマン「ああ」コクンッ
フルタマン「キッチンスタジアム、別名を第六巨大収容区画」
フルタマン「巨大収容区画とは全長数十メートル〜数百メートルの物体を収容するのに適したロッカーで、ここはその六番目」
フルタマン「ここはレヴィアタンにしては珍しく、本来の用途で利用されている区画なのさ」
ほのり「……!やっぱりここのどこかにアレが封印されているのね……」
ダル子「閉まったもの……この場合は預けたものという言い方が正しいのでしょうか」
ダル子「ロッカーに預けたものを取り出すにはどうすればいいのですか?」
フルタマン「預けた時に貰った鍵があればいつでも取り出せる」
ダル子「か、鍵!?でも預けたのは魔王で……今は魔王はいなくて……」
フルタマン「もし鍵を紛失、もしくは本人が受け取りにこれない場合は――」
ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!
海未(そこまでフルタマンが言った瞬間、スタジアムの中心からスモークのようなものが激しく噴射される)
891
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/07(木) 20:26:24 ID:m9EENxtc
ほのり「な、なに!?」
ダル子「見て!あそこ、ステージみたいな場所に人がいる!」
海未(観客席の前方の手摺から身を乗り出したダル子がスモークの残るスタジアムの中心を指差す)
海未(そこに何処からかスポットライトが左右から当たり――)
パンッ! パンッ!
??「レディースアンドジェントルメン!あーんど全国のお菓子好きのちびっ子たち!」
海未(料理人のような格好した人物が姿を現した)
??「私こそが風来の天才パティシエ、
>>892
よ!」
892
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/07(木) 20:36:51 ID:UZ9zdtKI
トリーアユミ
893
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/07(木) 21:48:31 ID:m9EENxtc
アユミ「風来の天才パティシエ!トリーアユミよ!」
海未(姿を現したのはパティシエ姿の金髪縦ロールの少女、少し気が強そうな雰囲気を感じる)
海未(ただ少女の外見とは言え、アレが例のパティシエだとすれば見た目通りの年齢だとは限らない)
海未(油断は禁物ですね……)
アユミ「私のことは気軽にトリーとでも呼ぶが良いわ!」
海未(マイクを使っているのか、スタジアムの至る所に取付けられているスピーカーから大音量で彼女の声が響く)
海未(彼女がいるスタジアム中央のステージは観客席からは遠く、逆にこちらの声は届きそうにない)
フルタマン「トリー様、戻っていたのですか……」
海未「やはり彼女がレヴィアタンやあなたを作った天才パティシエ?」
フルタマン「う、うむっ……」コクンッ
ほのり「それにしてもトリーアユミって変な名前、"とりいあゆみ"が本名かしら」
ダル子「女子高生……海未さんたちと変わらないくらいの歳に見えますね、喋ってるのが日本語だから日本人でしょうか」
海未「ロシア人や天界人や異星人がコミュニケーション取ってる時点で言語の問題は些細な問題だと思いますよ」
ウミトラマン「あ、忘れかけてるでしょうけど私は念話ですから一応」
894
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/07(木) 21:48:45 ID:m9EENxtc
アユミ「あなたたちが来た目的は知ってるわ!キッチンスタジアムに収容されてる物品を鍵無しで引き取りたいなら手段は1つ!」
アユミ「ここで私と料理対決をして勝利することよ!」
海未「なっ……!」
アユミ「1人代表を出してきなさい!」
海未「料理対決?そんな悠長なことをしてる時間は……」
フルタマン「時間なら問題ない」
海未「え?」
フルタマン「持っているなら時計を見てみるといい、レヴィアタンの中では時間さえ外からの干渉を受けない」
海未「本当だ……私のスマホの時計も止まっています」
フルタマン「レヴィアタンの中は独自の時間の流れを持っていて、出る際には外とはある程度辻褄を合わせることができるのさ」
ほのり「……んん?」
フルタマン「ここで料理対決するくらいの時間ならいくら使っても問題ないということだよ」
ほのり「ああ、それなら問題ないわね」
海未「しかし料理対決ですか……誰が出ます?」
ほのり「そうねぇ、ここは
>>895
」
895
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/07(木) 21:56:44 ID:MZJAwp0g
私の本気を見せましょう
896
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/07(木) 22:47:58 ID:m9EENxtc
ほのり「ここは私の本気を見せましょう」
海未「ほのりがクッキングをすると?」
ほのり「これでも海未さんたちの3分クッキングを見てきた自信はあるわ、その成果を見せる時が来たのよ!」
タタッ! タンッ!
海未「ちょっ!ほのり!」
海未(ほのりは柵を飛び越えると、下まで十メートル弱はあるスタジアムの床へ落下していってしまった)
ダル子「飛び出して行ってしまいましたね」
海未「全く……勝手なんですから」
海未「そもそも、私たちのクッキングを参考にしてマトモな料理が作れるのでしょうか……」
897
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/07(木) 22:48:16 ID:m9EENxtc
・
・
・
ヒューーッ
ほのり(勢い良く飛び出してはみたものの、私にこんな高さから飛び降りて怪我しない身体能力はない)
ほのり(だから……使うのはラブライブレード!)
カチッ
ほのり(私は柄のスイッチを押してブレードの刀身をピンク色に発色させる)
ほのり「モード矢澤にこ:ツインテタイフーン!」
ガチャッ!
ほのり(すると1本の大剣がピンクに輝く2本の細身の剣に分裂)
ほのり(私はその剣から床に向かって猛烈な風を放ち、落下スピードを相殺させる)
ボォォォォォウッッ!!
フワァァッ
タンッ
ほのり「……よっと」
ほのり(無事に着地できた私はそのまま駆け足でスタジアム中央のステージへ向かう)
タタタタッ
898
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/07(木) 22:48:35 ID:m9EENxtc
アユミ「へー?中々派手な登場パフォーマンスじゃない」
ほのり「私は南ほのり!その料理対決……私が相手になるわ!」
アユミ「おーけー、じゃあキッチン上昇!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
ほのり「……っ!」
ほのり(私たちの立つ円形の一段高いステージ、その下から料理番組のようなセットがせり上がってくる)
ほのり(私とトリーアユミの前にそれぞれ大きなキッチンと冷蔵庫、両者の間に大型ディスプレイが現れる)
ほのり(ふむ、テレビの代わりにここにお互いの映像が映し出されるのね……)
ほのり(これで海未さんたちにも詳しい状況が分かる)
ほのり(他にステージにせり上がって出てきたものは
>>899
)
899
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/07(木) 22:56:20 ID:xKUYJ4uA
お題ルーレットと宝箱
900
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/08(金) 00:03:20 ID:5OvhHKUU
ほのり(他にせり上がって来たものは……これまたテレビ番組でよく見るルーレットと大きな宝)
ほのり(前者は料理名がたくさん書いてあるからお題なんでしょうけど、後者は何に使うかいまいち予想がつかないわ)
アユミ「これで準備完了っと」
アユミ「キッチンの上にピンマイクがあるからそれを付けなさい、あなたの声も客に聞こえるようになるわ
ほのり「ふむ」パチッ
アユミ「では勝負の内容を説明するわ」
アユミ「まずお題ルーレッドを回してお題となる料理を決定、制限時間以内に料理を作って審査にかける」
アユミ「その結果で勝負が決まるわ、わざわざ説明する必要もない簡単なルールでしょ」
ほのり「ええ、単純明快ね」
ほのり(相手は天才パティシエ、料理の腕は1流でしょうけど……ジャンル次第なら勝機はあるかもしれない)
ほのり(私の全力を出して何とか食らいついてみせるわ!)
アユミ「じゃあ始めるわよ!」ガッ!
アユミ「ルーレット――」
ガララララララッ!!
アユミ「スタートっ!」
─────────────────
キッチンスタジアム
AM??〜AM?? 新終末編『244』了
901
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/08(金) 00:04:02 ID:5OvhHKUU
というわけでここまで
クッキング開始
新終末編『245』に続く
かもしれない
902
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/08(金) 20:01:41 ID:5OvhHKUU
新終末編『245』
─────────────────
──キッチンスタジアム
AM??
ガララララララッ!!
ほのり(高速で回り続けるルーレット)
ほのり(デジタル式ではなく上部に緩めのストッパーが付いていて段々減速していくアナログ式)
ほのり(回転が止まった時にストッパーの位置にあったお題が選ばれるシンプルなものだから、イカサマの予知は余り無いと思う)
ほのり(ま……プロのパティシエが素人の私相手にイカサマして何になるって話だけどね)
ほのり(何のお題が出たって私には精一杯頑張る以外の選択肢はない……!)
ガララララララッ!
カラララッ
ララッ
ほのり(ルーレットの勢いが段々と弱まっていく……そして……)
カラッ
カラッ
アユミ「さーて……今回の対決のお題は……」
カタッ
ジャッジャーーンッ!!
ほのり(ルーレットが完全に停止すると、安いファンファーレがスタジアム中に鳴り響く)
ほのり(トリーアユミは襟のマイクに口を近づけお題を大々的に叫んだ)
アユミ「
>>903
に決定よ!」
903
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/08(金) 20:38:03 ID:N3RSPKzY
DXチーズケーキ鍋
904
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/08(金) 21:31:01 ID:5OvhHKUU
アユミ「DXチーズケーキ鍋に決定よ!」
ほのり「チーズケーキ鍋……?」
アユミ「料理の解釈は料理人の自由にしてオーケー、そこも腕に含まれるわ」
アユミ「どれだけ自分の発想をDXチーズケーキ鍋というお題で活かせるか……勝負よ南ほのり!」ビシッ!
ほのり「……っ!」
アユミ「よーーいっ、スタート!」
ビーッ!
ほのり(開戦のブザーが鳴ると、トリーアユミは迷いなく行動し始める)
ほのり(冷蔵庫に走りテキパキと食材を取り出し、調理器具を調理台の上に並べていく)
アユミ「あれとこれと……よし!イメージはできてる!」
ほのり(対する私は制限時間のタイマーが動き始めたというのに何も出来ずにいた)
ほのり(チーズケーキ鍋を始めとしたチーズケーキ味の料理は母さんたちのクッキングで度々登場したもの)
ほのり(どちらかといえば魔王と戦い始めてから母さんがよく作っていた気がする)
タタタッ
ほのり(鍋ってことは味付けはチーズ……でいいのかな)
ほのり(取り敢えず食材が置いてある場所からチーズを――)
ほのり「って……ええっ!チーズってこんなに種類があるの!?」
ほのり「こんなの何が良いか分からないわよ……!」
905
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/08(金) 21:31:23 ID:5OvhHKUU
・
・
──観客席
フルタマン「地球のみんな!こちら実況のフルタマン、解説の園田海未さんでお送りしているぞ!」
海未「いつの間に解説に……」
フルタマン「園田さん、両者の立ち上がりの動きは対照的に見えるね」
海未「まぁ相手は自称天才パティシエなのでしょう?お題を聞いた瞬間にレシピは頭の中に浮かんでるはずです」
海未「逆にほのりは素人、時間に焦らずじっくり考えてくれれば良いのですが……」
フルタマン「料理のポイントになる所はどこだと思う?」
海未「まずチーズケーキ鍋をどう解釈するか……ですかね」
海未「チーズ味の鍋にするか、チーズケーキを活かした鍋にするか」
海未「見てください、トリーアユミは既にケーキ作りに取り掛かっています」
フルタマン「おおっ!トリー様!ボールに生地の材料を入れて混ぜ始めているううっ!」
海未「さすがはパティシエ、無駄のない高速のケーキ作りです」
海未「一方のほのりはチーズ鍋を意識してベースとなるチーズを選びにかかったようですね」
海未「ただ一口にチーズと言っても種類は豊富、素人目にはどれが鍋に合うものか分からないでしょう」
フルタマン「ふむ、ではベースの味作りでは南ほのりが不利と」
海未「そうですね、ほのりが勝負できる箇所は基礎的な部分以外の創意工夫、既存の発想に囚われないアイディアです」
海未「具体的には入れる鍋の具を奇抜なものにしたり、具は別にしてフォンデュ形式にしてみたり、普通の鍋を取り分けてチーズソースに付けるディップ形式にしたり」
海未「思い切って熱々ではなく冷製にしてみる、あくまでデザートとしての側面を際立たせてみる……というのも良いでしょう」
906
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/08(金) 21:32:06 ID:5OvhHKUU
ザッ
ダル子「でも……それくらい当然相手も考えますよね」
海未「……ええ、そして相手のほうがアイディアの質も高い」
ウミトラマン「じゃあどうするんです?」
海未「1つ言えるのはこれは単なるプロの料理人VSアマの料理人の戦いではない」
海未「ほのりには異能を宿した道具がある、それを忘れてはなりませんよ――」
・
・
──ステージ
ほのり「うーむ……」
ほのり(ダメだ、なーんにも思いつかない)
ほのり(適当なチーズを何個か持ってきて、調味料も何個か持ってきて、取り敢えず鍋に水と一緒に入れてコンロの上に置いたけど)
ほのり(そこから一向になーんにも思いつかない、アイディアが出てこない)
ほのり「そうねぇ……こうなったら
>>907
」
907
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/08(金) 21:38:51 ID:alLm1He2
全部混ぜよう
908
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/08(金) 22:51:53 ID:5OvhHKUU
ほのり「とりあえず数個と言わずあるもの全部混ぜてしまいましょう!」
ガタガタガタッ!
ほのり(私は食材として用意されていたチーズの塊を全種類調理台の上に持ってくる)
ほのり「よいしょ……よいしょ……よいしょっと!」
ドンッ!
アユミ「へぇ〜全部混ぜるねぇ、確かにチーズは複数の種類を混ぜたほうが味は重奏的で美味しくなる」
アユミ「でも全部は強引だと思うわ、制限時間以内に全部のチーズの塊を砕いて混ぜ合わせるなんて――」
ほのり「それが出来るんだなぁ」
アユミ「なに?」
ほのり「ラブライブレード!」
カチカチッ
ほのり「モード矢澤にこ-β:無限の剣製――」
キュィィィィィンッ!!
ほのり(ピンクに発光するラブライブレードを床に突き刺すと、私のキッチンスペースに重なるように異なる景色が広がる)
ほのり(にこさんの固有結界、無限の剣製だ……)
アユミ「へぇ〜」
ほのり(ただ、あくまで借り物の力だということに変わりはない)
ほのり(塗りつぶせる現実は私の周囲数メートルだけだし、投影できる時間だって限られる)
ほのり(けれど……今の私にはそれでいい、1つの武器さえ投影できれば充分!)
ほのり「――トレースオン、ラブライブレード!」
909
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/08(金) 22:52:08 ID:5OvhHKUU
シュッ!
ほのり(もう1本……いや2本のラブライブレードを投影し両手でラブライブレードと構える)
ほのり(そして1本を白に、もう1本を再びピンクに発光させる!)
ほのり「モード南ことり:ぴゅあぴゅあマカロン!」
ほのり「――の中からBurning Devil Macaron!!」
ポンッ!
ボォォォォォウッ!!
ほのり(左手の白く光るラブライブレードを振ると炎の悪魔が飛び出してきた)
ほのり(バーニングデビルは母さんがやっていたように、自分の武器と合体させることができる)
ほのり(次に右手のピンクに光るラブライブレードでにこさんのツインテタイフーンを再現、大剣を風巻く双剣に変化させる)
ほのり(そしてバーニングデビルと双剣を合体させれば――)
ガシャンッ!!
ほのり「モードにこ&ことり:バーニングタイフーンブレードっ!!」
ボォォォォォォウッ!!
ほのり(灼熱の旋風を纏う双剣が、私の両手に顕現する!)
910
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/08(金) 22:52:23 ID:5OvhHKUU
・
・
・
──観客席
海未「なっ……!」
ダル子「何なんですかアレ!?確か複数同時再現は無理だったはずでは……」
海未「ええ、1つのラブライブレードで再現できるのは1つの能力だけと言っていました」
海未「ですがほのりのやつ……にこのUBWを利用することでラブライブレード自体を複製してしまいました」
海未「更に心エネルギーを使うことりのマカロンまで使うなんて……とんでもない無茶ですよ」
海未「魔力と精神力のドカ食いもドカ食い、料理が終わるまで立っていられるかさえ分かりません……!」
911
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/08(金) 22:52:40 ID:5OvhHKUU
・
・
・
──ステージ
ほのり(分かってるわ海未さん……私の元気はもう長くは保たない……)
ギュッ
ほのり「だから……高速の調理でケリを付ける!3分クッキングがμ'sの理念よ!」
アユミ「ふふふっ、何を見せてくれるのかしら……楽しみでたまらないわ!」
ギュルルルルルルッ!!
ザクッ! ザクッ!
ほのり(灼熱に熱された双剣をチーズに突き刺して持ち上げ、大きな鍋へ突っ込んでいく)
ほのり(そのまま鍋の中に剣を入れ、高温の刀身でドロドロに溶かしながら纏った旋風の回転力で一気にかき混ぜる!!)
ジュゥゥゥゥゥッ!!
ギュォォォォォォォォォウッ!!!!
アユミ「素晴らしい!灼熱旋風の双剣を調理器具へとして使うのね!」
アユミ「あれだけあった大量のチーズの塊が超高速で1つの液体になっていくわぁ!」
ほのり「ちょっと聞きたいんだけどー!この鍋は私の全力で壊れたりしないんでしょうね!」
アユミ「心配ご無用!レヴィアタンの中のものはレヴィアタンと同じ強度を持ってるわ!」
アユミ「存分にあなたの腕を奮ってちょうだい!灼熱の料理人ほのり!!」
ほのり「それなら遠慮なく――」
ギュルルルルルルォォォォォッ!!
912
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/08(金) 22:52:54 ID:5OvhHKUU
ほのり(双剣を動かす度に溶かした液状のチーズが宙を巻い、空気を含んでかき混ぜられ、大鍋の中のチーズの海に落ちていく)
ほのり(今の私なら大量のチーズを飴細工のように自由自在に操れる、まるでちょっとした職人の気分)
ほのり(これでチーズの問題は解決した、まぁ実質的にどうかは分からないけど……したことにする!)
ほのり(あとは鍋の中身を決めなきゃいけない)
ほのり(チーズを活かすなら具材は少なめで味さえ整えればいい、ケーキ要素を出すならそれっぽい具材を足した方がいい)
ほのり(敢えてガツンと肉や野菜でも入れる選択肢だってある、審査は微妙になりそうだけどね)
ほのり(別にどれでもいいけど……そうだな、今の気分は
>>913
)
913
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/08(金) 23:03:18 ID:N3RSPKzY
凛ちゃんラーメン
914
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/08(金) 23:48:33 ID:5OvhHKUU
ほのり(ラーメン!鍋と言ったらラーメンだわ!)
バッ!!
ほのり(食材置き場の戸棚を見ると各種麺が本格的なものからインスタントのものまで揃っている)
ほのり(私に本格的な製麺をする技術はない、ここは妥協してインスタントを選ぶべき)
ガララッ!
ほのり(インスタントも種類が多いけど……そうね、私が選ぶのはこれ!)
ガシッ!
ほのり「凛さんがパッケージにいる凛ちゃんラーメンしかない!」
アユミ「料理対決の場でインスタント麺……?」ピクッ
アユミ「料理漫画では敢えて使うベタな手だけど……ほのりの場合は速度を優先したのかしら」
バリッ!
ほのり(凛ちゃんラーメンの袋を切り裂いて中の麺とスープの元をチーズ鍋にぶち込む)
バチャチャチャチャッ!!
915
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/08(金) 23:48:48 ID:5OvhHKUU
アユミ「中々興味深いクッキングねぇ」
アユミ「ま、相手ばかり見ててもナンセンスだし、私も自分の調理を進めるわ」スッ
キィィィィィィィィンッ!
ほのり(なにかしらアレ……トリーアユミの鍋から冷気みたいなものが発せられている……?)
アユミ「ふふっ、驚いた?」
アユミ「同じことしてもつまらないからね、あなたが灼熱の料理をするのなら私のはその逆――極寒の料理よ」
ほのり「……へぇ」
ギュルルルルルルッ!!
ほのり(天才パティシエが作る料理、気にはなるけど今は自分のことだけに集中!)
ほのり「さぁ!私のクッキングも大詰めよ!」
─────────────────
キッチンスタジアム
AM??〜?? 新終末編『245』了
916
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/08(金) 23:49:28 ID:5OvhHKUU
というわけでここまで
次で調理は終わりかな
新終末編『246』に続く
かもしれない
917
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/09(土) 20:00:16 ID:OlfUnxKY
新終末編『246』
─────────────────
──キッチンスタジアム・ステージ
AM??
トンッ!
ほのり「できた……」
ほのり(グツグツと煮えたぎるチーズラーメン鍋、彩りのために軽く葉を散らして私の料理は完成した)
ほのり(何十種類ものチーズを混ぜ込んだ濃厚なスープは芳しい香りを放っている)
ほのり「これが私の料理、凛ちゃん印の灼熱チーズラーメン鍋DXよ!」
アユミ「こっちも完成したわ……」
アユミ「私のアーティスティックスイーツ料理、天才が送る氷結チーズケーキ鍋DX!」
ババーンッ!
ほのり(トリーアユミが出した鍋はドライアイスのようにモクモクと冷気を放っていて、鍋の外側には氷がへばり付いている)
ほのり(いったいどんな料理なのか気になるわね……)
ほのり「さて、両者出揃ったみたいだけと……ここから審査に入るのよね、審査は誰がするの?」
アユミ「もちろん考えてあるわ」パチンッ
アユミ「審査は
>>918
」
918
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/09(土) 20:08:01 ID:YQnbf4eY
お互いが食べさせっこして勝ち負けを決める
919
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/09(土) 20:40:18 ID:OlfUnxKY
アユミ「審査はお互いが食べさせっこして勝ち負けを決めるのよ」
ほのり「なるほど、他に審査員を用意するわけじゃなくてお互いの舌で判断するのね」
アユミ「そうよ、一流の料理人なら自分の舌に嘘は付けないもの」
ほのり「…………」ゴクッ
アユミ「じゃあまずは私のから食べてもらうわ」スッ
スタスタ
トンッ
ほのり(トリーアユミはお互いのキッチンの間にある審査員用のテーブルに鍋を運んで置く)
アユミ「来なさい南ほのり」
ほのり「え、ええ……」
ほのり(私がその場へ行くとトリーアユミの料理の全貌が見えた)
920
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/09(土) 20:40:36 ID:OlfUnxKY
ほのり(料理の名前通り、冷気を吹き出す鍋の中にはキンキンに凍り付いたチーズケーキが入っていた)
ほのり(チーズケーキは鍋の3分の2くらいを隙間なく埋めていて、鍋の形に沿って円形の形をして……)
ほのり(更に生地の中には様々な色をした丸い氷が埋め込まれている)
ほのり(これが……鍋?スイーツと言われたほうが納得できるくらい奇抜な見た目をしているわ)
ほのり(鍋なのに液体でも無ければ熱くもない、さすが天才パティシエ……発想が飛んでいる)
アユミ「よっと」サクッ
ほのり(彼女は鍋の中身を本当のケーキの如く切り分け、小皿にとって私の前に置く)
アユミ「さぁどうぞ、私の妙技を味わうといいわ」
ほのり「……じゃあ……食べるわよ」
ほのり(出された料理を口に運ぶ)
モグッ
ほのり「……っ!?」
ほのり(こ、これは……
>>921
)
921
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/09(土) 21:17:56 ID:YOk/QDDk
口の中が氷河期
922
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/09(土) 22:21:53 ID:OlfUnxKY
ほのり(これは……口の中いっぱいに広がる度し難い冷たさ、いや……冷たさなんて生易しいものじゃないわ!)
キィーンッ
ほのり「ぐっ……!?」
ほのり(その感じたことのない未知の感覚は、口に入れた瞬間に自分が凍り付く錯覚さえ引き起こす)
ほのり(鼻から吸った空気が凍てつく冷気に変わって肺に届き、冷気が肺から血中に溶けて臓器や脳に達する)
ほのり(体全体の体温が内側下がってマトモに思考することさえ出来なくなってしまう)
ほのり(やがて肌が氷と雪で覆われていって……)
ピキッ パキッ ピキッ
ほのり(もちろんこれは錯覚だ、料理漫画にありがちな幻覚だ、そんなことは分かっている)
ほのり(分かっているのに……まるで魔法にでもかけられたみたいに体が固まって動かない)
ほのり(トリーアユミの料理の虜にされてしまっている……!)
ほのり(でも……これはなに……?)
ほのり(どこまでも広がる極寒のイメージ、氷の大地、氷河期の地層の中に少しずつ芳醇な何かが姿を現してくる)
ほのり(まるで氷に閉じ込められたマンモス、強烈なインパクトの冷たさの向こう側からチーズの美味しさがやってくる!)
キュゥゥゥゥゥゥンッ!!
ほのり「んんんんんっ!?」ビクッ!
アユミ「辿り着いたようね、氷の奥のお宝に」
923
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/09(土) 22:22:14 ID:OlfUnxKY
ほのり「これは……」
アユミ「私が取った方法はチーズの美味しさを氷の中に凝縮して凝縮して閉じ込める方法」
アユミ「ファーストタッチで圧倒的な冷たさに驚かせた後に、凝縮された旨味を一気に放出させるのが狙いよ」
アユミ「ケーキの生地以外に埋め込んだ様々な氷の中にもそれぞれ旨味成分が閉じ込めてあるわ」
ほのり「ほんとだ、味わえば味わうほど氷の中から色んな味が飛び出してきて飽きが来ない」
ほのり「それに口の今度で溶けた氷が美味しい鍋のスープになって喉に流れ込んでくる……」
ゴクンッ
ほのり(すごい……奥深い料理だわ、さすがはレヴィアタンを作った料理人なだけはある)
ほのり(こんな人に私が勝てるのかしら……)
アユミ「ま、私の料理はこんなものよ」
アユミ「次はあなたの作った料理を食べさせてちょうだい?」
ほのり「……分かったわ」
ほのり(私は自分の調理台に戻って鍋からチーズラーメンを器に救ってトリーアユミの元に持っていく)
トンッ
ほのり「お待ちっ」
924
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/09(土) 22:22:41 ID:OlfUnxKY
アユミ「……ふむ、食べさせてくれる?」
ほのり「え?」
アユミ「食べさせあいっこすると言ったでしょう?あなたは勝手に食べちゃったけど」
ほのり「あー……そういう意味だったのね」
アユミ「はいあーん」
ほのり「うっ……あ、熱くても知らないわ」
ほのり「ふー、ふー」
ほのり(未だグツグツと煮え立つ器から箸で麺を掬って、出来る限りふーふーして冷ましてあげる)
ほのり(まぁ他人にあまりふーふーされても不快だろうから適当な所でやめ、麺を彼女の国の中へ運ぶ)
ほのり「はいあ〜ん」
アユミ「あむっ」
ほのり(そしてチーズラーメンを口にしたアユミは
>>925
)
925
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/09(土) 23:03:43 ID:MUrCTQEg
昇天した
926
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/09(土) 23:51:57 ID:OlfUnxKY
ほのり(チーズラーメンを口にしたアユミは……)
アユミ「んっ!んんんんんんんんんっ!?」
ビクビクビクッ!!
ほのり(ラーメンをすすった瞬間に体を激しく痙攣させて昇天した)
アユミ「なにっ!?この濃厚に濃厚を重ねて練りに練り込んだチーズの海は……」
アユミ「更に一見陳腐に思えるインスタント麺が余すところなくチーズを絡め取っているわ!!」
ガタッ!
ズルルルルルルッ!!
ほのり(トリーアユミは私から箸を取ると食べさせ合いも忘れて麺とスープを一気に貪る)
アユミ「はふっ、はふっ!」
アユミ「一口食べる度に数百種を超えるチーズの味が味覚に襲い掛かってくる!」
アユミ「美味しいマグマが私の中に流れ込んでくる!」
アユミ「こんなの絶対火傷しちゃう熱さなのに、止まらない……鍋を食べる手が止まらないわぁぁぁぁぁっ!」
ジュルルルルルルッ!!
アユミ「あぁ……幸せ……」
927
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/09(土) 23:52:12 ID:OlfUnxKY
・
・
・
──観客席
海未「これは……」
海未(スタジアムの巨大モニターには一心不乱にチーズラーメンを食べるトリーアユミの姿が映し出されていた)
海未(顔を真っ赤にして唇を腫れさせてなお、濃厚なチーズスープを飲み続けている)
フルタマン「これは完全に虜になってしまったな、トリー様の負けだ」
海未「負け……ということはほのりの勝ちですか!?」
フルタマン「ああっ」コクンッ
ダル子「待ってください、トリーさんが作った料理も中々のものだったと思いますが……」
フルタマン「そうだね、でも今回の勝負はお互いの料理を第三者が比較するものではない」
フルタマン「これはお互いに食べあってどちらかが負けを認めるかという勝負」
フルタマン「そして南ほのりがどう答えようと……トリー様はおそらく負けを認める」
フルタマン「トリー様があれほど満足なされた顔を見たのは久しぶりだ」
海未「フルタマン……」
海未(モニターを見つめるフルタマンの表情はハイエイトチョコに隠れて半分しか見えないものの、どこか満足げな顔をしていた)
フルタマン「彼女の勝ちは君たちの勝ち、持っていくといい!」
フルタマン「このスタジアムの地下に保管されている目的の物――サトゥルヌスの体を!」
海未「はいっ!」
─────────────────
キッチンスタジアム
AM??〜?? 新終末編『246』了
928
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/09(土) 23:53:19 ID:OlfUnxKY
というわけでここまで
一応勝負はついたかな
新終末編『247』に続く
かもしれない
929
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/10(日) 20:10:11 ID:5UwzjAfA
新終末編『247』
─────────────────
──キッチンスタジアム・ステージ
AM??
・
・
・
アユミ「……ふぅ」
コトンッ
ほのり(トリーアユミはチーズラーメン鍋を食べ切ると満足そうな顔で息を吐く)
アユミ「良い料理だったわ、こんなに満足したのはいつぶりかしら……」
アユミ「悔しいけどあなたの勝ちよ南ほのり、宝箱の中に入ってる鍵は持っていくといいわ」
パチンッ
ほのり(そう言ってトリーアユミが指を鳴らすと近くにあった宝箱が開く)
カチャッ グィーーーーッ
ほのり「鍵……?」
アユミ「この収容区画に預けられている物品を引き出すためのスペアキーよ」
ほのり「なるほど、それがあればサトゥルヌスの本体を取り出せるわけか……」
ほのり(正直勝てたという感覚は全くない、勢いでゴリ押しだだけで腕は向こうが上だった)
ほのり(トリーアユミが負けを認めてくれたのは幸運以外の何者でもない)
ほのり(でも……勝ちは勝ち、ラッキーだろうが貰えるものは貰わなきゃ損!)
タタッ
ほのり(私は宝箱へ駆け寄り、中の鍵を取り出して自分の手にしっかりと握る)
ほのり(そして鍵を握りしめた手を天高く突き上げた)
ほのり「この勝負……私の勝ちよ!」バッ!
テレッテッテテーン! ボンッ!! ボンッ!!
ほのり(台詞と同時に背後で謎のファンファーレと爆発演出が発生してちょっと恥ずかしい……)
ほのり「しかしこの鍵……よく見ると変なところがあるわね」
ほのり「どうして
>>930
」
930
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/10(日) 20:18:12 ID:DqEmxBus
南家のとさかが付いてる
931
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/10(日) 21:30:35 ID:5UwzjAfA
ほのり「どうして鍵の頭に南家のとさかが付いてるのかしら」
ほのり「このとさか……お母さんやお母さんのお母さんに付いてるものに凄い似てるわ」
海未「ほのりーっ」タタタタッ
ほのり(私が鍵を見ていると、観客席にいたはずの海未さんたちがステージまで来ていた)
ほのり(私が勝利したことを知って駆けつけてきてくれたんだろう)
ほのり「海未さん!」
海未「料理対決お疲れ様でした、そして勝ってくださってありがとうございます」ペコリ
ほのり「い、いやいやっ、やれることをやっただけよ……そんなに特別なことじゃないわ」
ダル子「照れなくていいですよ、ほのりさんは頑張ってくれました」ニッコリ
ほのり「そ、そう……」
ダル子「?」
ほのり(ダル子って母さんや海未さんたちμ'sのファンで、憧れの対象として慕ってるのよね)
ほのり(でも……なんか親のファンってどういう反応したら良いか分からなくて少し戸惑っちゃう)
ほのり(なぜか私にも敬語だし、普通に喋ってくれていいのにな……)
海未「ほのり?」
ほのり「あ、ああっ、それで鍵を手に入れたんだけど……見てこれ」スッ
海未「一見変哲のない鍵に……とさかが付いてますね」
932
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/10(日) 21:30:52 ID:5UwzjAfA
ほのり「私は母さんのとさかに似てると思ったんだけど、海未さんは心当たりない?」
海未「ふむ……とさかとさか……」
海未「トリー!サトゥルヌスを預けに来たのは魔王自身なのですよね!」
ほのり(海未さんの質問に少し離れた場所に座っているトリーアユミが答える)
ほのり(彼女の後ろには海未さんたちと同じタイミングで来たであろうフルタマンが立っていた)
アユミ「ええそうよ、その際に鍵を2つ作成したわ」
アユミ「2つとも魔王に渡して確認してもらった後、一方は魔王がそのまま所持、もう一方は私が予備として保管していたの」
海未「このとさかについては?」
アユミ「鍵にアクセサリーを付けるのは利用者の自由だから関与しないわよ」
アユミ「ただチェックはしてるから、アクセサリーのせいで鍵の機能が損なわれることは無い」
アユミ「それだけは保証しておくわ」
海未「ふむ……」
海未「魔王と南家には何故か不思議な縁がある、何か意味があるのかもしれません」
海未「それにとさかは幻想種とさかが思い出されますね」
ダル子「大阪や大雪山拠点で暴れていたとさか型の寄生幻想種ですよね」
海未「はい、大阪のほうは倒せましたが最初に現れた個体は行方知らずです」
海未「マザーの仲間が大雪山拠点跡に押し入った時には既にもぬけの殻だったそうですし……」
海未「ダル子、あなたから見てこのとさかに何か感じませんか?」
ダル子「私ですか?そうですねぇ……
>>933
」ジーッ
933
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/10(日) 21:35:04 ID:NRNOLC9k
おばさん臭いです
934
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/10(日) 22:18:06 ID:5UwzjAfA
ダル子「……おばさん臭いです」
海未「え?」
ダル子「ああ、正確に言うと大人の女性の匂いの粒子が強く付着してるのが見えますね」
海未「大人の……」
ほのり「やけに科学っぽい解析ね、中に封じられた異能がどうとかって話じゃないんだ」
ダル子「魔眼持ち穂乃果さんの魔眼ならそういったこともできるでしょうけどね」
ダル子「私の神眼はあくまで視覚を極限まで強化するだけ、遠視や透視には長けていますが異能的解析は得意分野ではありません」
ほのり「そうなんだ」
ダル子「あ、長けてないだけで出来ないことはないですよ」
海未「大人の女性……ということは理事長が関わっている可能性が高いですね」
ほのり「あの理事長さんが?」
海未「ええ、理事長はサトゥルヌスを目覚めさせるための贄として大雪山拠点に捕らえられていました」
海未「彼女の成分が何かの役割を成すというのなら、とさかを付けることで鍵に同じ役割を持たせてる……と考えるのが自然」
ほのり「鍵に鍵以外の役割、つまりレヴィアタンから取り出した後に必要になることよね」
ほのり「それってまさか……」
海未「ええ、おそらくは起動キー」
ほのり「……っ!」
935
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/10(日) 22:18:23 ID:5UwzjAfA
海未「魔王は理事長のとさかを付けることにより、サトゥルヌス本体を目覚めさせる効果をこの鍵に追加した」
海未「その可能性が限りなく高いです」
ダル子「すごい危険なことじゃないですかっ!両腕が無いとはいえサトゥルヌスは厄介な神格ですよ」
ダル子「何も対策しないまま目覚めたらどうなることか……」ゴクッ
海未「大丈夫です、策ならありますよ」
ウミトラマン「ほう」
海未「マザーの仲間は大雪山拠点からサトゥルヌスの各パーツが隠された場所、及び各パーツのコントロール方法が載った書類を入手済み」
海未「マザーから受け取ったこのマニュアルにもそれは書いてあります」
パラララッ
海未「『任務最終フェーズⅠ:レヴィアタンからのサトゥルヌス本体の回収に成功し次第、コントロール試験へと移行する』」
海未「『本体のコントロール方法は
>>936
』」
936
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/10(日) 23:10:48 ID:CN1WVI8U
現役大和撫子系JKが超マイクロビキニでパフパフしてテンションを上げ、付属のコントローラーでジャイロ操作する
937
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/11(月) 00:03:21 ID:yB7DMPmo
海未「『現役大和撫子系JKが超マイクロビキニでパフパフしてテンションを上げ、付属のコントローラーでジャイロ操作する――」
バンッ!!
海未「ってなんですかこれっ!!」
ほのり(そこまで読んだところで海未さんはマニュアルを床に叩きつけた)
ほのり(叩きつけられた衝撃でマニュアル本の隙間からほとんど紐にしか見えない水着の上下が飛び出る)
ほのり(そしてマニュアルの裏表紙に張り付いていたタブレットのような薄くて長方形のデバイスが外れた)
ウミトラマン「なんだ全部用意されてるじゃないですか」
ウミトラマン「海未がこの水着を来てコントローラー操作すれば良いだけですね」
海未「良いわけないでしょうっ!」
ウミトラマン「何故?」
海未「恥ずかしいからですよ、それに大和撫子系JKと書いてるだけで私は指名されていません!」
ほのり「でもこの場で条件に合うのなんて海未さんくらいよね」
ウミトラマン「面積の少ない服なら私も着てるから大丈夫ですよ」
海未「デフォルト痴女のあなたと一緒にしないでください」
ウミトラマン「なっ!」
938
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/11(月) 00:04:30 ID:yB7DMPmo
ほのり(当然ながら渋る海未さん、そこへダル子が神妙な面持ちで前に進み出る)
ダル子「海未さん……失礼なお願いだとは承知しています、ですがサトゥルヌスをコントロールできるかどうかは世界の存亡に関わっている案件」
ダル子「ここは恥を覚悟で一肌脱いでもらえませんか!?」
海未「くっ…………」
ダル子「海未さん!」
海未「わ……わたしは……」
パンパンッ
アユミ「はいはい、葛藤してるところ悪いけど私の仕事も進めさせてね、まずは預かり品の確認をしてらうわ」
ほのり(両手を打ち鳴らしてトリーアユミは注目を集める、側にいたフルタマンはいつの間にかいなくなっていた)
ほのり「確認……?それにフルタマンはどこに行ったの?」
アユミ「フルタマンはスタジアムの管理室に行ってるはず、そこで操作盤を切り替えるように命令したからね」
ほのり「操作?操作って――」
アユミ「ほら、開くわよ」
ほのり「っ!?」
ガチッ ゴゴゴゴッ!
ほのり(その瞬間、スタジアムの床に一直線の割れ目が出現した)
939
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/11(月) 00:04:51 ID:yB7DMPmo
ほのり(割れ目が出現したのは楕円形のスタジアムの丁度真ん中、左右にセパレートされた床が卵の殻を割るように外側へスライドしていく)
ガガガガガガガガガガガガッ!
ほのり(床に設置されてるステージに乗ってる私たちは何も出来ず、動く床の片方に乗ったまま移動させられる)
ほのり(さっきまでスタジアムのほぼ中央にいたのに、いつの間にか観客席の近く……スタジアムの端に来てしまっていた)
ほのり「床じゃない……蓋だったんだ……」
アユミ「そうよ、ここはスタジアムであると同時に巨大収容区画」
アユミ「スタジアムの床は天板の役目を持っていて、これをスライドさせて開くと地下部分が出現する仕組み」
ほのり(開け放たれた天蓋、ぽっかりと大きな口を開けたスタジアム)
ほのり(私たちの眼下には縦横に広大な直方体の地下空間が広がっていて――)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!
ほのり(そこには、無数の鎖に縛り付けられたサトゥルヌスの巨体が存在していた)
─────────────────
キッチンスタジアム
AM??〜?? 新終末編『247』了
940
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/11(月) 00:05:45 ID:yB7DMPmo
というわけでここまで
本体との邂逅
海未ちゃんは頑張れるのか
新終末編『248』に続く
かもしれない
941
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/11(月) 20:16:35 ID:yB7DMPmo
新終末編『248』
─────────────────
──キッチンスタジアム
AM??
海未(サトゥルヌス……話には聞いていたけど直接見るのは初めてですね)
海未(顔は老神のイメージによくあるような長い髪と髭が伸びた威厳のある顔)
海未(体は老人の顔とは打って変わって筋骨隆々、腕はないものの確かな力強さを感じさせる肉体)
ウミトラマン「随分と大きいですね、普段の私の大きさといい勝負ですよ」
海未「それもそのはず……」
海未「ローマ神話の神であるサトゥルヌスはギリシャ神話のクロノスと同一視されます」
海未「そしてクロノスはティターン族の王と言われる存在」
ダル子「ティターン?」
海未「巨人を現すタイタンの語源ですね、ダル子に分かるように言えば北欧神話の霜の巨人に近い存在でしょうか」
ダル子「ほうほう」
海未「ティターンの神々を率いて今の主神であるゼウスと戦争を繰り広げた先代の王」
海未「ほのりたちを排除するためにこんなものを持ち出すのだから……魔王の本気度が伺えます」
ダル子「腕っ節強そうですもんねぇ」
海未「いや、サトゥルヌスに関してはおそらく子食いの伝承の方を利用した――」
海未「……ん?」
ダル子「どうしました?」
海未(ダル子たちに魔王の思惑を話そうとしていたところ、実際に見たサトゥルヌスのある部分に違和感を覚えた)
海未(あんなもの……伝承には無かったような……)
海未(違和感の正体、それは
>>942
)
942
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/11(月) 20:19:27 ID:P2wI5PsQ
スカートを履いてる
943
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/11(月) 21:44:47 ID:yB7DMPmo
海未(それは下半身にスカートを履いてること)
海未(美術絵画でよく見る古代の腰巻きみたいなものではない、無地で地味な物ではあるものの明らかに現代のスカートだ)
海未(改めて見てみると胸の辺りの布もトップを隠すブラのように見えなくもない)
海未(まさか……筋骨隆々なお爺ちゃんでなく筋骨隆々なお婆ちゃんだったということですか!?)
ガビーンッ!!
ダル子「海未さん……?」
海未「い、いや……些細な問題です、気にしないでください」
海未(そうだ、些細な問題なのだ)
海未(こんな神代の化物に性別など関係ない、マッスルお婆さんとかむしろネタ度が上がってしまった気もしませんが……)
海未(とにかく私のやるべきことは変わらない)
海未「私……脱ぎます!」グッ
ほのり「覚悟を決めてくれたのね」
海未「はいっ!」
海未「……とは言え、自分の正確を考慮するにシラフでは少々厳しい所があります」
アユミ「お酒飲む?材料にあるわよ」
ほのり「まだキッチンのセットあったのね……」
海未「あいにく未成年なので……こちらで行かせて頂きます」
シュルルルッ
944
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/11(月) 21:45:11 ID:yB7DMPmo
海未「マインドコントロールテンタクル――セルフコントロール!」
シュルルルッ! グサッ!
アユミ「髪を変化させて自分の首に刺した……?」
ダル子「MCTセルフコントロール、自分を洗脳する海未さんの能力の1つです」
ダル子「本来は脳のリミッターを外して身体能力を強化したりする技ですが……」
海未「『園田海未に園田海未が命じる、今の服を脱いでマイクロビキニに着替えなさい!』」
ビビビビッ!!
海未「ぐっ……!」
海未(雷に打たれたように体に刺激が走る)
海未(次の瞬間、私の手は"勝手に"標準戦闘服のファスナーに手をかけて勢い良く下ろす)
ジーッ!
海未「あ……あまり見ないでくださいねっ!」
ダル子「は、はいっ!」
海未(体は勝手に脱衣を進めていくも恥ずかしいことに変わりはない、顔が火が出るんじゃないかってほど熱くなる)
海未(周囲にこれといった障害物はない、広いスタジアムのステージで下着まで脱いで生まれたままの姿になる)
海未(スースーして開放感がある……じゃないじゃない、早く水着を着ないと)
ウミトラマン「うーん……私と顔は似てるけど胸は無いですね」ジーッ
海未「見ないでって言いましたよね!ね!」
ウミトラマン「ごめんごめん」
945
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/11(月) 21:45:47 ID:yB7DMPmo
海未「もう……」
海未(不届き者がちゃんと後ろを向いた所で水着を拾って身につける)
スッ
海未(身に着けた……のですが)
海未「うわー……」
海未(身につけて改めて分かりましたが……これは人が身に着ける水着ではない、断じてない)
海未(全体の99%が細い紐、隠れてるところと言ったら最低限の大事なところだけ)
海未(いや……下手すれば最低限の大事なところさえはみ出てしまってるかもしれない)
海未(取り敢えず見た人が不快にならないように下のアレはファントムエッジで剃っておく)
ボォォォッ
海未(実はファントムエッジの紫炎部分は私の意思によって炎の特性を強めるか刀の特性を強めるか選べる)
海未(その中間辺りに設定すれば丁度良い感じに綺麗に焼き切ることができるのです)
ジュゥゥゥッ
海未「ふぅ……」
ダル子「そんなことしなくても元々薄くて気にならないのに」
海未「わぁっ!ダル子いつの間に!」
ダル子「もう着替えは終わったんですよね、なら見ても問題ありません」
海未「それはそうですが……」
ほのり「にしても便利な刀ね、毛は溶解してるのに肌には火傷の跡が一切ついていない」
ほのり「人は斬らないって部分が上手く作用してるのかしら……じゃあ髪の毛とかの場合は……」ジーッ
海未「あの……股間の部分をじっくり見られるのはやめて欲しいのですが」
946
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/11(月) 21:46:27 ID:yB7DMPmo
アユミ「ふむふむ、肌が全体的に綺麗ね、何か体に良い物食べてる?」
海未「ですから……」プルプル
アユミ「まるで軟体生物の肌みたいにスベスベでツルツル」サワサワ
ダル子「あ!たぶんダイオウイカと合成してる影響が体に出てるんじゃないですか?」
アユミ「なるほど、だったら――」
海未「ああもう!いい加減にしてくださいっ!」
バッ!
アユミ「あらら、怒られちゃった」
海未(やたら人の体に注目してくる取り巻きを追い払って、私は床からコントローラー端末を拾う)
海未(まったく……こんな姿をジロジロ見られるなんて赤面を通り越してどうにかなってしまいます)
海未「さて……」
海未(サトゥルヌスをコントロールするためのものらしいですが、見た目は普通のタブレットのように見えますね)
海未(電源ボタンは……これか)
カチッ
海未(側面の電源ボタンを押すと画面がつく、そして
>>947
)
947
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/11(月) 21:55:20 ID:u/gOLcQQ
データをアップデートします。電源を切らないでください。(残り約10分)
948
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/11(月) 22:52:00 ID:yB7DMPmo
ピピッ
コントローラー『データをアップデートします。電源を切らないでください。(残り約10分)』
海未「あ、アップデート?」
ほのり「どうしたの?」
海未「どうやら機器のアップデートが必要らしいんです」
ほのり「アップデート……ということは外部からデータを転送するのかしら」
海未「分かりませんが、もしその形式ならレヴィアタンの中にいたらアップデートが進まない可能性が考えられます」
海未「ここは外部からのあらゆる干渉、もちろん電波も阻害するでしょうから」
ダル子「それは困りますね」
海未「では先にサトゥルヌスをレヴィアタンから出す作業だけしてしまいましょう」
海未「トリーさん、レヴィアタンにその手の機能は……」
アユミ「ええ、あるわよ」
アユミ「レヴィアタンから出した先はお客様に持ち帰ってもらうけど、レヴィアタンから出すまでならサービスの一貫でやってあげる」
サッ
海未(トリーアユミはそう言うと通信機のようなものを取り出して指示を出す)
海未(相手はおそらく地下にいるであろうフルタマンでしょうね)
アユミ「……よし、準備はできたわ」
アユミ「これからサトゥルヌスの格納庫を上昇させるわ、その後にスタジアム上部に外部へのワープホールを作って出す」
アユミ「それで問題ないわね?」
海未「はい、お願いします」
アユミ「じゃあ第六収容区画……上昇!」パチンッ
ウィーーンッ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
949
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/11(月) 22:52:28 ID:yB7DMPmo
・
・
・
──レヴィアタン外部
AM8:15
希(海未ちゃんたちがレヴィアタンの中に入ってから10分くらいの時間が経っていた)
希(途中でレヴィアタンの壁にモニターのようなものが現れて、3分程度に編集された料理対決番組が流れた他は変化がない)
希(あの編集から考えるにレヴィアタンの中とこっちじゃ時間の流れが違うんやろうな)
希(うちらに状況を知らせる意味で誰か……たぶんトリーって人が映像を流してたんやろう)
希(番組の説明からするとサトゥルヌス解放の権利は得たらしいけど)
希(ほのりちゃんが勝ったシーンで番組が終わったからその後どうなったのかは分からん)
希(海未ちゃんたちが無事に出てきてくれることを祈るばかりや……)
かもめ「なんだか大変なことになってるんですね」
コトーリ「うむ」
希(そうそう、こっちはこっちでかもめちゃんが目覚めてたんや)
希(ソーマから回復して少し喋れるようになったかもめちゃんはうちらに話をしてくれた)
希(どうやらかもめちゃんは昨日は名古屋のドアラランドにいたらしい)
希(異空間でミナ仮面が魔王が敗北した後、かもめちゃんはその場から逃走)
希(そして
>>950
な経緯の後、レヴィアタンがある地下大空洞に辿り着いた……と)
950
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/11(月) 22:59:56 ID:l6w29nOs
ガンマンワールドでチーフロキワーカーと死闘を繰り広げた
951
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/11(月) 23:58:29 ID:yB7DMPmo
希(そしてガンマンワールドでチーフロキワーカーと死闘を繰り広げた後、この大空洞に辿り着いた……と)
希(話を聞くにガンマンワールドというのは別次元の世界らしく、たぶんミナ仮面の異世界からそこに迷い込んでしまったのだろう)
希(ガンマンワールドは西部劇のような世界で、そこでスーツを着た謎のガンマン、チーフロキワーカーと交戦を繰り広げ撃退したらしい)
希(かもめちゃん曰く中々の強敵でしたということ)
希(激戦で疲労困憊になったかもめちゃんは意識が朦朧のまま別の次元ゲートに足を踏み入れ大空洞に転移)
希(ここらへはかもめちゃん自身の記憶が曖昧だからよく分からん、ゲートというのもうちの想像やしな)
希(でも次元を移動してることから自然発生する海未ちゃんのキーブレード門みたいのがあるんやろう)
希(そして大空洞にワープしてきたかもめちゃんは疲労困憊から来る空腹のあまりレヴィアタンを食べてしまった)
希(お金を持っていなかったことでフルタマンに捕まり投獄されていたというわけらしい)
希(こっちからは魔王軍が壊滅したこととその後のうちらの経緯を軽く話したが、あんまり興味は無さそうだった)
希(元々組織というものに執着がない子なんやろうか……)
コトーリ「あ、のぞみのぞみ」クイクイッ
希「なんや?」
コトーリ「おかしのいえから……なにかでてくる」
952
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/11(月) 23:58:41 ID:yB7DMPmo
希「え?それって……」
かもめ「家の横です!あそこの空間に巨大な縦穴が空いています!」
希(かもめちゃんが指差した先、うちらから距離的にかなり離れてる場所)
希(お菓子の家の側面から僅かに隙間を開けたその空間には、確かに縦に直径数十メートルはある巨大な穴が空いていた)
希(穴の表面は光を通さないのか真っ黒、そしてその表面から巨大な存在が少しずつ体を出してくる)
希(その正体は巨人)
希(まずは頭、次に首と胸の部分と、横になった巨人が台車に乗せられてるかのようにスライドして出て来ている)
希「あれが……サトゥルヌス……」
コトーリ「うん、たぶんそう」
希(そして鎖に巻かれた巨人の頭の上には、超マイクロビキニを着た殆どの裸の海未ちゃんの姿が……)
希「……って、なんでマイクロビキニ!?」
─────────────────
キッチンスタジアム〜大空洞
AM??〜AM8:16 新終末編『248』了
953
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/11(月) 23:59:12 ID:yB7DMPmo
というわけでここまで
まだ起動はしてません
とりあえず出しただけ
新終末編『249』に続く
かもしれない
954
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/12(火) 20:15:01 ID:bPcS.1M.
新終末編『249』
─────────────────
──地下大空洞
AM8:16
海未(転送ゲートを通り、サトゥルヌスと共にレヴィアタンの外へ出た私たち)
海未(そんな私をまず襲ったのは……耐え難い寒さだった)
海未「……っ!」ブルルッ!
海未「さ、寒っ!寒くないですかここ!?」
海未(全身に鳥肌が立ち震えが止まらない、私は思わず両腕で体を抱える)
ガチガチッ ブルブルッ
ほのり「そりゃ寒いでしょうよ」
ほのり「洞窟内と言っても外は冬の北海道、しかもAAS雲のせいで例年を下回る気温になってる」
ほのり「その冷気が流れ込んでくる所でほぼ全裸な格好……誰から見てもマトモじゃないわ」
海未「うぅぅ……だから制御するためなんですって……」ブルブルッ
ダル子「私たちが着ている特製戦闘服は温度調節機能が付いてますからね」
ダル子「これを脱いで他の物を着ると余計寒く感じるのかもしれません」
ほのり「そうだ灼熱チーズラーメンあまりがあるけど食べる?少しは温まるんじゃない?」
海未「はい、ありがとうございます」
ズルルルルルッ
海未(そうして寒さに耐えながらほのりの鍋を食べていると、外で待っていた希たちがこちらへ走ってきた)
955
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/12(火) 20:16:06 ID:bPcS.1M.
タタタタタッ
希「海未ちゃん!その格好どうしたん?痴女になったん!?」
海未「痴女にはなってません!」
海未(サトゥルヌスの頭の麓……言い方は変ですが、要は後頭部の辺りの地面で希たちは止まる)
海未(希、コトーリさん、それから善子は怪しげな表情でサトゥルヌスを見上げている)
海未(まぁいきなりこんな巨人を見たら戸惑いますよね……)
海未(とりあえず希たちに事情を説明するため、そしてサトゥルヌスを起動させるために私たちは巨人の頭から降りることにした)
ザッ
ザッ
スタッ
海未「よし……っと」
ダル子「海未さん、コントローラーの様子はどうです?」
海未「そうですね……予想通りアップデートが開始されたようです、残り9分くらいで完了と出ていますね」
ダル子「良かった……」ホッ
海未「この待ち時間で希たちに事情を説明、それから
>>956
もしておきましょうか」
956
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/12(火) 20:23:12 ID:wEccQA1I
自家発電
957
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/12(火) 21:21:25 ID:bPcS.1M.
海未「それから自家発電でもしておきましょうか」
希「なっ!自家発電……海未ちゃんやっぱり痴女に……」ポッ
海未「そっちの意味じゃありませんから……」
ほのり「そっち?」
海未「ほのりは知らなくて良いことです」
ほのり「?」
海未「このコントローラー、画面を見たところバッテリー残量の表示があります」
海未「それと側面にコードを突き刺す端子のようなものが」スッ
ダル子「あ、ほんとですね」
海未「この事からおそらくコントローラーは充電式、サトゥルヌスを操ってる途中で切れないためにも電気は必要です」
希「それで自家発電か……」
海未「ええ」コクンッ
958
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/12(火) 21:21:42 ID:bPcS.1M.
ダル子「しかし方法はどうするんです?大空洞には発電機らしきものはありませんし」
アユミ「レヴィアタンの内部動力は全部お菓子仕掛けで動いてるから電気は使ってないわよ」
ほのり「さらっと謎動力に言及したけどお菓子仕掛けってなによ?」
アユミ「ゼンマイ仕掛けのお菓子版」
ほのり「ああなるほどお菓子版……ってならないわよ!?」
海未「とにかく自家発電は私一人でやります、試したことはありませんが……おそらく可能です」
海未「使うものは触手テンタクルと私自身の体、それから
>>959
」
959
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/12(火) 21:33:47 ID:O6KtfPC.
淫らな妄想
960
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/12(火) 22:35:14 ID:bPcS.1M.
海未「それから淫らな妄想です」
希「やっぱりエロ方面――」
海未「ち、が、い、ま、す!」
海未「私は少し離れた場所で発電してますので、希たちはほのりから事の経緯を聞いていてください」
希「ほーい」
ほのり「分かったわ!」
タタタタッ
海未「ふぅ……このくらい離れればいいですかね」
海未(希たちから距離を取って背を向けると、私は髪の毛を6本の触手に変える)
シュルルルッ シュルルルッ
海未(そして触手を自らの体に絡ませると敏感な場所を刺激する!)
キュッ
海未「んんんんっ!!」ビクンッ!!
海未(寒さで勃っていたこともあり、触手で優しく揉まれ先端を刺激されると快感が一気に脳天を突き抜ける)
海未「んっ……はぁ……はぁ……」
海未(発電に必要なのは体温の上昇と血行の促進、快楽による特定の脳内麻薬――イカデルフィンの放出)
海未(これにはマスターベーションに似た行為をするのが最も効率的らしい)
海未(私を改造した黒川さんが言ってた話だから半信半疑だけど……今はすがってみる価値くらいはある)
ギュッ! ギュッ!
海未(快楽といっても通常の快楽ではいけない、複数の触手で人の手では到底不可能な攻め方をするのだ)
海未(ヌルヌルネチネチ、色んな固くなった場所をこりほぐしたり抜き差したり、触手たちの攻めは止まらない)
ヌチャッ ヌチャッ
海未(そして大事なのは淫らな妄想、イメージは何よりよの力になる)
クチュクチュ クチュクチュ
海未「ひゃぅぅっ、んんんっ、穂乃果……穂乃果……そこはだめ……」
海未「ひゃあああんんんんっ!!」
ビクビクビクビクゥッ!!
961
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/12(火) 22:35:34 ID:bPcS.1M.
・
・
・
希「なにやら色っぽい声が聞こえるなぁ」
希「まぁいいわ、レヴィアタンの中で起こったことは今話してくれたのが全部?」
ほのり「ええ、クッキング映像を見ていたのなら話すことはそれほど多くないわ」
ほのり「勝負に勝った私たちは鍵を手に入れてサトゥルヌスをレヴィアタンから外に運び出した」
ほのり「海未さんが充電しようとしてるのがデカブツを動かすためのコントローラー」
希「ふむふむ、シンプルな話やね」
かもめ「サトゥルヌスをコントロール……果たしてそんなこと出来るのでしょうか」
ほのり「出来るも何もマニュアルを信じてやるしかないって状況でしょ」
ほのり「どっちみち日本に宇宙怪獣が落ちてくるのは変わらない」
かもめ「はぁ……」
希「何か気になることがあるん?」
かもめ「い、いえ、もし魔王様がいたら確実に操れるんだろうなーと思っただけですよ」
かもめ「もちろん、この世界に魔王がいないことは理解してるつもりです」
希「せやなぁ……ことりちゃんたちが外郭界に探しに行ったみたいやけど、成果はどうならことやら」
ほのり「あなた、かもめって言ったわよね」
かもめ「はい」
ほのり「あなたはこれからどうするの?」
ほのり「1人でどっか行くってんなら止めはしないけど、普通の方法じゃ今のこの島からは出られないわよ」
かもめ「これからですか……そうですね、
>>962
」
962
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/12(火) 22:59:08 ID:WHQmPlEw
ひもじいのは嫌なので、雇って下さい。
963
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/13(水) 00:16:09 ID:RZCnnL/U
かもめ「私は……」
希(かもめちゃんは口に手を当ててしばらく口ごもる、慎重に考えてるんやろう)
かもめ「ひもじいのは嫌なので、雇って下さい」
かもめ「レヴィアタンを食べた後遺症は完治したけれど、あの空腹感をまた味わうのはごめんですから」
かもめ「食べ物を貰うためにあなたたちの元で働きたいと思っています!」
ほのり「なるほど……分かったわ」
ほのり「私の一存では決めかねるけど海未さんにも頼んでみるわ」
希「うちも歓迎やで、仲間は多いほうがいいしな」
希「海未ちゃんと張り合える身体能力を持ったかもめちゃんならきっと役に立てると思う」
かもめ「ありごとうございます!」ペコリ
ほのり「ほら、とりあえず私の作ったチーズラーメンを食べなさい」スッ
かもめ「わぁぁっ!はふはふっ」
ズルルルルルッ!
かもめ「ん〜!美味しい〜!」
希「ソーマの強制デトックスで胃が荒れ気味やから気を付けて食うんやでー」
希(かもめちゃんが鍋に釘付けになってる傍らで、ダル子ちゃんは心配そうに海未ちゃんをずっと見ていた)
ダル子「海未さん……大丈夫でしょうか」
希「任せといてって言ってたんやし、ここは任せといて平気じゃないかな……たぶん」
964
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/13(水) 00:16:38 ID:RZCnnL/U
希(少し離れた場所にいる海未ちゃんはすっかり触手にグルグル巻きにされていて、もう海未ちゃんの体は見えなくなっていた)
希(うちの場所からは微妙に内部が蠢く様子と偶に艶のある声が聞こえてくることしか分からない)
希(スマホを見るともうすぐアップデート完了の時間)
希(果たして海未ちゃんは間に合――)
バリイィィィッ!!
希「っ!?」
希(その瞬間、海未ちゃんを束縛していた触手が勢い良く弾かれ、マイクロビキニ姿の体が再び露わとなった)
希(長い触手は金色のオーラを纏い逆立ち、ギリシャ神話のゴルゴンやハンターハンターのゴ○さんみたいにウネウネと逆だっている)
希「海未ちゃん……」ゴクッ
ザッ
海未「お待たせしました、やっと習得できまたよ」
希(海未ちゃんは天高く触手髪を逆立たせたまま、こちらへゆっくりと歩いてくる)
海未「今の私は絶頂による快楽と脳内麻薬イカデルフィンで肉体を最大限に活性化させています」
海未「所謂超ドーピング状態、体内のどんな物質さえも自在に操ることができる」
海未「私が操っているのは私と融合しているダイオウイカの生体電気……」
希「生体電気……まさかっ!」
海未「そう、私はダイオウイカに備わっていた生体電気を増幅して膨大な電力を練り上げたのです」
バチッ! バチバチッ!
希(海未ちゃんの揺れる触手同士が近づくと、触手から触手へ電気の線が走る)
希(おそらく増幅された生体電気が触手の1本1本に貯められていて、微妙に電位差のある触手同士が放電を繰り返してる……のかな)
希(触手から自然に漏れる電気エネルギーがあの金色のオーラに見えるものの正体やろうか)
965
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/13(水) 00:16:53 ID:RZCnnL/U
善子「まさか……電気ナマズじゃないのよ、自分からあんな電力を取り出せるなんて……」
ダル子「ダイオウイカは幻想種です、何があっても不思議ではありません」
海未「この技を名付けるなら――『武烏賊雷』」
バリィィィィィッ!!
ほのり「タケイカヅチ……!?」
希「武御雷、タケミカヅチをもじったんやろうね」
海未「さぁ、発電は充分、アップデートも終わった」
海未「サトゥルヌスの起動を始めますよ!」バッ!
─────────────────
地下大空洞
AM8:16〜AM8:25 新終末編『249』了
966
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/13(水) 00:18:17 ID:RZCnnL/U
というわけでここまで
海未ちゃんがまた変な技を覚えた
新終末編『250』に続く
かもしれない
967
:
!ken:99
:2017/12/13(水) 08:22:50 ID:FpWFQPOM
技のデパート
をつ
968
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/13(水) 20:40:23 ID:RZCnnL/U
新終末編『250』
─────────────────
──地下大空洞
AM8:25
海未「では行きますよ!」
希(武烏賊雷を発動させたままの海未ちゃんは触手の1本をコントローラーの端子に接続)
希(普通に考えれば形や規格が合わないとダメなんやろうけど、そこは幻想種の力でゴリ押しとるんやろうな)
希(海未ちゃんはコントローラーに電力を供給したまま、仰向けに倒れたままのサトゥルヌスの元へ歩いていく)
ザッ ザッ
海未「よし……ここらでいいですかね」
希(立ち止まったのは丁度サトゥルヌスの側頭部のあたり、言葉で表すだけなら寝てる頭の横……って感じなんやろうけど)
希(端から見ると人間が高い高い崖と対面してるようにしか見えない)
海未「まずマイクロビキニを着てパフパフ……パフパフですか……」
希「海未ちゃん!相手はただの壁なんや!思い切って押し付けてやりぃ!」
海未「押し付ける……」ジーッ
969
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/13(水) 20:40:50 ID:RZCnnL/U
希(海未ちゃんは自分の胸を見ると少し固まる)
海未「ま、私のも壁みたいなものですけどね」
希「いやそういうことやなくて、てか寄せればちゃんとあるって!こう腕でぎゅっと胸を寄せてなぁ……」ギュッ
海未「はあ……」
ギュゥッ ギュゥゥゥッ
希(海未ちゃんは胸を挟む……ことは出来なかったものの、必死に形相で胸を寄せることに成功した)
海未「ぐっ……く、苦しい体勢ですけど……これでいいのですか……!?」
希「それや!その状態で優しく押し当てるんや!」
海未「行きますよ……パフパフ!パフパフ!」
パフッ パフッ
ダル子「しかし……かなり珍妙な再起動方法ですよね」
ほのり「ええそうね」
善子「これだけ馬鹿らしいなら他人は思いつかないし防犯対策じゃない?」
ダル子「それにしても他の方法があるとは思うけどねぇ」
ダル子「魔王軍拠点跡から奪ったマニュアルに書いてあったということは、後に魔王は同じことをする手はずだったのでしょうか」
ほのり「さぁ……穂乃果母さんの体なら現役JKには該当するけど大和撫子の基準が微妙な気がする」
ほのり「他に魔王軍の中に該当する隊員がいたのか……どっちにしても魔王のマイクロビキニパフパフはあんまり想像したくないわね」
ダル子「はははは……」
ほのり「そりより今は海未さん、ほら見て……起動シークエンスが進むわよ!」
970
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/13(水) 20:41:07 ID:RZCnnL/U
・
・
ピーーーーーーッ!
海未「……!」
海未(サトゥルヌスの側頭部の壁に胸を押し付ける作業を繰り返すと、突如電子音のような音がコントローラーから鳴り響いた)
海未(その画面には……)
コントローラー『コードPFPFを確認、ロックPFPFの解除に成功しました』
コントローラー『これにより現在コントローラーを所有しているあなたの指紋と静脈を記録』
ピピッ!
海未「……っ!」
海未(このコントローラーは認証機能まであるのですか、背面に仕込まれていたなんて気づきませんでした)
コントローラー『第一所有者の認証データでないことを確認、このデータを第二所有者として登録、認証……完了しました』
コントローラー『これ以降認証者以外の操作は受け付けなくなります、ご注意ください』
海未(……あれ?弾かれるの思いきや予備として認証されてしまいました)
海未(登録者以外を弾くというよりは、PFPFでロックを解除した人以外は使えないようにするシステムですかね……)
コントローラー『サトゥルヌスを外部から操作する際はジャイロ操作となります』
コントローラー『他にこのコントローラーで出来る機能は――』
ピピピピッ
海未(画面に機能一覧が表示される、とりあえずスクロールして軽く目を通してみましょうか)
スッ スッ
海未(ふむ……使えそうな機能だと
>>971
くらいですかね)
971
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/13(水) 20:46:17 ID:dHR2YCls
バイブ機能による豊胸マッサージ
972
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/13(水) 21:25:09 ID:RZCnnL/U
海未(使えそうなのだとバイブ機能による豊胸マッサージくらいですかね)
海未(他はサトゥルヌスのカラーリング変更や記念撮影など大したものはありませんでした)
海未「さて早速マッサージ機能を試してみて――」
希「海未ちゃん!どうしたん!?」タタッ
海未「っ!?」ビクッ!
海未(希が来てしまいました、仕方ありません、口惜しいですがマッサージは後でやりましょうか)
希「コントローラー眺めてどうかしたん?何か不具合とか……」
海未「いえいえ、コントローラーの認証は済みました、接続もしっかり出来たようです」
希「なら良かった」
海未「まず画面の外部操作をタッチ、それからコントローラーを傾けると――」
グイッ
ググググググッ
海未(仰向けに倒れているサトゥルヌスの足が0.5mほど持ち上がって……傾きを戻すと落ちる)
ドシーーーーンッ
海未「ジャイロ操作もしっかり受け付けているようですね」
希「じゃあ次はレヴィアタンからの切り離しやな」
海未「はい、ほのりお願いします!」
ほのり「ええっ」タタタッ
海未(少し離れた場所で見ていたほのりに声をかけると、彼女は私たちの元へ走ってて手近な鎖に手をかけた)
973
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/13(水) 21:25:38 ID:RZCnnL/U
海未(サトゥルヌスは外に運び出したものの、レヴィアタンとの接続はまだ切れてはいない)
海未(体全体に第六巨大収容区画の鎖が巻き付いたまま、鎖は転送ゲートを通ってレヴィアタンの中と繋がっている)
海未(今の状態だとトリーアユミの一存ですぐにレヴィアタンに戻すことができるわけですね)
海未(レヴィアタンの鎖を切り離し、完全にコントローラーのみに操作権を移譲する)
海未(そのために必要なのが……ほのりろの勝ち取ったとさか鍵!)
ほのり「ほっ」スッ
ガチャッ!
海未(ほのりが手に持った鍵を鎖に触れさせるとどこからか解錠の音がした)
海未(そして同時にサトゥルヌスの体を縛り付けていた鎖が光の粒子となって消失する)
パァァァァァァァァァッ!!
ほのり「できた!」
海未(檻からの解放――)
海未(これでサトゥルヌスは自由の身、今のところエネルギー不足で意識は復活してないものの、復活し次第活動できることになる)
海未(マニュアルによれば本人の意識があってもコントローラーを使えば強制的に従わせることができるらしいですが……)
海未(分かっていても不安なことには変わりない)
海未「ほのり、そこからすぐに離れてください!」
海未「とさか鍵に理事長エネルギー(仮)を充填させる可能性がある以上、直接サトゥルヌスの肌に触れさせるのは危険です」
ほのり「分かったわ!」
974
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/13(水) 21:25:56 ID:RZCnnL/U
海未「ふぅ……さて次は――」
カツ カツ
マザー「……お、無事に任務をこなしてくれたみたいやね」
海未「マザー!?」
海未(振り返るといつの間にかマザーが立っていた)
海未(多少ふらついてはいるものの、しっかり服を着て両の足で立っている)
海未「もう立ち上がって大丈夫なのですか?」
マザー「いつまでも寝てるわけにはいかんからな、結局全部海未ちゃんたちに任せてしまって申し訳ない」
海未「いえ、マザーは地上でコトーリさんたちを助けてくれたんですしお互い様ですよ」
マザー「そう言ってもらえると助かるわ……それで次はサトゥルヌスの地上への運び出しやな」
海未「はい、それなんですが任務の進行表に詳しく書いてないんですよね」ピラッ
希「書いてないって……こんなデカブツ、うちらが通って来た洞窟通路は通らへんやろ、どうするんや?」
マザー「そうやねぇ……色々手段は考えられるけど、
>>975
」
975
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/13(水) 22:02:03 ID:OShRnAhE
クローバー製のモ○スターボールでゲットだぜ
976
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/13(水) 22:59:13 ID:RZCnnL/U
マザー「これを使うか!」サッ!
希「なにその……ボール……?」
マザー「クローバー製のモ○スターボールでゲットだぜ!」
希「モンスターボールやん!?」
マザー「いややなぁ……それはポケモンに出てくるもんやろ、商品をパクったら権利問題やん」
マザー「これはモ○スターボールやから別物」
希「うーんどこから見てもパク――」
マザー「さぁ説明するでー!」
マザー「このボールはスイッチを押すと掌大まで大きくなって、目標に向かって投げると目標を内部に捕獲する」
海未「ふむ……クローバーというのはあなたのサロン、悪い大人たちの仲間ですよね」
マザー「せやで」
海未「作った……ということは発明家か技術者か何かですか?」
マザー「まぁプライベートなことはバラせへんけど、クローバーは発明家というよりは建築家やね」
マザー「通常科学の物理法則では説明できない建築物を設計して建築する異常建築家」
海未「建築?なぜその人が捕獲アイテムを……」
マザー「捕獲アイテムと考えるより、このボールを1個の家と考えたほうが分かりやすい」
マザー「クローバーのコンセプトは持ち運びのできる最小限にコンパクトな家」
海未「家として作ったら偶々モンスターボールに似たと?」
マザー「そういうこと」
977
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/13(水) 22:59:54 ID:RZCnnL/U
マザー「それじゃほいっ!こいつをサトゥルヌスに向かって投げて――」ポイッ
ピカッ ピシュルルルッ!
海未(マザーが投げたボールは空中で半分に割れ、中にサトゥルヌスを吸い込んでいく)
シュルルルッ
ポンッ
ポンッ ポンッ ポンッ
カチッ
海未(そしてサトゥルヌスの巨体を縮小しながら全て吸い込み地面へと落下した)
海未(これといった抵抗のない呆気ない捕獲)
海未「あれだけの巨体を本当に中に入れてしまうなんて……」
希「てかこれだけで良かったんやない?」
マザー「いやいや、コントローラーが無いとサトゥルヌスが暴れた時に困るんやで」
マザー「あくまでただの家やから壊そうと思えば中から壊すこともできるし」
マザー「あっさり捕獲できたのは海未ちゃんたちが頑張ってくれてたおかげや」
希「ほー」
マザー「さて、やることも終わったしさっさと大空洞から脱出するで!」
マザー「海未ちゃんたちはここでやり残したことはない?」
海未「ふむ……そうですね、
>>978
」
978
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/13(水) 23:14:31 ID:ZyFV0Uh2
服を下さい。さもないと触手でマザーの×××に×××します
979
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/14(木) 00:26:58 ID:xWGjRQx6
海未「服を下さい。さもないと触手でマザーの×××に×××します」
マザー「……へ?」
海未「任務に協力した謝礼と言う形でもいいです、マザーの服をください」
マザー「待って待って、謝礼ってあれは等価交換やろ?」
海未「確かにそうですが肝心のレヴィアタン内はノータッチですし、1番大事な所を本来外部の人間に託しています」
海未「これをあなたの仲間に報告したら心象か悪くなるのでは?」
マザー「うっ……」
海未「早くしてください、見たら分かるでしょう?私この格好だと寒いんですよ」
海未「躊躇うのなら触手で乳を揉んでまたソーマを絞りだしても――」ウネウネッ
マザー「わ、分かった分かった!」
海未「ほう」
マザー「でも1つ聞いてくれへん?うちこのコートの下は上半身裸なんや、剥ぎ取らたら着るものが無くなってしまう」
海未「着るもの……ああ、だったら私のマイクロビキニを貸しますよ」
マザー「え?」
海未「よっと」シュルルルッ!
バッ! バッ!
海未(私は触手を操ってマザーのコートと下半身のスカートとパンツを剥ぎ取ると、自分のマイクロビキニをマザーの足元に放った)
海未(武烏賊雷を発動してるから触手の動きが雷撃のように速い、『武烏賊雷:電光石火』とでも名付けましょうか)
海未(惜しい所はマインドコンロール能力と併用できないところですね、合わされば協力なのに)
980
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/14(木) 00:27:22 ID:xWGjRQx6
マザー「ひぃぃぃぃぃぃっ!ま、待って!さすがに裸はアカンて!」
海未「裸じゃないですよ、マイクロビキニがあるじゃないですか」
マザー「でもさすがにこれは……サイズもかなり小さくて色々はみ出て……」
希(海未ちゃん……これマザーがやるはずだった諸々の恥ずかしいことを押し付けられて苛ついてたんやろうなぁ)
ほのり(ええ、明らかにマザーへ当て付けね、しょうがない面もあるけど)
海未「はぁ……分かりました、私も鬼ではありません」
マザー「ほんま!?じゃあ――」
海未「マイクロビキニには上だけで勘弁してあげます」
マザー「え?」
海未「そして下は分け合いましょう……よっと」ビリリリッ!
海未(私は素手でスカートを上と下に千切って、上のミニスカートみたいになった方をマザーへ渡した)
海未「どうぞ、あと靴と手袋は使っていいですよ」
ポイッ ポイッ
マザー「どうぞって……」
海未「前よりは大分マシでしょう?そちらを私が使っても良いのですが――」
マザー「わ、分かった!もうこれでいいから!」
海未「ありがとうございます」ニッコリ
希(渋々と言った様子でマザーは頷く、この状態の海未ちゃんはホンマに鬼やで……)
海未「希、何か?」
希「い、いやいや」ブンブンッ
希(はぁ……飛び火せんように余計なことは言わんとこ)
希(『1回レヴィアタンの中に戻ろうか』とか『うちが服をコピーすればいい話やん』とかな……)
981
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/14(木) 00:27:56 ID:xWGjRQx6
・
・
スッ スッ
海未「よしっ」
希(結局のところ、2人の服装はこのようになった)
希(海未ちゃんが厚手のロングコートを羽織り、中にはマザーのスカートから作った布を胸と腰に巻いてチューブトップと腰巻き代わり)
希(パンツはマザーから奪ったものを履いている)
希(一方のマザーは上半身が乳首がギリギリ隠れるだけのマイクロビキニ、巨乳すぎて動くたびにぷるんぷるん揺れる)
希(下半身は水着の上からミニスカートを履いている、水着とは言え面積が面積だけにTバックの下着と変わらんな)
希(スカート自体はしっかりとした冬用の作りやけど、海未ちゃんが破って丈が短いせいで、少し屈めばTバック姿の大きな尻がすぐ見えてしまう)
希(それらに加えて足元は膝下くらいまであるロングブーツ、手には長めの手袋を付けていた)
希(手足が防寒しっかりしてるのに体が夏のビーチみたいなアンバランスさ)
希(隠れてる面積は広くなったのに、マニア的には唯のマイクロビキニがよりエロくなってしまったと思う)
希(何のマニアかは知らん)
マザー「くっ、屈辱やけど……正直今な海未ちゃんたち全員に裏切られたらうち1人じゃ勝てんからな」
マザー「信用で協力を取り付けてる手前、ある程度の頼みは受け入れるしかない」
マザー「今のうちは肉奴隷みたいなもんや……好きにしたらいいんや……」グッ
海未「肉奴隷ではないですよ」キッパリ
982
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/14(木) 00:28:15 ID:xWGjRQx6
ザッ
アユミ「ほのり、もう行くのね?」
ほのり「アユミ、フルタマン、二人共協力してくれてありがとう」
アユミ「構わないわ、物を預かって然るべき人に渡すのがレヴィアタンの役目だもの」
アユミ「料理勝負も楽しかった、またいつかやりましょう」ニッコリ
ほのり「ええっ」ギュッ
フルタマン「お菓子を食べたらフルタイソウ!しっかりやるんだぞ!」
希(ほのりとトリーアユミが固く握手を交わす)
希(そっか、この2人とはここでお別れやな)
マザー「それじゃあ行こうか、上で船が待ってるはずやで!」
─────────────────
地下大空洞
AM8:25〜AM8:35 新終末編『250』
983
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/14(木) 00:32:39 ID:xWGjRQx6
というわけでここまで
微妙なスレ数だけどもう次スレかなぁ
もしかしたら何かで隙間を埋めるかもしれません
とにかくレヴィアタンを後にして再び地上へ
新終末編『251』に続く
かもしれない
984
:
!ken:99
:2017/12/14(木) 12:54:45 ID:Nv8bQK4.
お、隙間埋め第二弾か
をつ
985
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/14(木) 20:36:27 ID:xWGjRQx6
隙間埋めで数レスくらいやります
986
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/14(木) 21:35:42 ID:xWGjRQx6
新終末編『250.5』
─────────────────
──??
AM??
ほのほの「あ……れ……」
ほのほの(気がつくと……私は暗闇の中にいた)
ほのほの(辺りを見回しても何も見えない、何も無い、虚空だ、ぽっかりとした暗闇だけが広がっている)
ほのほの(分かるのは私が仰向けに倒れているということ、倒れている場所はゴツゴツした岩の感触があるということ)
ほのほの(そしてとてつもなく寒いということだ)
ほのほの(だから室内じゃない、どこかの外なのかな)
ほのほの(外だとしたら暗いのは夜だから……?)
ほのほの(ぼーっと考えてるうちに視力が慣れてきたのか、暗闇の向こう側にチカチカとした光が瞬いてるのが見えてきた)
ほのほの(今が夜だとしたら、あれは星なのかな、夜空に広がる星空……)
ほのほの(でも……なんだろう、違和感がある)
ほのほの(星空がやけに綺麗すぎるというか……近く感じるというか……まるでこれは……)
スゥー
ほのほの「ぐっ……!?」
ズキズキズキッ!!
ほのほの「がはっ!!」
ほのほの(軽く息を吸い込もうとしたところ、体中が激しい痛みに襲われる)
ほのほの(なにこれ……毒ガス……?というか今気づいたけど体が自由に動かない……)
ググッ
パタンッ
ほのほの(ダメだ……まずは思い出そう、私は何をしてたんだっけ)
987
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/14(木) 21:36:49 ID:xWGjRQx6
ほのほの(バーミヤン……そうだ、バーミヤンに皆と一緒に潜入して、トウジョーンさんと一緒に下層に降りて)
ほのほの(辿り着いたのはゴミ処理エリア、そこで番人のハグリッドを倒して……)
ほのほの(それから……それから……あ、ゴミ処理トラップで飛ばされたんだ)
ほのほの(ということは今私がいる場所はバーミヤンの外のどこか)
ほのほの(周りが真っ暗で星がよく見える、地面が岩場でゴツゴツした、まるで宇宙空間みたいな場所)
ほのほの(そして地平線の先に地球が見える……)
ほのほの(……ん?地球?)
ピクッ
ほのほの(待って待って、じゃあこの場所はまさか――!)
・
・
Episodeほのほの『Re:Sunshine』
988
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/14(木) 23:18:45 ID:xWGjRQx6
・
・
──月面
ほのほの(月……ここは月だって言うの!?)
ほのほの(有り得ない!たかがごみ捨てに月を使うってのも有りえないけど……何より自分が月に来てるという事実が受け入れられない!)
ほのほの(待って待って、その前に月って大気が殆どないってお母さんの教科書で読んだことあるんだけど!?)
ほのほの(もちろん空気もないし、温度もやばいことになってるし、危ない放射線も直で降り注いでるって話じゃ……)
ほのほの(そんなところに私は生身で倒れてるって言うの!?)
ほのほの「……ぐっ!がはがはっ!」
ほのほの(ダメだ、当然息はできない、無理に吸おうとすると肺が変なことになる)
ほのほの(体が動かないのも当然だ、あまりの低温に体中が凍りついてしまってるから)
ほのほの(もしかしたら、壊死……ってやつが始まってるのかもしれない)
ほのほの(まぁ、普通の人間なら死ぬ環境で生きてるんだから、私も充分化物じみてるけど……)
ほのほの(さすがの化物だって宇宙に放り出されたんじゃどうしようもない)
ほのほの(考えることしか出来ずに生き続け、やがて考えることをやめて――)
989
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/14(木) 23:19:15 ID:xWGjRQx6
・
・
ほのほの(あぁ……寒いな……)
・
・
ほのほの(あぁ……地球……綺麗だな……)
・
・
ほのほの「あぁ……」
ほのほの「みんなに……あいたいな……」
カッ!!
ほのほの「……え?」
ほのほの(その時だった)
ほのほの(ぼーっと眺めていた地球の端に、強い強い光の線が走る)
ほのほの(人工の光じゃない、もっと強くもっと暖かい、この暗い宇宙に希望を与える光)
ほのほの(青い星に生命を生み出した、まるでお母さんのような……全てを包み込む光)
ほのほの(それは――)
ほのほの「太……陽……!」
ピカァァァァァァッ!
ほのほの(地球の影から姿を見せた太陽、その光が月面へ降り注ぐ)
ほのほの(私の体がその光に照らされた瞬間……私の体に不思議なことが起こった!)
キュィィィィィィィィィィィンッ!!
990
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/14(木) 23:19:56 ID:xWGjRQx6
ほのほの(全身の細胞が活性化し、凍りついていた体は暑苦しいほどに発熱する
ほのほの(体中の痛みがすっと引いて、空気がないのに何故か息まで出来るようになった)
ほのほの「これは……太陽の光のおかげなの……?」
ほのほの(立ち上がって体を見回してみると、以前戦闘でついた傷が全て修復されている)
ほのほの(おかしい、太陽の光なら地球でだって浴びてたはず、ここが月だからといって……)
ほのほの「あ、そうか!」
ほのほの「月には地球のような厚い大気がない、さっき自分でも言ってたじゃん!」
ほのほの「月だからこそ、太陽光線や太陽風に交じる宇宙線を直に浴びることが出来る」
ほのほの「太陽能力者である私は減衰無しの太陽のパワーを受け取って蘇ることができたんだ!」
ザッ!
ほのほの「私は太陽の子!高坂ほのほの!」
ほのほの「うおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
991
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/14(木) 23:20:18 ID:xWGjRQx6
・
・
・
ほのほの「……で、蘇ったはいいけどどうしよう」
タンッ タンッ
ほのほの(私は元いた場所から動き始め、当てもなく彷徨っていた)
ほのほの(月の重力は地球より軽くぽよーんぽよーんと跳ねて移動できるのが楽しい)
ポヨーンッ
ほのほの(楽しい、楽しいけど……楽しんでる場合じゃないっ!)ブンブンッ
ほのほの「確か月から地球まで38万キロくらいだっけ、走って帰るには遠いよなぁ」
ほのほの(遥か遠くに見える青い地球、あそこに戻る方法が一向に思いつかない)
ほのほの「むむむ……おや?」
ほのほの(少し歩いていると地平線の彼方に人工物が見えた)
ほのほの「よし、行く当もないし、あそこに行ってみようかな」
ピョーンッ ピョーンッ
992
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/14(木) 23:20:35 ID:xWGjRQx6
────────
────
──
・
・
ほのほの(その時、私は気づいていなかった)
ほのほの(地球と反対側の宇宙空間から月宙域に向かって直進してくる巨大な影)
ほのほの(宇宙怪獣の存在に――)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
─────────────────
To be continued……
993
:
◆WsBxU38iK2
:2017/12/14(木) 23:25:01 ID:xWGjRQx6
というわけでここまで
ほのほのちゃんの月面旅は本編のどこかへ続きます
そして次はこちら
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1513250979/
このスレもお付き合い頂きありがとうござきました
994
:
!ken:99
:2017/12/15(金) 11:12:31 ID:czBnsH8Q
をつ
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