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>>2「>>2の3分クッキングの時間だよ!」 PartⅩⅩⅢ

1 ◆WsBxU38iK2:2017/10/08(日) 20:01:09 ID:MpPLDqrU
安価スレのようなそうじゃないよう
なSSスレ


前スレ(PartⅩⅩⅡ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1501931181/

前前スレ(PartⅩⅩⅠ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1496660857/

前前前スレ(PartⅩⅩ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1491735745/

前前前前スレ(PartⅩⅨ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1487495156/

前前前前前スレ(PartⅩⅧ(再々))
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1486897355/

661 ◆WsBxU38iK2:2017/11/21(火) 22:55:11 ID:LCkZVZ32
コトーリ「のぞみがね、じぶんのたいせつにしてたたろっとかーどがないことにきづいてぼうはつしたの」

ココロ「暴発?」

コトーリ「うん、どかーんって」

ココロ「それは爆発では?」

コトーリ「そうともいう、のうりょくのぼうはつによるばくはつだね」


コトーリ「ぼうはつのしくみはわたしはよくわかんない、たぶんゆきのなかでむりやりちからをつかったから……だとおもうけど」

コトーリ「そのばくはつでふねはてんぷく、みんなばらばらになっちゃった」

ココロ「なるほど……大変でしたね、お仲間の天使様たちも早く探しませんと」

コトーリ(てんしはわたしだけなんだけど、それはいわないほうがいいかな……)


ココロ「仲間に伝えて付近の海岸を捜索させますね!」

コトーリ「う、うん」


コトーリ(ほんらいならこころたちのてをかりずに、わたしひとでさがしたほうがぜったいにいい)

コトーリ(でも……いまのわたしはしんえんにしんしょくされて、さらにせいめいりょくまでうばわれている)

コトーリ(こころのてまえ、きをはってるけど、じつははしるのすらちょっときつい)

コトーリ(まわりのやつらのきがかわっておそってきたら……いまのわたしじゃあぶないかも)

662 ◆WsBxU38iK2:2017/11/21(火) 22:55:45 ID:LCkZVZ32


ワッショイ! ワッショイ! 

ワッショイ! ワッショイ!


コトーリ「あのさ……きいてなかったけど……まわりでさわいでるのはなに?」

ココロ「祭りですよ、天使様が発見されたことを喜び天使様を崇めるお祭りです、お店も出てるんですよ」

ココロ「その名も天使復活祭!」


ココロ「賑やかなのは信者以外の一般の人もいるからですねぇ」

コトーリ「しんじゃいがいもいるの……?」

ココロ「はい、今世界で頻発している天変地異、これは終末の訪れに違いありません」

ココロ「私たちTKB隊は各地で終末に怯える民草たちを導き、この聖地へとやってきました」

ココロ「そして天使様と出会った、正に奇跡です、これで復活祭を行わずにいられるでしょうか!」バッ!


コトーリ「……そのまつり、わたしはここにすわってるだけでいいの?」

ココロ「ふっふっふ、実は祭りにはこの後にメインイベントである>>663があってですね――」

663!ken:99:2017/11/21(火) 23:23:59 ID:8JjWbNkQ
†罵りの天使†降臨の儀式

664 ◆WsBxU38iK2:2017/11/21(火) 23:58:42 ID:LCkZVZ32
ココロ「†罵りの天使†降臨の儀式があってですね……」

コトーリ「いいよかんはしないいべんとだ」

ココロ「何を言ってるんですか!復活祭で楽しくてエキサイティングなイベントですよ!」

ココロ「そりゃもう何が楽しいって――」


ヒューーッ! 

ドォォォォォンッ!!!!


コトーリ「……っ!」

ココロ「な、何事ですかっ!?」

コトーリ「とおくでおと、くうきのゆれとじめんのしんどう……たぶんばくはつかな」

ココロ「爆発!?」

コトーリ「でも……おとにくらべてしんどうがちいさい、それにかやくのにおいがしない、みょうなかんじがする――」

タタタッ!

信者「ココロさん!」


コトーリ(おとからすうびょうご、ほかのしんじゃがさいだんをのぼり、こころにはなしかける)

信者「敵の襲撃です!敵は爆炎を使って罪のない人々を散らしつつ、この祭壇へ向かっているそうです!」

ココロ「なんですって!?」

コトーリ(このしんじゃもはねつき、わりとえらいやつか)

665 ◆WsBxU38iK2:2017/11/21(火) 23:58:53 ID:LCkZVZ32


ココロ「どうして侵入を許したんです!島の周りはTKB隊の精鋭で警備を固めていたはずでしょう!」

信者「それがおよそ数分前に生身で上空から祭り会場めがけ降下してきたとのことです」

信者「不意をついての襲撃に加え、祭りの最中のためTKB隊以外の人々が混雑していて、隊内の連携が上手く取れていません!」

信者「ここへの報告が遅れたのもそのせいだと思われます」

ココロ「くっ……」


ピピピッ

信者「通信だ、はいこちら……なに?」

コトーリ(はねつきがでんわらしきものをみみにあて、いっそうけわしいかおつきになる)


信者「ココロさん、敵の正体が判明しました」ピッ

ココロ「誰!?」

信者「敵は我々の敵対組織リストに乗っている組織、スピリチュアル教団――」


信者「その幹部、スピリチュアルマザーです!」


─────────────────

天使復活祭会場

AM6:10〜AM6:15 新終末編『228』了

666 ◆WsBxU38iK2:2017/11/21(火) 23:59:22 ID:LCkZVZ32
というわけでここまで

マザー降下

新終末編『229』に続く
かもしれない

667!ken:99:2017/11/22(水) 00:28:23 ID:UT7ZUinI
をつ

668 ◆WsBxU38iK2:2017/11/22(水) 20:33:43 ID:3/ej1B8k
新終末編『229』

─────────────────
──天使復活祭会場

AM6:15


チュドォォォォォォンッ!!

ドゴォォォォォォォンッ!!


マザー「ほーらほら!急いで逃げへんと爆発に巻き込まれてまうでー!」


ギャァァァッ! 

ウワァァァァァァァッ!!

マザー「くっくっく、面白いように逃げてくなぁ……」


マザー(うちが歩きながら投げてるのはパチンコ玉に似た小さな金属の玉)

マザー(手掴みでポケットから適当に何個か掴み、スナップを効かせて銃にばら撒く)

バララララッ

マザー(投げられた玉は地面や店の骨組みなんかに当たると、与えられた衝撃で金属殻が割れて爆発、中からド派手に大きな爆炎が出ると共に轟音が鳴り響く)

マザー(けど爆発の跡で何かが燃えたり壊れるということはない、これはあくまで脅しの道具)

マザー(ようは投げると爆弾っぽいリアルなエフェクトが現れる玉、こけおどし爆弾ってとこやね)

669 ◆WsBxU38iK2:2017/11/22(水) 20:34:01 ID:3/ej1B8k
マザー(ただ……こんなものでも集団パニックを起こさせるには充分な武器)

ポイッ

バララララッ チュドォォォォォォンッ!!

ギャァァァァァァァッ!!


信者ズ「おいっ!誰かあいつを止めろ!」

信者ズ「ダメです……人の流れが強すぎて……こちらからは近付けなぐうぅぅ!」

ドドドドドドドドドドドドッ


マザー(スターニシキノ艦が一般人の盾を前に強行着陸や発砲ができないのなら、こっちも同じことをしてやればいいんよ)

マザー(爆発による恐怖で群衆を無意識に操るなんてたやすい、うちが歩くのに邪魔なら手前に玉を投げ散らし、信者が向かって来そうなら信者との間に壁ができるよう扇動する) 

マザー(思うままに人の壁を形成し信者共を妨害しつつ、うちが快適に歩く道を作れる環境)

670 ◆WsBxU38iK2:2017/11/22(水) 20:34:52 ID:3/ej1B8k


マザー「今のところは思ったより楽に進めてるねぇ……ん?」

ザッ


マザー「あれは……」

マザー(こけおどし爆弾を投げながら歩いて数分、どうやら祭りの中心部まで来れたらしい)

マザー(目の前には宗教的な意匠を持った大きな祭壇があり、祭壇の上部には三人の人がいる)

マザー(明らかに一般人とは違う服装、TKB隊の関係者か……)


羽つき信者「ココロさんはここにいてください!私が排除してまいります!」

タンッ!!

マザー(祭壇の上にいたうちの1人、背中に羽の生えた信者がこっちに向かって飛び降りてきた)


マザー(信者はうちの目の前に降り立つと>>671)

671名無しさん@転載は禁止:2017/11/22(水) 20:37:06 ID:Sn49eHog
ワシワシMAXをしてきた

672 ◆WsBxU38iK2:2017/11/22(水) 21:39:17 ID:3/ej1B8k
マザー(うちの胸めがけて手を伸ばし胸を鷲掴みにしてきた!)

羽つき信者「ワシワシMAXです!」

ワシワシワシッ!!


マザー「……はっ、なにマックスやって?そんなんじゃ全然感じへんなぁ」

羽つき信者「え?」

マザー「ワシワシするってのは……こういうことやでっ!!」

ワシワシワシワシワシワシッ!!

羽つき信者「んっ、んんんんっ!!」

マザー(うちはお返しとばかりに信者の服の中に手を突っ込み胸を揉みしだく)

マザー(声で女の子とは分かってたけど……わりと良いモノ持ってるな、感度も良いし柔らかい、大きさも下手したら両手から溢れてしまう)

マザー(修道服みたいな帽子を深く被ってるせいで顔が上半分隠れて見えないのが少し残念)


ココロ「同士!!」


マザー「おっと上の奴らも動くんやないで、下手に動いたらこいつの乳もぎ取ってしまうかもしれへんよ」

ココロ「くっ……」

マザー(うちは捕まえた羽つき信者を反転させて背中側から手を回し胸を掴む)

673 ◆WsBxU38iK2:2017/11/22(水) 21:39:53 ID:3/ej1B8k
マザー(自分で言ったけどこれ脅しになるんかな……てか上の子も可愛いな)


マザー(すごい慌てたTKB隊の服を着た黒髪の子が1人と……妙に落ち着いてる普通の服の子が1人)

マザー(後者の子は格好だけ見れば祭り客と同じ一般人だけど、明らかに普通の人間とは違う)

マザー(全身の肌は雪のように真っ白で、肩口で切りそろえられた髪も同じように真っ白)

マザー(せやけど髪の先、腕の肘から先、足のふくらはぎから先が真っ黒に変色している)


マザー(何より特徴的なのは背中から生えている複数の翼、信者たちが付けている偽物とは違う匂いがする)

マザー(あれが復活祭に捧げられた天使役……ちゅうことか?それにしてはカジュアルな服装やな)


コトーリ「…………」

マザー(やけに落ち着いた目、爆弾魔と知らされるはずのうちを前にしても全く動揺していない)


羽つき信者「くっ……この……離しなさい……」

マザー「えいっ」モミモミッ

羽つき信者「ひゃんっ!あ、あかんっ!」ビクッ!


コトーリ「……ん?」ジーッ


羽つき信者「……わ、私を人質にしても無駄なことです!TKB隊の同士は私のことなど気にしません!」

674 ◆WsBxU38iK2:2017/11/22(水) 21:40:11 ID:3/ej1B8k
羽つき信者「すぐにでも同士がお前を取り囲んで滅殺するでしょう!」

マザー「ああ……せやろうなぁ」

羽つき信者「え?」


ザザザザザザッ!!

マザー「もう着たようやで、仕事の早いことや……」


マザー(おっぱいデカ子を人質にとったうちを中心に、周囲を十人以上の信者が取り囲んだ)

マザー(全員が羽つきで老若男女入り乱れ、しかも手には武器らしきものを持っているから戦闘員やな)


戦闘員信者「全員強化!」

信者「強化!」ポンッ!

グイッ! ゴクンッ!

マザー(何かを飲んだ、薬か……?)


戦闘員信者「ぐっ、うおおおおおおおおおっ!!」

メリメリメリメリッ!!!!

マザー(薬を飲んだ戦闘員たちの羽が更に肥大化する、そして体は>>675)

675名無しさん@転載は禁止:2017/11/22(水) 22:04:35 ID:B3ckjscg
亀甲縛りになっていた

676 ◆WsBxU38iK2:2017/11/22(水) 22:37:49 ID:3/ej1B8k
マザー(そして体はどこからか出現した複数の紐に服の上から亀甲縛りにされる)

シュルルルッ! ビシィィッ!!


戦闘員信者「ぐぅぅぅっ!」

信者ズ「ふぅぅぅっ!」

メキメキメキメキメキメキメキメキッ!!

マザー(体がキツく締められれば締められるほど信者たちは紅潮し、比例してニ対の羽はどんどん大きくなっていく)

マザー(まるで自らを痛めつける喜びを羽を育てるエネルギーに変換しているような……)


戦闘員信者「ふしゅぅぅぅ!さぁ皆さん!強化された私たちの力を見せるのです!」

信者ズ「はいっ!」

バサササササッ!


マザー「うーむ、こりゃ一回逃げたほうがええか……」

羽つき人質信者「逃げる?無駄ですね、強化された同士の包囲網からは逃げられません!」

マザー「はっ、うちを侮ってるようやな、この程度の危機を脱せないでスピリチュアル教団の幹部なんかやってへん」

羽つき人質信者「またあの爆弾でも使う気で?」

マザー「あれはオカンから買っただけの秘密道具、うちの"力"やあらへん」


マザー「うちの力は……>>677

677名無しさん@転載は禁止:2017/11/22(水) 23:34:55 ID:60ObEe8A
エアワシワシ

678 ◆WsBxU38iK2:2017/11/23(木) 00:36:57 ID:RjHz3UOs
マザー「うちの力は……エアワシワシや!」

バッ!!

マザー(うちはおっぱいちゃんを捕まえてる手とは逆、空いてるほうの手を遠くの信者に向ける)

マザー(そして指で何も無いはずの空中を揉むと――)

ワシワシッ!


信者ズ「ふぐぅぅぅっ!?」

信者ズ「はぅぅっ!?」

ビクビクビクビクッ!! プシューーッ

マザー(遠くの信者たちが悶絶して地面へと落ちていく)



マザー「エアワシワシ――マシンガン」

羽つき人質信者「なっ!?何を……」

マザー「おっぱいちゃんのおっぱいを揉んでるの理屈は同じ、ただ遠距離でやったっだけや」モミモミ

羽つき人質信者「んんっ!え……遠距離?」

マザー「そう、エアーで信者共のあそこやあそこにワシワシする感触を与えて果てさせた」

マザー「見た感じあんたらの『強化』ってのは苦悶の快感で身体能力を上げてるんやろ」

マザー「ならエクスタシーを解放させてやれば強化は終わる、簡単な話や」

羽つき人質信者「……っ!」

679 ◆WsBxU38iK2:2017/11/23(木) 00:37:35 ID:RjHz3UOs
マザー「じゃ、このままどんどんワシワシしてさっさと逃げ……」

戦闘員信者「隙ありっ!」ダッ!

マザー「ちっ」

マザー(人が楽しく解説してるところで背中側から信者が高速で飛来してきた)

マザー(二枚の羽で人体の重量を飛ばしてると考えるとかなり速いと言える)


マザー(ま、隙あり言うても全然隙じゃないんやけどな……ちゃんと見えとるし)

戦闘員信者「たぁっ!」

マザー(こいつもエアワシワシで倒して、さっさと逃げ――)


コトーリ「てんしきっく」ヒュンッ!


マザー(……る必要はなかった)


マザー「は……?」

マザー(祭壇の上から飛来した白い一撃、それによって背中側に迫っていた信者は吹き飛ばされる)

マザー(すごいな……こっちはうちの目でも捉えきれんかったで……)


マザー「祭壇の上にいた白い女の子やな、今のはキックか?脇に抱えてるのは一緒にいた信者の子?」

コトーリ「わたしはことーり、いまはじかんなさそうだからかんけつにいうね」

コトーリ「わたしはらちされてここにきた、なかまさがしたい、いっしょににげたい、ていあん、おーけー?」

マザー「オーケーオーケー、信者倒したってことは仲間やないんやろ、提案にのるで」

コトーリ「れいをいう、かかえてるのはわたしのひとじち」

ココロ「ひ、人質っ!?」ニマー

コトーリ「よろこぶなきもい」ペシッ

ココロ「ぐへへへへ……」

680 ◆WsBxU38iK2:2017/11/23(木) 00:37:53 ID:RjHz3UOs


マザー(そういう会話をしてる間にも周りをどんどん信者に囲まれていく)

マザー「うちはマザー、コトーリちゃんは戦うと強いほうなん?」

コトーリ「ぐもん、わたしはむてき」ムフー

マザー「ほう……」


マザー(コトーリちゃんはドヤ顔で胸を張る……がすぐに目が少し泳ぐ)

コトーリ「まぁ、でもいまはもろもろのじじょうでちょうしわるい、まざーががんばってくれるとたすかる……かも」

マザー「了解」

マザー(弱気な原因はその腕や足なんやろうか……後で聞いてみよっかな)


コトーリ「それと、まざーがつかまえてるしんじゃははなさないで」

マザー「この子?」

コトーリ「うん」コクンッ


コトーリ「まだかくしょうはないけど……もしかしたらそのこ」ジーッ

羽つき人質信者「…………?」


コトーリ「わたしのなかまのひとりかもしれないから」


─────────────────

天使復活祭会場

AM6:15〜AM6:17 新終末編『229』

681 ◆WsBxU38iK2:2017/11/23(木) 00:38:40 ID:RjHz3UOs
というわけでここまで

次は脱出

新終末編『230』に続く
かもしれない

682!ken:99:2017/11/23(木) 19:29:01 ID:1gGKAvHQ
をつ

683 ◆WsBxU38iK2:2017/11/23(木) 20:10:30 ID:RjHz3UOs
新終末編『230』

─────────────────
──天使復活祭会場

AM6:17

 
人質信者「は……?私が仲間……」

コトーリ「そう」

人質信者「バ、バカを言え、そんなはずは――」

バサササササッ!

信者ズ「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」

ドドドドドドドドドドドドッ!!


マザー「とにかく話は逃げた後や、うちから見て10時の方向が手薄だからそこを一転突破するで!」

コトーリ「わかった、ぜんりょくでまざーについていく」

マザー「心強いな……じゃあ行くで」

ダンッ!

マザー(うちは人質おっぱいちゃんを抱えたまま走り出し、片手を突破する信者の方へ向ける)


マザー「ちょっと手荒や、堪忍な」

マザー「エア――ワシワシ!!」

グゥゥゥ……

ドンッ!!

信者ズ「のわぁぁぁぁっ!!」

684 ◆WsBxU38iK2:2017/11/23(木) 20:11:18 ID:RjHz3UOs


タタタタタッ

ココロ「急に進行方向の同士たちが吹き飛びましたよ!?」

コトーリ「あそこのくうきがいっしゅんであっしゅされて、どかーんってばくはつした」

マザー「その通りや、うちのエアワシワシは子猫ちゃんの敏感な場所をワシワシするだけやない」

マザー「目視できる距離にある物質なら個体液体気体問わずなんでもワシワシできる、今のはちょっとした応用やね」


マザー「さ、今のうちに突破や!」

タタタタタッ





 

──??
 

タタッ

マザー「ふぅ……ここまでくれば落ち着けるかな」


コトーリ「はぁ……だはぁ……げはぁ……」

ココロ「天使様?大丈夫ですか?」

コトーリ「まぁ……う、うん……ぜはぁ……」


マザー(大復活祭の中心部から逃亡して数分後、うちらは信者たちから見を隠せる場所……>>685の中へ隠れることが出来ていた)

685名無しさん@転載は禁止:2017/11/23(木) 20:16:33 ID:0tel95dg
癒しの空間

686 ◆WsBxU38iK2:2017/11/23(木) 21:20:36 ID:RjHz3UOs
マザー(癒やしの空間と言うらしい建物の中へ隠れることができていた)


コトーリ「うぐっ……うげぇぇぇ……げほけほっ……」

ココロ「天使様、とりあえずこちらのベッドに寝てください」


マザー(コトーリちゃんは逃亡の間はうちにぴったりとくっついて走ってきた)

マザー(うちと同じペースで走るなんて普通の女の子では到底無理な話、というかコトーリちゃんはまだまだ余力を残していたはず)

マザー(本気で走ればうちなんて楽々置いていけるって目をしてたしな……)


マザー(やっぱり異能者か、人とは違う種族か、どっちにしても計り知れない存在なんやけど――)

コトーリ「げほっ!おぇぇぇっ!はぁはぁ……ぐぅぅ……」

マザー(走り終わった後のコトーリちゃんは、ものすごく疲れてぶっ倒れていた)


マザー(人1人を抱えて軽やかに走っていた時とはまるで別人、ベッドに伏せながら嗚咽と痙攣を繰り返して悶絶している)

コトーリ「はぁ……はぁ……」

マザー「なぁコトーリちゃん、本当に大丈夫なんか?」

コトーリ「ぜんぜん、だいじょうぶじゃない……けど……すこしやすんでればなおる……とおもう……」

687 ◆WsBxU38iK2:2017/11/23(木) 21:21:10 ID:RjHz3UOs


マザー「そうか、体長悪いっぽいのに無理させてしまったな」

コトーリ「いいよ、むりをしたのはわたしだし……」 


マザー(強がっているのか、無理に口の端を上げて笑うふりをするコトーリちゃん)

マザー(でも弱ってるのは明らかや、手足や髪の黒い侵食部分がさっきより広がっている)


マザー「ココロ……って名前やったか、ここは隠れ場所として本当に安全なんやな?」

ココロ「絶対とは言い切れませんけど……他の信者が真っ先にここを探しに来ることは無いと思います」

ココロ「さきほども話した通り、ここは『癒やしの空間』と言う名前のTKB隊の施設」

ココロ「身内でなければ存在を知りませんから、そこに敵が逃げてるとは考えないかと」

マザー「……ふむ、なるほと理屈はそうやな」


マザー「でもそれはココロちゃんの言うことが真実だった場合やろ?」

マザー「人質になったふりをして仲間と内通してればうちらは罠に嵌められてることになる」

ココロ「私が嘘をついてるとでも?舐めないでください!」

ココロ「私がこの場所を教えたのは、天使様に『逃げるのに良い場所は無いの?』と聞かれたからです」

ココロ「万が一あなたに嘘をついてたとしても天使様には嘘はつきません!」

マザー「うちには付くんかい……」

688 ◆WsBxU38iK2:2017/11/23(木) 21:21:37 ID:RjHz3UOs


ココロ「疑うのなら脱ぐから隅々まで調べてみてください!ほら!」

バッ!!

コトーリ「いきなりぬいではだかにならないできもい……」

ココロ「はぁぅぅっ!天使様が私の一糸まとわぬ裸体を侮蔑の目で見てるぅぅぅ!」


マザー「こらこら勝手にトリップしない」

ココロ「はっ!そうでした、説明の続きをしますね」

コトーリ「こころちゃんうそはつかないでね……ついたらもうばとうしないから……」

ココロ「それは困りますね、誠心誠意懇切丁寧に参ります!」ビシッ

マザー(上手く操ってんなぁ……)


ココロ「こほん、今私たちがいる『癒やしの空間』は名前の通り癒やしを与える空間です」

ココロ「TKB隊では天使様に罵倒されたい欲を抑えきれないあまり、過激に自傷してしまう同士が多いんですよね」

ココロ「そんな同士がここに来て傷を癒やしてるんです」


マザー「ふむ……だから中にベッドなんかの休むための器具が多いんか」

マザー「もしかしたらコトーリちゃんの疲労も治ったりするんかな」

ココロ「さぁ……天使様を蝕んでるものの正体が分かりませんし、天使様はどんな感じです?」


コトーリ「そう……だね……今寝てる感じだと……>>689

689名無しさん@転載は禁止:2017/11/23(木) 21:23:19 ID:qyPKjvjs
50メートル走を走った分の体力回復のみ

690 ◆WsBxU38iK2:2017/11/23(木) 22:28:01 ID:RjHz3UOs
コトーリ「いまねてるかんじだと……ごじゅーめーとるそーをはしったぶんくらい……」

ココロ「え?」

コトーリ「さっきはしったぶんくらいってこと……」

ココロ「ああなるほど」ポンッ


マザー「直近の体力は回復するけど、体調不良の根本的な問題は治らないってことか」

コトーリ「うん……どうきやいきぎれはましになってきたかも」

ココロ「それは良かったです!」


コトーリ「さっきふたりがはなしてたけど、わたしのからだをむしばんでるもののしょうたいは『しんえん』」」

マザー「深淵……!?」

コトーリ「さらにわるいことに、いまのわたしは『せいめいりょく』をはんぶんうばわれているの」

コトーリ「そのせいでからだのていこうりょくがよわまって、むりをするたびに『しんえん』のしんしょくがすすんじゃってる」


ココロ「深淵ですか……マザーとやら、あなたは心当たりありますか?」

マザー「……ああ、知識だけならな」

691 ◆WsBxU38iK2:2017/11/23(木) 22:28:30 ID:RjHz3UOs
マザー「ありとあらゆる物質、どんな異能や概念も凍結し停止させてしまう危険な流体」

マザー「どの世界にも属しない、冷たく暗い次元の井戸の底に溜まっていると言われとる」

マザー「自分以外の全てのものを絡め取ってしまう……汚泥のような存在や」

ココロ「……!」


マザー「異能者の中にも何人か深淵の使い手はおるそうやけど、うちは出会ったことはないな」

ココロ「では……天使様はその深淵使いにやられて……?」

マザー「せやろな」

マザー「うちが聞いたものと同じならそう簡単には取り除けない、癒やしの空間でも無理やろう」


コトーリ「わたしもそうおもう、だから……べつのもんだいをさきにかたづける」

マザー「別の問題……ああ、人質おっぱいちゃんのことか」

コトーリ「うん、そのこのぼうしをとってみて」


マザー「了解、さぁ〜おっぱいちゃん、脱ぎ脱ぎしましょうねぇ〜」

人質信者「ひっ!や、やめ――」

マザー「ていっ!」バッ!!


マザー(おっぱいちゃんの顔を隠していた帽子を取る、その顔は……)

マザー「え?」

マザー(……うちの知っている、"のぞみ"と瓜二つの顔やった)

692 ◆WsBxU38iK2:2017/11/23(木) 22:28:59 ID:RjHz3UOs


のぞみ?「ぅぅぅぅっ」

マザー「の、のぞみやん!?どうしたん!?」ガシッ 

グワングワンッ

のぞみ?「わわわっ!やめっ!振り回さないでくださぁぁぁいっ!」


コトーリ「え?まざーとしりあいなの?」

マザー「……はっ!いやいや、のぞみがこんなとこにいるはずないか……」

ブンブンッ

マザー(頭を振って自分を落ち着かせる)

マザー「すまん混乱してしもうた、この子がコトーリちゃんの仲間なんか?」

コトーリ「たぶんね、ふくもぜんぶぬがせてわたしにみえるようにもってきて」


マザー「おっけー」

ポイポイポイポイッ!

のぞみ?「ひゃぁぁぁっ!」

マザー(すっかりすっぽんぽんになったのぞみ(仮)を後ろから抱き上げて、ベッドに寝てるコトーリちゃんの元へ運ぶ)


マザー「よいしょっと……どうや?」

のぞみ?「ううぅ……敵にこんな辱めを受けるなんて……」


コトーリ「……うん、わたしのしってるのぞみだよ、まちがいない」

コトーリ「けどからだのなかでへんなところがある……」

マザー「この>>693な部分か?」

コトーリ「そう、これのせいで信者としての人格が上書きされてるのかも」

693!ken:99:2017/11/23(木) 22:36:17 ID:1gGKAvHQ
淫紋

694 ◆WsBxU38iK2:2017/11/23(木) 23:00:33 ID:RjHz3UOs
マザー「なるほど……この淫紋が……」


マザー(この子の下腹部にはタトゥーのような紋章が刻まれていた)

ココロ「淫紋?」

マザー「性魔術なんかで使われる紋章や、形によって効果は様々ある」

マザー「ただうちは詳しくないから、これが何の効果を意味するのかは分からんけど……」

ココロ「ふむ」


マザー「それにしても、コトーリちゃんの仲間ものぞみって言うんやな」

コトーリ「そうだよ、きぼうのきでのぞみ、それがどうしたの?」

マザー「実はうちが見間違えた子の名前ものぞみって名前なんや、顔も希ちゃんとそっくりやし、脱がした体のスタイルだってそっくり」

マザー「双子かと思うほど似てるわやわ、本当に驚いた」


コトーリ「のぞみとそっくりなのぞみ……?どこかで見たような……」

695 ◆WsBxU38iK2:2017/11/23(木) 23:00:51 ID:RjHz3UOs


希「ちょっ!やめっ!早く離してください!」ジタバタッ

マザー「おおっと動いたらアカンで」グッ

希「ぐぅぅぅっ!」

マザー「しかし淫紋が原因となると必要なのは解呪師やな、かけられた魔術を解くのを専門にしてる魔術師や」

ココロ「マザーが解くことはできないんです?」

マザー「うーん……かけられた術の詳細な手順、原因となった事柄が分かれば出来るかもしれんけど……」

チラッ

コトーリ「……ごめん、ふねがてんぷくしてからのきおくはない、のぞみがそうなったこころあたりはさっぱり」

マザー「そうか……」


コトーリ「わたしはそういうかんがえるのせんもんじゃない、どかーんするのせんもん」

コトーリ「せめてうみとごうりゅうできれば……なにかわかるかも……」


ココロ「何にしても早く行動するべきね……今は隠れてられますが、敵が見つからないとなると同士たちはアレを発動するでしょう」

マザー「あれ?」

ココロ「我がTKB隊の切り札、>>696です」

696名無しさん@転載は禁止:2017/11/23(木) 23:24:11 ID:VUO2vEi.
強制引き寄せ

697 ◆WsBxU38iK2:2017/11/24(金) 00:51:53 ID:tKJp5KC6
ココロ「我らTKB隊の切り札、強制引き寄せです!」


マザー「ほう……名前からして目的のものを引き寄せる術やろうか」

マザー「TKB隊の教義を考えると引き寄せる対象は天使か天使に関するもの……?」

ココロ「はい、大体その通りです」

ココロ「強制引き寄せは発動する信者の信仰心を引力に変えて信仰対象を引き寄せる奥義」

ココロ「対象を具体的にイメージできればできるほど成功率は高くなります」

ココロ「同士たちの多くは天使様の姿を一度は視認しているので、その状態で強制引き寄せを使えば天使様は間違いなく引き寄せられるかと……」


マザー「範囲は?」

ココロ「少なくともこの島全体にはお呼びますね、これも発動させる信者の数と比例しますので」

マザー「ふむ……広いな」

ココロ「ですから天使様を独り占め……もとい守るためには早めの判断が必要なのです」

698 ◆WsBxU38iK2:2017/11/24(金) 00:52:22 ID:tKJp5KC6


コトーリ「こころ、こころってえらいとこのむすめなのにそんなんでいいの?」

ココロ「ドエムお父様は言っていました、偉いからこそ民草の手本となれ、天使様を思う気持ちで負けるな」

ココロ「チャンスが来たら他の何を犠牲にしても手に入れ、思う存分虐げられなさいと!」グッ


ココロ「ですから相手がお父様やお姉様方だとしても私は天使様を渡しません」

ココロ「一生私の精神と体だけを虐め抜いて頂くのです」ニッコリ

コトーリ「うん……いろいろとこわい」


マザー(全裸のままコトーリちゃんの手を握るココロ、危ういやつやが今のところは利用できる人材やな)

マザー(さて……ちょっとこれからの方針を考えますか)


マザー(うちの任務としては正直コトーリちゃんの事情は関係ないし、助ける義理はないわけや)

マザー(だがTKB隊がいる限り任務に支障がでる、TKB隊を凌ぐにはココロの協力があったほうが楽で、ココロの機嫌を取るにはコトーリちゃんが必須)

マザー(更にコトーリちゃんには同じ異能者と思われる仲間がいるとの情報)


マザー(1人で任務を続けるより、コトーリちゃんを助けて恩を売り、そのお仲間と協力したほうが任務は上手く行く……か)

699 ◆WsBxU38iK2:2017/11/24(金) 00:52:37 ID:tKJp5KC6
マザー(よし!この方向性やな)

マザー(なによりうちは若くて可愛い子を見捨てておけないたちやねん、のぞみに似てる子もおるしな)


マザー「分かった、コトーリちゃんの体力が回復ししだい次の行動に移ろう」

ココロ「はいっ」

マザー「やることはコトーリちゃんの仲間の捜索と希の解呪、そんで島外への一時的脱出」

マザー「最後のは上に停めてある飛空艇を使えば……いや、こっちには内部事情を知っとるココロがいる、いっそのこと先回りして儀式を妨害するのも手か」

マザー「奥義ってことはそう何度も気軽に行えるものやないんやろ?」

ココロ「そうですね、色々と準備がいるので」


マザー「コトーリちゃん、あんたのお仲間のほうは希を抜いて何人や?」

コトーリ「なんにん……ええと、うみでしょ、だるこに、うみとらまんだから……さんにん?」


マザー「あと3人か、せめて流れ着いてそうな場所のヒントでもあればなぁ……」ガシガシ

マザー(コトーリちゃんから転覆した時の話は聞いとる、でも場所も何も覚えてないんじゃ話にならん)


コトーリ「まぁでも、のこりのなかまはわたしほどじゃないけどゆーしゅーだから」

マザー「ん?」

コトーリ「もしぶじにながれついてたんだとして、これだけのさわぎがおきてれば……」


コトーリ「たぶん、むこうからみつけてくれるはずだよ」

700 ◆WsBxU38iK2:2017/11/24(金) 00:53:00 ID:tKJp5KC6






──???


ピクッ

ダル子「いた……!」

ダル子(とある場所、木の上に隠れて神眼を光らせていた私は目的のものをやっと見つける)


ダル子「いましたっ!」

ダル子「祭りの中心部から少し離れた場所、信者の施設と思われる場所にコトーリさんたちの姿が見えます!」


ダル子(喜びを隠しきれない声で、私は木の下にいる人に報告する)

ダル子(木の幹に背を預けて両手を組み、精神統一でもしていたのか瞼を閉じていた彼女は、幹から離れると立て掛けてあった刀を持った)

ダル子(そして彼女……海未さんは私の方を見上げて笑顔で応える)


海未「ありがとうございます」

ダル子「行きますか?」


海未「はい、何か大変な状況みたいではありますが行きましょう」

カチャンッ

海未「希とコトーリ――2人を助けに!」



─────────────────

復活祭会場〜癒やしの空間
     〜???

AM6:17〜AM6:30 新終末編『230』了

701 ◆WsBxU38iK2:2017/11/24(金) 00:53:33 ID:tKJp5KC6
というわけでここまで

海未たちも始動

新終末編『231』に続く
かもしれない

702!ken:99:2017/11/24(金) 12:00:41 ID:60uqpZLs
をつ

これは強キャラ

703 ◆WsBxU38iK2:2017/11/24(金) 20:03:30 ID:tKJp5KC6
新終末編『231』

─────────────────
──??

AM6:31


ダル子「こっちです!付いてきてください!」

タタタタタッ! ザザッ!!


ダル子(分厚い雲のせいで未だ暗い夜明けの時間帯、私たちは樹木が鬱蒼と茂る小さな森の中を駆け抜けていた)

ダル子(暗さと視界の悪さが相まって、普通ならマトモに走ることなんて出来ない場所だ)

ダル子(無闇に突っ込めば泥濘んだ地面に足を取られて転んだり、突き出した枝で怪我をしてしまう恐れがある)

ダル子(けれど……私の眼があれば話は別!)

カッ!

ダル子「次は右!右斜め前!そこから正面に1メートルほどジャンプして着地したら少し下りになります!」

海未「了解!」


ダッ ダタッ 

ダル子(光の神である父から受け継いだ私の眼は暗闇でさえ昼間のように見通せる、急なステップだってお手の物)

ダル子(更に何十メートル先だろうが障害物があろうが見えるのだ、ちなみに耳も同じくらい便利……)

ダル子「……ジャンプ!」タンッ!

ヒューンッ


スタッ

ダル子(ま、そんな私の能力を駆使すれば夜の森だって楽々駆け抜けられるというわけ!)

704 ◆WsBxU38iK2:2017/11/24(金) 20:04:08 ID:tKJp5KC6
ザザザザザッ!
 
ダル子(無事に着地を決めた私は斜面を下りつつ、後ろを付いてきてる海未さんに尋ねる)

ダル子「海未さん!このペースで大丈夫ですか?」

海未「問題ありません、引き続き先導してください」

ダル子「そ、そう」


ダル子(……すごいな、今の海未さんは私のように万全の視界があるわけではない、懐中電灯の光すら無い)

ダル子(ほぼ暗闇の視界の中、私の合図だけを聞いて私と同じ速度で走っている)

ダル子(とても逆の立場だったら真似できないな……)


海未「そうですね、ただ移動してるというのも暇ですし、走りながら現状使える装備の確認でもしておきますか」

ダル子「えぇっ!?暇ってレベルなの!?」

海未「あぁすみません、神眼の集中の邪魔になりますか?」

ダル子「い、いや……大丈夫ですよ……ははは」


ダル子(なっ、なんなんだこの人、全部見えている私でさえ転ばないように気を払って走ってるのに……ほぼ目隠しで走って感想が暇……?)

ダル子(ここまで来ると本当にスクールアイドルなのか怪しくなってくるなぁ)

ダル子(いや海未さんは昔と変わらず可愛いけど……なんかタフネスになり過ぎな気がする)


タタタタッ

ダル子(とにかく今は先を急ごう、今私たちがいる場所とさっき見たコトーリさんたちのいた場所……)

ダル子(目測だと>>705くらい離れてるかな)

705名無しさん@転載は禁止:2017/11/24(金) 20:16:55 ID:ZYQpuIvo
海未のバストと希のバストの差

706 ◆WsBxU38iK2:2017/11/24(金) 20:51:32 ID:tKJp5KC6
ダル子(目測だと海未さんのバストと希さんのバストくらいかけ離れた距離)

ダル子(あ、これはあくまで例えで海未さんが小さいというわけでは……)

チラッ

海未「…………」ジーッ

ダル子「うっ」ビクッ


ダル子(まぁともかく、一筋縄じゃいかない長い距離ってこと)

ダル子(急がないとコトーリさんたちは移動してしまうだろう、その前に辿り着かないと)グッ


ダル子(距離とルートを再確認すると、私はちらっと胸の辺りを見てしまった海未さんに振り返り、なんでもないよと合図をする)

ダル子「……ははは」ヒラヒラ


海未「まぁ……いいですけど、では装備の確認を始めますよ」

海未「ダル子は特に武器となる装備は無いので主に私の装備――能力を確認します」

ダル子「は、はい!」

海未「まず私の異能①であるラブアローシュート、これは能力覚醒の矢であるAと攻撃の矢であるBが存在します」

海未「私は主にBを使っていて、テンタクルと組み合わせた技も複数あります」

ダル子「ドアラランドで究極生物を撃ったものや、魔の海域で巨海霊に放ったものですね」


海未「次に異能②がマインドコントロール、今は私の体を離れて"髪の中"に入っています」

海未「というのも私の髪は幻想種ダイオウイカと融合していて自在に動かせるんです、名前をテンタクル」ウネウネ

ダル子「龍宮城での話でしたっけ、その後にマインドコントロールをテンタクルに移した」

海未「2つ異能を人間の体と幻想手の体の部分で分けて負荷を減らそうという算段ですよ」

海未「今は主に髪を変化させた触手を使って様々な洗脳を行えます」

707 ◆WsBxU38iK2:2017/11/24(金) 20:52:24 ID:tKJp5KC6


タタタタタッ!


ダル子「3つ目は……キーブレードですか?」

海未「はい、これは私の物と言うより一族代々受け継いでいる能力ですね」

海未「空間と空間を繋ぐ扉を作成できる大きな鍵、こちらも特殊な呪文で呼び出すスイッチを作ってもらいました」

ダル子「使う時以外はスリープ状態にしておくと……」

海未「これまた負荷関係の話ですよ、緊急避難的用途に使えなくなったのは痛いですが……あのままだと私が死んでいましたから」 

海未「①は自分、②は髪に、③は使う時に召喚する――これで能力の負荷は上手く分散しているのです」


ザッ

海未「そして……4つ目」カチャッ

ダル子(海未さんは走りながら自分の腰の刀に手をかける)

海未「冥府の戦いで折れてしまった剣、ここに新たな力が宿った――」


ダル子「っ!?海未さん止まって!」

ダル子(刀の確認に入ろうとした瞬間だった、私の目が斜面をくだった先……舗装された道路を歩く人物を捉える)

ザザザザッ!

ダル子(油断していた、この先は障害物が少ないからと……チラチラ後ろの海未さんを振り返って話してたせいで気付かなかったんだ……!)


ダル子(おそらく祭りを取り仕切ってる信者の1人、格好や持ち物で目立つのは>>708)

708名無しさん@転載は禁止:2017/11/24(金) 21:01:34 ID:NDmpBBrA
寝袋を持って眠そうに歩いてる

709 ◆WsBxU38iK2:2017/11/24(金) 21:43:50 ID:tKJp5KC6
ダル子(目立つのは手に持った寝袋、信者は寝袋を持って眠そうに歩いている)


ダル子(さっき不覚にも音を立てちゃったけど……幸いまだ距離はあるし相手は眠そうだ)

ダル子(どうにかこのままやり過ごして――)

寝袋信者「んー?」ジロジロ

ダル子(ダメか……!)


寝袋信者「ふぁ〜、誰かいるの〜?」

ダル子(寝袋信者は眠たそうに目をこすり、止まる際に音を立てた私たちのほうをじっと見て暗闇に目を凝らしている)

ダル子(斜面の背の高い草に身を隠してるとは言え、このまま探し続けられたらいずれ見つかってしまう)


ダル子「海未さん……すみませ――」

海未「構いません、見つかったのなら試し切りといきましょう、実戦で確認です」

ダル子「え?」

710 ◆WsBxU38iK2:2017/11/24(金) 21:44:19 ID:tKJp5KC6


カチッ

スゥーーーーッ

ダル子(海未さんが刀身を鞘からゆっくりと引き抜く)

ダル子(刃に当たる部分は全体の半分ほどでポッキリと綺麗に折れていた、しかし……)

ボォォォォォォウッ!!

ダル子(折れた刃の断面から、青紫色の炎がモクモクと噴き出していた)


海未「ふぅ……」

ダル子(海未さんが両手で鞘を握り息を整えると、溢れるばかりだった炎は収縮し……長く細く確かな刀の形を取っていく)

ブゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!

ダル子(まるで折れた刃と青紫の炎が合わさり、1つの長い刀となるように――)


海未「――DX海未ちゃんソード・ファントムエッジ」


ダル子「……っ!」ゴクッ


海未「"もう一人の私"から事前説明は受けていますが、武器は使ってみなければ分からない」

海未「彼女が言うには、ファントムエッジは斬った相手を>>711する刃……とのこと」

711名無しさん@転載は禁止:2017/11/24(金) 22:03:29 ID:TdLNeKSI
ステータスを3割減らし、本能に忠実になる

712 ◆WsBxU38iK2:2017/11/24(金) 22:51:18 ID:tKJp5KC6
海未「彼女が言うには、ファントムエッジは斬った相手のステータスを三割減らし、本能に忠実になる……とのこと」

ダル子「本能に?」


海未「何があるか分かりません、ダル子は残っていてください」

ダル子「でも私がいないと眼が……」

海未「敵の位置なら声が聞こえたので分かりますよ、むしろここで全体を見張っていてもらったほうが助かります」

海未「もし敵の援軍が来るようなら大きな声で知らせてください」

ダル子「は、はい……分かりました」


海未「では……」スチャッ

ダル子(刀を片手に持ち直した海未さんはもう片手を斜面の下方について、片手クラウチングスタートの構えを取る)

ダル子(そして後ろ髪が2本の触手……テンタクルに変化、両肩の上を通り背後へ伸びる)

シュルルッ シュルルッ

ガッ! ガッ!

ダル子(先っぽを海未さんの後方の斜面に付けたテンタクルは自らをポンプのように圧縮、圧縮、圧縮して行き――)

ググググググググッ……!


ダル子(そして、一気に開放した)

海未「はっ!」

ドゥンッ!!!!


ダル子(海未さんが片手クラウチングスタートの姿勢から走り出すのと同時に、斜面につっかえ圧縮されていた両側のテンタクルがバネのように彼女の体を吹き飛ばした!)

ダル子(海未さんは伸縮自在な触手をロケットスタートを決めるための道具として利用したんだ……!)

713 ◆WsBxU38iK2:2017/11/24(金) 22:51:44 ID:tKJp5KC6


ビュゥゥゥウゥンッ! ザザザザザッ!!


ダル子(……速い、それは草原を駆ける一筋の疾風、正にかまいたち)

ダル子(海未さんは風の速さで斜面を駆け下りると寝袋信者の前へ躍り出る!)


寝袋信者「……っ!?」ビクッ!

ダル子(来る方向が分かっていたとは言え対応が間に合うはずがない、寝袋信者は驚きから硬直してしまう)

海未「…………」フッ

ダル子(対する海未さんの姿勢は低い、限りなく低い)

ダル子(風の抵抗を受けないように極限までの前傾姿勢、鼻先が舗装されたアスファルトに付くギリギリの位置にある)

ダル子(海未さんはそこから体を捻り、ロケットスタートと斜面を駆け下りた加速を殺さず、刀を持った方の手へエネルギーを移していく)

クルッ

ダル子(そして振りの中で一瞬で順手から逆手へ持ち替え、地面スレスレの位置から一気に刀を振り上げた!)

海未「――はっ!」

ブンッ!!


ダル子(リーチの長くなったファントムエッジの先がアスファルトを焼き切り火花を散らし――)

ジュゥゥゥゥゥッ!

ダル子(一気に寝袋信者の下から上までを切り裂く!)

ザンッ!!!!


寝袋信者「っ!?」ビクビクッ!!

海未「安心してください……この妖刀は人の命を食ったりはしません」

海未「ただあなたの本能を引き出すだけ」


寝袋信者「ほんの……ぐぅぅぅっ!」

ボォォォォウッ!

ダル子(海未さんが切り裂いた傷跡から血の代わりに青紫の炎が吹き出た)

ダル子(ファントムエッジの刃先と同じ色……あの刀の能力が発動するんだ!)


寝袋信者「うわぁぁぁぁぁぁっ!!」

ボォォォォォォォォォォォォウッ!!

ダル子(傷口から溢れた炎が寝袋信者の全身を包み込む、海未さんの言うとおりなら命を取る類ではない)


ダル子(そして数秒後、炎が晴れると信者は>>714)

714名無しさん@転載は禁止:2017/11/24(金) 22:56:43 ID:x/mQ95Ec
天使のような寝顔で熟睡した

715 ◆WsBxU38iK2:2017/11/24(金) 23:59:10 ID:tKJp5KC6
ダル子(炎が晴れると信者は天使のような寝顔で熟睡していた、もちろん自前の寝袋の中で)

ダル子(あれが本能に忠実になるってことなんだろう……)


海未「ダル子!周りに敵が見当たらなければこちらに降りてきてください!」

ダル子「分かりました!」

ガササササッ! 

タタッ

ダル子(転ばないように慎重に草を掻き分けて斜面を降りて、海未さんの元へ追いつく)


寝袋信者「すぅーすぅー」

ダル子「本当に熟睡してる……」

海未「この信者が本能で願っていたのはぐっすり寝ることだったのでしょう」

海未「さてと……」

ガサゴソ ガサゴソ

ダル子「って海未さん!?なに寝袋の中に手を入れて弄ってるんですか!?」


海未「大丈夫ですよ、今は熟睡の欲求が勝ってますし、全部のステータスが減少してるので大した抵抗もできません」

海未「持ち物を探るには絶好のチャンス……お、ありましたありました」

スッ

ダル子(海未さんは寝袋信者の中から取り出した物品を路上に並べていく)


海未「身分証のようなもの、カードキー、地図、予備の信者服、簡易食料が数個に……これは薬の瓶でしょうか」

海未「地図はダル子に渡しておきます、貴女が眼で見たものと合わせて建物の位置を確認しててください」

ダル子「はい、カードキーの方は解錠に使えそうですね、他は……よく分かりませんけど」


海未「ここで信者の一人を確保できたのは大収穫です、手に入れたものを使って一気に進みましょう!」


─────────────────

祭り会場への道中 

AM6:31〜AM6:35 新終末編『231』了

716 ◆WsBxU38iK2:2017/11/24(金) 23:59:40 ID:tKJp5KC6
というわけでここまで

新終末編『232』に続く
かもしれない

717 ◆WsBxU38iK2:2017/11/25(土) 20:19:54 ID:HRQyG.Es
新終末編『232』

─────────────────
──祭り会場付近・建物の影

AM6:35


海未「ほっ」バシッ!

信者「うぅ……」

パタンッ


ダル子(建物と建物の間、影になってる細い路地で海未さんが見張りをしていた信者を倒す)

ダル子(今度は刀で斬ったのではなく、おそろしく速い手刀で背後から一発、私でなければ見逃しちゃうね)


海未「これで5人目……この人も大した物は持ってないようです」ガサゴソ

ダル子「あー」

海未「1人目を無力化してから同じように孤立して巡回している信者を不意打ちして来ましたが……4連続で収穫はゼロ」

ダル子「残念ですね」


海未「運が悪いと言うより、1人目に選んだ信者が当たりだったのでしょう」

海未「あのお寝坊さんが普通の信者より無駄に多くのものを寝袋に溜め込んでいたんです」

海未「見回りに必要のないものが沢山ありましたから」

ダル子「ふむ……この子がねぇ……」


ダル子(実は1人目の寝袋信者さんは今も連れてきていたりする)

ダル子(寝袋に入って眠ったまま、海未さんにリュックサックのように担がれているのだ)


ダル子(何故適当な場所に放置せず連れてきてるかというと>>718)

718名無しさん@転載は禁止:2017/11/25(土) 20:32:21 ID:eFXMjcLY
性的にタイプだから

719 ◆WsBxU38iK2:2017/11/25(土) 21:33:18 ID:HRQyG.Es
ダル子(何故連れてきてるかと言うと……まぁ単に性的にタイプだから)

ダル子(見も蓋もない言い方だけど真実だから仕方ない、眠ってる所を襲いたくなるくらい可愛い、ちゅーしたい)


ダル子(もちろん海未さんにそんな理由を離すわけにはいかないし……適当に利用価値がありますよってごまかしてるけど)

ダル子(ごまかす理由なんて人質にするなり、情報を聞き出すなり、寝袋が役立つなり、適当なんだから何でもいい)


寝袋信者「すぴー……すぴー……」

ダル子(寝顔も可愛いなぁ、名前はなんて言うんだろう)

ダル子(海未さんの背中にミノムシのようにぶら下がってる寝袋ちゃんの顔を軽くつつく)

ツンツンッ

ダル子「ふふっ」


海未「ダル子!」

ダル子「は、はいっ!」

海未「ここから先は信者の数が爆発的に多くなるんでしたよね」

ダル子「そうですね、祭り会場があった場所ですから、そのまま信者たちが集まってコトーリさんたちを探しています」

ダル子「加えて巻き込まれた大量の一般人が逃げ惑っていて、祭りの時と同じく大変今雑しています」

720 ◆WsBxU38iK2:2017/11/25(土) 21:33:45 ID:HRQyG.Es


海未「ならばこっそり潜入と不意打ちという今までの方法は使えない、ここからは信者に変装して行きましょう」

ダル子「変装?」

海未「不意打ちで倒してきた信者たちから奪った信者服がありますからこれを着て……ね」スッ

ダル子「なるほど、じゃあ私は寝袋ちゃんが持っていた替えの服を借ります」


海未「寝袋ちゃ……?ダル子にはこの信者の服は少し小さいのでは?」

ダル子「い、いえっ!私にはこれがピッタリですよ!ピッタリですから!」

海未「はあ……別にバレなければ何でも良いですけど……」 


グイグイッ

ダル子(海未さんの追求を交わしつつ、私は寝袋ちゃんの信者服を着る)

ダル子(服は上から頭を通して被るマント式のもの、海未さんの見立て通りやっぱり少しきつい……)

ダル子(でもこれくらい何もとない……何とも……)

ギュゥゥゥッ

ダル子(私は端を無理やり引っ張ってどうにか全身が隠れるようにする)


ダル子「ふぅ……ん?」

ダル子(なんとか着終わった所で、服の端にネームタグが付いていることに気付いた)

チラッ

ダル子(む?これが寝袋ちゃんの名前かな、ええと……>>721)

721名無しさん@転載は禁止:2017/11/25(土) 21:35:43 ID:uUxW.LN2
スリーピング・彼方

722 ◆WsBxU38iK2:2017/11/25(土) 22:18:11 ID:HRQyG.Es
ダル子(ええと……タグに書いてある名前は『スリーピング・彼方』)

ダル子(彼方ちゃんか、名前も可愛いなぁ……ふふっ)


彼方「んんっ……」ムニャムニャ

ダル子(黒い寝袋から顔とウェーブのかかった長い茶髪だけを出して、天使のような笑顔で眠る彼方ちゃん)

ダル子(眠ることが1番大好きなのに……なんでこんなカルト教団に入ったんだろう……)


海未「よし、では行きますよ」パサッ

ダル子(海未さんも私と同じく信者の服を纏い、彼方ちゃんの寝袋を背負い直す)


海未「ここまでの実戦で確認したことを復習すると、雪の中では普通のラブアローシュートは使えません」

海未「テンタクルは動かせますがマインドコントロールは直接接触のみ」

海未「武器として完全に使用できるのはファントムエッジくらいですね」カチャッ

723 ◆WsBxU38iK2:2017/11/25(土) 22:18:46 ID:HRQyG.Es


海未「近接主体の戦いに行くことになるので、もしもの時は肩の荷物をパスします、落とさないでくださいよ」

ダル子「分かりました!しっかりしっぽりキャッチします!」

海未「それとナビゲートも引き続きお願いします」

ダル子「はいっ」


ダル子(渡されている地図の情報は完全に頭に入っている、実際に神眼で見て現地との齟齬も確認済み)

ダル子(問題なくコトーリさんたちの所へ導ける……)

 
ダル子(コトーリさんたちのいる癒やしの空間の様子だって数分ごとに確認してる)

ダル子(今あっちのメンバーの様子は>>724)

724名無しさん@転載は禁止:2017/11/25(土) 23:05:14 ID:VqDZ.nbw
焚き火でクッキング

725 ◆WsBxU38iK2:2017/11/25(土) 23:47:41 ID:HRQyG.Es
ダル子(あっちの様子は……)


ダル子「む?」

海未「どうしました?」

ダル子「コトーリさんたちは料理を始めたみたいです、焚き火を作って周りで何かしてますね」

海未「ほう……クッキングを」


海未「ということは向こうはもうしばらく潜伏する気でしょうね」

海未「好都合、今のうちに一気に近づきますよ!」

ダル子「はいっ!」

彼方「……むにゃ」スピー

タタタッ!


ダル子(信者に変装した私たちは路地裏から飛び出し、未だ混乱冷めやらぬ信者の群衆の中に飛び込んでいく)


ダル子(しかし……この状況で料理とはわりと余裕なのかも……?)


─────────────────

祭り会場近く

AM6:35〜AM6:38 新終末編『232』了

726 ◆WsBxU38iK2:2017/11/25(土) 23:49:04 ID:HRQyG.Es
というわけでここまで

短めですね
次は料理してるコトーリたちから

新終末編『233』に続く
かもしれない

727 ◆WsBxU38iK2:2017/11/26(日) 20:17:58 ID:cWnZ6lPc
新終末編『233』

───────────────────癒やしの空間・軒下

AM6:38


コトーリ「りょう……り?」

マザー「せや、簡単なクッキングやね」

カタカタッ

マザー(何故この状況で……?といった目を向けるコトーリちゃん、その横でうちは料理の準備を進める)


マザー(コンロ代わりに焚き火を使う手前、癒やしの空間の中では調理できない)

マザー(てわけで少し外に出て、今いる場所は癒やしの空間の裏手の軒下)

マザー(ここなら雪をしのげるし、下はコンクリートだから延焼するものはない)

マザー(ブロックで簡易的な竈を作って中に火を付ける)

パチッ パチッパチッ

ボォォォォォォウッ


コトーリ「ほー、それでひがつくれるんだ」

マザー「簡単なサバイバルキットを持ってたからな、煙で敵に気付かれそうな気もするが……気付かれたら気付かれたで対処しようや」

パチッパチッ

マザー「それで、今この状況で料理するわけやけど……希ちゃんの解呪のためやね」

コトーリ「のぞみの?でもかいじゅはかんたんにはできないって……」

マザー「ああ、根本的な治療は簡単にできない、せやけど呪いを和らげることくらいはできるかもしれん」

728 ◆WsBxU38iK2:2017/11/26(日) 20:18:24 ID:cWnZ6lPc


マザー「呪いも病の仲間、病は気から、気は食いもんで大概なんとかなる」

マザー「特に希ちゃんの場合は人格や記憶が変えられている症状やし、気……精神の問題に近い」

マザー「美味いもん食わせて希ちゃんの精神バランスを安定させようって話やね」

コトーリ「なるほど……」


マザー「そこで質問なんやけど、希ちゃんが好きな料理って何かな?」

コトーリ「え?」

マザー「ほら、せっかくなら好物のほうが効果ありそうやん」

コトーリ「ふむ…………」


コトーリ「……あれ?のぞみがすきなものぜんぜんしらないな」

マザー「えっ」

コトーリ「ここさいきんだとわりといっしょにいるにんげんだけど、そういうはなししたことないなぁ」

マザー「そうなん?でも今いる面子だとコトーリちゃんしか仲間おらんし」


コトーリ「そうだね、ええと……ええと……のぞみのすきなもの……」ムムゥ

コトーリ「……あ!たぶん>>729がすきだとおもう!」

729名無しさん@転載は禁止:2017/11/26(日) 20:20:53 ID:iqXlRUtk
オッパイ大きいから母乳

730 ◆WsBxU38iK2:2017/11/26(日) 21:23:06 ID:cWnZ6lPc
コトーリ「おっぱいおおいからぼにゅうだとおもう!」

マザー「ぼ……母乳?」


マザー(うちが訝しげな顔をするとコトーリちゃんも首をひねる)

コトーリ「……あれ?なにかおかしなかこといった?」


マザー「いやいや、母乳は普通赤ちゃんが飲むものやろ、希ちゃんくらいの子は飲まんて」

コトーリ「でもにほんのしょくたくには、ふつうにぼにゅうがおいてあるってきいたよ」

コトーリ「めすのほにゅうるいのおっぱい、そこからでるのがぼにゅうでしょ?」

マザー「ああ……うん、そうやな、牛乳も広義では母乳の仲間やな……」

コトーリ「……?」


コトーリ「にせんねんくらいまえも、わたしのしってたにんげんたちはぼにゅうをたべてた」

コトーリ「えいようのあるいいたべもの」ドヤッ

マザー「ははは……」


マザー(普通の人と違うナニカとは察してたけど、やっぱりコトーリちゃんは感覚がズレとるなぁ)

マザー(人間と動物を哺乳類でくくっていたり、遥か昔のことを見てきたように語ってたり)

マザー(ほんまに天使みたいな――――)


コトーリ「ていやっ」ザクッ!

マザー「がふぅ!」

731 ◆WsBxU38iK2:2017/11/26(日) 21:23:39 ID:cWnZ6lPc
マザー(少し余所見していた隙に、コトーリちゃんの手刀が脇場に深く突き刺さった)

マザー「な……なにすんねん……」ガクガクッ


コトーリ「てんししんけんでぼにゅうのひこうをついた、これでまざーからもでてくるよ」

マザー「は、はぁ?そんなわけないって、第一うちは子供すら出来たことな――」

ムググググッ

マザー「なっ!?」

ドクッ! ドクッドクッ!

マザー(急に胸が膨張してパンパンに張ってくる、乳首が痛いほど膨れてくる)

マザー(そして中から熱いものが流れ出して来て――)


マザー「ア、アカンっ!!」バッ!

マザー(間に合わないと察して胸を覆ってる部分の服と下着をエアワシワシでちぎり取る)

ギュッ バリィィィッ!

マザー「出るっ!!」

ビュルルルルルルッ!!!!

732 ◆WsBxU38iK2:2017/11/26(日) 21:23:58 ID:cWnZ6lPc


マザー(露わになったうちの乳の先から熱くて白い液体が噴水のように勢い良く吹き出た)

コトーリ「おっと、きゃっちきゃっち」

ジョボボボボボボッ

マザー(滝のように落ちる母乳がコトーリちゃんの差し出した小さな手鍋に注がれていく)


マザー「はぁ……はぁ……んんっ」ビクッ ビクッ

コトーリ「でたでた、ちゃんとでるじゃん」

マザー(初めての感覚や……頭の奥がゾクゾクして気持ちいい、敏感になった乳首が冷たい空気に触れてくすぐったい)

マザー(なんかもう……どうにかなってしまいそうや……)


コトーリ「さておあじは……」ペロリ

マザー(コトーリちゃんが小指を鍋に溜まった母乳に付けて味見をする)

コトーリ「うん、>>733

733名無しさん@転載は禁止:2017/11/26(日) 21:28:41 ID:aaT3kynU
深淵が薄まった気がする

734 ◆WsBxU38iK2:2017/11/26(日) 22:15:45 ID:cWnZ6lPc
コトーリ「のうこうでとてもおいしい……それに……」

マザー「それに……?」


コトーリ「わたしのなかのしんえんが、うすまったきがする」

マザー「え?」

コトーリ「だからほら」スッ

マザー(コトーリちゃんが自分の片腕、指先から肘にかけて侵食され長手袋のようになっていた黒い領域を指差す)

マザー(確かに……よく見ると黒と白を分ける境界線が少し手の先側に移動している気がする)


マザー「ほんまや、黒い領域がさっきより減ってるな……数ミリくらいやけど」

コトーリ「しょうじきおどろいた、まざーのぼにゅうにこんなこうかがあるなんて」

コトーリ「そーま……ってやつなのかも」

マザー「ソーマ?どっかの神話に出てくる神の飲みもんやったっけ?」


コトーリ「そうそう、むかしきいたはなしのなかで、そーまはぼにゅうだったってはなしがあったの」

マザー「どこの奇天烈神話の話やねんそれ……」

コトーリ「なづけてせいぼのそーま、よし!さっそくりょうりにかかろう!」ムフー

マザー「ちょいちーょい」

735 ◆WsBxU38iK2:2017/11/26(日) 22:16:03 ID:cWnZ6lPc


マザー(何故か少し興奮して意気揚々とし始めたコトーリちゃん)

マザー(『聖母のソーマ』?何でうちの母乳がミラクル存在になんねん……)

ググッ

マザー(まぁ1人で勝手に料理を進められても困るし、今悩むのはやめておこう)


マザー(母乳を出した快感で尻もちを付いていたうちは、ポロリしたままになってる乳を拭いて、周りから見えないようにコートの前を閉じて立ち上がる)

マザー(本当なら中も隠したいけど、服を破ってしまった手前今は隠しようがない、後で着替えよう……)


コトーリ「ふんふふーん」カチャッ

マザー「コトーリちゃん、手鍋を火にかけるのはいいけど作りたいものは考えてるん?」

コトーリ「んー?」

マザー「やっぱり考えなしに火にかけてたんか……せやな、謎の母乳とはいえミルクに違いはないやろ」

マザー「作るとしたら>>736

736名無しさん@転載は禁止:2017/11/26(日) 22:20:09 ID:zgHXnNQ6
処女ママの特濃ミルクスープ

737 ◆WsBxU38iK2:2017/11/26(日) 22:53:59 ID:cWnZ6lPc
マザー「作るとしたら……ミルクスープとかやろうか」

コトーリ「すーぷいいね!」


マザー「名付けてママの特濃ミルクスープや!」

コトーリ「しょじょなのにまま?」

マザー「聖母やって処女やろうが……ってなんでうちの性事情知ってんねん」

コトーリ「てんししんけんはついたあいてのしんたいでーたがわかる」

マザー「……まじ?」

コトーリ「うそ、てきとうにいったらあたった」

マザー「嘘なんかいっ!」

コトーリ「てへへ」


マザー「全く……なんで母乳絞られたあげくコンプレックスを晒さなあかんのか……」

カタカタッ

マザー(ぶつぶつ文句を言いつつ料理――処女ママの特濃ミルクスープの準備は進める)

マザー(スープの味を整える調味料に具材を諸々を投入、具材は野菜や肉があればいいんやけど手持ちにはない……)

738 ◆WsBxU38iK2:2017/11/26(日) 22:54:16 ID:cWnZ6lPc


マザー「癒やしの空間に食料とか置いてある部屋ないんかな、ココロに聞いとけば良かった」

コトーリ「だったらわたしがきいてくるよ」

テテッ

マザー(コトーリちゃんは癒やしの空間の裏、勝手口の扉に走っていく)

マザー(ちなみにココロと希ちゃんは勝手口のすぐ内側の柱に紐を使って縛り付けてある)

マザー(外に出すのは危険、でも逃げださないようにとの対策やね)


コトーリ「こころー、ここってれいぞうことか――」

マザー(そう言ってコトーリちゃんが扉を開けると>>739)

739名無しさん@転載は禁止:2017/11/26(日) 23:06:46 ID:3GlC4lxE
2人共興奮して体中の穴という穴から体液を出していた

740 ◆WsBxU38iK2:2017/11/27(月) 00:24:08 ID:fpC0HH4.
マザー(扉を開けたコトーリちゃんの表情がピタリと固まる)


マザー「コトーリちゃん……?」


コトーリ「やばいな……これ……」

マザー「やばいってなにがー?」

マザー(火の番があるのでうちは鍋の前を長く離れられない、コトーリちゃんに大きな声で尋ねる)


コトーリ「じごくえず、どろどろのぬるぬるだよ」

コトーリ「ふたりがこうふんして、からだじゅうのあなからたいえきをたれながしてる……」

マザー「なんやて……!?」


マザー(仕方ない、鍋は少し放置してうちも勝手口のほうへ向かう)

タタタタッ


マザー「うっ……!」

マザー(扉に近づいた瞬間に強烈な臭いが鼻をつく、地獄絵図……言い得て妙やな)

マザー(扉の向こうの柱に繋がれていたはずの2人は床に伏せていて、床には2人分の様々な体液が水たまりのように広がっとった)

マザー(涙や鼻水や涎れ、血液や内臓の液、汗や糞尿、他にもなんだか良く分からんもんまで入り交じっとる)

マザー(匂いを含め綺麗なもんやないってことはハッキリと分かる)

741 ◆WsBxU38iK2:2017/11/27(月) 00:24:40 ID:fpC0HH4.


マザー(肝心の2人は激しい弛緩を繰り返していて、服や髪は体液でびしょびしょ、現在進行形で穴という穴から体液の噴出が止まらない)

マザー(下手したら自分たちの体液で溺れるんやないか……!)


マザー「コトーリちゃん、とりあえず2人を起こすで!」

コトーリ「うんっ!」

タタタッ バシャシャシャッ


マザー(室内へ入り、2人を助け起こして体液溜まりから遠ざけ壁に寄りかからせる)

ココロ「はぁ……ふぅ……」

希「ふぅ……はぁ……」

マザー(どうやら呼吸はちゃんとしとるみたいやな……良かった)


マザー「しかし……なんでこんなことに……」

コトーリ「もしかして、せいぼのそーまのせいかも」

マザー「え?」

コトーリ「あれなめたとき、わたしのなかのしんえんがけいげんしたでしょ」

マザー「あ、ああ……せやな」

コトーリ「しんえんをへらすって……れいせいにかんがえるとすごいことだよ?」

コトーリ「わたしはてんしだからへいきだったけど、もしかしてにんげんにはつよすぎるくすりなのかも」


マザー「うちの母乳が原因やって?でもまだ2人は食べてないやろ」

コトーリ「だからつよすぎるんだよ、りょうりのためにそーまをひにかけたから――」

マザー「気化か……?熱されて気化したソーマを吸い込んだからか!」

コトーリ「たぶん、とびらのすきまからなかにはいっていったんだとおもう……」

742 ◆WsBxU38iK2:2017/11/27(月) 00:24:56 ID:fpC0HH4.


マザー「……なるほど、聖母のソーマの効果は超強力なデトックスを伴う自浄作用ってわけやな」

マザー「コトーリちゃんの消すことができない深淵を強制的に排出して減らし、2人の体液を通常では有り得ないくらい溢れ出させた」

コトーリ「わたしはてんしだから、どくとはんていされるぶぶんがしんえんくらいしかなかったんだとおもう」

マザー「……で、普通の人間の2人は毒と判定された部分が多くてこれか」


マザー「それにしても反応が過剰すぎる気がするわなぁ、ほんとに生命活動に支障は無いんか?」

コトーリ「わたしにはわかんない、でもこれでのぞみをなおすほうほうがわかったんじゃない?」

マザー「ああ……人格を捻じ曲げる淫紋が毒と判定されるんなら、ミルクスープを飲ませ続ければいけるかもしれん」


マザー「希ちゃんの体力と脱水が心配やけど……そこらへんは様子みつつ試してみよう!」

コトーリ「おー」



─────────────────

癒やしの空間

AM6:38〜AM6:43 新終末編『233』了

743 ◆WsBxU38iK2:2017/11/27(月) 00:26:30 ID:fpC0HH4.
というわけでここまで

次は実食回

新終末編『234』に続く
かもしれない

744!ken:99:2017/11/27(月) 13:49:13 ID:tUyXACEQ
をつ

745 ◆WsBxU38iK2:2017/11/27(月) 20:18:37 ID:fpC0HH4.
新終末編『234』

─────────────────
──癒やしの空間

AM6:45


マザー(息も絶え絶えになったココロちゃんに聞いた所、癒やしの空間の中に設置された食料部屋を見つけることが出来た)

マザー(そこから多くの水と少しの食材を持ち出し、早速料理の続きをするべく軒下の鍋の元へ戻る)

タタタッ

マザー「コトーリちゃん別の鍋とって!」

コトーリ「ほーいっ」


マザー(さっきの様子を見るにソーマ成分はなるべく希釈したほうがええ、前の鍋から煮詰めた母乳を少しだけ新しい鍋に移し替え、そこに大量の水を注ぐ)

バシャァァァァァッ

マザー「コトーリちゃん、味はどう?」

コトーリ「ふむ……あじはあんまりかわらないね、かわらずとくのう」ペロリ

マザー「これだけ入れてもかぁ、元がどんだけ濃いんだか……」

マザー「まぁ味はともかく成分は薄まってるはずやから……この方法を繰り返していけばええやろ」


バシャァァァァァッ グツグツ パララララッ

マザー(希釈を繰り返し、その度にコトーリちゃんに味見してもらって味の調整を繰り返す)

マザー(本来なら出来る限り限界までやったほうが人体には優しいんやろうけど、生憎うちらには時間がない)

マザー(10回ほど薄める作業をしたところでカットしておいたベーコンや野菜なんかの具材を投入、調味料で仕上げをする)


マザー「ふぅ……こんなもんかな」 

コトーリ「うん、おいしい」ペロリ

マザー(最後の味見を終えたコトーリちゃんは親指を立てて応える)

746 ◆WsBxU38iK2:2017/11/27(月) 20:19:04 ID:fpC0HH4.
コトーリ「でもまだにんげんにはきついかも、どうするの?」

マザー「そこは目を瞑るしかないな、なるべく少量ずつ繰り返し飲ませて様子見ていこう」


マザー(うちはスープを皿に取り分けると建物の中の希ちゃんの所へ向かう)

タタタッ

コトーリ「ねぇまざー!つかわなかったこいすーぷはわたしのんでいいー?」

マザー「ええでー!」

タタタッ


ガチャッ

マザー「希ちゃん!」

希「はぁ……はぁ……ん……?」

マザー(扉を開くと希ちゃんは変わらず裸で、近くの壁に背中を預け座っていた)

マザー(身体検査の後にわざわざ着せた服も、体液流出のせいで濡れたので脱がすはめに……着脱が忙しい子やなぁ)


マザー「希ちゃん、今からこの処女ママの特濃スープを飲ませるで」

マザー「少しずつ飲ませるから何か体に異変があったら手を上げて教えてくれな?」

希「は……はいっ」

マザー「じゃ……」スッ


トロロロッ

マザー(器の端から希ちゃんの口へ、白い液体を慎重に注いでいく)

希「んっ……んっ……」

ゴクッ ゴクッ

希「んっ……んっ……んんっ!?」

ビクンッ!!!!

マザー(すると突然希ちゃんの体が感電したかのように痺れて跳ねる)

747 ◆WsBxU38iK2:2017/11/27(月) 20:19:29 ID:fpC0HH4.
マザー「希ちゃん!?」


希「うっ……ぐぇぇぇぇぇっ!!」

ビチャビチャビチャッ!!

マザー(希ちゃんの口や鼻から白濁した液体が吐き出され、希ちゃんは四つん這いになって激しく咳き込む)

マザー(下の穴からも同じような液体がドボドボと流れ出るのが裸のおかげてよく分かる)


マザー(たださっきと違うのは出された体液が白一色の液体だということや)

マザー(液体の中に胃の中の溶解物や、血液や排泄物といった体組織由来のものは混ざってへん)

マザー(基本的な汚れは一回目の摂取で全部排出されたってことやろうか……)


希「はぁ……はぁ……」

マザー「気分はどうや?」サスサス

希「そう……ですね、少々苦しいですけど……さっきよりは苦しさが減ってる気がします……」

希「むしろ自分の中が掃除されて気持ちいい……?ような気も……」


マザー「よし、じゃあ次は水を飲んで水分補給」

希「はい」クピクピ

マザー「水分取ったらまたスープで出すで、ちょっときついだろうけど我慢してな」

マザー「これを繰り返していけば――」







マザー(スープ→出す→水飲む→休憩→スープ→出す)

マザー(このローテを繰り返しつつ、デトックスを続けて10分ほどが経った)


マザー(その結果、希ちゃんの下腹部に印されている淫紋の様子は……>>748)

748名無しさん@転載は禁止:2017/11/27(月) 20:21:16 ID:xbUAxMOQ
消滅

749名無しさん@転載は禁止:2017/11/27(月) 21:24:08 ID:ZQFpQha2
https://www.bit.ly/2kJFRlx

750 ◆WsBxU38iK2:2017/11/27(月) 21:41:51 ID:fpC0HH4.
マザー(淫紋は綺麗さっぱり消滅していた、跡も残ってない綺麗な肌やで)

マザー(くくくっ……やはりうちの読みは正しかったみたいやな)


マザー(……で、淫紋の消滅と共に希ちゃんは元の人格に戻ったわけなんやけど――)


希「んなっ!?なんでうちは裸なん!?」バッ!

希「それにお母さん……じゃないよね、こんなとこにいるわけないし、よく似た別人か……?」

マザー(見ての通り混乱の極みにあった)

マザー(どうやら人格が上書きされていた時の記憶はあまり無いらしいな……)


マザー(うちがどうしようか手をこまねいていると、コトーリちゃんがジョッキ片手にやってくる)

コトーリ「このひとはまざー、たぶんみかたのひとだからあんしんして」グビグビ

希「コトーリさん……」

コトーリ「っぷはぁ〜!」


マザー「コトーリちゃん、そのデカイジョッキで飲んでるのってまさか……」

コトーリ「うん、まざーのつかわなかったぼにゅうをぜんぶまとめたの」

マザー「やっぱりかー」

751 ◆WsBxU38iK2:2017/11/27(月) 21:42:09 ID:fpC0HH4.
コトーリ「ただこれだけのんでも、はいしゅつできるしんえんはびびたるものだね」

コトーリ「れーてんれーれーなんぱーせんとくらい、ぜんぜんたりない」

カランッ

マザー(コトーリちゃんは飲み干して空になったジョッキを床に置く)


コトーリ「というわけでもっとちょうだい、おっぱいからじかのみでもいいよ」ジーッ

マザー「アホなこと言うんじゃありません」コツンッ

コトーリ「あいたっ」


マザー「まったく……へんに懐かれたなぁ」

コトーリ「むぅー、のみたーい」スリスリ


希「ええと……マザーさんでいいんか?コトーリさんに聞いても要領を得なさそうやし、そちらから説明してもらっていい?」

マザー「もちろん、うちの視点から見た今までの状況をまとめると――」

752 ◆WsBxU38iK2:2017/11/27(月) 21:42:48 ID:fpC0HH4.




マザー「……って感じやね」


希「……なるほど」ウンウン

マザー(うちが説明し終わると、希ちゃんは頭の中で情報を整理してるのか頷きを繰り返す)


希「マザーさんは『とある任務』でこの海域に来たスピリチュアル教団の幹部」

マザー「ああ、今回の任務は教団とは別の仕事やけどな、お友達からの頼みみたいなもんや」

希「それで任務の邪魔になるTKB隊を排除する都合上、コトーリさんとうちを助けてくれた……と」

希「本当に感謝しないといけんな、ありがとうございました」ペコリ


マザー「いいんやって、この後任務を手伝ってくれること込みの下心ある話やし、何よりうちが放っておけなかった」

マザー「希ちゃんとよく似た子を知っとるからな……」

希「そうだそれ、話聞いてて思ったんやけど」

希「それってもしかして……エローチカ家で働いてるのぞみのことやないん?」

マザー「……えっ」ピタッ


マザー(あまりの衝撃にうちは一瞬固まってしまう)

マザー(のぞみと瓜二つの希ちゃんの口から、うちの知っているのぞみの話が出てくる……どういうことなん?)


コトーリ「わたしたち、ろしあにいったときにのぞみとあってるんだよ」

マザー「ええっ!なんで最初に話した時に教えてくれなかったん!?」

コトーリ「わすれてた」


マザー「むぅ……」

753 ◆WsBxU38iK2:2017/11/27(月) 21:43:12 ID:fpC0HH4.


希「のぞみとうちは何て言うんかな……信じて貰えるかは分からんけど、別世界の同一人物なんよ」

マザー「なっ……!」

希「この世界とは別の歴史の世界があって、うちはそこの東條希」

希「ロシアにも渡らず、両親が健在で、音ノ木坂でえりちたちと出会って、μ'sに入った世界線」


マザー「そう……か、同一人物……通りでうちが見間違えるわけや……」

マザー「なるほどなぁ、偶然にしては出来すぎやで……はは……」

マザー(驚きの事実に少しだけ体の力が抜けてしまう)


希「マザーさん……?」

マザー「いや大丈夫、疑ってはないから」

マザー「魔術師まがいの仕事をやってれば平行世界なんてよく聞く話、珍しいことでもない」


マザー「それにしてもそうか……あの子が1人にならん世界もあったのか……」

希「……うん、せやね、うちはすごく幸運やったんだと思う」

希「だけど――」

マザー(そこで言葉を区切ると、希ちゃんはうちの手を取って顔を近付けた)


希「うちも安心した」

希「のぞみにも、あなたみたいな優しい人が親代わりになってくれてたんやね」

マザー「……!」

希「しかもうちのお母さんに似てる、これも何かの縁なんかな?」ニコッ


マザー「…………希ちゃん、ありがとう」


マザー「うちな――」

コトーリ「はいはい、たのしいおはなしもいいけどいまはべつのことね」

マザー「うっ!そ、そうやな……」


マザー(いかんいかん、のぞみの話はいつでもできる……)

マザー(今はコトーリちゃんの言うとおり先に聞くべきことがあるんやから)


マザー「希ちゃん、希ちゃんが淫紋を刻まれた理由……転覆した瞬間から今までのこと……何か覚えてることはない?」

希「……そうやな、>>754

754名無しさん@転載は禁止:2017/11/27(月) 21:47:48 ID:PTTSfSwo
おやじギャグをめちゃくちゃ聞かされた気がするようなしないような

755 ◆WsBxU38iK2:2017/11/27(月) 22:49:19 ID:fpC0HH4.
希「そうやな、まず船が転覆したんはうちの能力の暴走で間違いない」

希「慌てたうちがAASの中で無理やり複製と奪取の能力を使い、それが雪に阻害される形で暴発」

希「船の色んな場所を増やしたり減らしたりしてバランスが崩れたんやと思う」

希「こればっかりは本当にすまん!」パチンッ!


コトーリ「べつにきにしてないよー」


希「……で、海に投げ出された所までは覚えてる……でもその先から記憶が曖昧やな」

希「微かに記憶にあるのは……何処かに流れ着いたこと、そこから更に運ばれたこと」

希「そしておやじギャグ」

マザー「ギャグ?」

希「ああ、朦朧とした意識の中、誰かが呪文のように延々と唱えるおやじギャグが耳に残ってる」

希「そこから先の記憶はない、気付いたらマザーの横で裸でゲロ吐いてた」


マザー「……ふむ、その親父ギャグが希の人格を捻じ曲げた魔術かもしれんな」

コトーリ「かもねー」

756 ◆WsBxU38iK2:2017/11/27(月) 22:49:40 ID:fpC0HH4.


マザー「まぁ、これで聞ける話は大体聞いたか」

マザー(うちは立ち上がると、窓の近くで外を見ていたココロに声をかける)

マザー(どうも話に入ってこないと思ったら、癒やし空間の真ん中辺りにいたうちたちから少し離れていたらしい)


マザー「ココロー!ちょっと来てくれへんー?」

ココロ「気安く呼ばないでください、私は犬ではありません」

コトーリ「こころー?」

ココロ「きゃんきゃーんっ!」タタタタタタッ


希「な、なんやあの子……」ビクッ

マザー「TKB隊の偉い人の娘のココロちゃん、コトーリちゃんを信仰してる……というか犬になってる」


コトーリ「こころ、そとみてたみたいだけどへんかあった?」

コトーリ「そろそろ、うみたちがきてもおかしくないんだけど……それともまだ信者たちがみまってる?」


ココロ「はっ!外の様子は>>757

757名無しさん@転載は禁止:2017/11/27(月) 23:50:40 ID:WU87esMs
無双ゲームみたいな状況

758 ◆WsBxU38iK2:2017/11/28(火) 00:22:05 ID:cmtmnm3Q
ココロ「外は無双ゲームみたいな状況になっています!」ビシッ!


コトーリ「むそうげーむ……?」

希「コトーリさんには難しい表現やな」

希「つまりは外には大量の信者がうようよいるけど、誰か個人に無双――ばったばったと薙ぎ倒されてるわけやな」

ココロ「……は、はい……そう……です……?」


希「……?」

希「なんかうちに対する反応が妙やな……」

マザー「あー、あれやな、希ちゃんのことをコトーリちゃんの仲間って紹介してたんよ」

マザー「崇拝する天使様の仲間だけど天使では無いっぽいし、かといって天使様の前で仲間を無下にはできない」

マザー「コトーリちゃん相手みたいにベタベタできないし、うち相手みたいにツンツンできない」

マザー「希ちゃん相手にどう対応しようか測りかねて戸惑ってるんやろ」

希「はぁ……」


コトーリ「ともかく、そとでしんじゃたちがたおされてるのはほんとうだね」

ココロ「はい!確かです!」

コトーリ「だとすれば、そんなげいとうができるのはひとり――」


希「ああっ」コクンッ

希「きっと海未ちゃんが近くに来てるんや!」


─────────────────

癒やしの空間

AM6:45〜AM7:00 新終末編『234』了

759 ◆WsBxU38iK2:2017/11/28(火) 00:22:41 ID:cmtmnm3Q
というわけでここまで

再会まであと少し

新終末編『235』に続く
かもしれない

760!ken:99:2017/11/28(火) 19:53:49 ID:ioSYkkdY
をつ

園田無双


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