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チュン(・8・)チュン にお仕置きするスレPart5

1名無しさん:2015/05/04(月) 19:02:07 ID:B/MhuLbU
AA版(・8・)チュン成長図


  iミi></二二)
  ´// リi__/リヽ チュンチュン     ,、 ___
  ノ |i   ・8・ i         i><iij_ijヽ_) 
 ( i  _  _ .i    ← .   i  ・8・ i チンチン  ←   メミ
  くi   ノ ゝ .|          ミ フ " iフ         ( ・8・) ピヨピヨ
  ヽ      ノ         丶 " ""ノ          ミ,,"""彡
    ""∪∪"            "しJ           "o-o"

チュン(・8・)チュン      ヒナ(・8・)チュン     ピヨ(・8・)チュン



↓過去スレ↓
チュン(・8・)チュン にお仕置きするスレ避難所
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10536/1420472049/
チュン(・8・)チュン にお仕置きするスレ避難所Part2
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10536/1421591546/
チュン(・8・)チュン にお仕置きするスレPart3
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10536/1423762169/

253名無しさん:2015/05/16(土) 18:14:15 ID:kCmAM4Cs
ここは深山の森……滅多に人の立ち入るところではなく、様々な野生動物たちが食物連鎖の掟に従い、暮らしていました。

「マ゙--------!!ビーーーーーーー!!」
「鈍いのですね……」
「!?ピヨチュゥーーン!!ピヨチュンハエサジャナイチューーン!!」バフッバフッ
「ママチーーン!!タスケユチーーン!!!」
「かしこいチカはこの隙にヒナチュンを貰っていくチカ」
「ヒナチュゥーーン!!ヒナチュンヲカエスチュン!!チュンチュンノタカヤモ……チュンッ!?」
「あっチュンチュンだ〜!いただきまーす!」ガブッ
「イダイヂュ--ン!!ヂュュュ!!ヂュュュュ!!ヂュ……」
「ごちそうさまでしたー。いやー今日もチュンチュンが美味いっ!」

身体能力に劣るチュンチュン達は、森の食物連鎖の最下層に位置づけられています。
自慢の嘴も爪も、「ワンヤフヤッチュン」と呼ばれる寝具を作れる器用な手羽も、他の野生動物の前では何の役にも立ちません。成鳥も雛鳥も捕食者に見つかったら最後、ほぼ確実に食べられてしまいます。
毎日大量のチュンチュンが捕食されていましたが、並外れた繁殖能力により多産多死を繰り返すことができたので、総数は安定しています。
1家族だけではすぐに全滅してしまうため、30羽前後で群れを構成し、木の根元などにコロニーを作り、捕食者たちの目を避けながらひっそりと暮らしていました。

254名無しさん:2015/05/16(土) 18:14:46 ID:kCmAM4Cs
冬が終わり大地に緑が芽吹きつつある頃に、とある群れのチュンチュンが食べ物を探して森の中を歩いていると、ぽっかりと森が開け柔らかな日差しが差し込む場所を見つけました。
チュンチュン達は知る由もありませんが、ここは人間たちがかつて農業をやっていた土地、いわゆる耕作放棄地でした。
人間の手により植えられた果樹類がそのまま残っており、改良された土壌には山菜や土筆がたくさん顔を出しています。
放棄されてから随分と年月が経っていましたが、網目状に引かれた水路はいまだに機能しており、耕作放棄地全体に清浄な水を行き渡らせています。
森の野生動物の足跡はありません。
「イイトコロヲミツケタチュン……ミンナニシラセユチュン!!クラクテコワイモリトハオワカレチュン!!」
チュンチュンは群れの仲間たちに素敵な発見を伝えます。
豊穣で安全な場所という夢物語に魅了された群れのチュンチュン達は、移住を決意しました。

「ピヨチュンばっかりじゃあお腹が膨れないニャ」
「マー----ピヨ!!マー---ピヨ-----!!」「ビィィィ!ョョョョ!!」「ビャァァァ!!」
「ヒナチュンは妹達のおもちゃに持って帰るニコ」
「ビナヂンノシッポガァァ!!ハナヂデ!!イダイヂーーン!!」
「ヂュンヂュンノコトハオイテイグヂュン……ミンナハハヤグイグヂュン……」
前述のとおりチュンチュン達は食物連鎖の最下層です。次々と捕食者たちが襲い掛かり、咀嚼され嚥下されていきます。
群れを構成したところで、チュンチュン達に反撃手段はありません。襲撃されるたびに1羽、1羽と群れの仲間が減っていきますが、顧みる暇はありません。
仲間の絶鳴を振り切りながら、仲間の犠牲により発生した時間を使い、ただひたすら森を駆け抜けるだけです。
距離にして約300メートル、時間にしてほんの十数分の旅路でしたが、群れの3分の2が捕食されてしまいました。
「キレイナオミズ……ツクシ……ワヤビ……」
「ダレモイナイチュン……ゼンブチュンチュンノモノチュン……??」
「ココハ…チュンチュンタチノ『ワンヤーゾーン』チュン!!」
一方。
耕作放棄地にたどり着いた幸運なチュンチュン達は、目の前の桃源郷に、多くの仲間の犠牲を忘れるほどに感激していました。

255名無しさん:2015/05/16(土) 18:16:37 ID:kCmAM4Cs
「ピー!ピー!」「ピーヨ!ピーヨ!」「ピィ----!」
「ママチンママチン!!タマチンカエッタチン!!」
「ヒナチュンモ キョウカラオネエチュンチュン ミンナデオセワスユチュン」
「ラビュラビュ〜〜」「ピュワピュワ〜〜」「プワーオ!」「プワーオ!」「プワーオ!」
「ワンヤーゾーン」にたどり着いてから数日後。
チュンチュン達は捕食者に怯えることなく、好き放題に食べ、飲み、眠る、夢のような生活を謳歌していました。
栄養状態が劇的に向上しストレスからも解放されたことにより繁殖能力がさらに高まり、毎日のように雛が誕生し、喜びの歌が絶えることはありません。
捕食者がいないという安心感から、チュンチュン達は盛んに談笑を交わすようになりました。捕食者に見つからないように押し黙っていたコロニー時代とは大違いです。なりま
雛鳥達の生活も一変しました。森暮らしの頃はチュンチュン以上に捕食者に狙われていたため、常に親鳥の傍を離れられませんでしたが、今ではそんな心配は無用です。他の家族の雛鳥達と元気に遊びまわるようになりました。
秋の差し掛かる頃には個体数が500を越し、「ワンヤーゾーン」はいつも賑やかな会話と笑い声に満ち溢れていました。

冬が近づくにつれて「チュンチュンハウス」で過ごすことが多くなりました。
木の枝や葉っぱを重ねて作った質素な家ですが、秋に収穫した木の実を齧りながら、家族で身を寄せ合って団欒を楽しみ、歌を歌って暮らしています。
「オトモチントアソビタイチン……」
「オソトハサムイチュン ハルニナユマデマツチュン」
「アソピヨ!!アソピヨ!!」
「ハルニナッタラピヨチュンタチモイッショニオソトデアソンデイイチュン!!」
「トモピヨ!?」「タノピヨ!!」「ウレピヨ!!」
「オトモチュンイッパイツクユチュン!!」
「ラビュラビュ〜〜」「ピュワピュワ〜〜」「プワーオ!」「プワーオ!」「プワーオ!」
「ワンヤーゾーン」を出歩くチュンチュンはほとんどいなくなり、秋までの活況はなくしたが、各々の家庭でのんびりと寛ぎ、翌春の到来を待ち望んでいました。
そんなある日……

256名無しさん:2015/05/16(土) 18:17:11 ID:kCmAM4Cs
グエーッ グエーッ
「プワーオ…」「ウルサイチュン……チュンチュンハ『チュンチュンハウス』ヅクリデツカレテユチュン…シズカニスユチュン……」
聞き慣れない雑音にチュンチュン達が家から顔を出すと、そこには長い脚と嘴を持った、背の高い鳥が佇んでいます。
「アタラシイオトモチュンチュン?」「ベツノムレノチュンチュンチュン??モリカラニゲテキタチュン??」「オオキクテチュンチュンハウスニハハイレナイチュン……」
初めて見る鳥を取り囲み、にチュンチュン達は首を傾げます。
「オナカスイテユチュン??キノコタベユチュン?」
群れの中で一番世話焼きなチュンチュンが、鳥に一歩近づき、きのこを差し出しました。
鳥はきのこを抱えたチュンチュンの両翼に嘴を伸ばし……

翼ごと、きのこを毟り取りました。

「チュバァァ!!チュンチュンノオテテガァァ!!」
「テキチュンチュン!!」「ニゲユチュン!!カクレユチュン!!」
久しく忘れていた痛み。迸る鮮血。蘇る恐怖。
翼を奪われたチュンチュンは、その場にうずくまっていました。負傷自体はさほどではないものの、精神的な動揺が酷く、動くことができません。
グエエーッ
両翼ときのこを飲み込んだ鳥は、続いてチュンチュンの腹に嘴を突き刺します。
「ヂュゥゥーーーン!!ナン、デ……ドウ、シテ……」

2,3びくついてから絶命したチュンチュンを食べ終える頃、同種の鳥達が大量に耕作放棄地に降り立ちました。
この耕作放棄地は、渡り鳥たちの冬の住処だったのです。
人気もなく、他の野生動物もおらず、そして……丸々と太ったチュンチュン達、つまり冬場の餌がたくさんいるこの場所は、絶好の越冬スポットでした。

257名無しさん:2015/05/16(土) 18:17:52 ID:kCmAM4Cs
グエーッ ガァーッ グエエーーッ
世話焼きチュンチュンが捕食されて以降、チュンチュン達は渡り鳥の鳴き声に怯えながら、チュンチュンハウスに籠りました。歌も団欒も絶え、渡り鳥の鳴き声しか聞こえなくなりました。
再び森に戻ろうとしても、チュンチュンハウスから出た途端渡り鳥たちに捕食されてしまうので、ハウスの中で耐え忍ぶしかないのでした。
幸い秋に収穫した木の実をたくさんハウスに蓄えてあり、飢える心配はありません。水を飲む程度ならば、渡り鳥達の目を盗んで外出することもできました。
耐えていればいずれ去っていくだろう…そう信じてチュンチュン達はハウスに籠りました。

ハウスに籠るチュンチュン達は、しかし、渡り鳥達にとってより好都合でした。
寒さが厳しくなるにつれて下草がどんどん枯れていくせいで、チュンチュンハウスがある部分だけこんもりと草叢が盛り上がり、チュンチュンの居場所が丸わかりなのです。
ガサアッ
「チュンチュンハウスノヤネガァ!?ヤブラエタチュンッ!?」
「マ゙---マ゙---!!ゴワビヨ----!!」
ガァーガァー グエーッ
「ビィッ!イダビヨ……」
「ヂィィ!ヂィィ!ハナスヂーーン!!ママヂーン!!ママヂーン!!」
「ピヨチュゥーン!!ヒナチュゥーーン!!チュンチュンノタカヤモ……ヂュブゥゥッ!!!」
わざわざ餌を捜し歩かなくとも、お腹が空けば草叢をつつけばよい。そうすれば中にチュンチュンがいる。きのこや木の実、果物もある。
雛鳥は生きたまま丸呑み、成鳥は殺してから死肉を啄まれていきました。
「マーピヨ……マーピヨ……サムピヨ……」
小さなピヨチュンは食い残されることもありましたが、ハウスの破損部分から吹き込む厳冬の冷気に侵され、凍え死んでいきました。

結局、一冬の間に「ワンヤーゾーン」のチュンチュン達は全員食べつくされるか、土に還ってしまいました。

そして翌春……雪が解け、渡り鳥たちが北の大地へと旅立つ頃。
森のチュンチュン、昨冬に食べつくされた群れとは別の群れに属するチュンチュンが、森の端にある耕作放棄地へとやってきました。
昨春と同じく、木々には新芽が息吹き、大地には山菜や土筆が顔を出しています。
「イイトコロヲミツケタチュン……ミンナニシラセユチュン!!モウクライモリトハオワカレチュン!!」
今年の春もきっとチュンチュン達の移住があり、夏秋と繁栄を謳歌して……冬には渡り鳥達がやってきて、翌春を迎えることなく全滅することでしょう。
森を出たところでチュンチュンはチュンチュン、食物連鎖の最下層であることには変わりないのでした。【完】




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