Each year about 4,500 pedestrian deaths occur at night in the US.
Drivers usually say that they did not see the person in time to stop.
という英文があり、これに対して訳が
「合衆国では夜間の歩行者死亡事故が毎年およそ4,500件起こっている。
ドライバーはいつも、歩行者が見えても停車に間に合わなかったと言う。」
とつけられていました。この英文の二文目の
"they did not see the person in time to stop."
が、イイタイコトは訳の通りだと何となくはわかるのですが、
どういう根拠でそのように解釈されるかと言われると、
ちょっとわかりません。
一応は自分なりに以下のように考えてみました。
時間内に人を視認した(did see the person in time)けど、どんな時間内かと言うと、
停まる(to stop)時間内なんだ。だけどそういうことはなかった(not 以下を打ち消し)
んだよ。
they did not see the person / in time to stop
in time以下を条件と捉えればどうでしょうか?
ドライバーは歩行者を見ることができなかった、という部分がまず骨格にあって
それに対して付加情報としてin time to stop(停車するときには)がついています。
これは後ろからかかっていますが、歩行者を見ることができなかった場合の限定です。
裏を返せば停車した後は引いてしまった歩行者をもちろん認識することはできるのだけど
停車の地点では認識できてなかったということをいいたい文だと思います。
日本語は様々な条件をつけながら最後の最後でいいたい部分(見えなかった間に合わなかった)をもってくるのに対して
英語は先に本旨(they did not see the person)を述べておいてその後に色々と付け足していく言語だと思います。
in time to do ... は before it is too late to do ... すなわち「…するのが遅過ぎないうちに」とか「…するのに間に合うように」という意味の表現であると思います。例えば, get to the airport in time to catch the plane は「飛行機に乗るのに間に合うように空港に着く」ということであると思います。ですから, see the person in time to stop は「停車するのに間に合うように歩行者に気づく」という意味になると思います:
※補足:大西先生のいわゆる「並べると(後から)説明」の「説明」は「限定」の場合も含むと思います。関係代名詞による説明などが典型的ですね。この場合も並べて限定していると解釈するのが自然だと思います。そして not は A and B という並べて限定する表現を not [A and B] という形で並べた B も込めて否定していると考えると,論理的にも,「A であるとしても B でない」ということになると思います。
確かに
>ドライバーは歩行者が見えなかった。?間に合うのに ?車を止めるのを。
はわかりやすいご説明だと思いますが、私なら誤解をおそれて
「ドライバーは歩行者に気づかなかった、間に合うようには、車を止めるのに。」
のように表現したいと思います。なぜなら、このような「言い訳」は
「ドライバーは歩行者に気づきはした。しかし、気づくのが遅過ぎて停車に間に合わなかった。」
のような文脈で使われることが多いでしょうから。そのような文脈では
>they did not see the person だけで完結
することはありませんよね。翻訳技術の問題ではないと思います。
私が挙げた Longman Essential Activator の例>>3をちょっと変えた表現
did not get to the airport in time to catch the plane
なども、多くの文脈では、
「空港には着いた。けれども、着くのが遅過ぎて飛行機に乗るのに間に合わなかった。」
という意味になると思います。そのような文脈で
did not get to the airport
で止めてしまったら、言いたいことが伝わりませんよね。