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重工業・造船・航空機スレッド

1とはずがたり:2006/01/08(日) 12:55:59

http://members.at.infoseek.co.jp/tohazugatali/juko.html

838とはずがたり:2017/02/22(水) 13:39:14
三菱“造船リストラ”で長崎市43万人の大悲鳴
http://mainichi.jp/premier/business/articles/20161104/biz/00m/010/015000c
2016年11月6日 エコノミスト編集部

 三菱重工業は今、抜本的な構造改革を行っている。ついに発祥の地、長崎造船所(長崎市)で手がけている大型客船事業から撤退することを10月18日に発表した。長崎の地で今、何が起きているのか。週刊エコノミスト編集部の酒井雅浩記者が報告する。
 大型客船は三菱重工の祖業の造船事業の中核だ。だが宮永俊一社長は10月18日の記者会見で「コスト的にも成り立たない」と述べた。

 宮永社長の決断をある同社幹部は「踏み込んだ対応もためらわないという内外へのメッセージ」と解説するものの、「あせりがあるのでは」(格付け会社アナリスト)とみる市場関係者も多い。「今の重工には先を見据える余裕がなく、出血を止めることを優先せざるをえなかった」との厳しい評価がある。

地元クラブのママはさびしげ
 「長船(ながせん)の方は、ますます姿を見せなくなるのかしら……」。地元クラブのママはさみしげにつぶやく。「ながせん」とは、三菱重工業長崎造船所の地元での通称だ。長崎市内の繁華街では「このあたりの店の3分の2は長船が落とした金でできた」と長崎造船所関係者は豪語していた。かつては店が満席でも、先に入った客に出ていくように要求することすらあったという。
 しかし2011年10月、客船世界最大手の米カーニバル系のアイーダ・クルーズ社(ドイツ)から大型客船2隻(12万トン)を受注してから、雲行きがあやしくなった。
 受注したのは「プロトタイプ」と呼ばれる1番船。内装や設計をゼロから行わなければならず、米カーニバルの厳しい要求が予想されたことから、「無謀な受注」(地元信用調査マン)だった。
 三菱重工は04年に大型客船「ダイヤモンド・プリンセス」を引き渡して以降、大型客船の受注が途絶えている。「10年以上受注空白が続くと、技術継承ができなくなる」(三菱重工幹部)との判断から、受注を強行した。

3件の火災、特別損失2540億円
 建造は、長崎造船所の香焼(こうやぎ)工場(長崎市)で進められているが、苦戦続きだ。1番船の「アイーダ・プリマ」では、今年1月には不審火とみられる3件の火災が船内で発生。1年遅れた2016年3月にようやく引き渡した。建造中の2隻目も含めた特別損失は累計2540億円となり、2隻で1000億円とみられる受注額を大きく上回っている。

 長く長崎造船所で労働組合活動に携わった男性は「昔は『こういうときこそ飲みに行け』と先輩から言われたものだが」となげく。長崎造船所にはステータスと同時に、長崎の政治、経済を動かしているという「矜持(きょうじ)」があった。
 地元の「オーナー企業」のような振る舞いをする代わりに「金回りや面倒見もよかった」(長崎造船所構内で業務に携わる業者)という。それが宮永社長になってから中央集権化が強まり、地方の事業所の力が弱体化。担当者の裁量に任された調達も、本社の意向を無視できず、地元業者への優遇措置はできなくなった。

今治造船など3社と提携協議
 長崎造船所は今、改革の真っただ中にある。三菱重工は15年10月、長崎造船所が手がける商船事業を商船建造の「三菱重工船舶海洋」と船体ブロック製造の「三菱重工船体」の100%子会社2社に分社。
 また大型客船からの撤退を発表した記者会見で、今治造船(愛媛県今治市)など3社と進めている提携協議を16年度中にまとめ、3社が受注した船の設計を三菱重工が担うといった連携を図る改革方針も表明した。
 しかし地元紙記者は「オーナー系の造船会社と三菱重工とは体質がまったく違う。建造を3社に委託するなら、三菱重工にはノウハウが蓄積しない無意味な連携だ」と疑問を投げかける。

長崎造船所が撤退したら人口は3分の1に?
 ただ、中小型客船の建造は引き続き行う「含み」を見せている。長崎は、これにすがるような思いだ。三菱グループの日本郵船が運用する豪華客船「飛鳥2」(5万トン)の後継船については「思い入れがある」(宮永社長)と受注を示唆している。

 これについて、市場関係者からは「客船からの全面撤退への期待が大きかった。踏み切れなかったことへの失望はぬぐえない」(証券会社アナリスト)と「中途半端」との厳しい見方がある一方で、長崎では「長崎造船所にはいつまでも、創業の地としてこれまで通りものづくりを続けてほしい」との願いが強い。
 長崎市の人口は現在約43万人。長崎造船所の影響力は以前に比べ弱くなっているとはいえ、ある市議は「長崎造船所が全面撤退すれば、街の規模は15万人」と分析する。祖業での手加減のない改革の成否は、長崎の街の行方を大きく左右する。

840とはずがたり:2017/02/28(火) 15:37:59

住友重機が半導体関連を強化 米ベンチャー36億円で買収
http://news.goo.ne.jp/article/businessi/business/bsc170228003.html
05:07フジサンケイビジネスアイ

 住友重機械工業は27日、米ベンチャーで半導体製造に使うロボットを開発・製造するパーシモン・テクノロジーズ(マサチューセッツ州)を買収する、と発表した。買収額は36億円。

 住友重機械は、半導体製造向けに「クライオポンプ」などの装置を手がけており、買収で製品ラインアップを拡充する考え。買収に際しては、米デラウェア州会社法の規定に従い、「逆三角合併」と呼ぶ方式を採用。住友重機械がパーシモン社の株主に現金を支払う一方、パーシモン社を存続会社として住友重機械が新たに設立する会社と合併させる。これによりパーシモン株はすべて償却されるほか、住友重機械が保有する新会社の株式はパーシモン株に転換される。買収費用は手元資金でまかなう。

 パーシモン社は2010年設立で、社員数29人。半導体工場でウエハー搬送に使うロボットを主に手がけている。住友重機械によると、パーシモン社が保有するモーター関連技術の取得も買収理由という。

841とはずがたり:2017/03/20(月) 06:25:41
>三井造船や川崎重工業、IHIは海洋資源の作業船や構造物などの「海洋」事業に挑んだが、そろってつまずいた。
>足元で目立つのは、米国での大型プロジェクトの損失だ。
具体例なんかあったっけ?

東芝だけじゃない!海外大型案件で赤字続出 プラント建設で想定外の遅延や賃金高騰
http://www.msn.com/ja-jp/money/news/%E6%9D%B1%E8%8A%9D%E3%81%A0%E3%81%91%E3%81%98%E3%82%83%E3%81%AA%E3%81%84%EF%BC%81%E6%B5%B7%E5%A4%96%E5%A4%A7%E5%9E%8B%E6%A1%88%E4%BB%B6%E3%81%A7%E8%B5%A4%E5%AD%97%E7%B6%9A%E5%87%BA-%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%88%E5%BB%BA%E8%A8%AD%E3%81%A7%E6%83%B3%E5%AE%9A%E5%A4%96%E3%81%AE%E9%81%85%E5%BB%B6%E3%82%84%E8%B3%83%E9%87%91%E9%AB%98%E9%A8%B0/ar-AAocmAg
東洋経済オンライン
山田 雄大
6日前

 東芝を債務超過に追い込んだのは、米国の子会社ウエスチングハウスが手掛ける原子力発電所の新設プロジェクトだった。安全規制の強化で設計変更を迫られたうえ、工程管理の失敗などで建設は大きく遅延。約7000億円という巨額の追加損失計上に至った。

 だが、東芝の苦境はひとごとではない。発電所、造船、化学プラントなど、日本の大手企業が手掛ける大型プロジェクトでは今、巨額損失が頻発している。

重工メーカーが軒並み大損
 代表例が、三菱重工業の大型クルーズ船だ。2011年に約1000億円で受注した2隻の損失は、累計で約2500億円。基本設計の遅れや資材発注のやり直し、火事などのトラブルが発生し、納期遅延の補償にも追われた。結局、この春に2隻目を引き渡した後、事業から撤退する。

米の景況感改善、実体経済への波及は
タンカーやバラ積み船など一般的な商船の需要が縮小する中、造船業界は付加価値の高い市場に商機を見いだした。三菱重工は大型クルーズ船に目をつけ、実績作りとノウハウ取得を狙った。多少の損失が出ても先行投資のつもりだったが、実際は高い授業料を払っただけとなった。

 他社の戦略も死屍累々だ。三井造船や川崎重工業、IHIは海洋資源の作業船や構造物などの「海洋」事業に挑んだが、そろってつまずいた。1980年代にも造船各社は海洋で大やけどを負っている。「商船は見積もりと実際の費用に差がないが、海洋は見積もりが難しい」と造船メーカー社長は指摘する。

 足元で目立つのは、米国での大型プロジェクトの損失だ。ある重工メーカーの財務担当役員は「現地でのワーカー確保に苦労している」と嘆く。賃金を上げても、労働者の入れ替わりが激しく現場の生産性は悪化するばかり。「日程に余裕があったはずなのに、納期を守るための追加コストが発生した」(同)。

 プラントなどの大型プロジェクトの契約は、「ランプサム(固定価格)」と「コストプラスフィー(実費精算)」の2種類に分けられる。固定価格なら、受注側は契約で決めた金額で完成させる義務を負う。実費精算では、受注側はかかったコストに一定割合の利益を加えた金額を発注側に請求することができる。

 固定価格であっても受注側に過失のないコスト超過分は発注側が一部負担する場合もある。だが負担が巨額だと、当事者間で争いになることも少なくない。

842とはずがたり:2017/03/20(月) 06:25:56
>>841-842
受注する側の負担がかさみやすい
 固定価格でも実費精算でも、実際には案件ごとに細かい条件は異なる。契約段階からのリスクマネジメントが重要だ。ただ厳しい受注競争の中、基本的に受注側の立場は弱い。とりわけ海外案件では商慣行の違いなどから傷口が広がりやすい。東芝の原発案件のように、最終的には受注側が面倒を見ることが多い。

 米国案件で苦しむ別の重工メーカーの役員は打ち明ける。「顧客との契約は固定価格。だが配管工事などの下請け業者とは実費精算なので、かかった費用は全部こちらに請求される」。

 この会社が取り組むのは、プラントの設計(E)、調達(P)、建築(C)を一括で行うEPC案件。実際の工事を担うのは地元の業者だ。コストの膨張を回避すべく固定価格で請け負ってくれる業者を探して約10社に当たったが、1社も見つからなかった。

 工事現場では雇用関係が複雑なため、遊んでいる作業員を見つけても同社の社員は軽率に注意できない。「何かあると裁判に訴えられ、勝っても負けても多額の費用がかかる」(前出の役員)。受注金額が固定なのに、費用は膨らむのだからたまらない。

 納期やコストで余裕のないところに天候問題などが重なった。人員を増やし工事の遅れを取り戻そうとしたが、近隣の他のプロジェクトも同じ状況だったため、労務費高騰と遅延の悪循環に陥った。

米の景況感改善、実体経済への波及は
仕事確保のため赤字覚悟で受注
 この会社は過去に固定価格のEPC案件で大きな損失を出し、同様の条件では受注しない時期が続いたが、いつの間にか受注を再開した。

 「特にEPCの“C”が含まれる大型案件は、建設コストの変動が大きいので固定価格で受けたくないのが本音。だがそれでは仕事自体が取れない。ある程度のリスクを織り込んだ価格にすべきだが、競争が激しいため、ギリギリの価格にせざるをえない」と、役員は自嘲ぎみに語る。

 米国市場は先行きも不透明だ。2月28日、トランプ米大統領は1兆ドルのインフラ投資を行う方針を表明した。しかし移民を制限すれば、人手不足は深刻化する。「日本企業にチャンス到来」との見方もあるが、安易に飛びつけば大やけどを負いかねない。

843とはずがたり:2017/03/20(月) 20:56:00

シンガポール・マレーシア・タイ高速鉄道で日中が競合―中国紙
http://news.goo.ne.jp/article/recordchina/business/recordchina-RC_172269
03月15日 22:00レコードチャイナ

シンガポール-マレーシア高速鉄道、タイ-マレーシア高速鉄道、フィリピンの通勤鉄道。2017年には、中国と日本の高速鉄道をめぐる「戦いの場」が東南アジアへと延伸を続ける見込みだ。解放日報が伝えた。

レイルウェイプロのサイトがこのほど伝えたところによると、フィリピン政府は日本政府と中国政府がいずれもフィリピン国内の通勤鉄道建設プロジェクトに資金面での支援を提供する意向を示していることを明らかにした。日本紙は、「タイとマレーシアの政府が、両国の首都を結ぶ…高速鉄道の整備について協議を始める。…日中が再び競合する展開も予想される」と報じ、シンガポール紙「聯合早報」は、「今年はシンガポールとマレーシアの首都を結ぶシンガポール-マレーシア高速鉄道プロジェクトの入札が行われ、日中が『狭い道ですれ違うような抜き差しならない状態』に至る可能性がある」と伝えた。

▽多くの「戦いの場」で正面からぶつかる日中

フィリピンの様子を眺めると、ドゥテルテ大統領は選挙戦の初期から「鉄道への野心」を明らかにし、4路線の建設・修築を行う計画であり、中国に支援を請いたいとしていた。同国では昨年、南北鉄道建設プロジェクトが認可され、そのうちの1つはマニラ首都圏とビコル地方を結ぶ、全長54キロメートルの通勤路線だ。フィリピンがプロジェクトを認可する前から、待ちきれない日本は改修費用として24億ドル(1ドルは約114.7円)の支援を行うと宣言した。フィリピンのペルニヤ国家経済開発長官がこのたび明らかにしたところによると、中国政府も資金提供の意向を示したという。

タイの様子をみると、タイ-マレーシア鉄道の構想は、全長1500キロメートルの広軌の新路線を建設し、高速直通列車を運行するというものだ。同国のアーコム運輸相は、「できるだけ早くマレーシアと協議して、どんなやり方で他国にこの鉄道建設修築プロジェクトに参加してもらうかを確定させたい。現在、両国の目の前に横たわる難題は、果たして『中国と日本との二者択一』なのか、それとも日中両国の力を同時に借りるのかということだ。マレーシアはどちらかというと中国を評価しているようだ」と話す。

シンガポール-マレーシア高速鉄道はどうか。両国政府は昨年12月に同プロジェクトに調印し、今年は入札を行う計画だ。すでに多くの国の企業が建設に参加したいとの意向を示しているが、外界では、最終的な戦いは日中の間で繰り広げられることになるとの見方が一般的だ。シンガポール紙「ザ・ストレーツ・タイムズ」の報道によれば、シンガポールは車両や信号システムで経験豊富な日本に傾いており、膨大な費用の大部分を負担するマレーシアは中国により傾いているという。

アジア横断鉄道という大きな流れの中で、シンガポール-マレーシア高速鉄道とタイ-マレーシア高速鉄道の建設がもつ意義は重大だ。1995年に、当時のマレーシアのマハティール首相が第5回ASEAN首脳会合で、アジア横断鉄道の構想を初めて提起し、メコン川流域の範囲を超えた、マレー半島の南端にあるシンガポールから、マレーシア、インドシナ半島の5カ国を経て、中国の昆明に至る鉄道の建設構想を打ち出した。

844とはずがたり:2017/03/20(月) 20:56:18
>>843-844
アジア横断鉄道の起点として、シンガポール-マレーシア高速鉄道とタイ-マレーシア高速鉄道をめぐる戦いの中で、中国は明らかに地理的優位性をもっている。中国の高速鉄道を採用するということは、上記の鉄道が中国大陸部の高速鉄道網にスムースに連結できるということで、相互接続の利便性を極めて大きく高めることになる。

福建省にある華僑大学国際政治学部の黄日涵学部長はさらに踏み込んで、「東南アジア諸国は中国と国境を接し、中国とごく自然に密接な協力関係にある。中国の高速鉄道を東南アジアの鉄道と連結させれば、地域を結んで鉄道網を発展させ、『一帯一路』(the belt and road)の呼びかけで言われたインフラの相互連結を達成できるだけでなく、中国とインドシナ半島諸国との貨物貿易協力をより緊密なものにすることができる。これは互恵・ウィンウィンのよいことだ」と述べた。

▽知名度を上げるためにコストをかけるべきではない

過去数年間を振り返ると、中国高速鉄道の海外進出が始まって以来、日本はずっと影が形により添うように強力なライバルとして存在していた。シンガポール-マレーシア高速鉄道、タイ-マレーシア高速鉄道、フィリピン鉄道は、両国の高速鉄道をめぐる海外での競争の新たな戦いの場に過ぎない。

両国の高速鉄道の「対戦記録」をみると、両国の実力は拮抗している。15年10月には、中国が「後から来て上に立ち」、総額50億ドルのインドネシアのジャカルタ-バンドン間の高速鉄道プロジェクトを落札した。同年12月には、日本とインドが全長500キロメートル、総額120億ドルのインド初の高速鉄道建設合意に調印した。16年には、日本がタイのバンコク-チェンマイ間の全長700キロメートル、総額120億ドルの高速鉄道プロジェクトに調印。中国は全長250キロメートルのバンコク-コラート間を最初の区間とする中国-タイ高速鉄道で勝利を収めた。

黄学部長は日中の競争について、「日中の高速鉄道にはそれぞれ長所がある。日本は新幹線の運営で長い歴史があり、技術は成熟し、人に与える一般的な印象は安全ということだ。中国は高速鉄道の保有量で世界一であると同時に、標高の高い寒い地域と熱帯地域での建設・修築・運行の能力を備え、技術体系が整っている。さらに建造費が安く、独自の優位性を備えている」と指摘する。

「後世畏るべし」の中国に向き合って、日本がそれほど泰然自若としてはいないことは明らかだ。日本メディアはかつて、日本が東南アジアの高速鉄道の競争に関わろうとするのは、とにかく中国と競争したい、あるいは状況をかき乱したいからではないかと疑問の声を挙げたことがある。

これについて黄学部長は賛同しつつ、「現在の日本の役割は東南アジアをひっかき回す者、または中国を引っかき回す者だ。だが中国の高速鉄道建設が引き続き市場行為の側面をより強めることを願う。現在の最も重要な勝負のポイントは、どうやって日本を負かすかを前提として、中国企業の商業的利益を達成させることだ」との見方を示す。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

845とはずがたり:2017/03/25(土) 11:25:39
インドネシア既存路線 日本が高速鉄道受注へ 建設工事遅れで中国に不信感 ジョコ大統領要請
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/sankei-wor1703250012.html
01:09産経新聞

 【クアラルンプール=吉村英輝】インドネシアのルフット調整相は24日、首都ジャカルタと東部の大都市スラバヤを結ぶジャワ島の既存鉄道(約750キロ)の高速化計画について、日本への要請をジョコ大統領が正式に決めたと述べた。記者会見で明らかにした。今年5月にも事業化調査(FS)を開始し、早ければ同11月末にもFSの結論を得る見通しを示した。

 インドネシアで初となる高速鉄道計画では、ジャカルタと西ジャワ州バンドンの約140キロを結ぶ計画の受注競争で、中国が2015年、FSなどで先行していた日本に競り勝って受注した。

 だが、建設工事は遅れており、インドネシアでは中国への不信感が広がっている。

 インドネシア側によると、ジャカルタ?スラバヤ間の所要時間は現在、約12時間だが、高速化で約5時間半に短縮されるという。

 ルフット氏はインドネシアで影響力を持つ軍の出身で、民間出身で初の「庶民派」大統領であるジョコ氏の側近。ジョコ氏は初の高速鉄道受注で、突然参加した中国への発注を決定したが、悪化した日本との関係修復などを目的にルフット氏が来日し、ジャカルタ?スラバヤ間の高速化で日本の協力へ期待表明していた経緯がある。

 インドネシア政府は今回の鉄道高速化計画で、優れた技術と豊かな経験を持つ日本に協力を要請。安倍晋三首相も今年1月のインドネシア訪問で「日本の技術、知見を活用して支援したい」と伝達していた。

 ジョコ氏の「お墨付き」を得たことで、アジアでのインフラ受注競争で中国の劣勢に立つ日本が、巻き返しに転じるきっかけになる可能性がある。

 ただ、インドネシアでの閣議了解などはこれからとされ、今後曲折も予想される。

846とはずがたり:2017/03/26(日) 19:58:09

東電新社長に小早川氏=川村会長、広瀬副会長―政府
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/business/jiji-170326X191.html
16:50時事通信

東電新社長に小早川氏
政府は26日、実質国有化している東京電力ホールディングスの広瀬直己社長を退任させ、後任に小早川智明取締役(写真)を起用する方針を固めた。広瀬氏は副会長に就き、福島第1原発の廃炉や賠償への対応に専念する【時事通信社】
(時事通信)
 政府は26日、実質国有化している東京電力ホールディングス(HD)の広瀬直己社長(64)を退任させ、後任に小早川智明取締役(53)を起用する方針を固めた。広瀬氏は副会長に就き、福島第1原発の廃炉や賠償への対応に専念する。小早川氏は東電HDの電力小売り部門を担う子会社、東京電力エナジーパートナー社長を兼務している。

 数土文夫会長(76)の後任には日立製作所の川村隆名誉会長(77)の起用が固まり、新たな経営陣の陣容がほぼ出そろった。

847とはずがたり:2017/03/26(日) 22:40:20


重工3社、造船改革どこまで 各社大きな赤字計上
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/business/ASK3S4SBBK3SULFA010.html
12:24朝日新聞

重工3社、造船改革どこまで 各社大きな赤字計上
LNG船や大型客船を建造する三菱重工業長崎造船所=長崎市
(朝日新聞)
 大手重工3社が、事業の柱の一つだった造船・海洋事業に頭を悩ませている。受注が減ったところに工事などの失敗が重なり、各社とも大きな赤字を計上。撤退を視野に入れるなどの抜本改革案を3月中にまとめる考えだったが、足元の市況に明るさが出始めたこともあり、どこまで踏み込んだ内容になるかが注目されている。

 3月中旬、三菱重工業長崎造船所(長崎市)のドックでは独企業向けの2隻目の大型客船で完成をめざした作業が進んでいた。

 この大型客船を巡っては、1隻目とともに設計変更などが相次ぎ、今年3月期までの赤字額が2540億円に達した。このため、同社は昨秋、大型客船事業からの撤退を表明。今年2月には、商船事業全体を分社化して切り離し、収益の責任を明確にする方針も明らかにしている。

 加えて、国内最大手の今治造船(愛媛県今治市)など3社との提携交渉にも力を入れている。

 三菱重工が総合重工メーカーの技術力を生かして一部の船で設計を担い、実際の建造は、船を安く造る専業メーカーの能力に任せる「分業」が狙いだ。営業や部材の調達も共同化してさらにコスト削減を図る。

 三菱重工の大倉浩治船舶・海洋事業部長は「お互いの強みを持ち寄って成長を目指す」と意気込む。

 造船事業に苦しむ総合重工メーカーは、三菱重工だけではない。川崎重工業とIHIも、海外向け案件などで工期が遅れてコストが膨らみ、大きな赤字を出した。

 川重は昨年10月、金花芳則社長をトップとする「構造改革会議」を設置。中国の合弁会社の造船所を積極活用し、コストを減らす方策などを中心に検討している。

 資源掘削船の船体や液化天然ガス(LNG)船のタンクなどの「海洋構造物」の建造を手がけるIHIは、2015年度半ばから新規の受注を凍結。将来も事業を継続するか、慎重に判断する方針だ。

852とはずがたり:2017/04/04(火) 15:24:43

2017/3/31 21:37神戸新聞NEXT
川重 国内造船事業を3割縮小 坂出のドック1減
https://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201703/0010052947.shtml
神戸新聞NEXT

 川崎重工業(神戸市中央区)は31日、不振が続く国内の商船建造事業を2020年度までに約3割縮小する、と発表した。主力の坂出工場(香川県坂出市)の設備を減らし、中国の合弁会社の建造機能を拡充。創業の地である神戸工場(神戸市中央区)は潜水艦を主体とし、商船建造も縮小する。ただ、18年度に水素運搬船の建造に着手し、一部の特殊船の拠点とする。(10面に関連記事)

 坂出に二つある建造用のドックを一つに減らす。一方、中国・大連の合弁会社では1増の2ドックとし、別の合弁会社と合わせて中国に四つのドックを構えることになる。坂出は開発設計の拠点とする。坂出で造っていた液化天然ガス(LNG)運搬船は、建造コストの安い中国で担う。

 原油価格が低迷しており、海底油田の掘削船事業からは、神戸で今後造る1隻を最後に撤退する。

 川重の造船事業の人員は約2100人。うち主力のLNG船を手掛ける坂出と、潜水艦建造が主体の神戸に千人ずつを配置している。神戸では、すでに受注している商船の建造が終わる19年以降、成長分野の発電用ガスタービン事業などに人員を振り向ける。

 神戸での商船建造は縮小しつつも継続。20年度から神戸空港島で始まる水素の海上輸送と陸揚げの実証実験に合わせ、世界初の小型水素運搬船を造るほか、離島航路で活躍する高速船の建造設備は残す。

 川重の造船事業は1881(明治14)年、川崎正蔵が「川崎兵庫造船所」を開設して以来の歴史ある事業だが、2015、16年度の2年間だけで約280億円の赤字を見込む。中国、韓国の造船会社が低コストで大量の船を造る一方、アジア経済の停滞で荷動きが減り、世界的な「船余り」となったため、構造改革を進めていた。(高見雄樹)

853とはずがたり:2017/04/04(火) 15:25:15

2016/11/17 18:02神戸新聞NEXT
米メトロノース鉄道の車両 52%が川重製へ
https://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201611/0009674880.shtml

 川崎重工業(神戸市中央区)は17日、米ニューヨーク州交通局傘下のメトロノース鉄道から、通勤電車60両と既存車両の改造など総額320億円の案件を受注した、と発表した。一部車両のステンレス製車体を兵庫工場(同市兵庫区)で、全車両の台車部品の一部を播磨工場(兵庫県播磨町)でそれぞれ製造し、輸出する。

 メトロノース鉄道への納入は2011〜15年以来2回目で、今回の受注分は19〜21年に納入する。60両に加え、最大34両を追加受注する可能性があり、全て納入すると同鉄道の車両の52%が川重製となる。

 今回の受注車両は、ニューヨークとコネティカット州ニューヘブンを結ぶ116キロの路線を走る。ニューヘブンには川重の初代社長、松方幸次郎が留学した名門エール大学がある。(高見雄樹)

854とはずがたり:2017/04/05(水) 20:26:14
中を読めば表題が煽りであることに直ぐ気付く。。
しかし油断大敵だぜ〜。

2017.04.03
三菱重工、瀕死・東芝の二の舞の兆候…赤字1兆円の原発企業に巨額出資の博打、赤字垂れ流し事業も
http://biz-journal.jp/2017/04/post_18541.html
文=編集部

 フランスの原子力大手アレバは、2月3日に開いた株主総会で総額50億ユーロ(約6000億円)の増資案を承認した。仏政府が45億ユーロ(約5400億円)をまかない、残りは三菱重工業と日本原燃が、アレバが設立する核燃料再処理会社のアレバNewCo(ニューコ)に5%ずつ出資する。
 アレバはフィンランドの新型原発の建設で費用が膨らみ、2016年12月期の純損失は6億6500万ユーロ(約800億円)と巨額だ。これにより6年間の累積赤字は105億ユーロ(約1兆2600億円)となった。そんなアレバに三菱重工と日本原燃が、それぞれ300億円の出資を決めた。
 当初、中国企業の出資が有力視されていたが、仏メディアによると、安全保障の観点から米国や日本政府が強い懸念を伝え、仏政府が断念したとされる。そこで、三菱重工にお鉢が回ってきた。アレバには廃炉技術がある。1月31日には関西電力美浜原発1、2号機の廃炉事業を三菱重工はアレバと共同で受注した。
 ただ、原発の輸出が目的なら、原子炉事業のアレバNPに出資するのが筋だ。1年以上前にアレバの救済が話題になった時、三菱重工はNPへの出資検討を表明していた。それにもかかわらず、原子炉製造を除くニューコに出資するのは、核燃料サイクル維持という狙いがあるとみられているからだ。日本原燃との共同出資が、この見方を裏付ける。日本原燃は、青森県六ヶ所村の再処理工場建設でアレバから全面的な技術協力を受けている。
 仏政府は外国企業に、NPへの出資を呼びかけている。ニューコに出資した三菱重工がその有力候補だ。
 三菱重工が期待をかけるのは、アレバと共同で開発する新型中型炉「アトメア1」だ。新幹線と並ぶインフラ輸出の要として、日本政府が後押ししてきた。だが、アトメア1の売り込みは、はかばかしくない。ベトナムでの採用が有力視されていたが16年11月、財政難から白紙撤回された。安倍晋三首相のトップセールスで、エルドアン・トルコ首相(現大統領)と結んだ「アトメア建設計画」も正式契約はまだだ。テロなど安全面の問題などが影響しているとされる。
 本業である造船の不振や“日の丸”旅客機、MRJの開発の遅れなど、経営上の重荷を抱える三菱重工にとって、ニューコへの出資がさらなる重石になることは避けられない。

 三菱重工は3月14日、米原子力発電所の事故をめぐり、米電力会社の南カリフォルニア・エジソン(SCE)から66億6700万ドル(約7500億円)の損害賠償を請求されていた問題で、仲裁機関の国際商業会議所(ICC)から損害賠償金を1億2500万ドル(約141億円)とする裁定を受けたと発表した。
 三菱重工は、契約上の上限は1億3700万ドル(約155億円)と主張。ICCは三菱重工の主張を認め、支払い済みの費用や金利などを調整した金額として1億2500万ドルを提示した。
 問題となったのは、カリフォルニア州のサンオノフレ原子力発電所。12年に三菱重工製の蒸気発生器の配管から放射性物資を含んだ水が漏れ、SCEが廃炉を決めていた。
 三菱重工はすでに損失を引き当て済みで、17年3月期の業績への影響は軽微とのコメントを出した。
 三菱重工の16年4〜12月期の連結決算は最終損益が112億円の赤字(前年同期は533億円の黒字)だった。同期間の最終赤字は、04年3月期に四半期決算の公表を始めてから初めて。航空機関連が振るわず採算が大幅に悪化した。
 17年3月期通期は、純利益が1000億円という従来予想を据え置いた。前期(638億円の黒字)に多額の特別損失を計上した大型客船事業の損失が減るためだ。
 米国の原発事故に絡み米電力会社から7500億円の損害賠償請求を受けていたため、年度内にも出る仲裁の結果次第では大幅な業績の下方修正の可能性があったが、三菱重工の主張がほぼ認められたことで、17年3月期への影響は軽微にとどまる。
 売上高は前期比1%減の4兆円、営業利益は22%減の2400億円の見込み。交通・輸送部門が赤字に転落する。同部門のセグメント営業利益は前期の545億円の黒字から250億円の赤字となる。航空機関連では米ボーイングなどの減産に伴い、販売が落ち込んだ。一方で国産初のジェット旅客機MRJ関連費用が膨らんだ。MRJが三菱重工の喉に刺さった骨となっていることがよくわかる。
 こうした厳しい環境のなかで、累積赤字が1兆円を超えるアレバに出資する。東芝は米国の原発子会社ウェスチングハウス(WH)の巨額赤字に巻き込まれ、今や存亡の危機に立たされている。三菱重工のアレバへの出資は東芝の二の舞になる懸念が強い。
(文=編集部)

855とはずがたり:2017/04/08(土) 09:19:51

米鉄道貨車保守で合弁 =1100億円投資-三菱UFJリース
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017040600817&g=eco

 三菱UFJリースは6日、米鉄道貨車製造大手グリーンブライアー(オレゴン州)の子会社と折半出資で、鉄道貨車の保守管理を行う合弁会社を設立すると発表した。今夏の事業開始を目指す。2020年までにグリーンブライアーから貨車6000両を購入し、米国での鉄道貨車リース事業も強化する。投資額は計1100億円に達する見込み。(2017/04/06-15:14)

856とはずがたり:2017/04/08(土) 18:27:53

中国には精密な機械なんて作れないのさ! 中国製エンジン搭載のロシア艦艇にトラブル=中国報道
http://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AB%E3%81%AF%E7%B2%BE%E5%AF%86%E3%81%AA%E6%A9%9F%E6%A2%B0%E3%81%AA%E3%82%93%E3%81%A6%E4%BD%9C%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%95%EF%BC%81-%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E8%A3%BD%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3%E6%90%AD%E8%BC%89%E3%81%AE%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E8%89%A6%E8%89%87%E3%81%AB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%AB%EF%BC%9D%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E5%A0%B1%E9%81%93/ar-BBzyjUe#page=2
サーチナ
モーニングスター株式会社
1時間前

エンジンは燃料、オイル、冷却水などの液体を使用する機械であるため、寒冷地などではその環境に応じた仕様が求められる。中国企業は性能と信頼性の高いエンジンが生産できないため、エンジン全般は中国製造業にとっての「弱点分野」の1つとされている。(イメージ写真提供:123RF)c Searchina 提供 エンジンは燃料、オイル、冷却水などの液体を使用する機械であるため、寒冷地などではその環境に応じた仕様が求められる。中国企業は性能と信頼性の高いエンジンが生産できないため、エンジン全般…
 エンジンは燃料、オイル、冷却水などの液体を使用する機械であるため、寒冷地などではその環境に応じた仕様が求められる。中国企業は性能と信頼性の高いエンジンが生産できないため、エンジン全般は中国製造業にとっての「弱点分野」の1つとされている。

 中国メディアの今日頭条が3日付で掲載した記事は、中国がロシアに輸出した艦艇用ディーゼルエンジンにトラブルが生じたことを紹介している。

 記事は、2014年以前においてロシア海軍が使用していた艦艇用ディーゼルエンジンは大部分がドイツのMTU社製だったと紹介する一方、欧米諸国がロシアの軍事力増強を制限するためにMTU製ディーゼルエンジンの供給を拒絶するようになった」と説明。これによってロシアは「難しい状況に追い込まれた」と指摘した。

 MTU製エンジンを搭載していたのは主にロシア沿海部の国家安全保障任務を担当していた艦艇だったことを伝え、MTU製エンジンを発注できなくなった当時のロシアは「軍事力を発揮できないように欧米諸国の束縛を受けた状態となってしまった」と指摘。ロシアは15年、他に選択の余地がないため、中国製ディーゼルエンジンTBD620V12を採用したと紹介する一方、中国製のエンジンを搭載した艦艇に動力系のトラブルが生じたことをロシアメディアが報じたと紹介し、中国側の技術チームがロシアの技術スタッフと共同調査を行っていると説明した。

 トラブルの原因についてはまだ判明していないようだが、ロシアメディアは「中国製のディーゼルエンジンはロシアの環境に合わない」と伝えている。技術的な問題があったのかも不明ではあるが、今回のトラブルによってロシア側が「中国製ディーゼルエンジンTBD620V12」の採用を打ち切る可能性もあるだろう。

(編集担当:村山健二)

857とはずがたり:2017/04/15(土) 21:13:52
熟練工が課題なら日本生産も視野に這入るのでは無いか?既存工場して浮いた労働者回した方がトータルでプラスでは?

2017年 03月 30日 09:17 JST
アングル:ホンダジェットに黒字化の試練、景気変動の横風も
http://jp.reuters.com/article/honda-jet-airplane-idJPKBN17100V?sp=true

 3月30日、ホンダが2015年末に納入を始めた「ホンダジェット」の売り込みを世界規模に広げている。燃費や居住性、静粛性などに優れる最新鋭のビジネスジェットで、20年末までに航空機事業の単年度黒字化を目標に掲げる。写真はノースカロライナで2016年11月撮影(2017年 ロイター/Maki Shiraki)
 3月30日、ホンダが2015年末に納入を始めた「ホンダジェット」の売り込みを世界規模に広げている。燃費や居住性、静粛性などに優れる最新鋭のビジネスジェットで、20年末までに航空機事業の単年度黒字化を目標に掲げる。写真はノースカロライナで2016年11月撮影(2017年 ロイター/Maki Shiraki)
[東京 30日 ロイター] - ホンダ(7267.T)が2015年末に納入を始めた「ホンダジェット」の売り込みを世界規模に広げている。燃費や居住性、静粛性などに優れる最新鋭のビジネスジェットで、20年末までに航空機事業の単年度黒字化を目標に掲げる。

しかし、世界市場の伸び悩みへの対応や生産体制の整備など「安定飛行」への課題はなお少なくない。

<新しい価値>

「順調に増えている」――。06年から始めた受注は100機超。航空機事業を手がける子会社ホンダエアクラフトカンパニーの藤野道格社長は販売拡大に手応えをみせる。約30年かけて開発した最大7人乗り(乗員1人含む)で、1機450万ドル(約5億円)。2月末で33機を納めた。

顧客は経営者や富裕層など個人が中心で、今後は複数機まとめて購入するチャーター会社など法人にも力を入れる。現在は最大市場の北米が受注の約8割を占めており、欧州や中南米でも販売、今後は中東やアジアでも検討する。4月には中国で開かれる、アジア最大のビジネス航空ショーに初出展して反応を伺う。

「キャビンは小さいが、新しく静かで、より効率的だ」。ジェット機管理会社クレイ・レーシー・アビエーション(米カリフォルニア州)のリチャード・ホドキンソン副社長は、ホンダジェットをこう評価する。「チャーターに多く利用される、音がカタカタ鳴る古いターボプロップ機に代わる新機種として提供できる」と関心も強い。

1970年代、米国の車産業に小型で燃費の良い車という新しい価値をもたらしたホンダの車「シビック」のように、今度はホンダジェットで航空機産業の常識を覆し、利用者の時間の使い方を変えるという新しい価値を提供して需要を創出したい、と藤野社長は意気込む。

<景気変動>

ただ、その価値が景気変動を受けやすい市場動向に打ち勝てるかどうかだ。一般航空機製造業者協会によると、世界のビジネスジェット(定員20人まで)市場はリーマンショックの翌年09年から減少傾向で、16年の出荷は前年比7.9%減の661機。米セスナやブラジルのエンブラエル(EMBR3.SA)など競合もここ数年、軟調に推移している。

航空機販売関連会社ジェットクラフトの納入見通しでは、ホンダジェットの属するクラス(超軽量ジェット機)は18年が17年見込み比5.4%減の105機、19、20年は107機で横ばい、21年は110機、22年以降は80機以下で減少基調だ。

航空関連コンサルティング会社ティールグループの予測では、ホンダジェットと競合するクラス(1機400万―900万ドル)は今後10年先も毎年200機レベルの生産にとどまり、ホンダジェットも40機以下で推移するとみている。

858とはずがたり:2017/04/15(土) 21:14:05
>>857-858
<黒字化には時間も>

黒字化には想定以上の時間がかかるとの声も上がる。ティール社のアナリスト、リチャード・アボウラフィア氏は、生産や販売が拡大するにつれ「投資が増えることはよくある」と指摘する。ホンダは開発費を公表していないが、同氏は2000年代初期からの開発費は約10億ドル、同クラスの典型的なジェット機(約4億ドル)の倍以上と試算している。

販売・整備は各地域で多くの信頼ある契約ディーラーに任せ、どこからでも90分以内にアフターサービスを受けられるなど万全な体制を整えた。一方、競合には自社の営業マンが直接販売し、自前で整備工場も持つ企業もある。投資はかかるが、サービス品質を統一できるなどの利点がある。

ホンダもディーラーと情報共有を密にし、直販に劣らないサービス品質の提供と営業活動を今後も続ける方針だが、同氏はホンダが将来的に「機種を増やして販売を伸ばしたいなら(直販もしないと)商機を逃す」と話す。

生産体制も道半ばだ。昨秋は生産ペースが月2―3機と想定より遅れた。部品の品質が安定せず、取り付け直して飛行試験を繰り返したことなどが一因。組み立て工の習熟度もネックで、訓練で技能を高めている。生産を段階的に増やし、19年度には月6―7機と年80機体制を目指す。

<ブランド向上に貢献>

米ノースカロライナ州にあるホンダジェットの納機場。照明の明るさや角度、壁に張られたタイルの大きさなどすべてが機体を美しく見せるために計算されている。藤野社長は「一生に何度もあることではない」航空機を購入する瞬間の演出にもこだわった。

ターンテーブルに乗ってゆっくり回る機体は、まるでモーターショーで初披露される高級車のようだ。顧客はガラス張りのエレベーターで機体を眺めながらシャンデリアの輝きがまぶしい2階の部屋に移動し、契約を交わして鍵を受け取る。藤野社長はその場に立ち会い、時には顧客と食事をともにする。

創業者の掲げた夢に挑戦し続け、参入障壁の高い産業にゼロから道を拓いた「ホンダらしさ」の象徴とされるホンダジェット。ホンダ全体のブランド向上に貢献できるうえ、最新の安全基準を満たした技術は「車にも応用できる」(藤野社長)。ホンダの八郷隆弘社長も黒字化までは「少し長い目でみている」。

(白木真紀、田実直美 編集:田中志保)

860とはずがたり:2017/04/17(月) 14:49:23
“お公家”東芝と“野武士”日立 明暗を分けた企業文化
http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20170416/asahi_2017041300018.html
dot. 2017年4月16日 07時00分 (2017年4月17日 13時52分 更新)

 沈まぬはずの“電機の巨艦”が1兆円超の巨額損失の渦に飲み込まれようとしている。原因は原発事業の失敗だ。成長期や昭和のニッポンを力強く牽引し、明日は今日より豊かな生活をもたらした名門企業で、一体何が起こったのか。そのとき社員や関係者は何を見て、どう感じたのか。そして何が元凶だったのか。AERA 2017年4月17日号では「苦境の東芝」を大特集。

 東芝は、不正会計事件と原子力事業のつまずきで、2017年3月期、国内製造業過去最悪の1兆100億円の赤字見通し。「解体」か「上場廃止」かと騒がれる差し迫った状況だ。一方の日立は比較的好調で、約9兆円を売り上げる巨大企業の座を維持する。なぜ両社はかくも大きく差が開いたのか。

●“買いっぱなし”のWH 海外インフラ事業の運営管理に明暗

「経営力」の差も命運を分けた。トップの力量の問題だ。

 国内インフラ市場が低迷するなかで、ともに海外進出に活路を見いだした。東芝は06年、米原発メーカーのウェスチングハウス(WH)を約6600億円(当時)の「高値づかみ」で買収。当時社長の西田氏のひと声で、資産価値の3倍近い高値で競り落とし、「15年までに33基の原子炉を受注する」とぶちあげた。当時の西田氏は次のようにいっている。

「半導体の投資は3年で回収できますが、原子力は20年、30年のスパンです。WH買収にあたって、2050年まで45年間の事業計画を計算した。結果、いまWHを買収できなかったら、東芝の原発事業はもうダメだと判断しました」

 しかし、東芝は、国内はともかく海外での原発事業の経験はゼロ。案の定、WHの運営管理は、東芝の手に余った。

 原子力技術は高度かつ複雑で専門性が高い。建設を手がけるとなれば、安全規制や契約、作業基準などは国によって異なる。原発事業の運営管理は、事情に精通していないと現地の経営陣任せになってしまう。つまり「買いっぱなし」になる。その結果、WHは“ムラ”と化した。本社からは内部の様子がうかがい知れず、リスクの把握すら難しい状況に陥ったのだ。

 今回の騒動で東芝会長を辞任した志賀重範氏は原子力畑出身。WH買収後に上級副社長として送り込まれ、後に同社長、会長を務めたが、WHの内情を把握できていたかは疑わしい。少なくとも東芝本社とWH間のパイプ役としては、不十分だったといえる。

 その“証拠”もある。東芝社長の綱川智氏が、志賀氏からWH子会社の巨額損失の報告を受けたのは、発表した昨年12月27日のわずか数週間前。本社とWHの意思疎通、情報共有はほとんど行われていなかったとしか思えないのだ。

 08年、私は当時社長の西田氏に「WHのマネジメントはうまくいっているのか」と尋ねた。すると、彼は自信満々の様子でこう答えた。

「むろん、うまくいっている。現地に日本人を派遣しているからね」

 現場の実情は、お粗末だったとしかいいようがない。

 2011年の東京電力福島第一原発事故によって、東芝の原発事業の経営環境は一変し、逆風にさらされた。しかし、ずさんな契約内容や危機管理、脆弱なガバナンスなどが原因で、完全にマネジメント不全に陥ったのも事実。その結果、WHは米連邦破産法11条の適用申請に追い込まれた。

 東芝自身も認めている。今年3月29日の記者会見の席上、綱川社長は、WH買収について「結果を見て振り返ると、非常に問題のある判断であったと思う」とコメント。背伸びして買収したWHは、フタを開ければとんでもない“お荷物”だった。海外M&A失敗の代表例となってしまったわけだ。

●東芝の武器は「調整力」 同じ重電業界でも企業文化は違う

 日立は原発事業を手がけているが海外展開は慎重に進める方針だ。一方でM&Aではなく自力で挑んだインフラ事業が成果をあげつつある。

 人口減などで国内の鉄道事業の成長は見込めない中、目指したのは海外。だが海外での鉄道事業の経験はゼロだ。1999年、日立は東芝のようにM&Aに走らず、鉄道事業の海外展開をたった一人の駐在員を英国に派遣することから始めた。

861とはずがたり:2017/04/17(月) 14:49:45
>>860-861
 電力インフラと同様、鉄道インフラもまた、国によって法体系や制度などの仕組みが異なり、オペレーションが難しい。例えば、英国の鉄道は「上下分離」と呼ばれ、レールなど地上インフラと運行とは、別々の企業が担う。オペレーション会社は、車両をリースし、地上インフラを所有する国営企業に使用料を支払う仕組み。信号システム、車両の安全性の規格など、何もかもが違い、簡単に入り込めるものではなかった。

 そのうえ、欧州の鉄道の市場規模は当時世界の4割を占めていたが、独シーメンス、仏アルストム、カナダのボンバルディアというビッグ3がほぼ占有していた。日立は00年、01年と英国の車両入札に参加したものの、ことごとく失敗。当時の状況について、日立関係者は「鉄道事業は、日立のなかで当初は“ゴミ”扱いだった」と振り返る。

 だが「買いっぱなし」の東芝とは異なる。日立は失敗から学び、現地に入り込む「インサイダー化」が成功のカギとみた。

 まず、現地の人材を積極雇用。さらに部品などの現地調達を推進し、現地工場で生産することを目指した。その一歩が、アリステア・ドーマー氏の起用だった。03年、日立は仏アルストム出身で英国流の鉄道ビジネスを熟知し、運輸当局に人脈をもつドーマー氏を採用。後に彼を現地法人のトップに就け、日本人スタッフがサポートに回る体制を整えた。

 効果はテキメンだった。2年後の05年に英国で初めて受注したのは、ドーバー海峡トンネル連絡線向け高速車両「Class395」174両と7年間の保守契約。納期遅れが常態化した英国において納期を順守し、定時制や安全性に優れた“日本品質”を提供して高い信頼を得た。この点も、東芝の米原発の工期が延期を重ねるのとは正反対といっていい。

 実績がさらなるビジネスにも結びついている。12年には英国史上最大規模のプロジェクトで長期保守契約を含む一括契約、総額約5500億円を受注した。

 日立は14年、鉄道システム本部を英国に移転。ドーマー氏を外国人としては9年ぶりの本社執行役として交通システム事業グローバルCEOに抜擢した。また、イタリア鉄道関連事業を担うアンサルドSTSとアンサルドブレダを買収。鉄道事業の売上高は4千億円を超え、車両からシステムまでフルラインアップを持つ世界有数のプレーヤーにのし上がった。

 15年以降、英ニュートン・エイクリフ、米マイアミの鉄道車両工場を稼働させ、生産の現地化も進めた。主要市場である日米欧に加え、インドやタイ、中国でも信号や車両などを受注。今後さらに海外事業を拡大し、18年度には海外売上比率を14年度の39%から83%に引き上げる計画だ。いずれも泥臭く信頼を築き上げた結果である。

 両社の「企業文化」には際立った違いがある。日立の鉄道事業関係者は、自社の特徴をこう表現していた。
「車両納入後に問題が起きれば、日立が先頭に立って『技術』で解決する。技術力の向上によって、人々の信頼を得る」

 実は英国現地法人の社長を選ぶ際、この日立独特の企業文化を理解する人物を基準にして、ドーマー氏を選んだという。

 実際、日立は武骨に「技術」を信じる集団で、「野武士」軍団ともいわれてきた。その証拠に、日立のトップは代々理系人材から選ばれている。 

 一方の東芝はどうか。本来高い技術力を持つが、その技術力を拠り所とする企業文化は持ち合わせていない。どちらかといえば、ブランド力とコネクションにモノをいわせる「調整力」を武器とする企業文化なのだ。

 かつて東芝は「お公家さん」と呼ばれた。90年ごろ、当時社長だった青井舒一氏にインタビューした際に指摘すると、青井社長は「それは昔の話だ。君、認識不足だよ」と言下に否定した。だがその特徴は今なお続いているように思えてならない。「お公家さん」ゆえに「調整力」が幅を利かせ、トップには文系人材が就くケースが多いのだ。伝統的に東芝トップは、経団連トップの座を狙うなど“財界病”患者も多い。

 日立からは、経団連会長、議長は一人も出ていない。日立名誉会長の川村氏はこのほど、東京電力会長に就任予定だが、日立会長時代は経団連会長を固辞したことが知られている。結局のところ、東芝はこの期に及んでも、決断を先送りする「お公家さん」体質を抜け出せていない、ということだろう。(経済ジャーナリスト・片山修)

※AERA 2017年4月17日号

862とはずがたり:2017/04/27(木) 12:35:44

オーストリア、ユーロファイター巡りエアバスCEOを詐欺容疑で捜査
ロイター 2017年4月27日 12時05分 (2017年4月27日 12時06分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20170427/Reuters_newsml_KBN17T0AO.html

[ウィーン 26日 ロイター] - オーストリア検察当局は26日、2003年の戦闘機ユーロファイターの発注(約20億ユーロ)を巡り、欧州航空機大手エアバス<AIR.PA>のエンダース最高経営責任者(CEO)を詐欺容疑で捜査していることを明らかにした。
これに関しては先にロイターが入手した文書を基に報じ、検察当局者が確認していた。エアバスは「全く根拠がない」としている。
オーストリア検察当局は2月、この取引を巡り、生産企業の「ユーロファイター・コンソーシアム」とこれに参加しているエアバスが購入価格や装備などに関して不適切な説明を行ったとの国防省の調査結果を受け、捜査を開始した。
ロイターが入手した文書によると、捜査対象の個人は現在エンダースCEOを含め16人となっている。
エアバスの広報担当者は、ロイターの報道後に検察当局から捜査について通知を受けたと明らかにし、「トム・エンダースCEOが調査対象の個人に含まれている。この疑惑に関しては、これまで繰り返し述べているように全く根拠がないと考えいている」とした。
同CEOとエアバス、およびユーロファイター・コンソーシアムはいずれも容疑を否認している。
コンソーシアムはエアバスと英BAEシステムズ<BAES.L>、イタリアのレオナルド<LDOF.MI>で構成されている。

865荷主研究者:2017/04/29(土) 21:43:40

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00423155
2017/4/3 05:00 日刊工業新聞
川重、造船事業を縮小 神戸は潜水艦シフト、坂出に国内商船集約

中国合弁に商船建造をシフト。コスト競争力を高める(NACKS)

■構造改革進め固定費削減/中国合弁と「分担」推進

 川崎重工業は不振が続く造船事業について、2020年度までに国内の事業規模を約3割縮小する構造改革に乗り出す。国内の商船建造を坂出工場(香川県坂出市)に集約し、中国の合弁造船会社に商船建造をシフトする。足元の2年は海洋開発向け船舶建造の工程混乱などを受け、多額の損失を計上してきた。規模縮小で棚卸し資産や固定費を圧縮し収益体質を改善。全社の経営指標である税引き前ROIC(投下資本利益率)8%以上を必達目標に掲げる。(長塚崇寛)

 国内では20年度までに、坂出工場に二つある建造ドックを一つに減らす。「ガス関連技術や環境技術の開発に注力するほか、中国合弁2社の人材育成や技術支援を強化する」(富田健司常務)方針だ。神戸工場(神戸市中央区)は液化水素運搬船などに建造を絞り、潜水艦建造に軸足を移す。

 約2500人の人員は削減せず、定年退職による自然減や他部門への配置転換で対応。造船事業の売上高は1000億円規模だが、20年度に700億円規模に縮小する見通し。

 一方、坂出工場と中国合弁2社の一体運営を加速する。坂出工場で新船型のガス船をロット(複数)受注し、1番船を坂出工場で建造。2番船以降を中国2社で連続建造し、生産コストやリードタイムの短縮につなげる。

 同様に造船事業の改革を進める三菱重工業も、今治造船、名村造船所と業務提携で基本合意した。建造ドックの相互活用や新船型の設計・開発、資材の共同購入が戦略の柱となる。大島造船所とも今夏の合意を目指し協議を継続する。

 各社が構造改革を急ぐのは、歴史的な海運市況の低迷に伴う船腹過剰がその根底にある。台頭する中国・韓国勢との競争も激化。各社は2年分以上の仕事量を持つが、足元の受注は振るわず、19年以降の売り上げ確保に不透明感が漂う。

 受注量にそぐわない過剰な設備投資で経営破綻に追い込まれた中・韓勢も、政府支援で息を吹き返しつつある。海外勢への対抗策として事業統合など大型再編の臆測も飛び交った国内造船だが、小幅な改革にとどまった。

 ジャパンマリンユナイテッドの三島愼次郎社長は「企業の一部門では閉塞(へいそく)感がある。大きな器の中で存分に戦える体制作りが必要」と指摘する。今回、沈黙を守った三井造船は18年に持ち株会社への移行を検討。造船事業の分社で「他社との提携もしやすくなる」(幹部)とした。今後の市況次第で各社は、さらに踏み込んだ改革が求めらそうだ。

(2017/4/3 05:00)

866とはずがたり:2017/04/30(日) 15:44:01
シンガポールで日本製「新交通」が人気のワケ 三菱重工のシステムが空港や市内交通に
https://news.goo.ne.jp/article/toyokeizai/business/toyokeizai-169570.html
04:00東洋経済オンライン

日本では「新交通システム」と呼ばれることが多いAGT(オートメーテッド・ガイドウェー・トランジット)。昨年9月に公開した記事(「鉄道の『自動運転』は車よりずっと進んでいる」)で、北米では米ウエスチングハウスの技術を受け継いだカナダのボンバルディア、欧州ではフランスのマトラの遺産を継承したドイツのシーメンスが主役であること、わが国では三菱重工業が最近積極的に取り組んでいることも記した。

鉄道業界のビッグ3はボンバルディア、シーメンスとフランスのアルストムという欧米勢に独占されているが、AGTではその一角に日本企業が食い込みつつある。

では、三菱重工のAGTの海外展開はどのようになっているのか。同社製のAGTが空港内交通機関をはじめ、市内交通にも展開しているシンガポールに向かい、現地の担当者に話を聞いた。

三菱製の新交通システムが活躍
シンガポールはシンガポール島を中心とする島国であり、ひとつの都市がそのまま国になった都市国家でもある。総面積は東京23区と同程度しかない。日本から訪れた人の多くが最初に足を踏み入れるチャンギ国際空港は、シンガポール島の東端に位置する。

アジアのハブ空港のひとつであるチャンギ国際空港は映画館やプールなどアミューズメント施設も豊富であり、昨年も英国の航空調査会社スカイトラックスが行う「ワールド・エアポート・アワード」で第1位に輝いた。現在3つのターミナルがあり、4つ目のターミナルが建設中だ。

これらのターミナルを結ぶ空港内交通「スカイトレイン」に、三菱のAGT車両「クリスタルムーバー」が起用されている。かつてはボンバルディア製車両が走っていたが、2002年に三菱が受注を獲得。2006年から順次クリスタルムーバーに置き換えられている。

三菱とボンバルディアとでは軌道の構造が異なる。三菱の案内軌条が軌道左右にあるのに対し、ボンバルディアは中央に案内軌条を置く場合が多い。つまり車両の入れ替えに際しては軌道の構造変更も実施しており、軌道と車両がセットで導入される形となる。

三菱はわが国では東京都のゆりかもめ、埼玉県のニューシャトルなど多くのAGT車両を手掛けるが、それらが5?6両編成なのに対し、チャンギ空港の車両は全長12.55メートルの単行車両だ。空港内交通としては妥当な容量だろう。

空港と都心はMRT(マス・ラピッド・トランジット)と呼ばれる都市高速鉄道が結ぶ。MRTは最初の開業が1987年と新しいが、現在5路線があり、チャンギ国際空港には東西線が乗り入れる。路線を保有しているのは国のLTA(陸上交通庁)で、SMRTトレインズとSBSトランジットの2社が運行を行う上下分離方式だ。車両の製造は川崎重工業、シーメンス、アルストムなど、国籍からしてバラエティに富んでいる。

シンガポールの中心はシンガポール島南部であり、高層ビルが立ち並び、観光地のマーライオンやマリーナベイサンズもここにある。当然ながらMRTの路線網もここを中心に広がっている。

逆に北部はまだ緑が残る場所もあるが、近年はこうした地域でニュータウンの建設が進んでいる。シンガポールは後で紹介する大胆な手法で自動車交通を抑制しており、公共交通整備は必須である。しかしMRTほどのボリュームは不要であることからAGTが導入された。

現地での呼び名は「LRT」
シンガポールのAGTはLRTと呼ばれる。ただし欧米や日本のLRTとは異なり、ライト・ラピッド・トランジットの略となる。MRTの小型軽量版という位置づけだ。本稿でも以下LRTと記す。

まず1999年、MRT南北線チョア・チュー・カン駅を起点とするブキ・パンジャン線が開業し、続いて2003年に北東線センカン駅、2005年に同じ北東線の終点プンゴル駅からの路線が運行を始めた。

ラケット型の路線を持つブキ・パンジャン線はボンバルディア製車両をSMRTトレインズが走らせ、MRTの駅を中心に8の字を描くセンカン線とプンゴル線は三菱製車両をSBSトランジットが運行している。

867とはずがたり:2017/04/30(日) 15:44:16
>>866-867
MRT北東線でセンカン駅に向かい、三菱製車両の走るセンカンLRTに乗り換える。運賃はSMRTもSBSも一体となっており、MRTとLRTの間に中間改札はなく、乗車券は通しで買える。車両はチャンギ国際空港と基本的に同じだが、デザインはやや異なり、2両編成もある。どちらも運転士がいない完全無人運転だ。

沿線は、ループの内側は集合住宅がびっしり立ち並んでいるのに対し、外側は緑が残り、建設の余地がある。トンカン駅で降り、隣接する車両基地に向かう。下層にMRT北東線、その上にLRTセンカン・プンゴル線の車両基地があるという合理的な建造物だ。駅から見て右側に工場があり、左側には車両の留置線が設けられている。

まず目につくのは、留置線が屋根付きであることだ。この日対応していただいたエンジニアリング本部エンジニアリング統括部基本設計部交通システム基本計画グループ主任の吉岡正隆氏によると、高温による機器故障を防止するために屋根を設けたという。この日もシンガポールは午前中から30度以上という高温に見舞われていたので、この措置には納得した。

乗客急増で2両運転も開始

続いて工場に足を踏み入れる。2両並んだ車両の先頭部が違うことに気づいた。2両編成での運行を開始したことに合わせた改良だ。沿線の住宅が増えるに従い、2014年には1日平均8.7万人だった両線の乗客数は翌年は9.9万人、2016年には12.7万人と急ピッチで増えているのである。

ホームや線路は当初から長編成に対応してあったが、車両は連結時にも前面の扉を開閉できるよう上下2分割とし、灯火類も横から確認しやすい配置に変更した。25両は単行用として残し、16両を新製、16両を改造で賄っている。変電所の増強、駅での停止用機器の位置変更も行い、昨年からラッシュ時の2両運転が始まった。

車両の脇にはタイヤが並べてあった。タイヤは集電シューと並んで消耗が激しい部品であり、1年に1度の頻度で交換するという。

今後、シンガポールではMRTについて、2本の新路線と既存路線の延伸が表明されている。LRTについては目立った発表はないが、ブキ・パンジャン線を走るボンバルディア製車両はトラブルが多いと言われており、チャンギ国際空港のように三菱が引き受ける可能性もある。

吉岡氏によれば、シンガポールは入札条件は厳しいものの、公平性は高いという。自国に車両製造企業がないこともあって、ニュートラルな立場であるようだ。短時間滞在した中心市街地も、公用語が4種類という多民族国家を反映していた。

自動車保有率を抑え公共交通を重視
先ほど少し触れた交通政策についても紹介しておこう。シンガポールでは交通渋滞解消のために、自家用車の購入に際してはまずCOEと呼ばれる新車購入権を公開入札で取得する。さらに乗用車には100%の税金がかかる。COEは専門業者に依頼する形となり、手数料も発生する。その結果、日本では約250万円で購入できるトヨタ・プリウスはおよそ1500万円にもなる。

これにより自動車の保有率は15%ほどに抑えられている。日本の都道府県で最も自動車保有率の低い東京都でさえ33%だから、シンガポールの数字がいかに低いかがわかる。

その代わり公共交通運賃は安い。たとえばMRTセンカン駅から都心のシティホール駅までは、所要時間約30分、距離13.2キロメートルのところ1.45シンガポールドル(約115円)となる。距離や時間がほぼ同じ東京メトロ有楽町線小竹向原―銀座一丁目間の240円の半額以下だ。

公共交通重視の政策と公平性の高い入札を特徴とするシンガポールは、国外の交通事業者にとっても参入対象にしやすい国のひとつと言える。そこに持ち前の高度なAGT技術を投入したことが、順調な展開に結び付いているようだった。

868とはずがたり:2017/04/30(日) 17:10:51
>なぜアルストムと日本連合の間でこれほどの価格差があるのだろうか。そこには根本的な違いがある。アルストムの機関車は2000年以降、電気機関車を中心に世界各国でおよそ2200両売れた。それに引き替え日本の状況は、JR貨物が保有する機関車の総計は電気、ディーゼル合わせて590両。毎年、その更新需要くらいしか生産のニーズがない。部品の大量発注によるスケールメリットによるコストダウン効果を考えれば、彼我の差は計り知れない。

>毎年、大量の機関車を製造するアルストムやGEは、基本仕様をあらかじめ決めておき、後は発注者の要求に合わせて細部の仕様を決める。インドの案件でもアルストムは世界でベストセラーの電気機関車「プリマ」をベースとしている。一方、日本メーカーの場合は、その都度開発・設計を行なっている。そのコストは1両当たりの製品価格に上乗せされる。これによって価格差はさらに広がる。

川崎重工が陥った「インド鉄道ビジネス」の罠
円借款でも安心できない日本メーカーの弱点
http://toyokeizai.net/articles/-/148812
大坂 直樹 :東洋経済 記者 2016年12月12日

インドの電気機関車。急増する貨物需要に対抗するため貨物専用線の建設が進められている(写真:kouji/PIXTA)
「こんなに高い価格では買えない」――。川崎重工業を中心とした日本連合が提示した価格に対して、インドの国有鉄道会社・インド鉄道が難色を示した。

安倍晋三首相が推進する鉄道インフラ海外展開の中でも、川重は鉄道車両分野で主導的な役割を果たす。最近でもニューヨーク州、ワシントンDC、シンガポールなど世界の各地に川重製の鉄道車両を走らせる。イタリアの車両メーカーを買収して規模を拡大した日立製作所は別格としても、日本車両製造が米国向け車両開発案件でつまずく中、川重は海外展開の勝ち組と見られてきた。その川重が苦戦しているのが、日本が国を挙げて進めているインドの貨物専用鉄道計画である。

日本勢では過去最大の案件

経済成長著しいインドでは、貨物鉄道の輸送能力が限界に近づいている。インドでは旅客列車と貨物列車が同じ線路を使うが、旅客が優先され、貨物輸送が滞りがちなのだ。そこでインド政府は、デリー―ムンバイ間約1500キロメートルとデリー―ハウラー(コルカタ)間約1400キロメートルに貨物専用線を建設、さらに高速貨物車両の導入などによる輸送能力の改善に踏み切った。

2路線のうちデリー―ムンバイ間の建設は日本政府による支援が決定。現在の貨物列車の平均速度は時速20〜30キロメートルにすぎないが、電化や信号システムの整備を行ない平均時速100キロメートル程度で走れるようにする。さらに2階建て貨物列車を投入することで、完成すれば輸送力は3〜4倍に増強される。総事業費9000億円は円借款で賄われる。日本勢が参加するアジアの鉄道案件では過去最大の規模となる。

双日、三井物産、日立製作所といった日本企業が軌道敷設工事を次々と受注。一部の区間はすでに着工している。問題となったのは貨物専用線を走る9000馬力の電機機関車200両の製造である。40両を日本から輸出、60両をノックダウン方式で製造。残り100両は現地生産という条件で昨年6月に入札が開始された。名乗りを上げたのは川崎重工業を中心とする日本企業連合。円借款の日本タイド(日本企業からの調達が求められる)案件だけに受注は確実と思われていた。

ところが、日本連合が提示した価格が高すぎた。インド側の想定価格は1両あたり2.5億ルピー(約4.2億円)と伝えられている。ちなみにインド政府は昨年11月に仏アルストムに1万2000馬力の電気機関車800両を2000億ルピー(約3400億円)で発注している。まさに1両当たり2.5億ルピーであり、どうやらアルストムの案件を参考にしていたようだ。

869とはずがたり:2017/04/30(日) 17:11:10
>>868-869
一方で、日本連合が提示した価格は現地の報道によれば1両当たり5億ルピー(約8.4億円)で、インド側の想定と2倍の開きがあった。インド側の要請を受けて日本連合は価格を3.6億ルピー(約6.1億円)に引き下げたが、折り合いはつかなかった。昨年暮れには契約成立のはずだったが、事態は今も膠着状態が続く。

「中国勢と競合するなら相当厳しい価格をつけないと受注できないが、日本タイド案件なら多少高めでも許されるはず」(関係者)という声は確かにあった。インド側にしてみれば調達価格が多少高くなっても低金利融資で利払い負担は軽くなり、元は取れる。だが、調達価格が想定から2倍も割高というのは、さすがに無理があったようだ。

「部品だけ日本製」で解決目指す

川重は「現在もインド鉄道と最終価格の交渉中」と説明するが、現地では「車両を日本製にするのは断念して、日本製の電気機器を搭載した中国製やフランス製などの外国製車両」という条件に変更することで日本タイドをクリアできるようにしようとする動きもある。

なぜアルストムと日本連合の間でこれほどの価格差があるのだろうか。そこには根本的な違いがある。アルストムの機関車は2000年以降、電気機関車を中心に世界各国でおよそ2200両売れた。それに引き替え日本の状況は、JR貨物が保有する機関車の総計は電気、ディーゼル合わせて590両。毎年、その更新需要くらいしか生産のニーズがない。部品の大量発注によるスケールメリットによるコストダウン効果を考えれば、彼我の差は計り知れない。

毎年、大量の機関車を製造するアルストムやGEは、基本仕様をあらかじめ決めておき、後は発注者の要求に合わせて細部の仕様を決める。インドの案件でもアルストムは世界でベストセラーの電気機関車「プリマ」をベースとしている。一方、日本メーカーの場合は、その都度開発・設計を行なっている。そのコストは1両当たりの製品価格に上乗せされる。これによって価格差はさらに広がる。

今回の一件は、東洋経済オンライン8月22日付記事"鉄道「オールジャパン」のちぐはぐな実態"でも触れた、フィリピン・マニラのLRT案件が失敗に終わった事例と構図がよく似ている。どちらも円借款の日本タイド案件で日本の車両メーカーの受注が確実だったにもかかわらず、フィリピンの案件では日本メーカーのスケジュールが合わず、インドの案件では価格がインド側の想定を大きく上回った。どちらも事前に相手国政府、日本政府、そして車両メーカーの間で十分に意思疎通が取れていれば回避できたかもしれない。

イニシャルコストの高さを納得させられるか

同様のことは、これから設計・開発が始まるムンバイ―アーメダバード間を走る高速鉄道車両にも当てはまる。日本は最新鋭の東北新幹線「E5系」をベースとした開発を念頭に置いている。騒音など環境面に配慮した設計とした分だけ中国製と比べて車両価格は割高だ。かといって、インド向けに仕様変更すると今度はその分の設計費が上乗せされる。

新幹線は外国の高速鉄道と比べて導入費用が割高なのではないかという疑問に対して、新幹線の海外展開を推進する国際高速鉄道協会(IHRA)の宿利正史理事長は「安全性・信頼性という便益と比較すれば、新幹線の方が圧倒的に効率的」と胸を張る。

イニシャルコストが高くてもトータルで考えれば結局割安という理屈だが、インドにこの考えがどこまで受け入れられるか。12月9日、国際協力機構(JICA)はインド高速鉄道プロジェクトの設計案の策定や入札を支援する業務を開始すると発表した。日本製が採用されるべき円借款のプロジェクトであっても「高い」と反論された今回の一件を教訓に、今度こそ車両メーカーなど民間の情報も共有して、インド側が100%納得する高速鉄道プロジェクトを築き上げるべきである。


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