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電力・発電・原子力スレ

1251チバQ:2011/09/11(日) 11:09:50
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110830-00000000-toyo-bus_all
日本版スマートグリッドは離島から始まる! “先進地”黒島・屋久島現地ルポ(上)
東洋経済オンライン 8月30日(火)13時26分配信


離島にあるスマートグリッドの現実

 再生可能エネルギーの活用、地域で自給する小規模分散電源、自由化した電気事業――。日本版スマートグリッドは「賢い電力網」という本来の訳語を超え、エネルギー社会の将来像をも表している。しかし、それは私たちの暮らしにどのような変容を迫るのか。どんな恩恵、あるいは弊害をもたらすのか。

鹿児島県黒島のマイクログリッドシステム

 もっと地に足が着いたイメージをつかみたい――。調べ、たどり着いた場所は“離島”だった。そこはいまや、未来のエネルギー社会を占う先進の地。日本の電力社会の将来像を読み解くカギを離島から考える。

 鹿児島港から週に3回だけ出るフェリーで、5時間30分揺られた先に、小島がぽっかりと見える。鹿児島県三島村、島名は黒島という。

■僻地の島に到来した再生可能エネルギー発電所

 周囲わずか15.2キロメートル、人口181人。ここでは島民の一人ひとりが顔見知りだ。商店は島に1店のみ。新聞も2〜3日分が船でまとめて運ばれる。畜産がメインの産業で、朝、人はニワトリの鳴き声で目を覚ます。当然、九州本土からは電線がつながれておらず、島内にあるディーゼル発電機4台が電気の生命線だ。

 2010年4月。三菱重工業、富士電機、九州電力などスーツ姿の大企業幹部に役場関係者の約40人が立ち並び、穏やかなこの島が珍しく緊張した空気に包まれた。新設した設備の竣工式に出席するためだ。

 動き出したのは再生可能エネルギーの発電所。太陽光パネル6枚。風力発電機1台。それに蓄電池と制御装置で構成される。発電設備容量は島の最大需要の3割にも及ぶ。

 島では午後6〜8時に需要のピークを迎えるが、太陽光はもっぱら日中に発電する。需給の不一致を調整し、住民に安定供給する役目を蓄電池が担う。経済産業省が大枠を企画し、09年から九州電力と沖縄電力が実施・運営する国家プロジェクト「離島マイクログリッド」。再生可能エネルギーを蓄電池と組み合わせて使うこの次世代エネルギー社会実験の中心地に選ばれたのが黒島だった。発展を後追いするだけの島から、先取りする島へ。一躍の変貌である。

 島の小・中学校にとっては、環境を考えるためのこの上ない“教材”の到来だった。全校生徒17人、黒島に二つある小・中学校の一つ、大里小・中学校では竣工式翌日に同設備の見学会を行った。実証試験担当の説明を聞いた後、生徒たちが思い思いに感想をつづった俳句がある。

 「空の下 めぐみの自然 ささやくよ」そう詠んだ小学5年生の日高麻里百さんは、「風力発電機をよく見たら鯨の顔をしていた」と笑顔を見せる。10年6月には電力会社の社員を講師に呼び、電気の出前講座も開催した。子どもたちは、電球付きのダイナモを手で回して発電の仕組みに触れ、風力発電の原理を知り、電気自動車にも初めて乗った。大里小・中学校の徳森孝一校長は「再生可能エネルギー設備は島によい刺激を与えてくれた。環境を守る重要さを教えるきっかけにもなっている」と満足げだ。

1252チバQ:2011/09/11(日) 11:10:04
 実証試験開始以来、月3〜4人の関係者が来島する。小さなこの島にとっては貴重な客である。「行き交う人が増えれば、宿の宿泊も増える。必ず何か変わるんです」。そう語る日高郷士・三島村村長の声は切実だ。1970年から10年までの40年間で、村の人口は4割減少した。本土からの交通の不便さゆえ、観光産業の育成も企業誘致もできず、村の経済は縮小の一途をたどってきた。2年前、九州電力から実証設備候補地にしたいという要請があった時は、二つ返事で了承した。地域活性化につながる一筋の光だ。「九州電力はもっとこの島を再生可能エネルギー導入の場として生かしてほしい」と、日高村長はラブコールを送る。

 九州電力もまんざらではない。「この実証が成功裏に終われば、各離島に対する導入を前向きに検討する」という。黒島に限らず、系統のつながっていない離島の多くは石油火力で電気を賄っており、再生可能エネルギー導入によるCO2削減メリットは大きい。また、離島の発電コストは「九州本土のざっと2倍」(九州電力)だ。原料の重油は本土からフェリーで長距離輸送され、しかも1回に運べる量も規制されている。輸送費はどうしてもかさむ。

 管内に99もの離島を抱える九州電力の場合、離島事業で毎年100億円を超える赤字を計上する。原油価格が上昇傾向にある中、収益確保のメドも立たない。再生可能エネルギー発電所ならば、現状はまだコスト優位性はないものの、今後はコスト低下が見込まれる。スマートグリッドに対しては消極的な態度を取っていた電力会社だが、離島については導入を進める積極的な理由があるのだ。黒島の再生可能エネルギーシステム構築を担った富士電機の担当者も、自信を込めて予測する。「日本版スマートグリッドの普及は離島から始まるだろう」と。

 黒島よりさらに徹底して“先行”している離島が、同じ鹿児島県、世界自然遺産の島、屋久島だ。

 そこは鬱蒼とした山林の中。沿岸から山道を車で40分ほど登った所に、島内電力を一手に担う水力発電所の源泉、尾立ダムがある。島で最も標高の高い宮之浦岳(1936メートル)から流れる安房川流域の水を貯める。くみ上げられた水は水圧鉄管を通って300メートル急降下、発電機を勢いよく回し電気を生む。「屋久島の電力はこの流域の水力発電が中心。再生可能エネルギーがほぼ100%です」と話すのは、ここを管理する屋久島電工の田中秀秋所長だ。

1253チバQ:2011/09/11(日) 11:10:34
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110830-00000001-toyo-bus_all
日本版スマートグリッドは離島から始まる! “先進地”黒島・屋久島現地ルポ(下)
東洋経済オンライン 8月30日(火)13時28分配信


屋久島の水力発電所

 そう、屋久島は日本で唯一、10電力会社に発電を依存しない場所。代役を担うのは従業員129人の屋久島電工という地元の化学メーカーだ。地域独占を認める電気事業法に基づけば、電力供給義務も本来は九州電力にある。が、屋久島電工は経済産業省から特別な許可(特定供給の許可)を得て電力事業を行う。

屋久島の独特な電力供給構造
 
 さらには発電・配電も分離している。各家庭への配電は屋久島電工ではなく地域ごとに分かれた四つの配電組織が担う。九州電力は、ここでは配電組織の一つにすぎない。おのおのが担当エリアの配電設備の整備を行い、電気利用料の決定権を持っている。したがって料金も、島内のどの地域に住むかによって異なっている。

 歴史的には電気の供給を独自の発電・配電組織が担う離島は珍しくなく、離島の電力が大手電力会社に移管されたのは、戦後から80年代にかけてだ。屋久島だけが残ったのは、日本最多の年間降水量と急峻な地形という水力発電にとって絶好の環境が、本土よりも安い電気を島民に提供していたためである。

■停電は日常茶飯事 屋久島住民の憂鬱

 「しかし利用料の安さも96年ごろまでだった」と、配電組織の一つ、安房電気利用組合の岩山光清組合長は振り返る。九州電力はその頃からより割安な原子力の新設備を稼働させたこともあり、徐々に値下げを行っていき、価格差は逆転した。今では「日本の電気代は世界一高いといわれるが、屋久島はそれより高い。本土なら当然ある夜間割引すらここにはない」と、屋久島でホテルのオーナーを務める眞邉文法さんは嘆く。

 それだけではない。屋久島では停電も日常茶飯事だ。島の繁華街、宮之浦にあるスーパーマーケット「わいわいランド」では、00年11月の開店時から定格出力184キロワットの非常用ディーゼル発電機1台を地階に設置している。「この島では停電を想定して出店する必要があった」と同店の店員は言う。停電時でもレジと冷凍設備、店内のエアコンの半分を起動でき、最低限の営業は継続できる体制を準備している。

 10年12月には、島民が「あれは最悪だった」と口をそろえる、3日連続の停電が起きた。「12月11日(1回目)、4時20分〜9時25分に停電。原因説明できず。12日(2回目)、21時56分〜1時39分。13日(3回目)、2時50分〜15時32分。分電盤全面更新か」――。

 配電組織の上屋久町電気施設協同組合の報告文書には、ひっきりなしの苦情を抱えつつ対応に追われた停電当時の生々しい記録が残る。町議会も堪忍袋の緒が切れた。1月末、議会内で特別調査委員会を立ち上げ、問題の追及に乗り出した。「住民の怒りは爆発寸前。特に屋久島電工は、儲けにつながらない老朽設備の修繕や電気の質向上を放棄している」と、同委員会に参画する渡邉博之町議は憤然とする。

 屋久島電工の小松俊男社長は反論する。「当社と九州電力とを比べてみてください。事業規模は雲泥の差だ。体力が弱い中で、必死で投資資金を捻出している」。事実、10年3月期の同社の営業利益は5億円程度(九州電力は990億円)。これでは設備改修余力も限られる。大手電力会社ならば当然できている送配電網のループ化(複数の電力供給ルートを整備して停電リスクを減らす措置)も発達途上。送電・配電網ともに今後ループ化を積極的に進めていくという段階だ。

 ここから話を一般化するのは危険かもしれない。が、大電力会社のような法的供給義務がなく、小規模ゆえに設備改修が後手に回った屋久島の事例は、“スマートグリッド”的社会で住民が被りうる一つの懸念を示唆する。他方、黒島のように再生可能エネルギーの活用が地域活性化や環境意識啓発への起爆剤になる期待もある。正負の両面を考慮しながら、今後の仕組み作りにどう生かしていくか。離島の経験はすべての日本人にとってひとごとではない。

(週刊東洋経済2011年7月30日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。


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