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最果てに住まうティアテラ

1言理の妖精語りて曰く、:2007/05/22(火) 01:50:18
此処は変人ティアテラと最果てについて記述するスレッドです。

【ティアテラ】
最果ての最果てに住まう変人の若い男。
人間嫌いで、三ヶ月に一度しか街に出ることは無い。
一人で古代の遺物を集めて弄ったり
ジャガフライを箸でつまみながら(本が油塗れになるのが嫌なので)
文献を読むことを好む。
ドーでも良いような事に考察を巡らせるのも好きである。
趣味は、文献から失われたもの(主に一風変わった料理を再現する事)
納豆について造詣が深い。

【バーガンディア】
魔眼竜とも。最果てに住まう竜。
黒い鱗に縦に切れこんだ大きな紅い一つ目。六つの複眼を持つ。
辺境に住む人食い竜だが、人より納豆が好き。
亜納豆、紀納豆、堕納豆、どれも好んで食す。
ティアテラの納豆カレーのレシピを奪おうと画策中。
バーガンディアは眼が弱点で、その眼に毒矢を打ち込めば一端は撃退出来るが
数日後にはまた無傷で現われると伝えわれている
【アルマリデル】
良く眼を怪我したり眼病を患うことが多い少女。
よくティアテラの元を訪れる。
治してもらいに、または彼の作る納豆料理や前衛料理を奪う為に。
片目を包帯で覆っていて紅い瞳に黒い髪、納豆好き。

181言理の妖精語りて曰く、:2018/09/02(日) 08:12:08
「ティアテラー、ちょっと賢者っぽい事を言ってみてよ」

「うーん……俺には到底自分は真理が理解できていないと
思うが……まあそういうのなら……
狂人の真似をしたら実際狂人と言うのなら
賢者に習えばもしかしたら賢者になれるかもしれないしな」

「ふんふん、ごはんの肴に聞いてあげるから語ってよ」

「賢者にまるで過ちがなかったとしたら、
愚か者はまったく絶望するほかはないだろう……
まったく、俺の人生もしくじりと後悔ばかりさ」
ティアテラは有るかなきかの自嘲の笑みを浮かべる。

182言理の妖精語りて曰く、:2018/09/02(日) 08:25:36
「言葉はナイフだ。容易に人の魂を傷つけ死に至らしめる」

「モグモグ……」

「最強の魔法使いである沈黙のヌト、無言なるヌトは
その当たりよく分かっていたのだろうさ。
下手な弁論や弁解を振りかざして人を傷つけるよりは
黙している方がましさ」

「ムシャムシャ……言葉って危なくない?」

「アルマの好きな料理のレシピだって言葉だ。
上手く使えばこういうふうにリンゴの皮をむいて
君に食べさせることもできる」
ティアテラは呪文を用いてリンゴの皮をむいた。

183言理の妖精語りて曰く、:2018/09/02(日) 08:37:42
「はー、なるほどねえ……カレーの付け合せのリンゴおいしいよ」

「ナイフも言葉も大事なのは使い方、
人を傷つけもするが、生活を支える道具なんだ。
権力者などはは言葉や知識を取り上げる事ばかり、人を黙らせる事ばかり考えるが……
大事なのは使い方を教えることだ。
手放せない以上右手で握手しながら左手にナイフを持つやり方を学ぶ事だ。
それを怠れば、グルグル回る時間のように、
バグって進行不能になったゲームのようにクリア出来ない。
何度でも同じことを繰り返すぞ?」

「ほへー、でも人間の寿命って竜と違って短いじゃん?
ちゃんと学べるのかな?」

「愚者の時間は時計で測定できるが、賢者のそれはできない。
何をするにも時間は見つからないだろう。
時間が欲しければ自分で作ることだ
賢い者は時間を作り、愚かな者は言い訳を作るのだ」

「もぐもぐ。……うんうん、ちょっと賢者っぽかったよ」

184言理の妖精語りて曰く、:2018/09/20(木) 10:37:58
「虫食いの記憶だが……ボブが物事を簡単にする天才だった事だけは」
「よく覚えているよ」
「時間を越える方法は一つじゃない」
「極端な話光よりも早く動けば過去に行ける」
「空に輝く星の光ははるか古に輝いたものが星に届いている」
「此処にその光が届くのに百年掛かる星があるとして……」
「そこに瞬間移動できれば百年を遡る事になる」
「時間のなかで迷子にならない為の道標も一つじゃない」
「デジタルな時計の記録、科学を使ったタイムマシンでもなんでもいい」
「歴史書やカレンダーや日記によって
日付を確認して過去に思いを馳せたり未来に空想を馳せたり」
「種の血脈を辿って未来の子孫や過去の祖先を時空の道標にするのも有りだろう」
「奇跡や魔法で過去視や未来視をしたり時空操作の魔術呪術だってあるだろう」
「ボブ曰く、ね、簡単でしょ? 」
「だけれども過去を安易に弄ったり誰かを殺したりはホントにお勧めできない」
「都合いいパラレルワールドになると言う事に賭けるのは賢い人間のやることじゃない」
「どんなタイムパラドックスが起こるか分かったもんじゃないし……」

185言理の妖精語りて曰く、:2018/09/20(木) 10:48:36
「例えばだ……両親の仲を裂いたりすれば生まれない子供ができるし」
「それがタイムスリッパー自身だった場合そりゃ自殺だ。
時空から消滅する羽目になる」
「だれか偉大な発明家を殺すなり邪魔すれば世の中は不便になる」

「料理人の道を変えれば未来で料理が消えるかも知れん
そりゃ困るだろ、アルマリデル?」

「自分の国が不幸だからって過去の偉人を暗殺して未来を変えようとしても
又何処かでそっくりな名前と顔の奴が
同じ行動をしてあまり歴史が変わらないこともある。
ティンダロス……呼び方は色々あるけれど
何百回何千回何万回何億回何兆回繰り返したげく
「BUT... THE FUTURE REFUSED TO CHANGE.」
(しかし、未来は変えられなかった)」
「……歴史の修正力<クルエクローキ>に喰われても俺は責任持てない。
ゆらいで容易く未来も過去も書き換えられるとはいえ
限度ってもんはあると思うぞ。」

186言理の妖精語りて曰く、:2018/09/20(木) 11:24:15

――魂がガフの部屋からなくなると、魂を持たない子供が生まれ
スズメは鳴くのをやめてしまう。
そのため、スズメがさえずるのをやめるのは世界の破滅の前兆とされる。

【テッラ・デラ・ベリタ(真実の国)】

餓竜姫アルマリデル語りて曰く――
ティアテラにもし私のような邪眼魔眼が有るとするのなら――
その眼差しはきっと【時空検閲官の部屋】を見ているのかもしれない。

187言理の妖精語りて曰く、:2018/09/20(木) 13:18:15
特異点、無限大の重力場の帳、時の卵の中では因果律の矛盾が許容される。
何が生まれるかはクルエクローキにもわからない。
この中に置いてのみ世界を騙せる。
シュレーディンガーの猫の猫は箱の中。
例え箱の中の猫が死んでいるとしても――
もしかしたら確定した過去を変えずに
そっくりな猫の人形と取り替えて結果を変えられるのかもしれない。

188言理の妖精語りて曰く、:2018/09/20(木) 13:38:51
「無論――そんな気軽にほいほい使って良いものじゃない」
「人を呪えば穴二つ……世界を呪い騙すような真似をすれば」
「その代償対価は計り知れない」
「昔の格言にもあるだろう、良い魔術師はなるべく
魔術呪術を使わず溺れずに済むに越した事はない」
「……ま、リスクを押さえてせいぜい視覚の体感時間を一秒を十秒に」
「超加速がいいところだろうな、翌日筋肉痛は覚悟すべきだが」
「無茶して視界ごとクロエクローキの腹の中でした……
なんてジョークにもなんねーよ」

189言理の妖精語りて曰く、:2018/09/21(金) 20:40:58

シ……■■シッ――
■■ティ■■アテラ■■お前の両目の■■……ち、左目は焼■■て……
旧世界に捧■■げ■■■■犠牲に……
右■■目は残せ■■エア■■ル■■■■オー■■■■
新世界■■を見る■■残して■■
累計■■これまで ■■■■6兆■■飛ん■■で137億■■年■■
時の■■卵■■カレ■■■■ワラ■■卵生神話■■
■■槍の理に替わる■■新しき錘■■
世■■界卵■■あるいは■■宇宙■■卵■■くろがねの卵■■
何度繰り返■■ても■■世界を騙せ■■のは■■生涯にただ■■一度きり……
■■アルマと■■■■おそろいになる■■か■■
■■部屋は■■世界の終わりの時■■グレンデルヒと会っ■■
■■■■新しい最果ての二人に『洗礼』を■■■■
■■■■我が■■■■友よ■■■■頼む■■■
せいぜい■■■■うま■■■■くやれ■シシ■■■■シ……

190言理の妖精語りて曰く、:2018/09/22(土) 00:19:40
「アインシュタイン語り手曰く
宇宙と人間の愚かさは無限大だ。宇宙については確かではないが。
同じことを繰り返しながら、違う答えを求めているなんて、狂ってる」

「熱力学第二法則においてエントロピーは必ず増大し
無限の時間の果てにはビックフリーズ、熱的死を迎え宇宙は凍て尽き果てる」

「量子力学及び熱力学第二法則における【ゆらぎの定理】の【解】
『ほぼ全て』の状態に対して
ある時間内においてはエントロピー生成がほとんど非負になる
つまり熱力学第二法則が成り立つことは随分昔に証明されました」

「ほぼすべての状態『短い時間』の間は熱力学第二法則や
ゆらぎの定理が成立する」
「今、この世の全てを呪う、熱力学第二法則を呪う」
「人は同じ愚行を繰り返し、世界は必ずに凍り付いて破滅に向かう」

「言理の妖精語りて曰く――本当に、絶対に?」

「この俺、ティアテラ語りて曰く!
師父、師匠、デルヒ先生!デルヒ先生!答えが喉まで来ているんです!
ほぼ全て!と言う事は『例外』の生まれる余地、時間があるんです!!」

「特異点において、宇宙創成のビッグバン、世界の始まりの日
因果は意味を成さなくなり、エントロピーは負になるはずなんです!!
マクスウェルのデーモン、分子の動きを観察できる架空の悪魔を
想定することによって、熱力学第二法則で禁じられた
エントロピーの減少が可能になります」

191Eal-Baxtual-Ω:2018/09/22(土) 00:29:49
「いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように」
「いつ」「旧世界の終焉と葬式の日、新世界の開始と誕生の日に」
「どこで」「事象の地平線に囲まれた特異点、凍てついたビッグフリーズの時の最果て、地の果てで」
「だれが」「待ち望んだマクスウェルの悪魔を宿すもの、新たなる人類(キュラギ)を唱えるもの
終末少女エアル、最果ての妹。未知なる末妹、終わりの妹であり振り子の担い手が」
「なにを」「世界の破壊するのか、それとも再生するのか」
「なぜ?どのように?」
「エアルは何をするつもりなのか、なぜをそうするのか、どのようにしてするつもりなのかは俺は知りません」

ティアテラは生涯でただ一度の邪眼、魔眼を発動した。
呪われた左目が銀の車輪のごとく輝きながら、止め処なく血を流している。

「簡単な数学の証明のように、マイナスにマイナスをかければ、プラスになります」
「重力に魂を引かれた人々の愚行、カルマ、業、無限の暗黒と無明が積み重なっていくのはプラスだから」
「【+】の記号揺らがせて【×】に、愚かしさから知恵が生まれるように
宇宙の破滅から新しい世界が生まれるように時間に祈ろう」
「この呪われた左目と引換えに、人間の無限の愚かさを無限の重力に変えて無明の暗黒、特異点を此処に」

【テッラ・デラ・ベリタ(真実の国)】
【カレワラ(世界卵、時の卵)】
【時空検閲官の部屋】

ティアテラは「キュトスの姉妹お断り」と書かれた石碑を残された左目で見つめた。
「幾らなんでも末妹を此処で決めるとか皮肉にも程があるでしょう?」
「筋金入りの引きこもりにはきっついですよ、正直勘弁してくれって感じです」
「でも世界が終わりそうだと巻き込まれるからやる以外ないじゃないですか」
「外れた紀元槍の石突、あれを元に紀元錘を作るとか言いませんよね?」
「殴り合って決めるか、話し合って決めるか、ゲームで決めるかは好きにしてくれとしか」
「きっときっとこれが答と、思ったがどうですかね、デルヒ先生」

192言理の妖精語りて曰く、:2018/09/22(土) 01:58:12
「お前は逃げ出したのよ!ミアスカの128人の誓いを捨てて!」

レナリアはティアテラを咎め立てる、糾弾する。

「ティアテラ、いや、時間の達人テララ!!都合よく使命を忘れ去り
神々を弑逆して人を解放する戦いから逃げたのよ!
お前はキュトスの姉妹を好きにさせている!」

――しかし、あなたに対して責むべきことがある。
あなたは、あの女を、そのなすがままにさせている。
ヨハネの黙示録2章18節
【ティアティラにあてた手紙】

193言理の妖精語りて曰く、:2018/09/22(土) 03:51:14
ティアテラの生涯ただ一度のエリュシオン(浄界)
【時空検閲官の部屋】
歴史の修正力をキャンセルし
竜の眼を欺き猫を箱に入れる奇跡
一度使えばその瞳は視力と魔力を失う上
「術者の心のままに世界を書き換える」通常の浄界と異なり
時空、すなわち【何時】【何処で】使うかはティアテラが決められても
 【誰が】   【何を】    【何故】   【どの様に】
部屋の中にいる 事象と世界 その意志と動機 浄界の効果と内容と手法
彼にはそれを止めることも、操作することもできない。

194言理の妖精語りて曰く、:2018/09/22(土) 08:23:07
クルエクローキの守る銀の扉のパスコードかナンバー
あるいはティアテラの浄界【時空検閲官の部屋】の扉のナンバー
あるいはダイアルロックの開け方は
f(w)=58+72i468-4^7115……

195言理の妖精語りて曰く、:2018/09/24(月) 02:49:04
砂漠鳥たちが、実に不満げに二人を見ています。
世捨て人、隠者と言えば聞こえが良いが
頼むから世の為に働いてくれと。
割と気合いの入った引きこもりたちに光の扉を開けて欲しがっている。
すなわちお坊さんとかニートとか、
世の中と一切かかわりのない暮らしをしている人は
やる気を出せば実はスペックそのものは高いのだからと。

196転生トラックだっ!:2018/09/25(火) 21:11:04
「全然関係ない与太話だけど猫の国には
時間使いは整地用のおっきな車や燃料満載ののりものを
相手にぶつける必殺技があるらしいじゃない?
ティアテラもやってみない!?」
アルマリデルは目をしいたけにして訪ねた。
「ええーっ……四輪車は趣味じゃないんだけどなあ……
出来ないとはいわないけど何をぶつけろっていうのさ。
そもそもだれに?」
「転生トラックだっ!!とかどうよ?」
「思いっきりやってるじゃねーか!」
「輪廻転生で生まれ変わってるから実質セーフ扱いとか?だめ?」
「ええーっ……?」

197ティアテラと電気羊の夢・1:2018/09/25(火) 23:24:23
「ティアテラー、人間と人形や機械の違いって何処にあると思う?」
「難しい質問だが……そうだな……
基本的に機械や人形はプログラム通りにしか動けない。
だが……テセウスのパラドクスと言うものもあって
肉体を全て機械に入れ替え、全身義体、サイボーグにしたり
あるいは呪術魔術魔法を用いて人形に乗り移った場合どうなる?」
「え、えーっと魂のあるほうじゃない?多分」
アルマリデルは小首をかしげた。
「では元の肉体がゾンビやなんらかに生き返った場合は?」
「う、うーん、難しいなあ……元の肉体と新しい肉体
分身の場合どうなるんだろ?
い、一応両方とも本人ってカウントして良いんじゃないかな?」
「結局の所、生身の人間がそういう風になった場合
どちらが本物かを決めるのは俺達次第、あるいはその当人の見方の問題だろう」

198ティアテラと電気羊の夢・1:2018/09/25(火) 23:30:36
ティアテラと電気羊の夢・2

「話がちょっとそれたが……元から無生物の人形や機械と
人間の違いは……感情移入出来るかかどうかが
人間との決定的な違いなのかも知れん」

「例に出すが……アンドロイドは電気羊の夢を見るか、という
猫の国の書物があるが、逃亡アンドロイドハンター、
賞金稼ぎのリックはからくり機械仕掛けの電気羊ではなく
本物の羊を飼いたがっている」

「余だって本物の羊が良い、本物の羊は食べられるから!
電気羊は可愛いだろうけどそれだけだもの」

199ティアテラと電気羊の夢:2018/09/25(火) 23:50:11
ティアテラは一滴の汗を流しながらほほを掻いた。
「いやまあ確かに食べられることは
アルマにとって超大事なんだろうが……
まあ此処での羊はステータスシンボルだ。
この猫の国の物語の色々はしょるが最終的にリックは
自己とアンドロイドの違いに悩み、追い詰められつつも
全てのアンドロイドを始末し、その賞金で羊を買って帰る」
「一応のハッピーエンド?」
「どうだろうな……その羊は結局リックの不倫相手の
レイチェルに殺されてしまうが……レイチェルも実はアンドロイドだ」
「えええ……」
「主人公リックは自殺を思い立つがその砂漠で生きた蛙を発見し
生きる希望を取り戻し自殺を取りやめ再度帰宅する
だがリックの妻イーランはその蛙が偽者だと言う事に気がつく」
「偽者だらけじゃない!!食べられると思ったら食べられなかった!
蛙は鶏みたいな味がするのに……」
「最終的にリックは疲れ果て寝込んでしまい、イーランは夫の為に
蛙の餌を購入する……此処で話が終わる、解釈は様々だ」

200ティアテラと電気羊の夢:2018/09/26(水) 00:11:29
「ううん……結局人間とは何かがよくわからない……」

「あなたがそうだと思うものが人間であり人類です。
ただし、他人の同意を得られるとは限りません……
と、突き放しても構わん所だが……真面目に答えるのであれば」

「真面目に答えるのであれば?」

「作者のコメントはこう語っている、引用しよう」

「――わたしにとってこの作品は、
人間とは何かという疑問に対する初期の結論を述べたものである。
…あなたがどんな姿をしていようと、あなたがどこの星で生まれようと、
そんなことは関係ない。問題はあなたがどれほど親切であるかだ。
この親切という特質が、わたしにとっては、
われわれを岩や木切れや金属から区別しているものであり、
それはわれわれがどんな姿になろうとも、どこへ行こうとも、
どんなものになろうとも、永久に変わらない――フィリップ・ K・ ディック」

201ティアテラと電気羊の夢:2018/09/26(水) 00:30:29
「親切心が人間と非物質を分かつの?」
「……レイチェルの行動は明らかに【嫉妬】或いは【憎悪】だろう
人間とは何か?人間と人工知能の違いは?
……レイチェルは人の心の深い闇を得れたが人にはなれたのだろうか?
解釈は分かれるが……蛙が偽者と知りつつも夫の為に餌を購入した
妻イーランとは対比されているような気がするな」

「……レイチェルの行動は余からみても
ある意味では凄く人らしいというか
【女】では有るわよね、アンドロイドであるけれど」

「生きた羊、ペットとして飼う性能的には電気羊と同じでもなお
本物の羊の夢を見る……【執着】【欲望】するリック……
6人のアンドロイドを仕留めるが……アンドロイド達は無害だった。
それどころか人間に心の慰めを与えていた。
自我の礎を否定されたり、喪失してしまった場合の恐怖を味わいながら
その金で得た羊も結局は失ってしまう……」

202ティアテラと電気羊の夢:2018/09/26(水) 00:38:22
「と、徒労ねえ……リックにとっては明らかにバッドエンド」
「……厳しいコメント、
あえて言葉のナイフを振るわせて貰うのならば
粗雑な布製の人形や木の玩具だって
遊ぶ子供にとってはほんものの友達だ。
社会がアンドロイドの破壊を是として褒賞を払っただけで
本質的にリックのやったことは欲望に振り回されて
無闇に破壊を振りまき、友達を取り上げて金に換えただけに過ぎない
空しい結末に終わるのはある種因果応報ではないのかね?」
「な、なるほどなあ……」
「親切心、慈悲、欲望、執着、憎悪に嫉妬……
それらの多彩な感情を持ち合わせたり、感情移入したり
機械や人形が己の存在に疑問を抱くようになったら……
それはもう人間と変わらんのじゃないか?」

203ティアテラと電気羊の夢:2018/09/26(水) 01:01:59
「色々な感情、感情移入や疑問を持ち合わせるのが人間の鍵?」
「機能は兎も角何で作られてようが
そこまで行けたら人間で良いんじゃねえの?
全身義体のサイボーグでも人間だろうし……
ただ言葉のナイフは容易にブーメランに変化する」
ティアテラは顔をしかめて少しだけ沈鬱そうな顔をした。
「フィリップ・ K・ ディックの人間の定義が【親切さ】
あるいは慈悲だとするとアウトなやつ等が一杯居過ぎて……
この世界には色んな種族が入るけど目の色肌の色種族の違い
宗教の違い利害の衝突でで絶え間なく殺し合いと差別を繰り返している
親切さに結果が伴わないとならないってなるとアルセスだろうと
不可能だ……キュトスへの所業に親切さがあったのかね?」
「ないとおもう」
「きっかけは些細な行き違いだったんだろうが
地獄への道は善意で舗装されているって言葉もあってな……
親切のつもりが多大な迷惑と被害とカタストロフィを生むこともある」
ティアテラは天を仰いで右手で顔を覆った。

204ティアテラと電気羊の夢:2018/09/26(水) 01:09:25
「大丈夫?納豆食べる?」
「……すまん、俺も人のことを言えた義理ではなく
何度も間違いを侵している……親切さを持ち合わせない
人面獣心の奴ばらに嫌になったり利害を巡って無益な争いとか
殺し合いとか疲れ果てて辺境の久遠の砂漠に引きこもってる隠者気取りに
優しさや親切さがあるかといわれるとちょっと疑問に思ってな……
救済とか人助けとか重過ぎるんだよ……」
「は、話を変えよう、難しく考えない方がいいよ。
もし、人形や機械が人間になれたらどうすればいいんだろうね?」
「う、うーん……種族差別とか居場所とかそういう細かい
問題を全部差っ引くなら……人間と同じ扱いでいいんじゃねえの?」

205ティアテラと電気羊の夢・終:2018/09/26(水) 01:22:17
「人と同じ扱い?」
「善人は隣人として付き合えば良い、悪人は懲らしめれば良い。
……子供や皆の無聊を慰め、友達になれる良い人形に魂が宿るなら……
取り上げる必要はないし恐れる必要もない。
人間は飽きて捨ててしまうこともあるが……
出来れば壊れたら治して次の子供に継いでやるか、完全に壊れたら
惜しみつつ焚き上げてやるのが心ある人のやることじゃね?」
「反対に殺人ロボットや呪われて人を祟る呪いの人形なら
やっつけたり懲らしめたり封印したりプログラムを直して
やったら良いんじゃねーの?人の犯罪者と同じように」
「あー、そう出来たらいいかもしれないよね。
仲良くできれば、少なくとも無駄な争いをするよりは……」
「人と人同士で有ろうとも争い合う現状厳しいかもしれないが……
時間が全てを解決してくれるよう祈るのは無責任かね……
世界が滅びる前に冴えたやり方が見つかるか、
全人類が信ずるに足る道理が……
パラダイムシフトが起きてくれりゃいいんだが……」
ティアテラは遠く彼方に槍を仰ぎ
アルマリデルは同じくそちらを向いた。
幾億の時の果てにその答えは見つかるのだろうか。

206言理の妖精語りて曰く、:2018/09/26(水) 03:47:52
8月32日
0% 0% 0%
ニサンから出られない
追憶のHDDバースト
じゅうたんはまるまったままだ。

センジュ……千呪は世界を蝕む致命的バグ
アエルガ=ミクニーによって引き起こされた【バグ現象】

「人類が何時までたっても愚かしさも殺し合いも止められないのは
まさかキュラギが根本的にバグってるんじゃないか?例え神々が居なくとも」

「T・E・R・R・Aによるデータベース検索……
7つの重大な<罪>エラーと
108個の不正なウィルス<煩悩>マルウェアを検出しました」

「パンゲオン・ザ・ダンジョンは本当にクリア出来るんでしょうか?
まさかマルチバッドエンディングの上詰んでると言う事は在りませんよね先生?」
ティアテラの呟きは闇に溶ける。

207言理の妖精語りて曰く、:2018/09/26(水) 04:15:45
ツァラトゥストラは語りて曰く――
神は死んだ。
超人よ、この地上であれと!この地上に忠実であれ! 
地上を超えた希望を説くやつらの言うことなんか、信じるな!
以前は、魂がからだを軽蔑の目で見ていた。
当時は、そんなふうに軽蔑することが最高の態度だった。
――からだなど、痩せて、醜く、飢えたものであればよい。
そう思って、魂は、からだやこの地上から逃れようとした。
ああ、だが魂のほうこそ、痩せて、醜く、飢えていたのだ。
そして残酷であることが、魂の快楽だった。

リヴァイアサン
教会および市民のコモンウェルス (共同体の内容、形態、権力。
市民社会無き人間の状態、それは【自然状態】と
呼ばれるべきかもしれないが
「万人の万人に対する闘争」でしかない。
リヴァイアサン 伝説の魚、或いは竜。
最後の審判には救世主が捕らえて,聖なる人の食物にされるといわれる。

208言理の妖精語りて曰く、:2018/09/26(水) 04:23:29
ティアテラは世界終末時計の針を踏みつけながら
いぶかしんでいる。

「――神の死んだ後、永劫回帰の無意味な人生の中で
自らの確立した意思でもって行動する「超人」は誕生するのだろうか?」
「最後の審判の時に捕らえて裁かれ饗されるべきリヴァイアサンは……
もしかしたら、ドラゴンではなく……
リヴァイアサン(教会権力・国家権力の方かもしれないぞ」
「槍神が死んだ時、大神院アルセス教もまた斃れる」
「しかし……ミアスカの悲願叶い神々が全滅した所で
人類の身体は闘争を求める、人同士で争い会う。
国家、教会、企業の生き残りをかけたハルマゲドンが起こるだけなのでは?」

「槍神が死んで、リヴァイアサンが竜であろうと<国家・教会権力>であろうとも……」
「エリ・エリ・レマ・サバクタニ、救世主は十字架に磔られました」
「恩知らずの人類は救世主を殺してしまうかもしれない」
  サークルクラッシュ
「万人の万人に対する闘争が残るのみなのではないだろうか?」

209言理の妖精語りて曰く、:2018/09/27(木) 21:38:59
「時は流れとも例えられる」
「時は流れるって言うだろう?」
「あまりにもつまらない駄洒落で時が凍る、とも」
「川の渦巻きのように局所的にループしたりもするが……」
「――ただ遡るのはちと難しく危険だ」
「普通は時の濁流に押し流されるばかりだからな」
「うまいことタキオンや先進波を捕まえられる道具があれば」
「川風をうまいこと帆に受けて川を遡る船のようにも出来る……」
ティアテラはチラリと銀の車輪を眺める。
「だがまあ危ない、荒ぶる激流の大河を帆とオールで必死に漕いで
川を遡るように未来に転がり落ちるばかりの時の坂を
必死こいて漕ぐ必要がある、急な坂でこけたり激流で転覆すれば……
まあ必ずしも死ぬとは限らんが命がやべえよな」

210言理の妖精語りて曰く、:2018/10/03(水) 20:01:59
「私、人よりちょっと愛が重いだけなんです!」
――終末少女エアル

「エアルー! え、えあーっ、エアアーッ!! エアーッ!!」
また私は見た。私は、御座と生き物と長老たちとの回りに、
多くの御使いたちの声を聞いた。その数は万の幾万倍
千の幾千倍であった――黙示録 5-11

「ヒエッ!あっという間に百万再生お前等何処から沸いて出た!」
「ブラックホール出来そうな愛がちょっとですむかぁ!」
「おい今ぜってー変な声混じったぞ!クソァ!ツッコミが追いつかねえ!」
「万軍(ツェヴァーオート)……八百万(やおよろず)!!」
「そうか、そういうことだったのか……」
「SSSの鯖が落ちるぞぉぉぉ!」
「お前等の愛で世界がヤバイ!」
――ティアテラのコメント、色々。

211言理の妖精語りて曰く、:2018/10/11(木) 15:48:44
時は金なり、とは言う……
一般的には時間はお金で変えない貴重なもの、というが……
時間を失うとその分だけ金を稼ぐなり楽しむなりの
「機会」「可能性」を喪失するともいえる。

時は買おうと思えばひどく高くつくのだ、ひどく、高くつく。
値段が書いてない「時価」なんてえらく高そうじゃないか?ええ?
無理矢理に買おうとするのなら……
一刻千金ともいう、一刻は約三十分、千八百秒。
日本円で現代の価値、千両は一億三千万円、金インゴット千個分。
しかもこれは【平時】【日常】の平均的時価で
戦闘中や喫緊時なんか累乗の勢いでもっと跳ね上がるんじゃねえの?

時間を空費するなかれ、だ。
世界や人を救おうと思うなら……
一秒だって無駄には出来ないと思うがね……

--ティアテラからの手紙に書かれた箴言

212言理の妖精語りて曰く、:2018/10/12(金) 20:52:06
【ティアテラからの手紙】
ティアテラからの手紙はボトルメール、瓶詰めの手紙らしい。

瓶はできるだけ頑丈に作ったつもりだが。
この手紙は不幸を連鎖させるまじないの掛かった鎖の手紙や
品のないうえ大してうまくない
大量のソーセージの缶詰の手紙にならないよう
銀貨を九枚同封しておく。
何時、何処で誰が読むかわからぬのなら
礼を失してはいけないだろう?

拾ったものがいかなるものであろうとも
態々この長い手紙を読んでくれるのならば
ささやかな幸運があっても良いとは思うがね。
――ティアテラからの手紙・前書き

213言理の妖精語りて曰く、:2018/10/12(金) 20:53:07
【ティアテラからの手紙】
ティアテラからの手紙はボトルメール、瓶詰めの手紙らしい。

瓶はできるだけ頑丈に作ったつもりだが。
この手紙は不幸を連鎖させるまじないの掛かった鎖の手紙や
品のないうえ大してうまくない
大量のソーセージの缶詰の手紙にならないよう
銀貨を九枚同封しておく。
何時、何処で誰が読むかわからぬのなら
礼を失してはいけないだろう?

拾ったものがいかなるものであろうとも
態々この長い手紙を読んでくれるのならば
ささやかな幸運があっても良いとは思うがね。
――ティアテラからの手紙・前書き

214Stargazer:2018/10/19(金) 04:09:10
いつか、どこかで。
故障した銀輪の椅子を見つめてティアテラはため息を吐く。
「クロノメーターもイカレたか?歴史がわかるものはないのか?
今は新史暦何年だ……?散らばった大地の時代か……?
平たい大地の時代か……丸い大地の時代か……?」
天体の位置から何か判らないかと思ってティアテラは空を見上げた。
空の天気は血の雨だった。大地は悲鳴を上げている。
「うおわー!?」
大きな骨が飛んできたゆえにティアテラは死ぬほど驚いた。
何かを反射的に自らの持つ「箸」で受け止めた。
もしかするとアルセスの結婚の破綻
「やらかした」まさにその時の直後だったのかもしれない

215Stargazer:2018/10/19(金) 04:15:35
或いは、少年の槍で突き刺されて地面に斃れた少女。
それを通りすがりの時の旅人だけが見ていた。
その少年の顔は見えない、笑っていたのか、泣いていたのか。
怒っていたのか、少年はそれを見たものを生かしておかない気がした。
時の旅人はうち捨てられた少女の遺骸が誰かも知らず、不憫に思い
荼毘に付そうとしたのかもしれない。

時の長針と短針という「箸」に掴まれた喉仏の骨。
猫と竜から創られた、来世の言葉を刻む二つの柱。
曰く、猫の国では転生を祈って拾骨、骨上げ (こつあげ)をするという。
ゆらぎの神話これまでのあらすじに曰く
デルゴを引き継ぎ CUTOS-ssは テララが 完成させた。
『s』複数形 或いは シスターズ (sisters)

216言理の妖精語りて曰く、:2018/10/23(火) 23:26:43
理論上完全な球体は平面に接触せず浮くそうだ。
真球はいまだ人類の技術で
製作できない、到達していないそうだよ。
せいぜい限界まで真球に近づけたとして10万分の8ミリの誤差。
真球、ドルネスタンルフ球体――いまだイデアとしてしか
あのまあるい神として神話の中にしか存在しない。
時に関係ないって?
いやいや、そんなことはない、惑星の運行や天体の運行を知らずして
いかにして暦を作るつもり何だい?
形而上学や天文学、そして数学も時の秘密に迫る為に
やって損はないとは思うがね……

――ティアテラからの手紙

217Stargazer:2018/10/26(金) 05:29:41
ティアテラが旅先で出会い、古い地母神の喉仏の骨が変じた物を
そうと気づかず少女に語りかける。
「此処であったのも何かの縁」
「見捨てるのも寝覚めが悪い」
「名前が無いのはいかにも都合が悪い」
「本当の父母を差し置き、行き摺りの旅人が
名づけ親というのもあれだが……」
ティアテラは頭を振りつつ天を仰ぎ、夜空の星を眺めた。
「星か……そうだな、お前はこれからステラを名乗るがいい」
「名前に縁(へり)が付かなければいいんだが……」
「その瞬間に七十の妹に関わる苦難の道を歩む事となるだろう」
「戻らねばならぬゆえ時間はあまりないが……」
「一人でも生きてゆけるよう、可能な限りまじないと槍術を教えよう」
「大したことはしてやれなくて悪いがな」

218ヒトカタ:2018/11/25(日) 21:50:52
人形は罪や穢れ、禍を擦り付ける身代わり人形。
神を下ろす為の依代であり天形(あまがつ)にもなれる。
だが、御子 巫女息吹吹き込む繰り手と、人形を包む箱か衣か……
それらが揃ってこその天形……
飽きられた人形はゴミ捨て場に……
人にもなれず、愛も親切さも知らず傀儡繰りの御子にも
捨てられた呪いの人形。
あるいは暴走したアンドロイドの末路など相場が決まっている。
呪いを振りまき衆人の敵意を買ってお炊き上げられるか……
流刑に処されるのが落ちだ。
時の大河に流される「流し雛」にな……

219ヒトカタ:2018/11/25(日) 22:29:26
妖精の誰かがティアテラに囁く。
『時は残酷だというけれど相当ね。
アワレな人形を絶望させるのが趣味?
ねえ、絶対時間神パルムティティ?」
「……時を残酷な敵にするか優しい味方にするかは人間次第。
俺はそんな名前ではない。ただちょっと人より時間の使い方が
上手いだけの男だ」
「ええ、今はね――本当に人形に希望は無いの?人にはなれないの?」
「――もしも――もとは呪いの人形だったとしても――
天児として自らの意思で、人形自らが他者の厄災を引き受け……
言うならば人間性、親切、慈悲、優しさ……利他心を示し……
もし【功徳】をつめるのならば……
――猫の国の覚者語りて曰く、一切衆生悉有仏性。
例え化生、呪いの人形だったとしてもその功徳で
人に転生できるやもしれん」

220言理の妖精語りて曰く、:2018/12/10(月) 01:27:34
――月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。
松尾芭蕉:奥の細道

訳:月日というのは、永遠に旅を続ける旅人のようなものであり、
来ては去り、去っては来る年もまた同じように旅人である。

221言理の妖精語りて曰く、:2018/12/12(水) 19:57:46
「シシシッ……我が友よ……百代の過客よ。
アの話を、未知なる末妹候補についてちょっと語ってくれないかい?」
「彼女等について始まりも、中ごろも、終わりも……
本来俺が語るべきではない、が、当たり障りの無いことでよければ……
四季、時間に対応する事だけならば。
冬の魔女がコルセスカ、春の魔女がトリシューラならば……
ヴァージリア、ハルベルトは……秋。
灯火親しむべし……読書の秋と言うだろう?」
「シシシ……なるほど、残りの一人は?」
「喧騒の夏、夏は皆で海水浴……
夏祭り花火も一人では出来ないし、寂しいものだろう?」

222当身:2018/12/24(月) 19:34:16
「ティアテラー、そういえば偶に見る首筋にトンって手刀を当てて
気絶させてるのって一体なんなん?」
「あー、あれは古武術で言う所の『当身』だな……
ありゃ軽いショックで頚動脈を圧迫させ
脳へ向かう血液を一時的に食い止めて失神させる技なんだよ。
まじない使いだったら催眠・昏倒術式をぶち込んでるんだな。
非殺傷で行動不能にさせるから大変便利なんだが
魔術でやろうと打撃でやろうと熟練者じゃないと結構危険だから
慣れない奴にはお勧めできねーな」

223言理の妖精語りて曰く、:2018/12/27(木) 18:35:19
百代の過客、はじまりの魔法使いの一員、灰の色彩(ティティ)
時間貯蓄銀行頭取にして死神の伝説にも等しい灰色の男。
ある時は時の翁 マイスター・ゼクンドゥス。
またの名を旅路に疲れたもの(ガングレリ)
或いはゼオートで一番時間の使い方が巧かった男。
幾多に準えられても揺らぐ神話の中でその実像ははっきりしない。

歳月人を待たず。
諍い果てての乳切り木、ああ遅かりし由良之助。

The passage of time is cruel
時の流れは残酷だ。
Time won't make things better
時間が物事を解決する訳が無い。

224言理の妖精語りて曰く、:2018/12/27(木) 18:54:10
始まりは、何だったのだろう?
運命の歯車は、何時廻りだしたのか?
時の流れの遥かな底から その答えを拾い上げるのは、
今となっては不可能に近い……

時空の湾曲に跨るその旅が始まったのか何時なのか……
無限サイクリング――
終わる日が、来るのだろうか。

225言理の妖精語りて曰く、:2019/02/01(金) 13:25:52
顔のない、或いは陰になって見えない少女が
ツンツン頭の男に話しかけた。
「……猫の国のサンスクリット語に、神の戯れ、神々のゲーム
というような意味を表す「リーラ」という言葉があるわね。
世界は神々(プレイヤー)によって創造(クリエイト)された
完全なるイデアの模倣。そう考えていたのね。
ゆらぎの神話もまた世界がゲームと考える世界観はある。
その名は「パンゲオン・ザ・ダンジョン」終わらない遊戯……
貴方はこのゲームに何か答えでも持っているのかしら?」
「善良さを貫くのか、残虐なPKに励むのか……
どうゲームを楽しもうと構わないさ……
その結果(スコア)はそのプレイヤー自身の選択の結果だ……ただ……」
ツンツン頭の男は眉間の皺を押さえて答える。
「創造に神々のしくじりが付き物のように
ゲームにはバグが付きものだ……
アカウントハックすれすれの命名バグ――内部エラー13。
人の名前とアカウントを奪うのだけはやめておけ!悪いことは言わん!
人の名前、その存在証明を奪ってはいかんのだ!!
男なら【アルセス】と女なら【キュトス】に書き換わっても……
この俺ティアテラは責任は持たんぞ!!」

226言理の妖精語りて曰く、:2019/06/05(水) 01:06:08
愛と行動と知恵の刃の付いた破壊神の三叉槍トリシューラ
穂の左右にフック状の刃が付いたコルセスカ。
槍の穂先に斧頭、その反対側に突起(ピック)が取り付けられているハルベルト。
どれもコレも三つの穂を持つ三叉槍って点では変わらないさ。
似たもの同じものといえるかもしれないね。
――三つを混ぜてトライデント(三叉槍)を作ろう……
遠い過去、近い未来にはそんな奴も居るかもしれないね。
何の話かって?判らないなら判らないままでいいさ。
重要な事じゃないかもしれないしね。

――蝋で封じられた、ティアテラからの手紙。

227言理の妖精語りて曰く、:2019/08/14(水) 23:15:40
レナリアは クモの巣状の目の粗い網が組み込まれ、
羽やビーズなど独特の神聖な小道具で飾られたドリームキャッチャーを見て毒づく。

「蜘蛛の巣が好きな蝶がいるわけがないでしょうに」

このお守りは悪夢は網目に引っかかったまま夜明けと共に消え去り、
良い夢だけが網目から羽を伝わって降りてきて眠っている人のもとに入るとされている。

228言理の妖精語りて曰く、:2019/08/28(水) 21:07:33
私利私欲のままに時間を改変するのはタイムトラベラーとしてド三流だ。
クロエクローキの目溢しを受け、猟犬に追われない
時間旅行の『コツ』はな――殺さず、奪わず、勝ち取らず。
旅行者の心得、立つ鳥跡を濁さず、引き際は美しくあるべきと言う言葉を知らないのかよ。
或いはゲーム理論、囚人のジレンマを知らないのか……
欲望に塗れた行いは結局巡り巡って自分の不利益になるんだよ。
可能性が気に喰わないからって潰してしまえば
未来で助けてくれる人が居なくなったり、生まれるはずの遊戯が生まれなかったり
作られるはずの料理が完成せず、結局は惨めな思いをすることになるのさ……
ま……洒落で住む事しかしない、何もせず
世界に影響を与えないのは時間旅行者として二流のやることで俺もそんなもんだが。
一流は破滅を回避し世界の可能性を広げて時間を作り世界の寿命を延ばす。
俺もド三流じゃないが一流とはとてもとても言えないね……

――瓶が開けられた形跡のない、瓶詰めのィアテラからの手紙――

229言理の妖精語りて曰く、:2019/09/30(月) 04:00:21
【ティアテラと目覚まし時計】

「服従されると困るものは存在する。目覚まし時計なんかもあれだな
自分の意思で止まってくれると嬉しいか?」

「無理に起こされるのはちょっと。」
「好きな人のデートの当日だとしても?
……この例えはアルマには適当ではないな。
そうだな、明日の朝食を食べ損ねるとしても?」

「あ、それはちょっと困る」

ティアテラは肩をすくめて両掌を上向ける。

「だろう?全てを意志に従わせるというのが
必ずしも良い結果を生むとは限らないのさ」

230言理の妖精語りて曰く、:2019/10/31(木) 20:03:36
時の全てを支配しようという愚かしい企てはお勧めしない。
労働など頚木に繋がれ自由に使える時間がまるで無く、時間と自由に飢え渇くのも問題だが
逆に過ぎたるは猶及ばざるが如し。
喰いきれない食べ物、トントロポロロンズに潰されるのは恐ろしいことだ。
時の大河を飲み干そうとすれば過去と未来の濁流に溺れながら粉砕される。
切り倒した時間樹に潰されるのもまた考えが足りない。

それでも、ひとは往々にして時の川に渇くよりも
多過ぎる時間の使い切れない使い道に悩むことを選ぶ。

だが目的も意味も価値も見出せず、大体が永遠の退屈に倦む。
呑みきれない時の川、使いきれない時間樹、走りきれない永劫線。
多過ぎる時間を手に入れることは滅多に無いことであるが
ゆめゆめ、この忠告忘れないほうが良い。

――ティアテラからの手紙。


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