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【場】『 大通り ―星見街道― 』

1『星見町案内板』:2016/01/25(月) 00:00:31
星見駅を南北に貫く大街道。
北部街道沿いにはデパートやショッピングセンターが立ち並び、
横道に伸びる『商店街』には昔ながらの温かみを感じられる。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
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      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
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             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
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                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
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★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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367冷泉咲『ザ・ケミカル・ブラザーズ』:2017/12/27(水) 23:46:27
「え? うん、分かった。後でそっち行くね」

「何食べたいって? うーん……あ」

「夜は焼肉っかなぁー」

ある日の大通り。
一人の少年が歩いている。手には通話中のスマホ。
上着のポケットから何か落ちた。
手袋だ。
右手の手袋がポロリと落ちた。

368夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/31(日) 20:37:23
>>367

ブルーのサングラスをかけた少女が歩いている。
格好はパンキッシュなアレンジを加えたアリス風ファッションといったところ。

「お」

歩いている少年を見かけた。
夏に海で会ったことを覚えている。

「ん?」

電話の内容が耳に入った。
そして、手袋が落ちるのが見えた。

「よし」

横から近寄っていく。
何事かを企むような薄笑いの表情で。

「や、レイゼイくん」

「久しぶりだね。ところで今、誰と喋ってたの?」

「さあ、教えてもらおうか!こいつは人質だ!」

言いながら、少年の前に手袋を出してみせる。
もちろん本気ではない。

369冷泉咲『ザ・ケミカル・ブラザーズ』:2017/12/31(日) 22:05:45
>>368

「あれ、明日見」

「わわわ。手袋なんで?」

「あー違うの。違う違う」

スマホの会話に集中していたため突然の登場に驚いてしまった。
それから手袋に気付いて二度目の驚き。

「お姉さん。前に話したっけ」

「お世話になってる人」

スマホを耳から離して、囁くように言う。
スマホの画面には通話中であることを示す画面が浮かぶ。

370夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/31(日) 22:39:59
>>369

「聞いた聞いた。マッドサイエンティストのお姉さんでしょ」

「あ、これ返すよ。そこに落ちてた」

手袋はあっさりと返した。
それはいいとして、このお姉さんとやらには興味がある。
前に聞いた限りでは、色々と実験とかしてるらしい。

「私もちょっと挨拶したいな、そのお姉さんに」

「いい?」

そう言って片手を差し出す。
直接話をすることができれば、謎の片鱗が見えるかもしれない。

371冷泉咲『ザ・ケミカル・ブラザーズ』:2017/12/31(日) 23:21:22
>>370

「マッド? いや、そこまで危なくはないと思うけど……?」

「あぁありがと」

手袋を受け取り上着のポケットに押し込んだ。
先程同じようにして落としたのは忘れているのか、覚えているがそうしているのか。

「挨拶? 僕はいいけど」

「もしもし? うん、ごめんね。えっと、明日美が話がしたいって」

「え? いや、違うよ。トモダチ? うん、そんな感じ」

「……はい」

スマホを差し出した。

372夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/01/01(月) 00:07:37
>>371

「センキュー!」

お礼を言ってスマホを受け取る。
さて、どう切り出そうかな。
相手はかなり変わった人みたいだし。
でも、今は情報が少ないからなぁ。

――ま、普通にすればいいか。

「もしもし?はじめまして」

「私、レイゼイくんの友達で、夢見ヶ崎明日美っていいます」

「前にレイゼイくんからお姉さんの話を聞いてたので、ご挨拶させてもらいましたぁ」

こんな感じでいいかな?

373冷泉咲『ザ・ケミカル・ブラザーズ』:2018/01/01(月) 00:48:22
>>372

『ああ! どうもどうもー』

『自分はツクモってゆーのねー?』

聞こえてきたのはまったりとしていて微妙に元気な声だ。
騒ぎはしないものの声のトーンは明るい。

『咲ちゃんの友達? ホントホント?』

『あーでも明日美ちゃんって聞いたことあるかもー?』

『海で遊んでくれた子?』

374夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/01/01(月) 01:10:16
>>373

「そーです、そーです」

「一緒にビーチバレーやってましたぁ」

もっとトッピな人かと思った。
でも、意外と普通の対応で、少し驚いた。

「あの時は楽しかったなぁ」

「レイゼイくん、私のことなんて言ってました?」

喋りながら、ちらっと横目で少年の顔を窺う。
特に深い意味はないが。

375冷泉咲『ザ・ケミカル・ブラザーズ』:2018/01/01(月) 01:35:25
>>374

『ふーん。そうなんだー』

おかしな反応はない。
さすがにおかしな人がすぎると冷泉咲も懐かないという事なのだろうか。

『咲ちゃんはねぇ、初対面なのに話しやすい人だったって言ってたよー』

『だーけーどー自分ちょっとジェラシー。ジェラっちゃったんだよねぇ』

咲が君を見ている。
特に何か意味のある視線でもないが。
目が合っている。

『自分は咲ちゃんの変化を求めたー』

『だけど考えたの。あの子がどう変化するは興味深い』

『でもでも変わっちゃった彼の中にある魂はどうなんだろう』

『実験で得られる成果が常にプラスではないのと同じように人間関係もプラスだけを生まない』

『もちろん、マイナスが悪いという訳でもないけど』

『はっきりと言って自分は嫉妬を感じるよ。自分は彼の変化に立ち会えない』

『同時に彼が自分以外の色を飲み込んでいく様は喜びと悲しみを教えてくれるおかしな教師なーんーだー』

少し、興奮しているようだ。

「?」

『変化や成長は破壊と創造に等しく、自分との会話によって君や咲ちゃんも破壊と創造を繰り返してる……』

『……あーちょっと待って興奮し過ぎちゃった』

『えっと、とにかくとにかく咲ちゃんは明日美ちゃんを気に入ってるってわけ!』

376夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/01/01(月) 01:58:23
>>375

「?????」

頭上に大量の疑問符が浮かぶ。
自分が馬鹿だとは思わない。
だけど、言われて即座に理解するにはツクモの言葉は難解すぎた。

しかし、彼女が複雑な感情を抱いていることは分かった。
そして、彼女が自分の期待していた通りの人間であることも。

「あー、そーなんですかぁ」

「良かったなぁ良かった、うんうん」

謎に包まれたツクモの一端を知ることができた。
もっと深く突っ込んでもいいけど、さらに嫉妬が強くなって嫌われると話しにくくなる。
話題を変えよう。

「そういえば、ツクモさんは実験するのがお好きなんですよねぇ?」

「最近はどんなことをしてるんですかぁ?」

377冷泉咲『ザ・ケミカル・ブラザーズ』:2018/01/01(月) 02:21:06
>>376

矢継ぎ早に出る言葉は相手が理解できるかというコミュニケーションとしての性質を少々欠いているのだろう。

『ごめんねーほんとー』

『どうにも気まぐれな割にはガーッと言っちゃうんだよねぇ』

『実験? 最近は過冷却水とかブタンガスとか?』

378夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/01/01(月) 18:36:15
>>377

「あははは、いいですって。私も時々そんなことあるしぃ」

「カレイキャクスイ……豚、ガス……?」

何か分からないが、科学とかそういう専門的な言葉らしい。
聞いたら説明してくれるだろうか。
いや、説明されても余計分からなくなるだけかもしれない。
聞くのはやめよう。

「へぇぇぇ〜、興味あるなぁ」

「いつか私も見せてもらいたいな、なぁんて」

意味は分からなくとも、実験という響きには興味をそそられる。
未知の世界の匂いを感じる言葉だ。
それに、ツクモに対しても興味はある。

379冷泉咲『ザ・ケミカル・ブラザーズ』:2018/01/01(月) 20:08:54
>>378

『そー。過冷却水にブタンガスねぇ』


相手が理解しているのかいないのかあまり気にしている雰囲気でもない。
ただどういうものかの質問がなされなかったので特にそれ以上説明することもなかった。

『別にうち来てくれたらやるやるー』

『咲ちゃんの連絡先とか聞いといたらー?』

『でも今日はダメだよーまたジェラっちゃっうかーらー』

けらけら笑ってツクモは答えた。
実験を見に行く分には大丈夫なようだ。
タイミングというのはあるが。
話はひと段落といったところだ。
咲に電話を戻してもいいしもう少し話しても大丈夫だろう。

380夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/01/01(月) 20:37:12
>>379

「オコトバに甘えて、そのウチ行かせてもらいますねー。そのウチ」

言葉で説明されるより、自分の目で実際に見る方がいい。
頭でアレコレ考えるのではなく、五感を通して体験し、感じること。
それが自分の望みだ。

「んじゃ、この辺でレイゼイくんに代わりますね。ありがとうございましたぁ」

ツクモに挨拶し、咲にスマホを渡す。
こうして話ができたし、次は実際に会うこともできるかもしれない。
収穫としては十分だ。
上出来、上出来。

「――面白い人だね、お姉さん」

電話口にいるツクモに聞こえないような小さな声で、咲に感想を漏らす。
一言で表現するとしたら、そういった印象を受けた。

381冷泉咲『ザ・ケミカル・ブラザーズ』:2018/01/01(月) 20:43:28
>>380

『はーい。ばいばーい』

頭で理解して見るか、目で見て理解するか。
進み方は人それぞれだ。

「ね? 言ったでしょ? もう、そういうんじゃないって」

「じゃあね」

スマホを受け取り咲が通話を終了した。

「でしょ? 楽しい人」

382夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/01/01(月) 21:17:15
>>381

「うんうん。少なく見積もっても、私と同じくらい面白いね」

咲の言葉に何度か頷いて納得の意思を示す。
それに、咲には強く執着している様子だった。
今は咲が説明してくれたから、友達以外の関係かどうかという疑いは晴れたらしい。

けど、もし彼女に会う機会があったなら、目の前ではあまり咲に近付きすぎない方が良さそうだ。
面と向かってジェラシー入っちゃうと、さっきよりもヤバくなりそう。
こえー、こえー。

「あっ、そうだ。連絡先教えてくれない?」

「また今度、私も実験とか見てみたいから」

「ついでに私のも教えとく。なんか変わったこととか珍しいこととかあったら教えて」

ツクモに言われた通り、連絡先を交換しよう。
それが終わったら、自分の当初の目的地へ向かうことにする。
ネイルの新しいのが欲しいんだよね。

383冷泉咲『ザ・ケミカル・ブラザーズ』:2018/01/01(月) 22:47:37
>>382

「そうだね!」

自分と同じくらい面白いという言葉に頷いて同意した。

「連絡先? いいよ。えっとね、これ」

スマホを君の方に向けた。
連絡先の交換を拒むことは無かった。
これで元の目的地に行けるだろう。

「じゃ、また今度とか」

384夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/01/01(月) 23:18:15
>>383

「あっはっはっ、照れるなぁ〜〜〜!」

同意されてしまった。
これをどう受け取るかは人によると思う。
とりあえず私は喜んだ。
面白いというのは、私にとっては褒め言葉だから。

「ありがとありがと。これでまた一つ入り口ができた」

入り口――それは未知の世界への扉だ。
人の数だけそれがある。
そして、それは多ければ多いほど良いのだ。

「うんうん、また今度ね」

「今日は焼肉だっけ?ウチは何かなぁ?」

「ま、いいや!これからネイルチップ買いに行くんだ。新しいの作りたいからさ!」

「――じゃ、レイゼイくん、またね!」

一通りの挨拶と軽い身の上話を終えてから、手を振って立ち去っていく。
その姿は徐々に遠ざかり、やがて見えなくなった。


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