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【場】『 大通り ―星見街道― 』
1
:
『星見町案内板』
:2016/01/25(月) 00:00:31
星見駅を南北に貫く大街道。
北部街道沿いにはデパートやショッピングセンターが立ち並び、
横道に伸びる『商店街』には昔ながらの温かみを感じられる。
---------------------------------------------------------------------------
ミ三ミz、
┌──┐ ミ三ミz、 【鵺鳴川】
│ │ ┌─┐ ミ三ミz、 ││
│ │ ┌──┘┌┘ ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
└┐┌┘┌─┘ ┌┘ 《 ││
┌───┘└┐│ ┌┘ 》 ☆ ││
└──┐ └┘ ┌─┘┌┐ 十 《 ││
│ ┌┘┌─┘│ 》 ┌┘│
┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘ 【H城】 .///《//// │┌┘
└─┐ │┌┘│ △ 【商店街】 |│
━━━━┓└┐ └┘┌┘ ////《///.┏━━┿┿━━┓
┗┓└┐┌──┘ ┏━━━━━━━【星見駅】┛ ││ ┗
┗━┿┿━━━━━┛ .: : : :.》.: : :. ┌┘│
[_ _] 【歓楽街】 │┌┘
───────┘└─────┐ .: : : :.》.: :.: ││
└───┐◇ .《. ││
【遠州灘】 └───┐ .》 ││ ┌
└────┐││┌──┘
└┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
---------------------------------------------------------------------------
289
:
夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』
:2017/06/21(水) 22:49:55
テク テク テク ……
日差しも穏やかになった夕刻の通りを一人歩く少女がいた。
清月学園の制服を着て、胸元にはサングラスが引っ掛けてある。
ストラップで首から提げたカメラが、歩く度に軽く揺れている。
キョロ キョロ
……しきりに周囲を見回している。
『初めて来日した外国人観光客』ばりだ。
そして、ある一点で視線が止まった。
「あっ――」
タタタ……
早足で歩いていき、『それ』の前でピタリと立ち止まる。
目を見開いて、しばし『それ』を見つめる。
『それ』の存在は知っていたし、使ったこともあったが、『見た』ことはなかった。
「『自動販売機』――初めて見た……」
パシャッ
カメラを構え、正面から『自販機』を撮影する。
パシャッ
横に回り込んで、更にもう一枚。
続いて後ろに回り込もうとしたが、あいにく幅が狭い。
しかし、それでも後ろ側が見たいので、なんとか身体を捻じ込もうと四苦八苦している。
客観的に見るとかなり怪しいが――今のところ人に見られていないのは幸いだった。
290
:
太田垣良『ザ・サードマン』
:2017/06/23(金) 22:28:18
>>289
「自動販売機に――ッ!!」
「ああ…あんなスキ間に!ほんの4センチ×20センチ(適当)の細いスキ間に自分の肉体を………」
残念ながらばっちり見ている奴がいた。
「あんな隙だらけで」
「…………せっかくだし後ろからビックリさせちゃうッスよ」
「ついでにパンツ見てやるッス 無防備なのがいけネーと思うッスよ」
自販機にサンタナ(動詞)かまそうとしてる女子生徒に、後ろから接近する。
靴を脱ぎ、靴下で歩き足音は殺す。ヒタヒタ。
よほど『耳のいい』やつじゃない限り気づかれんだろう。
接近して、
「わァっ!!!」
ってする。したい。できるか?
291
:
夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』
:2017/06/23(金) 23:19:45
>>290
「き……キツイッ……」
「だ、だけど――もう……ちょい……!」
依然として、半ば無謀な試みを続けている女子生徒。
第三者から見ると、その姿は全くの無防備状態。
背後から忍び寄る足音に気付いた様子もない――ように思われた。
――しかし
ピク……
普通なら到底聞き取れないような、本当に僅かな物音。
しかし、生まれてからもっぱら聴覚に頼る生活をしてきた身。
そうした経験が、ほんの僅かな物音さえも、敏感に聞き取ることを可能にした。
――そして
(……はっはーん)
ニヤリと笑い、背後から近付く何者かに対し、『あえて気付かないフリ』をする。
そして、ギリギリまで引き付けてから、不意に振り返ってデカい声を出してみる。
具体的に言うと、「わァっ!!!」って感じで。
ついでに、見事に成功したあかつきには、その驚いた顔を激写してやる。
どっちが驚いてどっちが驚かされるか。
気分は荒野の決闘場に立つガンマンだ。
――果たして、結果は?
292
:
太田垣良『ザ・サードマン』
:2017/06/24(土) 00:10:02
>>291
「(へっへっへっ…悟られてないッスね……)」
「(そろりそろり……そろそろ……もうそろそろ…いい距離ッス)」
このイタズラ少年は気付かない。『気付かれた』事に『気付かない』。
「わ
>「わあっ!!!」
ああああああああああああああ!
ああああああ石踏んだァっ痛あああああう!?」
レンズ
振り返った夢見ヶ崎の銃口の先には、
眉を顰め、目を瞑り、歯が見えるまで口を大きく開け、声を上げる人間がいた。
その声は変声期を過ぎた、おそらくは夢見ヶ崎と同じくらいの年頃の、男性のものである。
ちなみに二つの違う『色』で染色されたシャツを着ている。
(本来は『縞模様のシャツを着た、苦悶の表情で声を上げる少年』、と表現される。
君は『縞模様』を知っているだろうか?苦悶の表情を目にした事は?
放課後に帰路を行く少年たちは、既に見ているだろうか?)
…とりあえず、決闘は君の勝ちだ。写真でも何でも撮ってしまえ。
293
:
夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』
:2017/06/24(土) 00:46:18
>>292
バシャ バシャ バシャ バシャ
とりあえず撮った。
勝てたみたいなので、なんとなく満足した。
ありがとう、と天に感謝したくなった。
じいっ……
カメラを下ろし、決闘場(自販機前)で悶える少年を見つめる。
彼が自分と同じ年頃の男性、つまり少年であることは分かった。
だが、『縞模様』は見たことがなかった。
『苦悶の表情』も同じく目にした経験はない。
「――へぇー……ほぉー……あぁー……」
なので――じっと見つめた。
まるで社会見学に来た幼稚園児のように、興味津々といった表情で。
本人に悪気はない。
だからこそタチが悪いと言えなくもない――かもしれない。
ピッ ガシャンッ
二人の後ろで、一人のサラリーマンが自販機でジュースを買ったようだ。
怪訝な表情で立ち去っていく。
なんとも言えない空気が漂っている、気がした。
「あ」
「えっと――」
「ダイジョーブ?」
しばらくして、思い出したかのように少年に声を掛けた。
遠くの方でカラスが鳴いている。
294
:
太田垣良『ザ・サードマン』
:2017/06/24(土) 01:19:33
>>293
カァー カァーッ
「ふーッ ふーーッ だ、大丈夫ッス………」
とりあえず靴を履く。
なんかこうして心配されたことにより改めて完全敗北した気がする。
敗北も何も、悪戯を仕掛けたのも靴を脱いだのも自分なので、完璧に自業自得なのだが。
「…………」 「……見世物じゃないッスよ」
写真を撮られまくって物珍し気に観察されて、
「なんか俺に……虫でもついてるんスか?ん…?」
体を見る。何もついていない。
295
:
夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』
:2017/06/24(土) 01:51:04
>>294
「ゴメン」
さすがに気まずくなって小さく頭を下げる。
『視線』というものの感覚に、まだ慣れてないことを実感した。
凝視したのが世間的に『ヤバイ相手』じゃなくてラッキーだったかもしれない。
「なんていうか、その――」
「『見たことがなかった』から、つい、ね……」
自販機に歩み寄ってお金を入れて、ボタンを押す。
出てきたのは緑茶だ。
350ml入りの一回り小さいペットボトル。
それをイタズラ少年、もとい太田垣少年に投げる。
「一杯おごるよ」
「お礼っていうかなんていうか……まあ、とにかくとっとけとっとけっ」
自分も同じものを購入し、太田垣少年の所に戻る。
そして、自販機横の植え込みの縁の所に座った。
グビグビグビグビ
「くっはーッ!」
喉を鳴らしながら、豪快に一気飲みする。
中身は粉微塵になって消えた。
――ように見えて、実際は普通に全部飲んだだけである。
296
:
太田垣良『ザ・サードマン』
:2017/06/24(土) 02:21:21
>>295
「あ〜〜〜〜?」「見たことが無い」
「………フムン、何やら事情があるんスねェ」
あんま聞かん方がいいのかな。面倒な来歴を持ってそうだ。
そして施しも受けておく。真夏日で喉も渇いていた所。
「サンキューサンキュー、頂くッス」
ドボドボボドボドボ プヘー
「……ウーン」
「空がオレンジ色になってきた」
「湿気が強いと夕焼けがめっちゃ赤くなるんスよねェ」
なんか話すことも浮かばないので天気の話題でも振っておく。
297
:
夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』
:2017/06/24(土) 02:47:00
>>296
「へー、そうなんだ」
無難な感じで相槌を打つ。
こっちも話題があるわけじゃなかったので助かった。
ふと無言になり、じっと夕日を見つめる。
「……夕日ってキレイだよね」
「湿気が強い時は、もっと赤くなるんだっけ?」
「今よりキレイになるんなら、それも見てみたいなぁ……」
初めて自分の目で夕日を見た時は衝撃的だった。
あまりの美しさに圧倒されてしまい、そのまま二時間くらい見続けていた。
今でも、つい見入ってしまうことがある。
「っていうかさ――」
「君、高校生だよね。学校どこ?何年生?」
「ちなみに私は清月の高一だけど」
唐突に話題を変えてきた。
周りからは、結構マイペースな性格だと言われている。
自分ではあまり分かっていないが。
298
:
太田垣良『ザ・サードマン』
:2017/06/24(土) 18:17:17
>>297
「…マイペースだなアンタ」
「………宇宙ステーションにでも住んでたんッスか」
自販機へ謎の行動かましたり、
たびたびの『見た事が無い口ぶり』。良いとこの生まれか?はたまた監禁でもされてたのか?
まあいきなりの話題転換は助かる。話すことが天気ぐらいしか無くて困ってたからね…。
「えーー…と…何だっけ……清月の1年………俺と同じじゃん!」
「スマンねェ〜〜他クラスの女子の顔とか正直覚えてなかッたス……」
「俺部活にも入ってねーから他人との交流薄いッスし」
「あんたは部活動やってンの?」
「『写真部』とか?…もしや『自販機部』?」
カメラを覗き込みながら聞いてみる。これが趣味なのか?
299
:
夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』
:2017/06/24(土) 22:56:18
>>298
「いやぁ、見たことないのはトーゼンだと思うよ。私、少し前まで他の学校に通ってたし」
「あれよあれ、いわゆる転校生ってヤツ」
「――だから、これからよろしくッ」
かつて自分が通っていたのは特別支援学校。
視覚障害者のために設けられている学校。
清月の生徒になったのは、目が見えるようになった後だった。
「『自販機部』ゥゥゥ〜?誰が入んのよそれッ?そんなのあったら見てみたいよ!」
「部活は……そういえば私も入ってないなぁ……。転入してまだ日が浅いしさぁ」
「でも、『写真部』ってのは悪くないかも。なんかアーティスティックな感じがしてカッコイイし」
そこで、カメラを見る視線に気付く。
「あ、このカメラはお父さんの。借りてきちゃった」
「ファインダー越しに見ると、世界がまた違って見えるってウチのお父さんが言ってたから」
「ホントかどうか試してみようと思って、こっそり借りてきたの」
言うなれば、世界の見方のバリエーション。
その一つを試してみた、といったところだ。
「ん?んー……?」
不意に、手に持っている空のペットボトルを見つめて、なにやら考え込み始めた。
ラベルの一部分を凝視しているようだ。
「あのさ――これ、なんて読むんだっけ?」
ズイッ
言いながら、またもいきなりペットボトルを突き出してきた。
ラベルには『京都産茶葉使用』と書かれている。
「ここ、ここなんだけど。ちょっとド忘れしちゃって。見覚えはあるんだけどなァ〜」
ある一部分を指差しながら、尋ねてくる。
そこには『京都』と書いてある。
まともな日本人なら『きょうと』と読むだろう。
しかし、日本語を勉強中の外国人ならまだしも、この少女は誰が見ても日本人。
いくらド忘れしたとしても、『京都』という漢字の読み方を忘れることがあるだろうか……?
300
:
太田垣良『ザ・サードマン』
:2017/06/25(日) 00:26:24
>>299
キョウトサンチャバシヨウ
「『京都産茶葉使用』ッスよ」
「宇宙人かオメ―」
ほんとに宇宙ステーションかなんかに居たのかこの女…もしくは宇宙人。
「……『成績悪すぎて』転校してきたッスか?」
「忠告しとくがこっちでも成績それなりの方がいいッスよ
でなきゃ清月の大学に『エスカレーター』できねッスし」
「成績…まあ俺も人の事言えた義理じゃないッスけど」
ウヒヒヒヒ、と笑う。
「俺は『太田垣』ッス。理系科目は赤点スレスレ!あと古文も苦手!」
「……あんたとは成績悪い仲間ッスね!!ようこそ補習組へ!!」
とりあえずネタっぽく仲間認定。
成績がいいヤツならここで笑いながら否定してくるだろう。
悪いヤツなら補習仲間として手厚く歓迎。
301
:
夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』
:2017/06/25(日) 01:14:37
>>300
「あァァァ〜。『キョート』ね、『キョート』。今思い出した」
「シツレーな。どっから見ても地球生まれで地球育ちの地球人よ」
全盲だった自分にとって、使ってきた文字というのは『点字』だった。
文字を読むようになったのは視力を得てからなので、まだ慣れていない。
今は平仮名とカタカナは読めるようになった。
……が、漢字となると小学生レベルのものすら読めないことも多い。
現に、さっきのラベルの漢字も半分以上は読めてなかったりする。
「まぁ、成績が良い方じゃないのは否定しないけどさ……」
「っていうか、マジで?」
「『エスカレーターは乗ってりゃいいから楽だわァ〜』とか思って、余裕かましてたのに」
前途を思い、クラッと軽くよろけた。
でも、目の前にいる少年も成績良くなくて笑ってられるんだから、まあ大丈夫かな、とも思った。
「私は『夢見ヶ崎』。成績は――まあ、勝手に想像してもらうとして……」
「とりあえずよろしくッ!!」
正確には補修組ではないが、片足を突っ込んでいる感はある。
言ってみれば予備軍といったところだ。
けど、友達が増えるのは嬉しいから歓迎されてみた。
「――あッ」
「お腹空いた」
「晩御飯食べたいから帰るね!」
「バイバーイ!!」
「また学校で〜!!」
いきなり立ち上がり、そんなことを言いながら手を振って帰っていく。
最後までマイペースを貫いて、宇宙ステーション出身?の女生徒は去っていったのだった。
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