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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その1

1名無しさん:2016/01/18(月) 01:58:24
短編、単発のミッションなどにお使いください。
長編やシリーズものの予定でしたら、自分のスレで行うことをお勧めします。

2『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/01/31(日) 23:56:48
ある日の新聞の『三面広告』。
『急募』――『畑荒らし捕獲求ム』 『経歴不問』『報酬20万 即金』
『上ノ田村 樋倉(ひのくら)地区 区長 米原乙次』

『星見駅』から、電車で『一時間』の『千田原駅』。
そこから『巡回バス(一日5本)』で、更に『45分』。
四方を山に囲まれた、河川豊かな農村、『上ノ田村』。

如何なる理由があってか――ともかく求人に応じ、
バス停留所に降り立った『稗田』と『宗海』は、
ただひたすらに『田畑しかない』風景を目の当たりにしていた。

ヒ ュ ゥ ―ーz__ ッ

北風が、二人の間を吹き抜ける。
と……そこに一台の『ワゴン車』がやってきた。
半開きの車窓から、タオルを肩にかけた『おっちゃん』が手を振る。

「おー、おー、良く来てくだすった!
アンタたちがあの『広告』見てきてくれた人だね。
私が、広告を出した『米原』です。よろしく」

「まあ乗って、寒いだろうからまずはお茶でも飲みィに、
うちのカアちゃんに話は付けてあるから」

男――『米原』は、気さくな調子で声を掛けてきた。

※『稗田』『宗海』両名は、
『スタンド能力』『所持品』を提示されたし。

3稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 00:02:13
>>2(GM)

大きなフードのついた、黒いぶかぶかコート。
それに、烏のようなマフラーと、ドットで青い太陽が刻印された伊達眼鏡。

ヒ ュ ゥ ―ーz__ ッ

     「さむぅ……」

      ブルッ

寒さに身を震わせる。
いつもなら今頃暖炉で温まっているところなのだが・・・・

         ――と、そこにワゴン車。

「どーもぉ……今日は一日がんばるぞぃ……えひ。」

「あー……まあ……
 広告は僕じゃなくて、お婆ちゃんが見たんだけど……」

依頼を受けたのは……恋姫の育ての親――祖母の存在あってのことだ。
『上ノ田村』だか、その近くに、農家の知り合いが住むらしい。
祖母の心配そうな顔は、どうにも見ていられないし、お金も魅力的だ。

「……んじゃ、お言葉に甘えて。
 僕は……稗田。稗田 恋姫(ヒエダ レンヒメ)……」

     トコ
        トコ
 
       「……『ハイエース』する気じゃないよな? えひ。」
  
恋姫は陰気な調子で、そう返し、乗り込む。
事務所の許可は(ケガするなと念を押されたが)得た。

           ・・・・しかし。

(やっぱこれ……やばいやつじゃないか……?
  えひ、これで車がまじでハイエースならもっとやばかったが……)

              チラ

     横にいるもう一人の『パーティ』を見る。
       妙な再開だ。しかし即金20万円、経歴不問とは――訳アリか?

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

掌に水晶様の『結晶』を備えた人型のヴィジョン。
結晶から生み出す『光球』は着弾した『浮遊物』を削り取る。
また、この『光球』は着弾した『接地物』を吹っ飛ばす性質を持つ。

『ブルー・サンシャイン』
破壊力:E スピード:C   射程距離:C(6メートル)
持続力:D 精密動作性:B  成長性:C

詳細:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/10-11

所持品:
ポケット:スマホ、イヤホン、ティッシュ、ハンカチ、カイロ
リュックサック:ゲーム機(折り畳み式)、携帯充電器、眼鏡ケース、タオル、リップクリーム、着替え、のど飴

4宗海『エトセトラ』:2016/02/01(月) 00:11:01
>>2
「ハイ、……エース?」

トヨタの車が何故ここに、と訝しげに視線を向けるが、
すぐに得心したとばかりに表情を和らげ、唇は朧な三日月を描く。

      「きっと、貴方の思うような『肉体労働』じゃあないわ。
       フフッ、昭和の頃には『タコ部屋』もあったけれど、
       今となってはそうしたプロレタリアも過去の遺物よ。

       『ブラック企業』なんて、今もまだ滅びちゃあいませんけれど。
       今日はきっと、――――多分、大丈夫な、はず。

       ……『久遠 宗海』よ。久しいに遠い、宗教の宗に、海でムネオミ。
       恋姫さん、ね。貧血の方は、もう心配ないのかしら?」

配管工事や清掃業に愛用される『ハイエース』を別の意味と取った。
そのまま『ワゴン車』に乗り込み、『米原』へ挨拶をする。

      「ところで、お話は『害獣退治』でしょうか?
       サルやイノシシでしたら、何とかなりそうですけれど」

--------------------------------------------------------------------------
【スタンド能力】
『22体』のネズミ型スタンド。
『牙』で齧った物体を体内に『貯蔵』し、『解除』と共に『霧散』させる。
尚、『視線』を浴びた『エトセトラ』は『強制解除』される。

『エトセトラ』
破壊力:D スピード:B 射程距離:B(44m)
持続力:D 精密動作性:C 成長性:A

【記】能力詳細まとめスレ
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/14
--------------------------------------------------------------------------
【服装/所持品】
外ハネの黒髪ショート、ネイルアート。
アイボリーカラーのダッフルコート、暖色のフレアスカート。
ネイビーブルーのストール、手袋。

ハンドバッグに財布、スマートフォン、ハンカチ、ティッシュ。
コスメポーチ、ハンドクリーム、文庫本、一円玉300枚(リアルマネー)。
--------------------------------------------------------------------------

5『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 00:16:43
>>3
「『はいえーす』? 何です、それァ」

きょとんとした顔の『米原』はさて置き、
ワゴン車に乗り込む『稗田』。

「おォ、よろしくお願いします、稗田さん。
お婆さまがねえ……いや、有難い限りです。
しかしアレだ、あなた私の孫くらいの歳に見えますなァ」

一緒にワゴン車に乗り込んだ『宗海』が、声を掛けてきた。

>>4
『稗田』に声を掛け、ワゴン車に乗り込む『宗海』。

「はっはっは……まあ、『肉体労働』にゃ違いないが、
わざわざ来ていただいた方に、粗末な扱いはしませんよ」

米原は、宗海の言葉に朗らかに笑った。
やはり、『ハイエース』の意味は理解していないようだ。

「久遠さんですな、いや、ご丁寧にどうも。
よろしくお願いします」
「いやあ、それがね……『害獣』なら、『猟友会』の面々に
頼むところなんですが」

車内で、宗海の言葉に米原が少し口淀んだ。
しばらくして、溜息混じりに続ける。

「どうも『人間』がやっとる痕跡がありましてね。
まあ――『犯人』の心当たりが無いわけでもないんですが」

>>466-467
「……いや、しかし、本当に有難いですわ。
正直、あの広告を見て来てくれる方がいるか、
不安だったもんですから――」

米原は、真剣なトーンでそう言うと、
座席越しにも分かるほどに深く頭を下げた。

「――ありがとうございます」

「んじゃ行きますが、ちぃと道が悪いからね。
ちゃんと掴まっといて下さいよォ……っと」

ガタン

言った端から、デコボコした路面に足を取られて
ワゴン車が揺れる。
山間なのもあってか、『坂』の多い地形のようだ。
路面の整備もあまりされておらず、勿論
『ガードレール』なんてものは存在しない。

車窓から眺める景色は、『家』『畑』、それと『山河』が全て。
『単調』と捉えるか、『平穏』を感じるかは、
人それぞれだろう。

……そうして悪路をゆくことおおよそ『10分』。
君の視界に、平屋の建物が映る。
ちょっとした『山小屋』のような風情の、木造の一戸建て。
ワゴン車は、その脇にゆっくりと停車する。

「着きましたよ。ちょっとした『地区の集会場』なんですがね、
今回はこの仕事のために貸し切らせてもらってます」
「……ああ、だいぶ揺れたと思うンですが、大丈夫でしたかね」

米原が、話しかけてくる。
『集会場』の扉が静かに開き、軒先に小柄な初老の女性が出て来たのが見える。
恐らくは米原が話していた『妻』なのだろう――穏やかな笑みを湛えている。

6宗海『エトセトラ』:2016/02/01(月) 00:18:59
>>5
ろくな舗装もされていないデコボコ道、坂とカーブの連続。
最早、『景色』をじっくりと干渉する余裕はなかった。


      「ぅ、ぇ ぷ

       ……ちょ、ちょっと、まだですか?」


10分という時間を永遠に感じられる。
白い貌を真っ青に染め、勝手に窓を開けては外の風を浴びていた。


      「や、やっと着いたのね?
       ええ、まずは、お茶を一杯、頂けるかしら?」


ヨロヨロとワゴン車から降りると、女性に軽く会釈をし、飲み物を求める。

7稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 00:20:53
>>6(宗海)
>>5(GM)

「……ハイエースは……まあ、専門用語。
 えひ。大丈夫そうならいいんだが……
 『肉体労働』か……専門外だな……やれるかな……」

         (タコ部屋ってなんだ……?
           意識高い系ワードか……?)

恋姫はダンスはやっているが、体力は不足気味だ。
あまり自信はないが、ゲームではないのだ。受けた依頼はそうそう蹴れない。

「…………『米原』さんも……
 僕のお婆ちゃんと一緒くらいに見えるよ。えひ。」

     トサ

背もたれに体重を預ける。
そして、宗海を横目で見て。

「えひ……貧血は、もう大丈夫……
 ゲームの『状態異常』みたいに、パッと治った感じ……」

「……ゲームは、あんま、しないんだっけ。
       宗海、ね……あー……なんだ、まあ、今日は、よろしく……」

実際、きれいに『五日間』で良くなった。
後に引く物もなく、今日も平常運転の恋姫だ。

「…………」

(人間って……まじでやばいんじゃないのか……?
  ……今さらにげられないわな……常識的に考えて。)

ガタン

    「うおっ……」


   ・・・・

         ・・・・


着いたと聞いて、恋姫は体を起こす。

「……ぅ…………」

        フラッ

元から白い顔は、色を打ち間違えたように蒼白に。

          「僕も……水……」

車が発進してから恋姫が発した、10分ぶりの意味のあるせりふだった。
その俯き具合は会釈に見えないことも、ない。

              (……悪路とかそういう次元じゃない……)

――――――――――――――――――――――――――――――――――
>GM
持ち物に財布を入れ忘れていました。
今から追加することは可能でしょうか?

8『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 00:29:02
>>7
>持ち物に財布を入れ忘れていました。
>今から追加することは可能でしょうか?

ここまでの移動手段を考えると、財布の所持は
『自然』なので、問題ありません。

――――――――――――――――――――――――

>>6
「……だ、大丈夫ですかい、久遠さん」

深刻な『車酔い』を見せる宗海の様子に、
米原がいささか慌てたような声をあげた。
>>7
「あ、ああ、稗田さんまで!
ちょ、ちょっと辛抱して下さいね」

更に顔面蒼白な稗田を見て、米原は急ぎ
ワゴン車のドアを開けた。
冬の清涼な空気が、二人を包む。
多少は、気分もマシになるだろう。
>>6-7
「いや、こりゃあ、車に酔ったかな。カアちゃん、
ちょっとお茶を――」

「はい、はい。あらあ、顔が真っ青じゃない。
ゴメンなさいねぇ、この人運転が乱暴だから」

米原の呼びかけに、穏やかな調子で応えると、『カアちゃん』は
スッと中に引っ込み、ササッと湯飲みをふたつ持って戻ってきた。
中身は、程よく冷ました番茶のようだ。
飲みやすく、気分を落ち着けてくれることだろう。

「乙次の妻の『トキ』です。この度はよく来てくれました。
こちらで手伝えることがあったら、何でも聞いて下さいねぇ」

番茶を差し出しながら、『トキ』が柔和に微笑む。

「いやあ、すんません。私はすっかり慣れてるもんで、
ついついスピード出して運転しちまいます」

申し訳なさそうに頭を掻きながら、米原が言う。

「とりあえず、しばらく気分を落ち着けて頂いて……
そうしたら、ここに入って来て下さい。
今回の『仕事』について、簡単に説明しますよって」

9宗海『エトセトラ』:2016/02/01(月) 00:34:06
>>8
「ありがとう、ございます」

湯のみに口を付け、程よく温んだ茶を啜る。
胃を落ち着けながら、『米原』の話を聞いている。

    「人間、それが『畑泥棒』なんて。
     言ってはなんですけれど、
     キャベツやじゃがいもをせっせと盗んでも、
     それなら別の稼ぎ口があるんじゃあないかしら」

    「今時、『ほたるの墓』じゃあ、ないでしょう?」

ねえ、と『恋姫』に同意を求め、『米原』の話を待つ。

10稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 00:35:35
>>8(GM)
>>9(宗海)

「ぷはッ……」

     すぅ――

            はぁ――

                「おえ”っ……」


深呼吸。
息を吐きだすとき、ややえずくが、踏みとどまり。


「…………どーも……」


冷えた番茶を受け取り。

          コク     コク

飲む。ゆっくり、ゆっくり。

       「ぷは……」

「えひ……『レースゲーム』よりハードだった。
 んじゃ……お言葉に甘えて、ちょい休憩タイムで……」

田舎特有の清涼な空気とのコンボで気分は幾分か、マシだ。
少し待って、気分を落ち着けよう・・・・

    「……金目当てじゃないじゃね?」

       「DQNとか……そういうやつら、
         遊びで『万引き』するっていうからな……」

                   ・・・・宗海には、そう返す。

11『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 00:38:25
二人は、気分を落ち着けてから『集会所』へ。
建物の内部は、古い木材がむき出しの、野趣のあるビジュアルだ。
音を立てる『灯油ストーブ』が、いい味を出している。

「もう大丈夫で? ……どうぞ、お掛け下さい」

米原は、『会議室』につき物の『長机』を挟んで、椅子を二人に勧める。
しごく一般的な『パイプ椅子』だ。
>>9
「うむ、まったくその通り。私もそう思いますわ」

きょうび、『畑泥棒』もないだろう――そんな宗海の言葉に、
米原はこくりと頷いた。

「それで私らも、『金目当て』の犯行ではないと思っとります。
この季節、盗まれるのはジャガイモやダイコンが大半ですが」

そう言うと、米原は一枚の『写真』を出した。
収穫済みの農作物が『軽トラック』の荷台に袋詰めで積まれている。
……よく見ると、荷台の上に妙なスペースがあることに気付く。
おおよそ袋『3つ分』、隙間が空いているのだ。

「この状態で、持ち主がちょいと用を足しに離れた隙に
持っていかれたとか。イノシシやシカには、出来ない真似です」
「特に良くやられるのは『ジャガイモ』ですな。
単純に皆よく作っとる、ということもあるようですが」
>>10
「…………ええと、『どきゅん』ちゅうのは、
『不良』ってことで良いんですかね」

宗海に向けた言葉だったが、米原が反応した。

「我が村にも、そういうのはおりましてな」
「こっからバスで『1時間』ほどの『中学校』に
通ってる連中ですが、そいつらがなかなかの『悪童』で」

米原は、新たに二枚の写真を示した。
学生服姿の『少年』と『少女』が写っている。
年齢は、『稗田』と大差ないように見える。

少女は、背は低そうだが少々『恰幅のいい』体格で、
にこやかな笑みを浮かべている。真っ赤な『頬』が印象的だ。

少年の方は、見るからに『田舎のヤンキー』ド真ん中の風貌だが、
背丈は少女とあまり変わらない。妙につぶらな瞳が、目につく。

「このクソガキ……失礼、男子は『栗原一吉(くりはら いちきち)』、
こっちの女の子が『鎌田穂似子(かまた ほにこ)』。
二人は『向かい』に住んどりましてな。小さい頃からいつも一緒にいました」
「昔は可愛いもんだったんですが、二人揃ってすっかりヒネてしまって」

12稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 00:39:12
>>11(GM)

「……おかげさまで……どーも。えひ。」

      ギシ

陰気な笑み。気分は、さっきより遥かに良い。
ポケットの中の懐炉を揉みつつ椅子に着く。

「DQNは……
 そう、不良みたいなもん……」

    「どこにでもいるよな……
      えひ、ザコ敵……『スライム』みたいに……」

恋姫はそういう人種が『嫌い』だ。
示された写真――その双方に、嫌悪の意思で、目を細めて。

           ボ  ボ ボ

      ・・・・一瞬、烏面のヴィジョンが重なる。

「こいつら、捕まえんのな……
 えひ……まあ、一応聞いとくが……」

「オトナが何人かいれば、普通に……
 つーか、イージーに……捕まえられないの……?」

いくら悪童でも、二人でも。
大人が複数人いればどうにもならないはずだ。

        ・・・・では、なぜ依頼する?
              それも、あんな条件で。

13宗海『エトセトラ』:2016/02/01(月) 00:42:07
>>11
「なんだか『素朴』な二人ね」

写真の二人については素っ気ない感想を述べて、
視線は『軽トラック』を写した写真へと移動する。

     「一つ、気になる点があります。
      男女のコンビでありながら、
      袋は『3つ』盗まれていますね」

     「もしも『イヤガラセ』でしたら、
      それぞれに『1つずつ』で十分。
      ――――わざわざ、余計に『1つ』持って行った」

人為的なものだという『米原』の言葉には首肯で同意を示す。
しかし、単純な『イヤガラセ』なのかという点には、疑問符が浮かぶ。

     「深い意味はないのかも知れません。
      写真で『遠近感』が解らないだけで、
      実は『片手』で持っていけるほど、軽いモノでしたり……」

     「しかし、もしかしたら『3人目』がいるのかもしれません」

     「彼らの『2人』が犯人であるという、『確証』はあるのですか?
      その『証拠』も掴みたいのであれば、
      ――――勿論、この私もご協力させて頂きます」

ニコリ、と薄い笑みを浮かべて『米原』に話の続きを促す。

14『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 00:50:54
>>12
「『すらいむ』……?」

稗田の発言に、またも首を傾げる米原。
どうも『ジェネレーションギャップ』があるようだが、
ともかく話を進める。

「あー……それがですな。
そりゃあ、捕まえようと思えば、出来ないことは
無いかもわかりませんが」

稗田の疑問は、もっともだ。
仮にその『悪童』たちが犯人だったとして、
大人たちが『実力行使』に訴えれば、
押さえつけるのは可能だろう。

しかし……眼前の米原は、渋い顔をしていた。
それが『出来ない』、または『やらない』理由が、
あるかのようだった。

「まず、彼らが『犯人』だという決定的な『証拠』。
これが無いんですよ」
「決まって、我々が目を離すタイミングを
『見計らった』ように『盗まれる』もんでして」

「――それと、その」

言いよどむ米原。

コトン

そこに、『トキ』が歩いてきた。
机に、淹れ直した三人分の番茶を並べながら、静かに口を開く。

「いくら『悪ガキ』といっても、『村の身内』だからねぇ。
みんな、そこまで『追求』しようとはしないのよ」
「それに、あの子たちがヒネくれちゃったのは、
村の私らにも『原因』はあるよって――」

「トキ!」

何かを口走りかけた『トキ』を、米原が制する。

「それは、今回のこととは関係ない」

>>13
「良いところに目を付けられますなあ」

盗まれた『袋の数』を指摘する宗海に、
米原が感心したように言った。

「確かに、少し『妙』ではあるんです。
その『ジャガイモ』は一袋『20kg弱』ですから、
『栗原』の小僧なら、二つ持てないことはないんですが」

とはいえ、それを持って、少なくとも畑の主人に
バレないように立ち去るのは、なかなか苦労するはずだ。

「『三人目』――しかし、この村に子供はその『二人』しかおりませんし、
わざわざ協力するような『大人』も心当たりは無いですな」

うーむ、と米原が唸る。

「『確証』は無いもんで、勿論『証拠』は得たいです。
久遠さんが協力してくださるなら、心強い」
「状況的には、ほぼ彼らが犯人で良いだろうとは思っとります。
犯行の日時は『休日』ないし、『学校』の終わった『夕方』に
限られてますし、そもそもここの住民はほぼ全員が
『農業』を営んでますから――『悪戯』でもない限り、
人の作物をとる理由が無い」

コトン
宗海の前にも、『トキ』の淹れた番茶が置かれる。

「『三人目』ねえ……『鬼っ子』でもいるのかしらねぇ」

宗海と米原の会話を聞いていたらしいトキが、
冗談めかして呟いた。

「この村の裏山には、古いお社があるんだけど、
そこには言い伝えがあってね……」

「トキ!」

『昔話』のような調子で語り始めようとしたトキを、
米原が止める。

「何言っとるんだ、お前は」

15稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 00:52:49
>>14(GM)

「あ―……スライムは……あれだ。
 ゲームの敵で……いっぱい出てくるやつ。」

一応だが解説をしつつ。

「…………えひ、ありがと。」

置かれた番茶に、礼を言う。
しかし、『トキ』を制する『米村』の態度――

    イラ

   (なに隠してんだ……捗らないだろ。
     常識的に考えて……村社会ってやつか……?)

ウワサにこそ聞く田舎の閉鎖性。
いまひとつ、気にくわない。

「つまり……あれか? 要するにだぜ……
 現行犯で見つけて、捕まえろってことでおk……いいのか?」

それが手っ取り早そうだ。
が、宗海の会話を聞き。

「あーいや……そうか。
 先に証拠見つけちゃうって手もあるのか。」

     「推理ゲーみたいに……えひ。
       ……まあどっちにせよ、僕もやってやんよ。」

もちろんゲーム感覚とはいかないのは理解している。
話を聞くに……相手も、『ふつうの子供二人』ではないみたいだし。

          ズズ

           ・・・・番茶を啜る。

16宗海『エトセトラ』:2016/02/01(月) 00:58:55
>>14
>その『ジャガイモ』は一袋『20kg弱』ですから、
>『栗原』の小僧なら、二つ持てないことはないんですが」

  「それはますます、『奇妙』な話ですね。
   イタズラ目的なら『1つ』で十分。

   やはり、『3人目』がいると考えた方が『必然』ですね。
   それぞれが『共犯』となって『連帯感』を強めるのは、
   『少年犯罪』にはよくあるパターン――――」

                                 「ッ!?」

穏やかに思えた『米原』の口調が、『伝承』の話に移ると打って変わった。
思わず、小さな肩をヒクつかせて動揺を示すも、
すぐに息を吐いて落ち着きを取り戻そうとする。

  「とにかく、『証拠』を得るのが優先です。
   『三人目』が誰にせよ、二人を捕らえればどうとでもなります。

   簡単な方法としては、『トラップ』はいかがでしょう?
   地元の『郵便局』や『コンビニ』にある『カラーボール』、
   荷物に触れれば『破裂』する仕組みを作りますので、
   後は、それを『証拠』にすれば、一目瞭然です」

仕組みとは当然、『エトセトラ』の解除を利用した『散布』だ。

  「犯行の『周期』は解りますか?
   それに合わせさえ出来れば、簡単ですけれど――――」

17『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 01:00:07
>>15
「いっぱい……『すらいむ』ちゅうと、あの
グニャグニャした……缶に入っとるやつですかね」

噛み合わない。

「ええ、そういうことですな」

何かを『隠す』米原の態度にイラつきつつ、
話を進める『稗田』。
米原は取り繕うように頷き、『トキ』はやや
不服そうな表情を浮かべた。

>>16
「そうですか……ふうむ」

『三人目』の存在――それまで想像だにしなかった
可能性を示され、米原は考え込むような様子を見せた。
釘を刺された『トキ』は、渋い顔をしている。

「ほう、ほう……面白いものを考えますな。
しかし、その――『作物』に影響は無いのでしょうか。
『塗料』なんかが含まれていなければ、良いんですがね」

『トラップ』に、米原は興味を持ったようだ。
ただ、農作物への影響が同時に気がかりな様子も見せる。

「『周期』ですか……ううむ、今は年末で
『学校』も休みですからなあ。
ただ、『午前中』には、被害にあったことはありませんな。
『夜間』も同様です」

「一応、こちらで被害にあった畑をリストアップして、
地図上にまとめておきました」

米原は、そう言うと机上に街の『地図』を出してきた。
少々『手書き感』のある簡素なものだが、立地くらいは分かるだろう。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■□□□□□□□川□□□□□□↑裏山□■
■□□家家家□□川□□□□□□□|□□■ ※印はすでに被害にあった田畑
■―――――――=――¬□□□栗|鎌□■ ◆は現在地(集会所)
■□田田田□※※川※※|家□家□|□□■ 家は民家。鎌は『鎌田家』、栗は『栗原家』。
■□田田田□※※川※※,ト――――/□□■
■□□□□□※※川※※|※※※□□□□■
■□□□□□※※川※※|※※※□□□□■
■□家□家□※※川※※|※※※□□□□■
■―――――――=――十―――――――■
■←隣町□※※※川畑畑|◆◆□□他区→■
■□□□□※※※川畑畑|□□□□□□□■
■□□□□※※※川畑畑|家□□□□□□■
■□□□□□□□川□□|□□□□□□□■
■□□□□□畑畑川畑畑|□□□□□□□■
■□□□□□畑畑川畑畑|他区□□□□□■
■□□□□□畑畑川畑畑|↓□□□□□□■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

18宗海『エトセトラ』:2016/02/01(月) 01:06:13
>>17
「盗まれた場合を考えましたら、
 『塗料』の被害は諦めて下さい」

     「荷台に積んだ『荷物』にだけ、
      『トラップ』が作動するようにしましょう。
      荷物を開封すれば、『破裂』が起きる仕組みです」

そうねぇー、と周囲を見回しながら、地図とニラメっこする。
ふと、顔を上げると民家の窓からある『一点』を指差し、
そちらに全員の『視線』を誘導し、『エトセトラA』を発現する。

     「やはり、実際に『現場』を検分しなければ務まりませんね。
      ――――ええ、それが良いわね。『米原』さん。

      私を畑までご案内頂けますか?
      ステキな地図ですけれど、やはり実地を見なければ。
      それに、畑で何を作ってるか、ちょっとキョーミがあるんです。
      良い機会ですから、たまには『土』の匂いを味あわないと……」

薄い笑みを浮かべながら、静かな語り口で『米原』にねだる。
『エトセトラA』を『恋姫』のリュックサックの中に入れる。
空いているサブポケットがあれば、そこに入れてしまいたい。

     <私が『米原』さんを畑まで誘導しますから、
       貴方は『トキ』さんから『言い伝え』を伺ってくれるかしら?>

     <どうにも不思議な点があるの。
       彼らは『野菜』をどこに運んでいるのかしらね?>

スタンド会話で『恋姫』にお願いしてから、自分は立ち上がる。

19稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 01:06:33
>>17(GM)
>>18(宗海)

「……まあ、そういうスライムもあるけど。
  例え話だから……あんま気にすんなし……」

こう噛み合わないと説明も出来ない。

       イラ

また少し、いらいら。
知識はしょうがない。恋姫は農業を知らない。それと同じ。
 
         ・・・・ともかく。 

「マップあんのか……あー、僕は罠とかは苦手だかんな。
 見張りなら……えひ、案山子よりは役に立つと思うけど……」

     ス

    「この辺……畑の……
     まだ被害無い辺りで……」

などと言い、地図に指を這わせていると――

「……? どうした……?」

『宗海』が指を指したので、そっちを見て。

      スル

         「……!」

  オォォォオオ ――

リュックから聞こえる声に、スタンドを発現する。
青い焔を灯す、烏面の頭部だけを、頭に重ねる形で。

    <……えひ……頭回るんだな、お前。
      意識高い系じゃなくて……まじで意識高いやつか……>

          <……おk、把握した。こっちは任せろ。
              えひ、バリバリ……上手くやってやんよ。>

スタンド会話で返す。
スタンド使いであることも、それなりに驚きだが……

「僕は畑はパス……えひ、インドア派だから。
 ここで留守番して……スタミナ、温存させてもらうよ……」

          ニマ

陰気な笑みを浮かべる。
ここは彼女に乗るのが、優れたやり方だと判断する。

                もしトキも一緒に畑に行ってしまったら?
                 自分も強制的に、畑に連れて行かれそうなら?
                   ・・・・その場合のことは、恋姫なりに考えている。

20『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 01:11:18
>>18
「むう……まあ、それで『証拠』が上がって、
奴らが少し『痛い目』見るなら、良いでしょう。うん」

しばし考えたのち、『米原』は『宗海』の案に乗ることを決めたようだ。

「――ん?」

そこで不意に『指』を指し、視線を誘導――

ギャンッ

ひっそりと『エトセトラ』を発現させ、人の目を縫って
『稗田』のリュックの『ポケット』に滑り込ませる。

「あの、今のは……ああ、『視察』ですか。
もちろんですとも、久遠さん」

『指差し』を『畑の方を示した』と解釈したのか、
米原が気前よく言い、席を立つ。それに続いて立ち上がる『宗海』。
……どうやら、『稗田』の方もうまくやったようだ。

>>19
『米原』の反応にイラつきつつも、応対する『稗田』。
と――『宗海』から『スタンド会話』が向けられた。
その提案に従い、米原にここに残ると伝えることにした。

「そうですか? まあ、確かに『仕掛け』は
久遠さんがやるようですしな。分かりました、
何しろヤンチャ盛りの連中ですからな……しっかり鋭気を養って下さい」

少し考えて、米原はその申し出を快諾する。

「あー、『トキ』や。稗田さんにおもてなしを」
「はいはい、分かってますよ。……行ってらっしゃいな」

トキと短く言葉を交わし、米原は立ち上がる。宗海も、後に続く。
残されるのは、『稗田』と『トキ』だ。

21宗海『エトセトラ』:2016/02/01(月) 01:14:26
>>20
この『集会場』からなら全ての『畑』を見られるが、
『恋姫』と『トキ』の様子を探られないように、
南側に有る『民家』まで移動し、『畑』と『川』を眺める。

     「さて、この『畑』はまだ『被害』に遭っていませんね。
      ここまでの『広範囲』に渡って『犯行』を成したなら、
      次は、この『畑』を狙うのが『セオリー』だと思います」

そう言いながら『家屋』から『農道』を通じ、『畑』へと向かう。
その際、一度屈んでから『畑』の土に触れておきたい。

     「『土地勘』を考えるなら、逃走経路は『自宅方面』。
      現に、自宅に近い方向から『被害』に遭っている。
      彼らが『中学生』という点も考慮すれば、不思議ではありません。

      この眼の前にある『畑』から『作物』を奪う、そう仮定しましょう。
      ――――確か、『バス』で通っていると言いましたね。
      でしたら、ここへ到着する、おおよその『時間』は解りますか?」

『一時間に一本』ならば、特定は難しい話ではない。
ならば、『工作』に使える『残り時間』も解るはずだ。
そう、『米原』に伝えたい。

     「(『恋姫』ちゃんは、うまくやってるかしら?
       なんとなく、『孫』っぽい雰囲気だから、
       任せて見たけれど、……少し、心配だわ)」

22稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 01:15:36
>>20(GM)
>>21(宗海)

「……えひ。いってら……
 しっかりスタミナ、溜めこんで……頑張るぜ……」

   ズズ

   番茶を啜って。
   『米村』たちが十分に離れるまで、待つ。

「……二人ぼっちだ。」

「えひ、どうしようかな……
 あー……トキさん、なんか喋ろう……?」

    グニ

     ポケットから出した懐炉を、
     ゲームのコントローラーのように、弄びつつ。

             …グニ

「あー、さっきの……言い伝え。
 鬼っ子の話ぃ……聞きたいな、僕。」

「常識的に考えたら、今回の件に関係ないかも……だけど。
 ゲームだったら……関係なさそうな話が、攻略フラグだったりするし……」

        緊張感。これはゲームではない。
         セーブボタンなどない。ぶっつけ本番、初見攻略。

              ・・・・向こうは上手く、やっているところだろうか。

23『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 01:21:46
>>21
南の『家』の前に移動する宗海と米原。

「ふむ、なるほど……そういえば、同じ田畑が
『二度』被害に遭うことは、無かったですな」

宗海の言葉に、感心したように頷く米原。
更に、『畑』へと向かう……

ガサッ

屈みこんで『土』に触れる。
適度に柔らかい、いい土だ。心なしか暖かい。

「なるほど……そう言われれば、その通りですな。
奴らの家がある方向には、人もあまり住んどりませんし」
「今は中学校は『冬休み』ですが――確か、今日は『朝一』の
『巡回バス』で出掛けたのを見かけたもんがいたと覚えとります。
あれは『一日五本』しかありませんし、今日はあと『二本』だけです」

米原は、そう言うとポケットからサイフを取り出した。
中に、くしゃくしゃの紙切れが入っている。
『バス』の時刻を記したメモのようだ。

「ええと、次のバスは『45分後』ですな。
その次は『二時間後』になります」

>>22
「そうですねぇ……ふぅ」

米村を見送った『トキ』が、番茶を一啜りして溜息をついた。

「あの人は本当、『忙しなく』ってねぇ。
なんだか私まで釣られてバタバタしてしまいますよ」

パチ パチ
『ストーブ』の火が、小さく音を立てた。

「『鬼っ子』の話?もちろん良いですよ、
どこまで話したかしら……ええと」
「そう、そう。
この村の裏山には、古い『お社』があってねえ。
そこには大きな『お石様』が祀られてるんだけどもね」
「昔々のことだけど、この辺りはとても人の住めるような
場所じゃ無かったそうで」

ズズズ

「ここに流れ流れやって来た私たちのご先祖様も、
そりゃあ大層苦労したんだそうな」
「それを哀れに思いなすったのか、山の『神様』は
その『お力』を、大きな『石』に込めて
山の中に『降ろした』そうだよ」
「ご先祖様は、その『石』から『知恵』や『神通力』を
お借りして、この村を拓いたんだそうな」

トキは、とうとうと語りだした。
頭の中に完璧に話が入っているようで、
全く淀みなく、言葉が連なっていく。

「そうして村がやっとこさ出来あがってきた、ある日のこと。
違う山から来た『鬼』が、その『お石さま』を奪い取りに
やって来た」
「ご先祖様たちも沢山殺されたけれど、最後は授かった『神通力』で、
『鬼』たちを追い返した。でも、その後に傷ついた
『鬼の子』が残されたんだと」
「大人たちは、鬼の子を殺してしまおうと思った。
でも、一人の娘っ子が、それを哀れんだ。
『親に見捨てられた上に、殺されるなんて忍びねえ』って。
娘っ子のおっ母は早死にし、父親は鬼にやられて亡くなった。
だけど娘っ子は鬼を恨まなかった。ただただ、これ以上血が流れて欲しくねえと思った」

「大人たちに伝えれば、きっと殺されてしまう。
だから、娘っ子は、ひっそり鬼の子を匿うことにした。
自分の『神通力』でもって、お社の中に『隠れた扉』を作って」
「『隠れた扉』は、招かれないと『見えない』し『触れない』。
娘っ子は、自分と鬼っ子、それに自分の『許婚』だけを、
この扉に『招いて』、鬼っ子を介抱したんだと」

ズズズ

長く喋って喉が疲れたのか、『トキ』が一息入れた。
つかの間、『集会所』の中を、静寂が包む。

24宗海『エトセトラ』:2016/02/01(月) 01:25:06
>>23
(※『エトセトラA』の聴覚を介し、
  『トキ』からの言い伝えを聞けたとしてよろしいでしょうか?)

  >「ふむ、なるほど……そういえば、同じ田畑が
  > 『二度』被害に遭うことは、無かったですな」

   「……それは、非常に『重要』ですね。
    一度荒らした畑には、もう用事がないことになります。
    『ゲーム感覚』でターゲットを変えると考えるなら。
    遠くの『田んぼ』に手を付けないのは、不自然ですね」

周辺の作物は『似たり寄ったり』だと聞いている。
ならば、わざわざ『ターゲット』を変えるのは『不自然』だ。
宝石をあしらったネイルの尖端を甘く噛み、思考をまとめていく。

   「――――むしろ、『逆』かも知れませんね。
    例えば、前回に手を付けた『田畑』では『失敗』したことを、
    別の『田畑』で実行しようとし、『失敗』を繰り返している。

    ある『目的』があって、連続的に『田畑』を荒らしている。
    そして、それは『作物』が目当てということになりますが……」

普通に考えるならば『荷台』に盗まれた『作物』が目当てとなる。
つまり、この田畑のどこかに『特別』な野菜が育てられているのか。

ハンドバッグから『コスメポーチ』を取り出し、『口紅』を抜く。
『エトセトラB』を『ハンドバッグ』の内側に発現し、『リップグロス』を喰わせる。

   「『カラーボール』も考えましたけれど、
    ちょっと『物騒』ですものね。止めておきましょう。

    代わりに、私の『グロス』を散布するようにします。
    洗えば落ちますけれど、真冬の川で『寒中水泳』なんて、
    ――――フフッ、ゾッとしない話じゃありません?」

25稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 01:26:33
>>23(GM)
>>24(宗海)

「『にほんむかしばなし』……
 あれの読み聞かせ、聞いてるみたい。えひひ。」

ほおを少しほころばせる。昔、してもらった覚えがある。
そう、ずいぶん昔で、枕もとの祖母の顔も、思い出せないけれど――

      ズズ

「なんていうか……リアルっていうか……
 伝承はフィクションじゃないから、そりゃそうだけど……」

それだけ聞けば、単なる言い伝え。
遠すぎる過去は事実であれ、お話とそう変わらない。けれど。

(……質問タイムは、後のがいいか。)

神通力。日ごろ聞きなれない言葉。
しかし、それが人によって違う、『力』なのだとしたら。

「えひ……それで……
  鬼の子は? どうなったの……?」

       「人間のやさしい……夫婦、に育てられて……
         めでたしめでたし? それがベストエンドだけど……えひ……」

話の続きを促そう。
神通力使い、それが、現代にも続く物語ならば。

        ヒソ

        <……宗海、聞こえてるか?
            ……この話、なんか、それっぽい。>

                       ・・・・リュックにスタンドの顔を寄せて、ささやく。

26『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 01:31:57
>>24
>(※『エトセトラA』の聴覚を介し、
>  『トキ』からの言い伝えを聞けたとしてよろしいでしょうか?)

申し訳ない、描写不足だった。
『言い伝え』は、『エトセトラA』を介して宗海にも聞こえている。

ー――――――――――――――――――-―――――――

>>24
「うーむ……同じ畑を狙わん理由……
それは、さっぱりですな」
「何か特別な『作物』があるわけではなし、
強いて言うなら、一箇所から続けて盗めば
当然『監視』が厳しくなる、というのはありますが」

唸る『米原』。
『宗海』は、ひそかにリップグロスを『エトセトラB』に食わせた。

「『ぐろす』ちゅうと、ええと、『口紅』ですかな。
はは、そりゃ良いかも知れませんな。簡単に落ちるもんじゃない。
しかし、どんな仕掛けなんです?」

『エトセトラA』からは、引き続き『稗田』と『トキ』の会話――
というか、トキの『昔話』が聞こえてくる。

>>25
「この村の人も、今ではあんまり信じちゃおりませんがね、
私は信じてますよ……きっと、本当にあったことだと」

『トキ』は、確信めいた調子だった。

「そうだねえ。そうなったら、良かったんだけども」

鬼の子の運命について。
トキは、ふと悲しげな表情を浮かべた。

「娘っ子は鬼の子を親身になって介抱した。
その甲斐あって、鬼っ子は一人で出歩けるまでに『回復』したんだと。
娘っ子も、許婚も、我がことのように喜んだ。
――だけど」

ふ、と空が翳った。そんな感覚があった。
トキの語り口が、そんな印象を与えさせる。

「ほんの一時、二人が『食べ物』を取りに、
社を出て、帰ってみると――」
「『猟師』だった。『イノシシ』を狩りに出た帰り、
ばったり鬼っ子と出くわして」
「おっかない『鬼』を、猟師はよく覚えていた。
咄嗟に振り下ろした『斧』が、額に――」

ズズズ
トキは、目を伏せて深く息をついた。
話を、続ける。

「あとは、言わなくても分かるかね?」
「鬼っ子は、綺麗な『木の実』を持っていた。
それを拾って、二人に見せたくて、『扉』に戻らずに
山を歩いていたんだろう」
「娘っ子と許婚は、深く悲しんだ。
特に可愛がってた娘っ子は、別人のようにやつれてしまって、
それから暫くして、倒れてそのまま……」
「許婚も、世を儚んで、早晩村を出て行ったそうだ。あとの便りは、
とんと聞かない」


「それから暫くして、やにわに『嵐』が来て、『雷』が起こった。
翌朝、村人たちが『社』に行ってみると、
『お石さま』が粉々に砕けていたそうだよ」
「村人たちは、神様の『怒り』と、鬼っ子の『祟り』を
怖れて、『石の欠片』で『鬼っ子』の像を作って、祀ることにした」

「それからも、社の周りでは、木の実を持って
『娘っ子』を探す鬼っ子の声が、聞こえるらしいよ――」

27稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 01:36:56
>>26(GM)

「えひ。僕もそういう……
 ウソみてえな『不思議』なことは……けっこう、信じてる。」

         (……リアルもたいがい、だしな。)

オカルトを愛好はしないが――『信じる理由』はある。

    ・・・・

       ・・・・

   ズズ

番茶を、啜る。
懐炉は机の上に置いた。語りに耳を傾ける。

「…………おしまい、か。」

    (……鬱展開マシマシのバッドエンド……
      まじで救えねえやつ……実話、なんだよな……)

   コト

目を細めて、番茶を置く。やや俯きがちに顔を上げて。

「……畑荒らしの『三人目』が、その鬼っ子……だとしたら。」
 
                  ボソ

「木の実より良いものなら、見てくれるって……
 また会えるって、思って……野菜にも手ぇ出したのかな……」
      
      クル
             「……えひ。
              まあ……妄想乙だけど……」

陰気な笑みを、小さく浮かべて。
長い髪を一房指で巻きつつ、そのようなことを言って。

「…………その、鬼っ子の像のある社。
 今も見に行けるの? ……えひ、事件に関係ないか。」

         「それに『米村』さんが……
           また、げきおこ(※激怒)しちゃう……?」

何かがあるとしたら、そこかもしれない、と思った。
『米村』が話を制した理由は――この伝承の、社の、あるいは村のどこにあるのだろうか?

                 ・・・・これは現実だが、伝奇に入り込む気分だ。

28宗海『エトセトラ』:2016/02/01(月) 01:40:21
>>26
>強いて言うなら、一箇所から続けて盗めば
>当然『監視』が厳しくなる、というのはありますが」

    「ですが、畑は遮るもののない、『平地』にあります。
     『監視』をする状況を招いたのならば必然、
     他の畑にも目が向けられる、若しくはその『リスク』を加味したか――――」

この言葉は特別に意識しているわけではない。
何故なら、聴覚を『エトセトラ』に割いているからだ。

    「(『鬼』が実在したかはともかく、
      『座敷牢』のように『隔離』出来る場所というのが気になるわね。

      『米原』さんが警戒するとしたら、
      昔話なんかよりも、事故の起きやすい『牢屋』に向かうはず――――)」

    「とにかく、二人を誘うように『農産物』を用意しましょう。
     『20kg』ごとに農産物を袋に詰め込んで、
     その中に『機構』を設置する予定で、動きますから……」

29『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 01:41:53
>>27
「そう。このお話は、これでおしまい。
暗いお話でしょう?私も子供の頃は、もうちょっと
幸せな結末になって欲しい、って思ったもんだよ」

『民話』の類には、悲劇的な結末に至るものが少なくない。
それは、子供に語り継ぐ『人生訓』であったり、
あるいはその地方の『禁忌』を教えるためであったり、
理由は多様なのだろうが……

「ああ、そうかも知れないねえ……」

ズズ

『トキ』は番茶を飲んで、目を細めた。
『稗田』が冗談を言った、そう受け取ったようだ。

「お社かい?ここからなら、裏山まで歩いて、そこから……
そうだねえ、『15分』くらい歩けば見えるよ」
「私は足がもう思うように動かないから、ちょっと大変だけど、
稗田さんくらいの子なら、大丈夫だろうし、
必要なら、地図に印を付けておきましょうかね」

歩いて『15分』。今から向かえば、彼らが戻ってくるまでには
十分到着できる距離だ。ただ、『宗海』のスタンドは恐らく『射程外』になる。
……それはさておき、トキは小さく溜息をついた。

「最近は、あそこに足を運ぶ人もめっきり減ってねえ。
このお話も、知らない人が随分増えたもんだよ。
でも、『一吉』と『穂似子ちゃん』は、裏山に家が近いのもあるけど、
よくあの辺りで遊んでたねえ」

米原の話をすると、トキは小さく笑った。
そうして続ける。

「あの人は、いつでもあんな感じ。ちょっと『せっかち』なのよ。
一つのことに集中すると、他のものが見えなくなるし……
でも、あの『二人』のことに関しては、ちょっと『負い目』みたいなものも
あるのかもねえ」

トキは、そう言った。

「あの二人が、私ら『村の大人』を信用しなくなったのは、
ちょっとした『事件』が原因だからねえ」
>>28
「む、むう。
いや、久遠さんは難しいことを考えますな」

『米原』が困ったように声をあげた。
内容に対してなのか、『リスク』という横文字が
ピンと来なかったからなのかは分からないが。

「……そうですな、確かに一つの畑を監視すれば、
当然、他の畑にも目は通る。そちらを注視はしないにせよ、
目立つ行動は、どのみち取れなくなりますか……」

逆に考えるなら、そういった『監視』を掻い潜って、
『畑荒らし』はこれまで犯行を重ねてきたことになる。
監視の隙をつく『移動手段』を持っているのか、あるいは監視者を
更に『監視』するような『情報収集手段』を有しているのか……

「はい、ここの持ち主にも話は通してありますよって、
すぐ済むでしょう。ちょっと失礼……」

『農作物』を用意する、という話をすると、
米原はそう言って、携帯電話を取り出した。

「あー、私です。米原です。
はい、例のアレの件で、はい」
「『罠』を仕掛けますによって、イモでも集めて、
軽トラで、はい」

ピッ
米原は、テキパキと用件を伝えると、電話を切った。

「すぐに『軽トラ』に道具やら積んで来るそうですから、
『3分』もかからんでしょうが、少しお待ちください」

『エトセトラ』の聴覚を通じて、『稗田』と『トキ』の
会話が聞こえてくる。
『社』までは、徒歩で『15分』。十分余裕のある距離だが、
そちらに稗田が向かう場合、流石に『エトセトラ』の『射程外』に
出てしまうだろう。

30宗海『エトセトラ』:2016/02/01(月) 01:45:54
>>29
>「あの二人が、私ら『村の大人』を信用しなくなったのは、
>ちょっとした『事件』が原因だからねえ」

気になる話だが、これは『恋姫』に任せるしかないだろう。
自分は『米原』をどのように『誘導』するか、全力を注がねばならない。

      「それだけの『リスク』を侵す、『リターン』があるという話です。

       ――――フフッ、難しい話をするのはきっと、『緊張』かしら。
       私、こう見えて『臆病』なんです。『失敗』や『至らなさ』は、常に恐れてます」

双眸を細めると控え目に口角を吊り上げ、唇は三日月を描いた。
流れる川へとそっと視線を遠ざけて、耽るように息を吐く。

      「今までの話だって、『思い過ごし』だったらいいな、って考えてますもの。
       きっと、何もない田舎に退屈した中学生が、ちょっとした非行に走って、

       ……けれど、謝れば許されるように、ちょっとした予防線を張っていて、
       そんな『イタズラ』で済むのなら、私が出る幕なんてありませんものね」

『トラック』が来るのであれば、『エトセトラ』を仕掛けるだけで済む。
それまでは『米原』と話をし、少しでも『情報』や『心情』を図らなければならない。

31稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 01:48:01
>>29(GM)
>>30(宗海)

「…………僕も、そう思う。
 でも、ほんとの話なら、どうしようもないわな……」

『現実』は、『過去』は変えられない。
いくら暗くても、痛ましくても、一度起きたことは――

「……」

     ズズ  

        ・・・・番茶を啜る。

「15分か……えひ、どうせだし、行ってみようかな。
 山登りなんて……したこと、ほとんどないけど……」

           「スタミナは……えひ。
            使う時は使うもんだし……」

体力不足とはいえ、まあ問題はないだろう。
小さく笑みを浮かべて、窓の外に視線を遣って。

「……せっかち、ね……負い目?」

目を細める。

「常識的に考えて朗報の予感はしないけど……
 ……あー……その事件ってのも、僕、聞いて……いいの?」

         (また……鬱展開じゃないだろうな……)

やや躊躇いつつ、促す。
人が人を信じられなくなるのは――何かきっかけがある。恋姫はそう思う。

32『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 01:50:54
>>30
「『りたーん』、ええと、つまり、『見返り』ですな?
ううむ……畑泥棒の、見返りとは何でしょうな、
さっきも言いましたが、『金になる』とは到底思えませんし……」

『米原』は考えながら、『宗海』に釣られるように川に
視線を投げた。

「そうなんですがなァ、『悪戯』にしちゃあ『悪質』ですし、
あー……奴らも、こんなことする連中とは思いたくはないんですがね」

少し、苦しそうな物言いだった。
どことなく、『悪ガキ』二人を、糾弾しきれないような
『苦悩』めいたものを、感じさせる。

「しかしこりゃあ、れっきとした『窃盗』だ。
謝って済む問題じゃあないし……なにか事情があるのなら、
私らに『相談』してくれれば――」
「いや、それをしてくれるんなら、こんな事態には
なっとらんのですがね」

と――視界の端に、古臭い軽トラがトロトロと
川沿いの悪路を走ってくるのが見えた。
もう少しで、到着するようだ。

>>31
「そうだねえ、その『事件』は、さっきのお話に比べたら
特別大変なことじゃあないよ」
「でも、あの子達にとっては、同じようなことだったのかも
しれないね」

『トキ』は、記憶を辿るように、目を閉じた。
ゆっくりと語りだす。

「そうそう、確か『8年前』くらいかね、
あの子達が7つか、8つのときだわ」
「当時、裏山から『イノシシ』がたくさん下りて来て、
農作物を荒らしていた。人にも危害を
くわえるかもしれないっていうので、『猟友会』が張り切ってたもんだ」

「そんなときに裏山に遊びに出た『穂似子ちゃん』が、
罠にかかったイノシシを見つけてねえ。
まだ小さい、子供と言っても良いようなイノシシだった――」

ズズ

番茶をすする。

「そんで、一緒にいた『一吉』と一緒に、罠から逃がしてやってくれ、と
猟友会の狩人に頼み込んだ。
何しろまだ子供だし、ひどい怪我だったから、
狩るまでもないだろう、と狩人も思った」
「……それで、逃がしてやったんだそうな。
もし山で見掛けても、手出しはしない。そう約束さえした」
「穂似子ちゃんは家から出た『傷物』のニンジンや
ジャガイモをもらって、そのイノシシにあげようと
上機嫌で家に帰った」

トキは、小さく息をつくと、続ける。

「……その次の日、イノシシが一頭撃たれて『鍋』にされてねえ。
何しろ子供だったし、足に深い傷があったから――
穂似子ちゃんは、一目で気付いてしまった」
「イノシシは木陰を歩いていたから、狩人は撃つまで、
それと気づかなかったそうだけど……
そうは言っても、穂似子ちゃんと一吉にとっては
『裏切られた』、そう思っても不思議じゃない」

「しかも、村の大人たちは事情がよく分かってないもんだからねえ……
『害獣』が捕まったのに文句を言うとは何事だ、って
かえって二人を責めた」

誰が悪い――という話でもない、ほんの少しの『食い違い』。
だが、子供にとってそれは、自分の信じていた世界が
崩れ去るようなものだ。

「……それ以来、二人は私たちを決して頼ろうとしなくなった。
こじれた関係は戻らないままで、今まで来てしまった」
「でも、私はね」

トキは、悲しそうな笑みを浮かべた。

「それでもあの二人が『畑泥棒』なんてするとは
信じられないわ。せめて、『事情』を聞かせてくれれば……」

33宗海『エトセトラ』:2016/02/01(月) 01:53:41
>>32
>「しかしこりゃあ、れっきとした『窃盗』だ。
>謝って済む問題じゃあないし……なにか事情があるのなら、
>私らに『相談』してくれれば――」

言っても解らない問題というのは、
多かれ少なかれ、誰だって抱えているのだろう。
だから、それを口にはせず、視線はずっと流れる川に向けていた。

    「きっと、私や『恋姫』ちゃんのような、
     『外』の手が、事態を変えられます」

         「だからまずは、
          ちょっとだけ『驚かせ』ましょう」

『トラック』がやって来次第、『グロス』を喰わせた『エトセトラB』、
同様に『パウダー』を喰わせた『エトセトラC』、
『マニキュア』を喰わせた『エトセトラD』を作成し、
それぞれを手前の『出荷品』へと仕込ませる。
聞いた犯行と同じ、『大袋』の中に潜ませるのだ。

     「重要なのは、『再現性』です。
      もしも『愉快犯』でないのならば、
      より大きな犯行よりも、『一貫性』を求めるはず」

          「何故なら、『目的』があるのだとして、
           それを『満たす』為のターゲットを、
           狙い続けるという『心理』が働くからです」

>「しかも、村の大人たちは事情がよく分かってないもんだからねえ……
>『害獣』が捕まったのに文句を言うとは何事だ、って
>かえって二人を責めた」

     「――――そう、重要なのは『再現性』」

     「私達はか細い『弱者』である故に、
      『大樹』に寄り添い、『山嶺』を敬う」

     「私にとっては『社会』であり、『倫理』であり、
      『理論』や『法則』に、納得を覚えられる――――」

確信的な呟きを残して『民家』の影に隠れ、二人の到着を待つ。
『射程距離』が許すのならば、『集会場』へ移動する。
――――『射程距離』と言えば、『恋姫』に追従して離れていく『エトセトラA』は、
ひとまずは捨て置いて置く。『恋姫』自身に特別な『指示』を出したりもしない。

34稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 01:54:27
>>32(GM)

「……」

     ズズ

やや伏し目がちに、番茶を啜る。

       ・・・
           ・・・

「……昔より、悪くなってんじゃん。
 べつに……誰が悪いとかじゃ、ないけど……」

      「……」

事実は伝承より奇なり。
何が悪いのだろう? 何もかも悪いのか?

            ・・・・今はそれより。

「……そいつらがやったって、決まったわけじゃないんだろ。」

         「……捕まえてやる。
          僕……鬱展開は、嫌いなんだ。」     

老婆の悲しそうな顔は見たくない。
目を細めて、顔を上げる。

          キュ

懐炉を手に取って、席から立ち上がる。聞く話は聞いた。
番茶の残りを、飲み乾して。

         コト

「……社、見に行ってくるよ。
 トキさん……お茶と、話……ありがとな。」

リュックサックを背負い直して、『トキ』にそう告げる。

       「……上手くやるよ。
         コンティニューはないんだから……」

『宗海』は止めるだろうか? 
だが、彼女に言われたことはした。あとは上手くやるだろう。

35『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 02:00:06
>>34
>「……そいつらがやったって、決まったわけじゃないんだろ。」

>         「……捕まえてやる。
>          僕……鬱展開は、嫌いなんだ。」 

「…………ありがとうね」

『トキ』はそう言って、静かに茶を啜った。

「気をつけて、行ってらっしゃい」

トキに見送られ、『稗田』は集会所を出る。
『社』のある裏山を目指し、歩を進める……

歩くこと『3分』、裏山の入り口へと差し掛かった。
『登山用』に整備された『行楽』のための山と異なり、
地元の人間、それも一部しか利用しない『参道』だ。

踏みしめられた道には、『荒縄』が
『命綱』のように用意されている。
これを握って登れ、ということなのだろう。

>>33
>    「きっと、私や『恋姫』ちゃんのような、
>     『外』の手が、事態を変えられます」

>         「だからまずは、
>          ちょっとだけ『驚かせ』ましょう」

「……そうですな」

『宗海』の言葉に、米原は素直にうなずいた。
やがて『軽トラ』が到着し、
予定通りに着々と『準備』を済ませる。

「いやァ、さすがに『乙次さん』が
言ってた通り、『手際』がよろしいですな」

『軽トラ』に乗ってきた男――米原に似ている、
兄弟か親戚、といったところだろうか――が、
感嘆の声を上げた。

「『再現性』――ですか?」

宗海の呟きを理解できなかった米原が、
不思議そうな声を漏らした。

『射程距離』から言って、集会所に戻るのは問題なかった。
留守中に『稗田』が出て行ったことについて、
米原は怪訝そうな顔をしていたが……
ともかく、後は――『バス』の到着を待つだけだ。

36稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 02:02:48
>>35

     ・・・・

         ・・・・3分後。

恋姫は入り口の前で立ち尽くす。
寒さでやや赤らんでいた頬は、真っ白になっていた。

「……まじで?
 思った以上にハードなやつ……」

     ガシ

          「つめたっ……」

荒縄を掴む小さな手。
おっかなびっくり、『参道』を進むこととする。

「…………」

(これ……えひ、アクションゲームの主人公でも、落ちたらやばいレベルだよな……)

危険な道だが、まあ、やるしかない。
強制スクロールではないが、後に引く道もないだろう。

                    ・・・・万一が無いことを、祈る。

37『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 02:03:43
>>36
ガッ… ガッ… ガッ… ガッ…

一歩一歩、山道を踏みしめながら登る『稗田』。
参道は『急峻』ではあるが、一応は『道』の体裁を保っている。
『滑落』の危険は少ないだろうが……しかし、
華奢な稗田にはかなり厳しい道程だ。
それでも、何とか登ることおおよそ『15分』。

…………ヒョォオ――z___ッ

相当『疲労』したが……山の中腹に到着した。
そこは体を落ち着ける『平坦』な場所であり、
山肌から吹き下ろす風が暫し留まっては、
積もった『落ち葉』を巻き上げ、散らしている。
『荒縄』は、その奥へと伸びているようだ。

38稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 02:04:54
>>37(GM)

…………ヒョォオ――z___ッ

「……」

    ハァーー

           ハァ――

                「え、えひ、セーブポイント……」

     ペタン

腰を下ろし、足を伸ばす。
これでようやく、中腹というところか。

             ・・・・体力はまだ残ってはいる。


(時間制限も……あるにはあるし……
 えひ、まじでハードなルート選んじゃったな……)
 
           (これがゲームなら……
            ハードモードの先には報酬があるが……)

   ハァー       ハァー

疲労に値するだけの何かが、社にあるか、どうか。
まあ何もなければないで、それは確認になるけれど。

        ハァー ・・・

「……」

            スク

(……まあ、出来るだけ……急ぐべきだわな。
 ゲームじゃないが……時間かけ過ぎて折れるフラグもある……)

       オォォォ

スタンドを発現。
社に近付けば、いざということがあってもおかしくない。

「えひ…………
 がんばれがんばれ恋姫……」

            ガシ

          ・・・・立ち上がり、荒縄を掴んで、道の奥へ進もう。

39『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 02:05:42
>>38
荒縄を掴み、歩を進める……と、すぐに気付いたことがある。
足元の『落ち葉』が、既に何者かによって『踏みならされ』ている。

それによって、落ち葉に埋もれていたと思しき『石畳』が、
目に見える状態になっているようだ。

――――

『蔦』の絡まった『鳥居』を抜けた奥には……
古い、『壊れかけ』の『社』があった。『岸壁』に寄り添うように建てられている。
傍らには、『石造り』の『像』がある。『子供』を象ったもののようだ。
石は奇妙な『質感』を持っている……周りの『岩壁』とは明らかに
異なる材質であることが、詳しくない『稗田』にも一目瞭然だ。

社は相当『年季』を経たもののようで、すっかり色褪せてしまっている。
……だが、『扉』だけは、『奇妙』なことに
鮮やかに色付き、まるで時の経過を感じさせないかのようだ。

『…………』

――ふと、
稗田は、誰かの『声』を聞いた気がした。

40稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 02:06:12
>>39(GM)

(踏んだ跡……誰か来たのか?
  ……えひ、我ながら推理ゲーみたいな発見。)

         フゥ
                フゥ

鳥居を抜けた。人形のような顔の額に汗。
壊れかけの社。どこか伝奇的な風景。

    キョロ    キョロ

       (あれが例の……像か。
        お石さまで作ったとか、いう……)

社の傍らの、鬼っ子であろう像。
奇妙な材質は気になるが、今はそれより。

 (しかし……まじで、漫画みたいな場所。
    ……ん? なんだあの扉……えひ、まさかいきなり――)

         ピク

             「――!」

『声』――恋姫は立ち止まり、耳を澄ませる。
近くに隠れられそうな物陰はあるだろうか? あれば素早くそこへ。

また、スタンドの視界で、後方も警戒しておく。
不意打ちされればどうにもならない。

            (今度はステルスゲーか……?
              えひ、大盤振る舞いステージだな……)

41『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 02:06:43
>>40
ド ド ド ド ド ド ド ド

突然の『声』に、辺りを見回す。
幸い、ここは山中。『落ち葉』が積もっていることからも
分かるように、周りは『林』だ。そのうちの、
比較的幹の太い木陰に隠れる……

ドギャンッ

その上で『ブルー・サンシャイン』の視界も使い、周囲を警戒する『稗田』。
だが、視界内に動くものは見当たらない。

『………………いで』
『お……………さい』

『声』は、岩壁に反響して聞こえてくるが、
意識を集中してよく聞くと、『社』の方から発されているように感じ取れた。

42稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 02:07:40
>>41(GM)

     ジ ィ ――― ・・ ・

木陰に隠れ、様子を伺う恋姫。

「…………」

    (……あっちから……いや。
      あの、中からか……? 声……)

ここからでは聞き取れない。
周囲をスタンド視界で警戒しつつ、林から抜け出す。

(……乗り込むのはNGだ。
 そもそもあの扉が……『伝承通り』なら……)

             ソロォ 〜

               ・・・・ゆっくりと社に近付く。
                   深追いも危険だが、証拠は得たい。

43『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 02:08:59
>>42
林から出て、ゆっくりと『社』に近付く。
それに従って、徐々に『声』は鮮明になる。

『……………おいでください』
『おはいりください』
『……………おいでください』
『おはいりください』

近付くと、はっきり分かることがある。
声は、明確に『扉』から発せられている。

『……………おいでください』
『おはいりください』
『……………おいでください』
『おはいりください』

……声は絶え間なく続く。
『稗田』は、『トキ』から聞いた『伝承』を想起する……

『……………おいでください』
『おはいりください』
『……………おいでください』
『おはいりください』

――さて、どうしたものか。

44稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 02:09:44
>>43(GM)

聞こえてくる声は、まるで儀式――
あるいは、気づかれてでもいるのか?

「っ…………」

      (今度は……ホラーかよ……)


    ドクン

          ドクン


(この声。……僕に言ってんのか? えひ、まさかな。
  タイミング的に考えて…………ずっと言ってんのか……?)

           (いやなフラグが立ってきやがったな……)

伝承上の社の扉。
『招かれた者』は入る事を許される――

            ・・・・招かれたのか?

「…………」

(開けたら即エンド……ってことないよな……?
 なさけむよう……なんて、現実でやられても、困る……)

          (…………がんばるか。
           よーやるぜ、僕も……ひゅーひゅー……)

     ゴク

           目をぱちくり。
             動悸を自覚する。
               ・・・・扉に手を伸ばす。

45『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 02:10:52
>>44
『……………おいでください』
『おはいりください』
『……………おいでください』
『おはいりください』

稗田の考えを裏付けるように、どこか『機械的』に
繰り返される『声』。何度も聞くうちに、その声に、
先ほどまで『エトセトラ』を通して『宗海』と交わしていた
『スタンド会話』に近いものを感じた。

そして、『扉』に近付く……すると、扉の『奥』に、
もう一つ、『朽ちた』扉があることに気付く。
手前の『鮮やか』な扉に手を伸ばし……その瞬間、
視界が『真っ白』になった。
それと同時に、触れた瞬間、君は扉が『スタンド』であることを理解する――

『……………おいでください』
『おはいりくだsssssssssssssss――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――


『声』が遥か後方に流れ去っていく感覚がある。
真っ白に染まった世界が、中央から少しずつ形を成し始める。
足元の感覚に、違和感を覚える。……先ほどまで
『石畳』の上にいたはずだが……今立っているのは『畳』の上だ。

『よくお越し下さいました』
『そのまま……楽になさっていて下さい』

『声』が聞こえる。先ほどまでのものとは異なり、
人間的な、自然さを感じさせる口振りだ。

46稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 02:11:38
>>45(GM)

「――――――――!!?」

        ・・・・

            ・・・・

「なん、だ……ここ……?」

気づけば畳の上。
そして、声……繰り返しではない声。

    キョロ

「社の中か……? え、えひ……
 『ゲームオーバー画面』じゃないだろうな……」

         「コインいっこなら……
           持ってるけど……えひ。」

周囲を見渡す。
この『声』の主らしきものは見当たるだろうか?

 「…………」

(敵って感じの雰囲気じゃない……よな?)

                ストン

小さな腰を下ろす。
『ブルー・サンシャイン』は――傍らで待機。

         キョロ

    「……僕を呼んでたのか?
      誰だか知らんが……事案になるぜ……」

             「……」

間違いなく、不可思議な存在には違いないだろう。
スタンド会話――もしここに本体がいるなら、それを使う必要がない。

                  ・・・・恋姫の表情はこわばる。

47『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 02:14:22
>>46
腰を下ろす。極めて普通の『畳』だ。
白く染まっていた視界が、ようやく完全に開ける。

そこは、『四畳半』ほどの小部屋だった。
窓はないが、どこからか柔らかい光が差している。
部屋の中は、ほのかに暖かい。
右手側には机があり、部屋の右隅には『押入れ』が見える。
……人影は、見えない。

『貴女を――いえ、この『声』が聞こえる方を
お待ちしておりました』
『……あの『二人』のように』
『私は害をなすつもりはございません、どうか気を安らげて下さい』

声は、稗田の頭に直接語りかけるように響いてくる。『女性』の声だ。
と――周囲を見回した稗田は、部屋の左奥の隅に
何かが整然と積まれていることに気付いた。
『袋』か何かのようだ。
更に、机の上に何やら『本』が数冊置かれているのも目に付いた。

48<削除>:<削除>
<削除>

49稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 02:16:20
>>47(GM)

      オォォォーーーーォォ ・・・

  ボボ   
        ボ


     ・・・・ヴィジョンから噴き出す青い炎が弱まる。

「……無害ならいいんだけどな。」

(……この部屋自体スタンドか……?
 じゃなきゃ、和風ファンタジーの世界だわな……)

           (罠とかはなさげだが……)

        チラ

意味深な袋。そして、『あの二人』という言葉――
十中八九、犯人は確定している。

      (……まあ、分かってたことだ。
        しかし、二人そろってスタンド使いか……?)

謎の声は姿を見せない、が、敵意が無いのは何となくわかる。
黒衣から漏れ出る鬼火は、消えないながらも弱いままを保つ。

「RTAしてるわけじゃないけど……
  状況的に、のんびりもしてられないし……」

       チラ

わざわざ人を待つには、目的があるのだろう――

「……何か、してほしいことでもあんの?
  『握手』ならCD買ってくれなきゃ……だけど。えひ。」

それを聞きたい
目をやや細めて声に答えつつ。

「それか、あれか……?
 漫画のキャラ強化イベ的な……なんかくれるやつ……?」

絞られた桜色の視線を、机の上に動かして。

          (……なんだ、本?)

                  ・・・・謎めいた『本』に手を伸ばす。

50『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 02:17:31
>>49
『してほしいこと…………勿論、お話しします』
『この扉を通られた方には……みな、同じことを
お願いしているのですが……』

『稗田』は本に手を伸ばす。……何の変哲もない、現代の書籍だ。
一番上が『古語辞典』、二番目は簡単な『医学書』だ。
『応急手当て』の方法をレクチャーするもののようだが……

『その前に、そちらの『押入れ』をご覧下さい……
それから、ご説明いたします』
『申し訳ありません……今の私には、小さな戸を開けるほどの力も、
遺されてはいないのです……どうか、あなた自身の手で、お開け下さい』

『声』はそう言った。
先ほどから……声の主の姿は見えない。

『のんびり』してはいられない……そう口にしたとき、ふと気付く。
この部屋には窓もなく、時計の類も存在しないことに。
ここに入ってからどのくらい時間が経過したのか、
それを『判断』する材料が、この部屋には無いのだ。

51稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 02:19:18
>>50(GM)

「…………」

  フイ

普通の本……らしい。
恋姫は、視線を押入れの方に向けて、手を引っ込める。

「……誰でもいいから、ってやつ?
 まあ、僕も……選ばれしものってガラでもないわな……」

                   「……えひ。」

スタンド使いなら無差別に――
ということは、そうそう、厄介な話ではないのだろう。

「押入れぇー……か。
 あんまいい予感、しないけど……危険はないよな?」

          グイ

押入れに体を向けて。

(しかしこいつ、なんなんだ……?
 鬼っ子……じゃ、ないよな。伝承的に考えて……)

    (つーか……時間、今何時だ……?
      そもそも……ここ、時間……ちゃんと進んでるよな?)

逆らって、ここから出られる保証はない。
時間すら曖昧な、謎めいた空間――その主もまた、謎めいている。

    「…………んじゃまあ。
      オープン、っと…………頼むぜほんと……」

          スィ 

               ・・・・押入れの戸を、開いてみよう。
                   半目気味で、スタンドの掌を向けつつ。

52『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 02:20:07
>>51
『危険は、ございません……何も』

スゥー…………

ゆっくりと、押入れを開ける。
そこには、『布団』が敷かれていた。誰かが、その中に横たわっている。
サイズ的には『子供』のようだが……

『……その『子』を救う方法を見つけることと、この『部屋』を保つこと』
『それが、私が『ここ』にいる理由の全てでございます』

声は、そう語る。

時間が進んでいるかどうか、疑問を抱く『稗田』。
だが、この部屋の中にはやはり何の判断材料もない。
稗田自身の持ち物から、何か『時間』を表すものをチェックしてみても良いだろう。

53稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 02:20:47
>>52(GM)

「えひ、なら……いいんだけど……」

スゥ ――― 


          「……!」

押入れの向こう、布団。
横たわっている何者か――

            パチ

「……生き物、かこれ……?
 ……隠れて飼ってるペットって空気でもないわな……」

恋姫は目をぱちくりとさせる。

    「押入れの中に寝かせんのは……
      どうなんだ? 衛生的に考えて……」

            「……埃っぽくはないけど……」

そもそも、誰なのだろう?
それは今から説明があるのだろう。

          ゴソ

「『救う方法』……な……
 僕もハッピーエンドが望みではあるが……」

     「これ……布団、めくっていいのか?
       そういうのはNG……? むしろ推奨……?」

ポケットからスマホを取り出す。
現在の時間は、問題なく確認できるだろうか?     

                ・・・・布団はまだめくらない。

54『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 02:26:45
>>53
『万が一にも『灯り』で『刺激』を与えないように、と思いまして……
この中にいれば、『時』は経ずに済むにしても――』

押入れに寝かせているわけを、『声』が説明する。
『稗田』は、スマートフォンを取り出し、時間を確認する。
……時計は、『動いていない』。『一秒』たりとも。

『――何しろ、ひどい『深手』なのです……
私にも、『あの人』にも、手の施しようがなかった』
『それでも……まだ、息をしていたのです。
諦めるわけには、行きませんでした』

声に、『悲痛』な響きが混じった。
ちなみに……衛生面を心配する稗田だが、『押入れ』の中、
というよりこの『部屋』の中は、極めて『清浄』な空間のようだ。
先ほどから、『埃』一つ見受けられない……比較的、
年季の入った『和室』のように見えるにも関わらず、である。

『どうぞ……お確かめください。
ただ、丁寧に、お願いいたします……』

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
『私たちの大切な子……なのです』

布団をめくることは、構わないようだ。
……稗田は、どこか『予期』するところがあるかもしれない。
声は、『私たちの子』といったきり、黙してしまった。
部屋に、沈黙が流れる……

55稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 02:28:41
>>54(GM)

時間が進んでいないことを確認する。
これは、ある意味予想通りだ。とはいえ、衝撃はあるが――

      ピク

それ以上に。

「……お前らの……子ども……」

            「……なるほどな。」

     ォォ オオオオ 

スタンドの青炎が揺らめく。
恋姫は――察しつつあった。

          ・・・・烏面は黙して語らない。

 (事件……伝承のリフレインだと思ってた、けど……
    違う……まだ、エンディングは来てなかったんだ……)

           (ずっと……同じ話の、続きなんだ……)

清涼な空間。
時は、いつから止まっているのだろう。

       (……じゃあ、だぜ。)

(この部屋は…………何百年、あるんだ?
  常識的に考えて……どうなってんだ、こいつの精神力…………)

     ブル

          「……」

大切な、子。本来スタッフロ―ルも流れているはずの物語。
それを遮り続ける揺りかごだというのなら――

「……親ってのは…………………………」

        「……」

恋姫は頭を抱えて。
いくらかの沈黙のあと。

        「ああ……くそっ。」

    ワシャ

髪を掻いて。
それから。

「僕は……知らないからな……!
 僕が……バッドエンドのフラグでも…………くそ、くそ。」

       ・ ・ ・ スル

          ――布団を、ゆっくりとまくり上げる。

56『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 02:29:12
>>521
布団を、めくる。
『金色』が、目に入った。絹糸のように細い、金色の髪。
額の上で、綺麗に二つに分けられている。
剥き出しの額には、真新しい『包帯』が 巻かれている。
少々拙い巻き方だが、同時にとても『慎重』に巻かれているのが分かる。
包帯に添えられた『ガーゼ』の端から、深い『傷跡』がはみ出しているのが見える。
肉を裂いたそれは――『骨』を露出させたところで止まっている。

『…………あのとき、『猟師』の方は、斧を振り下ろす間際に、
相手が『子供』だと思い返したのでしょう』
『ほんの少しだけ、『躊躇い』が出来たのです。
だから、この子は『骨』を割られずに済んだのだと、私は思います。
それでも……目覚めないままには、変わりありませんが』

『社』で見た『石像』に、少しだけ似た幼い顔。
まるで死人のように『青い』肌。

『私は……この部屋を保つために、心の力を使い続けました。
弱りきった私の身は、流行病に罹って亡んでしまいましたが』
『……心は、今もここにあります。この『時のない』部屋に、この子とともに』

そう――この子は、『鬼っ子』だ。

57稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 02:30:48
>>56(GM)

「ああ……くそ……
 母は強しってか……良い事だよ、ほんとにな……」

           ハラ

めくられた布団――

     「……!」

絹糸のような金色の髪。
遥か昔には、『鬼』と見紛われたのだろうか――

「……う……わ…………」

目を細める。
見る覚悟はできていたが。

   フイ

       「…………」

傷跡から目を逸らす。
死体を見たことはあっても――こうも間近で『骨』を見るのは。

「ぜんぜん……『鬼』じゃ、ないじゃん……」

        「普通の……
          子供だ…………」

   ボ ボ ボ

火勢が、静かに揺れる。
……布団を直す。何もしてはやれない。

    「…………」

声の『主』はもはや、いない。
それは分かるが、天井に目を向けて。
 
「……こんなの……どうすりゃいいんだ。
 僕の『ブルー・サンシャイン』はゲームじゃない……」

          「……出来ないことの方が多い。
            ましてコインいっこで、蘇るもんでもないだろ……」

   ユラ

青炎が小さくなり、露になる黒。
帽子に、黒衣、ペスト医師の仮面。かっこいいだけだ。

「……どうすりゃいいんだ。
 えひ、 『霊薬(エリクサー)』でも……持って来いってか……?」

部屋に積まれた『袋』に、再び視線を遣る。

         「…………それか、食い物か……?」

状況的に考えて、畑荒らし事件の真相は、そういうことなのだろう。

                ・・・・立ち上がる。

58『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 02:59:23
>>57
『あの人には――悪いことをしたと、思っております。
きっと、村を出たのは、この子を何とかして『治す』手立てを
探してのことでしょうから……』

『許婚』のことを指してか、『声』は呟いた。

『ええ……普通の、子どもです。
それが『鬼』ともなるのが、『憎悪』と『恐れ』というもの、
なのでしょうか』

声が、翳る。
部屋の中に差し込む柔らかい光が、一瞬影を帯びた。

『……あの二人の『手当て』と、『食べ物』で、
少しだけ、この子の顔色が良くなったように感じました。
すり潰して、少しづつ、息の詰まらぬよう飲ませてあげるばかりですが、
時のないこの部屋では、いくらでも食べさせてあげられます……』

この調子では、『食べ物』の『入手先』は、
聞いていないのだろう。
声は、少しだけ明るいトーンになったようだった。

『もう発たれるのですか?
もっとも、ここでは何もかも『瞬きの間』ですが――
私は、こう思うのです』
『あの二人の持ってきた『医書』は、私には到底
わからない方法を用いていました。
もし、貴方のいる時の『医術』が、より良いものであるなら、
この子を『外』に出せば、あるいは――目覚めさせる術があるやも、と』

そのトーンが、再び翳る。

『そう二人にも相談してみたのですが……
「村の大人は信用できない、オイラ達のことなんて信じちゃくれない。
山から下ろしたら、どうなるか分かったモンじゃない」と、その一点張りで……』
『私も、恥ずかしながら……外界の人々が怖ろしいのです。
またこの子に何かあれば、もう、『魂』だけの私では、どうすることもできない……』

59稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 22:39:06
>>58(GM)

「…………人は……
 自分と違うと……すぐ、攻撃したがるんだ……」

           「……くそ。」

    ボ!  ボ 
            ボ!!

心の炎が揺れる。

今、食べ物の『入手先』――言えるか?
宗海なら言えるのだろうか? 少なくとも恋姫は……無理だ。

    (余計な事言って……
      それこそ、誰得だ……)

              (……どうしろってんだ。
                ……どうって、一つしかないわな。)

いや、選択肢は一つしかない。
それを選びたくないものが、多いというだけで。

        だから。

「さっきも言ったけど……
 僕の力は……出来ないことの方が多い。」

視線を『子ども』に向ける。

「……こいつ担いで山降りるとか、ハード通り越してむりゲーだ。」

山道は険しい。
帰りとて、それは同じだろう。

「だから……外の誰かを、人を呼んでくるしかない……
 選びたくなくても、選択肢が一個しかないなら……やるしかない。」

        「状況的に考えて……」

恋姫だけが今、事件の真相を知っている。
つまり恋姫だけが――ここに誰かを呼ぶことが出来るのだ。

(やっぱ……僕がフラグなんだぜ。
 こいつらを……ハッピーエンドにするための……)
 
「僕は……人、呼んでくるからな。
  何かあったら……ああ、僕が……守ってやる。」

流石に、見殺しなんて選択は、出来ない。
子どもに何の罪がある? 髪や目の色が違うだけの子どもに。
ヒーローぶるわけなんかじゃあない。

(そうしなきゃ……僕が嫌なんだ…………くそ。)

           ゴ  ォォ ・・ ・ ・
 
                 ・・・・止められないなら、この空間を出る。

60『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/01(月) 23:40:48
>>59
『稗田』が考える通り、この山道は、ほとんど『切り立った』といっていい険しい道のりだ。
痩身の稗田では、とてもではないが、『鬼っ子』を担いで
下山することは出来ないだろう。
応援が、それもこの道に慣れた者の力が、必要だろう。

 
>「僕は……人、呼んでくるからな。
>  何かあったら……ああ、僕が……守ってやる。」

『……どうか、よろしく、お願いいたします。
私には、心から外の人々を信ずることは出来ないかも知れません。
でも、あの二人や、あなたも、この子をもはや『鬼』とは呼びません。
あなた方の生きる『時代』が、そういう人々がいる『時』であることは、信じています』

『そしてきっと、それが、この子を救う、一番の道であると……
そう、信じています』

『声』は、止めない。
稗田は『扉』を開き、外へ出る――

光が体の周りを通り抜け……気付くと、稗田は『社』の前に立っていた。
扉を通る前と何ら変わらない風景がそこにはある。
ただ、誘うような『声』は、もう聞こえてはこなかった。

行かねばならない。
何しろ、『仕事』は、これから始まろうとしているのだから。

61稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/01(月) 23:52:33
>>60(GM)

「………………」

もはや聞こえない声を背にして、社の前に立つ。
これからすることは……恋姫の得意ではないことだ。
 
            ・・・・だが、今ばかりは、やらねば。

「……くそ。」

(大見得切ったけど……
  僕がどっちのフラグかは、これからだ……)

村の人々は閉鎖的極まる。本当に助けを借りられるか?
そして――『二人』は、恋姫のやることを邪魔するだろう。

        オォォォ ―― ――― ・ ・ ・

4mほど浮遊させたスタンドの俯瞰視界で周囲を警戒。

(とりあえず……宗海には、言っとかないとな……
  ……それから……トキさんには、どうするかな……)

          (難しすぎんだよ……現実、ゲームより……)

特に危険がなさそうなら。
来た道を戻り、『集会所』へと帰りたい。
 
            ・・・・来た道とはいえ、最大限気は付けよう。

62『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/02(火) 01:14:18
>>61
『ブルー・サンシャイン』の視界で周囲を確認する。
特に危険そうなものは捉えられなかったため、
来た道を戻ることにする『稗田』。

『行きはよいよい、帰りは怖い』とでも言うべきか、
急勾配の『下り坂』に悪戦苦闘し、行きより少しばかり時間を食いつつも、
どうにか『集会所』の前まで戻ってくることが出来た。

どうやらまだ『時間』ではないようで、
集会所の窓越しに、『米原』や『宗海』、『トキ』の姿が見える。

>宗海
「……いやあ、それにしても、一体どういう考えがあってか知りませんが、
華奢なお嬢さんがあの『裏山』に向かうとは驚きですわ……」

『集会所』の中で、時を待つ『宗海』。
『米原』は稗田が裏山に向かったと聞いて、
少しばかり心配そうにしている。『危険な道』なのだろうか。

「おや……帰ってきたみたいだよ」

窓の外を見ていた『トキ』が、呟いた。
確かに、『稗田』に姿が確認できる。
だいぶ『疲れている』ようだが……

『バス』の到着までは、あと『4〜5分』ほどだ。
何か『会話』を交わすなら、今のうちだろう。

63稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/02(火) 01:36:44
>>62(GM)
>宗海

  ハァッ 

           ハァッ       

「…………」

      「ゲホッ……ハァ、うぇっ……」

『二人』を捕まえるのは『別件』で必要だ。
どんな理由があれ、盗みは事実。

          ・・・・それより。

「え、えひ……ただいま……」

        ハッ    ハッ ・・・・

   (……まだ来てないかんじか。
      ぎりぎり……タイムアウトじゃない……?)

          (いや……別にあいつらは捕まっていいか……)

膝に手をつき、呼吸を整える。
意識を、スタンド側に傾ける。

    オォォォ ーー ・・・・

≪……宗海……宗海。≫

「ちょっと……座らせてもらうぜ……」

           スゥー    ハァー   


≪社、だ……山の社に、けが人の……子どもがいる。
  伝承通りなんだ……時間の進まないスタンドの部屋で……≫

      ≪そこに……食料、届けてんだ……
         でも……ゲームじゃないんだ、飯じゃ怪我は治らない……≫

                ≪医者に……病院に、そいつ、連れて行かなきゃ…………≫

疲労でまとまらない思考だが……要点は伝えたい。
やや早口気味になるが……聞き取ってくれるだろうか。

               ハァ    ハァ

                     ゲホッ   ゲホッ

64宗海『エトセトラ』:2016/02/02(火) 22:01:21
>>62
「『ピクニック』って道のりじゃあ、
 ……なさそうみたいですね」

心配そうな『米田』に反し、しれっとした表情のまま応える。
多少は汗を掻くのが『スタンド使い』という『強者』の義務、
お茶でも飲みながら平然と『時』が来るのを待つ。

>「え、えひ……ただいま……」

    「あら、遅かったのね」

息継ぎの合間に零される『報告』を耳にしながら、
その表情は剣呑さを増していく。

>≪医者に……病院に、そいつ、連れて行かなきゃ…………≫

    ≪ちょっと、いいかしら?
      ……そのケガって、額に『斧』が刺さったことでしょう?

      外に出たら、一気に『時間』が流れるわ。
      山道をえっちらおっちら登って来た『救急車』で、
      市内の病院を『タライ回し』にされたりなんかしてたら、
      その『子ども』は間に合わないわ。『免疫』だって怪しいもの≫

『伝承』という不確かな『ソース』が重要視されるからこそ、
『時間の進まない部屋』、『ケガ人の子供』、この二つのワードに着目する。
『空想』と『現実』を切り離し、確かな情報だけを吟味する。

    「……そろそろ、時間のようですね。
     そうね、仕掛けた『トラップ』次第では、
     軽い手傷を負うかも知れませんね。最近は『夜』も暗いですし」

           「この付近、『町医者』や『病院』はあります?
            『万が一』ということもありますので、
            出来れば『手配』を頂けますかしら」

65『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/03(水) 01:54:02
>>63
「ほら、これ飲みンさい」

コト…

『稗田』に、『トキ』が湯呑みを勧めてくる。
適度にぬるくなった『番茶』のようだ。

『宗海』に、手に入れた情報を伝えた。
ひとまず、情報の『共有』は果たしたことになる。

>>64
「大の大人でも、好き好んで登るとこじゃありませんよ」

『米原』は、渋い顔だった。稗田の行動は、今回の仕事とは一見『無関係』だ。
その辺りに違和感を覚えているのかも知れない。

「医者ですか?それなら、この村には『診療所』があります。
中央の方の『大学病院』から、お医者様が『派遣』されとりましてね」
「今のお医者様は、元々『ご先祖』がこっちの出身ってのもあって、
だいぶ懇意にしとりますから、『一報』入れとけばすぐに駆けつけると思いますが……」

米原はそこで一回言葉を切ると、真剣な目で『宗海』を見た。

「あんまり、『物騒』なことにはならんのでしょう?
いや、やり方はお任せしとりますが、一応、ね」

そう言ってから、携帯電話を取り出す『米原』。
連絡を入れておいてくれるようだ。

66稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/03(水) 03:07:54
>>65(GM)
>>64(宗海)

「ああ……悪かったな……
  とんだ…… ハァ、アクションステージだったぜ……」

     (ドライな奴……)

宗海に返す。
ねぎらいの一つは期待していたが、まあ自分の勝手な行動だ。

     ゴク

          ゴク

「ぷは…………」

「えひ……ありがと、トキさん。」

     ・・・・息はまだ整わない。

   フゥ
          フゥ


≪…………そう、斧の傷跡だった。
  理解早いな……伝承通りだから……時間?≫

          ≪あ……そうか……
             今は、傷、塞がってたけど……
               あー…………見えてたしな、その……骨……≫

あまり愉快な内容ではない、が。
見た物で、伝えるべきもの伝えるべきだろう。

≪あと……そうだ、例の二人……スタンド使いだ。
   ……社から聞こえる声……
    ……スタンドの声が、聞こえてたって……≫

              ≪……その声の主が、そう言ってたぜ。≫

現象が現象、どうしても説明は『信ぴょう性』を欠く。
が、伝えられるだけのことは伝える。『宗海』の頭脳は恋姫にはない。

            ・・・・そして。

「…………」

       コク   コク

お茶の残りを飲み乾す。

「……えひ……まあ……
    スタミナは…… ゲホ 、万全だし……」

           「……そろそろ、か……
             宗海、罠はどんな感じなの……?」

スタンドパワーには、まだ余裕がある。
恋姫の『ブルー・サンシャイン』は色々なことは出来ないが……荒事には強い。

                ・・・・傷は負わせかねないが。

67宗海『エトセトラ』:2016/02/05(金) 01:15:30
>>65
「それなら、大丈夫そうですね。
 ええ、よろしくお願いします。……さて」

『グロス』を喰わせた『エトセトラB』、
『パウダー』を喰わせた『エトセトラC』、
『マニキュア』を喰わせた『エトセトラD』、いずれも配備している。
しかし、『スタンド使い』が相手と解れば、もう一つ用意しなければならない。

『エトセトラE〜N』を『軽トラック』に向かわせ、後輪の影に隠す。
『エトセトラO〜U』を『軽トラック』の『荷台』へ隠す。
それさえ済めば、後は『待つ』だけだ。

         「罠は、出来たわ。
          ――――『米田』さん、あの『軽トラック』ですけど、
          『ダンプ』機能はございますか?」

『ダンプ』、簡単にいえば『荷台』を傾かせる機能だ。
『廃棄物』や『土砂』の投棄に用いられ、『農業』や『建築業』で重宝される。
『リモートコントロール』によって、荷台を操作する機能も『ダイハツ』で活用されている。
ttp://torakujp2011.blog.fc2.com/blog-entry-216.html

          ≪それは、一番重要な『情報』よ。
            子ども二人が、大人を頼らないのも当然ね。

            自分達の『スタンド』で、何とか出来ると思っているから≫

68『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/05(金) 19:35:47
>>66
『宗海』と言葉を交わす『稗田』。どうやら、準備は着々と進んでいたようだ。

「落ち着いたかい?」

空になった湯呑みを回収しつつ、『トキ』が声をかけてくる。

>>67
『稗田』と言葉を交わす『宗海』。

「ええ、ありますよ。『罠』に使うんで?」

『米原』が、答える。どうやら『宗海』の想定通りに
『策』を行う状況は整っているようだ。

>ALL
「――そろそろ、『巡回バス』が着きますな」

『集会所』の掛け時計を見上げ、米原が言った。

「移動せんでも大丈夫そうなら、そうしますが、
車、使うなら、いつでも言って下さいよ」

69宗海『エトセトラ』:2016/02/05(金) 22:41:12
>>68
「じゃあ、布陣を説明しましょう。
 私の仕掛けた『罠』で『逃走経路』に追い込み、
 泡を食って逃げる二人を、『恋姫』ちゃんが『迎撃』する」

以下のような『位置取り』を説明する。
『宗海』は『民家』の影に隠れ、『トラック』を見張る。
そして、二人に『罠』を発動させ、『裏山』へと追い込む。
そこを『恋姫』が迎撃し、二人を『捕獲』する。……そーいう戦略だ。

     ≪二人の相手、まずはお願いするわね。
       『裏山』を一人で歩くくらいですもの、
       『鎮圧』なんてことも、十分出来るのでしょう?≫

それさえ伝えれば、後は『待つ』だけだ。
『米田』からトラックの『ダンプスイッチ』を借りる。
もしかしたら、『キー』に付属するタイプかも知れないが、
その場合は『キー』も一緒に借りてしまう。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■□□□□□□□川□□□□□□↑裏山□■
■□□家家家□□川□□□□□□□|□□■ ※印はすでに被害にあった田畑
■―――――――=――┐□□□栗|鎌□■ ◆は現在地(集会所)
■□田田田□※※川※※|家□家□|□□■ 家は民家。鎌は『鎌田家』、栗は『栗原家』。
■□田田田□※※川※※..ト――――/□□■
■□□□□□※※川※※|※※※□□□□■
■□□□□□※※川※※|※※※□□□□■
■□家□家□※※川※※|※※※□□□□■
■―――――――=――┼恋――――――■
■←隣町□※※※川畑畑|◆◆□□他区→■
■□□□□※※※川畑畑│□□□□□□□■
■□□□□※※※川畑畑|家宗□□□□□■
■□□□□□□□川□□車□□□□□□□■
■□□□□□畑畑川畑畑|□□□□□□□■
■□□□□□畑畑川畑畑│他区□□□□□■
■□□□□□畑畑川畑畑|↓□□□□□□■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

70稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/05(金) 23:21:11
>>68(GM)
>>69(宗海)

「うん……落ち着いた。
  ……ちゃんと、捕まえるから。」

椅子から立ち上がる。
身体的スタミナも、ある程度は回復したはずだ。

          ・・・・位置取りを確認。

「えひ……シンプルでいいな……
 ……『迎撃』は任せろ。上手い事やってやんよ。」

  オォォ ォ ・・・ ・・

『ブルー・サンシャイン』を傍らに。
『光球』はまだ、形成しておかない。目立つからだ。

ともかく、『所定の位置』へ向かおう。

            ≪『鎮圧』は……ゲームでなら慣れてる。
               現実では初めてだし……
                あー、向こうの能力次第だが……
                 …………やり過ぎないようには、するぜ。≫

71『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/06(土) 00:35:25
>>69
『稗田』に作戦を伝え、『民家』の影に隠れる『宗海』。
(『キー』は、トラックの運転手から受け取った。
『米原』が話を付けてくれたようだ)

『バス停留所』からここまでは、『車』でおおよそ『10分』。
彼らが『徒歩』か『自転車』か分からないが、
少なくともそれ以上の時間が掛かりそうではあるが……

…………
……………………

『ガサッ』

待機して『6分』ほど経過した頃、
『トラック』に隠した『エトセトラ』たちの聴覚を通じて、
宗海の耳に小さな『物音』が飛び込んできた。

まだ、宗海の視界内には『ターゲット』の姿はない。

<<んー、オッケー。人はだーれもいないね?
進路『クリア』、ってことで……『いっちゃん』に報告しないと>>

――『声』。
しかもこれは、『スタンド』の『声』だと、宗海の『感覚』が訴えている。
トラックの『後輪』に隠した『エトセトラE〜N』は、
『丸っこい』ビジョンを、ちらりとその視界に捉えた。

そいつは、トラックの前で周囲を見回しているようだ……
『エトセトラ』は、一体も解除されない……こちらに気付かれてはいない。

ザッ ザッ

それから暫くして、道を歩いてこちらに向かってくる人影が『二つ』、
『荷台』に隠した『エトセトラ』の視界に映る。
……『写真』で見た、『一吉』と『穂似子』に相違ない。

>>70
『迎撃』を請け負った『稗田』。

「気をつけてねえ、ケガとかせんようにね」

集会所を出る間際、『トキ』にそう呼び止められた。

「特に『一吉』は『育ち盛り』だから、
気張って相手しないとお互い危ないと思うよってね。
頑張ってください」

トキに見送られ、所定の位置につく。
そして『ブルー・サンシャイン』を発現し……その時を待つ。

72宗海『エトセトラ』:2016/02/06(土) 01:04:12
>>71
>≪んー、オッケー。人はだーれもいないね?
>  進路『クリア』、ってことで……『いっちゃん』に報告しないと≫

   「(『遠距離型』ね。そして、『三人目』はいない。
     『別行動』をしているとは考えにくいわ、

     ……『仮説』が潰れれば、もう一つの『仮説』が生まれる。
     つまり、『一吉』の方のスタンドは、『近距離パワー型』。
     少なくとも、『野菜袋』を『3つ』も持ち上げられる、くらいには)」

丸いスタンドが荷物を運べるなら、本体を晒す必要性が薄い。
つまり、あのスタンドは『非力』であり、二人は『接近』する必要がある。
今はまだ動かない。『エトセトラ』が発見されていない状況を、崩す意味は無い。
『荷物』を手に取るまで、全軍を『待機』させたままだ。

73稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/06(土) 01:21:31
>>71(GM)

「えひ……ありがと、気をつけるよ……」

       (クソ……暴力不可避だよな。
         顔は……殴られないようにしないと……)

   (んでもって……
    やり過ぎないようにも……)

顔を怪我するのはまずい。
それでもたぶん、『戦車』と戦うよりは恐ろしくないが――

        フゥ
            ゥ

流石に、緊張はするし、怖い。
喧嘩。一方的な暴力ではない。

・・・・当たり前だが、これはゲームじゃあない。
痛いし、死ぬし、負ければ次はない。

「『にげる』で下がるのは……
 『エクスカリバー』の強さだけじゃすまないよな……」
 
           「……えひ。
            なんてな……」

   オォォォ ォォ ――――

                「……やれるよな。
                  僕の『ブルー・サンシャイン』……」

スタンドを『3m』ほど浮遊させておく。
遠隔でも『見えてしまう』ため、大光球はまだ、作らない。

                  ・・・・騒ぎが起きるのを待つ。

74『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/06(土) 16:49:05
>>72
「・・・おう、『アレ』だな、『穂似子』よォ」
「そだよー、いっちゃん」

『一吉』が『穂似子』に確認しながら、 荷台へと歩み寄る。

「このぐれえなら、合わせて『60kg』ってとこか・・・?
ま、『軽い』な・・・さっさと持ってってやらねーとなァ」

ギ ャ ン ッ

荷台の前で、『一吉』が『スタンド』を全身に『纏う』。
武士の『甲冑』のようなデザインで、前腕部とふくらはぎ、背中に
装飾された『布』が付いている。

ザムッ

『一吉』が、荷台に登り、『荷物』を掴み、
一気に持ち上げる――流石に、宗海の見立て通りの『怪力』だ。

「オウ、『穂似子』、ズラかるぞ」
「あいよー」

一吉が、穂似子に呼び掛ける。
少し離れたところで待機していた彼女が、『軽トラ』に近付いていく。

>>73
『ブルー・サンシャイン』を浮遊させ、じっと時を待つ『稗田』。
これはこれで『緊張』を煽るものがあるが、
『退く』わけにもいかない。

浮遊させて少し広がった『ブルー・サンシャイン』の視野を通し、
うっすらと見える『遠方』に、あの『二人』らしき影が映る。
『軽トラ』に接近しているようだ……時は、近い。

75稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/06(土) 18:18:33
>>74(GM)

「…………」

         (! …・・・出やがったか……
           エンカウントまで、もう、すぐ……)

人影をよく見ておこう。
本当に二人か――周囲に怪しい影は?

           ・・・・スタンドの像は?

(道具のスタンドとか……
 小さいスタンドかもだが……)

     (どっちも……人型は出してない……?
       遠すぎて距離的に見えないだけか…………)

あるいは像の無いスタンド?
見えていないだけ――かもしれないが。

ともかく、今目立つ動きをして、ばれたらパーだ。

             ギョロ

            ・・・・無言で、空中から視界を走らせる。

76宗海『エトセトラ』:2016/02/06(土) 23:28:50
>>74
「行きなさい、『エトセトラ』」

持ち上げた荷物から『エトセトラB〜D』を飛び出させる。
『マニキュア』や『パウダー』での『目潰し』を行い、
『一吉』の視界を閉ざしつつ、『ダンプ』のスイッチをONにする。

77『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/06(土) 23:52:00
>>75
『人影』に目を凝らす……『男』と思しき人影の
『シルエット』に違和感がある。まるで『鎧』のようだ。

と――『軽トラ』の荷台が『跳ね上がった』のが見えた。
男が、そこから転がり落ちる。

どうやら……『宗海』の策が、始まったようだ。
>>76
袋が持ち上げられた瞬間――そこに潜ませた
『エトセトラ』が飛び出る。

「・・・あ?
なんだこいつ・・・『ネズミ』か?」

パ ァ ア ア ン ッ

「!?」

『一吉』が彼らを『目視』した瞬間、眼前で
『エトセトラ』は『解除』され……その顔面に
『目潰し』を吹き付ける。

「うわっぷ・・・畜生、何だァ、今の・・・おわッ!?」

『 ガ ク ン 』

更に間髪入れず、『軽トラ』の『ダンプ機能』を
キーからの『遠隔操作』で始動……

ゴロォ〜ン

『荷台』から後方へ『一吉』を転落させることに成功した。

「わ、ちょっと『いっちゃん』、大丈夫?」
「ホ、『穂似子』、下がってろッ・・・『ワナ』だッ!
どこの誰かは知らねーが、クソッ・・・『目』がッ」

寄ってくる『穂似子』を制し、目を拭う『一吉』。
ひとまず、『先手』は打てたようだ。

78稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/07(日) 00:00:02
>>77(GM)

「…………ん?」

    (なんだあれ……鎧?
     剣と魔法の世界じゃあるまいし……)

          (そういう……スタンドか?
             なにそれ強そうじゃん……)

『身に纏う』スタンド――
道具のスタンドのように、そういうのもある。

        ・・・・どちらにせよ。

(とにかくまだ、だ……
 『こっちに逃げてくる』ように……)

          (もうちょい……
            引きつけてから……撃つ。)

   ジリ ・ ・ ・

チャージを始めれば、あるいは下手に前に出れば存在がばれかねない。
そうすれば、無理やりでも逃走経路を変える可能性はかなり高い……

(『しかし 回り込まれてしまった!』
   えひ、上手い事待ってるのも……難しいな……)

         ・・・・
              ・・・・
                   もう少し、待つ。
                     様子が妙ならまた別だが。

79宗海『エトセトラ』:2016/02/07(日) 00:04:32
>>77
『ダンプ』の傾きを維持し、積んだ荷物を全て『トラック』から落とす。
それにより、倒れたままの『一吉』を荷物によって圧し潰す。
勿論、『ボニ子』の指示によって『防御』する可能性は考慮している。

       ≪とっても『か弱い』スタンドなの。
         貴方の『鎧』と違って、ね≫

        ≪スタンドの名は『エトセトラ』
         まずは動けなくなってもらうわ≫

『後輪』に忍ばせた『エトセトラE〜N』に『タイヤ』を齧らせ、
倒れこんだ『一吉』の間近で『バースト』させ、大音響で『意識』を奪いたい。
『気絶』まで至らなくとも、『コロッセオ』での『セッコ』のように、
一時的に『平衡感覚』を鈍らせられるだろう。

80『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/07(日) 01:37:15
>>78
待機する『稗田』……と、

パ ァ ン ッ ッ

その耳に、かすかに鋭い『破裂音』が飛び込んできた。
……何かが起こっているようだが……

>>79
ドザァア――z__ッ

「おわ! いっちゃん、危ないよ!」
「は、離れとけ穂似子ッ」

雪崩を打って落ちる『荷物』――と、
『一吉』と荷物の間に、車の前にいた『丸っこいスタンド』が
割り込むのが見えた。

続けて『タイヤ』を齧る――少々、『ゴム』とその内側の『ナイロン』の
処理に手間取ったが、どうにか食い破り――

パ ァ ン ッ ッ

「わひゃっ……!?」

――周囲に、大きな『破裂音』が響く。
離れた『民家』の影にいる『宗海』の耳にも、残響を感じさせるほどだ。
比較的近距離にいた『穂似子』は、涙目で耳を押さえている。

「お、おお・・・」
「誰だか知らんが・・・・・・やってくれたなッ!」

『荷物』の下から、声が聞こえた。

バゴォッ

かぶさった『ジャガイモ』を乱暴に弾き飛ばしながら、
『一吉』が身を起こす。
顔面には、平たく『伸びた』、『スタンド』がへばりついている。

「『穂似子のおかげ』でなんとかなったが・・・まだ頭がクラクラしやがる。
やってくれるじゃあねーか、オイ・・・!」
「ところで・・・もう『解除』してくれよ、穂似子ォ。
『前が見えねー』ぞ」

81稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/07(日) 02:09:08
>>80(GM)

パ ァ ン ッ ッ

「うおっ…………」

   (何だこの音……!?
    ば、バクダンでも持ってんのか宗海のやつ……)

         「まあ……え、えひ。
            ステージ1、はクリアか……」

手図通り。トラックに仕掛けた、罠にかけて。

「…………??」

(……あれ? なんだ?
 あいつら……動いて……来ないぞ?)

        (罠……まだ途中なのか……?)

なのだが――妙だ。なぜ、来ない?

           ・・・・逃げてこない?


仮に罠がまだ続くにせよ。
効果が無い様子なのは――

(なんか……嫌な予感、するぜ……
  そもそも、成功フラグ……ほんとに立ってたか?)

          (向こうの能力次第じゃ……
            『罠耐性』があっても、おかしくは……)

宗海はどんな罠を仕掛けたというのだろう?
そもそも今の破裂音も、本当に事前の仕掛けか?

(宗海…………まだか?
  僕はここにいて、行かなくて、良いのか……?)

             (僕は……)

      ジリ   ジリ

         本当にここにいていいのか?
           足は少しずつ、『舞台』へと進む。
            まだ、認識はされない距離のはず。
                  
                 ・・・・事が進んでからでは遅い。
                     射程内へ向かえるよう構えておく。

82宗海『エトセトラ』:2016/02/07(日) 02:33:37
>>80
>「ところで・・・もう『解除』してくれよ、穂似子ォ。
>『前が見えねー』ぞ」

    「『目潰し』は、『拭われた』のかしら……。
     参ったわね。――――ちょっと、間に合わないわ」

トラックの荷台にいる『エトセトラO〜U』を『荷台下』へ移動させる。
『ダンプ』によって持ち上がった『荷台』を支える『アーム』、
これを『齧る』ことによって圧し折り、『倒して』しまいたい。
ナナメになった『荷台』を滑らせ、『一吉』を抑えこむ。

    ≪状況を知ってる人は、別にいるのだから、
      私にはザックリしたことしか聞けないけれど、

      あの『石像』には何があるの?≫

『鬼』の『石像』の話題を振り、出方を伺う。

83『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/07(日) 12:33:27
>>81
何とはなしに、『不安』が『稗田』を襲う。
『別働隊』を任された以上、無理からぬことではあるが……
逡巡しながら、ジリジリと現場に近付いていく。

>>82
「あ、『解除』ね。はーいはい」

ス ゥ ウ ゥ

へばりついていた『スタンド』が解除される。
『宗海』の予想通り、『一吉』の目を覆っていた『粉末』は
大部分が落ちてしまっている。ただ、完全に取り去ることは
出来なかったのか、目は赤いままだ。

ガリ ガリ ガリ ガリ ガリ…

バキィィッ!

『荷台』の『エトセトラ』たちが『アーム』を食い破っていく。
流石に少々『分厚い』ので時間がかかるが、そこは『数』でカバーし……

ガ コ ン

「おいッ、次は何だってんだッ!?」

荷台を滑落させ、『一吉』にぶつけるッ!
一吉はとっさに腕を出してそれを受け止めるが、
いかに『怪力』といっても『荷台部分』を
力ずくで『どかす』のは容易ではないようだ。動きが、止まる。

「・・・誰か知らんが、何で『像』のこと知っとる」
「あー、アレは『不思議な石』で出来てるんだよー。
わたしと『いっちゃん』、昔うっかり『つの』のとこで手を切っちゃってさ。
しばらく熱出して寝込んで……気付いたらこんなんなってた」

動揺を見せる『一吉』。『穂似子』が、会話に乗ってきた。

「その調子だと、あんた『よそ者』なん?
『お社』はここの人ら、怖がってあんまり近づかないからさ」

ザワ…

……『エトセトラ』の視界に、荷台を押さえる『一吉』のスタンドの
前腕部の『布』が、少し『はためく』のが見えた。

84稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/07(日) 21:21:57
>>83(確認)
『一吉』と『穂似子』、および『エトセトラ』(宗海)の声は恋姫に聞こえている?

85『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/07(日) 22:08:05
>>84
聞こえていない。
『タイヤの破裂音』が聞こえたのは、『特別に大きい音』だったから。
『通常会話』クラスの音量は、ちょっと聞こえそうにない。

86稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/07(日) 22:26:55
>>83(GM)

「…………」

向こうから此方が見えない距離――
つまり此方からも向こうの様子は確認しきれない。

               ・・・・しかし。

(あれ……開戦してんじゃないのか……
 ここからこっちに逃げさせるなんて、出来んのか……?)

        (あいつは頭いいけど……
          敵だって、スタンド使いだ……)

動かない人影。


        ジリ

             ジリ

とはいえ――『連中がまるで動かない』という事は『作戦継続』なのか?
敵を足止めしているのなら――何か狙いがある?

             ・・・・より大きな罠?

(くそ…………いいんだよな。
   もうちょっと……任せるぜ……宗海。)

         ・・・ピタ

                  ・・・・足を止める。

87宗海『エトセトラ』:2016/02/07(日) 22:42:10
>>83
>「あー、アレは『不思議な石』で出来てるんだよー。
>わたしと『いっちゃん』、昔うっかり『つの』のとこで手を切っちゃってさ。
>しばらく熱出して寝込んで……気付いたらこんなんなってた」

   ≪方法は多少、異なるけれど。
     ……私と『同じ』ね。

     私の場合は、『隕石粉』を『刺青』に使用したのだけど、
     ――――それにしても、よく『死ななかった』わね。
     私と一緒に入って、お店から出て来なかった人もいたのよ。

『布』がはためいた。スタンドヴィジョンならば、『風』の仕業ではない。
だが、全ての『工程』は終えた。『容赦』をせず、動きを止めるまでに追い詰めた。

    ≪そうよ、“ある人”に呼ばれて来たの。
      けれど、そうね。

      ――――このままじゃあ、ちょっと『勝てない』わ≫

『エトセトラ』の操作を止める。
そして、民家から姿を現し、集会場へと『逃走』する。
『遠距離型』の弱点である『本体』を敢えて晒し、
己自身を『デコイ』にすることで、二人の『追跡』を促したい。

88『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/07(日) 23:10:14
>>86
『宗海』を『信じる』ことにした『稗田』。
と――その『宗海』が、視界に入る。

その向こうでは、『スタンド』を纏った『一吉』が
軽トラの『荷台』を押し退けて……いや、
押し『飛ばした』。

宗海が、こちらに走り出した。
それを追い、一吉が、少し遅れて『穂似子』が走り出す……
『別働隊』の仕事の始まりが、近い。
>>87
「へえー……まあ、『運』が良かったんかなあ。
『トキばあ』からは、昔はみんなそうだった、って聞いたけど、
もしかしたら『そうじゃない』人はみんな『死んじゃった』のかも」

むー、と考え込む『穂似子』。
目の前で『押し潰されそう』な『一吉』がいる割には、
相当な『余裕』を感じる……

「『勝てない』……かなあ。
わたしら、特にいっちゃん、もうちょっとで『負け』てもおかしくなかったよね?」

「『冗談』抜かせェ」

グッ

『荷台』を支える『一吉』の腕に、力がこもる。
『前腕部』の『布』が一層強くはためき……

ブ ォ ア

『荷台』を、押し飛ばした。軽トラの上を通り過ぎ、路上に着地する『荷台』。
その先に、『宗海』はあえて姿を現す。
そして、『作戦』のため、やおら『逃走』を開始する……

「ヘッ・・・観念しやがったか。待ちやがれッ・・・!」
「う、うーん。
多分何か考えがあると思うんだけど、って『いっちゃん』、
待ちなよお、もう……」

勢い込んで追ってくる『一吉』と、ぼやきながらそれを追う『穂似子』。
どうやら――『獲物』は『網』にかかったようだ。

89宗海『エトセトラ』:2016/02/07(日) 23:50:08
>>88
>   ブ ォ ア

   「――――『パワー』が、上がった……」

スタンドは『精神』の産物だが、念じてパワーが上がるわけじゃあない。
あの『布』自体が『パワー』を上げたか、あるいは、
『荷台』そのものが軽くなったか、……何にせよ、『力づく』は通じない。

   「後は、任せたわ」

『集会場』を時計回りに回って、建物の影に隠れる。
『追いながら追われる時、兵は最も弱くなる』。
すれ違う時に『恋姫』に、一言添えておく。

90稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/08(月) 00:59:31
>>88(GM)
>>89(宗海)

スタンドを二人の方へ、密かに飛ばす。
             恋姫の愛機は――無音で飛ぶ。


     「…………おう。
       迎撃は……任せろ……!」


本体は息を潜める。
そして連中が射程に入る、ぎりぎりで――

    バッ    バッ

      スタンドの両手を、『ターゲット』たちへと向け。


「…………」

(弾幕……まずは小手調べだ。)

     ォォ  オォォオオ ――――

          (こっからは……ノンストップ。
            あいつらにターンは……回さない……)

空中で小さく旋回しつつ、両者の顔めがけて、『小光球』を斉射する。
逃げる宗海を追う彼らは、『上』からの奇襲に対応できない。

                        ・・・・視界を、まず潰す。

91『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/08(月) 18:41:24
>>89
『孫子』にいうところの『佯北勿從』――
すなわち『偽退の兵は追うことなかれ』。
まさに、敵はこの『禁』を犯した。

『集会所』の陰に隠れ、『稗田』の射程内へと
二人を誘導した『宗海』。
さて、『参謀』に次の『布石』のありやなしや……

>>90
パパパパパパパパッ

準備万端、十分に『敵』を引き付け、迎え撃つ『稗田』と『ブルー・サンシャイン』。
否――今、彼らは『敵』足りえない。『的』そのものだ。
『高所』から、近づいてくる二人に先制の『小光球』を放つッ!

「うォッ!?」
「わ……いっちゃん、大丈夫っ!?」

先行していた『一吉』が顔を押さえる。
『小光球』は『ビー玉』サイズ、破壊力も『豆鉄砲』レベルだが、
それでも『目』に入ればタダではすまない。

『穂似子』は、『一吉』に比べるとかなり『冷静』だったからか、
『宗海』の偽退を『疑う』余裕があった。そのため少し『遅れて』ついて来ており、
射撃をマトモに貰わなかったようだ。
キョトンとした様子だが――目は油断なく、周囲を見回している。

「な・・・何か知らんが『撃って』きやがったッ!
どっからだ!? さっきのヤツか!?」
「明らかにさっきの人のじゃあないねー……
『もう一人』いるんだねっ!?」

ボ ヨ ン ッ…   ブチッ
      ベターッ

『穂似子』が、白く丸い『スタンド』を発現すると、それを『千切り』、
一塊を『一吉』の『目』に『貼り付ける』。

ウニィ―――ン

平たく『伸びた』それは、一吉の目に薄い層を作り、『密着』しているように見える。

「さっきの『粉』のときの応用だけど、とりあえずこれで『目潰し』対策には
なるんじゃないかなーと思うよ、うん。
それで、撃ってきた方角は……」

びし、と『穂似子』が『北』を指し示す。

「あっちだね、いっちゃん」

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■□□□□□□□川□□□□□□↑裏山□■
■□□家家家□□川□□□□□□□|□□■ ※印はすでに被害にあった田畑
■―――――――=――┐□□□栗|鎌□■ ◆は現在地(集会所)
■□田田田□※※川※※|家□家□|□□■ 家は民家。鎌は『鎌田家』、栗は『栗原家』。
■□田田田□※※川※※..ト――――/□□■
■□□□□□※※川※※|※※※□□□□■ 宗:宗海
■□□□□□※※川※※|※※※□□□□■ 恋:恋姫 ブ:『ブルー・サンシャイン』
■□家□家□※※川※※|※※※□□□□■ 一:一吉 穂:穂似子
■―――――――=――ブ恋宗―――――■
■←隣町□※※※川畑畑|◆◆□□他区→■
■□□□□※※※川畑畑一□□□□□□□■
■□□□□※※※川畑畑穂家□□□□□□■
■□□□□□□□川□□車□□□□□□□■
■□□□□□畑畑川畑畑|□□□□□□□■
■□□□□□畑畑川畑畑│他区□□□□□■
■□□□□□畑畑川畑畑|↓□□□□□□■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

93稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/08(月) 21:28:20
>>91(質問)
度々すみません、質問です。

1.恋姫―『ブルー・サンシャイン』間の距離は何mほどでしょうか?
2.『ブルー・サンシャイン』―『一吉』間の距離は現在で何mまで近づいているでしょうか?

94『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/08(月) 21:40:16
>>93
『恋姫』と『ブルー・サンシャイン』の距離は約『3m』。
『ブルー・サンシャイン』と『一吉』の距離は約『8m』。
ついでに、『ブルー・サンシャイン』と『穂似子』の距離が約『10m』。
射程範囲ギリギリに『二人』が入る位置で『射撃』を仕掛けたので、
前にいた『一吉』の方がやや『接近』している。

95宗海『エトセトラ』:2016/02/08(月) 22:42:13
>>91
「『一吉』君は『近距離パワー型』。
 『穂似子』ちゃんは『遠距離操作型』。

 オーソドックスな『前衛後衛』。
 つまり、ここを崩せば『傷つけず』に『勝利』出来るわ」

『恋姫』の着たコートの『フード』に『エトセトラA』を入れる。
このヴィジョンを『端末』にし、『会話』や『盗聴』を行う為だ。
>>82にて手中に発現したモノですが、
 メール欄が不完全な為、新たに発現したor
 一度発現し、『解除』した等、GMの主導で判定して下さい)

      「それじゃあ、『選手交代』ね。
       時間を稼いだら『気絶』させましょう。

       ――――大きな『隙』なら、作れるわ」

適当な『窓』から『集会場』へお邪魔する。
『施錠』されていた場合、>>79で発現した『エトセトラV』を掌に載せ、
『クレッセンド錠』の周囲にあるガラスを齧らせ、空き巣のように侵入する。

96稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/08(月) 23:13:48
>>91(GM)
>>95(宗海)

「!」

『エトセトラ』は受け入れる。
もっとも、『視認』する余裕は、なかったが。

「陣形……崩すっても、
  ……向こうもそこは承知だろ。」

        「けどまあ……
          やるしかないか……」

出来る限り潜めた声で応答する。
恋姫自身はその場から動かずスタンドを操作。

「…………」

(今の攻めは……ミスった。もうちょい……
 引きつけるべきだったか……? 『ホニコ』の方は、頭回るっぽいな……)

方角がバレたのは仕方ない。
『ブルー・サンシャイン』を1.5mほど南西へ飛ばしつつ、射撃を継続。
使うのは右手だけ――今度の狙いは『穂似子』の『手指』だ。精密性は十分。
『エアガン』ほどの威力でも、身体の末端に続けて着弾すればかなり『効く』。

(しかし……なんだあれ? 『パン生地』か……?)

       (後衛……サポート……
         まじめんどくさいな………)

スタンドで遮断されても、狙い続ける限り、『手をまともに使う』事は阻害できる。
角度をつけている以上『一吉』は壁になりえず、また単純な動きで庇うのは困難なはず。

努めて――ゲーム的に思考する。
喧嘩は、慣れない。
対人ゲームなら慣れている。

       もちろんこれはゲームではない。
       何度でも再確認する。

(…………向こうも……人間なんだ。
   だから……ちゃんと考えて……僕に攻撃して来る……)

            左手は『大光球』までチャージを開始。
             この際、手をスタンドの後ろに回させて、隠蔽する。

97『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/09(火) 01:47:31
>>95
『エトセトラA』を『恋姫』のコートに潜ませた。
これで、作戦伝達がスムーズに行える。

そして自身は、裏手の窓から『集会所』へ入る。

スタッ

「ありゃ?
『久遠』さん、どうかなさって……」

窓から入ってきた『宗海』に、『米原』が声をかけてくる。

>>96
『エトセトラ』が『恋姫』のコートに潜む……
これで連絡がスムーズになるだろう。

 ス ゥ ウ

『ブルー・サンシャイン』をわずかに『南西』に動かし、

 パパパパパパパ ッ

射線をズラして、『穂似子』に射撃を仕掛けるッ!

「わ、わ!
こっち撃ってきたよ『いっちゃん』ー!」

ビローン
      ベタァ…

『穂似子』はそう言いながら、撃たれた自分の手に
『スタンド』を伸ばして覆う。

「『穂似子』ォ、大丈夫かッ!?」
「んー、びっくりしたけど『猟銃』じゃないかんね、大丈夫。
でも困ったなあ……あすこに見えるのは『像』だけだよ」

『穂似子』が、『ブルー・サンシャイン』を視認したようだ。
だが『遠隔操作』中のため、本体である『恋姫』は発見されていない。

射撃を継続しつつ、左手で『光球』を後ろ手に隠し、『チャージ』を始める。

ォ ォ ォ ォ ォ …

「『像』だかなんだか知らんが・・・
とりあえず殴って『引きずり出し』たる」
「ちょ、ちょっと『いっちゃん』!
『猪突猛進』っていうんだよ、そーいうのー」

ガッ

『一吉』が走り出し、『ブルー・サンシャイン』に接近してくる。
その速度は人の域を出るものではないが、距離は『8m』。
接敵には、そこまでの時間を要さない。

98宗海『エトセトラ』:2016/02/09(火) 22:33:33
>>97
「メリークリスマス」

軽い挨拶を交わし、『ストーブ』の付近を見る。
ここで使われているのは『炎』の灯る『灯油ストーブ』だ。
『燃芯』の不調を想定し、『マッチ』が常備されていると考える。

     「――――マッチ、持ってません?」

トラックの荷台下にいる『エトセトラO〜U』は『アーム』を、
後輪の付近に隠れる『エトセトラE〜N』は『タイヤ』を齧っている。
体内に『鉄粉』と『ゴム粉』を蓄積しているであろう。
この『2グループ』を『民家』の影まで走らせ、
姿を見られないようにしながら『穂似子』へ接近させていく。

99稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/09(火) 23:18:50
>>97(GM)

(やっぱ……あんま効いてないか……?
  いや……『守ってる』なら……ノーダメじゃない。
   つっても……『チャージ』無しじゃ、破れないなあれは……)

      ォォォオオオオ ――!

スタンドを操縦――『北』へ。2mほど距離を稼ぐ。
南から北への移動だけなので、東にいる恋姫との距離は変動しないはず。

    (うおっ……! 来るか……
      飛び道具は……ないっぽいよな。)

        (ごり押しだけの『猪武者』なら……
          僕の『ブルー・サンシャイン』は負けない……)

迂闊に『穂似子』と離れれば、スタンドのサポートは薄まる。
穂似子も『狙われている』以上、サポートに全力を傾けはするまい。
一吉の能力は謎だが、『防御性』は低いはずだ。なんせ、護ってもらっている。

 ≪かかってこい……≫

                ≪『太陽』に触る程度の……≫

   ≪『イカロス』のリプレイをする程度の……≫


                      ≪えひ≫

   ≪……勇気があるなら……来るがいいぜ。≫

挑発しつつ、右手は『小光球』を乱射する。
狙うは『一吉』の『口』だ。
イラつくだけかもしれないが、皮膚の薄い唇や、口内に当たれば痛い。

(こいつ……見るからに頭悪そうだからな……
  ……スタンド使いとも、戦い慣れてないと見た……僕もだが。)

       (あ……つーかまじでジャンプして来たらやばい……
         ピチュりはしないだろうけど……治らない傷は、だめすぎる……)

光球のサイズが整わねば進路の妨害は困難。
今は上から狙う射撃により、『上を見ること』を躊躇わせたい。

      ・・・・もし、彼がガードすらせずジャンプする素振りでも見せたら。
            即座に照準をずらし、『鎧』に当てて防がせることで致命傷を避けよう。

100『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/09(火) 23:59:35
>>98
「クリスマス……には、縁がないもんですが、
まあめでたいモンなんでしょうかね?」

そもそもクリスマスが『何の日』か、把握していなさそうな
『米原』の答えはともかく、『マッチ』の所在を尋ねる。

「マッチなら、そこの『窓際』の棚にあります。
一応『ストーブ』のそばに置いて『火事』になったらマズいって話で」

米原はそう言って、『宗海』が入ってきた窓のそばにある、
木製の小さな棚を指し示した。

「持ってってもらって結構ですが、
『火事』にはならんようにしてくださいよ」

……………………

一方、『鉄』と『ゴム』をそれぞれ蓄えた『二群』の『エトセトラ』を、
民家の影から『穂似子』に接近させる……
穂似子は、『ブルー・サンシャイン』と『一吉』の方に注意を向けているようだ。

>>99
『ブルー・サンシャイン』を北に移動させて接近する『一吉』から距離を取り、
『小光球』を口めがけてバラまき、『牽制』する。

「・・・・・・あああああ! 鬱陶しいなこの野郎ッ!」

ダムッ! ダムッ! ダムッ!

『光球』を腕で防ぎながら距離を詰める『一吉』だが、
『光球』の乱射の前に足が止まる……ダメージは薄いようだが、
『弾幕』としてはまずまず効いているようだ。
何度もその場で『足踏み』する『一吉』。
『フラストレーション』が溜まっているのか……?

と――『光球』の『チャージ』が完了したことを、『恋姫』は理解した。
北へ『退き』、『牽制』を行ったおかげで『チャージ』する時間を稼げた格好だ。
相互の距離は『3m』まで近付いて来ている……

ゴ ォ ッ

101稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/10(水) 22:25:16
>>100(GM)

≪えひひひ……いい様だな、侍シーフ……≫

    (よし……こっちのターンだ。だが……
       ……なんか、妙に……気になるな。
            ……嫌なフラグ、立ってないか?)

ゲームの思考で戦いつつ――恋姫は一つ、疑問を感じていた。
いくら馬鹿でも。初心者でも。

          (そうだ。あいつ……どうやって……
            僕の『ブルー・サンシャイン』を殴る気なんだ?)

流石に――『自分のカード』は、理解しているはずだ。
鎧なだけのスタンドなら、どうやって……この凶鳥を落とすつもりだ?

                (スタンドは……『能力がある』……
                 常識的に考えて。じゃあ、あいつの能力は何だ……?)

ダムッ! ダムッ! ダムッ!

≪えひ…………そんな足踏みしたって……
  ……UFOキャッチャーじゃないんだ。僕は落ちないぜ……≫

                   (ただの鎧で……どうやって袋担いで……
                     あの山道、登ったんだ……? 何か、まずい……)

≪代わりに残念賞…………ボムのプレゼント。
    お代はコインいっこもいらないからっ……受け取れ!≫

左手を地上の『一吉』に向けて、大光球を発射。
右手は発射を止め、『中光球』までのチャージを開始。
接近を牽制する狙いだ。同時に、『飛び道具』ならば相殺出来る。
攻撃より、守りのために使う。

       この発射動作と並行し、スタンドの高度を真上に高める。
         現在射程は4.5m。余剰1.5mで限界高度まで到達させる――

102宗海『エトセトラ』:2016/02/10(水) 22:25:54
>>100
>「持ってってもらって結構ですが、
>『火事』にはならんようにしてくださいよ」

   「……善処します」

しばしの思考の後に、ボソリと応えた。
その場で『マッチ』の火を付けると『バッグ』に放り込み、
『火』の付いたままのマッチを『エトセトラV』に喰わせる。
本体はそのまま『ドア』へと接近し、ドアノブを握っておく。

103稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/10(水) 22:28:24
>>101(補足)
左手の動きは狙いの精密さより『撃つまでの早さ』を優先する。
『一吉』が空中に飛び出したりする前には、発射しておきたい。

104『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/10(水) 23:18:32
>>101
「『鬱陶しい』ってんだろーがッ!
今『落っことし』てやるからジッとして――」

『一吉』のスタンドの、『前腕部の布』が『はためき』始めた。

ド ガ ァ ――― ン !

「――ろォ、ッ!?」

そして『一吉』が腕を上空の『ブルー・サンシャイン』に突き出すのと、
『ブルー・サンシャイン』が『大光球』を放つのはほぼ『同時』!

「な・・・さっきのより『デけェ』ッ!
『デカい』方が『強い』ってのは・・・俺にも分かるぜッ」

『シンプル』な思考で判断する『一吉』。
『はためき』かけた『前腕の布』の動きが止まる。

「『防御』が先だァ――ッ!
受け止めろッ――『プレッシャー・ダウン』ッ!」

バッシャァア――ッ!

激突――『光』が迸り、両手で『大光球』を受け止めた『一吉』が、
『光球』の効果で後方へ、地面を削るような勢いで『吹っ飛ぶ』。

「うおッ、眩し・・・
何 だ ・ ・ ・ 『 ゆ っ く り 』 吹 っ 飛 び や が る」
「……あれ、どしたのいっちゃん。なんか『遅い』けど」

『ゆっくり』吹っ飛んでくる『一吉』に、
『穂似子』が脳天気に声を掛けた。

ブ  ォ

『チャージ』しながら、『ブルー・サンシャイン』の高度を上げる……一吉』の『背中』の布が、『ゆっくり』はためき始めたのが
『上空』からの視界で見える。

>>102
「よ、よろしく頼みますよ」

『不安』そうな『米原』はさて置き、『マッチ』に火をつけ、
『バッグ』の中の『エトセトラ』に食べさせた。

そして『ドアノブ』を握り、待機する……

『穂似子』は、吹っ飛んできた『一吉』に声を掛けている……と、
『一吉』の背中の布が『ゆっくり』はためき始めた。
それが邪魔になって、穂似子の動きが良く判別出来なくなる
(まだそこにいるのは、頭が覗いているので分かる)。

105宗海『エトセトラ』:2016/02/11(木) 00:46:10
>>104
「ゆっくり、吹っ飛んでいってるわね。
 ……あれが『恋姫』ちゃんの『スタンド能力』」

どういう『能力』かは不明だが、解るのは『動き』が制限されていることだ。
つまり、『一吉』から『穂似子』に攻撃対象を変えられる。……しかし、
『布』のはためきが『一吉』への『警戒心』を捨て切れずにいる。

     「素敵ね。これで『位置』が逆転したわ。
      『一吉』君には『ダメ押し』ってのをしておきましょう」

『ブルー・サンシャイン』の北上によって稼いだ距離を詰めた『一吉』が、
『後方』へ吹っ飛ばされる最中であれば、集会場の前を通り過ぎるだろう。
『ドア越し』から『2m』の位置に『鉄粉』を含んだ『エトセトラO〜U』を向かわせ、
『通常解除』を行うことで、吹っ飛ぶ『一吉』の軌道上に『鉄粉』を舞わせたい。

     「ゆっくり吹っ飛ぶのなら、『粉』もゆっくり飛ぶのでしょう?
      滞留する時間が長ければ、『吸い込む』チャンスも増していくわ」

ヴィジョン越しに『恋姫』へ語りかけながら、ドアを僅かに押し開く。

106稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/11(木) 01:07:27
>>104(GM)

バッシャァア――ッ!

≪……太陽は……墜ちない。
   僕の『ブルー・サンシャイン』は墜とせない。≫

           ≪……ゆっくりしていってね。えひ。≫

確実に一拍は置かれた。
ヴィジョンを『一吉』を追うように移動させる。

(……! あの布……能力は……あれか?
   ……僕の『ブルー・サンシャイン』の『結晶』みたく……)

左手で一吉の『布』を撃ちまくる。
優先するのは背中の布、穴がある程度開けば、前腕だ。
ただし背中を撃つと一吉の身体にも命中してしまいそうなら、前腕を優先。

         (潰せば……封じられる?
           『プレッシャー・ダウン』……)

そして、本体は変わらず身を潜めつつ――

「……ゆっくり飛ぶのは、
 『吹っ飛んだ奴』と……『吹っ飛びに巻き込んだ物』」

      「色々巻き込めば…… 
        コンボになる、みたいな感じ……」

   可能な限り小声で、宗海に『能力』を端的に伝える。
    彼女は何かを……仕掛けているのだろう。情報は惜しまない。

                「先に『一吉』を……もうちょい攻めたいな。
                 前衛なしのサポーターは……そんな怖くない。」

107『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/11(木) 02:17:54
>>105
ブワ ァ ア ア ッ

『宗海』は鉄を齧った『エトセトラ』の一群を解除し、
『一吉』の吹っ飛ぶ軌道上に『鉄粉』をばら撒いた。

「 っ ぷ ・ ・ ・ こ い つ は 、 苦 ェ ・ ・ ・
血 の 味 が す る ぜ 」

「んー、いっちゃん、
多分『浮いてる』間はずっと『遅い』ままなんじゃない?
とりあえず『着地』してみたら?」

「あ あ ・ ・ ・ ク ソ ・ ・ ・
俺 の 『 プ レ ッ シ ャ ー ・ダウン』は『反抗する能力』・・・
こ ん な も ん で ・・・ッ!」

ゴ  ォ   ッ

――『風』もないのに、背中の『布』が一層強くはためき……
吹っ飛ぶ『一吉』が、静止する。
そして、何かに『押される』ように、その体を地面に落とした。

「クソ・・・なるほど、『着地』すりゃあいいみたいだなァ」

『吹き飛び』が終了したことで、『一吉』の動きが元に戻っている。
だが……そこまでの過程で、十分に『鉄粉』は吸い込ませることができた。

「っぺッ・・・一体何のつもりだ、こいつはよォ・・・?」

『鉄粉』の『意図』を図れない『一吉』が、困惑気味の声を漏らした。
『吹き飛び』を中止させたとはいえ、
今の彼は、集会所のドアの前で、『地面』に腰をつけている。
加えて、ドアを僅かに開けた『宗海』にも気付いていない――『隙だらけ』だ。

と……『穂似子』が、彼に近寄っていくのが見えた。
二人の距離はおよそ『2m』。
>>106
『小光球』で、『背中の布』を撃つ。
その連射で、『布』を『チーズ』よろしく穴だらけにしていくッ!

「あっ、やばっ、狙われてる……いっちゃん、早く、早く」

『焦った』様子の『穂似子』が、急かす。

「 ッ ・ ・ ・ 『千 切 れ』 な き ゃ あ、 問 題 は ね ぇ ッ」

ゴ  ォ   ッ

――『風』もないのに、背中の『布』が一層強くはためき……
吹っ飛ぶ『一吉』が、静止する。
そして、何かに『押される』ように、その体を地面に落とした。

「クソ・・・なるほど、『着地』すりゃあいいみたいだなァ」

『吹き飛び』が終了したことで、『一吉』の動きが元に戻っている。
だが代わりに、彼は地面に腰をつけており――隙だらけだ。
更に、背中の『布』ももう少し、あと『中光球』一発当てれば
『ちぎれ』そうな状態になっている。

と……『穂似子』が、彼に近寄っていくのが見えた。
二人の距離はおよそ『2m』。

108宗海『エトセトラ』:2016/02/11(木) 23:20:40
>>107
「……浅かったわね」

『鉄粉』を吸わせ、『呼吸』を阻害するつもりだったが、
流石に『量』が少なすぎた。――――ならば、仕方ない。
『エトセトラV』を床に置き、『一吉』に向かわせる。

     「『反抗』、『力』に対して『力』で押し返す。
      だから、『荷台』の『質量』に『反抗』して、
      無理やり『押し飛ばす』ことが出来たのね」

身体に飾られた『布』はさながら、翻す『反旗』なのだろうか。
確実に言えるのは『力』で抑えつけようとすれば、
より強い『力』で跳ね返されるということだ。

     「『巨岩』を崩せば『石』になり、『石』を壊せば『礫』になる。
      『礫』を砕けば『砂利』になり、『砂利』を潰せば『砂』になる。
      ――――『強さ』を『細分』し、『弱く』するのが『エトセトラ』」

     「たった今、『ゴムタイヤ』を『粉砕』して『ゴム粉塵』に変えたわ。
      『東南アジア』の貧国では『古タイヤ』を細分し、『燃料』にするのよ。
      ちょっと近所の『ガソリンスタンド』が閉鎖したくらいで、
      『燃料難民』なんて騒ぐ地方の方には、もう少し己の豊かさを鑑みて……」

『エトセトラE〜N』を『一吉』の下に向かわせ、『通常解除』で『ゴム粉塵』を散布する。
これは『エトセトラV』と同時にだ。交じり合った『ゴム粉塵』と『鉄粉』を引火させ、
瞬間的に『発火』。付着した『ゴム』に引火し、『小規模』ながらも『火だるま』にする。
勿論、これで『殺害』する気はないが、突然の『熱』に動転するのを期待したい。

      「話が逸れたけれど、……よく『燃える』わ」

      ≪恋姫さん、『一吉』は『川』の方に移動するわ。
        そっちを狙って下さる?≫

109稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/11(木) 23:33:30
>>107(GM)
>>108(宗海)

今のところは上手くいっている――このまま攻め切りたい。
余計なミスがなければ、なんとか『思考』を保ち続けられる。

(千切らなきゃ……意味ないのか。
  ……風を受けるとかじゃ、ないわけな……)

    (んで……『ホニコ』の能力は……
      多分……そこまで、自由は効かないっぽい……)

布が能力の基部なのは分かった。
そして、『穂似子』のサポートは近づく必要があることも。
が、向こうも気づかれたのは承知。

                 ・・・どう攻める?

――と、そこに宗海の声。

  「……分かった。
   誘導……してくれんだな?」

           「……やってやんよ。
             攻撃は……任せろ……」

手段は知らないが、そういうことだろう。小声で返す。

光球の連射は続ける。狙いはあくまで『一吉』の『口』だ。
一吉が移動するならヴィジョンは高度を落とし、それを追跡させる。
ショット一発で墜ちる敵はいない。だが重なれば痛みは大きくなる。
穂似子がそれを守ろうとするなら、宗海の策は決まりやすくなるだろう。

            ・・・・右手の『中光球』が完成しているなら、それは保持しておく。

110『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/11(木) 23:57:04
>>108
「きょ、巨石・・・?礫・・・?
おい、『難しい』こと言ってんじゃねェぞ!」

『宗海』の物言いは、どうも『一吉』には『難解』なようだ。
しりもちを付いたまま、眉根をひそめて悪態をつく。

「・・・今度は『ゴム』だとォ?
なんだか分からねえが、このままブン殴って――」
「……あッ、いっちゃんダメッ!『身を守っ――」

何かに『穂似子』が気付いたようだが、もう遅い――!
『ゴム粉塵』、『鉄粉』、そして『マッチの火』!
『炎』が、『一吉』を包み込む……

ッ... ボ ワ ァ ア ア ッ !

「うォおッ・・・!?ナンだ?『火』ッ!?  
クソッ・・・水だ、『水』ッ!」

ゴロォン  ダダッ

一瞬、自分が『火達磨』になったことを理解できなかった 『一吉』だが、
慌てて『川辺』へと移動していく――『掛かった』。

「……えっと……やるじゃん。
わたしら、完全にあなたたちの『掌の上』ってわけかな」

取り残された『穂似子』が、声をかけてくる。
流石に今の『攻撃』で……『ドアの向こうにいるらしい』ことに、気付かれたようだ。

>>109
「だぁッ、クソッ・・・『熱い』ってんだろーがッ!」

ダッ

一路、『川辺』へと走る『一吉』を追撃する『ブルー・サンシャイン』。
小光球が何発も炸裂するが……それより『熱さ』が上回るようだ。
構わず、駆けて行く……『背後』が、ガラ空きだ。

『穂似子』は何か考えがあるのか、
『集会所』の前に残っている。二人を引き離すことに、成功したようだ。

111宗海『エトセトラ』:2016/02/12(金) 00:23:11
>>110
>「……えっと……やるじゃん。
>わたしら、完全にあなたたちの『掌の上』ってわけかな」

  「お釈迦様になったつもりはないけれど、
   ……私達の『実力』は、理解してくれたかしら?」

呼びかけに応える声は、やや潜められたもの。
気付かれたと解ったなら、ドアを閉めて『施錠』する。

  「『恋姫』ちゃん。そろそろ『交渉』してみない?
   私、その『神社』には行ってないのだから、
   事情を解っている、貴方から説明した方が良いわ」

無論、『穂似子』が会話に応じない可能性もある。
その時に備え、バッグの中に『エトセトラO〜U』を発現し、
『一円玉』を齧らせ続ける。

112稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/12(金) 00:58:20
>>110(GM)
>>111(宗海)

≪コンボ成立…………!

     こいつで、『ゲームオーバー』――――≫

              グイン

追撃を加えようとする、が――

(……あ、やばい。
 このまま行くとあいつ……焼け死ぬ……!?)

          (え、えひ、それはヤバすぎだ……!)

へたな足止めは――
取り返しのつかない火傷につながりかねない。
この辺りは草も多いし、燃え広がったりもしかねない。

             ≪ ・・・・は、勘弁しといてやるぜ……えひ。≫

     グイン

スタンドを3mほど引き戻す。
交渉の際の安全のためだ。

≪交渉…………やってみる……?
 ダメージは与えたしな……あんま、得意じゃないけど……≫

           ≪……出て行った方がいいよな?≫

                      ・・・・乗ってくるなら、だが。

113『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/12(金) 01:50:53
>>111
「……個々の力の差も、戦略の差も、よーくわかったよ。
『井の中の蛙大海を知らず』ってねぇ」

『穂似子』は、自嘲気味に笑った。
その視線が『ドア』に向いているのに気付き、『宗海』は鍵を閉める。

「もう、慎重だなあ。
ま、わたしがあなたでも、多分そーするかなあ……
でも正直、わたしは『降参』したいよ。
これ以上――いっちゃんにケガして欲しくない」

最後の一言は、軽妙な『穂似子』に似合わぬ、真剣なトーンだった。

>>112
これ以上の『追撃』はタダでは済まない――
そう感じ、『ブルー・サンシャイン』を戻す。

「うぉぉぉぉおッ!」

ドッ ボー――ン!

「・・・・・・冷てェ―――ッ!」

勢い込んで川に飛び込んだ『一吉』が、悲鳴を上げる。
とはいえ、『火』は消えたようだ。多少、服がチリチリになった程度で
済んでいるのは、幸いというものだろう。

「でも正直、わたしは『降参』したいよ。
これ以上――いっちゃんにケガして欲しくない」

『ブルー・サンシャイン』越しに、
『穂似子』と『宗海』の会話が聞こえてくる。
……さて、どうしたものか。

114稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/12(金) 23:36:00
>>113(GM)

≪降参なら……………『一吉』はお前が宥めてくれよな。≫

『穂似子』にヴィジョン越しに話しかける。

        ≪殴られでもしたら……
           コンティニューは効かない……≫

『一吉』次第なのだ。
『穂似子』は恐らく、本気だから。

(こいつは…………鬼っ子より、『一吉』が優先なんだろうな。
  ……まあ、他人と恋人なら……常識的に考えて、そうなのか……?)

           ボ   ボ ボ
 
         ヴィジョンを本体――恋姫の元まで引き戻す。


「……こっちも怪我はさせたくない。
  …………ハッピーエンドにしたいんだ。」

              トコ  トコ

ヴィジョンを伴って、『穂似子』の前に姿を表す。
両手の光球は解除し、あくまで『交渉する』事を表明する。

       「……社、僕も行ってきたから。
         これ以上……鬱展開は、ごめんだ。」

                       ・・・ただし、距離は保っておく。

115宗海『エトセトラ』:2016/02/13(土) 00:02:57
>>113
「私も『お医者様』の手間を増やすマネは、
 『本意』じゃあないわ。――――本当よ?」

念押しをしつつ、背後にいるであろう『米田』に話しかける。

      「『任務』は成功しました。
       ……ところで、『お医者様』を呼んでくれます?

       『一吉』君、すり傷を負ったまま『川』に飛び込みまして、
       このままじゃあ、『感染症』になるかも知れません」

116『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/13(土) 00:45:04
>>114
「……いっちゃんを撃たないでくれて、ありがとね」

『穂似子』のところに、『スタンド』がのんびり戻ってきた。

「さっきいっちゃんの『背中』に貼り付けておいたの。
もし撃たれたら、『身代わり』になるつもりだったけど、
要らなかったみたい」

「いっちゃんを説得するのは、任せて。
いっちゃんだって、わたしが矢面に立ったら、
それ以上反抗しようとは思わないから」

『穂似子』は、断言した。

「『社』……そか、そうなんだ。
あの『子』と『声』に会ったんだね」

『お社』の話を持ち出されて、
『穂似子』が納得したような表情を浮かべた。

「ってことは……全部、分かってるのかな。
……あの『声』には、泥棒のこと、言わないで、お願い。
わたしたちが悪いんだもの。あの人が気にすることないから」

>>115
「信じるよ。
もしその気なら、今逃げるいっちゃんを
後ろから『撃てた』はず」
「そうしなかったから、信じる……」

『穂似子』の声が、扉越しに聞こえた。

「ええっ……川に、ですか!? こんな時期に川に入ったら、
凍えるなんてモンじゃあないですよ、無茶な……
そりゃもう、勿論連絡しときますが」

携帯電話を取り出す『米原』。程なくして、電話先の『医師』と
なにやら話し始めた。

「……そいなら、ちょっと暖かくしとこうかね」

『トキ』が、ストーブの火力を上げた。

「ところで――『穂似子』や。そこにいるんだろう?」
「と、『トキばあ』!?」
「ごめんよ。もう体が言うことを聞かないが、わたしがこういうことを
やらにゃあならなかったんだろう。色々、勉強になったかい」

ピッ

「『10分』で来るそうです。『久遠』さん」

電話を終えた米原が、声を掛けてきた。

117宗海『エトセトラ』:2016/02/13(土) 01:53:46
>>116
「お医者様には『外傷』だと伝えてあるのですから、
 ――――後は、『連れて行く』だけね」

『集会場』から出て行き、『穂似子』に姿を見せる。
『トラック』の下まで歩いて行く。

     「――――貴方の『スタンド』で、
      この『アーム』って接着出来ないかしら?」

     「『後輪』がパンクしているだけなら、
      『ダブルタイヤ』で『運転』は可能なはずよ。

      その『鬼っ子』を運ぶのなら、
      『軽トラック』が都合がいいわ。
      『一吉』君のスタンドで、荷台を持ち上げられる」

118稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/13(土) 05:23:52
>>116(GM)

「会ったし……僕も、あいつらを……ああ、助けたい。
  そうじゃなきゃ……ハッピーエンドじゃない。常識的に考えて……」

恋姫の仕事は。最初の仕事は既に終わった。
……もっと、大事な仕事がある。

「……別にお前らを倒したいんじゃない。
  ……あいつに……余計なことも言わない。」

         「……スコア稼ぎにも、ならないことだかんな。」

戻って来たスタンドを見る。
抜け目ないことだ……そして、優しいのだろう。

     シュ
        ゥ ゥ

             ――恋姫はスタンドを解除する。

(…………こいつは。
  DQNとかじゃ……ないっぽいな。)

           「あいつは……任せるぜ。
             まじで……これ以上喧嘩とかは困る……」

                       ・・・『一吉』の戻りを待つ。

119『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/13(土) 17:39:35
>>118
「事情を分かってくれる人がいて良かったよ。
こんな話、誰にも信じてもらえないと思ってた……」

ポタ ポタ ポタ
濡れ鼠の『一吉』が川から上がり、歩いてくる。

「『穂似子』ォ、もう良いのか?俺ァまだやれるぜ」
「……うん。ごめん、いっちゃん。寒かったでしょ?
また……無茶言って、付き合わせて……」

水に浸かって、文字通り『頭が冷えた』のか、
『一吉』は思ったより落ち着いているようだ。
『穂似子』はそう言うと、スタンドを伸ばして
一吉の頭に貼り付け、水分を吸い取る。

「気にすんな。俺がやらなきゃ、誰がやんだよ? なァ、穂似子。
無茶ついでに、まだ『やること』あるんだろ?」

>>117
「……連れて行く、って、あっ……!」

その意を察した『穂似子』(一吉もいるけど)を連れて、トラックの下へ。

「『アーム』……これね。『元通り』とは行かないけど、
うん……運転中に外れない程度には、くっつけられると思う。
でも、その……『運転』は誰が?」

『穂似子』が、尋ねる。

「あの『ガキ』助けようとしてくれんのか?
・・・まあ、事情は分かってるらしいしな・・・
『力仕事』は任せとけ――っくしょいッ、さ、寒ィ」

グッと力を入れて『荷台』を持ち上げようとする一吉。
一拍置いて、前腕の『反旗』が『翻り』始める。

「ぬォおッ・・・!」

ゴォッ

風の音……そして、『一吉』が荷台を持ち上げた。

「どうすんだ、こいつ・・・元の位置に戻しゃあ良いのか?」

120宗海『エトセトラ』:2016/02/14(日) 20:52:42
>>119
「あら、お帰りなさい」

     「――――大丈夫、アツくなかった?」

しれっと気遣うような言葉を投げながら、持ち上がる『荷台』を見る。
『アーム』はボッキリ折れているが、それは『穂似子』のスタンドで何とかなる。

     「そう、そのまま持ち上げて、
      『穂似子』ちゃんのスタンドで『アーム』を接着する。

      ……運転? ……貴方達、出来ないかしら?
      私、『マリオカート』の操縦もニガテなのだけれど」

121稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/14(日) 22:15:42
>>119(GM)
>>120(宗海)

「…………僕は実際……行って、見たし。
 お前らが言うから信じたとかじゃないし…………」

             「……助けたいだけだ。」

         ジリ

一吉から少し距離を取る。

「……」

(DQNってのは…………
  仲間意識は強いって聞くからな…………)

       (まあこいつは……
        クズってわけでは、なさそうだが……)

こういうタイプは苦手だ。
とはいえ悪人ではなさそうだし、今はそんな場合でもない。

「運転は……僕も出来ないぜ。
 『湾岸』も『マリオカート』も……そんな得意じゃないし……」

         「ハワイで運転教えてくれる親父もいないし……」

非常時だし免許とかよりは『出来るかどうか』の問題だろう。
恋姫は多分無理だ。大人の手を借りるしか、ない気もするが……

               (あの荒い運転で運ぶのは……
                 いやまあ……まずは説明から、だが。)

122『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/14(日) 22:43:08
>>120
「『熱い』に決まってんだろ、死ぬかと思ったぞこのヤローッ!
まあ別に良いけどよ。もう済んだこった」

ひどくサッパリとそう割り切る『一吉』。
荷台を運び……精密な動きはやや『苦手』なようだが、
何とか『アーム』の上へと持ってくる。

「はいはーい、じゃあわたしに任しといて。
でも結構『量』いりそーだなあ」

ボヨンッ

『穂似子』が、先ほどより大きいスタンドを発現する。
それと同時に、彼女の体が目に見えて『しぼんだ』。

「いっちゃーん、オーライ、オーライ……そうそうそこそこ、じっとしててよー……」

ベタッ

「……ふう。ひとまず、これで良し……かな」

穂似子のスタンドが荷台の下に滑り込み、『アーム』に貼りつく。

「わたし達が『運転』……いやいや、『中学生』だよ?
『無免』とかそういう話は置いとくとしても、
軽トラくらいデカいのは、ちょっと自信ないなあ。
万が一『事故』でも起こしたら、それこそ取り返しが……」

そう、不安感を表明する穂似子。

ガチャッ

……と、集会所から『米原』が出て来るのが見えた。
こちらに歩いてくるようだが……
>>121
「あのお社に行って、見れる人がもっといれば……話は早いんだろうけど」

『穂似子』は、そう言ってため息をついた。

「・・・『二輪』や『軽』なら、まあ大丈夫だけどよ。
『軽トラ』は俺も慣れてねーからなあ・・・」

ガチャッ

「って、げっ・・・今出て来たの、米原のオッサンじゃねーかオイ」

『米原』の『荒い』ドライビングを思い出す『恋姫』。
と……集会所のドアが開き、米原が出てきた。
その姿を認めた『一吉』が、声を漏らす。

「…………」

米原は、無言で軽トラの方へ歩いてくる。

123稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/14(日) 23:22:07
>>122(GM)

「スタンド……ああ、神通力使いは……レアだからな……」

    (乗ったことはあんのかよ……
      こいつやっぱDQNだわ……)

しかし助けたいという気持ちは伝わるし、

             ――悪意がないのも分かる。

          (……萎んだ……?
            自分をスタンドに変えてんのか……?) 

「……!」

そして。彼もだ。
『米原』――それほどいい印象はないが、悪人のはずはない。

「…………依頼はクリアした。
 こっからは……あー、『再発防止サービス』だから……」

        「……」

                 ジリ

近づいてくる彼に、多少警戒する。
もっとも、悪人でもなんでもないし、敵対心とかはない。

              ・・・何をする気なのか?
                  恋姫はそこが気になる所。

124宗海『エトセトラ』:2016/02/14(日) 23:32:13
>>122
「あら、それは残念ね。
 ……そうね、『軽トラック』ってマニュアル車が多いですし、
 そうなると、ちょっとイジって動かす、とはいかないわね」

『中学生』相手では難しいか、と肩を落とした。
『軽トラック』の修復は終わったようだが、
肝心の『運転手』がいなくては話にならない。

>「って、げっ・・・今出て来たの、米原のオッサンじゃねーかオイ」

       「なんとか、無事に終わりました」

『運転手』を用意しなければならないが、
この『一般人』を相手にどうすればいいか、そこが困難だ。

125『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/15(月) 00:02:21
>>123-124
「ええ、ご苦労さんです。いや、本当に助かりました――」

『米原』は、そう言って『宗海』と『恋姫』に頭を下げた。

「もうじき『医者』もこちらに着くそうです。
こら『一吉』ィ!」
「な・・・ナンだよオッサン、俺ァこの通りピンピンしてるぜ」
「そうはいくか。後でこってり絞ったるから、取りあえず医者で診てもらわんかいッ」

『一吉』にそう言うと、今度は『穂似子』に目をやる『米原』。

「『穂似子』ちゃんも、何でこんなアホとつるんで……
『畑泥棒』なんてする子じゃあないと思ってたんだがなあ」
「……ごめんなさァい。
でも、ええと……事情が、あるんです。米原のおじさん」
「事情ゥ?」
「うっ……睨まないでよ、おじさん顔コワいんだから……」

だいぶオッカない顔を見せる米原と、たじろく穂似子。
そう簡単に話は進みそうにない……と。

「まあ、まあ。『乙次』さん、そうキツく当たったら何にも聞けやしませんよ」

『トキ』の声。集会所からゆっくりと出てきて、やんわり諭すように『米原』に話しかける。

「ちょっと、さっき『集会所』の前で四人が話してたのを聞いてたけれど、
もしかしたら……『事情』って言うのは、『お社』と関係があるんじゃないのかい?」

『助け舟』を出してくれているのだろうか……
『押す』べきタイミングは、見計らう必要があるだろう。

126宗海『エトセトラ』:2016/02/15(月) 23:23:22
>>125
お冠の『米原』を仲裁出来るのは、『トキ』だけのようだ。
それは反抗する『一吉』に対しても、同じことが言える。
何としてでも、今すぐに『お社』へ『トラック』を向かわせなければならない。

      「大丈夫です。『一吉』君はちょっと『驚かして』、
       川に飛び込んでもらっただけです。
       ……ねぇ? そうでしょう、『一吉』君?」

薄い唇に微笑みを乗せて、『一吉』に同意を促す。
どんな形であっても、この二人を『口論』させるのは危険だ。
手っ取り早く、どっちかに折れてもらうしかない。

      「奪い取った『作物』のことですが、
       ――――どうやら、『隠し場所』があるようです。

       とにかく、『お社』に向かいましょう。
       今の『パンク音』は近所にも響くでしょう?
       もし、見つかりでもしたら、『内々』には済まされません」

口調はどうであれ、『米原』は二人を心配している。
それは間違いないと信じ、『お社』へ『米原』を誘導する。
思えば、外部の人間を使い、『大事』にしたがらなかったのは、
狭い田舎町で二人に良からぬ噂が立つのを、控える為だったのかも知れない。

      「話とやらは、『車内』でも十分聞けますから」

127稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/15(月) 23:40:20
>>125(GM)
>>126(宗海)

「…………どーも。」

(ヤバいな……
 どうやって説得するか……)

今日は試される日だ。
すわ、まずいかと思っていたが――

「……」

   (こいつまじで頭いいな……
    やっぱ本読んでるやつは違うのか……?)

           (とりあえずフォロー回っとくか……)

『宗海』の機転には驚かされるばかりだ。

「……そういうこと。」

「わざわざ僕が……
 裏山まで行ったのは、そういうこと……」

         「僕とそいつらがいれば……
           ……案内して、運び出せるよ。」

相槌を打ちつつ、宗海の語りに添える。

   「作物が帰ってくるなら……
    えひ、それに越したことはないだろ……?」

                   ・・・これで折れてくれればいいが。

128『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/15(月) 23:53:08
>>126-127
「む・・・『隠し場所』?
そりゃまた罰当たりな・・・本当なんか『一吉』ィ!」
「・・・へ?いや、そんなの知らね・・・」

ムギュッ

余計なことを言いかけた一吉の足を、『穂似子』が踏んだ。
『恋姫』と『宗海』、それに『トキ』に目配せしつつ、その意を繋げる。

「ごめんなさい、おじさん。
でも……あそこなら、きっと誰も来ない、そう思って……
内緒の、隠し場所です。私たちがいなければ、絶対に見つからないところ」

『社』の『隠し場所』。その言葉に、『トキ』がぴくりと反応した。

「……!そりゃあ、エラいことだねえ。
ほら、乙次さん、そういうことなら急いで確かめに行かないと行けませんよ」

「むう・・・そうだな、とにかく『裏山』に向かうとするか。
『作物』を運ぶんなら、こいつを借りていったほうが良さそうだな。
『久遠』さん、『稗田』さん、申し訳ないがお付き合い下さい。
ほら、一吉と穂似子ちゃんも乗った乗った」

四人の言葉を受けて、『米原』も社へ向かうことに決めたようだ。
トラックに乗り込み、皆を急かす。

129宗海『エトセトラ』:2016/02/16(火) 00:06:31
>>128

>ムギュッ

背中越しの『ピースサイン』を二人に送った。

「でも、『トラック』に四人は乗れないわ。
 ……そうね、『お医者様』にも同行してもらいましょう。
 きっと、『車』でいらっしゃるのですよね?

 このような『田舎町』で開業されていらっしゃるのですから、
 小さな事情があっても、きっと考慮してくださるわ」

まさか、『自転車』でやってくることはないだろう。
『車』でやって来ると期待し、『医者』の同行をねじ込みたい。

130稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/16(火) 00:16:27
>>128(GM)
 
            ≪……GJ。≫

『穂似子』にスタンドの声で短く返答する。

「……えひ、まあ、乗り掛かった舟だし。」

        「協力しない理由がない……
          この状況的に考えて……」

   ニヤ

今のところ順調といった感じか。
・・・・そういうわけで、トラックに乗り込みたいが。

(……荷台にでも乗るのか僕?
  こいつの運転でそれは……笑えない……)

           ・・・しかも万全な車でもない。


「ああ……そうだな、帰りは荷物も載せるんだし……」

             「車は多い方が捗るわな……うん。」

エゴを抜きにしても医者は来てくれた方が良い。
そういうわけで、ここも『宗海』をフォローするのに回る。

131『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/16(火) 00:32:18
>>129-130
「ああ・・・『一吉』のヤツは『荷台』で良いだろうと思ってましたが、
にしても『四人』は入りませんな、確かに」
「ひ、ひでェ! 流石に凍えちまうって・・・」
「あ、そうだ。コレ掛けときなさいな」

ははは、と豪快に笑う『米原』。
そういえば未だに濡れ鼠だった『一吉』に、
『トキ』が集会所のストーブで暖めたらしい『毛布』を渡した。

<<どーいたしまして。いっちゃんのフォローは慣れてるよー>>

『穂似子』が『アーム』に張り付いている『スタンド』越しに答えた。
そして……道の向こうから、『エンジン音』が聞こえる。

「おお、噂をすればナンとやらだ。
『先生』――!こちらです――!
いや、急な連絡でご迷惑をお掛けしました」」

やって来たのは、白い『ワゴン』だ。丁寧な運転で路肩に止まると、
ドアが開き、上品そうな顔立ちの白衣を着た若い男が下りてきた。

「いえ・・・・・・医療に携わる身として、
『急』な事態にこそ、我々が必要とされるものだ、
そう思っておりますので。お気になさらず。
それで、『患者』の方はどちらに・・・・・・?」

そう言って、丁寧に応対する『医師』。
一見、全員『元気』そうな様子なので、少し『戸惑い』気味のようだ。

132宗海『エトセトラ』:2016/02/16(火) 00:52:13
>>131
>「いえ・・・・・・医療に携わる身として、
>『急』な事態にこそ、我々が必要とされるものだ、

    「ステキなお心掛けです。
     ――――村人を見捨てて逃亡した、
     『秋田』の村医者にも見習ってほしいくらい」

飛び出た賞賛の声は一オクターブほど高かった。
『トラック』に詰め込まれる前に、白いワゴンに乗ってしまう。

    「お社で『ケガ』をして、動けないようなの。
     ……ねェ、助けて下さいません?」

『ワゴン』の後部座席の中から、『医者』にのみ聞こえるように話す。
『米原』にケガ人と聞こえれば『不信感』を招くが、
『医者』に『野菜泥棒』の話をしても取り合ってはくれないだろう。

133稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/16(火) 01:02:25
>>131(GM)
>>132(宗海)

「………………えひ。」

(……家族みたいな、もんなのかな。
  こいつらは………………ああ、くそ。)

            「……」

と、そこにワゴンがやって来て、医者が下りてきた。

(……なんか名医っぽいな。
  雰囲気だけかもしれんが……)

       (秋田の、ってなんだっけ……? 
        なんかネットで見た気がするな……)

まあともかく。
役者は揃った。

           「……あっ。」

     (あいつ……)
                イラッ

さっさとワゴンに乗ってしまった宗海。
まあ功労者だし、なんか考えがあるのかもしれない……

  「……米原さん、
   僕はトラックのが良いか……?」

          「場所まで案内……
           あ、場所は知ってるか……」

視線をトラックに向けつつ。
『下手人』二人だけでは米原的に不安かもしれない。
まあ、そうでもない雰囲気ではあるが・・・正直できればワゴンがいい。

    ・・・・恋姫は知らないので意識はしていないが、
     米原に話しかけることは、彼の意識をワゴンから逸らすことに繋がる。

134『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/16(火) 01:28:41
>>132
乗り込んだワゴンは、後部座席が90度倒した状態で固定されていた。
恐らく、今回のように急な怪我人をいつでも運べるようにしてあるのだろう。

「ああ、それは……」

『米原』が『一吉』を呼び込もうとするのに対し、
機先を制する格好で、医師に接触する『宗海』。
『迅速』な行動で、策を実行に移す。

「……『社』……『裏山』の、ですね……?
そこに『怪我人』、それは、まさか――いえ、分かりました。
ところで、貴女とそちらの『お嬢さん』は、この村の方では無いと
見受けられるのですが、どちらから?」

『社で怪我人』と聞いて、医師の顔色が一変したように、
宗海には感じられた。
後から乗り込んできた『恋姫』も乗せ、ワゴンは裏山へと走り出す。

>>133
「ああいや、裏山なら道も分かりますし、
こんな小汚いトラックに若い娘さんを乗せるのも気が引けますよ」

他人のトラックに言いたい放題の『米原』だが、
とにかく『ワゴン』に乗っていって構わないらしい。

「・・・どうも先生も手伝ってくださるみたいですし、
私はこのアホを乗せていきますんで。穂似子ちゃんもワゴンに乗っていきな」

そう言うと、一吉の首根っこを掴んでトラックに引きずり込む『米原』。

「痛でデ・・・怪我人大切にしろよォ。あとアホって誰だ、名前で呼べよこらァ」
「……一目瞭然だと思うよ、いっちゃん。また後でねッ。
というわけで、お世話になります、『先生』ッ」

『穂似子』がサラッときついことを言うと、ワゴンに乗り込んできた。

「ええ、鎌田さん。後部座席は倒してありますから、
座るには、少し安定性に欠けます。ゆっくり行きますね」

総勢4人を乗せて、ワゴンが発車する。

135稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/16(火) 01:52:20
>>134(GM)

「んじゃ…………えひ、お言葉に甘える。」

(お前のトラックじゃないだろ……
   ……まあ、謙遜してるだけかもな。)

      (……やりとり……マンガみてーでやんの。)

              ニヤ

一吉と米原のやり取りに、小さく笑みを浮かべてワゴンへ。
複雑な感情はあれど、それを表出はさせない。

           「……」

そういうわけで、乗り込む。
そして。

「ああ……星見町から……」

『医者』の顔色は恋姫には確認できていない。
が、空気感。

         (……こいつ……?
          なんか知ってるのか……?)

                  ・・・壁際の小さくなって座る。

136宗海『エトセトラ』:2016/02/16(火) 23:03:08
>>134
「……? そんなに、『危険』な場所なのですか?
 少なくとも、『ケガ人』に心当たりが浮かぶような」

『星見町』の住人であると、『恋姫』に同意を示す。
裏山へと走りだす『ワゴン車』の乗り心地にひと安心する。
背もたれを直せるようであれば、平常通りに起こしておきたい。

    「そういえば、『一吉』君と『穂似子』ちゃんは、
     『お社』でケガをして、『発熱』したそうですね。

     ……その時の『診察』も、貴方がされたのですか?」

この医者は何かを知っている。だが、単刀直入には問いつめない。
関連するであろう『事実』を告げ、淡々と確認をしていく。

137『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/16(火) 23:28:18
>>135-136
「『星見町』……それは、それは。ずいぶん遠くからいらっしゃったんですね。
確か、あそこには立派な『クリニック』がありましたっけ……」

星見町から来た、と聞いて、『医師』は即座に
『アポロン・クリニック』の話を出してきた。

「袴田先生は病院の話になると目つきが違うからねー。
なんでこんなド田舎の『診療所』にいるんだか不思議なくらい」
「いや……はは、最新設備に関心がないと言えば嘘になりますが、
医師の本分は、あくまでも患者の一人一人と向き合うことですから」

『穂似子』が、口を挟む。『袴田』と呼ばれた医師は、
照れたように頭を掻くと、再び運転に集中する。
『宗海』は後部座席の背もたれを操作して起こし、背中を預ける。

「……ええ。あの時は、二人ともひどい『高熱』で。
診療所の設備ではカバー出来ない可能性もあったので
『大学病院』に搬送する寸前まで行ったのですが……
その矢先、二人とも急に『解熱』して、事なきを得ました」

<<先生のことなら、わたし達の『力』は『見えてない』よ>>

『穂似子』が、二人に『スタンド会話』で伝える。
その言葉を裏付けるように、『袴田』医師は無反応だ。

<<そう言えば先生、わたし達が『裏山』で遊んだあと倒れた、
って聞いたとき、なんだかすごく『驚いた』ふうだったらしいよ。
まあ、わたし達はほとんど覚えて無いんだけどさー>>

138宗海『エトセトラ』:2016/02/16(火) 23:47:52
>>137
「『八階建て』なんて、もう『百貨店』と変わらないわ。
 これからは『買い物』のついでに『健康診断』なんて、
 『サービス業』のように『医療』と接する社会になるのでしょうね」

       「病院嫌いで検診をサボってたら、
        洒落にならない『重病』だったなんて危険が、
        少しでも無くなると良いのですけれど」

『袴田』の『医療トーク』に相槌を打ちながら、身体を楽にした。
自身の長く過ごしていた『病院』についてなら、話を合わせられる自信がある。

       ≪あら、ちょっと疑いすぎたわね。
         ……けれど、『スタンド使い』でもないのに、
         『お社』に過剰反応するなんて、少しだけ妙だわ……≫

『米原』のような態度を取るのは『村』なら当たり前だと考えても、
そうなると『トキ』の態度に理由が浮かばない。

        「一人ひとりと向き合うという『姿勢』は、本当に美しいです。
         私達のような『弱者』は、強者の庇護の下で生きられる」

        「……ところで、『先生』はこの村にご縁があるのですか?」

139稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/16(火) 23:57:13
>>137(GM)

「アポロンクリニックね……
  あそこは……まあ、相当デカいわな……」

          コク

      (こいつ色んなことに詳しいな……)

喋る宗海を横目に、頷く恋姫。
その宗海と会ったのも、その病室が初めてだ。

  (……まじで名医っぽいななんか。
    ……『ブラックジャック』みたいな? えひ。)

「…………高熱ねえ。
 お社で……なんか厄そうだな……」

恋姫は『ウィルスの直接投与』で目覚めたスタンド使いだ。
『発現経路』の違いゆえ、『共感』はない。

       ≪……民話に詳しいとか?
          例の話に結びつけたんじゃない……?≫

              ≪それかスタンド知ってるだけ、
                  エアスタンド使いとか……≫

何らかの知識があるのは確かだろう。
村に関わっているから、以上に。

「…………」

          ス

恋姫自身は窓の外に視線を向けて。
なるべくなら……酔わないようにしておく。悪路だから。

140『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/17(水) 00:24:13
>>138-139
「実際……『医療』とは、もっと気軽なものであるべきとは思いますよ。
病院が『堅苦しい』とか、『怖い』、『信用できない』というようなイメージを
持たれるのは、避けなければならないでしょう」

熱が乗ってきた『袴田』の様子を、『穂似子』が
少しばかり『面白そうに』眺めている。

<<先生、良い人だけど……話が長いんだよね。
うちの『教頭』といい勝負>>

「とにかく、自分たちを『権威化』するような姿勢には、
いささか……あ、いえ、失礼」

ごほん、と咳払いをして、宗海の問いに答える袴田。

「『上ノ田村』との『縁』ですか……私の家は、
古くから代々『漢方医』を勤めていたのですが、
そこへ『婿入り』した方がこの『上ノ田』から『流れてきた』のだと、
祖父や曾祖父から伝え聞いております」

<<んー、色々『雑食』なとこある先生だけど、
『民話』とかに詳しい、ってのは聞いたことないかな。
あったら、わたし達も『社』のこととかもっと聞いてるし>>

『穂似子』が、『恋姫』にひそひそ答える。
『スタンド会話』だから、音量を気にする必要は無いが……いつものクセ、だろうか。

141宗海『エトセトラ』:2016/02/17(水) 00:37:33
>>140
>≪……民話に詳しいとか?
>  例の話に結びつけたんじゃない……?≫

  ≪正解ね。『恋姫』ちゃん。
    ……それに、事態はより『根深い』みたいよ≫

『村人』が婿入りした『漢方』の家系。
『鬼っ子』を助ける術を探し、村を出た『許嫁』。
……きっと、この二つは深く、繋がっていると思えた。

   「そうでしたの。では、この土地に『縁』があったのですね。
    私も少しだけ『昔話』を聞いただけですので、
    この村の風習や文化なんて、全くの門外漢なのですけれど、

    ――――どう、思いました? 『鬼っ子』の昔話は」

声色を低くし、神妙そうに問い掛ける。

142稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/17(水) 01:02:37
>>140(GM)
>>141(宗海)

≪でも……社かスタンドのこと、
  どっちかは……情報通な雰囲気だぜ……≫

合わせるように、やや声を落として返す。
そして。
 
       ≪……え。≫

≪な…………なんか、ポイントでも……貰える?≫

『正解』の言葉。
袴田医師の『正体』を飲み込む。

何とかして『治す手立てを求めて』――『漢方』に行きついた血脈。

       ≪なあ、こんなフラグ回収……
         ……あるもんだな。現実でも。≫

『許嫁』の血がめぐり、めぐって『鬼っ子』を助ける。
もしそうなれば――

≪……良い奇跡……に、なるといいんだけど。≫

              ・・・宗海の問いへの、答えを待つ。

143『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/17(水) 02:11:22
>>141-142
「……『鬼っ子』……!
何故、貴女がその『話』を?」

『答え』に思い至る『恋姫』。
『確信』を持って『核心』を突く『宗海』の問いに、
『袴田』が、驚きをあらわにした。

<<あ……あっ、そっか、そういうこと……!
わたし達、凄く近くにあった『答え』を見落としてたんだ>>

『穂似子』が、二人にやや遅れて、理解したようだ。

「……ということは、既に大方の話はご存知なのでしょう。
私から、改めて繰り返すことはいたしません。
答えは、貴女の、いえ貴女がたの、想像するその通りです」
「私が付け加えるのは、件の『許婚』のその後……それだけです」

袴田はそう言うと、静かに語り始めた。

「妻となるはずだった女性、その『無念』を晴らし、
眠りについた『鬼っ子』を救うために、彼は村を出、
『医術』を学びました。
しかし、当時の医術……『漢方』は『経験則』によって成り立つ
医学です。当時の感覚で『死んだ』とされる者を蘇生させる法は、
そこにはありません」
「結局、彼は『解法』を見つけることは叶いませんでした。
しかし、『子孫』に、一つだけ『伝言』を遺したのです。
いつか『死の淵で眠る者』を蘇らせる術を見出したなら、その時は――」

『ワゴン』の窓から、『裏山』の入り口が見えた。

「――『あの子を救ってやってくれ』と」

「……袴田先生、あの、わたし……」

「そろそろ、到着しますね。
私にも、少しだけ、分かりかけてきた気がします。
『怪我人』が誰か――これは、医師としての経験や知識とは
何の関係もない『予感』ですが」

144稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/18(木) 00:10:58
>>143(GM)

現代の医療は、過去から見れば、
……それこそ神通力以上の『魔法』だろう。

「…………」

(いい話だ……釣りのわけもない……
  ……事実はゲームより奇なり、って感じ……)

息をゆっくり吐き出す。
『子を思う親』だからこそ、運命の伏線が?がったのだろうか――

恋姫はやや俯きがちになる。
心中に湧き上がる思いは、今は関係ない。

     「……」

         「……」
          
「…………入り口、見えてきたぜ。
  ……ここまできて、バッドエンドは絶対なしだかんな。」

          「僕が言うのも……野暮だろうけど……」

                      ・・・そろそろ到着か。

145宗海『エトセトラ』:2016/02/18(木) 21:47:37
>>143
「……そう、なの。
 奇妙な『縁』もあったものね」

背もたれに身体を預け、『到着』を待とう。
何にせよ、『役者』はこれで揃ったのだ。

      「長く長く、『今日』を生きた『鬼っ子』に、
       ――――『明日』を与えるのは、貴方です」

                   トコ
      「『死』を待つだけの『床』は、最も恐ろしいですから」

146『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/18(木) 23:01:20
>>144-145
「…………ええ。救って、みせます。『必ず』――
医師として、『絶対』という言葉は軽々しく使わないように心がけています。
それでも、今回は、『絶対に』……」

『袴田』の目が、鋭くなった。
先ほどまでの温厚そうな雰囲気は、既にない。
命と向き合う人間の、峻厳な表情がそこにある。

「・・・うっし、行くぜ・・・!」
「『ジャガイモ』取りに行くのに何でそんな元気なんだお前はァ」

先に止まった軽トラから、『米原』と『一吉』が下りて、
裏山を登り始める。
少し遅れて、袴田が『ワゴン』を停車させ、『恋姫』『宗海』『穂似子』も
車外に降り立つ。

「さあ……行きましょう。しかし、いつ見ても『険しい』道ですね」

袴田が呟く。
一度登った『恋姫』は分かるだろうが、『宗海』にとっては『初見』の山道だ。
急峻な山道には、『荒縄』が一本。命綱のように垂れ下がっている。

「わたしは、まあ、慣れてるから良いけど……
えと、お二人さんは、ここで待ってても良いんじゃないかな」

『穂似子』が道程の大変さを慮ってか、二人に声を掛けてきた。

147稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/19(金) 00:31:32
>>146(GM)

「…………」

   コク

袴田に小さく頷き、そして、ワゴンから降りる。
清涼な空気を吸って、吐いて。

           「……」

       トコ  トコ

「……えひ。ゲームじゃないけど、
 こういうのは……エンディングまで見ておくもんだし……」

       「……ハッピーエンドなら、なおさら。」

正直あれをもう一回、というのはキツイ。
だが、キツイからやらない、という状況でもあるまい。

・・・・これは『村』の心の系譜の物語だ。
しかし恋姫もまた、そこに関わったのだ。

    (エンディングを見なきゃ……
      泣き寝入りにも泣けないからな……えひ。)

(終わった後の帰り道は……
 後悔しそうだけど……それか行きの半分くらいで……)

                  ・・・裏山を登り始めよう。

148宗海『エトセトラ』:2016/02/20(土) 20:57:10
>>146
>「わたしは、まあ、慣れてるから良いけど……
>えと、お二人さんは、ここで待ってても良いんじゃないかな」

これより先は、そもそも『招かれざるモノ』である自身には、
縁の遠い話なのかも知れない。それを自嘲するように、両目を細めた。
「そうね」と一言だけ同調を示し、『穂似子』に向き直る。

     「貴方は『運命』という言葉を信じるかしら?

      私はね、『信じる』方よ。
      この世の中には大きな力が働いていて、
      それが『重力』や『磁力』のように、惹かれ合わせる。

      『袴田』さんが村にいらっしゃったように、
      私と『恋姫』ちゃんが依頼を受けたように、
      ――――貴方達二人が、『力』に目覚めたように、ね」

     「それに、貴方との話を聞いて、『目的』も一つ増えたわ」

『荒縄』を掴まなければ登れない、険しい山道を見上げる。
しかし、ここに居る『力ある者』であれば、きっと登らねばなるまい。
そう決心し、裏山を登り始めた『一吉』の服の裾を掴み、引き止める。

     「『一吉』君、私を背負っていってくれないかしら?
      私の体重が、確か『49kg』くらいだから、
      『プレッシャー・ダウン』を発動させれば、出来るでしょう?」

     「……ねぇ、おねがいっ

      私、きっと役に立つわよ。
      しっかり掴まって、落ちないようにするから、ねっ?」

上目遣いで『一吉』を見つめ、弱々しい素振りを作って頼み込む。
甘言やボディタッチなどを駆使して、何としてでも運んでもらう。

149『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/20(土) 22:21:04
>>147
「そっか…………そうだよね、うん。行こっか!」

『恋姫』の言葉に、『穂似子』がうんうんと頷いた。

「『医師』として言いますが……厳しいと思ったら、すぐに言って下さいね。
一人分の体重くらいなら、支えることは出来ると思いますから」

『袴田』が、心配そうに言った。
支える……とは言ったが、彼も相当な『細腕』だ。

『裏山』を登り始める『恋姫』。
さすがにキツいが……『二度目』ともなると比較的『慣れ』がある。
最初に登った時よりは、消耗も抑えられそうだ。

……ところで、『宗海』は『一吉』に連れて行ってもらうことにしたようだ。
穂似子が一吉を置いて、ノシノシと登っていくのが見える。
>>148
「へ・・・?
お、俺に掴まってくつもりかよォ!?」

『宗海』に袖を引かれ、『一吉』は明らかに狼狽えた様子を見せた。

「・・・べ、別に構わねーけどよ、『女子』を背負うなんて、その、何つーか」
「……いっちゃん?」

あたふたする『一吉』を、『穂似子』が睨んだ。目が、据わっている。

「い、いやまあ、『50kg』なら楽勝だけどよ、『穂似子』と違っ――」

ブギュッ

「あ痛、ッ!」
「――先行ってるからね? いっちゃん」

……一吉の足を踏んづけた『穂似子』が、ノシノシと裏山を登っていく。

「な、何だよォ『穂似子』ォ・・・
まあ良いぜ、連れてってやるからしっかり掴まってけよ」

ともかく、背負って行ってくれるようだ。

>>ALL
……………………

山道を登る一行――やがて、『お社』が見えてくる。

150宗海『エトセトラ』:2016/02/20(土) 22:43:59
>>149
>「い、いやまあ、『50kg』なら楽勝だけどよ、『穂似子』と違っ――」

     「『49kg』よ」

『一吉』が足甲を踏まれるのに合わせ、強調した。
ちょっとした『痴話喧嘩』はあったが、どうやら企みは成功したようだ。
振り向くなりして『恋姫』と目があえば、軽く手を振っておく。

     「それじゃあ、よろしくねっ

      ……あら、『二の腕』も硬いのねぇ。
      フフッ、これなら任せられるわ、ガンバってね」

『一吉』にピッタリとしがみつき、坂道が終わるまで背負ってもらう。
年下の中学生を差し置いて自身が『楽』をすることに、
一切の『引け目』や『躊躇』がない。――――ここまでやるのが『弱者』だ。

     「ねェ、『米原』さんってどういう方?
      あの人も『村』の出身なのでしょう?

      ――――農家だと思ったけれど、『軽トラ』は持ってなかったわ。
      『ワゴン車』でも事足りるでしょうけれど、他の仕事をしてるのかしら?」

背負われてるのを良いことに、『一吉』の耳元に質問を投げかける。

151稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/20(土) 22:53:58
>>149(GM)
>>150(宗海)

        「……おう。」

穂似子に頷き返して。

「えひ……無理すんなし。
 僕は軽いし……自分でやれるよ……」

軽いし、若い。体重は公にしないが、ここにいる全員よりも。
『袴田』とは、『難易度』的に似たような物だろう。……たぶん。

            ・・・それにしても。

   (……あいつ……
     要領いいやつだな……)

       (ゲームするなら……
         強いんだろうな……)

     イラッ

             (何手ぇ振ってんだ撃つぞ……)

『宗海』を確認して。
思いついても中々出来ることではあるまい。
手を振ってきたのには切羽詰まった笑みで返す。

まあ多少イラつくが……今はそういう場合でもないし、責めも出来まい。

「……あ……見えてきたな。」

          ハァ
                 ハァ

             ・・・あともう少しがんばろう。

152『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/21(日) 02:39:03
>>150
「・・・お、おう」

背後から声を掛けられた『一吉』が、ぎこちなく返事する。
耳が真っ赤になっているのに、『宗海』は気付くだろう。

「米原のオッサン?
あの人は元々『先生』やってたらしいぜ、
俺が物心ついた時はもう『退職』した後だったけど」
「オッサン、つーか・・・年齢的には『爺さん』の方が
良いのかも知んねーけど、やたら『元気』だからよォ・・・
なんか『オッサン』の方がしっくりくるな、俺は・・・と」
「着いたぜ」

一吉の足が止まる。
古びた『社』が、『宗海』の視界に入る。
『袴田』以外の一行も、到着しているようだ。

『……………おいでください』
『おはいりください』
『……………おいでください』
『おはいりください』

同時に……機械的に繰り返される『声』が聞こえてくる。
>>151
ザッ ザッ

ちょっと怖い顔をした『穂似子』ともども、
言いたいことを堪えて『登山』に集中する……
程なくして、再び『お社』に到着した。

「ふはー……いつ登ってもきっついよね、ここ」

『穂似子』が、くたびれた様子でそう言った。
『米原』は、まだ余裕のありそうな表情だ。辺りを見回している。
『袴田』はだいぶ遅れているようだ。体格的にも、
ここへの『慣れ』の面でも厳しいものがあるのだろう。

『……………おいでください』
『おはいりください』
『……………おいでください』
『おはいりください』

『恋姫』の耳に、先刻聞いた『声』が聞こえてくる。

153稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/21(日) 21:04:37
>>152(GM)

(……こわちか〜……えひ、恋する乙女ってやつか……)

       ザッザッ

踏み込んで得する話でもないし、恋路を邪魔する気はない。
べつに宗海も邪魔したいとかではないだろうけど。

        ・・・お社に着いた。

「……ハァ ゲホ ……まじで、
   ……完全無欠にベリーハード、だ……スタミナ的にもうダメぽ――」

            ハー  ハー

        「――――! 聞こえる、よな……」

息を整えつつ。
聞こえてくる声――『主役』達の舞台から。

≪宗海……宗海、この声だ……お前も聞こえてるよな……?≫

           ≪社から聞こえるだろ……
              ……あの中に、いるんだ。≫

「……お医者さん…… 
  ハァ ……そろそろ、来るかな……?」

        「ちょっと……やばいって感じはしてたが……大丈夫か……?」

    ハァ  フゥ

呼吸を整えつつ、『袴田』が到着するのを待つ。
作物、そして『運命の子』を運び出すのは、それからでも遅くはない。

154宗海『エトセトラ』:2016/02/21(日) 23:13:43
>>152
「あら、そうだったの。
 ……ありがとう、ここでいいわ」

『お社』に到着したら、『一吉』の背中から降りる。
そして、呼びかける声に応えるように、社へと近づいていく。

    「ねえ、聞こえてこない?
     ちょっと、先に入るわね」

社の中へ侵入しようとする。

155『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/22(月) 00:26:52
>>153(恋姫)
『袴田』の到着を待つ『恋姫』。
しばらくして、息を切らしながら彼が上がってきた。

「……普段から運動するように心がけてはいるんですが、
それでもこの道は『険しい』ですね」
「あ、先生お疲れ様ー、こっちだよ、こっちー」

『穂似子』が呼びかける。
『一吉』と『宗海』は、社の前にいるようだ。

>>154(宗海)
「ああ・・・あ、ちょい待った、言い忘れてたんだけどよ」

社に近づく。古ぼけた社に似合わぬ、真新しい『扉』がある。
その『扉』を開けようとする……と、『一吉』が声を掛けてきた。

「多分、入るんならみんな『社』の前に集まってからの方がいいと思うぜ。
前、俺だけ先に入ったらいつまでたっても『穂似子』が来なくてよう。
で、たっぷり待ってから社から出たら、『1秒』も経ってなかったんだよ、こっちで.」

自分の体験になると頭が回るのか、落ち着いて話す『一吉』。

「一緒に社に入るときは、いつも『手ェ繋いで』入るんだ。
多分そーすると、何人でも一緒に入れると思うぜ。
逆に言うと、穂似子たちが来る前にやりてーことがあるなら、
今入っちまっても良いけどよ」

156稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/22(月) 16:04:47
>>155(GM)

到着するころには呼吸もおおかた、整っているだろう。

「…………おつかれぇ〜。」

『袴田』に声をかける。
彼も疲労しているし、あまり急かせもしない。

         ・・・宗海たちを見る。

(……待たせてるっぽいな。
  つーか人背負ってあの速さって……
   マジかよ『一吉』最強じゃん…………)

纏うタイプのスタンド――流石の威力だ。
本気の殺し合いでなくて本当に良かった。

        (DQNで……リア充で……
          でもまあ……今は、仲間だからな。)

人間関係面のダメージはまあ、彼らはすぐ直るのだろう。

「……んじゃ、落ち着いたら……お社、行こう。
  触れたら入れるんだよな? 僕はそう認識してるが……」

何か明確なルールとかあるのだろうか。
ともかく、『穂似子』と『袴田』と共に、『お社』の方へと向かいたい。

157宗海『エトセトラ』:2016/02/22(月) 22:56:31
>>155
「『時』の流れが違うのね。

 ……いいわ。『全員』で入りましょう」

『社』の前で待ち、手を繋いで全員で入る。

158『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/22(月) 23:12:28
>>156(恋姫)
「そそ。『扉』に触れば入れる……けど、
何人かで一緒に入るときは、扉に触る人に触ってるか、
すぐそばにいないと『置いてかれ』ちゃうから」

『袴田』と『穂似子』を連れて『宗海』たちに合流する。
互いに触れ合いながら、宗海が扉に触れ――
『恋姫』にとっては、二度目の感覚に包まれる。

>>157(宗海)
「・・・お、おう。多分そんな感じだぜ」

分かってなさそうな『一吉』はさておき、
集まって来た面々と相互に触れ合い、そして
『宗海』は扉に触れる。

その瞬間、『音』や『光』が、自分の後ろに
消え去っていくような感覚に包まれ……そして、視界が真っ白に染まる。

>>ALL

――――
――――――

『…………これは……ずいぶん、『大所帯』でお越しになられましたね』

――視界が晴れたとき、一行は、『庵』の中にいた。
『声』が、語りかけてくる。

159宗海『エトセトラ』:2016/02/23(火) 00:05:08
>>158
「本当に、『別世界』なのね。

 ……どうしましょう。まずはお茶でも、と思ったけれど、
 『異世界』の食べ物を食べると、戻って来られないなんて聞くわね」

聞くと見るでは大違い、とは耳にする話ではあるが、
それにしてもあまりの事態に混乱し、訳の解らないことを呟いている。

      「こちらは『医者』の方よ。

       ……私も詳しい事態は把握しておりませんので、
       『恋姫』ちゃんやお二人に、伺っては頂けませんか?」

『声』には『医者』の到着を伝えれば十分だろう。
むしろ、『米原』や『袴田』の態度が気になるところだと、
詳しい説明が出来るであろう、他の三人に解説役を任せる。

160稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/23(火) 00:20:17
>>158(GM)
>>159(宗海)

「……ああ、なるほど。シンプルなやつな。」

シンプルが良い。

        
――――
――――――


・・・・そして、視界は晴れた。
何度か目を瞬かせる恋姫。二度目だし、多少慣れた。

「えひ……」

「『ヨモツヘグイ』……だっけ……漫画で見た。
 まあ、ここはあの世とかじゃないらしいし……たぶん……」

そうは言うものの、スタンド空間だ。
変なルールがあっても、おかしくはないのだろう。

だがここは『死』の世界ではない。
『声』に――なんとなく天井に視線を向け、語りかける。

「……呼んできたぜ、外の……人。
 ……こいつらは悪いことしないよ。しても……あー……言っただろ……」

何かあれば恋姫が守る。
何もないとは、思うけれど。

       「『フラグ』は……立ったんだ。
         ハッピーエンド……あいつを助けるための。」

ひとまず恋姫は仕事を果たした。
あとは――『彼女』がどうするか、そして『外』がどうなるか。

                ・・・最後まで付き合おう。

161『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/23(火) 01:35:04
>>159(宗海)
『あなたは……なるほど、『恋姫』さまと
ともにいらっしゃった方のようですね。
良く来てくださいました――『医術』を修めた方を、
連れてきて下さったのですね』
『……ありがとうございます』

『声』は、友好的な様子でそう話しかけてきた。

「・・・・・・い、いや、何がなんやら分かりませんが、
わたし達は確か『お社』の前にいたはず・・・」

『米原』は、流石に動揺を隠せない様子だ。
彼にとっては全くの『寝耳に水』状態なのだから、無理もないが。

「ここが……いや、驚きましたが……
それより、『怪我』をした子は、どこにいるのでしょう」

『袴田』は、既に移動中、ある程度予期していた展開だからか、
比較的現状を受け入れられているようだ。
驚きよりも、『患者』がここにいる、という事実と
医師としての使命感の方が優先されているのかもしれない。

と、『声』に誘導されて、穂似子、一吉、袴田が物置の前へ。
戸が開く……そこには、青白い肌、金色の髪の少年が眠っている。
>>160(恋姫)
『……』

外からつれてきた者たち、
その存在を伝えると、『声』が暫く沈黙した。

『ありがとうございます……それに、しても』
『ごめんなさい。あの人に、『瓜二つ』だったものですから』

どうやら『袴田』の姿に、彼女自身の『許婚』の姿を
思い出していたようだ。

「あ、そうそう。
『袴田先生』、『声』は聞こえてる?」
「……いえ、何も……ただ、何故でしょう、
『懐かしい』ような感覚があります」

『穂似子』の問いに、袴田が答える。
スタンド使いではない彼にとって、『声』は認識できないようだ。

『……『穂似子』、『一吉』、その方をこちらへ……』

声が、物置へと袴田たちを導く。
一吉が衾を開けると、恋姫が見たときと何ら変わらない
『鬼っ子』の姿がそこにあった。

「……ああ、この子が、『言い伝え』の……!」

感慨深げに、袴田が声を漏らした。

162『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/23(火) 01:37:26
>>159-160
「『一吉』くん、慎重にお願いします……」
「お、おう」

『布団』ごと、『鬼っ子』を『プレッシャー・ダウン』を纏った一吉に
運んでもらい、庵の中央にそっと下ろすと、
袴田は彼の傷を診はじめる。

『声』は、何も言わず……固唾を飲んで、
彼の診察を眺めているようだ。

「・・・な、何が起こってるんです?」

一人事態についていけていない『米原』が
困惑気味の声を、小さく上げた。

「あっ、おじさんのこと忘れてた。ゴメンナサイ、
あとでちゃんと説明するね」

『穂似子』が、小声でそう言うと、米原は困惑しながらも、
この場は静かになった。彼も、『邪魔』はしたくないのだろう。

……
…………
しばし、時が流れる。
ひたすらに『長く』感じられる時間だが、
外の世界においては『一秒』たりとも経過していないのだ。

やがて――『袴田』が顔を上げた。
その表情は、緊迫こそしてはいるものの、『絶望』は湛えていない。

「――あくまでこの場、初期診療による判断ですが、
この子が意識を喪失している原因は、重度の『脳震盪』に
よるものでしょう。強い『外的衝撃』が頭部にもたらされた結果起こる症状です」
「従って、すくなくともここから『外』に出すことで、
『生命』が即座に危機にさらされる可能性は低い、と考えます」

「ただ、もう一つ――恐らく転倒した際に、
『背骨』を強く打ったようですね。呼吸が極めて微弱なのは、
その『衝撃』で『肺』の機能が低下しているからでしょう。
加えて、『脊椎』が損傷していないと、良いのですが……
固定して、運ぶ必要があります。器具は、持ってきてありますが」

そこまで言い終えて、袴田は、ふう、と息をついた。

「……ともあれ、最も大切な点は一つ。
『希望』は、あります。速やかにこの子を運び、
診療所へ行きましょう」

163稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/23(火) 02:21:17
>>161-162(GM)

「……えひ、気にすんなし。
  ……僕がやるって言ったんだから。」

           ニマ ・・・

陰気な笑みを浮かべる。

「……」

『夫婦』――の、いや『家族』の時を隔てた再開か――?
その心だけであれ。

(…………そっからは、たぶん、
  僕が立ち入っていい世界じゃ……ないな……)

         「よかった……よな……」

出来るのは見届けるくらいだ。
『奇跡』のハッピーエンドを。

それと。

(わからん殺しされたみたいな顔してんな……
 まあ、常識的に考えて……それが当たり前なんだが…………)

『米原』は困惑させてしまった。
もっとも、ウソをついたわけではないが。

           ・・・作物はあるだろうか?

……
…………

そして、『診断』が終わって。

「えひ…………」

息を漏らす。
あとは運び出して、医学に任せれば。

「……僕も……あー、手伝えそうなら手伝うけど……」

       クル

          「先……解答編のが、
             いい感じのやつなのかな……」

『米原』への説明は、きっと、すべきことだ。
『ハッピーエンド』は誰か一人や二人でなく、みんなで迎えるもの。

164宗海『エトセトラ』:2016/02/23(火) 23:14:54
>>162
「そう、ですか。
 ……良かったわ、本当に」

『袴田』の診断を聞き、ホッと胸を撫で下ろした。
少なくとも、『致命傷』ということはなさそうだ、と。

       「『一吉』君、お願いね。
        ……さあ、『診療所』へ急ぎましょう」

さっさと扉から出て、『石像』の傍へと向かう。
仮に『袴田』の言う通りだとしても、まだ『不安』は残る。
もしもの為の備え、――――『石像』を『エトセトラA』に齧らせ、
粉塵を蓄蔵させた上で『ハンドバッグ』の中に隠す。

165『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/23(火) 23:35:44
>>163(恋姫)
「手伝っていただけますか……お願いします。
『一吉』くんだけだと、安定性に不安がありますから」

……要は『ガサツ』だと言うことなのだろうが、
『袴田』とも手分けして、慎重に『鬼っ子』の背、そして首を揺らさないように固定する。

「んー……それも考えたけど、一旦落ち着いてから……かなあ。
今はドタバタしてるから、ゆっくり説明とか出来なさそうだし」

とは『穂似子』の言である。
『米原』はというと、庵の隅にある作物の『カラ袋』を抱えたまま、
『鬼っ子』を見ながら、何かを『思い出す』ような遠い目をしていた。

『…………その子を、お願いします』

『声』が小さく呟く。
一吉が、穂似子が、何も言わずに頷く。
そして――一行は光に包まれ、それが晴れたとき、
『社』の前に戻る。違うのは、ただ一点、
『鬼っ子』が、こちらの世界にいることだ。

>>164(宗海)
「ええ……私自身、ホッとしています。
脳機能や脊髄に障害が起きていないか、詳しく調べる必要はありますが……
ひとまず、『命』は救うことが出来る公算が立ったわけですから」

袴田は、精悍に笑った。
一吉に言葉を残して、一足先に社を出る――――

……
…………

眩い『光』が、『宗海』の体を通り抜けていく。
そうして目を開けると……一足先に社を出たはずが、
『鬼っ子』を連れて出てきた一行と全く『同じ』タイミングで
社の前に立っていた。
幸い、一行は『鬼っ子』に注目しているため、
視線は『像』や宗海には向いていない。
その間に、素早く石像をかじらせ、『石粉』を含んだ
『エトセトラ』を、『ハンドバッグ』に忍ばせた。

166宗海『エトセトラ』:2016/02/24(水) 00:06:18
>>165
「これを『使わない』ことを祈るよりないわね」

全ての準備を終え、彼らに合わせて『下山』していく。
スマートフォンのライトで『一吉』達の『足元』を照らしながら、
ゆっくりとした歩調で、安全を第一に、だ。

167稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/24(水) 00:16:16
>>165(GM)

(……作物は消費品だしな……
   人の命には……ってわけにもだろ……)

そこは悪事だ。
が、今は追及はいらない。

       「……・」

   コク

『穂似子』に頷いて。

「まあ……僕も『安定感』って柄でもないけど……」

            グ

         「……っと、と……」

力仕事は得意でもない。
とはいえ、相手は子ども。

(おっも……肩抜け……はしない、が……
  ……気絶してると重いって、まじなんだな。)

       (……命の重みだしな。がんばれ僕……)

恋姫の細腕でも、流石に――固定くらいは問題あるまい。
恋姫もまた、『声』に頷く。

    「ちゃんと……願われてやんよ。
     願われるのは……えひ、慣れてるしな。」

                 ・・・そして、外の世界へ。
                    全ての『フラグ』はきっと既に。

168『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/24(水) 00:51:15
>>166-167
「お・・・サンキューな」

 ライトで道中、足元の補助をする『宗海』。
それに気付いた『一吉』が、短く礼を述べた。

 『恋姫』は、一吉と『袴田』と一緒に、慎重に
『鬼っ子』を担いで下りてゆく。
 『穂似子』は、一歩はなれた場所から、
何かあった時に、即座にフォローに入れる体勢を
とっているようだ。

 子供を三人がかりで運んでいるとはいえ、
人間一人、『30kg』は下らない重さがある。
山道を下るのは、そう易しいことではない。

 と……『恋姫』の感じていた負担が、ふいに弱まった。

「・・・オッサン」

一吉が呟く。『米原』が、手を貸していた。

「ガキの頃……俺も、結構な悪ガキだった。
だが、それは手段を知らなかっただけでな。
間違ったことを、やろうと思っていたわけじゃない」

「この子を助けるために、『盗み』をやってたんだろう。
手伝うから、とっとと下りるぞ、一吉」

――――そうして、一行は、山の入り口へと到達した。
速やかに、鬼っ子を『袴田』の車に乗せ、
背部シートを倒して、しっかりと固定する。

「行きましょう……一刻も早く」

 そう呟くと、袴田は車を走らせる。
一行は一路、診療所へと向かう……

169稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/24(水) 01:02:08
>>168(GM)

「…………」

    フゥ
            フゥ

「……!」

          「…………えひ。」

エンディングが始まるならば、
恋姫はもう、これ以上、新しい『イベント』なんて起こさない。
    
  ・・・

       ・・・

              ス 

診療所へ、向かうだろう。
『傷』は――いずれ治る。心もまた、この村の物語ならば。

  (僕は…………ちゃんと約束、守ったぜ。
    あとはお前が……最高のエンディングまで、頑張ってくれよ……)

                   ・・・『鬼っ子』にもきっと、明日はあるのだろう。

170宗海『エトセトラ』:2016/02/24(水) 01:12:16
>>168
「(『鬼っ子』は、ひとまずは治りそうね)」

それはこの『物語』に『決着』が付くということだ。
ならば、後は無事を祈るだけだ……。

      「(あの『石像』には、もう一度寄らないとね。
        あのまま『放置』するには、危険過ぎますもの)」

171『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/24(水) 19:07:54
>>169-170
 揺らさないように、慎重に慎重を重ねながら、
『袴田』が診療所へと車を走らせる。
到着すると、『一吉』と『米原』が、真剣な面持ちで
『鬼っ子』を診療所に運び入れた。

――二時間後。

 『宗海』と『恋姫』は、診療所の『待合室』にいた。

「……とりあえず、ここで出来ることは全部やったってさ」

 『穂似子』が、そう言う。傍らには、『一吉』がいる。表情は、やや疲れた様子だ。
特段何か袴田を手伝ったわけでもないが……気疲れ、というやつだろう。

「『脳震盪』なら、少なくとも『数週間』で意識は戻るらしいよ。
脊髄に異常は、今のところないし……気道を確保して、人工呼吸器で呼気を送り込めば……
あとは、意識さえ戻れば、何とかなるみたい」
「・・・ってことらしいぜ。俺には良くわからんが、
『無事』ってことが分かれば十分だッ」

 ざっくりとした『一吉』の理解に、苦笑する『穂似子』。

「本当に、ありがとう……あなたたちがいなかったら、
私たち、いつまでも『遠回り』し続けてたかもしれない……わっ」
「ほれ、穂似子ちゃん、一吉。疲れたろう、休みなさい」

 『米原』が、疲れた様子の二人の肩をぽん、と叩いた。
二人を休憩室に向かわせると、口を開く。

「私からも、お礼を言わせていただきます。
明日から――あの二人を連れて、謝りに回らにゃあいけませんが、
それが済んだら……寿司でも、奢ってやろうと思っとります」

 あいつらには内緒で頼みますよ、と『米原』は笑った。

「……おっと、お二人は『電車』で来られたんでしたね。
『終電』はまだですが……ここの夜は、寒い。
最寄駅まで遠いことですし、送っていきますよ」

 米原が、そう申し出る。
この村には『宿泊施設』の類がない。彼にとっても、
この提案が精一杯の『誠意』なのだろう。

 ここを去る前に、『袴田』と『鬼っ子』の様子を見ることができた。
袴田は、真剣な顔で少年を見守っている。
……いつか目覚めたそのときには、必ずお知らせする。
米原たちは、そう『宗海』と『恋姫』に約束した。

 『穂似子』と『一吉』に見送られ、二人は村を出て、
『星見町』へと帰っていった。

 しばらくして、二人の元に、現金『20万』が『書留郵便』として送付された。

172『上ノ田村からの手紙』:2016/02/24(水) 19:11:02
――二ヵ月後。

 二人は、自宅宛に、一通の『封筒』が投函されているのを見つけた。

 差出人の住所は、『上ノ田村』。

【 お久しぶりです。穂似子です。
 あのときは、本当にありがとうございました。

  あのあと、米原のおじさんと一緒に、迷惑かけた
 皆さんのところに、謝りにいきました。
  おじさんが昔のことを説明してくれたのかな、
 一杯怒られたあとで、一杯謝られました。

  今は、それなりに楽しくやっています。
 いっちゃんは、良くケンカを起こしてますけど……

  そうそう、私といっちゃん、お二人のいらした
 『星見町』の高校を受験することになりました!
 もし合格したら、そちらに下宿することになるかも
 知れません。私は多分大丈夫だけど、いっちゃんは怪しいかな。

  そのときは、よろしくお願いしますね】

【 栗原だ・・・じゃあ分からんか。一吉だ。
 色々、ありがとう。迷惑かけて済まん。
  大体のことは穂似子が言ってると思うから、
 改めては書かない。

  世話になった。きっと、恩は返す。それだけだ】

【 春の陽気が待ち遠しい今日この頃、いかがお過ごしですか。
 米原のトキでございます。

  年末の一件では、本当にお世話になりました。
 おかげさまで、あの子たちと我々の関係も
 ぐっと良くなり、乙次さんも心なしか活き活きとしているように
 感じられます。

  それと、もう一つ……あの『子』のことでございます。
 あなたがたが、村に伝わる悲話から、あの子を――そして恐らく、
 あの『娘』を、救い出してくれたこと、ふかく感謝しております。

  あの子は、もう『昔語り』の中の存在ではありません。
 この村の未来を、我ら一同、大切に、大切に育てていく
 所存でございます。
  またいつか、この上ノ田にお越しください。
 何もない村ではございますが、いつでも、お待ちしております。
 
  まだまだ寒い季節でございます。どうぞ、お体を大切に】

【立春

  米原です。その節は、大変お世話になりました。
  あれから、一吉のやつはいつもの調子ですが、
 それでも少しは、あいつなりの考えが分かるように
 なったように感じております。
  
  食い違ったままだった我々の間を取り持ってくださったこと、
 誠に感謝してもし尽くせません。
 もし上ノ田にいらっしゃる機会があれば、
 村を挙げて歓待する所存でございます。

  それでは。
  お二人のますますのご健勝、お祈りしております。

 追伸:
  村で採れた『収穫物』も、併せてお送りしておりますので、
 ご迷惑でなければ、ぜひお受け取りください】

 村の面々からの手紙……そして、最後に。
もう一通、素朴な『和紙』の手紙が入っていた。

 その差出人は、一目見れば、分かるだろう。

173『明日』からの『手紙』:2016/02/24(水) 19:13:56
【 たすけてくださって、ありがとうございました。
はかまだせんせゐのところて、このてがみをかゐてゐます。

  かあさまも、おふたりによろしく、といってゐました。

  よみかきは、まだよくおぼへていないのですが、
 どうしても、じぶんのことばで、つたえたかったので、
 せんせゐにおねがいして、てつだつてもらいました。

  まだなまえのなかつたぼくに、むらのひとたちがなまえを
 つけてくれました。

  『あすた』。ぼくは、『明日太』と、いひます。

  おふたりに、おれいをしたいです。
 また、きつと、このむらに、いらしてくださいね】

174稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/02/24(水) 20:05:28
>>171-173(エピローグ)

       ピ
          リリ

2月の下旬ともなれば、たまらなく寒い。

「…………」

リビングで暖炉にあたりながら、封筒の封を切る。
20万円も、嬉しい限りだったし――おばあちゃんも喜んでくれた。

            ・・・もう、二か月か。

    クン 
        クン

(今晩は……クリームシチューか……メシウマってやつだな。)

届いた収穫物も、祖母を喜ばせた。
孝行かどうかわからないが、嬉しいことだ。
美味しい野菜が食べられるのも、嬉しい。

          ペラ ・・・

               ペラ ・・・

      (……えひ、ファンレターでだって中々……
         こんなに……良いこと、書いてくれないぜ。)

手紙一枚ずつに、ゆっくり目を通す……少し時期遅れの後日談。

       ペラ

「ん……」

材質違いの一枚。
それがきっと。

     「……」

            「……えひ。」

(多分……良い時代だよ……現代は……
 まあ……平和だし、飯もうまいし……
 アイドルもいて……ゲームもあるんだ……
 明日太……えひ。お前は幸せに……なれたらいいな……)

      「えひ…………」

          ――『ハッピーエンド』を迎えたから、得られた気持ちだ。

175宗海『エトセトラ』:2016/02/24(水) 23:21:01
>>172-173
「無事、事は済んだようね」

手紙に目を通し終えると、引き出しの中から便箋を取り出す。
お礼の返事に始まり、近況の報告を綴った一枚の手紙。
特筆する点があるとすれば、以下の文章だろう。


   【――――さて、一吉君と穂似子ちゃんには、
    あの『石像』の『破壊』をお願い申し上げます。

    私はあの『石像』に近似した性質を持つ『石粉』によって、
    『スタンド』に目覚めました。しかし、それは一握りの才能の御業です。
    残念ながら、多くの方は死にました。お二人は偶然の引き合わせで、
    スタンドに目覚めたとのことですが、不幸があったことも否めません。

    幸い、私のヴィジョンで一部を削った際、何の影響はありませんでした。
    あの時は時間が許さず、『破壊』は不可能でしたが、
    どうかお二人によって『安寧』が得られることを期待しております】

   【とはいえ、このお願いは筆を執った“ついで”のモノに過ぎません。
    何故なら、あの村の人々であれば『石像』を恐れ、触れることは敵わず、
    外部の方であれば、あのような神社に踏み入れる機会もないからです】

   【私が最も、お二人に伝えたいことは、私達は『弱者』であるという事実です。
    私達は多くの『力』の庇護の下、生きているのです。
    それは、『明日太』君に必要となった数々の公的手続きや、
    村の大人たちへの謝罪行脚で痛感したことではないかと推察します】

   【お二人がより『狡猾』に、柔らかく言えば『したたか』に生きられるよう、
    願っております。  ――――久遠宗海】

   【追伸:頂いたお野菜はグラタンにしました。ありがとうございます。】

176『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/24(水) 23:30:45
>>174
 届いた便りを前に、物思いにふける『恋姫』。
きっと、彼を待つ未来は明るいだろう。

ハッピーエンドは、そうでなくては。

>>175
 一吉たちへの返書をしたためる『宗海』。
果たして――彼女の『思い』は、彼らに伝わったのだろうか。
そして、あの『石』への『危惧』も、また。

 いや、伝わることだろう。今の彼らにならば、きっと――

恋姫『ブルー・サンシャイン』⇒『20万円獲得』『じゃがいも一年分獲得』
宗海『エトセトラ』⇒『20万円獲得』『じゃがいも一年分獲得』

『オイラ達に明日はあるんか?』⇒『終了』

177『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/24(水) 23:33:16
 『栗原一吉』のスタンド、『プレッシャー・ダウン』。
前腕、ふくらはぎ、背中に『飾り布』を備えた、『纏うタイプ』のスタンド。

 自身に加えられた『力』に、『反抗』する能力。
何らかの力が加えられたとき、任意で三箇所の『飾り布』を翻し、
力への『反旗』とすることで、その力を『押し返す』ことができる。

 弱点は、自分自身が一度その力を『受け止め』なければならないこと。
自身が『耐えられない』ほど大きい力や、『瞬間的』な力に対しては無力。
『微細』な力には、『微細』な反抗しか出来ないという欠点もある。

 『飾り布』はどれだけ『破損』していても『反旗』として機能するが、
『切り離され』ると、その力を失う。

『プレッシャー・ダウン』
破壊力:B スピード:C 射程距離:E
持続力:A 精密動作性:E 成長性:A

178『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/24(水) 23:34:17
 『鎌田穂似子』のスタンド、『ミルクケーキ・モッシュ』。
『マシュマロ』のような質感を持つ、白い球体に手足が付いたようなビジョンのスタンド。

発現する際、『サイズ』は『掌大』から『人間大』まで自由に設定できる。
『DF』は存在しないが、発現時にサイズに応じた『カロリー』を消費する。

 能力は、『餅化』。
 本体の任意で、その体は瞬時に『餅』と化す。
餅は極めて『柔軟』かつ『強靭』。千切りとることも可能だが、
スタンドから切り離された部分は元に戻らない。

『ミルクケーキ・モッシュ』
破壊力:E スピード:D 射程距離:B
持続力:C 精密動作性:E 成長性:A

179『オイラ達に明日はあるんか?』:2016/02/24(水) 23:36:49
 古くからこの地に存在し続けた、『娘』の魂のスタンド。
名前は本来存在しないが、便宜上『ブレス・ザ・チャイルド』と呼ぶ。
 
 あらゆる空間、時間から『隔絶』された『庵』。
『四畳半』のサイズで、室内は完全に『清潔』に保たれている。

 この庵に足を踏み入れ、出るまでの間、外の世界では
一切の時間は経過せず、またこの庵の中では、
『時間経過』による変化は一切発生しない。

 出入りには、二つの空間を唯一繋げる『扉』を介する。
扉は最初にこのスタンドが発現した場所に『固定設置』され、
近づくものに『呼びかけ』を行う性質を持つ。
呼びかけは、一度『入った』ことがある者に対しては行われない。

『ブレス・ザ・チャイルド』
破壊力:なし スピード:なし 射程距離;一部屋ぶん
持続力:∞ 精密動作性:なし 成長性:完成

180『夢が星 戯れに』:2017/11/22(水) 10:17:03
それは、白昼夢か? または丑三つ時とも称す真夜中の中で見た夢幻か?

 『貴方』達は、ふと 気づけば暗闇の中。いや……周り全てが星空
のような宇宙空間らしき中心で佇んでいるのに気付いた。

服装は、普段自分が着こなしているものだ。望むのなら、普段自分が持っている
所有品もあるだろう。スタンドも出そうとすれば出せた

      ――お二人 ですか。 あははは   結構  結構

声がした。中性的だが、辛うじて女性だろうと思える声が彼方からした

 その方向に顔を向ければ、この空間に近似した髪の毛と瞳をした
燕尾服らしきものを着こなす女性らしき人物が軽い笑い声を出しつつ一脚の
椅子に座り。円テーブルで肘を組みつつ貴方を見ていた。

 「お初目にお目に掛かります。私は、戯れの劇幕の中を歩くもの
名に関しては、意味が無いゆえに お好きなように呼んで頂きたい。
 良ければ、お座りになって? なに、良くない事を企んで此処に
呼んだ訳では御座いません。少々、この暇を持て余す可哀そうな自分の
相手をしてほしいと言うだけの事でございます。あはは 戯言 戯言ですかね」

 椅子に座る事を薦め、『貴方』を見つめ柔らかに笑いかけて そう『星の女』は告げる。

 「何かお飲みにならせますか? 此処は、微睡の中
時を齧りつつ、浪費した過去に想い馳せながら食事するのも一興」


(※こちらに要望する危難を記してください。 例:大体軽いものがいい。等
※日常もの、バトルもの、推理もの等の希望を記してください。
※『出会いたいもの』を記してください例:友人になりえる人物 等)

181薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/11/22(水) 14:15:09
>>180(GM)

異様な状況下で警戒するのは当然、スタンド能力。
見るからに異様で――――見覚えのない女がいればなおさら。
この空間、あるいは自分もすでに、術中にいると考えるべき状況。

「ッ! ………………っと、素敵な場所に招待してくれてありがとね」

              キョロ キョロ

「ま、私もけっこー、暇だったからね……別にいいんだけどさ、
 いきなり攫って、警戒するなってのは無理な話だと思わない?」

        「気に障ったらゴメンね」

    ズギュン

白い髪に、赤い目、毛皮を思わせる華美な黒い外套。
自分の姿を、自分のスタンド越しに見る。変わりはない。
かばんもある。お金も。まあ、ここでは役に立たないけど。

――なんにせよ、自分は今この女の『領域』にいると思っていいはず。
逆らうのが良いとも思えない。最低限警戒はしつつ、いう事は聞いておく。

「んじゃ、そうね、クリームソーダでも頼もうかな。……あるわよね?
 いや、なくても作っちゃえるのかな。ま、私ゃどっちでもいいんだけど」

                  チラ

私は、どっちでもいいのだが。もう一人はどうだろう?

もう一人の女性に視線を遣る。彼女も巻き込まれたような様子だろうか?
不審人物が二人いるのと、自分と似た境遇の人物がいるのとでは話が大きく違う。

要望危難:低〜中。高危難は望まない。
ジャンル:バトル〇 日常◎ 推理△
出会いたいもの:ビジネスの相手

182小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/11/22(水) 17:25:29
>>180

  「……ここは?」

この身を覆うのは、着慣れた喪服と、黒い帽子と黒い靴。
長い黒髪は、外出する時と同じように、うなじの辺りで纏められている。
普段と変わらない、いつも通りの自分の姿。

  「――……」

それに対して眼前に広がるのは、見覚えのない場所と見覚えのない人物。
それらを認識した時に、ぼんやりと思った。
ここは、きっと夢の中なのだと。

   スッ

軽く頭を下げて、促されるままに椅子に座る。
普通なら奇妙としか言えない状況だが、これは私が見ている夢。
そうだとすれば、疑問に思うこともない。

  「……」

  「ハーブティー……。ラベンダーティーを……」

  「――ありますか?」

視線を感じて、白い髪の少女に顔を向ける。
彼女も知らない人物だった。
夢の中なら当然かもしれない。
あるいは、夢の中だからこそ知っている人間が出てくるのが自然とも思える。
もしかすると、どこかで見かけたのだろうか。
いずれにせよ――これは夢。

  「こんばんは」

しかし、たとえ夢の中であっても礼儀は大切にしたい。
少女に向き合って帽子のツバを軽く持ち上げ、会釈する。
そういえば、今は何時くらいなのだろう。
暗いから『こんばんは』と言ったけれど、夜でないなら『こんにちは』と言うべきだったかもしれない。
そんなことを頭の中で考えていた。



※要望危難:高危難以外を希望。
※ジャンル:日常。日常の延長としてのバトルも可。
※出会いたいもの:心の寂しさを一時埋めてくれる相手。

183『夢が星 戯れに』:2017/11/22(水) 18:09:28
>>181
>>182

>いきなり攫って、警戒するなってのは無理な話だと思わない?
>こんばんは
 『星の女』は、テーブルに手を翳す。スッ……とその手首が何もない空間を通過すると
視界の死角。手首の後ろからクリームソーダが出現する。典型的なメロンソーダに
アイスと生クリーム、さくらんぼが乗せられていた。
 ラベンダーティーも、湯気を淡く立てて銀食器の更に置かれて出現している。
君たちの目前へと運ばれる。『星の女』は、ワイングラスから星空のような液体を口に運んでいる。

 「そうですねぇ……夢の中と言え、貴方がたのプライベートな時間を奪っている。
それに関しては謝罪します。弁明させて貰えれば、この空間の中では『何も失いません』」

「別に私を攻撃する事も構いません。恐怖して、逃走する行動を選んでも。
ただ、私はそれでも。蘇るか、気づけば隣に現れて質疑応答をするでしょう。
 それだけです。ただ、それだけです」

「招いでおいて、こんな言葉も何ですが。私の暇つぶしと、談笑に少し付き合っていただくだけです。
『主賓』は貴方がたです。私の力は……規格外と称す方達も居ますけど、現実の世界において何の役にも立ちません。
 私の言葉の大半は、全て戯言と考えてくださって結構です。永く生きる者の暇つぶしに、選ばれた。
そう受けとって頂き結構です。あははは
 こんばんは、なのか。こんにちは、または、お早うございますなのか……こう言う空間だと悩みますよねぇ、えぇ、はい。
人とは、難儀な生き物です。挨拶一つとっても、動物なら一言鳴き声で済ますものを何種類もの形で応対しなければならない。
それは、所謂、高等生物としての特権と言うべきか。若しくは、枷と受け取るのか……哲学的な問題ですね」

あははは、と軽やかな笑い声は昇り。更に言葉は続けられる

 「私は、この力によって、ですが。幾らか貴方がたの過去の背景や最近起きた出来事は把握しております。
情報に特化した力とでも受け取ってください。不安がらなくて結構! この力で、貴方がたに不利益な事を
起こす事は何一つないと言う事だけは約束しますよ。そんな事を口先だけで言っても、疑心を減らす事は出来ないと
承知ですがね……けど、誰かを信用する事は、肉親や最愛の人でも状況によっては難しいものです。
 とまぁ、私の約束は戯言と受け取る形で進めます。本題に入りましょう」

「――『今いちばん、やりたい事、したい事』
そう言うものは、ありますかね? ささやかなものでも構いません。
それと、もう一つ確認したい事があります。
 スタンドと言うものを扱う者は、普通通りの生活をしていても……普段、限られた者以外では
透明な銃や何やらを持ってるのと変わりは御座いません。『犯罪』沙汰に関与する事も少なくない。
 そちらは、『犯罪』に対し忌避感はどれ程ありますでしょうか?
断固として、自分は潔癖であり。如何なる悪事や、悪戯さえも許せないと思う性質か……
または、特殊な理由や背景さえあれば。小さな悪事や犯罪は許されると、お思いでしょうか?」


(※上記の質疑に、お答えしつつ。かっこ内の質疑にも、回答願います。
※出会いたいものは、ミッション終了後でも場スレ及び新たなミッションでも続行しての
間柄になりたいか? 若しくは、一時的なもので問題ないか?
※ミッション内の舞台は、クローズド系か、または広範囲を探索するタイプを望むか
活動したい季節、及び日常なら学園内か外なら公園か。
要望が反対になる場合もありますので、これは希望に余り添えない事を承知で答えてください)

184薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/11/23(木) 00:04:42
>>182(小石川)

「こんばんは、でいいのかな。
 お互い、今日は変な日みたいねぇ」

知らない顔。葬式帰りかな、と思う。

あいさつには当然、あいさつで返す。
とりあえず……話せそうな相手でよかった。

>>183(GM)

「へぇ、気が利くのね。サクランボまでついてる。んじゃ、いただきます」

               スッ

クリームソーダを一口、口に運ぶ。
毒を盛るくらいならすでにやられているだろう。

「少なくともこの部屋……部屋? が私に悪い事づくしじゃないのは伝わったかな。
 だから、ま、謝る事はないし……反抗もしない。『不利益』が無いって言うならね」

「それにあんた、人のプライバシーを『SNS』で広める顔にも見えないし」

スタンスを示すのは、『喪服の女』に対しての意思表示でもある。
彼女もここで暴れだすようなタイプじゃなさそうだが、自分もそうだと伝える。

・・・この『星の女』を心から信用しているわけじゃあない。
が、話しぶりからして、『今すぐに害のある相手』ではない。
であればわざわざここで反抗する理由はないし、意味もなさそうだ。
背景――を知っているというのは眉唾だが、今突っ込んで明かされても困る。

「んで、やりたい事? そうね〜ぇ……『お金儲け』はいつでもしたいけど。
 そういう、大ざっぱな話じゃない感じ? んで……『犯罪』?」

               「犯罪、ねえ」

「あんたが、私に片棒を担がせようってんなら断るけど。そういう話じゃなさそうね。
 ……ちょっとしたルール違反はないと、生きてけない。人を傷つけない範囲なら、ね」

善行に生きているわけでもないし、法がいつでも守ってくれるわけでもない。
だから、『ルール違反』は……特に誰かが勝手に決めたそれは、許容できる。

                    ……自分と、客との間のそれを破るつもりはないけど。

(※出会いたいもの→一時的なもので問題ない。
 ※ミッション内の舞台→広範囲を探索するタイプ
 ※活動したい季節→現在の時間に合わせて、秋〜冬
 ※薬師丸幸は学生ではないので、学園内は特には望まない。公園である必要もない)

185小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/11/23(木) 01:29:52
>>183

  「――ありがとうございます」

お礼を言って、カップを手に取り、口元に近付けて静かに傾ける。
不思議なことばかり起こるが、それも当然だろうと思う。
私は今、夢の中にいるのだから。

  「……」

  「……――」

特に疑問を口にすることもなく、ただ黙って話を聞いている。
相手が喋っているのだから、途中で話の腰を折るべきではない。
それに、ここは私が見ている夢の中。
夢の中では、どんな奇妙な出来事だって起こりうる。
不思議がってみても仕方がないことだろう。

  「私には……これといった望みはありません……」

  「しいて言えば――」

  「私が誰かから親切にしていただいた時に、
   それを与えてくれた人にも同じように返したいと思うだけです」

一瞬――『彼の下へ行きたい』と言いそうになった。
夢の中なのだから構わないと、そう思った。
しかし、それは口にしなかった。
たとえ夢の中でも、口に出してしまえば、自分で自分が抑えられなくなる。
もしかすると、目覚めた時に発作的に『行動』に出てしまうかもしれない。
それが怖かった。

  「……良くないことだと考えています」

  「ただ、正直に答えると――自分でも分かりません……」

  「もし可否を決めなければならないとしたら……
   実際に私自身が関わって、できる限りの事情を理解した上で判断したいと思っています」

第一の問いは、自分にとって難しいものだった。
そして、第二の問いはそれ以上に答えることが難しい。
自分も過去に裏切られたことがある。
偽りの愛という名の裏切りだ。
しかし、それに対して個人的な感情は抱いていない。
なぜなら、それがきっかけで彼と出会い、真実の愛を見つけられたのだから。
もちろん、ごく一般的な価値観で言えば、犯罪は起こるべきではない。
しかし、それでも犯罪は起こるし、その背景には様々なものがある。
法律や常識といったものは別にして、実際に問題と向き合ってみなければ、
自分自身としての答えは出せない。



※出会うものとの関わりは一時的なもので構わない。
 過去の経験としてPCがそれに言及する可能性はある。
※舞台は極端に広すぎたり狭すぎたりする場所でなければ特に希望はなし。
※時期はリアルに合わせて秋冬が自然かと思う。
※PCとして学園にいるのは不自然なので、それ以外の場所を希望。
 公園である必要も特にないが、GMがそこを選ぶというのであれば従う。

186『夢が星 戯れに』:2017/11/23(木) 19:51:14
>>184-185(アンケートへの回答、感謝を述べます。
プロットは、ほぼ整いました。次レスにて最後になり『本ミッション』
へと、そのまま移りたいと思います)

 口にした飲み物は、極端な美味しさはない。かと言って、劇物が含まれてもいない。
平均的な、何処にでも市販されている。今まで口にしてきた味だ。

 「ふむ、なるほど……なるほど。あはは 結構 結構
――『整いました』
 お二人共、貴方がたは。時節は冬 クリスマス近くの今日この頃に
街中を歩けば……きっと、お知り合いや 
 『奇妙な犯罪者達』に遭遇するでしょう。
その日に起きる出来事にテーマを付けるならば

  ――『追跡変奏曲』  

 そう、私は名付ける事にします。あはははは

私は紡ぎ手。この街を行きかう有象無象の中を行きかう、雪結晶よりも
鮮やかな光の担い手達に、ダイヤモンドダストの如く煌きを贈る衣装屋」

 「それでは、最後の問答 ならぬ 『占星』を行うとしましょう。
 ――お捲りを」

 パラ パラパラパラ……。

 テーブルに、何時からか星空のような女は『タロット』を無軌道に
並べていた。全て、裏返しになっている

 「一枚、お二人共。一枚だけ表にして下さい。
それが、歩む道筋を幾らか確定させます。
 これが終わった後に、この夢より現へと帰る事になりましょう。
 けど、忘れないで。
貴方たちは、星を秘める方達。例え、目指す場所が異なれど
その過程で放つ輝きは、等しく美しいのでしょうから」

 
(※お好きな『タロット』のアルカナ及び、宜しければ正位置か逆位置かも
記載して頂ければと思います。
 適当に、タロット占いサイトで出した結果を記載しても結構ですし
自分の好きなカードの表記でも問題ありません。
 特に、ミッションでの不利な有利になる判定ではありません。
ミッション内で出す、御遊び要素が変化する可能性はあります)

187薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/11/23(木) 23:03:25
>>186(GM)

「うーん、まあまあおいしい……どっかで食べた味ね。
 私の記憶ってことなのかな、このクリームソーダの出どころは」

           シャク
                 シャク

氷とソーダの間をスプーンですくう。無難だが、好みの味だ。
害もないとわかった。二口、三口を胃に入れる。栄養にはならないだろうけど。

「出来事。それも、占い? それとも、あんたが『そう決めた』の?
 ひまつぶしのために? ……どっちにしろ、神さまみたいな能力ね」

             ピラ

「――――『運命の輪』。タロットは詳しくないんだけど、『正位置』?」

           「どういう意味があるんだったかな」

めくったカードを差し出す。そして、余裕を含ませた笑みを浮かべる。
仮に相手が神さまのような能力を持っているとしよう。『薬師丸 幸』もそうだ。

「『追跡変奏曲』だっけ? ま、起きるってわかってる不幸は怖くない。
 できれば、日にちも教えてくれると、『仕事』に響かなくて助かるんだけど」

                        「……それじゃ、お別れかな」

188小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/11/24(金) 01:19:17
>>186

  「――そうですか……」

何かが起こるという言葉を、どこか曖昧な気持ちで聞いている。
その話を信じていないというわけではない。
なぜなら、ここは夢の中だから。
そこに信じる信じないというような意味合いは存在していない。
ただ、そういう話を聞いたということは受け入れた。

      スッ

無言のまま伏せられたカードに手を伸ばし、その内の一枚を表向きにする。
現れたのは『死神』のカードだ。
終末や崩壊を暗示すると聞いたことがある。
それは、偽ることのできない本心の表れだったのかもしれない。
ただし、出たのは正位置ではなく、逆さまだった。

  「……『逆位置の死神』――」

  「このカードは、そう呼んでいいのでしょうか」

『運命の輪』の隣に、自分が引いた『逆位置の死神』を置く。
手元にあるカップは空になっている。
それと同じように、物事には常に終わりがある。
夢というものも例外ではない。
どうやら、目覚めの時が訪れようとしているようだ。

  「――ご馳走様でした」

女性の方を向き、静かに礼を言う。

  「短い時間でしたが、お付き合いありがとうございました」

続いて、同席している少女に言葉を掛ける。

  「――さようなら……」

最後に、二人に向かって改めて会釈し、別れの挨拶を口にする。

189『夢が星 戯れに』:2017/11/24(金) 19:31:35
>>187-188

 貴方がたは捲った。タロットが表示するのは
『運命の輪の正位置』 『逆位置の死神』

それが選んだカード(道筋) 

 その結果、変わる事のない微笑を伴って。星は 女は軽やかに笑う

  あ   は   は  は  は

「貴方がたは選んだ。それは とても 焦がれるに値する輝きに値する」

「お行きなさい。その道程に対し 悲劇と捉えるか 喜劇と捉えるか 
私は神ではない。ただ、先行きを ほんの少しだけ視野を広げる手伝いをするだけ」

「お二人は、きっと交錯するでしょう。きっと、再会は為されるでしょう。
それを留めて置けば、私がテーマをつけた、その曲で踊る心得も出来上がる筈」

「愛しい 愛しい 主役達 
私は紡ぎ手 この街の この舞台の このスペキュレイティブを ただただ輝かせたいだけ
光には善悪なし 闇には罪罰は非ず 私は愛しましょう 貴方がたの成す軌跡を」

 空間の星は、点滅する。幾つもの輝きは、徐々に消えていく。
黒は深まり 一つ一つの灯は消えていく。

 「別れの言葉は言いません 別れの言葉は、再会の到来を陰させる」

 「いずれ また  いずれ また  愛しい愛しい私の光」

 「私は紡ぎ手 貴方たちの成す光が どうか夜を賑わす事を 祈っています」

190『追跡変奏曲』:2017/11/24(金) 19:38:51


 ・・・・・・

 『歓楽街』は、今日も賑わっている。今の時刻は午前で昼近く
星見町の、この場所は何時でも人の通りが多いが。最近では特に多い
 当たり前だ……もう、クリスマス・イブが近い。
街はモミの木のツリーが並ばれており、サンタ原色の赤と白の色が
チラホラと見受けられる。貴方たち『薬師丸 幸』と『小石川 文子』は
 街のほうに出歩いている。それは、仕事でかも知れないし。単純に
クリスマスの飾りつけか、若しくは正月用に何か買い物する為かも知れない。
用件は、各自が知っている事だろう……。


(『簡易プロフ』『能力詳細URL』『外見』『持ち物』
歓楽街の何処にいるかも、記して頂けると助かります)

191薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/11/24(金) 23:05:04
>>190(GM)

        トコ   トコ

町と同じく冬の装いで、昼前の歓楽街に足を踏み入れる。
違うのは町のように華やかな赤白ではなく、白黒ということ。
それでも赤い瞳は、ツリーのひいらぎの実のように灯っている。
クリスマスはもうじき。今年は誰と過ごすことになるだろう。

(チキンとか、予約するにはちょっと遅いのかな)

クリスマスのために、小さなツリーでも欲しいと思った。
豪華なのじゃあなくていい。『クリスマス気分を楽しめる』くらいで。

――――ふと、脚を止めた。そういえばもう、『クリスマス近く』だ。

         (あれがうたたねの夢じゃないなら…………)

気になる事はある。しかし、いつまでも考えてはいられない。また、歩き出す。

♪簡易プロフ
薬師丸 幸(ヤクシマル サチ)。推定16歳。義理の『妹』と二人暮らし。
スタンド能力を活かして、『幸運売り』の仕事で日銭を稼いでいる。

♪能力詳細
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/49-50

♪外見
肩にかかる長さの白髪で、赤目。小柄な少女。
黒いダッフルコートを中心にしたモノクロ調のコーデ。

♪持ち物
ハンカチ、財布、小銭入れ、リップ、化粧ポーチ、ティッシュ。
これらを入れた、ウサギの絵が描かれた小さめのハンドバッグ。

192小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/11/25(土) 00:20:12
>>190

     コッ コッ コッ ……

クリスマス前の華やかな賑やかさを感じながら、歓楽街の通りを一人歩く。
目的の場所は、この近くにある輸入食料品店。
そこで、クリスマス用のワインを購入するつもりだった。
一人で飲むためのものではない。
『二人』で飲むためのワインだ。

  ――色は赤にしましょうか。

  ――それとも白?

  ――ロゼにするのもいいかもしれませんね。

知人の中には、いつまでも過去の愛にすがるのではなく、
新しい愛を探す方が建設的だと諭す人もいた。
しかし、私は今も彼を愛しているし、きっと彼も同じように私を愛してくれていると信じている。
私と彼の絆は、今でも何一つ変わっていない。
二人の間を結ぶ絆は、決して過去のものではない。
その証拠に――。

        スッ

ふと足を止めて、右手にしている形見の指輪に視線を落とし、慈しむように指先で撫でる。

  ――その証拠に、今も私は、こうして彼と共にいるのだから。

やがて顔を上げ、再び歩き始める……。

     コッ コッ コッ ……



◆◇◆◇簡易プロフィール◆◇◆◇
結婚直後に最愛の夫と死に別れ、自身も後を追うことを望んでいた。
しかし、自分の分も生きて欲しいという彼の遺言を受けて、生き続ける道を選ぶ。
常に『果物ナイフ(鎮静剤)』を持ち歩き、それを用いた『自傷行為』によって、
不意に湧き起こる『自殺衝動』を抑制している。28歳。

◆◇◆◇能力詳細◆◇◆◇
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/41

◆◇◆◇外見◆◇◆◇
洋装の喪服、大判で厚手の黒いストール、黒いキャペリンハット、
黒いストッキング、黒いパンプス(ミドルヒール)、
両手の薬指に結婚指輪、長い黒髪を纏めたアップヘア、
色の白い肌、すらりとした細身の体型、身長170cm。

◆◇◆◇持ち物◆◇◆◇
果物ナイフ(自傷用)、包帯、500mlミネラルウォーター(未開封)、
スマートフォン、財布、ハンカチ、ティッシュ、化粧品類、
手製の香り袋(中身は乾燥させたラベンダーとアロマオイル)、
以上の品物を入れたハンドバッグ。

193『追跡変奏曲』:2017/11/25(土) 22:36:11
(???)

?「――今年も、またミサの季節となった 
情勢は我々に時が経ると共に悪化の一途を辿っている。
これは……『定められた輪』なのか」

?「御命令を  私に……っ 私にご命令をっ。
どのような試練も受け入れて見せます。どのような苦難も乗り越えて見せます
 歪なる世界を正す為なら……『結社』の為に、私は……っ」

?「……ならば、お前に下そう。
――『ハッピーラビット』を 『聖骸布』を 
 我ら『結社』の元へ……っ」

?「っ……はいっ。 ――我ら 『結社』の為に!」


 ――――――――――――――――――――

(???)

「……えぇ、これで仕事は終わりました。後は、指定された口座に
振り込んで頂いたのを確認して帰ります」

「え? …………こんな事を何時まで続けるのか、ですか。
そうですね、人によっては辛いものでしょうね。私の『この力』は
見方さえ変えれば、大多数に不幸を与えるのかも知れない」

「そんな私は……『死神』なのかも知れませんね」

194『追跡変奏曲』:2017/11/25(土) 22:54:12
>>191(薬師丸)

 『薬師丸』は繁華街へと足を運ぶ、義妹と祝うための
小さなクリスマスツリーを買う為にだ。

 『クリスマス近く』である事に、貴方は最近になって見た奇妙な夢を想う。
だが、今の所予兆はないし。夢で相席した彼女も見えない。

通りは人が大勢いて、クリスマスソングが近くの店舗から並べられている
人々の顔つきには明るさが見て取れる。

 ?「あれっ、もしかして。薬師丸さんじゃないですか」

ふと、その時に背後から声が聞こえた……。

>>192(小石川)

 『小石川』は繁華街の通りを歩いている。
目的はワイン。愛する人と何時の日かに約束した、共に飲むためのワイン。

貴方と、貴方の愛する人は。もう直接触れ合うには、どちらも酷く近くて遠い
距離である。だが、その二人の絆は決して途切れない事を貴方は知っている。

通りは活気づいており、それにかこつけて自分達のセールを宣伝する為の
売り子なり何なりが店の前や通りに立っている。歩いてる最中に、もしかすれば
ポケットティッシュなりチラシを受け取ったかもしれない。
 そんな折、前方から声が聞こえた。

「――い〜〜〜っぱい!! 毛糸を買うっス!!!
その毛糸で靴下を買うっス!! ムーさんにエッ子先輩!
のり先輩も編むのを手伝うっス! 悪の首領の命令なんっス!」

「安い毛糸の売ってる店は……この風向きからしてスカイモールか」
「スカイモールで毛糸を買うのだー!」
「その前に、みんな分かってると思うけど。決めた買い物を済ませないと」

 賑やかな中で、更に姦しい声が少し先の場所で昇っている。
この声に関して、以前正月の時にも貴方は聞き覚えがある。

195薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/11/26(日) 00:12:07
>>194(GM)

夢は夢でも、普通じゃない夢だった。
だからいつも頭の片隅には、置いている。

と、その時後ろから声がかかった。
それも、自分の名前を呼ぶ声だ。

「――――ん」

知った声? 少なくとも名前を知られている。

                クル

「もしかしなくても、そうだけど」

であれば、まあ、客だろう。
すぐに笑顔を作り、振り向く。

危険な存在の可能性も――――僅かながらにあるが、
そうなら普通は呼びかけたりしない。普通じゃないなら不運を嘆こう。

196小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/11/26(日) 04:21:18
>>194

歩いている最中に、ポケットティッシュが付いたチラシが差し出された。
軽く頭を下げ、それを受け取る。
クリスマスセールを知らせる内容のようだ。
ちらりと一瞥してから、バッグにしまう。
その時、前から聞こえてきた声が耳に届く。
聞き覚えがある声だった。

  「――こんにちは」

見覚えのある四人に近付き、挨拶する。
その内の一人とは、少し前にも顔を合わせていた。
湖の傍にある中華料理屋。
あの店で食べた料理は、どれも素晴らしい味だった。
特に印象に残ったのはカエルを使った料理だ。
美味しいだけではなく、自分にとっては故郷を思い出す懐かしい味でもあった。

  「お買い物ですか?」

話の内容から、そう見当をつけた。
不意に、年始の出来事が思い起こされる。
あの時、少しの間だけ彼の存在を感じることができたことを思い出す。
彼は、今でも私を見守っていてくれる。
だから、私は前を向いて生きていこう。
改めて、そう思った。

197『追跡変奏曲』:2017/11/26(日) 18:01:59
>>195(薬師丸)

 初対面で、気軽に名前を呼んで声をかける不審者はまず居ない。
極端な不運と対面する事と言う事は、人間そんなに無いものだ。

「あぁ、お久しぶりです! この前は、本当に有難う御座いました。
お陰様で、彼女との仲も進展して……」

振り向いた先にいたのは、以前『幸運売り』で接した客だった。
何処にでもいる浪人生、と言った容姿の眼鏡をかけた男性が笑顔で
貴方に感謝を述べる。確か、付き合っている彼女と少々不仲になっており
それを解消する為に、貴方の力を噂で聞きつけ助力を願ったと言った内容だった。
名前は『芝浦』と言った筈だ。

「こう言うの、頂けないかも知れませんけど。本当に、薬師丸さんが
居なければ、どうなるか分からなかったので。つまらないものですけど
これ、お礼の品です。良かったら!」

そう、紙袋を差し出してきた。シャンメリーの銘柄が書かれており、その絵の
通りの瓶の形をしている。中身もその通りなのだろう


>>196(小石川)

貴方には馴染みのある顔。朝山 佐生、清月の学生でモーニングマウンテンなる
何か可笑しみのある活動をしてる事も知ってる。そして、その先輩達三人だ

「あー! 小石川おねーさん、久しぶりっス! いま、いーーっぱい毛糸を
買いにいくつもりだったんス! 沢山の毛糸で、すーんごい でかい靴下を作るっス!
くっくっく! 人が一人、入れる靴下を作ったら、サンタさんもでっかいプレゼントを
渡してくれる筈っス! なーんて素敵な思いつきっス!」

 と、言う子供特有の思い付きを自慢気に披露している。

城生「クリスマスケーキ、私達みんなで作ろうって話で。その材料も買いに来たんです
宜しければ、小石川さんも途中まで一緒にどうでしょう?」

エッ子「みんなで一緒で買い物だーーー!!」

 賑やかな声が耳に響く。一人だけ、貴方に年始の出来事を繋がらせた人物
ムーさんは、少し彼方に眉を顰めて見つめてた。

エッ子「どったの?」

ムーさん「……何か視線を感じたが……気の所為か」

そう、彼女は表情を落ち着いたものへ変えて無言になった。

 人通りは沢山だ。喧しくしてる集団に対し誰かが視線を寄こしても可笑しくはない……。

198薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/11/26(日) 18:50:50
>>197(GM)

「ああ、あの時の――――幸せになれたならよかった」

芝浦。比較的最近の客だから、覚えている。
縁結びは『一過性の幸運』でしかない自分の力には不向き。
その事は了解してもらったが、上手く行ったなら何よりだ。

そういえば、あの時『彼女』の写真は見せてもらっただろうか?
なんとなく、今は幸せなのであろうその女性の事が頭に浮かんだ。

「お礼? 報酬はもう、貰ったけど」

お礼として私物を受け取るというのは嬉しいが、少しひっかかる。
何かを期待されているのかもしれない。一応、線は引いておきたい。

「シャンメリーだっけ。ええと、お酒じゃない方のシャンパンよね。
 ほんとに貰っていいの? 私にくれるために買ったんじゃないでしょ」

     「良いなら受け取るけど……特別サービスとかはしないからね」

いずれにせよ、受け取る場合一応の警戒はしておく。
こういう商売をしていると、いかがわしいまねをするやからにも遭遇する。

199小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/11/26(日) 19:54:30
>>197

  「いいですね――行きましょう」

四人の顔を軽く見渡し、穏やかな微笑みを浮かべて申し出を快諾する。
特に急いでいるわけでもないし、断る理由はない。
それに、せっかく知人に出会えたのだから、一緒に買い物をするのも楽しいだろうと思える。

  「私は、クリスマスのワインを買いにきたんです。
   この近くにあるお店で……」

四人と共に歩き出そうとした時、一人の少女の呟きが耳に入った。
この場に視線を向ける人間がいる自体は、不思議なことではないだろう。
ただ、彼女――海霧は、普通とは違うものを感じ取ることに長けていたはずだ。
年始に起きた出来事によって、そのことは既に知っている。
その海霧が、何かを感じたということが気にかかる。

  ――……。

自分でも、少し辺りを見回す。
そして、四人と共に買い物へ向かう。
何かが起こるのかもしれないという予感を、胸の中に抱きながら――。

200『追跡変奏曲』:2017/11/27(月) 16:02:24
>>198(薬師丸)

 プレゼントをする人間には、大まかに二種類の存在がある。一つは単純に親切で
もう一つは、裏に別の思惑を備えつつ悪巧みを考えてだ。
 だが、『芝裏』は客観的に見ても前者の人間だ。噂から、貴方に神頼み的に
恋愛成就の為に力を借りたものの、その際にスタンドを見えてた様子はなかったし
何かしら悪影響を貴方に与える団体やらに属してる様子も、その時はなかった。
 彼は軽く笑いつつ、手を横に振るジェスチャーと共に告げる。
「イブの前に、色々と大量に買った特典で当てたシャンメリーなんですけど。
俺は基本飲まないし、彼女もそんな好きじゃないですから。
 他の同期にあげるよりは、飲んで喜んで頂ける人に渡したほうが良いですし」
との事だ。特に、怪しい素振りもないし純粋に親切のようだ。言い終わってから
腕時計を見て、彼は少し慌てた素振りを見せる。
「いけねぇ! そろそろ、待ち合わせの時間なんで。今日は、会えて良かったです
それじゃあ、少し早いですけどメリークリスマスっ」
 足早に彼はマフラーを靡かせて、貴方に背を向け人混みの中に溶け込んでいく。
シャンメリーは地面に置いて行った。持ってくのなら、少し嵩張るものの大した荷物ではない。
 ……?
ふと、貴方は周囲から視線を受けた覚えをした。もっとも、先程の会話が誰かの
注意を惹いたからかも知れない。その気配は、またすぐに何処から受けたかも不明のまま消えた。

>>199(小石川)
 貴方は周囲を見渡す。家族連れ、サラリーマン、サンタの衣装を模したプラカードを提げる売り子
老若男女様々で、特に異常な雰囲気や恰好の人間は見受けられない。尤も、普段の日常の中で
非日常を背負う人間に遭遇するほうが稀なのだが。
 学生服三人組と、私服の朝山は道中でも会話に花咲かせている。
 
 「それにしてもさー! 今日はムーさんも言った通り、何だか妙に視線を一杯浴びる気がするのだよ。
……ハッ(''_'') もしかして、この私のファンとか!?」

 「それは無いから安心しな」

道中で、エッ子とムーさんはそんな事を話している。相槌をうつ城生も、その言葉には
何やら感じ取ったのか、少し小首をかしげて呟く。

 「そう言えば、今日は街で妙に視線を感じる気がするよね。
小石川さんや、佐生ちゃんは?」

 「んー、視線っスか? 私は特になーんも感じないっス」

そう朝山は受け答えた。
 貴方も、その質問の内容を吟味するとすれば。身に覚えのない事だ
少なくとも、小石川は『妙な視線』を受けた覚えはない。

201薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/11/27(月) 17:43:59
>>200

「メリークリスマス。お幸せに」

         ニコ

笑みを作って、姿が完全に見えなくなるまで背を見送る。

それから地面に置かれたシャンメリーに視線を向ける。
飲食物の贈呈品を外の地面に置くか?って感じはするけど、
相当に急いでいたようだし、直でもないし、他意はないのだろう。

(考え過ぎかな、裏がある様な雰囲気じゃなかったし。
 でも、持って帰る前に中身は確認しておいた方がいいか)

          (家に帰ってからじゃ遅いってこともあるし)

仕事をした時、怪しい素振りとかもなかったわけだし。
ひとまず、拾っていく。置いておくわけにもいかない。

それから少し人の少ない、通りの端とか、裏路地とかに移動したい。
そこで袋の中にスタンドの手を入れ、『瓶以外』が無いか確かめる。
袋をひっくり返してるわけでもないし、傍から見て無礼ではあるまい。
特別芝浦を怪しんでいるというよりは、今はそういう気分なのだ。

(…………? 誰かに見られてる? 一瞬だったけど、気のせいじゃない)

視線も気になったが、今は追う事も出来ない。
見た目が奇抜だから、という事もありえないわけではない。
しかし、やはりあの女の言葉が――脳裏に浮かんでしまう。

お知り合いには会った。ならば『奇妙な犯罪者』はどうだろうか?
妄言の可能性もあるが、頭の片隅で意識しておくにこしたことはない。

202小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/11/27(月) 19:14:50
>>200

  「……いえ、私も何かを感じるということはありません」

思い返してみても、はっきりと分かるような視線を向けられた覚えはない。
しかし、彼女達のほとんどは、誰かに見られているような意識を感じていると言う。
もし、本当に誰かが視線を向けているとしたら、自分ではなく彼女達の方なのだろう。
この雑踏の中でも、賑やかな彼女達四人の姿は、それなりに目立つ。
それが周囲の注意を引いたとしても、不思議ではないかもしれない。
そうだとすれば、特に気にするようなことではないと思う。

  「視線を感じる――というのは、この辺りに来てからでしょうか?」

  「それとも、ここに来る前から……?」

気にするようなことではないのかもしれない。
ただ、それでも少し気になってしまうことは否定できない。
何かがあるのかもしれないという漠然とした予感。
そんな曖昧な感覚が、この胸の中に存在する。
それが私の杞憂に過ぎないのなら、それに越したことはない。

  「今は感じませんが……私も時々視線を感じることがあります」

  「遠くから見守ってくれている優しい視線を――」

  「皆さんのことも、誰かが見守ってくれているのかもしれませんね」

私も時折、彼が見守ってくれているような視線を感じることがある。
それが錯覚であったとしても、私にとっては心の救いとなるものだ。
しかし、彼女達が感じる視線が良くないものではないという保証はない。
ただ、そうではないことを願う。
今は、そうすることしかできないのだから。

203『追跡変奏曲』:2017/11/28(火) 19:06:48
>>201(薬師丸)
 紙袋を拾い上げる。地面に置いて立ち去るのは、少々紳士としての
配慮に欠けるものの、無理に押し付けるように渡したりするのに比べれば
マシなのか。ともかく、貴方は裏路地に移動する。
 ・・・
裏路地へ入る。サンタの売り子姿の女性が一人喫煙していた。
近くの店舗にいる売り子の一人であろう事は伺える。
 貴方に気づくと、業務中の休憩時間であるとしても。それを他の人に
見られるのはイメージダウンに繋がる事もある。少し急いだ様子で携帯灰皿に
煙草を入れて。貴方の傍を通り過ぎて路地から外に歩く
 ピラッ……
持っていたチラシが、一枚。出口近くで落ちた。

 『レディ・リン』を発現して、紙袋に手を伸ばす。
カサッと触れたものがあるものの、シャンメリーを当てた時に一緒に
店舗の人が入れた、その店の広告的なものだ。異常は見当たらない。
 裏路地には、入れ違いになった売り子以外に人影は見当たらない。
さっきの視線も、気になる所だが。今のところ何も確証がないのが現状だ

>>202(小石川)

エッ子「視線はねー! 街に来てからな感じっ。どっから感じたって言うのは
わかんないけど、なーんか、じーーっと複数に見られてる気はした!
やっぱり、私のファンかも知れない! くーっ! 時代が私に追いついたかも!」

ムーさん「暖かい……か? どーも、粘りがあると言うか……嫌な感じか
良い感じかと言えば、嫌な感じの比重が強い視線だったと思うが」

 貴方の言葉に、二人の応答はバラバラだ。
視線は複数だったらしく、視線は当事者にしか不明なものの、良くない感じがする。
 証言が事実なら、悪しき人物達が街で密かに徘徊してる事になるが……?

 「失礼、そちらのお嬢さん方。少々 時間 宜しいですカ?」

 その時、横から声が出て来た。顔を向ければ、スーツ姿の
サングラスをした男が声を掛けて来た。

「お手間は取らせません。少し 人を探してます
探し当てたのなら、私に連絡して貰いたい。お礼 弾みます
 どうでしょうか?」

 そんな内容の事を告げてきている。素性は……不明だ。

204薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/11/28(火) 20:17:39
>>203

特に異常のないシャンメリーのようだし、
これは持って帰ってしまっても問題なさそうだ。

(疑って悪いことしちゃったかな。
 まあ、本人のがいる前でもないし)

今帰るでもないしロッカーに預けるのも考えたが、
この近辺にそういう設備があるかどうか、記憶が曖昧。

(サンタクロースだ。クリスマスはどこも大変ね)

――休憩の邪魔をしてしまったか。
まあここは店の敷地でもないし、許してもらおう。

ともかく目的は果たした。ストリートに戻る。
と、彼女が落としたらしいチラシが目に入った。

          「……?」

(ああ、店の前で配ってるチラシかな。何の店だろ)

この近くの店舗のチラシだろうか。内容を見てみよう。
両面印刷なら、表を読み次第『レディ・リン』の脚で裏返す。

205小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/11/29(水) 00:12:09
>>203

  「――……」

二人から聞いた話を頭の中で照らし合わせ、考えを巡らせる。
注がれる視線からは、良くない印象を受けたという。
それも、複数人から見られている気配を感じたらしい。
自分が抱いた、何かが起こるのかもしれないという予感。
それは、単なる杞憂では終わらないかもしれない。
人知れず、胸騒ぎを覚える。

  「……どなたをお探しなのでしょうか?」

言葉を選びながら、慎重に尋ねる。
警戒しているという程ではないが、相手は素性の分からない人物だ。
あまり不用意に踏み込みすぎないように注意を払う。
それに、今は自分一人だけではない。
万が一、一緒にいる四人に何かしらの危害が及ばないように、私が間に立たなければならない。

  「まず――事情を聞かせていただけませんか?」

ただ、彼が困っていて手助けが必要だというのなら、素直に助けたいと思うのも事実だ。
もちろん、四人を巻き込むつもりはない。
彼女達が拒否するのであれば、関わるのは私だけでも構わない。
どのような行動を選ぶにしても、彼の話を聞く必要がある。
彼の姿や言動からは、どこか普通とは違う背景があるような印象を受ける……。

206『追跡変奏曲』:2017/11/29(水) 23:04:04
>>204(薬師丸)
 貴方はスタンドと共にチラシを拾い上げる。
内容は……何処にでもあるクリスマスキャンペーンによる、割引の広告だ。
 電化製品やら何やら、20%オフと表示されてる安い。
チラシの空白のある部分には、棒人間らしきものが描かれている。
うつ伏せに描かれているものだ。先ほどのサンタか、チラシ制作に携わった
誰かの悪戯だろうか……?
 
_/ ̄|○   


       ――ゴゴゴゴゴゴゴゴ……

 _| ̄|○     


\◯ノ <ヨゥ    ハジメマシテ ハッピーラビット
 |
「 〉


   !!!??

 棒人間と……チラシの字が動き、貴方に語り掛ける文を作った。

207『追跡変奏曲』:2017/11/29(水) 23:20:03
>>205

 貴方は邪な視線に対し憂いを感じつつ、謎の男に応対する。

「失礼、名乗り遅れました。
ワタシ  シュン、言いまして。警察署から来ました」

 エッ子「警察の人ー?」

「ソウ、ね」

 『シュン』と名乗る男は、確かに警察手帳らしきものを掲げ、すぐ
胸ポケットに戻した。笑顔を維持して、言葉を続ける。

 「女性、捜してマス。この辺りに居る筈なの確かです。
特徴 くたびれたニットで蒼いコート身に着けてる筈ですけど。もう既に
着替えて別の服装かも、知れません。
 一番分かりやすい特徴、彼女 とっても珍しい青紫の瞳です。
けど、自分でもわかってるのでサングラスしてると、思います。
サングラスで、くたびれた格好の女性見かけて。私の言った通りの人なら
連絡してください。これ、私の電話番号 です」

 お礼 弾みます。と、シュンは笑顔を崩さず電話番号の書いたメモを
貴方の手に押し付けて、人混みへと瞬く間に消えてしまった。

 ムーさん「……警察、ねぇ」

城生「その探してる人って、犯罪者、なのかなぁ?
それにしたって、私達に手伝いを申し出るのって、変だよねぇ」

 女子高生三人組みは、半信半疑な顔を隠す事なく男の立ち去った
方向を見た。朝山は、手を上に掲げ叩きつつ元気よく叫ぶ。

 「それより買い物ーっス! ちゃーんと毛糸も買うし、ケーキも
買わないといけないっス。今日は忙しいーんス!」

 彼女の言葉も尤もだ。第一の目的は、買い物だ……。

208薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/11/30(木) 00:06:14
>>206(GM)

安い。安いが、今すぐ買いに走るほどの安さでもない。
でもまあ一応覚えておいても良いだろう。店名は――

(ん、棒人間……? 落書きかな。いや、印刷されてる?)

    「―――わっ!」

             「……!?」

と、これはさすがに予想外にもほどがあった。

≪ハッピーラビットって。ええと、私の事?≫

スタンド会話に切り替え、その人物――――人物?
よく分からないが、謎めいた『棒人間』に返事をしてみる。
挨拶をしてくるのだから、意志疎通は出来ると思いたい。

≪はじめましてなのは間違いないわね。
 っと。あー、あんた、私の声は聞こえるの?≫

          ≪――聴こえるならだけど、何の用?≫

この存在が幸か不幸かは確かめておかなくてはならない。
『レディ・リン』は右手で腰に触れ、金鈴をビー玉サイズで一つ設置。

・・・ちなみに、チラシは今現在どちらの手で拾っているのだろうか?

209小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/11/30(木) 04:26:46
>>207

――何だったのだろう……。

立ち去っていくシュンの後ろ姿を見つめたまま、その場に立ち尽くす。
どう考えても奇妙な話だった。
あまりにも突然すぎる。

城生が言うように、関係者でもない人間に協力を求めてくるのは不思議だった。
もしかすると、この近辺の人達に聞いて回っているのかもしれない。
何か事件があって、その聞き込みをしているという可能性はある。
そうだとしたら納得できなくもない。
ただ、奇妙に思う理由は、それだけではない。

お礼は弾むという言葉にも、どこか引っかかりを感じた。
警官が使う言葉には、あまり似つかわしくない。
確かに懸賞金という制度はあるし、情報を得るために報酬を支払うこともあるのかもしれない。
しかし、それは特別な場合であって、単なる通行人にお礼の話をするというのは腑に落ちない。
何より気にかかるのは――彼は本当に警察の人間なのだろうか?
彼は警察署から来たと言っただけで、自分は警官だとは言っていない。
手帳も見せてくれたが、それが警察手帳であるかどうかも不明瞭だ。
そして、彼が捜している女性が何者であるかも説明せず、こちらが質問する暇も与えなかった。

考えれば考える程に、疑問は次々と浮かび上がる。
まだ真実は分からないが、あのシュンという男性の言葉を鵜呑みにすることは難しいと思えた。

「……行きましょう」

「私達は買い物に来ているんですから」

「それに――あまり遅れると、毛糸やケーキの材料が売り切れてしまうかもしれませんよ」

穏やかに少女達に微笑みながら言葉を掛け、彼女達と共に再び歩き出す。
しかし、心の中では、先程の出来事について考えていた。
受け取ったメモに軽く目を通し、なくさないようにしまう。
もし、シュンが捜しているという女性を見かけたら、
シュンに連絡する前に女性から直接事情を聞いてみたい。
二人の話を照らし合わせれば、見えないものが見えてくるかもしれない……。

210『追跡変奏曲』:2017/11/30(木) 19:15:26
>>208(薬師丸)
 ズギュン

『レディ・リン』の金鈴を、スタンドの腰に取り付ける。
チラシを持ってる手は、任意であるが多分いま現在利き手で持ってる筈だ。
 ○y-~~   キコエルゼ ベイベー   マァ オチツイテ キケ
 ノ(ヘヘ 

m9〇  ケッシャ ガ オマエ ヲ オッテル
  /ヽ
  /\ 

……棒人間は、形を変えながら文字を変えて表示する。『結社』と言うものが
貴方を追跡している、と書かれている。

>>209
 貴方は、胡乱気に見送った三人に声をかけて再び買い物のために歩みを再開する。
エッ子「そだねー。買い物の続きだー! お腹すいてるー? 
バーゲンセールは……戦場なんだよ! 腹ごしらえをするべきかも知れないっ!」

ムーさん「ただ、そっちが食べたいだけだろうに」

エッ子「だって、お腹空いたんだもーん! お焼き食べよう、お焼きー!」
 
 今は祭り時ではないが、星見町の大通りには普段からも鯛焼きなり何なりの
立ち食形式の店は普通に出ている。イブ近くでも、飲食店の忙しさに変わりはない。
星に因んだ商品として、地上の星の和菓子のお焼きの焼き立てが売り出されてる。
 エッ子達が店の前で商品を注文する傍ら、少々可笑しな出来事が起きた。

 ?「……」

 近くの電柱で、マスクを被ってサングラス。目深い帽子を被った
女性らしき人物が、貴方達のほうに顔を向けていた。

 ……小石川は、以前その人物に会った気がした。

211薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/11/30(木) 20:39:57
>>210(GM)

《――わざわざ忠告してくれてありがとう》

(このチラシ――私が通る道を知って待機してた?
 それとも、『偶然見かけたから忠告した』だけ?)

冷静であるように努める。
結社。聞いたことのない連中ではあるが、
おそらくスタンド使いを抱えている相手だ。

《それで、結社? ……それって、あんたの仲間?》

自分は路地の入り口、『レディ・リン』は頭上や後方を警戒させる。

《いや、仲間なら『忠告』しないか。
 で、そいつらが私を捕まえるとどうなるのさ?》

まずはこのチラシに話を聞いて、最初の対策を考えたい。
真実を話しているとは限らないが、聞かねば何をすべきかも分からない。

212小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/01(金) 04:53:15
>>210

  「ふふっ――」

二人の少女の微笑ましいやり取りを見つめて、くすりと笑う。
不穏とは無縁の、日常の中の平穏な一幕。
非日常的な出来事があった後だからこそ、こうした何気ない場面が気分を落ち着かせ、
心を和やかにしてくれる。

  「……?」

        ――あの人は……?

誰かに見られているような気配を感じ、電柱の陰に佇む奇妙な人影に視線を向ける。
その素顔は隠されていて、素性を窺い知ることはできない。
だけど、なぜか不思議と見覚えがあるような気がする。
一体どこで会ったのだろうか……。
微かな記憶の断片を手繰り寄せ、それが誰であるかを思い出そうと試みる。

213『追跡変奏曲』:2017/12/01(金) 22:23:41
>>211(薬師丸)

『我が名はシニカルマン』 『シニカルマンは誰よりも多くの秘密を把握できる』

『結社は 旧くから街の影に属していた』 『シニカルマンは結社をマークしていた』

『結社の多くは使い手ではない』 『けど、結社の秘密の技法を扱う』

『ハッピーラビット』 『あんたは幸運売りの兎のヴィジョンの持ち主 きっと あんたの事』

『シニカルマンは結社の目的を良しとしない』 『シニカルマンはラビットの味方をする』

『シニカルマンは何処にでも出没出来る シニカルマンが書いてる所であるなら 全てに』 

『シニカルマンはラビットと出会えると思える街中に いっぱい書いた 疲れた』

『結社は ラビットを欲しがっている』 『聖骸布』 『結社は聖骸布を集めている』

『聖骸布の力で 結社は世界を変えようとしている シニカルマン 結社の目的 嫌い』

『シニカルマン』こと、棒人間は1テンポのリズムで文字を変化させ表示する。
要約すれば、結社と言う謎の組織を、このスタンドの使い手はマークしていた。
それが近々大きく動き、ハッピーラビット……恐らく、薬師丸の持つ『聖骸布』とやらを
追っていると言う事だ……だが、貴方には勿論の事だが。聖骸布など持ってないし
そんな心当たりもない。

 チラシの文字の動きを見つめつつ、入口や路地裏背後もスタンドで警戒をする。すると……


キィ   ――ザッ

?『……』

 居た……! 不審な人影が、路地裏の電柱の裏に現れた!
隣接する酒場などから出てきたのだろう。
 その視線は、薬師丸を品定めするように 射貫くように向けられている。
距離は大体6,7m。路地裏の入口はすぐ2mほど。逃走も可能だ

214『追跡変奏曲』:2017/12/01(金) 22:30:29
>>212(小石川)

 エッ子「うーん、クリームお焼きも良いし。小倉餡子も捨てがたい
あっ! 新商品でクリームぶどう味もあるじゃん!」

 城生「もー、エッ子。あんまり食べると、お昼が入らないよぉ?」

朝山「自分は十個ぐらい買うっス! お父さんに、お母さんと
権三郎にも、お土産っス!」

ムーさん「犬って、お焼き食べれるのか?」

 和気藹々と、店の前で和菓子を注文する四人の傍ら。
貴方は電信柱の陰にいる人物を注視した。

 見てみると、段々とその輪郭に心当たりが出て来た。

あれは……『奇妙な合コン』で一緒にいた『ベディ』と呼ばれていた
貴方と大体同い年の、彼女に良く似てる。

 ベディ?『……』  チョイチョイ

 彼女は、貴方を と言うよりも。四人組のほうを観察してるようだった。
だが、直ぐに小石川が見てる事に気づくと。少し考えた素振りをしてから
手招きをし始めた。……どう言う用事がるのだろう?

215薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/01(金) 22:46:33
>>213(GM)

――『シニカルマン』『結社』『聖骸布』――

聞きなれない、しかし重要な単語。呪文のようだ。
聖骸布とはなんのことなのだろう? かなり謎だ。
貴重品はあっても、そういう名前のものは知らない。

(まちがいか、私も知らない価値があるものか。
 シャンメリー一本の幸運には釣り合わない不運ね)

             クルン

「…………」

(ううん、逃げる? 敵は一人に見えるけど。
 もっと戦いやすいところに移動するかなぁ……)

最初に考えたことがある。
ずっと逃げ続ける? そんなことは『できない』。

帰る場所が無ければそれもいいかもしれないけれど、
自分には帰る場所がある。弱みを持った人間である。
逃げ続けたとき、被害を受けるのは『妹』かもしれない。
最低でも、『追われない』状態にすべきなのは間違いない。

(……いや、街中だと『鈴の音』を拾いにくい。
 ここがいいね。ここなら、『人ごみ』も気にしなくていい)

           ザッ

              ザッ

あえて踵を返し――――裏路地の奥へと歩いていく。
もちろん、気づいていないようなフリをして、だ。
本体は引き続きチラシに目を通し……実際は読んでいない。
だが、敵はチラシの内容も、先ほどまで読んでいた意味も、
普通に考えて知らないはず。拾ったチラシを読んでいるだけ。
実際には傍らの『レディ・リン』の視聴覚で敵の動きを監視する。

気づいていることはもうバレててもおかしくないが、
敵にスタンド使いが多くはないなら……『やる価値』はある。
その際、『レディ・リン』は自分から見て敵側に随行させる。
不審な動きがあれば『高速』かつ『精密』に対処できるように。

      敵が誰で、何人いて、何が狙いか分からない以上、
      危険なのは『人が多い環境』で追われ続ける事だ。
      であれば、誰もいないこの路地裏はむしろ好都合だろう。
      ――なにって、いかがわしいまねをする者へのペナルティに。

216小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/02(土) 05:51:48
>>214

  ――あの時の……。

その人物がベティであることに気付き、軽く頭を下げて挨拶する。
同時に、彼女が何をしているのか不思議に思った。
だが、ベティの姿を見れば、干渉されることを望んでいないことは明らかだ。
事情は分からないが、あまり深く関わっては迷惑になるかもしれない。
それを察して、こちらからは何もしないつもりでいた。
だからこそ、彼女の方から呼び掛けてきたことを意外に思った。

  「ごめんなさい。ちょっと失礼します」

買い物をする四人に声を掛けてから、ベティの方へ歩き出す。
一度は会ったことがあるといっても、彼女とは大きな関わりはない。
だから、私が彼女について知っていることは少なかった。
そして、それは彼女も同じことだろう。
ただ、わざわざ呼んだということは、何か大事な話があるということは分かる。

        コッ コッ コッ ……

  「……なんでしょう?」

おそらくは人目を避けているであろう彼女の事情を考慮して、小声で話し掛ける。
振り返ってみれば、以前ベティと出会ったのは、スタンドが関与する小事件だった。
あるいは、今回もそうなのだろうかと、心の中でおぼろげに思った。

217『追跡変奏曲』:2017/12/02(土) 17:36:25
>>215(薬師丸)

 小さな蝶の羽ばたきが、何処かで竜巻になるように。
貴方には瓶一本の幸福から、強大な災厄が迫ろうとしてるように感じられる。

 スタンド能力の特性もそうだが、貴方の帰りを待つ家族にも迫害が迫る恐れがある。
逃走は出来ない、立ち向かう。そう決めたのだ。

 ザッ 
     ザッ……。

 裏路地奥へと、貴方は進む。横幅約3mほどの路地の端に立つ電柱
その人影に注意を払い、レディ・リンを何時でも動かせるようにしながら。

 ?「……ひょえ ひょえ」

 ズズッ
          ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

    コツ コツ。

電柱から、人影が姿を現す。――『老婆』だ

杖をつきつつ、80程度の厚着をした猫背の老婆が出てくる。
 先ほどの電柱影から射貫くように感じた視線は、この老婆のものだろうか?

 老婆「ふが ふがふが……」 コツ コツ


 よぼよぼの老婆は、貴方を横切ろうとするようにヨロヨロと杖をつきつつ歩く。

現在の互いの距離は、約3mと言った具合だ。

>>216(小石川)

 「久しぶりだね。小石川さん、だったな。
あの時は、脱出に協力して頂いた事を改めて感謝する」

 了解ー、と元気よく返事をする四人を背に貴方はベディへ近づいた。
彼女は、正真正銘のベディのようだ。

 「特に、貴方に用事はないんだ。年末にアリーナで独自に行う
ちょっとした仕事で今日は来ててね。……そこに居る、一番小柄な子」

 ベディは、お焼きを選んでる四人組の一人。『朝山』を指さして尋ねる。

「その子、貴方の知り合いなら。ちょっと聞いておきたいんだけど
何かしら危ない事をしてたり、そう言う思想の子だったりする?」

 『朝山』の事について聞いてきた。口調は平坦だが、目には真剣さがある。

218薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/02(土) 18:08:09
>>217(GM)

老婆とは。もしこの人が敵ならやりにくい相手だ。
まあ自分も人から見てやりにくい相手だろうけど。

(視線とは別人か、何かの能力って可能性もあるけど……
 全く無関係なお婆ちゃんにしては、タイミングがよすぎるでしょ)

昼の歓楽街の、酒場に面した路地裏。
時間が夜で、人が浮浪者ならともかく、
杖を持つ程度の金がある老婆は『不審』だ。

実は『意味もなく睨んでいた老婆』か?
それとも、呆けていて徘徊気味なのか?
深い事情で杖だけ持った浮浪者なのか?
だとしてもそこまでは責任を取れない。

「ーーーーねえお婆ちゃん、
 こんなとこにいちゃ危ないよ」

「歓楽街はよく暴漢が出るんだって。
 特に、こういう人気のない場所はね」

つまり、『巻き込むことに』だ。
未知の敵をいきなり殴る必要などない。
話しかけながらもスタンドは構えを解かず、
本体は電柱に視線。何かある可能性はある。

スタンドの位置は老婆の進路を塞ぐように、
なおかつ本体に手が届く程度の距離にしておこう。

219小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/03(日) 07:32:39
>>217

  「朝山さんのこと――ですか……」

思わぬ質問だった。
どういった意図があるのかは分からない。
三人と共にいる朝山の方に視線を移し、少しだけ考える。
彼女もスタンドを持つ者であることは知っていた。
やがて、再びベティに視線を戻し、おもむろに口を開く。

  「……いえ」

  「私の知る限り、彼女は元気で心優しい善良な少女です」

  「ですから――あなたのおっしゃるようなこととは無縁であると断言できます」

以前、あの少女が何か変わった活動を行っていたのを見かけたことがある。
しかし、それは危険とは呼べないものだろう。
確かに風変わりな部分はあるが、彼女は元気の良い普通の少女なのだから。

  「彼女が何か……?」

今しがた答えた通り、朝山が危険な人間だとは少しも思っていない。
ただ、なぜベティは、そんな質問をしたのだろうか。
そのことが気掛かりだった。

220『追跡変奏曲』:2017/12/03(日) 12:13:05
>>218(薬師丸)

 「……ひょえ ひょえ あぁ、お嬢ちゃんは優しいねぇ……
こんな、よぼよぼの婆に。親切に声を掛けて頂いて」

        ゴゴゴゴゴゴゴゴ……。

老婆は、皺くちゃの顔を上下に動かし、依然警戒を続ける薬師丸へと緩慢に顔を向ける。

  ――ギンッッ゛

 「  そんだぎゃ 孫ぐれーの齢あれど。
   『結社』の為でーば、仕方がなせ。
          覚悟       」

 !! 老婆は、歴戦の兵のような雰囲気に様変わりすると
腰をしゃんと伸ばし、猛禽類のような目つき……そう! 先ほど受けた電柱からの『視線』
 その敵意を込めた姿勢に瞬時に陥り、持ってた杖を水平に構えた!!

 「おとなしゅう『聖骸布』渡すんだば、峰打ちで済ますだぎゃー」

>>219(小石川)

 貴方は、お焼きを選ぶ四人に視線を向ける。お焼きの香ばしい匂いは
人を引き付けるのか、四人の周りに人垣が出来始めていた……。

 ベディ「アリーナの、情報部からの伝達でね。
『エクリプス』……以前、この街を支配しようとしてた組織だけど。
 その組織の幾つかの支部の一つで、働いていたらしいって事でね。
もう、大本は瓦解してるけど。最近、妙に残党と思える動きが活性化してる
話もちらほら出てるから。ちょっとした関係者でも、素行に問題ないか
アリーナで時間に余裕ある奴は、こうして軽い身辺調査に出てるんだよ」

 まぁ、そっちの話は確かなようだし、杞憂かも知れないけどね。
ベディは話を区切ると、新たに言葉を続ける。

「まぁ、何でもないのなら私はこのまま通りを散策するよ。
どうも妙な奴らが、ここら辺を徘徊してるって話も受けてるし……」

 彼女は、朝山への監視を中止するようだ。
妙な奴ら……それは、彼女達が話題に出した複数の視線と関連するのだろうか……。

221薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/03(日) 18:10:31
>>220(GM)
2点質問します。

1.チラシを持っているのは『本体』という認識でかまわない?
  (レス>>215 >本体は引き続きチラシに目を通し……)

2.老婆がいるのはスタンドから見て道の右端? 左端?

222『追跡変奏曲』:2017/12/03(日) 22:07:43
>>221(回答)

1.『本体』の認識で構わない。また、それで不都合があるのなら
スタンドが持っていても良いし、しまってる判定でも良い。

2.スタンドから見て左端。また、これはこちらの描写不足によるもので
謝罪するが。老婆はスタンドに意識を向けてる様子はない

223薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/03(日) 22:18:47
>>222(回答)
回答に感謝します。

>>220(GM)

      「『結社』……ね〜ぇ」

「『聖骸布』ってのが私にいらないものなら、
 考えてあげてもよかったんだけど…………
 話す気のない相手を『説得』するほど甘くもない」

大人しく渡せと言われてもそれが何かを知らないし、
説明するより『戦う』方が早いと思ってるのだろう。
こっちもべつにそこで戦わない道を模索する理由もない。

「覚悟っていうけど、自分は覚悟できてる?」

スタンドの腰に設置した鈴を『動く前』に解除。

当然、油断はしない。『覚悟』はしている。
一般人でも本体同士なら負けてもおかしくない。
特殊な戦闘方法を持っていても、おかしくない。

「ま、出来てなきゃそんな目はしないんだろ」

スタンドの姿勢を低くし、滑るように敵に急接近させ、
脚――可能ならば膝に全力の蹴りを叩き込む(パス精CBA)
無理に膝を狙って行動が遅れるなら当たりそうな位置でもいい。

蹴り足は左。狙うのは右ひざ。右手は頭部を守るように構えさせる。
これは、カウンターで頭や首を殴られる可能性――スタンドではあるが、
もしかすると敵にスタンドに対抗できる術がある可能性――を考慮してだ。

    蹴りを使うのは、腕より長いから。
    3mという超短距離をさらに縮めるため。
    わざわざ設置した鈴を解除したのは、音を消すため。
    反応の余地を与えない。機動力を完全に奪いたい。
    敵の位置は本体の視界で確認し、スタンドは行動に集中。
    フォームなどは気にしない。あくまで会話中に『突然』突っ込ませる。

224小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/04(月) 03:45:12
>>220

  「――朝山さんが……?」

俄かには信じられない話を聞き、胸の内に戸惑いが生じる。
自分にとっては、そんな組織が存在していたことさえ信じがたい。
しかも、あの少女がそこで働いていたなど、とても考えられないことだ。

  「あの――」

  「いえ……なんでもありません……」

何かの間違いではないか、と言いたかった。
だが、ベティの口調からは真実味が感じ取れる。
おそらく、彼女は間違ったことは言っていないのだろう。

  ――でも、本当に……本当に、そんなことが……?

きっと、朝山自身も組織の詳しい素性は知らなかったのだろうと思う。
そうでなければ、あの善良な少女が、そんな場所で働くはずがない。
そう自分に言い聞かせ、動揺する気持ちを落ち着かせる。

  「……はい、分かりました」

  「その――ご迷惑でなければ、一つお聞きしたいのですが……」

  「先程おっしゃられた、この辺りを誰かが徘徊しているというお話について、
   詳しく教えていただけないでしょうか?」

少女達が感じた視線と関係があるのかどうかは分からない。
しかし、二つの時期が一致していることが気に掛かった。
少なくとも、関係している可能性はあると思える。

225薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/04(月) 03:51:21
>>223(台詞訂正)
×「ま、出来てなきゃそんな目はしないんだろ」

〇「ま、出来てなきゃそんな目はしないだろうけどね」

226『追跡変奏曲』:2017/12/04(月) 21:51:02
>>223(薬師丸)

 話の通じぬ敵に対し、説得や逃走を薬師丸は選ばない。

先手必勝、近接型のスタンドを所有してるのならば。スタンド使いでない
一般人であるならば、一撃で叩きのめすのが一番!

 シュッ   ヴゥンッッ。

 見えない相手、当たらぬ道理はない。水平に杖を構える老婆の膝に
吸い込まれるように、レディ・リンの蹴りは命中して。柳のような細い足を折る……

 ――ガンッッ!!?

 「……ひょっ ひょっ ひょ」

           ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

――か 硬い?! レディ・リンの蹴りは老婆の膝に直撃した。
平均的な一般男性のパワー並みの、弾速に近い蹴りをだ。
だが、その感触は骨の脆い老人の足を蹴ってる感じでない。
まるでぶ厚いタイヤを蹴ったかのような感触が、フィードバックで伝わってくる。

老婆は苦痛で悲鳴を上げるどころがっ 蹴られた部分を軽く
屈伸させるようにして、不気味なニィ〜と言う笑みを顔全体で造る。

「か弱い老人の姿成りじゃがら、打たれ弱いと そう思ったかえ?
 お主等のように使い手でなし、容易く倒せる そう思ったかえ?
――温(ぬるぅ)い ぬる過ぎるぞ 童ぇ……!
『結社』は 老いすぼれ 生きがいが終ぞなかった儂に 光を下さった!!
 今の儂の肉体は、並みの格闘家ですら悲鳴を上げれんっっ。
ハッピーラビットよぉ……お主も『結社』に入るのならば、儂のような
剛力を、無類無比の打たれ強さを得られるぞい? ひひひひ」

 笑いを収め、剣鬼の如く杖を引き絞り、老婆は突進する!

 「その『聖骸布』 儂が貰い受ける!!」   ダンッ!!

 謎の打たれ強さを持つ老婆は、薬師丸へ突撃する!(ス精パCC?)

227『追跡変奏曲』:2017/12/04(月) 21:51:27
>>224(小石川)

 貴方は少女の悪行に関して、無知ゆえの過ちであるだろうと思慮する。
真実は彼女自身が良く知ってるだろうが……。

 「本格的に、何かしら関与してるなら。既にアリーナが本格的に動いてるよ。
だから、下っ端の中の下っ端か。もしくは全く何も知らないで雑用を押し付けられてたとか
そう言う事だろうさ。それでも、関係者なら誰かしら組織の奴らが便利な連絡用の人物として
利用する為に接触する可能性もなくはない。そう言う可能性を潰す為に、私等がいるからね」

 小石川の不安をフォローしてか、ベディは彼女の件に関しては終わらす為に話をして質問に答える。
 
 「そうだねぇ……私も詳しい話を聞いてないが。『何か』を収集してる団体が
うろついてるって話でね。そいつ等、若い女性やらを狙ってるって話もあるが
 直接的に危害を加えたって話は、今のどころ無いね。
ただ、何かしら曰くが存在する奴等なんだ。どっかで暴走するって事も……」


       ――きゃーーー


 「! 何だ……」

 小さな悲鳴は、小石川の背後から聞こえた。方角は……お焼き売り場だ!

228薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/04(月) 22:29:55
>>226(GM)

       「――――わっ、固いっ!?」

「……結社って、びっくり人間ショーみたいな集団なのかな。
 でも、悪いけど私って、弱さも柔らかさも『商売道具』なのよ」

(スタンド使いの戦い方じゃない。けど……『能力』はある?
 肌を固くするようなスタンド使いが仲間にいるとか?
 少なくとも、『神さまの奇跡』って考えるより現実的よね)

罪のない相手なら、あるいは仲間になれそうなら、
あるいは狙いが明確な相手なら交渉の目もある。
だが、この相手は『聖骸布』が何か話す気はないらしい。
つまり交渉より倒す方が早いと思われている。

さきほどの状態から薬師丸へと突進したならば、
位置関係上『レディ・リン』を追い抜かす事になる。
どの場合も敵は『レディ・リン』の背後にいる事になる。

「へえ、私を『並みの格闘家』程度だと思ってるのね〜ぇ」

薬師丸自身は腕をクロスさせつつ、後ろに跳ねる。
簡素だが、これはスタンドの操作に集中するため。

敵の異能は『回避』ではなく『防御』と分かった。
なぜ今、『両手で頭を守らなかったのか』――追撃のため。
片手をフリーにしている。片脚も。ノータイムで追撃に移れる。
それは人間並の速度でただ走っている老婆よりも、『速い』!

「もしそうなら『ラッキー』よね」

                 ダンッ

蹴りに使っていない右脚で強く――
本体がするのと同じように後ろに跳ね、
完全にフリーになっている左の拳を振りぬいて、
裏拳の形で老婆の首を後ろから打ち下ろす。

ただの打撃ではない。命中は『最大鈴』の設置を伴う。
相当な勢いであろう突進を、後ろから強く押し、
さらに重りをつける形になるので、転倒も狙える。
打ち下ろすように打つのは、地面にぶつけるためだ。

最初から敵の位置の察知には本体の目を使っている。
そして『レディ・リン』の精密動作性と速度は人外の域。
後ろに跳ね、追いつき、裏拳を食らわせる行動自体は――十分可能。
操作も本体と似た動きで、煩雑な物ではない。動きに淀みはないだろう。

229小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/05(火) 03:58:17
>>227

  「……そうですか」

何かを集めている――それは何なのだろう。
それが分からない限り、この問題について判断を下すことは難しい。
もし何か新たな事態が起これば、真相が分かるかもしれない。
もちろん、何も起きないのなら、それが一番いい。
この町の人達が平穏に暮らせることが何よりも最良だ。
だから、良くない事件が起きることなど期待していなかった。

  「――今の声は……!?」

この場に似つかわしくない悲鳴が耳に届き、状況を確認するために後ろを振り向く。
もしかすると、単なる些細なトラブルかもしれない。
そうであることを願いたい。
あるいは、さっき考えていた良くない何かが起こってしまったのだとしたら――。
そうであったなら、自分にもできることがあるかもしれない。

  ――まさか、彼女達の身に何か……?

真っ先に頭に浮かんだのは、あの少女達のことだった。
四人は、誰かに見られていると言っていた。
そして、若い女性を狙っているらしい団体が、この付近に現れているという。
この二つを考え合わせれば、あの少女達が素性不明の団体に狙われている可能性もありうる。
不吉な予感が、脳裏をよぎる。

230『追跡変奏曲』:2017/12/05(火) 19:31:59
>>228(薬師丸)
 
   ダンッ スタンドの兎 『レディ・リン』は跳ねる。
    シュッ   ガンッ ッ!

   「! ぬぅん 小癪なぁ……」   ズサーァッ

  しぶとい! 舞うように、振り放たれたスタンドの裏拳は
老婆の後頭部にジャストミートした。
 鈴も間違いなく設置出来た、にも関わらず。昏倒する様子もなく
しかめっ面で、杖を重心にして完全に倒れ込むのを防いでる。

 「無様に、このまま成す術なく儚き桜の如く散るは恥!
キェェェェィ!! 受けよ! この黄金のスピンキックをなぁ!」

  ガンッ! シュヲヲロロンッ!!

何たる事か! 老婆は杖を地面に深く突き刺すと、それを軸にして
逆立ちしつつのスピンキックを薬師丸目がけて繰り出す!

 「ぐはははははっ!! どうじゃ!? 近づけるかっ、お主に」『リンリンッ!』

 尚、鈴は鳴るだろう(運の判定については任せる)

>>229(小石川)
   
  ドヨドヨドヨ

『なになになに〜!?』  『えっ!? ちょっ……待って』

 振り向いた先、先程までまばらに人が集まってただけの
お焼き屋に、気づけば大勢の人が周囲を円形に囲むように集っている!
 その中心で、囲まれてるだろう彼女達の悲鳴か動揺に近い声が聞こえた。

 『……』 『……』 『……』 『……』

人垣は、シベリアの冷たさを思い起こす視線と共に自分達の、壁としての
役割を努めている!!

 「何だ、お前ら……おいっ、どけ!」

 『……』

 「ちっ……話が通じやしないかっ。スタンド能力か……?
にしても、操られてるなら強制排除は厳しいか」

 ベディも、犯罪沙汰であるならばと貴方を援護する体勢だが。
スタンドは、こう言う人垣を都合よく散らす能力はないのだろう。
苛々した様子で手をこまねいている。

231薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/05(火) 22:58:28
>>230(質問)
質問です。

>逆立ちしつつのスピンキックを薬師丸目がけて繰り出す!

これは杖を軸に老婆が『カポエイラ』のように横回転して蹴ってくるという理解でよかったでしょうか。
その場合、一回転した勢いでなのか、薬師丸側に半回転程度なのかも教えていただけると幸いです。
それとも、杖を軸に宙返りのような姿勢で蹴ってくる(縦回転)という理解の方が正しいでしょうか。

232『追跡変奏曲』:2017/12/06(水) 07:30:28
>>231(回答)
 杖を軸に老婆が『カポエイラ』のように横回転して蹴ってくる、と言う
形が正しいです。描写不足で申し訳ない

233薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/06(水) 13:26:17
>>232(回答)
回答に感謝します。

>>230(GM)

「わっすごい、若いころはほんとにサーカスにでもいた?」

       ピョン!

薬師丸は冷静に――――同じ行動を続ける。
それとはつまり、後ろに跳ねる動きだ。
同じ行動の連続は深く考えないからすぐできる。

杖を軸にした曲芸のような動きは確かにすごい。
だが、軸になる杖がある以上リーチは一定。
距離を詰める動きは出来ない――はずだ。
逆立ちしてのスピンキックなら、脚の長さまでしか届かない。

「でも、私はスタンド使いだから」

        「曲芸より」

『レディ・リン』は裏拳を打った勢いで敵の側を向き、
そして『回転』する老婆に――――掌底の連打を放つ。

杖を支えにしたスピンキックは確かにすごいが、
それは直立よりバランスの良い姿勢だろうか?
老婆は強いが、後ろから殴ったら体勢を崩す。
――――杖で支えなければ倒れていた程に。

薬師丸に蹴りが命中するより、『レディ・リン』の掌底の方が早いはず。
連打は老婆の回転に逆らわない、むしろ後押しするような軌道で放つ。
回転を本人には制御不能のものとしつつ、大量の鈴を取り付けて拘束したい。

234小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/06(水) 20:19:00
>>230

  「――この人達は……!?」

予想外の光景に驚き、思わず目を大きく見開く。
しかし、驚いてばかりはいられない。
あの人垣の中には、四人の少女達がいるはずだ。
彼女達を囲む人垣は、例の謎めいた視線と無関係ではないだろう。
彼女達が何かしらの危害を受ける前に、包囲の外に出さなければ。
あるいは、既に何かをされているかもしれない。
ともかく、まず今の状況を把握する必要がある。

  「ベティさん――お願いがあります」

  「私の前に立って、彼らの注意を引いていてくれませんか?」

  「その間に、私が人垣の内側を探ります」

ベティが同意してくれたなら、手短に謝辞を告げて彼女の後ろに立つ。

      スラァァァァァ―――z____

そこで人垣からの視線を遮りながら、手の中に『スーサイド・ライフ』を発現させる。
自らの肉体を切り離し、それらを遠隔操作する能力を持つ一振りのナイフ。

          ザグゥッ!

                シュパァンッ!

その刃を自身の眼窩に突き刺して『右目』を抉り出し、続けざまに『右耳』も切り落とす。
そして、ベティに群集の注意を引いてもらう間に、
切り離した『目』と『耳』を地面に下ろし、人垣に向かって近付かせる。
いかに強固な人垣であっても、全く隙間がないとは思えない。
もちろん、仮に隙間があったとしても、人間が通ることはできないだろう。
しかし、『目』や『耳』程度の大きさなら、人垣の内側に入り込むこともできるかもしれない。
                           パーツ
人垣を見て通れそうな隙間を探し、そこから『部位』を内側に忍び込ませ、中の様子を探り出す。

235『追跡変奏曲』:2017/12/06(水) 23:29:55
>>233(薬師丸)

 「伊達に長生きしとらんわぃ!
若かりし頃は、抵抗運動でも官憲とは多くやりあった身じゃあ!
 効かぬっ ぶっ  効かぬぞぃぃ ひはは……」

  パン パン パン パン!!

 「ぬっ  体が 何ぞ 見えぬ糸のようなもので ぐっ……ぬぅ」

 スタンド使いと、持たざる者で決定的に大きな違いであり利点は
相手が見えない事。『鈴糸』も見る事を老婆は叶わない。
 見えない掌底に対しては、笑う余裕を持ちつつも。段々とスピンの勢いは
失われ、ついに地べたに無駄にセクシーな縛られるポーズで止まった。

 「や やりおるわぁ……小童よ、もはや無様に抗う事はせぬ。
とっとと、この首をはねい」

 老婆は潔く止めを刺せと告げ、敵意を低めてる。
再起不能にする選択もあるが、今の状態ならある程度の情報も聞きだせそうだ。


>>234(小石川)
 
 ベディ「了解……おいっ、さっさと解散しろ! 聞こえてるのかっ」

 相手が『人の壁』を作り上げるなら こちらも同じく『人の壁』で道を作る……。

仲間の背を借りて、スタンドの刃で右の目と耳を分離!
 更に、それを人の足の掻い潜り……囲まれた四人組のほうに無事 到着する!
 人の防壁の中で、筆舌尽くせぬ恐ろしい光景が待ち受けてるのか……?

 ?『……頼む、お願いだっ! 少し、スカートを捲って確認させて
くれるだけで良いんだ! そうしたら、直ぐに消えるから!』

エッ子『えー(´・ω・`)  嫌ぁ〜』

ムーさん『( 一一) 他をあたれ』
 
城生『と、とりあえず。事情を聞かせてくださいよ』

朝山『そうっス! 訳がわからないっス!』

?『頼む……【奴】も、仲間を引き連れ直ぐに こちらに来るかも知れない!
私は、奴よりも先に入手しなければならないんだっ』

 ……?

どうも、一人のロープを纏った男らしい人物が土下座の姿勢で
四人に何かを頼み込んでいる。スカートを捲ってくれとか、言ってるが……。

勿論、彼女達は乗り気ではない。問答が続いてる……。

236薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/06(水) 23:56:39
>>235(GM)

鈴を引かねば出せない鈴糸を発現したつもりはなかったが、
勢いあまって使ってしまっていたか。まあそれはそれでいい。

「あのさ、時代劇じゃないんだから。
 気持ちよく死んで終わりとはいかないよ」

スタンドには目線だけで周囲を監視させておく。
口止めなどが行われる可能性はあるし、
更なる増援が来る可能性だって十分にある。

「私、そういう暴力みたいなの好きじゃないし。
 死ぬ覚悟があるなら、情報をはく覚悟もあるわよね?」

        ずいっ


と顔を覗き込む。流石に今から抵抗はしてこないだろう。

「『聖骸布』なんて私、持ってる覚えもないんだけど。
 あんた、『それ』が何のことかわかって狙ってたの?」

「それがなんの事か分かったら渡してあげるかもしれない。
 もしあんたが知ってるなら、『教える』以外はないと思うけど」

これは半分、本音でもある。
結社の目的が仮に『自分に不都合がある』なら、
もちろん本音は簡単に手の平を返すのだけれど。

敵がそれで何をする気なのか、対価はあるのか――――
もし渡せるとしても渡すには多くの『情報』が欠けている。

237小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/07(木) 04:54:04
>>235

  「――」

  「――……」

  「――……ベティさん」

数瞬の後、ようやく一言だけ言葉を発する。
奇妙としか言いようがない光景を目の当たりにして、思わず言葉を失ってしまっていた。
あまりにも予想外すぎた。
むしろ、大事が起きていなかったことを喜ぶべきなのかもしれない。
いや――これも、ある意味では大事なのだろう。
それでも、差し迫った危険と呼べるような事態ではなさそうに見える。
少なくとも、あの男性には少女達に暴力を振るうような意思はないようだ。

  スッ

無言のまま、おもむろにバッグからスマートフォンを取り出す。
そしてメール画面を開き、文字を打ち込んで文章を作る。
文面は以下のようなものだ。

  『 私は彼女達の知人で、今あなたの後ろにいる者です。
            あなたは誰ですか?
            奴とは誰ですか?
      何を入手しなければならないのですか?
    時間がなければ手短で結構ですので、事情を聞かせて下さい。 』

文章ができあがったら、スマートフォンを持っている『右手』を切り落とす。
その分離した『右手』を、先程と同じ要領で男性の背後に近付ける。
そして、指先で男性の肩を軽く叩き、画面に表示されている文章を見せる。
素性も目的も分からないけれど、こちらが敵意を見せなければ、話は通じると思いたい。
男性からの返答を待つ間、一緒にいるベティにも、見聞きした現状を説明する。

238『追跡変奏曲』:2017/12/07(木) 22:45:56
>>236(薬師丸)

      ゴゴゴゴゴゴゴゴ

  「くっくっ……なるほどのぉ、『結社』も人が悪い…
狙われてる子にすら、全く情報を与えてないとはのぉ」

老婆は、合点がいったとばかりに低い笑い声をあげつつ
何やら納得した様子で一人勝手に頷く。

 「だが、当然か……『結社』の思惑は海よりも深く
山よりも高い……故に 故に……儂の考えなど及ばぬのじゃろう」

 「……儂を除いて、『あの方』の直属の配下は『三人』。
儂と同じく聖なるヴェールによって厚き信仰によって守られしパラディンよ」

 「そして、『聖骸布』とは……」

 老婆は、長い口上を終えると。薬師丸の望む回答へと言葉をつづけた。

  
>>237(小石川)


 分離した視覚の衝撃の波が引いた後、スマホを持たせた手を
ロープの男に近づける。

 土下座をしていた男は、少し目を見開き。手とスマホの内容を見た後に
スクッと立ち上がり 叫ぶ。

 ?「っ……  サコパ ォ  ティーン ィ !!」

   ザッ!!

 謎の叫び声と共に、男の配下であろう人垣がモーゼの命令によって
海を割るが如く開かれる。男は四人組を引き連れつつ小石川の元に近寄る。

?「……この少女たちの 仲間ですね」

?「我が名はサベリウス ミリオス アリオス……サミメと、お呼びください」

 男は、20代半ばな齢若そうな顔つきながら。長い年月を
求道に捧げてきたような、深い皺が目元にあるヨーロッパ風の人物だった。

サミメ「私は……『結社』の導師。穏健派の一人であり、暖かく
世界の変化の緩急を見守る、老師の意思に仕えるもの」

 「ですが……我が同士は、その協定を裏切り。『聖骸布』を……
『ハッピーラビット』を狙っている……そうですっ、あぁ……何て邪悪な」

 小石川の顔を読み取り、サミメは言葉を続ける。


 ALL

 場所は、路地裏に大通りのお焼き売り場と異なるが。老婆と結社の導師は
同じ厳かな雰囲気を纏いつつ、告げた。

 「聖骸布……『結社』にとって掛け替えのないものであり
力を与えし媒体であるもの……それでいて日常に同化している(のじゃ)」

 「聖骸布とは……」




  「――『パンティー』の事(じゃ)です」

239薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/07(木) 23:48:54
>>238(GM)

「………………………えぇ?」

まさかの、『下着ドロ』まがいの集団。
確かに布ではあるし、価値が出るのもわかるけど。
それにしても鉄砲玉まで使ってやることがそれとは。

「うーん、飲み込みづらい………けど、
 冗談を言うような状況でもないわよね」

(コインランドリーはしばらく使いづらくなっちゃったなぁ)

本気でただの変態なら『分かりやすい』し、
そうならば解決手段もシンプルなのだが…………

「……あんたも『あの方』とやら直属だったんなら、 
 なんで私のパンツなんか欲しがってるのか知ってる?
 ただいやらしい事考えてるだけ、って事はないでしょ」

「知らないなら、深い思惑とかは良いから、あんたの想像を聞かせて」

深い思惑とやらが読めない以上、出来るだけこの老婆から情報を得たい。
最低限、鉄砲玉だとしても『あの方』とやらの命令を受ける直属なのは確か。

何か、その人物に近付けるような情報が欲しい。さっさと帰るためにも。

240小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/08(金) 04:47:08
>>238

       スゥッ
              スゥッ
          スゥッ
                                      パーツ
『目』、『耳』、『手』を自分の下まで戻し、切り離していた三つの『部位』を全て接合する。
そして、『スーサイド・ライフ』のヴィジョンを解除する。
近付くサミメに向き合い、無言で彼の話を聞く。

まず、四人の顔を交互に見る。
次に、ベティの顔を見る。
最後に、再びサミメの顔を見た。

彼らから見て、今の自分はどんな顔をしているのだろう。

  「――」

  「――……」

  「――……続けて下さい」

長いようで短い時間、思考が停止する。
やがて、ようやく意識が現実に引き戻され、ただ一言だけ告げた。
もしかすると――何かの聞き間違えということもありうる。

241『追跡変奏曲』:2017/12/08(金) 17:13:48
>>239(薬師丸)

 「ふんっ。『結社』の深き、気高き目的を知らぬから
いやらしい、等と言えるんじゃ。良いか?
 人の欲は大まかに分かれ、食欲、睡眠欲……そして、性欲じゃ」

「中国における陰陽の太極、カーマ・スートラに伝わる性的な煩悩の力。
古(いにしえ)より、人々に性的なものは付随してきた。
 そして、『結社』は。その力を、一般的な物質を媒介にして
特別、非凡でない人々にも。ただ単純に下着を纏うだけでも簡単に。
 そう! この90近い儂でも全盛期の肉体をも凌駕する超強力なパワー!!
これ、即ち『性命力』 命の織りなす活性剛力法!!
 『結社』は、その力を以て世界に愛を伝授すべく活動する、
聖(性)なる『結社』なのじゃあーー!!」 カッ!!

 「……ぜぇぜぇ。つまり、若く それでいて異能を司る存在の
パンティーであれば、普通の活発な若い生娘のパンティーよりも
強力な聖(性)遺物となりしものを作る事が出来る。
 ゆえに、『ハッピーラピット』を狙ってるのじゃろうて」

「儂も『結社』の一兵として。もう貴様を狙う気はせんよ。
残る三人……儂もラインで話しただけで、正体は不明じゃが。
高齢なのは儂一人じゃ、他は20かそこらじゃろうな」
 
 老婆は、あらかたの情報を出し切った……残るは君の聖遺物もとい
パンティーを狙う、洗礼受けし一般人と『導師』一人だ。

 今の所、路地裏に他の人影はない。
>>240(小石川)

 貴方は他の人達の顔を見た。四人は(゚Д゚) と言う顔をしており。
ベディに至っては無表情で、赤い人型のスタンドヴィジョンを半分
出して、サミメと言う男の胸倉を有無を言わさず掴んでた。

ベディ「今生の最後の言葉は、それで十分だな……?」

サミメ「まっ、っ待って くださいぃ! お話しますからっ!」

 彼は、路地裏で告白した老婆と同じ内容を伝える。そして
少し咳き込みつつ更に続けた。

サミメ「わ、我が同士は……この近くを歩く『ハッピーラビット』の
聖遺物を、強引に 奪おうとしています。
 然し、それ『結社』の旧き誓いに反する。結社は、非暴力に徹しなくては。
無理強いに、捻じ伏せて奪おうとしてはいけない……!」

ムーさん「無理強いじゃなくても、パンティーを収集するのはアウトだろ」

 彼は穏健派であり、結社の行動がどこまでアウトかセーフか不明なところだが
ひとまず、他の仲間の暴走を堰き止める為に動いているようだ。
 やたら、別の女性の下着を覗こうとしてたのも其の一環のようだが
果たして、その『敵』はいま何処にいるのだろうか……?

242薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/08(金) 22:30:03
>>241(GM)

怪しい宗教勧誘を聴いてる気分で半分くらいは聞き流す。
必要な情報さえ頭に入ってしまえば、あとは問題ない。

(つまり、『そういう能力』のやつがトップなわけね)

下着を媒介に人間を強化する――業の深い能力だ。

自分が名指しで狙われる理由や、居場所を知られている理由など、
不可解な点は多いが……『スタンド使い』を他に知らないのだろうか。
あるいは、客か何かで自分の事を以前から強く知っていたのだろうか。

「『普通の活発な生娘』ねぇ〜ぇ。
 私、そう見える? そうならうれしいんだけど」

       「まあ、大体わかったかな。
         もう行ってくれていいよ」

老婆の鈴は首の物を残し、他は全て解除しておく。
わざわざ再起不能にする気はない。
気があっても、この硬さじゃあできないだろうけど。

とりあえず導師とやらの居場所とかは教えてくれないようだし、
そのあたりは第二・第三の刺客が来てから考えるか……路地裏を出る。

243小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/09(土) 08:46:38
>>241

現れたベティのスタンドがサミメに掴み掛かるのを、ただ黙って見つめている。
これが普通の状態であれば、二人の間に入って仲裁していただろう。
しかし、今の半ば麻痺した思考では、いつも通りの反応をすることは不可能だった。

「……二つ聞いてもよろしいでしょうか」

「青紫色の瞳の女性をご存知ですか?」

「それから――シュンという名前に心当たりは?」

思考を切り替え、サミメとベティの両方に尋ねる。
あの男性も、人を捜していたようだった。
関連があるかは別として、誰かを捜しているという点では共通していると言える。

「――ベティさん、ここはお願いできますか?」

「私は、この辺りを少し捜してみます」

再び『スーサイド・ライフ』を発現し、先程と同じように『右目』を切り離す。
少女達を驚かせないように、いったん後ろを向いてから素早く終わらせ、
『スーサイド・ライフ』はバッグの中に入れる。
また、帽子の角度を傾けて、目がなくなった部分は見えないように隠しておく。
そして、分離させた『目』を背中側に回し、羽織っているストールの内側に潜ませて、
その隙間から外が見えるように調整して浮遊させる。
自分の前後を同時に視認できる状態を整え、この近辺を少し歩いてみたい。
賑やかな通りだけではなく、人気の少ない場所にもできるだけ目を向けるように気を配る。

244『追跡変奏曲』:2017/12/09(土) 19:22:45
>>242(薬師丸)

 老婆は、スタンド能力の恩恵なのか。または異なる技術なのか不明ながらも
頑丈であり、骨を折って倒すよりは見逃すほうが早い。

 「儂を見逃すか。……気をつけよ、娘よ
『結社』に敵対するのならば、気を引き締め もとい 
腰布をしっかり締める気概で挑むのじゃぞ……あと、これは
儂を見逃す礼じゃ。ほぃ」

 と、老婆は貴方と反対方向に立ち去る間際に『五万』を渡した。
                    (※ミッション成功と別の報酬)

 路地裏を出た貴方は、また喧騒が溢れ出るクリスマス一色の
通りへと出る。肝心の『結社』の情報は雀の涙ほどに少ないが
その時に、持ってるチラシに貼り付けられた主の事を思い出すかも知れない。

 ――アレならば、『結社』をマークしていた者ならば。追っ手に関しても
知っているかも。

>>(小石川)

 サミメ「青紫色の瞳の女性、ですか?
珍しい目の色の人、ですね。いえ、私に心当たりはありません。
 シュンと言う男性についても特には。他の皆さんは……?」

 結社の配下を引き連れる導師、サミメは他の人達にも尋ねるが
彼らは無言で一斉に首を横に振るジェスチャーで否定を表す。

サミメ「すみません、お役に立てなくて。……『ハッピー・ラビット』を
追ってる同士。女性でして、珍しい『白鳥のイアリング』してます。
 彼女は、『結社』を 自分の力を更なる高みへと至る為に、暴走してます……。
もし、見かける事があれば教えてください……」

 サミメは、貴方に電話番号を教える。ベディも、少し疲弊した様子で
気を付けるよう言い含め、貴方を送り出す。

朝山「小石川おねーさん、辺りを探索するんっスか? 私も手伝うっスよ!」

『私達も、とりあえず人探しを手伝おうか。買い物の時間は未だあるし』

『そうしましょうー れっずら ごー!』

学生たちも、楽しい催しの一種として受け取り。散開する……

 
 貴方は通りを歩き、言われた特徴の女性達を探して見る。だが、通りは
人混みだ。そう容易に見つけるのも少々難しい、手掛かりがあれば良いのだが……。

と、ふと新たに馴染みがある声が横から声をかけてくる。

「あれ? 小石川さん! 奇遇ねー!!
クリスマス前の買い物ぉ? 私は特ダネ捜しに来てたのよ。
いやーっ、何だか久しぶりに会う気がするわー!
少し早いけど、メリークリスマスってね!」

 ……『興味 有菜』だ。スーツ姿に、軽い防寒着を纏う
ジャーナリスト風の彼女は、白い息を吐きつつ元気よく片手を掲げ挨拶してきた。

「そー言えば、小石川さん。何か、特ダネになりそうな話って知らない?
私も、これは極秘だけど少々キナ臭い話を聞いて通りに来たって訳だしね。
けど、色々と歩いてるけど。その妙な噂の影もない感じだしー。
この前の工場関係で、ボーナス出たけど。その後の刺激的な内容は
さっぱーり。って感じなのよー もう、やんなっちゃうわー!」

 口を尖らせつつ彼女は両手を掲げ、そう愚痴を吐いている……。

自称情報通の、ジャーナリストの彼女なら。何か知っているかも……。

245薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/09(土) 21:30:52
>>244(GM)

「お金と助言までもらっちゃったら、
 ますます見逃すしかないわよね。
 地獄の沙汰でもお金次第なんだもん」

もちろんもらわなくても見逃すので、
自分は地獄とやらよりずっと温情と言える。

「それじゃあ、良いクリスマスを」

余裕のある振る舞いをしておくけれど、
内心もう少し情報がないと気が急くところ。
手掛かりは……持っている『チラシ』くらいか。

            ヒラ

(『シニカルマン』――――スタンドなら本体がいるはずだけど)

まだ、チラシの上にあの『棒人間』はいるのだろうか。
そしてついでに、このチラシが示す店は一体どこにあるのだろうか。

通りに出たらスタンド会話もややしづらい――――追われている今、余計に。
追手はこちらの外見や居場所を知っているだろうが、他のトラブルを招きかねない。

246小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/10(日) 09:13:54
>>244

予想はしていたものの、やはり手がかりなしで捜すのは無理があった。
このまま歩いていても得られるものはないだろう。
そう考えていた時、思いがけない人物から声を掛けられ、ふと立ち止まる。

  「――興味さん、ご無沙汰しています」

  「その節はどうも……」

挨拶と共に、丁寧に頭を下げる。
ある金平糖工場で体験した不思議な出来事。
そのきっかけとなったのが、ジャーナリストである彼女との出会いだった。
思えば、あれから随分と時間が経ったような気がする。
懐かしい人と再会し、自然と表情も綻ぶ。

  「……お役に立てるかどうかは分かりませんが、
   少し前にシュンという男性から、あることを頼まれました」

  「この辺りにいる青紫色の瞳の女性を見かけたら連絡して欲しい――
   そう言われています」

  「そして別の男性からは、白鳥のイヤリングを付けた女性を見つけたら、
   教えてもらいたいと……」

どうやら、興味も何かしらの調査を行っているらしいことを察する。
彼女なら、この件に関する手がかりを掴んでいるかもしれない。
しかし、こちらの知りたいことだけを一方的に質問するのは失礼に当たるかもしれない。
だから、話を聞く前に、まずこちらの知り得た話を彼女に伝えておく。
こちらの知りたいことを教えてもらおうとするなら、それが礼儀だと思っている。

  「興味さんの聞いた話というのは、どんなものなのでしょう?」

  「差し支えなければ、教えていただけませんか?」

彼女が聞いたという噂の内容は知らない。
ただ、少なくとも場所は一致している。
それを考えると、いくらかの繋がりはあるのではないかと思える。

247『追跡変奏曲』:2017/12/10(日) 22:26:08
>>245(薬師丸)

 チラシの広告は、すぐ近く。十メートルも先にある『家具電』だ。
シニカルマンこと棒人間は、まだチラシの上に間違いなく存在してる。

『ラビット 結社の一人 倒した』

『残る手下 四人 導師含め 四人』 『導師の行方は シニカルマン知らない』

『けど 三人 解る』 『だけどラビット 少し 提案がある』

『三人 倒す ノー』 『彼らの情報 入手 それで引き上げる グット』

『結社を上手く 労力殆どなく 追い返す方法 シニカルマン わかる』

『×××××@docomo.jp』 『彼らの写真 送信 一人当たり 五万』

シニカルマンは、薬師丸が視点を合わせると。それを認識してか自動的に
再度棒人間を動かしつつ、文字が変化する。

要約すれば、彼? は。結社の導師の手下、追っ手の三人を撃退するのでなく
写真なり撮って、チラシに記載した捨てアドに送信して欲しいと言う事だ。
恐らくは、結社をマークするスタンド使いである人物にとって有益だからだろう。
 人通りの中で、今の所。貴方に対し突き刺すような視線はない

>>246(小石川)

 「シュン? 青紫色の女性ねー……。
関係あるのか不明だけど、少し挙動が不審なサングラスかけた女性なら
すぐそこの『洋服店』で見かけたわよ。ほら、あそこ」

と、興味はすぐ近くにある洋服店を指す。

「白鳥のイアリング……ちょっと、わからないわねー。でも、大事な用時なら
私も手伝うわー! この前の工場では、とっても助かったんだもの!
これぐらいの事、お安い御用よ!」

 そう、笑顔で小石川に興味に応える。

  ――ゾグッ

……何か、その時。貴方に対し突き刺すような視線が何処からか感じた。
とても、不吉な。間違いなく『悪意』がある視線だ。

「っ! わっ、いま何か凄い悪寒走ったわね……寒気強まったかしら?
あ、そう言えば私の入手した情報ね。
 なんでも『香港マフィア』だったかしら? それが、星見町付近で
最近になって支部を作ろうと動いてるって情報でね。その末端が此処ら辺で
活動してるとか何とか……でも、そんな人見当たらないんだけどねー」

 興味は、そう軽く二の腕に走ったらしい悪寒を拭おうと両手で擦りつつ告げ
私も近くで、その人達探して見るわーっと立ち去ろうと動く。

 ……視線は、直ぐに消えた。

248薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/10(日) 22:34:25
>>247(GM)

≪――――なるほど、あんた頭良いのね。
 それに金払いもいい。良い仲間になれそうね≫

捨てアドをスマホに記録しておく。
それから、家具電の店へ歩いていく。
スタンドは本体にかなり重ねた状態で、
傍から見てすぐには気づかれないように。

≪シニカルマン、あんたを信じてみる。
  その三人の写真を撮ればいいのね?
  カメラマンの経験って、あんまりないけど≫

≪善は急げ、さっそく一人目に行ってみようかな≫

           スス

スマホのカメラアプリを確認。
すぐに起動出来る状態だろうか。
なお、『カメラのシャッター音』はオフに。

シニカルマンには手下の居場所がわかる。
であれば、すぐに会敵する可能性だってある。
準備をする時間は惜しい。歩きながら済ませる。
スタンド視界もあるので、歩きスマホでも前方は見えている。

249小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/11(月) 05:28:18
>>247

  「ありがとうございます……」

  「では、私は――」

洋服店へ、と言いかけた時、自分に対して向けられている視線に感付いた。
誰とも分からず、得体の知れない強い悪意。
それは、何か不吉な出来事の到来を予感させる。
注がれる視線は消えても、胸の中に芽生えた不安は消えることがない。
言葉では言い表せないような胸騒ぎを覚える。

  「そんなものが――この町に……?」

もちろん、単なる噂の可能性も考えられる。
けれど、噂にしても信じられない話だった。
アリーナやエクリプスに比べれば、まだ現実的な話かもしれない。
ただ、それでもやはり驚いてしまうことには変わりがない。
ごく普通の生活を送る自分にとっては、まるで遠い世界のことのように感じてしまうからだ。

  「――どうか、十分に気を付けてください」

  「では、また……」

興味と別れ、自分は彼女から聞いた洋服店に向かうことにする。
そこにいるというサングラスをかけた女性を見つけたい。
その女性が、青紫の瞳を持つ女性なのだろうか……。
切り離した『目』は、依然として自分の背後に浮遊させたままにしておく。
もし――後ろから忍び寄られたとしても、それを事前に察知することができる。

  ――さっきの視線……。あれは一体……。

歩きながら考えるのは、先程の視線のこと。
なぜ、私達に向けられたのだろう。
その理由が気に掛かる。
視線を感じたのは、白鳥のイヤリングの女性について話している最中だった。
偶然だろうか……?

250『追跡変奏曲』:2017/12/11(月) 20:36:38
>>248(薬師丸)

『ラビット 結社の手下 追い返す方法』

『パンティー 複数買う それ、重ね着する』

『冗談じゃなく これ 確実な方法。結社 目の前で脱ぐなりすれば
重ねてようと 疑う事なく受け取る  奴等 馬鹿』

歯に衣着せぬ言い方、ならぬ書き方でシニカルマンは貴方に結社の追い払い方を教える。
 
「……お嬢さん、メリークリスマス!! いっぱい、僕のお店の品を買ってね!」

 と……家具店に到着すると。入口前で、『ほしみまくろう』クリスマスバージョン
その着ぐるみが、ハスキーボイスで貴方を出迎える。

 『ラビット まず一人目は、黒い三つ編みの猫耳帽子の女性』

『この近く、歩いてる。写真 お願い 対処は、任せる』

 シニカルマンは警告文を発する。……一人目は直ぐ近くにいるようだ

>>249(小石川)

 貴方は白鳥のイアリングの女性の話題をした際に走った悪寒について考える。
確かに、会話の内容は『結社』に関するものだった。
 だが、馬鹿騒ぎに近い集団達の事を連想して先程の視線を思い返すと
その視線は、どちらかと言うと冷え冷えと鋭利な。
もっと深く昏いものだったと貴方は感じられる。

 ……〜〜♪ 『いらっしゃいませー』

 洋服店に入る。ここは、どちらかと言うと本格的な衣装と言うより
『アパレルショップ』的な場所だ。中古の服から、仮想パーティ的な特殊な服も売ってる。
 星の形をした、いかにも面白グッズ的な眼鏡をかけて若い店員が笑顔で挨拶する。

「お客さん、今日はどんな物がご入用ですかー? 今日はイブ前って事で
全部5パーセントoff! 5パーセントoffですよぉ! これは買うっきゃないでしょう!」

 店員は、熱意を以て貴方にセールストークを実施する。……服のカーテンで出来た小さな迷路で
数人の客はいるが、サングラスをかけた捜し人らしき人影は今の所見当たらない……。

251薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/11(月) 20:54:59
>>250(GM)

≪うん、まあ……それに近い事は考えてたかな。
 下着が欲しいだけってんなら『売ってあげちゃってもいい』
 さすがに穿いてるのを脱いで、ってつもりはないけど……≫

≪でも、それであのおばあちゃんみたいな『力』を手に入れて、
 他の『スタンド使い』に被害を出されちゃまずいわよね。
 ……その、『重ね着』した下着だと、その辺の心配はないわけ?≫

             ≪それとも、それの対処も織り込み済み?≫

単に『悪事』に加担したくない、という話だ。
個人の範囲で楽しむなら『幸せに生きたい』こちらと利害が一致するし、
高額で売りつける事による解決も考えていたが――――迷惑が介在するなら別。

「メリー・クリスマス、『ほしみまくろう』さん」

           キョロ
                キョロ

ほしみまくろう。たしか、『こぜにくろう』の仲間のゆるキャラ。
中身が『まずい何者か』の可能性はあるけど、先手を打てる相手でもない。

自分の視界は店の中に、スタンドの視界で周囲を探る。それらしい人影を。

252小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/12(火) 00:33:53
>>250

  ――いえ、あの視線は、もっと何か別の……。

目的地へ向かいながら、さらに考察を続ける。
あの冷たく鋭い視線が、彼らと関係しているとは思いがたい。
そうだとすれば、先程の視線の理由は他にあるのだろう。
頭に浮かぶのは、青紫色の瞳を持つ女性のこと。
別の理由があるとするなら、それ以外には考えられない。

  「……そうですね」

  「特に何かを求めて――というわけではありませんが……」

  「良さそうなものがあれば、買わせていただきます」

店員に会釈をした後で、自分の目的を告げて店の奥へ進む。
自分の目で前方を、切り離した『目』で後方を確認しながら、サングラスの女性を捜す。
それらしい人物を見つけた場合は、その女性に背を向けたまま、
背後に浮遊させた『目』で様子を窺ってみたい。
先程の視線の主は、その女性なのだろうか?
もし、そうならば――
彼女との接触には、最初に考えていた以上の配慮が必要になるかもしれない……。

253『追跡変奏曲』:2017/12/12(火) 23:23:13
>>251(薬師丸)

『問題はない』 『結社 聖骸布 取る 制約ある』

『直接的に、陰部と接触 それが一番 力 得るのに関わるらしい』

『買ったばかりの、重ね着したものなら 例え渡った所で無意味』

 シニカルマンの文面通りなら、直接。いま貴方が直接履いてるパンティーを
奪われない限りは、コンビニなりで買ったパンツを。僅かに動きにくくなるもの
履いていれば、それを渡す事で事足りるとの事だ。

 ―ウィーン

自動ドアが開き、軽快なクリスマスソングのBGMが鳴る家具店。
 まばらに客は商品を陳列棚で見ており。すぐ近くのカウンターの店員が
挨拶をしてきた。二人居て、一人は先程チラシ渡しをしていたミニスカサンタの
売り娘だ。入店してきた貴方に軽く一礼して、何か別の業務の作業をしてる……。

シニカルマンが告げる黒い三つ編みの猫耳帽子の女性とやらは居ない。
 近くに居るとは書かれてたものの、店の中にいるとは記入してなかったので
元からこの店には居ないのかも知れないが……。

>>252

貴方は店員に断りを入れつつ、奥へと行く。背後には『目』で警戒をしつつ

褐色のラッパー風の男性が左側で服を物色する脇を抜ける。
 店員が、少しばかりチラチラと貴方に興味があるのか、後方で貴方の背を
衣装掛けの影から覗くのが見えた。

 奥には4つ程の試着部屋がある……。
奥まで来たが、数人の客はギャル風の女性や、若い男性など。店員も
青紫色の瞳の女性と特徴が合致しない。

 すれ違ったのか……? だが、興味の発言を顧みると、中々急いできたし
急いで出ていく女性なりを、入店する前に見かけても可笑しくない筈だ。

254薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/12(火) 23:58:05
>>253(GM)

「…………」

≪なるほど、良い趣味してるのね〜ぇ。
 ま、そうじゃなきゃ家から盗った方が早いか≫

妹が被害に合いそうもないのは良かった。

        キョロ
              キョロ

黒い三つ編みの猫耳帽子はいないようだが、
三つ編みも猫耳帽子も『イメチェン』が容易。
例えばサンタ帽をかぶって髪型を変えれば、
すぐに別人になり済ませてしまえるとも言える。

なので一応、バイトや客の顔などは確認しておく。
やりだすと『着ぐるみの中身』とかも怪しめるので、
社会的なリスクとかを考えてしまえばキリがないのだが。

(夏なら帽子は目立つんだけど、冬だもんね。
 ニット帽はたくさんいるし……サンタ帽だってある)

人の顔の確認はスタンドで行い、いらぬ『誤解』を避ける。
店自体に用はそんなにないし、軽く一周したら出てしまおうか。

255小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/13(水) 00:35:37
>>253

こちらを気にしているらしい視線に気付いたものの、そのままにしておいた。
店員に聞いてみるというのも方法の一つだろう。
ただ、先程のように大きな声で話されてしまうと、目的の人物に聞こえてしまうかもしれない。
それを考慮して、やはり自分で捜してみることにした。
しかし、目に見える範囲には、例の女性は見当たらない。

  ――入れ違い……?

既に出てしまったのだろうかとも思う。
けれど、それらしい人物が店から出て行く姿は見ていない。
そのことを考えると、やはりまだ店内にいる可能性が大きい。

  ――だけど、一体どこへ……。

店内の様子を眺めている途中で、ふと試着室が目に留まる。
この店内で、人目に付かない空間は、そこしかない。
もし件の女性がいるとすれば、その内のどれかにいると考えるべきだろう。
自分は試着室に背を向け、不自然に思われないように手近な洋服を手に取る。
そして、背後の『目』で試着室の方を観察する。
誰かが出てくるようなら見落とすことはない。

  ――洋服……服装を変える……?

手に持った洋服を眺めている内に、その考えに思い至った。
青紫の瞳の女性がここに来たのは、別の洋服に着替えるためかもしれない。
思い返せば、シュンも同じようなことを言っていた。
その可能性は大いにある。
考えを巡らせながら、洋服を選んでいる素振りを続けると共に、試着室に注意を払う。

256『追跡変奏曲』:2017/12/13(水) 22:44:56
>>254(薬師丸)

 髪型も、帽子も。取り外したり、変える事は容易。
貴方は、周囲の客や店員を見渡す。すると……一人妙な女を確認できた。

 「……」 ウロウロ

何かを探している、買い物袋を提げたストレートヘアーの大学生程の女性。
 髪の毛は、つい今しがた何か編んでたり、帽子を被ってたような乱れが見える。
 そして……貴方へと目を向け、ハッとした顔つきになった。
恐らく、彼女が『結社』の『追っ手』の一人だ。
 ……カツ。
ヒールを履く彼女は、意を決すように貴方に近づこうとする……が。
 〜〜〜♪
「……はい、『ジュンぺー』 なに、どうしたの?
戻って来るのが遅いからって……大丈夫よ、ちょっと処方箋貰うのに
時間掛かってるだけだから、心配しないでね」

 pi

「……ふーっ、用事があるんで手早く済ますわ。貴方、導師が探してる人よね?
『聖骸布』 渡して貰おうかしら……」

貴方に近づく女性は、少し凄味を出す顔つきで脅すように告げる。
 店内であれど容赦しない雰囲気が見え隠れするが、少し気に掛かる事もある。
いまの電話の相手……『ジュンぺー』と言う名前を、貴方は聞き覚えがあるのだ。

>>255(小石川)

 「ぉ お客さーん。その服 気に入りましたぁ?
良かったら試着してくださーい!」

 服を選びつつ『試着室』に目を光らせる貴方。
少し挙動不審気味に、店員が4つある試着室の内、三つのカーテンを
バサッと開いた。中は当然だが、無人だ……。

 「当店は、直ぐに裾上げもしますよー! どうぞどうぞ!」

……何だか、店員は妙に急かしてる気がする。

257薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/13(水) 23:17:35
>>256(GM)

ジュンペー。聞き覚えがあるような気はする名前。
珍しい名前というわけではないけど、覚えがあるなら最近聞いたか。

「渡してもらおうかしらって、
 ここで渡せるわけないじゃない……」

    「私が叫んだら逮捕モノよ、女同士でも」
 
              スッ

急な遭遇に若干焦る部分はあるが、言葉は冷静を保とう。
破れかぶれで来られるのが一番厄介。『底知れぬ感』を出す。

(……まずい。まだ重ね穿きなんて出来てない。
 かといってここで戦うのは、もっとまずいでしょ)

騒ぎになれば、いかにスタンド使いでもやっかいだ。

「人違いじゃあないけど」

「大人しく渡してくれるとは思ってないわよね?
 ……それに、『手早く終わる』とも思ってないでしょ」

ジュンペーという響きを思い出しながら、少し距離を取る。
客の名前――――最近の客の名前なら覚えているはずだ。
あるいは苗字の方の印象が強かった、ということだろうか。

スタンドの視界は、それとなく周囲の棚を見ておく。
家具電の店ということだが、今いるコーナーには何があるだろうか?

258小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/13(水) 23:24:01
>>256

  「……そうですね」

慌ただしい店員の態度を不思議に思ったが、無下に断るのも不自然に思われてしまう。
それに、これ以上こちらに声を掛けられ続けるのも都合が悪い。
例の女性に聞こえたら、警戒を強められてしまうおそれもある。

  「では――これを試着させて下さい」

手に取っているのは、藤色のコート。
自分の好きなラベンダーの花を思わせる色合いだった。
それを持って、空いている試着室に入る。
ただし――入るのは自分だけだ。
切り離した『目』を外に残しておき、カーテンのように並ぶ洋服の隙間に潜ませ、
誰かが入っていると思われる試着室に視線を向ける。

  ――彼女の気持ちに立って考えるなら……。

試着室の中でコートを羽織りながら、思いを巡らせる。
彼女は、自分を捜している人間を警戒しているはず。
だから、私が店内の見える場所にいる内は、姿を現さない可能性が高い。
もしかすると、今のように店内から私の姿が消えるのを待っているのかもしれない。
そうだとすれば――私が試着室に入った時を見計らって、外に出てくるのではないだろうか……?

259『追跡変奏曲』:2017/12/14(木) 17:42:05
>>257(薬師丸)

 会話しつつ、辺りをスタンドで見渡す。此処は家電製品が主に並べられてある
炊飯器や、電子レンジなどだ。

「別に騒いでもいいわよ。けど、人目に付く行動をとるって事は
それだけ『導師』が貴方を発見出来る確率を増す事になるわね」

 女は、貴方の言葉にも動揺する事なく少し苛々した様子で腕時計を見たりして
時間を気にしてる。どうも、急いでるようだ。

「ここで脱ぐのが嫌なら、この店のトイレでも脱げば良いじゃないの。
この後『ジュンぺー』を迎えに行くんだから。
 彼ってば、心配性だから。時間が掛かったら私の事を探しに来るわ」

どうも、この女は『聖骸布』を取るなりしたら 直ぐにデートへ向かうようだ。
その言葉は余裕の顕れか? ……そう言えば、今日最初に出逢った人物も
この後にデートの予定で急いでいた……偶然だろうか。

>>258(小石川)

 ホッ

「えぇ! それでは試着一名様ご案内―!」
 
店員は明らかに安堵を覗かせて、貴方を試着室へ促しカーテンを閉める。
 肉眼は完全に試着室に囲まれたが……貴方の『目』は誰にも悟られず
衣装の影に隠れるようにして、試着室の外側を監視してる。

 『……』

すると、案の定……『店員』が少し焦るようにして、右の端の試着室を開き
鏡をコンコンと叩く様子をした。

 ――『キィ』
 
・・・・
見つけた

 『青紫色の女』だ。マジックミラーになってるらしい試着室の奥にある
隠し部屋のような場所から現われた、白いダウンコートを着る女性。

 店員に対し、軽く一礼と感謝の言葉らしきものを投げかけて忍び足で出る。
出て来た女に対し、無言で他の客も頭を下げて何気ない様子で服に向き直る。

どうも、此処の店の店員と客も。青紫色の女を匿う協力者達のようだ……。

それ程、女が危険な力で。先ほど出逢った結社と名乗る人物のように
配下を引き連れているのだろうか?

260薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/14(木) 22:28:22
>>259(GM)

『レディ・リン』は本体の腰に鈴を二個設置。
もし今までに設置した鈴が残っていたなら、
それらはすべて解除した上での設置とする。

「へえ、『導師』はまだ私を見つけてないのね?
 向こうから来てくれたら、迎え撃てて早いのに」

気が短い相手だと判断した。
焦っているのもあるだろうが、
煽れば更に喋ってくれるのを期待する。

単に怒らせて攻撃を単調にするだけでもいい。
連戦を強いられる以上、戦いの工夫は怠れない。

「迎えに行くなら今行った方がいいわよ。
 せっかくのお洒落が台無しになる前に」

(デートが多いシーズンではある、けど。
 まさかでしょ……もし、だからって手は抜けない)

加えて言えば――――
彼女も『再起不能』にしたくない相手かもしれない。
なおかつ出来れば『探しに来る』前に終わらせたい。
もちろん可能性レベルの話だし、『手を抜く』気はない。

「私、あんたの想像よりは優しくないからさ」

会話中にスタンドを突っ込ませ、
まず足に蹴りを入れさせ様子を見よう。
あの老婆と同じような『硬化』の能力なのか、それとも。

261小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/14(木) 22:38:44
>>259

   ――……!

女性の姿を確認し、身体に緊張が走る。
やはり、彼女は確かに店内にいた。
しかし、あの店員や、無関係のように見えた他の客まで関係していたとは……。
一体、あの女性は何者なのだろう。
そして、それを追うシュンの正体も分からない。
まだ、全ては謎に包まれたままだ。
それを明らかにするためには、行動しなければならない。
浮遊させていた『目』を地面に下ろし、女性の後を追いかける。
その際は、見失わない程度に十分な距離を置き、悟られないように気を配る。

  「……すみません、少しサイズが大きかったようです」

  「お手数ですが、これを元の場所に戻していただけますか?」

試着室から出て、脱いだコートを店員に渡す。
彼女がそれを元の位置に戻している間に、店の外へ出る。
そして、自分も『目』の後ろから、女性の後を追う。
自分と『目』の間には、注意深く9〜10mの距離を取る。
これで、自分と女性の間には10m以上の距離が開くことになる。
少なくとも、即座に気付かれてしまう可能性は抑えられるはず……。

   ――さっきの店……もしかすると……。

歩きながら、興味から聞いた話を思い出す。
香港マフィアが支部を作ろうとしているという話。
普通の洋服店に隠し部屋があることは考えられない。
あるいは、あの店が興味の言う支部なのではないだろうか。
そうだとするなら、その場所と関わりのある彼女は……。

262『追跡変奏曲』:2017/12/15(金) 20:11:32
(※申し訳ありません。告知内容では今年中に終わる見込みで進行してますが。
GMの実力不足により、長引く可能性が大きく浮上してます。
難易・危険度に影響はありませんが。少し展開を『巻く』感じで行います)

>>260(薬師丸)
 貴方は『探し人』を予想する。だが、そんな偶然がそうそう起きるかとも思う。
先制攻撃は、非スタンド使いならば常套手段。
福を呼ぶ鈴を取り付けて、老婆の時と同じようにレディ・リンを使用。
 脛を蹴る感じで突入させようとするが……。

「あのぉ、お客さん達。揉め事ですか? 何かこちらの過失での
トラブルでしたら、お話を聞きますし。そうでないのでしたら店内で
そういった事は、出来ればご遠慮して頂きたいかと」

 と、店員の一人が貴方と追っ手の彼女に割り込む形で入った事を機に
邪魔立てが入る。だが、それは一方的に自分に悪い事ではないだろう。

「っ いえ、何でもないんです。ちょっとした勘違いですから
……先に外で待っているわよ」

 彼女は、舌打ちしかねない表情で先に店内から出た。
これで、貴方はフリーだ。やろうと思えば従業員出口なりからも
スタンドを駆使すれば、死角から逃げる事も可能だし。準備なりを
整える時間だってあるだろう。
 打開策を考える仲間も、手持ちの紙片にはある。

>>261(小石川)

「うぇっ お客さん、そんな事なくて 大き目な感じが
コーディネートとしてマッチしてるかと……っ」

店員は、あわあわと焦りを隠せない表情で貴方を立ち止まらせて
時間を稼ごうとしてる。だが、強引に実力行使はしない 
貴方が断りを入れれば、それ以上何も言えない感じで不安気に送り出す。
 その様子は、マフィアの部下といった感じには少々合っていなかった。

『目』で追尾すると、着替えた女はサングラス越しでも周囲を軽く警戒して
人に紛れて歩いてる。そして、幸か不幸なのか
 彼女は人気のない裏路地のある通路の角に潜り込んだ
そこへ入り込めば、『目』はともかく貴方が気づかれる可能性は一層高くなる……

263薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/15(金) 22:10:26
>>262(GM)

          ピタ

スタンドを止め、店員に向き直る。

「ああ、迷惑かけて、ごめんなさい。
 ちょっと…………盛り上がっちゃって」

         「続きは外で話そう」

準備の時間は出来たが、敵にも時間を与えた。
煽りの成果はほとんどなくなってしまうか、
まあそもそも効いていたのかも分からない。

(どうするかな……追い返して後をつけてみるのが早いけど、
 この店に『下着』が売ってるとも思えない。家具屋だし……)

        (そのへんに落ちてるものでもないし)

    キョロ
        キョロ

幸運の力を使っても、有り得ないことは起こらない。
この状況で幸運にも下着を手に入れられるとすれば、
それはおそらく――――結社と同等に他人に迷惑な過程だ。

≪……一応確認しとくけど、今の子が幹部で間違いないわよね?
 それと、この近くに『下着』が売ってそうなお店ってあった?≫

自分でも思い出してみるが、この付近にそういう店はあるだろうか。
あるならば彼女と戦うより、そこで下着を入手するプランの方が楽に感じる。

264小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/15(金) 22:20:33
>>262

もちろん本物のマフィアなど一度も見たことはない。
しかし、あの店員の態度は、そういった世界とは似つかわしくない印象を受けた。
そうだとすると、なおさら疑問は深まる。
興味から聞いた香港マフィアではないとすると、一体なんなのだろう。
全く違う別の組織だとでもいうのだろうか。

   コッ……

自分は角の前で立ち止まり、『目』はそのまま後を追わせる。
射程限界の10mまで離した場所で待機させ、
その位置から女性の姿が見えなくなるまで観察を続ける。
女性の姿が見えなくなったら、本体である自分も裏路地に足を踏み入れ、
同時に『目』も前方に進ませる。

   スッ

そして、バッグから携帯を取り出してシュンの番号を打ち込み、すぐにかけられるようにしておく。
ただ、まだ連絡はしない。
あくまでも、いざという時のための準備だ。
まだ、シュンがどのような人物か分からないし、青紫の女性が抱える事情も知らないのだから。

   シュパッ

念のために、携帯を持った『右手』を『スーサイド・ライフ』で切り落とし、
『スーサイド・ライフ』と一緒にバッグの中に忍ばせる。
これで、もし本体である自分に何かが起こったとしても電話をかけることができる。
右腕はポケットに入れておく。
『手』を切り離したことで欠落した部分が見えないようにするためだ。
行儀が悪いことだけど――今は止むを得ない。



(※了解しました。こちらは問題ありません。引き続きよろしくお願いします)

265薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/15(金) 22:27:47
>>262(GM)
※進行について了解いたしました。GM様に一任します。

266『追跡変奏曲』:2017/12/16(土) 20:13:10
>>263(薬師丸)

貴方の謝罪と、先程の追っ手の女が店から出たのを見て。
いえ、何事も無ければと言いながら店員も立ち去る。
 チラシのシニカルマンは文面を変えつつ表示する。

『下着売ってる場所』 『東20m 化粧品店ブーブ』
『西15m セブ〇イレブン』『北11m 衣装専門店ル トリコ』
『南60m アパレルショップ トゥトゥ』

『ラビット 良い知らせと悪い知らせ』

『今の追っ手 店前から少し離れた場所に移動する 良い知らせ』
『悪い知らせ 二番目の追っ手 此処の近くまで移動中 
一番目と二番目 合流する可能性 高い』

 可愛い下着などを気にしなければ、コンビニでも売られてるようなものだ。
男性用しか売られてない危惧さえ除けば、三つの店は割かし近い場所にある。

そして、結社の追っ手は移動するようだ……仲間が一人増えれば、その分
闘う事になっても厄介にはなるだろう。



『追記』
『結社の一番上は 老師』『その二番目が 導師』
『三番に 導師から力を教授されるもの。つまり、追っ手がソレ』

『導師になれる人間 少ない』『導師の配下 いっぱい』
『結社 しぶとい』『けど シニカルマンは もっとしぶとい』

『シニカルマン。答えられるものであれば、全て答える。
シニカルマン。多くの秘密を把握できる』


ム7
┌<フ
ヘ|

267『追跡変奏曲』:2017/12/16(土) 20:27:37
>>264(小石川)

 『目』を前方に進ませ、女を追う。
右手に関しても問題ない、携帯で直ぐに警察官? のシュンへと
連絡出来るように準備を整えて 貴方は進んでいく。


 ……ピタ。

 と、その時だ。
女は動きを止めた、そして唐突に振り向く。
虚をつく動きだった為に、『目』が女の視界から消える事は叶わなかった。
 恐らくは、背後からの視線に気づいたのだろう。

女は、貴方の『目』を発見すると僅かに眉を顰める。
 そして……。

 『……Here Today』

    ――ズズ

          ズズズ……

 ! 相手は、スタンドを出してきた……。

『死神』のようなヴィジョンをしたスタンドだ。彼女の背後で
大きい鎌を担ぎ、じっと虚無のような瞳で貴方の目を見ている。

 そして、女は目に対し……目のスタンド使い、貴方に話しかけてくる
(※耳は付属させていないが口の動きで理解出来てると解釈して良い)

『誰が知らないが……私の事は放っておいて』

『私は仕事を終わらせた。誰の所にも仕える気はない』

268薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/16(土) 20:48:30
>>266(GM)

(着替える必要もある……コンビニはトイレが一つのところも多い。
 試着室がありそうで距離も近い『ル・トリコ』が妥当ってとこかな)

        ≪なるほどね、ありがと――――知らせ?≫

やはり『シニカルマン』は『使える』仲間だ。
全ての情報を鵜呑みにする事はないにせよ、
自分とは一線を画する『収集能力』を持っている。    

≪――――二人いるってのはやっかいでしょうね。
 二人いればどっちかくらい、重ね穿きに気づきそうだし≫    

ひとまず店の出入口に向かう。
敵1人との戦闘を避けられるか否かの瀬戸際だ。

            チリン

≪その、『老師』ってのは初めて聞いたけど、
 その人も私の『熱烈なファン』って考えて良いの?≫

鈴『2つ』分の幸運を呼びながら、『北方向』に向かおう。
この辺りは特に知らない街でもないし、方角は何となく頭にある。

269小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/16(土) 21:34:18
>>267

   ――……!

発現した死神のヴィジョンを前にして、驚きに目を見張る。
その姿を、どこかで見たような覚えがあったから。
記憶の糸を手繰り寄せ、その源を探し当てる。
短い思考の後、頭の中に浮かび上がったのは一枚のタロット――死神のカードだった。
自分が夢の中で選んだカードに、よく似た姿をしていることに気付く。

   コッ コッ コッ ……

自らも裏路地に踏み込み、死神を従えた女性の前に姿を曝す。
こちらに敵意がないことを証明するために。
もしかすると、話を聞くことができるかもしれない。

  「私は――あなたを見つける手助けをして欲しいと頼まれました」

  「ですが、私は何も知りません」

  「あなたのことも……私に手伝いを頼んだ人物のことも……」

  「……教えていただけませんか?」

  「――どうして、あなたは追われているのか……」

その場から動くことはせず、女性に話しかける。
もし彼女から事情を聞くことができれば、この一件の全体像を知る大きな手がかりになるはず。
裏路地に佇みながら、女性の言葉を待つ。

270『追跡変奏曲』:2017/12/17(日) 21:50:52
>>268(薬師丸)

 ――チリン

『金鈴』が二つ鳴る。北方向に歩くがてら、ジングルベルを謡う赤白の衣装の
チャリティーの団体であろう集団が通りの真ん中を通りかかる。少し長い行列だ
 パレードの向こう側で、先程の追っ手らしき女性が誰かと話してる様子が見えたが
長蛇の列ならば気づかれにくい。どうやら『幸運』は呼び込めたようだ。
 だが、幸運を自由自在に呼び込められる使い勝手の良いスタンドではない。
幸運を呼び込めば、不幸も呼ぶ必要がある。それが『レディ・リン』だ

>『老師』ってのは初めて聞いたけど、
 その人も私の『熱烈なファン』って考えて良いの?

『シニカルマンは 老師の事を詳しく知らない』
『老師 男か女かも 若いか年寄りからも 不明』
『ただ、ハッピーラビットを導師が求めてるのなら。老師は関わりある筈』

シニカルマンの文面を見る限り、『老師』が今回の薬師丸の聖骸布を求める件に関して
首謀者であるのかどうかは不明だ。だが、大掛かりな追跡があるのだし、完全に
無関係である事もないだろう。この詳しい経緯は、『導師』に洗いざらい白状させる必要がある。

距離は、数分も掛らない。人の列が多少まばらになったと感じる頃合いで
『衣裳専門店ル トリコ』
そこへ、辿りついた……。

 「いらっしゃいませ。ル・トリコへようこそ お客様
本日はイタリア製の下着がお勧めとなっております。
 どうぞ、お気に召すものを 御選びください」

気品のある店員が、貴方に丁重な物腰で店内を案内する……。

>>269(小石川)

貴方は死神のヴィジョンを宿す女性へと進み出た。
 彼女は幾分か警戒した様子を隠さず直立不動の姿勢ながらも
姿を見せた貴方に過剰な行動を取る気配はない。
 語り掛ける。それに対し、女性は暫し無言で耳を傾けた。
「……」
 そして、呟いた。

「……私は『ましずめ』の民。
幾つもの場所を渡り歩き、多くの物を狩っては……
人の心を鎮める……それを繰り返してる」

「だけど、私の力を。彼らは只の道具として使おうとしてる。
ましずめの行いは、神聖なもの……早く、此処から私は出ないと」

 彼女は、少し顔色悪く頭を抱えている。
酷く、どうも疲弊しているようだ。
 それは演技なのか、若しくは本当に誰かしらに狙われてるのかも知れない。

271薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/17(日) 22:07:53
>>270(GM)

≪……なるほど、トップシークレットってわけね≫

つまり表に出てくる人物ではないという事。

それより、今見えた――女と誰かの会話。
ほぼ間違いなく『合流された』と見ていいだろう。
だが10mの距離なら『気づかれる』前に辿り着ける。

入店した店は――――高級店だろうか。
金は足りる。高級ブティックでも下着なら『6桁』にはならないはず。
財布はしっかり見失わないようにしておく。それはよくある『不幸』だから。

「ええと、下着と――――セーターが欲しいのよね。
 今着てる服だと寒くてさ、『着て帰りたい』から」

この店ならば先ほどの店以上に『暴れづらい』はず。
店外から発見されても、外に出るまで待つのではないか。
もっとも『買った下着』だとバレる可能性は高いので、
あるていどのカモフラージュはする必要があるだろうけど。

「それから靴下とかも。選ぶのは自分でするけど、
 だいたいの場所とか……教えてもらってもいい?」

格式高い店なら、こう言えば過干渉はしてこないはず。
店内をスタンドで見回し、それぞれの服のありかを探す。
セーターや靴下はべつに他のものでもいい。下着が重要だ。

最悪下着と、何かもう一種類服を買う事が出来ればさしたる問題はないと言える。
とにかく急ごう。デザインなどはそれほど吟味しない。色合いが不自然でなければ。

272小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/18(月) 06:31:23
>>270

  「――……」

女性の言葉に耳を傾け、静かに思案する
彼女が偽りを語っているようには思えない。
少なくとも、彼女は事情を説明してくれている。
自分に手伝いを頼んだシュンは、してくれなかったことだ。
二人の内、どちらを信じるべきか――その答えは決まった。

  「ありがとうございます……」

  「……あなたの事情は分かりました」

  「私は――あなたの言葉を信じます」

バッグの中に隠していた『右手』――その『手』を携帯から離し、浮遊させてバッグの外に出す。
そして、ポケットに入れていた右腕を出して、『右手』を元通り接合する。
話に応じてくれた女性に対して、こちらも誠意を見せるために。
もし、本当はシュンの方が正しかったとしたら、それは判断を誤った私自身に責任がある。
その時は――犯した過ちの償いをするつもりでいる……。

  「私にできることがあれば、お手伝いします」

  「どうすれば――あなたを助けられるのですか……?」

女性に尋ねながら『目』を操作し、今しがた自分が通った裏路地の入り口付近に移動させる。
その位置から、誰かが裏路地に入ってくる気配がないかどうか確かめる。
今度は、彼女を追う者に注意を払わなくてはならないのだから。
自分が彼女を追っていたように、他にも同じような人間がいる。
青紫の瞳の女性を見かけたら教えて欲しいと言っていたシュン。
もしかすると、彼も近くまで来ているかもしれない。

273『追跡変奏曲』:2017/12/18(月) 20:40:09
>>271(薬師丸)

『ル・トリコ』は外観こそ派手な様式でないものの、内観はその分
静かな趣や、強調しない高級感を醸し出してる。店内の服や靴に
関しても一流所を厳選してると言った感じだが、値段は良心的だ。

ニコッ

「セーターですね? お客様のスタイルや、色合いに合うものを
僭越ながら申し上げさせて頂ければ、奥より二列目の3-Y番号の
ものがご希望に叶うかと思います。下着類は、奥より四番目の列の棚です。
直ぐに着用するのでしたら、あちらの試着コーナーをご利用ください。
何が他に不自由な事があれば、ご遠慮なく話しかけてください」

貴方に対し、店員は丁寧に希望に応える。微笑むと、薄っすらと
雪のような歯が零れて見える美しい女性だ。

貴方が奥に向かう……と、チラシがピクピクと動いた。

『ラビット 警告』
『三番目 追っ手 もうすぐ 来る』
『シニカルマン 迂闊 気づかなかった』

 家電製品店の女性と、もう一人。導師を除いた最後の追っ手
それが来るとの事だ……!

>>272(小石川)

警察官? のシュン。そして、追われる謎の青紫色の瞳の女性。
 貴方は彼女の言葉を信じる。

分離させた手を戻し、助けに応じる姿勢の貴方へと彼女は
少しだけ、口元を綻ばせながらも寂しそうな目で呟く。

「これ以上、助けを借りる訳にはいかない」

「衣装店の、あの人達も。追われてる事を伝えたら
何も追及せず、助けてくれた……この町の人達は、優しい。
だから、これ以上迷惑かけたくない。
 私の力……多くの人が欲してる。貴方は親切
だけど、私と一緒にいれば危険になる……」

 告げる彼女の傍ら、目を裏路地の入口に移動する。すると……。

 『…………』   ピリピリピリ

……『シュン』だ。
 貴方に対し朗らかに頼み事をしていた態度が何もかも嘘だったように
苛ついた様子で、辺りを見渡している。
 携帯を取り出し、誰かしらに鬱陶しい顔つきで話してる様子だが
会話はこの距離では、目を通しても口の動きでは内容を確認出来なかった。

 まだ路地裏に貴方と彼女が居る事には気づいてない様子だが……。

274薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/18(月) 22:41:40
>>273(GM)

「ありがとう、助かるよ」

(いいお店ね、今度はちゃんと見に来よう。
 でも、冬物はもう十分揃ってるのよね〜ぇ)

≪ありがとう。やっぱり合流してたわね。
  ――でも、確証が取れたのは助かるわ≫

すぐに奥の棚の方へ向かう。
買うのはセーターと、靴下。

デザインは色合いが浮かなければ拘らない。
パンティ――――これは二着、白と黒にする。

≪無駄な出費にならなきゃいいんだけど≫

「それじゃ、試着室借りるね」

すぐに探し終えて購入まで行けるだろうか。
行けるならば支払いを終えてから試着室へ。

試着室に入ったらパンティを一枚重ね穿きし、
もう一枚と靴下は買い物袋に入れたままにする。
セーターは今着ているコートの下に着ておく。寒いし。

275小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/19(火) 07:56:44
>>273

沈黙を守りながら、女性の話す言葉を耳で聞き、同時に心で受け止める。
『目』を通してシュンの姿を確認し――バッグから携帯を取り出す。
そして、シュンの通話が終わった後で、こちらからシュンに電話を掛ける。

「……もしもし、繁華街の通りで電話番号を渡された者です」

「――青紫色の瞳の女性を見かけました」

落ち着いた声色で、静かに言葉を発する。
その視線は女性に向けたまま、動かない。
そして、さらに言葉を続ける。

「その場所は……」

そう言って、こことは全く別の場所をシュンに知らせ、通話を切る。
この言葉をシュンが信じたなら、この場から彼を引き離すことができるはず。
本当は、こんなやり方はしたくない。
たとえ相手がどんな人間であっても、誰かに嘘をつくということは心苦しいことだから。
けれど今は、それを押し殺さなくてはいけない。

「……あなたには、愛してくれる人がいますか?」

「もし、いなかったとしても、あなたが気付いていないところに、あなたを愛する人がいるかもしれません」

「今はいなかったとしても、これから先、あなたを愛する人が現れるかもしれません」

「あなたを愛してくれる人は、あなたが傷付けば、きっと悲しむはずです」

「――その人を悲しませないために、私はあなたを助けます」

強い意志を込めた瞳で、死神を従える女性と正面から向き合う。
頭に浮かぶのは、自分が愛を捧げた相手のこと。
彼の命が尽きた時、私は例えようもなく深い悲しみに囚われた。
この女性を愛する人がどこかにいるなら、きっと自分と同じような悲しみを抱えてしまうだろう。
その悲しみを、決して見過ごすことはできない。

「……危険があることは承知しています」

「私も、無抵抗で危害を受けるつもりはありません」

「私にも――この命を蔑ろにできない理由があります」

私が愛した彼は、自分の分まで生きて欲しいと言い残した。
だからこそ、この命は私だけのものではなく、彼のものでもある。
青紫の女性を助けながら、自分自身も守る――それが、私自身の選び取る道。

「――急ぎましょう」

「あなたを探している人が、すぐ近くまで来ています」

「一刻も早く、この場から離れなくては……」

シュンが近くまで来ていることを伝え、女性に移動することを促す。
青紫の女性を追っているのがシュン一人だけとは限らない。
先程の電話の相手――それが彼の仲間である可能性は十分に考えられる。

276『追跡変奏曲』:2017/12/19(火) 22:40:42
>>274(薬師丸)
 「お似合いですよ。お買い上げ有難う御座います
当店は、初めてですね? その記念として、ハンカチも
おまけしておきますから」

 貴方はセーター、靴下、下着を買って試着室で着替える。
店員は、店名のロゴが彫られた専用の買い物袋にハンカチを入れてくれた。

 ガー……。

すると……一人の細身のスーツを着た男が入って来た。
 少し強面で、太い眉の男だ。店員に挨拶されて、軽く頭を下げる。
そして、貴方の横を通り過ぎ……。

 ボソッ「……聖骸布はいらない。だが、君に頼みがある……」

 そう、男は囁くように告げて店内の奥へと歩く。チラリと
貴方が来てくれるのを望んでるかのように、振り向いて縋るような視線を向けた。

>>275(小石川)

電話の切り目、それを『目』で見届けると共に連絡をする。
 シュンは、非通知のソレを見て瞬時に通話ボタンを押した。

カチッ「はい、もしもし。おぉ、貴方ですか! 彼女を見かけました?
ふむっ! では、すぐに向かいます」

 『目』の光景の中で、シュンは足早に向こう側へ行った……一先ず
彼を遠くに移動させる事は成功したようだ。

 「……貴方、優しい人」

「私 『イルラ』 駅から、遠くの場所に。
彼らが追いかけない場所まで……出来る限り遠くに。
 けれど、彼らの仲間。きっと未だ人混みの中にいる。
此処の町の事について、私は殆ど知らないから……」

彼女は、この町の生まれではないようだ。土地勘もないまま
抜け道など知らず、人混みを彷徨っても。彼女を捕獲しようとしてる
悪意を伴った集団の監視から容易く抜ける事は難しい。
 何らかの方法で、彼らを一網打尽にするか。若しくは
確実に安全な逃げ道を作るか。どちらにせよ難題だ。

277薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/19(火) 23:56:44
>>276

「…………!」

・・・店の奥へ着いて行く。
彼の、『聖骸布』はいらないという言葉。
少なくとも『結社』の『関係者』なのは確定する。

もちろん彼の求める代償が聖骸布より軽いとは限らないが……
独断で動いているなら『刺客』達とは利害が一致しない可能性が高い。
それはつまり、自分とは『交渉』の余地がある相手だと言うことだ。

《……彼は? 彼は『何者』か知ってる?》

万一がある。『シニカルマン』の名前は出さずに、
チラシに語りかける。答えはスタンドの視界で確認する。

答えがよほど緊急を要さないなら着いて行こう。『無視』して良い相手とは思えない。

278小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/20(水) 05:00:57
>>276

  「……イルラさん、ですね」

  「私は小石川――小石川文子です」

  「駅――ですか……」

青紫の女性――イルラの言う通り、駅に行くことができれば町の外へ出られるだろう。
しかし、イルラを追う側も、それは承知しているはず。
簡単には辿り着けないことは目に見えている。

  「分かりました」

  「ここで、少し待っていていただけませんか?」

  「――私が、あなたになります」

彼女は最初、ニットと青いコートを身に着けていたと聞いている。
先程の洋服店に戻って店員に事情を説明し、
そこに彼女の着ていた服があるなら、それを自分が着る。
なかったのなら、それらと似たものを購入して身に着けたい。
一緒にサングラスも購入してイルラと同じように着用し、ヘアスタイルも似たものに変える。
できればカラーコンタクトも購入してイルラに渡したいが、なければ構わない。
ストールは外してバッグの中にしまい、帽子も脱ぐ。
そして、紙袋か何かをもらい、脱いだ帽子を中へ入れて、イルラの下へ戻る。

  「今から私は、さっきの電話であなたを見かけたと知らせた場所へ行きます」

  「そうすれば、彼らの注意は、きっと私に向かうでしょう」

  「できるだけ時間を作りますから、その間にイルラさんは駅を目指してください」

背格好に違いがあったとしても、彼らは瞳と服装に注意を向けている。
少なくとも、すぐに見抜かれてしまう危険は少ないはず。
イルラに駅の方向を教え、何かあった時のために自分の連絡先も教えておく。
彼女の連絡先も教えてもらえるのなら、聞いておきたい。
それらを済ませたら、ツバの広い黒の帽子が入った紙袋をイルラに渡す。

  「それから、これを……」

  「イルラさんが被れば、少しはあなただと分かりにくくなるはずです」

279『追跡変奏曲』:2017/12/20(水) 18:24:46
>>277(薬師丸)

『ラビット シニカルマン 告げた さっき(>>247
残る手下 四人 導師を含めて 敵 四人
手下三人 導師一人
家電具と、通りの追っ手二人 残る追っ手が こいつ』

シニカルマンが告げるには、残る貴方を狙う追っ手が
スーツの彼との事だ。

 「……まぁ、何だ。こう言う事を、聖骸布を狙う者として
頼むのは筋違いなんだが。結社の中には、過去にあんたに
幸運を売って貰った人間も居て、あんたを追ってる人間は
大体の特徴を聞いてる。ハッピーラビットって言うのはあんただろ?
それでだ……頼みなんだが」

 貴方の素性を把握してるのは、過去に幸運を売った客に『結社』の
配下が偶然居たからと説明をした上で、歯切れの悪い様子で男は告げる。

「……ル・トリコの。あの店員になんだが……その、手紙を渡して欲しい」

指すのは、貴方に接客した店員だ。白い封筒も、渡される。

「出来れば俺からだと説明した上でだが……出来るだろうか?
 それだけしてくれれば、聖骸布は狙わない。報酬として五万出そう」

 貴方を見つめた後、奥で服をビニールに包む作業などしてる女性を見る。
その目は、何やら熱っぽい……。

>>278(小石川)

 貴方の言葉に、イルラは少し躊躇態度と発言をする。
作戦に乗り気じゃないとかでなく、貴方の身を心配してだろう。
 だが、数巡して折れる様子になると先ほどの
『アパレルショップ トゥトゥ』へと戻った。店員は貴方と戻った
彼女を見て、少し目を見開いてから早口で聞く。
 「大丈夫なんですか? イルラさんっ。何かされたりとか」
 「大丈夫……彼女、味方」

店員にも、貴方は作戦の説明をする。心配そうな様子ながらも
彼女等は、素直に小石川とイルラの服装を交換した。帽子も被れば
遠巻きに見れば、彼女本人だと分からないだろう……。

 「……気を付けて」

不安気な眼差しで、彼女は駅方向に向かう。
その姿が遠ざかる所で、非通知の着信が鳴り響いた。

 pi

「……あー、もしもし。シュンですが
彼女がどうも見当たりません。いま、何処にいますか?」

 シュンは尋ねてくる……。

280薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/20(水) 23:46:56
>>279

「狙わないうえに、お金もくれるの?
 ・・・心底『うまい話』って感じね。
 つまり、『ノらない』理由も見当たらない」

「ただし、『口約束』なんかじゃない。
 これは『契約』よ。破るのは許さない」

実際は『ペテン』の可能性もあるし、
乗らない理由はいくらでもあるんだが、
この状況で『騙す』必要性は見当たらない。

「手紙の中身は――
 確認しちゃだめよね?」

「ま、だいたい『察せる』けど」

スマホの存在をポケットの中に探る。
契約は写真を撮る口実になり得るか。

           ス

「私が受け取ったら、『成立』ってことね」

まずスタンドの手のみを封筒に添える。
気づかれないように、極めて繊細に(精A)
不自然な膨らみなどはないだろうか。
『危険物』の可能性はさすがに考慮する。

違和感が無ければ、ふつうに受け取ってしまおう。

281小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/21(木) 05:54:16
>>279

二点質問させてください。

・現在の小石川は、ニットと青いコートとサングラスを身に着けていると考えていいのでしょうか?
 また、イルラの服装はアパレルショップを出た時のままで、帽子だけを被ったのでしょうか?
 それとも、小石川の喪服を着て、帽子も被っている状態なのでしょうか。

>いま、何処にいますか?

・これは小石川の居場所ではなく、イルラの居場所を尋ねていると考えて間違いないでしょうか?

282『追跡変奏曲』:2017/12/21(木) 19:10:28
>>281(レス遅れ失礼しました)


・ニットと青いコートとサングラスを身に着けていると考えていいのでしょうか?

GMは全部の服を交換したと認識している。よってイルラは喪服を着て
帽子も目深に被ってる状態。不都合があれば、前者の状態であっても問題ない
PLの想定を尊重する。

・これは小石川の居場所ではなく、イルラの居場所を尋ねていると考えて間違いないでしょうか?
その認識で問題ない

284『追跡変奏曲』:2017/12/22(金) 20:41:28
>>280(薬師丸)

「『聖骸布』で、人を超えた耐久力や体力が身に付くのは確かに魅力的さ。
だが、そう言うものよりも得難いものは沢山ある筈だろ?
 あぁ、『契約』だ。それさえしてくれるなら、君に干渉しない」

スタンドの手で、封筒に違和感がないか探る。至って、普通の手紙だ。

「あー、あと注文が多いようだが。もし、その
彼女が手紙を渡した時点で読み上げるようだったら、俺についての
良い所だが、そう言うの説明してくれないか? 男らしいとか……何とか」

 少し目を彷徨わせて、スーツの男は貴方に畏まった感じで願いを付け足した。


>>283(小石川)

「……ふむ、見失いました……カ。そうですか……」

シュンが、貴方の返事を聞くと、少し黙り込んだ。そして、明るい調子で
電話口から応答する。

「はは! わかりました、再度お願いします。
言っておきますが、彼女 大変 危険な人です。
ないと、思いますが。話しかけたりなど、しないように。危ない でス
 私には、優秀な部下が『二人』います。えぇ……ですのデ
すぐ、何か異変あれば三人で対応します。ですので、ご安心ヲ!」

pi tu- tu-……。

 貴方は、大型百貨店に向かう。旅行用の大型バックは問題なく購入できた。
ギャ― ギャ―
……? どうも近くから喧しい声が聞こえる。

「……白髪に赤目の黒いダッフルコートを中心にしたモノクロ調のコーデの女よ!
見かけたりしてないの!? あぁっ、もう時間がないー!
 ジュンぺーに言い訳するのも限界があるわ」

近くにいる店員に質問をして、その答えがNOだと髪を掻きむしって
歯ぎしりをする女性、それを鬱陶しい調子で返事する男性の声。

「なら、もう離脱すればいいんじゃない? 導師様も、納得するだろ」

「駄目よ! あの人、そー言うので弁明したら間違いなくドタキャンするか
いっその事、そいつと別れろって絶対言うわよ!? しかも命令無視して
デートしてるのバレたら、間違いなくリンチに遭うわ。あー……くそぉ」

「自分も早く帰りたいんだけどな―……目当ての時計もないし
けど、ある程度捜索はちゃんとしろって命令だしなー……あぁ面倒くせぇ」

 すぐ近くで、大学生程の黒髪の女と。黄色いレザージャケットを着た男が
何やら言い争っている。

285薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/22(金) 21:41:43
>>284

「話が上手くて、目的に真っ直ぐな人。
 ……とでも説明させてもらおうかな。
 『約束を守る誠実な人』かどうかはこれから分かる事だし」

「でも、ああいう『借り物の力』に頼らずに、
 自分のやりたい事をやるのは十分誠実かもね」

程々におだて、微笑しつつ、手紙を受け取る。
これで危険物なら流石に『不可抗力』だが、
最後の最後まで『違和感』を探ってはおく。

彼が本当に何かしていないとしても『関係者』がいる。
彼の『告白』に乗じた攻撃――誰も幸せにならない可能性だ。

「っと、その前に。念のためがある。
 『顔写真』をもらってもいいかしら?
 もちろん無理にとは言わないけれど……
 契約の『ハンコがわり』ってところね」

「悪用はしないよ。ばら撒いたりもしない。
 彼女に『どんな顔の人?』って聞かれたら別だけど」

そしてスマホを取り出し、思い出したように付け加える。
これは保険。『シニカルマン』からの提案は頭の片隅から消えないが、
この男が約束を反故にしないなら『絶対に従う』理由もないと思っている。

287『追跡変奏曲』:2017/12/23(土) 19:37:42
>>285(薬師丸)

>『顔写真』をもらってもいいかしら?

「んっ、そうだな……彼女に、その手紙の人物が誰か訊かれる可能性もあるし、当然か」

「構わないよ。……君が話を聞いてくれる人で、助かった」

 スマホで写真を撮る。強面の太眉が印象の顔は枠の中に収まった……。

スーツの彼は、少しだけ撮った顔を見て、可笑しくないのを確認すると
女性ものの下着を一枚掲げつつ、五万の入った封筒を薬師丸に渡した。

「君の協力に感謝するよ。俺は、他の二人に 今買った下着を見せて
『聖骸布』は俺が取ったと言ってくる事にする。あいつ等も、話しが
通じない訳じゃない。これぐらいの露払いはさせてくれ。
 導師にも会えたら一応告げて見るか。何分、あの人は自分の目で確認しないと
納得しない性質だからな……君の健闘を祈る。それじゃあ」

 「君は良い奴だ。渡してくれると信じてる」

男性は、店員に対し躊躇なく女性下着を出して買うと。そのまま店から立ち去って行った……。

今は完全に貴方はフリーだ。金も受け取ったし、元より縁もゆかりも殆どない
自分の下着を狙う輩の一人だ……『契約』を実行するかは、貴方次第だ。

>>286(小石川)

 貴方は折り返しの電話を『シュン』に掛ける。

   pululululu

   pululululu

   pululululu pi

 ……少し長いコールの後に彼は出た。

『……デパート、ですネ?
わかりました……直ぐ、   直ぐに向かいますとモ。
ところで……安全の確認ですガ。貴方は今、何処にいますか?
青紫の、彼女の近くですと危険でス。護送も念頭に入れときまス……』

 電話の主は、貴方の居場所が気になっているようだ。後方から先ほどの
売り場に居た男女の声が接近してきた。入口のほうで話し合ってるらしい……。
周囲には、彼、彼女以外に人影は今の所見えない。

「見つからないわね……手近な場所は探したし、どうしよう!?
ジュンぺぇ〜……このままじゃ、イブ前のデートがぁ゛」

「サルバトーレマーラの最新タイプなんだよなぁ。何処の店でも
売ってないし……ねえ、本当に誰か買ったって人知らない?」

「うるさいわね、時計馬鹿! 今はそんな場合じゃないのよっ」

「怒らないでくださいよ、あーあ……欲しいんだけどなぁ『ドンッ』
っと、すんませんー……」

288薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/24(日) 00:37:49
>>287

「私の方こそ、『結社』にも……
 話せる相手がいるって知れた。
 それはあんたのおかげ。ありがとうね」

            パシャ

スマホはポケットに一旦しまう。
相手は元々敵対存在だし、
大仰な下着ドロの一味である。

「上手くやって見せる。
 成功を信じてとは言わないけど、
 『やり遂げる』のは信じてくれていいよ」

「私もそれくらいには、あんたを信じてる」

しかし――――今は『客』だ。
彼と『契約』した自分は『幸運売り』だ。
失敗の可能性は高い。それは仕方ない。
だが、『やらない』のは信念に反している。

「……」

(出来れば成功させてあげたい。
 印象を良くできるのもあるし、
 彼はリスクを負って私に手を貸してる)

買ったばかりの下着だ。
嘘がばれて彼が袋叩きに合う可能性もある。
そういうリスクを分かったうえで協力してくれたのは、
当然いい結果を招くためだろう。『最善を尽くす』。

「ごめんなさい、店員さん。
 今ちょっと……時間大丈夫?」

例の店員に話しかける。自分は『客』だ。
前面に押し出しはしないが、冷たくあしらうのは難しいはず。

289小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/24(日) 08:25:16
>>287

  「お気遣いありがとうございます……」

  「私は――これから駅に向かうところです」

  「デパートからは離れますので……ご心配には及びません」

今、イルラは喪服と黒い帽子を身に着けて駅を目指している。
その姿を遠くから見ると、私が駅に向かっているように思えるはず。
少なくとも、シュンに教える行き先と矛盾はしていない。

もしシュン達が洋服を変えたイルラを見かけたとしても、それに干渉しようとするとは思えない。
彼らが追いかけているのは、あくまでも青紫の女性であって、私ではないのだから。
単なる通りすがりの協力者でしかない人間に構うより、目的である青紫の女性を優先するはず。

青紫の女性の居場所を知らされ、さらに私がデパートから離れるというのなら、なおさらだろう。
あとは、私自身に対して疑いを抱かれないようにすることが大切だ。
それができたなら、イルラが駅に到着できる可能性も大きくなる。

  「――いえ、お気になさらず……」

丁寧に会釈をしながら、男性に言葉を返す。
この男女――白鳥のイヤリングの女性に関係しているように思う。
彼らのことを、サミメに連絡するべきだろうか。
けれど、それは彼らが立ち去ってから行うことにする。
通話の内容を聞かれたとしたら、余計な問題を起こしてしまうおそれもある。

  「もしもし……」

  「本人ではありませんが……関係があるかもしれない方達を見かけました」

  「場所はデパートで、特徴は……」

男女がデパートを出て行ったら、サミメに電話を掛けて二人のことを知らせる。
もし、彼らがなかなか立ち去らないようなら、電話はしない。
男女がいなくなるのを待っている間に、肝心のシュンが来てしまっては困ることになる。

通話を終えるか、電話を掛けなかったか――どちらの場合も後に取る行動は同じ。
デパートの入り口から少し外に出たところで立ち止まる。
そこからサングラス越しに周囲を観察し、ここに向かっているであろうシュンの姿を探したい。

290『追跡変奏曲』:2017/12/24(日) 19:47:02
>>288(薬師丸)

>私の方こそ、『結社』にも……
 話せる相手がいるって知れた。
 それはあんたのおかげ

「俺達は、決して大きな悪事を働こうって訳じゃないからな……」

貴方の言葉に、短く返答をして今度こそ彼は消えた。

「……? お客様、どうされましたか。手紙?」

 先ほどまで応対していた店員は、貴方の所用に対して不思議そうな顔をしつつも
同性であり、手紙を渡すと言う事柄に対して大きな拒絶を抱くほうが可笑しい。
 何かしら工夫をせずとも、彼女は黙って手紙を読み進める。
暫く、無言で彼女は手紙を読んでから。少しだけ頬を朱に染めて手紙から顔を上げた。

「……このような、情熱的な文面を贈られたのは 初めてです」

「この人なら、知ってます。何度か服を買いに来てくださって、色々と個人的な事柄ですが
お話も面白い方でしたから。……あの、お客様にこのような事を頼むのは気が引けますが。
宜しければ、私が返事を了承しますと、この方に伝えて頂けないでしょうか?」

 「返礼にもなりませんか。買われた服の代金を一部返済する事も検討しますので」

また、新たな頼みが出来た。……今の彼に対し、返事が了承であったと伝えて欲しいと言うものだ。

 彼は、特にその返事を聞かなくて構わないと言っていたが……。

291『追跡変奏曲』:2017/12/24(日) 19:59:23
>>289(小石川)
(描写抜けもあったので、少しシーンを途中で区切る形でのレスになります
申し訳ありません)

 >お気遣いありがとうございます……
>私は――これから駅に向かうところです

「なるほど! 駅ですか……そうですか!
いやぁ! 有難う御座います。
 ――你(ニィ)(※中国語で貴方)
ねぇ你  約束って何だと思いますカ?
中国人は、良く時間にルーツで待ち合わせも碌に
言った通りに来てくれないとか言いますがね。
『我々』はね、決して同胞を売るような真似もしないんですよ。
そして、我々はね……『侮辱』を絶対に許さない。
この意味が解りますかネ 你
わかってるのかって 聞いてんだヨ゛ 你」

『シュン』の声は、どう言う訳か。もはや穏やかな声色を消して
獰猛に、荒々しく傷つける口調へと変化していた。

 後方で、男性が『誰かとぶつかって』謝罪する声がした。そして……

   バキッ

 バンッ……!

 「きゃっ!?」

 「! ってぇ、あんた行き成り何……おぃ、ちょ 待て……」

 背後から、殴打音と。小さく叫ぶような声と、引き止めようとする声。
そして、デパートの入口を叩きつけるように開き、走って来る音が聞こえる!

292薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/25(月) 00:17:24
>>290(GM)

「へえ、そりゃめでたいね。
 ああ、代金とかは別に良いよ、
 私の幸せは『他人の幸せ』だし」

半分うそだ。
報酬はもう受け取っている。
だから彼女の笑顔だけでも十分。

「けど、まあ……受け取らないのも失礼かな。
 それじゃ、彼に伝えてくるから。後払いでよろしく。
 気が変わったなら、べつにお礼はナシでもいいからね」

                  「それじゃ」

だが貰えるなら貰っておきたい。
こっちから求める事はないが、
あまり強く断るのも失礼だし、金は要り用だ。

(なんだか妙な事に巻き込まれたけど、
 けっこうわるくない。お金の意味でも、
 それに、やりがいの意味でも……ね)

彼からの依頼に結果を伝えるのは含まれていないが、欲しいだろう。
そして報酬を受け取る以上――これは彼女からの依頼でもある。

≪ね、『シニカルマン』は、こういう展開もアリだと思う?≫

一応彼の思う所は聞いておこう。
本体の視界は『手紙の主』の彼を店外に求め、
スタンドの視界で『チラシ』の文面を見ておく。

――――なお、この時腰の鈴で『一個分の不幸』を呼んでおく。
チラシと買い物袋、カバンはしっかり保持、頼まれごとも意識。
無関係な『実害の無い不幸』が起きる事を祈りつつ、リスクを消化する。

293小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/25(月) 10:12:48
>>291
その場にいる人物の位置関係と距離、および周囲の状況をできるだけ詳しく教えて下さい。
またシュンの服装も改めて教えていただけるとありがたいです。

294『追跡変奏曲』:2017/12/25(月) 22:29:58
>>293(回答)

>>289のレスに従い、デパート入口より5、6m程離れた場所に立ってる状態。
男女は、デパート入口で言い争っていた。その時、背後の何者かに
殴打された音が聞こえ、その主が小石川へと接近してる状態。

シュンは、灰色の上下ともにスーツ姿でサングラスをしていた。
黒い前髪を撫でつけ、少しオールバックにた髪型。

295小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/25(月) 22:37:03
>>294
回答感謝します。
また、購入したバッグは現在どうなっていますか?

297小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/26(火) 01:04:07
>>296
回答ありがとうございます。
バッグの位置はデパート内の入り口付近。
つまり、男女の近くと考えていいのでしょうか。

298『追跡変奏曲』:2017/12/26(火) 08:32:20
>>297
 その認識で問題ありません

299小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/26(火) 19:09:18
>>291

  「――……」

無言で指輪を外す。
右手に嵌めている指輪。
彼の形見。

そして、『右手』を切り落とす。
その『右手』に『スーサイド・ライフ』を突き刺す。

  「ごめんなさい……」

  「私は、あなたに三度……嘘をつきました」

  「私を信じてくれたあなたを騙してしまったことを謝ります」

  「そして――今また、あなたを傷付けてしまうことをお詫びします」

  「……ごめんなさい」

振り返りざまに腕を振り、その勢いのままに『右手』を飛ばす(破ス精CBB)。
狙うのは顔。
顔面に張り付かせて視界を封じる(破ス精DCC)。
相手が『右手』を剥がそうとしたならば、その時にサングラスを剥ぎ取る。

同時に、自らも接近していく。
走りながら『スーサイド・ライフ』を逆手に握る。
相手が向かってくる勢いと自分が近付いていく勢い。

                          ハンドル
その二つを利用して、相手の胸にナイフの『 柄 』尾部を打ち込む(破ス精CBB)。
体勢を崩させ、あわよくば転倒させたい。

300『追跡変奏曲』:2017/12/27(水) 18:13:23
(レス遅れ失礼しました)
>>292(薬師丸)

>ね、『シニカルマン』は、こういう展開もアリだと思う?

スタンドで語り掛ける一方で、手紙の主の彼の行方を目で追う。
 既に彼は肉眼に映る場所からは居なくなったようだ。

『シニカルマンには 〜〜が一番望ましいとかは 良く分からない』

『ただ、シニカルマンはラビットの出来る限りの援助はする
ラビットが好ましい事柄になるなら 本望』
 
棒人間は、形を少し変えつつ文面を変えていく。

 『シャラン』

不幸の鈴が鳴った……すると、髪の毛の幾つかの先端が
いましがた着替えたセーターのボタンに絡んだようだ。
よくある『些細な不幸』ではある。

>>299(小石川)

 シュォ ン!

 貴方は、右手を切り落とし走り寄って来る者へと飛来させる!
おまけで、ナイフの柄での打撃。それが電話の主のシュンと想定してた……が!

 >私を信じてくれたあなたを騙してしまったことを謝ります
>そして――今また、あなたを傷付けてしまうことをお詫びします

 哈哈(ハハ) 哈哈(ハハ)

 「傷つけるゥ? ―知った風な口で誰を倒そうと言う気ダ 小姐 / シャオチエ」

 キリキリキリ……!

!? 『シュン』ではない。貴方に襲い掛かろうとしてたのは……蝋のような
真っ白い生気のない顔をした女だ! 顔に貼り付けられた、スタンドで分離された
右手を片手で掴み、ゆっくりと引きはがそうとする。
 そして、転倒の為に打ち付けたナイフの柄だが……その女は微動だにしない!!
衝撃で呻く事も怯む事もなく、『死体のように』貴方へと白濁色の目を向けながら
小石川の喉笛を掴もうと、手を 伸ばす……! 攻撃したのは、この予想だにしない
相手への反撃のチャンスも許してしまった。

「そこの、姉さん! 早く逃げろ。そいつ、普通じゃないぞっ」

 入口前の男性は、もう一人の女性に助け起こされながら
貴方に逃げろと声を掛ける。

301薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/27(水) 18:53:14
>>300

               ヒュン

≪あんた、いいやつね≫

小さく笑った。

スタンドの手でほつれを直す(ス精BA)
どうしても直らないならその髪を一本だけ抜く。

(……手紙の内容にもよるけど、
 『手紙かメールで返事しろ』とかなら、
 わざわざあの人も私に伝言はしないはず)

(結果を知りたい気持ちが少しでもあるなら、
 そう遠くまでは行ってない気はするんだけれど)

    (恥ずかしいから帰ったって可能性もある)

店の外に出て、改めて探してみよう。
一度見た顔だし、探すための視界は二つある。

302小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/27(水) 19:55:40
>>300

  「……あなたではなかったようですね」

  「今この場で、あなたを傷付けずに済んだことを嬉しく思います……」

  「――代わりに、この方を傷付けてしまうことをお許し下さい」

伸びてくる女の腕に対して『スーサイド・ライフ』を振る。
下から上に斬り上げ、女の手を上方向に弾き飛ばす(破ス精CBB)。
同時に、女の胴体を強く蹴って、その反動で後方に飛び退いて距離を取る。
飛び退いた後、切り離した『手』は引き剥がされることに抵抗せず、そのまま女から離れる。

  「……こちらの方は、どなたでしょうか」

  「よろしければ……教えていただけませんか?」

斬りつけた女の身体から血が流れているかどうかを確認する。
本当に死体なら血は流れない。
そして、生きている人間でないなら、相手の生死を気に掛けることなく斬ることができる。
たとえ死体であったとしても、人を斬ることに対して罪の意識を感じるのは変わりがない。
護身のためであろうと、自分の前に立つ相手を傷付ける度に、自分自身の罪深さに心が深く抉られる。
それでも、この道を自分が選んだ以上、どのような事態になろうとも行動に迷いはない。

  「――ご忠告ありがとうございます……」

  「ですが……この方は私を逃がして下さるつもりがないようです」

  「そして――私も逃げる意思はありません」

サングラスを外し、『右目』を切り離す。
背後に浮かばせ、他に怪しい人影がないかどうかを見張る。

303小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/27(水) 21:48:22
>>302
『目』の切り離しは余裕があれば。
まだ距離が近いなら相手への対応を優先する。

304『追跡変奏曲』:2017/12/28(木) 19:24:22
>>301(薬師丸)

 『些細な不幸』は、スタンドで問題なく対応できる代物だ。
絡められた毛を解きつつ、貴方はル・トリコを出て外に出る。

少し遠くで、チャリティー団体のパレードの最後尾が歩いてるのが見えた。
 周囲にも、まばらに人は居るが先ほどの男性の姿はない。

彼は言っていた『仲間を制止する』と。その言葉が真実ならば一番目の追っ手が
いた家電製品の店の近くにいるのだろう。
 その近くに行くか、若しくは町に多くの監視網を広げるチラシに住まう主に
聞くのも良い手だ。直接、足を使って探索するのも問題ない。

>>302(小石川)

 >今この場で、あなたを傷付けずに済んだことを嬉しく思います……
 >――代わりに、この方を傷付けてしまうことをお許し下さい

『哈哈(ハハ) 愉快な小姐 (シャオチエ)だな。
許しを求めながら傷つける。愉快な小姐だ』

ねっとりと、皮肉を満たした声が電話口に発せられる。

>……こちらの方は、どなたでしょうか
>よろしければ……教えていただけませんか?

『教えると思うカ? 薄汚い極東の島の雌猿メッ
人の好意を踏みにじっテ、あの女をまんまと逃がしやがっタ。
……その木偶人形と暫く遊んでろ。――直ぐ向かうからナ」 putu……

 電話は切られる。今の内容が正しいなら、恐らく敵は貴方の場所を
完全に特定したようだ。目前の敵と合わさり、増援は間違いなく来る。

 ザシュッ……!

 貴方は、手を伸ばした女の左手に向かって素早くナイフを天向けて振った!
ナイフの痛みも感じてないようで無表情だが、その衝撃は貴方の喉笛を掴もうと
する動きを一時的に遅らせる事には成功した。胴体を切りつけ2m程の距離を
とる事に成功する。顔に貼り付けられた手は剥がされ、1m程 女の周りの宙を舞う。

 『…………』  グクッ

出血は……してない! ナイフの走った部分に全く血は零れず、裂けた衣服の
向こうに見える肌は青白い。生気は完全に通っていなかった。
 少し前傾姿勢になる。その姿勢は、ラグビーの選手がタックルを繰り出そうと
する構えに非常に良く似通っている……。

 切り離した目の周囲では、今の騒ぎが目を留まったのか。何人かの一般人と
思える人達が近づいてきている。『シュン』らしき人物はいない

「くそっ、援護するぜ! 組織から受け取った、このしぶとい打たれ強さなら
今の俺だって喧嘩には負けないぜ!」

「無茶よっ! アレ、ナイフで攻撃されたのに全く微動だにしてないじゃない!
襲われてる人も、多分 導師と同じで使い手のようだし!」

「だからって、指咥えて見守れって言うのかよ!」

 デパートの入口で最初に襲われた結社の一員らしい二人は、貴方に
加勢するか、そうしないかで揉めてる。

305薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/28(木) 22:24:59
>>304

(あ、そういえば仲間を止めにいくって言ってたか。
 そうは言ってもも結構時間は経っちゃってるし、
 もう終わってるかな……揉めてる様子もないし。
 それとも、場所を変えてやってる? わからないな)

先ほどの刺客二人が移動していないなら、視界の中にいるはず。
という事は、移動したのだろう。理由がこちらに有利か不利かは兎も角。

≪『シニカルマン』……『この男』の居場所って分かる?≫

                  ス

チラシにスマホの画面をかざす。さっき撮った『顔写真』だ。
ばらまいたり、悪用はしないが、『利用』はする。
もちろん『シニカルマン』に任せきりではなく脚と視界も使う。

(契約を抜きにして『本当に終わったかどうか』
 ……『制止』が成功したのかどうかも確かめたい)

(因縁を残して油断してるときに襲われたら、相当まずいし)

来た方向へ戻りながら、周囲を見渡す。あの男だけではなく、
もめごとの気配や結社のメンバーなど関連のありそうなものも探す。

306小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/29(金) 00:25:39
>>304

質問です。
『死体』であること以外の女の外見と服装を教えて下さい。

307『追跡変奏曲』:2017/12/30(土) 20:23:33
>>306(レス遅れ失礼しました)

 少しぽっちゃりに見える170程の体格。肌は全体的に青白く
前述の通り、目も濁っている。
 服装は、茶褐色のコートの下に上下運動着といった格好。

308小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/30(土) 20:30:06
>>307
回答ありがとうございます。
また髪の長さは短いでしょうか、それとも長いでしょうか?

309『追跡変奏曲』:2017/12/30(土) 21:26:57
>>308
耳が隠れる程度

310小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/30(土) 21:38:20
>>304

  「――……」

皮肉まじりの言葉を聞いて、僅かな間その表情を曇らせる。
行動に変わりはない。
それでも、今この瞬間、自分が自らの手を汚していることを意識せずにはいられない。
胸の内にあるのは、かつて私が愛し、今も変わらず愛し続ける人のこと。
今の私は、彼が知っていた私ではないのかもしれない。

   ――穢れてしまった私でも……あなたは愛し続けていてくれるのでしょうか……?

そして、今までに聞いたこともないような酷い言葉が容赦なく浴びせられる。
しかし、心の中に動揺は生まれない。
むしろ、その逆だった。

  「……ありがとうございます」

  「お蔭様で――少し気が楽になりました……」

たとえ相手が死体であろうとも、他人を傷付ける自分の行いは、良心に背く罪深い行為だ。
だからこそ、ぶつけられる心無い罵声も、今この瞬間は安らぎとなる。
誰かが自分を責めてくれることで、この胸に根付く罪悪感も、その分だけ軽くなるのだから。

  「いえ……加勢していただく必要はありません……」

  「ただ、この争いが終わった後で、あなた方に一つお願いしたいことがあります」

  「少し待っていていただけますか?」

  「――すぐに終わらせます」

その場から軽く後退して、さらに1mほど距離を取る。
同時に、逆手に握っていたナイフを構え直す。
そして、『手』を女の背後に移動させる。

ここから脱出する手段は用意してある。
そのためには、新手がやってくる前に、目前の相手を手早く沈黙させなければならない。

既に死んでいるのであれば、その身体をどれだけ斬り刻もうとも、相手を殺してしまう心配はない。

311『追跡変奏曲』:2017/12/31(日) 22:15:01
>>305(薬師丸)

 『刺客 二人 デパートtons
さっきの男 そちらに向かってる 
何か そちらで起きてるみたい』

『争い 危険 デパートtons近辺で起きてる
ラビット 近づくと巻き込まれる可能性ある
けど ラビットが望むなら 行き方は教える』

シニカルマンは忠告と共に『デパートtons』への行き方を
線と記号をチラシの上に浮かばせ示す。ここからだと歩いて数分、すぐだ。
彼の文面が正しいのなら、そちらに行くと危険があるらしい……。

 貴方の近くで、高校生らしい三人が集まって会話してるのが見えた。

「うーん、白鳥のイヤリングの女性。見つからないぞー!」

「ふぅむ。どうも、私のセンサーに引っかからないように
何やら防護してるように感じる」

「小石川さんと佐生ちゃんも戻ってくるの遅いね……おやき屋に
戻って待ったほうがいいんじゃない?」  
 

>>310(小石川)

 貴方の心には『愛』がある、そして『信』も。
秘め続ける高潔な想いは、言葉の暴威に惑わされる事はない。

貴方は、死者と思しき操られてる人間なのか、はたまた一般人にも
干渉出来るスタンドなのかも知れぬ相手の背後で膠着する結社二人に
話しかけつつ1m程後退してナイフを構え、浮遊させる手を移動させる。

 ――ダッ! ブゥン!!

 >>304前傾姿勢に移っていた女
その姿勢のまま、愚直に女は貴方めがけて体当たりをしかける!(パス精?CC)
 同時に、両腕も水平に真横へと振った。頭部はがら空きだ……。

312薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/12/31(日) 23:16:50
>>311

≪……争いかぁ。あんまり好きじゃないけど、
  ま、仕事は最後まで果たさなきゃね。
  あとぐされのないクリスマスを迎えたいからさ≫

ある種無関係な人間ではあるが、
仕事の契約はまだ、終わってはいない。

だからそこに向かおう。幸福な仕事を果たすために。

「……」

(白鳥、センサー、コイシカワとサオ……
 覚えのない言葉が多い。あの三人は無関係か)

ひょっとすると争いに関係しているかもしれない。
それならば尚更すぐに向かって、解決すべきだろう。

と、歩きながらここで残った錆鈴も鳴らしておこう。
財布などの持ち物はしっかり確保し、時間ロスを防ぐ。

313小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/12/31(日) 23:57:33
>>311

  「――ごめんなさい……」

配置した『手』で女の髪を力一杯に掴む(破ス精DCC)。
目的は二つある。
一つは、女の動きを一瞬止めること。
もう一つは、女の顔を前に向けさせること。

ナイフを携え、ワルツのステップを踏むような軽やかさで、相手の2m手前まで鋭く踏み込む(スB)。
相手との距離が2mになった時点で、ナイフをアンダースローで投げ放つ(破ス精CBB)。
狙うのは女の目。
そこにナイフを放ち、濁った眼球を串刺しにする。
当然、この程度では決定打にならないことは承知している。

ナイフが刺さった瞬間に、『手』を女から離し、『手』にナイフの柄を握らせる。
そして、ナイフの刃を更に奥深くまで捻じ込む(破ス精DCC)。
それによって眼球を刺し貫き、眼窩の奥にある中枢――脳を破壊する。

314『追跡変奏曲』:2018/01/01(月) 17:28:08
>>312(薬師丸)

デパートtonsへ貴方は向かう。単純な同情や親切心でない
仕事人として、幸福売りとしての契約の名の元に。
 『シャラン』
錆鈴が一つ鳴る。すると、ずるっと後方に倒れかけた!
 このままだと、人が踏みしめ幾らか汚れた雪道に背中から倒れるか
尻もちをついて服が汚れる事になる。買ったばかりなのだ、嫌な気がする事になる。
 デパートは、すぐ曲がり角を曲がれば目前だ。
目の端で、スーツ姿の男と小太りの男が歩いてるのが見えた。

>>313(小石川)

 愚直にタックルを仕掛ける女。だが、貴方はその動きを止める策を既に仕込んでいる。
ガシッ ――ピンッ!
 髪の毛を握れば、自然と首は逸れる。そして、スタンドのナイフを握ってる際のスペックは
常人を超えた達人の動きだ。パシュッと空気を切りつつナイフは女の眼球へと突き刺さり、頭部へと突き刺さる!

 これが映画の『ゾンビ』なら、正しく動きを止める筈だ。……そう、ゾンビならば。

 『……』    ゴゴゴゴゴゴゴッッ

 ――ガシッ ……ギギギッ ズブブッ

 う 動いてる……何事も無いように、ナイフが頭に突き刺さったのに動いている。

 周囲の悲鳴を他所に、死体の女は目に突き刺さった『スーサイド・ライフ』を
顔についた泥を手で拭うように右手で、何て事のない様子で握り、引き抜く。
 脳には、完全に突き刺さった筈だ。この死体には……死者には物理的な攻撃は通用しないのか……!?

315小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/01/01(月) 22:11:26
>>314

現在の女との距離と、『手』の位置を教えて下さい。

316薬師丸 幸『レディ・リン』:2018/01/02(火) 00:35:08
>>314(GM)

(しまった、コケるのは意識になかった。
 いや、こけたんじゃなくて足が滑ったのか)

(どっちにしろ――――これは対処できない)

凍った道であろうがコンクリの道であろうが、
軽く足を取られるのは『小さな不運』――
その結果として転倒が着いて来たのは仕方ない。

周囲に掴まれるものも見当たらない。
鈴を尻の下に置いたりしてもいいが、
下手をすると地面より危険になりかねない。
今から『倒れないようにする』のは難しいか。
抵抗に時間を割くより、大人しく尻もちを搗く。

「……」

そして何事もなかったように立ち上がる。
悲鳴を上げたりすると余計な視線を集めるし、
助けに入られたりするともっと厄介になる。

≪……っと、『シニカルマン』。
  この先よね? 今はどうなってる?
  このまま飛び込んでいってもいい感じかな≫

どういった争いが起きているかによる。
単に一般人の喧嘩なら、すぐに駆け付けられる。

スタンド戦闘が巻き起こっているなら最低限備えたい。

317『追跡変奏曲』:2018/01/02(火) 12:07:31
>>315(回答)

小石川と、死体女の距離は約1m

再三で描写抜けになり申し訳ないが、ナイフの柄を握って
深くねじ込んだ後に、それに重なるように死者の女の手がナイフを
握ったと判断するので。いま現在浮遊してる手に半分重なるように
女の手が乗ってる状態と考えられる。

318『追跡変奏曲』:2018/01/02(火) 15:53:45
>>317訂正

小石川の分離して、ナイフを深く刺そうと握った持ち『手』に
死者の手が半分ほど重なり合った状態。強引に逃れるのは難しい状況

319小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/01/02(火) 17:32:55
>>314

一刻も早く終わらせなければならないという内心の焦り。
そして、他の一般人にも危害を加えかねない女を、ここで必ず倒さなければならないという意思。
それら二つが重なり、私の心と身体を行動に駆り立てた。
しかし、女は倒れなかった。
そうならば、もう一つの、より確実な手段を使う。

『スーサイド・ライフ』を握っている『手』に力を込めて、引き抜かれるのに抵抗する。
抵抗すること自体が目的ではない。
目的の一つは、相手の力を計ること。

     パーツ
非力な『部位』の抵抗にも多少てこずるようなら、女の力は多く見積もっても人間以上ではない。
二つ目の目的は時間稼ぎだ。
女が『手』に構っている間に、女から下がって数mの距離を取る。
同時に、破壊された目の側へ回り込むことを意識する。
女の片目は潰れている。
生きている人間と同じように目で見て敵を見定めているとしたら、目を失った側には死角が生まれる。

  「……申し訳ありません」

  「最初の見立てよりも――少し長くなりそうです」

後退しながら二人に声を掛け、コートを脱ぐ。
それを空いた左手に持つ。
『手』の抵抗は、本体の行動が終わった時点で止める。

320『追跡変奏曲』:2018/01/02(火) 18:15:07
>>316(薬師丸)

 ドサッ

臀部に強かな衝撃と、冷たい感触が襲う。その様を、一瞬スーツの連れを伴う男が
一瞥したものの、急いでるのか関心ない様子で曲がり角を抜けて先にデパートの圏内に踏み込んだ

 『女 そして 女 二人 争ってる 殺伐』

『一人はスタンド使い もう一人は 多分 スタンド能力で出来た何か』

『周りに人 居る 一人 その二人の間に入り込んだ』

その時貴方の耳に、曲がり角から大きな声が発せられるのが聞こえた……内容は。


 ↓だ。

>>319(小石川)

  『――何をぐずぐずしてるんだっ 傀儡! さっさと仕留めろっ
貴様のパワーなら、喉笛を締めれば直ぐだ!』

 小石川の耳元に、先程の電話の主の声が少し遠くより発せられる。『シュン』だ……!

  『……』 ギギギッ

女(死者)はナイフを完全に引き抜くと、水平に構える。『手』が拘束から逃れようとするのも
万力の如く力で緩む事のない。パワーは肉食獣ぐらいあると考えて良さそうだ。

 自分自身を傷つける力はない『スーサイド・ライフ』だが。武器をこのままだと鹵獲されるのは痛い
このままでは、一方的に蹂躙される危険がある……がっ。

          タッ   「――ふんっっ!」

            バキッ

 「……状況は良く呑み込めないが。『結社』の戦士として見過ごせん
加勢するぞ、そこの人……どう見ても、こいつは見過ごせる奴じゃないしな」

 !  一人のスーツの強面の男が、何やら下着に見える紐状のものに適当な
拳状のクリスタルキューブを巻きつけた、ブラックジャックらしきものを二本
両手で一つずつ構え、死者の女に対して急襲して その頭部を大きく揺らした。

そのダメージはどれほど通用してるか不明なものの、衝撃は貴方の『スーサイド・ライフ』を
握る女の手にも伝わり、拘束から逃れようとした手も無事脱出できた!

321薬師丸 幸『レディ・リン』:2018/01/02(火) 22:19:28
>>320

≪なるほど、スタンド戦闘ってわけね。
  女ってことは、例の彼はいないのかな
  ……いや。今の声、ってことは『入り込んだ』≫

        ≪見た方が早いわね≫

    ダッ

曲がり角の向こうへと小走りで駆け込んで、
状況を見渡しながら声を張る。本体の声を。

「メリークリスマス。助けに来たわよ」

          「私の『仕事相手』をね」

更なる増援の登場で、敵を威圧する。
スタンドを傍らに浮かべ、『スマホ』を手に取る。

・・・敵。

誰が敵なのだろう。

(さて、どっちを倒すべきなのか)

状況を見渡すのは、『戦況』を見極めるため。
誰が敵で誰が味方なのか――――場合による。

少なくとも『結社の彼』に関しては理由が無ければ仲間だ。
女二人。どちらに着くべきなのだろう。スタンドを構えながら観察する。

322小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/01/02(火) 22:26:05
>>320

加勢されたことに対しては複雑な思いがあった。
自分以外の人間の手を汚させることになってしまうからだ。
ましてや、この女を呼び込んだのは自分の責任。
なおさら他人の手を汚させるわけにはいかない。

  「……ありがとうございます」

  「ですが……これ以上あなたの手を煩わせるわけにはいきません……」

  「汚すのは――私の『手』だけで十分です」

男に言ってから、女の頭に向かってコートを投げつける。
そして、遠隔操作の『スーサイド・ライフ』で、女の足の腱に刃を突き立て、そのまま抉り抜く(破ス精DCC)。

いかに不死身であろうとも、『スーサイド・ライフ』のように再生能力があるわけではない。
物理的に立つことが不可能な状態にされてしまえば、もはやまともに動くことはできなくなる。
殺せないというのなら、殺そうとは思わない。
死体という名前の通り、文字通りの『死に体』にして封殺する。

コートを投げた後で、本体は柔道の受身のように前転して地面を転がり、女の横を抜けて、その背後に回り込む。
それにより、切り離していた右手と速やかに合流し、再接合ののち、もう片方の足の腱も破壊する(破ス精CBB)。

私はシュンと戦うつもりはない。
会うつもりもない。
シュンが現れる前に、この場から立ち去り、あの場所へ向かう。
そのために、事前にあれを用意したのだ。

『目』はずっと切り離したまま背後を監視している。
それらしき人影があれば、すぐに分かる。

323『追跡変奏曲』:2018/01/03(水) 20:36:28
>>321-322
 現在立ち位置          薬=薬師丸  小=小石川
                 ▼▼=『シュン』とガタイの良い男
                 ▶=死体の女  ▽=『結社』の戦士
                 〇◎=結社の二人組
                 
曲がり角

□□ 薬
□□
□□
□□ ▼▼
□□
 ∴∴∴ ∴∴∴∴
         ∴

   ▽
  ▶ 小
  
  〇◎

324『追跡変奏曲』:2018/01/03(水) 21:03:52
(※323 ∴は野次馬達)
>>321(薬師丸)
曲がり角を抜けて、貴方の目に まず最初に飛び込んだのは
人垣の輪の向こう側より見える女性……『夢で同席してた女性』だ。
服装こそ異なるが、確かに彼女がいた。それに対峙するように
ジャージを着た、随分と顔色悪い女がいた。貴方の目の中でコートと
ナイフが飛来して、その女の足を刺すと共に、夢で同席してた彼女は
その女の横を前転するように背後をとって飛来したナイフを掴んで
残る片方を切りつける。死体の女が倒れ込んだ……。

 ―ブンッ。

それに追撃するようにして、ブラックジャックらしきものを倒れ込んだ女へと
振りかざす男が見えた。それは、先程の『依頼をした仕事相手』だ。

 「……! 君はっ」

薬師丸の張り上げた声に男が顔を上げて、こちらを見た。そして……

>>322(小石川)

>汚すのは――私の『手』だけで十分です

「そうは言うがな。目の前で血が流されようとしてるのを
黙って見てられる程、素直な性分じゃないんだ。まぁ諦めてくれ」

強面の男は、二本のブラックジャックを軽く振りつつ
ニヒルな似合わない笑みを浮かべる。

 「『とし』さんっ!」

「うんっ、吉川の嬢ちゃんに 幅瀬の坊主か。
『導師』を呼んでくれ、サミメの先生でも良い」

 「わかりましたっ」

男は、結社関連の仲間のようだ。二人は緊張した顔つきで事態を見てたが
彼の言葉に力強く返答すると、足早に立ち去っていた。

 貴方は死者の女へ コートで視界を封じ、更に遠隔操作させたナイフで
足に損傷を与えると共に背後に回り、そして再度残る足に損傷を加える。

 ドサッ……ッ。

 とし「良い腕してるな、あんた。『結社』に入る気ないか?
あんたなら、直ぐに導師になれる気がする  ―ふんっっ」

軽口を叩きつつ、男はブラックジャックを止めとばかりに倒れ込んだ女の
後頭部へと振りかざした。……女は動きを止めた。

    ――メリークリスマス。助けに来たわよ

    私の『仕事相手』をね

死者の女を再起不能にしたと思われる所で、若い女性で聞き覚えのある声がした。
 『目』で確認も出来る。あれは……夢で邂逅した彼女だ!

 とし「! 君はっ」

結社の彼も、彼女とは知り合いのようだ。死体の女から目を離すと
そちらに顔を向けて顔を僅かにだが綻ばせた。

 ……?

『目』で、貴方は彼女の方向を見るからこそ理解出来た。

 ……『シュン』は、この遠隔操作が可能であろうスタンドが倒されたのに関わらず
人垣の向こう側で、こちらを観戦しつつ。

   ……『哂っている』

325薬師丸 幸『レディ・リン』:2018/01/03(水) 22:17:24
>>323-324(GM)

(あれは…………)

間違いない、あの夢で逢った女性だ。
話せる相手。状況的にも仲間だろう。

(スタンド使いの女が一人と、
 スタンド能力で出来た何か。
 それと乱入者。数はあってる)

あの死体のような女は謎だが・・・
スタンドで作られた人形か何かか。

であれば本体がまだ残っているだろう。
本体が斃れても動くスタンドも有り得るが、
そういう低い可能性は一旦頭から排除する。

「や。さっきの仕事の続きがあるの。
 それで、この場はもう片付いたの?
 そうじゃないならそいつをさっさとやっちゃおう」

死体のような女。
耐久力は高いと考えていいだろう。
倒せたように見えるが油断は出来ない。

「それと、そいつの使い手はまだ残ってる?」

『レディ・リン』は両手の掌を三度、打ち鳴らす。
そのときに一つずつ、合計三つの『金鈴』を設置。

見ておくのは――――『人垣』だ。
敵はそこにまぎれている可能性が高い。

327『追跡変奏曲』:2018/01/04(木) 18:42:22
>>325(薬師丸)->>326(小石川)

夢の中で同席した貴方達は邂逅を果たした。
 薬師丸は鈴を新たに付随させて、目前の敵を定める。
小石川は、『とし』に対して援助を申し出た。

とし「ちょっと待ってくれ。急に色々言われても困る……
この動いていた死体の女についても不明だし、一体君は……」

そう、困惑を隠しきれない表情で小石川に彼が返答する時だ。
 大きな拍手が鳴り響いた。


  パチパチパチパチパチパチパチパチッッ!!

シュン「いやぁ!! 見事な手際だ!! 精彩(素晴らしい)!
精彩精彩!!!! 惚れ惚れする!! 
 そこまで鮮やかに、肉体を破損させる手技!! 我々の部下に
是非欲しいぐらいだ! 哈哈哈哈哈哈ッ」

薬師丸にも、『敵』は一目瞭然だった。急に拍手しだし、周囲の野次馬に
引かれている事も気にせず饒舌に演説し始めたグレースーツの男。
 脇には少し彼より大柄な男が、大木のようにじっと立っている。

シュン「哈哈哈哈哈哈……余裕と思うカ?
御仕舞さ、御仕舞なんだよ小姐 (シャオチエ)
 俺はもう終わり。あの死に鎌を、一瞬だけ命を再現させる女を
捕獲できなかった時点で、俺はもう御仕舞なんだョ゛
 ……一点也不(ただじゃすまさねぇ)
我が力 『天路』と……」

 ――ガシッ。

とし「っ!? この、女……ッ。まだ動け……っ
ぐっ……はな れ    が
 あ   あああああああぁぁぁぁぁぁ゛ぁ゛……っ!!!?」

  ビキ   ビキビキビキビキビキビキ

とし「ああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛

     ―――ア   ア゛   ア゛ ゥ゛」

シュン「――借り受けた、死徒の術。『死了都要愛』が……
阻むもの全てを……死了(屍に変えてやろう)」

 それは、正に突然であった。

倒れていた死体の女、その腕が……小石川や薬師丸が牽制をする間もなく
『とし』の足首を掴んだ。
 彼が抵抗してブラックジャックを、その死体の女の腕に振り下ろし一撃を
加えもした……が、僅か数秒で。
 生気のあった顔は青白く、力強い光を伴なった瞳は白濁色へ。

 ……『とし』は生気のない『動く死者』に変貌した。

 シュン「……そっちの、白髪の女も邪魔者だな。
この町の奴等は、どいつモこいつモ目障りな蛆虫共だ。
 不管我是准(誰であろうと構わん) 死了(屍にしてやる)」

 とし『……グ  ゥゥ゛ゥ゛ …………』  チャキ……

 『シュン』は薬師丸に体を向ける、もう一人の男もだ。
距離は約4mほどある。

『とし』は、両手のブラックジャックを構えて小石川を見る。
 ……下手な動きをすれば、直ぐに其の鈍器を振りそうだ。
距離は、肉薄して話してた事もあり1mもない。

 野次馬達は、これは何かしらの撮影かと思い
ざわめきつつも動いていない。人垣は薬師丸と小石川を
分断するようにして一列に並んでる。

328『追跡変奏曲』:2018/01/04(木) 18:47:11
>>327(追記)

 尚、最初に小石川と対峙した『死体の女』は
『とし』を『死者』に変貌させた後に手を離して完全に沈黙した。
死体に関しては、『とし』が死者に変えた後も特別に何かしら
変化が生じたりはしていない。ただ、完全に動く気配はない。

329薬師丸 幸『レディ・リン』:2018/01/04(木) 22:14:38
>>327

「…………なるほどね」

≪そっちの相手、任せても大丈夫?
  それとも、私もそっち行った方がいい?≫

人垣の向こうに確認を取る。
可能なら『拘束』してしまいたい相手。
場合によっては相手を交換すべきか。

有無を言わさず加勢する事も考えたが、
この二人組の注意を惹きつけるのも必要。

「えーっと、それって中国語かしら。
 『爆買い』に来たって雰囲気じゃないわね」

自分の側にいる敵は二人。
片方は『死者を操る』能力と、
『死者を伝染させる能力』って所か。

もう片方の男はよくわからないが、
ただの人間でも多少骨が折れる体格。

(想像よりめんどくさい相手ね。
 自分から触れても『死体』に出来る?
 あんまり近付いて殴りたくはないけど)

「私も無関係の人間を助けるほど、
 正義のヒーローってわけじゃないんだけど。
 あんたは運が悪い。私の仕事相手に手を出した」

        「責任は取ってもらうわよ」
 
スタンドと共に歩み寄る。警戒するのはガタイの良い男。
死体を操作する能力者を守る『ボディーガード』の可能性は高い。

                (……とりあえず対応を見よう)

『レディ・リン』は化粧ポーチを取り出しながら鈴を取り付ける。
サイズは硬球ほど。そして、それをシュンの顔面へと投擲する。
鈴紐は利用しない。投擲の速度を追求し、対応手段を確認する。

330<削除>:<削除>
<削除>

331小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/01/04(木) 23:53:47
>>327

聞きなれたシュンの皮肉めいた言葉も、もはや心には響かない。
自分が助力を頼んだ男性が変貌していく様を目撃し、悲愴な表情を浮かべて目を伏せる。
こうなってしまったのは、他でもない自分の責任だ。
私が彼に助けを求めたりしなければ、こんなことにはならなかった。
助けを求めてはいけなかった。
それなのに――。

  「……申し訳……ありません……」

  「全ては――全ては、私の責任です」

  「……ごめん……なさい……」

先程の死体の女性も、こうして屍に変えられてしまった哀れな犠牲者だったのだろうか。
それを、自分はこの手で容赦なく斬り裂き、突き刺し、抉り抜いた。
私が犯してしまった罪は、あまりにも深く、大きすぎる。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
自分が負った罪の重さに心が折れ、気力を失った身体が崩れ落ちる。
同時に、『スーサイド・ライフ』が手の中から消えた。
二度と立ち上がることなく力なくうなだれて、神父の前で懺悔する敬虔な修道女のように、鈍器を握る男の前に跪く。
そして、自分の頭に鈍器が振り下ろされるのを待つ。
それが自分に下されるべき罰であり、罪から解放されるための赦しでもあるのだから――。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

一瞬、頭の中に、そのような光景が浮かび上がった。
それは強い誘惑だった。
何よりも甘美な死の誘惑だ。
あれが頭部に叩き付けられたなら、頭が砕けて私の命は尽きるだろう。
自分の手で自らの命を絶つわけではないのなら、きっと彼も許してくれる。
一瞬、そう考えてしまった。
けれど、私の心はその誘惑に抗った。
イルラに話した通り、私には死ねない理由がある。
だから、この誘惑に屈してはいけない。

『目』は、まだ接合していない。
そして、背後を警戒するためだけに、『目』を切り離していたわけではない。
『目』は常に背後に配置していた。
眼前に立つ『とし』には、私の背後にある『目』が見えない。
つまり――気付かれることなく奇襲が可能だ。
自分自身は動くことなく、『とし』の顔に向かって背後の『目』を飛ばす(破ス精DCC)。
『目』の軌道は、自分から見て『とし』の左側面に回り込むような形で、顔を狙って飛ばす。
当然、これで攻撃しようとは考えていない。
自分は、すぐに飛び出せる体勢を整え、『とし』に隙が生じるのを待つ。
『とし』が『目』を攻撃してきたなら、可能な限り回避する。
眼球という小さな的であり、スピードが同等であるなら、避けることも不可能ではない。
もし破壊されたとしても、注意を引くという役割を果たせたなら、それで十分だ。

先程の死体の女性のような腕力に鈍器が加わった際の威力は、確かに恐ろしいものだろう。
しかし、それよりも遥かに恐ろしいのは、頭を砕かれて自分が流した血の海に倒れることを喜ぶ自分自身だ。
それに比べれば、肉食獣のような膂力も、その豪腕で振られる武器も、恐ろしさの内には入らない。

>>329

  ≪……こちらは大丈夫です≫

  ≪出会ったばかりで申し訳ありませんが……そちらをお願いします≫
 
  ≪彼ら――『死体』となった人間の力は人間以上のようです≫

  ≪どうか……気を付けて下さい……≫

スタンドを通して、夢で邂逅した少女に呼び掛ける。
まずは目の前の危機を退ける。
少女との合流や、向こうの二人に対応するのは、その後だ。

332『追跡変奏曲』:2018/01/05(金) 19:53:19
>>329(薬師丸)

 貴方は推測する。敵は死者を操る能力、若しくは死者を伝染する能力。
だが、周囲を見渡す事で新たな発見もある。
 まず、周囲には『野次馬』が各種色々と反応しつつスマホなどで撮影などして多数いる。
異常なほど楽観的なスタンド使いじゃなければ、ほぼ一般人だ。そんな恰好の『獲物』になりえるものを
『シュン』と言う男は全く手を出してないし、死体の伏兵も居ないようだ。
 
 『鈴』を化粧ポーチに取り付け投げつける。それを見て、鋭くシュンは告げる。

「『紫金』 わかってるなっ!」  ――キンッ……

シュンの脇にいる男、紫金と呼ばれたガタイの良い存在は命じられるまでもなく
彼を守るように鈴を払い落とす。彼らの一メートル手前に落ちた。
 薬師丸に対し、その男はスタンドを発現したり接近して攻撃する様子はない。
……良く見れば、彼の目は濁っている。これも、このボディガードも死体だ。
 今や動く死体と化した仕事相手(とし)と、目の前の動く死体である男。
これ以外に、新たな死体は短い時間だからかも知れないが居ない。
 増殖させる方法も、もしかすれば存在するのかも。それでも、自暴自棄と
化して襲い掛かってる彼が、その方法をとらないのも可笑しな話だ。

「鈴……どう言う力だ? ……ふんっ、まぁ良い。紫金の壁を貴様のような
極東のカス如きが防げるとは思わん……『天路』!」

  ……キラッ

シュンが声を張る。然しながら、目立ったスタンドヴィジョンらしきもは薬師丸に見えない。
代わりに、彼の足元の降り積もった雪が一瞬煌いた……。

 シュン「さぁ、来いよ……」

>>331(小石川)

後悔 懺悔 心の中に迸る悲哀の痛みは、肉体に走るナイフの傷より遙かに鮮烈だ。
 それでも、貴方は約束を守りぬく。

死角から飛来させる『目』 それに対して、今やリビングデッドと化す『とし』の
反応速度は……予想以上だ。

 とし『グッ……ァッ゛ッ!!』   ブォンッッ! グシャッッ!!

! 予想以上の反応速度だ。元々の身体能力も高いが死体となって高まったのか
精密さと速度、パワーを誇る(パス精BBB)ブラックジャックの一撃が目を襲う。
堪らず、分離された目は破壊され 塵と化して消える。再生時間は20秒掛かる……。
 そして、その恐ろしい攻撃の追撃は……。

 とし『……ァ  …ァ゛  グ……ァ゛』

 ……来ない。

青白く、土気色の『とし』は。体を痙攣させつつ動かない。
そして、苛立つように先ほど死者の女に掴まれた右足首より少し上を
『拭うように』別の足に擦りつける。その様子は、何か抵抗してるように見える。

シュン「っ ちぃっ、普蛇の支配が完全じゃないかっ。あのカスの無能がっ!
使い手じゃなければ、直ぐに傀儡に出来る話じゃなかったのか!
 さっさと其の小姐を仕留めろ!」

 シュンの金切り声に近い命令が響く。すると、としは未だ呻きつつも
足を動かすのを止めて、ブラックジャックを構え直した……。

333薬師丸 幸『レディ・リン』:2018/01/05(金) 22:45:42
>>332(GM)

(――――あの大きい方も死体。
 しかも『レディ・リン』に反応出来る速さ。
 あらためて、とんでもない能力ね。
 でも『指示』をした。『合図』かもしれないけど……
 同じ人間なら『判断能力』には限界があるでしょ)

(普通のスタンド使い二人相手よりはずっとマシね)

状況から察するに死体にするには条件か、
時間、準備、人数、何かしら制限があるらしい。

「天路ってのがあんたの能力の方ね。
 1人で能力が二つあるなんて、
 ずいぶん贅沢だけど…………」

(だとしたら、本命はそっちの方かな。
 雪。踏んだらまずい? それとも……)

払い落された鈴は鳴るだろう。
――――そこで『幸運』を呼び込む。

最も近い生命体に『ごく小さな幸せ』が舞い込む。
敵に塩を送る形だが、一つ分なら問題ない。

これによって『死体は生物なのか』
『雪はダメージフィードバックのあるスタンドか』
『死体使いのシュン自身は生物か』を調べる狙い。

「それじゃ、試してみる?
 私の『レディ・リン』がどこまでやれるか」

スタンドを少しずつ『シュン』達へと接近させる。
一気に最後まで接近しきるわけではない。
距離を詰める動きだ。『近付いてきた』と思わせる。
まあ実際に近付いているわけだし、その気ならすぐ詰められるが。

スタンドは浮遊しているので普通なら踏まないが、雪には気を付ける。

334小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/01/06(土) 03:40:37
>>332

  「――……」

必死にシュンの命令に抗うとしの姿を見て、無言のまま目を細める。
自分と戦っているような彼の姿が、死の衝動と戦う自分自身の姿と重なって見えた。
あの足の動き。
死体の女性に掴まれたのも、同じ場所だった。
そこに、彼を救う手掛かりがあるのかもしれない。

しかし、今は考えるよりも前に、事前に狙っていた行動を優先する。
そのために『囮』を放ったのだ。
追撃は来なかった。
だが、そんなことは関係ない。
追撃が来ても来なくても、それは予定の行動に何ら影響を及ぼすものではない。

としの注意が眼球に向いた瞬間に、獲物に飛び掛る野生の豹を思わせる勢いを以って、やや斜め前へ飛び出す(スB)。
そして、こちらから見てとしの『右側面』をすれ違うようにして、一陣の風の如く駆け抜ける。
死体となった彼の速度は、こちらと同等のようだ。
スピードが同等だというのなら、隙を突くという利を得た側が上回るのは必定。
『目』を『左側面』から回り込ませたのは、『右側面』に対する注意を疎かにさせるためだ。
また、余計な動作を省くという意味もあった。
現在、『スーサイド・ライフ』は左手で握っている。
相手の『右側面』を突くことで、ナイフを右手に持ち替える手間なく、速やかに攻撃に移ることが可能になる。

  「……ごめん……なさい……」

ナイフのリーチに入った段階で、『スーサイド・ライフ』の鋭利な刃を、相手の左肩の『肩関節』に突き立てる(破ス精CBB)。
それだけでは終わらない。
ナイフが突き刺さった瞬間に、素早く手首を反すことで傷口を抉り、この戦いの間は使い物にならなくなるように破壊する。
最後に、ナイフを引き抜く勢いに乗せて、傷を更に深く大きく抉りながら、すれ違うと同時に『斬り裂き抜ける』。
これら一連の動作を、『熟練の兵士』さながらの淀みのない動きで、流れるように実行する。
『ナイフのプロフェッショナル』としての卓越した技量を駆使すれば、そう難しい行動ではない。

できるなら、彼に重傷を負わせたくない。
しかし、下手に手加減しようとすれば、こちらが再起不能にされてしまう危険がある。
全力で戦わざるを得ない。
彼には一度助けられた。
その彼に刃を向けることに計り知れない罪悪感を感じ、表情が暗く濃い陰を帯びる。
心が引き裂かれるような痛みを堪えながら、目の前の戦いに意識を集中させる。

眼球が破壊された際に感じた苦痛は、唇を噛み締めて耐える。
破壊されることは最初から覚悟していたことだ。
この痛みが、行動の妨げになることはない。

眼球の残骸は解除しておく。
残骸の状態でも動かせないことはないが、今の状態では『目』としての機能は望めない。
それを考えれば、一度消してから再生を待つ方が都合がいい。

攻撃を終えた後、としの方向に向き直ると共に、後方に飛び退いて距離を取る。
そして、としの動向を窺いながら、再び『右手』を切り落とす。

  「……シュンさん」

  「あなたのお時間を割かせてしまって申し訳ありません……」

  「差し支えなければ……もう少々お待ちいただけますか?」

  「じきに――そちらにも伺います」

あたかも闇のヴェールを纏っているように濃い陰を帯びた表情のまま、シュンとは対照的に感情を表に出さない淡々とした口調で、死体に命令を下すシュンに告げる。



(※『スーサイド・ライフ』の再生は解除された時のみ起こります。破壊されただけでは再生は起こりません)
(※次レス以降、『目』が再生を終えるまでの残り秒数を逐次明記していただけると助かります)

335『追跡変奏曲』:2018/01/06(土) 22:28:32
>>333(薬師丸)

>1人で能力が二つあるなんて
 >ずいぶん贅沢だけど…………

「オ前、何を言ってる? ……ん、そうか。
いや……ふんっ、勘違いしてくれるなら、それで良い」

貴方の言葉に『シュン』は、何やら嘲笑う調子で頷く。
 見解に齟齬が生じてるようだが、それは結果を見れば解る。

『シャンッ』……。

 シュン「許しを乞う暇もなく、潰す……ン? 
何だ、この金は……ちっ」

 シュンはスーツの中に忍ばせていたのだろう特殊警棒を出し
チャキッと先端を伸ばす。その拍子で、一枚の紙幣も一緒に出るが
この状況では、邪魔だとばかりに彼は舌打ちを出した。
 死体の男には、特に何か生じた様子はない。つまり『生き物でない』

 じりじりと、『レディ・リン』が近づく。それに対し……

シュン「仕掛けるのを易々と見逃すカッ 『天路』ッッ!」
   
       ――ブワァッ!
! 雪が、舞う。いや……レディ・リンに対して飛来する粉雪、と思えた物。
それは『雪虫』だ! 大量の雪虫が、貴方のスタンドを包囲するように舞う!
 このまま何もしなければ、この大群がレディ・リンを覆いかねない!

>>334(小石川)
 (能力の読解不足で申し訳ない。このレスより20秒経過で
『目』が再発現可能とする。1レスにつき10数秒の経過を予想するので
次のレスで『目』の再発現が出来ると考えて良い)

 『目』の痛みが、虚空の窪みとなった眼球のあった場所を襲う。
だが、それも心の痛みを想えば取るに足らない。
 『スーサイド・ライフ』を扱う貴方の敏捷性と精度は、まさしく達人だ。
――ザシュ ッ……ッ
とし『……ッ ……』

 左肩は大きく裂け、大きな傷口が破れたスーツの奥より覗く。死体化してる
影響で出血はないもののダメージが深刻なのは明らか。負傷した腕はダラァンと下がる。
 
とし『…………』ググッ
然し、死者と化してる彼には激痛による停滞と言う思考はない。残る右腕を曲げて
有名な映画俳優がヌンチャクを振るようなポーズと共に、貴方に体を向ける。

右手の切り落としは問題なく行える。互いの距離は約3m程
 
シュン「あぁ゛ぁ゛!!? やってみろっ、小姐 (シャオチエ)
『死了都要愛』を! お前が打ち破る事など決して出来ン!
 さっさと、やれぇ『普蛇』ぁ! 何の為に、お前を使役してると思ってる!」

貴方の、零度すら感ずる言葉に対して気炎を上げてシュンは怒鳴る。
 彼にとっても、組織の命令を遂行できてない時点で先行きは無い。
失うものが先にない彼に、静かな恫喝は無意味と言う事か。

 野次馬は騒がしい。

『それにしてもすごーい、あの死体の動きしてる役者ー。特殊メイク?』

『中国映画みたいねー』

336薬師丸 幸『レディ・リン』:2018/01/06(土) 22:51:27
>>335(質問)

・『レディ・リン』とシュンの距離はどの程度でしょうか。

・『錆び鈴』はシュンのどの部位に付着したでしょうか。

・『天路』の雪虫の速度はどの程度でしょうか。

337『追跡変奏曲』:2018/01/06(土) 23:23:11
>>336(回答)

・『レディ・リン』とシュンの距離はどの程度でしょうか。
約一メートル半 その間に『死体の男』が少し重なる立ち位置に居る。

・『錆び鈴』はシュンのどの部位に付着したでしょうか。
右の足先

・『天路』の雪虫の速度はどの程度でしょうか。
人並み(スC)

338薬師丸 幸『レディ・リン』:2018/01/07(日) 01:36:56
>>337(回答)
回答に感謝します。

>>335(GM)

(こいつもよくしゃべるタイプね。
 それだけ『自信』があるんだろうから、
 舐めてかかる気はさらさらないけど……)

(向こうが舐めてくれる分には、すごく助かる)
 
「ッ! 雪みたいな虫……『レディ・リン』!」

『合図』『普蛇』『勘違い』
操作する『雪虫』と、指示を飛ばす『死体』
敵の戦い方のピースは埋まりつつある。

要は、もう一人いる。あるいは『いた』のだろう。
どこにいるのか、あるいはどこに行ったのかは、
今から判断するのは難しい。少なくともシュンを倒すまで。

             ダッ

地を蹴らせ、『レディ・リン』を後退させる。
地を蹴らせ後退……それだけではない。
なぜ『レディ・リン』を一気に近づかせなかったのか。
答えはシンプル。シュンまでの距離を0にしないため。

>>333メール欄『kp蹴り準備』=化粧ポーチ蹴り準備)

――――接近の狙いはシュンから1m手前、『化粧ポーチ』だ。

後退の際、地を蹴る脚で巻き込むように『化粧ポーチ』を蹴り飛ばす。
距離0.5mなら脚をわずかに伸ばせば問題なく当てられるだろう。

・・・若干、曲芸染みた動きになるだろうか?
あるいは紫金が邪魔で当てづらいだろうか。
それも問題ない。『レディ・リン』は超精密(精A)だ。
そして雪虫が追い付くより行動は早くなるだろう(スB)

蹴り飛ばす狙いはシュンの顔面。尤も『無理に狙う』気はない。
後退を最優先にし、可能なら速度と精度を活かして行うというだけ。

339<削除>:<削除>
<削除>

340小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/01/07(日) 03:31:02
>>335

としの受けた肩の傷が視界に入る。
見るからに痛々しい傷跡。
思わず目を逸らしたい衝動に駆られる。
しかし、逸らしてはいけない。
彼が負った傷は、自分の行動の結果なのだ。
今この時、自分が人を傷付けているという事実を動かすことはできない。
それは、私が背負うべき罪。
私は、それを受け止めなくてはいけない。
今の彼が痛みを感じない身体になっていることだけが、せめてもの救いだった。

  「――ごめんなさい……」

彼を傷付けたのは、他ならぬ自分自身だ。
謝るだけで許してもらえるなどとは考えていない。
それでも、謝罪の言葉を口にせずにはいられなかった。

片腕は奪った。
しかし、油断はできない。
としの動きに警戒しながら、その場から更に1mほど後ろに下がる。
そして、『スーサイド・ライフ』を『手』に突き刺し、そのまま腕を振るって勢いよく『手』を投げ放つ(破ス精CBB)。
狙いは胸だ。
本体は身体を少し前に傾け、やや体勢を低くした状態で構える。

同時に、としの構えにも注意を払う。
鈍器の主な使用法は殴打。
普通は距離が開いていれば届かないが、使い方によっては届く場合もある。
今、相手は片腕が使えない状態だ。
壊れた腕で握っている鈍器は、もはや用を成さない。
しかし、腕が一本しか使えないということは、逆に言えば手元に残しておく鈍器は一つで十分ということでもある。
だからこそ、相手が鈍器をどう使うかに対しては、大いに警戒すべきだ。



(※次のこちらのレスで『目』の再生が完了すると考えてよろしいでしょうか?)

341『追跡変奏曲』:2018/01/07(日) 18:39:25
>>338(薬師丸)

 シュッ タンッッ   バシッ……ッ

シュン「がっ……紫金! この木偶人形がっ!!
ちゃんと俺の攻撃を阻め! この役立たずがっっ!」

 雪虫の大群 『天路』が『レディ・リン』を包囲して覆う前に
後退すると共に化粧ポーチを蹴りぬき、シュンの顔へと当てる!

スピードや精度が合わされば、人型の壁を掻い潜り当てる事も造作ない。
 シュンは強かに額へとポーチが直撃して、痣が出来上がる。

シュン「この餓鬼ガっ……絶対に許さん」

 ブゥゥン……。

『天路』は、『レディ・リン』を捕縛するのを失敗すると。再度
積雪の地面へと混じるように降り立った。

>>340(小石川)
(再生の認識は、それで間違いない)

とし『ガ……ゥ  グゥッ゛!!』

 ――ブゥン   バキャッ!

 貴方は一メートル後退して『スーサイド・ライフ』と『手』を合わさったものを
としの胸目がけて飛来させる。
 だが、傀儡となった彼の元々のポテンシャルは>>332先ほど目にしたばかりだ。

ブラックジャックが振られ、飛んできたナイフと手を地面に叩き落とす。
 
 ヒョイッ パク。  ……ブンブンブンブンブンブン……ッ!

貴方の後退に対し、傀儡となっている『とし』は追撃を起こさない。
 振ったブラックジャックを口に咥え、負傷した手に携えていた方の鈍器を
まだ健在な手に持ち直して回転させ始める。

とし『……グ  ゥ  ゥ゛』  ガリガリ……

? また、妙な動作を彼は行う。ズボンの上から、先程 死者の女に掴まれた足の
太腿付近を、負傷した手で掻いた……。

342薬師丸 幸『レディ・リン』:2018/01/07(日) 20:47:30
>>341(GM)

「元から許す気なんてないくせに。
 それに、許さないのは……私も同じ」

この状況。頑なに接近してこない。
『雪虫』の速度は並みにあるのだし、
飛ばしてくれば厄介なのだが……

単に作戦としてやっている事なのか、
それとも『飛ばせない理由』があるのか。
それは射程なのか、何らかの条件なのか。

(こっちから攻める手を考えなきゃ。
 ただ小物を投げてるだけじゃ倒せない)

本体とスタンドは少しだけ後退する。

『レディ・リン』の右手の甲に――『硬球』程の鈴を取り付ける。
そして、ひそかにそれを少し引き出し『鈴紐』を発現しておく。

攻めの起点となる武器。この相手には『レディ・リン』の総力で挑む。

343小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/01/07(日) 22:57:58
>>341

(※分かり難い表現で申し訳ありません。
  『スーサイド・ライフ』は投げていません。
  投げたのは『右手』だけです。
  『スーサイド・ライフ』は左手に握ったままです。
  左手で持っている『スーサイド・ライフ』の刃を、前々レスで切り離した『右手』に突き刺し、破ス精CBBで左腕を振ることで『右手』を飛ばしたつもりです。
  お手数ですが、これを踏まえた上で再度の判定をお願いします)

344『追跡変奏曲』:2018/01/08(月) 09:01:08
>>343
了海しました。
 >>341での『とし』の迎撃の行動に変化は生じない。
ブラックジャックは直撃し、分離した右手は僅かに損傷して地面に墜落する。
 『スーサイド・ライフ』を小石川が保持してる事以外に特別に
判定に変化はないものとする。

345小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/01/08(月) 13:16:05
>>344

対応に感謝します。

>>341

死体となった彼の動きが超人的であることは既に経験している。
ただ正面から物を投げつけただけでは、容易く迎撃されることは織り込み済みだ。
だからこそ、何の策もない手など打つはずがない。
これが単純な投擲なら、一度投げてしまったらそれまでだろう。

                                パーツ
しかし、投げ放ったのは単なる物体ではなく、自分の『部位』だ。
すなわち、自分の手を離れた後であろうと、遠隔操作で軌道変更が可能であることを意味する。

>>340 RC(Remote Control=遠隔操作)・UP(上昇)
これにより、投げた後に『右手』を遠隔操作して軌道変更を行い、急上昇させる。
本当に狙っていたのは、胸ではなく顔だ。
『右手』を顔面に取り付かせることで視界を封じる。

当然、あのパワーなら一瞬で引き剥がされることは理解している。
しかし、いくら力が強いといっても、ただ首を振ったりする程度で外せるはずがない。
剥ぎ取ろうとするなら、どうしても『腕』を使わなければならない。
そして、現在としの片腕は使い物にならなくなっている。
つまり、必然的に『無事な方の腕』を使わざるを得なくなるということだ。

先程、腕を一本破壊したのは、相手の攻撃力を低下させることが第一の目的だった。
だが、それだけではない。
片腕の破壊は、この視界封じの布石でもある。
まともに使える腕が一本しかないということは、別々の行動を同時に行うことはできない。
最初の死体の女のように、片腕で『右手』を剥がしながら、もう片方の腕で攻撃するいう行動は不可能になる。
それが意味する所は、『右手』に対処しようとすれば、それと引き換えに攻撃の手が止まるということだ。

そして――私は、その隙を決して逃さない。

相手が『右手』を引き剥がさずに放置するというなら、そのまま視界を塞ぎ続けるまでのこと。
視界封じさえ成功すれば、どう対処されようとも問題にはならない。

視界封じの成否に関わらず、再び『右目』を抉り取り、本体の傍らに浮遊させる。
さらに、自らの『首』を根元からナイフで『刎ね飛ばす』。
クリスマスに相応しくない凄惨な場面を観衆に見せることになるが、止むを得ない。
これが『スーサイド・ライフ』の本体である自分でなければ、噴水のような勢いで鮮血が吹き出て、スプラッター映画のような光景になるところだろう。
しかし、出血は一切ない。
眼前に立つ死体となった彼と同じだ。
切り落とした『頭』は浮遊させ、本体から5m引き離す。
方向は、本体から見て自分の左側だ。
可能ならば、現在の距離からじりじりと再接近し、1mほど距離を詰めたい。

346『追跡変奏曲』:2018/01/08(月) 14:54:18
>>342(薬師丸)
 
 攻めて来ないのは、策か、ブラフか?
小さなダメージを積み重ねれば、相手も疲弊はするし
勝利への道は幅広くなる。だが、それを簡単に許しもしないだろう。

 貴方の後退に対して『シュン』は動かない。
舌打ちをしつつ黙認をして、軽く小石川のほうに目を走らせる。

  ――『普蛇』だ。確実に勝つには『普蛇』がいる……
 
口の動きだけで、そう呟くのが見えた。

    ……ジッ

それと共に……貴方は『視線』を感じた。好意的ではないが
敵意も感じない視線をだ。曲がり角から感じられる……。

>>345(小石川)
 
 シューッ  パシッ

 とし『…………』 ギギギ

 『スーサイド・ライフ』の強みは『遠隔操作』分離した肉体を
自由に動かせる。その長所を活かして、としの顔面を右手が覆う。

 対して、としは反応を見せない。死体化してるのだから仕方がないと
言えば、仕方がないのかも知れないが。手が覆っても首を振るなどして
引きはがそうとする気もない。無反応と言える

 ただ、無言でブラックジャックの加速を強めている

 シュンシュンシュンシュンシュンシュンッッ

 その隙に、貴方は自身のスタンドで首を刎ね飛ばすッ!
群衆のどよめきを受けながら、目論見通りに五メートル左方向まで飛来する。

    ……スッ

 !!?

        ――ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 『とし』が……貴方が首の飛んだ方角へと、体を向けた。

 まるで、『完全に捉えてるように』 貴方の首の飛来してる方向に
白濁の眼球は手で塞がれながら、何て事のないように その方角へと……!

 シュンシュンシュンシュンッッッッッ!!

 一層と、ブラックジャックの回転が増した……その回転の破壊力が
まともに、いま切り離した頭部に当たるとしたら 想像したくない。

347小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/01/08(月) 17:22:27
>>346

ブラックジャックを回転させている、という図が今一つ頭の中で想像できません。
どういう風に回転させているのか詳しく説明していただけないでしょうか。

348『追跡変奏曲』:2018/01/09(火) 16:40:16
>>347
 描写抜け失礼。
『とし』の持ってる武器は、登場の際も説明したが
紐丈のもの(正直に表現すればブーメランパンツ)に
クリスタルの鉱石を括り付けた、簡易的なブラックジャック。
 脇の下あたり位置で手首のみの縦回転で現在遠心力が最大に加速してる

349薬師丸 幸『レディ・リン』:2018/01/09(火) 17:51:40
>>346(GM)

ここまでの見立て通りなら『罠』で間違いない。
そしてそれほどに受動的な発動条件ならば、
一度発動してしまえば『強烈』な可能性も高い。

(『普蛇』っていうのが人間だとして、
 人間を二人同時に操れるような能力。
 普通に考えたら、相当近くにいるはず)

視線を感じている。
謎の視線……この状況で、敵意のない視線。
仲間になり得る人間は今思いつかないが、
そもそも『好意』を感じるわけでもない。

「『シニカルマン』……そこの『曲がり角』にいる人は、見える?」

極めて小声で、チラシに話しかける。
口元は隠すが、この距離で小声ならまず聞こえないはず。
向こうは向こうで独り言をしているのも、この状況ならありがたい。

(あいつにとっても普蛇ってのは鍵でしょうけど、
 私にとってもそう。護衛さえいなきゃ、攻めやすい)

やや西向きに、曲がり角に寄るように……
しかし主には南に、敵に迫るように動く。
次の攻めに転じるには2〜3m程度の距離が良い。

あえて罠を踏みながら攻めるという手もあるが、
それには厄介な『紫金』が邪魔になっている。
一撃を防がれ、カウンターだけもらうはめになりかねない。
リターンが見込めそうにもないリスクを許容するつもりはない。

350小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/01/09(火) 18:50:49
>>348

回答感謝します。
最初の描写を忘れていて棍棒だと思い込んでいました。
失礼しました。

>>346

   ――なぜ……?

としの行動を見て、脳裏に疑問が浮かんだ。
彼が『右手』に対して無反応だったことに対してではない。
最初に現れた死体の女性が『右手』に対して反応していたことに対する疑問だ。

彼女は、片手で『右手』を引き剥がしながら、もう片方の腕を伸ばしてきた。
死体になった人間が、視界に関係なく標的の位置を掴めるというのなら、なぜ彼女は『右手』を引き剥がそうとしたのだろう。
なぜ、としのように『右手』を無視しなかったのだろうか。

視界を封じられても問題がないというのなら、顔に取り付いていた『右手』に構わず、両腕で掴み掛かってくる方が確実だったはず。
それなのに、彼女はわざわざ片腕だけで掴み掛かってきた。
そこに、この能力の手掛かりが隠されているのかもしれない。

しかし、今はそれよりも重要なことがある。
振り回される鈍器――それを彼がどう使うかは明白だ。
想像したくない。
だけど、想像してしまう。
強力な破壊力を備えたそれが頭部に直撃し、頭蓋骨を粉々に打ち砕く光景を。

   ――……。

   ――なんて……。

   ――なんて……素晴らしいことなんだろう……。

心が強く打ち震える。
それは恐怖によってではない。
圧倒的な『喜び』と、それがもたらす『恍惚』によるものだ。

     パーツ
頭部は『部位』だ。
原型を留めない程に破壊され尽くしたとしても、その直後に再生が始まる。
しかし、それが完了するまで意識は消失する。
完全な無防備j状態。
その間、相手が待っているはずがない。
当然、その間に止めを刺されるだろう。

        『 死ぬ 』 

     『 この命が終わる 』 

   『 愛する人の下に旅立てる 』

自分にとって、その素晴らしさは筆舌に尽くし難い。
この世界の中に、これ以上の幸せは存在しないと思える程の大きな『喜び』を感じる。
早く殺して欲しいという欲求に、一時的に心が支配される。

その時、左手の指輪が視界に入った。
自分の結婚指輪。
私は、これに二つの誓いを立てた。

一つは、『彼』を愛し続けること。
もう一つは、『彼との約束』を守り続けること。
必ず、それらを守り通さなければならない。

   ――そう……。

   ――私は……私は……。

      『 死ねない 』

わずかに残った理性の欠片を拾い集め、再び心を覆い尽くそうとする内面の衝動を、必死に抑え付ける。
それでもなお、格調高いヴィンテージワインを思わせる『芳醇な死の香り』は、私の心を誘惑し続ける。
少しでも気を緩めれば、今すぐにでも、自らの願望に身を任せてしまいそうになる。

『頭』の位置を移動させる。
今は自分の左だが、それを左斜め後方に移動する。
本体との距離に変更はない。
本体は慎重に1m距離を詰め、相手の3m手前で立ち止まり、いつでも動き出せる体勢を崩さない。
回転させる鈍器が、必ずしも『頭』を狙ってくるとは限らない。
また、口に咥えているもう一つも見落としてはいない。
それを、腕以外の方法で使ってくることも考えられる。

351『追跡変奏曲』:2018/01/09(火) 19:56:50
>>349-350

(……くそっ、苛々する。あの女を取り逃がした事もそうだが。
何故、この俺がこんな餓鬼と 極東の下らない情にほだされた雌猿を
相手にしなければならない? このまま奴から借りた『紫金』と『普蛇』
俺の扱う『天路』で、この二人を潰してもだ……組織に粛清されるだけだ)

シュンは焦りを覚えていた。表情と声では、憤懣遣るせない
自暴自棄とかした獣と振舞うが、対比して心の中は割かし冷静であった。
それは自分自身の今の状況が優勢である事からもだ。
 実際、形成が不利になれば二体を捨て駒にして、何処へなりと逃げ延びる
事が可能か判断する事なく遁走を選ぶ事も考慮に入れていた。
 目を少し走らせれば、ナイフを扱う女(小石川)は『普蛇』に憑依された
男に対し、優しさか甘さ故か攻略する事は出来そうにない。
 ……ふん、勝てる筈もないのだ。『死了都要愛』は核の部分を看破してれば
瞬殺できるが、それを見極めぬ限り 学習し、着実に地力を増す。
 奴の死兵に対しては、小癪だが一定の敬意を湧かずにはいられんからな……。
 いま相手にしてる女も、自分のスタンドと『紫金』に踏み込むのを迷ってる。

(……考えを改めるか。
このまま行けば『普蛇』は、相手にしてる女に『憑依』出来るだろう。
そうなれば、今 操ってる男も中々のポテンシャルだが。異能の使い手には及ばん
 目の前の餓鬼も異能の使い手。
……最初の目的こそ成し遂げないが、異能者二人を捕獲して香港に
凱旋として戻れば……上手くいけば、恩賞になるかも知れん)


      ――二ィ

      (…………よし、それでいこう)

352『追跡変奏曲』:2018/01/09(火) 20:18:28
>>349(薬師丸)

シュン「小心点(見て見な) アレこそ絶体絶命って奴だ。
この人垣を超えて、あの女を助ける事など不可能。
 俺を攻撃してみるか? 辻是不可能的(不可能だ)
紫金をどうにか攻略して俺を攻撃したところで『普蛇』は止まらん。
理解したか? もうすぐ、『普蛇』はあの女に成るんだ」

小石川の様子を見て、確信の意を込めて。
嘲りながら『シュン』は薬師丸に宣言する。一方でチラシのシニカルマンは
こう文面を変化させた。

 『曲がり角  こぜにまくろう 着ぐるみ ラビット 見てる』

 『目的 不明  襲い掛かろうとは してない』

 ……こぜにまくろう着ぐるみ。そう言えば、家電の店でも
広告活動に勤しんでいたが、何故 今……?

シュン「さぁ! 心まで絶望に苛まれ、凍てつくが良イ!!」

  ブワァ……!

積雪から、雪虫が浮上して貴方へ飛来する!(スC)
 貴方を倒す意味合いより、小石川に対し一切の助力を絶つ為の攻撃だ。

>>350(小石川)

頭部の破壊。それは、完全な意識の喪失につながる 
死、ではない。けれど、この状況下では敵は近接にいる。
数秒の意識の喪失も再起不能に繋がりえる。

 未来に対し、背徳的な恍惚が過る。けれど、誓いの輪を目にする
それは、貴方にとっての運命の輪 死神の鎌を跳ねのける 強き小さな
決して絶つ事の出来ない輪なのだから。

 シュンシュンシュンシュンシュンッッッッ

 とし『ガ……ァ゛……ァ』 ガリ ガリ

 遠心力は最大限に達した。これが放たれれば
疑似的な砲弾と匹敵する威力のブラックジャックの投擲(パス精ABC)となるだろう……。

損傷してる腕は、動かす事も困難な筈だが。何かを訴えかけるように
その手は『脇腹』を強く掻きむしるように触れた。
足首から、太腿に、そして脇腹……見えない蛇が這いあがっているかのようだ。

 とし『……ァ゛……グ……   ――ガァ』

    パッ      ゴォ゛

 としの、手の指は 紐から離された。

空気の壁を壊しつつ、貴方の視界の前に クリスタルの輝きが走馬燈のように
ゆっくりと迫ってくる……。

(※描写にはしてないが、二人の移動は問題なく行えている)

353薬師丸 幸『レディ・リン』:2018/01/09(火) 21:24:01
>>352(GM)

(ほしみまくろう……なんでこんなところに?
 あの店からそう遠いわけでもないけど、
 今このタイミングで……なんで私を見てるの?)

ついさきほどはチラシを配っていた。
チラシと言えば『シニカルマン』だが、
彼は正体を知らない様子だ……本当に何者だ?

「これくらいで……絶望もしないわね。
 あんた、私の『レディ・リン』を分かってない」

向こうの戦況は相当苦しいようだが、『助力』は出来ない。
それは小石川の作戦を乱しかねないし、一度『任せた』のだ。
こちらは任せられた。中途半端な手出しをするわけにはいかない。
小石川は倒れていないし、助けを求めてくるような様子もない。

(雪虫は普通に操作もできる……さっきまでしなかったのは?
 油断を誘うためか、それとも何か事情が変わってきてるのか……)

速度的に逃げ切れない理由はない。
後退し、『曲がり角付近』まで移動しつつ『レディ・リン』の腕を振るう。

それにより伸長しておいた『鈴紐』は勢いよく振るわれ、さながら『投げ縄』か、
先端の鈴の重量を考えれば『モーニングスター』のように風を切る(パス精CBA)
もう片方の手で鈴紐の根元を掴んでおき、必要に応じて伸長も行う。
狙うは『シュン』の頭部。紐の変幻自在の軌道は『紫金』に見切れるだろうか。

「…………あんた、誰? なんでそんなところで見てるの?」

「運が悪い一般人なら逃げた方がいいよ。これ、撮影じゃないから」

そして――――後退したのは『謎のゆるキャラ』に話しかけるためでもある。

これは一種、賭け。敵ならばこのまま挟み撃ちにされて終わりかねないが、
先ほど感じた敵意の無さを信じたい。『第三勢力』なら……『取引』は出来るはず。

>小石川

そうはいっても戦況を気にかけてはいる。
何か指示があれば動けるくらいの余裕は残している。
特に指示がないなら、上述の攻撃に全力を注ぐことになるが。

(※小石川PCから指示があれば追記します)

354小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/01/10(水) 03:04:58
>>352

砲弾の如き破壊力を蓄積させた鈍器が、浮遊する『頭部』に向かって解き放たれる。
もし直撃を食らったとしたら致命的だろう。
ただし――あくまで『食らえば』の話だ。

鈍器が手を離れた瞬間に、『頭部』の浮遊を解除(>>350 FLoat=浮遊 CAncel=解除)する。
重力に従って『頭部』を地面に落下させることで投擲を回避する。
その代わりに頭を地面にぶつけることになるが、怪我をしたとしても軽い打撲程度で済むだろう。
『頭部』は、そのまま地面に転がしておく。
最大射程である10m内に存在していれば問題はない。

いかに飛来速度が速いといっても、肉眼で確認することが不可能なレベルの速さではない。
現時点で、本体と『頭部』の距離は5m。
本体ととしの距離は3mだ。
すなわち、『頭部』ととしの間には約8mの距離があることになる。
それだけの距離があるなら、浮遊を解除すれば十分に対応することは可能だ。
ましてや、相手の動向からは一度たりとも目を離していない。
何かイレギュラーな事態が起こらない限り、解除のタイミングを間違えることは有り得ない。

そして、浮遊解除と同時に本体が飛び出し、力強く踏み込む(スB)。
その踏み込んだ勢いを殺さないまま、こちらから見てとしの左側に向かってスライディング(>>350 SLiding)を敢行し、一気に距離を詰める。
すれ違いざま、としの右足の腱を深々と斬り裂き、まともに立っていられないように破壊する(破ス精CBB)。

たとえ痛みを感じなかろうとも、物理的に腱を破壊されれば、少なからず身体のバランスは崩れる。
その直後に、としの顔に配置している『右手』で、としの頭を突き飛ばす(破ス精DCC)。
既に『右手』は、としの顔と完全な密着状態にある。
その状態から、としの顔を押すために必要な時間は、ほぼ皆無だ。
普通ならば、今までと同じように微動だにせず終わるだけだろう。
しかし、足の腱を破壊されて体勢が崩れた直後に、頭という肉体の末端部分を突き飛ばされたなら、全く微動だにしないという訳にはいかない。

その隙に体勢を立て直し、『スーサイド・ライフ』を構える。
刃の切っ先が狙うのは『脇腹』。
本当なら、スライディングして接近した時に、右足の『何か』を斬り裂くはずだったが、それは既に上へ上がっている。
としに取り付いたらしい見えない蛇は、徐々に上を目指している。
おそらくはこれが元凶であり、それが上がり切ったら不味いという直感がある。
それを阻止し、これ以上の凶行を食い止めるために、次の瞬間には、見えない蛇に『スーサイド・ライフ』を叩き込む。

355『追跡変奏曲』:2018/01/10(水) 19:35:46
>>353(薬師丸)

 『レディ・リン』の『鈴紐』を付けた簡易モーニングスター。
それは精密さを兼ね備え、空気を切りつつシュンの頭部目がけて放たれる。

 シュン「一度なら未だしも、二度まで通すか!」 パシィッッ

 遮ったのは『紫金』だ。シュンより体格の良い死体男は、彼の前に
その体に見合わぬ俊敏さで立ちはたがり彼を守る。

シュン「良いぞ、紫金 この間抜けがっ。貴様は俺を守りさえすれば良いんだっ
…………ぁ   ぐぅ……」

 その時、彼はちらちらと『普蛇』の観察してた方向を見て、そして顔を歪め喘いだ。

 >…………あんた、誰? なんでそんなところで見てるの?
 >逃げた方がいいよ。これ、撮影じゃないから

『……う〜ん』
『…………ハッピーラビットを見つけたまでは良かったんだけど。
これ、なんか自分が割り込むと場違いな感じだよなぁ〜』

        ――ゴゴゴゴゴゴ

こぜにまくろう、サンタバージョン着ぐるみは。半分以上体を出しつつ看板を
提げつつ、悩むように首を傾げるポーズで呟く。

『何かイメージしてた登場シーンと違うなぁ。このまま導師参上ってやっても
凄い空気読めてない感じで、アウェイな雰囲気になりそうだし……』

『と言うわけで、終わるまで待つからね』  ピッ

そう、謎のこぜにまくろうは片手を上げて曲がり角の奥に再度体を引っ込めた……。

356『追跡変奏曲』:2018/01/10(水) 19:45:46
>>354(小石川)

 相手のブラックジャックが放つ、と 同時に首の浮遊を解除。
八メートルと言う距離は、貴方の生死を分かつものだった。

 ブゥ  ン――!

重力に従って落ちる首の後ろを、空気を切り裂きつつ走りぬいた凶悪な
閃光を抜けて頭部は地面に墜落する。積雪もあり、ダメージは最小限だ。

 更に、分離させた首なしの体の動きも健在!

 シュパァ……!   パシュッッ!

 スライディングしつつの右のアキレス腱を切り裂くナイフの攻撃
手の突き飛ばしと共に脇腹へとナイフが駆け抜ける……!

 そして、小石川は視線をとしの方に戻したと同時に見るだろう。

   『   ――ヲヲォォ゛    』

 スーツを裂き、その横腹から這い出るようにして出たのは……『札』だ。

中国語で筆字で攻撃特化とらしき書かれた赤い布地で出来た長方形の札。
 ナイフで半分以上裂けた、その札は布地の繊維の節足を空に突き出し
暫く苦しむように宙を掻いた後……。

        ザァァァァァ……ッ

 燃えるように、塵と化して消えた……。

 シュン「『普蛇』が……馬鹿な……見抜かれた、だと?『pipipipi』」

 絞り出すような声が、人垣の向こうから響いた。

357薬師丸 幸『レディ・リン』:2018/01/11(木) 00:03:15
>>355(GM)

「一度通ったなら、可能性はあるってこと。でしょ?
 私と『レディ・リン』はそれをつかみ取るのが得意なの」

鈴紐の根元を掴んで、遮られた『金鈴の錘』を再度振るう。
その際に紐をさらに伸長する事で、無理やりに軌道を変え、
紫金の肩を超え、その向こうのシュンの顔面へと迫らせる。
万全を期すため――――『レディ・リン』の掌の鈴で幸運を呼ぶ。

(向こうは『普蛇』を攻略したみたい。
 こっちでやるには『天路』が邪魔。
 だから……『シュン』の意識を奪う)

使う鈴は『二つ』だ。あと一つはまだ残しておく理由がある。
そして、この鈴は当てたい攻撃だ。だから、二つ分は使っていい。

(…………『結社』の導師。あそこにいるのも結社の人間だし、
 呼ばれてたんだ。たぶん、増援として……期待は出来ないけど。
 今邪魔してこないなら十分。こっちから仕掛ける理由もないわね)

「……特等席で見ててくれて良いわよ」

「終わってからファンサービスなんてことはしないけれど」

鈴の攻撃が命中した場合、あるいは外れた場合でも、
その『音』は聞き逃さないように注意しておこう。
また、『天路』の雪虫がまた向かってこないかは気を配りたい。

つまり、油断をしないという事だ。『ほしみまくろう』からは視線を切る。

358小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/01/11(木) 02:59:34
>>356

  「――スゥゥゥ……」

刹那の攻防を終えて、雪上に落下した『首』が深呼吸する。
そのまま雪の上を転がり、『首』を本体の下へ移動させる。
本体の5mまで接近したなら、浮遊に切り替えて移動を続行する。
終わったように見えるが、まだ気は抜けない。
念のため、としの身体を迂回させるような軌道で接近させる。

元々、『首』を切り離したのは、スライディングする際の補助のためだった。
『首』がなくなれば、その分だけ身長は低くなり、より素早く姿勢を下げやすくなるからだ。
鈍器が本体狙いで飛んでくることを想定し、回避しやすくするために『首』を切り離していたのだが、敵は本体ではなく『首』を狙ってきた。

シュンが操作していたとは思えない。
彼は、あの白い髪の少女への対処で手一杯の状態だ。
その片手間で、としの身体まで操作する余裕があるとは思えない。

おそらく、としに取り付いていた『札』が、こちらの位置を把握していたのだろう。
想定外ではあったが、敵が本体を無視したことは、むしろ好都合だった。
最初に顔に取り付かせた『右手』を相手が放置したことも、こちらにとっては有利に働いた。

      フワリ

本体の近くに戻した『首』を、本体側の切断面のすぐ真上で浮遊させる。
まだ接合はしない。
『目』は、自分の背後に配置する。
『右手』は、『首』と同じように切断面の間近で浮遊させる。
こちらも、まだ接合はしない。

  「……ご無事ですか?」

  「どうか……返事をして下さい……」

  「――お願いします……」

おそらくは呪縛から解放されたであろうとしに呼びかけて、彼の状態を確認する。
あちらの状況も気に掛かるが、今はとしの容態の方が心配だった。
左肩と右足に重度の刺傷。
そして、脇腹にも決して浅くない傷がある。
全ては、自分がこの手で加えたものだ。
それらの傷を目にして、再び心が罪悪感に苛まれる。

359『追跡変奏曲』:2018/01/11(木) 19:21:35
>>357(薬師丸)

 『シャラン』  シュゥ―ッッ!

 貴方は『レディ・リン』に鈴を鳴らしつつ錘でシュンの顔面を狙う。
然しながら、体格の良い死体人形『紫金』は邪魔だ。
 パァンッ 
 腕を振り、鈴にこそ命中せずとも紐に当たりシュンの顔面を逸れる。
だが、彼はそれに反応しえてない。『普蛇』を失った事がショックであったのか
 胸ポケットから鳴るスマホを半ば呆然としつつ無意識に耳をあてていた。
幸福の鈴の影響か、紫金の腕から何やらブランド物らしい時計がポトッと地面に落ちた……。

シュン「……イ尓 好(もしもし)」

『超俊 私の駒 潰した?』

 スピーカーモードのようだ。息を呑む彼に変わり、電話の声は続く。

『ボスが言ってたわよね? 無理なら深追いしない、現地で余計な騒ぎはしない。
超俊 貴方が必死に頼むから二体貸してあげたけど、流石に もう擁護出来ないわね』

シュン「ま、待てっ。あ、あと少しで二体 異能傀儡が手に入る!
二体だゾ!? 標的こそ取り逃がしたが、それでも……っ」

『残念ね。貴方はもっと賢しいと期待してたけど』

『超俊 さようなら 一个美好的梦想(良き夢をね)』

シュン「っ まっ………!!」

 貴方は見た。

 『紫金』の背中が裂け、そこから布状のものを巻いた苦無のような金属が
シュンの胸目がけて飛来するのをだ。

 ド  シュ――!

 シュン「……く  ……ソ」


      ……ドサッ

 金属はシュンの胸元に吸い込まれ、突き刺さる。
彼は一瞬体を痙攣させ、両手を胸に触れようとしたが、それも叶わずうつぶせに倒れた。

『紫金』は彫刻のように動かない。


>>358(小石川)

とし『…………  グ   ゥ   ぅ  うっ……」

とし「……お、れは? ぅく! っそ、うだ。俺は、手首を掴まれて
……! 貴方、は。そうだ、微かに覚えてる。
 ……貴方が助けてくれたんだ、俺を。……恩に着る、情けないな」

 『札』の破壊は劇的だった。

死者と化していた『とし』の肌に温かみが戻り、白濁色の眼球も
一度瞼を閉じると、生気の溢れる瞳へと戻った。

 遅れたようにナイフの走った個所から出血が走る、苦痛に彼は
顔を顰めつつも、ブラックジャックとしていた布を止血代わりにして
何とか片足だけて体を起こした。

 とし「俺の事は、良い……遠巻きの中で、俺達に攻撃を指示してた
奴がいた。あいつは……?」

 彼は、まだ潜伏してるかもしれぬ敵の警告をする。
シュンのいた箇所を見ると、そこには彼らしき人物が倒れるのが見える……。

360薬師丸 幸『レディ・リン』:2018/01/12(金) 04:18:22
>>359(GM)

「………………」

(……ああ、『幸運』が逸れちゃったか。珍しい。
 いい時計してるけど、貰うってわけにもいかないわね)

衆人監視下だ。『落とし物』扱いも出来ないだろう。
想定以下の結果にはなったがこの手は布石でもある。
ゆえに次の行動を――――

「……!?」

やめる。事態が急変している。

(あ、そうよね。裏に『普蛇』の本体がいるってことは、
 こいつにはバックがいる。『解除された』から気づいたんだ。
 ……それなりに賢い相手みたいだし、目を付けられると面倒になる)

彼が取り落としたらしいスマホを見る。まだ『通話中』だろうか?
であれば一つ、懸念事項が生まれる。そうでなくても漠然とはあるのだが、
会話はすでに終わったのに通話が続いているなら、そこに意味がありえる。

もし通話が終わっているなら、多少は杞憂を期待できる。

「事情はよくわからないけど、運が悪かったようね」

          ポツリ

呟いて、スタンドは『紫金』に目を向ける。動かないのだろうか?
もちろん油断はしないが、今までほどの意識も向けない。

(『標的』ってことはこの町で何かを探してるんでしょうけど、
 それは『私』でも『結社』でもないし『スタンド使い』でもない)

         (……深入りすべきじゃない気はするわね)

                         (……けど)

一つ懸念しているのは――シュンの『死体人形化』と『操作の開始』だ。
彼自身が語っていたスタンド使いの『傀儡』が今ここで生まれる可能性。

(まだ『終戦ムード』になっていいとは限らない)

謎の金属片の意味するものがそれならば、真に警戒すべきは『シュンの方』だ。
だから『スマホ』にも注意を向けている。『スピーカーで通話中』になっているなら『遠隔指示』が出来る。
指示なしでも動けるのは見ているが、『紫金』には度々指示を飛ばしていた。それが単に意気込みの表れか、
操作の精度・パワーなどを高める『条件』かが判断しきれない以上、『スマホの通話が続いているのか』は重要だ。

もしそうなっているなら、『鈴のモーニングスター』を引き戻す動きに伴い、スマホを引っ掛けて『回収』したい。
遅きを失するかもしれないが、通話を切る必要が出てくる、かもしれないから。やれることはやっておきたいということ。

361小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/01/12(金) 17:26:31
>>359

  「――生きて……いるのですね……」

  「良かった……」

としの無事を確認して、心から安堵した。
しかし、傷口からの出血を見て、表情に陰が混じる。
今すぐ命に関わるような怪我ではないにしろ、酷い傷であることに変わりはない。

  「……すみません」

  「あなたに……こんな深い傷を負わせてしまって……」

  「私がもっと上手くやっていれば……怪我も少なくて済んだかもしれません……」

  「本当に……ごめんなさい……」

躊躇いながらも、謝罪の言葉を口にする。
謝るだけで彼の傷が治るわけではない。
しかし、それでも謝らずにはいられなかった。

  「私は、今からあちらへ行きます」

  「あなたは、少しここから離れていて下さい」

  「今のあなたの身体では……巻き込まれると危険です」

  「――それから、これをお借りしてもよろしいでしょうか?」

『スーサイド・ライフ』で布を切って鉱石を取り外し、『右手』に持つ。
それから、『首』を浮遊させて、本体の1m前方に配置する。
その状態で、白い髪の少女の所まで歩いていく。
『浮遊する生首』が近付いてくれば、正常な神経の人間なら避けようとするのが自然な反応だろう。
こちから特に干渉せずとも、障害となる人垣は取り除かれ、目的地までの道ができるはずだ。

362『追跡変奏曲』:2018/01/12(金) 22:46:50
>>360(薬師丸)

 シュルーーーパシッ!

『鈴のモーニングスター』で、釣りの要領で貴方はスマホをキャッチする。
 スピーカモードのスマホから、女性らしき声が発せられた。

『ん? 何の音かしら。そっちに居るの、超俊の お相手?』
 『聞く気がなければ構わないけど。迷惑をかけたなら、こちらから
謝罪の言葉を送るわ。すまないわね』

 キャッチの音に気付いたのか、スマホからは敵意のない声が続けられる。

『ボスは彼を見限ったから、貴方が誰か知らないけど気にしないでね。
超俊は、もう目覚めないから安心なさいな。
 あぁ、紫金の解除はそちらでお願いするわ。死了 終
そう告げれば動かないから、その後に背中の札を破れば済むわ。
 どうせ身元不明の遺体だから、所持品は勝手に持って帰って。
せめてもの、お詫びの品だと思ってね。それじゃあ好的因叶(さようなら)』

 電話の切れる音がした。そして足音 小石川が近づいてきた……。

>>361(小石川)

とし「いや、倒れたからと言って無防備だったのは俺なんだ。
スタンドを相手に、油断するなど言語道断さ。俺の過失だ 気に病む事ない
 そうだな……少しだけ休ませて貰う。幾らでも持って行ってくれ」

貴方の謝罪に対し、手を軽く振って彼は気にしないように告げる。
 その後、手にクリスタルを携行して首を分離させつつ薬師丸のほうに前進する。
野次馬はどよめきつつも、先程の死体とのやりとりから、そう言う趣向の映画の撮影か
何かだと思ってるらしく、大きな騒ぎはそこまでせずに道を開ける。

 『シュン』は、ピクリとも動かず、雪の上で倒れ込んでいた。
薬師丸は、携帯を持っており。女性の通話がなされている(※会話は全て聞けていて構わない)

 『紫金』と呼ばれていた、体格の良い男は動く様子を見せない。
この『キョンシー』は、もう成す役目が無いようだ……。

363薬師丸 幸『レディ・リン』:2018/01/13(土) 05:15:14
>>362(GM)

「いいえ、そっちこそ気にしないで。
 私は自分の『幸せ』が邪魔されないなら、
 ……あんたらを深追いする気もないからさ」

            「それじゃあ」

スマホはスタンドの手で持ち、
シュンの傍にスタンドの手で置く。
一応だが……指紋を残さないため。
もっとも、捜査はされないかもしれないが。

(ドライなのね……私的なつながりじゃない。
 何かの組織で、少なくとも『無差別』じゃないし、
 目的もないのに『かたぎ』に手を出すわけでもない)

(どこまでほんとかわかんないけど、嘘をつく理由もない)

「お疲れ様。そっちも……済んだようね」

小石川を一瞥しつつ、

「『死了、終』……でいいんだっけ。
 どういう意味だかわかんないけれど、
 やっぱ中国語を勉強するべき時代かな」

電話の女をまねた発音で、紫金にそう囁く。
大声は出さない。あらぬ誤解を招かないために。

それで動きが止まるなら、言われた通り背後に回ってみる。
動きが止まらないなら……そのために『レディ・リン』は発現を保つ。

>小石川

≪今の電話は聞こえてた?
 ……こいつらについて、
 何か知ってる事って、ある?≫

≪深追いする気はないけど、事情は知っときたいから≫

それから、スタンドの声で小石川に問う。
それで何かをするつもりはないが、『念のため』だ。

364小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/01/13(土) 12:19:34
>>362
>>363

電話の内容に耳を傾け、『首』と『右手』を接合する。
話を聞く限り、もう切り離しておく必要もなさそうだ。
そして、沈痛な面持ちで、雪の上に倒れているシュンを見つめる。
どのような人物であっても、人の死を目の当たりにすることは、心の中に深い悲しみを呼び起こす。
やがて、おもむろにシュンの前に跪く。

  「あなたにも……」

  「あなたにも、愛してくれる人がいたでしょう……」

  「でも……今ここに、その人はいません」

  「だから、その人の代わりに、私があなたのために祈ります」

  「せめて……あなたの魂に幸福が訪れますように……」

静かに瞼を閉じて、シュンの魂が救われることを祈り、遺体に黙祷を捧げる。
シュンの仲間は、彼の死を悼んではいない。
それでは、あまりにも悲しすぎる。
だからこそ、せめて自分が彼のために何かをしたかった。
黙祷を終えてから立ち上がり、白い髪の少女に向き直る。

  「――お疲れ様でした……」

深いお辞儀と共に、労いの言葉をかける。
この場に彼女が現れなければ、三対一という危険な状況に陥り、こうして無事でいることはできなかっただろう。
それを避けることができたのは、一重にこの少女のお陰だ。

  ≪……彼は、イルラというスタンド使いの女性を追っていました≫

  ≪イルラを捕らえて彼女の持つ力を利用することが目的だったようです≫

  ≪私は、彼にイルラを捜す手伝いを頼まれて彼女を見つけましたが、彼女から事情を聞いて彼女を逃がしました≫

  ≪それから……関係しているかどうかは分かりませんが、香港マフィアが星見町で支部を作ろうとしているというような話を知人から聞いています≫

  ≪私の知っていることは、それだけです……≫

  「挨拶が遅れましたが、私は小石川という者です」

  「はじめまして……いえ……」

  「――はじめまして、なのでしょうか……」

正確には、彼女と出会うのは初めてではない。
夢の中で会ったことがある。
もしかすると、彼女も同じようなことを思っているのかもしれない。

365『追跡変奏曲』:2018/01/13(土) 18:27:59
>>363-364(ALL)

 薬師丸が、電話の主の通りに合言葉を告げると。
キョンシーの男は、近づいた時こそ一瞬構えようと見せたものの
直ぐに姿勢をただし直立の状態に移った。
 背中に浮き出るように、専守と言う字らしきものが描かれた
長方形の札のスタンドがカサカサ出現した。これを破壊すれば良いのだろう。

小石川は黙祷を捧げつつ、薬師丸と情報交換を行う。その傍らで、曲がり角から
こぜにまくろう着ぐるみを纏う謎の人物が、シュンへとペタペタ足音を鳴らしつつ近寄った。

導師「っそいっと。うーん、こりゃ完全に駄目そうだね」

着ぐるみは、看板でシュンをひっくり返す。彼の胸元に命中した金属片は深く埋まったのか無く
 瞳孔が開ききった状態で彼は完全に硬直してる。だが、肌は微かに生気が残っているようだ。

導師「仮死状態って奴かな。目覚める事は、私でも出来そうにないな……アポロンの病院ぐらいか」

導師「……さて、はいはーい。今度公演するカンフーホラーアクションの撮影はこれまで!
 あとは、御開きにするから。散った散った!」

 こぜにまくろうが手を大きく振りつつ叫ぶ。その内容に、野次馬達はやっぱり映画の撮影だったのかと
納得した感じで、まばらに散って行った。

 とし「ど、導師……」

結社の戦士である彼が、ふらふらと近づく。それに、こぜにまくろうを纏う人物は
ひらひらと手の部分を振りつつ労う。

導師「災難だったようだねー、とし君。で、聖骸布はどったか解る?」

とし「お、俺が間違いなく取りましたっ。嘘では、ありません」

導師「ほんとー?? 満身創痍だし、そんな事出来た様子じゃなかったけど……」

 導師に対し、としは薬師丸の件は自分が間違いなく遂行したと告げる。
だが、その様子を見て導師は疑惑を抱いてるようだ。

366薬師丸 幸『レディ・リン』:2018/01/14(日) 06:35:31
>>364(小石川)
>>365(GM)

(……香港マフィアねえ。きな臭い話ではあるけど、
 アリーナが抑止できないってことはないでしょ。
 少なくとも、今すぐこの町をどうこうって気もなさそうだし)

≪ありがとう。相当ややこしい話になってるみたいね≫

(イルラ――――ってやつの能力がどんな物か次第って感じかな。
 少なくとも私が今すぐ対処すべきなのは、私の敵……『結社』の方だ)

町のスタンド使いをせん滅するとか、テロを起こすとか、
そういう自分の幸せにも多大な影響が出る存在ならともかく、
今の時点で自分が何か動かなければならない――――とは思えない。

そしてそういう存在に対しては、『アリーナ』という最大の抑止力がいる。
『レディ・リン』の手で『札』を引きちぎる。手に入り込もうとするなど、
妙な動きには注意しておく。話通りなら無い筈だが、100%信じられる相手ではない。

「私は薬師丸。薬師丸 幸(やくしまる さち)よ。
 初めまして――――じゃないわよ。けれど……
 あの時の事をゆっくり話していられる状況ってわけでもないみたい」

『導師』の手際(ただものではあるまい)を一瞥して、自己紹介。
『小石川』に、言外に『結社』と自分が良好な関係ではないと察してもらいたい。

「……『そいつ』が満身創痍になったのはここに来てから。
 私は、ここに来る前にそいつと一回遭遇してるの。
 その時は無傷だった……私は、そこにそいつを追って来たのよ」

       「下着ドロの一味を庇おうってわけじゃあないけれどね」

(本音は分からないけれど、満身創痍になってからしか見てないなら……)

彼の肩を持つのは……当然『仕事相手』だから。そして自分の身の安全のためでもある。
どちらも欠けてはならない理由。少なくとも彼は誠実だ。『罰されるべき人間』なんかじゃあない。

367小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/01/14(日) 16:48:15
>>365
>>366

シュンに助かる望みがあるのなら、助かって欲しいと思う。
確かに、彼が目覚めれば、また同じようなことが起こる可能性は高い。
それでも、助かるのならば助かって欲しいという思いがある。

彼を愛する人間がいるのなら、彼がいなくなったことで悲しむはずだ。
私が彼を失って深い悲しみに囚われたように。
もしシュンが目覚めたとしたら、その人を悲しませずに済む。

しかし、自分にできることはないだろう。
できることがあるとすれば、これ以上の悲しみが生まれないように祈ることだけ。
ただ、それだけだ。

  「――……」

どうやら、まだ問題は終わりではないようだ。
彼らの間に漂う雰囲気を考えると、あまり和やかな関係とは思えない。
特に、この着ぐるみに入っている人物。

彼はとしの仲間のようだが、薬師丸とは込み入った間柄に見える。
そして、としは薬師丸を庇い、着ぐるみの人物は彼の言葉に疑いを抱いているという状況らしい。
としと薬師丸の両方に恩を受けた身としては、彼らに助力したいという気持ちがある。

しかし、この新たに現れた人物は、かなり場慣れしているような印象だ。
下手に誤魔化そうとしても、たちまち見破られてしまうだろう。
だから、それを逆に利用する。

  「……彼の身内の方ですか?」

  「彼の身体の傷は……私が負わせてしまったものです」

  「本当に申し訳ありません……」

着ぐるみの人物が場慣れしている人間ならば、としの傷が全て『刃物』によるものであることが察せられるだろう。
そして、今この状況でそれが可能な人間は、『ナイフのスタンド』を持つ私しかいない。
だからこそ、としが負傷したのはここに来てからだという薬師丸の言葉に説得力を持たせることができる。
もちろん、それは着ぐるみの人物がスタンド使いであることが前提の話。
しかし、あの男女の会話から、この人物がスタンド使いであるということは分かっている。
女性の方が、こちらを指して『導師と同じ使い手のようだし』と言っていたからだ。

そもそも最初に騒ぎを起こしたのは、他ならぬ自分だ。
偶然その場にとしが居合わせて巻き込まれたというのは、内容として筋が通った話のはず。
そのことは、あの男女という証人もいる。
着ぐるみの人物が薬師丸やとしの話を信じなかったとしても、この場にいない男女の言葉まで疑う可能性は大きくない。
さらに、彼らの間の問題に対して、自分はほとんど部外者の立場にいる。
無関係な第三者の証言なら、信憑性が高いと受け取られてもいいはずだ。

368『追跡変奏曲』:2018/01/14(日) 18:19:52
>>366-367ALL

薬師丸が札を引きちぎる。すると、死者の男はたちまち糸の切れた人形のように
倒れ込んで完全に沈黙した。再起動する事はないだろう

 導師「ふーん。そこの女の人と、ラビットの証言が正しいなら
とし君は頑張ったようだね〜」

 とし「は はい……ですので、もう彼女達に干渉する真似は……」

導師「んー、けどなぁ。結局、自分着ぐるみを着て街を散策した以外で
何もしてないし、なんかなー どうしようっかなー」

こぜにまくろうを纏う導師は、腕を組んで少々意地の悪い調子で呟く。
 このままだと平行線に突入して、更に険悪な雰囲気に突入するかも知れない。

そんな折、新たな風が君たちのほうへ舞い込む。

 ???「――ぬおおおぉぉぉぉ!!! ちょっと待つっスー!」

導師「んぉ? 誰???」

 曲がり角から勢いよく突進するように出現したのは、謎の仮面を被った少女だ。
元気の良いポージングを決め込みつつ、胸元に何やら頭巾らしきものを
被ったパグ犬を抱えての登場だった。

 ?「我は悪の秘密組織の首領、モーニングマウンテン! 結社の導師と
お見受けするっス! よーやく見つけたっスよ」

 導師「…………うん、私がそうだけど。何の用事?」

 着ぐるみで表情は分からないものの、この突飛な少女の割り込みに
幾らかペースを崩されてるのか分かる。

 その間に、モーニングマウンテンはパグ犬をズイッと差し出す……すると。

パグ犬『……我が子よ  その者はハッピーラビットでないぞぉ   ごほ』

犬は、流暢に喋り出した。それに関し、少し声を裏返させて返答がなされる。

導師「!! ろ、老師! わざわざ馳せ参じでくれるとは!
 え? ハッピーラビットは、こいつじゃない??
 けど、どう見たってハッピーラビットって形のスタンドですよ!」

パグ犬『儂の探してる聖骸布  そのマークに、幸せウサちゃん柄が
描かれている。儂は そう命じたつもりじゃった   ごほ』

導師「      ……え〜       」

 
……何やら妙な空気が蔓延している。
 ぞろぞろと、遠くから結社関連らしき集団も見えてくる。
清月の仲良し三人組の女子高生達も、小石川に気づいて呼び掛けて
走り寄って来るのが見えた……。

(※あと数レスでエピローグに移りたいと思います)

369薬師丸 幸『レディ・リン』:2018/01/14(日) 20:16:51
>>368(GM)

紫金を一瞥する。哀れではある。名も定かではない男。
だが、今はそれを悼んでいる場合でもないようだ。

(…………面倒なタイプね。こういうやつは、
 説得されるの自体望んでないってやつも多い)

(『とりあえず』で厄介事を起こされちゃ困る。
 どうにかして帰って貰うしかないけれど……)

大物ぶった相手だが、実際大物だろうし、
相当な曲者なのも間違いない。苦心。と、そこに。

「……」

          「…………えぇ?」

突然現れた謎の少女――――そして、奇妙なパグ犬。

彼が『老師』の声の主という事には深い衝撃はない。
そもそもその立場に対して、実感があまりないから。
だがその口から発せられた言葉は、脱力に値するものだ。

(……まあ、こいつらの被害を受けたのは私だけだし。
 貰う物だけ貰えるなら、それで問題はないわけだ)

「つまり、私は勘違いで下着ドロに合って。
 その実行犯も……勘違いに巻き込まれてたってわけね」

           ジロ

「それについて今更、うるさく言う気はないけれど……
 多少責任は取って欲しいかな。妙な『貸し借り』は残したくないじゃん」

          「無理に、とは言わないけどね」

この状況なら、強く出ない理由がない。
だからこそ徹底的に強く出るわけではなく、
あくまで『自由意志』で・・・『ちゃら』の機会を与える。

向こう主導で勘違いでした、ちゃんちゃん。で終わられては困る。
それは『ナメられて終わり』という事だ。もちろんそれでも深追いする気はないが。

そして仕事。『とし』相手にはそれも残っている――――まだ少し、ここにいる理由がある。

370小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/01/14(日) 21:48:32
>>368

  「……そう……ですか……」

一言だけ呟くように言葉を発し、後は無言で成り行きを見守る。
何はともあれ、この事態も収束に向かうようだ。
それを感じ取り、騒ぎの中心から数歩下がり、いくらか距離を置く。
元々、彼らの問題に深く関わってはいない。
自分が何か介入する必要もないだろう。

   ――イルラさん……。

それよりも、自分には他に気になっていることがある。
イルラは無事に町を出られただろうか。
彼女を追っていたのがシュンと二体の死体だけなら、彼女に危害が及ぶことはなかったと思うが、それでも心配は残る。
物思いに耽っていた時、呼びかけてくる三人の声に気付いた。
三人が近寄ってくる前に、念のために残しておいた『目』を接合し、『スーサイド・ライフ』を解除する。

  「みなさん――」

  「ひとまずは終わったようです」

三人に告げてから、薬師丸達の方に視線を向ける。
もう特に危険はないだろうが、一応最後まで状況を見届けておくためだ。
それから、群集の中にベティの姿があるかどうかも確かめる。
彼女は、アリーナに所属していると聞いた。
彼女なら、この騒動を最終的にまとめることもできるだろう。

371『追跡変奏曲』:2018/01/15(月) 20:58:45
>>369(薬師丸)

>つまり、私は勘違いで下着ドロに合って。
 >その実行犯も……勘違いに巻き込まれてたってわけ

>多少責任は取って欲しいかな

パグ犬は、耳を垂れて申し訳なさそうに喋る。スタンドの声は
中性的で、本当の爺さんがどうかは判りにくい。

『不肖な子で、申し訳ない……本当なら、儂自身が姿を現して
謝罪をするべきじゃが、色々と理由があって、それも出来ん。
……何じゃったら、儂の聖骸布コレクションのベスト10のどれかを
上げるんで、それで駄目かのう?  ごほ』 

「老師! そんな事を老師がする必要ありませんよ! 
なんでしたら、いま私が履いてる聖骸布を渡しますし」

スタンドなのか、奇妙な術か知らないが。パグ犬を使って
喋る老師と、奇妙な着ぐるみの弟子は聖骸布をあげるか何かで
言い合ってるが、その正体を知ってる貴方からすれば御免被る内容だ。

パグ犬『うぅん……因みに、あんたは何か欲しい特定のものがあるかのう?
適当なものなら、イブぐらいに用意するが  ごほ』

犬老師は、そう告げる。報酬は、薬師丸の希望に沿うようだ……。
(※長期間ミッションに拘束した謝罪も含め、出来る限りの
ユニークアイテムは用意するつもりです。
 ただ、今後ミッションで動く際に多大に有利になるアイテム
例:拳銃やらジョジョの猫草のような
 は用意出来ない旨だけは伝えておきます)


とし「えぇ、サミメの先生。無事、騒動は完結しそうです。
俺は大丈夫です。いえ、例なら彼女等に……俺に、何か用があるかな?」

依頼相手の『とし』は、貴方の思惑に気づいたのか近寄って来た。
 残る用件を済ますなら、丁度良い機会だ。

>>370(小石川)

エッ子「おー! こいのおねーさん発見! 探したぞー!
佐生ちゃんも見つけたー! ……アレ何やってんだろ(´・ω・`)?」

ムーさん「まぁ、何時もの何か変な事をしてるか、首突っ込んでるだろう」

女子高生三人組は、最後に のりが良かったーと安堵で呟くのを締めくくって
各自が件の探し人の成果が得られなかった事を話しつつ区切りを一先ずつける。
 奥でパグ犬を抱えている、自称謎の仮面少女については。何時もの事だと
彼女達は割り切っているようだ。適当な時に声をかけて一緒に買い物へ戻るだろう。

ベディの姿も、一拍遅れてたが見えた。この騒動も、危険の芽を摘む為に来ていた
彼女ならば駆けつけない筈もない。

ベディ「……何があったか、詳しい事を言ってくれないか?」 ズズッ

赤い人型スタンドを出しつつ、少し鋭い目で貴方に告げる。
一般人の彼女等に言えない内容は、スタンド会話で報告しろ、と言う事だろう。
『シュン』と関与した出来事などが、それに値する。
 
『イルラ』……彼女が無事にこの町から離脱出来たのか。
 それは、『今』は未だ分からない事だ。

372薬師丸 幸『レディ・リン』:2018/01/15(月) 23:13:59
>>371(GM)

(こんな状況でふざけられる辺り、
 ……いや。本人たちはふざけてないのか)

シュンと紫金からは視線を切る。

とはいえ聖骸布のもたらす力は目にしてきた。
その当事者たちからすれば『真剣』なのだろう。

「『聖骸布』よりは……そうね。
 さっき粗末にしちゃったし、
 化粧ポーチが欲しいかな」

「私個人へのプレゼントってコトならね」

妹へのプレゼントは自分の手で用意したいし、
あまり大きな物を貰おうとかえって借りになる。

ともかく――――重要なのは、『とし』だ。

「ああ、お疲れさま。
 ――なんて言う間柄でもないか」

導師と老師がいる。
込み入った事を話すのは、
彼の誠実さを裏切りかねない。

「状況が状況だし、短く言うわね。返事は『了承』」

               「……お幸せにね」


小さく笑んで、すぐにその表情を隠した。

端的に述べるが、あのことが気になっていないはずがない。
だから、意味は分かってくれるだろう。添える祝福は心からの本音。

373小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/01/16(火) 00:57:17
>>371

  「私の知る限りのことは、全てお話しします。まず――」

『スーサイド・ライフ』を通して、今までの経緯をベティに説明する。
それが終わったら、再びスタンドを解除する。
後のことは、アリーナ側で何らかの処置が行われるのだろう。

   ――……治生さん、終わりました。

   ――少しの間、あなたを肌から離してしまってごめんなさい……。

   ――また……私の傍にいて下さいね。

ポケットから指輪を取り出し、心の中で彼に語りかけながら、右手の薬指にはめ直す。
それを外していたのは、切り離した右手を解除する際に紛失することを防ぐためだった。
仕方がなかったとはいえ、いつもの位置に指輪がないというのは、やはり不安な気持ちになる。
それから少しして、まだ自分がクリスタルを持ったままであることに気が付いた。
争いが終わった今、もう必要ないものだ。

  「――これをお返しします」

話が終わるタイミングを見計らって、としに鉱石を返却する。
それも済んだら、投げたコートを回収して着直す。
後は、自分がここですべきことはないように思う。
預けた荷物を引き取るために『トゥトゥ』へ行く必要もあるが、イルラの安否を確かめるために、先に駅へ向かうべきかもしれない。
もっとも、あれから時間も経っているから、既に町を出ている可能性もある。
今から行ったとしても、会えるかどうかは定かではないだろう。

374『追跡変奏曲』:2018/01/16(火) 20:31:12
(次でエピローグに移りたいと思います)

>>372(薬師丸)

 とし「! ……そうか、返事は」 「ありがとう……それしか言えないな」

強面な結社の戦士、とし。彼にとって、薬師丸の返事は何よりも少しだけ早い
イブの贈り物になったようだ。綻んで頷く彼の脇で、パグ犬老師と着ぐるみ導師も返答する。

パグ犬『うむ、化粧ポーチじゃな。よしよし、それならばイブの早朝に来るぞぉ ごほ』

こぜにまくろう「ふむ、ポーチね。あ、デザインとか詳しい事を聞きたければ。捨てアドを
教えるから、それに詳しく」

         『そんじゃー   ばいパンティー!』  ザザザ・・・

……彼ら『結社』は集団で帰省していった。どうも、色々と騒動を引き起こしたが
真意や動向は、星見町を大きく揺るがす程の悪……には至らないのだろう。

 チラシの上で文字が躍った。

シニカルマン『ラビット 君の行動で 結社の暴走も止められた シニカルマン 感謝する』

『写真を撮ったものの事も含めて 後日 君に報酬金を送る』

 『ありがとうラビット また 君と協力できる事を シニカルマンは楽しみにしている』

 『我が名はシニカルマン シニカルマンは多くの秘密を把握する 伝説な追跡者』
       
               ……スゥ

……シニカルマン、棒人間は動きを当初の描かれたポーズへ戻ると停止し、チラシの文字も
再度元の状態へと戻った。謎のスタンド、シニカルマン……彼? 彼女? と何時か邂逅はあるのか。

      

  ――――――――――――――――

後日。 クリスマスイブ

 貴方はクリスマスソングが周囲で響く中、自宅で起きた。妹も
クリスマスの朝と言う事で、興奮し早めに起きてるかも知れない。

朝食を食べる程度の8時がそれぐらいで、インターホンが鳴り響いた。

375『追跡変奏曲』:2018/01/16(火) 20:41:48
>>373(小石川)

ベディ「成程な……こちらもマフィアがのさばっているとなれば見過ごせない。
そいつの身柄を、詳しくアリーナでも調査しよう。
 君は、星見町を守る助力として大いに役立ってくれた。
 後日、この礼は。あの時と同じように郵送する事にしよう」

ベディは、貴方の言葉に得心した様子で返事をした。
『シュン』……香港マフィアから切り離された彼は、スタンドの制裁によって
永い眠りに強いられる……何時かの物語で再び交錯はあるのかも。

こぜにまくろう「そっちの、お嬢さんも色々と手伝ってくれて有難うね。
また後日、お礼出来る事があれば郵便なりでするからね」

 着ぐるみ導師も、結社の手下をゾンビ女から結果的に守り、戦士を助けた
事に対して幾らか恩義を感じたようだ……後日、その結果も出てきそうだ。

 ――――――――――――――――――

  イブ当日

貴方は、その後 少し遅れて決めポーズと共に合流した朝山と仲良し三人組と共に
平穏な買い物を済ませ帰宅した。
 トゥトゥに寄ったものの、イルラの行方については追えなかった……。
然しながら、彼女等はイルラの仕事に関わりある人の仲間であり。その為に
イルラの事は仲間同然に扱ってた集団であると小石川に打ち明ける。
 だから、後日こちらに連絡が来れば。貴方の事についても報せると告げた。

……イブの日、貴方は郵便ポストを見ると幾つかの封筒を見つけた。
一つは『アリーナ』一つは『結社』……残り一つは宛先不明だった。

 どちらから読んでも、内容は変わりない。
だが、不思議と貴方は一つの予感を感じた。

 ……今日はイブだ。何か とても幸せを感じられる 期待を。

376薬師丸 幸『レディ・リン』:2018/01/16(火) 23:00:22
>>374(GM)

「ええ、それじゃあまた」

星見町にとって彼らがどのような立ち位置で、
香港マフィアがどう動くのかは知らないが、
『薬師丸 幸』の敵じゃない限り『問題』は無い。

≪ま、暴走されて困るのは私だからね。
 こちらこそありがとう。半分はあんたのお陰よ≫

              フ

『チラシ』に笑みを向けて、
止まった文字ごと折りたたんだ。

≪協力しなきゃいけないようなことが起きないのが、
 一番いいけれど……次も味方同士で会いたいわね≫

            ザッ

『シニカルマン』と名乗るこの怪人も、
それは同じ事――――味方でありたい。

        ―――――――――

                   ガチャ

クリスマスイヴの朝。
インターホンに顔を顰めつつ、
よそ行きのコートを着た姿で顔を出す。

(こんな日の、こんな時間に誰が……
 住所を教えた相手、ほとんどいないんだけど)

郵便や出前なんて頼んだ覚えもないし、
何かの勧誘だろうか――――そういう心持ちだ。

377小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/01/17(水) 01:51:35
>>375

  「――ご苦労様です……」

軽く頭を下げて、ベティと別れる。
シュンが所属していた組織は、少なくとも今の時点では、本格的に星見町に害を及ぼすことはなさそうだ。
仮に新たな動きがあれば、その時はアリーナが対応するのだろう。

  「いえ、私も彼には助けられました」

  「どうかお大事に……そして、ありがとうございましたと彼にお伝え下さい」

  「では、失礼します……」

挨拶を済ませ、その場を後にする。
そういえば買い物もしなければならない。
クリスマス用のワインを買わなければ……。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

クリスマスイブは何事もなくやってきた。
イルラのことは今も気がかりだったが、連絡がないのではどうしようもない。
届いた三通の封筒を手に取って、家の中に戻る。

ワインは購入していた。
それに合う料理も準備してある。
この場に何かが足りないとすれば、たった一つだけ。

ドクンッ

そのことを考えると、無性に心が騒ぎ出す。
背徳的な甘い誘惑の声が、私の耳元に囁きかけてくる。
そして無意識の内に――使い慣れた『鎮静剤』に手が伸びる。

  「――いえ……」

           スゥゥゥゥゥ……

『鎮静剤』に伸ばしかけた手を途中で止め、深呼吸して気持ちを落ち着かせる。
今日はクリスマスイブだ。
せめてこんな日くらいは、『鎮静剤』に頼らずに過ごしたい。
やがて静かに視線を下ろし、右手にある形見の指輪を見つめる。
その銀の指輪を指先で優しく撫でながら、心の中で彼に呼びかける。

   ――今日という日を……こうしてあなたと共に過ごせる。

   ――それだけで、私は幸せです……。

でも、なぜだろうか。
今日は、それ以外にも何かがあるような気がする。
不思議な予感を抱きながら、封筒を順番に開封し、中身を確認していく。
差出人の分かっている二通を先に開け、残った一通は最後に開ける。
そこには何があるのだろう……。

378『追跡変奏曲』:2018/01/18(木) 22:35:54
>>376(薬師丸)
  
    ――ガチャ

        パンッ  パンッ!

 『メリークリスマス!』

破裂音 クラッカーから紙紐が飛び出る。
 こぜにまくろう、サンタバージョンの着ぐるみ。
そして角らしきものと、パンティーを被るセントバーナードが玄関に居た。

導師「この前言った通りに、お詫びの品を渡しに来たよ。
はい、これローストチキン。家族で食べて」

 そう、導師が貴方に告げつつ包装されたチキンを渡した。

老師らしき犬『ごほごほ さて、化粧ポーチじゃったな?
単なる化粧ポーチを渡すだけでは結社の名折れ。
 と言うわけで
儂らから、とーーっても不思議な力を持つ化粧ポーチを
贈呈する事に決めたのじゃ。結社の秘技をふんだんに使用した
謂わば スタンドポーチ じゃな。 ほれ』

セントバーナードの背中には、何処にでもありそうな
この前に使ってたのと、ほぼ一緒の形状のポーチがあった。
 見た目は、本当に普通のポーチだ。
しかし、彼らの言う事が本当なら何かしら不思議な力があるのかも……。

379『追跡変奏曲』:2018/01/18(木) 22:55:27
>>377(小石川)

 三通の手紙。まず二通は、このような内容だった。

アリーナ『ベディだ。 君の言う通り、あの男は香港マフィアの配下だった。
能力によって彼は仮死状態になっている。蘇生の見込みは低いがアポロンに
移送された。今後は、植物状態として過ごす事になるだろう。
 出来る限りの時間で調べてみたところ、仮死状態の男はマフィアの末端のようだ。
あのような結果になったのも、トカゲの尻尾切りと言うものだ。
遅かれ早かれ、この町の住民に手を出した事で同じ末路を辿ったと考えられる
貴方が気に病む事はない事だけ、ここに記しておく。
 星見町の安全に助力して頂き感謝する。少ないながら謝礼を送る』

結社(とし)『メリークリスマス。そして、貴方のお陰で助かった。
あのまま行けば、俺は本当に屍として一生を終えてたかも知れない。
仲間に幅瀬と言う奴がいるんだが、あいつの欲しがってた時計を
敵の奴等の一人が持っていた。結果的に、手に入れられたのは
あんたのお陰だと喜んでたから、この手紙で代わりに礼を述べておく。
 結社は、色々と誤解される事が多いが楽しい集団だ。
気が向けば入る事も検討してくれ。それじゃあ、良いイブを』

 アリーナで『五万』結社で『十万』の金額が手紙と共に同封されていた。

そして、最後に……。

 便箋には、一枚の白い用紙。それに、とても短くこう書かれていた。

   
 『――流さなくて良い一つの涙が 貴方のお陰で流れずに済んだ。
      貴方の為に この死神の鎌を振る事を願いたい。
  宜しければ、長く身に着けており そして失っても構わない物を
 携えてくだされば幸いです。私は この町の自然公園で待ってます』

380薬師丸 幸『レディ・リン』:2018/01/18(木) 23:19:55
>>378

「うわっ…………!」

          ビクゥッ

突然の破裂音。そして色とりどりの紙紐。
胡乱な物を見る目を犬と着ぐるみに向けた。

「って、その声。『導師』と『老師』ね?
 私がここに住んでるのって内緒だし、
 あんまりうるさくしないでほしいんだけど」

純粋に近所の人に迷惑だし、
まだ妹も起きだしていない。

「ま、プレゼントは嬉しいけどね。
 チキンは予約してなかったし、
 ありがたく晩御飯にさせてもらおうかな」

とはいえ悪意が無いのは分かるし、
そう邪険にしてやるものでもない。
せっかく、めでたいクリスマスでもあるし。

「なに? スタンドポーチ?」

「見た目は普通みたいだけれど、
 どのあたりがスタンドなのかは……
 使って確かめろって感じ、なのかな」

         スッ

『レディ・リン』の手でポーチを取る。

   「……どうでもいいけどさ」

「その着ぐるみは、どうしても着てなきゃだめなの?
 ああ、べつに脱げって言ってるわけじゃあないわよ」

         「ただ、目立つんじゃないかと思って」

ついでに多少ばかりの世間話もしておこう。
意味不明の集団ではあるが、接点が出来てしまったし。

・・・犬の方はなにかそういう生物なのだろう。そういうこともある。

381小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/01/19(金) 00:02:16
>>379

先に開封した二通の手紙に目を通し、心の中で深く感謝した。
文面から伝わってくる二人の優しい気遣いがありがたく、そして嬉しかった。
しかし、最も強く印象に残ったのは、最後に開封した手紙の内容だった。

  「――イルラさん……」

死神という言葉から、イルラの姿が思い出された。
こうして手紙が届けられたということは、彼女は無事だったのだろう。
まず、そのことを喜び、穏やかな微笑を浮かべる。

そして、手紙の中で指定された品物について考える。
選んだのは、いつも髪をまとめる時に使っているヘアピンだった。
どこにでもある何の変哲もないピンなので、なくなったとしても特に支障はない。

      スッ……

大きな姿見の前で、外出の支度を整える。
普段通りの喪服と帽子を身に纏い、家を出た。
向かう先は自然公園。
おそらくは、そこに彼女が待っている。
あの死神を従えた女性が――。

382『追跡変奏曲』:2018/01/20(土) 16:54:07
レス遅れ失礼しました
>>380

>私がここに住んでるのって内緒だし、
 >あんまりうるさくしないでほしいんだけど

老師『うむ、誰にも言わんよ。儂も、この子も口は堅いわい』

鷹揚に、トナカイのコスプレをするセントバーナード犬は返事をする。

>見た目は普通みたいだけれど、
 >どのあたりがスタンドなのかは……

導師「あー、適当にポーチに物を入れて見て?
それはね、見た目より『沢山入る』んだよ。文字通りの意味で」

そう、導師は説明をした。沢山入る……その意味を理解するには
実際に、中に適当なものを入れてみれば検証出来る。

>その着ぐるみは、どうしても着てなきゃだめなの?

導師「だって、脱ぐと寒いじゃない」

老師『わしゃあ、この犬君の体を借りるほうが。何かと自由に
色々と行けて便利じゃからのー。
 あぁ、それとな。儂ら結社はいーろんな所におる。
あんたが何かしら事件に首を突っ込む事が今後もあるかも知れん。
 偶然結社の者達が近くにいれば、色々と手助けしてしんぜよう。
そんな時に、もしスタンド使いのパンツを得る機会があれば
是非、結社に連絡して送ってはくれんか? お金は弾むぞいっ』

 犬を操る老師は、そんなビジネス話を薬師丸に告げた……。
着ぐるみ導師は、貴方に対し連絡用の番号の書かれた名刺を渡した。

383『追跡変奏曲』:2018/01/20(土) 17:03:34
>>381(小石川)

 イブの日中、その日の自然公園は普段の冬の寒さも多少緩和されていた。
雪が取り払われたベンチで、青紫色の瞳を宿す 彼女が大樹に寄りそうように佇んでいた。

 貴方に気づくと、背を預けていた体を離し近づいて口開く。

「ただ 感謝の言葉を。貴方の差し伸べた手は、私と 私を取り巻く全てを守ってくれました」

「出来うる時間は限られていますが、それでも、貴方の為に私の力を振りたいと思います」

穏やかに、彼女はそう告げる。手を差し出した

「魂の傷を 嘆きを 一時だけでも濯ぐ  それが『魂鎮め』の民である 私の役目」

「全ての物体には 『記憶』がある 『魂魄』の欠片が染み付いてるのです」

「私は 残照を地上に ほんの僅かながら灯す。その為に生きている」

「宜しければ、用意した品を渡してください」

 彼女より一回り大きい体躯の死神が発現されている。外観は骸骨と黒いフードだが
不思議と威圧や脅威はない。虚空は、静かに貴方を見ている……。

384薬師丸 幸『レディ・リン』:2018/01/20(土) 17:40:45
>>382

「そ、じゃあ信じさせてもらうわ。
 あんたらを特別、怪しんでるわけでもないし」

          「便利な物も貰ったし」

ポーチの性能は後で確かめることにするが、
嘘は言っていないだろう。今そうする理由が無い。

「だから素性を詮索する気も無い……
 それに、『下着泥棒』に加担する気もね」

          フ

冗談っぽく笑う。半ば本気だが、
そこまで悪し様に取られないように。

「ま、そうはいっても……
 私に迷惑が掛からない限り、
 止めたりとか、注意喚起とか、
 そういう面倒な事もしないし」

ビジネスは素晴らしい。
どんな内容であっても、だ。

「……何かの間違いで手に入ったら、
 自分で持ってるよりは意味もあるか。
 連絡先だけは貰っとくよ。期待はしないでね」

「それと、こっちの連絡先は教えないわよ。
 そっちからの依頼で動くつもりはないから」

だが、さすがに積極的に下着を狙う気はない。
それに、身をもって知っている。こいつらは危険だ。
力を求めて、罪のない人間を襲わせる連中。
その勢力拡大に手を貸す理由は無い……金を貰っても。

(こいつらが暴走でもした時に、
 つながりを疑われたら面倒だし……
 仮にこっちから連作するとしても、
 人に教えるアドレスは使うべきじゃないわね)

だが、いずれ役立つときも来るかもしれない。
ひとまず連絡先は確保しておく。それだけで損するとも思えない。

385小石川文子『スーサイド・ライフ』:2018/01/20(土) 18:18:43
>>383

真冬という季節であれば、寒さを感じるのは当たり前のことだ。
しかし、それも今は幾らか和らいでいるように思える。
それは、心の中に温かさを感じるせいかもしれなかった。

  「お手紙をいただき、ありがとうございます……」

  「イルラさんも、ご無事で何よりでした」

  「少しでも、あなたの助けになれたのなら……嬉しく思います」

イルラに近付き、挨拶と共に頭を下げる。
そして、彼女の言葉に耳を傾ける。
そういえば、シュンも同じようなことを言っていた。

  「言われていた通り……品物を用意してきました」

  「――これでも構いませんか?」

一本の黒いヘアピンを掌に乗せて、死神を従えたイルラに差し出す。
やがて、死神と死神の大鎌に視線が移る。
それらを見つめる表情に怯えはなく、静かで穏やかだった。

386『追跡変奏曲』:2018/01/22(月) 20:30:38
>>384-385(これにてミッション終了です
お付き合い、まことに有難うございました)
>>384(薬師丸)

>こっちの連絡先は教えないわよ。
>そっちからの依頼で動くつもりはないから

老師『まー、そりゃあ仕方がないが当たり前じゃな。
お前さんには迷惑を色々かけた。だが、袖振り合えばならぬ
パンティー振り合えば他生の縁。また、何かしらで再び
相まみえる事もあるかも知れん。世の中とは、そんなもんじゃー』

導師「そう言うわけで! バイバイパンティーッ! ('ω')ノ」

老師『気が向いたら、パンティートレードの集まりもあるんで
知り合いも誘って来てみる気はあるかのう? 連絡を待っとるぞーい』

   ――バタン……。

 下着を介し尋常ならぬ力を扱い、世界を掌握せんとする謎の集団『結社』
彼らの意図は余り読めない部分も多様にある。
 まぁ……方向性が方向性だけに、リアクションには困るが。
冬に吹きすさぶ一陣の突風のように、言いたい事だけを言って帰っていった……。

 多少の疲労感も味わいつつ、貴方はそのまま郵便受けを見て気づくだろう……。
一枚の紙片が入っていた。少なくない金額も一緒に収められてる
  ――カサッ。

 『      ラビット  君の協力に対し深い感謝を述べる。
この町には多くの秘密が隠れている。それは美しいものも
とても見る事のできない、おぞましい事も。
 けど、神秘のヴェールを潜り抜ける勇気を 君は持ってる。
 また、君と一緒に神秘へ 冒険出来る事を期待するよ。
我が名はシニカルマン


\◯ノ   シニカルマンは多くの秘密を把握できる
 |
「 〉   そして 私は勇気のある者達の味方だ    』


薬師丸 幸『レディリン』⇒『結社より、お詫び金十万get!』
『結社の老婆より、五万get!』『シニカルマンへの情報の報酬、五万get!』
『結社の戦士(とし)より五万get!』併せて『二十五万獲得』

            +

『スタンドポーチ獲得』
(このポーチは、その基本の容量の『二倍』物が入る事が出来る。
例:ハリーポッターの検知不可能拡大呪文。
 ポーチ故に、そこまで大きなものを中に詰め込む事は厳しいが
何かしらで役立つ事が多いかも知れないぞ!)

387『追跡変奏曲』:2018/01/22(月) 20:32:12
>>385(小石川)

 イルラは貴方から『ヘアピン』を受け取る。それを、じっと見つめ
そしてスタンドの死神へと渡す。彼は、虚空の洞の中でソレに視線を注ぎ終わると
得心した様子で、それを空中に放ると共に……。
           ――ザシュ
 そのヘアピンを、死に鎌で切り裂いた。ヘアピンを宙で塵になり消えると共に…。


          ――サラ
                 サラ
       サラ  
                   サラ

  「――文子    ほら  雪だよ   新雪だ」

    ……貴方の耳元に聞こえたのは、他でもない『彼(治夫)』の……

 隣に 其処に  大切な人は佇んでいた。眩しそうに目を細めて 空に顔を仰ぐ

     「手を繋ごう 文子  ほら  手を貸して」

 
イルラ「……其処にいる方は   かつての在りし日々の残像」

イルラ「私の行為に、ある人は残酷だと言います。触れる事も可能なソレは
離別した以前のままですから。もっと、もっと傍に居たいと」

イルラ「ですが……貴方は 呪縛に 過去の囚人になりはしない。
不思議と、そう感じました……イブの終わりまで、彼は貴方と共にいます」

イルラ「さようなら    お優しい、この町の方
 私は魂鎮めの民……世の終わりまで、私を必要とする者の為に」

  彼女は背を向けて立ち去る。
一日のみの、有限の現し身は貴方の手に、その六本の指を絡んだ。
 彼には、自身の死を把握しておらず。ただ、過去のままに貴方と
一緒に大切な日々を過ごしたままの、記憶のままに動いてるだけだ。
 今ままで起きた事実を告げても、恐らくは困ったような顔をしつつ
少し寂しそうに笑って相槌をうつだけに留まるだけかも知れない。

 どう過ごすかは、どう受け止めるか。過去を 愛を
今差し伸べられてる手を 残酷か または魂の傷を濯ぐ雨と捉えるか。
 それは貴方次第なのだから……。


小石川 文子『スーサイド・ライフ』⇒『結社より、お詫び金十万get!』
『アリーナより、五万get!』

              +
イルラ『Here Today』より『かつての在りし日の想い人との一日』を獲得……。


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