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「新入生は日野下花帆くん」√綴理
1
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/15(火) 23:38:44 ID:DjQxiI6w
とってもいい天気。
窓から覗く日差し。ぽかぽかのお日様。
最高の目覚めだったけど、絶対におかしな光景。
どうして実家の私の部屋?
花帆「なんで寮じゃ……あ、あれ?」
もう一つの違和感。
壁には何故か学ラン……男の子用のものがかけられていた。
どうして?
気になって近づいていく、その前に。
鏡に映ったあたしの姿。
花帆「え……へ、へぇ!?」
髪は短く、胸は平坦。
そこに映る人を、それでも脳はあたし自身だと言っている。
可愛げな顔を──自画自賛?──しているけれど、そこに映るのは……間違いなく男の子だった。
花帆「なっ……なんじゃこりゃ〜〜〜!?」
2
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/15(火) 23:42:21 ID:DjQxiI6w
☆☆☆
☆☆☆
とんでもない状況だけれど、あたしはわずかな望みにかけて、共学になった蓮ノ空へ。
この世界の蓮ノ空はどうやら、なんでもいいから部活動に入る必要があるらしく。
どうした物かと困っているところだ。
身体が弱いから運動部は避けたいし……。
それに本当は。
入りたい『クラブ』はある。
変わらずにある物。
蓮ノ空、学院スクールアイドルクラブ。
でも今のあたしでは……。
部室の前まで行って、分かりきっている事が頭の中で何周も駆け巡る。
体力もない、そもそも今の性別だって男子。
入れる……気がしない。
もしここに、梢センパイ達がいたとして、受け入れてくれるかも分からない。
……やっぱり帰ろう、そう思って引き返そうとした時。
綴理「……あれ、おきゃくさん、かな?」
花帆「!」
綴理……センパイ。
3
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/15(火) 23:44:33 ID:DjQxiI6w
一先ず明日再開。
綴理は口調が捉えきれないかもしれないので、多少の違和感はご愛嬌で。
4
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/16(水) 00:28:58 ID:tNFGuZ12
綴理の独特な雰囲気が好きだからだいぶ期待してる
5
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/16(水) 02:21:54 ID:9AV9eogc
綴理ヒロインでのこの手のSSは他にあまり見たことないからとても楽しみ
6
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/16(水) 04:10:00 ID:KXdxNurs
つづかほというカップリング自体が珍しい気がする
書くの難しそうですけど、楽しみにしてます
7
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/16(水) 15:57:19 ID:rUeqU632
公式4コマで綴理が「花帆は僕と一番気が合う」って言ってたからね
そういうことだよ
8
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/16(水) 23:42:57 ID:JktCk6DA
部室の前で立ち尽くしていたら声をかけられた。
綴理センパイはあたしの顔をじっ〜……と見ている。
ぽへー、とも言えるかも。
綴理「ボクは夕霧綴理。……きみは?」
花帆「あっ……日野下、花帆です」
いきなり自己紹介。
綴理「……スクールアイドルクラブに興味が、あるの?」
花帆「えっ!? え、えと、その、ぼくは……」
興味どころか、って話だけど。
上手くそこからを言葉にできずに、もじもじとしていると。
綴理「……大丈夫、最初はみんな不安だよね」
花帆「え……」
綴理「興味を持ってくれたなら、ボクは嬉しい。……少し、見ていく?」
花帆「は、はい……!」
綴理センパイ……なんだか包容感が増しているような?
今の綴理センパイ相手だと、なんだかどこへでもほいほいとついて行ってしまいそうになる。
実際、そのまま部室内へ。
9
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/16(水) 23:50:50 ID:JktCk6DA
綴理「そういえば、ちょっと気になったんだけど……どうしてかほは、制服違うの?」
花帆「……へ?」
……制服が違う?
まさか、と思った時には、綴理センパイが制服を脱ぎだしていた。
花帆「わ、わぁ!? つ……夕霧センパイ!?」
綴理「綴理でいいよ」
花帆「や、そ、それどころではなく!?」
10
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/17(木) 00:23:02 ID:kkIgVXw2
花帆「な、なんで制服を……!?」
綴理「衣装に着替えて、踊ってるところをみてもらおうかとおもって」
花帆「あ、あの……綴理センパイ! たぶん勘違いしてる事が……!」
あたしの事……女の子だと思ってる!?
今は男の子なんだから、ここはちゃんとはっきりさせておかないと……!
綴理「大丈夫? うつむいて……おなか痛い?」
花帆「い、いえそうじゃなくて……!?」
着替えるのを途中で止めたのか、上下が下着姿だった。
花帆(だ、だれか助けて〜!)
梢「……綴理? 今日は随分と早い……あら、その子は?」
そんなあたしの声が届いたのか、梢センパイが部室にやってきてくれた。
梢「……何、してるの?」
綴理「こず。この子、かほ。スクールアイドルに興味があるんだって」
梢「そうではなくて……とりあえず、一度制服を着なさい。……男の子の前で、そんな格好をしないの」
綴理「……? 男の子?」
花帆(や、やっぱり……!)
☆☆☆
綴理「男の子だったんだ」
花帆「で、できれば制服でわかって欲しかったです……」
11
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/17(木) 00:36:30 ID:kkIgVXw2
綴理「ごめんね。かわいいから、男の子って思わなかったんだ」
花帆「あ、ありがとう、ございます……?」
綴理「男の子なのに、かわいいね」
褒められてるのか絶妙なラインだけど、綴理センパイの中では褒めてくれているんだよね。
綴理「というより、かほがかわいいのかな?」
花帆「……あ、あんまり言わないでくださいよぅ」
なんだか段々照れてきちゃう。
慈「そうそう。可愛いって言われる事がコンプレックスな子もいるんだから」
梢(私も可愛いって思っていたとは言わないでおきましょう……)
☆☆☆
そしてあたしは、スクールアイドルクラブのマネージャーとして活動する事になった。
12
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/17(木) 00:37:00 ID:kkIgVXw2
また明日に。
13
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/17(木) 03:54:23 ID:l0Jgvrac
綴理ちゃん√きたー!
14
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/17(木) 23:16:59 ID:kkIgVXw2
☆☆☆
あたしがスクールアイドルクラブのマネージャーになってから、約2ヶ月。
スクールアイドルクラブの活動も大切だけど、それとは別に学校行事も当然あるわけで。
体育祭……。
花帆(でも多分見学になるかな……)
正直、あたし自身が驚く程に体力が持たない。
普通の生活は出来るけれど、走ったり激しい運動は避けるべきで。
1種目くらいなら大丈夫かもしれないけど……。
「ねー、日野下くん何出る?」
「うちには男子がいるんだから、かなり有利なはず」
入学した当初こそ、扱いがぞんざいだったけど、あたしの事を理解してくれたクラスメイト。
その結果というべきか、妙な期待が集まっていた。
一応、身体が弱い事は話してはいるんだけどね。
15
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/17(木) 23:31:37 ID:kkIgVXw2
☆☆☆
そしてあたしが出る事になったのは。
さやか「借り物競走だったですね」
花帆「なんとかハードなやつは避けられたよ〜」
部室でそんな会話。
綴理「かほ、むりしちゃダメだよ」
花帆「あはは……もちろんです」
……実を言うと、あたしも少しは体力をつけようかとランニングに参加した事があった。
でもその結果、あたしはバテバテになって……。
綴理『かほ……大丈夫?』
綴理センパイにおんぶされて部室まで戻ってきた日もあった。
それ以来、綴理センパイから結構体のことを心配される。
今回の体育祭の話題がでたら、一言をくれるくらいには。
花帆「ゆっくりマイペースでいきますっ、大丈夫です!」
綴理「うん、わかった。応援、するね」
16
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/17(木) 23:49:13 ID:kkIgVXw2
☆☆☆
夏の日差しと言うにはまだ涼しく、春と言うには暖かすぎる。
要はちょうどいいくらいの気温。
いつもの様に部室に向かうと。
花帆「あれ……」
綴理「……zzz」
すやすやと、部室内の簡易ソファで寝息を立てていた。
座ったまま器用に。
花帆「わぁ……気持ちよさそう」
カーテン越しの、わずかな日差し。
暑すぎない心地いい感じ。
きっとそれを浴びているうちに、ウトウトしてきちゃったのがよく分かる。
……いまあそこでお昼寝したら、すっごく気持ちいいだろうなぁ。
花帆「……ちょっとだけ、ほんと。少し座って目を閉じるだけ……」
欲に負けて、あたしは綴理センパイの隣に腰掛ける。
綴理「むにゃむにゃ……」
すごい……寝言で本当にむにゃむにゃ言ってる……!
綴理「……zzz」
17
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/18(金) 23:53:51 ID:CKiqf6Ik
起きたらセックスしてたんだね
18
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/19(土) 00:15:10 ID:OLJOOsvE
明日は虹7thを楽しみましょう。
19
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/22(火) 00:23:08 ID:5ZO8ArxY
7thものすごく良かったですね。
その代償みたいに信じられないくらい体調を崩したのでそのうち再開します。
20
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/22(火) 02:29:16 ID:AQRnWQzY
新楽曲とアニガサキ振り返り良かったですよねぇ
体調お大事にです
21
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/22(火) 10:45:27 ID:RV2HJ9rc
いつまでも待ってます!
22
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/26(土) 23:33:20 ID:OABVJCv.
……寝顔、綺麗だなぁ。
あまりじろじろ見ているものでもない、ってわかってるんだけど、ついつい見てしまう。
花帆「……」
綴理センパイの隣に腰掛ける。
横顔がまた綺麗で、それだけで絵になる。
そうしてずっと見ていると、なんだか段々と。
陽の光がぽかぽかしているからかな。
花帆「ふぁ……」
あくびが一つ。
花帆(……少し、目を閉じるだけ)
23
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/27(日) 00:31:47 ID:4pr/p6g2
そんな言い訳をしていたら、あたしの意識はうっかり夢の中へ。
そこではあたしのスクールアイドルの事。
目一杯体を動かして、皆でラブライブ!を目指して。
そんな遠くなってしまっていた日々。
形は違えど、今もそれを追いかけてはいるけれど。
あたし自身が手に入れるものじゃないから。
あたしの世界は……。
花帆「……あ、れ」
頬に乾いた跡。
それを確かめるよりも早く、気付いた事。
綴理「あ、おきた?」
花帆「つ、綴理センパイ!?」
綴理センパイの膝の上だった。
☆☆☆
綴理「ん……」
お昼寝しちゃってた。
まだ誰も来てない……と思ったけど、隣にかほが居た。
かほもすやすやと眠っちゃっていた。
けど、ひとつ違うとしたら、
花帆「み、んな……」
何か口に零して、ぽろぽろと涙が溢れていた。
綴理「……」
どうしてあげたらいいか。
ボクは、ボクに出来る事。
わからなかったけど、かほの頭を膝に乗せてあげた。
24
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/27(日) 23:01:14 ID:pX.sazus
おかえりなさい!
25
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/28(月) 16:25:00 ID:aavqGgs6
かほの頭は小さくて、ボクの膝の上にすっぽり収まる。
いやな夢を見ちゃってるのかな。
寂しそうな顔。
やっぱり、男の子が一人だけなのはそうなのかな。
26
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/31(木) 00:00:59 ID:Tvw9nDX2
待ってるぞ
27
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/31(木) 09:27:23 ID:FnI9FXK6
……そういえば、こずもめぐにも言われてた。
2年生になったら、入学してきた1年生を優しく導いてあげようって。
たぶん、いま一番それが必要なのは……。
綴理「大丈夫……ボクが居てあげるから」
そう言うとこころなしか、少し表情が和らいだ気がする。
☆☆☆
花帆「ご、ごめんなさい、その。膝……借りてしまって」
綴理「ううん、いつでも貸してあげる」
28
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/31(木) 12:08:34 ID:RV3f2mMw
綴理センパイの膝枕うらやま
29
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/31(木) 12:18:31 ID:2Zp/gQBE
絶対いい匂いする
30
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/31(木) 17:21:56 ID:FnI9FXK6
綴理「いやなこと、あったら教えてね。また膝枕してあげる」
花帆「い、いえいえ! そんな悪いですから……!」
綴理「悪くないよ?」
綴理センパイはきょとんとしてそう返す。
綴理「……かほは嫌?」
花帆「えっ、いやそんな事は……」
綴理「じゃあ、いつでも言ってね」
花帆「は、はい……」
31
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/01(金) 09:21:44 ID:R/cZR2d2
善意100%の膝枕許可に、あたしはたじたじ。
うぅん、綴理センパイの距離感の近さが今は中々に……。
普段だったら何も問題はないんだけど、今のあたしは男の子だし。
……とは言っても、心は変わっていないはずなんだけど。
ドギマギするって事は、心が身体に引っ張られているのかな。
32
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/01(金) 17:12:28 ID:R/cZR2d2
☆☆☆
それからというもの、綴理センパイは随分とあたしの事を気にかけてくれる。
なんだかお姉ちゃんが出来た気分。
でも綴理センパイの、男女分け隔てなく接してくる感じが……今はちょっぴり毒かもしれない。
「何見てるの?」ってすすす、っと隣に来たり、何の気もなしに一口飲んだ後のジュースを「美味しいよ、飲んでみる?」って渡してきたり。
やっぱりどうしてもドキッ、としてしまう。
33
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/01(金) 17:40:06 ID:R/cZR2d2
☆☆☆
綴理「……」
かほは何をしたら喜んでくれるかなって最近よく考える。
そんな時、ボクがしてもらって嬉しかった事を思い出してみる。……さやにお弁当作ってもらった事とか。
だから。
綴理「さや、お弁当の作り方、教えて欲しい」
さやか「……え? 綴理先輩が作る、って事ですよね?」
綴理「うん」
さやか「お昼の分から私が作りますけど……」
綴理「ううん、ボクが食べるためじゃなくて。かほにあげるの」
さやか「花帆くんに……?」
綴理「うん。ボクがかほにあげるんだ」
☆☆☆
さやか「……という事があって」
慈「なんと……綴理が誰かに施しの精神を」
34
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/01(金) 17:41:37 ID:R/cZR2d2
さやか「こ、これはつまりそういう事、なんでしょうか」
梢「いえ……さやかさんが考えている様な事ではないとは思うわ」
慈「私もそう思うね〜、無意識にそういう事しそうだしね」
35
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/02(土) 10:05:14 ID:FIA2D6nY
恋愛脳村野
36
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/02(土) 11:35:37 ID:va8.W6Ns
ムラムラ村野
私の綴理先輩に…!許せない!
みたいにならないのかね
37
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/02(土) 22:26:53 ID:qLlgeids
瑠璃乃「綴理先輩取られちゃう〜、って不安?」
さやか「い、いえ、そういう事ではないのですが……ただ、綴理先輩が誰かを……というのが想像できなくて」
梢「綴理にも、そうしてあげたい気持ちが出来たって事ね」
さやか「……」
瑠璃乃「あ、複雑そうな顔してる」
慈「まぁ〜、綴理にも母性ってものが目覚めたかもね。さやかちゃんはしっかりしてるから、その分ね」
38
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/04(月) 00:19:11 ID:HjW2j//g
さやか「いえ……私としては、もしも綴理先輩が花帆くんを……という事なら、変な事を言ったりしないか心配で」
瑠璃乃「むしろさやかちゃんの方が母性が溢れちゃってたか〜」
梢「ふふ、そうね……とにかく、今は2人を見守りましょう」
☆☆☆
綴理「……できた」
さやか「後は花帆くんに渡すだけですね」
さやに教えてもらって、かほに渡す為のお弁当が出来上がる。さやがいつも作ってくれるお弁当と比べると見劣りするけど、かほ、喜んでくれると良いな。
さやか「……あの、綴理先輩」
綴理「どうしたの、さや」
さやか「……どうして突然、花帆くんにお弁当を……と思って」
39
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/04(月) 00:47:33 ID:26vEDKLw
続きを…続きを頼むぜ…
40
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/04(月) 00:51:21 ID:HjW2j//g
綴理「……かほが、さみしくないように」
綴理「ボクがしてもらって嬉しかった事を、かほにしてあげたいんだ」
さやか「それは……かほくんが、その。男の子だからというのは、関係あったりするんですか?」
綴理「? かほが女の子でも、同じ事するよ?」
さやか「……そうですね。すみません綴理先輩、今のは忘れてください」
さやか(あんまり詮索する事じゃ、ないですね)
☆☆☆
綴理「かほ〜」
お昼休み。
食堂に向かおうとしていた所、教室の入り口前に綴理センパイがいた。
花帆「綴理センパイ? どうしたんですか?」
綴理「お昼、一緒に食べよ?」
2つの包み。
お弁当が入ってる、って事なのかもしれないけど。
花帆「綴理センパイが作ってくれたんですか?」
綴理「うん。さやみたいに上手じゃないけど……」
花帆「いえ! すっごく嬉しいです! お天気も良いですし、屋上で食べませんか?」
☆☆☆
場所を変えて屋上へ。
綴理センパイが作ってくれたお弁当。
意外、と言ったら失礼だけど、本当に驚いた。こんな事をしてくれるなんて、思っていなかったから。
あたしの為に……。
花帆「いただきます……!」
何故か食べる所をじっ〜と見られている。
少し緊張したけど、味はしっかりとわかる。
美味しい!
花帆「すっごくおいひいです!」
☆☆☆
花帆「すっごくおいひいです!」
かほが笑って、ボクに言う。
その笑顔を見た時、ボクの胸の奥がむずむずとした。
うまく言葉に出来ないけど。
お弁当、渡せて良かった。
そう思えたんだ。
41
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/04(月) 00:57:29 ID:HjW2j//g
それからは、ぺろりと平らげてしまったかほ。
綴理「かほ、ちょっとお昼寝、する?」
花帆「え?」
綴理「ほら」
ぽんぽん、と膝を叩く。
花帆「じ、じゃあ……お言葉に甘えて……」
かほがボクの膝に。
お日様と、風が心地いい。
ボクもうとうとしそうになる。
綴理「……」
花帆「……」
このなんでもない時間。
ボク、好きだな。
かほもそうだったら、嬉しいな。
42
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/04(月) 00:57:46 ID:HjW2j//g
また明日に。
43
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/04(月) 01:17:23 ID:26vEDKLw
うおおおお!
44
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/04(月) 22:57:00 ID:HjW2j//g
☆☆☆
慈「わ〜……明確に甘やかしてるね」
梢「中々に珍しい光景よ、これは……」
瑠璃乃「ふつ〜にイチゃついてるよねぇ」
さやか「あんな顔してる綴理先輩、見たことないです……」
慈「うぅ〜ん、美人なやつが朗らかな表情してると……」
梢「なぜだか悔しい気持ちもあるけれど、様になっているわね……」
45
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/04(月) 23:43:21 ID:yzfResrY
期待
46
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/05(火) 00:00:45 ID:fc8YbUwc
☆☆☆
綴理先輩がお弁当を作って、一緒に食べる事が続いていた。
そうなってくると当然、クラスの皆にも噂をされたりするもので。
「ねぇねぇ、最近夕霧先輩とよく一緒にいるけど……」
「どういう関係なの〜?!」
花帆「部活の先輩で……」
綴理センパイは1年生の中でも話題になっていて、そんなセンパイと、学院で唯一の男子のあたしが一緒にいれば、こうなっちゃうよね。
でも綴理センパイはさやかちゃんの事も大切にしているから、毎日一緒っていうわけでもないけど。
☆☆☆
そしてそれから少し日が過ぎて、体育祭がやってきた。
47
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/05(火) 00:24:27 ID:fc8YbUwc
梢「花帆、あなたは体が丈夫じゃないのだから、無理をしてはダメよ?」
花帆「はい! 気をつけます!」
梢「また倒れたりしたら大変なんだから……」
花帆「はい……また?」
梢「え? あ……いえ、なんでもないわ。体育祭を楽しみましょう」
☆☆☆
様々な競技があり、梢センパイの100m走、綴理センパイの障害物競走、慈センパイのパン食い競争、さやかちゃんと瑠璃乃ちゃんの二人三脚。
そしてあたしの借り物競走。な
48
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/05(火) 00:37:43 ID:fc8YbUwc
これなら走りだけじゃないし、なにがお題になるかが重要。
簡単なものだったらいいんだけど。
花帆「えっ〜と……」
中身のお題を確認する。
『最近よく一緒にいる人』
花帆「こ、これは……」
いや、こういう時によくありそうな『好きな人』とかじゃなくて良かった!
この場合なら、やっぱり……!
花帆「綴理センパーイ!」
☆☆☆
─実行委員テント─
「あ、ねぇ……借り物競走のお題の紙さ、ちゃんと用意した?」
「もう始まってるのに? そりゃああそこにあるけど、今まさにグラウンドに」
「いや印刷ミスでさ、裏表に別々のお題書かれちゃってるのあったでしょ? 混ざってたら面倒くさい事になりそうじゃん」
「あー……まぁもう始まっちゃったし! なんとかなるでしょ!」
☆☆☆
49
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/05(火) 00:45:44 ID:fc8YbUwc
慈「お? 花帆くんこっち来てるよ」
梢「お題の目星があるのかしら」
花帆「はっ、はっ……綴理センパイ、ふぅ……一緒に、来てもらえますか?」
綴理「ボク? うん、いいよ」
慈「へ〜、綴理かぁ、お題は……えっ」
花帆「えっとですね、内容は……」
梢「花帆……あなたは、中々度胸があるのね」
花帆「へ?」
綴理「かほ、早く行こ」
花帆「あっ、そうですね! 行きましょう綴理センパイ!」
綴理センパイの手を引いて、ゴールへ向かって走っていく。
梢「……綴理、なんとも思っていないのかしら」
慈「さぁねぇ……あまり深く考えてないだけかもよ。『大好きな人』、なんてさ」
梢「それもそうかもしれないわね……」
50
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/05(火) 00:51:30 ID:fc8YbUwc
花帆「はぁっ、はぁっ……」
綴理「かほ、大丈夫?」
花帆「は、はい。大丈夫です……よし! お題の確認、お願いします!」
「は〜い。え〜と……」
花帆「えっと、内容は最近よく一緒にいる……」
「おっ、オッケーです! オッケー! ゴールゴール!」
花帆「え? まだ全部言ってな……」
「大丈夫! もう見せてもらったから!」
花帆「?」
綴理「ほら、かほ。いこ?」
花帆「うぇ、は、はい……?」
51
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/05(火) 00:53:26 ID:fc8YbUwc
紙を渡して、なんだかよくわからずにゴール。
花帆「でもいっちば〜ん!」
綴理「わーい、ぱちぱち」
花帆「綴理センパイがあの場所にいてくれたおかげで、走るキャラやが」
52
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/05(火) 00:58:02 ID:fc8YbUwc
紙を渡して、なんだかよくわからずにゴール。
花帆「でもいっちば〜ん!」
綴理「わーい、ぱちぱち」
花帆「綴理センパイがあの場所にいてくれたおかげで、走る距離が少なくて済みました!」
綴理「うん。……ねぇ、かほ?」
花帆「はい! なんですか綴理センパイ?」
綴理「……ボクも、かほの事、好きだよ」
花帆「へ、へ?! も、もうなんですか急に〜……」
綴理「……? あれ? そういう事、じゃないの?」
花帆「そういう事……?」
綴理「……うぅん、やっぱりボクにはまだ難しい事みたいだ。でも、かほに悪く思われてないって知れて、良かった」
花帆「……?」
綴理「じゃ、まだまだ体育祭、たのしもー」
花帆「お、おー!」
53
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/05(火) 00:58:25 ID:fc8YbUwc
また明日に。
54
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/05(火) 01:25:45 ID:HVuMcxcQ
楽しくなってきやがった
55
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/05(火) 01:26:02 ID:jYIIVigI
そろそろニヤニヤタイムに突入ですかな?(・∀・)ニヤニヤ
56
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/05(火) 01:54:10 ID:j84A2Jmg
花帆くん側が好きだと伝えても理解してもらえないパターンかと思ったが…
これはコレで
57
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/05(火) 04:10:53 ID:.oJH0McY
何やら気になるところがあるのだけれども…
楽しくなってまいりました!
58
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/06(水) 00:14:01 ID:RdlgjHc6
☆☆☆
体育祭が終わり、皆でお疲れ様会という事で部室でお菓子やらジュースやらを持ち込んでまったりと。
さやか「そういえば、梢先輩の100m走、歓声がすごかったですね」
瑠璃乃「めぐちゃんの時も盛り上がってたね〜」
花帆「それなら綴理センパイの時も……」
話も盛り上がり、少し経った頃。
綴理センパイがお手洗いに行ってる間に、なんだか皆がそわそわしだす。
花帆「……なんだか皆さん、そわそわしてません?」
慈「あー……いや、ね」
瑠璃乃「それもそうっていうか……」
さやか「むしろ花帆くんが堂々としすぎていると言いたいくらいなのですが……」
59
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/06(水) 00:24:16 ID:aezGJeYw
さやかちゃん、ルートに入ってないのに下の名前呼びなの…?
サイボーグさやかはどこに行ったのさ
60
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/06(水) 00:24:50 ID:RdlgjHc6
花帆「?」
梢「……今のうち、綴理がいない内に聞いてしまうけれど……花帆、その……」
花帆「は、はい」
梢「あなた……綴理の事が、好きなのよね?」
花帆「え? ……まぁ、そりゃあ、好きですけど」
そう言うとなぜだか皆かっ
61
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/06(水) 00:33:40 ID:RdlgjHc6
そう言うとなぜだか皆「わぁ……」とわちゃわちゃとしだす。
……何か、あたしの知らない所で話が進んでる?
花帆「あの、皆さん何か……僕の知らない何かがあるような……」
そう言いかけた時、タイミング良く、または悪く綴理センパイが戻ってきた。
綴理「よいしょ……」
綴理センパイが隣に座る。
綴理「……どうしたの? かほ」
花帆「あ、いえ……なんでもないです」
……まぁ、いっか。
62
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/06(水) 00:46:48 ID:RdlgjHc6
でもあたしはすぐに知る事になる。
一体何が起こっていたのかを……。
☆☆☆
それはお昼休みが始まってすぐ、綴理センパイが来るのを待っていた時。
「ねぇ日野下くん……噂で聞いたんだけどさ。夕霧先輩と付き合ってるって本当?」
花帆「え、えぇ!? そんな訳ないよ! ぼくなんかじゃ、綴理センパイと釣り合わないって……」
「でもさでもさ、体育祭の時の借り物競走でさ、お題の『大好きな人』でさ……夕霧先輩、連れて行ったんでしょ!?」
花帆「え? ……え、ぇえ!?」
な、なにそれ?!
大好きな人って……あたしのは最近よく一緒にいる人だったはずじゃ。
花帆(あっ、まさか……!)
そういえば……今回の借り物競走のお題の用紙に、ミスがあったとかって聞いた気がする。
もしかしてあの時の紙……裏側にそう書いてた!?
でももしそうだとしたら……あの時の梢センパイたち、噂を知ったさやかちゃんたちも知ってるよね……。
体育祭後のプチ打ち上げでの皆の様子がおかしかったのって、それが原因!?
63
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/06(水) 00:53:51 ID:RdlgjHc6
花帆(え……じゃあ、まって……)
綴理センパイ、それを分かった上で来てくれた?
それにあの時……綴理センパイは。
『……ボクも、かほの事、好きだよ』
あれ、って……。
花帆(えっ、えっ、えええっ〜〜〜!?)
一気に顔が熱くなる。
そんなそんな、だって、そんなの……!
綴理「かほー」
花帆「ひゃっ!? つ、綴理センパイ!?」
ぽむ、と背後からあたしの頬を両手で包んで驚かされる。
でもそれどころかじゃない。
だってもうあたしは、今この瞬間から。
花帆「あ、あ、あ……!」
綴理「……かほ? 顔、赤いよ? 大丈夫?」
こつん、とおでことおでこを合わせられる。
周囲の黄色い歓声。
目と目が合う。
綴理「わ、熱い……体調、悪くない?」
花帆「だ……」
意識するなって方が無理だよ……!
花帆「しゅ〜……」
綴理「わ、かほ……!」
限界超えてしまって、気絶。
綴理センパイが呼んでる声がするけど。
返事なんて出来るはずもなかった。
64
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/06(水) 00:54:28 ID:RdlgjHc6
また明日に。
65
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/07(木) 00:30:59 ID:At/Eslbo
☆☆☆
目を覚ますと保健室のベッド。
あぁ、そっか……あたし、あの時気絶しちゃったんだ。
恥ずかしすぎて……。
花帆「ぅ、うぅん……」
昼休みからそこそこの時間が経っている長いお昼寝をしていた気分。
綴理「あ、かほ。起きた?」
花帆「……つ、綴理センパイ」
綴理「急に電源が切れたみたいになって、びっくりしたよ。……もう、元気?」
花帆「は、はい……あの、綴理センパイ」
あたしとしても……確かめないといけない。
花帆「あの……借り物競走の時のお題……なんですけど」
花帆「なんて……書いてありましたか?」
綴理「うん。……大好きな人、だって」
花帆「……その」
花帆「どう、思いましたか……?」
66
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/07(木) 00:42:03 ID:At/Eslbo
綴理「……」
そこにいるのは、確かに綴理センパイのはず。
なのに。
いつもと違う雰囲気が漂う。
ミステリアスな綴理センパイじゃない。
綴理「うん。……嬉しかった。そう思ったよ」
髪を耳にかきあげて、ただただ美人な綴理センパイ。
天然と言いたいわけじゃないけど、そんな気配が消えていた。
だからこそ、そんな言葉の一つ一つにドキドキして仕方ない。
花帆「……あの、その」
布団にくるまって、何を言えばいいか。
あれは事故だった……とは、言いたくなかった。
67
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/07(木) 00:57:39 ID:At/Eslbo
でもどうしよう。
あたしは、今、綴理センパイの事をすごく意識してしまっている。
だから、今後どういう距離感で接するべきか分からない。
花帆「綴理センパイ……これからも、ぼくと仲良くしてくれますか?」
綴理「うん、もちろん」
花帆「……ありがとうございます」
☆☆☆
慈「かぁっ〜……甘酸っぱすぎて、しょっぱい物が食べたくなっちゃう」
梢「でも、とりあえずは先輩と後輩が続きそうな様子ね」
瑠璃乃「花帆くん、照れまくりだね〜」
さやか「綴理先輩も……そうみたいです」
慈「え? そう? 普通っぽいけど……」
さやか「耳を見て下さい……」
瑠璃乃「わっ……すごい、赤くなってる」
梢「綴理にも……照れる、なんて気持ちがあったのね」
慈「ポーカーフェイスは完璧なもんだね……」
☆☆☆
綴理「……」
かほをお部屋に送って、ボクも自室に。
綴理「大好きな人……」
そう思われる事。
良い気分。
でも、やっぱり。
何か違う。
さやに言われるのと、違う。
綴理「ボク……どうしたんだろ」
ボクだって、少しくらいは分かることもある。
男の子に、そう言われたら……そういう事。
つきあいたい、って事かもしれないってこと。
かほにはそう伝えられたと思ったんだ。
68
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/07(木) 00:59:31 ID:DTUpt/JI
平仮名表記かほ呼びが好き
かほー、ってのて呼ぶのも好き
69
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/07(木) 01:02:06 ID:At/Eslbo
……恋愛とかは良くわからないけど。
かほなら、嫌じゃなかったから。
応えようと思った。
でもどうやら違うみたい……ボクの勘違い?
……それなら、さっきの保健室での反応は、なんだったんだろう。
なんだかボクだけ、いろいろ考えちゃってるみたいだ。
かほの事をたくさん。
だからその日の夜は、うまく寝付けなかった。
☆☆☆
綴理「って言うことがあって、最近はさやに起こしてもらわないと起きられない日が多い」
慈「それを全部おっぴろげて話してくれるの、すごいところだと思う……」
梢「聞いてるこっちがドキドキしてしまうわね……」
70
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/07(木) 01:02:56 ID:At/Eslbo
また明日に。
71
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/07(木) 23:37:13 ID:At/Eslbo
2年生だけの会議。
ボクの悩みを2人に聞いてもらっていた。
梢「……綴理の気持ちはどうなの?」
綴理「ボクは……うぅん」
ボクの気持ち。
それを問われると、上手く答えられない。
慈「まだいろんな物が分からない感じかぁ……」
72
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/08(金) 23:40:38 ID:Fc8Zi9ck
慈「それなら、難しい事いろいろ考えないでさ、綴理の好きな様にやりたい様にやればいいと思うよ」
綴理「……ボクの、やりたいように?」
73
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/09(土) 00:00:05 ID:y8CX1.Mk
梢「そうね……花帆がもしそうなら……それはそれでいいし、慈の言う通り、何も気にしないで過ごす方が綴理も楽じゃないかしら?」
綴理「そうだね……うん。そうしてみるよ。ありがとう、2人とも」
☆☆☆
それからボクは、こずとめぐの言葉通り、普段通りにかほと接する事にした。
綴理「かほ、ごはん食べよ」
一緒に、ボクが作ったお昼ご飯食べて。
綴理「今日もいいお昼寝日和だね」
かほの寝顔を眺めて。
綴理「かほ、今日もお疲れ様」
☆☆☆
さやか「……綴理センパイの距離感が近い?」
瑠璃乃「今更な気もするけど〜……そんなに?」
花帆「うん……あ、でもね? 嫌ってことじゃないの。ただ……」
瑠璃乃「花帆くんも男の子だし、しかも綴理先輩めちゃ綺麗だから、困っちゃうよね〜」
74
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/11(月) 01:10:14 ID:ZtIR6aKM
待ってる
75
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/11(月) 02:52:17 ID:V9t8iZBg
花帆「う、ん……そうなの」
瑠璃乃「ありゃ、素直に認めたね」
花帆「だってさ……やっぱりそうでしょ? 最初は、なんていうか、不思議な雰囲気のおかげでというか、そのせいでというか……うやむやになってたけど、綴理センパイって綺麗だし……あんなに近くにいられたら……」
瑠璃乃「ドキドキしちゃう?」
花帆「する……」
さやか「確かに……わたしたちも忘れそうになりますけど、花帆くんって、男の子でしたね」
花帆「ぼ、ぼく何なの?」
76
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/11(月) 03:15:51 ID:V9t8iZBg
でも綴理センパイにドキドキしちゃうのは事実なわけで。
生活に支障が出そうだから……。
瑠璃乃「……っていうかさぁ、花帆くんって。結局のところ、綴理先輩の事……好きなの?」
花帆「……それは」
……どうなんだろう。
ドキドキもするし、意識もするけど。
それが果たして、その感情なのか。
あたしが普通の男の子なら、きっとその答えをまだ簡単に考えられたんだろうけど。
あたしは、そう言うわけにもいかない。
さやか「……まぁ、まぁ。今はいいでしょう。それも大切ですが、夏休みに入ったら始まる合宿の為に、外泊申請しにいきましょう」
花帆「そうだね」
あんまり考えすぎても、なのは確かにそう思っていた。だからここで空気の流れを変えてくれたさやかちゃんには感謝だね。
77
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/11(月) 09:17:24 ID:39r3SiQQ
僕、何なの
78
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/11(月) 17:35:00 ID:V9t8iZBg
☆☆☆
そして夏休みに突入し、合宿が始まる。
梢センパイの別荘に集まり、早速練習…と思っていたけれど。
慈「初日くらい思いっきり遊びたいよね〜」
水着に着替えて海へ向かう。
あたしも日焼け止めを塗ってから向かう。
79
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/11(月) 17:35:12 ID:V9t8iZBg
また明日に
80
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/11(月) 23:28:20 ID:fGQulSHo
おいおいおいおい
続きが待ち遠しいぞ
81
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/12(火) 09:26:32 ID:sQU49ejo
☆☆☆
綴理「かほ、一緒にお城つくろ」
綴理センパイに誘われ、砂浜で砂の城を作る。
さやかちゃんも加わって、3人で。
本格的な物になっていって、夢中で作り上げていった。
さやか「あ、穴……繋がりました!」
花帆「わっ、ふふ……びっくりした」
さやかちゃんと手が触れ合う。
花帆「それにしても、こんなに立派なのが作れちゃうなんてびっくりしちゃった!」
さやか「そういう大会があったら優勝出来ちゃいそうですね」
綴理「そうだね……」
82
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/12(火) 12:38:14 ID:qsG2JeAQ
さやと花帆の手が、
こういう時、花帆もさやも無意識にギュッと恋人繋ぎしてるんでしょ、僕知ってるよ、
83
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/12(火) 12:39:10 ID:qsG2JeAQ
なんかそれっぽく見えちゃったけど、
>>82
は
>>1
の書き込みじゃないです
84
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/12(火) 13:35:04 ID:WNEr5L9Y
>>83
ちゃんと説明してくれて偉い
85
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/12(火) 13:47:15 ID:C6Q14Qrg
責めっ責めのさやかちゃんがグイグイ来て、つづセンがモヤるのください
言葉少なに花帆くん抱き寄せて去っていくのもアリです
86
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/12(火) 17:47:23 ID:sQU49ejo
綴理「かほ、こっちもトンネルあけよ」
綴理センパイが手を伸ばして、もう一つトンネルを開けようとする。
あたしもそこを掘っていく。
すると案外すぐに開通した。
花帆「あっ、繋がった! 綴理センパ……」
綴理「……」
綴理センパイの手が触れたと思ったら、ぎゅっと握られる。
見えないから尚更驚いてしまった。
花帆「綴理センパイ……?」
綴理「……」
さやか「? どうしたんですか?」
花帆「あ、いや……」
離してくれないからどうにもできない。
悪い事してるわけじゃないけど、どうしたものか……。
慈「うぉ〜い、皆〜、ご飯にするよ〜」
慈センパイが遠くから皆を呼ぶ。
そのおかげか、綴理センパイも手を離す。
綴理「いこっか」
花帆「あ、は、はい……」
87
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/12(火) 17:54:17 ID:sQU49ejo
☆☆☆
皆でお昼を食べて、練習に入る。
それを終えた後は、お風呂に入って……そんな時だった。
梢「これは私の不手際なのだけれど……ここにはダブルベッドが3つしか無くて……」
という事は、誰かがあたしと同じベッドに……なんてなってしまう。でもそれは、あたしとしても止めておくべきなんだろうと感じている。男子だし、ね。
花帆「あの、ぼくはソファとか使うので、気にせずに……」
綴理「ボク、かほと同じベッドでいいよ」
さやか「え!」
花帆「でも綴理センパイ、それは……」
綴理「1人だけ別のところなんて寂しいよ。……かほは、ボクとは嫌?」
花帆「い、いえそんな事は……」
綴理「じゃあ、決まり」
88
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/12(火) 17:56:44 ID:NJalR34Y
いや、ダメだろ…
89
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/12(火) 21:13:47 ID:gAckAOws
つづたん可愛い
90
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/13(水) 02:19:15 ID:7XF1xLOM
積極的な綴理、良いですね…
91
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/13(水) 08:51:29 ID:koAsxux.
あまりにも堂々とした物言いに、誰も異議を唱えられない。
……え、あたし。今夜綴理センパイと寝るの?
☆☆☆
そんなこんなで、気付けば綴理センパイと同じ部屋に2人きり。
……余計な事は考えない様にしよう。もう、眠るだけだし。
慈センパイにも「変な気起こしちゃダメだよ」なんて言われたけど、そんなつもりも度胸もない。
92
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/13(水) 09:02:01 ID:koAsxux.
綴理「かほ、おやすみ」
花帆「おやすみなさい……」
ダブルベッドに2人、正しい使い方。
なのにどうにも落ち着かない。
当たり前かな……普通ならこんな状況はやってこないんだから。
ドキドキして、眠気なんかずっと消えたままだ。
花帆(うぅん……)
寝返りをうつ。
気を紛らわせる様に。
そして少し目を開けると、綴理センパイがじっ、とあたしの顔を見つめてきた。
93
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/13(水) 16:44:11 ID:2eYEuNiU
更新がすごく嬉しい
94
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/13(水) 17:58:47 ID:koAsxux.
目があった時にドキッとした。
まさかこっちを見ているとは思わなかったから。
花帆「つ、つ、綴理センパイ? ど、どうしたんですか……?」
綴理「……ううん」
綴理センパイがあたしの頬に触れる。
もうさっきからドキドキしっぱなしでどうにかなってしまいそう……。
綴理「初めてかほを見たときから思ってたけど……かほ、やっぱりかわいい」
そう言ってニコリと微笑む。
花帆「っ、あ……か、からかわないでくださいよぅ……」
綴理「からかってないよ?」
95
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/14(木) 08:57:41 ID:iJILnoxw
花帆「っ〜〜〜……も、もう! 寝ますよ!」
もう顔を直視できないから、綴理センパイに背を向ける。
このままじゃ、綴理センパイにおかしくされてしまいそうだから。
綴理「……おやすみ、かほ」
☆☆☆
ボク自身も、どうしてしまったんだろうと思った事。
昼間、海でお城を作っていた時。
さやに。
さやが。
ちょっと嫌だった。
さやの事大好きなのに。
どうしてそんな気持ちが過ぎったのか分からない。
だからあの後ごめんね、って謝ったら「何がですか?」って言われた。
96
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/14(木) 09:13:13 ID:iJILnoxw
このもやもやとした物がなんなのか。
分からないけど、嫌じゃない。
ボクはこれが嫌いじゃない。
綴理「でも……」
後ろ向かれるのは、ちょっと寂しい。
綴理「……」
☆☆☆
花帆「……う、ぅん……」
……暑い。
夏、だからじゃない。
この熱は……。
花帆「ん、ん……!?」
目を覚ましたら、あたしは何故か綴理センパイの腕の中だった。
綴理「……zzz」
すやすやと寝息をたてて、あたしの事を抱き枕みたいにして。
綴理センパイの顔が、ほんとうに、本当にすぐ目の前に。
息が顔に当たるくらいに……。
花帆「つ、綴理センパイ……」
起こそうとして声をかけようとすると、ドアをノックする音。このノックは……!
梢『綴理? 花帆? もう時間だけれど、起きてる?』
花帆(わ、わ……!)
かちゃり、とドアの開く音。
このまま起きていたら……よりも、いっその事……!
梢「あ、あら……まぁ……」
いっその事、寝たフリをして一旦乗り過ごす……!
梢「……や、やっぱり2人は既にそういう……? い、いえ……止めておきましょう……」
そう言って梢センパイが外に出ていく。
慈『起きてた?』
梢『い、いえ……もう少しだけ、寝かせておきましょう』
97
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/14(木) 09:21:15 ID:eq0y6jJI
こず、ありがとう
98
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/14(木) 17:56:20 ID:iJILnoxw
慈『なんで? もう起こしておかないと』
梢『いえその……と、とにかく。先に準備を始めていましょう?』
足音が遠ざかる。
……梢センパイ、ありがとうございます。
それと同時にごめんなさい……。
というか早く起きないと……。
花帆「つ、綴理センパイ……起きてください」
綴理「んー……」
反応はするけど起きてはくれない。それどころか抱きしめる力が少し強くなる。
花帆「んん……!?」
顔が胸に沈められる。
ふにりとはっきりと分かる……わかる!?
花帆(だ、だめだよこんなの……!)
99
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/15(金) 09:00:55 ID:V57v6L7g
すっごく大きいわけじゃないけど、確かな存在感。
今のあたしにはとんでもない刺激だった。
綴理「ん……かほ……?」
どうやらようやく目を覚ましてくれた綴理センパイ。
綴理「おはよ、かほ」
なのに変わらずあたしを胸に抱き寄せたまま。
もっと、こう。綴理センパイにはあたしを男子として認識して欲しい。
この距離感は、後輩の男の子にしていい近さじゃない。
花帆「あっ、あの! もう皆起きてるみたいなので、ぼくたちも……」
☆☆☆
梢「……花帆、一つ聞きたいことがあるのだけれど」
花帆「あっ、はい。なんですか?」
梢「その……綴理と……ど、どういう関係なのかしら?」
花帆「え? え、と……先輩と後輩です」
梢「そうではなくて……もっと、こう親密な……」
花帆「……そういう関係じゃないですよ。ぼくと、綴理センパイは」
100
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/11/15(金) 09:08:37 ID:V57v6L7g
梢「……そう、なのね?」
うぅ……やっぱりあんなの見られたら、色々疑われるよね。
梢「……花帆、もし悩み……があったら、私や慈を頼るのよ。……綴理について、話せる事は話すから」
それが何を意味するか。
あたしは応援されているという事で。
やっぱり傍から見ても、そう見えているのかな。
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