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なぜエスペラントは普及しないのか?

18松戸彩苑:2008/01/18(金) 04:27:02
>>17 の続き)

つまり、日本では英語を勉強するための「動機」をもたらすものがたくさんあるのに、エス
ペラントを学習させる動機を与えるものはあんまりないのです。これは日本だけでなく、ど
の国でもそうだろうと思います。巨大な経済力と高い文化をもつアメリカを背景とする英語
と、主としてヨーロッパと東アジア(日本、中国、韓国)に百万人程度しか使用者がいない
エスペラントでは、学習の魅力ということについては、勝負になりません。

結局エスペラントは、クラシック音楽とか日本舞踊とか俳句のような、一種高尚な趣味の
一つといった雰囲気に包まれているんでして、(注10)国際語としての実用性を発揮する
のは、残念ながら難しい状況にあるといえるでしょう。

ですから、現実的に考えると、英語が国際語として普及するのは致し方ないと考えるしか
ありません。しかも幸いなことに、英語というのはエスペラントに似て、動詞の活用とか名
詞の形の変化とかが比較的単純ですから、最初に学習する外国語としてはとっつきやす
い性質をもっています。そして世界の多くの国で英語が第一外国語としてすでに学習され
ているのですから、このまま英語が国際語としての道を歩み続けることになるでしょう。

  英語が国際語でいいのか

しかし、日本人である私は悔しい! なぜならば、英語が国際語としてのゆるぎない地位
を確立してしまったら、英語を母語とする国の人々は、世界的レベルのコミュニケーション
で圧倒的に優位に立つからです。日本語が国際語になればいいのですが、フランスでさ
えあれだけフランス語の普及に努力しているのに、結局は英語に押されっぱなしという事
実を考えると、(注11)日本政府はフランス政府ほどの努力もしていないのですから、日
本語が国際語になれる可能性は薄いと思います。

交渉とか議論とかを英語でする際に、相手が英語を母語とする人間だと、どうしてもそれ
だけで気後れしてしまいますよね。相手は全然たいした内容のことを言っていないのに、
それに対するまともな反論もできない自分がなさけなくなることさえあります。ところが、相
手も英語を母語とする人間じゃないと、どうせお互い下手なんだからという安心感があって
か、けっこう堂々と英語が話せたりします。

というわけで、世界の人々がすべて対等にコミュニケーションをするためには、誰かの母
語ではない言語を国際語として用いるのが絶対に望ましいのです。そしてそのような国際
語としていま通用する可能性があるのは、多分エスペラントだけだと思います。

しかし先ほども申し上げたように、エスペラントは国際語になれそうにないのです。この二
律背反をどう解決するか、うーん、コトバだけの問題ではないだけに、私にも名案はありま
せん。


(注1) L.L.Zamenhof(一八五九−一九一七)

(注2) ベーコンとかライプニッツのような哲学者もこういう人工言語を考えたということです。
もちろん、失敗したわけですが。

(注3) このことは、「日本エスペラント学会」のホームページにそう書いてありました。

(注4) 「人間」「本」「パン」は、イタリア語で uomo、libro、pane、スペイン語で hombre、libro、
pan です。エスペラントとよく似ていますよね。

(注5) ま、冠詞の使い方を間違えたって、通じることは通じるんでしょうが。

(注6) もっとも、進行形のない言語は世界にいくらでもあります。ドイツ語とかロシア語が
そうです。

(注7) 英語学の大家といわれる学者でも、「話すのはなかなか大変でねえ(もちろん英語
のことです)」と言っているのを聞いたことがあります。

(注8) 外国語は、基本を覚えたあとの上達が、最初よりはぐっと遅くなるので、中級以降
の努力が苦しいですね。

(注9) エスペラントが上手であることは、日本では、英語も同様に上手だということを意味
する場合が多いのですが。

(注10) でも、エスペラントを知っていると、世界中のエスペランチストの家に泊めてくれる
ので、旅行が楽だと、ある日本のエスペランチストが言っていました。

(注11) 最近では日本語教師の海外への派遣なんかも行われるようになりましたが、フラ
ンスはそんなことずっと前からやっています。


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