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エスペラント改造論

1やぱーの@管理人:2006/10/12(木) 17:46:51

申し訳ありません。すでに、このスレを立てたのですが、タイトルが「敢えて...」でした。
管理人初心者でしたので、お許しください。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/7882/1158318733/l50
改造論のスレを立てます。アルファングル以外は、こちらでどうぞ。

173松戸彩苑:2007/11/10(土) 16:15:23
エスペラントで「引き分け」を何と言うのかが知りたくて『日本語エスペラント辞典』を見たと
ころ

  ひきわけ【引き分け】 〔試合〕 matĉo sen rezulto. 試合は3対3の〜に終った La matĉo
  finiĝis senrezulte, 3 kontraŭ 3.

と書いてありました。

次に Benson の英エスで draw を見てみると

  (tie in game, contest, etc.), egalvenko;

tie を見てみると

  (in game, contest, etc.), egalgajno, egalvenko;

となってるんですね。
ということで、まったく違ったことが書いてあったんですね。
---

で、日・英以外の言語で「引き分け」を何というのかが知りたかったので、日本語版 Wiki-
pedia の「引き分け」の記事を見たんですが、エスペラントの記事にもリンクが貼ってあっ
たので、当然押してみたわけです。

すると、remiso という(私にとっては)見慣れない語が見出し語になってたんですね。
この記事によりますと、フランス語の remis というチェス用語が語源なんだそうです。

そこで私は、NPIVと旧版のPIV(& Suplemento)を調べてみたのですが、remiso などと
いう語根は収録されていませんでした。
『エスペラント日本語辞典』も調べてみたのですが、remiso は載っていません。

『Neologisma glosaro』を見ますと remisa が載っており、また『Nepivaj vortoj』を見ますと
remia = remisa というのが載っています。
---

「引き分け」のことをドイツ語では Unentschieden、Gleichstand、Remis と言うそうなので
Krause の独エスを見てみますと、unentschieden の項には sendecida という訳語があり、
das Spiel endete 〜 1:1(試合は1対1の引き分けに終わった)という例文に対しては

  La maĉo finiĝis [kun la] sendecida [rezulto] unu per unu

というエス文が付けられています。

また Remis の項には remio と書いてあって、Gleichstand は見出し語がありませんでした。
---

フランス語では「引き分け」のことを match nul、partie nulle、résultat nul などと言うそうで
すので、これらを Le Puil と Danvy の仏エスで調べてみましたが、nul の項に partie nulle
が載っており vana partio という訳語が与えられていました。

エスペラントの partio には「試合」「勝負」という意味もあるんだそうですが、またまた新しい
表現法が出てきたわけですね。

なお、match nul と résultat nul は載っていませんでした。
---

イタリア語では pareggio と言うそうですが、Carlo Minnaja の伊エスを見てみますと egal-
stato, vana partio という訳語があげてあり、le due squadre hanno fatto un pareggio(そ
の2つのチームは引き分けた)という例文に

  la du teamoj konkludis la partion egalstate

という訳が与えられています。
また pareggio の動詞形である pareggiare の項には egali en matĉo、fari vanan partion
という表現があります。

174松戸彩苑:2007/11/10(土) 16:16:34
>>173 の続き)

スウェーデン語では oavgjort と言うそうですが、Vilborg のスウェーデン・エス辞典を見て
みますと oavgjord というのが載っており nedecidita という訳語がついています。
そして、この項のなかに

  spela oavgjort(おそらく「引き分ける」の意味) ludi nedecide [egale]

  oavgjort parti(引き分け) vana partio

という用例が載っています。

また、チェスの「引き分け」のことは remi と言うらしいんですが、この辞書で調べてみます
と vana partio となっています。
---

ということで、さまざまな言語のさまざまな辞書を使って「引き分け」の表現方法を調べて
みたわけですが、ずいぶんいろいろな表現が載ってることが判ります。
要するに「てんでバラバラ」なわけですね。

Wikipedia には remiso というNPIVにも載ってないような表現が見出し語にされています
が、これも、これまでの表現がマチマチで、しかもどれもイマイチだと判断されたので、
やむなく採用されたのではないでしょうか。

「引き分け」などというごくごく基本的な表現が、このようにマチマチだというのは問題だと
思いますし、また「使っているうちに自然に発展する」などという話にしても、とても信じら
れないわけです。
また、このような状態なのに「エスペラントはどんな分野の表現でも可能なほどに発展し
ている」などと考えているのは、エスペラント運動にとってマズイと思うのですね。

たしかにエスペラントというのは、かなり多くの語彙・表現をもっており、そのおかげで(人
工語としては)大量の文献をもっているわけですが、しかし「引き分け」のように基本的な
表現なのにハッキリ決まっていないという問題もあるわけです。
そのせいでエスペラントは、本来発揮するはずの能力を十二分に発揮できないように、私
には見えるのです。

つまり「基本的なコンセプトは正しいのに、残念ながらバグの多いソフト」みたいなものな
んですね。

ですから、こういった問題をしらみつぶしに解決していく必要があると、私は考えているわ
けです。

また逆に言えば、こういった問題を解決していけば、今以上の成果が得られるのだと、私
は言いたいのです。
---

最後に「引き分け」という表現に対する私の考えを述べますと、egal-finiĝo と表現すれば、
誰にでも判るのではないかと思いますね。

また(おそらくフランス語の partie nulle に由来すると思われる)vana partio という表現が
よく載っているということが判りましたが、これを利用して

  la matĉo finiĝis vana-partie.

とか

  la matĉo vana-partiiĝis.

などと表現することも出来るかなと思いました。

とは言っても、私には remiso に反対する気はまったくありません。
これまでにも述べてきたように、私は「現代の文明社会に住んでいるふつうの成人であれ
ば誰でも知っているような語彙・表現」の確立が大事なのであって、それの達成のためな
らば、合成によるものであっても、新語根であっても、どちらでも構わないという立場だか
らです。

(終わり)


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