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床屋政談

2キラーカーン:2008/10/07(火) 22:50:15
床屋政談(予算と法律)

最近では、ガソリンの暫定税率の扱い(価格が25円下がるか否かという問題)で問題となっている予算と法律との関係ですが、この両者の議決については、よく知られているように、衆議院の優越については大略以下のような違いがあります(細かい点については、憲法の規定を参照してください)。おさらい的に確認しておきますと
予算:衆議院の過半数で議決→参議院が否決・両院協議会決裂(30日以内に参議院が議決しなかった場合)→衆議院の議決が優先
法律:衆議院の過半数で議決→参議院が否決・両院協議会決裂(60日以内に参議院が議決しなかった場合)→衆議院の3分の2以上の多数決で再議決
ということで、大きな違いは
1 予算では衆議院の再議決の必要がない(俗に「自然成立」といわれます)
2 みなし否決までの期間が一般の法律では60日であるのに対し、予算では30日
ということになります。
また、予算と法律は形式上無関係です。つまり、予算の議決をもって法律の改正はできません。また、その逆もしかりです。というわけで、予算案の中には法律改正を予定しているものもあります。代表的なものは税金に関するもので、その他には、政府組織の改編というものもあります(今年度でいえば、「観光庁」の新設と「海難審判庁」の廃止→国土交通省設置法の改正)。これらの、予算成立に伴って改正が必要となる法律を「予算関連法案」といいます。
これまでは、(連立)与党が衆参両院の過半数を制していました(参議院は自民党単独過半数ではないため、衆参両院で過半数を制するために自公連立が必要)ので、これらの法案は、予算成立後速やかに成立していました(予算に賛成しておいて、予算関連法案に反対することは現実にはありえません)ので、予算と法律との衆議院の優越の差異は問題とならなかったのですが、今般のような「ねじれ国会」では、予算案と予算関連法案の審議日程上、30日と60日という「みなし否決」までの期間の差異が影響を与えます。
 予算を成立させるだけであれば、2月中に予算案を衆議院通過させれば年度内成立になるのですが、その日程では、予算関連法案の年度内成立が不可能になります。つまり、4月の1ヶ月間だけは、予算はあってもそれを裏付ける法律がない(暫定税率に基づく税金を徴収出来ない)という事態になります。これが、
「4月の1ヶ月間だけはガソリンが25円安くなる」
ということの実際的な意味です。この事態を避けるためには、
1 1月中に予算案と予算関連法案を衆議院で可決→事実上不可能
2 予算案を2月中、予算関連法案を1月中に衆議院可決→これも不可能
(現実に予算が成立していないのに予算関連法案を審議することはできない)
ということで、報道にもあるように、とりあえず、「暫定税率」を延長することでしのぐという「奇手」をひねり出したわけです。


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