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アラブ・中東の映画

1さーひぶ:2002/07/18(木) 00:45
最近のアラブ・中東の映画について語りましょう。

122さーひぶ。:2013/12/15(日) 22:04:51
【サウジ初の女性監督による長編劇映画デビュー作『少女は自転車にのって』】

サウジアラビアが生んだ初めての女性映画監督ハイファ・アル=マンスール
(Haifaa al-Mansour/هيفاء المنصور)による長編映画・劇映画としては
最初の作品である2012年公開の映画作品『ワジダ』(Wadjda/وجدة)、邦題は
『少女は自転車にのって』が、この12月7日から日本での公開が始まりました。

日本語公式サイト ttp://shoujo-jitensha.com/(予告編の動画があります)

映画館の設置が法律で禁止され(!!)、映画産業と呼べるものも存在しない
サウジからどうやって女性映画監督が誕生したのか? 彼女は、進歩的な母の
もとで育って、海外の映画のビデオを見まくり、エジプトやオーストラリアへ
留学して映画を学び、アメリカ人の外交官と結婚して現在はバーレーン在住。
進歩的な家庭に育って、留学・国際結婚をすれば、こういう女性も出るんですね。

製作国は「サウジアラビア・ドイツ」となっていて、彼女が脚本・監督を担当し、
他のスタッフたちはドイツ人風の名前です。サウジ政府が欧米から民主化を
求められる中で、全撮影をサウジ国内で行なった初めての映画作品となり、
サウジアラビア政府の検閲も無事に通過して、2014米アカデミー賞外国語映画賞
のサウジアラビア代表に選ばれ、各国の映画祭で受賞している優秀作品です。

あらすじ・感想などは、また後ほど

123さーひぶ。:2013/12/17(火) 22:07:01
>>122の続き) 『少女は自転車にのって』のサウジ予備知識

 この作品は、一見すると、少女と自転車のほのぼのとした他愛ない話のよう
にも見えますが、その実、男尊女卑の因習が支配するサウジ部族社会の問題を示唆する描写が細かくちりばめられているようにも思えます。
この作品を観るために必要と思われる予備知識をいくつか挙げてみます。

 サウジの女性は、月経が始まる10歳くらいから、家族以外の男性がいる場
所では、アバーヤ(عباءةまたはعباية)という黒いガウンを羽織って身体
を隠し、ヒジャーブ(حجاب)やブルカ(ブルクウ برقع)というヴェールで
頭部や髪の毛、両眼を除く顔面をすっぽり隠さなくてはなりません。
肌を隠すだけではなく、声を男性に聞かれるのも戒められます。

 公的な場所において、男女が同席することは非常に避けられており、
学校教育が男女別学なのはもちろん、結婚式でも男女は別々に集います。
家族以外の未婚の男女が会うこともご法度で、男女の密会がばれれば、
宗教警察によって逮捕され、罰せられます。
(この作品のサウジ国内の撮影現場では、女性である監督と男性スタッフ
たちとの同席は許されないため、監督は現場から離れた車(バン)の中から
モニターを見ながら無線を使って現場に指示を出していたそうです!!)

 少女婚(児童婚)の習慣があり、10歳くらいの幼い少女が、10歳以上
年上の大人(ときには老齢の)の男性に嫁がされることもあります。
夫婦の事をさせられた幼い少女が出血多量で死亡することもあります。
 男性は、同時に4人まで妻を持つことが許されていますが、女性の重婚
は禁止。夫は妻を一方的に離婚できますが、妻にはできません。

 女性は、車の運転を法律で禁じられています。女性の一人旅も不可。
今回の映画の中では、自転車も女の子に好ましくないと描写されており、
学校の校長が「自転車は危ないわ。信心深い娘にはね。」と言います。
>>124へ続く)

124さーひぶ。:2013/12/17(火) 22:24:02
>>123の続き) 『少女は自転車にのって』のあらすじ
 ワジダ(وجدة)は、首都リヤド郊外に住む10歳の気ままでお転婆な少女。
女子だけの小学校へ通っているが、制服の下はジーンズとスニーカー姿、しかも
ヒジャーブで髪と顔を隠さずに通学するので、戒律に厳しい女校長ヒッサ(حصّة)
からは問題児扱いされている。ワジダは校長から、体を隠すアバーヤで登校しろ
と言われてへこむが、母親は10歳のワジダが「そろそろ嫁がせる時期」(児童婚)
になったと気づいて微笑む。
 ワジダは、自転車を持っている近所の少年アブドゥッラー(عبدالله)と競争して
勝ちたいと思い、ある日見かけた800リヤル(約22,000円相当)の緑色の自転車が
無性に欲しくなる。母親が、女の子が自転車なんてダメと買ってくれないので、
自分でお金を稼いで貯めることにする。手作りのミサンガを売ったり、上級生の
アビールが「兄」(実はボーイフレンド)と密会するのを仲介して報酬をもらった
りして自転車代を稼ぐ。
 上級生アビールが男と密会して宗教警察に逮捕されたというので、手伝った
ワジダは校長から退学させられそうになるが、母が謝罪して助かる。
 足にマニキュアを塗っていたファーティマ(فاطمة)とファーテン(فاتن)
は、校長から「罪深い行為をした」と全校生徒の前で断罪される。
 学校でコーラン暗唱コンクール(مسابقة تحفيظ القرآن الكريم)
が催されることになる。優勝賞金1,000リヤル(約27,000円相当)に目の色が
変わったワジダは、改心して宗教クラブに入部すると校長に言い、コーラン
は苦手だったが、コーラン学習テレビゲームを買って猛勉強を始める。
 ワジダの母は、車で3時間の職場まで通っていたが、女性は車の運転が
禁じられているため、南アジア系の不法滞在労働者とおぼしき乗合自動車
運転手イクバール(إقبال)を雇って通勤や買い物に出かけていた。
ある日、イクバールが辞めたので困り果て、レイラ(ليلى)が勤め始めた病院
職員への転職を思い立つが、顔を隠さずに男性と一緒に働くので、諦める。
 ワジダの父は、たまにしか家に帰って来ない。父の母(ワジダの祖母)
は、ワジダの母が後継ぎの男子を生まないので、第2夫人になる花嫁候補
を探している。家系図は立派だが、女であるワジダは外されている。
>>125へ続く)

125さーひぶ。:2013/12/17(火) 22:33:28
>>124の続き)
 いよいよ、コーラン暗唱コンクール。宗教語彙や啓示の口頭審問の後、
コーランの朗唱(節(ふし)を付けて、歌うように暗唱する)。

(これより、ネタバレ!)
 朗唱の得意な新婚のサルマー(سلمى)らを押さえて、ワジダが優勝。
校長「賞金は何に使うの?」  ワジダ「自転車を買います。」
あきれた校長は「賞金はパレスチナの同胞に寄付しましょう。」
自転車の夢が消えて、落胆するワジダ。
 ワジダの父と第2夫人の結婚式。それを遠くから眺めつつ、ワジダの母
は泣きながら、ワジダと母娘2人だけで暮らす決意を娘に告げる。
 母から贈られた最高の宝物とともに、ワジダは風を切って疾走する。(了)
         *         *
 かつて、子どもを主人公にしたイラン映画作品が日本でもちょっとした
ブームになりました。宗教や政治体制に抑圧された社会の複雑なテーマを
散りばめながらも、子どもの視点を中心軸にすえることによって、検閲を
くぐり抜けつつ、メッセージ性の強い秀作群になりました。
 ワジダを主人公にした本作も同様に、宗教・部族的な男尊女卑の因習に
よって抑圧されている社会を描いた、サウジの秀作といえるでしょう。
現実の厳しいサウジ社会よりは、かなり理想化されているかも知れません。
しかしながら「アラブの春」が完全に潰されてしまったサウジにおいて、
映画という手段が社会をより良い方向へ変えて行く可能性を示したことは
とてつもない意味があると信じています。
         *         *
12月14日(土)から東京・神保町の岩波ホールで新春ロードショー。
国内各地の劇場で順次公開予定。文部科学省特別選定作品。

ウィキペディア記事
ワジダ ttp://en.wikipedia.org/wiki/Wadjda
ハイファ・アル=マンスール ttp://en.wikipedia.org/wiki/Haifaa_al-Mansour

126匿名さん@サラーム:2014/01/04(土) 20:56:23
ここで語ろう
ttp://jbbs.shitaraba.net/study/9419/


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