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科学と疑似科学とを判別する

72 diamonds8888x:2018/06/16(土) 15:17:06 ID:YTgYp/xY
>>71
 仮説の種類の違いにより検証の性質も違ってくるという点について、予備的な話をまずします。

 科学的検証をする対象には理論と事実の2種類があります。第3の種類もあるかも知れませんが、今のところは思いついていません。理論とは多数の事実に共通する性質を述べたもので、「○○ならば××となる」といった因果関係や相関関係であることがほとんどです。他の場合もあるかも知れませんが、今のところは思いついていません。

 理論の検証をするときには上の○○や××に事実を入れた命題を検証するという手順になりますが、私がここで「事実」と呼んだものは、内井は「経験的事実を述べる単称命題」であると述べ「基礎命題」と呼んでいます[p65]。wikipediaでは「原始命題(primitive propositions)」と書かれていましたが、この言葉は本来は命題論理式においてひとつの命題変数記号で表される命題のことで「原子命題(atomic propositions)」と同じ意味で使われているようです。なので理論を論理式で表現されたものと考えれば適切なのでしょうが、ちょっと形式化しすぎた印象も受けますね。

 また内井は[5章.理論・観察・測定]では「観察」とか「観察事実」と呼んでいます。例えば天文学ならば、星の運行の記録が「観察事実」の記録であり、そこから見出される規則性が「理論」です。ちなみにこの第5章では天動説vs地動説を例にして詳しく論じていますので、読まれるとおもしろいと思います。

 さてこの「事実」または「観察事実」ですが、星の運行ならば単に観察すれば検証可能な事実と言えるかも知れませんが、「ある性質を持つ素粒子Xが存在する」という命題ともなると、そう簡単に検証できるものではありません。いやまあ前者にしても定量的な命題ともなるとそれなりの道具立てが必要ですが。だからこそ「物は落ちる」という事実は誰もが観察できたのに、その落下運動の定量的性質の観察はガリレオを待たねばならなかったのですね。

 というわけで「理論の検証」のみならず「事実の検証」というものも必要な場合がでてきます。ポパーが反証可能性を提唱した時には「理論の検証」を想定していたのですね。


 以上の分類を見れば、多くの場合に「事実」を示す命題は存在命題(existential proposition)となり、「理論」を示す命題は全称命題(universal proposition)となることはわかると思います。


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