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トンデモネタに対する突っ込み用情報ソース備忘録

1ミケ:2006/02/03(金) 20:48:10 ID:zcGeqzE6
表の議論を見てて立てたくなりました。
探すのに苦労したソースや頻出するネタに対する突っ込みソース(著書、論文、ウェブページ)
を簡単な解説と引用をつけて列挙するスレ。

表は、メインとミラーの入れ替えで、過去ログを探しにくくなりましたし、
Yahoo!とか再評価掲示板とかで示したことがあるソースをまた探すのはきつい。

これを引用するようにすれば既出ネタで血圧を上げる心配もありません。
また、同じネタに対して異なる複数の論点での反論がある場合も、
ここのNo.○○と××と△△を見よ。
見たいな感じで『フクロ状態』を軽減できるかもしれません。

2ミケ:2006/02/03(金) 21:56:02 ID:zcGeqzE6
一発目はbombardier beetleことミイデラゴミムシ類。いわばヘコキムシ。
ある創造論者はおおむね以下のように主張した。

このムシの放屁行動が突然変異で偶然生じたなんてありえない。
なぜなら、
・化学反応用の100℃の高温にも耐える器官
・化学反応の基質(ハイドロキノンと過酸化水素)
・基質が反応しないようにしておくための抑制物質
・反応のための酵素
・噴射の調節装置
の全てが同時に生じなければならないからだ。


これに対する最も適切な反論は「同時に生じる必要などない」でしょう。

・そもそも『基質が反応しないようにしておくための抑制物質』など存在しない
・化学反応の基質が体内で別の目的で使われていた
ソース
リチャード・ドーキンス「盲目の時計職人」(p.151〜p.152)

・反応に必要な酵素、カタラーゼとペルオキシダーゼは放屁用化学反応のためだけの酵素ではない
ソース
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%BC
http://en.wikipedia.org/wiki/Peroxidase

・祖先においては、化学反応用の器官が100℃の高温に耐える必要などなかったかもしれない。なぜならCrepidogaster属の甲虫の“屁”は、せいぜい43℃から64℃くらいまでしか上がらない。
ソース
Eisner T, Aneshansley DJ, Yack J, Attygalle AB, Eisner M. 2001. Spray mechanism of crepidogastrine bombardier beetles (Carabidae; Crepidograstrini).
Chemoecology 11: 209-219

とまあこんな感じで。
投稿中にキーワードを散りばめとくとあとで検索しやすいかな。

3ミケ:2006/05/17(水) 23:46:13 ID:KO.P9.dA
たんぽぽ さんのリクエストにお答えして。
まずは経緯説明。
2006年5月13日(土)21時57分31秒
よう と名乗る人物が、第一掲示板に以下の書き込みをしました。

>決定的な証拠が見つかったのなら、「埋まりつつある」なんてものじゃないんだよ。
>進化論者はもろ手を挙げて苦節1世紀半を耐えて来た反動で大喜びだろうな。
>ネイチャーには創造論もちゃんと載ってるぞ。バランス良くさ。

なかなか珍しいケースですのでせっかくなのでこのスレに残しておきます。

確かに、ネイチャーには創造論について言及した記事がいくつかあります。
たとえば
Nature (2005) vol.436, p.761
Scientists attack Bush over intelligent design(※)

ミケによるわりとテキトーな意訳付けておきます

・US scientists are again on the offensive against intelligent design, an idea that many see as thinly veiled creationism.
合衆国の科学者たちは見え透いた皮をかぶった『創造論』とみなされているインテリジェントデザインに対して再び攻撃的になってきた。

・Intelligent design ― the notion that certain features of living organisms are so complex that they must have been shaped by an external intelligence ― has enjoyed increasing prominence among the US public, although not among scientists (see Nature 434, 2005). This is despite Bush's science adviser John Marburger stating on the record that intelligent design is not a scientific theory.
インテリジェントデザインは―(IDの説明なので中略)―科学者達には相手にされなかったが、合衆国民衆の間に熱狂的に受け入れられた。ブッシュのサイエンスアドバイザーである John Marburger が公的に「インテリジェントデザイン論は科学的仮説ではない」と表明したにもかかわらずこのような状況になった。


IDは科学ではなく、科学の皮をかぶった創造論である、というお話。
なるほど確かにネイチャーに創造論は載っていますね。
科学で「ない」ものの代表として。


(※)ArticleではなくてNewsの記事

4あき:2006/07/24(月) 11:30:24 ID:c8Ergsls
ミケさんへ

ブログを作ってみました。
Yahooの生物進化トピでミケさんが書き込んだ「始祖鳥は恐竜だった(笑)」を引用していいですか?

5あき:2006/07/24(月) 11:31:43 ID:c8Ergsls
リンク先のURLを書くのを忘れていました。ここです。

http://akisince2006.blog.shinobi.jp/

6ミケ:2006/07/24(月) 15:08:55 ID:zcGeqzE6
あき さんへ

どうぞどうぞ。
しかし、狙ってやったことではありますが
あらためて見るといかにも創造科学支持者が書きそうなタイトル。

7あき:2006/07/24(月) 16:03:50 ID:c8Ergsls
>>6
ありがとうございます。

8<削除>:<削除>
<削除>

9diamonds8888x:2006/08/20(日) 12:57:25 ID:cix7jPKY
 反ダーウィニズムを標榜する人達には何がダーウィニズムなのかが曖昧な人も多いようです。元々のダーウィンの理論は複数の理論からなるのですが、ここでまとめておきましょう。

 出典は雑誌「科学」の河田雅圭による記事(1)です。河田が参考にしたのはフツイマの教科書(2)です。
1)科学(1998/12)「小特集:今を生きるダーウィン」岩波出版
 河田雅圭「ダーウィンの進化理論と現代の進化生物学」
2)Futuyma,D.J."Evolutionary Biology(3rd)"(1998)
 フツイマ,D.J.:訳;岸由二「進化生物学(2版)」

 ダーウィンの理論はMayr,E.が挙げた5つの理論から成ります。従って反ダーウィニズムと言っても、どの理論を認めないかで色々な形があり得ます。これらの区別もできずに反対のための反対では論外です。
1)進化すること
2)共通祖先と分岐
3)漸進性
4)集団内の個体変異による進化と種分化
5)自然淘汰説

 1と2については以下の区分ができます。
 ラマルク以前: 生物には単純なものから複雑なものまでの序列がある。この"存在の序列"は神が定めたもので変化しない。
 ラマルク説: 現在複雑な生物はより昔に単純な生物として生じて時間と共に複雑化したもので、現在単純な生物は最近発生したためにまだ複雑化する途中である。
 ダーウィン説: 生物は共通祖先から枝分かれして進化した。人も他の下等生物も同じ祖先という点が当時ではラジカルで反発も買った。ラマルク説では祖先は異なる(ので一般からの反発は少なかった?)。

 3の漸進性については断続平衡説が異を唱えた。

 4を河田は「変異型進化」と呼んでいる。対してラマルク説での進化を「変形型進化」と呼んでいる。これは集団内の全個体が一斉に同じように進化するという形である。今西錦二説の「変わるべくして変わる」という説もこの「変形型進化」に該当するだろう。

 5は詳細な解説も世の中に多いので略します。もちろん4の集団内の個体変異が前提であり、個体変異の発生機構解明については、突然変異説の登場や遺伝機構の解明を待たねばなりませんでした。

10ミケ:2006/08/23(水) 23:47:29 ID:KO.P9.dA
はやし さんという人物が、
中立説によれば、生物は変化し続けていなければおかしい。
生きた化石が変化しないことに対する説明はないのか、
というような内容を第一掲示板で主張しました。

彼は種の起原を読んだと自称していたので、
「種の起原」下巻のp.49からp.50にかけて生きた化石についての説明があるので読めば分かる、
分からないなら解説してあげようか、
と言ってみたら、(第一掲示板、8月20日(日)21時17分51秒 )

自分の解釈を全く示すこともなく、「あっさりじゃあお願いします」と言われてしまいました。
(8月20日(日)21時37分53秒 )

種の起原を読んだことがあるのなら、あるいは手元にあるのなら、
自分なりに該当箇所の解釈を示してくれるかもとか思っていたのですが、
まあ、それはちょっと期待しすぎだったようですね。

もしかして実は読んでなくて、しかも手元にすらなくて、
解説を聞いてからおかしいところを探そうという魂胆なんじゃないか
などと邪推してしまうのは、ミケのココロが黒いせいでしょうか。
愚痴はここまでにしておいて、とりあえず該当箇所の引用から。

**********以下引用**********
(前段までが、異なる属や綱の生き物同士で変化の速度が異なるという実例、生きた化石とかも含む)
これらのいろいろな事実は、私の学説とよく一致する。
私は一つの地方に住むすべての生物を突然に、あるいは同時的に、あるいはひとしい程度に、
変化させるような一つのきまった発達の法則があるとは信じていない。
変化の過程は、極度に緩徐でなければならない。
おのおのの種の変異性は、ほかのあらゆる種の変異性とまったくかかわりをもたない。
かかる変異性が自然選択によって利用されるかどうかということ、
また変異は多かれ少なかれ蓄積されて、変異しつつある種を多少とも変化させるようになるかどうかということは、
多数の錯雑した偶然的要因――変異性が役に立つような性質のものであること、交雑の能力、
繁殖の速さ、その地方の緩徐に変化する物理的条件、
そしてことに、変異しつつある種が競争せねばならない他の生物の性質――に依存する。
それゆえ、ある一つの種が他のものよりずっと長く同一の形態を保持し続けていたり、
あるいは、かりに変化するとしてもわずかな変化であったりしても、おどろくにはあたらない。
**********以上引用**********
(岩波文庫 「種の起原(下)」 p. 49-p.50)


とりあえず、ダーウィン以降に得られた知見もついでに加えた上で上記を解説しましょう。

生物の形は、
突然変異によりバリエーションが与えられ、
物理的環境および生物観相互作用に起因する自然選択によってそれらがふるいにかけられることで決定します。
突然変異はランダムですので、どんなバリエーションが与えられるかは分かりません。
で、どう変化していくかということは、自然選択を引き起こす種々の要因によって決定します。
突然変異はランダムであり、遺伝子一つ一つが形態に及ぼす効果は軽微であることが多いので、
基本的に変化の過程はきわめて緩やかになります。
環境や他の生物が同じであれば、その姿が長く変化しないこともまたありうるだろう、
とダーウィンは言ってるわけですね。

まあこれだけで十分とは思いますが、
一応補足しておきたいことがいくつかあります。
長くなったので投稿を分けます。続きは>>11

11ミケ:2006/08/23(水) 23:54:33 ID:KO.P9.dA
・中立説がどういうものか
分子レベルの変化では、中立的な変化がほとんどであることを主張したもの。
中立説は、もともと、
『あるタンパク(ヘモグロビンなど)におけるアミノ酸の置換頻度が、
いろいろな生き物でどうやらある程度一定らしい』
という観察事実から得られたもの。
形態を著しく変化させてきた生き物も、あまり変わってない生き物も
分子でみたらどっちも同じくらいの速度で変化していた、ということ。
つまり、中立説は、形態の変化速度とは無関係!
したがって、生きた化石がダーウィニズムに矛盾すると言いたい場合、
中立説を後ろ盾にすることはできません。残念でした。


・三葉虫やアンモナイトについて。
生きた化石と呼ばれる連中(オウムガイやカブトガニ)は
環境の安定した深海や干潟に生息している。ゆえに姿を変えず生き残ってきた。
この説明に対して、
はやし さんは、それじゃあ三葉虫やアンモナイトが絶滅したことを説明できない、
反論になっていない反論を行いました。
なぜ反論になっていないかといいますと、
三葉虫やアンモナイトは、深海でも干潟でもなく、浅い暖かい海に生息していたからです。
地球規模の環境変動で、浅い海の環境は激変しました。
しかし深海の環境変化は比較的穏やかでした。
かくして深海のオウムガイは生き残り、浅い海のアンモナイトは絶滅しました。
と、まあこんなところでしょうね。(またも大雑把すぎ。まあいいや。)


・中立な変化とは
形態が変化すれば、そのほとんどが自然選択にかかってしまいます。
バランス・異性へのアピール・捕食者への影響・被食者への影響etc.
ニンゲンで言うなら、赤血球の変化でさえ甚大な選択圧を受けてしまいます。(鎌形赤血球)


・シーラカンスは変化していないか?
シャミセンガイは調べてないので分かりませんが、
シーラカンスは少なくともしています。
過去に生息していたシーラカンスと、現在のシーラカンスは別属に分類されています。
現在のLatimeriaは、地質時代にはいなかった、と言い換えても良いでしょう。


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