したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

進化生物学の誤用を考える

4NATROM:2005/11/03(木) 09:19:50 ID:Z2veARY2
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
>これらを網羅した結論は「(現代の人口密度が高い国などのように)固体の数を減らしたほうが効率よく子孫を増やせるから、一時的に少子化になっているだけ」「利己的な遺伝子は、その環境・状況に合わせて子孫を最大限に残せる戦略を取っているだけ」「だからある程度まで減ったら必ず人口は上昇する」

少子化を、条件付戦略(「人口が多ければ子の数を減らせ。人口が少なければ子の数を増やせ」)をとる利己的遺伝子によって説明を試みることは、それほど悪い考えではありません。しかし、人間は単純にそのような規則には従っていません。それに、「子孫を最大限に残せる戦略」といっても、かつてヒトが進化してきた環境と、現在社会はだいぶ違います。人間が遺伝子の影響を強く受けていると仮定しても(この仮定だってあやふやだ)、ヒトが進化してきた環境では適応的な行動であったのに、現代社会ではそうではないという可能性を考慮すべきです。

そもそも、少子化が回復する理由は、「多産系の女性が選択によって数を増すから」って言っていませんでした?「人口が減れば、環境に合わせて子の数を増やすから」という理由なんですか?いったいどっちなんです?ムサシさんは自分ではお気づきでないかもしれませんが、言っていることがその場その場でコロコロと変わるのです。変わらないのは、結論「少子化は自然に回復するから、税金を投入して対策する必要はない」のみ。

科学的事実よりもイデオロギーを優先する人はこうなりやすいです。事実を積み重ねて結論を出すのではなく、まず結論ありきですから、過程を重要視しないのです。「少子化はウソというのを認めたのか」というのも同じです。結論に至る過程を大事にしていないので、私が「人口はいずれ下げ止まる」と書いただけで、私がどうような過程で結論に至ったのか、考えようとしないのです。

少子化が自然に回復するかどうかという問題と、少子化対策を行うべきかどうかという問題は、異なる問題です。たとえ、少子化が自然に回復するというムサシさんの主張が完全に正しいとしても、それでも少子化対策を行うべきという議論は成立します。たとえば、長期的には回復するとしても、短期的に少子化が社会に悪影響を及ぼすのであれば、少子化が自然回復するまでのつなぎとして、少しでも人口減少を緩やかにする努力を行う価値はあるでしょう。一方、少子化の自然な回復が期待できないとしても、少子化対策を行うべきではないという結論もありえます。コスト対効果が低ければ、当面は別のことにお金を使うべきかもしれません。

いずれにせよ、いったいなぜ少子化が自然に回復するのか、という理由について、多産系の女性が選択によって数を増す、というのは、「一番確か」でないどころか、妥当な推論ですらないというのが私の指摘です。熱心な右翼で、フェミニズムに反対し、少子化対策など不要と考えている人であっても、進化生物学について理解している人であれば、ムサシさんの「証明」が間違っていることに同意するでしょう。あと、それから、

2. 長谷川眞理子は、「進化論学者」「動物行動学者」「生物学者」のいずれでもないとお考えですか?
3. 【「進化論学者」「動物行動学者」「生物学者」で、”少子化で日本の人口がどんどん減る”などと言っている者は一人もいません】と主張するにあたって、ムサシさんはどのように調べましたか?

という質問に答えていただければ幸いです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板