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進化生物学の誤用を考える

1NATROM:2005/11/03(木) 09:09:03 ID:Z2veARY2
紫藤ムサシさんによる、「エセ科学・学問」を検証し、告発するサイトであるところの、科学で政治・社会を考える:論理政治科学研究室について、以下のようなエントリーが掲載された。

■「少子化は回復する」数学的証明(科学で政治・社会を考える:論理政治科学研究室)
http://houkoku.air-nifty.com/busi/2005/10/post_e13a.html


私ことNATROMが、それに対して批判的なエントリーを私のブログで行った。端的に問題点を指摘すると、竹内久美子に代表されるような、進化生物学の安易な人間への適用は、イデオロギー宣伝のために科学を利用されることになりかねない。我々は社会ダーウィニズムの暗い歴史と、暗いとはいえないまでも社会生物学をめぐる論争から、特に人間を進化論的に扱うには慎重にならねばならないことを学んだはずである。

■「少子化は回復する」数学的証明(NATROMの日記)
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20051027#p1


ムサシさんの再反論。

■バカにつける薬(科学で政治・社会を考える:論理政治科学研究室)
http://houkoku.air-nifty.com/busi/2005/10/post_6e3b.html


私の再々反論。

■「少子化は回復する」数学的証明、続き(NATROMの日記)
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20051030#p1


その他、ムサシさんのブログのコメント欄で、いくつかムサシさんに批判的なコメントが書かれたが、削除されてしまった。一部、IP規制がかかっている人もいる。私の個人的な意見としては、ブログの管理者がどのような運営をしようと自由であるからして、自分に都合の悪いコメントを削除しまくろうとかまわないと思う。しかしながら、科学上の問題について論じようというときに、相手の意見を一方的に削除してしまうことがふさわしいのであろうか。「科学で政治・社会を考える」と書いておきながら、実情はそうではないことを暴露しているようなものであろう。

加えて、削除基準が明確ではない上に、恣意的であるように見える。混乱を避けるために、削除するならするで、その方針について明確にすべきであろう。一番問題であるのが、ムサシ氏はコメント欄で、「あなたにお聞きしますが」「その理由は一体どこにあるのでしょうか?」等々、私に質問を振っておきながら、私が回答したコメントを削除していることである。これが公正である運営といえようか。

2NATROM:2005/11/03(木) 09:12:56 ID:Z2veARY2
とりあえず消されちゃった私のコメントを再掲する。さて、削除に値するものだったかどうかは、読者に判断してもらいたい。

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>長谷川真理子氏については知りませんでした。竹内久美子さんも「科学的事実よりもイデオロギーを優先する学者が多数いる」と言っていましたから、その類でしょう。

おいおい、長谷川眞理子も知らないのに、【「進化論学者」「動物行動学者」「生物学者」で、”少子化で日本の人口がどんどん減る”
などと言っている者は一人もいません】って言っていたのですが。それから邦訳された本を買うときには、訳者の名前を確認したほうがよいです。「社会生物学の勝利」の訳者は「科学的事実よりもイデオロギーを優先する学者」かもしれませんよ。


>ドーキンスも「多産系の女性がいる」と認めているではありませんか!

私は別に、子の数に遺伝的変異が【ありうる】ことを否定していません。注を参照のこと。

http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20051030#20051030f1

【ありうる】【ある】を区別しましょう。子の数に遺伝的変異が【ありうる】からといって、それを無条件に前提にした証明には不備があると言っているのです。それに、ムサシさんは引用していて、[現代社会という環境下で]多産系の遺伝子は、ヒトが進化してきた環境下では淘汰されてしまうことに気付かなかったんですか?現代社会が成立する以前は、かような遺伝子は「彼らの子のうち生き残れるものの数が少ないから」淘汰されて無くなってしまいます。現代社会でなんで都合よく、突然にそのような遺伝子が生じるんですか?


>「自由意志のある先進国」でなぜ、”少子化を解消”しようとしても効果が上がらず、少子化が止らないのですか?

子の数が遺伝的に決定されていないからでしょうね。ヒトに自由意志などなく、ひたすら遺伝子をコピーするだけが目的なだけなら、そもそも少子化なんて起こらなかったはずです。


>「男女の数は何故・均衡する」(歴史上一度も崩れたことがない)のですか?

新生児の性比がほぼ1:1だからでしょう。「少子化が進行するなら、(一旦どちらかに偏ったらそれも進行し)男女の均衡も崩れるはず」という理由がわかりません。


> 50年・100年経って日本の人口が半分になっても更に減り続けますか?「自由意志」はそれでも生まない選択をし続けるのでしょうか?
> 人口が1/10になっても「自由意志」は産まない選択をし・人口はまだ減り続け0になるまで続くのでしょうか?

それはそのときになってみないとわかりません。私の個人的な意見を言えば、人口は0になるまで減り続くということにはならず、いずれは下げ止まると思います。しかし、ムサシさんが想定したような理由からではありませんが。付け加えれば、いずれ下げ止まるからといって、少子化対策が不要ということにはなりません。急激な人口の低下が社会的に悪影響を及ぼすのであれば(私は及ぼすと思う)、税金を投入して少子化対策を行うという選択肢を考えるべきです。


> 利己的な遺伝子が自身の死を目指す科学的な説明を提示してください。

どこかに「利己的な遺伝子が自身の死を目指す」などと主張している人がいるのでしょうか?定義上、利己的な遺伝子は自身の死を目指しません。人間は利己的な遺伝子に反逆する能力を持っているがゆえ、その気になれば自殺も出来ますし、避妊も出来ます。
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3NATROM:2005/11/03(木) 09:19:13 ID:Z2veARY2
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>結局・私の記事の「少子化はウソ」「少子化は一時的なもので、必ず回復する」という主張を認めたということでしょうか?

いいえ。私は「少子化は【必ず】回復する」とは考えていません。私は少子化は生物学的な問題ではなく、社会的・経済的な問題だと考えています。少子化が続けば、現在のような社会を維持できなくなるがゆえに、社会情勢は変化します。社会情勢が変化すれば(たとえば高度な技術を維持できなくなり19世紀の水準に逆戻りする、など)、いずれは人口の減少は下げ止まる【だろう】、というのが【私の個人的な意見】です。「数学的証明」とか「一番確か」とか言っている人と一緒にしないでください。社会情勢を予想するのは難しい問題です。難しい問題に関しては、推測にとどめるのが知的な態度といえましょう。

それに、ムサシさんは故意に問題をすりかえておられるのかもしれませんが、そもそもの問題は、ムサシさんが、「少子化は必ず回復する」と証明したその理由と、ドーキンスがそう言っているかどうか、です。なんの証明もなく、子の数が遺伝的に決定されていることを前提にしているという難点を私は指摘しました。ドーキンスも「多産系の女性がいる」と認めている、というムサシさんの反論に対して、

1. 子の数に遺伝的変異が【ある】と【ありうる】は異なる。子の数に遺伝的変異がかつてあったとしても、淘汰されていて現在はなくなっているかもしれないではないか。ムサシさんが引用したような「養いきれないほど子を産む個体」が、ヒトの進化の歴史の中で淘汰されなかったのはなぜか。

と再反論したのですが、それに対するコメントをお願いします。


>結局・汐見教授も”マスコミの少子化報道”も間違っているという私の主張に賛成されるのですね?

汐見教授の意見は知らないのでコメントできません。一般的に言われている少子化についての提言は、すべてではないにしろ、もっともなところがあると考えています。すでに述べていますが、よしんば少子化が自然に解消することが正しいとしても、急激な人口の低下が社会に悪影響を及ぼすのであれば、少子化対策を行う必要があります。なお、もし、「100年後は日本の人口は1人になる!」などと真面目に言っている人がいたら、その人は大馬鹿だと思います。なぜなら、人口が1人になるずいぶん前に、出産をとりまく環境が変化しているに違いないからです。「50年後は日本の人口が半分」というのは、実際の計算がどうかは分かりませんが、直観的にはありえないことではなかろうと思います。


> 私もカタツムリに寄生した寄生虫が鳥に古い固体を食べさせて、新しい固体に乗り移ることは知っていますよ。
> では、人間の場合・「新しい個体」とは何でしょうか?

人間の場合の新しい個体は何か、などと考える前に、人間の自殺は利己的な遺伝子によるものではない可能性について考慮したほうがいいと思います。


> 「この記事」
> 「セーシェル・ヨシキリの例」
> 「キプシギス族の研究」
> で三つも理由を述べています。

どれも理由になっていませんが、全部いっぺんに指摘するはたいへんなので、おいおいやっていきます。まあ今週中にはセーシェル・ヨシキリに関連して、子の数のコントロールについて書きたいと思っています。
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長くなったので分ける。


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