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なぜ、カインの捧げものを認められなかったのか?
40
:
タチバナ@灰羽連盟
:2004/02/16(月) 09:30
(コピペつづき。↓見れば分かるとおり、「南中高度」の話はボヴァール説批判の{{{{{一部}}}}}に過ぎない。)
10450BC
さて、問題の4.ですが、これは完全に「トンデモ」説です。
1.2.では文献史料やノイゲバウアー&パーカーのエジプト天文学に関する研究書なども用いて地道に論を進めていてそれなりに説得力があり、3.では奇抜な着想に驚かされますが、4.はただ単にぶっ飛んでいるだけです。
なんといっても、南中時の角度まで正確に一致する年代がピラミッド基本計画の作成時、であるとする説を裏付ける根拠が全くありません。『オリオン・ミステリー』pp.107,121で示される古代エジプト壁画の三ツ星を見ても、ただ星を3つ並べればそれで良かったようで、角度まで考慮しなければならない理由はどうみても史料上には存在しません。
歴史的には、12000年前に天文学を発達させるような文化は存在しなかった、と言ってしまえばそれきりです。
低すぎる高度
天文学的な弱点もあります。1.で述べられた「オリオン」や「シリウス」に対する信仰、というのは、「4500年前すなわちピラミッド時代のギーザ(北緯30゜)」の星空でのもとです。星空そのものは、「現在の日本」「現在のエジプト・ギーザ」とそう大きな差異はないので、私たちにも何となく理解しやすいでしょう。
しかし、「10500BC のギーザ」の星空になると、だいぶ様相が異なります。三ツ星の左端の星(ζOri)の南中高度は、9.5゜(『創世の守護神』下 p.159)ということですから、オリオンの四辺形の下辺の星(リゲル、サイフ)の南中高度は2〜3゜くらい、上辺の星(ベデルギウス、ベラトリクス)でも、20゜に達しません。現在の北緯35゜における南中高度で比較すれば、ベテルギウスの高度でも、現代日本におけるアンタレスはおろかフォーマルハウトより5゜以上低く、三ツ星は同じくさそり座の最南よりさらに低く、つる座の2つの2等星と大差ない高度になります(「つる座」ってご覧になったことあるでしょうか?)。
南中高度が低いということは、それだけ大きく見える、ことになりますし、現在の京浜京阪あたりでカノープスを見るのと同じで稀少価値も出てくる、ということがあるので、そのころ見てもそれなりに目立ってはいるでしょうけど、それでもあまり長い間見えるわけでもなし、天空を旅する、というイメージとはかけ離れた南天を擦るような星座です。特別なモニュメントが作られるほど信仰されるとは考えにくいでしょう。
さらに、シリウスの南中時高度も2゜弱です(『創世の守護神』下 p.159)。これも地平線を擦っていくだけです----明るいから目立つことは目立つでしょうが。こんな「シリウス」と「オリオン」が星辰信仰の中心になったり、ピラミッドなどという大モニュメントの配置の下になったりする、というのはきわめて考えにくいことでしょう(まだ、疑問の残る人は夜、外に出て、低空のケンタウルス座がどのように見えるか、自分の目で確かめてみてください)。
ボーヴァルの説は、ピラミッド時代においては成り立ちますが、10450BC にはとても通用しません。「現在の北半球中緯度」の星々のイメージで話を進められていくと何となく納得してしまいそうになりますが、注意が必要です。
後で詳しく述べますが、もし、12000年前に北半球に超古代文明が存在し、そこに星辰信仰があったのなら、まず間違いなくヴェガ(織女)がその信仰の中心になっていたでしょう(南天ならカノープス)。あれだけ明るい星が天の北極から十数度離れたところで一晩中輝いていたのですから。
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