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群馬県民スレPart2
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視点・論点 「"富岡製糸場"世界遺産の課題」
2014年06月24日 (火) NHK
国士舘大学教授 岡田保良
(「富岡」世界遺産登録の報道)
今月15日から、カタールのドーハで第38回のユネスコ世界遺産委員会が開かれています。
その中で群馬県の「富岡製糸場と絹産業遺産群」が、世界遺産一覧表に登録されることが正式に決まりました。我が国としては18番目の世界遺産となります。
(「富岡」の構成内容と評価)
世界遺産登録にあたり、製糸場ばかりが注目されているようですが、「絹産業遺産群」という尾ひれが付いているとおり、世界遺産登録の成功は、国の重要指定文化財の製糸場と、養蚕農家としての田島家、養蚕学校としての高山社跡、さらには蚕の卵を保管していた荒船風穴という国指定の史跡3ヶ所との合わせ技でした。
世界遺産の登録には、「顕著な普遍的価値」すなわち「国家間の境界を超越し、人類全体にとって現代及び将来世代に共通して重要であること」が求められます。私たちは、明治はじめの富岡製糸場の建設も機械力による生糸生産の開始も、フランスなど西洋の技術を積極的に導入してはじめて可能になったことに加え、その後の生糸生産の進展に、風穴を利用した蚕種の貯蔵、養蚕農家の形式改良に果たした田島家の功績、養蚕技術者の育成に果たした高山社の役割、それぞれがモデル工場としての富岡製糸場を支えたことという、2つの側面をつよく主張しました。
ユネスコの諮問機関、イコモスは勧告文の中で「二つの養蚕の教育施設及び蚕種倉庫を含む関連施設とともに、伝統的な生糸生産から急速に最善の大量生産手法に到達したことを表している」と、私たちの主張通りにみとめ、今回の登録につながったといえるでしょう。
文化庁は「ほぼパーフェクトな勧告内容だ」という見解を示していますが、昨年大いに話題となった「富士山」でさえ、2015年度中に保存管理に関する全体の構想を、改めて提出するという厳しい条件がついての登録でしたので、その発言も理解できるというものです。
(これからの世界遺産、国内事情)
今年1月、我が国は「明治日本の産業革命遺産」をユネスコに推薦し、富岡につづく世界遺産登録を目指しています。この推薦は昨年秋に閣議決定されたものですが、文化庁はこのとき、「長崎の教会群」の推薦を支持していました。日本の文化財の価値判断に関して、文化庁の機関として最上位に置かれる「文化審議会」の意向を受けてのことでした。
いっぽう「産業革命遺産」を構成する文化遺産は、8県にわたって23資産を数え、中には文化庁が所掌する「文化財保護法」にはなじまないと判断された、民間企業がいまだ操業中の製鉄所や造船所、港などを含みます。文化庁以外の省庁の法律や制度を活用する観点から、この世界遺産候補の推薦文書作りは、内閣府の手に委ねられました。その結果、推薦をめざすタイミングが「長崎の教会群」とバッティングすることになり、最終的に国として「産業革命遺産」を採るという採決が下ったのでした。
じつは「富岡製糸場」の推薦を審査する今年のユネスコ世界遺産委員会から、文化遺産候補の審査は、原則として各国1件という枠がはめられていたのです。ところが日本国として、世界遺産の推薦業務を文化庁に限る、などという法も政令もありません。今回のように他の省庁が中心となってこの業務を担当する道筋は、つねに残されていると言わざるをえません。私自身は、そういった柔軟な発想やプロセスはあっていいのではないかと考えます。しかし、そこには最終的に1件に絞り込む決断を何処で下すか、公正なルールが必要です。文化遺産について国が判断を迫られるとすれば、それを付託できる省庁・機関は自ずから限られるといえるのではないでしょうか。
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