「日本は民主主義、民主平等だから、権威は存在しない」というのは、一辺倒の教科書的解釈に過ぎません。Adolf Hitler もドイツの民主政のなかから生まれたからです。
この権威の問題を考えるとき、政治におけるファシズムと宗教におけるカリスマは、共通する人間心理から生じている点を分析したのが Erich Fromm であると、わたしは位置づけています。権威主義的パーソナリティという人格モデルの分析は、政治、宗教といった人間集団に共通するものであり、それら集団の「健康度」をチェックする重要な鍵となります。しかし、これが集団のチェックから、個人の分析となるとき、権威主義的パーソナリティという視点が生じます。この点で Erich Fromm の分析をさらに押し進めたのが Theodor Ludwig Wiesengrund Adorno であり、F尺度で著名であることは記すまでもないと思います。