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蓮祖の、著作・曼荼羅の真偽について
421
:
彰往考来
:2005/01/16(日) 17:11
北林芳典著『日蓮と最蓮房』の13章に日蝕について事実誤認があります。それは「天文学的に計算すれば、遡って日蝕の起きた日を算出できるんだ。それによると、「愛染感見記」が「拝見」の日付としている建長六年正月一日には日蝕など起こっていない。またその前後を調べてみても、日蝕があったのは建長五年二月一日、正嘉元年五月一日だ。しかも建長のものは記録になく、正嘉のものは『吾妻鏡』に「卯の刻に日蝕正見せず」と記されている。両方とも、天候の関係でまったく観測できない日蝕だったようだ。」という箇所です。
確かに『吾妻鏡』には建長六年正月一日と建長五年二月一日及び正嘉元年五月一日に日蝕があった記事はありませんが、建長四年二月一日に日蝕のあったことが『吾妻鏡』に記載されています。貴志正造訳注『全譯 吾妻鏡 第五巻』(1977年、新人物往来社)によれば、建長四年二月一日の項に「一日 乙卯 天晴る。巳の一點、日三分正現す。」(139頁)とあり、訳者による頭注に「日蝕」と書いてあります。北林氏が『日蓮と最蓮房』で日蝕記事の根拠としてあげている渡邊敏夫著『日本・朝鮮・中国 日食月食宝典』(1994年復刻版、雄山閣)にも309頁に建長四年二月一日の日蝕はちゃんと記載されているのです。正嘉元(1257)年は建長六(1254)年の3年後ですから北林氏が“(建長六年の)前後を調べて”としているのは建長六年に対して前後の数年を意味しているのは明らかです。
このことから、『日蓮と最蓮房』では建長四年二月の日蝕を見落としていると考えます。『日蓮と最蓮房』で「建長のものは記録になく」とされるのは『吾妻鏡』の建長五年二月の項だけをみればそうですがこれでは少々お粗末です。北林氏とそのスタッフは先行研究や関連資料の精査が杜撰ではないでしょうか。
では『吾妻鏡』での日蝕記事はどうなっているのでしょうか? 天文学者の斉藤国治氏は『吾妻鏡』に載った日蝕記事をまとめています(斉藤国治著『古天文学の道』1990年、原書房、53頁)。それによりますと『吾妻鏡』には20例の日食記事(渡邊氏や斉藤氏は“日蝕”ではなく“日食”と表現されています)がみられ、建長四年二月一日と正嘉元年五月一日はその20例中のものです。斉藤氏の同書には「鎌倉での食の概食(食分)」を記載していますので以下にこの2例のみを引用します。
旧暦 鎌倉での食の概食(食分)
建長四年二月朔 深食正見(0.91)
正嘉元年五月朔 曇天不正見、実は夜日食(北米で皆既)
となっていて、建長四年のものは、斉藤氏が同書で「記事に日食正見とあり、計算からもそれが証明される日食は 五例」 とされたもののひとつで正嘉元年のものは、「計算上からは「夜日食」となり、鎌倉では見られない日食は 六例」 とされたもののひとつです。
『全譯 吾妻鏡 第五巻』の正嘉元年五月一日の項には、「一日 乙卯 陰る。卯の尅、日蝕、正見せず。」(294頁)とあります。たしかに当日鎌倉地方は曇りで観測できなかったようですが実際は斉藤氏が計算されているように夜日食で日本では見えず日蝕予報がはずれたというのが真相です。従って『日蓮と最蓮房』で「天候のためまったく観測できない日蝕だった」というのは厳密には誤りです。正嘉元年五月一日は晴れていても日本では日蝕はなかったのです。当時すでに日蝕予報がされていたことは『吾妻鏡』の記事に「貞永元年四月一日辛亥、今日日蝕あるべき旨、宿曜備中法橋これを申す」(『古天文学の道』54頁)とあることから明らかで、『吾妻鏡』の記載内容の分析から斉藤氏は当時の的中率を50%(同書53頁)とされています。的中率が低い理由も同書に記載されていますがここでは割愛します。
『吾妻鏡』の記載は鎌倉での日蝕記事であり、建長四年頃日蓮大聖人は比叡山などに遊学の最中でした。あくまで「愛染感見記」が御真筆である前提での話ですが「愛染感見記」を拝見していますと、私には日蓮大聖人が日本のどこかで建長四年の皆既日蝕をごらんになられたのではないかと思えてなりません。
日本の首都で近年中に皆既日蝕が見られるのは2035年9月2日です。このとき食本影は茨城県のへんを通り、東京は食分0.99ほどの部分食(斉藤国治『星の古記録』1997年第3刷、岩波新書、41頁による)とのことです。この斉藤氏の『星の古記録』には「竜ノ口の法難」の際の光物や「依智の星下り」に対する天文学者としての解釈なども書かれています。少なくとも北林氏の“学説”よりはずっと科学的です。一読をお勧めいたします。
by 彰往考来
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