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高経大を考える

177凡人:2011/03/17(木) 23:27:16
●国際的有名大学の“ネット大学”への対応は大学より専門学校が機動的
日本学術振興会の佐藤禎一理事長は『学生不足という“飢餓”を心配するより先に黒船が来る』と大学世界に警告する。この黒船襲来の有力な動きが,国際的有名大学の“ネット大学”の上陸である。

日本経済新聞は『大学が変わる』の特集(2002年11月20日26日付)の中で,この動向をつぎのように指摘している。

「欧州,オセアニア,アジア各国の17の大学と企業の連合体であるウニヴェルシタスが2003年からインターネットによる講義の提供サービスを行う。“ネット大学”の展開である。キャンパスがなくてもネットの双方向性コミュニケーションで講義や質問を可能にするeラーニング。欧米では学位取得も可能なシステムである。少子化対策で旧来型の学生集めに走る日本の大学を尻目に,海外の大学は軽々と国境を越え,講義をネットで売り込む。米国のスタンフォード大学など有名校も例外ではない。

世界貿易機関(WTO)は今年(2002年)加盟国から”教育サービス“についてその意見募集を始めた。海外の学位も認定しない日本は次なる“自由化”の標的だ。」(11月20日付)

国際的な有名大学が“ネット大学”を日本で実現すると,その有名大学の「学位」を取得できることになる。つまり,スタンフォード大学の学位をアメリカに長期留学しなくても日本にいたままで取得できる。この学位取得は“外国の学位を認める”あるいは“認めない”といった小手先の問題ではない。国際的な有名大学の学位取得は日本の有名大学の学位取得に匹敵するか,あるいはより高い社会的評価を受ける可能性が大きい。

勿論,海外の有名大学の“ネット授業”に対する対価(授業料)が幾らかが問題になるが,地方から東京や京都などに遊学する生活費を含めた実質学費に比べると安くつくことだろう。現在のように「英語さえできれば」という私立文系の学力の高い高校生が国際的に有名な大学の”ネット大学“に流出することは避けられない。

さきのウニヴェルシタスへ日本の大学は参加していない。この日本の大学の不参加の理由をメディア教育開発センターの吉田文教授はつぎのように指摘している。

「日本の大学の講義が魅力あるコンテンツ(情報の内容)と見られていない懸念とトラブル対策要員の配置などランニングコストがかかるeラーニングより留学生を連れてくる方が割安という私学経営者の考え方がある」

この二つの理由から国際的な大学と企業の連合体であるウニヴェルシタスの“ネット大学”参加への私立大学の対応が遅れているとすれば問題である。

ところで,日本の大学が東南アジア向けに“ネット大学”を開始する場合には,日本語の“ネット大学”で始めるべきである。東南アジアからの日本への留学の最大の動機は「日本企業への就職」である。つぎが日本での「科学と科学技術」の勉強である。日本留学が学術的にみて魅力がないと考えるのは間違いだろう。この3年ノーベル化学賞を連続して受賞し,2002年は化学と物理のダブル受賞である。東南アジアの留学生に対するインパクトは大きい。留学生にとって魅力が小さいとすれば,それは欧米より「学費が高くつく」ということだろう。高学費問題を解決するのが“ネット授業”の拡充ではないだろうか。

いろんな問題が多く残されているにせよ,かつてアメリカの大学が日本進出に失敗した事例とは違って,海外の有名大学が“ネット授業”で日本に居ながらその大学の学位を取得できるという教育システムで日本に上陸して来る日も近い。この「黒船来る」のマイナス影響は大学だけでなく,専門学校にも波及することは避けられない。

この「黒船来る」への対応では,機動性の弱い大学に比べると,“大学に挑戦する”優秀な専門学校は素早く動くことができる。既にその手本がある。京都コンピュータ学院のロチェスター工科大学との提携や,中国・発展途上諸国とのIT技術教育の援助がそれである。“ネット大学”方式の「黒船来る」への対応には受け身ではなく,京都コンピュータ学院方式の整備・拡充が必要だろう。私はこれを期待している。
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