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高経大を考える

134凡人:2011/03/05(土) 08:29:18
●前兆

ちょっと話がそれるかもしれませんけど、私が今撮影している九州、大牟田の三井三
池炭坑の話をさしてもらいますが、1960年代の初めですが、いわゆる60年安保闘争、
それと同時に産業経済的な部分において闘われたのが三井三池闘争です。僕はこの炭
鉱の闘争をずっとここ1年半ぐらい、資本の側の動きも含めて、いろいろな証言を撮
りながら複数の作品にしようと思って、それにずっと関わっているんですけど。

三井三池闘争というのは、ちょうどエネルギー革命の時期なんですね。と言っても何
のことかわからないかもしれませんが、石炭産業は、1950年代までエネルギーの基幹
産業でした。1960年代以前は、特に1945年の太平洋戦争が終わった直後は、できるだ
け多くの人間を炭鉱に呼び寄せようとした。そこでものすごい膨大な数の従業員に膨
れてしまい、例えば三井三池の場合は労働組合員だけで2万人、というくらいの大き
な労働組合になる。石炭産業の歴史は国家と資本との関係、国家権力と産業資本との
関係の歴史として見ると非常に面白いんですね。最初、明治の頃は国家権力が囚人を
使って炭を掘らせるわけです。明治中頃、炭坑は三井に払い下げられますが、囚人の
使役付きでした。囚人労働は昭和の10年くらいまで続きます。同時に一番安い労働力、
例えば婦人労働、女性の労働者を使っていくという形で、完全に国家権力といわゆる
炭鉱資本が共同して、エネルギー支配をやっていくんですね。その中で資本はますま
す膨らみ、独占資本、国家独占資本へと成長していくのです。囚人労働から朝鮮人労
働、中国人捕虜・白人捕虜の労働、国家との共謀の下に次々とこれらの労働の上に築
かれていく王国、石炭産業があったわけです。

ところがちょうど60年頃を境にしまして、いわゆるエネルギー革命が起こってくる。
石油という使用価値のより高いエネルギー資源が起こってきますね、そうすると石炭
がどんどん衰退していく、その境目が60年なんです。「首切り」、最近はリストラな
どと聞こえの良い言葉に置き換えられてしまいましたが、過剰な労働者を整理して、
企業のリストラクション=再建を計ろうと、大量の労働者を解雇してしまいます。企
業の労働者支配の拠り所、解雇という暴力を振り回す企業・三井鉱山と、労働者の団
結権、抵抗権を掲げて闘う労働組合。三井鉱山をバックアップする日本の総資本と炭
坑労働組合を主体とする労働者達の闘い…総資本と総労働の対決と呼ばれたのですが、
政治の局面での安保闘争、産業と労働の分野での三井三池闘争、この二つの大きな闘
いが日本の戦後の社会を根底から変えてしまうのです。1年近い大々的な闘争になる
わけです。この中で、結局最終的には労働組合が負けてしまいます。中労委の仲裁で、
最後に負けて和解しちゃいます。

同時に、その時今まで炭労という一つに結集していた労働組合が、闘争の中でいわゆ
る会社側の切り崩しに会い、新労働組合、新労組という第2労組を作っていくわけで
すね。これはほとんどの労働抗争における二つの動き、経済と労働条件をめぐって資
本の側とぶつかり、その結果、労働組合側が負ける。そして労働組合が変質してしま
う。同時に資本の側は労働組合を手なずけることでどんどん大きくなっていく、そし
てその二大闘争で労働者の敗北した4〜5年後には「もはや戦後ではない」と池田勇人
なんかが言う形で、どんどん経済的に突っ走っていく。そして資本の要求のみが肥大
化し、今のような政治的には無風状態になっていくというわけです。それが、ちょう
ど67年、まあ65年ぐらいからどんどん顕著に現れてくるわけです。

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