したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

高経大を考える

133凡人:2011/03/05(土) 08:23:30

┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃01┃□日本のドキュメンタリー映画のかたち
┃ ┃■対極のドキュメンタリー ―小川紳介と土本典昭(1)
┃ ┃■大津 幸四郎
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

                はじめに
この記録は、小川紳介さんの初期のドキュメンタリー作品『圧殺の森』と土本典昭さ
んの『パルチザン前史』の上映後(2003年3月15日、アテネフランセ文化センター)、
催されたセミナーで、レジメのつもりで話した、その記録に加筆したものです。小川
紳介と土本典昭を対比して何か話して欲しい、そんな主催の側の要望でしたが、小川
紳介さんの死と土本典昭さんの身体の不調のすぐ後で、そのショックの影をいまだ引
きずりながらの話だった為か、分析に甘さが出てしまったかと思いますが、そのまま
提出しておきます。土本典昭、小川紳介、リアリティを追求する映像作家の双巨樹と
言ってよいと思うが、二人の作風を比べてみると、そのベクトルの方向は正反対とも
言えるのではないか、その辺りやや具体性を欠いてしまったが、自分なりに考えてみ
ました。両者の映画に対する姿勢・方法のより明確な対比は、両者の映画制作の或る
時点でカメラマンとして両監督と時間を共有した者に課せられた宿題かもしれない。
(2004年7月記)

註:
☆『圧殺の森 高崎経済大学闘争の記録』
1967年(昭和42)/16ミリ/白黒/105分
製作:記録映画「圧殺の森」製作実行委員会+自主上映組織の会
演出:小川紳介、撮影:大津幸四郎、録音:久保田幸雄

☆『パルチザン前史』
1969年(昭和44)/16ミリ/白黒/120分
製作:小川プロダクション
製作:市山隆次、小林秀子 演出:土本典昭、撮影:大津幸四郎、一之瀬正史、
録音:久保田幸雄 編集:土本典昭、松本武顕

☆『日本解放戦線・三里塚の夏』
1968年(昭和43)/16ミリ/白黒/108分
製作:小川プロダクション
演出:小川紳介 撮影:大津幸四郎、田村正毅、録音:久保田幸雄
製作:小林秀子、伏屋博雄、市山隆次 製作進行:野坂治雄


●『圧殺の森』と『パルチザン前史』の時代背景

『圧殺の森』と『パルチザン前史』2本の制作は、ちょうどこれは60年の後半ですよ
ね。『圧殺の森』が67年夏、『パルチザン前史』が69年夏、両者にはさまれて『三里
塚の夏』があるわけです。60年代の後半というのは非常に面白い時代、若者たちの体
制的権威に対する反逆の時代です。ここに描かれているように『圧殺の森』というの
が67年ですね。67年の夏です。4月の入学式から撮影に入りまして夏の間に、9月まで
撮影するわけです。これは高崎経済大学という田舎の大学というか、そういう風に言
われていた高崎のわりあい新しい大学―ちょうどこの頃が確か6回か7回目ぐらいの卒
業生を出した当時は新しい大学です―その中でこの年、更に、もう少し前からも含め
まして、大学に対する国家の干渉というか、それまで当たり前と認識されていた大学
の自治を反古にして、国家が大学そのものをどのように管理していくか、産業界の要
望にどう応えていくかを含めての、国家的統制の動きが非常に大きくなるわけですね。

今では当り前のことと考えられているかもしれないけど、例えば大学内で何か事が起
こった場合、すぐに機動隊というか警察がね、大学の中にワッと入ってきちゃって、
しかも簡単にほとんど大学の許可も取らないぐらいの形で入ってくるという段階なん
ですけど、実はこの『圧殺の森』の少し前までというのは、特に50年代には、私服を
含めて警官が大学の構内に入るということは全くできなかった。それだけ大学という
のは、ある一つの聖域という形での、権力からは全く独立した形で、きちっと学生と
大学で管理されていたところなんです。いわゆる「大学の自治」という奴ですね。
1-2


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板