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高経大を考える

100凡人:2011/01/28(金) 04:58:35
続き…

 経営による学問の支配 効率・利潤が基準

 独立行政法人に移行してからの最大の変化は、文字通り市から切り離れたことである。特に管理運営が市から独立した。職員もこの春からは下関市から派遣されていた公務員が完全に引き揚げた。学問研究機関をサポートしてきた事務局は、各部門の責任者にプロパー(専門職)が配置され、他のほとんどが短期雇用の嘱託、アルバイトに任されるなど、事務職員の非正規雇用化がいっきに進んだ。専門職を必要とする大学図書館も同じで、正職員の司書も1人になった。人件費を浮かせるためだ。そして、教員と職員の合同親睦会「生山会」からは職員の脱退が強要されて成り立たなくなった。
 一方で資金面においてはそれまでとは逆に市から運営交付金が年間1億円ほど投入されるようになった。しかしその資金が学生育成のため、あるいは研究のために有意義に使われた形跡が乏しいと、教授たちの多くが指摘する。毎年のように損益計算書・貸借対照表が出され、「今年は5000万円の黒字です」などと決算がアナウンスされるようになった。
 日頃から、廊下の電灯は2本式のうち1本を抜いて電気代を節約する、学生が昼ご飯を食べていても消灯して歩くなど、職員の非正規雇用だけでなく「経営効率化」が徹底され、図書費の削減額でもすごい。教授たちの研究を補佐するために事務局職員が残業すると「それはボランティアだよな!」と念を押すなど、徹底した「効率経営」によって成し遂げた「黒字」であった。
 そうした「黒字」が積み上がって億単位のプール資金が蓄積されるなかで、今春、唐突に4000万円かけたグラウンド整備がおこなわれて話題になった。「土を敷き詰めるだけなのに、どうして4000万円もかかるのか?」「箱物にはポンと金を出すのか?」という疑問を誰もが感じ、不可解な印象を抱いた。
 関係する人人のなかでは、市との予算折衝のなかで「余剰資金がそれだけあるなら運営交付金は必要ないではないか」と見なされ、慌てて支出したのだといわれ、「釘が出てくるような土が4000万円するのかも不可解だが、そうした資金の使い道を含めて事務局長が突っ走るようになった」と話されている。追及しようとした教授に対して「別件逮捕」のような形で処分が俎上にのぼっていると話され、緊張が走っている。
 それまで大学の管理運営と教育研究のあり方は、教授会の討議を通して合意形成にあたり、下から積み上げていく方式で最終決定され、それを学長がまとめてきた。事務局の機能はその方針を円滑に進めるために補うことにあった。独法化によってこの関係が崩れ、むしろ逆転したことに、大学運営をめぐる変化の最大の特徴がある。
 独法化と同時に報酬1600万円の「理事長」ポストが新設され、そこに江島前市長のブレーンだった松藤水道局長が退職後スライドして天下り。さらに植田市大事務局長が退職して事務局長(兼理事)にも就いた。かれらが学長をしのぐ権力者となって采配を振るうようになったことが、大学の空気を様変わりさせた。教授会との鋭い対立の激化となって、処分や反駁、訴訟沙汰の応酬が始まった。
 「理事長」と「学長」が分離され、学長は銀行関係者など外部も交えた理事会の一理事となった。国公立大学において大学トップの「理事長」と「学長」は同一人物が兼務するのがほとんどで、わざわざ1600万円を与えて「理事長」を据える大学も稀である。理事長になると1年ごとに100万円の退職金が加算されていく仕組みにもなった。
 独法化直前、学長選挙で教授会が投票で選出した候補者が理事によって拒否されたのを皮切りに、安倍代理の江島市政側すなわち政治が手を突っ込むのとセットで、つぎつぎと教授会の権限がなくなる過程をたどった。経営審議会と教育研究審議会という2つの組織でことが決まり、トップダウン方式で押しつけられるようになったのも特徴だ。現場での予算配分を一手に請け負う事務局長の権限が絶大となり、教授会は事務局が提起する方針を単に受諾する機関に成り下がったこと、反発する教授への処罰や事務職員の降格、丸坊主にさせたりといったことが日常茶飯事でまるで田舎ヤクザが人を脅すような手法が持ち込まれたと指摘されている。
 「大学に現役役人でもない退職者が天下って指揮している」「経営が学問を支配し始めた」「競争原理、効率、利潤がすべての基準になった」というのが、教授たちの共通した実感である。教育、学問研究のあり方について考えたことのない者が、「大学の評価を高めるため」に数値主義、成果主義を押しつけるやり方が、逆効果になって大学を崩壊させているというのである。市役所天下りが強権的に采配を振るうようになった結果、紛争が絶えず、坂本前学長への教授たちの信頼も薄れ、誰からの推薦も得られず一期で辞めていくことにもつながった。


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