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新・大中華世界的話題

835とはずがたり:2015/12/26(土) 22:17:32
>>834-835
 最終的に罪状とされたのはSNSでの書き込みだ。


「2012年1月から2014年5月にかけ、被告人・浦志強は複数の新浪微博アカウントを用いて、8回にわたり、民族対立や民族の憎しみを煽るつぶやきを書き込んだ。つぶやきは合計で2500回以上のリツイート、1300あまりのコメントを集め、ネットユーザーの民族対立感情を引き起こした。

また2011年から被告人は複数のアカウントで、注目の社会的事件について、侮辱的なつぶやきを書き込んだ。関連するつぶやきは900回あまりのリツイート、500あまりのコメントを集めた。大量の侮辱的なつぶやき、ネガティブな言論を引き起こし、社会に悪影響を与えた」(新華網、2015年12月22日。一部抜粋)

 裁判所は以上のように認定し、「民族の憎しみを煽った罪」「挑発騒動罪」で懲役3年執行猶予3年の判決を言い渡したのである。浦志強氏は控訴の意志がないことを示し、即日解放された。また有罪判決を受けたことで弁護士資格を喪失している。

 民族の憎しみを煽ったといっても、つぶやきの中身自体はたいしたことはない。


「チベット自治区の寺院は「九有」を徹底しなければならないという。毛沢東、江沢民、胡錦濤など指導者の肖像画を掲げ、(新疆ウイグル自治区の)伊寧ではムスリムがひげをはやしたり、ベールをかぶったりすることが禁じられた。(少数民族は)一連の政策によって傷ついている。宗教意識を弱めるなどというが、漢人の頭(あたま)は狂ってしまったのか。いや、漢人の頭(かしら)が狂っているのか」

 というような内容だ。通常ならば、つぶやきが削除されるだけで終わる話だが、判決文にあるようにリツイート回数、コメント数の多さが有罪判決のカギとされた。

 中国法の研究者である高橋孝治氏によると、「何をやったか」よりも「社会にどれほどの影響を与えたか」で罪が図られるのが社会主義法の特徴だという。2013年の最高人民法院及び最高人民検察の通達では「ネットに誹謗中傷を書き込みし、500回のリツイートを集めた場合には懲役3年」とのガイドラインが示されている。

 中国は厳しい言論統制がしかれている国ではあるが、デモやストライキなどの直接行動を呼びかける書き込みはただちに摘発される一方で、政府批判や風刺はある程度許容する傾向があった。浦志強氏をはじめとする人権派弁護士、活動家はそうした「一線」を熟知し、ネットを利用して人々の注目と支持を集め、政府に対する圧力としてきた。

 この状況が変わったのは習近平体制以降となる。今年7月にも200人以上の人権派弁護士、活動家が拘束され、一部が罪に問われる「暗黒の金曜日」事件が起きたが、これもネットの書き込みが問題視された結果だ。

 人権派弁護士や活動家に対する裁判で執行猶予がつくことはきわめて稀で、浦志強氏が解放されたことは喜ばしい。浦氏の裁判は世界的な注目を集めてきただけに、中国政府も配慮したものと見られる。しかしその一方で大きな問題も残された。人権派弁護士のつぶやきがリツイート数の多寡で有罪になるとの判例が出たことで、ネットを利用して政府に圧力をかける手法は有効性を失ったのではないか。

 中華人民共和国の法律に従い、内側からの改革を目指す浦志強氏らの試みは、本来は政権にとっても歓迎するべきものであったはずだ。きわめて迂遠で可能性が低いものであったにせよ、合法的な手段による問題解決や改革のルートが残されていたことは、体制を批判する人々にとって貴重な希望となってきた。

 そのルートが閉ざされれば、あきらめる人もでるだろうが、非合法の活動へと転換する人もでるだろう。この意味において、浦志強氏の裁判はきわめて重大な意味を持っている。


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