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新・大中華世界的話題

671とはずがたり:2015/11/23(月) 18:10:14
>>668-671
 私は今回、捕まった北京市の呂錫文党委副書記に、一度間近で接したことがある。2009年の夏に北京西部の高級ホテルである会合が開かれ、彼女は来賓代表で、私は来賓の末席だったのだ。

 会合が終わって、5階の宴会場から1階へ降りるためエレベータに乗ろうとしたら、たまたま呂副書記が先に乗っていた。彼女は私を認めると、自ら「開」のボタンを押して、閉まりかけたエレベータを開けてくれたのだ。私が礼を言ったら、彼女は微笑んで、エレベータを閉めた。

 さらに1階に着くと、彼女は再び「開」のボタンを押して、私に先に降りるよう促した。同じエレベータには、彼女の部下たちも乗っていたのに、すべて自分でやったのだ。その物腰を見る限り、『人民日報』が叩くような「厳重な腐敗分子」には思えなかった。もちろん、ただ一時のことで彼女の人となりを判断することなどできないことは承知しているが。

 ともあれ習近平主席は、「開放の拡大」を説く一方で、(意に沿わない)幹部を次々と捕らえていく方針を示しているのである。これでは中央、地方を問わず、公務員たちは萎縮していくのも当然だろう。

 つまり、一方で市場主義を唱え、他方で社会主義を信奉することは不可能なのである。習近平政権の中国が抱えるあらゆる矛盾点は、ここに起因していると言っても過言ではない。

社会主義というシステムはここまで大変なのか
 中国のある地方で公務員をしている知人に、このあたりの話を聞いてみたところ、「正直言って、もう社会主義の重圧に、市民が耐えられないよ」と回答してきた。

 その理由は、彼が勤務している県(中国で県は市よりも小さく、日本にたとえれば市町村の「町」くらいの感覚)を例に取ると、計194もの公的機関を、「県民」が支えて行かねばならないからだそうだ。

 彼がせっかく送ってくれたので、以下に市民が支えている公的機関の内訳を列挙してみよう。(略)

 中国では地方の小さな町でさえ、町民がこれだけの種類の公務員を背負っているのである。

 一つ思い出したことがあった。2012年3月の全国人民代表大会で、前党中央紀律検査委員会副書記の劉錫栄・全国人民代表大会常務委員(法律委員会副主任)が発言した次の言葉だ。
 「中華人民共和国が建国して60数年が過ぎたが、いまだに大量の機構が跋扈していて、幹部と公務員があまりに多すぎる。この『二つの超過』のために、不正腐敗が無限に蔓延っていて、億万の人民の負担は天井知らずだ」

 【今週の東アジア関連推薦図書】

 『安倍晋三 沈黙の仮面』
著者=野上忠興
(小学館、税込み1,512円)

 帯に、「愛に飢えた少年は"独裁者"になった」とある。いやはや何ともスゴい本が出たものである。安倍晋三首相の生い立ちから現在までを追った評伝だが、暴露、暴露、また暴露……。当の安倍首相が読んだら、卒倒するのではなかろうか? この類いの本を出版できること自体、日本国の民主主義のレベルの高さを表しているとも言える。
著者は、共同通信で、岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三と半世紀にわたって「安倍家3代」を担当してきたベテラン記者で、75歳の現在でも日々、永田町で取材を続けている。それだけに、迫真に迫る「安倍晋三像」を描き出している。この手の本には、「一を取材して十を書いた作品」と「十を取材して一を書いた作品」とがあるが、本書は間違いなく後者に属するのだ。
例えば、第6章の「くすぶる健康問題」では、「筆者の手元には、安倍の健康に関するマル秘取材メモがある」として、その一部を開陳している。一体、野上氏(共同通信? は何を握っているのだろう? そういえば、表紙に使われている安倍首相のアップ写真も、どす黒い顔をしている。
ともあれ読み終えて、「われわれはこんな男を戴いているのか」と、大きなため息が出た。

近藤 大介


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