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新・大中華世界的話題

210とはずがたり:2015/09/26(土) 23:08:57
>>209-210
 こうした企業経営者は、中国経済の最も活力に満ちた部分を支配する新興エリート層の一部だ。中国経済の問題は非効率な国営部門に集中している。だが、米国の経営者と比べると、中国の企業経営者ははるかに直接的に、権力の座にある(単一)政党の支配下にある。それは規則を定め、コンテンツを検閲し、必要とあらば事業を閉鎖できる政党だ。

ビル・ゲイツ氏と握手する習氏(左)。右はマイクロソフトのナデラCEO=ロイター
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ビル・ゲイツ氏と握手する習氏(左)。右はマイクロソフトのナデラCEO=ロイター
 その意思決定の権限の頂点にいるのが習氏だ。共産党の総書記であるだけでなく、中国の国家主席でもあり、おまけに軍のトップも務める。3年前、カリフォルニアの牧場で行われたオバマ氏との非公式会談のために同氏が前回米国を訪問したときは、注意深い中国ウオッチャーでさえ、何を期待したらいいのか分からなかった。多くの人は、習氏は前任の胡錦濤氏のように、集団指導体制の控えめな一角をなすと考えた。一方で、習氏が権力を行使するとしたら、政治的プロセスを開放するためかもしれないと考える人もいた。

 結局、どちらの予想も間違っていた。習氏はむき出しの権力の行使ですべての人を驚かせ、共産党の腐敗に対する継続的な攻撃に乗り出し、中国の国益を守るにはあまりにたるんでいて、堕落していると同氏が見なす人民解放軍の締め付けにかかった。習氏の指揮下で、反体制派、弁護士、学者に対する取り締まりが行われた。海外でも、より強硬な政策を先導し、南シナ海の人工島に滑走路を建設し、いずれ世界銀行や国際通貨基金(IMF)に匹敵するようになるかもしれない国際機関を設立した。

■民間部門の活力を解き放つべき

 習氏が権威主義的な傾向を見せ始めたとき、一つ解釈できたことは、同氏は経済自由化の準備をするために政治的な締め付けに乗り出したというものだった。だが、そのような展開にはなっていない。習氏は米国のホストに向かって経済改革を推し進めると語ったが、実際には、支配しようとする習氏の本能は、市場に決定を委ねようとする本能に勝った。国営企業には、経営改善を迫る圧力がほとんどかかっていない。金利の自由化が行われるたびに政府の通達か政府の介入があり、減速の最初の兆候が出ると、うろたえたような政府支出が発動された。

 これが、国家主席としての習氏のリーダーシップの中枢にある矛盾として浮上している。中国の省レベルでの経験から民間部門の力を理解するに至った人物が、同部門を自由にするのを嫌がっている。米国のイノベーションと活力はワシントンではなくシアトルに存在することを自ら直感的に知っている指導者が、北京にある自身の執務室にいよいよ大きな権限を集中させている。

 習氏は、政治的な権力を振るう方法を知っていることを示した。同氏がまだやっていないのは、中国の民間部門の最大限のポテンシャルに少しでも近いものを解き放つことだ。それを実行する習氏の能力が、今後数年間、中国経済がいかにうまくやっていけるかを左右することになるのだが。

By David Pilling

(2015年9月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

(翻訳協力 JBpress)


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