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新・大中華世界的話題

1047チバQ:2016/01/26(火) 22:48:51
 ちなみに日本のリベラル派の人たちは、2014年の台湾のヒマワリ学運や香港の雨傘革命の際にも、学生の行動要因に「反中国」要素が存在しないことを強調し、「若者による民主主義を守るための反政権デモ」という側面だけをクローズアップして賛美する傾向が強かった。だが、近年の台湾や香港が置かれてきた客観的な政治状況と、習近平政権の成立以降に一層露骨さを増した中国共産党の統一戦線工作を考えれば、台湾や香港の学生デモの要因に中国への不快感が存在しないと主張するのは明らかに無理があるだろう。本題から外れるため細かな論述は控えるが、例えばヒマワリ学運や雨傘革命の参加者に北京訛りの普通話(中国大陸の標準語)で話しかけるだけで、ちょっと「引いた」警戒心をあらわにされるという一事を挙げるだけでも、現地のムードはおおむね想像してもらえるはずだ。

 日本は言論や思想信条の自由が保障された国だ。なので、日本のリベラル層の人たちが、日本国内のナショナリズムの高まりに嫌悪感を抱くのは自由だし、その立場も十分に尊重されるべきだ。だが、いくら嫌いであっても、ナショナリズムという要素自体を「なかったこと」にして外国の現象を解釈するのは明らかに問題ありだろう。ネット保守の人たちと同じく、党派性に凝り固まった考え方の先に事実が見えることはないはずなのだ(事実を意図的に見たくないならば話は別だが)。



「俗流若者論」と俗流台湾論の相似点

 日本における台湾は、実に不思議な扱いをされがちな国だ。この国家は普段、日本人からはオタク文化の流行地と長期休暇時の旅行先としての関心くらいしか持たれていない。なのに、ひとたび学生デモや選挙などの政治的事件が起きるたびに、現地語もわからず現地に住んだこともない人たちがいきなりワラワラと大勢出てきて、台湾のすべてを知っているような顔で「解説」したり「応援」したりする怪奇現象が発生するのである。

 仮に政治的な事件の舞台がスペインやシンガポールであれば、日本の大多数のネット評論家やネット運動家の人たちはあまり関心を示さない。なぜなら、これらの国は日本国内でベーシックな知識がほとんど共有されていないため、わからないことは喋りようがないからである。また、アメリカやロシアについては論じたがる人がそれなりにいるが、こちらは言説の質に関わらず、本質的には「よくわからない相手」という前提のもとで語られることが多い。いずれも台湾の場合と違って、納得できる反応だろう。

 一般論として、人間は自分よりも年齢や地位が高い相手や、疎遠な同輩に対しては、先方の考えを根本的に理解できないことを認識したうえで振る舞う。その一方で、「目下」だと見なす相手に対しては、ちょっと本気になればいつでも対象の考えを理解できるような錯覚を抱いてしまいがちだ(昨今の世間にあふれる若者論や子育て論にびっくりするほど粗雑なものが多いことを考えれば、これは容易に理解できるところだろう)。

 あえて語弊を恐れずに言えば、訳知り顔で一過性的に台湾を論じたがるような人が妙に多い一因は、台湾という国家が日本の旧植民地であり、現在もなお国民の親日感情が比較的高いという事実に帰せられるような気がしてならない。普段は大した関心を持たず知識をアップデートする努力も放棄しているのに、都合のよいときにだけ相手の姿をああだこうだと決め付け、特定の論理に当てはめて理解したつもりになる行動というのは、心のどこかで相手を「目下」の存在だと思っているからこそできることだとは言えないか。


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