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新・鉄道綜合スレ

88チバQ:2015/09/14(月) 21:57:09
http://toyokeizai.net/articles/-/84173
SLの運行には、手間もカネもこんなにかかる
観光振興の起爆剤は、一筋縄にはいかない
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土屋 武之 :鉄道ジャーナリスト 2015年09月14日

2015年8月30日限りで、京都市にあるJR西日本の博物館「梅小路蒸気機関車館」が閉館した。大阪市にあった交通科学博物館の収蔵資料、保存車両なども併せ、2016年春に日本最大級の鉄道博物館「京都鉄道博物館」としてリニューアルオープンするためのエンディングである。1万人以上の入場者を集めた最終営業日に特に悲壮感はなく、閉館セレモニーも、むしろ翌春への期待を抱かせるような内容であった。


「梅小路蒸気機関車館」の閉館日には1万人以上が訪れた
印象的だったのが、このセレモニーに同館周辺の自治会の代表者たちが招かれていたこと。「地元と協調して蒸気機関車の保存活動を行い、産業遺産を後世に伝え、地域の振興に貢献する」というJR西日本のはっきりとした姿勢を示したもので、好感を抱いた。

梅小路は1876(明治9)年に機関庫が開設されて以来の京都における鉄道の拠点である。100年以上も、地域と鉄道とが深い関わりを持っている。

蒸気機関車を走らせるために必要なこと

蒸気機関車の運転を行うためには、機関車そのものだけではなく、運転を支える設備の維持が不可欠である。わかりやすいところでは、燃料となる石炭および蒸気を発生させるための水の補給施設があるが、これらはダンプカー+ショベルカーやタンクローリーなどで代用できなくはない。問題はやはり検査修繕設備だ。

梅小路蒸気機関車館は、日本の鉄道が開業して100周年を迎えることを記念し、また、終焉の時期を迎えていた蒸気機関車の動態保存(走行できる状態を保ちつつ保存する)を行うことを目的として、国鉄が1972(昭和47)年に開いた。扇形庫など、東海道本線の輸送を支える重要な車両基地であった梅小路機関区の設備を活用して整備されたもので、長距離列車牽引に活躍した大型蒸気機関車の整備・検査を長年、担ってきた技術力と経験が買われた形だ。

鉄道車両を運転するには、蒸気機関車に限らず、車両として監督官庁に登録して車籍を取得し、かつ、法令に定められた定期的な検査を実施しなければならない。この検査のうち、いちばん大規模なものは「全般検査」と呼ばれ、車両の部品の大半を取り外し、その機能が損なわれていないか、一つ一つ調べる。同時に損耗した部品の交換や、車体の再塗装なども行われる。

蒸気機関車ともなると、この検査を実施するためには、車体と車輪を切り離すための大型クレーンやジャッキをはじめ、心臓部分であるボイラーや配管の検査設備といった、大規模な施設が必要となる。特に蒸気機関車は、ピストンや連結棒など重要な部分に「磨り減る部品」が多い。蒸気や水の漏れも厳に避けなければならない。アナログな機械だけに、担当者の目や手を基本とした、綿密な検査・修繕と部品交換を行わなければならないのだ。

蒸気機関車が多数運用されていた昭和40年代までは、検査修繕設備を持った工場が国鉄の路線網のあちこちにあった。だが、動力近代化が進むにつれて、圧倒的大多数を占める電気機関車やディーゼル機関車向けの施設への転換が進み、ごくわずかだけ残される動態保存用の蒸気機関車の検査が困難となるのは明らかであった。

もちろん、法令に反しては蒸気機関車の運転はできない。それゆえ梅小路蒸気機関車館、国鉄、および同館を受け継いだJR西日本は、蒸気機関車だけではなく、検査修繕設備の維持に腐心してきた。さらに、まだ技術者が多数、残っていた開館当初から、運転のみならず、検修技術の継承に務めてきた。これは、大きな功績とすべきであろう。

法定検査を実施できるかどうかが、蒸気機関車の動態保存において、最大のハードルであるとも言える。設備や技術が必要なことは、述べてきた通り。さらに、全般検査の費用も、一説によると1両あたり1回数千万円〜1億円以上かかるとされる。1988〜1995年の間、北海道で運転されていたC62形3号機のように、この検査費用が捻出できず、やむなく静態保存(走らせずに置いておくだけ)に戻った機関車もある。


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