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新・鉄道綜合スレ

878とはずがたり:2016/10/03(月) 14:58:46
>>876-878

 AB線(2)に該当するのは北越急行、鹿島臨海鉄道(大洗鹿島線)、野岩鉄道、WILLER TRAINS(宮福線)、智頭急行、井原鉄道、土佐くろしお鉄道(宿毛線、阿佐線)、阿佐海岸鉄道だ。P線(3)に該当するのは北総鉄道、東京臨海高速鉄道、東葉高速鉄道、横浜高速鉄道(みなとみらい線)、埼玉高速鉄道である。いっぽう、P線に似た性質を備える都市鉄道線(4)は首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)だ。

 並行在来線(5)に該当するのはIGRいわて銀河鉄道、青い森鉄道、しなの鉄道、肥薩おれんじ鉄道である。なお、統計の集計期間の関係によって表には登場しないものの、現在は道南いさりび鉄道、えちごトキめき鉄道、あいの風とやま鉄道、IRいしかわ鉄道も加わった。中小私鉄転換線(6)に該当するのはひたちなか海浜鉄道、えちぜん鉄道、伊賀鉄道だ。やはり表には登場しないものの、現在は四日市あすなろう鉄道も加わっている。

 その他の路線(7)は仙台空港鉄道、芝山鉄道、名古屋臨海高速鉄道、平成筑豊鉄道(門司港レトロ観光線)だ。これらのうち、仙台空港鉄道、名古屋臨海高速鉄道の性質はP線または都市鉄道線に近い。芝山鉄道は成田空港の開港によって分断された沿線に対する補償の一環として設立された。平成筑豊鉄道門司港レトロ観光線は営業廃止となったJR貨物鹿児島線門司港-外浜間を観光路線に転換したものである。

都市部の路線以外は苦戦
 以上の成り立ちから第三セクター鉄道の営業係数についてのおおよその予測は付けられるであろう。良好な数値を記録しているのはP線や都市鉄道線であり、残念ながらそうでない数値を記録しているのは特定地方交通線やAB線という具合にだ。

 P線のうち、ただ一つ2013年度の営業係数が100を超えている埼玉高速鉄道も減価償却費を含まない営業係数は64.1であり、キャッシュフロー上は問題ない。ちなみに、P線各社の減価償却費を含まない営業係数は北総鉄道が52.1、東京臨海高速鉄道が34.4、東葉高速鉄道が33.1、横浜高速鉄道が39.2と軒並み良好で、裏を返せば新規開業の鉄道はいかに多くの減価償却費を抱えているかがわかる。

 第三セクター鉄道中、2013年度の営業係数が最も悪かったのは1224.6を記録した阿佐海岸鉄道である。同社は営業係数もさることながら、営業収支の中身も良好ではない。旅客運輸収入は774万8000円にすぎず、運輸雑収の166万2000円を加えても営業収益は941万円と1000万円にも届かない。そのいっぽうで営業費用は1億1523万7000円である。

 阿佐海岸鉄道の2013年度の損益計算書を見ると、経常損失は7922万9000円ではあるものの、8500万円の特別利益の存在によって559万1000円の当期利益を計上した。特別利益とは徳島県や沿線自治体からの基金であり、補助金なしでは同社の経営は成り立たない。

■地震で被災、南阿蘇鉄道の今後は

 現在、第三セクター鉄道で注目されている鉄道といえば南阿蘇鉄道であろう。熊本地震により同鉄道の高森線は大きな被害を受け、立野―高森間17.7kmのうち、立野―中松間10.5kmはいまも不通となっている。

 南阿蘇鉄道も地元も復旧を望んではいるものの、大きな障壁として立ちはだかっているのは復旧費用だ。震災直後の調査で30億円と見積もられ、今後さらに膨らむ可能性は高い。同社の営業収益は鉄道事業で9630万9000円、全体でも9718万7000円である。

 東日本大震災で多くの区間が被災し、2014年4月6日に全線の復旧を果たした三陸鉄道に要した費用は108億円であったという。その三陸鉄道の鉄道事業における2008年度の営業収益は3億9024万5000円。復旧費用に対する鉄道事業における営業収益は三陸鉄道が27年8カ月分、南阿蘇鉄道は31年2カ月分となる。30年分を境とするのか、それとも三陸鉄道の前例にならって復旧工事を進めるのかは未定だ。何にせよ、決めるのは南阿蘇鉄道自身ではない。

梅原 淳


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