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新・鉄道綜合スレ

68チバQ:2015/09/09(水) 23:56:01
どうして「10往復」なのか?

詳細については正式発表を待たなくてはならないが、この「直通10往復」という厳しい数字にはいろいろな背景が考えられる。

一つには、青函トンネル区間を共用する貨物列車のダイヤをできるだけ乱さないためという問題だ。そのために既存の「白鳥・スーパー白鳥」の「スジ」に新幹線を乗せることとなり、結果的にほぼ同じ本数となったという要因が考えられる。

本州―北海道間の大動脈として、またJR貨物の屋台骨として首都圏と北海道を結ぶコンテナ貨物列車は毎日約23往復が走る。そのJR貨物は、新幹線との青函区間共用を前提に、交流2万5千ボルト/2万ボルト切り替え式の強力な新型機関車EH800形を導入しつつあり、すでに納車が始まっている。さらに言えば、新幹線の開業後には深夜の点検時間を確保する必要も出てくる中、青函区間に新幹線を通す「スジ」はそれほど多くは引けないということなのだろう。

二つ目としてはニーズの問題だ。東京から新函館北斗が約4時間というのは魅力だが、新駅は函館市街地からシャトル電車で18キロメートル離れた位置にあり航空との競合では不利になる。また、青函連絡というのは閑散期と繁忙期の季節変動の大きい路線でもあり、貨物のダイヤを圧迫してまで乗車率の低い10両編成の「はやぶさ」を毎日多くの本数走らせることはできないだろう。

この「東京直通10往復」という問題は、JR北海道の経営方針の変化を反映しているという見方もできる。当初JR北海道としては、新函館北斗開業時には、この新駅を起点として道内の特急列車網を再編するという構想があった。その切り札は「キハ285系」という「ハイブリッド振り子車両」の導入であり、これによって「新函館北斗=札幌」が3時間を切ることとなり、南千歳乗り換えでの十勝・帯広方面への高速移動など様々な可能性が広がるはずだった。

だが、2つの要素からJR北海道はこの構想を棚上げにした。

一つは2011年5月の石勝線におけるディーゼル特急脱線炎上事故で明るみに出た、安全管理体制の問題だ。その後、車両の点検管理、線路の保線管理の両面で構造的な問題が明らかとなる中で、ディーゼル特急の高速化というのは組織的に不可能とされるに至った。結果的に新型車の「キハ285系」は試作車の1編成が落成したところで開発中止となったのである。

二つ目は、札幌延伸の着工、そして前倒しが進んだという点だ。2015年1月に、札幌延伸の開業予定が当初予定の2035年度から2030年度へと5年の前倒しが決まった。ということは、「新函館北斗が終着駅である期間」も5年短縮となったということだ。

その結果として、JR北海道としては、今回の「新函館北斗開業」においては、リスクもコストも大きくは取れないし、取らないという方針に変わっていったと見ることができる。


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