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新・鉄道綜合スレ

653チバQ:2016/05/10(火) 23:16:30
他の観光列車にはない可能性

ここまで見ていくと、JR東日本の特色ある観光列車の一つにすぎないようにも思われる。しかし、「伊豆クレイル」は他の観光列車にはない4つの可能性がある。

第一に挙げられるのは、伊豆クレイルは女性をターゲットに開発された観光列車だということだ。

JR東日本のほかの観光列車はどうか。たとえば福島エリアを走る観光列車「フルーティアふくしま」は、「走るカフェ」を基本コンセプトとし、車内でオリジナルスイーツやフルーツドリンクを提供する。この列車も女性客がターゲットのように思われるが、明治大正時代の西洋モダンを意識したという外観は女性向けには見えない。一方で、「伊豆クレイル」ではプレスリリースで「特に女性を意識」していると銘打っており、内装、外観に女性らしさを強調している。

観光庁の「旅行・観光消費動向調査」(2013年)によれば、国内旅行のうち「観光・レクリエーション」の項目を男女別で見ると、宿泊旅行、日帰り旅行とも女性が男性を上回る。その意味では、伊豆エリアを走る観光列車を女性向けに仕立てる戦略は間違っていない。つまり、マーケット規模としても大きい女性の鉄道利用を促すために、女性を意識した列車の投入は今後ますます増えていく可能性がある。

第二は首都圏に近い伊豆エリアに観光列車が投入されたという点だ。首都圏に近い観光地は伊豆だけなく、房総半島や奥多摩などいくつもある。つまり、将来はこうしたエリアを走る観光列車が生まれる可能性がある。

そして第三は、首都圏発着の観光列車が登場する可能性だ。伊豆クレイルは小田原発着で東京や横浜には乗り入れないが、スーパービュー踊り子号のように伊豆クレイルが東京駅から出発したら便利に違いないし、さぞかし人気が出ることだろう。

伊豆クレイルが東京駅に乗り入れる可能性についてJR東日本の担当者に聞いてみたところ、「現時点で計画はない。でも新幹線と連携すれば便利ですよ」という答えが返ってきた。

JR東海は東京・品川―小田原間の新幹線普通車自由席を利用できる「新幹線お出かけきっぷ」を発売している。料金は往復で4630円。通常なら6440円かかるので1810円お得だ。大人2名以上での利用などいくつかの制限はあるが、伊豆クレイルに乗るためのきっぷとしては、確かに便利だ。

地方鉄道とのコラボ企画も
伊豆クレイルの出発時間は11時40分頃の予定だ。東京発10時56分の新幹線「こだま」号に乗れば、小田原には11時31分に到着する。伊豆クレイルの運行スケジュールは新幹線との連携を考慮しているように見える。

一方で帰りは伊豆クレイルの小田原到着が17時12分頃。新幹線こだまの小田原発は17時11分なのでギリギリ間に合わない。伊豆クレイルは一つ手前の熱海には16時55分に到着する。こだまが熱海を発車するのは16時58分なので乗り換えできる可能性はあるがかなり慌ただしい。約30分後に次のこだまが来るのでそちらを利用した方がいいかもしれないが、帰りの運行ダイヤの連携には工夫の余地がある。

もし、伊豆観光でJR東日本とJR東海の連携がさらに踏み込んだとしたら、将来、多方面でもさまざまな連携の可能性が見えてきそうだ。

他社との連携という視点で見ると、伊豆クレイルは、伊東―伊豆急下田間は伊豆急行線を走る。伊豆急行は鉄道を使った沿線観光に熱心で、テレビ番組の「ぶらり旅」さながら、レトロ電車に乗って途中下車しつつ、沿線の観光名所を歩き回るという日帰りツアーもしばしば実施している。伊豆クレイルを使ったJR東日本と伊豆急行によるコラボレーション企画の可能性もありそうだ。

JR東日本は各地で私鉄や第三セクターと直通運転を行なっている。その意味では観光列車を活用した他社とのさらなる連携も第4の可能性として考えられるかもしれない。

このように伊豆クレイルは将来の観光列車を変えるさまざまな可能性を秘めている。これからの観光列車は派手さを競うのではなく、アイデアが問われる時代に入ったといえる。

(撮影:尾形文繁)


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