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新・鉄道綜合スレ

4144チバQ:2022/12/12(月) 13:09:18
● 東京都と中央区に求められる 国民・都民への積極的な情報公開

 しかし順調に行っても開業は2040年だ。国立社会保障・人口問題研究所の推計(2018年)によれば、都心回帰の流れを受けて人口増加が続いた東京でさえ2030年代半ばには人口減少に転じるとみられており、今からこれだけの巨額投資をする必要はあるのかという声ももっともだ。

 だが沿線となる中央区、江東区に関しては、2015年の約64万人から2045年には約77万人へ引き続き増加が予測されている。推計以降に決定した再開発計画もあり、2020年12月時点の人口約69万人は2020年の予測値約68万人を上回った。

 実際、大江戸線勝どき駅の乗降人員は2001年の約6.2万人からコロナ前の2019年には10.8万人まで増加し、激しい混雑が生じたことから2010年から2019年にかけてホーム増設、コンコース拡大工事を行った。勝どきに加え、隣接する晴海の人口増加が加速すれば再び機能不全に陥るだろう。

 大江戸線は環状線であり、どこかで乗り換えなければ都心に到達できないが、東京駅から三大副都心(池袋、新宿、渋谷)は約6〜7キロで、都心直結の地下鉄が複数整備されている。臨海副都心は東京から約6キロで距離は等しく、副都心としての地位を確立するのであれば、地下鉄の整備が求められるのもうなずける。

 しかしそれは、地下鉄でなければならないのだろうか。同エリアには2020年からバス高速輸送システム「東京BRT」が運行を開始(現在はプレ運行、間もなく本格運行が始まる予定)している。また以前は同区間にLRTを整備する構想もあった。こうした交通機関の活用は選択肢にないのか。

 結論から言えば(都の想定通りに開発が進むのであれば)地下鉄以外で対応するのは困難だろう。東京BRTの輸送力はピーク1時間あたり2000人。臨海地域を走るゆりかもめのような新交通システムでも5000人程度。大江戸線のようなミニ地下鉄で2万人程度だ。これが通常の地下鉄であれば、車両数にもよるが3万人以上輸送することができる。

 日暮里舎人ライナーでは、地下鉄ほどの輸送力は必要ないとして新交通システムが導入されたが、想定以上に利用があり混雑率上位の路線になってしまった。かといって地下鉄を作るほどでもないのが「帯に短し、たすきに長し」になりがちな交通計画の難しさではあるのだが、都心部・臨海地域地下鉄では同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかない。

 利益の確保は交通機関を維持していく上で重要だが、役割はそれだけではない。仮に赤字だとしても地下鉄でなければ運び切れない需要があり、都市機能が成り立たないのであれば必要な路線と言えるだろう(地方都市の鉄道も似たような位置づけである)。

 ただしそれは、臨海地域の開発が着実に進むことが大前提だ。かつて臨海副都心はバブル崩壊によって開発が停滞して長らくの間、空き地が広がる辺境の地であった。2040年は遥か先のことのように思えるが、都市計画において20年はあっという間だ。築地市場の移転が遅れたような事態は今後も十分起こり得る。

 都心部・臨海地域地下鉄は「地下鉄補助」または「都市鉄道利便増進法」のスキームを利用して整備されることになる。どちらも国と自治体(都と区)が事業費の3分の1ずつを補助、つまり税金を投入して賄う制度だ。都と中央区には再開発事業者や沿線住民だけでなく、国民・都民にも丁寧な説明と積極的な情報公開を求めたい。

枝久保達也


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