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新・鉄道綜合スレ

3940チバQ:2022/07/01(金) 08:16:04
■EXEとVSEの要素を受け継ぐ

 MSEは6両編成と4両編成を自動ほろ装置で連結して10両で運転することができる。このためそれぞれの編成は片方の先頭車が流線形、もう片方は丸みはあるが切妻構造で中間運転台が設けられている。6両と4両を分割・併合して運転できる点や、10両編成時の定員が578人という定員は、30000形「EXEα」と共通する。

 デザインは2005年登場のロマンスカー50000形「VSE」と同じく岡部憲明アーキテクチャーネットワークが手がけた。代表の岡部氏の著書『空間の旅』(鹿島出版会)によると、MSEについて依頼されたのは、同氏が初めて鉄道車両のデザインを担当したVSEが運行を開始した直後。「VSEと同様のアルミ押出しによるFSW(摩擦攪拌接合)工法が採用され、多くの金型もVSEのものが再利用され、製造コストをおさえるデザインを試みました」と明かしている。

 ただでさえ個性が強い歴代ロマンスカー車両の中で、MSEはどのような位置づけなのか。小田急が運営するロマンスカーミュージアム(神奈川県海老名市)の高橋孝夫館長は「当初は“ポストRSE”という名目で設計が開始されており、御殿場線への乗り入れも計画されていました。分割・併合もでき、マルチな活躍を期待されたロマンスカーです」と強調する。

 「地下鉄乗り入れのロマンスカーの乗務員は、通勤電車同様、代々木上原駅で小田急社員とメトロ社員が交代をします。でもお客様の乗降はありません。また、御殿場線にも乗り入れていますが、こちらはJR松田駅で、JR東海の乗務員と乗務交代を行っております。MSEは同業他社2社の乗務員と交代をしていることになります」(高橋館長)といったMSEならではの駅の風景がある。東京メトロではロマンスカーは監督職しか運転できないそうだ。

■MSEは「使い勝手がいい」

 ロマンスカーの運転士経験がある高橋館長は、MSEについて「仕事での関わりは担当乗務員の運転取り扱いや操作技術に添乗するくらいしかありませんでしたが、フェルメール・ブルーは今までにないカラーリングで、走行している姿は鮮やか。見るたびに運転したい気持ちにそそられました」と明かす。

 そのうえで「客室のこだわりの1つに座席裏面に荷物を掛けたり、傘を置けたりするような工夫がありますが、運転席の座席も、乗務員が制服の上着を運転台に置かずに座席裏面に掛けられるようになっています」と乗務員への配慮にも注目する。

 ほかの小田急の元運転士にも「MSEの好きなところ」を聞いたところ「運転席が非常に特急らしい作りで広さがある」「上着掛けや荷物置き場など使い勝手がいい」「中間運転台も窓が多く非常にコンパクトにまとめられて運転しやすい(EXE比)」「前面ガラスにロールカーテンが付いており暑さ対策充分」といった声が寄せられた。

 展望席と連接台車という伝統を受け継いだ白いロマンスカーこと「VSE」は、佳人薄命と言うべきか、2022年3月に定期ダイヤによる運行を最終した。一方、地味すぎるデザインで「ロマンスカーじゃない」と子供を泣かせたエピソードを持つ30000形「EXE」は、分割・併合運転によって運用の柔軟性を実現したボギー車だ。VSEの洗練されたデザインにEXEの実用性、MSEは先輩車両のいいところばかりを取り入れたロマンスカーと言えそうだ。

橋村 季真 :東洋経済 記者


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