したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

新・鉄道綜合スレ

3896チバQ:2022/05/20(金) 10:42:07
 高岡駅前から射水市内を目指して走る万葉線は、鉄道と軌道の両面を兼ね備えたこれまた特徴的な路線で、廃止の方向になった加越能鉄道から第三セクターとして引き継いで運営中。沿線が藤子・F・不二雄先生の出身地であることから、ドラえもん塗装の「ドラえもんトラム」が走っている。

 いずれにしても、かつて富山地鉄の一部だった路線は、この万葉線を除くと他はすべて廃止され、残っているのは本線・立山線・不二越・上滝線と市内電車だけ。昨今の地方鉄道を巡る状況を見れば、果たして未来はわからない。いまのうちに乗っておきたい地方私鉄の1つといっていいだろう。

■名古屋から特急がやってくる

 さて、富山地鉄を味わい尽くしたら、改めて県都のターミナル・富山駅から旅を続けよう。

 ……といっても、残る路線はたったの3本だけである。1つはJR高山本線で、岐阜駅から岐阜県内の山中を貫いてやってくる長大路線。富山県に入ったところの猪谷駅を境に富山県側がJR西日本、岐阜県側がJR東海の管轄になっている。直通している列車は特急「ひだ」だけだ。

 それでも高山本線が中部地方を南北に貫く大動脈であることは変わらない。おわら風の盆が有名な八尾は高山本線富山県内の沿線の町だ。

 残る2路線は、あいの風とやま鉄道の高岡駅を起点にそれぞれ南北に延びるJR城端(じょうはな)線とJR氷見線である。城端線は、田園地帯の中に住居がぽつんぽつんと点在する“散居村”で知られる砺波平野を南に走る。沿線最大の町である砺波は日本有数のチューリップの町。毎年5月の大型連休中に開かれるとやまチューリップフェアでは300万本もの花が会場のチューリップ公園を彩るという。

 そんな話を聞けば、5月にやってくれば城端線の車窓からもチューリップが見えるのではないかと思うかもしれないがそれは間違い。

 砺波のチューリップは切り花ではなく球根の生産がメインなので、花が咲いてもすぐに刈られてしまうから車窓から眺められるチャンスはほとんどないのだとか。なんとも残念である。

 城端線と反対の氷見線は、高岡市内を抜けて富山湾沿いに出る“海が見える鉄道”。終点の氷見漁港は寒ブリなどで有名で、駅の近くの市場で海の幸に舌鼓は氷見線の定番の楽しみ方。そして雨晴海岸と呼ばれる海沿いを走る区間では、富山湾を経てその向こうに立山連峰が見えるという、これまた絶景中の絶景路線である。

 海越しに山を望める車窓風景は、まさしく日本列島を象徴しているといっていい。もちろんどこでも見られるわけではなく、大きく陸地に食い込んだ海湾沿いを走る氷見線ならではの車窓である。できることなら、天気のいい日に乗りたいものだ。

■「べるもんた」と「ハットリくん」

 高岡駅を介してつながっているといえばつながっている(高岡駅構内で間にあいの風とやま鉄道線を挟むので、直通運転は簡単ではないらしい)城端線と氷見線には、共通して走る列車がある。

 1つは、観光列車「ベル・モンターニュ・エ・メール」。何が言いたいのかよくわからない列車名だが、愛称は“べるもんた”と、急に日本的になってしまう。土休日を中心に運転されて、事前に予約すれば車内で鮨を食べることもできる典型的な観光列車だ。

 もう1つは「忍者ハットリくん列車」。先日亡くなった漫画家の藤子不二雄Ⓐ先生が氷見出身であることにちなんだもので、代表作の『忍者ハットリくん」のラッピングを施した列車が普通列車に充当されて走っている。2004年に初代がデビューし、数度のリニューアルを経て2021年春に新ラッピングがお目見え。いまや定番のラッピング列車となっている。

 こうして富山県の鉄道を乗り尽くしたら、あとはそのままお隣の石川県を目指すばかりである。新幹線に乗れば富山―金沢間はほんの20分ほど。特急券が惜しいと思えば第三セクターのあいの風とやま鉄道で約1時間。どちらを選ぶかはあなた次第である。

鼠入 昌史 :ライター


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板