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新・鉄道綜合スレ

3652チバQ:2021/10/19(火) 09:03:28
■山地にある鉄道の要衝

 津山駅も岡山駅に負けない中国山地の要衝で、津山線のほかに北に延びる因美線・山地を分けて東西を結ぶ姫新線が乗り入れる。因美線はかつて岡山と鳥取方面を結ぶ重要路線だったこともあるが、1994年に智頭急行が開業すると存在感が低下。岡山側は運転本数の少ないローカル線になった。

 智頭急行は高架やトンネルが大半という新幹線のごとくハイスペック路線。特急「スーパーいなば」「スーパーはくと」が行き交う大動脈になっている。

 それに対して岡山県内の因美線は地味に過ぎる存在になってしまった。が、それでも『男はつらいよ』の最終作で寅さんが旅をした美作滝尾駅など、味わい深い駅舎がいまも残っているから訪れる価値は充分だ。

 姫新線はその名のとおり姫路から新見までを結ぶ長大ローカル線。これまた運転本数が少なく旅をするのに一苦労の路線ではあるが、なだらかな山が続く吉備高原らしい光景を車窓から楽しめる。

 姫新線の終点の新見駅も中国山地のターミナル。南北には伯備線が通り、東西には東は姫新線、西は芸備線。いまではほとんど跡形もないが、ここにも津山同様に機関区が置かれていて、蒸気機関車が必死に山越えに挑む手前の休息所でもあった。ちなみに、かつての新見機関区は、下山事件の“犯人”になった蒸気機関車D51があちこちへの異動を経て最後を迎えた場所でもある。

 このように、大動脈も大ターミナルもローカル線も盛りだくさんの岡山県。ほかにも岡山市内には路面電車が走っているし、東に向かえば山側の山陽本線だけでなく海沿いをゆく赤穂線も大きな存在感を放つ。総社駅から県境を越えて広島方面に走る三セク路線・井原鉄道だってある。

 また、岡山市に近いところを走っているローカル線・吉備線。こちらは沿線に吉備津神社・吉備津彦神社・最上稲荷といった有名寺社が目白押し。さらには羽柴秀吉の“水攻め”でおなじみの備中高松城跡も沿線スポットの1つだ。岡山、つまり吉備がかつて中央のヤマト王権にも負けない勢力を誇っていた時代がしのばれる。岡山では古代ロマンの風に吹かれることもできるのだ。

■選択肢がありすぎて迷う? 

 そうして岡山の鉄道を巡り終えたら、次にどこに向かうのか。やはり定跡どおりならば広島方面を目指すのか。いやいや瀬戸大橋を渡って四国か、それとも山陰か。この次の行き先に迷うほどというのも岡山ならではといっていい。こんなに次の選択肢に恵まれている鉄道ネットワークも、他の都道府県ではめったにないのではないか。

 ちなみに筆者の場合はどうしたって四国に向かいたくなる。宇野線の終点、宇野駅はかつての宇高連絡線の接続駅だ。いまはその面影はないけれど、なんとなく港町の雰囲気が漂っている。瀬戸大橋に通じる児島駅は日本で初めて国産デニムを生産した町だとか。

 温暖で過ごしやすい瀬戸内に面する岡山は、どれだけいても楽しいくらいに見どころが多い。倉敷美観地区ももちろんいいですが、それだけで岡山の旅を終えたらあまりにももったいないのです。

鼠入 昌史 :ライター


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